JP2005069321A - 軸受装置及びスピンドル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定したグリース補給を行って良好なグリース潤滑状態を保つことができ、さらには軸受の長寿命を図ることができる軸受装置及びスピンドル装置を提供する。
【解決手段】 グリース潤滑される転がり軸受(10,20)と、前記転がり軸受(10,20)に外嵌されたハウジング(101)と、前記転がり軸受(10,20)の軸受空間にグリースを補給するためのグリース補給機構とを備えた軸受装置であって、前記ハウジング(101)には、前記軸受空間に隣接して前記軸受空間から排出されたグリースを貯蔵する貯蔵空間(36,46)と、前記貯蔵空間(36,46)を外部と連通するグリース排出路(150,151)とが設けられ、
貯蔵されたグリースを前記グリース排出路(150,151)から排出するように、流体を外部から供給するための流体供給機構とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高速回転する工作機械や高速モータの主軸等に用いられる軸受装置およびそれを用いたスピンドル装置に関する。
工作機械主軸用の軸受には、工作精度向上のため、振動、音響等の特性が良好であることが求められる。また、工作機械主軸用の軸受には、取り扱いやすく環境面やコスト面で有利な、グリース潤滑を採用し、かつ、高速回転性、高寿命を達成することが求められている。
工作機械主軸に用いられるグリース潤滑の転がり軸受は、発熱しないように、初期に封入したグリースのみで潤滑されるのが普通である。グリースを封入した初期段階で、グリースの慣らし運転を行わずに高速回転させると、グリースの噛み込みや攪拌抵抗により異常発熱を起こすため、数時間をかけて慣らし運転を行ってグリースを最適な状態にしている。
近年、工作機械主軸の高速化が益々進み、主軸を支持する軸受はdmN(=(軸受内径+軸受外径)÷2×回転速度(rpm))100万以上という環境で使用されることが珍しくなくなっている。オイルエアやオイルミスト等の油潤滑のものと比較すると、グリース潤滑の転がり軸受は高速回転における寿命が短い傾向がある。グリース潤滑の場合、軸受の転がり疲れ寿命よりも前に、グリース劣化により軸受が焼付いてしまう。回転数が著しく高い場合、短時間でグリースが劣化または油膜形成不足により、早期に焼付が発生する。
出願人は、この問題を解決するために、グリース潤滑される転がり軸受であって、外輪に補給孔が設けられ、該補給孔を介して、一回の補給量が軸受空間容積の0.1〜4%となるようにグリースを補給する転がり軸受を提案している(例えば、特許文献1参照。)。この転がり軸受によれば、回転している軸受の異常昇温が抑制され、焼付の発生を防ぐことが可能である。これにより、異常昇温を回避し、慣らし運転を実施しなくてもよい。
また、出願人は、特願2003−70338において、一回の補給量が0.004〜0.1ccとなるようにグリースを補給する転がり軸受を提案している。この転がり軸受によれば、補給した際の温度の脈動を抑制することができ、転がり軸受が適用される工作機械主軸装置の加工精度を高めている。
さらに、出願人は、特願2002−34014において、転がり軸受の軸受空間の側方にグリースを貯蔵するグリース排出用空間を設けた主軸装置を提案している。この主軸装置によれば、古いグリースがグリース排出用空間に移動して、古いグリースが軸受空間に滞留することを防止し、新しいグリースによる軌道面等の潤滑が可能となる。
また、出願人は、特願2003−110788において、補給によって軸受内部に溜まったグリースが軸受の回転によって外部へ排出されやすい間座形状及びハウジング構造を提案している。
特開2003−113846
しかしながら、特願2002−34014に示された主軸装置内のグリース排出用空間には限りがあり、いずれグリースが一杯になってしまう。グリースが貯蔵されすぎると、補給したグリースの排出作業が必要となるばかりでなく、それにより軸受の回転トルクが大きくなり、発熱を生じ、軸受が焼付を起こす可能性がある。
また、特願2003−110788に示された主軸装置は、一度に強制的にグリースを主軸外部へ排出することはできなく、ハウジングに加工されたグリース排出路にグリースが一杯になるまで外部へグリースを排出することはできない。この場合、排出グリースが排出路で詰まると、グリースが外部へ排出されないばかりでなく、グリースを補給することにより軸受内部にグリースが蓄積され続けるため、軸受の回転トルクが大きくなり、発熱が生じ、軸受が焼付を起こす可能性がある。
また、主軸装置内に蓄積されたグリースを取り除くためのメンテナンスを行う場合には、主軸を分解しなくてはならない。このため、主軸を一度回収する必要が生じてしまい、メンテナンスの日数及びコストがかかるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、安定したグリース補給を行って良好なグリース潤滑状態を保つことができ、さらには軸受の長寿命を図ることができる軸受装置及びスピンドル装置を提供することである。
本発明の目的は、下記構成により達成される。
(1)グリース潤滑される転がり軸受と、前記転がり軸受に外嵌されたハウジングと、前記転がり軸受の軸受空間にグリースを補給するためのグリース補給機構とを備えた軸受装置であって、
前記ハウジングには、前記軸受空間に隣接して前記軸受空間から排出されたグリースを貯蔵する貯蔵空間と、前記貯蔵空間を外部と連通するグリース排出路とが設けられ、
貯蔵されたグリースを前記グリース排出路から排出するように、流体を外部から供給するための流体供給機構とを備えたことを特徴とする軸受装置。
(2)前記流体供給機構は、エアを外部から供給して、貯蔵されたグリースを前記グリース排出路から排出することを特徴とする(1)に記載の軸受装置。
(3)前記流体供給機構は、溶剤を外部から供給して、貯蔵されたグリースを前記グリース排出路から排出することを特徴とする(1)に記載の軸受装置。
(4)前記流体供給機構は、前記軸受空間に対して前記貯蔵空間の反対側に配置された外輪間座に形成され、前記流体を前記軸受空間に供給する吐出ノズルを備えることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の軸受装置。
(5)前記グリース補給機構は、前記軸受空間にグリースを補給するグリース補給配管を備え、
前記流体供給機構は、前記グリース補給配管を通じて前記流体を前記軸受空間に供給することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の軸受装置。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の軸受装置によって支持された工作機械用主軸スピンドル装置。
(7)(1)〜(5)のいずれかに記載の軸受装置によって支持された高速モータ用主軸スピンドル装置。
なお、本実施形態におけるグリース補給機構は、グリース補給装置、グリース補給配管、ハウジングに形成されたグリース補給通路、転がり軸受の補給孔によって構成されているが、外部から転がり軸受の軸受空間にグリースを補給するものであれば任意に構成可能である。
また、流体供給機構も外部から流体を供給するものであれば任意に構成可能である。例えば、流体供給機構は、流体供給装置、流体供給配管、ハウジングに形成された流体供給通路、転がり軸受に隣接する外輪間座に形成された吐出ノズルによって構成されてもよく、吐出ノズルの代わりに、外輪間座と内輪間座の間に流体を供給し、微小隙間から軸受空間に流体を供給するようにしてもよい。また、流体供給機構は、グリース補給機構を用いて、流体を供給するようにしてもよい。
本発明によれば、エアあるいは溶剤等の流体を用いて、貯蔵されたグリースをグリース排出路から主軸装置の外部へ排出する。これにより、グリースを取り除く際に主軸装置を分解する必要がなく、メンテナンスが容易になり、コストを抑えることができる。
以下、図面に基づいて本発明に係る軸受装置の第1実施形態を詳細に説明する。
図1は、第1実施形態の軸受装置を用いて構成される工作機械用主軸装置としてのスピンドル装置100を示す断面図であり、図2は、スピンドル装置100の前方に配置された軸受装置を示す拡大断面図であり、図3は、スピンドル装置100の後方に配置された軸受装置を示す、流体供給通路を通過する面に沿った拡大断面図である。なお、図2では、図1の主軸ハウジングは模式的に示されている。
スピンドル装置100は、ハウジングである主軸ハウジング101を外嵌する転がり軸受である一対のアンギュラ玉軸受10,10及び円筒ころ軸受20に軸120を内嵌させ、軸120を主軸ハウジング101内に回転自在に支承する。
図2に示されるように、一対のアンギュラ玉軸受10,10は、外輪間座30,内輪間座31を介して軸方向に間隔を空けてハウジング101内に組み込まれている。アンギュラ玉軸受10は、その内周面に外輪軌道を有する外輪11と、その内周面に内輪軌道を有する内輪12と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に複数配された玉13と、玉13を転動自在に保持する保持器14とを備える。また、外輪11は、径方向に貫通するグリース補給用の補給孔11aが接触点からずれた箇所に形成されている。
円筒ころ軸受20も、図3に示されるように、外輪21と、内輪22と、外輪21の外輪軌道と内輪22の内輪軌道との間に転動自在に複数配された円筒ころ23と、円筒ころ23を転動自在に保持する保持器24とを備え、外輪21に、径方向に貫通するグリース補給用の補給孔21a(図1参照。)が形成されている。
なお、図1の主軸装置は、例示のために異種の軸受を用いているが、同種の軸受のみから構成するようにしてもよし、他の転がり軸受が組み込まれてもよい。
主軸ハウジング101は、ハウジング本体102と、ハウジング本体102の前端(図中左側)に内嵌固定された前側軸受ハウジング103と、ハウジング本体102の後側(図中右側)に内嵌固定された後側ハウジング104とを備える。前側軸受ハウジング103の端部には、外輪押さえ部材105及び内輪押さえ部材106が設けられており、外輪押さえ部材105と内輪押さえ部材106との間には、ラビリンスが形成されている。主軸ハウジング101の後端面は、カバー107によって覆われる。
また、アンギュラ玉軸受10,10は前側軸受ハウジング103に内嵌固定されており、円筒ころ軸受20は後側軸受ハウジング104に内嵌固定されている。
軸120の軸方向の略中央部には、ロータ121が外嵌固定されている。ロータ121の外周面側には、ステータ108が所定距離離れて同軸配置されている。ステータ108は、ステータ108の外周面側に配置されたステータ固定部材109を介してハウジング本体102に固定されている。ハウジング本体102とステータ固定部材109との間には、軸120の周方向に沿う方向に複数の溝110が形成されている。この複数の溝110内には、ステータ108の冷却用の冷媒が流される。
同様に、ハウジング本体102と前側軸受ハウジング103との間であって、アンギュラ玉軸受10の外周側にあたる部位には、ハウジングおよび軸受冷却用の冷媒が流される複数の溝111が形成されている。
この主軸ハウジング101の後端面には、軸受10,10,20のそれぞれにグリース供給を行うため3個のグリース供給口132が周方向に沿って開口している(図1には一つのみ図示)。これらの3つのグリース供給口132は、ハウジング本体102、前側軸受ハウジング103及び後側軸受ハウジング104内に形成された、各軸受10,10,20毎のグリース供給路133a,133b,133cにそれぞれ連通している(図1では、便宜上、各グリース供給路133a,133b,133cを同一断面に図示している)。これにより、本実施形態のスピンドル装置100は、外部に設けられたグリース補給装置130からグリース補給配管131を介して主軸ハウジング101内にグリース供給可能に構成されている。
グリース供給路133aは、単列円筒ころ軸受20の外輪側に対応して形成された開口136に連通しており、グリース供給路133bは、前側(図左側)に配置されたアンギュラ玉軸受10の外輪側に対応して形成された開口134に連通しており、またグリース供給路133cは、後側(図中央)に配置されたアンギュラ玉軸受10の外輪側に対応して形成された開口135に連通している。これにより、グリース補給装置130から供給されたグリースは、各軸受10,10,20の外輪側まで独立に供給される。開口134,135,136は、補給孔11a,11a,21aに連通しており、グリースは補給孔11a,11a,21aを介して軸受空間内部に独立に供給される。
また、前側軸受ハウジング103と軸120間で、一対のアンギュラ玉軸受10,10が外輪間座30、内輪間座31に対向する側と反対側(カウンタボア側)には、外輪間座34,内輪間座35が配置されており、アンギュラ玉軸受10に隣接し、外輪間座34と内輪間座35が対向する部分には、軸受空間と連通する貯蔵空間36が設けられる。また、外輪間座30の軸方向両端部には、環状の流体供給孔32,32と、流体供給孔32,32から軸受空間に向けて周方向に複数形成された流体吐出ノズル33,33とが形成される。
後側軸受ハウジング104と軸120との間に配置された円筒ころ軸受20の軸方向両側には、外輪間座40,44と内輪間座41,45が設けられている。外輪間座41には、環状の流体供給孔42と、流体供給孔42から軸受空間に向けて周方向に複数形成された流体吐出ノズル43とが形成される。また、外輪間座44と内輪間座45が対向する部分には、軸受空間と連通する貯蔵空間46が設けられている。
ハウジング本体102及び前側軸受ハウジング103には、外輪間座30、40に形成された流体供給孔32,32,42と連通する流体供給路140,141,142が形成されており、流体供給路140,141,142は、それぞれの流体供給配管145(図1では、1つのみ図示)を介して、図示しない流体供給装置に接続される。流体供給装置から供給される流体であるエアは、各流体供給配管145、流体供給路140,141,142、流体供給孔32,32,42、流体吐出ノズル33,33,43を介して、軸受空間に流入する。
また、前側軸受ハウジング103、後側軸受ハウジング104の下方には、外輪間座34,44に形成された排出孔37,47を介して貯蔵空間36,46と連通するグリース排出路150,151が形成されている。
従って、グリース補給装置130は、適宜なタイミングで(間欠的または定期的に)、所定の補給量で各軸受10,10,20にグリースショットを行い、各軸受10,10,20の軸受空間内にグリースを補給する。補給されたグリースは、軸受内部の玉13や円筒ころ23の転動に伴い、軸受内部全体に馴染み、不足したグリースを補う。
また、グリース補給装置130からのグリースが順次補給され、グリースの補給回数が増加すると、軸受空間にグリースが蓄積される。新しいグリースが補給されると、既に軸受空間内に封入されていた古いグリースが貯蔵空間36,46へと移動して、新しいグリースによる軌道面等の潤滑が行われる。
さらに、エアが流体吐出ノズル33,33,43から各軸受10,10,20の軸受空間内に定期的に噴射されることで、軸受空間及び貯蔵空間36,46内にエアの流れを発生させると共に、軸受空間及び貯蔵空間36,46内の圧力を増加させる。これにより、軸受空間及び貯蔵空間36,46内のグリースが、グリース排出路150,151へ送られ、グリース排出路150,151の外周側開口152から装置外に排出される。また、吐出ノズル33,43によりエアを直接軸受空間に供給しているので、軸受空間及び貯蔵空間36,46内の圧力の増加によるグリースの排出と共に、エア圧によってもグリースが排出される。
上述したように、本実施形態によれば、エアを外部から供給して、軸受空間、貯蔵空間36,46に貯蔵されたグリースをグリース排出路150,151から排出する。これにより、新たに補給されたグリースは軸受空間に蓄積されると共に、古いグリースは貯蔵空間36,46へと移動し、貯蔵空間36,46内の古いグリースはエアの供給によって順次グリース排出路150,151から排出される。従って、軸受装置のメンテナンスが容易となり、メンテナンスコストも抑えることができる。
次に、図4,5を参照して、本発明の第2実施形態に係る軸受装置について詳細に説明する。なお、第2実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
図4に示されるように、一対のアンギュラ玉軸受10,10間には、外輪間座50、内輪間座51が配置されている。外輪間座50は、図5(a)に示されるように、軸方向中間部に設けられた環状の流体供給孔52と、流体供給孔52から軸受に向けて延びる流体吐出ノズル53,53が形成されており、流体吐出ノズル53,53は、図5(b)に示されるように、周方向に複数設けられている。また、ハウジング本体102と前側軸受ハウジング103には、流体供給通路143が形成されており、外部に設けられた図示しない流体供給装置から供給されたエアを流体供給孔52へ送り込む。
その他の構成・作用については、第1実施形態と同様である。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様、エアを外部から供給して、軸受空間、貯蔵空間36に貯蔵されたグリースをグリース排出路150から排出する。これにより、新たに補給されたグリースは軸受空間に蓄積されると共に、古いグリースは貯蔵空間36へと移動し、貯蔵空間36内の古いグリースはエアの供給によって順次グリース排出路150から排出される。従って、軸受装置のメンテナンスが容易となり、メンテナンスコストも抑えることができる。
また、本実施形態のように、一対のアンギュラ玉軸受10,10が近接配置される場合には、軸方向中間部から左右方向に延びる流体吐出ノズル53,53を備えた外輪間座50を設けることで、一本の流体供給通路143を用いて、一対のアンギュラ玉軸受10,10に同時にエアを供給することができ、流体供給のための配管構成を簡潔にすることができる。
次に、図6を参照して、本発明の第3実施形態に係る軸受装置について詳細に説明する。なお、第3実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
図6に示されるように、一対のアンギュラ玉軸受10,10間には、外輪間座60、内輪間座61が配置されている。外輪間座60には、軸方向中間部に流体供給孔62が設けられると共に、内輪間座61には、流体供給孔62と対向する位置に環状溝63が形成されている。また、ハウジング本体102と前側軸受ハウジング103には、流体供給通路144が形成されており、外部に設けられた図示しない流体供給装置から供給されたエアが流体供給通路144を介して流体供給孔62へ送り込まれる。
その他の構成・作用については、第1実施形態と同様である。
上記構成によれば、外部から供給されたエアは、直接軸受に突き当てられずに、一度、外輪間座60と内輪間座61の環状溝63間の空間内に充填された後、圧力の増加に伴って外輪間座60と内輪間座61の微小隙間から一対のアンギュラ玉軸受10,10の軸受空間へ供給される。また、軸受空間へ供給されたエアは、軸受空間及び貯蔵空間36内の圧力を増加させる。これにより、軸受空間及び貯蔵空間36内のグリースが、グリース排出路150へ送られ、グリース排出路150から装置外に排出される。
これにより、流体吐出ノズルを構成しない本実施形態においても、第1実施形態と同様に、新たに補給されたグリースは軸受空間に蓄積されると共に、古いグリースは貯蔵空間36へと移動し、貯蔵空間36内の古いグリースはエアの供給によって順次グリース排出路150から排出される。従って、軸受装置のメンテナンスが容易となり、メンテナンスコストも抑えることができる。また、一本の流体供給通路144を用いて、一対のアンギュラ玉軸受10,10に同時にエアを供給することができ、流体供給のための配管構成を簡潔にすることができる。
なお、上記構成の軸受装置は、後側軸受ハウジング104に設けられた円筒ころ軸受20の軸受装置にも適用可能である。
次に、図7を参照して、本発明の第4実施形態に係る軸受装置について詳細に説明する。なお、第4実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
図7に示されるように、グリース補給機構は、グリースとエアをそれぞれ補給することができるグリース/エア補給装置160とし、グリース補給管路131、グリース供給路133b,133c、補給孔11a,11aを使用してエアをアンギュラ玉軸受10,10の軸受空間に補給する。また、一対のアンギュラ玉軸受10,10間には、外輪間座70、内輪間座71が配置されているが、外輪間座70には流体供給孔を設ける必要はない。
その他の構成・作用については、第1実施形態と同様である。
本実施形態によれば、グリース補給装置130の代わりにグリース/エア補給装置160を用いてグリース補給機構を構成すると共に、流体供給機構は、グリース/エア供給装置160からエアを供給し、グリース補給機構の構成を用いて軸受空間に直接エアを供給できるように構成している。
これにより、流体吐出ノズルや流体吐出通路を構成せずに、第1実施形態と同様、新たに補給されたグリースは軸受空間に蓄積されると共に、古いグリースは貯蔵空間へと移動し、貯蔵空間内の古いグリースはエアの供給によって順次グリース排出路から排出される。従って、軸受装置のメンテナンスが容易となり、メンテナンスコストも抑えることができる。
また、エアをグリース補給機構を介して供給するようにしたので、グリース/エア補給装置以外に別途流体供給機構を設ける必要がなく、流体供給のための配管構成を不要とし、また、外輪間座70の加工を簡潔にすることができる。
なお、グリース/流体補給装置160がグリース及びエアを供給する位置は、グリース補給孔11aの代わりに、外輪間座70に供給孔及び吐出ノズルを設けて、グリース及びエアを軸方向側方から軸受空間に供給するようにしてもよい。
また、上記構成の軸受装置は、後側軸受ハウジング104に設けられた円筒ころ軸受20の軸受装置にも適用可能である。
ここで、図4に示された第2実施形態における軸受装置を用いたスピンドル装置において、以下の試験条件の下、エアの供給を行う場合(装置1)と行わない場合(装置2)とで、評価試験を行った。また、装置1において、エアの供給は定期的に行われた。試験結果を表1に示す。
<試験条件>
・使用軸受:65BNR10XTDB(内輪内径65mm、外輪外径100mm、幅18mmのアンギュラ玉軸受背面組み合わせ)
・一回のグリース補給量:0.02cc/軸受
・グリース補給間隔:6h
・回転速度:22000min−1(dmN=180万)
Figure 2005069321
表1の試験結果から、エアの供給を行った装置1では、1500時間経過後もスピンドル装置に異常を発生しなかった。一方、エアの供給を行わない装置2では、回転トルクが増加して軸受温度が上昇したため、試験を中止した。これにより、エアの供給を定期的に行いながらグリースを安定して補給することにより良好なグリース潤滑状態を保つことができることが確認された。
なお、本発明は、以上に説明した各実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
上記実施形態では、流体としてエアが供給されたが、エアの代わりに溶剤を供給してグリースの排出を行ってもよい。溶剤は、洗浄液やオイル、またはそれらを併用したものが用いられる。
溶剤を用いたメンテナンスの際には、軸を回転させて行うほうがより効果的である。この場合、溶剤供給時に軸受が焼きつかない程度の回転数で軸を回転させ、溶剤を軸受空間へ供給することにより軸受空間や貯蔵空間に蓄積されたグリースを排出する。これにより、溶剤を供給した場合も、エアを供給した場合と同様の効果が得られる。
また、図1に示されたスピンドル装置では、流体は周方向外部から主軸ハウジング内に供給されているが、グリース補給配管のように軸方向から供給しても同様の結果が得られる。
さらに、グリースを補給するタイミングは、スピンドルの停止時であっても回転時であってもどちらでもよい。
また、上記実施形態では、本発明の軸受装置が工作機械用主軸スピンドルを支持するスピンドル装置について説明したが、軸受装置が高速モータ用主軸スピンドルを支持するスピンドル装置についても適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る軸受装置を用いて構成されるスピンドル装置を示す断面図である。 スピンドル装置の前方に配置された軸受装置を示す拡大断面図である。 スピンドル装置の後方に配置された軸受装置を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る軸受装置を示す断面図である。 図4の外輪間座を示す図であり、(a)はその断面図で、(b)はその側面図である。 本発明の第3実施形態に係る軸受装置を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る軸受装置を示す断面図である。
符号の説明
10 アンギュラ玉軸受(転がり軸受)
11 外輪
12 内輪
13 玉(転動体)
14 保持器
11a 補給孔(グリース補給機構)
20 円筒ころ軸受(転がり軸受)
21 外輪
22 内輪
23 円筒ころ(転動体)
24 保持器
21a 補給孔(グリース補給機構)
33,43,53 流体吐出ノズル
36,46 貯蔵空間
100 スピンドル装置
101 主軸ハウジング(ハウジング)
120 軸
130 グリース補給装置(グリース補給機構)
131 グリース補給配管(グリース補給機構)
133a,133b,133c グリース補給路(グリース補給機構)
140,141,142 流体供給通路
150,151 グリース排出路

Claims (7)

  1. グリース潤滑される転がり軸受と、前記転がり軸受に外嵌されたハウジングと、前記転がり軸受の軸受空間にグリースを補給するためのグリース補給機構とを備えた軸受装置であって、
    前記ハウジングには、前記軸受空間に隣接して前記軸受空間から排出されたグリースを貯蔵する貯蔵空間と、前記貯蔵空間を外部と連通するグリース排出路とが設けられ、
    貯蔵されたグリースを前記グリース排出路から排出するように、流体を外部から供給するための流体供給機構とを備えたことを特徴とする軸受装置。
  2. 前記流体供給機構は、エアを外部から供給して、貯蔵されたグリースを前記グリース排出路から排出することを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記流体供給機構は、溶剤を外部から供給して、貯蔵されたグリースを前記グリース排出路から排出することを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  4. 前記流体供給機構は、前記軸受空間に対して前記貯蔵空間の反対側に配置された外輪間座に形成され、前記流体を前記軸受空間に供給する吐出ノズルを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軸受装置。
  5. 前記グリース補給機構は、前記軸受空間にグリースを補給するグリース補給配管を備え、
    前記流体供給機構は、前記グリース補給配管を通じて前記流体を前記軸受空間に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軸受装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の軸受装置によって支持された工作機械用主軸スピンドル装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の軸受装置によって支持された高速モータ用主軸スピンドル装置。
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