JP4051563B2 - スピンドル装置,工作機械主軸用スピンドルおよび高速モータ用スピンドル - Google Patents

スピンドル装置,工作機械主軸用スピンドルおよび高速モータ用スピンドル Download PDF

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Description

本発明は高速回転するモータ内蔵形グリース供給スピンドルおよびそれを用いた工作機械用主軸装置に関する。
一般に工作機械おいては、主軸ヘッド部の小型化、主軸慣性力の低下や高速化、主軸部の振動や騒音の軽減を目的として、モータ内蔵系、所謂ビルトイン形のモータを有した主軸装置が使用されている。
一般に工作機械用の主軸は、剛性を必要とするためアンギュラ玉軸受では、予め予圧荷重を負荷させて使用する定位置予圧方式の構造が採用される。円筒ころ軸受では組込み時のラジアル隙間を−5〜+5μm程度で管理するのが通常である。
現状は組合せアンギュラ玉軸受を定位置予圧で構成したり、円筒ころ軸受でグリースの高速回転は寿命的な問題からdmn120万〜130万(dm:転動体のピッチ円径、N:回転速度)が限界となっている。
しかし、この回転数の領域でも寿命20000時間以上確保することは困難で、一般的にはオイルエア潤滑やオイルミスト潤滑が多く採用されている。要するに、グリース寿命の信頼性がないため、より安全で確実な潤滑方式が採用されている。
また、本発明の出願人はグリースの長寿命化が可能な技術を既に提案した(特許文献1,2参照)。
特開2003-113846号公報 特願2003-070338号公報
しかしながら、グリースは高速回転になってくると、化学劣化(温度による酸化劣化)と物理劣化が進み早期寿命となってしまう。物理劣化の原因としては、遠心力による基油の分離、運転時の転動体によるグリースせん断による性状変化があげられる。
特開2000-288870号公報で提案された技術でも、コンタミネーションを管理してもグリースの寿命には限りがあるため、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑と同様な長寿命は得られない。
工作機械も近年、環境面の問題、例えば潤滑油がミスト状態となりスピンドル外部へ漏れたり、オイルエア潤滑、オイルミスト潤滑の風切り音による騒音等の問題が問われるようになり、グリース潤滑での高速化が望まれている。
また、出願人が既に提案した上記特許文献1,2の技術では、グリースの長寿命化が可能であるが、冷却を行なわない場合には、dmn180万レベルで外輪昇温が70〜80℃になってしまい、グリースの酸化劣化や油膜形成不足により焼付きに至る虞れがあった。
高速回転用のグリースは、発熱を抑えるために基油の粘度はVG22相当が使われることが多い。工作機械主軸用としては、高速回転の場合NOKクリューバー社製のイソフレックスNBU15が一般的に使用されている。このグリースは基油粘度20mm2/s(40℃)である。軸受温度が70〜80℃になった場合、基油の動粘度は6mm〜8mm2/sとなり、油膜を確保することが困難となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、グリースを使用した場合に、高速回転が可能であると共に、長寿命化が可能なスピンドル装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明は下記の構成とした。
(1)ハウジング内に、転がり軸受と、前記転がり軸受に回転可能に軸支された主軸と、前記主軸を駆動するモータとが収容され、グリースで潤滑された前記転がり軸受が、転動体のピッチ円径dmと回転速度nとの積が120万以上で回転するスピンドル装置であって、前記ハウジングの外部に設けられ、回転中の主軸を軸支する前記転がり軸受の軸受空間に、一回の補給量が0.004cc〜0.1ccのグリースを適宜なタイミングで補給するグリース補給手段と、前記ハウジングに形成された冷却通路に冷却液を供給して、少なくとも、前記転がり軸受の前記ハウジングに固定された外輪と、前記モータの前記ハウジングに固定されたステータと、を冷却する冷却手段と、を備えることを特徴とするスピンドル装置。
(2)前記冷却手段が、前記冷却液を前記主軸内部に供給し、かつ、前記冷却液を前記主軸の長手方向に沿って流通させることにより前記主軸を冷却することを特徴とする(1)に記載のスピンドル装置。
(3)前記冷却手段から供給された前記冷却液を回収する冷却液回収手段を有することを特徴とする(1)または(2)に記載のスピンドル装置。
(4)上記(1)〜(3)のうちのいずれかに記載したスピンドル装置を用いた工作機械主軸用スピンドル。
(5)上記(1)〜(3)のうちのいずれかに記載したスピンドル装置を用いた高速モータ用スピンドル。
dmn120万をこえるような領域では、ステータの冷却のみでなく軸受部の冷却も同時に行なわないと、軸受部の発熱が大きく温度が高くなりグリースが早期に劣化するが、(1)の構成によれば、冷却を施すことによりグリースの寿命を延長することができ、さらに油膜も確実に形成することが可能となる。
また、外部からグリースを供給するため常に新しいグリースで運転が継続できるため、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑と同様に長寿命化が可能である。更に、グリース潤滑であるため環境面でも効果があり潤滑油の噴霧状態化を抑制でき、作業環境が改善される。
また、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑での風切り音が抑制されるため、騒音レベルを押えることもできる。
温度のみでなく運転時の予圧荷重が大きすぎると、油膜形成不足によりグリース寿命の前に焼付きに至ることがあるため、上記(2)(3)の構成では、主軸内冷却を同時に行い、転がり軸受の内・外輪の温度差を抑制し予圧増大を防ぐので、さらに効果があがる。
また、主軸内部も冷却することにより、軸受の内・外輪温度差を抑制することができ、アンギュラ玉軸受の場合(定位置予圧)予圧荷重増加を抑制できる。
また、円筒ころ軸受の場合、ラジアル予圧(負のすきま)を抑制できグリース潤滑での早期焼付きを防ぐ事ができる。
更に、スピンドル全体の温度を下げることができ、グリース潤滑での長寿命化で絶大な効果が得られる。
以上のように、本発明によれば、グリース潤滑でグリースを供給し、ステータ、主軸、転がり軸受を冷却する場合、安定した運転が可能となり高速回転での長寿命化が達成できる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のスピンドル装置1を示す図である。このスピンドル装置1は、スピンドル10と、グリース供給装置17と、冷却液供給源18と、清浄空気供給源45とを備えている。
スピンドル10は、図2に示すように、複数の転がり軸受11〜14を外嵌するハウジング15と、上記の転がり軸受11〜14に軸通される主軸16とを備えている。
また、スピンドル10は、上記主軸16に設けられたロータ20およびこのロータ20に対向するように、ハウジング15aの内周面に設けられたステータ21を備えている。
上記のハウジング15aには、ステータ21と対向するステータ冷却用溝22と、ハウジング15cには転がり軸受11〜14と対向する軸受冷却用溝23が形成されている。
また、ハウジング15cには、軸心冷却液回収穴26、清浄空気供給穴27、グリース排出用穴28が形成されている。主軸16には、その中心軸線方向に伸びる冷却通路29、30が設けられている。なお、図2中の符号31は外輪押し蓋である。
上記のグリース供給装置17から送出されたグリースは、ハウジング15a、15cに設けられたグリース通路41、24を経て各転がり軸受11〜14に供給される。
また、冷却液供給源18から送出された冷却液は、主軸16の冷却通路30に供給される。この冷却液供給源18から送出された冷却液は、ハウジング15に設けられたステータ冷却用溝22にも供給される。
図1に示すように、冷却液供給源18からハウジング15および主軸16に供給された冷却液は、冷却液供給源18に回収される。
また、清浄空気供給源45から送出された清浄空気は、スピンドル10のハウジング15c(図2参照)とグリース供給装置17に供給される。
このスピンドル装置1は、冷却液供給源18から送出された冷却液によって、スピンドル10のステータ21が冷却される。また、この冷却液によって、転がり軸受11〜14が冷却される。
更に、このスピンドル装置1は、冷却液が主軸16内部の冷却通路30に供給され、かつ、冷却液が主軸16の長手方向に沿って流通され、冷却通路29にも供給されるので、主軸16も冷却される。
このスピンドル装置1によれば、dmn120万を超えるような領域では、ステータ21の冷却のみでなく、転がり軸受11〜14の冷却も同時に行なわれるので、転がり軸受11〜14の発熱が大きくても、転がり軸受11〜14が冷却され、グリースの寿命を延長することができ、さらに油膜も確実に形成することが可能となる。
また、外部からグリースを供給するため常に新しいグリースで運転が継続できるため、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑と同様に長寿命化が可能である。更に、グリース潤滑であるため環境面でも効果があり潤滑油の噴霧状態化を抑制でき、作業環境が改善される。
また、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑での風切り音が抑制されるため、騒音レベルを押えることもできる。
更に、温度のみでなく運転時の予圧荷重が大きすぎると、油膜形成不足によりグリース寿命の前に焼付きに至ることがあるが、本発明のスピンドル装置1は、主軸16の冷却を同時に行うので、転がり軸受11〜14の内・外輪の温度差を抑制することができる。従って、転がり軸受11〜14として、アンギュラ玉軸受を使用した場合(定位置予圧)、予圧荷重増加を抑制できるので、さらに効果があがる。
転がり軸受11〜14として、円筒ころ軸受を使用した場合には、ラジアル予圧(負のすきま)を抑制でき、グリース潤滑での早期焼付きを防ぐ事ができる。更に、グリース潤滑での長寿命化で絶大な効果が得られる。
(第2実施形態)
図3は、本発明に係る第2実施形態のスピンドル装置2を示す。なお、以下の説明では、上記のスピンドル装置1(図1,2参照)と同一の部分には、同一の符号をつけて詳細な説明を省略した。
このスピンドル装置2は、主軸16の冷却通路30に冷却液を供給する第1の冷却液供給源18aと、ハウジング15のステータ冷却用溝22、軸受冷却用溝23に冷却液を供給する第2の冷却液供給源18bとを備えている。
冷却通路30から排出された冷却液は、第1の冷却液供給源18aに回収され、ステータ冷却用溝22、軸受冷却用溝23から排出された冷却液は、第2の冷却液供給源18bに回収される。
このスピンドル装置2は、主軸16とステータ21の冷却液温度管理を別々に行うことができ、軸受の内軸と外軸の温度差をさらに抑制することが可能となる。すなわち、冷却液供給源18aの冷却液温度を冷却液源18bの冷却液温度よりも低く設定することにより、主軸16の温度を低くすることができ、軸受の予圧荷重増加を抑制できるので、さらに効果があがる。
(第3実施形態)
図4は、本発明に係る第3実施形態のスピンドル装置3を示す。このスピンドル装置3は、冷却液供給源18から供給された冷却液が、主軸16の冷却通路30、29を通過した後、軸受冷却用溝23、ステータ冷却用溝22に供給される。
ステータ冷却用溝22から排出された冷却液は、冷却液供給源18に回収される。
なお、上記スピンドル装置1,2,3は、工作機械主軸用スピンドル、高速モータ用スピンドルに好適である。
(第4実施形態)
図5は、本発明に係る第4実施形態のスピンドル装置4を示す。このスピンドル装置4は、冷却液供給源18から供給された冷却液が、軸側およびハウジング側に供給される。
また、軸側に供給された冷却液は軸から回収され、ハウジング側に供給された冷却液はハウジングから回収される。また、グリース補給装置もエア駆動でなく機械式なものでもよく、清浄な空気供給源がなくてもよい。
(第5実施形態)
図6は、本発明に係る第5実施形態のスピンドル装置5を示す。このスピンドル装置5は、2個の冷却液供給源18a,18bが設けられている。そして、これらの冷却液供給源18a,18bの温度管理が別々に行われる。これ以外は、図5のスピンドル装置4と同一である。
(第6実施形態)
図7は、本発明に係る工作機械用主軸装置としてのスピンドル装置160を示す図である。このスピンドル装置160は、主軸ハウジング161内に外輪溝付きタイプのアンギュラ玉軸受100及び補給孔片側1本の円筒ころ軸受110を用いて主軸171を支持している。なお、図7の主軸装置は、例示のために異種の軸受を用いているが、同種の軸受のみから構成するようにしてもよい。
主軸ハウジング161は、ハウジング本体162と、ハウジング本体162の前端(図中左側)に内嵌固定された前側軸受ハウジング163と、ハウジング本体162の後側(図中右側)に内嵌固定された後側ハウジング164とを備えている。前側軸受ハウジング163の端部には、外輪押さえ部材165及び内輪押さえ部材166が設けられており、外輪押さえ部材165と内輪押さえ部材166との間には、ラビリンスが形成されている。主軸ハウジング161の後端面は、カバー170によって覆われている。
主軸171は、前側軸受ハウジング163に外嵌する2つの転がり軸受100,100と、後側軸受ハウジング164に外嵌する1つの円筒ころ軸受110に内嵌することにより、主軸ハウジング161によって回転自在に支承されている。2つの転がり軸受100,100の外輪間には、外輪間座180が配置されており、また内輪間には、内輪間座176が配置されている。
主軸171の軸方向の略中央部には、ロータ186が外嵌固定されている。ロータ186の外周面側には、ステータ187が所定距離離れて同軸配置されている。ステータ187は、ステータ187の外周面側に配置されたステータ固定部材188を介してハウジング本体162に固定されている。ハウジング本体162とステータ固定部材188との間には、主軸171の周方向に沿う方向に複数の溝178が形成されている。この複数の溝178内には、ステータ187の冷却用の冷媒が流される。
同様に、ハウジング本体162と前側軸受ハウジング163との間であって、アンギュラ玉軸受100の外周側にあたる部位には、ハウジングおよび軸受冷却用の冷媒が流される複数の溝177が形成されている。
この主軸ハウジング161の後端面には、軸受100,100,110のそれぞれにグリース供給を行うためのグリースが供給される3個のグリース供給口192が周方向に沿って開口している(図7には一つのみ図示)。これらの3つのグリース供給口192は、ハウジング本体162、前側軸受ハウジング163及び後側軸受ハウジング164内に形成されたグリース供給路193a,193b,193cにそれぞれ連通している(図7では、便宜上、各グリース供給路193a,193b,193cを同一断面に図示している)。これにより、本実施形態のスピンドル装置160は、外部に設けられたグリース供給装置190からグリース供給管191を介して主軸ハウジング161内にグリース供給可能に構成されている。
グリース供給路193aは、単列円筒ころ軸受110の外輪側に対応して形成された開口196に連通しており、グリース供給路193bは、前側(図左側)に配置されたアンギュラ玉軸受100の外輪側に対応して形成された開口194に連通しており、またグリース供給路193cは、後側(図中央)に配置されたアンギュラ玉軸受100の外輪側に対応して形成された開口195に連通している。これにより、グリース供給装置190から供給されたグリースは、各軸受10,10,100の外輪側まで独立に供給される。開口194,195,196は、補給孔に連通しており、グリースは補給孔を介して軸受空間内部に独立に供給される。
グリース供給装置190は、各軸受100,100,110に対して独立にグリース供給可能に構成されている。すなわち、グリース補給器190は、適宜なタイミングで(間欠的または定期的に)、一回の補給量が0.004cc〜0.1ccとなるように各軸受100,100,110毎にグリースショットする。補給されたグリースは、軸受10内部の玉及び軸受110内部のころの転動に伴い、軸受100及び110内部全体に馴染み、不足したグリースを補う。ここで、アンギュラ玉軸受の場合には、一回のグリース補給量が0.01cc〜0.03ccであることが好ましく、また円筒ころ軸受の場合には、一回のグリース補給量が0.005cc〜0.02ccであることが好ましい。以上に示す範囲内のグリースショットを行うことで、グリースの劣化または油膜形成不足による異常昇温の発生および軸受の破損を防止するとともに、グリース補給時の温度の脈動を抑制し、各軸受100,100,110が取り付けられるスピンドル装置の軸精度の劣化を防ぐことができる。
(実施例および比較例)
グリース供給スピンドルにおける最適な仕様を確立すべく、以下の検証を行うための要素試験を実施した。
(1)グリースの量による耐久寿命を検証
(2)運転時軸受温度による耐久寿命を検証
(3)運転時予圧荷重と耐久寿命を検証
(4)一回の補給量を検証
上記要素試験(1)、(2)、(3)で、焼き付きまでの経過時間を測定することにより、供給量、温度、予圧荷重を検証する。
試験条件は以下の通りである。
試験軸受:NSK製軸受65BNR10HTDB P4相当(7013相当の高速タイプ軸受)
回転速度:22000min-1
潤滑:MTEグリース(NSK製)
予圧形式:定圧予圧
駆動方式:ベルト駆動
試験構造:図8に示す試験機40を使用した。
(1)グリースの量による耐久寿命
試験条件および試験結果を図9,図10に示す。
試験条件における定圧予圧荷重は、定位置予圧組込時KA(アキシアルばね定数)=125N/μm相当における22000min-1での運転時予圧荷重とほぼ等しい。
また、冷却条件は実機における設定温度とほぼ等しい。
試験の結果から、そのばらつきを見越した安全も考慮し、グリース封入量から推定される耐久時間を以下のように定義する。
初期グリース封入量1%・・・20hr以下
初期グリース封入量5%・・・100hr以下
初期グリース封入量15%・・・250hr以下
また、5%以下の封入量においては、封入量−耐久時間において、一次の比例
関係が制すると仮定する。
(2)運転時軸受温度による耐久寿命
試験条件および試験結果を図11,図12に示す。
試験条件における定圧予圧荷重は、それぞれ、定位置予圧組込時KA=125N/μm相当における22000min-1での運転時予庄荷重とほぼ等しい。
グリース封入量1%として試験時間を短縮した。
試験の結果から、そのばらつきを見越した安全も考慮し、グリース封入量1%、運転時予圧荷重1870Nにおける冷却条件と、22000min-1での耐久時間を以下の様に定義する。
軸受温度60℃以上・・・10hr以下
軸受温度40〜60℃・・・20hr以下
軸受温度30〜40℃・・・50hr以下
(3)運転時予圧荷重と耐久寿命
試験条件および試験結果を図13,14に示す。回転数22000min-1、グリース封入量5%、冷却条件は実機における設定温度とほぼ等しい。試験の結果から、そのばらつきを見越した安全も考慮し、
運転時予圧荷重 1870N・・・100hr以下
2200N・・・50hr以下
2600N・・・40hr以下
3000N・・・20hr以下
要素試験の結果よりグリースの量、温度、予圧荷重が耐久寿命に大きく影響することがわかる。高速回転で安定した性能を保つためには軸受温度を低く保ち、運転時の予圧荷重を抑えることが重要である。本発明が有効であることが確認できる。
(4)一回の補給量を検証
次にグリースの一回当たりの最適供給量を求めるため、図15に示した形態の円筒ころ軸受80を用いて、次の実験を行った。この円筒ころ軸受80は、内輪81、外輪82、内輪81の内輪軌道81aと外輪82の外輪軌道82aとの間に複数配置された円筒ころ83及び外輪案内の保持器84を備えている。また、保持器84は、外輪82の外輪軌道82aが案内しており、外輪案内形式となっている。
そして、この円筒ころ軸受80は、内径95mm、外径145mm、ころ径11mm、ころ長さ11mm、ころ数27個、軸受空間容積31cm3で、外輪軌道に浸炭窒化処理を施した円筒ころ軸受を用い、グリース(イソフレックスNBU15:NOKクリューバー(株)製)を初期封入量として軸受空間容積の10%充填し、慣らし運転を行った。慣らし運転後の9000min-1での外輪温度は35℃であった。その後、イソフレックスNBU15を供給量を変えて供給した後、0から9000min-1に2秒で立ち上げて、外輪温度を測定する実験を5回(n1〜n5)行った。尚、供給孔は、図16(a)に示すように1箇所に設けた。実験結果を表1に示す。
Figure 0004051563
表1中、◎は外輪温度が40℃以下であったことを示し、○は外輪温度が40℃を超え50℃以下であったことを示し、△は外輪温度が50℃を超え60℃以下であったことを示し、×は外輪温度が60℃を越えたことを示す。
また、図16(b)に示すように、対向する2箇所(180°離れた位置)に供給孔からグリースGを供給して同様の実験を行った。実験結果を表2に示す。
Figure 0004051563
更に、図16(c)に示すように、ころところの間全てに設けられた供給孔からグリースGを供給して同様の実験を行った。実験結果を表3に示す。
Figure 0004051563
表1〜表3からわかるように、2%以下では、供給後の回転で異常昇温は見られなかった。また、4%では、供給箇所を増やすことにより異常昇温を顕著に抑えることができた。即ち、同じ量を供給するにしても、外輪の円周方向に間隔をあけた複数箇所に設けた供給孔からグリースをショットする方が、異常昇温を抑制できることがわかった。一方、4%を越えると、グリースの供給箇所を増やしても、温度にバラツキが出て、安定しない状態であった。
上記の実験から、グリースの一回当たりの供給量は、軸受空間容積の4%以下が好ましいといえる。但し、グリースの供給に同期して一時的に軸受温度が上昇(脈動)する傾向にあり、円筒ころ軸受は他の軸受、例えばアンギュラ玉軸受よりも温度の脈動が顕著に起こりやすい。この温度の脈動は、精度を要求されない通常の使用時には問題とはならないが、金型用途向けの工作機械等、精度が厳しく要求される装置の主軸に用いられる転がり軸受においては、この温度の脈動により軸の長さが変化してしまい、加工精度に影響を及ぼしてしまうおそれがある。そこで、グリースの供給量を減じて、この温度の脈動を抑えることが好ましい。具体的には、一回当たりの供給量を0.004cc〜0.1cc、好ましくは円筒ころ軸受の場合は0.005cc〜0.02cc、アンギュラ玉軸受の場合は0.01cc〜0.03ccとすることで、温度の脈動も抑制することができ、転がり軸受が適用される工作機械主軸装置の加工精度を高いレベルに保つことが可能となる。軸受は、他の玉軸受、ころ軸受であっても良い。
本発明の第1実施形態を示す模式図である。 本発明の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態を示す図である。 本発明の第3実施形態を示す図である。 本発明の第4実施形態を示す図である。 本発明の第5実施形態を示す図である。 本発明の第6実施形態を示す図である。 本発明の実験を行った試験機を示す断面図である。 本発明の実施例の試験条件を示す図である。 本発明の実施例の試験結果を示す図である。 本発明の実施例の試験条件を示す図である。 本発明の実施例の試験結果を示す図である。 本発明の実施例の試験条件を示す図である。 本発明の実施例の試験結果を示す図である。 実験に用いたころ軸受を示す断面図である。 グリースの供給量を検証する際のグリースの供給様式を説明するための模式図である。
符号の説明
1〜7 スピンドル装置
10 スピンドル
11 軸受
15 ハウジング
16 主軸
17 グリース供給装置
18,18a,18b 冷却液供給源
20 ロータ
21 ステータ
22 ステータ冷却用溝
23 軸受冷却用溝
24、25 孔
26 軸心冷却液回収穴
27 清浄空気供給穴
28 グリス排出用穴
29 軸心冷却穴
30 冷却液通路
40 試験用模型
41 グリス通路
45 清浄空気供給源

Claims (5)

  1. ハウジング内に、転がり軸受と、前記転がり軸受に回転可能に軸支された主軸と、前記主軸を駆動するモータとが収容され、グリースで潤滑された前記転がり軸受が、転動体のピッチ円径dmと回転速度nとの積が120万以上で回転するスピンドル装置であって、
    前記ハウジングの外部に設けられ、回転中の主軸を軸支する前記転がり軸受の軸受空間に、一回の補給量が0.004cc〜0.1ccのグリースを適宜なタイミングで補給するグリース補給手段と、
    前記ハウジングに形成された冷却通路に冷却液を供給して、少なくとも、前記転がり軸受の前記ハウジングに固定された外輪と、前記モータの前記ハウジングに固定されたステータと、を冷却する冷却手段と、
    を備えることを特徴とするスピンドル装置。
  2. 前記冷却手段が、前記冷却液を前記主軸内部に供給し、かつ、前記冷却液を前記主軸の長手方向に沿って流通させることにより前記主軸を冷却することを特徴とする請求項1に記載のスピンドル装置。
  3. 前記冷却手段から供給された前記冷却液を回収する冷却液回収手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピンドル装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれかに記載したスピンドル装置を用いた工作機械主軸用スピンドル。
  5. 請求項1〜請求項3のうちのいずれかに記載したスピンドル装置を用いた高速モータ用スピンドル。
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