JP2005069045A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気行程終了時のインテークマニホールドの吸気圧力をより正確に予測して、過渡時の空燃比の適正な制御を行う内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】 吸気行程時における燃料の直入率に基づき追加噴射許可クランク角θを設定し、上記追加噴射許可クランク角θ近傍における所定時間(5ms)毎に予測されたインテークマニホールド(I/M)の吸気圧力或いは吸気量の変化量(C点、D点)を用いて吸気行程終了時の吸気圧力(E点)或いは吸気量を予測し、例えば、運転状態の過渡時、上記予測吸気圧力(E点)或いは吸気量に基づいて算出された追加噴射燃料量(II)を、吸気行程中に追加噴射して、所定の空燃比を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、例えば、吸気管噴射型の内燃機関における過渡時の空燃比の適正な制御に有用なものである。
一般的に、吸気管噴射型の内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)では、吸気行程前に吸気量を計測し、この吸気量が変化しないものとして燃料を供給するため、加速等の過渡時には計測時の吸気量と実際の吸気量にずれが生じ、このずれが加速リーン、減速リッチというA/F(空燃比)エラーとなって現れる。
この対策として、噴射量を計算する時点で、吸気行程終了時の気筒内吸気量を予測する方法が種々考案されている。しかし、吸気行程前に噴射し、それ以降に急加速され気筒内吸気量が増えた場合には、再度燃料を噴射して適正な空燃比を実現することが必要となる。この噴射量のタイミングと駆動時間(噴射パルス幅)を与える方法として、所定時間毎に算出したスロットル開度変化量に係数を乗じて燃料噴射弁の駆動パルス幅を与える非同期噴射が従来から実施されている(特許文献1参照)。
特開平7−233749号公報(第4−10頁、第1−11図)
しかし、スロットル開度の変化率と実際に補正すべき追加噴射燃料量との関係は、スロットル開度とその有効面積との関係や吸気管内の圧力、大気圧の影響が大きく、単純な係数では近似できない。
しかも、吸気行程中は、噴射するタイミングによって、気筒内に輸送される燃料の割合(直入率)が急変するために、同じスロットル開度の変化率でも要求噴射量は全く異なっている。この点も、予測近似がうまくいかない理由である。つまり、非同期噴射を行うにしても、直入率を考慮して、追加噴射のタイミング及び噴射燃料量を制御しなければ、目標通りの空燃比制御は行えない。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、吸気行程終了時のインテークマニホールドの吸気圧力をより正確に予測して、過渡時の空燃比の適正な制御を行う内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の吸気通路に配設されたスロットルの開度を検出するスロットル開度検出手段と、前記スロットル開度検出手段により検出したスロットルの開度に応じて前記スロットルの有効開口面積を算出する有効開口面積算出手段とを有する。
主噴射燃料量は、従来のいずれの方法を用いて算出されてもよく、運転状態に応じて主噴射燃料量を設定し、所定のクランク角度に同期して主噴射燃料量の燃料を吸気中に供給する。
そして、前記スロットル前後の圧力比を検出又は推定する圧力比検出手段と、前記圧力比検出手段により検出又は推定した圧力比と、前記有効開口面積算出手段による有効開口面積とを用い、前記スロットルの下流側の前記吸気通路内の吸気圧力或いは筒内吸気量を所定時間毎に予測する予測手段と、吸気行程時における燃料の直入率に基づき、追加噴射を許可するクランク角を設定する追加噴射許可クランク角設定手段とを備え、前記予測手段は、前記追加噴射許可クランク角近傍において予測した吸気圧力或いは筒内吸気量の変化量に基づき吸気行程終了時の吸気圧力或いは筒内吸気量を予測し、前記燃料噴射制御手段は、予測した吸気圧力或いは筒内吸気量に基づいて算出された追加噴射燃料量を、吸気行程中の前記追加噴射許可クランク角以降に追加噴射することにより、前記内燃機関の空燃比を所定の空燃比に制御する。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記圧力比検出手段は、前記スロットル下流の前記吸気通路内の吸気圧力を検出する吸気通路圧検出手段を含み、予測手段は、前記吸気通路圧検出手段による吸気圧力の1行程間の平均圧力と、吸気行程開始前に予測された吸気圧力の変化量とを用いて、吸気行程終了時の吸気圧力を予測し、前記燃料噴射制御手段は、前記主噴射燃料量を予測された吸気圧力を基に設定する。
また、上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の場合には、前記予測手段は、前記吸気通路圧検出手段による吸気圧力の1行程間の平均圧力と、吸気行程開始前に予測した吸気圧力の変化量とを用いて、吸気行程終了時の吸気圧力を予測し、前記燃料噴射制御手段は、該予測された吸気圧力に基づいて算出された燃料量を吸気行程開始前以降に追加噴射するように制御し、前記予測手段による前記吸気行程開始前における吸気行程終了時の吸気圧力を予測した以降の吸気圧力の予測、又は、前記燃料噴射制御手段による前記吸気行程開始前以降の追加噴射後の追加噴射を禁止する。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記圧力比検出手段は、前記吸気通路を流れる吸気量を検出する吸気量検出手段を含み、前記予測手段は、前記吸気量検出手段による吸気量の1行程間の平均吸気量と、吸気行程開始前に予測された筒内吸気量の変化量とを用いて、吸気行程終了時の筒内吸気量を予測し、前記燃料噴射制御手段は、前記主噴射燃料量を予測された筒内吸気量を基に設定する。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記燃料噴射制御手段は、主噴射燃料量及びその直入率と追加噴射燃料量及びその直入率とにより、前記吸気通路の壁面に付着する燃料の付着量を算出する燃料付着量算出手段を有し、前記燃料噴射制御手段は、今回の主噴射燃料量を前記燃料付着量算出手段による前回までの燃料付着量から蒸発輸送される量を減量補正する。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記圧力比検出手段は、前記スロットル下流の前記吸気通路内の吸気圧力を検出する吸気通路圧検出手段を含み、前記予測手段は、前記吸気通路圧検出手段により検出された吸気圧力の1行程間の平均圧力と、吸気行程開始前の予測された吸気圧力の変化量とを用いて、吸気行程終了時の第1吸気圧力を予測し、前記燃料噴射制御手段は、該予測された第1吸気圧力に基づいて算出された第1燃料量を吸気行程開始前以降に追加噴射するように制御し、更に、前記予測手段は、前記追加噴射許可クランク角近傍において予測した吸気圧力の変化量に基づき吸気行程終了時の第2吸気圧力を予測し、前記燃料噴射制御手段は、予測した第2吸気圧力に基づいて算出された第2燃料量を、吸気行程中の前記追加噴射許可クランク角以降に追加噴射するよう制御することにより、前記内燃機関の空燃比を所定の空燃比に制御する。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の場合には、前記吸気圧予測手段による前記第2吸気圧力の予測、又は、前記燃料噴射制御手段による前記第2燃料量の追加噴射を禁止する。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記燃料噴射制御手段は、主噴射燃料量及びその直入率と第1燃料量及びその直入率と第2燃料量及びその直入率とにより、前記吸気通路の壁面に付着する燃料の付着量を算出する燃料付着量算出手段を有し、前記燃料噴射制御手段は、今回の主噴射燃料量を前記燃料付着量算出手段による前回までの燃料付着量から蒸発輸送される量を減量補正する。
上記課題を解決する本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、前記圧力比検出手段は、前記吸気通路を流れる吸気量を検出する吸気量検出手段を有し、前記予測手段は、前記吸気量検出手段により検出された筒内吸気量の1行程間の平均吸気量と、吸気行程開始前の予測された筒内吸気量の変化量とを用いて、吸気行程終了時の第1吸気量を予測し、前記燃料噴射制御手段は、該予測された第1吸気量に基づいて算出された第1燃料量を吸気行程開始前以降に追加噴射するように制御し、更に、前記予測手段は、前記追加噴射許可クランク角近傍において予測した筒内吸気量の変化量に基づき吸気行程終了時の第2吸気量を予測し、前記燃料噴射制御手段は、予測した第2吸気量に基づいて算出された第2燃料量を、吸気行程中の前記追加噴射許可クランク角以降に追加噴射するよう制御することにより、前記内燃機関の空燃比を所定の空燃比に制御する。
請求項1〜5に係る本発明によれば、主燃料噴射後における、吸気行程終了時の吸気圧力或いは気筒内への吸入空気量を適正に予測し、吸気行程中の追加噴射許可クランク角近傍に、吸気圧力或いは吸入空気量に見合う燃料量を気筒内に追加噴射することができ、空燃比を運転状態に応じた目標の空燃比に制御することができる。更に、1つの気筒に対する複数の噴射パルス幅と噴射時期に応じて、付着液膜量を算出し、同一気筒における次回の吸気行程時の蒸発輸送量を補正するので、空燃比エラーを解消して、排ガス、燃費、ドライバビリティを改善することができる。
請求項6〜8に係る本発明によれば、主燃料噴射後における、吸気行程開始前、及び追加噴射許可クランク角近傍における吸気行程終了時の吸気圧を適正に予測し、吸気行程前以降および吸気行程中の追加噴射許可クランク角近傍に、吸気圧に見合う燃料量を夫々気筒内に追加噴射することができ、空燃比を運転状態に応じた目標の空燃比により正確に制御することができる。
更に、1つの気筒に対する主燃料噴射、第1の追加噴射、及び第2の追加噴射による複数の噴射パルス幅と噴射時期に応じて付着液膜量を算出し、同一気筒における次回の吸気行程時の蒸発輸送量を補正するので、空燃比エラーを解消して、排ガス、燃費、ドライバビリティを改善することができる。
請求項9に係る本発明によれば、請求項6に係る本発明と同様に、主燃料噴射後における、吸気行程開始前、及び追加噴射許可クランク角近傍における吸気行程終了時の気筒内への各吸入空気量を適正に予測し、吸気行程前以降および吸気行程中の追加噴射許可クランク角近傍に、吸入空気量に見合う燃料量を夫々気筒内に追加噴射することができ、空燃比を運転状態に応じた目標の空燃比により正確に制御することができる。
図1は、本発明に係る内燃機関及びその燃料噴射制御装置の実施形態の一例を示す構成図である。
ここでは、内燃機関として、4気筒の4サイクルガソリンエンジンを例にとり説明を行うが、他の多気筒エンジンへも、本発明は適用可能なものである。
図1に示すように、内燃機関であるエンジン1は吸気管噴射型の燃料噴射制御装置を有する。エンジン1の吸気系は、上流側からエアクリーナー2、吸気通路3、サージタンク4、インテークマニホールド5(以下I/Mと略す。)からなる。エアクリーナー2にて清浄化され、吸気通路3に導入された吸気は、吸気通路3に設けられたスロットルバルブ6で流量調整された後、サージタンク4を経て、I/M5により各気筒に分配される。そして、吸気は燃料噴射弁7から各吸気ポート8に噴射された燃料と混合されて各気筒内へ導入される。
エンジン1の排気系は、上流側から排気通路9、図示しない触媒及び消音器等からなる。各気筒に導入された燃料は、点火プラグ10により点火されて燃焼される。該燃焼により生成された排気ガスは、排気ポート11から排気通路9を通り、触媒及び消音器を経て排出される。
エンジン1や燃料噴射弁7等は、電子制御ユニット21(以下、ECUと略す。)により制御されて、作動する。ECU21は、制御プログラム、制御マップや演算用に用いる記憶装置(ROM、RAM等)、演算処理を行う中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ、制御信号の入出力を担うインターフェース等からなる。
ECU21への入力信号としては、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル開度センサ22、大気圧を検出する大気圧センサ23(大気圧検出手段)、スロットルバルブ6の開度を検出するスロットルバルブ開度センサ24(スロットル開度検出手段)、スロットルバルブ6下流の吸気通路であるI/M5の吸気圧力を検出するI/M圧センサ25(吸気通路圧検出手段)、エンジンのクランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサ26(エンジン1の回転数センサを兼ねる)、エンジン1の冷却水の水温を検出する水温センサ27等からの信号がある。
又、ECU21からの出力信号としては、運転状態に応じて適切な量の燃料を噴射する燃料噴射弁7、気筒内の燃料を点火させる点火プラグ10、スロットルバルブ6の開度を制御するステップモータ28等への制御信号がある。
ECU21は、例えば、クランク角センサ26の信号値から求めたエンジン回転速度NeやI/M圧センサ25からのI/M圧力信号等に基づいて、点火プラグ10の点火時期を制御する一方、アクセル開度センサ22からのアクセル操作量や車速等から求めた目標スロットル開度と、スロットルバルブ開度センサ24からの実スロットル開度信号TPSとに基づき、ステップモータ28によりスロットルバルブ6の開度を制御する。更に、ECU21は、I/M圧センサ25から算出した燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁7の噴射量を制御している。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、基本的には上記構成からなり、本発明に係る燃料噴射制御方法を行うことにより、適切な空燃比を得られるようにしている。そこで、本発明に係る燃料噴射制御方法について、詳細な説明を以下に行う。
本発明に係る燃料噴射制御方法では、追加噴射を行う時期の指標とする追加噴射許可クランク角を規定していることが、大きな特徴である。この追加噴射許可クランク角を規定した目的は、過渡時の吸気圧変化にできるだけ対応できるように、できるだけ遅いクランク角において追加噴射を行うための指標になるものである。具体的には、図2において説明するが、直入率はクランク角により変化するものであり、この特性を把握することで、より遅いクランク角での追加噴射、換言すれば、より正確な吸気圧変化に基づいた追加噴射を行うことができ、その結果、より適正な空燃比制御が可能となる。
ここで、直入率とは燃料噴射弁7から吸気ポート8に噴射された燃料の内、燃料噴射後(燃料噴射中も含む)最初の吸気行程で、気筒内に直接或いは気化した状態で導入され燃焼した燃料の比率である。
図2は、吸気行程時の直入率及び直入率により導かれる追加噴射許可クランク角、補正係数を説明する図である。
図2(a)に示すように、直入率は、燃料が噴射開始されるクランク角が所定クランク角まで一定の後、下降し最終的には0となる特性を有する。又、直入率は、エンジンを冷却する冷却水の温度、すなわち、吸気管の温度やエンジンの回転数によっても異なり、温度が低いほど直入率が低く(吸気管壁面に付着する燃料が多い)、回転数が高いほど早いクランク角で0となる。
本発明では、クランク角に対する吸気行程中の気筒への吸気流速に着目し、遅いクランク角では直入率が低下することを考慮している。
つまり、所定のクランク角よりも遅いクランク角では直入率が急激に低下するため、極端に遅いクランク角で追加噴射を行うと、気筒内に燃料を供給することができない。しかし、最新の吸気圧変化に追従できるようにするためには、追加噴射はできるだけ遅いクランク角(吸気行程終了時に近いクランク角)で行うことが望ましい。そこで、図2(b)に示すように、直入率の限界値を考慮することにより、まず、噴射限界クランク角が規定できる。又、クランク角に対する直入率から、所定量の燃料を気筒内に導入させるために必要な最大パルス幅が導かれる。したがって、噴射限界クランク角とクランク角に対する必要最大パルス幅を考えることにより、追加噴射許可クランク角が規定でき、噴射限界クランク角を基に、そのクランク角から所定角(又は所定時間)早い角度を追加噴射許可クランク角とする(追加噴射許可クランク角設定手段)。
上記噴射限界クランク角としては、クランク角がこれ以上遅いと、燃料が気筒内にほとんど入らない角度を規定し、追加噴射許可クランク角としては、直入率が多少低下しているが、ある程度の燃料が輸送可能(例えば、直入率50%〜70%位)な角度とする。又、上記所定角(所定時間)は、運転状況(例えば、エンジン回転数や冷却水の温度等)により異なり、具体的には、演算処理時間等を含めて、例えば、5ms等とする。
又、図2(c)に示すように、クランク角に対する直入率からは、クランク角に対する噴射パルス幅の補正係数K2(=1/直入率)が導ける。又、この補正係数K2は、回転速度によるオフセットや水温による補正が行われており、所定量の燃料量を噴射する際に、噴射パルス幅をK2(=1/直入率)倍することで、直入率が考慮され、実質的に気筒内に導入される燃料量が適正に算出できる。この補正係数K2は、クランク角に応じた係数としてマップデータ化されて、燃料噴射制御上用いられている。
なお、上記追加噴射許可クランク角は、後述の実施例1乃至実施例3では用いられているが、実施例4の場合、すなわち、高速回転の場合は、直入率自体は考慮されているものの、追加噴射許可クランク角は用いずに追加噴射制御を行っている。
次に、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の制御方法のいくつかを、図3乃至図6を用いて説明するが、その前に、各実施例において用いられる基本的な2つの吸気圧予測法(予測手段)を説明する。
(5ms毎ルーチン)
本吸気圧予測法は、主に、スロットル開度TPS及び大気圧Patmに基づき、I/M圧予測値Pm(k)を算出している。又、本吸気圧予測法は、追加噴射許可クランク角以降の追加噴射の燃料量を算出するため、吸気行程終了時のI/M圧予測値の算出にも用いている。
具体的には、ECUが本吸気圧予測法を5msec毎に実行し、スロットルバルブ開度センサにより検出されたスロットル開度TPS、大気圧センサにより検出された大気圧Patmを読み込み、以下に示される式を用いて、5ms毎にI/M圧予測値Pm(k)を算出している。
最初に、スロットル開度TPSにより、スロットルバルブの基本開口面積S0を算出し、さらに、基本開口面積S0と、大気圧P0と前回のI/M圧予測値Pm(k−1)との圧力比Pm(n)/P0とにより、スロットルバルブの有効開口面積Sが算出される(有効開口面積算出手段)。なお、大気圧P0とI/M圧予測値Pm(k−1)との圧力比を算出する部分が、圧力比検出手段に相当する。
S0=Fa[TPS]
S=(1−aX)×S0
ここで、aは所定の補正係数、Xは大気圧P0と前回のI/M圧予測値Pm(k−1)との圧力比Pm(n)/P0である。
尚、上記の代わりに、TPS信号に対して、前記圧力比Pm(n)/P0に応じて、スロットルの有効面積を導き出すマップデータのテーブルから、スロットルの有効面積を求めることができる。
ここで、スロットル開度TPSに対するスロットルバルブの有効開口面積Sの特性は、スロットル前後の圧力差の影響を受ける。この現象は、スロットルバルブのエッヂ部で吸気の剥離により乱流が形成されて、有効開口面積Sに影響を及ぼすものと推測される。
又、前述の内燃機関において、I/M圧センサ25を有するものの、大気圧センサ23を持たない場合においては、イグニッショインキーをOFF→ON直後(クランキング前)の吸気管内圧力を検出し,これを大気圧として用いることができる。又は、スロットル開度が大きく,全開相当の吸気管内圧力となる運転条件において、その吸気管内圧力を大気圧として用いることができる。従って、クランキング前に推定した大気圧と、スロットル開度全開時に推定した大気圧が異なるときには、スロットル開度全開時に推定した大気圧によりクランキング前に推定した大気圧を補正したり、或いは、置き換えたりしても良い。つまり、圧力比検出手段が大気圧センサ23、I/M圧センサ25を共に有する場合、これらを用いて、スロットルバルブ6前後の圧力比を検出しており、圧力比検出手段が大気圧センサ23を有しない場合、I/M圧センサ25を用いて、スロットルバルブ6前後の圧力比を推測している。
次に、スロットル通過吸気量dPthを算出する。
dPth=S×P0×Fv[Pm(k−1)/Patm]×KAT
ここで、KATは吸気温補正係数、Fv[Pm(k−1)/Patm]は、上記の圧力比[Pm(k−1)/Patm]に対する単位面積当たりの流量を導き出すマップデータのテーブル、Pm(k−1)は前回のI/M圧予測値である。
又、気筒内に吸入される推定吸気量dPeは以下の式で示される。
dPe=KMAP×Pm(k−1)×5/TSGT
ここで、KMAPは体積効率係数、TSGTは1ストローク分の所要時間である。
したがって、今回のI/M圧予測値Pm(k)は次式より算出される。
Pm(k)=Pm(k−1)+(dPth−dPe)×Vc/Vm
ここで、Vcは気筒容積、Vmは吸気管容積である。
なお、I/M圧予測値Pm(k)は、大気圧Patmを越えないものとする。又、厳密には、センサの応答遅れを考慮してI/M圧予測値Pm(k)に補正を行うが、ここでは簡単にするため省略する。
(SGTルーチン)
ECUは、上記5ms毎ルーチンと並行して、行程毎に吸気圧予測法を実行している。具体的には、クランク角センサからSGT信号が出力されるタイミングと連動して、つまり、次の行程が始める5°前(SGT5°B割込)で本吸気圧予測法を行っており、I/M圧センサにより検出されたI/M圧Pbを読み込み、以下に示される式を用いて、所定行程数後のI/M圧予測値Pbetmを算出している。
最初に、1ストローク(行程)間に測定した複数のI/M圧Pbを用いてI/M圧平均値Pbmeanを求める。
Pbmean=ΣPbi/i
次に、1ストローク間のI/M圧変化値dPmを下記式より求める。このとき、本吸気圧予測法を実行する前に、上記5ms毎ルーチンにて予測した2つのI/M圧予測値Pm(k)及びPm(k−1)を用いる。
dPm={Pm(k)−Pm(k−1)}×TSGT/5
したがって、I/M圧予測値Pbetmは次式より算出される。
Pbetm=Pbmean+Getm×dPm (1)
ここで、Getmはストローク数を示す係数であり、例えば、Getm=1.0であれば、1行程後のI/M圧予測値Pbetmを予測することとなり、Getm=2.0であれば、2行程後のI/M圧予測値Pbetmを予測することとなる。
なお、I/M圧予測値Pbetmは、大気圧Patmを越えないものとする。又、厳密には、I/M圧予測値Pbetmに、センサの応答遅れを考慮した補正やスロットル開度TPSに応じた予測ゲインが必要であるが、ここでは簡単にするため省略する。
次に、上記予測法を用いた各実施例を各々説明する。
図3は、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の一例を説明する図である。
具体的には、1つの気筒の一連の行程において、過渡時の変化に伴う吸気圧の変化及び吸気圧の予測値を図示したものであり、その予測値等に基づく主噴射(I)及び追加噴射(II)の燃料量の設定及び制御方法を説明するものである。
なお、図3において、SGTはクランク角センサから出力される信号を表すものであり、所定角度毎に出力されている。このSGT信号をカウントすることで、基準位置からのクランク角を算出し、クランク角に応じて、一連の行程(膨張、排気、吸気、圧縮)を行っている。
又、TPS(後述の図4、5、6においても同じ)は、スロットルバルブの開度を表すものであり、アクセル開度等に応じて制御されており、開度が大きくなるに従い、吸気量が増大していく。
前述したように、ECUは、5ms毎ルーチンにより、5ms毎に次の5ms後のI/M圧Pmを予測しており、このI/M圧予測値Pmのグラフが、図3中の5ms毎予測値である。又、ECUは、この5ms毎ルーチンと並行して、SGTルーチンを行っており、このSGTルーチン中に算出された1ストローク(SGT)間の吸気圧実測値平均Pbmeanのグラフが、図3中のSGT間実測平均値である。なお、このSGT間実測平均値Pbmeanの替わりに、SGTルーチンでのI/M圧予測値Pbetmを用いてもよい。
適正な空燃比制御を行うには、まず、吸気行程終了時における吸気量を正確に把握する必要がある。しかしながら、センサの応答遅れ等のため、瞬時における吸気量の計測が必ずしも正しい状態を示すとは限らない。そのため、従来から様々な手段を用いて吸気量を予測してきた。本発明に係る燃料噴射制御は、吸気行程終了時における吸気圧をできるだけ正確に予測することで、それに基づいた燃料噴射量をできるだけ正確に導き出すようにしており、更に、主噴射と追加噴射を行うことで、加速時に不足すると予測される燃料を追加して、所定の空燃比になるようにしている。
追加噴射ついては、従来から様々な手段を用いて行われてきた。ところが、従来の技術では、特に低速域において、早いタイミングで追加噴射(非同期噴射)を行うと、吸気量の増大変化に対応することができなかった。そこで、本発明では、この追加噴射のタイミングをできる限り遅くすること、すなわち、できるだけ吸気行程終了時に近いタイミングの吸気圧予測値を用いて行うことで、吸気量の増大変化に柔軟に対応することとした。この遅いタイミングが前述の追加噴射許可クランク角θとなる。
具体的な燃料噴射制御方法を、図3を用いて、更に詳細に説明する。
主噴射(I)の燃料量は、従来の算出方法を用いて噴射パルス幅を決定する。例えば、排気行程開始時のI/M圧の実測値Pb、A点の実測値平均又はB点の予測値を用いてもよい。ここでは、運転状態が定常状態(TPSが一定)であり、この時点の吸気圧を吸気行程終了時の吸気圧と仮定して、主噴射燃料量、つまり、噴射パルス幅を決定する。
例えば、排気行程開始時のI/M圧の実測値Pbを用いた場合、主噴射(I)の燃料量、つまり、主噴射パルス幅Tinj1は、下記の式により求められる。
inj1=Kinj×Kev×Pb
ここで、KinjはI/M圧から噴射パルス幅へ変換するための係数であり、KevはI/M圧に対する体積効率係数である。これらの係数は、マップデータとしてECUにて読み出されて用いられる。
又、I/M圧の実測値Pbの替わりに、後述の図8に示すように、吸気通路3に流れる吸気量を検出するエアフローセンサ30(吸気量検出手段)を設け、エアフローセンサ30の実測値である通過吸気量Qbを用いて、主噴射パルス幅Tinj1を算出してもよい。この場合、下記の式により求められる。
inj1=Kinj×Qb
このように、運転状態に応じて設定された主噴射燃料量の燃料は、所定のクランク角度に同期して、吸気中に噴射されて気筒中に供給される(燃料噴射制御手段)。
次に、追加噴射(II)に関する説明を行う。本発明では、I/M圧の予測値に基づいて、追加噴射燃料量を算出しているが、この算出方法を工夫することで、より正確な予測、すなわち、より適正な空燃比制御が可能となっている。
主噴射後、TPSが大きく変化する場合、つまり、加速要求された場合、当然吸気量が増えるため、適正な空燃比のため(加速リーン状態を抑えるため)、燃料を追加する必要が出てくる。そこで、本発明では、追加噴射許可クランク角θを基準にして、その近傍の2つの5ms毎ルーチンの吸気圧予測値(C点、D点)の差分ΔPmと、D点の予測値Pm(k)に基づいて、吸気終了時E点における予測吸気圧Pmetmを下記式により算出している(予測手段)。
Pmetm=Pm(k)+ΔPm×K1×TSGT/5
ここで、K1は予測期間を補正する係数である。
更に、厳密には、予測値の補正が必要であるため、補正後の吸気圧(F点)を用いて、追加噴射(II)での最終的な燃料量を算出している。この補正値Pbetmは、A点における平均圧力をPbmean(n−1)、B点における予測圧力をPmSGT(n−1)とすると、下記式により算出される。
Pbetm=Pmetm+(Pbmean(n−1)−PmSGT(n−1)) (2)
上記式は、予測値をより正確にするため、測定値と予測値の差分を補正値としている。
したがって、追加噴射パルス幅ΔTinjは、以下の式により求められ、吸気行程中の追加噴射許可クランク角θ以降に追加噴射される(燃料噴射制御手段)。
ΔTinj1=K2×{Kinj×Kev×Pbetm−Tinj1B} (3)
ここで、K2は前述した直入率に基づく補正係数、Tinj1Bは直前の主噴射パルス幅Tinj1を、後述の図7にて説明する直入率及び蒸発輸送量に基づき減量補正したもの、つまり、気筒内に実際導入される量に該当するパルス幅である。
本実施例の燃料噴射制御を単純化して説明すれば、主噴射(I)の噴射燃料量(噴射パルス幅Tinj1)は、排気行程開始時のI/M圧の実測値Pbに基づいて算出されて、排気行程中に吸気中に噴射され、追加噴射(II)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj1)は、追加噴射許可クランク角θ近傍の2つの5ms毎予測値の差分ΔPm等により求められたΔP2に基づいて算出されて、追加噴射許可クランク角θ以降の吸気行程中に吸気中に噴射されて、気筒に導入されている。
図4は、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の他の一例を説明する図である。
本実施例の追加噴射は、実施例1と同様のものであるので、重複する説明は省略する。
本実施例では、主噴射(I)の燃料量の算出方法が、実施例1とは異なる。具体的には、排気行程開始時に、前述のSGTルーチンの(1)式を用いて、吸気行程終了時の吸気圧PbetmEXを算出している。つまり、(1)式において、ストローク数を示す係数GetmをGetm=GetmEX=2.0とすると、2行程後、すなわち、吸気行程終了時の吸気圧PbetmEXを予測することとなる(予測手段)。
PbetmEX=Pbmean+GetmEX×dPm
但し、図4に示す本実施例の場合、排気行程開始時の運転状態が定常状態であり、dPm=0となるため、PbetmEX=Pbmeanとなり、A点での実測値平均Pbmeanを用いて、主噴射(I)の燃料量を算出することとなる。又、厳密には、上記PbetmEXは、実施例1の(2)式を用いて、補正されている。
したがって、主噴射(I)の噴射パルス幅Tinj2は下記式により求められ、所定のクランク角度に同期して、吸気中に噴射されて気筒中に供給される(燃料噴射制御手段)。
inj2=Kinj×Kev×PbetmEX
そして、追加噴射(II)の噴射パルス幅ΔTinj2は、実施例1の(3)式に、上記Tinj2を直入率及び蒸発輸送量に基づき減量補正したTinj2Bを用いて求められる。
ΔTinj2=K2×{Kinj×Kev×Pbetm−Tinj2B
本実施例の燃料噴射制御を単純化して説明すれば、主噴射(I)の噴射燃料量(噴射パルス幅Tinj2)は、排気行程開始時におけるI/M圧の予測値PbetmEXに基づいて算出されて、排気行程中に吸気中に噴射され、追加噴射(II)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj2)は、追加噴射許可クランク角θ近傍の2つの5ms毎予測値の差分ΔPm等により求められたΔP2に基づいて算出されて、追加噴射許可クランク角θ以降の吸気行程中に吸気中に噴射されて、気筒に導入されている。
本実施例は、実施例1とは異なり、主噴射の燃料量の算出に、予測値を用いることで、過渡時、特に加速時においては、追加噴射の燃料量をできるだけ少なくすることが可能となる。つまり、吸気行程時の追加噴射燃料量をできるだけ少なくすることで、追加噴射許可クランク角θもできるだけ遅くすることが可能となり、より正確な吸気圧予測に基づいて、追加噴射の燃料量を噴射でき、目標通りの空燃比制御が可能となる。
なお、上述の吸気行程終了時の吸気圧PbetmEXの替わりに、エアフローセンサ30(図8参照)による1行程(例えば、排気行程)間の平均吸気量と、1行程間の筒内吸気量の変化量とを用いて、吸気行程終了時の筒内吸気量を予測しても良い(予測手段、実施例6の(1')式参照)。そして、予測された筒内吸気量に基づいて主噴射燃料量、すなわち、主噴射パルス幅を算出し、所定のクランク角度に同期して、吸気中に噴射されて気筒中に供給される(燃料噴射制御手段)。
図5は、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の他の一例を説明する図である。
なお、主噴射については、実施例2と同様であるので、重複する説明は省略する。
本実施例は、特に急加速時において、急激な吸気量の増量に追従するため、追加噴射を複数回(2回)に分けて行うようにしており、実施例1において説明した吸気行程時の追加噴射を2番目の追加噴射とし、主噴射とその2番目の追加噴射の間に、1番目となる追加噴射をするようにしている。
具体的には、吸気行程開始前における最新の2つの5ms毎ルーチンの吸気圧予測値(G点、C点)の変化量ΔPm-1と、排気行程中の吸気圧実測値平均Pbmeanと、前述のSGTルーチンの(1)式を用いて、吸気行程終了時H点における予測吸気圧PbetmINを算出している(予測手段)。
PbetmIN=Pbmean+GetmIN×ΔPm-1
ここで、GetmIN=1.0とし、1ストローク先、つまり、吸気行程終了時の吸気圧を予測している。又、厳密には、上記PbetmINは、実施例1の(2)式を用いて、補正されている。
したがって、第1の追加噴射(II)の燃料量(第1燃料量)、つまり、噴射パルス幅ΔTinj3は、吸気終了時H点における予測吸気圧PmetmIN(第1吸気量)に基づいて、下記式により求まり、吸気行程開始前以降に追加噴射される(燃料噴射制御手段)。
ΔTinj3=K2×(Kinj×Kev×PbetmIN−Tinj3B
ここで、Tinj3Bは直前の主噴射パルス幅Tinj3を、直入率及び蒸発輸送量に基づき減量補正したものである。
更に、第2の追加噴射(III)の燃料量、つまり、噴射パルス幅ΔTinj4は、吸気終了時E点における予測吸気圧PmetmIN(第2吸気量)に基づいて、以下の式により求まり、吸気行程中の追加噴射許可クランク角θ以降に追加噴射される(燃料噴射制御手段)。
ΔTinj4=K2×(Kinj×Kev×PbetmIN−Tinj3B−ΔTinj3B
ここで、式中のPbetmINは、追加噴射許可クランク角θ近傍における2つの5ms毎ルーチンの吸気圧予測値(C点、D点)の変化量ΔPm-1と、排気行程中の吸気圧実測値平均Pbmeanと、前述のSGTルーチンの(1)式を用いて、吸気行程終了時E点における予測吸気圧PmetmINを算出したものである(予測手段)。
本実施例の燃料噴射制御を単純化して説明すれば、主噴射(I)の噴射燃料量(噴射パルス幅Tinj3)は、排気行程開始時におけるI/M圧の予測値PbetmEXに基づいて算出されて、排気行程中に吸気中に噴射され、第1の追加噴射(II)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj3)は、吸気行程開始前の2つの5ms毎予測値の差分ΔPm-1等により求められた吸気行程終了時のΔP2に基づいて算出されて、吸気行程開始時に吸気中に噴射され、第2の追加噴射(III)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj4)は、追加噴射許可クランク角θ近傍の2つの5ms毎予測値の差分ΔPm等により求められた吸気行程終了時のΔP3に基づいて算出されて、追加噴射許可クランク角θ以降の吸気行程中に吸気中に噴射されて、気筒に導入されている。
このように、追加噴射を複数回行うことで、エンジンの回転速度がある程度高い場合でも、急激な吸気量の増量に柔軟に対応することができ、空燃比エラーを起こすことがない。
図6は、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の他の一例を説明する図である。
なお、主噴射については、実施例1又は実施例2のいずれの方法を用いてもよいが、図6中では、便宜的に実施例1と同様とし、重複する説明を省略する。
本実施例は、高速回転時における燃料噴射制御、特に、追加噴射の制御方法を示すものである。これは、エンジンの高速回転時には、クランク角割込み処理が増えてCPU負荷が高いうえ、5ms毎ルーチンを行うにはクランク角換算の周期が長くなってしまうため、又、制御精度への要求も低くなるため、下記燃料噴射制御を行っている。
本実施例では、エンジンの回転速度が所定回転数より大きい場合(5ms毎ルーチンのクランク角換算の周期が、1行程間のクランク角より大きい場合、具体的には、3900rpm等)には、実施例1〜3で用いた5ms毎ルーチンを行わずに、前述のSGTルーチンに基づいて、吸気行程終了時の吸気圧を予測して、燃料噴射制御を行う。詳しくは、吸気行程開始前において、SGTルーチンに基づき1行程間のI/M圧変化量から吸気行程終了時の吸気圧を予測し、その予測を行った後は、5ms毎ルーチンによる5ms毎のI/M圧予測を禁止している。そして、SGTルーチンによる予測吸気圧に基づき追加噴射量を決定し、吸気行程開始以降に追加噴射を行い、その追加噴射後の追加噴射処理を禁止している。
具体的には、排気行程開始時I点のI/M圧の実測値をとし、吸気行程開始時J点のI/M圧の実測値をとすると、1行程間の吸気圧変化dPrは以下の式となる。
dPr=Pb(n)−Pb(n−1)
又、前述のSGTルーチンの(1)式を用いて、吸気行程終了時L点の予測吸気圧PmetmINは以下の式より求まる。
PbetmIN=Pbmean+GetmIN×dPr
ここで、GetmIN=1.0とし、1ストローク先、つまり、吸気行程終了時の吸気圧を予測する。
したがって、追加噴射(II)の燃料量、つまり、噴射パルス幅ΔTinj5が下記式により求まる。
ΔTinj5=K2×(Kinj×Kev×PbetmIN−Tinj5B
ここで、Tinj5Bは直前の主噴射パルス幅Tinj5を、直入率及び蒸発輸送量に基づき減量補正したものである。
本実施例の燃料噴射制御を単純化して説明すれば、主噴射(I)の噴射燃料量(噴射パルス幅Tinj5)は、排気行程開始時のI/M圧の実測値Pb(n−1)に基づいて算出されて、排気行程中に吸気中に噴射され、追加噴射(II)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj5)は、排気行程開始時I点のI/M圧の実測値Pb(n−1)と吸気行程開始時J点のI/M圧の実測値Pb(n)との差分dPr等により求められたΔP2に基づいて算出されて、吸気行程中に吸気中に噴射されて、気筒に導入されている。
なお、実施例3の燃料噴射制御を行うときには、エンジンの回転速度が所定回転数より大きい場合、吸気行程終了時E点の予測吸気圧PbetmINの予測を禁止したり、又は、第2の追加噴射(III)を禁止したりすればよい。
図7は、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置における燃料付着及び蒸発輸送について説明する図である。
比較のため、図7(a)では、従来の燃料噴射制御方法において、非同期噴射がない場合(主噴射のみ)と、非同期噴射がある場合での急加速時における空燃比の推移を示した。
図7(a)に示すように、非同期噴射がない場合には、過渡時、特に加速時には、吸気量の増加に対して燃料量を増加することができず、一時的にリーン状態となり、場合によっては失火するおそれもあった。又、単に非同期噴射を行うだけの場合には、加速時のリーン状態は多少抑えられるが、非同期噴射の影響により、その後リッチ状態になってしまい、同じく適正な空燃比制御を行うことができなかった。これは、主噴射と同様、追加噴射の燃料も気筒内に直接輸送されない分は、吸気管内壁への付着液膜となるためであり、この液膜が次の吸気行程以降に、蒸発、輸送されて気筒内に導入されるからである。
そこで、本発明では、図7(b)の下図に示すように、吸気管内壁に付着する液膜量を考慮し、そこから気筒内へ蒸発輸送される量を次の主噴射燃料量から減量補正することで、リーン状態、リッチ状態を抑え、より理想的な空燃比制御を行うようにした。
具体的には、前回の主噴射燃料量及びその直入率から内壁に残存する液膜量を算出し、前回の追加噴射燃料量(実施例3の複数回追加噴射を行う場合も含む。)及びその直入率から内壁に残存する液膜量を算出し、更に、内壁に以前から残存している液膜量を考慮することで、できるだけ正確な全液膜量を算出している(燃料付着量算出手段)。算出された液膜量から吸気行程中に蒸発され輸送される蒸発輸送量求め、次の行程での主噴射時に、それらの蒸発輸送量を考慮した燃料量に減量補正することで、より正確な空燃比制御を実現している(燃料噴射制御手段)。本発明では、主噴射燃料量による液膜からの蒸発輸送量を考慮するにとどまらず、追加噴射燃料量による液膜からの蒸発輸送量をも考慮することで、より正確な液膜量及び蒸発輸送量の予測を可能としている。
したがって、前述した各実施例の主噴射燃料量では、厳密には減量補正された燃料量が用いられている。特に、本発明に係る燃料噴射制御の場合、吸気量の変化にできるだけ追従するため、追加噴射のタイミングをできるだけ遅らせているので、直入率の低いところで追加噴射を行う場合があり、この追加噴射燃料量による液膜からの蒸発輸送量の予測及びその減量補正は非常に重要である。なお、この減量補正の演算は、同気筒で最後の追加噴射から次の主噴射までの間に行えばよく、前回の主噴射、追加噴射の燃料量及びその時の直入率等を考慮して正確な蒸発輸送量を算出するようにしている。
(変形例)
I/M圧予測値を算出する際に、上述した実施形態では、5ms毎ルーチン、及びSGTルーチンの2つの予測ルーチンにおいて、各センサからの検出値を用いて、I/M圧予測値を算出しているが、I/M圧センサの替わりに、吸気通路3に流れる吸気量を検出するエアフローセンサ30(吸気量検出手段)を設け、エアフローセンサ30からの検出値を用いて、吸気量予測値を求めるようにしてもよい。I/M圧と同様に吸気量からも適正な噴射燃料量を算出でき、前述の燃料噴射制御を行うことが可能である。
図8は、本発明に係る内燃機関及びその燃料噴射制御装置の実施形態の変形例を示す構成図である。
図8に示す内燃機関の構成は、図1の構成に対し、I/M圧センサ25の代わりにスロットルバルブ6の上流側にエアフローセンサ30を設けた点で相違する。従って、図8に示す内燃機関のエアフローセンサ30以外の構成は、図1の構成と同一であるため、詳細な説明を省略する。
以下、エアフローセンサ30からの検出値を用いて、吸気量予測値を求める方法について説明する。
(5ms毎ルーチン)
本吸気量予測法は、主に、スロットル開度TPS及び大気圧センサにより検出された大気圧Patmに基づき、吸気量予測値dGe(k)を算出している。又、本吸気量予測法は、追加噴射許可クランク角以降の追加噴射の燃料量を算出するため、吸気行程終了時の吸気量予測値の算出にも用いることができる。
具体的には、ECUが本吸気量予測法を5msec毎に実行し、スロットルバルブ開度センサにより検出されたスロットル開度TPS、大気圧センサにより検出された大気圧Patmを読み込み、以下に示される式を用いて、5ms毎にI/M圧予測値Pm(k)を算出している。
最初に、スロットルバルブ開度センサにより検出されたTPS信号、即ち、TPSの電圧値に応じたスロットルの有効面積の実測値を記憶するマップデータのテーブルから、スロットルの有効面積を求める(有効開口面積算出手段)。
S=Farea[VTPS]
尚、上記の代わりに、スロットル開度TPSにより、スロットルバルブの基本開口面積S0を算出し、さらに、基本開口面積S0と、大気圧P0と前回の吸気管内圧推定値Pm(k−1)との圧力比Pm(n)/P0とにより、スロットルバルブの有効開口面積Sを算出しても良い。ここで、大気圧P0と吸気管内圧推定値Pm(k−1)との圧力比を算出する部分が、圧力比検出手段に相当する。
S0=Fa[TPS]
S=(1−aX)×S0
ここで、aは所定の補正係数、Xは大気圧P0と前回の吸気管内圧推定値Pm(k−1)との圧力比Pm(n)/P0である。尚、吸気管内圧推定値Pmの算出方法については、後述する。
ここで、スロットル開度TPSに対するスロットルバルブの有効開口面積Sの特性は、スロットル前後の圧力差の影響を受ける。この現象は、スロットルバルブのエッヂ部で吸気の剥離により乱流が形成されて、有効開口面積Sに影響を及ぼすものと推測される。
次に、スロットル通過吸気量dGthを算出する。
dGth=S×[Patm/760]×Fv[Pm(k−1)/Patm]×KAT
ここで、KATは吸気温補正係数、Fv[Pm(k−1)/Patm]は、上記の圧力比[Pm(k−1)/Patm]に対する単位面積当たりの流量を導き出すマップデータのテーブル、Pm(k−1)は前回の吸気管圧推定値である。
又、気筒内に吸入される推定吸気量dGeは以下の式で示される。
dGe=KMAP×Pm(k−1)×5/TSGT
ここで、KMAPは体積効率係数、TSGTは1ストローク分の所要時間である。
そして、今回の吸気管内圧推定値Pm(k)は次式より算出される。
Pm(k)=Pm(k−1)+Km(dGth−dGe)×Vc/Vm
ここで、Kmは、質量から圧力に変換するための変換係数、Vcは気筒容積、Vmは吸気管容積である。
つまり、圧力比検出手段がI/M圧センサ25(図1参照)を有さず、大気圧センサ23、エアフローセンサ30を有する場合は、これらを用いて、上記手順によりスロットルバルブ6前後の圧力比を推測して、吸気量を推測している。
(SGTルーチン)
ECUは、上記5ms毎ルーチンと並行して、行程毎に吸気量予測法を実行している。具体的には、クランク角センサからSGT信号が出力されるタイミングと連動して、つまり、次の行程が始まる5°前(SGT5°B割込)で本吸気量予測法を行っており、エアフローセンサ30により検出された吸気量Gafsを読み込み、以下に示される式を用いて、所定行程数後の吸気量予測値Geetmを算出している。
最初に、1ストローク(行程)間に測定した複数の吸気量Gafsを用いて1ストローク間の吸気量平均値dGafs(n)を求める。
dGafs(n)=ΣGafs(k)/m
ここで、mは、エアフローセンサ30による1ストローク間の測定回数である。
更に、1ストローク間の吸気量平均値dGafs(n)を筒内吸気量Gafs(n)に換算する。
afs(n)=K×Gafs(n-1)+(1−K)×dGafs(n)
次に、5ms毎ルーチンで求めた1ストローク間の推定吸気量dGeの平均推定吸気量GeAVEをエアフローセンサ30に併せて下記式より求める。
GeAVE(n)=(ΣdG(k)/L)×TSGT/5
ここで、Lは、1ストローク間の吸気量の推定回数である。
180°CA間の吸気量変化ΔGeは次式より算出される。
ΔGe={Ge(k)−Ge(k-1)}×TSGT/5
更に、1ストローク平均の遅れ分ΔGAVEは次式より算出される。
ΔGAVE=Ge(n)−GeAVE(n)
SGTルーチンにおいて、所定気筒に対する545°B時点の吸気行程終了時の推定吸気量GeetmEX、及び他の気筒の365°B時点の吸気行程終了時の推定吸気量GeetmINが、夫々算出される。
そして、545°B時点における吸気行程終了時の推定吸気量GeetmEXは、次式により算出される。
GeetmEX=Gafs+ΔGAVE+KetmEX×ΔGe
また、365°B時点における吸気行程終了時の推定吸気量GeetmINは、次式により算出される。
GeetmIN=Gafs+ΔGAVE+KetmIN×ΔGe (1')
ここで、Gafsは、エアフローセンサ30から求めた平均吸気量であり、ΔGAVEは、平均下による応答遅れ分であり、Kは予測ゲインであり、KetmEX=2.0であり、KetmIN=1.0であり、ΔGeは、1ストローク間の吸気量変化率である。
なお、電子制御スロットルバルブの目標値が現在より開き側に開駆動中には、吸気量の予測不足が生じるため、予測ゲインを増大する必要がある。
例えば、下式成立の際には、上記ゲインKを所定倍数としてゲインを増加する。
TPSobj≧TPS(n)+所定値
次に、上述の推定吸気量を用いた、実施例1の図3又は実施例2の図4における追加噴射(II)に関する説明を行う。この変形例では、前述のI/M圧の予測値に基づき追加噴射燃料量を算出した場合と同様に、より正確な予測、すなわち、より適正な空燃比制御が可能となっている。
主噴射後、TPSが大きく変化する場合、つまり、加速要求された場合、当然吸気量が増えるため、適正な空燃比のため(加速リーン状態を抑えるため)、燃料を追加する必要が出てくる。そこで、本発明では、追加噴射許可クランク角θを基準にして、その前後の2つの5ms毎ルーチンの推定吸気量値(C点、D点)の差分ΔGeと、D点の予測値Ge(k)に基づいて、吸気終了時E点における推定吸気量Geetmを下記式により算出している。
Geetm=Ge(k)+ΔGe×K3×TSGT/5
ここで、K3は予測期間を補正する係数である。
更に、厳密には、推定値の補正が必要であるため、補正後の推定吸気量(F点)を用いて、最終的な追加噴射燃料量(II)を算出している。この補正値Geetmは、エアフローセンサ30の検出値に基づくA点における平均吸気量をGafs(n−1)、B点における推定吸気量GSGT(n−1)とすると、下記式により算出される。
Geetm=Geetm+(Gafs(n−1)−GSGT(n−1))
上記式は、予測値をより正確にするため、測定値と予測値の差分を補正値としている。
したがって、追加噴射パルス幅ΔTinj1は、以下の式となる。
ΔTinj1=K4×{Kinj×Geetm−Tinj1B} (3')
ここで、K4は前述した直入率に基づく補正係数、Tinj1Bは直前の主噴射パルス幅Tinj1を、前述の図7にて説明する直入率及び蒸発輸送量に基づき減量補正したもの、つまり、気筒内に実際導入される量に該当するパルス幅である。
本変形例の燃料噴射制御を単純化して説明すれば、主噴射(I)の噴射燃料量(噴射パルス幅Tinj1)は、排気行程開始時の推定吸気量Geに基づいて算出されて、排気行程中に吸気中に噴射され、追加噴射(II)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj1)は、追加噴射許可クランク角θ近傍の2つの5ms毎の推定吸気量の差分ΔGeに基づいて算出されて、追加噴射許可クランク角θ以降の吸気行程中に吸気中に噴射されて、気筒に導入されている。
又、上述の推定吸気量を用いた実施例3(図5参照)の追加噴射(II)、(III)に関する説明を以下に行う。
この場合には、吸気行程開始前における最新の2つの5ms毎ルーチンの推定吸気量(G点、C点)の変化量と、排気行程中の平均吸気量Gafsと、前述のSGTルーチンの(1')式を用いて、吸気行程終了時H点における予測吸気量GeetmINを算出している(予測手段)。
GeetmIN=Gafs+ΔGAVE+KetmIN×ΔGe
ここで、KetmIN=1.0とし、1ストローク先、つまり、吸気行程終了時の吸気量を予測している。
したがって、第1の追加噴射(II)の燃料量(第1燃料量)、つまり、噴射パルス幅ΔTinj3は、吸気終了時H点における予測吸気量GeetmIN(第1吸気量)に基づいて、下記式により求まり、吸気行程開始前以降に追加噴射される(燃料噴射制御手段)。
ΔTinj3=K4×(Kinj×GeetmIN−Tinj3B
ここで、Tinj3Bは直前の主噴射パルス幅Tinj3を、直入率及び蒸発輸送量に基づき減量補正したものである。
更に、第2の追加噴射(III)の燃料量(第2燃料量)、つまり、噴射パルス幅ΔTinj4は、吸気終了時E点における予測吸気量GeetmIN(第2吸気量)に基づいて、以下の式により求まり、吸気行程中の追加噴射許可クランク角θ以降に追加噴射される(燃料噴射制御手段)。
ΔTinj4=K4×(Kinj×GeetmIN−Tinj3B−ΔTinj3B
ここで、式中のGeetmINは、追加噴射許可クランク角θ近傍における2つの5ms毎ルーチンの推定吸気量(C点、D点)の変化量と、排気行程中の平均吸気量Gafsと、前述のSGTルーチンの(1')式を用いて、吸気行程終了時E点における予測吸気量GeetmINを算出したものである(予測手段)。
本実施例の燃料噴射制御を単純化して説明すれば、主噴射(I)の噴射燃料量(噴射パルス幅Tinj3)は、排気行程開始時の推定吸気量Geに基づいて算出されて、排気行程中に吸気中に噴射され、第1の追加噴射(II)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj3)は、吸気行程開始前の2つの5ms毎の推定吸気量の差分ΔGeに基づいて算出されて、吸気行程開始時に吸気中に噴射され、第2の追加噴射(III)の噴射燃料量(噴射パルス幅ΔTinj4)は、追加噴射許可クランク角θ近傍の2つの5ms毎の推定吸気量の差分ΔGeに基づいて算出されて、追加噴射許可クランク角θ以降の吸気行程中に吸気中に噴射されて、気筒に導入されている。
本発明に係る内燃機関及びその燃料噴射制御装置の実施形態の一例を示す構成図である。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での直入率を説明する図である。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の一例(実施例1)を説明する図である。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の他の一例(実施例2)を説明する図である。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の他の一例(実施例3)を説明する図である。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での燃料噴射制御の他の一例(実施例4)を説明する図である。 本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置での蒸発輸送量による減量補正を説明する図である。 本発明に係る内燃機関及びその燃料噴射制御装置の実施形態の変形例を示す構成図である。
符号の説明
1 エンジン
2 エアクリーナー
3 吸気通路
4 サージタンク
5 インテークマニホールド
6 スロットルバルブ
7 燃料噴射弁
8 吸気ポート
9 排気通路
10 点火プラグ
11 排気ポート
21 ECU
22 アクセル開度センサ
23 大気圧センサ
24 スロットルバルブ開度センサ
25 I/M圧センサ
26 クランク角センサ
27 水温センサ
28 ステップモータ
30 エアフローセンサ

Claims (9)

  1. 内燃機関の吸気通路に配設されたスロットルの開度を検出するスロットル開度検出手段と、
    前記スロットル開度検出手段により検出したスロットルの開度に応じて前記スロットルの有効開口面積を算出する有効開口面積算出手段と、
    運転状態に応じて主噴射燃料量を設定し、所定のクランク角度に同期して前記主噴射燃料量の燃料を吸気中に供給する燃料噴射制御手段と、
    前記スロットル前後の圧力比を検出又は推定する圧力比検出手段と、
    前記圧力比検出手段により検出又は推定した圧力比と、前記有効開口面積算出手段による有効開口面積とを用い、前記スロットルの下流側の前記吸気通路内の吸気圧力或いは筒内吸気量を所定時間毎に予測する予測手段と、
    吸気行程時における燃料の直入率に基づき、追加噴射を許可するクランク角を設定する追加噴射許可クランク角設定手段とを備え、
    前記予測手段は、前記追加噴射許可クランク角近傍において予測した吸気圧力或いは筒内吸気量の変化量に基づき吸気行程終了時の吸気圧力或いは筒内吸気量を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、予測した吸気圧力或いは筒内吸気量に基づいて算出された追加噴射燃料量を、吸気行程中の前記追加噴射許可クランク角以降に追加噴射することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記圧力比検出手段は、前記スロットル下流の前記吸気通路内の吸気圧力を検出する吸気通路圧検出手段を含み、
    前記予測手段は、前記吸気通路圧検出手段により検出された吸気圧力の1行程間の平均圧力と、吸気行程開始前に予測された吸気圧力の変化量とを用いて、吸気行程終了時の吸気圧力を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、前記主噴射燃料量を予測された吸気圧力を基に設定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の場合には、
    前記予測手段は、前記吸気通路圧検出手段による吸気圧力の1行程間の平均圧力と、吸気行程開始前に予測した吸気圧力の変化量とを用いて、吸気行程終了時の吸気圧力を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、該予測された吸気圧力に基づいて算出された燃料量を吸気行程開始前以降に追加噴射するように制御し、
    前記予測手段による前記吸気行程開始前における吸気行程終了時の吸気圧力を予測した以降の吸気圧力の予測、又は、前記燃料噴射制御手段による前記吸気行程開始前以降の追加噴射後の追加噴射を禁止することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記圧力比検出手段は、前記吸気通路を流れる吸気量を検出する吸気量検出手段を含み、
    前記予測手段は、前記吸気量検出手段による吸気量の1行程間の平均吸気量と、吸気行程開始前に予測された筒内吸気量の変化量とを用いて、吸気行程終了時の筒内吸気量を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、前記主噴射燃料量を予測された筒内吸気量を基に設定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記燃料噴射制御手段は、主噴射燃料量及びその直入率と追加噴射燃料量及びその直入率とにより、前記吸気通路の壁面に付着する燃料の付着量を算出する燃料付着量算出手段を有し、
    前記燃料噴射制御手段は、今回の主噴射燃料量を前記燃料付着量算出手段による前回までの燃料付着量から蒸発輸送される量を減量補正することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記圧力比検出手段は、前記スロットル下流の前記吸気通路内の吸気圧力を検出する吸気通路圧検出手段を含み、
    前記予測手段は、前記吸気通路圧検出手段により検出された吸気圧力の1行程間の平均圧力と、吸気行程開始前の予測された吸気圧力の変化量とを用いて、吸気行程終了時の第1吸気圧力を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、該予測された第1吸気圧力に基づいて算出された第1燃料量を吸気行程開始前以降に追加噴射するように制御し、更に、
    前記予測手段は、前記追加噴射許可クランク角近傍において予測した吸気圧力の変化量に基づき吸気行程終了時の第2吸気圧力を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、予測した第2吸気圧力に基づいて算出された第2燃料量を、吸気行程中の前記追加噴射許可クランク角以降に追加噴射するよう制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関の回転速度が所定回転速度以上の場合には、
    前記予測手段による前記第2吸気圧力の予測、又は、前記燃料噴射制御手段による前記第2燃料量の追加噴射を禁止することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記燃料噴射制御手段は、主噴射燃料量及びその直入率と第1燃料量及びその直入率と第2燃料量及びその直入率とにより、前記吸気通路の壁面に付着する燃料の付着量を算出する燃料付着量算出手段を有し、
    前記燃料噴射制御手段は、今回の主噴射燃料量を前記燃料付着量算出手段による前回までの燃料付着量から蒸発輸送される量を減量補正することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  9. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記圧力比検出手段は、前記吸気通路を流れる吸気量を検出する吸気量検出手段を有し、
    前記予測手段は、前記吸気量検出手段により検出された筒内吸気量の1行程間の平均吸気量と、吸気行程開始前の予測された筒内吸気量の変化量とを用いて、吸気行程終了時の第1吸気量を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、該予測された第1吸気量に基づいて算出された第1燃料量を吸気行程開始前以降に追加噴射するように制御し、更に、
    前記予測手段は、前記追加噴射許可クランク角近傍において予測した筒内吸気量の変化量に基づき吸気行程終了時の第2吸気量を予測し、
    前記燃料噴射制御手段は、予測した第2吸気量に基づいて算出された第2燃料量を、吸気行程中の前記追加噴射許可クランク角以降に追加噴射するよう制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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