JP2005068191A - 防汚性樹脂およびその製造方法、並びに防汚塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防汚性樹脂の製造方法において、末端シラノール基含有ポリシロキサンと、アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランを含む架橋剤と、を含む混合物を重合させる工程を含む。これにより、防汚性がさらに向上した防汚性樹脂を製造することができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防汚性樹脂の製造方法、防汚性樹脂、および防汚塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
船舶、海洋構築物、養殖用漁網、浮標、工業用水系施設等の海中構造物は、海洋生物が生息する水中に常時さらされているため、時間の経過と共にバクテリア等の微生物が付着し、また、さらにこれを足場として海洋付着生物(例えば、フジツボ、イガイ、アオサ、珪藻等の動植物)が付着する。
【0003】
海中構造物の表面が、これらの微生物、動植物に覆われると、種々の問題が引き起こされる。例えば、船舶の船底部が上記の生物に覆われていた場合、海水摩擦抵抗が増大し、船舶の駆動に余分なエネルギーが必要となるため、船舶燃料の効率が低下する。また、漁網の場合、目詰まりを起こして魚介類の大量死を招く。さらに、浮標が沈降する、覆われた表面部分が腐食する、あるいは漁業従事者の作業が低下するという問題も考えられる。
【0004】
また、河川水や湖水等の自然水を冷却水等として利用する工業水系、および、中、上水道水を使用する循環式冷却装置では、水に含まれるバクテリア、珪藻、ラン藻等が繁殖し、器壁への付着することによる冷却効率の低下や、水管の閉塞、流量の減少等の障害を引き起こす。
【0005】
このような微生物や生物の付着を防止する方法として、従来より海中構造物の表面に防汚塗料を塗装する方法がとられている。
【0006】
例えば、近年、トリアルキルスズ含有高分子を防汚成分とする加水分解型防汚塗料が使用されている。これはトリアルキルスズ含有高分子が水中の微アルカリ性雰囲気中で加水分解し、有機スズ化合物を溶出することによって機能を発揮する。
【0007】
さらに、特許文献1にはアルキル基を導入したフェノール誘導体を使用する水中生物付着防止塗料組成物が開示されている。このようなアルキル基を導入したフェノール誘導体には、かなり高い効果があり、毒性も低い。
【0008】
また、防汚性物質として2種以上の樹脂を混合してなる樹脂組成物を配合することも検討されている(例えば特許文献2)。
【0009】
一方、2種類の樹脂を混合する方法としては、セミIPN型複合体が研究されている。セミIPN型複合体は、架橋型重合体と直鎖状重合体とが相互にからみあうことによって相互網目侵入構造を有する複合体である。このようなセミIPN型複合体は、相互網目侵入構造を有することによって、2種の樹脂の単なる機械的ブレンドでは得られないような樹脂物性を得ることができる。
【0010】
上記セミIPN型複合体としては、架橋型シリコーン樹脂および直鎖状ビニル系重合体等のラジカル重合型重合体からなるものを挙げることができる。
【0011】
【特許文献1】
特開平3−128302
【0012】
【特許文献2】
特開平9−279061
【0013】
【特許文献3】
「水産の研究」1992年、11巻、4号、p.71−72
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、トリアルキルスズ含有高分子を防汚成分とする加水分解型防汚塗料は、毒性の高い防汚剤を溶出し、有害水中生物を殺すか、あるいは付着不能な状態にまで障害を与えることで防汚性能を発揮するものであるから、生体に対し有害な化合物を海中に放出することとなり、環境汚染の観点から重大な問題となる。
【0015】
また、特許文献1のアルキル基を導入したフェノール誘導体を使用した場合は、防汚効果を長期にわたって持続させることが難しく、撥水性を有する化合物を併用するなどの工夫が必要であった。
【0016】
さらに、特許文献2の樹脂成分のように、防汚性物質を機械的にブレンドした樹脂では、防汚性を高める相互作用が生じるものではなかった。
【0017】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、毒性が低く、かつ、高い防汚活性を有する防汚性樹脂、および防汚塗料を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、架橋型シリコーン樹脂を製造する際に、架橋剤としてアンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランを使用することで、天然物由来の付着忌避活性物質として知られるコリンの類似体をシリコーン樹脂中に付加でき、非常に防汚性の高い樹脂が製造されることを見出した。
【0019】
すなわち、本発明に係る防汚樹脂の製造方法は、一般式(1);
【0020】
【化4】
【0021】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、またはフェニル基を表す。nは正の整数を表す。)または、一般式(2);
【0022】
【化5】
【0023】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基またはフェニル基を表す。nは正の整数を表す。xは、0<x<1である。)で表される末端シラノール基含有ポリシロキサンと、一般式(3);
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。R9は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)で表される、アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランと、を含む混合物を重合させる工程を含む製造方法である。
【0026】
上記製造方法によれば、シロキサン構造を有することから比較的良好な防汚活性を示すことが知られている架橋型シリコーン樹脂において、架橋剤として抗菌作用、生物の付着忌避活性を有する、アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランを使用するので、樹脂の防汚性をより高めることができる。また、上記化学式におけるR1〜R4、R5〜R8で示される置換基は、それぞれが同一の置換基を示していても異なった置換基を示していてもよく、また、一部が同一の置換基を示しており一部が異なった置換基を示していてもよい。
【0027】
上記末端シラノール基含有ポリシロキサンは、末端にシラノール基を有する高分子のシロキサンであり、1種類の単量体を重合したものでもよく、2種類の単量体を重合させた共重合体であっても良い。このとき共重合体の繰返し単位の配列は特に限定されるものではなく、統計共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体となっているものも含まれる。
【0028】
また、上記トリアルコキシシランとしては、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(OTAC)であることが好ましい。これによれば、より抗菌作用、生物の付着忌避活性に優れた防汚性樹脂が得られる。なお、上記OTACは架橋剤中に、80モル%以上含まれていることで良好に防汚性を付与できる。
【0029】
また、上記混合物は、さらに、少なくとも1種のラジカル重合性単量体を含む均一混合物であることが好ましい。これによれば、シリコーン樹脂とラジカル重合性単量体とのセミIPN型複合体が製造でき、上記ラジカル重合性単量体として防汚性に優れた物を用いれば、それぞれの単独重合体として含有した場合よりも、極めて強い防汚活性を発揮できる。
【0030】
なお、上記ラジカル重合性単量体は、N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドを含むことが好ましく、上記均一混合物がN−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドを上限100モル%、下限0.1モル%で含むことが好ましい。これにより、防汚性を高めることができる。
【0031】
また、上記末端シラノール基含有ポリシロキサンと上記トリアルコキシシランとは、有機酸触媒により反応させることで反応を促進でき、効率よく重合反応を行うことができる。また、有機酸触媒は環境に対する負荷、および人体に対する毒性が少ないので、環境に悪影響を与えることがない。
【0032】
また、上記重合は、同時法により行われることが好ましい。ここで、「同時法」とは、ラジカル重合反応と架橋反応とを同時に行うものである。同時法によれば、作業性が向上し、コストおよび硬化時間を縮小できる。
【0033】
以上の方法にて得られた防汚性樹脂は、人体、環境には無害で、抗菌性、抗ウィルス性を有するので、コンタクトレンズやドアノブ等を製造する材料として、あるいは、SARS感染予防のための抗菌マスク等の医療用品に応用できる。
【0034】
また、以上の方法にて得られた防汚性樹脂を用いた防汚塗料は、環境に対する悪影響を与えることなく、また、海洋生物に対する付着忌避活性を有するので、船底や海洋構築物の塗料として利用することで、優れた防汚効果を発揮する。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明は、海洋構造物に、バクテリア等の微生物が付着し、さらに、これを足場として付着する生物(例えば、フジツボ、イガイ、アオサ、珪藻等の動植物)が付着する事を防ぐ効果のある塗料、およびその成分となる防汚樹脂である。
【0036】
発明者等は、図1に示すように、シロキサン構造を有することから比較的良好な防汚活性を有する架橋型シリコーン樹脂1と、防汚性を有するラジカル重合性重合体2とが、相互に絡み合い、相互網目侵入構造を有するセミIPN型複合体が、これらの樹脂を単に機械的ブレンドした樹脂よりも、極めて強い防汚性を発揮することを見出した。しかしながら、このセミIPN複合体は、高い生物付着忌避活性を示すものの、微生物に対する抗菌作用は得られなかった。
【0037】
そこで、さらに架橋剤として抗菌性を有する物質を採用することを検討した。発明者等は、抗菌性を有する架橋剤として、図2に示す、天然物由来の付着忌避活性物質としてしられるコリンの類似体を有する4級アンモニウム、すなわち、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(OTAC)3が抗菌活性を有することを見出し、これを用いてセミIPN型複合体を製造した。
【0038】
これにより、樹脂が抗菌活性と付着忌避活性との両方を有するので、微生物の付着を防ぐことで海洋生物の付着を防ぎ、さらに付着忌避活性によっても海洋生物の付着を防ぐので、長期間の防汚効果が望める有望な防汚樹脂となった。
【0039】
上記防汚性樹脂の製造方法としては、上記一般式(1)または上記一般式(2)で表される末端シラノール基含有ポリシロキサンと、上記一般式(3)で表されるアンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランを含む架橋剤と、を含む混合物を重合させるものがある。
【0040】
上記末端シラノール基含有ポリシロキサンは特に限定されるものではないが、例えば、末端シラノール基含有ポリジメチルシロキサン、末端シラノール基含有ポリジエチルシロキサン、末端シラノール基含有ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、末端シラノール基含有ジフェニルシロキサン、末端シラノール基含有メチルフェニルシロキサン、末端シラノール基含有メチルフェニル−ジメチルシロキサンコポリマー、末端シラノール基含有メチルフェニル−ジフェニルシロキサンコポリマー等を挙げることができる。なかでも末端シラノール基含有ポリジメチルシロキサン、末端シラノール基含有ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーが好ましい。
【0041】
上記末端シラノール基含有ポリジメチルシロキサンおよび末端シラノール基含有ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーとしては、DMS−S15(製品名、GELEST社製、分子量1500〜2000、水酸基濃度0.9〜1.2%)、DMS−S32(製品名、GELEST社製、分子量36000、水酸基濃度0.09%)等のDMSシリーズ、PDS−1615(製品名、GELEST社製、分子量900〜1000、ジフェニルシロキサン14〜18モル%、水酸基濃度3.4〜4.8%)、PSD−0332(製品名、GELEST社製、分子量35000、水酸基濃度0.7〜1.3%)等の市販の製品を使用することもできる。これらの末端シラノール基含有ポリシロキサンは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
上記末端シラノール基含有ポリシロキサンの分子量は、下限200、上限100000の範囲内であることが好ましい。上記下限未満であると、得られる防汚性樹脂の安定性が損なわれるおそれがある。上記上限を超えると、高粘性となるため、好ましくない。上記下限は、500がより好ましく、10000がさらに好ましい。
【0043】
また、アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランは、架橋剤として、防汚性樹脂を製造するものであり、かつ、抗菌活性を有する分子を樹脂に付与する。アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランも特に限定されるものではないが、特に抗菌作用、生物の付着忌避活性が高いことから、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(OTAC)が好ましい。上記OTACを架橋剤として使用することにより、得られる防汚性樹脂の防汚活性が高められる。
【0044】
上記アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランは、樹脂製造の際、上記末端シラノール基含有ポリシロキサンに対する割合が、モル比で下限0.001%、上限99%の範囲内にて混合することが好ましい。上記範囲外であると、上記末端シラノール基含有ポリシロキサンとの良好な架橋体を得ることができない。上記下限は、0.01%がより好ましく、上記上限は、10%がより好ましい。
【0045】
また、上記アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランがOTACである場合、その架橋剤中での含有割合が多いほど製造される防汚性樹脂の抗菌活性が向上するので、使用する架橋剤のうちの80モル%以上がOTACであることが望ましい。上記下限は90質量%がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
【0046】
上記末端シラノール基含有ポリシロキサンと、アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランとの反応は、架橋反応であり、この反応を促進するためには、触媒を使用すればよい。
【0047】
防汚製樹脂を調整する際の触媒としては、従来有機スズ化合物が使用されていたが、有機スズ化合物は毒性が強く、海洋構造物の塗料として使用する場合などでは、自然環境や生態系に対する悪影響が懸念されている。
【0048】
そこで、触媒として有機酸触媒を用いることで、上記のような悪影響を起こさない防汚性樹脂が製造できる。有機酸触媒は、低融点のエステル誘導体を形成し、特に環境に対する負荷、および人体に対する毒性が少ない有機酸であることが望ましい。上記有機酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等を挙げることができる。
【0049】
上記有機酸触媒は、混合物中下限0.01モル%、上限10モル%の範囲内であることが好ましい。上記下限未満であると、目的とする架橋効果が十分に得られない。上記上限を超えると、それ以上の反応促進効果が得られず、また後述するラジカル重合体の重合を行う場合、ラジカル重合性単量体の重合反応に悪影響を及ぼす。上記下限は、0.02モル%がより好ましく、0.05モル%がさらに好ましい。上記上限は5モル%がより好ましく、2モル%がさらに好ましい。
【0050】
また、防汚性樹脂の製造方法において、上記混合物が、さらに、少なくとも1種のラジカル重合性単量体を含むことが望ましい。
【0051】
上記ラジカル重合性単量体は、ラジカル重合性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸が挙げられる。また、マレイン酸エチルエステル、フマル酸エチルエステル、イタコン酸エチルエステル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル等のハーフエステル類、あるいはオレイン酸、リノール酸、リシノール酸等の合成不飽和脂肪酸、アマニ油、大豆油等の天然不飽和脂肪酸でもよい。なかでも、メタクリル酸アルキルが好ましく、メタクリル酸メチルが特に好ましい。これらのラジカル重合性単量体は、単独で使用しても、複数を組み合わせても良い。
【0052】
また、上記ラジカル重合性単量体は、得られる防汚性樹脂に対して機能を付与するために、機能性を有する側鎖を持つ機能性ラジカル重合性単量体を少なくとも一部に有するものであってもよい。このような機能性ラジカル重合性単量体を使用することによって、得られる防汚性樹脂に必要とする機能を付与することができる。このような機能性ラジカル重合性単量体としては、例えば、N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドなどを挙げることができる。上記N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドは、特許文献2に開示されたモノマーであり、良好な水中生物忌避活性を有するモノマーとして知られている。このようなN−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドを機能性ラジカル重合性単量体として配合することにより、得られる防汚性樹脂の防汚活性が更に高められる。
【0053】
上記N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドは、従来防汚剤として知られているオクチルアニリン基を有する化合物であるが、このようなN−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドを配合し、セミIPN型複合体を形成することにより、オクチルアニリンを単独で配合する場合よりも高い防汚活性を得ることができる。
【0054】
上記N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドの配合量は、上記ラジカル重合性単量体の合計量中、下限0.1質量%、上限90質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲外であると、得られるセミIPN型複合体の性能に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくない。上記下限は1質量%がより好ましく、2質量%が更に好ましい。上記上限は、80質量%がより好ましく、75質量%が更に好ましい。
【0055】
また、N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドの配合量は、上記均一混合物中、下限が10モル%、上限が80モル%の範囲内であることが望ましい。上記下限より少ないと、防汚活性の向上が認められず、上記上限より多いと、アンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランの抗菌作用が働きにくくなる可能性がある。上記下限は10質量%がより好ましく、15質量%が更に好ましい。上記上限は、80質量%がより好ましく、70質量%が更に好ましい。
【0056】
上記末端シラノール基含有ポリシロキサンおよび架橋剤の合計(A)に対する、ラジカル重合性単量体(B)の比((A)/(B))は、モル比で下限0.1/99.9、上限99.9/0.1の範囲内であることが好ましい。上記範囲外であると良好なセミIPN型複合体を形成できないおそれがある。上記下限は、1/99がより好ましく、上記上限は、99/1がより好ましい。
【0057】
本発明で使用する防汚性樹脂の製造方法は、上述の各成分からなる均一混合物を重合するものである。すなわち、各モノマー成分が均一に混合した状態で反応を進行することによって、架橋型シリコーン樹脂とラジカル重合性重合体とが相互にからみあい、良好なセミIPN型複合体である上記防汚性樹脂を形成するものである。ここで言う均一とは、各成分が相分離を起こさず、単一相として存在することを意味する。相分離した混合物をそのまま重合すると、良好なセミIPN型複合体が得られないため、混合物の状態で均一であることが必要である。
【0058】
混合物を均一な状態にするためには、上記末端シラノール基含有ポリシロキサンとラジカル重合性単量体との相溶性が重要となる。すなわち、均一混合物を形成することができるよう、末端シラノール基含有ポリシロキサンとラジカル重合性単量体との溶解度パラメータを考慮しながら単量体成分の組成を決定することが要求される。このような単量体の成分の組成の決定は、ラジカル重合性単量体として上記機能性ラジカル重合性単量体を使用した場合に顕著になる。すなわち、使用する機能性ラジカル重合性単量体の側鎖によっては他の単量体成分との相溶性が悪くなり、均一混合物を得られない場合があるため、使用するほかの単量体成分が制限される場合がある。一例として、機能性ラジカル重合性単量体としてフェニル基を側鎖として有するN−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドを使用した場合、末端シラノール基含有ポリシロキサンとしてフェニル基を側鎖として有する末端シラノール基含有ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーを用いることが好ましい。
【0059】
上記均一混合物は、各成分を均一に混合するため、セミIPN型複合体の形成を妨げない範囲で溶媒を含むことが好ましい。上記溶媒としては特に限定されないが、常圧での沸点が150℃以下で、水酸基やアミノ基等の活性水素を含まない溶媒が好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン、アセトニトリル、トルエン等を挙げることができる。上記溶媒は、均一混合物中下限1質量%、上限99質量%の範囲内で配合されることが好ましい。上記上限を超えると、希薄溶液となるため、重合体相互間のからみあいが生じにくくなり、上記下限未満であると、良好な均一混合物が得られないため好ましくない。
【0060】
上記均一混合物は、熱や紫外線で重合を起こし、ラジカル重合性単量体の重合反応を誘引する物質を含むことが好ましい。このような物質としては特に限定されず、例えば、2,2−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2−アゾビスシクロヘキシルニトリル、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等を挙げることができる。上記均一混合物は、必要に応じてその他の成分を有するものであっても良い。
【0061】
上記防汚性樹脂の製造方法は、ラジカル重合反応と架橋反応とを同時に行う同時法によるものであっても、逐次法によるものであってもよいが、作業性、コストおよび硬化時間の観点から同時法が好ましい。
【0062】
重合反応時においては、反応の進行に伴う配合成分の相分離によってセミIPN型複合体が形成されないことを防ぐため、反応中においても均一状態を維持することが好ましい。したがって、必要に応じて加熱加速等の反応条件を制御することが好ましい。例えば、一度に重合温度まで加熱するのではなく、段階的に加熱することにより、溶媒を徐々に蒸発させながら、均一な状態で重合反応を進行することができる。加熱温度としては特に限定されないが、例えば、第1段階が下限30℃、上限100℃の範囲内であり、最終段階が下限60℃、上限120℃の範囲内であることが好ましい。反応時間は、合計で1分〜48時間の範囲内であることが好ましい。
【0063】
このようにして得られた防汚性樹脂がセミIPN型構造を有することは、DSC(示差走査型熱量計)により確認することができる。すなわち、末端シラノール基含有ポリシロキサンとラジカル重合性重合体との機械的混合を行った場合は、セミIPN型複合体を形成する程度に充分に混合させることができないものであるから、DSCの測定においては、Tgや吸熱ピークは単独重合体の単なる重ね合わせとなり、単独重合体の熱物性から全く変化していない。
【0064】
これに対して、本発明のセミIPN型複合体の製造方法により調製したセミIPN型複合体は、DSCの測定による熱挙動が単独重合体とは相違しており、特にTgの数値が変化するため、機械的混合では得られない分子構造を有すると判断できる。
【0065】
上記防汚性樹脂は、本発明の防汚塗料において、下限0.1質量%、上限99.9質量%の範囲内で配合されることが好ましい。上記下限未満であると、充分な防汚性を発揮することができず、上記上限を超えると、高粘性となり、塗装作業性が低下する。
【0066】
本発明の防汚塗料は、上記防汚性樹脂以外に他の樹脂を含有しても良い。上記他の樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、石油系樹脂、ワックス、パラフィン、ロジンエステル、ロジン系樹脂等を挙げることができる。これらは、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0067】
本発明の防汚塗料は、塗料の性能を阻害しない範囲で、更に、防汚剤、可塑剤、顔料、溶剤等の慣用の添加剤を添加することができる。上記防汚剤としては特に限定されるものではなく、公知のもの、例えば、無機化合物、金属を含む有機化合物および金属を含まない有機化合物等を使用すればよい。具体的には、亜酸化銅、マンガニーズエチレンビスジチオカーバネート、ジンクジメチルカーバメート、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2,4,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、ジンクエチレンビスジチオカーバーメート、ロダン銅、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)イソチアゾロン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩および銅塩、テトラメチルチウラムジサルファイド、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、3−ヨード−2−プロピルブチルカーバメート、ジョードメチルパラトリスルホン、フェニル(ビスピリジル)ビスマスジクロライド、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、トリフェニルボロンピリジン塩、ステアリルアミン−トリフェニルボロン、ラウリルアミン−トリフェニルボロン等を挙げることができる。これらの防汚剤は、単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0068】
上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;アジピン酸イソブチル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールアルキルエステル等のグリコールエステル系可塑剤;トリクレンジリン酸、トリクロロエチルリン酸等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ大豆油、エポキシステアリン酸オクチル等のエポキシ系可塑剤;ジオクチルスズラウリレート、ジブチルスズラウリレート等の有機スズ系可塑剤;トリメリット酸トリオクチル、トリアセチレン等を挙げることができる。これらの可塑剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】
上記顔料としては、例えば、沈降性バリウム、タルク、クレー、白亜、シリカホワイト、アルミナホワイト、ベントナイト等の体質顔料;酸化チタン、酸化ジルコン、塩基性硫酸塩、酸化スズ、カーボンブラック、黒鉛、ベンガラ、クロムイエロー、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、キナクリドン等の着色顔料等を挙げることもできる。これらの顔料は、単独でもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0070】
上記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロペンタン、オクタン、ヘプタン、シクロヘキサン、ホワイトスピリット等の炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレグリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;n−ブタノール、プロピルアルコール等のアルコール等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上併用しても良い。
【0071】
その他の添加剤としては、例えば、フタル酸モノブチル、コハク酸モノオクチル等の一塩基有機酸、樟脳、ひまし油等;水結合剤、タレ止め剤;色別れ防止剤;沈降防止剤;消泡剤等を挙げることができる。
【0072】
上記防汚塗料は、上記防汚性樹脂に、例えば、上記防汚剤、可塑剤、塗膜消耗調整剤、顔料、溶剤等の慣用の添加剤を添加し、ボールミル、ペブルミル、ロールミル、サンドグラインドミル等の混合機を用いて混合することにより、調製することができる。上記防汚塗料は、常法に従って被塗物の表面に塗布した後、常温下または加熱下で溶剤を揮散除去することによって乾燥塗膜を形成することができる。
【0073】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0074】
【実施例】
以下に本発明について実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【0075】
試薬は、末端シラノール基含有ポリシロキサンとして、末端シラノール含有ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(以下PDphDMS)を使用し、架橋剤としてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(Octadecyldimethyl(3−trimethoxysilylpropyl)ammonium chloride:以下OTACと称する)3、もしくは、OTAC3とテトラエチルオルソシリケート(以下TEOS)とを任意の割合で混合したものを用いた。なお、OTACはメタノールに60%純度で溶解させた市販品GELESTを使用した。
【0076】
また、機能性ラジカル重合性単量体としてN−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミド(以下NOMA)を、ラジカル重合性単量体としてメタクリル酸メチル(以下MMA)を、触媒として酢酸を使用した。また、溶媒としてはTHFを用い、THFに2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(以下AIBN)を添加して使用した。
【0077】
ここで、本実施例に係る防汚性樹脂の製造の合成スキームを図3に示す。図3の左上に示す化学式はNOMAとMMAとを示し、ラジカル重合性単量体としてそれぞれをz:1−zの割合(0≦z≦1)で含んでいる。左下に示す化学式はPDphDMSと、OTACおよびTEOSとを示している。ここで使用するPDphDMSは、重合体両端の側鎖がメチル基であり、それ以外の側鎖がフェニル基、あるいはメチル基である(フェニル基とメチル基との割合、重合の順番は特定されない)。OTACとTEOSとはそれぞれをy:1−yの割合(0≦y≦1)で含んでいる。
【0078】
〔実施例1〕
まず、架橋剤としてOTACのみを用いた実施例について説明する。
【0079】
表1に示すように、PDPhDMS0.47mmol、OTAC0.43mmol、NOMA0.87mmol、MMA2.83mmol、酢酸1.71mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、を反応容器に量りとり、均一溶液とした。この溶液を窒素ガスで30分間脱気した後、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌し、その後、溶液を段階的に昇温して(すなわち、65℃に2時間、75℃で5時間、そして90℃で12時間保ち)重合を行った。これにより得られた生成物を60℃で12時間真空乾燥して、淡黄色のセミIPN型複合体を得た。
【0080】
【表1】
【0081】
〔実施例2〕
表1に示すように、原料比を、PDPhDMS0.24mmol、OTAC0.21mmol、NOMA2.02mmol、MMA0.86mmol、酢酸0.83mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、とする以外は実施例1と同様に処理して淡黄色のセミIPN型複合体を得た。
【0082】
〔実施例3〕
表1に示すように、原料比を、PDPhDMS0.46mmol、OTAC0.43mmol、NOMA1.86mmol、MMA0.00mmol、酢酸1.71mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、とする以外は実施例1と同様に処理して淡黄色のセミIPN型複合体を得た。
【0083】
〔実施例4〕
次に、架橋剤としてOTACとTEOSとを等量混合したものを用いた実施例について説明する。
【0084】
原料比を、表2に示すように、PDPhDMS0.44mmol、TEOS0.13mmol、OTAC0.13mmol、NOMA0.87mmol、MMA2.68mmol、酢酸1.71mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、とする以外は実施例1と同様に処理してセミIPN型複合体を得た。
【0085】
【表2】
【0086】
〔実施例5〕
原料比を、表2に示すように、PDPhDMS0.65mmol、TEOS0.19mmol、OTAC0.19mmol、NOMA0.67mmol、MMA0.73mmol、酢酸2.54mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、とする以外は実施例1と同様に処理してセミIPN型複合体を得た。
【0087】
〔実施例6〕
原料比を、表2に示すように、PDPhDMS0.22mmol、TEOS0.06mmol、OTAC0.06mmol、NOMA2.01mmol、MMA2.15mmol、酢酸0.83mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、とする以外は実施例1と同様に処理してセミIPN型複合体を得た。
【0088】
〔実施例7〕
原料比を、表2に示すように、PDPhDMS0.44mmol、TEOS0.13mmol、OTAC0.13mmol、NOMA1.83mmol、MMA0.00mmol、酢酸1.71mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、とする以外は実施例1と同様に処理してセミIPN型複合体を得た。
【0089】
〔実施例8〕
次に、架橋剤としてOTACとTEOSとを3:1で混合したものを用いた実施例について説明する。
【0090】
表3に示すように、PDPhDMS0.65mmol、TEOS0.08mmol、OTAC0.23mmol、NOMA0.67mmol、MMA0.72mmol、酢酸2.54mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、を反応容器に量りとり、均一溶液とした。この溶液を窒素ガスで30分間脱気した後、窒素雰囲気下、室温で30分攪拌し、その後、溶液を段階的に昇温して(すなわち、65℃で2時間、75℃で5時間、そして90℃で5日間保ち)重合を行った。これにより得られた生成物を60℃で12時間真空乾燥して、セミIPN型複合体を得た。
【0091】
【表3】
【0092】
〔実施例9〕
次に、架橋剤としてOTACとTEOSとを1:3で混合したものを用いた実施例について説明する。
【0093】
原料比を、表3に示すように、PDPhDMS0.66mmol、TEOS0.36mmol、OTAC0.12mmol、NOMA0.67mmol、MMA0.72mmol、酢酸2.54mmol、AIBN5重量%を含むTHF0.5ml、とする以外は実施例8と同様に処理してセミIPN型複合体を得た。
【0094】
〔比較例〕
OTACの架橋体の抗菌活性を検討するために、比較例として、OTACの架橋体を合成した。
【0095】
OTAC0.50g(1.01mmol)、酢酸0.07g(1.17mmol)、THF0.16mlを反応容器にとり、均一溶液とした。その後、溶液を段階的に昇温して(すなわち、65℃で2時間置いた後、75℃で5時間、そして90℃で12時間保ち)重合を行った。得られた生成物を60℃で12時間真空乾燥してOTAC架橋体(以下POTACと称する)を得た。
【0096】
〔実施例10:バクテリアを用いた抗菌実験〕
上記した実施例および比較例から得られた試料と、ネガティブコントロールとしてのブランクのクロロホルムとについて、海洋性細菌株No.38を用いて、以下の抗菌試験を行った。
【0097】
まず、培地の調製方法を示す。外房沖にて採取した天然海水をメンブレンフィルターシステム(ポリビニリデンジフロライドメンブラン、メンブラン孔径 0.45 mm)によって濾過した濾過海水を準備した。そして、Polypepton;市販品(日本製薬)1.25 g、Yeast extract (Powder);市販品(関東化学)1.25 g、Iron(II) sulfate heptahydrate (FeSO4・7H2O);市販品(和光純薬工業、特級)0.10 gを500 mlの濾過海水に加え、完全に溶解させた。
【0098】
溶解後、0.05 mol/l Sodium hydroxide solution(0.05N−NaOH);(和光純薬工業、容量分析用)でpHを7.21に調製した。このときのpH調製は、pH METER F−22(堀場製作所)により、100−7 pH STANDARD SOLUTION;市販品(堀場製作所)、100−9 pH STANDARD SOLUTION;市販品(堀場製作所)を用いて行われた。
【0099】
この調製溶液を三角フラスコに分注し、アルミホイルで栓をした後、高圧蒸気滅菌した。滅菌後、冷蔵庫(4℃)にて保存し、これを培地原液とした。
【0100】
培地原液をNo.2濾紙(アドバンティック)で2回濾過し、高圧蒸気滅菌によって生じた沈殿物を除去した。このとき高圧蒸気滅菌は、AUTOCLAVE ES−215(トミー工業株式会社)を用いて、滅菌条件1.2気圧×121℃×20分で行なった。この溶液を500 mlの三角フラスコに250 mlとり、Agar;市販品(和光純薬工業) 6.25 gを加えアルミホイルで栓をした後、高圧蒸気滅菌した。滅菌後、培地が熱いうちに取り出し、クリーンベンチ内で滅菌シャーレに2.5 mlずつ分注し、室温で放熱した。培地が完全に固まった後、シャーレを逆さにして冷蔵庫で保存した。
【0101】
次に、海洋性細菌No.38の継代培養方法について説明する。海洋性細菌No.38の植継はすべてクリーンベンチ内で行なった。まず、冷蔵庫で保存していた上記の寒天培地と、海洋性細菌No.38の保存株を室温に戻し、継代保存株から1白金耳かきとり、寒天培地に菌株を画線培養した。画線培養した培地を25℃のインキュベータ内で、画線した部分に十分菌が発育するまで培養し(12時間)、冷蔵庫で保存した。
【0102】
続いて、抗菌試験の方法を説明する。抗菌試験用液体培地は、以下のようにして調製した。培地原液をNo.2濾紙(アドバンティック)で2回濾過し、高圧蒸気滅菌によって生じた沈殿物を除去した。この溶液を300 mlの三角フラスコに200 ml、200 mlの三角フラスコに100 mlとりアルミホイルで栓をした後、上記と同様に高圧蒸気滅菌をした。滅菌後、沈殿物の有無を確認し、沈殿物がないか、ごく微量ならそのまま冷蔵庫に保存した。このとき、沈殿が多量で濁りがある場合は再度、培地原液から調製した。
【0103】
実施例あるいは比較例のポリマー(7.8 mg)を0.1 mlのクロロホルムに溶解あるいは膨潤させた状態で、または、ブランクのクロロホルムを、滅菌した遠沈管にキャストして、室温で1時間乾燥した後、12時間真空乾燥した。乾燥後、これにアルミホイルで栓をした後、高圧蒸気滅菌をした。これ以後の操作はすべてクリーンベンチ内で行なった。
【0104】
上記で調製したサンプルに、海洋性細菌株No.38を含む液体培地2 mlを加え、37℃で12時間インキュベートとした。インキュベート後、この液体培地を1 mlとって別の無菌液体培地4 mlに移植し、培地の濁度(OD)より抗菌活性を検討した。培地の濁度は、デジタル比色計(PHOTO METER mini photo 518、タイテック)を用いて測定した。
【0105】
この結果、12時間後、比較例の試料(POTAC)、または実施例1の試料を含む培地では、海洋性細菌株No.38(バクテリア)の増殖が抑えられ、培地は透明であった。一方、クロロホルムまたは他の実施例の試料を含む培地では海洋性細菌株No.38が増殖して白濁した。したがって、本発明のセミIPN型複合体が抗菌活性を示すことが分かった。
【0106】
また、バクテリアと12時間接触させた時の試料を含む培地の、660nmにおける吸光度を測定することにより、培地中のバクテリアの増殖量の評価を行った。
【0107】
結果を図4に示す。なお、結果の表は各試料の相対吸光度を示しており、相対吸光度はバクテリアとクロロホルムとを接触させた培地の吸光度を1として規格化した。
【0108】
固定化抗菌剤として用いられるOTACのホモポリマーであるPOTAC(比較例)は高い抗菌活性を示した。また、架橋剤としてOTACを用いたセミIPN型複合体(実施例1〜4)では、OTACが100%でNOMAの割合が少ない実施例1が高い抗菌性を示した。これに対して、TEOSとOTACの両方を混合したものを用いた場合には、割合にかかわらず抗菌活性を示さなかった。
【0109】
このことから、OTACを導入したセミIPN型複合体は海洋性細菌株No.38に対して抗菌活性を持っていることが分かった。
【0110】
なお、本実施例には示していないが、架橋剤としてOTACを使用せず、TEOSのみを使用した場合は、海洋性細菌株No.38に対する抗菌作用は全く示されなかった。
【0111】
〔実施例11:ムラサキイガイを用いた生物忌避活性測定〕
実施例および比較例で得られた試料の海洋生物付着忌避活性を、特許文献3の「海洋付着物を忌避させる物質(上)(伊奈)」に記載されている「平板足糸計測法(試験板法)」に基づいて評価した。試料1個につき4個のムラサキイガイを被検体として使用し、判定は次にように行った。
【0112】
まず、1個のムラサキイガイのサンプルゾーン(上記試料が塗布されたゾーン)外の足糸数をA、全足糸数をBとする。そして、
1) B≧7の時、A/B≧2/3であれば、そのムラサキイガイのポイントを+2とする。A/B<2/3であれば、−2とする。
2) 2≦B≦6の時、表1によりそのムラサキイガイのポイントを求める。
【0113】
【表4】
【0114】
次に、4個のムラサキイガイについてのトータルポイント(Tp)を求める。各試料のトータルポイントの結果を図5に示す。
【0115】
さらに、上記の結果から、2)によるTpが+8かつ4個のムラサキイガイの(B−A)≦2であれば++、4個のムラサキイガイの(B−A)>2かつ+4≦(Tp)≦+8であれば+、4個のムラサキイガイの(B−A)>2かつ0<(Tp)<+4であれば±、4個のムラサキイガイの(B−A)>2かつ(Tp)≦0で−の付着忌避活性を与えた。つまり、++、+、±、−の順に、ムラサキイガイが上記サンプルゾーン外に付着する割合が高く、付着忌避活性が高いといえる。
【0116】
なお、4個体のうち1個体の全足糸数が0または1の場合は、残りの3個体の平均値をその個体群のポイントとした。また、4個体のうち、2個体以上の全足糸数が0または1の場合の場合、再試験を行い2回の試験の平均値を与えた。
【0117】
結果を図6に示す。これによると、実施例1や実施例7ではPOTACと同等の付着忌避活性が得られた。さらにNOMAの割合が全容量に対して60〜75重量%の実施例3、4、8ではそれ以上の付着忌避活性を有していることが認められた。
【0118】
これにより、本実施例の、ポリシロキサンの架橋剤としてOTACを用いた防汚性樹脂は、他の架橋剤を用いたポリシロキサン樹脂よりも抗菌性を向上させることができ、またOTACのみの架橋体(比較例)より高い生物忌避性を有していた。したがって、本実施例のポリシロキサン樹脂は、抗菌性、および生物付着忌避性の両方を有することがわかった。
【0119】
【発明の効果】
本発明の防汚性樹脂の製造方法は、上記一般式(1)または上記一般式(2)で表される末端シラノール基含有ポリシロキサンと、上記一般式(3)で表されるアンモニウム塩構造を含むトリアルコキシシランを含む架橋剤と、を含む均一混合物を重合させるものである。
【0120】
以上の方法にて得られた防汚性樹脂は、人体、環境には無害で、抗菌性、抗ウィルス性を有するので、コンタクトレンズやドアノブ等を製造する材料として、あるいは、SARS感染予防のための抗菌マスク等の医療用品に応用できる。
【0121】
また、以上の方法にて得られた防汚性樹脂は、海洋生物に対する付着忌避活性を有し、環境に対する悪影響を与えることないので、この防汚性樹脂を用いた防汚塗料は、船底や海洋構築物の塗料として利用することで、環境に悪影響を与えず、優れた防汚効果を発揮できる。
【0122】
さらに、上記均一混合物が、少なくとも1種のラジカル重合性単量体を含み、これが防汚性を有するものであれば、より防汚効果を高めることができる。
【0123】
なお、上記トリアルコキシシランが、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドであれば、さらに良好な防汚効果が得られる。また、上記ラジカル重合性単量体が、N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドであれば、さらに良好な防汚効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る防汚性樹脂を模式的に示す図面である。
【図2】本実施例に係る防汚性樹脂の製造に使用するオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの化学式を示す図面である。
【図3】本実施例に係る防汚性樹脂の合成スキームを示す図面である。
【図4】本実施例に係る防汚性樹脂の抗菌活性の測定結果を示す図面である。
【図5】本実施例に係る防汚性樹脂の付着忌避活性の測定結果を示す図面である。
【図6】本実施例に係る防汚性樹脂の付着忌避活性の測定結果を示す図面である。
【符号の説明】
1 架橋型シリコーン樹脂
2 ラジカル重合性重合体
3 OTAC
Claims (10)
- 架橋型シリコーン樹脂からなる防汚性樹脂の製造方法であって、
一般式(1);
または、一般式(2);
で表される末端シラノール基含有ポリシロキサンと、
一般式(3);
- 上記トリアルコキシシランが、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドであることを特徴とする請求項1記載の防汚性樹脂の製造方法。
- 上記架橋剤が、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを80モル%以上含むことを特徴とする請求項2記載の防汚性樹脂の製造方法。
- 上記混合物が、さらに、少なくとも1種のラジカル重合性単量体を含む均一混合物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防汚性樹脂の製造方法。
- 上記ラジカル重合性単量体が、N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドを含むことを特徴とする請求項4記載の防汚性樹脂の製造方法。
- 上記均一混合物が、N−(p−n−オクチルフェニル)メタクリルアミドを0.1モル%以上100モル%以下の割合で含むことを特徴とする請求項5記載の防汚性樹脂の製造方法。
- 上記末端シラノール基含有ポリシロキサンと上記トリアルコキシシランとを有機酸触媒により反応させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の防汚性樹脂の製造方法。
- 上記重合が、同時法により行われることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の防汚性樹脂の製造方法。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の製造方法により得られることを特徴とする防汚性樹脂。
- 請求項9の防汚性樹脂を含むことを特徴とする防汚塗料。
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