JP2005062494A - 光硬化性組成物及びそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、感光性重合成分、光重合開始剤を含む光硬化性組成物において、280〜310nmの波長領域のいずれかでのモル吸光係数(ε)が25000以上である該光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
【選択図】 なし
Description
このようなことから、現像時間に対する線幅の変化が少ないほど、また、現像パターンの線幅が維持される時間が長いほど、即ち、現像マージンが小さく、現像ラチチュードが大きいほど、工程設計の上でもまた生産歩留まりの点でも有利である。
また、カラーフィルタ用ブラックマトリクスは、前記の通り黒色系着色剤を分散させた光硬化性組成物から形成されるが、光硬化する際に用いられる光重合開始剤の感度が十分でないため、露光条件及び現像条件の影響を受けやすく、現像ラチチュード及び現像マージンに問題があり、工程管理上問題となっていた。
このようなことから、ブラックマトリクス用分光吸収に優れた光硬化性組成物、例えば光重合開始剤を用いて感度を上げる必要があった。
特に、カラーフィルタ用ブラックマトリクスの場合、他の色の画素よりも相対的に線幅の精度に厳しいものが要求されるため、現像ラチチュードや現像マージンをいかにコントロールするかが特に重要なものとなってきた。
また、光樹脂組成物に光重合性モノマーとジアゾ系化合物又はアジド系化合物を含むことにより紫外線露光に対して高感度を得る方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、現像マージン及び現像ラチチュードに優れたカラーフィルタ用の光硬化性組成物及びそれを用いて得られたカラーフィルタを提供することを目的とする。
<2> 前記光重合開始剤が、オキシムカルバゾール系化合物であることを特徴とする上記<1>に記載の光硬化性組成物。
<4> 前記光硬化性組成物中における全固形分に対して前記着色剤の含有率が30〜70質量%であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
<6> 前記着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする上記<5>に記載の光硬化性組成物。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光硬化性組成物は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、感光性重合成分、光重合開始剤を含有する。一般的には溶剤を用い、必要に応じて他の成分を添加することができる。
本発明における光重合開始剤は、前記280〜310nmの波長領域のいずれかで該光重合開始剤のモル吸光係数(ε)が25000以上であるものであれば、何れの光重合開始剤であってもよい。
該光重合開始剤のモル吸光係数(ε)を280〜310nmの波長領域のいずれかにおいて、25000以上とすることにより、例えば、パターン露光に使用できる水銀灯の最も短波長であるj線領域の高エネルギーをも利用可能となり、光硬化性組成物からブラックマトリクスを形成する樹脂膜系の問題点であった低感度に対して著しい感度向上効果をもたらすことができる。これはエネルギー利用効率の観点から好ましいものである。
前記水銀灯は、h線(405nm)、i線(365nm)及びj線(310nm)の輝線スペクトルを有するが、従来の光重合開始剤にはj線領域に吸収がある化合物は無いため、専らh線、i線を使用しており、非効率的なエネルギー利用であった。
前記光重合開始剤の中でも、高エネルギー利用効率の観点から280〜310nmの波長領域のいずれかにおいて、更に、εを27000以上とすることが好ましく、特に、εを30000以上とすることが好ましい。
上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、ヘキシル基等が挙げられ、置換基を有するアルキル基の好ましい置換基としては、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、カルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。
前記nとしては、4が好ましく、更に2が好ましく、特に、nが0が好ましい。
また、前記本発明における光重合開始剤と下記公知の光重合開始剤との使用比率(質量)としては、95:5〜50:50が好ましく、更に、95:5〜60:40が好ましく、特に90:10〜70:30が好ましい。
例えば、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物等が挙げられる。
また、旭電化(株)製アデカオプトマーSP−150、同151、同170、同171、同N−1717、同N1414等も光重合開始剤として使用できる。
前記光硬化性組成物中の前記着色剤の含有率は、光硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、30〜70質量%が好ましく、40〜70質量%、がより好ましく、45〜70質量%が更に好ましい。この範囲とすることにより良好な遮光性と、高色度の色特性が得られ易く、また、良好な現像処理性が得られ易い。
前記ブラックマトリクスを形成する黒色系着色剤を着色剤として含有する光硬化性組成物を用いたとき、本発明の効果、即ち、現像マージン及び現像ラチチュードの優れた効果がより高度に発揮される。この点から着色剤としては黒色系着色剤を好適に用いられる。
併用する場合の質量比は、カーボンブラック質量に対する併用する黒色着色剤質量との質量比は、95:5〜60:40の範囲が好ましく、95:5〜70:30がより好ましく、90:10〜80:20が更に好ましい。併用する黒色着色剤が複数の場合は、それらの合計質量となる。95:5〜60:40の範囲とすることにより、分散液の凝集がなく、ムラのない安定した塗布膜が作成できる傾向にあった。
カーボンブラックを樹脂(被覆樹脂)で被覆するには、カーボンブラックに被覆樹脂及び溶剤を加えてミルベースをつくり、それをフラッシング処理やニーダー、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、2本又は3本ロールミル、エクストルーダー、ペイントシェーカー、超音波、ホモジナイザーなどの方法により分散処理を行う。これらの処理方法は2つ以上組合わせることも可能である。必要に応じてカーボンブラックを均一に分散させるため分散剤を用いることができる。
1)ポリオレフィン系ポリマー
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等
2)ジエン系ポリマー
ポリブタジエン、ポリイソプレン等
3)共役ポリエン構造を有するポリマー
ポリアセチレン系ポリマー、ポリフェニレン系ポリマー等
4)ビニルポリマー
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルフェノール等
5)ポリエーテル
ポリフェニレンエーテル、ポリオキシラン、ポリオキセタン、ポリテトラヒドロフラン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール等
6)フェノール樹脂
ノボラック樹脂、レゾール樹脂等
7)ポリエステル
ポリエチレンテレフタレート、ポリフェノールフタレインテレフタレート、ポリカーボネート、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等
8)ポリアミド
ナイロン−6、ナイロン66、水溶性ナイロン、ポリフェニレンアミド等
9)ポリペプチド
ゼラチン、カゼイン等
10)エポキシ樹脂及びその変性物
ノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシアクリレート及び酸無水物による変性樹脂等
11)その他
ポリウレタン、ポリイミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリピロール、ポリアニリン、ポリスルフィド、ポリスルホン、セルロース類等
アクリル酸、(無水)マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、などのカルボキシル基を有するモノマーとスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトン酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸クロライド、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N,Nジメチルアクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、などの共重合成分を共重合させたポリマーが挙げられる。中でも好ましいものは、構成モノマーとして少なくとも(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクリル酸アルキルエーテルを含有するアクリル樹脂であり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸およびスチレンを含有するアクリル樹脂である。
エチレン性二重結合を導入する合成手段として、例えば、特公昭50−34443号公報、特公昭50−34444号公報などに記載の方法等が挙げられる。具体的には、カルボキシル基や水酸基にグリシジル基、エポキシシクロヘキシル基および(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物やアクリル酸クロライドなどを反応させる方法が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アリルクロライドなどの化合物を使用し、カルボキシル基や水酸基を有する樹脂に反応させることにより側鎖に重合基を有する樹脂を得ることができる。特に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートを反応させた樹脂が好ましい。
ここで、ハロゲン原子の具体例としては、Cl、Br、Iなどが挙げられる。アルキル基としては、直鎖、分岐、又は環状であってもよく、メチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基などが挙げられ、炭素数1〜7のものが好ましい。アリール基としては、フェニル基、フリル基、ナフチル基などが挙げられる。
線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、樹脂側鎖または主鎖にカルボキシ基あるいはフェノール性水酸基等の酸性基を有するものがアルカリ現像可能なため、公害防止の観点から好ましい。特にカルボキシル基を有する樹脂、例えば、アクリル酸(共)重合体、スチレン/無水マレイン酸樹脂、ノボラックエポキシアクリレートの酸無水物変性樹脂等は高アルカリ現像性なので好ましい。側鎖にカルボン酸を有するポリマーとしては、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなども有用である。これらのなかでベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/および他のモノマーとの多元共重合体も好適である。
この他に水溶性ポリマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニールピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニールアルコール等も有用である。また硬化皮膜の強度をあげるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンのポリエーテルなども有用である。これらのポリマーは任意な量を混合させることができる。
1.グリシジルアミン型エポキシ樹脂
2.トリフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂
3.テトラフェニルグリシジルメタン型エポキシ樹脂
4.アミノフェノール型エポキシ樹脂
5.ジアミドジフェニルメタン型エポキシ樹脂
6.フェノールノボラック型エポキシ樹脂
7.オルソクレゾール型エポキシ樹脂
8.ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
樹脂で被覆されたカーボンブラックの好ましい平均粒径は0.003〜0.5μmの範囲であり、より好ましくは0.005〜0.3μmの範囲であり、これにより本発明の種々の効果、特に現像性と現像再現性が一層優れるようになる。
C.I.Pigment Yellow 11,24,31,53,83,93,99,108,109,110,138,139,147,150,151,154,155,167,180,185,199,;
C.I.Pigment Orange 36,38,43,71;
C.I.Pigment Red 81,105,122,149,150,155,171,175,176,177,209,220,224,242,254,255,264,270;
C.I.Pigment Violet 19,23,32,39;
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.Pigment Green 7,36,37;
C.I.Pigment Brown 25,28;
C.I.Pigment Black 1,7;
等を挙げることができる。
C.I.Pigment Orange 36,71,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Black 1
赤の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの少なくとも一種とジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料との混合などが用いられる。例えばアントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー83またはC.I.ピグメントイエロー139との混合が良好であった。赤色顔料と黄色顔料の質量比は、100:5から100:50が良好であった。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが出来ず色純度を上げることが出来なかった。また100:51以上では主波長が短波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなった。特に100:10より100:30の範囲が最適であった。赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整する。
本発明の組成物を構成する着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
本発明の光硬化性組成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、従来公知のアルカリ可溶性樹脂を用いることができるが、(i)酸成分モノマー、(ii)下記式(1)または(2)で表されるアルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、
R1[(OC2H4)m(OC3H6)n]OCOCR2=CHR3 (1)
R1[(OC2H4)m(OC3H6)n]OCOC(CH3)=CHR3 (2)
および、(iii)炭素炭素不飽和結合を有する、下記I群から選ばれるアクリレート類、スチレン類およびビニルエステル類の少なくとも1種の化合物からなるアクリル系共重合体Aを構成成分として含有することが好ましい。
I群:
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、メトキシスチレン、シクロヘキシルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
mおよびnは、各々2〜20の整数、好ましくは2〜15の整数、更に好ましくは2〜10の整数である。mおよびnが小さいと本発明の光硬化性組成物の塗布液としての液物性や流動性の点で塗布適性が低下する場合があり、大きすぎると現像液に溶解しやすくなり、やはり現像適性が低下する場合がある。
OC3H6のプロピレン鎖は直鎖(n―プロピレン)であっても、分岐(イソプロピレン)であってもよい。また、上記式(1)および式(2)において、オキシエチレン基(OC2H4)及びオキシプロピレン基(OC3H6)の結合順序に制限はなく、上記表記に限定されるものではないが、現像特性まで考慮すると、オキシエチレン鎖がオキシプロピレン鎖よりも外側に配されるのが好ましい。なお、ピンホールはじきの面では、どちらのアルキレンオキサイド基が外側に配置されてもその効果は変わらない。
このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615 号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、 特開昭59−53836号、特開昭59−71048号各公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなども有用である。
次に、本発明の光硬化性組成物において用いられる感光性重合成分について説明する。
上記感光性重合成分としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有し、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましく、なかでも、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
これらの感光性重合成分の使用量は、本発明の光硬化性組成物の全固形分100に対し、好ましくは20〜200質量%、より好ましくは50〜120質量%である。感光性重合成分の使用量が上記範囲より少なすぎても、また、多すぎても硬化が不充分となるので好ましくない。
本発明の光硬化性組成物を調製する際に使用する溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、上記以外の界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;
およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
本発明の光硬化性組成物は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、感光性重合成分、光重合開始剤、さらに必要に応じて用いられるその他の添加剤を溶剤と混合し各種の混合機、分散機を使用して混合分散することによって調製することができる。
尚、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行う微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
尚、混練、分散についての詳細はT.C. Patton著"Paint Flow and Pigment Dispersion"(1964年 John Wiley and Sons社刊)等にも記載されている。
本発明のカラーフィルタは、前記光硬化性組成物を基板上に塗布して形成した光硬化性塗膜を乾燥(プリベーク)した後、パターン露光、アルカリ現像処理の工程を経て得られたことを特徴とする。
詳細には、例えば、前記光硬化性組成物を、直接または他の層を介して、基板に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して形成した光硬化性塗膜を乾燥(プリベーク)した後、所定のフォトマスクを介してパターン露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ、現像液で現像することによって、各色相(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタを製造することができる。該光照射に使用される放射線としては、280〜310nmに波長を有することが必要とされるが、それ以外の波長を有してもよく、特に、j線を含む紫外線が好ましく用いられる。
前記余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施した後に、50℃〜240℃の温度で加熱処理(ポストベーク)を行うことができる。このように各色ごとに前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルタが得られる。
プラスチック基板に求められる特性としては、低熱膨張(カラーフィルタ作成時の硬化処理に伴う表示精度の劣化防止)、ガスバリヤー性(液晶の安定性確保)、光透過率や光学等方性などの光学特性、表面平滑性などがある。熱膨張に関しては熱膨張係数が10-4以下であることが好ましい。
また、プラスチック基板にはその表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
有機溶剤としては、本発明の組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
光重合開始剤の分光スペクトルの測定には、日立自記分光硬度計U−3000を使用し、各光重合開始剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈して、0.04mM濃度の溶液にして25℃で測定した。モル吸光係数(ε)及び波長との関係を示す分光スペクトル測定結果は、図3に示す。
下記各成分を調整し、8時間攪拌することにより光硬化性組成物を得た。
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 30質量部
(モル比70/30、質量平均分子量約30000)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 40質量部
前記一般式(I)で表される光重合開始剤(n=0) 10質量部
カーボンブラック分散液(*1) 400質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 520質量部
フッ素系非イオン性界面活性剤(*2) 0.2質量部
粒径:31nm、pH:9、DBP吸油量:42ml/100g、黒色度My値:235のカーボンブラックを分散した分散液。
*2)フッ素系非イオン性界面活性剤
N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート60%とポリ(オキシアルキレン)アクリレート40%の共重合体。
図1、2は、ブラックマトリクスの現像マージンと現像ラチチュードを現像時間に対する線幅変化のグラフで表している。
即ち、現像マージンは、現像時間に対する線幅の変化のことであり、現像ラチチュードとは、線幅が維持できる現像時間の長さのことである。実用的には、現像時間に対する線幅の変化が小さい程、現像マージンは優れており、また、線幅が維持できる現像時間が長いほど、現像ラチチュードが優れている。
実施例1において、光重合開始剤を一般式(I)(n=0)から化合物(A)に置き換えた以外は、実施例1と同一の条件でブラックマトリクスを作成し、線幅の変化を評価した。
実施例1において、光重合開始剤を一般式(I)(n=0)から化合物(B)に置き換えた以外は、実施例1と同一の条件でブラックマトリクスを作成し、線幅の変化を評価した。
実施例1において、光重合開始剤を一般式(I)(n=0)から化合物(C)に置き換えた以外は、実施例1と同一の条件でブラックマトリクスを作成し、線幅の変化を評価した。
実施例1において、光重合開始剤を一般式(I)(n=0)から化合物(D)に置き換えた以外は、実施例1と同一の条件でブラックマトリクスを作成し、線幅の変化を評価した。
図1、2より明らかな通り、実施例1では、線幅が太くて感度が高く、かつ露光条件が変わっても現像マージン、現像ラチチュード共に比較例に比べて優れていることが分かった。
図1の露光量100mJ/cm2のグラフに比較例3、4の結果が無いのは、感度が低く、現像でBMパターン(ブラックマトリクスパターン)が発現せず、前溶解したためである。
Claims (7)
- 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、感光性重合成分、光重合開始剤を含む光硬化性組成物において、280〜310nmの波長領域のいずれかでのモル吸光係数(ε)が25000以上である該光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
- 前記光重合開始剤が、オキシムカルバゾール系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
- 光硬化性組成物中における全固形分に対して前記着色剤の含有率が30〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
- 前記着色剤が黒色系着色剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
- 前記着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項5に記載の光硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を基板上に塗布して形成した光硬化性塗膜を乾燥(プリベーク)した後、パターン露光、アルカリ現像処理の工程を経て得られたカラーフィルタ。
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