JP2005056679A - 円筒型アルカリ蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高容量化に好適し且つ過充電特性の低下が防止された円筒型アルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】 円筒型アルカリ蓄電池は、導電性の円筒状外装缶10と、外装缶10内にアルカリ電解液とともに収容され、それぞれ帯状の正極24及び負極26をセパレータ28を介して渦巻状に巻回してなる電極群22とを備え、正極24は、3次元網目状骨格を有する金属体と、前記金属体に充填され、水酸化ニッケル粒子を含む正極合剤とからなり、前記正極24の体積から前記金属体の骨格の体積を差し引いた前記金属体の空洞体積で、前記正極に含まれる正極合剤の質量を除して得られる前記金属体への前記正極合剤の充填密度は、2.95g/cm3以上であり、前記アルカリ蓄電池に含まれるアルカリ電解液の体積を前記正極合剤の質量で除して得られる液比率は、0.21ml/g以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は円筒型アルカリ蓄電池に関する。
アルカリ蓄電池としては、含まれる活物質の種類によって、例えばニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池等をあげることができ、これらアルカリ蓄電池には円筒状の外装缶を備えた円筒型のものがある。外装缶は、安全弁付きの蓋体で密封され、その内部には、セパレータを間に挟んでそれぞれ帯状の負極と正極とを渦巻状に巻回した電極群を収容している。正極は、ニッケル極といわれるものであり、3次元網目状の構造を有するニッケル製の金属体に正極合剤を充填して形成される。正極合剤は、正極活物質である水酸化ニッケル粒子と、添加剤粒子と、これら粒子を結着するバインダとからなる。
この種の円筒型アルカリ蓄電池にあっては、電池容量を高めるために、電池容量を規定する正極活物質の増量や利用率の向上が要求され、前者の正極活物質増量のためには、正極の長さ、厚み、面積及び金属体への正極合剤の充填密度のうち、いずれか1つ以上を大きくすればよく、例えば特許文献1は、厚みを0.8mm以上にして高容量化を達成したニッケル極を開示している。
特開平10−199520号公報(例えば、特許請求の範囲等。)
一方、本発明者らは、正極活物質増量のために、金属体への正極合剤の充填密度を高めることに関して研究を行ってきたが、この研究過程において、充填密度が大きくなるのに伴い電池の過充電特性が低下してしまうという新たな問題が生じた。より詳しくは、過充電時に電池質量が大きく減少してしまうという問題が生じた。
本発明は、円筒型アルカリ蓄電池における上記の問題を解決し、高容量化に好適し且つ過充電特性の低下が防止された円筒型アルカリ蓄電池の提供を目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために種々検討を重ね、過充電時に正極で発生する酸素ガスは、正極合剤の充填密度が低い場合には、正極の表面及び内部で細かい泡状にて発生するけれども、正極合剤の充填密度が高い場合には、正極の表面で大きな泡状にて発生するという知見を得た。そして、このような知見に基づき、正極合剤の充填密度が高い場合、泡が大きくなることで酸素ガスの一部がセパレータを通過できずに還元されなくなり、この結果、電池内圧が異常に上昇して安全弁が作動し、酸素ガスとともにアルカリ電解液が電池外部に放出されてしまうものと考察し、本発明に想到した。
すなわち、請求項1の発明では、導電性の円筒状外装缶と、前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容され、それぞれ帯状の正極及び負極をセパレータを介して渦巻状に巻回してなる電極群とを備えた円筒型アルカリ蓄電池において、前記正極は、3次元網目状骨格を有する金属体と、前記金属体に充填され、水酸化ニッケル粒子を含む正極合剤とからなり、前記正極の体積から前記金属体の骨格の体積を差し引いた前記金属体の空洞体積で、前記正極に含まれる正極合剤の質量を除して得られる前記金属体への前記正極合剤の充填密度は、2.95g/cm3以上であり、前記アルカリ蓄電池に含まれるアルカリ電解液の体積を前記正極合剤の質量で除して得られる液比率は、0.21ml/g以下であることを特徴としている。
上記した構成では、金属体への正極合剤の充填密度が2.95g/cm3以上であることから、正極活物質としての水酸化ニッケル粒子の含有量が多く、この円筒型アルカリ蓄電池は高容量化に好適する。
そして、上記した構成では、電池内に注液されたアルカリ電解液の体積を正極合剤の質量で除して得られる液比率を0.21ml/g以下に設定することで、過充電特性の低下を防止している。
上述したように、過充電特性の低下は、過充電時における負極での酸素ガス還元反応が、セパレータにおける酸素ガスの通気性により律速され、酸素ガスが十分に還元されなくなることによるものと考えられる。そこで、この円筒型アルカリ蓄電池では、前記液比率を0.21ml/g以下に設定することで、セパレータに含まれるアルカリ電解液量を減らしてセパレータの酸素ガス通気性を向上させ、もって負極での酸素ガス還元反応を円滑に進行させて過充電時の内圧上昇を防止している。
また、上記した構成では、前記正極合剤の充填密度は3.3g/cm3以下であることが好ましい(請求項2)。
更にまた、上記した構成では、340Wh/L以上450Wh/L以下の体積エネルギー密度を有することが好ましい(請求項3)。
以上説明したように、本発明の円筒型アルカリ蓄電池は、金属体への正極合剤の充填密度が高く高容量化に好適する一方、過充電時の内圧上昇によるアルカリ電解液の減少が抑制され、もって過充電特性の低下が防止されている。
以下に添付の図面を参照して、本発明の一実施形態のAAサイズの円筒型ニッケル水素二次電池(以下、電池A)を詳細に説明する。
図1に示したように、電池Aは一端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備え、電池AがAAサイズであることから、外装缶10は13.5mm以上14.5mm以下の外径Dを有する。外装缶10は導電性を有して負極端子として機能し、外装缶10の開口内には、リング状の絶縁パッキン12を介して導電性の蓋板14が配置され、開口縁をかしめ加工することにより絶縁パッキン12及び蓋板14は開口内に固定されている。
蓋板14は中央にガス抜き孔16を有し、蓋板14の外面上にはガス抜き孔16を塞いでゴム製の弁体18が配置されている。更に蓋板14の外面上には、弁体18を覆う帽子状の正極端子20が固定され、正極端子20は弁体18を蓋板14に押圧している。従って、通常時、外装缶10は絶縁パッキン12及び弁体18とともに蓋板14により気密に閉塞されている。一方、外装缶10内でガスが発生してその内圧が高まった場合には弁体18が圧縮され、ガス抜き孔16を通して外装缶10からガスが放出される。つまり、蓋板14、弁体18及び正極端子20は、安全弁を形成している。
ここで、正極端子20の先端から外装缶10の底面までの長さ、すなわち電池Aの高さHは49.2mm以上50.5mm以下の範囲内にあり、電池Aの体積Vbは、外径D及び高さHの円柱体の体積に等しいものとして、次式:
Vb=π(D/2)2×H
により規定される。
外装缶10内には、略円柱状の電極群22が収容され、電極群22はその最外周部が外装缶10の周壁に直接接触している。電極群22は、正極24、負極26及びセパレータ28からなり、セパレータ28を介して正極24及び負極26を渦巻状に巻回して形成される。電極群22の最外周には負極26が巻回され、電極群22の最外周部において、負極26と外装缶10とは互いに電気的に接続されている。
更に外装缶10内には、電極群22の一端と蓋板14との間に、正極リード30が配置され、正極リード30の両端は正極24及び蓋板14に接続されている。従って、正極端子20と正極24との間は、正極リード30及び蓋板14を介して電気的に接続されている。なお、蓋板14と電極群22との間には円形の絶縁部材32が配置され、正極リード30は絶縁部材32に設けられたスリットを通して延びている。また、電極群22と外装缶10の底部との間にも円形の絶縁部材34が配置されている。
セパレータ28の材料としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものをあげることができる。
負極26は、図示しないけれども、例えば、帯状をなす導電性の負極芯体を有し、この負極芯体には負極合剤が保持されている。負極芯体は、厚み方向に複数の貫通孔を有するシート状の金属材からなり、このようなものとして、例えば、パンチングメタル、金属粉末焼結体基板、エキスパンデッドメタル及びニッケルネット等をあげることができる。とりわけ、パンチングメタルや、金属粉末を成型してから焼結した金属粉末焼結体基板は負極芯体に好適する。
負極合剤は、負極芯体の貫通孔内に充填されるとともに、負極芯体がシート状であることから、負極芯体の両面上に層状にして保持されている。負極合剤は、電池Aがニッケル水素二次電池であることから、負極活物質としての水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金粒子及び結着剤からなるが、水素吸蔵合金に代えて、例えばカドミウム化合物を用いて電池Aをニッケルカドミウム二次電池としてもよく、特に限定されない。ただし、電池の高容量化には、ニッケル水素二次電池が好適する。
水素吸蔵合金粒子は、電池Aの充電時にアルカリ電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、なおかつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。このような水素吸蔵合金としては、特に限定されないが、例えば、LaNi5やMmNi5(Mmはミッシュメタル)等のAB5型系のものをあげることができる。また、結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等をそれぞれあげることができる。
正極24は、導電性の正極芯体と、正極芯体に保持された正極合剤とからなる。より詳しくは、正極芯体はニッケル製の金属体であって、図2の円36内に模式的に示したように、3次元網目状の骨格38と、この骨格38によって区画された空洞40を内部に有する。正極芯体には、この空洞40に所定の充填密度Dにて正極合剤が充填され、この充填密度Dは2.95g/cm3以上に設定されている。ここで、充填密度Dは、正極芯体における空洞40の単位体積当りに充填された正極合剤の質量であり、以下のようにして求められる。
まず、正極24の重量Wp及び体積Vpを測定し、それから、正極合剤を正極芯体から除去し、正極芯体の質量Wsを測定する。次いで、正極24の質量Wpから正極芯体の質量Wsを差し引いて、正極合剤の質量Waを求める一方、正極芯体の重量Wsを正極芯体の材料であるニッケルの真比重ρで除して正極芯体の骨格体積Vsを求め、この骨格体積Vsを正極24の体積Vpから差し引いて正極芯体における空洞40の体積Vcを求める。そして、正極合剤の質量Waを正極芯体の空洞体積Vcで除して正極合剤の充填密度Dが求められる。なお、いずれの質量Wp、Ws、Waも乾燥質量であり、正極合剤を正極芯体から除去するには、例えば、超音波洗浄器を用いて正極24を溶媒中で振動させるればよい。
充填密度Dにて正極芯体に充填された正極合剤は、所定量の正極活物質、添加剤及びこれら正極活物質及び添加剤を正極芯体の骨格に結着するための結着剤からなり、正極24に含まれる正極活物質量は、本実施形態では好適な態様として、電池Aの体積エネルギー密度が340Wh/l以上450Wh/l以下となるように設定されている。ここで、正極板24の正極合剤に含まれる正極活物質量は、電池Aの体積エネルギー密度が340Wh/l以上450Wh/l以下となるように設定されている。電池Aの体積エネルギー密度とは、電池Aの0.2C容量に作動電圧として1.2Vを乗じた値を、上述した電池Aの体積Vbで除して求められる値である。電池Aの0.2C容量とは、JIS C 8708−1997に規定され、周囲温度20±5℃にて、まず、電池Aを0.1C相当の電流量で16時間充電してから、1〜4時間休止した後、0.2C相当の電流量で1.0Vの放電終止電圧まで放電させたときの容量のことをいう。
なお、正極活物質は、電池Aがニッケル水素二次電池なので水酸化ニッケル粒子であるけれども、水酸化ニッケル粒子は、コバルト、亜鉛、カドミウム等を固溶していてもよく、あるいは表面がコバルト化合物で表面が被覆されていてもよい。また、いずれも特に限定されることはないが、添加剤としては、酸化イットリウムの他に、酸化コバルト、金属コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物、酸化エルビウム等の希土類化合物等を、結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等をそれぞれあげることができる。
また更に、外装缶10内には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)が注液され、セパレータ28に含まれたアルカリ電解液を介して正極24と負極26との間での充放電反応が進行する。アルカリ電解液の外装缶10への注液量、つまり電池Aに含まれるアルカリ電解液の体積Veは、正極24における正極合剤の質量Waに対するアルカリ電解液の体積Veの比率(以下、液比率Rという)が、0.21ml/g以下となるよう設定されている。なお、アルカリ電解液の種類としては、特に限定されないけれども、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及びこれらのうち2つ以上を混合した水溶液等をあげることができ、またアルカリ電解液の濃度についても特には限定されず、例えば7Nのものが用いられる。
上述した電池Aは、通常の方法を適用して製造することができるが、以下では正極24の製造方法の一例を説明する。
まず、正極芯体となるニッケル製の金属体のシート及び正極合剤スラリーを用意し、金属体シートに正極合剤スラリーを充填して乾燥させる。次いで、乾燥状態の正極合剤が充填されている金属体シートを、一対の圧延ロール間のギャップに通してその厚み方向両側から圧縮して所定の厚みを調整してから、所定の寸法に裁断して正極24が得られる。ここで、正極合剤の充填密度Dは、金属体シートの圧縮比率、つまり正極24の厚みによって容易に調整可能である。
上記した構成の電池Aは、正極芯体への正極合剤の充填密度Dが2.95g/cm3以上に設定されていることから、正極24に含まれる正極活物質量が多く、高容量化に好適する。
その上、電池Aは、液比率Rが0.21ml/g以下に設定されているので、過充電特性の低下が防止されている。
過充電時に正極24で発生した酸素ガスは、セパレータ28を通過して負極26に達し、そこで還元されて水に戻るが、正極合剤の充填密度Dが2.95g/cm3以上の場合、過充電時における負極26での酸素ガス還元反応が、セパレータ28における酸素ガスの通気性により律速され、酸素ガスが十分に還元されなくなる可能性が有る。そこで電池Aでは、液比率を0.21ml/g以下に設定することで、セパレータ28に含まれるアルカリ電解液量を減らしてセパレータ28の酸素ガス通気性を向上させ、もって負極26での酸素ガス還元反応を円滑に進行させて過充電時の内圧上昇を防止している。この結果、電池Aでは過充電時における安全弁の作動が防止されるので、アルカリ電解液の電池外部への漏れ出しによる電池Aの質量減少、つまり過充電特性の低下が防止される。
なお、正極合剤の充填密度Dが3.3g/cm3を超えると、過充電特性の低下防止効果が低くなるので、充填密度Dは3.3g/cm3以下に設定されることが好ましい。
また、電池Aでは、体積エネルギー密度を、好適な態様として340Wh/l以上450Wh/l以下となるように設定したので、充填密度Dを2.95g/cm3以上にしたときに、過充電特性の低下が好適に防止される。
体積エネルギー密度が340Wh/l未満の場合、外装缶10内には発生した酸素ガスを蓄えるのに十分な余剰空間が存在し、たとえ酸素ガス還元反応がセパレータによって律速されたとしても内圧が上昇しづらい。従ってこの場合、充填密度Dを2.95g/cm3以上にしても、過充電特性は実用上問題となるほど低下しない。一方、体積エネルギー密度が450Wh/lを超えている場合、外装缶10内には発生した酸素ガスを蓄える余剰空間がほとんどなく、たとえセパレータ28の酸素ガス通気性を高めても、内圧がすぐに上昇してしまう。従ってこの場合、充填密度Dを2.95g/cm3以上にすると、もはや過充電特性の低下を防止することができない。したがって、電池Aは、体積エネルギー密度が340Wh/l以上450Wh/l以下の範囲内にあるときに、過充電特性の低下が好適に防止される。
本発明は、上記した一実施形態に限定されることはなく、種々変形が可能であり、例えば、安全弁の構造は特には限定されず、弁体18に代えて円板とこの円板を蓋板14に押圧する圧縮コイルばねとを正極端子20の内部に配置してもよい。
実施例1〜12,比較例1〜12
1.正極の作製
まず、以下のようにして正極活物質を作製した。
硫酸コバルト13.1gの水溶液1リットルに、亜鉛:2.5重量%、コバルト:1重量%が固溶した水酸化ニッケル粉末を入れ、これを攪拌しながら1Mの水酸化ナトリウム水溶液を徐々に滴下し、反応中pHを11に保持することによって、水酸化ニッケル粒子を核とし、その表面に水酸化コバルトの被覆層が形成された粒状物を作製した。この粒状物を分取して洗浄、乾燥させ、そして、ビーカ中で攪拌しながら、25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を重量比で10倍量加えて含浸させ、8時間、攪拌しながら空気中、85℃で加熱処理(アルカリ熱処理)した。このアルカリ熱処理により、被覆層の水酸化コバルトはナトリウムを含有するとともに、一部が高次化される。それから、アルカリ熱処理した粒状物を分取、水洗および脱水して65℃で乾燥することによって、亜鉛及びコバルトが固溶した水酸化ニッケル粒子を核とし、1重量%のナトリウムを含有し且つ一部高次化された水酸化コバルトの被覆層で表面が覆われた複合粒子を活物質として作製した。
次に、得られた正極活物質粉末97重量部に、添加剤を3重量部混合し、そこに結着剤としてのセルメチルロースを0.2重量%含む水溶液を50重量部添加して混合し、正極合剤スラリーとした。
それから、この正極合剤スラリーを、多孔度95%で厚み2.1mmのニッケル金属体に充填して乾燥させた後、乾燥状態の正極合剤が充填されたニッケル金属体を所定の厚みに圧延してから70mm×43.5mmの寸法に切断して正極を作製した。なお、正極の厚みは、表1に示した密度充填Dにて正極芯体に正極合剤が充填されるよう調整した。
2.負極の作製
まず、市販の金属元素をMm1.0Ni3.7Co0.8Al0.3Mn0.2となるように秤量して混合したものを高周波溶解炉にて溶解し、この溶湯を鋳型に流し込んで水素吸蔵合金インゴットを作製した。そして、このインゴットを予め粗粉砕してから、不活性ガス雰囲気中で平均粒径が50μm程度になるまで機械的に粉砕を行った。
次に、得られた水素吸蔵合金粉末に、結着剤としてのポリエチレンオキサイド等、および、適量の水を加えて混合して負極合剤スラリーを作製し、この負極合剤スラリーをパンチングメタルからなる負極芯体の両面に塗着して乾燥させた。それから、乾燥した負極合剤が両面に保持されたパンチングメタルを所定の厚みに圧延した後、115mm×43.5mmの寸法に切断して負極を作製した。なお、負極の厚みは、負極合剤の密度が5.5g/cm3となるように調整した。
3.電池の組立て
得られた正極及び負極を、セパレータとして230mm×43.5mm×0.1mmのポリプロピレン製不織布を介して渦巻状に巻回して電極群を作製し、AAサイズの外装缶にこの電極群を挿入するとともに、LiOHおよびNaOHを含有した7NのKOH水溶液を表1に示した液比率Rとなるように注液し、図1に示した構造を有し、体積エネルギー密度が360Wh/lのニッケル水素二次電池を、各実施例及び比較例につき100個ずつ作製した。
4.過充電特性評価試験
得られた実施例1〜12及び比較例1〜12の各電池について、まず質量を測定した後、0.1C相当の電流で24時間充電を行ってから再び質量を測定した。そして、各実施例及び比較例において、この充電前後での電池質量の減少量を求めた。得られた各実施例及び比較例の減少量を逆数にし、これら減少量の逆数を、比較例1の減少量の逆数を100とした指数にて表1に示した。なお、減少量は、それぞれ100個の平均値である。
Figure 2005056679
表1からは以下のことが明らかである。
充填密度Dが2.90g/cm3以下の比較例1〜6においては、液比率Rの大小にかかわらず、24時間の充電前後で電池質量が変化しなかった。これは、充填密度Dが2.90g/cm3以下の場合、過充電時に酸素ガスが正極の表面及び内部で小さな泡状にて発生し、酸素ガスがセパレータを円滑に通過できるためと考えられる。
充填密度Dが2.95g/cm3以上であって、液比率が0.22ml/gの比較例7〜11においては、24時間充電前後で電池質量が大きく変化し、過充電特性が低下した。これは、充填密度Dが2.95g/cm3以上の場合、過充電時に酸素ガスが正極の表面に大きな泡状にて発生し、酸素ガスがセパレータを円滑に通過できずに負極での酸素ガス還元反応が妨げられ、その結果、内圧が上昇して安全弁が作動し、アルカリ電解液が電池外部へ漏出したためと考えられる。
これに対して、充填密度Dが2.95g/cm3以上であって、液比率Rが0.21ml/g以下の実施例1〜12においては、24時間充電前後での質量減少が小さく、過充電特性の低下が防止されていた。これは、充填密度Dが2.95g/cm3以上の場合、過充電時に酸素ガスが正極の表面に大きな泡状にて発生するけれども、液比率Rを0.21ml/g以下に設定したので、セパレータにおける酸素ガスの通気性が向上し、その結果、負極における酸素ガス反応が円滑に進行し、内圧上昇が抑制されたためと考えられる。ただし、充填密度Dが3.4g/cm3の実施例11及び12では、24時間充電前後での質量減少が他の実施例1〜10に比べて大きく、過充電特性の低下がみられた。
本発明の実施形態に係る円筒型ニッケル水素二次電池の部分切欠き斜視図である。 図1の電池に用いられる正極芯体の骨格及び空洞を説明するための模式図である。
符号の説明
22 電極群
24 正極
26 負極
28 セパレータ

Claims (3)

  1. 導電性の円筒状外装缶と、
    前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容され、それぞれ帯状の正極及び負極をセパレータを介して渦巻状に巻回してなる電極群と
    を備えた円筒型アルカリ蓄電池において、
    前記正極は、3次元網目状骨格を有する金属体と、前記金属体に充填され、水酸化ニッケル粒子を含む正極合剤とからなり、
    前記正極の体積から前記金属体の骨格の体積を差し引いた前記金属体の空洞体積で、前記正極に含まれる正極合剤の質量を除して得られる前記金属体への前記正極合剤の充填密度は、2.95g/cm3以上であり、
    前記アルカリ蓄電池に含まれるアルカリ電解液の体積を前記正極合剤の質量で除して得られる液比率は、0.21ml/g以下であることを特徴とする円筒型アルカリ蓄電池。
  2. 前記正極合剤の充填密度が3.3g/cm3以下であることを特徴とする請求項1記載の円筒型アルカリ蓄電池。
  3. 340Wh/l以上450Wh/l以下の体積エネルギー密度を有することを特徴とする請求項1又は2記載の円筒型アルカリ蓄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006278189A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びニッケル・水素蓄電池
WO2023223628A1 (ja) * 2022-05-20 2023-11-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 アルカリ蓄電池

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