JP2005050797A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光装置の駆動方法として交流駆動を用いると共に、極性の異なる電圧が交互に印加された場合のいずれにおいても常に発光が得られる発光素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 第1の発光素子904と、第2の発光素子905とを一組とした画素900を有し、共通の交流電源回路908から、前記第1の発光素子904の対向電源端子906と前記第2の発光素子905の対向電源端子907とに、逆極性の交流電圧を印加することで、第1の発光素子904と第2の発光素子905とが交互に発光することを特徴とする発光装置。
【選択図】図9

Description

本発明は、一対の電極間に有機化合物を含む膜(以下、「有機化合物層」と記す)を設けた素子に電界を加えることで、蛍光又は燐光が得られる発光素子を用いた発光装置及びその作製方法に関する。なお、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源を指す。また、発光素子にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
本発明でいう発光素子とは、電界を加えることにより発光する素子である。その発光機構は、電極間に有機化合物層を挟んで電圧を印加することにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化合物層中で再結合して、励起状態の分子(以下、「分子励起子」と記す)を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光すると言われている。
このような発光素子において、通常、有機化合物層は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。また、発光素子は、有機化合物層そのものが光を放出する自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプレイに用いられているようなバックライトも必要ない。したがって、発光素子は極めて薄型軽量に作製できることが大きな利点である。
また、例えば100〜200nm程度の有機化合物層において、キャリアを注入してから再結合に至るまでの時間は、有機化合物層のキャリア移動度を考えると数十ナノ秒程度であり、キャリアの再結合から発光までの過程を含めてもマイクロ秒以内のオーダーで発光に至る。したがって、非常に応答速度が速いことも特長の一つである。
なお、発光素子はキャリア注入型の素子であるため、直流電圧での駆動(直流駆動)が可能であり、ノイズが生じにくい。駆動電圧に関しては、まず有機化合物層の厚みを100nm程度の均一な超薄膜とし、また、有機化合物層に対するキャリア注入障壁を小さくするような電極材料を選択し、さらにはヘテロ構造(積層構造)を導入することによって、5.5Vで100cd/m2の十分な輝度が達成されたという報告がある(非特許文献1)。
こういった薄型軽量・高速応答性・直流低電圧駆動などの特性から、発光素子は次世代のフラットパネルディスプレイ素子として注目されている。また、自発光型であり視野角が広いことから、視認性も比較的良好であり、電気器具の表示画面に用いる素子として有効と考えられている。
しかし、このような発光素子において、有機化合物層に常に一定方向のバイアスが印加される直流駆動を用いる場合には、有機化合物層にチャージが蓄積されるため、輝度が低下するといった問題が生じる。
これに関して、陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を挿入し、さらに直流駆動ではなく矩形波の交流駆動にすることによって、輝度の低下を抑えることができるという報告がある(非特許文献2)。
これは、正孔注入層を挿入することによるエネルギー障壁の緩和と、交流駆動によって有機化合物層に極性の異なる電圧が交互に印加されるため、有機化合物層の内部におけるチャージの蓄積が緩和されるために、輝度の低下を抑えることができるという実験的な裏付けであり、発光素子の素子寿命を向上させるためには、交流駆動が適していることを示唆するものである。
C. W. Tang and S. A. VanSlyke, "Organic electroluminescent diodes", Applied Physics Letters, vol. 51, No.12, 913-915 (1987)
S. A. VanSlyke, C. H. Chen, and C. W. Tang, "Organic electroluminescent devices with improved stability", Appl.Phys.Lett.,69,(15)2160-2162(1996)
しかし、交流駆動による発光素子を形成する場合において、発光素子は通常、陽極、有機化合物層、および陰極からなる積層構造を有しているため陽極側から正の電圧(順バイアス)が印加され、陰極側に負の電圧(逆バイアス)が印加されたときにのみ電流が流れ、発光が得られる。つまり、交流駆動を用いた場合には、逆バイアスが印加されたときには、発光素子は発光しないことになる。
このように実効的な発光時間が短くなると表示が暗くなるため、所定の輝度を維持しようと高い電圧を印加すると、発光素子の劣化が進むという問題が生じる。
そこで本発明では、発光装置の駆動方法として交流駆動を用いると共に、極性の異なる電圧が交互に印加された場合のいずれにおいても常に発光が得られる発光素子およびその作製方法を提供することを目的とする。
本発明では、陽極、有機化合物層、および陰極からなる第1の発光素子、および第2の発光素子が形成され、これらの発光素子は、同一の有機化合物層を挟んで、陽極、および陰極が形成され、第1の発光素子の陽極と第2の発光素子の陽極、および第1の発光素子の陰極と第2の発光素子の陰極は、有機化合物層を挟んでそれぞれ反対側に形成され、第1の発光素子および第2の発光素子のいずれか一方により、一つの階調表示を行うことを特徴とする。
なお、本発明の発光装置は、交流駆動により発光素子を発光させるものであり、第1の発光素子と第2の発光素子に逆極性の電圧が交互に印加される。そして、正の極性の電圧(順バイアス)が印加された一方の発光素子が発光し、負の極性の電圧(逆バイアス)が印加された他方の発光素子は発光しない。つまり、2つの発光素子が印加される電圧の極性によって交互に発光するため、発光素子を常に発光させることができる。
本発明における発光装置は、交流駆動により有機化合物層におけるチャージの蓄積を緩和することができるために、輝度の低下を抑え、素子寿命を向上させることができる。さらに、本発明における発光装置は、交流駆動の場合においても常に画素の発光素子を発光させることができるので、直流駆動における素子劣化を防ぐことができる一方で、直流駆動の場合と同様な階調表示が可能となる。
本発明において開示する発明の構成は、第1の発光素子と、第2の発光素子を有する発光装置であって、前記第1の発光素子は、第1の画素電極と、有機化合物層と、第1の対向電極と、を有し、前記第2の発光素子は、第2の画素電極と、前記有機化合物層と、第2の対向電極と、を有し前記第1の画素電極および前記第2の対向電極は、陽極または陰極のいずれか一方であり、前記第2の画素電極および前記第1の対向電極は、陽極または陰極のいずれか他方であることを特徴とする発光装置である。
また、他の発明の構成は、絶縁表面上に形成された第1のTFTおよび第2のTFTと、前記第1のTFTおよび前記第2のTFT上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された第1の画素電極および第2の画素電極と、前記第1の画素電極と前記第1のTFTとの接続部、および第2の画素電極と前記第2のTFTとの接続部を覆って形成された絶縁膜と、前記第1の画素電極および前記第2の画素電極上に形成された有機化合物層と、前記有機化合物層上に形成された第1の対向電極、および第2の対向電極と、を有する発光装置であって、前記第1の画素電極、および前記第2の対向電極は、陽極または陰極のいずれか一方であり、前記第2の画素電極、および前記第1の対向電極は、陽極または陰極のいずれか他方であることを特徴とする発光装置である。
なお、上記各構成において、絶縁表面上に形成された第1のTFTおよび第2のTFTと、前記第1のTFTおよび前記第2のTFT上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された第1の画素電極および第2の画素電極と、前記第1の画素電極と前記第1のTFTとの接続部、および第2の画素電極と前記第2のTFTとの接続部を覆って形成された絶縁膜と、前記第1の画素電極および前記第2の画素電極上に形成された有機化合物層と、前記有機化合物層上に形成された第1の対向電極、および第2の対向電極と、を有する発光装置であって、前記第1のTFTおよび前記第2のTFTは、ソース領域およびドレイン領域をそれぞれ有し、第1の画素電極は第1の電極からなり、第2の画素電極は第2の電極および第1の補助電極からなり、前記第1の電極および前記第2の電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部において、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいずれか一方と電気的に接続され、前記第1の画素電極、および前記第2の対向電極は、陽極または陰極のいずれか一方であり、前記第2の画素電極、および前記第1の対向電極は、陽極または陰極のいずれか他方であることを特徴とする発光装置である。
なお、上記各構成において、絶縁表面上に形成された第1のTFTおよび第2のTFTと、前記第1のTFTおよび前記第2のTFT上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された第1の画素電極および第2の画素電極と、前記第1の画素電極と前記第1のTFTとの接続部、および第2の画素電極と前記第2のTFTとの接続部を覆って形成された絶縁膜と、前記第1の画素電極および前記第2の画素電極上に形成された有機化合物層と、前記有機化合物層上に形成された第1の対向電極、および第2の対向電極と、を有する発光装置であって、前記第1のTFTおよび前記第2のTFTは、ソース領域およびドレイン領域をそれぞれ有し、第1の画素電極は第1の電極からなり、第2の画素電極は第2の電極および第1の補助電極からなり、前記第1の電極および前記第2の電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部において、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいずれか一方と電気的に接続され、前記第1の電極および前記第2の電極は、陽極または陰極のいずれか一方を形成する材料からなり、前記第1の補助電極は、陽極または陰極のいずれか他方を形成する材料からなることを特徴とする発光装置である。
なお、上記各構成において、絶縁表面上に形成された第1のTFTおよび第2のTFTと、前記第1のTFTおよび前記第2のTFT上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された第1の画素電極および第2の画素電極と、前記第1の画素電極と前記第1のTFTとの接続部、および第2の画素電極と前記第2のTFTとの接続部を覆って形成された絶縁膜と、前記第1の画素電極および前記第2の画素電極上に形成された有機化合物層と、前記有機化合物層上に形成された第1の対向電極、および第2の対向電極と、を有する発光装置であって、第1の対向電極は第2の補助電極および第3の電極からなり、第2の対向電極は第3の電極からなり、前記第1の画素電極、および前記第2の対向電極は、陽極または陰極のいずれか一方であり、前記第2の画素電極、および前記第1の対向電極は、陽極または陰極のいずれか他方であることを特徴とする発光装置である。
なお、上記各構成において、絶縁表面上に形成された第1のTFTおよび第2のTFTと、前記第1のTFTおよび前記第2のTFT上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成された第1の画素電極および第2の画素電極と、前記第1の画素電極と前記第1のTFTとの接続部、および第2の画素電極と前記第2のTFTとの接続部を覆って形成された絶縁膜と、前記第1の画素電極および前記第2の画素電極上に形成された有機化合物層と、前記有機化合物層上に形成された第1の対向電極、および第2の対向電極と、を有する発光装置であって、第1の対向電極は第2の補助電極および第3の電極からなり、第2の対向電極は第3の電極からなり、前記第3の電極は、陽極または陰極のいずれか一方を形成する材料からなり、前記第2の補助電極は、陽極または陰極のいずれか他方を形成する材料からなることを特徴とする発光装置である。
なお、上記各構成において、有機化合物層は、正孔輸送性および電子輸送性を有するバイポーラ性の材料からなることを特徴とする。
なお、本発明の発光装置の作製において、第1の電極および第2の電極を形成し、第2の電極上のみに第1の補助電極を蒸着法により形成した後、これらの電極上に同一の材料で、同一の層からなる有機化合物層を形成することができる。
そこで、本発明における他の構成は、絶縁表面上に第1の電極および第2の電極を形成し、前記第2の電極上に第1の補助電極を形成し、前記第1の電極、前記第2の電極および前記第1の補助電極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上であって、前記第1の電極と重なる位置に第2の補助電極を形成し、前記有機化合物層、および前記第2の補助電極上に第3の電極を形成する発光装置の作製方法であって、前記第1の電極からなる第1の画素電極と、前記有機化合物層と、前記第2の補助電極および前記第3の電極とからなる第1の対向電極と、を有する第1の発光素子と、前記第2の電極および前記第1の補助電極とからなる第2の画素電極と、前記有機化合物層と、前記第3の電極からなる第2の対向電極と、を有する第2の発光素子とを形成することを特徴とする発光装置の作製方法である。
また、本発明における他の構成は、絶縁表面上に第1のTFTおよび第2のTFTを形成し、前記第1のTFTおよび前記第2のTFT上に層間絶縁膜を形成し、前記層間絶縁膜上に第1の電極および第2の電極を形成し、前記第2の電極上に第1の補助電極を形成し、前記第1の電極と前記第1のTFTとの接続部、および第2の電極と前記第2のTFTとの接続部を覆って絶縁膜を形成し、前記第1の電極、前記第2の電極および前記第1の補助電極上に有機化合物層を形成し、前記有機化合物層上であって、前記第1の電極と重なる位置に第2の補助電極を形成し、前記有機化合物層、および前記第2の補助電極上に第3の電極を形成する発光装置の作製方法であって、前記第1の電極からなる第1の画素電極と、前記有機化合物層と、前記第2の補助電極および前記第3の電極とからなる第1の対向電極と、を有する第1の発光素子と、前記第2の電極および前記第1の補助電極とからなる第2の画素電極と、前記有機化合物層と、前記第3の電極からなる第2の対向電極と、を有する第2の発光素子とを形成することを特徴とする発光装置の作製方法である。
なお、上記構成において、前記第1のTFTおよび前記第2のTFTは、ソース領域およびドレイン領域をそれぞれ有し、前記第1の電極および前記第2の電極は、前記層間絶縁膜に形成された開口部において、前記ソース領域または前記ドレイン領域のいずれか一方と電気的に接続されることを特徴とする。
また、上記各構成において、前記第1の画素電極および前記第2の対向電極は、陽極または陰極のいずれか一方であり、前記第2の画素電極および前記第1の対向電極は、陽極または陰極のいずれか他方であることを特徴とする。
尚、本発明の発光装置から得られる発光は、一重項励起状態又は三重項励起状態のいずれか一方、またはその両者による発光を含むものとする。
本発明において、交流駆動の発光装置を作製することにより、直流駆動の場合に問題となっていた有機化合物層におけるチャージの蓄積を防ぐことができる。これにより、発光素子の輝度低下といった問題が改善されるため発光素子の素子特性の向上と長寿命化が可能となった。また、本発明の発光装置は、構造の異なる2種類の発光素子を設け、交流駆動において、極性の異なる電圧が印加されても常にどちらか一方の発光素子が機能するような構造を有しているので、直流駆動の場合と同様の階調表示を行うことができる。
本発明の実施の形態について、図1(A)(B)を用いて説明する。なお、図1(A)には、本発明において、各画素が有する発光素子の素子構造について示す。
図1(A)に示すように基板101上に陽極102、および陰極103の2種類の電極が形成され、これらの電極(102、103)と接して有機化合物層104が形成され、有機化合物層104と接して陰極105、および陽極106が形成される。つまり、共通の有機化合物層104を挟んで両側に陰極、および陽極がそれぞれ形成される構造を有する。別の言い方をすれば、陽極102と有機化合物層104と陰極105とを有する第1の発光素子107と、陰極103と有機化合物層104と陽極106とを有する第2の発光素子108が形成されている。
なお、本明細書中では、有機化合物層を形成する前に形成される電極を画素電極と呼ぶことにする。具体的には、陽極102、および陰極103をそれぞれ画素電極(1)、および画素電極(2)と呼ぶことにする。
これに対して、有機化合物層を形成した後で形成される電極を対向電極と呼ぶことにする。具体的には、陰極105、および陽極106をそれぞれ対向電極(1)、および対向電極(2)と呼ぶことにする。
なお、これらの発光素子において、陰極に陽極よりも低い電圧が印加され、陽極に陰極よりも高い電圧が印加されると、すなわち、順バイアスが印加されると、陰極から有機化合物層に電子が注入され、陽極からは有機化合物層に正孔が注入されることにより、有機化合物層に電流が流れる。また、有機化合物層104において、正孔と電子が再結合することにより発光が得られる。
なお、本発明において有機化合物層104は、バイポーラ性を有している。なお、バイポーラ性とはキャリアである電子および正孔のいずれに対しても輸送性を有することをいう。
また、本発明における2種類の発光素子(107、108)は、交流電源109に接続される。そして、画素電極と対向電極に印加される電圧の大小関係を交互に反転させることにより、2種類の発光素子(107、108)の一方に交互に順バイアスが印加され、他方に交互に逆バイアスが印加される。
なお、本明細書中では、発光素子に順バイアスが印加され、電流が流れる状態になることを発光素子が機能すると呼ぶことにする。つまり、発光素子に逆バイアスが印加された場合には、発光素子は機能しないことになる。
図1(B)に本発明の発光素子を形成する場合における具体的な方法について説明する。
基板101上に導電性の材料を用いて第1の電極112、および第2の電極113を形成する。なお、本実施の形態においては、第1の電極112、および第2の電極113が陽極となりうる材料で形成される場合について説明する。ここで用いる導電性の材料としては、仕事関数が4.5eV以上の仕事関数の大きい材料を用いることができる。具体的には、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、またはIDIXO(In23−ZnO)といった透光性の導電膜の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、チタン(Ti)等の長周期型の周期表における3〜11族に属する元素を導電性材料として用いることができる。なお、ここで形成される電極(112、113)から光を透過させるような素子構造の場合には、透光性の導電性材料を用いて形成する。
次に第2の電極113上に陰極となりうる導電性の材料を用いて第1の補助電極114を形成する。なお、第1の補助電極114に用いる仕事関数の小さい(具体的には、仕事関数が3.8eV以下)材料としては、元素周期律の1族または2族に属する元素、すなわちアルカリ金属及びアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金や化合物の他、希土類金属を含む遷移金属を用いることができる。第1の補助電極114は、蒸着法又はスパッタリング法により形成することができる。
次に、第1の電極112および第1の補助電極114上にバイポーラ性を有する有機化合物層104を形成する。なお、有機化合物層104を形成する材料としては、低分子系の材料であっても良いし、高分子系の材料であっても良い。
低分子系の材料を用いる場合には、正孔輸送性の有機化合物と、電子輸送性の有機化合物とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することにより形成することができる。
具体的には、正孔輸送性の性質を有する4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)と電子輸送性の性質を有するトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)とを共蒸着することにより形成することができる。なお、有機化合物層の一部にドーパントとなる材料をドーピングすることにより発光領域を限定することもできる。
高分子系の材料を用いる場合には、正孔輸送性の有機化合物と、電子輸送性の有機化合物とを溶媒中に所定のモル比で混合することにより形成することができる。
具体的には、正孔輸送性の性質を有するポリビニルカルバゾール(以下、PVKと示す)と電子輸送性の性質を有する1,3,4−オキサジアゾール誘導体である(2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(以下、PBDと示す)とをトルエン中に混合して形成した塗布液を塗布することにより形成することができる。なお、ドーパントとなる材料を塗布液中に混合しておいてもよい。
次に、有機化合物層104上であって、第1の電極112と重なる位置に陰極となる導電性の材料を用いて、第2の補助電極115を形成する。なお、ここで用いる導電性の材料としては、先に1の補助電極114を形成する際に用いたものと同じ材料を用いることができる。但し、ここで形成される第2の補助電極115は有機化合物層104上に形成されるため、蒸着法により形成されることが望ましい。
最後に有機化合物層104、および第2の補助電極115を覆って第3の電極116が形成される。なお、第3の電極116を形成する材料としては、陽極を形成しうる導電性の材料を用いるが、先に第1の電極112、および第2の電極113を形成する際に用いたものと同じ材料を用いることができる。但し、ここで形成される第3の電極116は有機化合物層104上に形成されるため、蒸着法により形成されることが望ましい。
以上により、第1の電極112、有機化合物層104、第2の補助電極115、および第3の電極とからなる第1の発光素子117と第2の電極113、第1の補助電極114、有機化合物層104、および第3の電極116とからなる第2の発光素子118を形成することができる。
なお、第1の発光素子117において、陽極となりうる導電性材料からなる第1の電極112が、図1(A)における陽極102であり、画素電極(1)である。これに対して、陰極となりうる導電性材料からなる第2の補助電極115が仕事関数の点から陰極となりうるが、極薄膜で形成されるために問題となる膜抵抗を第3の電極116との積層により低くすることができるため、ここでは、第2の補助電極115と第3の電極116を積層したものを、図1(A)における陰極105であり、対向電極(1)とする。
また、第2の発光素子118において、第2の電極113上に陰極となりうる導電性材料からなる第1の補助電極114が仕事関数の点から陰極となりうるが、極薄膜で形成されるために問題となる膜抵抗を第2の電極113上に積層されることにより低くすることができるため、ここでは、第2の電極113と第1の補助電極114とを積層したものが、図1(A)における陰極103であり、対向電極(2)とする。これに対して、陽極となりうる導電性材料からなる第3の電極116が、図1(A)における陽極106であり、対向電極(2)である。
以下に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、TFT(薄膜トランジスタ)と発光素子とが電気的に接続されたアクティブマトリクス型であって、発光素子の画素電極が透光性の材料で形成され、有機化合物層で生じた光を画素電極から取り出す構造(いわゆる、下方出射型)の場合について説明する。
図2(A)において、発光装置の画素部を形成する画素の断面図を示す。基板201上には、2種類のTFT(電流制御用TFTともいう)が形成されており、TFT1(202)には、配線204を介して第1の電極205が電気的に接続され、TFT2(203)には、配線206を介して第2の電極(2)207が電気的に接続されている。なお、本実施例の場合には、TFT1(202)は、pチャネル型TFTで形成され、TFT2(203)は、nチャネル型TFTで形成されている。
なお、配線204と第1の電極205の接続部、および配線206と第2の電極207の接続部は、絶縁材料からなる絶縁層214により覆われている。なお、絶縁層214の形成において、酸化珪素、窒化珪素および窒化酸化珪素等の珪素を含む材料の他、ポリイミド、ポリアミド、アクリル(感光性アクリルを含む)、BCB(ベンゾシクロブテン)といった有機樹脂膜を用いたり、シリコン酸化膜として、塗布シリコン酸化膜(SOG:Spin On Glass)を用いて絶縁膜を形成する。なお、膜厚は、0.1〜2μmで形成することができるが、特に酸化珪素、窒化珪素および窒化酸化珪素等の珪素を含む材料を用いる場合には0.1〜0.3μmの膜厚で形成することが望ましい。
そして、この絶縁膜の第1の電極205、および第2の電極207と対応する位置に開口部を形成して、絶縁層214が形成される。
具体的には、感光性アクリルを用いて1μmの絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィ−法によりパターニングを行った後で、エッチング処理を行うことにより絶縁層214を形成する。
第1の電極205の上には、有機化合物層209と、第2の補助電極210と、第3の電極211とが積層され、第1の発光素子212が形成されている。また、第2の電極207上には、第1の補助電極208と、有機化合物層209と、第3の電極211とが積層され、第2の発光素子213が形成されている。
なお、第1の電極205、第2の電極207、および第3の電極211は、陽極となりうる仕事関数の大きい材料で形成され、第1の補助電極208、および第2の補助電極210は、陰極となりうる仕事関数の小さい材料で形成されている。そのため、第1の発光素子212においては、第1の電極205が第1の画素電極(陽極)217となり、第2の補助電極210、および第3の電極211の積層されたものが第1の対向電極(陰極)218となる。また、第2の発光素子213においては、第2の電極207、および第1の補助電極208の積層されたものが第2の画素電極(陰極)219となり、第3の電極211が第2の対向電極(陽極)220となる。
第1の発光素子212および第2の発光素子213の具体的な素子構成について図2(B)に示し、これらの作製方法について以下に説明する。
但し、基板上に形成されるTFTおよび配線の形成までは、後の実施例で詳細に説明するため本実施例では省略し、本実施例では、配線形成後に形成される発光素子の作製について説明する。
まず、配線204に接して第1の電極205、配線206に接して第2の電極207が形成される。なお、本実施例における第1の電極205、および第2の電極207は、光を出射する電極となるため、透光性であり、仕事関数が4.5eV以上の材料を用いて形成する。具体的には、ITO、IZO、またはIDIXOといった材料を用いることができるが、ここではITOをスパッタリング法により100nmの膜厚で成膜した後、パターニングすることにより形成する。
さらに、第2の電極207上に第1の補助電極208を形成する。なお、第1の補助電極208も透光性の材料で形成されている。本実施例における第1の補助電極208の材料としては、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化セシウム(CsF)等を用いることができるが、膜厚を1nm程度で形成する必要がある。その他にもセシウム(Cs)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、マグネシウム合金(Mg:Ag)およびランタノイド系の材料を用いることができる。なお、この場合には、20nm以下の膜厚で形成すればよい。ここでは、フッ化バリウム(BaF2)を1nmの膜厚で成膜し、第1の補助電極208を形成する。また、メタルマスクを用いて蒸着することにより、第2の電極207上にのみ第1の補助電極208を形成することができる。
次に、有機化合物層209が形成される。本実施例では、低分子系の材料を用い、正孔輸送性の有機化合物と、電子輸送性の有機化合物とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することにより形成することができる。また、本実施例における有機化合物層209の膜厚は、100nmである。
具体的には、正孔輸送性の性質を有する4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)と電子輸送性の性質を有するトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することにより形成することができる。ここで形成された層をバイポーラ層215と呼ぶことにする。
さらに、本実施例では、このバイポーラ層215を形成する途中で、ドーパントとなる4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(ジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン(以下、DCM2と示す)をドーピングすることにより発光領域となるドープ領域216を形成する。なお、この時のドープ領域216における重量比(wt%)が、(α−NPD):(Alq3):(DCM)=50:50:1となるように共蒸着して形成することができる。
そして、ドープ領域216上に再びバイポーラ層215を形成することにより有機化合物層209における発光領域を限定することができる。なお、このような材料により有機化合物層209を形成した場合には、赤色発光を示す有機化合物層を形成することができる。
なお、緑色発光を示す有機化合物層を形成する場合には、バイポーラ層215を同様の材料(α−NPDとAlq3)で形成し、ドープ領域216にジメチルキナクリドンをドーピングすることにより形成することができる。なお、この時のドープ領域216における重量比(wt%)が、(α−NPD):(Alq3):(キナクリドン)=50:50:1となるように共蒸着して形成することができる。
さらに、青色発光を示す有機化合物層を形成する場合には、バソキュプロイン(以下、BCPと示す)と、4,4',4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(以下、MTDATAと示す)とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することによりバイポーラ層215を形成する。そして、ドープ領域216にペリレンをドーピングすることにより形成することができる。なお、この時のドープ領域216における重量比(wt%)が、(BCP):(MTDATA):(ペリレン)=50:50:5となるように共蒸着して形成することができる。
なお、これらのドープ領域216は、20〜30nmの膜厚で形成される。
上述したような赤色発光を示す有機化合物層、緑色発光を示す有機化合物層、青色発光を示す有機化合物層209を有する画素が画素部に形成されることにより、フルカラー表示が可能となる。
また、本実施例で示した有機化合物層209は、ドープ領域216が発光領域となっていたが、ドープ領域216を設けるのではなく、全く別の材料からなる発光層をバイポーラ層215の間に形成することもできる。この場合において、バイポーラ層215を形成する材料としては、先に示したものを用いれば良く、発光層を形成する材料としては、4,4'−ビス(2,2−ジフェニル−ビニル)−ビフェニル(以下、DPVBiと示す)等が挙げられる。
一方、高分子系の材料を用いる場合には、PVK、およびPBDをトルエン中に1:0.3のモル比で混合し、ドーパントであるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(以下、Ir(ppy)3と示す)をPVK、およびPBDの全モル数に対して3mol%のモル分率となるように混合することにより塗布液を形成し、これを塗布することにより形成する。
次に、有機化合物層209の上に第2の補助電極210を形成する。なお、第2の補助電極210も第1の補助電極208と同じ材料で形成することができるが、ここでは、バリウム(Ba)を20nmの膜厚で成膜し、第2の補助電極210を形成する。また、メタルマスクを用いて蒸着することにより、第1の電極205上にのみ第2の補助電極210を形成することができる。
最後に第3の電極211を形成する。なお、第3の電極211を形成する導電性の材料としては、仕事関数が4.5eV以上の仕事関数の大きい材料を用いる。また、本実施例において、発光素子の発光効率を低下させないためには第3の電極211から光が出射されない構造とするのが望ましいので、遮光性の材料を用いて形成する。具体的には、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、チタン(Ti)等の長周期型の周期表における3〜11族に属する元素を導電性材料として用いることができる。なお、本実施例では、金(Au)を100nmの膜厚で成膜して第3の電極211を形成する。
以上により、一つの画素内に第1の発光素子212、および第2の発光素子213を有し、どちらの発光素子においても、画素電極側から光を出射することができる下面出射型の発光装置を形成することができる。
本実施例では、実施例1と異なり、対向電極が透光性の材料で形成され、有機化合物層で生じた光を対向電極から取り出す構造(いわゆる、上方出射型)の場合について説明する。
図3(A)において、発光装置の画素部を形成する画素の断面図を示す。基板301上には、2種類のTFT(電流制御用TFTともいう)が形成されており、TFT1(302)には、配線304を介して第1の電極305が電気的に接続され、TFT2(303)には、配線306を介して第2の電極(2)307が電気的に接続されている。なお、本実施例の場合には、TFT1(302)は、pチャネル型TFTで形成され、TFT2(303)は、nチャネル型TFTで形成されている。
なお、配線304と第1の電極305の接続部、および配線306と第2の電極307の接続部は、実施例1と同様に絶縁材料からなる絶縁層314により覆われている。なお、絶縁層314を形成する材料としては、実施例1で示したものと同様のものを用いればよい。また、同様に、この絶縁膜の第1の電極305、および第2の電極307と対応する位置に開口部を形成して、絶縁層314が形成される。
第1の電極305の上には、有機化合物層309と、第2の補助電極310と、第3の電極311とが積層され、第1の発光素子312が形成されている。また、第2の電極307上には、第1の補助電極308と、有機化合物層309と、第3の電極311とが積層され、第2の発光素子313が形成されている。
なお、第1の電極305、第2の電極307、および第3の電極311は、陽極となりうる仕事関数の大きい材料で形成され、第1の補助電極308、および第2の補助電極310は、陰極となりうる仕事関数の小さい材料で形成されている。そのため、第1の発光素子312においては、第1の電極305が第1の画素電極(陽極)317となり、第2の補助電極310、および第3の電極311の積層されたものが第1の対向電極(陰極)318となる。また、第2の発光素子313においては、第2の電極307、および第1の補助電極308の積層されたものが第2の画素電極(陰極)319となり、第3の電極311が第2の対向電極(陽極)320となる。
第1の発光素子312および第2の発光素子313の具体的な素子構成について図3(B)に示し、これらの作製方法について以下に説明する。
但し、基板上に形成されるTFTおよび配線の形成までは、後の実施例で詳細に説明するため本実施例では省略し、本実施例では、配線形成後に形成される発光素子の作製について説明する。
まず、配線304に接して第1の電極305、配線306に接して第2の電極307が形成される。なお、本実施例において、発光素子の発光効率を低下させないためには第1の電極305、および第2の電極307から光が出射されない構造とするのが望ましいので、遮光性であり、仕事関数が4.5eV以上の材料を用いて形成する。ここでは窒化チタン(TiN)をスパッタリング法により100nmの膜厚で成膜した後、パターニングすることにより形成する。
さらに、第2の電極307上に第1の補助電極308を形成する。なお、本実施例における第1の補助電極308の材料としては、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化セシウム(CsF)等を用いることができるが、膜厚を1nm程度で形成する必要がある。その他にもセシウム(Cs)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、マグネシウム合金(Mg:Ag)およびランタノイド系の材料を用いることができる。なお、この場合には、20nm以下の膜厚で形成すればよい。ここでは、マグネシウム合金(Mg:Ag)を20nmの膜厚で成膜し、第1の補助電極308を形成する。また、メタルマスクを用いて蒸着することにより、第2の電極307上にのみ第1の補助電極308を形成することができる。
次に、有機化合物層309が形成される。本実施例においても実施例1と同様にして、低分子系の材料を用い、正孔輸送性の有機化合物と、電子輸送性の有機化合物とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することにより形成することができる。なお、本実施例における有機化合物層309の膜厚は、100nmである。
具体的には、正孔輸送性の性質を有する4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)と電子輸送性の性質を有するトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することにより形成することができる。ここで形成された層をバイポーラ層315と呼ぶことにする。
さらに、本実施例では、このバイポーラ層215を形成する途中で、ドーパントとなる4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(ジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン(以下、DCM2と示す)をドーピングすることにより発光領域となるドープ領域316を形成する。なお、この時のドープ領域316における重量比(wt%)が、(α−NPD):(Alq3):(DCM)=50:50:1となるように共蒸着して形成することができる。
そして、ドープ領域316上に再びバイポーラ層315を形成することにより有機化合物層309における発光領域を限定することができる。なお、このような材料により有機化合物層309を形成した場合には、赤色発光を示す有機化合物層を形成することができる。
なお、緑色発光を示す有機化合物層を形成する場合には、バイポーラ層315を同様の材料(α−NPDとAlq3)で形成し、ドープ領域316にジメチルキナクリドンをドーピングすることにより形成することができる。なお、この時のドープ領域316における重量比(wt%)が、(α−NPD):(Alq3):(キナクリドン)=50:50:1となるように共蒸着して形成することができる。
さらに、青色発光を示す有機化合物層を形成する場合には、バソキュプロイン(以下、BCPと示す)と、4,4',4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(以下、MTDATAと示す)とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することによりバイポーラ層315を形成する。そして、ドープ領域316にペリレンをドーピングすることにより形成することができる。なお、この時のドープ領域316における重量比(wt%)が、(BCP):(MTDATA):(ペリレン)=50:50:5となるように共蒸着して形成することができる。
なお、これらのドープ領域316は、20〜30nmの膜厚で形成される。
上述したような赤色発光を示す有機化合物層、緑色発光を示す有機化合物層、青色発光を示す有機化合物層309を有する画素が画素部に形成されることにより、フルカラー表示が可能となる。
また、本実施例で示した有機化合物層309は、ドープ領域316が発光領域となっていたが、ドープ領域316を設けるのではなく、全く別の材料からなる発光層をバイポーラ層315の間に形成することもできる。この場合において、バイポーラ層315を形成する材料としては、先に示したものを用いれば良く、発光層を形成する材料としては、4,4'−ビス(2,2−ジフェニル−ビニル)−ビフェニル(以下、DPVBiと示す)等が挙げられる。
一方、高分子系の材料を用いる場合には、PVK、およびPBDをトルエン中に1:0.3のモル比で混合し、ドーパントであるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(以下、Ir(ppy)3と示す)をPVK、およびPBDの全モル数に対して3mol%のモル分率となるように混合することにより塗布液を形成し、これを塗布することにより形成する。
次に、有機化合物層309の上に第2の補助電極310を形成する。なお、第2の補助電極310も第1の補助電極308と同じ材料で形成することができるが、ここでは、フッ化バリウム(BaF2)を1nmの膜厚で成膜し、第2の補助電極310を形成する。また、メタルマスクを用いて蒸着することにより、第1の電極305上にのみ第2の補助電極310を形成することができる。
最後に第3の電極311を形成する。なお、第3の電極311を形成する導電性の材料としては、仕事関数が4.5eV以上の仕事関数の大きい材料を用いる。なお、本実施例における第3の電極311は、光を出射する電極となるため、透光性であり、仕事関数が4.5eV以上の材料を用いて形成する。具体的には、ITO、IZO、またはIDIXOといった材料を用いることができるが、ここではITOを蒸着法、もしくはスパッタリング法により100nmの膜厚で成膜して第3の電極311を形成する。
以上により、一つの画素内に第1の発光素子312、および第2の発光素子313を有し、どちらの発光素子においても、対向電極側から光を出射することができる上方出射型の発光装置を形成することができる。
本実施例では、実施例2で示したのと同じ上面出射型の発光装置であるが、その素子構造が異なる場合について説明する。
図4(A)において、発光装置の画素部を形成する画素の断面図を示す。基板401上には、2種類のTFT(電流制御用TFTともいう)が形成されており、TFT1(402)には、配線404を介して第1の電極405が電気的に接続され、TFT2(403)には、配線406を介して第2の電極(2)407が電気的に接続されている。なお、本実施例の場合には、TFT1(402)は、nチャネル型TFTで形成され、TFT2(403)は、pチャネル型TFTで形成されている。
なお、配線404と第1の電極405の接続部、および配線406と第2の電極407の接続部は、実施例1と同様に絶縁材料からなる絶縁層414により覆われている。なお、絶縁層414を形成する材料としては、実施例1で示したものと同様のものを用いればよい。また、同様に、この絶縁膜の第1の電極405、および第2の電極407と対応する位置に開口部を形成して、絶縁層414が形成される。
第1の電極405の上には、有機化合物層409と、第2の補助電極410と、第3の電極411とが積層され、第1の発光素子412が形成されている。また、第2の電極407上には、第1の補助電極408と、有機化合物層409と、第3の電極411とが積層され、第2の発光素子413が形成されている。
なお、第1の電極405、第2の電極407、および第3の電極411は、陰極となりうる仕事関数の小さい材料で形成され、第1の補助電極408、および第2の補助電極410は、陽極となりうる仕事関数の大きい材料で形成されている。そのため、第1の発光素子412においては、第1の電極405が第1の画素電極(陰極)417となり、第2の補助電極410、および第3の電極411の積層されたものが第1の対向電極(陽極)418となる。また、第2の発光素子413においては、第2の電極407、および第1の補助電極408の積層されたものが第2の画素電極(陽極)419となり、第3の電極411が第2の対向電極(陰極)420となる。
第1の発光素子412および第2の発光素子413の具体的な素子構成について図4(B)に示し、これらの作製方法について以下に説明する。
但し、基板上に形成されるTFTおよび配線の形成までは、後の実施例で詳細に説明するため本実施例では省略し、本実施例では、配線形成後に形成される発光素子の作製について説明する。
まず、配線404に接して第1の電極405、配線406に接して第2の電極407が形成される。なお、本実施例において、発光素子の発光効率を低下させないためには第1の電極405、および第2の電極407から光が出射されない構造とするのが望ましいので、遮光性であり、仕事関数が3.8eV以下の材料を用いて形成する。ここではマグネシウム合金(Mg:Ag)をスパッタリング法により100nmの膜厚で成膜した後、パターニングすることにより形成する。
さらに、第2の電極407上に第1の補助電極408を形成する。なお、本実施例における第1の補助電極408の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、チタン(Ti)等の長周期型の周期表における3〜11族に属する元素を導電性材料として用いることができる。ここでは、金(Au)を20nmの膜厚で成膜し、第1の補助電極408を形成する。また、メタルマスクを用いて蒸着することにより、第2の電極407上にのみ第1の補助電極408を形成することができる。
次に、有機化合物層409が形成される。なお、本実施例における有機化合物層309の膜厚は、100nmである。
はじめに、正孔輸送性の性質を有する4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)と電子輸送性の性質を有するトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と示す)とを重量比(wt%)が1:1となるように共蒸着することによりバイポーラ層415を形成する。
さらに、本実施例では、このバイポーラ層215を形成する途中で、発光領域となる発光層416を形成する。なお、本実施例において、発光層416を形成する材料としては、4,4'−ビス(2,2−ジフェニル−ビニル)−ビフェニル(以下、DPVBiと示す)を用いる。また、発光層416は、20〜30nmの膜厚で形成する。
そして、発光層416上に再びバイポーラ層415を形成することにより有機化合物層409における発光領域を限定することができる。
なお、本実施例においては、有機化合物層に発光層416を形成する場合について示したが、実施例1や実施例2で示したようなドープ領域を設ける構造としても良いし、また、低分子系の材料だけでなく高分子系の材料を用いることにより形成することも可能である。
次に、有機化合物層409の上に第2の補助電極410を形成する。なお、第2の補助電極410も第1の補助電極408と同じ材料で形成することができるが、ここでは、フッ化バリウム(BaF2)を1nmの膜厚で成膜し、第2の補助電極410を形成する。また、メタルマスクを用いて蒸着することにより、第1の電極405上にのみ第2の補助電極410を形成することができる。
最後に第3の電極411を形成する。なお、第3の電極411を形成する導電性の材料としては、仕事関数が3.8eV以下の仕事関数の小さい材料を用いる。なお、本実施例における第3の電極411は、光を出射する電極となるため、透光性であり、仕事関数が3.8eV以下の材料を用いて形成する。具体的には、元素周期律の1族または2族に属する元素、すなわちアルカリ金属及びアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金や化合物の他、希土類金属を含む遷移金属を用いることができるが、ここではセシウム(Cs)と銀(Ag)とを蒸着法、もしくはスパッタリング法により積層形成し、20nmの膜厚で成膜して第3の電極411を形成する。
以上により、一つの画素内に第1の発光素子312、および第2の発光素子313を有し、どちらの発光素子においても、対向電極側から光を出射することができる上方出射型の発光装置を形成することができる。
本発明の実施例を図5〜図7を用いて説明する。ここでは、同一基板上に画素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネル型TFT及びpチャネル型TFT)を同時に作製する方法について詳細に説明する。
まず、基板600上に下地絶縁膜601を形成し、結晶構造を有する第1の半導体膜を得た後、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層602〜605を形成する。
基板600としては、ガラス基板(#1737)を用い、下地絶縁膜601としては、プラズマCVD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜601a(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を50nm(好ましくは10〜200nm)形成する。次いで、表面をオゾン水で洗浄した後、表面の酸化膜を希フッ酸(1/100希釈)で除去する。次いでプラズマCVD法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜601b(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を100nm(好ましくは50〜200nm)の厚さに積層形成し、さらに大気解放せずにプラズマCVD法で成膜温度300℃、成膜ガスSiH4で非晶質構造を有する半導体膜(ここではアモルファスシリコン膜)を54nmの厚さ(好ましくは25〜80nm)で形成する。
本実施例では下地膜601を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造として形成しても良い。また、半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiXGe1-X(X=0.0001〜0.02))合金などを用い、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により形成すればよい。また、プラズマCVD装置は、枚葉式の装置でもよいし、バッチ式の装置でもよい。また、同一の成膜室で大気に触れることなく下地絶縁膜と半導体膜とを連続成膜してもよい。
次いで、非晶質構造を有する半導体膜の表面を洗浄した後、オゾン水で表面に約2nmの極薄い酸化膜を形成する。次いで、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行う。ここでは、ジボラン(B26)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用い、ドーピング条件を加速電圧15kV、ジボランを水素で1%に希釈したガス流量30sccm、ドーズ量2×1012/cm2で非晶質シリコン膜にボロンを添加した。
次いで、重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布する。塗布に代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法を用いてもよい。
次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶構造を有する半導体膜を形成する。この加熱処理は、電気炉の熱処理または強光の照射を用いればよい。電気炉の熱処理で行う場合は、500℃〜650℃で4〜24時間で行えばよい。ここでは脱水素化のための熱処理(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃、4時間)を行って結晶構造を有するシリコン膜を得る。なお、ここでは炉を用いた熱処理を用いて結晶化を行ったが、短時間での結晶化が可能なランプアニール装置で結晶化を行ってもよい。なお、ここではシリコンの結晶化を助長する金属元素としてニッケルを用いた結晶化技術を用いたが、他の公知の結晶化技術、例えば固相成長法やレーザー結晶化法を用いてもよい。
次いで、結晶構造を有するシリコン膜表面の酸化膜を希フッ酸等で除去した後、結晶化率を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するためのレーザー光(XeCl:波長308nm)の照射を大気中、または酸素雰囲気中で行う。レーザー光には波長400nm以下のエキシマレーザー光や、YVO4レーザーの第2高調波、第3高調波を用いる。いずれにしても、繰り返し周波数10〜1000Hz程度のパルスレーザー光を用い、当該レーザー光を光学系にて100〜500mJ/cm2に集光し、90〜95%のオーバーラップ率をもって照射し、シリコン膜表面を走査させればよい。ここでは、繰り返し周波数30Hz、エネルギー密度393mJ/cm2でレーザー光の照射を大気中で行う。なお、大気中、または酸素雰囲気中で行うため、レーザー光の照射により表面に酸化膜が形成される。
また、レーザー光の照射により形成された酸化膜を希フッ酸で除去した後、第2のレーザー光の照射を窒素雰囲気、或いは真空中で行い、半導体膜表面を平坦化してもよい。その場合、このレーザー光(第2のレーザー光)には波長400nm以下のエキシマレーザー光や、YAGレーザーの第2高調波、第3高調波を用いる。第2のレーザー光のエネルギー密度は、第1のレーザー光のエネルギー密度より大きくし、好ましくは30〜60mJ/cm2大きくする。
なお、ここでのレーザー光の照射は、酸化膜を形成して後のスパッタ法による成膜の際、結晶構造を有するシリコン膜への希ガス元素の添加を防止する上でも、ゲッタリング効果を増大させる上でも非常に重要である。次いで、レーザー光の照射により形成された酸化膜に加え、オゾン水で表面を120秒処理して合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア層を形成する。
次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッタリングサイトとなるアルゴン元素を含む非晶質シリコン膜を膜厚150nmで形成する。本実施例のスパッタ法による成膜条件は、成膜圧力を0.3Paとし、ガス(Ar)流量を50(sccm)とし、成膜パワーを3kWとし、基板温度を150℃とする。なお、上記条件での非晶質シリコン膜に含まれるアルゴン元素の原子濃度は、3×1020/cm3〜6×1020/cm3、酸素の原子濃度は1×1019/cm3〜3×1019/cm3である。その後、ランプアニール装置を用いて650℃、3分の熱処理を行いゲッタリングする。
次いで、バリア層をエッチングストッパーとして、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む非晶質シリコン膜を選択的に除去した後、バリア層を希フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除去することが望ましい。
次いで、得られた結晶構造を有するシリコン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層を形成する。半導体層を形成した後、レジストからなるマスクを除去する。
また、半導体層を形成した後、TFTのしきい値(Vth)を制御するためにp型あるいはn型を付与する不純物元素を添加してもよい。なお、半導体に対してp型を付与する不純物元素には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律第13族元素が知られている。なお、半導体に対してn型を付与する不純物元素としては周期律15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)が知られている。
次いで、得られた結晶構造を有するシリコン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層602〜605を形成する。半導体層を形成した後、レジストからなるマスクを除去する。
次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜607となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成する。本実施例では、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
次いで、図5(A)に示すように、ゲート絶縁膜607上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜608と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜609とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜607上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370nmのタングステン膜を順次積層する。
第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成する。また、第1の導電膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、Ag:Pd:Cu合金を用いてもよい。また、2層構造に限定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。また、単層構造であってもよい。
次に、図5(B)に示すように光露光工程によりレジストからなるマスク610〜613を形成し、ゲート電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件で行う。エッチングにはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いると良い。ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4、CCl4などを代表とする塩素系ガスまたはCF4、SF6、NF3などを代表とするフッ素系ガス、またはO2を適宜用いることができる。
本実施例では、基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。なお、基板側の電極面積サイズは、12.5cm×12.5cmであり、コイル型の電極面積サイズ(ここではコイルの設けられた石英円板)は、直径25cmの円板である。この第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端部をテーパー形状とする。第1のエッチング条件でのWに対するエッチング速度は200.39nm/min、TaNに対するエッチング速度は80.32nm/minであり、TaNに対するWの選択比は約2.5である。また、この第1のエッチング条件によって、Wのテーパー角は、約26°となる。この後、レジストからなるマスク610〜613を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス流量比を30/30(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされる。第2のエッチング条件でのWに対するエッチング速度は58.97nm/min、TaNに対するエッチング速度は66.43nm/minである。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
上記第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°とすればよい。
こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層615〜618(第1の導電層615a〜618aと第2の導電層615b〜618b)を形成する。ゲート絶縁膜となる絶縁膜607は、10〜20nm程度エッチングされ、第1の形状の導電層615〜618で覆われない領域が薄くなったゲート絶縁膜620となる。
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、エッチング用ガスにSF6とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を24/12/24(sccm)とし、1.3Paの圧力でコイル型の電極に700WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを25秒行った。基板側(試料ステージ)にも10WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。第2のエッチング処理でのWに対するエッチング速度は227.3nm/min、TaNに対するエッチング速度は32.1nm/minであり、TaNに対するWの選択比は7.1であり、絶縁膜620であるSiONに対するエッチング速度は33.7nm/minであり、SiONに対するWの選択比は6.83である。このようにエッチングガス用ガスにSF6を用いた場合、絶縁膜620との選択比が高いので膜減りを抑えることができる。本実施例では絶縁膜620において約8nmしか膜減りが起きない。
この第2のエッチング処理によりWのテーパー角は70°となった。この第2のエッチング処理により第2の導電層621b〜624bを形成する。一方、第1の導電層は、ほとんどエッチングされず、第1の導電層621a〜624aとなる。なお、第1の導電層621a〜624aは、第1の導電層615a〜618aとほぼ同一サイズである。実際には、第1の導電層の幅は、第2のエッチング処理前に比べて約0.3μm程度、即ち線幅全体で0.6μm程度後退する場合もあるがほとんどサイズに変化がない。
また、2層構造に代えて、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造とした場合、第1のエッチング処理における第1のエッチング条件としては、BCl3とCl2とO2とを原料ガスに用い、それぞれのガス流量比を65/10/5(sccm)とし、基板側(試料ステージ)に300WのRF(13.56MHz)電力を投入し、1.2Paの圧力でコイル型の電極に450WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して117秒のエッチングを行えばよく、第1のエッチング処理における第2のエッチング条件としては、CF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/25/10(sccm)とし、基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行えばよく、第2のエッチング処理としてはBCl3とCl2を用い、それぞれのガス流量比を20/60(sccm)とし、基板側(試料ステージ)には100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、1.2Paの圧力でコイル型の電極に600WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行えばよい。
次いで、レジストからなるマスクを除去した後、第1のドーピング処理を行って図6(A)の状態を得る。ドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1.5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。n型を付与する不純物元素として、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。この場合、第1の導電層及び第2の導電層621〜624がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域626〜629が形成される。第1の不純物領域626〜629には1×1016〜1×1017/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。ここでは、第1の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をn--領域とも呼ぶ。
なお、本実施例ではレジストからなるマスクを除去した後、第1のドーピング処理を行ったが、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行ってもよい。
次いで、図6(B)に示すようにレジストからなるマスク631〜633を形成し第2のドーピング処理を行う。マスク631は駆動回路のpチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域を保護するマスクであり、マスク632は画素部のTFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域とを保護するマスクである。
第2のドーピング処理におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1.5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとしてリン(P)をドーピングする。ここでは、第2の導電層621bをマスクとして各半導体層に不純物領域が自己整合的に形成される。勿論、マスク631〜633で覆われた領域には添加されない。こうして、第2の不純物領域634、635と、第3の不純物領域637が形成される。第2の不純物領域634、635には1×1020〜1×1021/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加されている。ここでは、第2の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をn+領域とも呼ぶ。
また、第3の不純物領域は第1の導電層により第2の不純物領域よりも低濃度に形成され、1×1018〜1×1019/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加されることになる。なお、第3の不純物領域は、テーパー形状である第1の導電層の部分を通過させてドーピングを行うため、テーパ−部の端部に向かって不純物濃度が増加する濃度勾配を有している。ここでは、第3の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をn-領域とも呼ぶ。また、マスク632で覆われた領域は、第2のドーピング処理で不純物元素が添加されず、第1の不純物領域638となる。
次いで、レジストからなるマスク631〜633を除去した後、新たにレジストからなるマスク639、640を形成して図6(C)に示すように第3のドーピング処理を行う。
駆動回路において、上記第3のドーピング処理により、pチャネル型TFTを形成する半導体層および保持容量を形成する半導体層にp型の導電型を付与する不純物元素が添加された第4の不純物領域641、642及び第5の不純物領域643、644を形成する。
また、第4の不純物領域641、642には1×1020〜1×1021/cm3の濃度範囲でp型を付与する不純物元素が添加されるようにする。尚、第4の不純物領域641、642には先の工程でリン(P)が添加された領域(n--領域)であるが、p型を付与する不純物元素の濃度がその1.5〜3倍添加されていて導電型はp型となっている。ここでは、第4の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をp+領域とも呼ぶ。
また、第5の不純物領域643、644は第2の導電層125aのテーパー部と重なる領域に形成されるものであり、1×1018〜1×1020/cm3の濃度範囲でp型を付与する不純物元素が添加されるようにする。ここでは、第5の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をp-領域とも呼ぶ。
以上までの工程でそれぞれの半導体層にn型またはp型の導電型を有する不純物領域が形成される。導電層621〜624はTFTのゲート電極となる。
次いで、ほぼ全面を覆う絶縁膜(図示しない)を形成する。本実施例では、プラズマCVD法により膜厚50nmの酸化シリコン膜を形成した。勿論、この絶縁膜は酸化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
次いで、それぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工程は、ランプ光源を用いたラピッドサーマルアニール法(RTA法)、或いはYAGレーザーまたはエキシマレーザーを裏面から照射する方法、或いは炉を用いた熱処理、或いはこれらの方法のうち、いずれかと組み合わせた方法によって行う。
また、本実施例では、上記活性化の前に絶縁膜を形成した例を示したが、上記活性化を行った後、絶縁膜を形成する工程としてもよい。
次いで、窒化シリコン膜からなる第1の層間絶縁膜645を形成して熱処理(300〜550℃で1〜12時間の熱処理)を行い、半導体層を水素化する工程を行う(図7(A))。この工程は第1の層間絶縁膜645に含まれる水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。酸化シリコン膜からなる絶縁膜(図示しない)の存在に関係なく半導体層を水素化することができる。ただし、本実施例では、第2の導電層としてアルミニウムを主成分とする材料を用いているので、水素化する工程において第2の導電層が耐え得る熱処理条件とすることが重要である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
次いで、第1の層間絶縁膜645上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜646を形成する。本実施例では膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形成する。次いで、各不純物領域に達するコンタクトホールを形成する。本実施例では複数のエッチング処理を順次行う。本実施例では第1の層間絶縁膜をエッチングストッパーとして第2の層間絶縁膜をエッチングした後、絶縁膜(図示しない)をエッチングストッパーとして第1の層間絶縁膜をエッチングしてから絶縁膜(図示しない)をエッチングした。
その後、Al、Ti、Mo、Wなどを用いて配線を形成する。また、場合によっては、配線と接して形成される発光素子の画素電極を同時に形成することもできる。これらの電極及び画素電極の材料は、AlまたはAgを主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の反射性の優れた材料を用いることが望ましい。こうして、配線650〜657が形成される。
以上の様にして、nチャネル型TFT701、pチャネル型TFT702を有する駆動回路705と、nチャネル型TFTからなるスイッチング用TFT703、pチャネル型TFTからなる電流制御用TFT704とを有する画素部706を同一基板上に形成することができる(図7(C))。本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。
画素部706において、スイッチング用TFT703(nチャネル型TFT)にはチャネル形成領域503、ゲート電極を形成する導電層623の外側に形成される第1の不純物領域(n--領域)638とソース領域、またはドレイン領域として機能する第2の不純物領域(n+領域)635を有している。
また、画素部706において、電流制御用TFT704(pチャネル型TFT)にはチャネル形成領域504、ゲート電極を形成する導電層624の外側に形成される第4の不純物領域(n--領域)644とソース領域、またはドレイン領域として機能する第5の不純物領域(n+領域)642を有している。なお、本発明においては、第5の不純物領域(n+領域)642と電気的に接続された配線656を介して、発光素子の電極と接続される。本実施例の場合においては、電流制御用TFT704がpチャネル型TFTで形成されているため、発光素子の陽極が形成されるのが好ましい。
また、駆動回路705において、nチャネル型TFT701はチャネル形成領域501、ゲート電極を形成する導電層621の一部と絶縁膜を介して重なる第3の不純物領域(n-領域)637とソース領域、またはドレイン領域として機能する第2の不純物領域(n+領域)634を有している。
また、駆動回路705において、pチャネル型TFT702にはチャネル形成領域502、ゲート電極を形成する導電層622の一部と絶縁膜を介して重なる第5不純物領域(p-領域)643と、ソース領域またはドレイン領域として機能する第4の不純物領域(p+領域)641を有している。
これらのTFT701、702を適宜組み合わせてシフトレジスタ回路、バッファ回路、レベルシフタ回路、ラッチ回路などを形成し、駆動回路705を形成すればよい。例えば、CMOS回路を形成する場合には、nチャネル型TFT701とpチャネル型TFT702を相補的に接続して形成すればよい。
なお、信頼性が最優先とされる回路には、ゲート絶縁膜を介してLDD(LDD:Lightly Doped Drain)領域をゲート電極と重ねて配置させた、いわゆるGOLD(Gate-drain Overlapped LDD)構造であるnチャネル型TFT701の構造が適している。
なお、駆動回路705におけるTFT(nチャネル型TFT、pチャネル型TFT)は、高い駆動能力(オン電流:Ion)およびホットキャリア効果による劣化を防ぎ信頼性を向上させることが要求されていることから本実施例では、ホットキャリアによるオン電流値の劣化を防ぐのに有効である構造として、ゲート電極がゲート絶縁膜を介して低濃度不純物領域と重なる領域(GOLD領域)を有するTFTを用いている。
これに対して、画素部706におけるスイッチング用TFT703は、低いオフ電流(Ioff)が要求されていることから、本実施例ではオフ電流を低減するためのTFT構造として、ゲート電極がゲート絶縁膜を介して低濃度不純物領域と重ならない領域(LDD領域)を有するTFTを用いている。
なお、本実施例における発光装置の作製工程においては、回路の構成および工程の関係上、ゲート電極を形成している材料を用いてソース信号線を形成し、ソース、ドレイン電極を形成している配線材料を用いてゲート信号線を形成しているが、それぞれ異なる材料を用いることは可能である。
なお、本実施例において、TFTの駆動電圧は、1.2〜10Vであり、好ましくは、2.5〜5.5Vである。
また、画素部の表示が動作しているとき(動画表示の場合)には、発光素子が発光している画素により背景の表示を行い、発光素子が非発光となる画素により文字表示を行えばよいが、画素部の動画表示がある一定期間以上静止している場合(本明細書中では、スタンバイ時と呼ぶ)には、電力を節約するために表示方法が切り替わる(反転する)ようにしておくと良い。具体的には、発光素子が発光している画素により文字を表示し(文字表示ともいう)、発光素子が非発光となる画素により背景を表示(背景表示ともいう)するようにする。
次に、本発明の発光装置を定電圧方式で駆動させた場合について図8及び図9を用いて説明する。
図8(A)に本実施例における発光装置のブロック図を示す。801はソース信号線駆動回路、802はゲート信号線駆動回路、803は画素部を示している。本実施例ではソース信号線駆動回路とゲート信号線駆動回路とを1つずつ設けたが、本発明はこの構成に限定されない。ソース信号線駆動回路を2つ設けても良いし、ゲート信号線駆動回路を2つ設けても良い。
ソース信号線駆動回路801は、シフトレジスタ801a、レベルシフタ801b、サンプリング回路801cを有している。なおレベルシフタ801bは必要に応じて用いればよく、必ずしも用いなくとも良い。また本実施例においてレベルシフタ801bはシフトレジスタ801aとサンプリング回路801cとの間に設ける構成としたが、本発明はこの構成に限定されない。シフトレジスタ801aの中にレベルシフタ801bが組み込まれている構成にしても良い。
またゲート信号線駆動回路802は、シフトレジスタ、バッファ(いずれも図示せず)を有している。また、レベルシフタを有していても良い。なお、ゲート信号線駆動回路802には、ゲート信号線805が接続されている。
パネル制御信号であるクロック信号(CLK)、スタートパルス信号(SP)がシフトレジスタ801aに入力される。シフトレジスタ801aからビデオ信号をサンプリングするためのサンプリング信号が出力される。出力されたサンプリング信号はレベルシフタ801bに入力され、その電位の振幅が大きくなって出力される。
レベルシフタ801bから出力されたサンプリング信号は、サンプリング回路801cに入力される。そして同時に、ビデオ信号線を介してビデオ信号がサンプリング回路801cに入力される。
サンプリング回路801cにおいて、入力されたビデオ信号がサンプリング信号によってサンプリングされ、それぞれソース信号線804に入力される。
次に図9(A)に、図8で示した発光装置の画素部803の画素構造を示す。なお、画素部803は図9(A)の900で示す構造の画素を複数有しており、画素900は、ソース信号線(S)と、電流供給線(V)と、ゲート信号線(G)とを有している。
また、画素900は、スイッチング用TFT901と、電流制御用TFT(1)902と、電流制御用TFT(2)903と、発光素子(1)904と、発光素子(2)905とを有している。
スイッチング用TFT901のゲート電極はゲート信号線(G)に接続されている。またスイッチング用TFT901のソース領域とドレイン領域は、一方はソース信号線(S)に、もう一方は電流制御用TFT(1)902および電流制御用TFT(2)903のゲート電極に接続されている。
電流制御用TFT(1)902および電流制御用TFT(2)903のソース領域は電流供給線(V)に接続されており、電流制御用TFT(1)902のドレイン領域は発光素子(1)904が有する陽極、または陰極のいずれか一方に接続される。また、電流制御用TFT(2)903のドレイン領域は、電流制御用TFT(1)902のドレイン領域と接続されたのとは異なる種類の電極(陽極、または陰極のいずれか他方)と接続される。なお、この電極は、発光素子(2)905を形成する一方の電極である。
なお、本明細書中では、電流制御用TFT(1)902のドレイン領域と接続された上記電極を画素電極(1)とよび、電流制御用TFT(2)903のドレイン領域と接続された上記電極を画素電極(2)とよぶことにする。つまり、画素900が有する発光素子(1)904は画素電極(1)を有し、発光素子(2)905は、画素電極(2)を有している。また、画素電極(1)および画素電極(2)には、電流供給線(V)から電圧が入力される。なお、電流供給線(V)から入力される電圧を電源電圧と呼ぶ。
また、発光素子(1)904および発光素子(2)905は、これらの画素電極ともう一方の電極により形成される。なお、もう一方の電極のことを対向電極と呼ぶことにする。すなわち、発光素子(1)904は、対向電極(1)を有し、発光素子(2)905は、対向電極(2)を有している。
なお、対向電極(1)および対向電極(2)は、それぞれ所定の電圧に保たれており、本明細書において、対向電極(1)および対向電極(2)から入力される電圧を対向電圧と呼ぶ。なお対向電極(1)に対向電圧を与える電源を対向電源(1)906と呼び、対向電極(2)に対向電圧を与える電源を対向電源(2)907と呼ぶ。
対向電極の対向電圧と画素電極の電源電圧との電圧差が発光素子駆動電圧であり、この発光素子駆動電圧が有機化合物層にかかる。
なお、ここでは図示しないが、電流制御用TFT(1)902および電流制御用TFT(2)903のゲート電極と、電流供給線(V)との間にコンデンサが形成される構造としても良い。
図9(B)には、図9(A)に示した画素900の対向電源(1)906と対向電源(2)907とから入力される信号を制御するための回路構成を示す。すなわち、回路908に切り換え信号909を入力することにより、切り換えスイッチ910が切り替わり、対向電源(1)906と対向電源(2)907のどちらか一方が選択され、選択された対向電源から電圧が入力されるようになっている。
次に、対向電源(1)906、および対向電源(2)907から入力される電圧を図9(C)にそれぞれ示す。つまり、対向電源(1)906と対向電源(2)907からは、それぞれ発光素子駆動電圧の極性が異なるような2種類の対向電圧が交互に入力されるようになっており、また、対向電源(1)906、対向電源(2)907から同時に入力される電圧が異なる構成になっている。
本実施例において、画素900のスイッチング用TFT901がオンの状態になると、電流制御用TFT(1)902および電流制御用TFT(2)903は共にオンの状態になる。なお、電流供給線(V)からは一定の電源電圧が入力され、発光素子(1)904および発光素子(2)905の画素電極(1)および画素電極(2)に一定の電圧が印加される。
ここで、画素電極(1)が陽極で形成され、画素電極(2)が陰極で形成されているとすると、対向電源(1)906から対向電極(1)に入力される対向電圧が、電源電圧よりも低い場合には発光素子(1)904に正の発光素子駆動電圧が印加されるため発光素子(1)904に所望の電流が流れるが、対向電極(1)に入力される対向電圧が、電源電圧よりも高い場合には発光素子(1)904に負の発光素子駆動電圧が印加されるため発光素子(1)904に電流が流れない。なお、本明細書中では、このように発光素子に電流が流れる状態になることを発光素子が機能すると呼ぶことにする。
これに対して、対向電源(2)907から対向電極(2)に入力される対向電圧が、電源電圧よりも高い場合には発光素子(2)905に正の発光素子駆動電圧が印加されるため発光素子(2)905に所望の電流が流れ、発光素子(2)が機能するが、対向電極(2)に入力される対向電圧が、電源電圧よりも低い場合には発光素子(1)904に負の発光素子駆動電圧が印加されるため発光素子(1)904に電流が流れず、発光素子(2)は機能しない。
以上のように、1画素に形成された2種類の発光素子がそれぞれ有する2種類の対向電源からは、発光素子駆動電圧の極性が逆になるような2種類の対向電圧が交互に入力され、かつどちらか一方の対向電源からのみ電圧が入力されるようにすることにより、2種類の発光素子のうち一方を常に機能させることができる。
次に、本発明の発光装置を実施例5で示したのとは異なる方法で駆動させた場合について図10及び図11を用いて説明する。
図10に本実施例における発光装置のブロック図を示す。1001はソース信号線駆動回路(A)、1002はソース信号線駆動回路(B)、1003はゲート信号線駆動回路、1004は画素部を示している。
ソース信号線駆動回路(A)1001は、シフトレジスタ1001a、レベルシフタ1001b、サンプリング回路1001cを有している。なおレベルシフタ1001bは必要に応じて用いればよく、必ずしも用いなくとも良い。また本実施例においてレベルシフタ1001bはシフトレジスタ1001aとサンプリング回路1001cとの間に設ける構成としたが、本発明はこの構成に限定されない。シフトレジスタ1001aの中にレベルシフタ1001bが組み込まれている構成にしても良い。なお、本実施例では、ソース信号線駆動回路(B)1002を有しているがこれらの構成は、ソース信号線駆動回路(A)1001と同じ構成とすることができる。
またゲート信号線駆動回路1003は、シフトレジスタ、バッファ(いずれも図示せず)を有している。また、レベルシフタを有していても良い。なお、ゲート信号線駆動回路1003には、ゲート信号線1005が接続されている。
パネル制御信号であるクロック信号(CLK)、スタートパルス信号(SP)がシフトレジスタ1001aに入力される。シフトレジスタ1001aからビデオ信号をサンプリングするためのサンプリング信号が出力される。出力されたサンプリング信号はレベルシフタ1001bに入力され、その電位の振幅が大きくなって出力される。
レベルシフタ1001bから出力されたサンプリング信号は、サンプリング回路1001cに入力される。そして同時に、ビデオ信号線を介してビデオ信号がサンプリング回路1001cに入力される。
サンプリング回路1001cにおいて、入力されたビデオ信号がサンプリング信号によってサンプリングされ、それぞれソース信号線(1)1006に入力される。なお、ソース信号線駆動回路(B)1002からは、同様にしてソース信号線(2)1007に入力される。
次に、図11に、図10で示した発光装置の画素部1004の画素構造を示す。なお、画素部1004は図11の1100で示す構造の画素を複数有しており、画素1100は、2種類のソース信号線(S)、すなわちソース信号線(1)(S)とソース信号線(2)(S’)、2種類の電流供給線(V)、すなわち電流供給線(1)(V)と電流供給線(2)(V’)と、ゲート信号線(G)とを有している。
また、画素1100は、2種類のスイッチング用TFT、すなわちスイッチング用TFT(1)(1101)、スイッチング用TFT(2)(1102)、2種類の電流制御用TFT、すなわち電流制御用TFT(1)(1103)と、電流制御用TFT(2)1104と、2種類の発光素子、すなわち発光素子(1)1105と、発光素子(2)1106とを有している。
スイッチング用TFT(1)1101、およびスイッチング用TFT(2)1102のゲート電極は、ゲート信号線(G)に接続されている。またスイッチング用TFT(1)1101のソース領域とドレイン領域は、一方はソース信号線(1)(S)に、もう一方は電流制御用TFT(1)1103のゲート電極に接続されている。さらに、スイッチング用TFT(2)1102のソース領域とドレイン領域は、一方はソース信号線(2)(S’)に、もう一方は電流制御用TFT(2)1104のゲート電極に接続されている。
電流制御用TFT(1)1103のソース領域は電流供給線(1)(V)に接続されており、電流制御用TFT(1)1103のドレイン領域は発光素子(1)1105が有する陽極、または陰極となる電極に接続される。なお、この電極は、発光素子(1)1105を形成する一方の電極である。また、電流制御用TFT(2)1104のソース領域は電流供給線(2)(V’)に接続されており、電流制御用TFT(2)1104のドレイン領域は、電流制御用TFT(1)1103のドレイン領域と接続されたのとは異なる種類(陽極、または陰極)の電極と接続される。なお、この電極は、発光素子(2)1106を形成する一方の電極である。
なお、本明細書中では、電流制御用TFT(1)1103のドレイン領域と接続された上記電極を画素電極(1)とよび、電流制御用TFT(2)1104のドレイン領域と接続された上記電極を画素電極(2)とよぶことにする。つまり、画素1100が有する発光素子(1)1105は画素電極(1)を有し、発光素子(2)1106は、画素電極(2)を有している。また、画素電極(1)には、電流供給線(1)(V)から電圧が入力され、画素電極(2)には、電流供給線(2)(V’)から電圧が入力される。なお、電流供給線(1)(V)、および電流供給線(2)(V’)から入力される電圧をそれぞれ電源電圧(1)、および電源電圧(2)と呼ぶ。
また、発光素子(1)1105および発光素子(2)1106は、これらの画素電極ともう一方の電極により形成される。なお、もう一方の電極のことを対向電極と呼ぶことにする。すなわち、発光素子(1)1105は、対向電極(1)を有し、発光素子(2)1106は、対向電極(2)を有している。
なお、対向電極(1)および対向電極(2)は、それぞれ所定の電圧に保たれており、本明細書において、対向電極(1)および対向電極(2)から入力される電圧を対向電圧と呼ぶ。なお対向電極(1)に対向電圧を与える電源を対向電源(1)1107と呼び、対向電極(2)に対向電圧を与える電源を対向電源(2)1108と呼ぶ。本実施例においては、対向電源(1)1107、および対向電極(2)1108は一定の電圧に保持されている。
なお、陽極の電圧は陰極にかかる電圧よりも高いことが望ましい。そのため対向電圧は、これらの対向電極が陽極か陰極かによって変わってくる。例えば対向電極が陽極の場合、対向電圧は電源電圧よりも高くすることが望ましい。逆に対向電極が陰極の場合、対向電圧は電源電圧よりも低くすることが望ましい。
対向電極の対向電圧と画素電極の電源電圧との電圧差が発光素子駆動電圧であり、この発光素子駆動電圧が有機化合物層にかかる。
さらに、図11で説明した発光装置を駆動させる場合のタイミングチャートを図12に示す。1つのゲート信号線が選択されてから、その次に別のゲート信号線が選択されるまでの期間を1ライン期間(L)と呼ぶ。なお本明細書においてゲート信号線が選択されるとは、スイッチング用TFTがオンの状態になるような電位を有する選択信号がゲート信号線に入力されることを意味する。
また1つの画像が表示されてから次の画像が表示されるまでの期間が1フレーム期間(F)に相当する。例えば、y本のゲート信号線を有する発光装置には、1フレーム期間中にy個のライン期間(L1〜Ly)が設けられている。
第1のライン期間(L1)において、ゲート信号線駆動回路1003から入力される選択信号によってゲート信号線(G(1)〜G(y))が選択され、ゲート信号線(G)に接続されている全てのスイッチング用TFTが全てオンの状態になる。そして、ソース信号線駆動回路(A)1001からx本のソース信号線(1)(S(1)〜S(x))、およびソース信号線駆動回路(B)1002からx本のソース信号線(2)(S’(1)〜S’(x))に順にビデオ信号が入力される。ここでは、ゲート信号線(G(1))、ソース信号線(1)(S(1))、ソース信号線(2)(S’(1))について示している。なお、ソース信号線(1)(S(1)〜S(x))に入力されたビデオ信号は、スイッチング用TFT(1)1101を介して電流制御用TFT(1)1103のゲート電極に入力され、ソース信号線(2)(S’(1)〜S’(x))に入力されたビデオ信号は、スイッチング用TFT(2)1102を介して電流制御用TFT(2)1104のゲート電極に入力される。
また、各画素が有する画素電極(1)には、x本の電流供給線(1)(V(1)〜V(x))から電源電圧(1)が入力され、画素電極(2)には、x本の電流供給線(2)(V’(1)〜V’(x))から電源電圧(2)が入力される。ここでは、電流供給線(1)(V(1))、電流供給線(2)(V’(1))について示している。
電流制御用TFT(1)1103および電流制御用TFT(2)1104のチャネル形成領域を流れる電流の量は、これらのゲート電極とソース領域の電圧差であるゲート電圧Vgsによって制御される。よって、発光素子(1)1105、および発光素子(2)1106のそれぞれの画素電極に与えられる電圧は、各電流制御用TFTのゲート電極に入力されたビデオ信号の電圧の高さによって決まる。したがって、発光素子(1)1105、および発光素子(2)1106はビデオ信号の電圧に制御されて発光する。
上述した動作を繰り返し、ソース信号線(1)(S(1)〜S(x))、およびソース信号線(2)(S’(1)〜S’(x))へのビデオ信号の入力が終了すると、第1のライン期間(L1)が終了する。そして次に第2のライン期間(L2)が開始され、選択信号によってゲート信号線(G2)が選択され、第1のライン期間(L1)と同様にソース信号線(1)(S(1)〜S(x))、およびソース信号線(2)(S’(1)〜S’(x))に順にビデオ信号が入力される。
そして全てのゲート信号線(G1〜Gy)が選択されると、全てのライン期間(L1〜Ly)が終了する。全てのライン期間(L1〜Ly)が終了すると、1フレーム期間が終了する。1フレーム期間中において全ての画素が表示を行い、1つの画像が形成される。なお、本実施例において、1フレーム毎に電流供給線(1)から入力される電源電圧(1)および電流供給線(2)から入力される電源電圧(2)の電圧が交互に入れ替わるため、それに伴い発光素子(1)1105、および発光素子(2)1106が交互に機能する。
以上のように、ビデオ信号の電圧によって発光素子(1)1105および発光素子(2)1106の発光量が制御され、その発光量の制御によって階調表示がなされる。
本実施例では、本発明のアクティブマトリクス型発光装置の外観図について図13を用いて説明する。なお、図13(A)は、発光装置を示す上面図、図13(B)は図13(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された1301はソース信号線駆動回路、1302は画素部、1303はゲート信号線駆動回路である。また、1304は封止基板、1305はシール剤であり、シール剤1305で囲まれた内側は、空間1307になっている。
なお、1308はソース信号線駆動回路1301及びゲート信号線駆動回路1303に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)1309からビデオ信号やクロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図13(B)を用いて説明する。基板1310上には駆動回路及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路としてソース信号線駆動回路1301と画素部1302が示されている。
なお、ソース信号線駆動回路1301はnチャネル型TFT1313とpチャネル型TFT1314とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部1302は電流制御用TFT1311とそのドレインに電気的に接続された陽極1312を含む複数の画素により形成される。
また、陽極1312の両端には絶縁層1313が形成され、陽極1312上には有機化合物層1314が形成される。さらに、有機化合物層1314上には陰極1316が形成される。これにより、陽極1312、有機化合物層1314、及び陰極1316からなる発光素子1318が形成される。
陰極1316は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線1308を経由してFPC1309に電気的に接続されている。
また、基板1310上に形成された発光素子1318を封止するためにシール剤1305により封止基板1304を貼り合わせる。なお、封止基板1304と発光素子1318との間隔を確保するために樹脂膜からなるスペーサを設けても良い。そして、シール剤1305の内側の空間1307には窒素等の不活性気体が充填されている。なお、シール剤1305としてはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、シール剤1305はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。さらに、空間1307の内部に酸素や水を吸収する効果をもつ物質を含有させても良い。
また、本実施例では封止基板1304を構成する材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。また、シール剤1305を用いて封止基板1304を接着した後、さらに側面(露呈面)を覆うようにシール剤で封止することも可能である。
以上のようにして発光素子を空間1307に封入することにより、発光素子を外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素といった有機化合物層の劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例6に示したいずれの構成と自由に組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では本発明の素子構造を有するパッシブ型(単純マトリクス型)の発光装置を作製した場合について説明する。説明には図14を用いる。図14において、1401はガラス基板、1402は陽極材料からなる第1の電極である。本実施例では、第1の電極1402としてITOをスパッタリング法により形成する。なお、図14では図示されていないが、複数本の第1の電極が紙面と平行にストライプ状に配列されている。
また、ストライプ状に配列された第1の電極1402と交差するように絶縁材料からなるバンク1403が形成される。バンク1403は陽極1402と接して紙面に垂直な方向に形成されている。
ここで、表面に出ている第1の電極1402の一部に第1の補助電極1404を蒸着法により形成する。なお、第1の補助電極1404の形成に用いる材料としては、実施例1〜実施例3で示した陰極となりうる材料を用いることができる。また、第1の補助電極1404形成時にこれらの材料がバンク上に成膜されたとしても何ら問題はない。
次に、第1の電極1402、および第1の補助電極1404上に有機化合物層1405が形成される。有機化合物層1405を形成する材料としては、実施例1〜実施例3で示した材料を用いることができる。
例えば、赤色発光を示す有機化合物層、緑色発光を示す有機化合物層及び青色発光を示す有機化合物層をそれぞれ形成することにより、3種類の発光を有する発光装置を形成することができる。なお、これらの有機化合物層1405はバンク1403で形成された溝に沿って形成されるため、紙面に垂直な方向にストライプ状に配列される。
次に、有機化合物層1405上であって、第1の補助電極1404と重ならない位置に第2の補助電極1406を形成する。なお、第2の補助電極1406も第1の補助電極と同じ材料を用い、同様にして形成する。
次に、有機化合物層1405、および第2の補助電極1406上に第2の電極1407が形成される。なお陰極1407は、蒸着法により形成する。また、本実施例では、第2の電極1407には、遮光性の材料を用いて形成する。
なお、本実施例では第1の電極1402が透光性の材料で形成されているため、有機化合物層1405で発生した光は下側(基板1401の側)に出射される。
次に、封止基板1407としてガラス基板を用意する。本実施例ではその他にもプラスチックや石英からなる基板を用いることが可能である。さらに、遮光性の基板を用いることもできる。
こうして用意した封止基板1409は、紫外線硬化樹脂からなるシール剤1410により貼り合わされる。なお、シール剤1410の内側1408は密閉された空間になっており、窒素やアルゴンなどの不活性ガスが充填されている。また、この密閉された空間1408の中に酸化バリウムに代表される吸湿剤を設けることも有効である。最後に異方導電性フィルム(FPC)1411を取り付けてパッシブ型の発光装置が完成する。
なお、本実施例は、実施例1〜実施例4に示した素子構造(アクティブマトリクス型)に関連するもの以外の材料等を自由に組み合わせて実施することが可能である。
発光素子を用いた発光装置は自発光型であるため、液晶表示装置に比べ、明るい場所での視認性に優れ、視野角が広い。従って、本発明の発光装置を用いて様々な電気器具を完成させることができる。
本発明により作製した発光装置を用いて作製された電気器具として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、発光素子を有する発光装置を用いることが好ましい。それら電気器具の具体例を図15に示す。
図15(A)は表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2003に用いることにより作製される。発光素子を有する発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶表示装置よりも薄い表示部とすることができる。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図15(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2102に用いることにより作製される。
図15(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2203に用いることにより作製される。
図15(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2302に用いることにより作製される。
図15(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示するが、本発明により作製した発光装置をこれら表示部A、B2403、2404に用いることにより作製される。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
図15(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2502に用いることにより作製される。
図15(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2602に用いることにより作製される。
ここで図15(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2703に用いることにより作製される。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
なお、将来的に有機材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
また、上記電気器具はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。有機材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなるように情報を表示することが好ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生装置のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが好ましい。
以上の様に、本発明の作製方法を用いて作製された発光装置の適用範囲は極めて広く、本発明の発光装置を用いてあらゆる分野の電気器具を作製することが可能である。また、本実施例の電気器具は実施例1〜実施例8を実施することにより作製された発光装置を用いることにより完成させることができる。
本発明の発光装置の素子構造を説明する図。 本発明の発光装置の素子構造を説明する図。 本発明の発光装置の素子構造を説明する図。 本発明の発光装置の素子構造を説明する図。 本発明の発光装置の作製工程を説明する図。 本発明の発光装置の作製工程を説明する図。 本発明の発光装置の作製工程を説明する図。 本発明の発光装置の構成を説明する図。 本発明の発光装置の画素部の回路図を説明する図。 本発明の発光装置の構成を説明する図。 本発明の発光装置の画素部の回路図を説明する図。 本発明の発光装置を交流で駆動する場合のタイミングチャート。 本発明の発光装置の外観を説明する図。 パッシブマトリクス型の発光装置を説明する図。 電気器具の一例を示す図。

Claims (8)

  1. 第1の発光素子と
    第2の発光素子と
    を一組とした画素を有し、
    共通の交流電源から、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子とに、交流電圧が印加されたときに、
    第1の発光素子と第2の発光素子とが交互に発光する
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 第1の電極と第3の電極との間に第1の発光層を有する第1の発光素子と、
    第2の電極と前記第3の電極との間に第2の発光層を有する第2の発光素子と、
    を含み、
    共通の交流電源から、
    前記第1の発光素子に対し順バイアスが印加されるとき、
    前記第2の発光素子に対し逆バイアスが印加され、
    前記第1の発光素子に対し逆バイアスが印加されるとき、
    前記第2の発光素子に対し順バイアスが印加される
    ことを特徴とする発光装置。
  3. 前記第1の電極と前記第2の電極とは、前記第3の電極の第1の面に対向して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記第3の電極において、前記第1の電極と対向する領域には陰極材料で形成された第1の補助電極を有し、
    前記第2の電極には陽極材料で形成された第2の補助電極を有する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記第1の発光層と前記第2の発光層とが接続していることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記第1の発光素子と前記第2の発光素子は、バイポーラ性を有する層を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. スイッチング用TFTと、
    第1の電流制御用TFTと、
    第2の電流制御用TFTと、
    第1の電極と第2の電極との間に第1の発光層を有する第1の発光素子と、
    第3の電極と第4の電極との間に第2の発光層を有する第2の発光素子と、
    を有し、
    前記第1の電流制御用TFTのゲート電極と、前記第2の電流制御用TFTのゲート電極とは、共に前記スイッチング用TFTに接続され、
    前記第1の電極は、前記第1の電流制御用TFTに接続され、
    前記第3の電極は、前記第2の電流制御用TFTに接続され、
    前記スイッチング用TFTがオンのとき、前記第1の電流制御用TFTと前記第2の電流制御用TFTとはオンになり、前記第1の電極と前記第3の電極に電圧が入力され、前記第2の電極と前記第4の電極とのいずれか一の電極には、対向電源から電圧が入力され、前記第1の発光層と前記第2の発光層のいずれか一の発光層に電流が流れる
    ことを特徴とする発光装置。
  8. 前記第1の電流制御用TFTのソースと前記第2の電流制御用TFTのソースとは、共通の電流供給線に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
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