JP2005045865A - 電力制御装置、電力制御プログラム及び電力制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現することができる電力制御装置、電力制御プログラム及び電力制御方法を提供する。
【解決手段】電力制御を行う電力制御装置4であって、電力線で供給される電力を受信する供給電力受信部210と、電力線に接続される電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得部220と、電力制御対応機器から要求電力を受信する要求電力取得部230とを含む通信部200と、上限電力を記憶する上限電力記憶部100と通信部200とから受け取る電力情報に基づいて電力制御対応機器に電力制御データを供給する電力制御データ供給部300と、を含むようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】電力制御を行う電力制御装置4であって、電力線で供給される電力を受信する供給電力受信部210と、電力線に接続される電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得部220と、電力制御対応機器から要求電力を受信する要求電力取得部230とを含む通信部200と、上限電力を記憶する上限電力記憶部100と通信部200とから受け取る電力情報に基づいて電力制御対応機器に電力制御データを供給する電力制御データ供給部300と、を含むようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力制御装置、電力制御プログラム及び電力制御方法に関し、特に、電力制御対応機器を含むシステムの好適な電力制御の実現に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、例えば、図11に示すように、ブレーカで検出される消費電力に基づいて電力制御対応機器の使用可能電力が判断されることで、電力制御が行われていた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−94199号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブレーカで検出される消費電力には、電力制御対応機器の消費電力だけでなく、それ以外の消費電力も含まれている。したがって、従来は、このような消費電力が電力制御対応機器の使用可能電力の判断に適切に反映されず、電力制御が適切に行われない場合があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現することができる電力制御装置、電力制御プログラム及び電力制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電力制御装置は、電力線と、前記電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、を含むシステムに用いられる電力制御装置であって、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段と、を含む。
【0007】
また、本発明に係る電力制御システムは、電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段と、を含む。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、を含むシステムに用いられる電力制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段として前記コンピュータを機能させる命令を含むプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る電力制御方法は、電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、を含むシステムの電力制御方法であって、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得ステップと、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得ステップで取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給ステップと、を含む。
【0010】
本発明によれば、電力線で供給される電力だけでなく、電力制御対応機器の消費電力にも基づいた電力制御が可能になる。すなわち、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現できる。
【0011】
また、本発明の一態様においては、前記電力制御データ供給手段は、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記システムにおける前記一以上の電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力を決定する残部消費電力決定手段と、前記電力制御装置の上限電力と前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力とに基づいて、前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに対する電力制御データを決定する電力制御データ決定手段とを含むようにしてもよい。この態様によれば、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力と上限電力とに基づいて好適な電力制御を実現できる。
【0012】
また、本発明の一態様においては、前記電力制御データ供給手段は、前記上限電力と前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つの使用可能電力を決定する使用可能電力決定手段を含み、前記電力制御データ決定手段は、前記使用可能電力決定手段で決定される前記使用可能電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに供給する電力制御データを決定するようにしてもよい。この態様によれば、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力に基づいて使用可能電力を決定し、この使用電力と電力制御対応機器の消費電力とに応じた好適な電力制御を実現できる。
【0013】
また、本発明の一態様においては、前記残部消費電力決定手段が、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力との差に基づいて前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。この態様によれば、電力検出手段で検出される電力と消費電力取得手段で取得される電力制御対応機器の消費電力との差に基づいて、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現できる。
【0014】
また、本発明の一態様においては、前記残部消費電力決定手段が、2以上の異なる時間に前記電力検出手段で検出される電力と前記2以上の異なる時間に前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。この態様においては、前記残部消費電力決定手段が、前記電力検出手段で検出される電力の少なくとも一つと前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力の少なくとも一つとを記憶する記憶手段を含み、該記憶手段で記憶される記憶内容に基づいて前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様においては、前記残部消費電力決定手段が、2以上の異なる時間に前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。この態様においては、前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力の少なくとも一つを記憶する記憶手段を含み、該記憶手段で記憶される記憶内容と前記上限電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つの使用可能電力を決定するようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る電力制御システムの全体構成図である。
【0018】
本実施形態に係る電力制御システムは、電力線1、ブレーカ2、電力検出部3、電力制御装置4、電力制御対応機器5a,5b及び電力制御非対応機器6a,6bを含んで構成されている。
【0019】
電力線1は、例えば電力事業者等により管理される図示しない電源から電力を家屋7内に設定された各電気機器に供給するための電力供給媒体である。電力線1の下流側(電力制御対応機器5a,5b等が接続される側)の電力線1は、図示しない電源から供給される電力の供給の他に、一部帯域を利用して電力検出部3、電力制御装置4及び電力制御対応機器5a,5bの間で通信するための信号等の供給も行える。なお、電力の供給は、電力事業者の他、発電機や各種バッテリー等、システムに接続される機器が作動する方法によればその態様は問わない。
【0020】
ブレーカ2は、電力線1により供給される電力を消費するシステム(電力系統;家屋7内に配置され、電力線1に接続される電気機器等を含む)における消費電力の上限を管理する為の装置である。具体的には、電力線1の最上流位置における電流値を監視し、その値が所定値(ブレーカ作動値)を超える場合に、電力線1の上流、すなわち電源側と、下流、すなわち電気機器側との間の導通を切断する機能を有する。なお、ブレーカが管理するブレーカ作動値に対応する上限の電力は、電力会社との契約やシステムにおける制限によって設定される。
【0021】
電力検出部3は、電力線1で供給される電力、すなわちブレーカ2の後段(電気機器側)での総消費電力(供給電力)、を随時検出するものであり、例えば公知の電流計を含んで構成される。電流は、常時検出されるようにしてもよいし、所定時間毎に検出されるようにしてもよい。また、電力検出部3では、消費電力値を検出してもよいし、電流値を検出してもよい。本明細書では、これらを区別せず単に「電力」と記述する。ここでは、システムでの現在の消費電力である供給電力を検出し、それを電力制御装置4に通知するために電力検出部3を特に設けるようにしたが、ブレーカ2に備えられた消費電力を検知する機能を用い、そこでの検出結果を電力制御装置4に通知してもよい。
【0022】
電力制御対応機器5a,5bは、電力線1に接続される電気機器であり、特に電力制御装置4との間で電力制御信号の授受を行い、その結果に応じて自らの消費電力を制御する機能を有している。例えば、電力制御装置4から消費電力データ信号を受信し、その内容に応じて出力を制御する空調機器であってもよい。或いは、輝度を制御する家庭用テレビ受像機であってもよいし、明るさを制御する電灯等であってもよい。
【0023】
電力制御対応機器5a,5bは、具体的には、当該機器において現在消費している電力(電力制御対応機器消費電力)を電力制御装置4に通知したり、消費電力が増加したり新しく発生したりする場合には、消費電力の増加量或いは増加後の消費電力(要求電力)を電力制御装置4に通知して、電力量の割り当てを要求したりする。或いは、電力制御装置4からの電力制御信号(電力制御データ)を受信するとともに、その信号内容に応じて電力を制御したりする。
【0024】
一方、電力制御非対応機器6a,6bもまた電力線1に接続される電気機器であるが、消費電力情報を通信したり、外部からの電力制御信号に基づいて自らの消費電力を制御したりする機能を有しない、すなわち、上述したような消費電力制御に対応しない電気機器である。
【0025】
電力制御装置4は、電力検出部3の検出結果ならびに電力制御対応機器5a,5bからの各消費電力情報を受信し、電力制御対応機器5a,5bに対して消費電力制御信号を送信し、それらの消費電力制御を行う装置であり、本システムの中心的機能を担うものである。この装置は、例えばマイコン等を内蔵した専用の制御コンピュータであってもよいし、ホームサーバ等と呼ばれる家電制御のための汎用のコンピュータであってもよい。これらのコンピュータには、予め本発明を適用した電力制御プログラムがインストールされてもよいし、この電力制御プログラムを格納したCD−ROMやDVD−ROM等の情報記憶媒体によりインストールされてもよい。或いは、図示しないインターネット等のデータ通信ネットワークを介して電力制御プログラムをダウンロードするようにしてもよい。また、電力制御装置4は、ソフトウェアを用いずに例えばハードウェアロジック等により実現してもよい。
【0026】
電力制御装置4をシステムに用いる態様は、図1のように電力検出部3に接続される態様に限られない。すなわち、電力制御装置4は、例えば、電力検出部3や電力制御対応機器5a,5b等との間で、電力線1或いは専用の通信線等(有線)を介して、又は無線によって、相互に通信できるようにシステムを構成すればよい。
【0027】
図2は、本実施形態の電力制御装置4(図1参照)の構成を示している。図2に示すように、電力制御装置4には、上限電力記憶部100、通信部200及び電力制御データ供給部300が含まれている。さらに通信部200には、供給電力受信部210、消費電力取得部220及び要求電力取得部230が含まれている。
【0028】
上限電力記憶部100は、コンピュータのメモリなどの情報記憶媒体であって、本システムにおいて使用可能な電力の上限値(上限電力)を記憶する。なお、上限電力は、上述したブレーカ2で管理される上限の電力と同じ値であってもよいし、それに基づく別の値であってもよい。
【0029】
通信部200は、例えば、公知の各種通信技術を利用して実現可能である。供給電力受信部210は、電力検出部3(図1参照)から該電力検出部3で検出される供給電力を受け取る。消費電力取得部220は、電力制御対応機器5a,5bから電力制御対応機器消費電力を受け取る。要求電力取得部230は、電力制御対応機器5から要求電力を受け取る。
【0030】
消費電力取得部220は、例えば、電力制御対応機器5aの消費電力に変化が生じたタイミングで、電力制御対応機器5a,5b、すなわちシステムに含まれる全ての電力制御対応機器、から該全ての電力制御対応機器5a,5bの当該タイミングでの消費電力を受信する。換言すれば、消費電力取得部220は、電力検出部3で検出されるシステム全体としての消費電力である供給電力のうち、電力制御対応機器5a,5bによって消費される電力(電力制御対応機器消費電力の総和)を区別して取得する。消費電力取得部220は、電力制御対応機器5a及び電力制御対応機器5bからそれぞれの消費電力を受け取り、それらを加算することで電力制御対応機器消費電力の総和とする。具体的には、例えば、消費電力取得部220は、電力制御対応機器5a、5bそれぞれの消費電力を、電力制御対応機器5a、5bそれぞれを識別するデータに関連付けたテーブルとして保持する。そして、電力制御対応機器5a,5bの両方或いはいずれか一方の消費電力に変化が生じる場合には、消費電力取得部220は、新たに電力制御対応機器消費電力を受け取って、電力制御対応機器消費電力の総和を更新する。
【0031】
電力制御データ供給部300は、上限電力記憶部100から上限電力を、供給電力取得部210から供給電力を、消費電力取得部220から電力制御対応機器消費電力の総和を、要求電力取得部230から要求電力を、それぞれ受け取るとともに、これらの電力情報に基づいて、要求電力の使用を求める電力制御対応機器5aに対して電力制御データを送信する。
【0032】
次に、電力制御データ供給部300の構成について3つの例を挙げて次に説明する。
【0033】
(例1)電力制御データ供給部300は、2以上の異なる時間における供給電力と該2以上の異なる時間における電力制御対応機器消費電力とに基づいて電力制御を行うようにしてもよい。この場合の電力制御データ供給部300の機能ブロックの一例を図3に示す。
【0034】
図3に示す電力制御データ供給部300の機能ブロックには、残部消費電力決定部310,使用可能電力決定部320、電力制御データ決定部330が含まれている。さらに、残部消費電力決定部310には記憶部311が含まれている。
【0035】
記憶部311は、コンピュータのメモリなどの情報記憶媒体であって、2以上の異なる時間に電力検出部3で検出される供給電力の少なくとも一つと該2以上の異なる時間に消費電力取得部220で取得される電力制御対応機器消費電力の少なくとも一つとを時間データと対応づけて記憶する。具体的には、例えば、記憶部311は、図4に示すように、記憶部311が記憶する供給電力及び電力制御対応機器消費電力とこれらの電力が取得された時間データとを対応させてデータテーブルとして記憶する。なお、記憶部311に記憶される時間データは、図4に示すような年月日や時刻に限られず、記憶される電力データと該電力データが取得或いは検出された時間とが関連付けられて記憶されればよい。
【0036】
残部消費電力決定部310は、記憶部311で記憶される記憶内容に基づいて、システムにおける電力制御対応機器消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力を決定する。具体的には、例えば、図7に示すように、ある時間において電力検出部3で検出される供給電力から、電力制御対応機器5aの消費電力と電力制御対応機器5bの消費電力とを差し引いた電力(図7の電力制御対応機器消費電力以外の消費電力)を残部消費電力として決定する。この場合の残部消費電力は、例えば、システムにおける電力制御非対応機器6a,6bの消費電力と電送路の損失電力等(電力線1等の抵抗、分岐点やスイッチ、コンセント部での接触抵抗等によって損失する電力等)との和である。なお、残部消費電力の決定は、例えば、要求電力の通知があった場合に決定されてもよいし、予め定められたスケジュールに沿って随時決定されてもよい。
【0037】
使用可能電力決定部320は、上限電力記憶部100から上限電力を、残部消費電力決定部310から残部消費電力を受け取って、電力制御対応機器5の使用可能電力を決定する。使用可能電力は、例えば、上限電力から残部消費電力を差し引いた大きさの電力として決定され、電力制御対応機器5が消費することのできる電力として電力制御対応機器5に割り当てられる。なお、使用可能電力の決定に用いられる残部消費電力は、予め残部消費電力決定部310で決定されるものを用いてもよいし、使用可能電力決定部320からの要求に応じて残部消費電力決定部310が決定するようにしてもよい。換言すれば、残部消費電力決定部310は、必要に応じて使用可能電力決定部320における使用可能電力の決定に適切な残部消費電力を決定することもできる。
【0038】
電力制御データ決定部330は、使用可能電力、電力制御対応機器消費電力及び要求電力に基づいて、電力制御対応機器5に供給する電力制御データを決定する。具体的には、例えば、使用可能電力が上限電力から残部消費電力を差し引いて得られる電力として決定される場合、まず、要求電力を含んだ電力制御対応機器消費電力の総和が該使用可能電力を上回るかどうかを判断する。そして、判断の結果、要求電力を含んだ電力制御対応機器消費電力の総和が使用可能電力を上回らない場合には該要求電力の全部又は一部の使用を許可するメッセージ等のデータを、上回る場合には該要求電力の使用を中止する命令或いはその旨を警告するメッセージ等のデータを、決定する。このように決定される電力制御データは、例えば要求電力を通知してきた電力制御対応機器5aに供給され、該電力制御対応機器5aは、該電力制御データに応じてその消費電力を制御する。
【0039】
(例2)電力制御データ供給部は、2以上の異なる時間において決定される残部消費電力に基づいて電力制御を行うようにしてもよい。この場合の電力制御データ供給部300の機能ブロックの一例を図5に示す。
【0040】
電力制御データ供給部300には、残部消費電力決定部310、使用可能電力決定部320、電力制御データ決定部330が含まれている。さらに、使用可能電力決定部320には記憶部321が含まれている。
【0041】
記憶部321は、コンピュータのメモリなどの情報記憶媒体であって、2以上の異なる時間において残部消費電力決定部310で決定される残部消費電力の少なくとも一つを随時記憶する。その一例として、図6に、記憶部321が、残部消費電力と該残部消費電力の決定に用いられた供給電力及び電力制御対応機器消費電力が取得された時間データとを関連付けて記憶する場合のデータテーブルを示す。なお、残部消費電力の記憶される態様は、上述したように図6に示すものには限られない。
【0042】
図8には、記憶部321が、図7の電力制御対応機器消費電力以外の消費電力を残部消費電力として2日間に亘って時刻データに対応させて取得・蓄積する場合の一例を示す(図8の実線及び破線)。ここでは、便宜的に、図8の実線及び破線で示す電力制御対応機器消費電力以外の消費電力を第一の残部消費電力と呼ぶ。次に、これら2日間で取得した第一の残部消費電力について、2日間の各時刻における最大消費電力を第二の残部消費電力として決定する(図8斜線部)。この第二の残部消費電力は、各時刻に電力制御非対応機器6a,6bが必要とするであろう電力を予測する予測電力ともいえる。このように、記憶部321が、2以上の複数日に亘って第一の残部消費電力を時間データに関連付けて取得・記憶すれば、連続する日数内における消費電力のトレンド(消費電力の経時的変化パターン)が得られる。なお、予測電力を決定するアルゴリズムとしては、例えば一定期間内における同一時刻における最大消費電力を用いる方法の他、平均消費電力を用いる方法や、同一曜日の同一期間における最大消費電力を用いる方法等がある。
【0043】
使用可能電力決定部320は、記憶部321の記憶内容に基づいて、使用可能電力を決定する。具体的には、例えば、各時刻における第二の残部消費電力に基づいて、各時刻について上限電力と第二の残部消費電力との差分を決定する。すなわち、各時刻において必要とされるであろう電力制御対応機器消費電力以外の消費電力(予測電力)の最大値を予約電力として予め確保し、余った余裕電力を使用可能電力として電力制御対応機器5に割り当てるようにする。換言すれば、予測電力により、電力制御対応機器消費電力及び使用可能電力のスケジューリングを行い、それに基づいて電力制御が行われる。
【0044】
(例3)なお、電力制御データ供給部300は必ずしも記憶部311,321を必要としない。すなわち、例えば、ある1つの時間における供給電力と電力制御対応機器消費電力とに基づいて電力制御を行ってもよい。この場合、残部消費電力決定部310は、例えば、供給電力と電力制御対応機器消費電力の割合に基づいて、残部消費電力を決定する。この残部消費電力は、電力制御対応機器消費電力以外の消費電力の変化として予測される電力に相当する。そして、使用可能電力決定部320は、上限電力から供給電力を差し引いた電力からさらに残部消費電力を差し引いた電力を、電力制御対応機器5が新たに使用可能な電力として決定する。
【0045】
以上、電力制御データ供給部の例について説明したが、これらは個別に用いられてもよいし、組み合わされて用いられてもよい。
【0046】
図9に、本発明の一実施形態に係る電力制御装置によって電力制御を実行するための処理を説明するフロー図を示す。
【0047】
まず、電力制御装置4は、要求電力取得部230が電力制御対応機器5から要求電力の通知を受けたかどうかを判断する(S10)。この処理S10で、例えば、電力制御装置4が、電力制御対応機器5aから要求電力の通知を受けたと判断したら処理S20に進み、受けていないと判断すれば通知を受けるまで待機する。処理S10で要求電力が通知されたと判断されれば、使用可能電力決定部320は、残部消費電力決定部310で決定される残部消費電力と上限電力記憶部100で記憶される上限電力とを受け取り、使用可能電力を決定する(S20)。次に、電力制御データ決定部は、処理S20で決定される使用可能電力と要求電力と消費電力取得部220が取得する電力制御対応機器消費電力(電力制御対応機器5aの消費電力と電力制御対応機器5bの消費電力との和)とに基づいて、電力制御データを決定する(S30)。そして、電力制御データ供給部300は、処理S30で決定される電力制御データを、要求電力を通知した電力制御対応機器5aに供給する(S40)。このように、本実施形態においては、電力制御対応機器5aからの要求電力の通知に応じて、電力制御対応機器消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力を予め確保して決定する使用可能電力に基づいて、電力制御対応機器5aの電力制御を行う。
【0048】
なお、本発明に係る電力制御は、上述した実施形態に限らない。
【0049】
例えば、消費電力取得部220(図2参照)が電力制御対応機器消費電力を取得するタイミングとしては、電力制御対応機器5(図1参照)の動作レベル(例えば、エアコンの温度や風量の設定、ステレオの音量、電灯の明るさ等)が変化する場合や該電力制御対応機器5の電源が入る場合(電気機器のコンセントが差し込まれたり、電気機器が待機状態から作動状態になる場合)等のように該電力制御対応機器5の消費電力に変化が生じる場合であってもよいし、消費電力取得部220から電力制御対応機器5に消費電力の通知を要求する場合等でもよい。或いは、任意に設定されるスケジュールに従ってもよいし、一定時間(期間)おき或いは常時でもよい。
【0050】
また、例えば、記憶部321(図5参照)で記憶される残部消費電力は必ずしも時間データと対応づけて記憶される必要はなく、例えば、一定期間における最大の残部消費電力を少なくとも一つ記憶するようにしてもよい。すなわち、現時点の残部消費電力がそれまで記憶されていた残部消費電力(最大残部消費電力)の少なくとも一つよりも大きければ、該現時点の残部消費電力を記憶し、それまで記憶されていた残部消費電力の少なくとも一つを消去する等、随時更新される態様でもよい。この場合には、記憶される残部消費電力は1つでもよい。
【0051】
また、例えば、記憶部311,321(図3及び図5参照)における記憶、残部消費電力決定部310による残部消費電力の決定、使用可能電力決定部320による使用可能電力の決定及び電力制御データ決定部330による電力制御データの決定は、必ずしも並行して或いは連続して行われる必要はない。すなわち、例えば、記憶部311,321は電力制御のタイミングに関わらず一定期間の供給電力、電力制御対応機器消費電力或いは残部消費電力の記憶や更新を行ってもよい。さらに、残部消費電力決定部310もまた、それらのタイミングに関係なく残部消費電力の決定を行ってもよい。要するに、電力制御の態様に応じて、各処理部の処理のタイミングはスケジュール管理されたり、任意に設定されたりしてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では一つのブレーカが接続されるシステムに関して説明したが、例えば、複数のブレーカが多段接続されてもよい。以下に、本実施形態について一例を示す図10に基づいて説明する。図10に示すシステムは、図示されない電源から電力が供給される主電力線20と、主電力線から分岐する複数(ここでは3つ)の副電力線21a,21b,21cとを含む。主電力線20に供給される電力は、メインブレーカ10で監視されるとともに主電力検出部11で検出され、主電力線20を介して複数の副電力線21a,21b,21cに供給される電力は、それぞれ複数のサブブレーカ21a,21b,21cで監視されるとともに副電力検出部14a,14b,14cで検出される。複数のサブブレーカ13a,13b,13cそれぞれの下流側の副電力線21a,21b,21cにはそれぞれ、電力制御対応機器15a,15b,15c及び電力制御非対応機器16a,16b,16cが接続されている。このようなシステムにおいても、各副電力線21a,21b,21c、各副電力検出部14a,14b,14cまたは各電力制御対応機器15a,15b,15cを識別する信号と各副電力検出部で検出される電力及び各電力制御対応機器15a,15b,15cの消費電力とが関連付けて出力されるようにすることにより、それらの電力と信号とを受け取る一つの電力制御装置12によってシステムの電力制御が可能である。例えば、図10の一つの副電力線21aに関して、副電力線21aに固有の識別信号と副電力検出部14aで検出される電力及び電力制御対応機器15aの消費電力とが一緒に(関連付けられて)電力制御装置12に送信されることにより、電力制御装置12は、上述した一つのブレーカが接続される実施形態の場合と同様にしてサブブレーカ13aが上流側と下流側との導通を遮断しないような電力制御を行うことができる。
【0053】
また、例えば、複数のサブブレーカ13a,13b,13cの作動値(図10においては10アンペア(A))の合計(図10においては30A)がメインブレーカ10の作動値(図10においては20A)よりも大きく設定される場合であっても、主電力検出部11で検出される電力、副電力検出部14a,14b,14cで検出される電力及び電力制御対応機器15a,15b,15cの消費電力とそれらに関連する識別信号とに基づいて、電力制御装置12は、メインブレーカ10及び複数のサブブレーカ13a,13b,13cのいずれもそれぞれの上流側と下流側との導通を遮断しないように電力制御対応機器15a,15b,15cの電力を制御することができる。具体的には、例えば、図10において、副電力線21a,21b,21cのそれぞれに6Aの電流が流れているとき(合計18A)に電力制御対応機器15aからさらに3Aを追加して使用したいという要求が電力制御装置12に送信される場合、副電力線21aに流れる電流は9Aでサブブレーカ13aの作動値10Aを超えないが、メインブレーカ10を流れる電流は21Aとなり、メインブレーカの作動値20Aを上回るため、電力制御装置12は、電力制御対応機器15aに対して追加で3Aの電流を使用しないように命令する電力制御データを供給する。
【0054】
なお、サブブレーカ13a,13b,13cからメインブレーカ10或いは主電力検出器11までの配線(電力線)等の電力損失を無視もしくは電力制御装置12で予め確保して電力制御を行う場合には、副電力検出部14a,14b,14cで検出される電力の合計を主電力線20で検出される電力として電力制御を行うようにすれば、主電力検出部11を設ける必要はない。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電力制御対応機器の消費電力と、電力線で供給される電力とに基づく電力制御を行うようにしたので、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電力制御システム全体の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電力制御装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電力制御データ供給部の機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態において記憶される電力のデータテーブルの一例である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る電力制御データ供給部の機能ブロック図である。
【図6】本発明の他の実施形態において記憶される電力のデータテーブルの一例である。
【図7】本発明の一実施形態に係る電力制御システムにおける電力の内訳を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態における予測電力の決定方法を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る電力制御装置において実行される処理を説明するフロー図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る電力制御システム全体の構成図である。
【図11】従来の電力制御において使用される電力の内訳を示す図である。
【符号の説明】
1 電力線、2 ブレーカ、3 電力検出部、4 電力制御装置、5a,5b電力制御対応機器、6a,6b 電力制御非対応機器、7 家屋、10 メインブレーカ、11 主電力検出部、12 電力制御装置、13a,13b,13c サブブレーカ、14a,14b,14c 副電力検出部、15a,15b,15c 電力制御対応機器、16a,16b,16c 電力制御非対応機器、20 主電力線、21a,21b,21c 副電力線、100 上限電力記憶部、200 通信部、210 供給電力受信部、220 消費電力取得部、230 要求電力取得部、300 電力制御データ供給部、310 残部消費電力決定部、320 使用可能電力決定部、330 電力制御データ決定部、311,321 記憶部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力制御装置、電力制御プログラム及び電力制御方法に関し、特に、電力制御対応機器を含むシステムの好適な電力制御の実現に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、例えば、図11に示すように、ブレーカで検出される消費電力に基づいて電力制御対応機器の使用可能電力が判断されることで、電力制御が行われていた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平10−94199号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブレーカで検出される消費電力には、電力制御対応機器の消費電力だけでなく、それ以外の消費電力も含まれている。したがって、従来は、このような消費電力が電力制御対応機器の使用可能電力の判断に適切に反映されず、電力制御が適切に行われない場合があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現することができる電力制御装置、電力制御プログラム及び電力制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る電力制御装置は、電力線と、前記電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、を含むシステムに用いられる電力制御装置であって、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段と、を含む。
【0007】
また、本発明に係る電力制御システムは、電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段と、を含む。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、を含むシステムに用いられる電力制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段として前記コンピュータを機能させる命令を含むプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る電力制御方法は、電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、を含むシステムの電力制御方法であって、前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得ステップと、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得ステップで取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給ステップと、を含む。
【0010】
本発明によれば、電力線で供給される電力だけでなく、電力制御対応機器の消費電力にも基づいた電力制御が可能になる。すなわち、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現できる。
【0011】
また、本発明の一態様においては、前記電力制御データ供給手段は、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記システムにおける前記一以上の電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力を決定する残部消費電力決定手段と、前記電力制御装置の上限電力と前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力とに基づいて、前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに対する電力制御データを決定する電力制御データ決定手段とを含むようにしてもよい。この態様によれば、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力と上限電力とに基づいて好適な電力制御を実現できる。
【0012】
また、本発明の一態様においては、前記電力制御データ供給手段は、前記上限電力と前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つの使用可能電力を決定する使用可能電力決定手段を含み、前記電力制御データ決定手段は、前記使用可能電力決定手段で決定される前記使用可能電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに供給する電力制御データを決定するようにしてもよい。この態様によれば、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力に基づいて使用可能電力を決定し、この使用電力と電力制御対応機器の消費電力とに応じた好適な電力制御を実現できる。
【0013】
また、本発明の一態様においては、前記残部消費電力決定手段が、前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力との差に基づいて前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。この態様によれば、電力検出手段で検出される電力と消費電力取得手段で取得される電力制御対応機器の消費電力との差に基づいて、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現できる。
【0014】
また、本発明の一態様においては、前記残部消費電力決定手段が、2以上の異なる時間に前記電力検出手段で検出される電力と前記2以上の異なる時間に前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。この態様においては、前記残部消費電力決定手段が、前記電力検出手段で検出される電力の少なくとも一つと前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力の少なくとも一つとを記憶する記憶手段を含み、該記憶手段で記憶される記憶内容に基づいて前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様においては、前記残部消費電力決定手段が、2以上の異なる時間に前記残部消費電力を決定するようにしてもよい。この態様においては、前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力の少なくとも一つを記憶する記憶手段を含み、該記憶手段で記憶される記憶内容と前記上限電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つの使用可能電力を決定するようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る電力制御システムの全体構成図である。
【0018】
本実施形態に係る電力制御システムは、電力線1、ブレーカ2、電力検出部3、電力制御装置4、電力制御対応機器5a,5b及び電力制御非対応機器6a,6bを含んで構成されている。
【0019】
電力線1は、例えば電力事業者等により管理される図示しない電源から電力を家屋7内に設定された各電気機器に供給するための電力供給媒体である。電力線1の下流側(電力制御対応機器5a,5b等が接続される側)の電力線1は、図示しない電源から供給される電力の供給の他に、一部帯域を利用して電力検出部3、電力制御装置4及び電力制御対応機器5a,5bの間で通信するための信号等の供給も行える。なお、電力の供給は、電力事業者の他、発電機や各種バッテリー等、システムに接続される機器が作動する方法によればその態様は問わない。
【0020】
ブレーカ2は、電力線1により供給される電力を消費するシステム(電力系統;家屋7内に配置され、電力線1に接続される電気機器等を含む)における消費電力の上限を管理する為の装置である。具体的には、電力線1の最上流位置における電流値を監視し、その値が所定値(ブレーカ作動値)を超える場合に、電力線1の上流、すなわち電源側と、下流、すなわち電気機器側との間の導通を切断する機能を有する。なお、ブレーカが管理するブレーカ作動値に対応する上限の電力は、電力会社との契約やシステムにおける制限によって設定される。
【0021】
電力検出部3は、電力線1で供給される電力、すなわちブレーカ2の後段(電気機器側)での総消費電力(供給電力)、を随時検出するものであり、例えば公知の電流計を含んで構成される。電流は、常時検出されるようにしてもよいし、所定時間毎に検出されるようにしてもよい。また、電力検出部3では、消費電力値を検出してもよいし、電流値を検出してもよい。本明細書では、これらを区別せず単に「電力」と記述する。ここでは、システムでの現在の消費電力である供給電力を検出し、それを電力制御装置4に通知するために電力検出部3を特に設けるようにしたが、ブレーカ2に備えられた消費電力を検知する機能を用い、そこでの検出結果を電力制御装置4に通知してもよい。
【0022】
電力制御対応機器5a,5bは、電力線1に接続される電気機器であり、特に電力制御装置4との間で電力制御信号の授受を行い、その結果に応じて自らの消費電力を制御する機能を有している。例えば、電力制御装置4から消費電力データ信号を受信し、その内容に応じて出力を制御する空調機器であってもよい。或いは、輝度を制御する家庭用テレビ受像機であってもよいし、明るさを制御する電灯等であってもよい。
【0023】
電力制御対応機器5a,5bは、具体的には、当該機器において現在消費している電力(電力制御対応機器消費電力)を電力制御装置4に通知したり、消費電力が増加したり新しく発生したりする場合には、消費電力の増加量或いは増加後の消費電力(要求電力)を電力制御装置4に通知して、電力量の割り当てを要求したりする。或いは、電力制御装置4からの電力制御信号(電力制御データ)を受信するとともに、その信号内容に応じて電力を制御したりする。
【0024】
一方、電力制御非対応機器6a,6bもまた電力線1に接続される電気機器であるが、消費電力情報を通信したり、外部からの電力制御信号に基づいて自らの消費電力を制御したりする機能を有しない、すなわち、上述したような消費電力制御に対応しない電気機器である。
【0025】
電力制御装置4は、電力検出部3の検出結果ならびに電力制御対応機器5a,5bからの各消費電力情報を受信し、電力制御対応機器5a,5bに対して消費電力制御信号を送信し、それらの消費電力制御を行う装置であり、本システムの中心的機能を担うものである。この装置は、例えばマイコン等を内蔵した専用の制御コンピュータであってもよいし、ホームサーバ等と呼ばれる家電制御のための汎用のコンピュータであってもよい。これらのコンピュータには、予め本発明を適用した電力制御プログラムがインストールされてもよいし、この電力制御プログラムを格納したCD−ROMやDVD−ROM等の情報記憶媒体によりインストールされてもよい。或いは、図示しないインターネット等のデータ通信ネットワークを介して電力制御プログラムをダウンロードするようにしてもよい。また、電力制御装置4は、ソフトウェアを用いずに例えばハードウェアロジック等により実現してもよい。
【0026】
電力制御装置4をシステムに用いる態様は、図1のように電力検出部3に接続される態様に限られない。すなわち、電力制御装置4は、例えば、電力検出部3や電力制御対応機器5a,5b等との間で、電力線1或いは専用の通信線等(有線)を介して、又は無線によって、相互に通信できるようにシステムを構成すればよい。
【0027】
図2は、本実施形態の電力制御装置4(図1参照)の構成を示している。図2に示すように、電力制御装置4には、上限電力記憶部100、通信部200及び電力制御データ供給部300が含まれている。さらに通信部200には、供給電力受信部210、消費電力取得部220及び要求電力取得部230が含まれている。
【0028】
上限電力記憶部100は、コンピュータのメモリなどの情報記憶媒体であって、本システムにおいて使用可能な電力の上限値(上限電力)を記憶する。なお、上限電力は、上述したブレーカ2で管理される上限の電力と同じ値であってもよいし、それに基づく別の値であってもよい。
【0029】
通信部200は、例えば、公知の各種通信技術を利用して実現可能である。供給電力受信部210は、電力検出部3(図1参照)から該電力検出部3で検出される供給電力を受け取る。消費電力取得部220は、電力制御対応機器5a,5bから電力制御対応機器消費電力を受け取る。要求電力取得部230は、電力制御対応機器5から要求電力を受け取る。
【0030】
消費電力取得部220は、例えば、電力制御対応機器5aの消費電力に変化が生じたタイミングで、電力制御対応機器5a,5b、すなわちシステムに含まれる全ての電力制御対応機器、から該全ての電力制御対応機器5a,5bの当該タイミングでの消費電力を受信する。換言すれば、消費電力取得部220は、電力検出部3で検出されるシステム全体としての消費電力である供給電力のうち、電力制御対応機器5a,5bによって消費される電力(電力制御対応機器消費電力の総和)を区別して取得する。消費電力取得部220は、電力制御対応機器5a及び電力制御対応機器5bからそれぞれの消費電力を受け取り、それらを加算することで電力制御対応機器消費電力の総和とする。具体的には、例えば、消費電力取得部220は、電力制御対応機器5a、5bそれぞれの消費電力を、電力制御対応機器5a、5bそれぞれを識別するデータに関連付けたテーブルとして保持する。そして、電力制御対応機器5a,5bの両方或いはいずれか一方の消費電力に変化が生じる場合には、消費電力取得部220は、新たに電力制御対応機器消費電力を受け取って、電力制御対応機器消費電力の総和を更新する。
【0031】
電力制御データ供給部300は、上限電力記憶部100から上限電力を、供給電力取得部210から供給電力を、消費電力取得部220から電力制御対応機器消費電力の総和を、要求電力取得部230から要求電力を、それぞれ受け取るとともに、これらの電力情報に基づいて、要求電力の使用を求める電力制御対応機器5aに対して電力制御データを送信する。
【0032】
次に、電力制御データ供給部300の構成について3つの例を挙げて次に説明する。
【0033】
(例1)電力制御データ供給部300は、2以上の異なる時間における供給電力と該2以上の異なる時間における電力制御対応機器消費電力とに基づいて電力制御を行うようにしてもよい。この場合の電力制御データ供給部300の機能ブロックの一例を図3に示す。
【0034】
図3に示す電力制御データ供給部300の機能ブロックには、残部消費電力決定部310,使用可能電力決定部320、電力制御データ決定部330が含まれている。さらに、残部消費電力決定部310には記憶部311が含まれている。
【0035】
記憶部311は、コンピュータのメモリなどの情報記憶媒体であって、2以上の異なる時間に電力検出部3で検出される供給電力の少なくとも一つと該2以上の異なる時間に消費電力取得部220で取得される電力制御対応機器消費電力の少なくとも一つとを時間データと対応づけて記憶する。具体的には、例えば、記憶部311は、図4に示すように、記憶部311が記憶する供給電力及び電力制御対応機器消費電力とこれらの電力が取得された時間データとを対応させてデータテーブルとして記憶する。なお、記憶部311に記憶される時間データは、図4に示すような年月日や時刻に限られず、記憶される電力データと該電力データが取得或いは検出された時間とが関連付けられて記憶されればよい。
【0036】
残部消費電力決定部310は、記憶部311で記憶される記憶内容に基づいて、システムにおける電力制御対応機器消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力を決定する。具体的には、例えば、図7に示すように、ある時間において電力検出部3で検出される供給電力から、電力制御対応機器5aの消費電力と電力制御対応機器5bの消費電力とを差し引いた電力(図7の電力制御対応機器消費電力以外の消費電力)を残部消費電力として決定する。この場合の残部消費電力は、例えば、システムにおける電力制御非対応機器6a,6bの消費電力と電送路の損失電力等(電力線1等の抵抗、分岐点やスイッチ、コンセント部での接触抵抗等によって損失する電力等)との和である。なお、残部消費電力の決定は、例えば、要求電力の通知があった場合に決定されてもよいし、予め定められたスケジュールに沿って随時決定されてもよい。
【0037】
使用可能電力決定部320は、上限電力記憶部100から上限電力を、残部消費電力決定部310から残部消費電力を受け取って、電力制御対応機器5の使用可能電力を決定する。使用可能電力は、例えば、上限電力から残部消費電力を差し引いた大きさの電力として決定され、電力制御対応機器5が消費することのできる電力として電力制御対応機器5に割り当てられる。なお、使用可能電力の決定に用いられる残部消費電力は、予め残部消費電力決定部310で決定されるものを用いてもよいし、使用可能電力決定部320からの要求に応じて残部消費電力決定部310が決定するようにしてもよい。換言すれば、残部消費電力決定部310は、必要に応じて使用可能電力決定部320における使用可能電力の決定に適切な残部消費電力を決定することもできる。
【0038】
電力制御データ決定部330は、使用可能電力、電力制御対応機器消費電力及び要求電力に基づいて、電力制御対応機器5に供給する電力制御データを決定する。具体的には、例えば、使用可能電力が上限電力から残部消費電力を差し引いて得られる電力として決定される場合、まず、要求電力を含んだ電力制御対応機器消費電力の総和が該使用可能電力を上回るかどうかを判断する。そして、判断の結果、要求電力を含んだ電力制御対応機器消費電力の総和が使用可能電力を上回らない場合には該要求電力の全部又は一部の使用を許可するメッセージ等のデータを、上回る場合には該要求電力の使用を中止する命令或いはその旨を警告するメッセージ等のデータを、決定する。このように決定される電力制御データは、例えば要求電力を通知してきた電力制御対応機器5aに供給され、該電力制御対応機器5aは、該電力制御データに応じてその消費電力を制御する。
【0039】
(例2)電力制御データ供給部は、2以上の異なる時間において決定される残部消費電力に基づいて電力制御を行うようにしてもよい。この場合の電力制御データ供給部300の機能ブロックの一例を図5に示す。
【0040】
電力制御データ供給部300には、残部消費電力決定部310、使用可能電力決定部320、電力制御データ決定部330が含まれている。さらに、使用可能電力決定部320には記憶部321が含まれている。
【0041】
記憶部321は、コンピュータのメモリなどの情報記憶媒体であって、2以上の異なる時間において残部消費電力決定部310で決定される残部消費電力の少なくとも一つを随時記憶する。その一例として、図6に、記憶部321が、残部消費電力と該残部消費電力の決定に用いられた供給電力及び電力制御対応機器消費電力が取得された時間データとを関連付けて記憶する場合のデータテーブルを示す。なお、残部消費電力の記憶される態様は、上述したように図6に示すものには限られない。
【0042】
図8には、記憶部321が、図7の電力制御対応機器消費電力以外の消費電力を残部消費電力として2日間に亘って時刻データに対応させて取得・蓄積する場合の一例を示す(図8の実線及び破線)。ここでは、便宜的に、図8の実線及び破線で示す電力制御対応機器消費電力以外の消費電力を第一の残部消費電力と呼ぶ。次に、これら2日間で取得した第一の残部消費電力について、2日間の各時刻における最大消費電力を第二の残部消費電力として決定する(図8斜線部)。この第二の残部消費電力は、各時刻に電力制御非対応機器6a,6bが必要とするであろう電力を予測する予測電力ともいえる。このように、記憶部321が、2以上の複数日に亘って第一の残部消費電力を時間データに関連付けて取得・記憶すれば、連続する日数内における消費電力のトレンド(消費電力の経時的変化パターン)が得られる。なお、予測電力を決定するアルゴリズムとしては、例えば一定期間内における同一時刻における最大消費電力を用いる方法の他、平均消費電力を用いる方法や、同一曜日の同一期間における最大消費電力を用いる方法等がある。
【0043】
使用可能電力決定部320は、記憶部321の記憶内容に基づいて、使用可能電力を決定する。具体的には、例えば、各時刻における第二の残部消費電力に基づいて、各時刻について上限電力と第二の残部消費電力との差分を決定する。すなわち、各時刻において必要とされるであろう電力制御対応機器消費電力以外の消費電力(予測電力)の最大値を予約電力として予め確保し、余った余裕電力を使用可能電力として電力制御対応機器5に割り当てるようにする。換言すれば、予測電力により、電力制御対応機器消費電力及び使用可能電力のスケジューリングを行い、それに基づいて電力制御が行われる。
【0044】
(例3)なお、電力制御データ供給部300は必ずしも記憶部311,321を必要としない。すなわち、例えば、ある1つの時間における供給電力と電力制御対応機器消費電力とに基づいて電力制御を行ってもよい。この場合、残部消費電力決定部310は、例えば、供給電力と電力制御対応機器消費電力の割合に基づいて、残部消費電力を決定する。この残部消費電力は、電力制御対応機器消費電力以外の消費電力の変化として予測される電力に相当する。そして、使用可能電力決定部320は、上限電力から供給電力を差し引いた電力からさらに残部消費電力を差し引いた電力を、電力制御対応機器5が新たに使用可能な電力として決定する。
【0045】
以上、電力制御データ供給部の例について説明したが、これらは個別に用いられてもよいし、組み合わされて用いられてもよい。
【0046】
図9に、本発明の一実施形態に係る電力制御装置によって電力制御を実行するための処理を説明するフロー図を示す。
【0047】
まず、電力制御装置4は、要求電力取得部230が電力制御対応機器5から要求電力の通知を受けたかどうかを判断する(S10)。この処理S10で、例えば、電力制御装置4が、電力制御対応機器5aから要求電力の通知を受けたと判断したら処理S20に進み、受けていないと判断すれば通知を受けるまで待機する。処理S10で要求電力が通知されたと判断されれば、使用可能電力決定部320は、残部消費電力決定部310で決定される残部消費電力と上限電力記憶部100で記憶される上限電力とを受け取り、使用可能電力を決定する(S20)。次に、電力制御データ決定部は、処理S20で決定される使用可能電力と要求電力と消費電力取得部220が取得する電力制御対応機器消費電力(電力制御対応機器5aの消費電力と電力制御対応機器5bの消費電力との和)とに基づいて、電力制御データを決定する(S30)。そして、電力制御データ供給部300は、処理S30で決定される電力制御データを、要求電力を通知した電力制御対応機器5aに供給する(S40)。このように、本実施形態においては、電力制御対応機器5aからの要求電力の通知に応じて、電力制御対応機器消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力を予め確保して決定する使用可能電力に基づいて、電力制御対応機器5aの電力制御を行う。
【0048】
なお、本発明に係る電力制御は、上述した実施形態に限らない。
【0049】
例えば、消費電力取得部220(図2参照)が電力制御対応機器消費電力を取得するタイミングとしては、電力制御対応機器5(図1参照)の動作レベル(例えば、エアコンの温度や風量の設定、ステレオの音量、電灯の明るさ等)が変化する場合や該電力制御対応機器5の電源が入る場合(電気機器のコンセントが差し込まれたり、電気機器が待機状態から作動状態になる場合)等のように該電力制御対応機器5の消費電力に変化が生じる場合であってもよいし、消費電力取得部220から電力制御対応機器5に消費電力の通知を要求する場合等でもよい。或いは、任意に設定されるスケジュールに従ってもよいし、一定時間(期間)おき或いは常時でもよい。
【0050】
また、例えば、記憶部321(図5参照)で記憶される残部消費電力は必ずしも時間データと対応づけて記憶される必要はなく、例えば、一定期間における最大の残部消費電力を少なくとも一つ記憶するようにしてもよい。すなわち、現時点の残部消費電力がそれまで記憶されていた残部消費電力(最大残部消費電力)の少なくとも一つよりも大きければ、該現時点の残部消費電力を記憶し、それまで記憶されていた残部消費電力の少なくとも一つを消去する等、随時更新される態様でもよい。この場合には、記憶される残部消費電力は1つでもよい。
【0051】
また、例えば、記憶部311,321(図3及び図5参照)における記憶、残部消費電力決定部310による残部消費電力の決定、使用可能電力決定部320による使用可能電力の決定及び電力制御データ決定部330による電力制御データの決定は、必ずしも並行して或いは連続して行われる必要はない。すなわち、例えば、記憶部311,321は電力制御のタイミングに関わらず一定期間の供給電力、電力制御対応機器消費電力或いは残部消費電力の記憶や更新を行ってもよい。さらに、残部消費電力決定部310もまた、それらのタイミングに関係なく残部消費電力の決定を行ってもよい。要するに、電力制御の態様に応じて、各処理部の処理のタイミングはスケジュール管理されたり、任意に設定されたりしてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では一つのブレーカが接続されるシステムに関して説明したが、例えば、複数のブレーカが多段接続されてもよい。以下に、本実施形態について一例を示す図10に基づいて説明する。図10に示すシステムは、図示されない電源から電力が供給される主電力線20と、主電力線から分岐する複数(ここでは3つ)の副電力線21a,21b,21cとを含む。主電力線20に供給される電力は、メインブレーカ10で監視されるとともに主電力検出部11で検出され、主電力線20を介して複数の副電力線21a,21b,21cに供給される電力は、それぞれ複数のサブブレーカ21a,21b,21cで監視されるとともに副電力検出部14a,14b,14cで検出される。複数のサブブレーカ13a,13b,13cそれぞれの下流側の副電力線21a,21b,21cにはそれぞれ、電力制御対応機器15a,15b,15c及び電力制御非対応機器16a,16b,16cが接続されている。このようなシステムにおいても、各副電力線21a,21b,21c、各副電力検出部14a,14b,14cまたは各電力制御対応機器15a,15b,15cを識別する信号と各副電力検出部で検出される電力及び各電力制御対応機器15a,15b,15cの消費電力とが関連付けて出力されるようにすることにより、それらの電力と信号とを受け取る一つの電力制御装置12によってシステムの電力制御が可能である。例えば、図10の一つの副電力線21aに関して、副電力線21aに固有の識別信号と副電力検出部14aで検出される電力及び電力制御対応機器15aの消費電力とが一緒に(関連付けられて)電力制御装置12に送信されることにより、電力制御装置12は、上述した一つのブレーカが接続される実施形態の場合と同様にしてサブブレーカ13aが上流側と下流側との導通を遮断しないような電力制御を行うことができる。
【0053】
また、例えば、複数のサブブレーカ13a,13b,13cの作動値(図10においては10アンペア(A))の合計(図10においては30A)がメインブレーカ10の作動値(図10においては20A)よりも大きく設定される場合であっても、主電力検出部11で検出される電力、副電力検出部14a,14b,14cで検出される電力及び電力制御対応機器15a,15b,15cの消費電力とそれらに関連する識別信号とに基づいて、電力制御装置12は、メインブレーカ10及び複数のサブブレーカ13a,13b,13cのいずれもそれぞれの上流側と下流側との導通を遮断しないように電力制御対応機器15a,15b,15cの電力を制御することができる。具体的には、例えば、図10において、副電力線21a,21b,21cのそれぞれに6Aの電流が流れているとき(合計18A)に電力制御対応機器15aからさらに3Aを追加して使用したいという要求が電力制御装置12に送信される場合、副電力線21aに流れる電流は9Aでサブブレーカ13aの作動値10Aを超えないが、メインブレーカ10を流れる電流は21Aとなり、メインブレーカの作動値20Aを上回るため、電力制御装置12は、電力制御対応機器15aに対して追加で3Aの電流を使用しないように命令する電力制御データを供給する。
【0054】
なお、サブブレーカ13a,13b,13cからメインブレーカ10或いは主電力検出器11までの配線(電力線)等の電力損失を無視もしくは電力制御装置12で予め確保して電力制御を行う場合には、副電力検出部14a,14b,14cで検出される電力の合計を主電力線20で検出される電力として電力制御を行うようにすれば、主電力検出部11を設ける必要はない。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電力制御対応機器の消費電力と、電力線で供給される電力とに基づく電力制御を行うようにしたので、電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に応じた好適な電力制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電力制御システム全体の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電力制御装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電力制御データ供給部の機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態において記憶される電力のデータテーブルの一例である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る電力制御データ供給部の機能ブロック図である。
【図6】本発明の他の実施形態において記憶される電力のデータテーブルの一例である。
【図7】本発明の一実施形態に係る電力制御システムにおける電力の内訳を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態における予測電力の決定方法を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る電力制御装置において実行される処理を説明するフロー図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る電力制御システム全体の構成図である。
【図11】従来の電力制御において使用される電力の内訳を示す図である。
【符号の説明】
1 電力線、2 ブレーカ、3 電力検出部、4 電力制御装置、5a,5b電力制御対応機器、6a,6b 電力制御非対応機器、7 家屋、10 メインブレーカ、11 主電力検出部、12 電力制御装置、13a,13b,13c サブブレーカ、14a,14b,14c 副電力検出部、15a,15b,15c 電力制御対応機器、16a,16b,16c 電力制御非対応機器、20 主電力線、21a,21b,21c 副電力線、100 上限電力記憶部、200 通信部、210 供給電力受信部、220 消費電力取得部、230 要求電力取得部、300 電力制御データ供給部、310 残部消費電力決定部、320 使用可能電力決定部、330 電力制御データ決定部、311,321 記憶部。
Claims (11)
- 電力線と、
前記電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、
前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、
を含むシステムに用いられる電力制御装置であって、
前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、
前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段と、
を含む電力制御装置。 - 請求項1に記載の電力制御装置において、
前記電力制御データ供給手段は、
前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記システムにおける前記一以上の電力制御対応機器の消費電力以外の消費電力に対応する残部消費電力を決定する残部消費電力決定手段と、
前記電力制御装置の上限電力と前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力とに基づいて、前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに供給する電力制御データを決定する電力制御データ決定手段と、
を含むことを特徴とする電力制御装置。 - 請求項2に記載の電力制御装置において、
前記電力制御データ供給手段は、
前記上限電力と前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つの使用可能電力を決定する使用可能電力決定手段を含み、
前記電力制御データ決定手段は、前記使用可能電力決定手段で決定される前記使用可能電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに供給する電力制御データを決定することを特徴とする電力制御装置。 - 請求項2又は3に記載の電力制御装置において、
前記残部消費電力決定手段は、
前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力との差に基づいて前記残部消費電力を決定することを特徴とする電力制御装置。 - 請求項2乃至4に記載の電力制御装置において、
前記残部消費電力決定手段は、
2以上の異なる時間に前記電力検出手段で検出される電力と前記2以上の異なる時間に前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記残部消費電力を決定することを特徴とする電力制御装置。 - 請求項5に記載の電力制御装置において、
前記残部消費電力決定手段は、
前記電力検出手段で検出される電力の少なくとも一つと前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力の少なくとも一つとを記憶する記憶手段を含み、該記憶手段で記憶される記憶内容に基づいて前記残部消費電力を決定することを特徴とする電力制御装置。 - 請求項2乃至4に記載の電力制御装置において、
前記残部消費電力決定手段は、
2以上の異なる時間に前記残部消費電力を決定することを特徴とする電力制御装置。 - 請求項7に記載の電力制御装置において、
前記使用可能電力決定手段は、
前記残部消費電力決定手段で決定される前記残部消費電力の少なくとも一つを記憶する記憶手段を含み、該記憶手段で記憶される記憶内容と前記上限電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つの使用可能電力を決定することを特徴とする電力制御装置。 - 電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、
前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、
前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、
前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段と、
を含む電力制御システム。 - 電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、
前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、
を含むシステムに用いられる電力制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得手段と、
前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得手段で取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給手段として前記コンピュータを機能させる命令を含むプログラム。 - 電力線で供給される電力を検出する電力検出手段と、
前記電力線に接続され該電力線で供給される前記電力の全部又は一部を消費する一以上の電力制御対応機器と、
を含むシステムの電力制御方法であって、
前記一以上の電力制御対応機器から該一以上の電力制御対応機器の消費電力を取得する消費電力取得ステップと、
前記電力検出手段で検出される電力と前記消費電力取得ステップで取得される前記一以上の電力制御対応機器の消費電力とに基づいて前記一以上の電力制御対応機器の少なくとも一つに電力制御データを供給する電力制御データ供給ステップと、
を含む電力制御方法。
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