JP2005044659A - 電極触媒、その製造方法、及び電極触媒を用いた燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料電池用電極触媒の耐久性を向上させつつ、触媒活性も向上させる。
【解決手段】 白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を、導電性担持体上に固定化した電極触媒であって、該触媒物質(PmXMeY)の表面及び/又は該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されていることを特徴とする燃料電池に適した電極触媒。
【選択図】 図1
【解決手段】 白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を、導電性担持体上に固定化した電極触媒であって、該触媒物質(PmXMeY)の表面及び/又は該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されていることを特徴とする燃料電池に適した電極触媒。
【選択図】 図1
Description
本発明は、耐久性と触媒活性に優れ、固体高分子型燃料電池に適した電極触媒、及びこの電極触媒を固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は、電池反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムとして注目されている。例えば、固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、水素ガスを燃料ガスとして一方の電極(燃料極:アノード)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として異なる電極(空気極:カソード)へ供給し、起電力を得るものである。
固体高分子型燃料電池は、(1)高いイオン導電性を有する高分子電解質膜が開発されたこと、(2)高分子電解質膜と同種或いは異種のイオン交換樹脂(高分子電解質)で被覆した触媒担持カーボンを電極触媒層の構成材料として使用し、いわゆる触媒層内の反応サイトの3次元化が図られるようになったこと等によって、電池特性が飛躍的に向上した。そして、このような高い電池特性を得られることに加え、小型軽量化が容易であることから、固体高分子型燃料電池は、電気自動車等の移動車両や、小型コジェネレーションシステムの電源等としての実用化が期待されている。
通常、固体高分子型燃料電池に使用されるガス拡散性の電極は、上記のイオン交換樹脂で被覆された触媒担持カーボンを含有する触媒層と、この触媒層に反応ガスを供給すると共に電子を集電するガス拡散層とからなる。そして、触媒層内には、構成材料となるカーボンの二次粒子間或いは三次粒子間に形成される微少な細孔からなる空隙部が存在し、当該空隙部が反応ガスの拡散流路として機能している。そして、上記の触媒としては、イオン交換樹脂中において安定な白金、白金合金等の貴金属触媒が通常使用されている。
固体高分子型燃料電池には、例えばメタノールや天然ガスといった炭化水素系原燃料を水蒸気改質して生成される水素含有ガス(燃料ガス)がアノード反応ガスとして用いられ、例えば空気等の酸素含有ガスがカソード反応ガスとして用いられる。この場合、アノードにおいては、以下の(1)式に、カソードにおいては以下の(2)式に、それぞれ示す電極反応が進行し、全体として(3)式に示す全電池反応が進行して起電力が発生する。
H2→2H++2e- (1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O (2)
H2+(1/2)O2→H2O (3)
H2→2H++2e- (1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O (2)
H2+(1/2)O2→H2O (3)
しかしながら、従来の固体高分子型燃料電池においては、上記(1)式で示される水素酸化反応の活性化過電圧に比較して(2)式で示される酸素還元反応の活性化過電圧が非常に大きいため、高い電池出力を得ることができないという問題があった。
そこで、下記特許文献1には、優れたカソード分極特性を有し、高い電池出力を得ることを目的として、カソードの触媒層に白金及び白金合金からなる群から選ばれる金属触媒に加えて所定量の鉄又はクロムを有する金属錯体を含有させることによりカソードにおける分極特性を向上させている。具体的には、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解質膜とを備えた固体高分子型燃料電池であって、カソードが、ガス拡散層と、当該ガス拡散層と高分子電解質膜との間に配置される触媒層とを備えており、白金及び白金合金からなる群から選ばれる貴金属触媒と、鉄又はクロムを含む金属錯体とが前記触媒層に含有されており、かつ、金属錯体は、当該金属錯体と貴金属触媒との合量の1〜40モル%含まれることを特徴とする固体高分子型燃料電池である。このようにカソードの触媒層に含有されている鉄又はクロムを有する金属錯体が、(2)式で示されるカソードの酸素還元反応の活性化過電圧を効果的に低減させることができ、その結果、カソードの分極特性が向上し高い電池出力を得ることが可能となるとしている。
特許文献1に記載の発明のように、鉄又はクロムを有する金属錯体を助触媒として用いると、初期においては高い電池出力を得ることが出来るが、燃料電池使用中に鉄又はクロムが溶出し、電解質に対する不純物(コンタミネーション)となって、燃料電池の耐久性能を悪化させるという問題があった。
上記問題に鑑み、本発明は、耐久性と触媒活性に優れ、固体高分子型燃料電池の発電性能を高く維持することに適した電極触媒を提供するとともに、この電極触媒を備えた固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、上記特許文献1に開示された電極触媒においては、燃料電池使用時に電極触媒材料である鉄又はクロムが溶出し、電解質に対する不純物(コンタミネーション)となって、燃料電池性能に影響を与え、性能が低下する原因であることを見出し、これら助触媒の溶出を防止する触媒構成を案出して本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は、電極触媒の発明であり、白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を、導電性担持体上に固定化した電極触媒であって、(1)該触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている、(2)該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている、(3)該触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜され、且つ該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されているのいずれかである。
前記貴金属成分(Pm)が白金であり、前記遷移金属成分(Me)が鉄であり、前記導電性担持体がカーボン担体であることが好ましい。
第2に、本発明は、上記第1の発明の電極触媒の製造方法の発明であり、導電性担持体上に、白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を固定化する工程と、該触媒物質(PmXMeY)を固定化した導電性担持体を窒化処理して、該触媒物質(PmXMeY)の表面及び/又は該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面に遷移金属四窒化物構造(Me−N4)の被膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
前記貴金属成分(Pm)が白金であり、前記遷移金属成分(Me)が鉄であり、前記導電性担持体がカーボン担体であるとともに、前記窒化処理がアンモニアガス雰囲気下に加熱するものであることが好ましい。
本発明では、触媒物質(PmXMeY)を固定化した導電性担持体を窒化処理する方法としては、限定されず、アンモニアガス雰囲気下での加熱の他に、硝酸処理等の窒化処理が採用できる。
第3に、本発明は、上記第1の発明の電極触媒を用いた燃料電池である。
具体的には、本発明の燃料電池は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解質膜とを備えた固体高分子型燃料電池であって、アノードとカソードが、白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を、導電性担持体上に固定化した電極触媒であって、(1)該触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている、(2)該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている、(3)該触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜され、且つ該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されているのいずれかの形態の電極触媒を備えている。
具体的には、本発明の燃料電池は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された高分子電解質膜とを備えた固体高分子型燃料電池であって、アノードとカソードが、白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を、導電性担持体上に固定化した電極触媒であって、(1)該触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている、(2)該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている、(3)該触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜され、且つ該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されているのいずれかの形態の電極触媒を備えている。
本発明の燃料電池は、平板状の単位セルと、単位セルの両側に配置された2つのセパレータとから構成されている。この燃料電池は、先に述べた電極活物質を使用することにより、アノードにおいては、(1)式に、カソードにおいては(2)式にそれぞれ示す電極反応が進行し、全体として(3)式に示す全電池反応が進行して起電力が発生する。
これにより、本発明の燃料電池は、高い耐久性維持しつつ、触媒活性も向上した電極触媒を用いることから、耐久性及び発電性能に優れたものとなっている。
図1に、本発明と従来例の電極触媒の模式図を示す。
図1(a)は、上記特許文献1に記載の従来例の電極触媒を示す。従来例の電極触媒では、導電性担持体上に、貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)が担持され、その触媒物質(PmXMeY)の表面及び触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面には、遷移金属の酸化物の被膜が残留していると考えられる。この遷移金属の酸化物が電解質中に溶解することにより、不純物(コンタミネーション)となって、燃料電池性能に影響を与え、性能が低下する。
図1(a)は、上記特許文献1に記載の従来例の電極触媒を示す。従来例の電極触媒では、導電性担持体上に、貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)が担持され、その触媒物質(PmXMeY)の表面及び触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面には、遷移金属の酸化物の被膜が残留していると考えられる。この遷移金属の酸化物が電解質中に溶解することにより、不純物(コンタミネーション)となって、燃料電池性能に影響を与え、性能が低下する。
図1(b)は、本発明の電極触媒の第1の形態を示す。この電極触媒では、導電性担持体上に、貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)が担持され、その触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている。遷移金属を窒化することにより、触媒物質(PmXMeY)の表面の遷移金属酸化物を遷移金属四窒化物構造(Me−N4)として化学的安定性を向上させ、遷移金属の電解質中への溶出を防止することができる。又、この遷移金属四窒化物構造(Me−N4)自体も助触媒として活性を有するので、触媒物質(PmXMeY)を保護してその耐久性を向上させつつ、触媒活性を更に向上させることができる。
図1(c)は、本発明の電極触媒の第2の形態を示す。この電極触媒では、導電性担持体上に、貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)が担持され、その触媒物質(PmXMeY)の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されるとともに、触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されている。遷移金属を窒化することにより、触媒物質(PmXMeY)の表面の遷移金属酸化物を遷移金属四窒化物構造(Me−N4)として化学的安定性を向上させ、遷移金属の電解質中への溶出を防止することができる。又、図1(b)の場合と同様に、この遷移金属四窒化物構造(Me−N4)自体も助触媒として活性を有するので、触媒物質(PmXMeY)を保護してその耐久性を向上させつつ、触媒活性を更に向上させることができる。
窒化処理された貴金属−遷移金属電極触媒を用いることにより、燃料電池使用中に遷移金属が電解質中に溶出して、金属イオンが不純物(コンタミネーション)となること等による燃料電池の初期性能及び耐久性の低下を抑制することが可能となった。本発明では、残留する遷移金属を窒化処理して安定化するので性能低下が大幅に減少できる。又、遷移金属を窒化処理して形成した遷移金属四窒化物構造(Me−N4)自体が触媒活性を有するために、燃料電池性能を更に向上させることができる。これにより、燃料電池用電極触媒の耐久性の向上と触媒活性の向上を両立させることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明に用いられる貴金属(Pm)としては、(1)固体高分子型燃料電池の運転温度が100℃以下であることが多いことと、(2)通常触媒層に含有され触媒粒子を被覆するイオン交換樹脂が強酸性であることが多いことから、反応活性及び安定性に優れる白金又は白金と金等の合金の好ましくは微粒子が使用される。
本発明に用いられる貴金属(Pm)としては、(1)固体高分子型燃料電池の運転温度が100℃以下であることが多いことと、(2)通常触媒層に含有され触媒粒子を被覆するイオン交換樹脂が強酸性であることが多いことから、反応活性及び安定性に優れる白金又は白金と金等の合金の好ましくは微粒子が使用される。
本発明において貴金属(Pm)と合金を構成する遷移金属(Me)としては、鉄、コバルト、クロム、バナジウム、マンガン、ニッケル、モリブデン、タングステン等が好ましく例示される。
貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)としては、白金と上記遷移金属(Me)から選ばれる1種以上との合金(金属間化合物も含む)が好ましく用いられる。
触媒物質(PmXMeY)の合金組成は、貴金属成分(Pm)が30〜90原子%、合金化する遷移金属成分(Me)が10〜70原子%であることが好ましい。貴金属成分(Pm)が30原子%未満となると酸素還元反応の活性が低下してしまう傾向が大きくなる。一方、貴金属成分(Pm)が90原子%を超えると合金化する金属の割合が減少し合金化による助触媒効果を得ることができなくなることがある。
本発明の触媒物質(PmXMeY)を用いることにより、触媒活性を落とさずに白金の使用量を約1/3から1/5程度まで少なくすることができる。
貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金を製造する際の、遷移金属(Me)を含む原料化合物としては、上記遷移金属(Me)の塩化物、臭化物などのハロゲン化物、メトキシド、エトキシドなどのアルコキシド、酸化物、硝酸塩、硫化物などがあり、幅広く使用することができる。合金化処理の方法は、上記貴金属成分(Pm)及び遷移金属成分(Me)を、不活性ガス雰囲気下において600〜900℃の温度で熱処理を行い合金化を図ることが好ましい。
触媒物質(PmXMeY)の粒子径は、高活性を得るために1〜20nmであることが好ましい。粒子径が1nm未満であると粒子が容易に凝集又は溶解・再析出を引き起こし、粒子の増大が起こる。一方、粒子径が20nmを超えると貴金属触媒の使用量に対して表面積が相対的に小さくなるので、十分な触媒活性を得ることができない。このような観点から、触媒物質(PmXMeY)の粒子径は、1.2〜5nmであることがより好ましい。
本発明において、触媒物質(PmXMeY)はカーボン担体等の導電性担持体に担持される。ここで、触媒物質(PmXMeY)の担持量は、触媒物質(PmXMeY)と導電性担持体を合わせた触媒全質量に対して、触媒物質(PmXMeY)の重量が20〜70%であることが好ましい。触媒物質(PmXMeY)含有量が20%未満であると電極触媒中の触媒量が不十分となり高電流密度領域において十分な電池電圧を得ることができない。また、触媒物質(PmXMeY)含有量が70%を超えると比表面積の大きな担体を使用しても触媒金属の担持量が高いので触媒金属間での凝集を起し易く活性が低下する恐れがある。
導電性担持体としてカーボン担体を用いる場合には,公知のカーボン材料を使用することができる。特に、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックや活性炭などが好ましく例示される。
本発明の燃料電池において、高分子電解質としては、フッ素系電解質又は炭化水素系電解質のいずれに対しても適用できる。フッ素系高分子電解質とは、フッ素系高分子化合物に、スルホン酸基、カルボン酸基等の電解質基が導入されているものである。本発明の燃料電池用いられるフッ素系高分子電解質とは、フルオロカーボン骨格あるいはヒドロフルオロカーボン骨格に置換基としてスルホン酸基等の電解質基が導入されているポリマーであって、分子内にエーテル基や塩素やカルボン酸基やリン酸基や芳香環を有していてもよい。一般的にはパーフルオロカーボンを主鎖骨格とし、パーフルオロエーテルや芳香環等のスペーサーを介してスルホン酸基を有するポリマーが用いられる。具体的には、デュポン社製の「ナフィオン(Nafion;登録商標)」や旭化成工業(株)製の「アシプレックス−S(登録商標)」等が知られている。本発明の燃料電池で用いられる炭化水素系高分子電解質とは、高分子化合物を構成する分子鎖のいずれかに炭化水素部を有し、かつ電解質基が導入されたものである。ここで、電解質基として、スルホン酸基、カルボン酸基等が例示される。
以下、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例及び比較例では白金−鉄触媒を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
[触媒担持カーボンの製造]
(実施例)
担持カーボンとしてKetjen ECを用い、白金−鉄触媒(PtFe)を40重量%の密度で担持させた。白金の担持は塩化白金酸法を用い、鉄の担持は塩化鉄水酸化ナトリウム中和担持法を用いた。500℃、2時間、水素ガス雰囲気下で還元した後、900℃、2時間、窒素ガス雰囲気下で熱処理をした。得られた白金−鉄触媒担持カーボンを、600〜900℃、2時間、アンモニアガス雰囲気下で窒化処理をした。
(比較例)
担持カーボンとしてKetjen ECを用い、白金−鉄触媒(PtFe)を40重量%の密度で担持させた。白金の担持は塩化白金酸法を用い、鉄の担持は塩化鉄水酸化ナトリウム中和担持法を用いた。500℃、2時間、水素ガス雰囲気下で還元した後、900℃、2時間、窒素ガス雰囲気下で熱処理をした。
(実施例)
担持カーボンとしてKetjen ECを用い、白金−鉄触媒(PtFe)を40重量%の密度で担持させた。白金の担持は塩化白金酸法を用い、鉄の担持は塩化鉄水酸化ナトリウム中和担持法を用いた。500℃、2時間、水素ガス雰囲気下で還元した後、900℃、2時間、窒素ガス雰囲気下で熱処理をした。得られた白金−鉄触媒担持カーボンを、600〜900℃、2時間、アンモニアガス雰囲気下で窒化処理をした。
(比較例)
担持カーボンとしてKetjen ECを用い、白金−鉄触媒(PtFe)を40重量%の密度で担持させた。白金の担持は塩化白金酸法を用い、鉄の担持は塩化鉄水酸化ナトリウム中和担持法を用いた。500℃、2時間、水素ガス雰囲気下で還元した後、900℃、2時間、窒素ガス雰囲気下で熱処理をした。
[触媒活性評価]
電極面積12.96cm2の単セルにて下記の発電評価試験及び耐久評価試験を行った。
(発電評価試験)
「ガス流量」 アノード:H2 500cc/min
カソード:空気 1000cc/min
「圧力」 アノード: 0.2MPa
カソード: 0.2MPa
「セル温度」 80℃
(耐久評価試験)
「ガス流量」 アノード:H2 500cc/min
カソード:空気 500cc/min
「圧力」 アノード: 0.2MPa
カソード: 0.2MPa
「セル温度」 80℃
「保持状態」 開回路電圧 130時間保持
(評価結果)
表1に評価結果を示す。表中値は、発電電圧であり、単位はボルトである。
電極面積12.96cm2の単セルにて下記の発電評価試験及び耐久評価試験を行った。
(発電評価試験)
「ガス流量」 アノード:H2 500cc/min
カソード:空気 1000cc/min
「圧力」 アノード: 0.2MPa
カソード: 0.2MPa
「セル温度」 80℃
(耐久評価試験)
「ガス流量」 アノード:H2 500cc/min
カソード:空気 500cc/min
「圧力」 アノード: 0.2MPa
カソード: 0.2MPa
「セル温度」 80℃
「保持状態」 開回路電圧 130時間保持
(評価結果)
表1に評価結果を示す。表中値は、発電電圧であり、単位はボルトである。
表1の結果より、本発明の窒化処理された電極触媒を用いた燃料電池は、窒化処理されない電極触媒を用いた比較例と比べて、初期の発電性能において優れていることが分る。又、耐久試験後の発電性能の低下が極めて少ないことが分る。
Claims (5)
- 白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を、導電性担持体上に固定化した電極触媒であって、該触媒物質(PmXMeY)の表面及び/又は該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面が遷移金属四窒化物構造(Me−N4)で被膜されていることを特徴とする電極触媒。
- 前記貴金属成分(Pm)が白金であり、前記遷移金属成分(Me)が鉄であり、前記導電性担持体がカーボン担体であることを特徴とする請求項1に記載の電極触媒。
- 導電性担持体上に、白金又は白金を含む合金からなる貴金属成分(Pm)と、遷移金属成分(Me)の合金からなる触媒物質(PmXMeY)を固定化する工程と、該触媒物質(PmXMeY)を固定化した導電性担持体を窒化処理して、該触媒物質(PmXMeY)の表面及び/又は該触媒物質(PmXMeY)の近傍の導電性担持体の表面に遷移金属四窒化物構造(Me−N4)の被膜を形成する工程を含むことを特徴とする電極触媒の製造方法。
- 前記貴金属成分(Pm)が白金であり、前記遷移金属成分(Me)が鉄であり、前記導電性担持体がカーボン担体であるとともに、前記窒化処理がアンモニアガス雰囲気下に加熱するものであることを特徴とする請求項3に記載の電極触媒。
- 請求項1又は2に記載の電極触媒を用いた燃料電池。
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