JP2005041598A - エレベータ用パネルの補強部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、寸法の異なるパネルに対応させて取り付けることのできる補強部材を提供する。
【解決手段】補強部材1は、エレベータのかご室2を形成するパネル3,4,5にかご室2の外側から取り付けられる。補強部材1は、第1部材11と第2部材12とを備える。第1部材11及び第2部材12は、パネル3,4,5に固定される底壁11a,12aおよびこの底壁11a,12aの両縁から立ち上がる側壁11b,12bをそれぞれ有する。第1部材11と第2部材12とは、互いに重ね合わされて底壁11a,12aが延びる方向に摺動可能に嵌合している。第1部材11と第2部材12との重なり量をパネル3,4,5に合わせて調節された状態で互いに固定する。
【選択図】 図2
【解決手段】補強部材1は、エレベータのかご室2を形成するパネル3,4,5にかご室2の外側から取り付けられる。補強部材1は、第1部材11と第2部材12とを備える。第1部材11及び第2部材12は、パネル3,4,5に固定される底壁11a,12aおよびこの底壁11a,12aの両縁から立ち上がる側壁11b,12bをそれぞれ有する。第1部材11と第2部材12とは、互いに重ね合わされて底壁11a,12aが延びる方向に摺動可能に嵌合している。第1部材11と第2部材12との重なり量をパネル3,4,5に合わせて調節された状態で互いに固定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ用パネルにかごの外側から取り付けられる補強部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータのかご自体の重量を軽量化するために、かご室を形成するパネルには、スチール鋼板やステンレス鋼板などの薄い板材を使用している。この場合、パネルのたわみを防止するとともに、運行中に生じる振動で共振しないように、かごの外側からパネルに補強部材が取り付けられる。
【0003】
補強部材は、パネルに接着剤や両面テープなどで貼り合わされ、補強部材の両端は、かごの枠にボルトなどで固定される。この補強部材は、一端から他端まで一続きの部材で作られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エレベータは、建物や乗員数などの仕様に応じて寸法が異なる場合がある。したがって、かごの枠やパネル及び補強部材は、各エレベータの仕様寸法に応じてその都度寸法の異なるものを作らなければならない。また、パネルが直接かご室の内装となる場合、同じ定格寸法のエレベータでもパネルの材質やパネル同士の継ぎ目の位置などが異なるものもある。
【0005】
さらに、エレベータの設置費用を安くするために、製作工期の短縮や共通規格品による量産化が求められている。しかし、上述のように寸法が異なるパネルに対応させた補強部材まで在庫として保管する訳にはいかない。
【0006】
そこで、本発明は、寸法の異なるパネルに対応させて取り付けることのできる補強部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る補強部材は、エレベータのかご室を形成するパネルにかご室の外側から取り付けられることを前提とする。補強部材は、パネルに固定される底壁およびこの底壁の両縁から立ち上がる側壁をそれぞれ有する第1部材及び第2部材を備え、第1部材と第2部材とが互いに重ね合わされて底壁が延びる方向に摺動可能に嵌合しており、第1部材と第2部材との重なり量をパネルに合わせて調節された状態で互いに固定される。
【0008】
第1部材と第2部材を底壁に沿って摺動可能に嵌合させるために、第1部材の側壁の縁は、第2部材の側壁の縁を挟むように折り返す。または、第1部材と第2部材とは、それぞれの底壁が互いに離れる方向への移動を拘束する溝状の係合部をそれぞれの側壁に備える。
【0009】
また、パネルに歪を生じさせること無く補強部材を取り付けるために、第1部材と重なる第2部材の重なり部は、第1部材の底壁及び側壁に囲われる内側に接する大きさに形成されており、重なり部以外の底壁は、第1部材の底壁と面一に形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る第1の実施形態の補強部材1について、図1から図3を参照して説明する。補強部材1は、図1に示すように、エレベータのかご室2を形成するパネル3にかご室2の外側から取り付けられる。補強部材1が取り付けられるパネル3は、図1に示すように、かご室2の側壁のパネル3だけでなくかご室2の天井及び扉のパネル4,5にも適用される。さらに、補強部材1は、各階の扉のパネルに適用してもよい。これらのパネル3,4,5は、外周縁部が枠6に固定されている。
【0011】
補強部材1は、図2に示すように、中央の部品となる第1部材11と、両端の部品となる第2部材12とを備える。第1部材11及び第2部材12は、それぞれ底壁11a,12aと側壁11b,12bとを有している。底壁11a,12aは、パネル3,4,5に接着剤や両面テープなどによって固定される。側壁11b,12bは、底壁11a,12aの平行に延びる両縁から立ち上がっている。
【0012】
第1部材の側壁11bの縁11cは、第1部材11に重ね合わされた第2部材12の重なり部12cの縁12dを挟むように、底壁11aに向かって内側に折り返されている。また、第1部材11の側壁11bは、第1部材が延びる方向の両端よりの位置にそれぞれ底壁11aに沿う方向に延びる長孔11dが設けられている。なお、長孔11dは、それぞれ第2部材12と重なり合う範囲に複数設けても良い。また、長孔11dは、図1に示すように一続きではなく、底壁11aの延びる方向に沿って複数に分割されていても良い。
【0013】
第2部材12の重なり部12cは、第1部材11の底壁11aと側壁11bとで囲われる内側に接する大きさに形成されている。重なり部12cには、第1部材11の側壁11bに設けられた長孔11dに通される固定ビス13と螺合するねじ孔14が設けられている。このねじ孔14は、底壁12aと側壁12bとで囲われる内側に向かって側壁12bをフレア加工した孔の内面にねじ溝を形成したものである。ねじ孔14を作る代わりに、ナットを固定ビス13と螺合させてもよいし、このナットを側壁12bに点付け溶接しておいても良い。また、ねじ溝を形成する代わりに、固定ビス13としてタップねじを使用しても良い。
【0014】
また、重なり部12c以外の第2部材12の底壁12aは、第1部材11と第2部材12とが重ね合わされた状態で、パネル3,4,5に固定される面が第1部材11の底壁11aと面一になるように形成されている。重なり部12c以外の第2部材12の側壁12bは、底壁12aと同様に第1部材11の側壁11bと面一に形成されている。第2部材12の重なり部12cと反対側の底壁12aの端には、底壁12aに沿って延びるタブ15が形成されている。このタブ15には、かご室2の枠6に固定するためのボルト孔16が設けられている。なお、このボルト孔16は、第2部材12の底壁12aに直接設けても良い。また、タブ15は、底壁12aから立ち上がっていても良い。
【0015】
このように形成された補強部材1は、図3に示すように、重なり部12cが第1部材11の内側に差し込まれ、側壁11bにあてがわれたワッシャ17と長孔11dを通して固定ビス13がねじ孔14に螺合されることで、第1部材11と第2部材12とが固定される。このとき、補強部材1の長さがパネル3,4,5の大きさに合うように、第1部材11と第2部材12との重なり量は、長孔11dに沿って固定ビス13の締付け位置を変えることで調節することができる。
【0016】
したがって、パネル3,4,5の大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材11と第2部材12との重なり量を調節することで所望する長さの補強部材1を用意することができる。また、重なり量で調節できる範囲を超える場合は、中央の部品となる第1部材11を別の長さのものと交換するだけで、重なり量によって調節できる範囲を変えることができる。したがって、大きさの異なるパネルの一つ一つに対応させて補強部材1を製作しなくても良い。また、固定ビス13で固定しているので、かご室2を組み立てる際に補強部材1の長さを調節し直すことができる。
【0017】
第1部材11の底壁11aと第2部材12の底壁12aとは、重ね合わせた状態で面一になるように形成されているので、補強部材1をパネル3,4,5に歪を生じさせること無く取り付けることができる。
【0018】
本発明に係る第2の実施形態の補強部材1について、図4を参照して説明する。なお、第1の実施形態の補強部材1と同じ機能を有した構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0019】
図4に示すように、第2の実施形態の補強部材1は、図3に示した第1の実施形態の補強部材1と比べて第1部材11と第2部材12との固定方法が異なる。また、図4に示すように、補強部材1は、長孔11dとねじ孔14とが形成されていない。
【0020】
第1部材11と第2部材12との重なり量は、図4中に示すように第1部材11の側壁11bの縁11cを第2部材12の側壁12bの縁12dとともにかしめて加締部Sで仮止めした後、底壁11a,12a同士、側壁11b,12b同士をそれぞれスポット溶接Xによって固定している。
【0021】
したがって、第1の実施形態の補強部材1と同様に、パネル3,4,5の大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材11と第2部材12との重なり量を調節することで、各パネル3,4,5の大きさに対応した所望の長さの補強部材1を用意することができる。また、固定ビス13を使用しないので、部品点数が少ない。
【0022】
なお、補強部材1の長さが変わらない程度に、加締部Sによって第1部材11と第2部材12とが互いに固定されていれば、スポット溶接Xは、必ずしも必要ではない。また、加締部Sによって仮止めしなくても、スポット溶接Xを直接行なうことができれば、縁11c,12dをかしめる必要はない。スポット溶接Xは、接合強度が充分に得られる場合、底壁11a,12a同士、または、側壁11b,12b同士のどちらかにのみ行なっても良い。
【0023】
本発明に係る第3の実施形態の補強部材について図5及び図6を参照して説明する。なお、第1及び第2の実施形態の補強部材1と同じ機能を有した構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。図5に示す補強部材1は、図2に示した第1の実施形態の補強部材1と比べ底壁11a,12aが延びる方向に第1部材11と第2部材12とを摺動可能に嵌合させる方法が異なる。
【0024】
図5に示す補強部材1の第1部材11と第2部材12とは、それぞれの底壁11a,12aが互いに離れる方向への移動を拘束する溝状の係合部11e,12eをそれぞれの側壁11b,12bに備えている。なお、係合部11e,12eの断面形状は、図6に示す矩形の他に、円弧形、楔形などでも良い。
【0025】
第1部材11と第2部材12の側壁11b,12bの縁11c,12dは、揃えられている。第1部材11と第2部材12とは、揃えられた縁11cと縁12dとをへり継手状にタック溶接(千鳥溶接)Wで固定する。タック溶接Wの箇所は、第1部材11と第2部材12とが係合部11e,12eに沿って移動しない程度であれば良い。
【0026】
このように形成された補強部材1は、第1及び第2の実施形態の補強部材1と同様に、パネル3,4,5の大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材11と第2部材12との重なり量を調節することで、各パネル3,4,5の大きさに対応した所望の長さに用意することができる。また、固定ビス13を使用しないので、部品点数が少ない。第1部材11の底壁11aと第2部材12の底壁12aとが面一に形成されているので、パネル3,4,5に歪が生じにくい。
【0027】
なお、第1部材11と第2部材12との固定方法は、タック溶接Wのほか、係合部11e,12eを加締めても良い。また、溶接については、第1部材11と第2部材12とが重なり合う部分の端をすみ肉溶接、或いは点付け溶接しても良い。この場合、第1部材11の端部と第2部材12の側壁12bとをすみ肉溶接しても良いし、第1部材11の側壁11bと第2部材の端部とをすみ肉溶接しても良いし、これら両方の箇所を溶接しても良い。
【0028】
また、第1から第3の実施形態の補強部材1は、第1部材11と第2部材12とを上述の方法以外の方法で固定しても良い。例えば、第1部材11と第2部材12とが重なり合う部分を接着したり、側壁11b,12bが重なり合う部分をタップねじで直接孔を開けてねじ止めしたり、リベット接合したりしても良い。
【0029】
また、各実施形態において、第1部材11を中央部品に適用し、第2部材12を端部品に適用して説明したが、図1の扉のパネル5に取り付けた補強部材1のように、第1部材11の一端にタブ15を設けて第1部材11を端部品にし、第2部材12の両端を重なり部12cとして加工して第2部材12を中央部品にしても良い。さらに、図1の天井のパネル4に取り付けた補強部材1のように、補強部材1をそれぞれ1つの第1部材11と第2部材12とで構成し、第1部材11を一方の端部にし、第2部材12を他方の端部にしても良い。この場合、第1部材11及び第2部材12のそれぞれにタブ15が設けられる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の補強部材によれば、第1部材と第2部材とを備え、第1部材と第2部材とがパネルに沿って摺動可能に重ね合わされている。したがって、補強部材は、パネルの大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材と第2部材との重なり量を調節することで所望する長さに用意することができる。また、第1部材の底壁と第2部材の底壁とは、重ね合わせた状態で面一になるように形成されているので、パネルに歪を生じさせること無く補強部材を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の補強部材を用いたエレベータのかごを示す斜視図。
【図2】図1に記載の補強部材を示す分解斜視図。
【図3】図2の補強部材を組合わせた状態で止めねじの部分に沿って示す断面図。
【図4】本発明に係る第2の実施形態の補強部材の中央部材と端部材との接合部を示す断面図。
【図5】本発明に係る第3の実施形態の補強部材を示す斜視図。
【図6】図5中のF6−F6に沿って示す補強部材の断面図。
【符号の説明】
1…補強部材、2…かご室、3…(側壁の)パネル、4…(天井の)パネル、5…(扉の)パネル、11…第1部材、11a…底壁、11b…側壁、11c…縁、11e…係合部、12…第2部材、12a…底壁、12b…側壁、12c…重なり部、12d…縁、12e…係合部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ用パネルにかごの外側から取り付けられる補強部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータのかご自体の重量を軽量化するために、かご室を形成するパネルには、スチール鋼板やステンレス鋼板などの薄い板材を使用している。この場合、パネルのたわみを防止するとともに、運行中に生じる振動で共振しないように、かごの外側からパネルに補強部材が取り付けられる。
【0003】
補強部材は、パネルに接着剤や両面テープなどで貼り合わされ、補強部材の両端は、かごの枠にボルトなどで固定される。この補強部材は、一端から他端まで一続きの部材で作られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エレベータは、建物や乗員数などの仕様に応じて寸法が異なる場合がある。したがって、かごの枠やパネル及び補強部材は、各エレベータの仕様寸法に応じてその都度寸法の異なるものを作らなければならない。また、パネルが直接かご室の内装となる場合、同じ定格寸法のエレベータでもパネルの材質やパネル同士の継ぎ目の位置などが異なるものもある。
【0005】
さらに、エレベータの設置費用を安くするために、製作工期の短縮や共通規格品による量産化が求められている。しかし、上述のように寸法が異なるパネルに対応させた補強部材まで在庫として保管する訳にはいかない。
【0006】
そこで、本発明は、寸法の異なるパネルに対応させて取り付けることのできる補強部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る補強部材は、エレベータのかご室を形成するパネルにかご室の外側から取り付けられることを前提とする。補強部材は、パネルに固定される底壁およびこの底壁の両縁から立ち上がる側壁をそれぞれ有する第1部材及び第2部材を備え、第1部材と第2部材とが互いに重ね合わされて底壁が延びる方向に摺動可能に嵌合しており、第1部材と第2部材との重なり量をパネルに合わせて調節された状態で互いに固定される。
【0008】
第1部材と第2部材を底壁に沿って摺動可能に嵌合させるために、第1部材の側壁の縁は、第2部材の側壁の縁を挟むように折り返す。または、第1部材と第2部材とは、それぞれの底壁が互いに離れる方向への移動を拘束する溝状の係合部をそれぞれの側壁に備える。
【0009】
また、パネルに歪を生じさせること無く補強部材を取り付けるために、第1部材と重なる第2部材の重なり部は、第1部材の底壁及び側壁に囲われる内側に接する大きさに形成されており、重なり部以外の底壁は、第1部材の底壁と面一に形成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る第1の実施形態の補強部材1について、図1から図3を参照して説明する。補強部材1は、図1に示すように、エレベータのかご室2を形成するパネル3にかご室2の外側から取り付けられる。補強部材1が取り付けられるパネル3は、図1に示すように、かご室2の側壁のパネル3だけでなくかご室2の天井及び扉のパネル4,5にも適用される。さらに、補強部材1は、各階の扉のパネルに適用してもよい。これらのパネル3,4,5は、外周縁部が枠6に固定されている。
【0011】
補強部材1は、図2に示すように、中央の部品となる第1部材11と、両端の部品となる第2部材12とを備える。第1部材11及び第2部材12は、それぞれ底壁11a,12aと側壁11b,12bとを有している。底壁11a,12aは、パネル3,4,5に接着剤や両面テープなどによって固定される。側壁11b,12bは、底壁11a,12aの平行に延びる両縁から立ち上がっている。
【0012】
第1部材の側壁11bの縁11cは、第1部材11に重ね合わされた第2部材12の重なり部12cの縁12dを挟むように、底壁11aに向かって内側に折り返されている。また、第1部材11の側壁11bは、第1部材が延びる方向の両端よりの位置にそれぞれ底壁11aに沿う方向に延びる長孔11dが設けられている。なお、長孔11dは、それぞれ第2部材12と重なり合う範囲に複数設けても良い。また、長孔11dは、図1に示すように一続きではなく、底壁11aの延びる方向に沿って複数に分割されていても良い。
【0013】
第2部材12の重なり部12cは、第1部材11の底壁11aと側壁11bとで囲われる内側に接する大きさに形成されている。重なり部12cには、第1部材11の側壁11bに設けられた長孔11dに通される固定ビス13と螺合するねじ孔14が設けられている。このねじ孔14は、底壁12aと側壁12bとで囲われる内側に向かって側壁12bをフレア加工した孔の内面にねじ溝を形成したものである。ねじ孔14を作る代わりに、ナットを固定ビス13と螺合させてもよいし、このナットを側壁12bに点付け溶接しておいても良い。また、ねじ溝を形成する代わりに、固定ビス13としてタップねじを使用しても良い。
【0014】
また、重なり部12c以外の第2部材12の底壁12aは、第1部材11と第2部材12とが重ね合わされた状態で、パネル3,4,5に固定される面が第1部材11の底壁11aと面一になるように形成されている。重なり部12c以外の第2部材12の側壁12bは、底壁12aと同様に第1部材11の側壁11bと面一に形成されている。第2部材12の重なり部12cと反対側の底壁12aの端には、底壁12aに沿って延びるタブ15が形成されている。このタブ15には、かご室2の枠6に固定するためのボルト孔16が設けられている。なお、このボルト孔16は、第2部材12の底壁12aに直接設けても良い。また、タブ15は、底壁12aから立ち上がっていても良い。
【0015】
このように形成された補強部材1は、図3に示すように、重なり部12cが第1部材11の内側に差し込まれ、側壁11bにあてがわれたワッシャ17と長孔11dを通して固定ビス13がねじ孔14に螺合されることで、第1部材11と第2部材12とが固定される。このとき、補強部材1の長さがパネル3,4,5の大きさに合うように、第1部材11と第2部材12との重なり量は、長孔11dに沿って固定ビス13の締付け位置を変えることで調節することができる。
【0016】
したがって、パネル3,4,5の大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材11と第2部材12との重なり量を調節することで所望する長さの補強部材1を用意することができる。また、重なり量で調節できる範囲を超える場合は、中央の部品となる第1部材11を別の長さのものと交換するだけで、重なり量によって調節できる範囲を変えることができる。したがって、大きさの異なるパネルの一つ一つに対応させて補強部材1を製作しなくても良い。また、固定ビス13で固定しているので、かご室2を組み立てる際に補強部材1の長さを調節し直すことができる。
【0017】
第1部材11の底壁11aと第2部材12の底壁12aとは、重ね合わせた状態で面一になるように形成されているので、補強部材1をパネル3,4,5に歪を生じさせること無く取り付けることができる。
【0018】
本発明に係る第2の実施形態の補強部材1について、図4を参照して説明する。なお、第1の実施形態の補強部材1と同じ機能を有した構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0019】
図4に示すように、第2の実施形態の補強部材1は、図3に示した第1の実施形態の補強部材1と比べて第1部材11と第2部材12との固定方法が異なる。また、図4に示すように、補強部材1は、長孔11dとねじ孔14とが形成されていない。
【0020】
第1部材11と第2部材12との重なり量は、図4中に示すように第1部材11の側壁11bの縁11cを第2部材12の側壁12bの縁12dとともにかしめて加締部Sで仮止めした後、底壁11a,12a同士、側壁11b,12b同士をそれぞれスポット溶接Xによって固定している。
【0021】
したがって、第1の実施形態の補強部材1と同様に、パネル3,4,5の大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材11と第2部材12との重なり量を調節することで、各パネル3,4,5の大きさに対応した所望の長さの補強部材1を用意することができる。また、固定ビス13を使用しないので、部品点数が少ない。
【0022】
なお、補強部材1の長さが変わらない程度に、加締部Sによって第1部材11と第2部材12とが互いに固定されていれば、スポット溶接Xは、必ずしも必要ではない。また、加締部Sによって仮止めしなくても、スポット溶接Xを直接行なうことができれば、縁11c,12dをかしめる必要はない。スポット溶接Xは、接合強度が充分に得られる場合、底壁11a,12a同士、または、側壁11b,12b同士のどちらかにのみ行なっても良い。
【0023】
本発明に係る第3の実施形態の補強部材について図5及び図6を参照して説明する。なお、第1及び第2の実施形態の補強部材1と同じ機能を有した構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。図5に示す補強部材1は、図2に示した第1の実施形態の補強部材1と比べ底壁11a,12aが延びる方向に第1部材11と第2部材12とを摺動可能に嵌合させる方法が異なる。
【0024】
図5に示す補強部材1の第1部材11と第2部材12とは、それぞれの底壁11a,12aが互いに離れる方向への移動を拘束する溝状の係合部11e,12eをそれぞれの側壁11b,12bに備えている。なお、係合部11e,12eの断面形状は、図6に示す矩形の他に、円弧形、楔形などでも良い。
【0025】
第1部材11と第2部材12の側壁11b,12bの縁11c,12dは、揃えられている。第1部材11と第2部材12とは、揃えられた縁11cと縁12dとをへり継手状にタック溶接(千鳥溶接)Wで固定する。タック溶接Wの箇所は、第1部材11と第2部材12とが係合部11e,12eに沿って移動しない程度であれば良い。
【0026】
このように形成された補強部材1は、第1及び第2の実施形態の補強部材1と同様に、パネル3,4,5の大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材11と第2部材12との重なり量を調節することで、各パネル3,4,5の大きさに対応した所望の長さに用意することができる。また、固定ビス13を使用しないので、部品点数が少ない。第1部材11の底壁11aと第2部材12の底壁12aとが面一に形成されているので、パネル3,4,5に歪が生じにくい。
【0027】
なお、第1部材11と第2部材12との固定方法は、タック溶接Wのほか、係合部11e,12eを加締めても良い。また、溶接については、第1部材11と第2部材12とが重なり合う部分の端をすみ肉溶接、或いは点付け溶接しても良い。この場合、第1部材11の端部と第2部材12の側壁12bとをすみ肉溶接しても良いし、第1部材11の側壁11bと第2部材の端部とをすみ肉溶接しても良いし、これら両方の箇所を溶接しても良い。
【0028】
また、第1から第3の実施形態の補強部材1は、第1部材11と第2部材12とを上述の方法以外の方法で固定しても良い。例えば、第1部材11と第2部材12とが重なり合う部分を接着したり、側壁11b,12bが重なり合う部分をタップねじで直接孔を開けてねじ止めしたり、リベット接合したりしても良い。
【0029】
また、各実施形態において、第1部材11を中央部品に適用し、第2部材12を端部品に適用して説明したが、図1の扉のパネル5に取り付けた補強部材1のように、第1部材11の一端にタブ15を設けて第1部材11を端部品にし、第2部材12の両端を重なり部12cとして加工して第2部材12を中央部品にしても良い。さらに、図1の天井のパネル4に取り付けた補強部材1のように、補強部材1をそれぞれ1つの第1部材11と第2部材12とで構成し、第1部材11を一方の端部にし、第2部材12を他方の端部にしても良い。この場合、第1部材11及び第2部材12のそれぞれにタブ15が設けられる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の補強部材によれば、第1部材と第2部材とを備え、第1部材と第2部材とがパネルに沿って摺動可能に重ね合わされている。したがって、補強部材は、パネルの大きさがエレベータの仕様に応じて異なる場合でも、第1部材と第2部材との重なり量を調節することで所望する長さに用意することができる。また、第1部材の底壁と第2部材の底壁とは、重ね合わせた状態で面一になるように形成されているので、パネルに歪を生じさせること無く補強部材を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の補強部材を用いたエレベータのかごを示す斜視図。
【図2】図1に記載の補強部材を示す分解斜視図。
【図3】図2の補強部材を組合わせた状態で止めねじの部分に沿って示す断面図。
【図4】本発明に係る第2の実施形態の補強部材の中央部材と端部材との接合部を示す断面図。
【図5】本発明に係る第3の実施形態の補強部材を示す斜視図。
【図6】図5中のF6−F6に沿って示す補強部材の断面図。
【符号の説明】
1…補強部材、2…かご室、3…(側壁の)パネル、4…(天井の)パネル、5…(扉の)パネル、11…第1部材、11a…底壁、11b…側壁、11c…縁、11e…係合部、12…第2部材、12a…底壁、12b…側壁、12c…重なり部、12d…縁、12e…係合部。
Claims (4)
- エレベータのかご室を形成するパネルに前記かご室の外側から取り付けられる補強部材において、
前記パネルに固定される底壁およびこの底壁の両縁から立ち上がる側壁をそれぞれ有する第1部材及び第2部材を備え、
前記第1部材と前記第2部材とが互いに重ね合わされて前記底壁が延びる方向に摺動可能に嵌合しており、
第1部材と第2部材との重なり量を前記パネルに合わせて調節された状態で互いに固定されることを特徴とする補強部材。 - 前記第1部材の側壁の縁は、前記第1部材と重ね合わされる前記第2部材の側壁の縁を挟むように折り返されていることを特徴とする請求項1に記載の補強部材。
- 前記第1部材と前記第2部材とは、それぞれの前記底壁が互いに離れる方向への移動を拘束する溝状の係合部をそれぞれの前記側壁に備えていることを特徴とする請求項1に記載の補強部材。
- 前記第1部材と重なる前記第2部材の重なり部は、前記第1部材の底壁及び側壁に囲われる内側に接する大きさに形成されており、前記重なり部以外の底壁は、前記第1部材の底壁と面一に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の補強部材。
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