JP2005040649A - 地下汚染修復方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高濃度の汚染物質を包含する土壌領域に対して地下水揚水による浄化方法を適用でき、汚染物質濃度を原位置バイオレメディエーションが実施可能なレベルまで効率的に低下させることができる地下汚染修復方法の提供。
【解決手段】汚染物質を包含する土壌汚染領域から地下水を汲み上げて汚染物質を除去する地下汚染修復方法において、土壌汚染領域の近傍に設けた注入井から低イオン濃度化した水を注入し、土壌中へ拡散させ、土壌中の汚染物質の少なくとも一部を水に溶脱させた後に、揚水井から地下水を汲み上げて、土壌中の汚染物質をバイオレメディエーション可能な濃度以下に減少させることを特徴とする地下汚染修復方法。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下汚染修復方法に関するもので、さらに詳しくは、高濃度の汚染物質を包含する土壌領域に適用でき、汚染物質濃度を原位置バイオレメディエーションが実施可能なレベルまで効率的に低下させることができる地下汚染修復方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
我国においては、古くからクロム、カドミウム、鉛、水銀などの重金属による公害防止が叫ばれて来たが、近年、化学的な汚染物質である石油系化合物、有機塩素化合物、農薬(肥料)などが土壌を汚染し、深刻な社会問題となっている。
これらの土壌汚染は、動植物の生育を直接的に阻害するばかりではなく、汚染物質が大気中へ揮発・拡散することにより大気汚染を引き起こしたり、地下水が雨水とともに河川や湖沼へと汚染物質を流出して汚染を拡大したり、また、食物連鎖の上でも広範囲にわたって被害が拡大する危険性が高い。
【0003】
これまでに、土壌汚染に対する根本的な浄化対策としては、汚染物質を包含する土壌を掘削して地上で浄化し、清浄な土壌にして埋め戻す方法が行われており、その浄化方法としては、焼却法、水・薬品等による洗浄法、或いは微生物の代謝機能を利用して汚染物質を分解するバイオレメディエーション法などが行われている。
【0004】
また、汚染領域に固化剤を注入し、固定化・安定化させる方法、或いは井戸からの汚染物質から揮発した有害ガスを吸引し、分解装置などで分離・無害化する方法、または土壌から溶脱した汚染物質を含んだ地下水を揚水して分離・無害化する処理方法などがある。例えば、地下水揚水による浄化方法として、揚水した地下水に溶解した有機化合物を浄化処理した後、地下へ戻す方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、汚染された土壌を掘削除去した後に地上で浄化する方法は、多大なコストと労力がかかるため、大量の汚染土壌を処理するには不適当であり、更に、例えば有機塩素化合物で汚染された土壌を焼却して浄化する方法では、ダイオキシンなどの有害物が二次的に発生する危険性があり、土壌洗浄法の場合は、洗浄後の廃水処理や分離した汚染物質の処理に手間がかかる等の問題があり、バイオレメディエーションでは、微生物の生態を利用するために修復期間が他の洗浄方法よりも長いという問題がある。
また、固定化・安定化法の場合には、信頼性に問題があり、恒久的な対策としては適切ではないし、ガス吸引法や揚水浄化処理方法では、浄化できる汚染物質の種類、濃度に限界があるという問題を抱えている。
【0006】
修復すべき汚染場所としては、主に工場跡地が多いが、その他に稼動中の工場敷地内、およびその周辺なども潜在的に存在している。稼動中の工場敷地内においては、汚染領域が建物の直下であったり、地下配管が廻らされていたり、或いは設備等が隣接していて重機が進入出来ないなど、土壌を掘削しての浄化は極めて困難で、浄化方法が限られてしまう。このような場合には必然的に原位置における浄化処理の必要性が高く、なかでも原位置バイオレメディエーション法が適しているとされてきた。
【0007】
原位置バイオレメディエーション法には大きく分けて、原位置に生息する汚染物質分解菌を選択的に活性化して浄化するバイオスティミュレーション法と、汚染物質分解能を持つ微生物を原位置に注入するバイオオーギュメンテーション法とがあり、比較的汚染濃度が低く、広範囲に及ぶ汚染領域の浄化に適しているとされている。
【0008】
一方、これらの方法は、一般的に土壌が高濃度で汚染されていると、その適用が困難であるという問題があり、例えばバイオスティミュレーション法であると多量に存在する汚染物質の毒性で、生息している微生物の活性が抑制されている可能性が高く、またバイオオーギュメンテーション法であれば、原位置に注入した汚染物質分解菌が汚染物質のもつ強い毒性により、死滅する危険性がある。従って、原位置バイオレメディエーション適用の前段階として、予め汚染物質を除去し汚染レベルを低減させておくことが好ましい。
【0009】
そのため前段階として、例えば、揚水した地下水を浄化処理した後、地下へ戻す地下水揚水浄化方法(特許文献1)を適用することが考えられるが、浄化処理した地下水の種類によっては、必ずしも原位置バイオレメディエーションが適用できるわけではない。このような状況下、重金属やシアン化合物などの汚染物質が高濃度に包含された土壌汚染領域であっても、効率的に原位置バイオレメディエーションを実施できる土壌汚染修復方法の出現が切望されていた。
【0010】
【特許文献1】
特開平08−323338号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、高濃度の汚染物質を包含する土壌領域に対して適用でき、汚染物質濃度を原位置バイオレメディエーションが実施可能なレベルまで効率的に低下させることができる地下汚染修復方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意研究を行った結果、実汚染土壌を充填したカラム試験を行い、汚染土壌に低イオン濃度化した水を供給すると、現地地下水を低イオン濃度化せずに供給した場合よりも汚染物質が多く溶脱することを確認した上で、イオン交換処理などで低イオン濃度化した水を汚染土壌に注入し、汚染物質を溶脱した地下水を汲み上げることにより、汚染物質の濃度を効率的に低減でき、原位置バイオレメディエーションを実施できるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明の第1の発明によれば、汚染物質を包含する土壌汚染領域から地下水を汲み上げて汚染物質を除去する地下汚染修復方法において、土壌汚染領域の近傍に設けた注入井から低イオン濃度化した水を注入し、土壌中へ拡散させ、土壌中の汚染物質の少なくとも一部を水に溶脱させた後に、揚水井から地下水を汲み上げて、土壌中の汚染物質をバイオレメディエーション可能な濃度以下に減少させることを特徴とする地下汚染修復方法が提供される。
【0014】
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、低イオン濃度化した水は、純水、蒸留水、水道水、工業用水、又は汲み上げた地下水をイオン交換処理或いは脱イオン処理したものから選択される1種以上であることを特徴とする地下汚染修復方法が提供される。
【0015】
本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、汚染物質がシアン化合物であり、バイオレメディエーション可能な濃度が15mg/l以下であることを特徴とする地下汚染修復方法が提供される。
【0016】
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、汚染物質を水に溶脱させる際、注入井への水の注入を継続しながら、揚水井を他の揚水井に切り替えて地下水を汲み上げることで地下水に動水勾配を形成させることを特徴とする地下汚染修復方法が提供される。
【0017】
本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、汚染物質を水に溶脱させる際、注水井と揚水井を切り替え、揚水井へ水を注入し、注入井から地下水を汲み上げることで地下水に動水勾配を形成させることを特徴とする地下汚染修復方法が提供される。
【0018】
本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、汚染物質の濃度が低減した土壌汚染領域に対し、さらに、原位置バイオレメディエーションを行うことを特徴とする地下汚染修復方法が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の地下汚染修復方法について、手順をおって詳細に説明する。
【0020】
本発明は、(1)汚染物質を包含する土壌汚染領域の近傍に注入井および揚水井を設け、(2)注入井から水を注入して汚染領域に向かって土壌中へ水を拡散させ、土壌中の汚染物質の少なくとも一部を水に溶脱させた後に、(3)揚水井より地下水を汲み上げて汚染物質を除去し、水の注入、汲み上げを継続して土壌中の汚染物質がバイオレメディエーション可能な濃度に減少させる地下汚染修復方法である。本発明には、(4)その後、原位置バイオレメディエーションを行うことが含まれる。
【0021】
本発明において修復対象となる有害な汚染物質には、炭化水素、有機塩素化合物、油脂類およびシアン化合物等が挙げられる。炭化水素としては、べンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ケトン類などを、有機塩素化合物としては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロエチレン、ダイオキシ、PCB、PCP(ペンタクロロフェノール)などを、油脂類としては、ガソリン、軽油、灯油、重油、機械油、潤滑油などの石油化学製品を、シアン化合物としては、各種シアン化物、および鉄、ニッケル、銅等各種金属のシアン錯体を挙げることができ、これらのいずれか1種又は2種以上を含むものである。
【0022】
なお、本発明の原位置修復方法は、バイオレメディエーションを適用する前段階に実施する方法として位置づけられ、例えば、汚染物質であるシアン化合物や重金属イオンなどの濃度がバイオレメディエーションを適用できる濃度を大幅に超えるような場合は、予めそれら汚染物質の濃度を低減させておくものである。
【0023】
原位置バイオレメディエーションの適用限界は、事前のフラスコレベル、或いは実汚染土壌を用いた連続通水カラム試験などのトリータビリティ試験により十分に調査・検討し、その際、修復対象となる有害物質への適用限界(著しい生物活動阻害要因を有する状態)も同様に調査しておく。
【0024】
ここで、著しい生物活動阻害要因を有する状態とは、重金属や有機系毒性成分などの可溶性毒性物質が大量に存在して、特殊な耐毒性が高い微生物しか繁殖できそうにない生物阻害状態や、可溶性塩類の濃度が高く、一般的な土壌微生物の活動を停止させるほどに細胞膜への浸透圧を押し上げている状態や、還元性物質が大量に存在して人工的に酸素を地下に送り込んでも土着のシアン分解微生物が活性化するに足るレベルの好気的環境が維持できそうにない状態などを指す。
【0025】
重金属としては、Hg、As、Cd、Pb、Cr、Seなどが挙げられ、その有機化合物も包含される。可溶性塩類としては、Na、Ca、Kなどの塩化物、水酸化物などが挙げられる。還元性物質とは、2価鉄化合物のように、それ自身が酸化されやすい物質を指す。
著しい生物活動阻害要因を有する状態とは、いずれか一成分が大量に存在した状態だけでなく、各成分は許容限度内にあっても複数成分が介在したような状態も含まれる。
【0026】
(1)注入井、揚水井の施工
本発明に係る地下汚染修復方法では、先ず、原位置バイオレメディエーションの実施を前提にして、複数本の井戸(注入井、揚水井)を汚染土壌領域の近傍に施工する。
【0027】
井戸の施工に関しては、次段階で原位置バイオレメディエーションが実施できるように、原位置における地下水流、現地地上の状態などを考慮し、更に注水・揚水による原位置での地下水流をシミュレーション等で予測し、限られた条件の中で、汚染物質を溶脱することのできる水と汚染土壌との接触効率が最も高められるような配列にする。
【0028】
各井戸には、注水及び/又は揚水が可能なように注水配管と揚水配管を設置し、汚染物質が除去された地下水が低イオン濃度化された後、任意の井戸に供給できるよう配管(枝管)を張り巡らせておくことが望ましい。これは、各井戸で注水および揚水の運転を切り替えることによって人工的に動水勾配をつくり、意図的に低イオン濃度化した地下水を汚染領域内で滞留させ、汚染物質と接触させることにより、より多くの汚染物質を溶脱させるためである。
【0029】
(2)水の注入による汚染物質の溶脱
次に、注入井より汚染物質を溶脱させる水を注入し、水が汚染領域を移動・拡散するようにして、土壌から汚染物質を連続的に溶脱させる。最初は、地下水流の上流側に位置する注入井を使用することが望ましい。なお、本発明において、溶脱とは、水に汚染物質を溶解することはもちろんのこと、溶解しない汚染物質であっても水に懸濁して同伴させることをも含んでいる。
【0030】
汚染物質を溶脱させる水とは、低イオン濃度化した水を総称し、純水、蒸留水、水道水、工業用水、あるいは現地汲み上げ地下水を浄化したものをイオン交換処理又は脱イオン処理した水が例示でき、水温によって限定されることなく、温水であってもよい。これらは、いずれか1種だけを用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。例えば、最初は水道水のみを注入井に注入し、その後、揚水井から汲み上げた地下水を浄化、低イオン濃度化し、その一部を水道水に混合して用いることができる。
【0031】
イオンとは、水道水などに含有されるFe2+、Fe3+、Mn2+、Ca2+、Mg2+などの陽イオン、Cl、SO 2−などの陰イオンのほか、汚染地下水に含有されうるCr3+、Cr6+、Cd2+、Hg2+、Pb2+、As3+などの陽イオンを指す。低イオン濃度化とは、上記イオン種が飲料水と比べ同等以下の濃度水準にまで低減された状態を意味しており、イオン種やその形態などによっても異なるが、金属イオンであれば夫々の濃度を0.1ppm以下、合計でも1ppm以下とし、陰イオンであれば50ppm以下とすることである。
【0032】
水を低イオン濃度化する手段には、様々な方法があり特に限定されないが、吸着法、沈殿法、イオン交換処理などのいずれか1種以上の方法を採用することができる。本発明では、吸着法、沈殿法を脱イオン処理ともいう。純水、蒸留水であれば特に処理を加える必要はないが、水道水、工業用水では、鉄イオン、Caイオンや塩素イオンなどの濃度が高い場合は低イオン濃度化が必要となることがある。
【0033】
吸着法とは、石炭、木炭、石油コークスなどの粒子、粉体を酸素が含まれない雰囲気の特定条件で加熱処理し、表面及び内部に無数の細孔を形成した炭素材料を用い、その細孔を増加させ活性を高める表面処理をした活性炭に水中のイオンを吸着させる方法である。活性炭を充填した装置は、1基でもよいが、2基以上を直列、又は並列に設置でき、水を通過させて含有するイオンを吸着させる。吸着能が低下すれば、装置から抜き出して、吸着物質を加熱して脱着させて再生することができる。
なお、活性炭の他に、キレート樹脂、ポリアクリル酸架橋ビーズを吸着剤として用いることもできる。キレート樹脂とは、金属イオンとキレートを形成する樹脂であり、ポリスチレン母体構造にイミノジ酢酸基、ポリアミン基を結合させたものが挙げられる。
【0034】
沈殿法とは、水中に存在する金属イオンなどと反応する化合物を添加して挟雑物などとともに沈殿させる方法である。例えば、酸素(空気)や塩素を水中に吹き込めば、鉄イオン、マンガンイオンは酸化されて固体になって沈殿する。また、カドミウムイオンであれば、アルカリ剤(カセイソーダ、炭酸ソーダ、消石灰など)と反応するので除去できる。クロムイオンであれば、二価の鉄化合物(硫酸鉄、塩化鉄など)で還元してから、アルカリ剤によって沈殿させる。鉄シアン錯体を含有するシアン汚染地下水であれば、亜鉛塩を添加し亜鉛白を生成させる亜鉛白法などが利用できる。
得られた懸濁水溶液には、高分子凝集剤を添加して水中に存在する金属イオンなどを挟雑物とともに沈殿させることができる。高分子凝集剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性の高分子凝集剤のいずれも使用できる。
生成した沈殿物の除去方法は、特に限定されず、液体と固体を分離する濾過方法、遠心分離法、デカンテーション法等の各種の分離方法を用いることができる。なお、鉄、マンガンなどのイオンを除去するには、濾材として触媒を用いた接触濾過法が有効である。
【0035】
イオン交換処理とは、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、あるいは両性イオン交換樹脂を用いる処理法であり、ポリスチレンなどベースとなる合成樹脂の主鎖、側鎖に水酸基、スルホン基、ホスホン基、アミノ基などを結合したイオン交換樹脂を用いる方法である。イオン交換樹脂は、平板状或いはスパイラル状に装置(カラム)内に設置し、水を通過させて好ましくないイオンを除去する。カラムを流通させる時の水温は、通常、0〜70℃でよい。
【0036】
汚染物質を溶脱する水と汚染土壌との接触効率を高めるためには、現地に複数本配列した井戸の深さ、注水量や揚水量、注水・揚水のタイミングなどを変更し、汚染物質を溶脱する水が汚染領域に十分に滞留する操作を行い、汚染物質を水に十分量溶解させるようにする。
【0037】
汚染物質の少なくとも一部が水によって溶脱して得られた地下水は、揚水井から汲み上げる。汚染物質がシアン化合物である場合、亜鉛白法を用いて地下水を処理するのであれば、汲み上げる際に地下水の中に空気注入が極力おこらない条件とすることが望ましい。
【0038】
(3)揚水した地下水の浄化
次に、汚染物質を含有した水を少なくとも1本以上の揚水井から回収し、地上で浄化する。地上で浄化する方法は、揚水した地下水中のイオン濃度を計測し、汚染物質に適した既存の処理方法で実施することになる。
【0039】
汚染物質が重金属やハロゲン系有機化合物であれば、前記した水の低イオン化方法によって浄化される。
一方、汚染物質が炭化水素などの有機化合物であれば、分解装置として紫外線照射方式、又は光触媒方式による装置が使用される。分解装置を用いれば、比較的沸点の高い有機化合物が地下水に溶解していても分解され、軽質の有機化合物を生成するので、揮発性の有機化合物とともに焼却装置や燃焼・発電装置に供給して処理できる。また、汚染物質がシアン化合物であれば、亜鉛白法などで処理される。
【0040】
紫外線方式には、紫外線を単独で照射する方式を用いるもの、又はオゾン共存下で紫外線照射する方式を用いるものがある。紫外線は、波長が180〜260nmの範囲にあるものが揮発性有機化合物を分解するとされている。紫外線をオゾンの共存下で照射すれば、オゾンがもつ酸化作用で有機化合物の分解をさらに促進する効果が期待される。
【0041】
光触媒は、チタニア(TiO)が一般的であるが、チタン系の活性金属をアルミナ、シリカ、シリカアルミナやガラスなどの担体に担持させた触媒なども使用できる。光触媒は、微粒子状のまま水に分散させたり、棒状、薄板状などに成形して水中に設置することもできる。光触媒は、紫外線領域を含んだ太陽光エネルギーを受けて、水からヒドロキシラジカルを形成し、これによって有機化合物を常温でも分解しうる性能を持っている。この場合も、オゾンや紫外線を作用させると、より一層の効果が期待できる。
【0042】
なお、脱気装置には通常ミストセパレータ等の気液分離装置が併設される。上記のオゾンや光触媒を用いた分解装置では、生成したヒドロカルビルラジカルなどが互いに反応して高分子化する場合もありうるが、水面に浮上する高分子有機化合物はフィルターで容易に分離できる。
【0043】
地下水にニッケルシアン錯体が含有されている場合には、その分解速度を高めるために、オゾン単体よりも酸化力が強いヒドロキシラジカルを利用できる。ヒドロキシラジカルの発生源としては、過酸化水素添加、オゾン添加、および紫外線照射のうち、2種以上の組合せによって得られるヒドロキシラジカルを利用し、その強い酸化力とラジカル反応の無選択性を利用して、短時間で処理を終了させることが可能となる。
【0044】
例えば、オゾンガスを、気液ミキシングポンプを介して液中に溶解させたうえで、透明石英管中に導き、そこへ外部から波長254nmの紫外線照射を行って、透明石英管中を流れる液中の溶解オゾンをヒドロキシラジカルに変換する。このヒドロキシラジカルにより、液中のニッケルシアン錯体や遊離シアンが瞬時に容易に分解される。
【0045】
水の注入、汲み上げは、観察井から随時、汚染物質をサンプリングして、汚染物質の濃度を確認し、その濃度がバイオレメディエーション可能な濃度以下に減少するまで継続する。
【0046】
バイオレメディエーション可能な汚染物質の濃度とは、上記のように汚染物質の種類、微生物の種類と存在量、現地の地形などによっても異なり、一概に言うことはできないが、バイオレメディエーション可能な濃度は、汚染物質がシアン化合物であれば15mg/l以下、重金属であれば1000ppm以下を目安とする。
汚染領域から汚染物質を溶脱して、その濃度を効率的に減少させるには、水の注入、地下水の汲み上げ井戸を適宜切り替えて、動水勾配を付けるようにすることが有効である。
【0047】
以下に、添付図面を参照し、バイオスティミュレーションを前提とした現地施工例をあげて、本発明の実施形態を具体的に説明する。
図1(B)は、現地汚染領域に施工した各井戸の配置と土壌採取箇所、また図2は図1(B)のa−a断面と本発明の一実施態様である浄化システムを模式的に表している。
【0048】
汚染物質の領域近傍に井戸A、Bが施工され、その内部に揚水ポンプが設置され、地上に浄化システム3が設置されている。浄化システム3は、揚水中の揮発性有機化合物などを浄化する汚染物質処理装置4、放流管5、栄養液供給装置6、低イオン濃度化装置7から構成されている。汚染物質処理装置4は、汚染物質によって構成が異なるが、有機化合物を処理する場合には、脱気装置、焼却装置や燃焼・発電装置などを付設することができる。なお、栄養液供給装置6は、バイオスティミュレーションを実施するための装置であるが、これも浄化システム3のなかに組込まれている。
【0049】
前記のとおり、汚染領域に対し、低イオン濃度化された水を注入するための井戸A(注入井)と、地下水流の下流側にあたる箇所に地下水を汲み上げる井戸B(揚水井)が施工されているので、注入井から低イオン濃度化された水を供給し、揚水井から地下水を汲み上げることにより、汚染領域を含む土壌中へ水が拡散する。
【0050】
この際、汲み上げられた地下水は、浄化システム3の汚染物質処理装置4により無害化された後、放流管5から系外に放出される。浄化システム3の中で、汚染物質処理装置4により浄化した地下水は、更に低イオン濃度化処理装置7で処理すれば、必要に応じて外部から流送される低イオン濃度化された水と混合して、地中へと供給することが可能となる。
【0051】
低イオン濃度化するには、前記した吸着法、沈殿法、イオン交換処理などのいずれかの方法を採用すれば良い。汚染物質の種類によっては、これらの2種以上を組合わせて処理することもできる。汚染物質がシアン化合物である場合、活性炭による吸着法、沈殿法を併用することが有効である。
【0052】
井戸A、井戸B、井戸C、及び井戸Dには、注水及び/又は揚水が可能なように注水配管8a、8bと揚水配管9a、9bを配設している。これは、各井戸で注水および揚水の運転を切り替えることによって、図1(B)のように人工的に動水勾配をつくり、意図的に低イオン濃度化した地下水を汚染領域内10で滞留させ、汚染物質と接触させることにより、より多くの汚染物質を溶脱させるためである。
【0053】
例えば、井戸Aを注入井として低イオン化濃度地下水を地下に供給して井戸Bから揚水する操作において、井戸Cから地下水を揚水する場合は、汚染物質を溶脱した低イオン濃度の地下水が概ね11で示すような拡散をし、また、井戸Dから地下水を揚水する場合には、概ね12で示すような拡散をするので、両者が重なる領域では、汚染物質と低イオン濃度化された地下水との接触効率が高まり、溶脱した汚染物質を揚水井Bに向け移動させることが可能である。この場合、井戸Cから地下水を揚水するとともに必要に応じ井戸Dから注水したり、また、井戸Dから地下水を揚水するとともに必要に応じ井戸Cから注水してもよい。
上記の操作を行った後、配管8aから配管8bに切り替えて、低イオン濃度化した地下水を井戸Bへ供給し、さらに配管9aから配管9bに切り替えて、井戸Aにおいて揚水した地下水を汚染物質処理装置に供給させることができる。
【0054】
上記のように構成した浄化システムを用いれば、バイオスティミュレーションを前提とした浄化システム自体の構成を大きく変えることなく、低イオン濃度化した地下水を地下に供給し、汚染物質の溶脱効果を高める動水勾配を行って、地下水を汲み上げられる利点がある。
【0055】
これに対して従来技術の場合、図3に示すように、揚水井2から汲み上げられ、汚染物質処理装置4により浄化された地下水は、更に低イオン濃度化処理装置で処理されることなく、放流管5から処分するか、注入井1へ繰り返し供給している。このような地下水揚水法では、汚染物質の濃度があまり低減しないので本発明の目的を達成できない。
【0056】
本発明によって汚染物質に対して低イオン濃度化した水を供給することにより、現地地下水を高イオン濃度のままで供給した場合よりも多くの汚染物質を溶脱できるが、その理由は、未だ完全には解明されていない。もともと極性の低分子量物質は水に溶解しやすいが、水中の塩素や金属イオン濃度が低ければ、それらを成分元素とする塩素系炭化水素、シアン化合物は、水に溶解しないまでも土壌から脱着しやすくなるためと考えられる。
【0057】
(4)原位置バイオレメディエーション
上記の操作を行い、汚染領域に存在する汚染物質が所定の濃度以下に低減してから、原位置バイオレメディエーションを実施する。以下、土着シアン分解菌を利用して原位置バイオレメディエーションする場合について具体的に説明する。
【0058】
本発明で原位置バイオレメディエーションを実施するに当たっては、(i)カラム試験を行ってから、(ii)地下領域の土着微生物に対して最適量の酸素および各種栄養源を与えて、シアン化合物を分解(原位置修復)する。
【0059】
(i)土壌のカラム試験
原位置バイオレメディエーションを適用するには、フラスコ試験によって土着微生物によるシアン分解の可能性を調べておくだけでなく、対象となる汚染土壌や、そこに生息する土着微生物などの特性をカラム試験によって詳細に把握しておくことも重要である。
【0060】
すなわち、カラム試験は、サイトキャラクタリゼーション(原位置地下環境の把握)およびフラスコ試験で得られた情報を反映して実施され、現地での施工設計に必要なデータ(施工技術、コスト、時間など)を取得することを目的としている。このカラム試験は、必ずしもこの段階で行う必要はなく、むしろ地下水揚水の工程と並行して、あるいはそれ以前に実施しておくことが望ましい。
【0061】
シアン分解微生物としては、金属シアノ錯体などを分解できるとされるバチリス・ズブチリス・クボタ、フザリウム・オキシスボルム、ゴルドナ属もしくはバークホルデリア属に属する微生物、アルカリゲネス属、さらにはシュードモナス属に属する微生物などで有効性が確認されている。これらシアン分解微生物群が土着菌として存在しているかどうかを確認しておく。
【0062】
この土着シアン分解菌の存在確認手段として、サンプリングした土壌や地下水からのシアン分解微生物の単離を行う。この際に用いる選択培地中のシアンは、評価対象となるシアン汚染の性質にあわせて選択する。
土着シアン分解微生物は様々であり、シアン化合物を構成する炭素原子、窒素原子のいずれを栄養源とするかなど、その特徴(性質)もことなる。
【0063】
土着微生物の増殖を促進するための栄養源として、グルコース、フルクトース、ガラクトース、サッカロース、マルトース、ラクトース、トレハロース、メリビオース、ラフィノース、スタキオースなどの糖類、でん粉、エタノール、有機酸などを適量添加することができる。供給期間は、シアン化合物や栄養源の種類や量により異なるが、6〜60日間、好ましくは10〜30日間継続すればよい。
各種栄養源配合の代表的パターンの選定は、事前に調査した土壌の性状や、確認された土着シアン分解微生物の性質などに基づいて行う。
【0064】
(ii)原位置修復方法
本発明において原位置修復する土壌は、シアン化合物を含む地下土壌である。めっき工場、選鉱製錬所、鉄鋼熱処理工場、コークス製造工場などの工場跡地の地下にはシアン化合物が含まれる可能性が高いので、これらの土壌には本発明を有効に適用できる。
【0065】
原位置修復の際には、水の注入井、地下水の揚水井や観察井が施工されているが、その他に土着微生物に酸素や栄養源などを供給する注入井と、地下の気体を吸引抽出する真空抽出井とを不飽和層汚染領域中または周辺の不飽和層部分に位置するように施工することができる。また、注入井が揚水井を兼用でき、水の注入井から栄養液も注入できるように配管網を構築してもよい。図2の注入井1は、土着の汚染物質分解菌の活性を促進するための栄養液を地中に供給する注入井を兼ねている。
【0066】
本発明の原位置修復方法では、シアン処理に必要とされる量まで土着微生物を増殖しておくことが望ましい。土着微生物を増殖させるには、通常の培養法でよく、好気的条件で培養することが好ましく、無機塩、その他栄養源を含む無機栄養培地、有機栄養培地等に土着微生物を接種し、例えば振盪培養法、通気攪拌培養法などにより培養を行う。
【0067】
上記培養における温度条件は、使用する土着微生物の生育温度の範囲(例えば10〜35℃)、好ましくは最適生育温度の範囲(15〜25℃)に設定することができる。なお、培地のpHは6.0〜9.5の範囲に設定すればよい。
無機塩として培地に添加する物質、微生物の増殖を促進するための栄養源などは前記のとおりであり、これらの物質は1種でもよく、2種以上を適宜組合わせて用いてもよい。
【0068】
以上の準備が整ったところで修復作業を始める。単一の土着微生物又は混合微生物群の適当な量(例えば10〜1010個/g)を土壌に散布することもできるが、通常は土壌に生息する土着微生物の活動によって修復作業を行う。
【0069】
図2において、低イオン濃度化した水に栄養液供給装置6から必要に応じて栄養液を混合し、地中へ供給する。真空抽出井を間欠的に運転し、地下気体を吸引すれば、毛細管作用によって栄養物質が拡散するので土着微生物の活動を一層促進することが可能となる。
地下水へは、単一の土着微生物又は混合微生物群の適当な量(10〜10個/ml)を散布することもできるが、通常は土壌(地下水)に生息する土着微生物のみによって修復作業を行う。なお、地下水の温度は10〜35℃であることが好ましい。
【0070】
以上、本発明の地下汚染修復方法を、地下水揚水法の後に原位置バイオレメディエーションを適用した場合で詳述したが、バイオレメディエーションの適用は必須というわけではなく、地下水揚水処理単独で汚染物質浄化を行うようにしてもよい。
【0071】
【実施例】
次に、実施例と比較例により本発明を説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
【0072】
(実施例1)
図1(B)および図2に示す模式図のように、深さ約10m、幅約8m、長さ約15mにおよぶシアンで汚染された領域に対して、井戸A、B、C、Dが当該汚染領域を囲むように、また、A−C、A−D、B−C、B−D、D−Cの距離関係がそれぞれ15mになるように注入井、揚水井を施工した。
次いで、井戸Aから水道水をイオン交換した低イオン濃度水(金属イオン、合計1ppm以下;鉄イオン0.1ppm以下;マンガンイオン0.1ppm以下;Caイオン0.1ppm以下)を毎分1リットルの注入速度で供給して、井戸Bから毎分0.5リットルの速度で地下水を揚水する操作を開始した。さらに、この操作を連続的に行うとともに、井戸Cからの前記低イオン地下水の注入(毎分0.5リットル)と井戸Dからの揚水(毎分0.5リットル)操作と、井戸Cからの揚水(毎分0.5リットル)と井戸Dからの前記低イオン地下水の注入(毎分0.5リットル)操作とを、約50時間ずつ交互に切り替えながら、60日間の連続運転を実施した。
この間に井戸Bから揚水した地下水中に含まれる全シアン濃度と、井戸AおよびBを結ぶ直線と井戸CおよびDを結ぶ直線の交差する地点から、各井戸の方向へ等距離で1m離れた地点、13−5、13−6、13−7、及び13−8の順で、地下約8m部分の土壌を順次経時的に採取して、土壌の溶出シアン濃度を経時的に測定した。結果を表1に示した。
井戸Aより注入した低イオン濃度化地下水が、井戸Bの揚水による移動過程において、井戸CおよびDの揚水による移流・拡散によって汚染領域に滞留し、汚染物質を徐々に溶脱しながらBに至っていることを裏付ける結果が得られており、汚染領域の土壌溶出全シアン濃度が約半分以下に減少した。その濃度はバイオレメディエーションを行えるレベルであった。
【0073】
【表1】
Figure 2005040649
【0074】
(比較例1)
上記の実施例1を実施する前の汚染領域(図1A)に、図3の浄化システムを設置し、揚水井2から現地の地下水を汲み上げ、イオン交換しないまま、この地下水(金属イオン合計30ppm以上;Feイオン8ppm;Caイオン15ppm)を毎分1リットルの注入速度で注入井1へ供給した。井戸が2本なので、実施例1のような動水勾配をつけることなく60日間連続運転を行った。
この間に図3の揚水井2から揚水した地下水中に含まれる全シアン濃度と、図1(A)に示す井戸1および井戸2を結ぶ直線上とその中央で直角に交わる直線上に、交点から0.5m等間隔の地点、13−1、13−2、13−3、及び13−4の順で、地下約8m部分の汚染土壌を順次経時的に採取して、土壌の溶出シアン濃度を測定した。結果を表2に示した。
注入井1よりイオン交換しないままの地下水を注入したのでは、汚染物質を溶脱する効果がほとんどなく、汚染物質は汚染領域に初期の濃度とほぼ変わりないレベルで残存したままであることを裏付ける結果が得られた。
【0075】
【表2】
Figure 2005040649
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、高濃度に汚染された領域に対してバイオレメディエーションを実施する際に、その前段階において低イオン濃度化した水を原位置に供給し、汚染領域を滞留させ汚染物質と効率良く接触させることで、汚染物質を溶脱・除去し、バイオレメディエーション実施可能なレベルまで汚染物質の濃度を低下させることができる。更に、本方法を実施するための設備は、バイオレメディエーション浄化システムの構成を大きく変更することなく、簡便に増設可能であり、経済的にもメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】現地の汚染物質の分布、及び土壌採取箇所の平面概略図である。
【図2】本発明で用いる浄化システムを示す概略図である。
【図3】従来の浄化システムを示す概略図である。
【符号の説明】
1、A・・・・・注入井
2、B・・・・・揚水井
3・・・・・・・バイオスティミュレーション浄化システム
4・・・・・・・汚染物質処理装置
5・・・・・・・放流管
6・・・・・・・栄養液供給装置
7・・・・・・・低イオン濃度化処理装置
8a・・・・・・井戸Aにおける注水配管
8b・・・・・・井戸Bにおける注水配管
9a・・・・・・井戸Aにおける揚水配管
9b・・・・・・井戸Bにおける揚水配管
10・・・・・・汚染領域
11・・・・・・井戸C、B揚水による低イオン濃度化地下水の拡散領域
12・・・・・・井戸D、B揚水による低イオン濃度化地下水の拡散領域
13−1〜4・・比較例、実施例における分析用土壌採取位置
13−5〜8・・実施例における分析用土壌採取位置

Claims (6)

  1. 汚染物質を包含する土壌汚染領域から地下水を汲み上げて汚染物質を除去する地下汚染修復方法において、
    土壌汚染領域の近傍に設けた注入井から低イオン濃度化した水を注入し、土壌中へ拡散させ、土壌中の汚染物質の少なくとも一部を水に溶脱させた後に、揚水井から地下水を汲み上げて、土壌中の汚染物質をバイオレメディエーション可能な濃度以下に減少させることを特徴とする地下汚染修復方法。
  2. 低イオン濃度化した水は、純水、蒸留水、水道水、工業用水、又は汲み上げた地下水をイオン交換処理或いは脱イオン処理したものから選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の地下汚染修復方法。
  3. 汚染物質がシアン化合物であり、バイオレメディエーション可能な濃度が15mg/l以下であることを特徴とする請求項1に記載の地下汚染修復方法。
  4. 汚染物質を水に溶脱させる際、注入井への水の注入を継続しながら、揚水井を他の揚水井に切り替えて地下水を汲み上げることで地下水に動水勾配を形成させることを特徴とする請求項1に記載の地下汚染修復方法。
  5. 汚染物質を水に溶脱させる際、注水井と揚水井を切り替え、揚水井へ水を注入し、注入井から地下水を汲み上げることで地下水に動水勾配を形成させることを特徴とする請求項1に記載の地下汚染修復方法。
  6. 汚染物質の濃度が低減した土壌汚染領域に対し、さらに、原位置バイオレメディエーションを行うことを特徴とする請求項1に記載の地下汚染修復方法。
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