JP2005040205A - 立体内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡本体を大きくすること無く、簡単かつ観察者が一人で観察部位を拡大することができ、観察される映像が左右同じ大きさに調整され、違和感の少ない良好な立体画像を得ることのできる立体内視鏡装置を提供する。
【解決手段】立体内視鏡3のCCD2R,2Lにより撮像された観察部位の視差の異なる撮像信号がCCU4R,4Lを介して表示装置7の左右映像用表示素子5R,5Lに表示され、接眼部6R,6Lを介して立体視される。このとき、CCU4R,4Lの画像認識部11R,11Lによりメモリ10R,10Lに記録された画像データとメモリ9R,9Lに記憶されている撮像データとで比較して、観察画像の倍率を変更させる。
【選択図】 図1
【解決手段】立体内視鏡3のCCD2R,2Lにより撮像された観察部位の視差の異なる撮像信号がCCU4R,4Lを介して表示装置7の左右映像用表示素子5R,5Lに表示され、接眼部6R,6Lを介して立体視される。このとき、CCU4R,4Lの画像認識部11R,11Lによりメモリ10R,10Lに記録された画像データとメモリ9R,9Lに記憶されている撮像データとで比較して、観察画像の倍率を変更させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体を撮像し、この撮像した被写体像を立体的に観察可能な立体内視鏡装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、細長の挿入部を体腔内に挿入して、直接目視できない被検部位を観察することのできる内視鏡装置が広く用いられている。
【0003】
また、近年では、通常の内視鏡装置では、被検部位を遠近感のない平面としてしか見ることができないため、複数の観察光学系を並列に設け、これらの光学系の光軸がなす幅輳角を設定して視差を持つように観察光学系を配置し、観察部位を立体視することができようにして、例えば、体腔壁表面等の微細に凹凸等を観察することができ、内視鏡観察による診断や各種処置の効率を向上させた立体視内視鏡装置も数多く提案されている。
【0004】
この種の関連技術としては、例えば特開平10−174673号公報に記載の内視鏡装置や、特開平9−127435号公報に記載の立体視内視鏡撮像装置、あるいは、特開2002−85330号公報に記載の立体視内視鏡装置などがある。
【0005】
前記特開平10−174673号公報に記載の内視鏡装置は、結像手段内に介設され、観察光学系の軸方向に対して入射光の角度を変化させる入射角変化要素と、この入射角変更要素による入射光の角度の変化量を制御する制御手段とを備え、上記入射角変更要素によって撮像手段に結像される内視鏡像の位置を変換させることで、上記撮像手段によって観察される内視鏡像の領域を可変させる内視鏡移動手段を設けて構成したことが特徴である。
【0006】
この構成により、3CCDカメラやHDTVカメラや、可視光外(赤外線・紫外線)カメラなどの大型で重量の大きい撮像手段を用いた視野変換カメラの小型化を実現する目的を達成しようとしている。
【0007】
また、前記特開平9−127435号公報に記載の立体視内視鏡撮像装置は、内視鏡に対して着脱自在に構成され、視差を持った左右の被写体像をそれぞれ結像する一対の結像光学系と、この結像光学系により撮像された被写体像を撮像する撮像手段とを有する立体視内視鏡撮像装置において、前記結像光学系を、円筒上のレンズに対して光路に不要な周縁部分の少なくとも一部をカットして異形に形成したレンズを含んで構成したことが特徴である。
【0008】
この構成により、2組の結像光学系を備えた構成においても、小型で扱いやすく、且つ良好な画像を得ることが可能な立体視内視鏡撮像装置を得る目的を達成しようとしている。
【0009】
さらに、前記特開2002−85330号公報に記載の立体視内視鏡装置は、一対の撮像手段の撮像面に各々に視差が異なる一対の被写体像を結像させる光学系を有し、前記撮像手段により結像された一対の被写体像を交互に又は同時に表示して、立体画像を得る立体視内視鏡装置において、前記一対の被写体像の倍率を可変する変倍光学系し、前記一対の変倍光学系を駆動する駆動手段と、前記一対の被写体画像同士を比較する画像比較手段と、この画像比較手段の比較結果に基づき、前記一対の被写体像の大きさが略等しくなるように前記駆動手段を制御する変倍制御手段とを具備して構成したことが特徴である。
【0010】
この構成により、自動的に左右の変倍を等しくすることの可能な立体視内視鏡装置を得る目的を達成しようとしている。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−174673号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平9−127435号公報
【0013】
【特許文献3】
特開2002−85330号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平10−174673号公報及び特開平9−127435号公報を含む従来の立体視内視鏡撮像装置では、視差を得るために左右別々の光学系を有するため、立体視内視鏡撮像システムを構成する立体内視鏡が通常の内視鏡よりも大きなものになってしまう。また、内視鏡の映像を拡大するためには、ズーム用の光学系を内視鏡内部に装備していることから、さらに、内視鏡が大きくなってしまう。つまり、内視鏡が大きくなると、患者を処置するスペースが少なくなり、作業が難しくなる場合もある。
【0015】
また、立体視内視鏡装置において、ズーム機構を有していない構成の場合には、助手などによる手作業で内視鏡を観察部位に近づけなくてはならず、観察者が望む大きさにするためには、観察者と助手の息が合う必要があり、熟練を要することになり、簡単に観察部位の内視鏡映像を拡大することは困難である。
【0016】
また、観察する左右の映像の大きさが異なると、違和感を生じることがあるので、例えば前記特開2002−85330号公報に記載の立体視内視鏡に示すように、左右の映像が同じになるよう、内視鏡内部に光学系を持たせ、調整させる方式が開示されてはいるが、内視鏡自体が大きな物になってしまうといった問題点があった。
【0017】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、内視鏡本体を大きくすること無く、簡単かつ観察者が一人で観察部位を拡大することができ、観察される映像が左右同じ大きさに調整され、違和感の少ない良好な立体画像を得ることのできる立体内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の立体内視鏡装置は、被写体を視差を持った左右の被写体像としてそれぞれ撮像する一対の第1,第2の撮像手段を有する内視鏡と、前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号をそれぞれ記憶する第1,第2の記憶手段と、前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号に処理を施して映像信号に変換する第1,第2の処理手段と、前記第1,第2の撮像手段により撮像された被写体の大きさをそれぞれ算出する第1,第2の算出手段と、前記第1,第2の算出手段により算出された被写体の大きさを、基準となる画像の大きさとそれぞれ比較する第1,第2の比較手段と、前記第1の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第1の表示部と、前記第2の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第2の表示部とを有し、これら第1,第2の表示部が左右併設された表示手段と、前記表示手段に設けられ、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の倍率を可変する第1,第2の変倍光学系と、前記第1,第2の変倍光学系を駆動する第1,第2の駆動手段と、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを変更させるように前記第1,第2の駆動手段を制御する第1,第2の制御手段と、を具備したことを特徴とするものである。
【0019】
請求項2に記載の発明の立体内視鏡装置は、請求項1に記載の立体内視鏡装置において、前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを拡大させるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の立体内視鏡装置は、請求項1に記載の立体内視鏡装置において、前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさが略同じ大きさとなるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とするものである。
【0020】
この構成により、内視鏡本体を大きくすること無く、簡単かつ観察者が一人で観察部位を拡大することができ、観察される映像が左右同じ大きさに調整され、違和感の少ない良好な立体画像を得ることのできる立体内視鏡装置を実現する。
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
第1の実施の形態:
(構成)
図1乃至図4は本発明に係る立体内視鏡装置の第1の実施の形態を示し、図1は該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図であり、図2は図1のCCUの具体的な構成を示す構成図、図3は図1の表示装置の具体的な構成を示す構成図、図4は図1の接眼部の具体的な構成を示す構成図である。なお、図1中の表示装置においては、該装置を上側からみた状態を示している。
【0022】
本実施の形態の立体内視鏡装置1は、図1に示すように、体腔内に挿入され、先端に位置する観察部位の光学像を一定の視差を有す一対の撮像手段(CCDであり、以下CCDと称す)2R,2Lまで伝送する立体内視鏡3と、CCD2R,2Lで撮像された信号を映像信号に変換するための2台のカメラコントロールユニット(以下、CCUと称す)4R,4Lと、映像信号に基づく画像を表示する表示素子5R,5Lと、これら表示素子5R,5Lに表示された画像を観察者に目視させるための接眼部6R,6Lを有する表示装置7と、前記接眼部6R,6Lの各種駆動を制御する制御装置8R,8Lとを含んで構成されている。
【0023】
立体内視鏡3は、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像を得、その光学像を所定の寸法で左右一対に配された撮影手段CCD2R,2Lにより撮像(結像)し、それぞれ視差の異なる撮像信号をCCU4R,4Lに供給する。
【0024】
CCU4R,4Lは、供給された撮像信号に所定の処理を施して映像信号を得、後述する表示装置7の表示素子5R,5Lに供給して該映像信号に基づく画像を表示させると同時に、後述するが表示装置7を制御するための制御信号を生成する。
【0025】
次に、CCU4R,4Lの具体的な構成を図2を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図2に示すように、CCU4Rは、CCD2Rからの撮像信号が図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、変換された撮像データを記録するメモリ9Rと、基準画像として手術用の針の写真を複数の角度で撮影した画像データが予め記録されたメモリ10Rと、前記メモリ9Rより読み出されたCCD2Rからの撮像データを所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子5Rに出力する映像信号変換部15Rと、前記メモリ10Rに記録された画像データと前記メモリ9Rに記憶されているCCD2Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出する画像認識部11Rと、この画像認識部11Rで得られた手術用の針をメモリ9Rのアドレス情報より、手術用の針の大きさを算出する大きさ算出部12Rと、手術用の針の閾値を予め記録したメモリ13Rと、前記大きさ算出部12Rからの算出結果とメモリ13Rから読み出された閾値とを比較し比較結果を、後述するモータ制御装置22Rに出力する比較部14Rと、を含んで構成されている。
【0027】
このような構成のCCU4Rにおいては、映像信号変換部15Rによって、前記メモリ9Rより読み出されたCCD2Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子5Rに出力される。
【0028】
同時に、前記画像認識部11Rによって、前記メモリ10Rに記録された画像データと前記メモリ9Rに記憶されているCCD2Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部12Rによって、画像認識部11Rで得られた手術用の針の大きさをメモリ9Rのアドレス情報を用いて算出し、そして、比較部14Rによって、この大きさ算出部12Rの算出結果とメモリ13Rから読み出された手術用の針の閾値とが比較され、比較結果が得られる。
【0029】
すなわち、実際の撮像画像から得られた手術用の針の大きさと、針の閾値との差分情報を得ることができ、これを後述する表示装置7内の光学系の拡大/縮小機構を駆動制御するモータ制御装置22Rに対する制御信号として用いるようにする。
【0030】
前記CCU4Lの構成及び作用についても、図2に示すCCU4Rの構成及び作用と同様である。
【0031】
次に、表示装置7の具体的な構成を図3を参照しながら詳細に説明する。なお、図3は該表示装置を上側からみた図である。
【0032】
図3に示すように、表示装置7は、本体の背面側に所定の間隔で左右に配された一対の左映像用表示素子5L及び右映像用表示素子5Rと、本体の正面側(観察者側)に所定の眼幅となるように左右に配された一対の左接眼部6L及び右接眼部6Rとを有して構成されている。
【0033】
また、表示装置7内部には、図に示すように、左映像用表示素子5Lが左接眼部6Lにより観察され、右映像用表示素子5Rが右接眼部6Rより観察される様、反射部材7aを有する一対のミラー部16を設けている。なお、ミラー部16の代わりに、仕切り板を本体中央部に設けて右接眼部6Rから左映像用表示素子5Lを見えないようにし、左接眼部6Lから右映像用表示素子5Rを見えないように構成しても良い。
【0034】
したがって、上記構成の表示装置7では、左映像用表示素子5Lに表示された観察画像は、一方のミラー部16の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、左接眼部6Lに導かれることになる。一方、右映像用表示素子5Rに表示された観察画像は、他方のミラー部16の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の他方の面に反射されることによって、右接眼部6Rに導かれることになる。
【0035】
つまり、観察者は、これら左接眼部6R及び左接眼部6Lに、両眼50を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部6R,6Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0036】
また、1つの表示素子と、接眼部に液晶シャッターを備え、左右の画像を交互に観察させる時分割方式や、1つの表示素子の1ライン毎に偏光方向の異なる偏光板を貼り付け、接眼部に偏光板を備え、左右の画像を左右の目で別々に観察させる方式など、従来から行われている立体用の表示手段を組み込んでも良い。
【0037】
次に、接眼部6Rの具体的な構成及びこれを制御する制御装置8Rの構成について図4を参照しながら詳細に説明する。
【0038】
図4に示すように、接眼部6Rは、把持部材6aに把持された凸レンズ17Rと、この凸レンズ17Rの光軸上に配され、前記把持部材6aに把持された凹レンズ18Rと、これら凸レンズ17R,凹レンズ14Rとの間隔距離をモータ20Rの回転動力を用いて変更するためのギア組19Rと、このギア組18Rに動力を伝達するための動力発生手段であるモータ20Rと、を含んで構成されており、図1に示す制御装置8Rは、前記CCU4R内の比較部14Rからの比較結果と前記モータ20Rの回転量の関係を予め測定して記憶したメモリ21Rと、前記比較部14Rからの比較結果(制御信号)とメモリ21Rからの記憶データに基づき前記モータ20Rの回転駆動を制御するモータ制御部22Rとを含んで構成されている。
【0039】
なお、図中には、ギア組19R,モータ20R等が、接眼部6Rの外部に配されたように示されているが、これらの構成部材は前記表示装置7内に収容されており、該接眼部6Rの外部には露出しないようになっている。
【0040】
把持部材6aは、それぞれ凸レンズ17R,及び凹レンズ18Rを、光軸上に移動自在に把持しており、これら凸レンズ17R,凹レンズ18Rは、それぞれ接続されるギア組19Rによってその間隔が変更可能である。
このような構成の接眼部6Rでは、前記比較部14Rとメモリ21Rから得られたモータ20Rの回転量をモータ制御装置22Rによる駆動制御により、モータ20Rを回転させ、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとの位置(間隔距離)を変更することにより、表示素子5R上に表示された観察画像の倍率を変更することが可能となる。
【0041】
また、前記接眼部6Lは、前記接眼部6Rと同様に構成されており、また作用についても同様である。
【0042】
なお、本実施の形態においては、上述したように観察倍率を変更するとともに、図3に示すミラー部16を回転させ、輻輳角とピント位置を調整するように構成しても良い。
【0043】
また、メモリ10R,10Lに予め記憶される基準画像は、手術用の糸や、観察対象の血管や神経を示す画像データであっても良い。
【0044】
また、前記接眼部6R,6L内部の凸レンズ17R,17L、凹レンズ18R,18Lが駆動する代わりに、表示素子5R,5Lが観察者の両眼に近づくように移動可能に構成しても良い。
【0045】
さらに、観察者の意思で、観察画像の拡大/縮小を行うことができるように手動の切り替えスイッチを設け、該切り替えスイッチの動作にあわせ、接眼部6R,6Lの凸レンズ17R,17L、凹レンズ18R,18Lが駆動し、観察者の所望の表示サイズに拡大できる様に駆動制御可能な構成としても良い。
【0046】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。なお、説明簡略化のために右映像における作用について説明するが、勿論左映像における作用についても同様である。
【0047】
いま、術者が図1に示す立体内視鏡装置1を用いて、体腔内の観察部位の手術を行いながら観察部位の観察画像を観察するものとする。
【0048】
すると、立体内視鏡3にて、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像が得られ、その光学像が撮影手段CCD2R,2Lにより撮像(結像)され、その後、これら視差の異なる撮像信号がCCU4R,4Lに供給される。
【0049】
そして、CCU4Rにおいて、図2に示すように、映像信号変換部15Rによって、メモリ9Rより読み出されたCCD2Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し表示装置7の右映像用表示素子5Rに出力される。
【0050】
その後、表示装置7では、右映像用表示素子5Rに表示された観察画像は、他方のミラー部16の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、右接眼部6Rに導かれることになる。左映像用表示素子5Lについても同様に作用する。つまり、観察者は、これら左接眼部6R及び左接眼部6Lに、両眼を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部6R,6Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0051】
一方、CCU4Rにおいて、前記画像認識部11Rによって、前記メモリ10Rに記録された画像データと前記メモリ9Rに記憶されているCCD2Rからの撮像データとで比較されて相関が求められ、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部12Rによって、画像認識部11Rで得られた手術用の針の大きさが、メモリ9Rのアドレス情報を用いることによって算出される。
【0052】
その後、この大きさ算出部12Rにより算出された算出結果は、比較部14Rによって、メモリ13Rから読み出された手術用の針の閾値とで比較され、比較結果、すなわち、実際の撮像画像から得られた手術用の針の大きさと、針の閾値との差分情報が得られ、これがモータ制御装置22Rに供給される。
そして、このモータ制御装置22Rは、前記比較部14Rからの比較結果とメモリ21Rに記憶されたデータとに基づき得られた回転量となるようにモータ20Rの回転を駆動制御し、このモータ20Rと連結するギア部19Rを駆動させることで、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとの位置(間隔距離)を変更する。これにより、表示素子5R上に表示された観察画像の倍率を自動的に変更することができる。
【0053】
例えば、広角、あるいは望遠となる倍率となったときの動作例が図4(a),図4(b)に示されている。
【0054】
比較部14Rからの比較結果とメモリ21Rとのデータとの関係が広角の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置22Rは、図4(a)に示すように、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとを所定の幅広の間隔で且つ、光軸上の接眼部6Rの中央近傍に配されるようにモータ20Rの回転を制御する。これにより、倍率が広角に変更された観察画像、つまり、観察画像を縮小させて観察することができる。
【0055】
一方、比較部14Rからの比較結果とメモリ21Rとのデータとの関係が望遠の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置22Rは、図4(b)に示すように、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとを所定の幅狭の間隔で且つ、光軸上の接眼部6Rの後端側(観察する方向とは逆側)近傍に配されるようにモータ20Rの回転を制御する。これにより、倍率が望遠となり、つまり、観察画像を大きく拡大させて観察することができる。
なお、CCU4L,右映像用表示素子5L,接眼部6Lに伴う左映像についても同様に作用する。
【0056】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、手術中観察したい手術用の針を検出して自動的に観察画像を拡大表示させることができるので、観察し易くなる。また、視差のある左右の観察画像が接眼部6L,6Rを介して導かれるので、該観察画像を立体的に観察することができ、また拡大されることで、奥行きが判別し易くなり、観察性能の向上化に大きく寄与する。さらに、立体内視鏡3にはズーム光学系が不要であることから、該立体内視鏡3の小型化を図ることができる。
【0057】
第2の実施の形態:
(構成)
図5乃至図8は本発明に係る立体内視鏡装置の第2の実施の形態を示し、図5は該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図であり、図6は図5のCCUの具体的な構成及び比較部との接続構成を示す構成図、図7は図5の表示装置の具体的な構成を示す構成図、図8は図5の接眼部の具体的な構成を示す構成図である。なお、図5中の表示装置においては、該装置を上側からみた状態を示している。
【0058】
本実施の形態の立体内視鏡装置101は、略前記第1の実施の形態と同様に、図5に示すように、体腔内に挿入され、先端に位置する観察部位の光学像を一定の視差を有す一対のCCD102R,CCD102Lまで伝送する立体内視鏡103と、CCD102R,102Lで撮像された信号を映像信号に変換するための2台のCCU104R,104Lと、CCU104R,104Lからの検出された信号を比較する比較部105と、映像信号に基づく画像を表示する表示素子106R,106Lと、これら表示素子106R,106Lに表示された画像を観察者に目視させるための接眼部107R,107Lを有する表示装置108と、前記接眼部107R,107Lの各種駆動を制御する制御装置109R,109Lとを含んで構成されている。
【0059】
立体内視鏡103は、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像を得、その光学像を所定の寸法で左右一対に配された撮影手段CCD102R,102Lにより撮像(結像)し、それぞれ視差の異なる撮像信号をCCU104R,1044L及び比較部105に供給する。
【0060】
CCU104R,104Lは、供給された撮像信号に所定の処理を施して映像信号を得、後述する表示装置108の表示素子106R,106Lに供給して該映像信号に基づく画像を表示させると同時に、後述するが表示装置108を制御するための制御信号を生成し比較部105に出力する。
【0061】
次に、CCU104R,104Lの具体的な構成及び比較部との接続構成を図6を参照しながら詳細に説明する。
【0062】
図6に示すように、CCU104Rは、CCD102Rからの撮像信号が図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、変換された撮像データを記録するメモリ110Rと、基準画像として手術用の針の写真を複数の角度で撮影した画像データが予め記録されたメモリ111Rと、前記メモリ110Rより読み出されたCCD102Rからの撮像データを所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子106Rに出力する映像信号変換部114Rと、前記メモリ111Rに記録された画像データと前記メモリ110Rに記憶されているCCD102Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出する画像認識部112Rと、この画像認識部112Rで得られた手術用の針をメモリ110Rのアドレス情報より、手術用の針の大きさを算出し、算出結果を比較部105に出力する大きさ算出部113Rと、を含んで構成されている。
【0063】
前記比較部105は、CCU104Rの大きさ算出部113Rからの算出結果と、CCU104Lの大きさ算出113Lからの算出結果とが入力され、これらの算出結果を比較し比較結果を、後述するモータ制御装置121R,121Lにそれぞれ出力する。
【0064】
このような構成のCCU4Rにおいては、映像信号変換部114Rによって、前記メモリ111Rより読み出されたCCD102Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子106Rに出力される。
【0065】
同時に、前記画像認識部112Rによって、前記メモリ111Rに記録された画像データと前記メモリ110Rに記憶されているCCD102Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部112Rによって、画像認識部112Rで得られた手術用の針の大きさをメモリ110Rのアドレス情報を用いて算出し比較部105に供給する。そして、比較部105Rによって、このCCU104Rの大きさ算出部113Rからの算出結果と、他方のCCU104Lの大きさ算出113Lからの算出結果とが比較され、比較結果が得られる。
【0066】
すなわち、実際の撮像画像から得られた右用観察画像における手術用の針の大きさと、左用観察画像における手術用の針の大きさとの差分情報を得ることができ、これを後述する表示装置108内の左右の光学系の拡大/縮小機構を駆動制御するモータ制御装置22Rに対する制御信号として用いるようにする。
【0067】
前記CCU104Lの構成及び作用についても、図6に示すCCU104Rの構成及び作用と同様である。
【0068】
次に、表示装置108の具体的な構成を図7を参照しながら詳細に説明する。なお、図7は該表示装置を上側からみた図である。
【0069】
図7に示すように、表示装置108は、前記第1の実施の形態と同様に本体の背面側に所定の間隔で左右に配された一対の左映像用表示素子106L及び右映像用表示素子106Rと、本体の正面側(観察者側)に所定の眼幅となるように左右に配された一対の左接眼部107L及び右接眼部107Rとを有して構成されている。
【0070】
また、表示装置108内部には、図に示すように、左映像用表示素子106Lが左接眼部107Lにより観察され、右映像用表示素子106Rが右接眼部107Rより観察される様、反射部材7aを有する一対のミラー部115を設けている。なお、ミラー部115の代わりに、仕切り板を本体中央部に設けて右接眼部107Rから左映像用表示素子106Lを見えないようにし、左接眼部107Lから右映像用表示素子106Rを見えないように構成しても良い。
【0071】
したがって、上記構成の表示装置108では、左映像用表示素子106Lに表示された観察画像は、一方のミラー部115の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、左接眼部107Lに導かれることになる。一方、右映像用表示素子106Rに表示された観察画像は、他方のミラー部115の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の他方の面に反射されることによって、右接眼部107Rに導かれることになる。
【0072】
つまり、観察者は、これら左接眼部107R及び左接眼部107Lに、両眼50を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部107R,107Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0073】
また、1つの表示素子と、接眼部に液晶シャッターを備え、左右の画像を交互に観察させる時分割方式や、1つの表示素子の1ライン毎に偏光方向の異なる偏光板を貼り付け、接眼部に偏光板を備え、左右の画像を左右の目で別々に観察させる方式など、従来から行われている立体用の表示手段を組み込んでも良い。
【0074】
次に、接眼部107Rの具体的な構成及びこれを制御する制御装置109Rの構成について図8を参照しながら詳細に説明する。
【0075】
図8に示すように、接眼部107Rは、把持部材6aに把持された凸レンズ116Rと、この凸レンズ116Rの光軸上に配され、前記把持部材6aに把持された凹レンズ117Rと、これら凸レンズ116R,凹レンズ117Rとの間隔距離をモータ119Rの回転動力を用いて変更するためのギア組118Rと、このギア組118Rに動力を伝達するための動力発生手段であるモータ119Rと、を含んで構成されており、図5に示す制御装置109Rは、比較部105からの比較結果とモータ119Rの回転量の関係を予め測定して記憶したメモリ120Rと、前記比較部105からの比較結果(制御信号)とメモリ120Rからの記憶データに基づきモータ119Rの回転駆動を制御するモータ制御部121Rとを含んで構成されている。
【0076】
なお、図中には、ギア組118R,モータ119R等は、接眼部107Rの外部に配されたように示されているが、これらの構成部材は前記表示装置108内に収容されており、該接眼部107Rの外部には露出しないようになっている。
【0077】
把持部材6aは、それぞれ凸レンズ116R,及び凹レンズ117Rを、光軸上に移動自在に把持しており、これら凸レンズ116R,凹レンズ117Rは、それぞれ接続されるギア組118Rによってその間隔が変更可能である。
このような構成の接眼部107Rでは、前記比較部105とメモリ120Rから得られたモータ119Rの回転量に基づき、モータ制御装置121Rによる駆動制御により、モータ119Rを回転させ、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとの位置(間隔距離)を変更することにより、表示素子106R上に表示された観察画像の倍率を変更することが可能となる。
【0078】
また、前記接眼部107Lは、前記接眼部107Rと同様に構成されており、また作用についても同様である。
【0079】
なお、本実施の形態においては、上述したように観察倍率を変更するとともに、図7に示すミラー部115を回転させ、輻輳角とピント位置を調整するように構成しても良い。
【0080】
また、メモリ110R,110Lに予め記憶される基準画像は、手術用の糸や、観察対象の血管や神経を示す画像データであっても良い。
【0081】
また、前記接眼部107R,107L内部の凸レンズ116R,116L、凹レンズ117R,117Lが駆動する代わりに、表示素子106R,106Lが観察者の両眼に近づくように移動可能に構成しても良い。
【0082】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図5乃至図8を参照しながら詳細に説明する。なお、説明簡略化のために右映像における作用について説明するが、勿論左映像における作用についても同様である。
【0083】
いま、術者が図5に示す立体内視鏡装置101を用いて、体腔内の観察部位の手術を行いながら観察部位の観察画像を観察するものとする。
【0084】
すると、立体内視鏡103にて、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像が得られ、その光学像が撮影手段CCD102R,102Lにより撮像(結像)され、その後、これら視差の異なる撮像信号がCCU104R,104Lに供給される。
【0085】
そして、CCU104Rにおいて、図6に示すように、映像信号変換部114Rによって、メモリ110Rより読み出されたCCD102Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し表示装置108の右映像用表示素子106Rに出力される。
【0086】
その後、表示装置108では、右映像用表示素子106Rに表示された観察画像は、ミラー部115の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、右接眼部107Rに導かれることになる。左映像用表示素子106Lについても同様に作用する。つまり、観察者は、これら左接眼部107R及び左接眼部107Lに、両眼を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部107R,107Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0087】
一方、CCU104Rにおいて、前記画像認識部112Rによって、前記メモリ111Rに記録された画像データと前記メモリ110Rに記憶されているCCD102Rからの撮像データとで比較されて相関が求められ、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部113Rによって、画像認識部112Rで得られた手術用の針の大きさが、メモリ110Rのアドレス情報を用いることによって算出される。
【0088】
その後、この大きさ算出部12Rにより算出された算出結果は、比較部105Rによって、他方のCCU104Lの大きさ算出113Lからの算出結果とで比較され、比較結果、すなわち、右用観察画像における手術用の針の大きさと、左用観察画像における手術用の針の大きさとの差分情報が得られ、これが左右のモータ制御装置109R,109Lに供給される。
そして、モータ制御装置109Rは、前記比較部105からの比較結果とメモリ120Rに記憶されたデータとに基づき得られた回転量となるようにモータ119Rの回転を駆動制御し、このモータ119Rと連結するギア部118Rを駆動させることで、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとの位置(間隔距離)を変更する。これにより、右映像用表示素子106R上に表示された観察画像の大きさを、左映像用表示素子106L上に表示された観察画像の大きさと同じになるように自動的に変更することができる。
【0089】
例えば、広角、あるいは望遠となる倍率となったときの動作例が図8(a),図8(b)に示されている。
【0090】
比較部105からの比較結果とメモリ120Rとのデータとの関係が広角の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置121Rは、図8(a)に示すように、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとを所定の幅広の間隔で且つ、光軸上の接眼部107Rの中央近傍に配されるようにモータ119Rの回転を制御する。これにより、倍率が広角に変更された右側観察画像となり、つまり、右側観察画像を縮小させることで、左側観察画像と同じ大きさで違和感なく観察することができる。
【0091】
一方、比較部105からの比較結果とメモリ120Rとのデータとの関係が望遠の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置121Rは、図8(b)に示すように、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとを所定の幅狭の間隔で且つ、光軸上の接眼部107Rの後端側(観察する方向とは逆側)近傍に配されるようにモータ119Rの回転を制御する。これにより、倍率が望遠となり、つまり、右側観察画像を大きく拡大させることで、左側観察画像と同じ大きさで違和感なく観察することができる。
なお、CCU104L,右映像用表示素子106L,接眼部107Lに伴う左映像についても同様に作用する。
【0092】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、左右別々に被写体の観察画像の大きさ判別を行い、この判別結果に基づき、接眼部内における光学系の倍率変更制御を行うことで、左右で観察される観察画像を同じ大きさにでき、左右の観察画像の大きさによるずれを解消することができ、違和感無く、良好な立体視を行うことが可能となる。他の効果については前記第1の実施の形態と同様である。
【0093】
なお、本発明の係る前記第1,第2の実施の形態においては、左右の接眼部が観察者の眼幅に合わせて自在に調節できるように、表示装置に対して移動自在に構成しても良い。
【0094】
また、本発明は上記第1,第2の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲での応用や組み合わせも適用される。
【0095】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0096】
(1) 被写体を視差を持った左右の被写体像としてそれぞれ撮像する一対の第1,第2の撮像手段を有する内視鏡と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号をそれぞれ記憶する第1,第2の記憶手段と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号に処理を施して映像信号に変換する第1,第2の処理手段と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された被写体の大きさをそれぞれ算出する第1,第2の算出手段と、
前記第1,第2の算出手段により算出された被写体の大きさを、基準となる画像の大きさとそれぞれ比較する第1,第2の比較手段と、
前記第1の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第1の表示部と、前記第2の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第2の表示部とを有し、これら第1,第2の表示部が左右併設された表示手段と、
前記表示手段に設けられ、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の倍率を可変する第1,第2の変倍光学系と、
前記第1,第2の変倍光学系を駆動する第1,第2の駆動手段と、
前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを変更させるように前記第1,第2の駆動手段を制御する第1,第2の制御手段と、
を具備したことを特徴とする立体内視鏡装置。
【0097】
(2) 前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを拡大させるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とする(1)に記載の立体内視鏡装置。
【0098】
(3) 前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさが略同じ大きさとなるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とする(1)に記載の立体内視鏡装置。
【0099】
(4) 前記基準となる画像は、被写体としての手術用の糸、あるいは観察対象の血管や神経を示す画像であり、この画像データを予め記憶した第3,第4の記憶手段を具備したことを特徴とする(1)に記載の立体内視鏡装置。
【0100】
(5) 前記表示手段は、前記第1,第2の表示部と、これら第1,第2の表示部に表示された被写体像を観察者の両眼によって観察するための一対の第1,第2の接眼部と、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像を前記第1,第2の接眼部に導くための第1,第2のミラー光学系とを含み、前記第1,第2の変倍光学系及び前記第1,第2の駆動手段は、前記第1,第2の接眼部内に設けられて構成したことを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の立体内視鏡装置。
【0101】
(6) 前記第1,第2の接眼部は、観察者の眼幅に合わせてスライド調整可能に前記表示手段に設けられていることを特徴とする(5)に記載の立体内視鏡装置。
【0102】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、内視鏡本体を大きくすること無く、簡単かつ観察者が一人で観察部位を拡大することができ、観察される映像が左右同じ大きさに調整され、違和感の少ない良好な立体画像を得ることのできる立体内視鏡装置の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る立体内視鏡装置の第1の実施の形態を示し、該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図。
【図2】図1のCCUの具体的な構成を示す構成図。
【図3】図1の表示装置の具体的な構成を示す構成図。
【図4】図1の接眼部の具体的な構成を示す構成図。
【図5】本発明に係る立体内視鏡装置の第2の実施の形態を示し、該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図。
【図6】図5のCCUの具体的な構成及び比較部との接続構成を示す構成図。
【図7】図5の表示装置の具体的な構成を示す構成図。
【図8】図5の接眼部の具体的な構成を示す構成図。
【符号の説明】
1…立体内視鏡装置、
2R,2L…撮像手段、
3…立体内視鏡、
4R,4L…CCU(カメラコントロールユニット)、
5R,5L…表示素子、
6R,6L…接眼部、
6a…把持部材、
7…表示装置、
7a…反射部材、
8R,8L…制御装置、
9R,9L…メモリ(撮像信号用)、
10R,10L…メモリ(基準画像用)、
11R.11L…画像認識部、
12R,12L…大きさ算出部、
13R,13L…メモリ(閾値用)、
14R,14L…比較部、
15…ミラー部、
17R,17L…凸レンズ、
18R,18L…凹レンズ、
19R,19L…ギア組、
20R,20L…モータ、
21R,21L…メモリ、
22R,22L…モータ制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体を撮像し、この撮像した被写体像を立体的に観察可能な立体内視鏡装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、細長の挿入部を体腔内に挿入して、直接目視できない被検部位を観察することのできる内視鏡装置が広く用いられている。
【0003】
また、近年では、通常の内視鏡装置では、被検部位を遠近感のない平面としてしか見ることができないため、複数の観察光学系を並列に設け、これらの光学系の光軸がなす幅輳角を設定して視差を持つように観察光学系を配置し、観察部位を立体視することができようにして、例えば、体腔壁表面等の微細に凹凸等を観察することができ、内視鏡観察による診断や各種処置の効率を向上させた立体視内視鏡装置も数多く提案されている。
【0004】
この種の関連技術としては、例えば特開平10−174673号公報に記載の内視鏡装置や、特開平9−127435号公報に記載の立体視内視鏡撮像装置、あるいは、特開2002−85330号公報に記載の立体視内視鏡装置などがある。
【0005】
前記特開平10−174673号公報に記載の内視鏡装置は、結像手段内に介設され、観察光学系の軸方向に対して入射光の角度を変化させる入射角変化要素と、この入射角変更要素による入射光の角度の変化量を制御する制御手段とを備え、上記入射角変更要素によって撮像手段に結像される内視鏡像の位置を変換させることで、上記撮像手段によって観察される内視鏡像の領域を可変させる内視鏡移動手段を設けて構成したことが特徴である。
【0006】
この構成により、3CCDカメラやHDTVカメラや、可視光外(赤外線・紫外線)カメラなどの大型で重量の大きい撮像手段を用いた視野変換カメラの小型化を実現する目的を達成しようとしている。
【0007】
また、前記特開平9−127435号公報に記載の立体視内視鏡撮像装置は、内視鏡に対して着脱自在に構成され、視差を持った左右の被写体像をそれぞれ結像する一対の結像光学系と、この結像光学系により撮像された被写体像を撮像する撮像手段とを有する立体視内視鏡撮像装置において、前記結像光学系を、円筒上のレンズに対して光路に不要な周縁部分の少なくとも一部をカットして異形に形成したレンズを含んで構成したことが特徴である。
【0008】
この構成により、2組の結像光学系を備えた構成においても、小型で扱いやすく、且つ良好な画像を得ることが可能な立体視内視鏡撮像装置を得る目的を達成しようとしている。
【0009】
さらに、前記特開2002−85330号公報に記載の立体視内視鏡装置は、一対の撮像手段の撮像面に各々に視差が異なる一対の被写体像を結像させる光学系を有し、前記撮像手段により結像された一対の被写体像を交互に又は同時に表示して、立体画像を得る立体視内視鏡装置において、前記一対の被写体像の倍率を可変する変倍光学系し、前記一対の変倍光学系を駆動する駆動手段と、前記一対の被写体画像同士を比較する画像比較手段と、この画像比較手段の比較結果に基づき、前記一対の被写体像の大きさが略等しくなるように前記駆動手段を制御する変倍制御手段とを具備して構成したことが特徴である。
【0010】
この構成により、自動的に左右の変倍を等しくすることの可能な立体視内視鏡装置を得る目的を達成しようとしている。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−174673号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平9−127435号公報
【0013】
【特許文献3】
特開2002−85330号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平10−174673号公報及び特開平9−127435号公報を含む従来の立体視内視鏡撮像装置では、視差を得るために左右別々の光学系を有するため、立体視内視鏡撮像システムを構成する立体内視鏡が通常の内視鏡よりも大きなものになってしまう。また、内視鏡の映像を拡大するためには、ズーム用の光学系を内視鏡内部に装備していることから、さらに、内視鏡が大きくなってしまう。つまり、内視鏡が大きくなると、患者を処置するスペースが少なくなり、作業が難しくなる場合もある。
【0015】
また、立体視内視鏡装置において、ズーム機構を有していない構成の場合には、助手などによる手作業で内視鏡を観察部位に近づけなくてはならず、観察者が望む大きさにするためには、観察者と助手の息が合う必要があり、熟練を要することになり、簡単に観察部位の内視鏡映像を拡大することは困難である。
【0016】
また、観察する左右の映像の大きさが異なると、違和感を生じることがあるので、例えば前記特開2002−85330号公報に記載の立体視内視鏡に示すように、左右の映像が同じになるよう、内視鏡内部に光学系を持たせ、調整させる方式が開示されてはいるが、内視鏡自体が大きな物になってしまうといった問題点があった。
【0017】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、内視鏡本体を大きくすること無く、簡単かつ観察者が一人で観察部位を拡大することができ、観察される映像が左右同じ大きさに調整され、違和感の少ない良好な立体画像を得ることのできる立体内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の立体内視鏡装置は、被写体を視差を持った左右の被写体像としてそれぞれ撮像する一対の第1,第2の撮像手段を有する内視鏡と、前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号をそれぞれ記憶する第1,第2の記憶手段と、前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号に処理を施して映像信号に変換する第1,第2の処理手段と、前記第1,第2の撮像手段により撮像された被写体の大きさをそれぞれ算出する第1,第2の算出手段と、前記第1,第2の算出手段により算出された被写体の大きさを、基準となる画像の大きさとそれぞれ比較する第1,第2の比較手段と、前記第1の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第1の表示部と、前記第2の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第2の表示部とを有し、これら第1,第2の表示部が左右併設された表示手段と、前記表示手段に設けられ、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の倍率を可変する第1,第2の変倍光学系と、前記第1,第2の変倍光学系を駆動する第1,第2の駆動手段と、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを変更させるように前記第1,第2の駆動手段を制御する第1,第2の制御手段と、を具備したことを特徴とするものである。
【0019】
請求項2に記載の発明の立体内視鏡装置は、請求項1に記載の立体内視鏡装置において、前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを拡大させるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の立体内視鏡装置は、請求項1に記載の立体内視鏡装置において、前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさが略同じ大きさとなるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とするものである。
【0020】
この構成により、内視鏡本体を大きくすること無く、簡単かつ観察者が一人で観察部位を拡大することができ、観察される映像が左右同じ大きさに調整され、違和感の少ない良好な立体画像を得ることのできる立体内視鏡装置を実現する。
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
第1の実施の形態:
(構成)
図1乃至図4は本発明に係る立体内視鏡装置の第1の実施の形態を示し、図1は該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図であり、図2は図1のCCUの具体的な構成を示す構成図、図3は図1の表示装置の具体的な構成を示す構成図、図4は図1の接眼部の具体的な構成を示す構成図である。なお、図1中の表示装置においては、該装置を上側からみた状態を示している。
【0022】
本実施の形態の立体内視鏡装置1は、図1に示すように、体腔内に挿入され、先端に位置する観察部位の光学像を一定の視差を有す一対の撮像手段(CCDであり、以下CCDと称す)2R,2Lまで伝送する立体内視鏡3と、CCD2R,2Lで撮像された信号を映像信号に変換するための2台のカメラコントロールユニット(以下、CCUと称す)4R,4Lと、映像信号に基づく画像を表示する表示素子5R,5Lと、これら表示素子5R,5Lに表示された画像を観察者に目視させるための接眼部6R,6Lを有する表示装置7と、前記接眼部6R,6Lの各種駆動を制御する制御装置8R,8Lとを含んで構成されている。
【0023】
立体内視鏡3は、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像を得、その光学像を所定の寸法で左右一対に配された撮影手段CCD2R,2Lにより撮像(結像)し、それぞれ視差の異なる撮像信号をCCU4R,4Lに供給する。
【0024】
CCU4R,4Lは、供給された撮像信号に所定の処理を施して映像信号を得、後述する表示装置7の表示素子5R,5Lに供給して該映像信号に基づく画像を表示させると同時に、後述するが表示装置7を制御するための制御信号を生成する。
【0025】
次に、CCU4R,4Lの具体的な構成を図2を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図2に示すように、CCU4Rは、CCD2Rからの撮像信号が図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、変換された撮像データを記録するメモリ9Rと、基準画像として手術用の針の写真を複数の角度で撮影した画像データが予め記録されたメモリ10Rと、前記メモリ9Rより読み出されたCCD2Rからの撮像データを所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子5Rに出力する映像信号変換部15Rと、前記メモリ10Rに記録された画像データと前記メモリ9Rに記憶されているCCD2Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出する画像認識部11Rと、この画像認識部11Rで得られた手術用の針をメモリ9Rのアドレス情報より、手術用の針の大きさを算出する大きさ算出部12Rと、手術用の針の閾値を予め記録したメモリ13Rと、前記大きさ算出部12Rからの算出結果とメモリ13Rから読み出された閾値とを比較し比較結果を、後述するモータ制御装置22Rに出力する比較部14Rと、を含んで構成されている。
【0027】
このような構成のCCU4Rにおいては、映像信号変換部15Rによって、前記メモリ9Rより読み出されたCCD2Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子5Rに出力される。
【0028】
同時に、前記画像認識部11Rによって、前記メモリ10Rに記録された画像データと前記メモリ9Rに記憶されているCCD2Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部12Rによって、画像認識部11Rで得られた手術用の針の大きさをメモリ9Rのアドレス情報を用いて算出し、そして、比較部14Rによって、この大きさ算出部12Rの算出結果とメモリ13Rから読み出された手術用の針の閾値とが比較され、比較結果が得られる。
【0029】
すなわち、実際の撮像画像から得られた手術用の針の大きさと、針の閾値との差分情報を得ることができ、これを後述する表示装置7内の光学系の拡大/縮小機構を駆動制御するモータ制御装置22Rに対する制御信号として用いるようにする。
【0030】
前記CCU4Lの構成及び作用についても、図2に示すCCU4Rの構成及び作用と同様である。
【0031】
次に、表示装置7の具体的な構成を図3を参照しながら詳細に説明する。なお、図3は該表示装置を上側からみた図である。
【0032】
図3に示すように、表示装置7は、本体の背面側に所定の間隔で左右に配された一対の左映像用表示素子5L及び右映像用表示素子5Rと、本体の正面側(観察者側)に所定の眼幅となるように左右に配された一対の左接眼部6L及び右接眼部6Rとを有して構成されている。
【0033】
また、表示装置7内部には、図に示すように、左映像用表示素子5Lが左接眼部6Lにより観察され、右映像用表示素子5Rが右接眼部6Rより観察される様、反射部材7aを有する一対のミラー部16を設けている。なお、ミラー部16の代わりに、仕切り板を本体中央部に設けて右接眼部6Rから左映像用表示素子5Lを見えないようにし、左接眼部6Lから右映像用表示素子5Rを見えないように構成しても良い。
【0034】
したがって、上記構成の表示装置7では、左映像用表示素子5Lに表示された観察画像は、一方のミラー部16の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、左接眼部6Lに導かれることになる。一方、右映像用表示素子5Rに表示された観察画像は、他方のミラー部16の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の他方の面に反射されることによって、右接眼部6Rに導かれることになる。
【0035】
つまり、観察者は、これら左接眼部6R及び左接眼部6Lに、両眼50を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部6R,6Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0036】
また、1つの表示素子と、接眼部に液晶シャッターを備え、左右の画像を交互に観察させる時分割方式や、1つの表示素子の1ライン毎に偏光方向の異なる偏光板を貼り付け、接眼部に偏光板を備え、左右の画像を左右の目で別々に観察させる方式など、従来から行われている立体用の表示手段を組み込んでも良い。
【0037】
次に、接眼部6Rの具体的な構成及びこれを制御する制御装置8Rの構成について図4を参照しながら詳細に説明する。
【0038】
図4に示すように、接眼部6Rは、把持部材6aに把持された凸レンズ17Rと、この凸レンズ17Rの光軸上に配され、前記把持部材6aに把持された凹レンズ18Rと、これら凸レンズ17R,凹レンズ14Rとの間隔距離をモータ20Rの回転動力を用いて変更するためのギア組19Rと、このギア組18Rに動力を伝達するための動力発生手段であるモータ20Rと、を含んで構成されており、図1に示す制御装置8Rは、前記CCU4R内の比較部14Rからの比較結果と前記モータ20Rの回転量の関係を予め測定して記憶したメモリ21Rと、前記比較部14Rからの比較結果(制御信号)とメモリ21Rからの記憶データに基づき前記モータ20Rの回転駆動を制御するモータ制御部22Rとを含んで構成されている。
【0039】
なお、図中には、ギア組19R,モータ20R等が、接眼部6Rの外部に配されたように示されているが、これらの構成部材は前記表示装置7内に収容されており、該接眼部6Rの外部には露出しないようになっている。
【0040】
把持部材6aは、それぞれ凸レンズ17R,及び凹レンズ18Rを、光軸上に移動自在に把持しており、これら凸レンズ17R,凹レンズ18Rは、それぞれ接続されるギア組19Rによってその間隔が変更可能である。
このような構成の接眼部6Rでは、前記比較部14Rとメモリ21Rから得られたモータ20Rの回転量をモータ制御装置22Rによる駆動制御により、モータ20Rを回転させ、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとの位置(間隔距離)を変更することにより、表示素子5R上に表示された観察画像の倍率を変更することが可能となる。
【0041】
また、前記接眼部6Lは、前記接眼部6Rと同様に構成されており、また作用についても同様である。
【0042】
なお、本実施の形態においては、上述したように観察倍率を変更するとともに、図3に示すミラー部16を回転させ、輻輳角とピント位置を調整するように構成しても良い。
【0043】
また、メモリ10R,10Lに予め記憶される基準画像は、手術用の糸や、観察対象の血管や神経を示す画像データであっても良い。
【0044】
また、前記接眼部6R,6L内部の凸レンズ17R,17L、凹レンズ18R,18Lが駆動する代わりに、表示素子5R,5Lが観察者の両眼に近づくように移動可能に構成しても良い。
【0045】
さらに、観察者の意思で、観察画像の拡大/縮小を行うことができるように手動の切り替えスイッチを設け、該切り替えスイッチの動作にあわせ、接眼部6R,6Lの凸レンズ17R,17L、凹レンズ18R,18Lが駆動し、観察者の所望の表示サイズに拡大できる様に駆動制御可能な構成としても良い。
【0046】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。なお、説明簡略化のために右映像における作用について説明するが、勿論左映像における作用についても同様である。
【0047】
いま、術者が図1に示す立体内視鏡装置1を用いて、体腔内の観察部位の手術を行いながら観察部位の観察画像を観察するものとする。
【0048】
すると、立体内視鏡3にて、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像が得られ、その光学像が撮影手段CCD2R,2Lにより撮像(結像)され、その後、これら視差の異なる撮像信号がCCU4R,4Lに供給される。
【0049】
そして、CCU4Rにおいて、図2に示すように、映像信号変換部15Rによって、メモリ9Rより読み出されたCCD2Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し表示装置7の右映像用表示素子5Rに出力される。
【0050】
その後、表示装置7では、右映像用表示素子5Rに表示された観察画像は、他方のミラー部16の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、右接眼部6Rに導かれることになる。左映像用表示素子5Lについても同様に作用する。つまり、観察者は、これら左接眼部6R及び左接眼部6Lに、両眼を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部6R,6Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0051】
一方、CCU4Rにおいて、前記画像認識部11Rによって、前記メモリ10Rに記録された画像データと前記メモリ9Rに記憶されているCCD2Rからの撮像データとで比較されて相関が求められ、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部12Rによって、画像認識部11Rで得られた手術用の針の大きさが、メモリ9Rのアドレス情報を用いることによって算出される。
【0052】
その後、この大きさ算出部12Rにより算出された算出結果は、比較部14Rによって、メモリ13Rから読み出された手術用の針の閾値とで比較され、比較結果、すなわち、実際の撮像画像から得られた手術用の針の大きさと、針の閾値との差分情報が得られ、これがモータ制御装置22Rに供給される。
そして、このモータ制御装置22Rは、前記比較部14Rからの比較結果とメモリ21Rに記憶されたデータとに基づき得られた回転量となるようにモータ20Rの回転を駆動制御し、このモータ20Rと連結するギア部19Rを駆動させることで、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとの位置(間隔距離)を変更する。これにより、表示素子5R上に表示された観察画像の倍率を自動的に変更することができる。
【0053】
例えば、広角、あるいは望遠となる倍率となったときの動作例が図4(a),図4(b)に示されている。
【0054】
比較部14Rからの比較結果とメモリ21Rとのデータとの関係が広角の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置22Rは、図4(a)に示すように、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとを所定の幅広の間隔で且つ、光軸上の接眼部6Rの中央近傍に配されるようにモータ20Rの回転を制御する。これにより、倍率が広角に変更された観察画像、つまり、観察画像を縮小させて観察することができる。
【0055】
一方、比較部14Rからの比較結果とメモリ21Rとのデータとの関係が望遠の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置22Rは、図4(b)に示すように、凸レンズ17Rと凹レンズ18Rとを所定の幅狭の間隔で且つ、光軸上の接眼部6Rの後端側(観察する方向とは逆側)近傍に配されるようにモータ20Rの回転を制御する。これにより、倍率が望遠となり、つまり、観察画像を大きく拡大させて観察することができる。
なお、CCU4L,右映像用表示素子5L,接眼部6Lに伴う左映像についても同様に作用する。
【0056】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、手術中観察したい手術用の針を検出して自動的に観察画像を拡大表示させることができるので、観察し易くなる。また、視差のある左右の観察画像が接眼部6L,6Rを介して導かれるので、該観察画像を立体的に観察することができ、また拡大されることで、奥行きが判別し易くなり、観察性能の向上化に大きく寄与する。さらに、立体内視鏡3にはズーム光学系が不要であることから、該立体内視鏡3の小型化を図ることができる。
【0057】
第2の実施の形態:
(構成)
図5乃至図8は本発明に係る立体内視鏡装置の第2の実施の形態を示し、図5は該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図であり、図6は図5のCCUの具体的な構成及び比較部との接続構成を示す構成図、図7は図5の表示装置の具体的な構成を示す構成図、図8は図5の接眼部の具体的な構成を示す構成図である。なお、図5中の表示装置においては、該装置を上側からみた状態を示している。
【0058】
本実施の形態の立体内視鏡装置101は、略前記第1の実施の形態と同様に、図5に示すように、体腔内に挿入され、先端に位置する観察部位の光学像を一定の視差を有す一対のCCD102R,CCD102Lまで伝送する立体内視鏡103と、CCD102R,102Lで撮像された信号を映像信号に変換するための2台のCCU104R,104Lと、CCU104R,104Lからの検出された信号を比較する比較部105と、映像信号に基づく画像を表示する表示素子106R,106Lと、これら表示素子106R,106Lに表示された画像を観察者に目視させるための接眼部107R,107Lを有する表示装置108と、前記接眼部107R,107Lの各種駆動を制御する制御装置109R,109Lとを含んで構成されている。
【0059】
立体内視鏡103は、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像を得、その光学像を所定の寸法で左右一対に配された撮影手段CCD102R,102Lにより撮像(結像)し、それぞれ視差の異なる撮像信号をCCU104R,1044L及び比較部105に供給する。
【0060】
CCU104R,104Lは、供給された撮像信号に所定の処理を施して映像信号を得、後述する表示装置108の表示素子106R,106Lに供給して該映像信号に基づく画像を表示させると同時に、後述するが表示装置108を制御するための制御信号を生成し比較部105に出力する。
【0061】
次に、CCU104R,104Lの具体的な構成及び比較部との接続構成を図6を参照しながら詳細に説明する。
【0062】
図6に示すように、CCU104Rは、CCD102Rからの撮像信号が図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、変換された撮像データを記録するメモリ110Rと、基準画像として手術用の針の写真を複数の角度で撮影した画像データが予め記録されたメモリ111Rと、前記メモリ110Rより読み出されたCCD102Rからの撮像データを所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子106Rに出力する映像信号変換部114Rと、前記メモリ111Rに記録された画像データと前記メモリ110Rに記憶されているCCD102Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出する画像認識部112Rと、この画像認識部112Rで得られた手術用の針をメモリ110Rのアドレス情報より、手術用の針の大きさを算出し、算出結果を比較部105に出力する大きさ算出部113Rと、を含んで構成されている。
【0063】
前記比較部105は、CCU104Rの大きさ算出部113Rからの算出結果と、CCU104Lの大きさ算出113Lからの算出結果とが入力され、これらの算出結果を比較し比較結果を、後述するモータ制御装置121R,121Lにそれぞれ出力する。
【0064】
このような構成のCCU4Rにおいては、映像信号変換部114Rによって、前記メモリ111Rより読み出されたCCD102Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し右映像用表示素子106Rに出力される。
【0065】
同時に、前記画像認識部112Rによって、前記メモリ111Rに記録された画像データと前記メモリ110Rに記憶されているCCD102Rからの撮像データとを比較し相関を求め、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部112Rによって、画像認識部112Rで得られた手術用の針の大きさをメモリ110Rのアドレス情報を用いて算出し比較部105に供給する。そして、比較部105Rによって、このCCU104Rの大きさ算出部113Rからの算出結果と、他方のCCU104Lの大きさ算出113Lからの算出結果とが比較され、比較結果が得られる。
【0066】
すなわち、実際の撮像画像から得られた右用観察画像における手術用の針の大きさと、左用観察画像における手術用の針の大きさとの差分情報を得ることができ、これを後述する表示装置108内の左右の光学系の拡大/縮小機構を駆動制御するモータ制御装置22Rに対する制御信号として用いるようにする。
【0067】
前記CCU104Lの構成及び作用についても、図6に示すCCU104Rの構成及び作用と同様である。
【0068】
次に、表示装置108の具体的な構成を図7を参照しながら詳細に説明する。なお、図7は該表示装置を上側からみた図である。
【0069】
図7に示すように、表示装置108は、前記第1の実施の形態と同様に本体の背面側に所定の間隔で左右に配された一対の左映像用表示素子106L及び右映像用表示素子106Rと、本体の正面側(観察者側)に所定の眼幅となるように左右に配された一対の左接眼部107L及び右接眼部107Rとを有して構成されている。
【0070】
また、表示装置108内部には、図に示すように、左映像用表示素子106Lが左接眼部107Lにより観察され、右映像用表示素子106Rが右接眼部107Rより観察される様、反射部材7aを有する一対のミラー部115を設けている。なお、ミラー部115の代わりに、仕切り板を本体中央部に設けて右接眼部107Rから左映像用表示素子106Lを見えないようにし、左接眼部107Lから右映像用表示素子106Rを見えないように構成しても良い。
【0071】
したがって、上記構成の表示装置108では、左映像用表示素子106Lに表示された観察画像は、一方のミラー部115の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、左接眼部107Lに導かれることになる。一方、右映像用表示素子106Rに表示された観察画像は、他方のミラー部115の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の他方の面に反射されることによって、右接眼部107Rに導かれることになる。
【0072】
つまり、観察者は、これら左接眼部107R及び左接眼部107Lに、両眼50を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部107R,107Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0073】
また、1つの表示素子と、接眼部に液晶シャッターを備え、左右の画像を交互に観察させる時分割方式や、1つの表示素子の1ライン毎に偏光方向の異なる偏光板を貼り付け、接眼部に偏光板を備え、左右の画像を左右の目で別々に観察させる方式など、従来から行われている立体用の表示手段を組み込んでも良い。
【0074】
次に、接眼部107Rの具体的な構成及びこれを制御する制御装置109Rの構成について図8を参照しながら詳細に説明する。
【0075】
図8に示すように、接眼部107Rは、把持部材6aに把持された凸レンズ116Rと、この凸レンズ116Rの光軸上に配され、前記把持部材6aに把持された凹レンズ117Rと、これら凸レンズ116R,凹レンズ117Rとの間隔距離をモータ119Rの回転動力を用いて変更するためのギア組118Rと、このギア組118Rに動力を伝達するための動力発生手段であるモータ119Rと、を含んで構成されており、図5に示す制御装置109Rは、比較部105からの比較結果とモータ119Rの回転量の関係を予め測定して記憶したメモリ120Rと、前記比較部105からの比較結果(制御信号)とメモリ120Rからの記憶データに基づきモータ119Rの回転駆動を制御するモータ制御部121Rとを含んで構成されている。
【0076】
なお、図中には、ギア組118R,モータ119R等は、接眼部107Rの外部に配されたように示されているが、これらの構成部材は前記表示装置108内に収容されており、該接眼部107Rの外部には露出しないようになっている。
【0077】
把持部材6aは、それぞれ凸レンズ116R,及び凹レンズ117Rを、光軸上に移動自在に把持しており、これら凸レンズ116R,凹レンズ117Rは、それぞれ接続されるギア組118Rによってその間隔が変更可能である。
このような構成の接眼部107Rでは、前記比較部105とメモリ120Rから得られたモータ119Rの回転量に基づき、モータ制御装置121Rによる駆動制御により、モータ119Rを回転させ、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとの位置(間隔距離)を変更することにより、表示素子106R上に表示された観察画像の倍率を変更することが可能となる。
【0078】
また、前記接眼部107Lは、前記接眼部107Rと同様に構成されており、また作用についても同様である。
【0079】
なお、本実施の形態においては、上述したように観察倍率を変更するとともに、図7に示すミラー部115を回転させ、輻輳角とピント位置を調整するように構成しても良い。
【0080】
また、メモリ110R,110Lに予め記憶される基準画像は、手術用の糸や、観察対象の血管や神経を示す画像データであっても良い。
【0081】
また、前記接眼部107R,107L内部の凸レンズ116R,116L、凹レンズ117R,117Lが駆動する代わりに、表示素子106R,106Lが観察者の両眼に近づくように移動可能に構成しても良い。
【0082】
(作用)
次に、本実施の形態の特徴となる作用を図5乃至図8を参照しながら詳細に説明する。なお、説明簡略化のために右映像における作用について説明するが、勿論左映像における作用についても同様である。
【0083】
いま、術者が図5に示す立体内視鏡装置101を用いて、体腔内の観察部位の手術を行いながら観察部位の観察画像を観察するものとする。
【0084】
すると、立体内視鏡103にて、先端部に配される観察光学系によって観察部位の光学像が得られ、その光学像が撮影手段CCD102R,102Lにより撮像(結像)され、その後、これら視差の異なる撮像信号がCCU104R,104Lに供給される。
【0085】
そして、CCU104Rにおいて、図6に示すように、映像信号変換部114Rによって、メモリ110Rより読み出されたCCD102Rからの撮像データに所定の信号処理を施して映像信号に変換し表示装置108の右映像用表示素子106Rに出力される。
【0086】
その後、表示装置108では、右映像用表示素子106Rに表示された観察画像は、ミラー部115の反射面によって反射された後、反射部材7aの二つの反射面の一方の面に反射されることによって、右接眼部107Rに導かれることになる。左映像用表示素子106Lについても同様に作用する。つまり、観察者は、これら左接眼部107R及び左接眼部107Lに、両眼を当てた状態で同時に見ることにより、双方の接眼部107R,107Lに導かれた観察画像が視差を持つ画像であることから、この観察画像を立体的に観察することができることになる。
【0087】
一方、CCU104Rにおいて、前記画像認識部112Rによって、前記メモリ111Rに記録された画像データと前記メモリ110Rに記憶されているCCD102Rからの撮像データとで比較されて相関が求められ、得られた映像信号から手術用の針を検出し、その後、大きさ算出部113Rによって、画像認識部112Rで得られた手術用の針の大きさが、メモリ110Rのアドレス情報を用いることによって算出される。
【0088】
その後、この大きさ算出部12Rにより算出された算出結果は、比較部105Rによって、他方のCCU104Lの大きさ算出113Lからの算出結果とで比較され、比較結果、すなわち、右用観察画像における手術用の針の大きさと、左用観察画像における手術用の針の大きさとの差分情報が得られ、これが左右のモータ制御装置109R,109Lに供給される。
そして、モータ制御装置109Rは、前記比較部105からの比較結果とメモリ120Rに記憶されたデータとに基づき得られた回転量となるようにモータ119Rの回転を駆動制御し、このモータ119Rと連結するギア部118Rを駆動させることで、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとの位置(間隔距離)を変更する。これにより、右映像用表示素子106R上に表示された観察画像の大きさを、左映像用表示素子106L上に表示された観察画像の大きさと同じになるように自動的に変更することができる。
【0089】
例えば、広角、あるいは望遠となる倍率となったときの動作例が図8(a),図8(b)に示されている。
【0090】
比較部105からの比較結果とメモリ120Rとのデータとの関係が広角の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置121Rは、図8(a)に示すように、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとを所定の幅広の間隔で且つ、光軸上の接眼部107Rの中央近傍に配されるようにモータ119Rの回転を制御する。これにより、倍率が広角に変更された右側観察画像となり、つまり、右側観察画像を縮小させることで、左側観察画像と同じ大きさで違和感なく観察することができる。
【0091】
一方、比較部105からの比較結果とメモリ120Rとのデータとの関係が望遠の倍率となるものであったとすると、モータ制御装置121Rは、図8(b)に示すように、凸レンズ116Rと凹レンズ117Rとを所定の幅狭の間隔で且つ、光軸上の接眼部107Rの後端側(観察する方向とは逆側)近傍に配されるようにモータ119Rの回転を制御する。これにより、倍率が望遠となり、つまり、右側観察画像を大きく拡大させることで、左側観察画像と同じ大きさで違和感なく観察することができる。
なお、CCU104L,右映像用表示素子106L,接眼部107Lに伴う左映像についても同様に作用する。
【0092】
(効果)
したがって、本実施の形態によれば、左右別々に被写体の観察画像の大きさ判別を行い、この判別結果に基づき、接眼部内における光学系の倍率変更制御を行うことで、左右で観察される観察画像を同じ大きさにでき、左右の観察画像の大きさによるずれを解消することができ、違和感無く、良好な立体視を行うことが可能となる。他の効果については前記第1の実施の形態と同様である。
【0093】
なお、本発明の係る前記第1,第2の実施の形態においては、左右の接眼部が観察者の眼幅に合わせて自在に調節できるように、表示装置に対して移動自在に構成しても良い。
【0094】
また、本発明は上記第1,第2の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲での応用や組み合わせも適用される。
【0095】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0096】
(1) 被写体を視差を持った左右の被写体像としてそれぞれ撮像する一対の第1,第2の撮像手段を有する内視鏡と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号をそれぞれ記憶する第1,第2の記憶手段と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号に処理を施して映像信号に変換する第1,第2の処理手段と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された被写体の大きさをそれぞれ算出する第1,第2の算出手段と、
前記第1,第2の算出手段により算出された被写体の大きさを、基準となる画像の大きさとそれぞれ比較する第1,第2の比較手段と、
前記第1の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第1の表示部と、前記第2の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第2の表示部とを有し、これら第1,第2の表示部が左右併設された表示手段と、
前記表示手段に設けられ、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の倍率を可変する第1,第2の変倍光学系と、
前記第1,第2の変倍光学系を駆動する第1,第2の駆動手段と、
前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを変更させるように前記第1,第2の駆動手段を制御する第1,第2の制御手段と、
を具備したことを特徴とする立体内視鏡装置。
【0097】
(2) 前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを拡大させるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とする(1)に記載の立体内視鏡装置。
【0098】
(3) 前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさが略同じ大きさとなるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とする(1)に記載の立体内視鏡装置。
【0099】
(4) 前記基準となる画像は、被写体としての手術用の糸、あるいは観察対象の血管や神経を示す画像であり、この画像データを予め記憶した第3,第4の記憶手段を具備したことを特徴とする(1)に記載の立体内視鏡装置。
【0100】
(5) 前記表示手段は、前記第1,第2の表示部と、これら第1,第2の表示部に表示された被写体像を観察者の両眼によって観察するための一対の第1,第2の接眼部と、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像を前記第1,第2の接眼部に導くための第1,第2のミラー光学系とを含み、前記第1,第2の変倍光学系及び前記第1,第2の駆動手段は、前記第1,第2の接眼部内に設けられて構成したことを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の立体内視鏡装置。
【0101】
(6) 前記第1,第2の接眼部は、観察者の眼幅に合わせてスライド調整可能に前記表示手段に設けられていることを特徴とする(5)に記載の立体内視鏡装置。
【0102】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、内視鏡本体を大きくすること無く、簡単かつ観察者が一人で観察部位を拡大することができ、観察される映像が左右同じ大きさに調整され、違和感の少ない良好な立体画像を得ることのできる立体内視鏡装置の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る立体内視鏡装置の第1の実施の形態を示し、該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図。
【図2】図1のCCUの具体的な構成を示す構成図。
【図3】図1の表示装置の具体的な構成を示す構成図。
【図4】図1の接眼部の具体的な構成を示す構成図。
【図5】本発明に係る立体内視鏡装置の第2の実施の形態を示し、該立体内視鏡装置の全体構成を示す構成図。
【図6】図5のCCUの具体的な構成及び比較部との接続構成を示す構成図。
【図7】図5の表示装置の具体的な構成を示す構成図。
【図8】図5の接眼部の具体的な構成を示す構成図。
【符号の説明】
1…立体内視鏡装置、
2R,2L…撮像手段、
3…立体内視鏡、
4R,4L…CCU(カメラコントロールユニット)、
5R,5L…表示素子、
6R,6L…接眼部、
6a…把持部材、
7…表示装置、
7a…反射部材、
8R,8L…制御装置、
9R,9L…メモリ(撮像信号用)、
10R,10L…メモリ(基準画像用)、
11R.11L…画像認識部、
12R,12L…大きさ算出部、
13R,13L…メモリ(閾値用)、
14R,14L…比較部、
15…ミラー部、
17R,17L…凸レンズ、
18R,18L…凹レンズ、
19R,19L…ギア組、
20R,20L…モータ、
21R,21L…メモリ、
22R,22L…モータ制御装置。
Claims (3)
- 被写体を視差を持った左右の被写体像としてそれぞれ撮像する一対の第1,第2の撮像手段を有する内視鏡と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号をそれぞれ記憶する第1,第2の記憶手段と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された撮像信号に処理を施して映像信号に変換する第1,第2の処理手段と、
前記第1,第2の撮像手段により撮像された被写体の大きさをそれぞれ算出する第1,第2の算出手段と、
前記第1,第2の算出手段により算出された被写体の大きさを、基準となる画像の大きさとそれぞれ比較する第1,第2の比較手段と、
前記第1の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第1の表示部と、前記第2の撮像手段で撮像された被写体像を表示する第2の表示部とを有し、これら第1,第2の表示部が左右併設された表示手段と、
前記表示手段に設けられ、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の倍率を可変する第1,第2の変倍光学系と、
前記第1,第2の変倍光学系を駆動する第1,第2の駆動手段と、
前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを変更させるように前記第1,第2の駆動手段を制御する第1,第2の制御手段と、
を具備したことを特徴とする立体内視鏡装置。 - 前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさを拡大させるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の立体内視鏡装置。
- 前記第1,第2の制御手段は、前記第1,第2の比較手段からの比較結果に基づき、前記第1,第2の表示部に表示された被写体像の大きさが略同じ大きさとなるように前記第1,第2の駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の立体内視鏡装置。
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