JP2005039995A - 可撓性素子及びその用途 - Google Patents

可撓性素子及びその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP2005039995A
JP2005039995A JP2004189891A JP2004189891A JP2005039995A JP 2005039995 A JP2005039995 A JP 2005039995A JP 2004189891 A JP2004189891 A JP 2004189891A JP 2004189891 A JP2004189891 A JP 2004189891A JP 2005039995 A JP2005039995 A JP 2005039995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flexible element
exchange resin
ion exchange
element according
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004189891A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kato
健治 加藤
Minoru Nakayama
中山  実
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eamex Corp
Original Assignee
Eamex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eamex Corp filed Critical Eamex Corp
Priority to JP2004189891A priority Critical patent/JP2005039995A/ja
Publication of JP2005039995A publication Critical patent/JP2005039995A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】 機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であって、軽量であって可撓性を有する素子を得る。
【解決手段】 イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である可撓性素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成されたことを特徴とする該素子の変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子、または素子の変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子に関する。
力を直接電気信号に変換するものとしては、圧電セラミックスを用いた圧電素子が広く用いられている。圧電セラミックスは、セラミックスが応力または力を受けることで電荷を発生する圧電効果により、応力または力を電気信号に変換している。このような原理により、圧電素子は、圧電素子に与えられた力を電気エネルギーに変換し、発電部やセンサ装置の検出部などに用いられている。圧電セラミックスとしては、チタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が一般に用いられている。
圧電セラミックスを用いた圧電素子としては、可撓性を必要としない用途には、圧電セラミックスに金属電極を積層した材料が通常用いられている。一方、可撓性ケーブルなどの用途に対しては可撓性を有する圧電素子が用いられている。可撓性を有する圧電素子としては、チタンカップリング剤でコーティングされたPZTと塩素化ポリエチレンと含む圧電複合材料よりなる樹脂層上に金属電極層が形成された圧電素子が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2000−58940号公報(第2頁から第3頁)
これらの圧電セラミックスは、比重が重い。圧電セラミックスであるチタン酸バリウムが約5.7(10kg/m)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が約7.5(10kg/m)である。例えば、上記の可撓性を有する圧電素子の場合には、樹脂成分100gに対し、圧電セラミックス(PZT)を58.7容量%含む。そのため、可撓性を有する圧電素子は、バインダーである樹脂成分中に比重の重いセラミックス粉末を含み、更に金属電極をも備えているために、素子の比重は極めて重いものとなる。
また、圧電材料として圧電セラミックスを用いた場合には、衝撃により圧電複合材料内部のセラミックスが破壊されて、樹脂の劣化を招きやすい。そのため、前記圧電素子の場合には、耐湾曲性の向上を図っているが、チタンカップリング剤を用いて処理をするという特殊な処理を必要としている。そのため、特殊な処理を必要としない原料を用いて、耐衝撃性と耐久性とが良好な素子変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子を得ることができるならば望ましい。
また、前記の可撓性を有する圧電素子は、カテーテル等の湾曲駆動装置の先端部にセンサとして用いた場合には、湾曲等の大きな運動をすることが難しい。そのために、この圧電素子とは別に、進行方向を決める駆動部を先端部付近に取付ける必要があり、装置の構成が複雑になってしまう。装置の構成を簡単にし、狭い管内にも容易に挿入することができる湾曲駆動装置とするために、できることであれば、湾曲駆動装置の先端部にセンサと駆動部とを兼ね備えた素子を取付けることが望ましい。
本発明の目的は、機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であって、軽量であって可撓性を有する素子を得ることである。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成されたことを特徴とする該素子の変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子を用いることにより、前記イオン交換樹脂が含水状態であるために柔軟であり、しかも電極層と接する樹脂層には樹脂成分と水系液体成分とで構成されているために比重が2以下であり、軽量な圧電素子を容易に得ることができることを見出し、本発明に至った。
また、本発明者は、前記の素子変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子は、素子の変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子としても用いることができることを見出し、センサ機能と駆動機能との両方を兼ね備えた素子として、例えば湾曲駆動装置の先端部に用いるなど、種々の応用用途に用いることができることを見出し、本発明に至ったものである。
(可撓性素子)
本発明は、イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成されたことを特徴とする該素子の変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子である。前記可撓性素子は、イオン交換樹脂複合体中のイオン交換樹脂層が水で膨潤した状態において、電気エネルギーに変換する可撓性素子として機能する。
図1は、イオン交換樹脂層3が挟まれるように電極層2、2’を設けた場合における素子変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子の一実施態様例の断面図である。前記可撓性素子1は、前記イオン交換樹脂複合体に一方向から外力が加えられた場合には、図1(a)の静置状態から、図1(b)のように変形した状態となる。図1(b)の状態では、イオン交換樹脂層上に形成された2以上の電極のうち少なくとも一の電極層2が伸長し、他の電極層2’が収縮することとなる。前記イオン交換樹脂層の樹脂成分が陽イオン交換樹脂である場合には、電極層2が負極となり、電極層2’が正極となる。前記イオン交換樹脂層の樹脂成分が陰イオン交換樹脂である場合には、正極と負極は、その逆となる。
変形により電気エネルギーが発生する詳細なメカニズムについては明らかではないが、陽イオン交換樹脂を用いた場合、この変形において、イオン交換樹脂層中の水分子は、変形により伸びた側である電極層2側付近にイオン交換樹脂の体積膨張により水分子と対イオンが偏在しやすい。また、縮んだ側の電極層2’側付近ではイオン交換樹脂の体積収縮による水分子と対イオンが疎な状態となりやすい。このような偏在が生じるために、イオン交換樹脂内部で電荷の偏りが発生するためと考えられる。この電荷の偏りにより、電極層2’が正極となり、電極層2が負極となって、電荷は負極から正極へと移動する。電流は電極層2’から電極層2へと流れることになる。つまり前記可撓性素子は、電気化学的なイオン挙動により電気エネルギーを得るために、通常の圧電素子とは異なるものである。
図2は、本発明の可撓性素子の他の実施態様例の模式図である。図2において、素子変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子11は、イオン交換樹脂層13の両面に電極層12、12’を備えた構成をしている。電極層12、12’には、リードを介して公知の電圧計が取付けられている。図2の上方から、押圧部材14を用いて、電極層12に圧力が加えられている。この加圧により、可撓性素子11の1の電極層である電極層12が伸長して起電力が得られる。図2は、1の電極層が伸長した場合の実施態様例を示しているが、押圧ではなく引張りにより電極層が伸長しても良い。イオン交換樹脂層の両面に電極層が1つずつ設けられた場合であるが、レーザー照射等によりイオン交換樹脂層のいずれかの面若しくは両面に複数の電極層が形成された場合であっても、いずれかの一の電極層が伸長すれば、起電力を得ることができる。また、前記可撓性素子は、一の電極層が収縮した場合においても、電極層付近における電荷の偏りが発生するために起電力を得ることができる。
このような電荷の移動を電圧計により測定することができ、電荷の移動量は、可撓性素子に与えられた変位の大きさによって変化するため、得られた電圧の大小によって変位量を特定することができる。また、素子の弾性定数は一定なので、変位量から加えられた外力も計算することができる。
本発明の可撓性素子は、イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成されている。前記イオン交換樹脂複合体は、イオン交換樹脂層上に複数の電極層が形成されていればよい。前記電極層が対電極を形成できるように設けられていることにより、上記のように素子の変形により、電極層が負極及び正極となり、電気エネルギーが得られる。
前記電極層は、複数の電極がイオン交換樹脂層上に形成されて、電極対を形成できるように相互に絶縁されていればよく、イオン交換樹脂層の一方の面上に複数の電極が形成されていても良く、イオン交換樹脂層の一方の面と他方の面とに電極がそれぞれ形成されても良い。イオン交換樹脂層の両面に電極層が形成されている場合には、イオン交換樹脂層の一方の面だけに電極層が相互に絶縁された状態で複数形成されても良く、イオン交換樹脂層の両側とも電極層が複数形成されても良い。
前記イオン交換樹脂複合体は、公知の方法により得ることができる。例えば、イオン交換樹脂に無電解メッキをすることにより金属層を形成し、該金属層を電極層として用いることにより、前記イオン交換樹脂複合体を得ることができる。
前記無電解メッキとしては、例えば、粗面化処理を行った後に、水中に浸漬してイオン交換樹脂を膨潤させた状態で、イオン交換樹脂に白金錯体や金錯体等の金属錯体を吸着させる吸着工程を行い、次いで吸着された金属錯体を還元剤により還元させて金属を析出させる還元工程を行い、所望により還元剤を洗浄除去する洗浄工程を行う無電解メッキ方法を好適に用いることができる。この無電解メッキでは、電極である電極層を通電や湾曲をさせるのに充分な厚さとするために、吸着工程、還元工程及び洗浄工程を繰り返し行うことができる。このようにして得られたイオン交換樹脂複合体は、イオン交換樹脂の内部方向に電極層が成長して電極が形成され、イオン交換樹脂と電極層との界面において、電極層の断面がフラクタル状の構造を形成しているので、前記電極層と前記イオン交換樹脂層との界面で大きな電気二重層を持つことができる。更に、前記電極層がイオン交換樹脂層の内部方向にフラクタル状の構造を形成しているので、アンカー効果が働くために、前記イオン交換樹脂複合体は、繰り返し曲げても耐久性を有する。
前記イオン交換樹脂は、特に限定されるものではない。前記イオン交換樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知のイオン交換樹脂を用いることができ、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの親水性官能基を導入したものを用いることができる。このような樹脂としては、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂(商品名「Nafion」、DuPont社製)、パーフルオロカルボン酸樹脂(商品名「フレミオン」、旭硝子社製)、ACIPLEX(旭化成工業社製)、NEOSEPTA(トクヤマ社製)を用いることができる。
無電解メッキの吸着工程に用いられる金属錯体溶液は、還元されることにより形成される金属層が電極層として機能することができる金属の錯体を含むものであれば、特に限定されるものではない。前記金属錯体は、イオン化傾向の小さい金属が電気化学的に安定であるために金錯体、白金錯体、パラジウム錯体、ロジウム錯体、ルテニウム錯体等の金属錯体を使用することが好ましく、析出した金属が電極として水中で使用されるため、通電性が良好で電気化学的な安定性に富んだ貴金属からなる金属錯体が好ましく、さらに電気分解が比較的起こり難い金を含む金錯体が好ましい。前記金属塩溶液は、溶媒が特に限定されるものではないが、金属塩の溶解が容易であって取り扱いが容易であることから溶媒が水を主成分とすることが好ましく、前記金属塩溶液が金属塩水溶液であることが好ましい。したがって、前記金属錯体溶液としては、金属錯体水溶液であることが好ましく、特に金錯体水溶液または白金錯体水溶液であることが好ましく、さらに金錯体水溶液が好ましい。
無電解メッキの還元剤工程に用いられる還元剤としては、イオン交換樹脂に吸着される金属錯体溶液に使用される金属錯体の種類に応じて、種類を適宜選択して使用することができ、例えば亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等を用いることができる。なお、金属錯体を還元する際に、必要に応じて、酸またはアルカリを添加してもよい。前記還元剤溶液の濃度は、金属錯体の還元により析出させる金属量を得ることができるのに十分な量の還元剤を含んでいればよく、特に限定されるものではないが、通常の無電解メッキにより電極を形成する場合に用いられる金属塩溶液と同等の濃度を用いることも可能である。また、還元剤溶液中には、イオン交換樹脂の良溶媒を含むことができる。
前記の無電解メッキで得られたイオン交換樹脂層上の電極層を複数形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、イオン交換樹脂層上に形成された電極層に対してレーザー照射や鋭利な刃物を用いて金属層を部分的に切除して、互いに絶縁された金属層を形成してもよい。
本発明の可撓性素子は、形状が特に限定されることが無く、膜状のイオン交換樹脂に無電解メッキを行って膜状イオン交換樹脂複合体であっても良い。また、円筒状のイオン交換樹脂の内側面及び/又は外側面に電極層を形成し、レーザー照射等によって絶縁溝を設けて、相互に絶縁された状態の電極対を形成しうる複数の電極層を備えたイオン交換樹脂複合体を前記可撓性素子として用いても良い。また、前記可撓性素子は、十分な可撓性を有するために、前記膜状イオン交換樹脂複合体を筒状、箱状、短径、平板状、円柱状、角柱状、コイル状などの所望の形状に容易に成形することができる。そのため、本発明の可撓性素子は、成形性に優れている。
また、前記可撓性素子の形状が円筒状である場合には、円筒状のイオン交換樹脂層の同じ面上に相互に絶縁状態とされた状態で、2つ以上の電極層が配された可撓性素子とすることができる。円筒状である前記可撓性素子においては、360°の各方向からの感知を容易とするために3つ以上の電極層が配され配された可撓性素子であることがより好ましい。この可撓性素子は、円筒状のイオン交換樹脂層の同じ面上に2つ以上の電極層を備えているので、どの電極層から電荷が移動しているかを検知することで、どの方向から円筒状素子の外周に力が加わったかを容易に検知することができるのでセンサとして有用である。
本発明の可撓性素子を構成するイオン交換樹脂複合体は、厚さが特に限定されるものではないが、可撓性を容易に発揮できる厚さであることから、0.05mm以上であることが好ましく、0.05mm〜5mmであることがより好ましい。また、増幅器等の装置を用いることなく通常の電圧計により感知できるため、0.5mm以上であることが好ましい。
本発明の可撓性素子は、図1(b)の様な変形を電気エネルギーに変換する素子である。そのため、前記可撓性素子は、変形を容易にすることができる形状であることが好ましいために、前記イオン交換樹脂複合体の厚さに対する前記イオン交換樹脂複合体の面積の比が10(mm/mm)であることが好ましく、20(mm/mm)であることが更に好ましい。
本発明の可撓性素子は、上述のメカニズムのようにイオン交換樹脂層中の水分子は、変形により縮んだ側である電極層が正極となり、伸長した側の電極層が負極となって、電荷の移動が生じ、素子の変形を電気エネルギーに変換する。従って、本発明の可撓性素子は、イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である可撓性素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成され、2以上である複数の電極層のうち、少なくとも1の電極層の伸長し、及び/又は少なくとも1の電極層の収縮により、素子変形を電気エネルギーに変換する素子でもある。
前記可撓性素子は、イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体により形成されていれば、特に限定されるものではない。前記可撓性素子は、イオン交換樹脂複合体そのものであっても、イオン交換樹脂複合体の外側が部分的または全面に被覆層により覆われても良い。前記可撓性素子がイオン交換樹脂複合体であって、被複層が形成されていない場合には、前記可撓性素子を水中に浸漬して使用することができるので、水中でも使用可能な力学的センサとして好適である。また、前記可撓性素子が被複層を備えたイオン交換樹脂複合体である場合には、水中または高湿度環境下でなくてもイオン交換樹脂層の膨潤状態を容易に維持できるので、通常装置に組み込まれるセンサとして好適である。
本発明の可撓性素子は、イオンを含む溶液によりイオン交換樹脂が膨潤した状態である。前記イオンは、電荷のキャリアーとして機能し、特に限定されるものではない。前記イオン交換樹脂の樹脂成分が、陽イオン交換樹脂である場合には、前記のイオンを含む溶媒中に含まれる陽イオンとして、(C、(C(CH)N、(CHなどの炭素数が1〜4の範囲内であるアルキル基を有するテトラアルキルアンモニウムイオン、(Cなどのテトラアルキルホスホニウムイオン、H,Li、Na、K、Rb、Cs、Frなどの一価イオン、Cu2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Fe3+、Al2+、Al3+、Zn2+、Pb2+、Sn2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cr3+などの二価又は三価のイオンを使用することができる。特に、前記陽イオンは、2価の陽イオンであることが、一価の陽イオンに比べて大きな起電力を生じることができるので、好ましい。このことは、二価及び三価のイオンがイオン半径が小さいために電荷密度が高いことによるものと思われるが、例えば、前記イオンにNa+用いた場合と比較して、同じ濃度(0.5mol/L)のLiを用いた場合は、起電力がNa+の場合の2.8倍となる。同様に、前記イオンとしてMg2+またはNi2+を用いた場合は起電力がNaの場合の8倍となる。また、前記イオンにAl3+を用いた場合には、Naを用いた場合の5倍となる。したがって、イオン交換樹脂中の溶液に含まれるイオンが、二価又は三価のイオンであることが好ましく、二価のイオンであることがより好ましい。
また、本発明の可撓性素子のイオン交換樹脂を膨潤する溶液が、陰イオンを含む溶液である場合には、陰イオンとしてBF 、PF 、ClO 、Ts、SO 2−、NO 、Cl、Br、I、CFSO 、CSO 、(CFSO、BCH(C 、B(C 、B(C 、AsF、SbF 等を用いることができる。上記と同様に、イオン交換樹脂として陰イオン交換樹脂を用いた場合において、イオン交換樹脂中に含まれる溶液中のイオンは、イオン半径のイオンであることが好ましい。なお、イオン交換樹脂に含まれるイオンを含む溶液に用いられる溶媒は、前記イオン交換樹脂が、陽イオン交換樹脂であっても陰イオン交換樹脂であっても、イオンを溶解することができる極性溶媒であれば、特に限定されるものではない。
(電気エネルギーに変換し、かつ駆動する可撓性素子)
本発明は、変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子でもある。可撓性を有し、素子変形を電気エネルギーに変換する素子としては、樹脂成分中に圧電セラミックス粒子を含む素子が知られているが、素子の電極層に電圧を印加することで駆動する素子は知られていない。つまり、イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である可撓性素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成された可撓性素子を用いることにより、素子の変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ素子の電極層に電圧を印加することにより駆動する可撓性素子が初めて得られたのである。
本発明の可撓性素子である、素子の変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ素子の電極層に電圧を印加することにより駆動する可撓性素子は、駆動可能なように電極が配されたこと以外は、可撓性素子についての上述の記載と同様である。前記可撓性素子は、電気二重層容量が2000μF/cm以上であることが好ましい。前記可撓性素子は、アクチュエータ素子として外部環境に力学的エネルギーを容易に伝えることが可能であることから、前記イオン交換樹脂複合体の厚さに対する前記イオン交換樹脂複合体の面積の比が20(mm/mm)であることが好ましい。前記可撓性素子の形状は膜状または円筒状であることが好ましい。前記可撓性素子が円筒状である場合には、円筒状のイオン交換樹脂層の同じ面上に相互に絶縁状態とされた状態で少なくとも3つ以上の電極層が配されていることが好ましく、360°の各方向からの感知及び駆動を容易にするために4つ以上の電極層が配されていることがより好ましい。
前記可撓性素子は、両面に1つずつの電極層を備えた素子、または、レーザー照射等によりイオン交換樹脂層のいずれかの面若しくは両面に複数の電極層が形成された素子を用いて、感知用の素子として機能した後に、駆動体として機能しても良い。また、前記可撓性素子は、イオン交換樹脂層上に形成されている複数の電極層において、感知用電極層と駆動用電極層とが電極対をそれぞれ形成し、感知用電極層と駆動用電極層とが互いに絶縁された状態で形成されている可撓性素子とすることもできる。図3は、感知用電極層と駆動用電極層とが電極対をそれぞれ形成した場合における本発明の可撓性素子の一実施態様例を示した模式図である。膜状の可撓性素子21は、イオン交換樹脂層22上に電極層23、23’が形成され、電極層24、24’も形成されている。電極層23、23’はそれぞれリード線を介して検出部25に接続されている。電極層24、24’はそれぞれリード線を介して駆動制御部に接続されている。電極層23、23’はそれぞれ電極層24、24’と絶縁溝30、30’を介して絶縁されている。これにより、可撓性素子21は、イオン交換樹脂22と電極層23、23’との積層により形成された感知部27とイオン交換樹脂22と電極層24、24’との積層により形成された駆動部28とを備えた可撓性素子となる。感知部27が障害物等に接触する等して力を受けた場合には、感知部において電気エネルギーが発生して検出部25において検出される。検出部25は、送信線29を介して感知部における電気エネルギーの発生に基づく信号を駆動制御部26に送り、駆動制御部26が駆動用電極層24、24’に電圧を印加する。これにより、駆動部28は湾曲駆動して可撓性素子が駆動することとなる。この、感知部による電気エネルギーの発生から駆動部の駆動までのサイクルを繰り返し行うことにより、本発明の可撓性素子は遠隔操作用の駆動素子として好適に用いることができる。なお、図3の可撓性素子においては、検出した感知部の電気エネルギーを信号に変換する変換部を検出部が備え、変換された信号を検出部が駆動制御部に伝えても良く、検出部を備えることなく駆動制御部が感知部の電気エネルギーを直接検出して駆動部を駆動させても良い。
また、本発明において、変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子は、カテーテル及び内視鏡等の湾曲駆動装置としての駆動源に用いるために、印加電圧±2Vにおいて、駆動した際の湾曲が振れ角10°以上であることが好ましく、振れ角30°であることがより好ましい。前記可撓性素子の電極層に電圧を印加することにより大きな湾曲をすることができる場合には、カテーテル等の湾曲駆動装置の先端部分に、センサと駆動部との2つの装置を取付ける必要が無く、湾曲駆動装置の構成をより簡易なものとすることができるからである。なお、前記振れ角は、前記可撓性素子を鉛直下向きに固定し、該可撓性素子の先端部を左右方向に湾曲運動させた場合において、最大に湾曲させた際の先端部の厚さ中央部位と固定部の厚さ中央部位とを結んだ線と、垂線となす角をいうものである。
つまり、前記の変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子を用いた湾曲駆動装置としては、変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子を、先端部に備え、該可撓性素子の電気エネルギーの発生に基づく信号に応じて該可撓性素子を駆動させる駆動制御部を備えた湾曲駆動装置とすることができる。
湾曲駆動装置としては、例えば、特開平8−10336号公報及び特開平11−198069号公報に先端部にイオン交換樹脂膜を挟んだ位置に形成した2つ以上の電極を有するアクチュエータを備えた医療用チューブや配管調査用若しくは医療用のマイクロデバイスが知られている。湾曲駆動装置は、先端部に備えられたアクチュエータが湾曲の応答速度が速く、低電圧で駆動することから、手術等の施術の作業性が良好である。前記可撓性素子を用いた湾曲駆動装置は、これらの装置に限られず公知の湾曲駆動装置を用いることができる。
前記湾曲駆動装置は、前記可撓性素子を先端部に備えているので、例えばカテーテルとして用いた場合には、人体の血管等に挿入して障害物や血管の壁に突き当たった際には、前記可撓性素子が障害物や血管の壁との接触により変形し、電気エネルギーが発生する。この電気エネルギーに基づいて、前記湾曲駆動装置の駆動制御部が前記可撓性素子を駆動させる方法を用いることにより、カテーテルを人体の目的部位まで効率的に誘導することができる。前記駆動制御部は、素子が発生した電気エネルギーを、配線等を介して電気エネルギーを信号として検知して前記可撓性素子を駆動させても良いし、検出部により電気エネルギーをデジタル等の信号等に変換した後に配線等を介してこの信号に応じて前記可撓性素子を駆動させても良い。さらに、前記湾曲駆動装置は、前記可撓性素子が発生した電気エネルギーを増幅させる増幅部を備えていても良い。
前記可撓性素子は、湾曲駆動装置が障害物に突き当たったことを検知するために、前記湾曲駆動装置の先端部に備えてあることが好ましく、前記可撓性素子の先端に該可撓性素子を保護するなどのための部材を備えていても良い。
前記湾曲駆動装置は、本発明の湾曲駆動装置は、工業分野において検査や補修の際に用いる検査器及び修理具、並びに医療分野において検査や治療の際に用いる眼科手術又は腹腔内視鏡手術などの内視鏡及びカテーテルを含む医療用チューブ、マイクロサージェリー技術におけるピンセット、ハサミ、鉗子、スネア、レーザーメス、スパチュラ及びクリップとして好適に用いることができる。
つまり、前記湾曲装置を用いる方法としては、素子の変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子を先端に備え、該可撓性素子の駆動部を制御する駆動制御部を備えた湾曲駆動装置を対象物の内部に挿入し、該素子が障害物と衝突することにより電気エネルギーを発生し、該可撓性素子の電気エネルギーの発生に基づく信号に応じて該駆動制御部が該可撓性素子を駆動させることを特徴とする湾曲駆動装置の駆動方法として用いることができる。
(マニピュレータ)
また、変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子は、指先等の駆動部分に、該可撓性素子を用いたマニピュレータにも好適に用いることができる。例えば、前記マニピュレータの指部に該可撓性素子を用い、前記可撓性素子が物体との接触により変形して電気エネルギーを発生させ、その電気エネルギーの発生に基づく信号に応じて駆動制御部が前記可撓性素子を駆動させる方法を採用することで、前記マニピュレータの指部が該物品を握る動作をすることができる。この場合、前記可撓性素子が感知部と駆動部との両機能を果たすことから、前記マニピュレータの装置構成は簡易なものになるために好ましい。
(用途)
また、前記可撓性素子は、湾曲駆動装置及びマニピュレータの感知部として用いられる以外にも、可撓性を有し、しかも耐久性を有することから、可撓性が要求される感知部を感知装置に用いた公知の装置にも好適に用いることができる。以下、当該感知装置を組み込んだ各種機器の例を代表的に列挙する。
前記可撓性素子が可撓性を有することから、カーペット等の表面に設置することにより人がいる場合に加熱を始める前記可撓性素子を感知部として好適に用いた電気採暖具並びに前記可撓性素子を感知部として用いた感圧ケーブルとして好適に用いることができる。前記可撓性素子を窓若しくは物品の下に設置することにより、窓の開閉や物品の持ち上げを含む盗難行為者の動作を検知する前記可撓性素子を感知部として用いた盗難防止装置として好適に用いることができる。前記可撓性素子が可撓性を有し人体の形状に容易に追随できることから、人体の心臓の活動や呼吸活動により伝搬される身体の微小な体動により得られる人体情報検知装置として好適に用いることができる。床面を傷つけることなく床面の凹凸を感知する前記可撓性素子を感知部として用いた電気掃除機として好適に用いることができる。配管等のチューブの内部形状に容易に追随できる液体または気体の流速または風圧を感知する前記可撓性素子を感知部として用いた液体流速センサまたは風圧センサとして好適に用いることができる。板面上に人指または物体が接触したことを感知してその位置を検出するタッチパネル等の前記可撓性素子を感知部として用いた位置検出装置として好適に用いることができる。また、各電極層が痛点として機能するロボット用人工皮膚にも用いることができる。さらには、肩または股などに取付けて、前記可撓性素子がその筋肉の動きを感知して、駆動部として義手、義足または肢体を動かすことを行うなど、前記可撓性素子を感知部かつ駆動部として用いた義手、義足または補助筋肉として好適に用いることができる。
上記の装置以外の装置にも、本発明の可撓性素子は、可撓性を有するために形状を自由に変形することができることから、物品の形状を問わずに貼り付けることができ、装置に組み込む際にも該可撓性素子の変形を自由行えることから装置構成が制限されることが無いので、感知部として好適である。上記の装置以外の装置としては、角速度センサ、パチンコ機用接触感知センサ、超音波センサ、ゴルフボールの打撃練習に使用する装置、靴の衝撃感知装置、加速度装置に用いる加速度センサを、本発明の可撓性素子を好適に用いることができる装置として挙げることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を説明するが、本願発明は、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ1.5mmの膜状イオン交換樹脂(商品名「フレミオン」、旭硝子社製、パーフルオロカルボン酸樹脂、イオン交換容量1.44meq/g)に対して#800のアルミナ粒子で表面粗化を行った後、下記(1)〜(3)の工程を7サイクル繰り返して実施し、膜状イオン交換樹脂表面へ金電極を形成させた。(1)吸着工程:フェナントリン金塩化物水溶液に24時間浸漬し、成形品内にフェナントリン金錯体を吸着させた。(2)析出工程:亜硫酸ナトリウムを含む水溶液中で、吸着したフェナントリン金錯体を還元して、膜状イオン交換樹脂の表面に金電極を形成させた。このとき、水溶液の温度を60〜80℃とし、亜硫酸ナトリウムを徐々に添加しながら、6時間フェナントリン金錯体の還元を行った。次いで、(3)洗浄工程:表面に金電極が形成した膜状イオン交換樹脂を取り出し、70℃の水で1時間洗浄した。これにより、金電極が形成されたイオン交換樹脂と電極層とのイオン交換樹脂複合体を得た。このイオン交換樹脂複合体は、イオン交換樹脂と電極との接合体であり、膜状のイオン交換樹脂を介して両側である2つの外側層が電極層からなる複合体であった。前記イオン交換樹脂複合体を長さ55mm、幅10mmの裁断した。裁断されたイオン交換樹脂複合体を、0.5mol/L塩化ナトリウム水溶液または、0.5M(C25NCl水溶液に24時間浸漬することにより本実施例1の可撓性素子(厚さ1.5mm、長さ55mm、幅10mm)を得た。なお、前記アクチュエータ中のイオン交換樹脂と対イオンを形成するイオンは、前記複合体を0.5mol/L塩化ナトリウム水溶液に浸漬した場合にはイオン種がナトリウムイオンであり、前記複合体を0.5M(C25NCl水溶液に浸漬した場合には、イオン種がテトラエチルアンモニウムイオンである。
(実施例2)
前記イオン交換樹脂複合体を長さ55mm、幅10mmの裁断することに替えて、長さ55mm、幅15mmに裁断することにしたこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例2の可撓性素子(厚さ1.5mm、長さ55mm、幅15mm)を得た。
(実施例3)
厚さ1.5mmの膜状イオン交換樹脂に替えて、厚さ2.5mmのイオン交換樹脂(商品名「フレミオン」、旭硝子社製、パーフルオロカルボン酸樹脂、イオン交換容量1.44meq/g)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により実施例3の可撓性素子(厚さ2.5mm、長さ55mm、幅10mm)を得た。
(実施例4)
裁断されたイオン交換樹脂複合体を、0.5mol/L塩化マグネシウム(MgCl)水溶液に24時間浸漬することにより本実施例1の可撓性素子(厚さ1.5mm、長さ55mm、幅10mm)を得たこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4の可撓性素子を得た。なお、前記アクチュエータ中のイオン交換樹脂と対イオンを形成するイオンは、二価の陽イオンであるMg2+である。
実施例1〜4の可撓性素子について、図4に示すように、それぞれ一端を固定用部材7により水平に固定し、公知の電圧計8を、リード線9、9’を介して各電極層2、2’に接続した。各可撓性素子の他端に加重することでたわみ角θ(rad)が0.70、1.05、1.57となるように、各可撓性素子に片持ち荷重を印加した時の起電力を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005039995

(結果)
実施例1の可撓性素子は、表1に示すように、たわみ角0.70rad(荷重0.031N)の時に起電力が0.97mVであり、たわみ角0.70rad(荷重0.046N)の時に起電力が1.44mVであり、たわみ角0.70rad(荷重0.069N)の時に起電力が1.97mVであった。この結果、実施例1の可撓性素子は、たわみ角と起電力が1次相関し、起電力により可撓性素子の変形度合いを求めことができ、さらには荷重を起電力より求めることができるので、各種装置の感知部として好適に用いることができる。
実施例2の可撓性素子は、表1に示したよう、実施例1と同様にたわみ角と起電力が1次相関し、しかも、各たわみ角において、実施例1の可撓性素子に比べて素子の面方向の面積が広くなったことで、たわみ角0.7(rad)であっても約1mVを超える起電力を発生することが可能であり、検出精度を向上させることができる。
実施例3の可撓性素子は、表1に示したよう、実施例1と同様にたわみ角と起電力が1次相関する。しかも、実施例3の可撓性素子は、実施例1の可撓性素子に比べ、たわみ角0.70radにおいては体積比で1.7倍であるのに対して、起電力が3.1倍以上の値が得られ、厚さを調整することにより大きな起電力を得ることができる。つまり、可撓性素子の厚さを厚くする方(素子の面方向の面積(L×W)に対する厚さ(d)の比0.005(mm―1)以上)が、可撓性素子の面方向の面積を広くするよりも、大きな起電力を得るために有利である。つまり、厚さが大きい方が大きな起電力を容易に得るために有利である。
実施例4の可撓性素子は、イオン交換樹脂に含まれる溶液中のイオンが二価のイオンであるために、実施例1の起電力に比べて8倍もの起電力を示した。これは、電荷のキャリアーとなるイオンとしてイオン半径の小さいイオンを用いたことによるものと考えられる。
本発明の可撓性素子は、素子の変形を容易に電気エネルギーに変換することができ、可撓性及び耐久性を有するために、電気採暖具、などの各機器の感知部として好適である。しかも、比重の重い圧電セラミックスを用いず、電極とイオン交換樹脂と水溶液とで構成されているので、軽量であるために感知部として好適であり、装置の組み込み用部品としても好適である。
また、本発明は、素子変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子であるので、湾曲駆動装置の先端部に備えられる駆動部且かつ感知部である素子として好適に用いることができる。また、前記可撓性素子は、マニピュレータの指先等の駆動部分に用いた場合においても、駆動部且かつ感知部である素子として好適に用いることができる。
(a) 本発明の可撓性素子の一実施態様例の断面図。 (b) 図1(a)の可撓性素子が変形した状態の断面図。 本発明の可撓性素子の他の実施態様例の模式図。 本発明の素子変形を電気エネルギーに変換し、かつ駆動する可撓性素子の一実施態様例の模式図。 本発明の可撓性素子における起電力測定の説明図。
符号の説明
1 可撓性素子
2、2’ 電極層
3 イオン交換樹脂層
4 可撓性素子
5 イオン交換樹脂層
6、6’ 電極層
7 固定用部材
8 電圧計
9、9’ リード線
11 可撓性素子
12、12’ 電極層
13 イオン交換樹脂層
14 押圧部材
21 可撓性素子
22 イオン交換樹脂層
23、23’ 感知用電極層
24、24’ 駆動用電極層
25 検出部
26 駆動制御部
27 感知部
28 駆動部
29 送信線
30、30’ 絶縁溝

Claims (20)

  1. イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である可撓性素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成されたことを特徴とする該素子の変形を電気エネルギーに変換する可撓性素子。
  2. 前記イオン交換樹脂複合体の厚さが0.15mm以上である請求項1に記載の可撓性素子。
  3. 前記イオン交換樹脂複合体の厚さが1mm以上である請求項1に記載の可撓性素子。
  4. 前記可撓性素子の形状が膜状または円筒状である請求項1に記載の可撓性素子。
  5. 円筒状のイオン交換樹脂層の同じ面上に相互に絶縁状態とされた状態で少なくとも2つ以上の電極層が配された請求項1に記載の可撓性素子。
  6. 少なくとも1の電極層の伸長、及び/または、少なくとも1の電極層の収縮により電気エネルギーを発生する請求項1〜5のいずれかに記載の可撓性素子。
  7. 変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子。
  8. 前記可撓性素子が、イオン交換樹脂層上に電極層が形成されたイオン交換樹脂複合体である可撓性素子であって、該電極層がイオン交換樹脂層上に複数形成されたことを特徴とする請求項7に記載の可撓性素子。
  9. 前記イオン交換樹脂複合体の厚さが0.15mm以上である請求項8に記載の可撓性素子。
  10. 前記イオン交換樹脂複合体の厚さが1mm以上である請求項8に記載の可撓性素子。
  11. 前記イオン交換樹脂複合体の電気二重層容量が2000μF/cm以上である請求項8に記載の可撓性素子。
  12. 前記イオン交換樹脂複合体の厚さに対する前記イオン交換樹脂複合体の面積の比が20mm/mm以上である請求項9に記載の可撓性素子。
  13. 前記可撓性素子の形状が膜状または円筒状である請求項8に記載の可撓性素子。
  14. 円筒状のイオン交換樹脂層の同じ面上に相互に絶縁状態とされた状態で少なくとも3つ以上の電極層が配された請求項8に記載の可撓性素子。
  15. 駆動した際の湾曲が振れ角10°以上である請求項8に記載の可撓性素子。
  16. 変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子を、先端部に備え、
    該可撓性素子の電気エネルギーの発生に基づく信号に応じて該可撓性素子を駆動させる駆動制御部を備えた湾曲駆動装置。
  17. 該可撓性素子の電気エネルギーを信号に変換する変換部を備えた請求項16に記載の湾曲駆動装置。
  18. 変形を電気エネルギーに変換し、なお且つ電圧を印加することにより駆動する可撓性素子を先端に備え、該可撓性素子の駆動部を制御する駆動制御部を備えた湾曲駆動装置を対象物の内部に挿入し、該素子が障害物と衝突することにより電気エネルギーを発生し、該可撓性素子の電気エネルギーの発生に基づく信号に応じて該駆動制御部が該可撓性素子を駆動させることを特徴とする湾曲駆動装置の駆動方法。
  19. マニピュレータ、電気採暖具、盗難防止装置、人体情報検知装置、電気掃除機、液体流速センサ、風圧センサ、位置検出装置、ロボット用人工皮膚、義手、義足、補助筋肉、加速度センサ、圧力センサ、角度センサ、またはコンピュータ入力装置に用いる感知装置であって、請求項1または請求項8に記載の可撓性素子を感知部に用いた感知装置。
  20. マニピュレータ、電気採暖具、盗難防止装置、人体情報検知装置、電気掃除機、液体流速センサ、風圧センサ、位置検出装置、ロボット用人工皮膚、義手、義足、補助筋肉、加速度センサ、圧力センサ、角度センサ、またはコンピュータ入力装置の感知部用素子である請求項1または請求項8に記載の可撓性素子。





JP2004189891A 2003-06-26 2004-06-28 可撓性素子及びその用途 Pending JP2005039995A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004189891A JP2005039995A (ja) 2003-06-26 2004-06-28 可撓性素子及びその用途

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003182570 2003-06-26
JP2004189891A JP2005039995A (ja) 2003-06-26 2004-06-28 可撓性素子及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005039995A true JP2005039995A (ja) 2005-02-10

Family

ID=34220300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004189891A Pending JP2005039995A (ja) 2003-06-26 2004-06-28 可撓性素子及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005039995A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008011593A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Konica Minolta Opto Inc アクチュエータ素子、及びアクチュエータ素子の製造方法
US7602098B2 (en) * 2006-05-26 2009-10-13 Olympus Corporation Method for driving ion conducting actuator and ion conducting actuator
JP2011163813A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Sony Corp センサ
EP2416110A2 (en) 2010-08-02 2012-02-08 Sony Corporation Geometry Sensor and Information Input Device
WO2012122287A1 (en) * 2011-03-10 2012-09-13 Qualcomm Mems Technologies, Inc. System and method for detecting surface perturbations
US8299686B2 (en) 2009-08-27 2012-10-30 Canon Kabushiki Kaisha Actuator with sensor
JP2014150600A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Tokai Rubber Ind Ltd アクチュエータ素子及びアクチュエータ素子の製造方法
JP2016500249A (ja) * 2012-11-29 2016-01-07 電子部品研究院Korea Electronics Technology Institute 液体を利用するエネルギー変換装置
CN106643462A (zh) * 2016-12-14 2017-05-10 西安交通大学 使用离子液体凝胶的大变形电阻式应变片及制作方法
WO2017111004A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 国立研究開発法人産業技術総合研究所 変形センサー
JP2018031680A (ja) * 2016-08-25 2018-03-01 国立大学法人山梨大学 フレキシブル加速度センサならびにそれを用いたモーションセンサ
CN113176018A (zh) * 2021-03-31 2021-07-27 西安交通大学 一种单侧电极离子聚合物压力感知阵列及其制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61159892U (ja) * 1985-03-25 1986-10-03
JPH05184529A (ja) * 1992-01-14 1993-07-27 Olympus Optical Co Ltd 湾曲駆動装置
JPH07110739A (ja) * 1993-10-14 1995-04-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd ペン型情報入力装置
JPH0819276A (ja) * 1994-06-30 1996-01-19 Agency Of Ind Science & Technol 誘導体
JPH0979129A (ja) * 1995-09-11 1997-03-25 Terumo Corp アクチュエータ素子
JPH10257785A (ja) * 1997-03-11 1998-09-25 Ube Ind Ltd センサー機能を有するアクチュエータ
JPH11280639A (ja) * 1998-03-30 1999-10-15 Agency Of Ind Science & Technol 高分子電解質アンモニウム誘導体
JP2001286162A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Keiwa Ryu 電歪伸縮材を利用した駆動装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61159892U (ja) * 1985-03-25 1986-10-03
JPH05184529A (ja) * 1992-01-14 1993-07-27 Olympus Optical Co Ltd 湾曲駆動装置
JPH07110739A (ja) * 1993-10-14 1995-04-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd ペン型情報入力装置
JPH0819276A (ja) * 1994-06-30 1996-01-19 Agency Of Ind Science & Technol 誘導体
JPH0979129A (ja) * 1995-09-11 1997-03-25 Terumo Corp アクチュエータ素子
JPH10257785A (ja) * 1997-03-11 1998-09-25 Ube Ind Ltd センサー機能を有するアクチュエータ
JPH11280639A (ja) * 1998-03-30 1999-10-15 Agency Of Ind Science & Technol 高分子電解質アンモニウム誘導体
JP2001286162A (ja) * 2000-03-31 2001-10-12 Keiwa Ryu 電歪伸縮材を利用した駆動装置

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7602098B2 (en) * 2006-05-26 2009-10-13 Olympus Corporation Method for driving ion conducting actuator and ion conducting actuator
JP2008011593A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Konica Minolta Opto Inc アクチュエータ素子、及びアクチュエータ素子の製造方法
US8299686B2 (en) 2009-08-27 2012-10-30 Canon Kabushiki Kaisha Actuator with sensor
JP2011163813A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Sony Corp センサ
US8631703B2 (en) 2010-02-05 2014-01-21 Sony Corporation Sensor
US8669755B2 (en) 2010-08-02 2014-03-11 Sony Corporation Geometry sensor and information input device
CN102374843A (zh) * 2010-08-02 2012-03-14 索尼公司 几何形状传感器和信息输入装置
JP2012032325A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Sony Corp 形状センサおよび情報入力装置
EP2416110A2 (en) 2010-08-02 2012-02-08 Sony Corporation Geometry Sensor and Information Input Device
EP2416110A3 (en) * 2010-08-02 2012-04-04 Sony Corporation Geometry Sensor and Information Input Device
WO2012122287A1 (en) * 2011-03-10 2012-09-13 Qualcomm Mems Technologies, Inc. System and method for detecting surface perturbations
US8714023B2 (en) 2011-03-10 2014-05-06 Qualcomm Mems Technologies, Inc. System and method for detecting surface perturbations
JP2016500249A (ja) * 2012-11-29 2016-01-07 電子部品研究院Korea Electronics Technology Institute 液体を利用するエネルギー変換装置
JP2014150600A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Tokai Rubber Ind Ltd アクチュエータ素子及びアクチュエータ素子の製造方法
WO2017111004A1 (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 国立研究開発法人産業技術総合研究所 変形センサー
CN108369085A (zh) * 2015-12-25 2018-08-03 国立研究开发法人产业技术综合研究所 变形传感器
US10788307B2 (en) 2015-12-25 2020-09-29 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Deformation sensor comprising an ion-conductive polymer layer
JP2018031680A (ja) * 2016-08-25 2018-03-01 国立大学法人山梨大学 フレキシブル加速度センサならびにそれを用いたモーションセンサ
CN106643462A (zh) * 2016-12-14 2017-05-10 西安交通大学 使用离子液体凝胶的大变形电阻式应变片及制作方法
CN113176018A (zh) * 2021-03-31 2021-07-27 西安交通大学 一种单侧电极离子聚合物压力感知阵列及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7126535B2 (ja) 操向自在な腔内医療機器
JP2005039995A (ja) 可撓性素子及びその用途
US7169822B2 (en) Polymeric actuator
US6475639B2 (en) Ionic polymer sensors and actuators
US9147825B2 (en) Methods of fabricating multi-degree of freedom shaped electroactive polymer actuators/sensors for catheters
EP3367912B1 (en) Medical probe for ultrasound imaging
US20120108980A1 (en) Catheter with shape memory alloy actuator
JP3030361B2 (ja) 高分子電解質アンモニウム誘導体
JP2961125B2 (ja) 高分子アクチュエータの製造方法
Li et al. Motion control of capsule-like underwater robot utilizing the swing properties of ionic polymer metal composite actuators
WO2005001406A1 (ja) 可撓性素子
ul Haq et al. Ionic polymer–metal composite applications
JP3646166B2 (ja) アクチュエータ素子の製造方法
JP4154474B2 (ja) アクチュエータ素子の製造方法
EP3897390B1 (en) Ultrasound transducer unit with friction guiding function
JP4551673B2 (ja) イオン交換樹脂成型品及びこれを用いたアクチュエータ素子
JP4575774B2 (ja) 駆動体及びその製造方法
Nawaz et al. Design Principles of Flexible and Wearable Sensors
Chen Design of Pressure Feedback Sensors for Miniaturized Intra-ventricular Neurosurgery Robotic Tools
Feng et al. A tactile function embedded flexible dynamic curvature sensor with rotational scanning detection ability
Feng et al. A biomimetic soft robotic arm for dynamic curvature/haptic sensing with self-power generation ability
WO2004079887A1 (ja) イオン交換樹脂成形品
Russo et al. Study and development of stretchable sensors for flexible surgical instrumentation.

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060227

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100304

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100625