JP2005038616A - イオン発生装置及びこれを備えた電気機器 - Google Patents

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美徳 世古口
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Abstract

【課題】本発明は、オゾンの発生量増加を抑えつつ、効率的にイオン放出量を増大させることが可能なイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るイオン発生装置は、イオン発生素子12に接続されたトランス202と、交流電圧を全波整流するダイオードブリッジ(203a〜d)と、該整流電圧で充電される時定数回路(204、205)と、該時定数回路の充電電圧に応じてオン/オフ状態が切り換わる整流素子206と、を有し、トランス202を整流素子206で駆動してイオンを発生する構成としている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間にイオンを放出して室内環境を改善することが可能なイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器に関するものである。なお、上記の電気機器に該当する例としては、主として閉空間(家屋内、ビル内の一室、病院の病室や手術室、車内、飛行機内、船内、倉庫内、冷蔵庫の庫内等)で使用される空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置など、を挙げることができる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、事務所や会議室など、換気の少ない密閉化された部屋では、室内の人数が多いと、呼吸により排出される二酸化炭素、タバコの煙、埃などの空気汚染物質が増加するため、人間をリラックスさせる効能を有するマイナスイオンが空気中から減少していく。特に、タバコの煙が存在すると、マイナスイオンは通常の1/2〜1/5程度にまで減少することがあった。そこで、空気中のマイナスイオンを補給するため、従来から種々のイオン発生装置が市販されている。
【0003】
しかしながら、従来のイオン発生装置は、いずれも直流高電圧方式でマイナスイオンのみを発生させるものであった。そのため、このようなイオン発生装置では、空気中にマイナスイオンを補給することはできるものの、空気中の浮遊細菌等を積極的に除去することはできなかった。
【0004】
上記の問題点に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、空気中にプラスイオンであるH(HO)と、マイナスイオンであるO (HO)(m、nは自然数)を略同等量発生させることにより、両イオンを空気中の浮遊細菌等に付着させ、その際に生成される活性種の過酸化水素(H)及び/または水酸基ラジカル(・OH)の分解作用をもって、前記浮遊細菌を除去することが可能なイオン発生装置に関する発明を成した(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
なお、上記の発明については、出願人によって既に実用化され、実用機には、セラミックの誘電体を挟んで外側に放電電極、内側に誘導電極を配設した構造のイオン発生装置、及びこれを搭載した空気清浄機や空気調和機などがある。
【0006】
図12はイオン発生装置の一従来例を示す回路図である。従来のイオン発生装置において、交流電源E1の出力電圧は、抵抗R1で電圧降下された後、ダイオードD1で半波整流され、コンデンサC1に印加される。コンデンサC1の充電が進んで両端電圧が所定閾値に達すると、半導体スイッチ素子S1がオン状態となり、コンデンサC1の充電電圧が放電される。従って、トランスT1の1次巻線L1に電流が流れ、2次巻線L2にエネルギーが伝達され、放電部X1にパルス電圧が印加される。その直後、半導体スイッチ素子S1はオフ状態となり、再びコンデンサC1の充電が開始される。
【0007】
上記充放電を繰り返すことによって、放電部X1には、図13に示す交流インパルス電圧が繰り返し印加される。このとき、放電部X1近傍ではコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化され、正電圧印加時はプラスイオンであるH(HO)が発生し、負電圧印加時はマイナスイオンであるO (HO)(m、nは自然数)が発生する。従って、両イオンを空気中の浮遊細菌等に付着させ、その際に生成される活性種である過酸化水素(H)や水酸基ラジカル(・OH)の分解作用をもって、前記浮遊細菌を除去することが可能となる。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−47651号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記構成から成るイオン発生装置であれば、空気中の浮遊細菌等を積極的に除去できるので、室内環境を一層快適なものとすることが可能である。
【0010】
しかしながら、上記構成から成るイオン発生装置は、発生したプラスイオンとマイナスイオンの一部がイオン発生素子の近傍で互いに中和して消滅しやすく、イオンを効率的に室内へ放出することができない、という課題を有していた。
【0011】
なお、室内へのイオン放出量を増やすためには、イオン発生素子への印加電圧を高めてイオン発生量自体を増やせばよいが、十分な放電が得られる程度まで印加電圧を高めた後は、それ以上印加電圧を高めてもイオン発生量は飽和状態となって増加しなくなるため、上記構成では、イオン発生素子の電極形状等により確定される上限値までしかイオン発生量を増大させることができず、室内へのイオン放出量を増やすにも限界があった。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑み、同じ電極形状でありながら、効率的にイオン放出量を増大させることが可能なイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、前記高圧インパルス電圧発生回路の入力電圧を全波整流する構成としている。このような構成とすることにより、前記交流電圧を半波整流する構成と比較して、イオン発生素子での放電頻度を理論上2倍とすることができ、イオン放出量を増大することができる。
【0014】
また、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、前記時定数回路の抵抗値もしくはコンデンサの容量を可変とした構成としている。このような構成とすることにより、イオン発生素子での放電頻度を1.5倍から2倍程度にすることができ、イオン放出量を増大することができる。
【0015】
また、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、前記高圧インパルス電圧発生回路の入力電圧を全波整流するとともに、前記時定数回路の抵抗値もしくはコンデンサの容量を可変とした構成としている。このような構成とすることにより、イオン発生素子での放電頻度を3〜4倍程度にすることができ、イオン放出量を増大することができる。
【0016】
また、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、前記高圧インパルス電圧発生回路を構成するダイオードブリッジに直列にスイッチング手段を設ける、もしくはダイオードブリッジ内の一つのダイオードに直列にスイッチング手段を設けた構成としている。なお、上記構成から成るイオン発生装置は、さらに前記コンデンサと並列にコンデンサを設け、該コンデンサにスイッチング手段を設けた構成としてもよい。このような構成とすることにより、簡易な構成で、イオン発生素子の放電量(すなわちイオン放出量)を適宜切り換えることが可能となる。
【0017】
また、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、前記整流回路が半波整流のときの通常運転と、全波整流するイオン増量運転とを切り換えて実行する手段を有する構成にするとよい。このような構成とすることにより、イオン発生素子の放電量(すなわちイオン放出量)を適宜切り換えることが可能となる。
【0018】
また、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、前記時定数回路が所定の定数にて充放電を行う通常運転と、所定の定数より小さい値で充放電を行うイオン増量運転とを切り換えて実行する手段を有する構成としている。このような構成とすることにより、イオン発生素子の放電頻度(すなわちイオン発生量)を適宜切り換えることが可能となる。
【0019】
また、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、所定量のイオンが発生する第1時間間隔で前記イオン発生素子にインパルス電圧を印加する通常運転と該通常運転よりも短い第2時間間隔で前記イオン発生素子にインパルス電圧を印加する増量運転とを切り換えて実行する手段を有する構成である。このような構成とすることにより、イオン発生素子の放電頻度(すなわちイオン発生量)を適宜切り換えることが可能となる。
【0020】
なお、上記構成から成るイオン発生装置は、周囲環境に関する情報を得るセンサを有し、該センサの取得情報に応じて、前記通常運転と前記増量運転を切り換える構成にするとよい。このような構成とすることにより、ユーザ操作に依ることなく、周囲環境を常に最適な状態に保つことが可能となる。
【0021】
また、上記構成から成るイオン発生装置は、外部操作を受け付ける入力部を有し、該入力部への所定操作に応じて、前記通常運転と前記増量運転を切り換える構成にするとよい。このような構成とすることにより、ユーザニーズに応じてイオン放出量を制御することが可能となる。
【0022】
また、上記構成から成るイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などの電気機器に搭載するとよい。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置で空気の物性を変化させ、室内環境を所望の雰囲気状態とすることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るイオン発生装置の一実施形態を示す概略構成図であり、本図(a)、(b)は、それぞれイオン発生装置の平面図及び側面図を模式的に示している。
【0024】
本図に示すように、本発明に係るイオン発生装置は、イオンを発生するイオン発生素子10と、該イオン発生素子10に対して所定の電圧印加を行う電圧印加回路20と、を有して成る。
【0025】
イオン発生素子10は、誘電体11(上部誘電体11aと下部誘電体11b)と、放電部12(放電電極12a、誘導電極12b、放電電極接点12c、誘導電極接点12d、及び接続端子12e、12f)と、コーティング層13と、を有して成り、放電電極12aと誘導電極12bとの間に電圧を印加することにより、放電電極12aの表面近傍(12aの鋭角部)でコロナ放電することで、放電側よりプラスイオンとマイナスイオンを発生させる。
【0026】
誘電体11は、略直方体状(例えば、縦15[mm]×横37[mm]×厚み0.9[mm])の上部誘電体11aと下部誘電体11bを貼り合わせて成る。誘電体11の材料として無機物を選択するのであれば、高純度アルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックを使用することができる。また、誘電体11の材料として有機物を選択するのであれば、耐酸化性に優れたポリイミドやガラスエポキシなどの樹脂が好適である。ただし、耐食性の面を考えれば、誘電体11の材料として無機物を選択する方が望ましく、さらに、成形性や後述する電極形成の容易性を考えれば、セラミックを用いて成形するのが好適である。
【0027】
また、放電電極12aと誘導電極12bとの間の絶縁抵抗は均一であることが望ましいため、誘電体11の材料としては、密度ばらつきが少なく、その絶縁率が均一であるものほど好適である。
【0028】
なお、誘電体11の形状は、略直方体状以外(円板状や楕円板状、多角形板状等)であってもよく、さらには円柱状であってもよいが、生産性を考えると、本実施形態のように平板状(円板状及び直方体状を含む)とするのが好適である。
【0029】
放電電極12aは、上部誘電体11aの表面に該上部誘電体11aと一体的に形成されている。電極の材料としては、例えばタングステンのように導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、放電によって溶融等の変形を起こさないことが条件となる。
【0030】
本図に示すように、本実施形態の放電電極12aは、略正方形状の格子部(例えば、縦7.0[mm]×横7.0[mm]、線幅0.5[mm])を複数隣接させて成り、該格子部の内側に先端形状が鋭角度の三角形状の電界集中部を有する形状であるが、その形状はこれに限定されるものではなく、他形状(面状、格子状、線状など)としても構わない。ただし、電界集中を生じやすい形状にすれば、放電電極12aと誘導電極12bとの間に印加する電圧が低くても放電を生じさせることができるので、放電電極12aは、格子状や線状などの電界集中を生じやすい形状とすることが望ましい。
【0031】
誘導電極12bは、誘電体11の内部(上部誘電体11aと下部誘電体11bとの間)に形成されている。なお、本実施形態の誘導電極12bは、U字状(例えば、縦3.5[mm]×横23.5[mm]、線幅1.0[mm])に形成されており、放電電極12aの電界集中部と対向する位置に設けられている。電極の材料としては、放電電極12aと同様、導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができる。
【0032】
また、誘導電極12bは、上部誘電体11aを挟んで、放電電極12aと平行に設けられている。このような配置とすることにより、放電電極12aと誘導電極12bの距離(以下、電極間距離と呼ぶ)を一定とすることができるので、両電極間の絶縁抵抗を均一化して放電状態を安定させ、プラスイオンとマイナスイオンを好適に発生させることが可能となる。なお、誘電体11を円柱状とした場合には、放電電極12aを円柱の外周表面に設けるとともに、誘導電極12bを軸状に設けることによって、前記電極間距離を一定とすることができる。つまり誘導電極12bの形状は、放電電極12aに電界集中させることができれば形状は問わない。
【0033】
放電電極接点12cは、放電電極12aと同一形成面上の接続部12eと電気的に導通されている。従って、放電電極接点12cにリード線(例えば、銅線やアルミ線)の一端を接続し、該リード線の他端を電圧印加回路20に接続すれば放電電極12aと電圧印加回路20を電気的に導通させることができる。
【0034】
誘導電極接点12dは、誘導電極12bと同一形成面上の接続部12fと電気的に導通されている。従って、誘導電極接点12dにリード線(例えば、銅線やアルミ線)の一端を接続し、該リード線の他端を電圧印加回路20に接続すれば誘導電極12bと電圧印加回路20を電気的に導通させることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、放電電極12aと誘導電極12bをいずれも電圧印加回路20に導通させた場合を例示したが、他の接続パターンとしては、放電電極12aを接地して誘導電極12bのみを電圧印加回路20に導通させるパターンや、誘導電極12bを接地して放電電極12aのみを電圧印加回路20に導通させるパターンが考えられる。
【0036】
上記の放電電極接点12c及び誘導電極接点12dは、リード線との接続の容易性から、誘電体11の表面であればいずれに設けてもよい。ただし、放電電極接点12cは、放電電極12aと同電位になる接点であり、誘導電極接点12dは、誘導電極12bと同電位になる接点であるため、安定した放電状態を得るためには、誘導電極12bと放電電極接点12cの距離や、放電電極12aと誘導電極接点12dの距離、並びに放電電極接点12cと誘導電極接点12dの距離について、各々が前記電極間距離より遠くなる位置に設けることが望ましい。
【0037】
さらに、放電電極接点12cと誘導電極接点12dは全て、誘電体11の表面であって放電電極12aが設けられた面(以下、誘電体11の上面と呼ぶ)以外の面に設けることが望ましい。このような構成であれば、誘電体11の上面に不要なリード線などが配設されないので、ファン(不図示)からの空気流が乱れにくく、発生したイオンを効率よく室内に放出することが可能となるからである。
【0038】
以上のことを考慮して、本実施形態のイオン発生装置10では、放電電極接点12c及び誘導電極接点12dがいずれも、誘電体11の上面に相対する面(以下、誘電体11の下面と呼ぶ)に設けられている。
【0039】
なお、本実施形態のイオン発生素子10において、放電電極接点12cと接続部12e、及び誘導電極接点12dと接続部12fはいずれも、放電電極12aと誘導電極12bに挟まれた対向領域の外側に形成されている。このような構成とすることにより、放電開始時に生じる放電ムラを回避して、安定した放電状態を得ることができるので、放電開始直後から安定した量のイオンを放出することが可能となる。
【0040】
次に、上記したイオン発生素子10の製造方法について説明する。まず、高純度アルミナシート(例えば、厚さ0.45[mm])を所定の大きさ(例えば、幅15[mm]×長さ37[mm])に切断して、2つの略同一の大きさを有するアルミナ基材を形成し、これらを上部誘電体11a及び下部誘電体11bとする。なお、アルミナシートの純度は90[%]以上であればよいが、本実施形態では、純度92[%]のアルミナシートを用いている。
【0041】
次に、上部誘電体11aの上面にタングステンをスクリーン印刷することで、放電電極12a及び接続部12eを上部誘電体11aと一体的に形成する。また、下部誘電体11bの上面にタングステンをスクリーン印刷することで、誘導電極12b及び接続部12fを下部誘電体11bと一体的に形成し、下部誘電体11bの下面には、放電電極接点12c及び誘導電極接点12dをスクリーン印刷で形成する。
【0042】
さらに、上部誘電体11aの表面に、アルミナのコーティング層13(例えば膜厚0.02[mm])を形成し、放電電極12aを絶縁コートする。そして、上部誘電体11aの下面と下部誘電体11bの上面を重ね合わせた後、圧着・真空引きを行い、さらにこれを炉に入れて1400〜1600[℃]の非酸化性雰囲気で焼成する。このような製造方法により、本発明に係るイオン発生素子10を容易に製造することが可能となる。
【0043】
続いて、電圧印加回路20の構成及び動作について詳細な説明を行う。電圧印加回路20は、放電部12でプラスイオン及びマイナスイオンを発生させるために、放電部12を構成する放電電極12aと誘導電極12bとの間に、正、負の交流電圧(本実施形態では交流インパルス電圧)を印加する回路である。
【0044】
まず、電圧印加回路20の第1実施形態について詳細な説明を行う。図2は電圧印加回路20の第1実施形態を示す回路図である。本図に示すように、本実施形態の電圧印加回路20aは、入力交流電源201と、スイッチングトランス202と、ダイオード203a〜203dと、抵抗204と、コンデンサ205と、半導体スイッチング素子206(シリコン制御整流素子SCR[Silicon Control Rectifier]の一種であり、以下、サイダック[新電元工業の製品]206と呼ぶ)と、を有して成る。
【0045】
入力交流電源201の一端は、ダイオード203aのアノードとダイオード203cのカソードに各々接続されており、他端はダイオード203bのカソードとダイオード203dのアノードに各々接続されている。ダイオード203aのカソードとダイオード203dのカソードは、抵抗204の一端に接続されている。抵抗204の他端は、トランス202の1次巻線L1の一端とコンデンサ205の一端にそれぞれ接続されている。1次巻線L1の他端は、サイダック206のアノードに接続されている。サイダック206のカソードは、前記コンデンサ205の他端に接続され、更に、ダイオード203bのアノードとダイオード203cのアノードに各々接続されている。トランス202の2次巻線L2の一端は、放電部12の放電電極接点12cに接続されており、他端は放電部12の誘導電極接点12dに接続されている。
【0046】
上記構成から成る電圧印加回路20aでは、入力交流電源201の電圧は、ダイオード203a〜203dから成るダイオードブリッジで全波整流された後、抵抗204の抵抗値と、コンデンサ205の容量の積である時定数により決定される時間でコンデンサ205に充電され、その両端電圧が所定閾値に達すると、サイダック206がオン状態となり、トランス202の一次側巻線L1に電流が流れることによりコンデンサ205に充電されたエネルギーが2次巻線L2に伝達され、放電部12にパルス電圧が印加される。その直後、放電部12とトランス202の2次側、エネルギーのやりとりを行うことで、図3の波形図のような正負の自由振動波形となると共に、一次側ではサイダック206はオフ状態となり、再びコンデンサ205の充電が開始される。図2の回路構成において、コンデンサ205とサイダック206の配置を入れ替えてもほぼ同様の動作を行うことができ、これを問わない。また、同様の動作を行う類似の回路もここに含まれる。
【0047】
上記の充放電を繰り返すことにより、放電部12を構成する放電電極接点12cと誘導電極接点12dとの間には、図3に示す交流インパルス電圧が印加される。このとき、放電部12の表面近傍ではコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化され、プラスイオンであるH(HO)とマイナスイオンであるO (HO)(m、nは自然数)が略等量発生する。これら両イオンが空気中に浮遊するカビ菌やウイルスなどの浮遊細菌の周囲を取り囲み、その際に生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により前記浮遊細菌を不活性化することが可能となる。
【0048】
このように、本実施形態の電圧発生回路20aは、図12に示した従来構成と異なり、入力交流電源201の出力電圧を半波整流するのではなく、全波整流する構成としている。このような構成とすることにより、図3と図13を対比して分かるように、交流インパルス電圧の印加回数を従来から倍増することができ(例えば、120[回/分]→240[回/分])、それに伴って放電部12で発生するイオン量を理論上2倍とすることができる。
【0049】
実際、イオン発生素子10に向けてファン(図示せず)から風を送り、約25[cm]風下のイオンカウンタ(図示せず)に到達したプラスイオン及びマイナスイオンの量を各々計測した結果、従来ではプラスイオンとマイナスイオンが約30[万個/cc]ずつ計測されたのに対し、本実施形態では両イオンが約50[万個/cc]ずつ計測された。すなわち、従来に比べて、印加電圧を増大させることなく、約1.7倍のイオン量を確保することができた。
【0050】
次に、電圧印加回路20の第2実施形態について詳細な説明を行う。図4は電圧印加回路20の第2実施形態を示す回路図である。本図に示すように、本実施形態の電圧印加回路20bは、入力交流電源211と、スイッチングトランス212と、ダイオード213と、可変抵抗214と、可変容量コンデンサ215と、サイダック216と、を有して成る。
【0051】
入力交流電源211の一端は、抵抗214を介して、ダイオード213のアノードに接続されている。ダイオード213のカソードは、トランス212の1次巻線L1の一端とコンデンサ215の一端にそれぞれ接続されている。(抵抗214とダイオード213はその配置が逆であっても同様の動作となりこれを問わない。)1次巻線L1の他端は、サイダック216のアノードに接続されている。サイダック216のカソードは、コンデンサ215の他端と入力交流電源211の他端に接続されている。トランス212の2次巻線L2の一端は、放電部12の放電電極接点12cに接続されており、他端は放電部12の誘導電極接点12dに接続されている。
【0052】
上記のように、本実施形態の電圧印加回路20bは、コンデンサ215の容量を可変とし、容量を小さくすることで抵抗213の抵抗値とコンデンサ214の容量で決定される時定数を小さくし、サイダック216の充電を早め、両端電圧が早く規定のオン電圧に到達できるような回路構成であり、半電源周期におけるサイダック216のオン回数を増加することができる。なお、上記の時定数制御に際し、場合によっては抵抗213の抵抗値も併せて変化させることが必要となる。
【0053】
このような構成とすることにより、図5と図13を対比して分かるように、従来に比べて、放電部12を構成する放電電極接点12cと誘導電極接点12dとの間に印加される交流インパルス電圧の印加回数を1.5倍程度まで増加させることができ(例えば、120[回/分]→180[回/分])、イオン発生電極の仕様によっては、放電部12で発生するイオン量を理論上、1.5倍程度まで増加させることが可能となる。なお、実質データでは、従来に比べて、印加電圧を増大させることなく、1.3〜1.4倍のイオン量を確保することができた。
【0054】
次に、電圧印加回路20の第3実施形態について詳細な説明を行う。図6は電圧印加回路20の第3実施形態を示す回路図である。本図に示すように、本実施形態の電圧印加回路20cは、入力交流電源221と、スイッチングトランス222と、ダイオード223a〜223dと、可変抵抗224と、可変容量コンデンサ225と、サイダック226と、を有して成る。
【0055】
本図から分かるように、本実施形態の電圧印加回路20cは、上記した第1、第2実施形態の電圧印加回路20a、20bを組み合わせた構成であり、交流電源221の出力電圧を全波整流するとともに、コンデンサ225の容量(並びに必要であれば抵抗224の抵抗値)を可変としたことを特徴とする。このような構成とすることにより、先に述べた第1、第2実施形態双方の効果を得ることができるので、さらにイオン量を増加させることが可能となる。具体的には、図7と図13を対比して分かるように、従来に比べて、放電部12を構成する放電電極接点12cと誘導電極接点12dとの間に印加される交流インパルス電圧の印加回数を3倍程度まで増加させることができ(例えば、120[回/分]→360[回/分])、イオン発生電極の仕様によっては、放電部12で発生するイオン量を理論上、3倍程度まで増加させることが可能と考えられる。
【0056】
次に、電圧印加回路20の第4実施形態について詳細な説明を行う。図8は電圧印加回路20の第4実施形態を示す回路図である。本図に示すように、本実施形態の電圧印加回路20d−1及び20d−2は、入力交流電源231と、スイッチングトランス232と、ダイオード233a〜233dと、抵抗234と、コンデンサ235と、サイダック236と、切換リレー237を有して成る。
【0057】
入力交流電源231の一端は、ダイオード233aのアノードとダイオード233cのカソードに各々接続されており、他端は切換リレー237の共通端子237aに接続されている。ダイオード233aのカソードとダイオード233dのカソードは、抵抗234の一端に接続されている。抵抗234の他端は、トランス232の1次巻線L1の一端とコンデンサ235の一端にそれぞれ接続されている。1次巻線L1の他端はサイダック236のアノードに接続されている。サイダック236のカソードは、前記コンデンサ235の他端に接続し、切換リレー237の一選択端子237bと、ダイオード233b、233cの各アノードに各々接続されている。ダイオード233bのカソードとダイオード233dのアノードは互いに接続されており、その接続ノードは切換リレー237の他選択端子237cに接続されている。トランス202の2次巻線L2の一端は、放電部12の放電電極接点12cに接続されており、他端は放電部12の誘導電極接点12dに接続されている。
【0058】
通常運転時、切換リレー237では選択端子237bが選択される。このとき、交流電源231の出力電圧は、ダイオード233aで半波整流された後、抵抗234の抵抗値と、コンデンサ235の容量の積である時定数により決まる時間でコンデンサ235に充電され、その両端電圧が所定閾値に達すると、サイダック236がオン状態となり、トランス232の一次側巻線L1に電流が流れることになり、コンデンサ235に充電されたエネルギーが2次巻線L2に伝達され、放電部12にパルス電圧が印加される。その直後、サイダック236はオフ状態となり、再びコンデンサ235の充電が開始される。
【0059】
上記の充放電を繰り返すことによって、放電部12を構成する放電電極接点12cと誘導電極接点12dとの間には、図9(a)の交流インパルス電圧(例えば、印加回数:120[回/分])が印加される。このとき、放電部12の近傍ではコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化され、プラスイオンであるH(HO)と、マイナスイオンであるO (HO)(m、nは自然数)が略同数発生する。これらの両イオンが空気中の浮遊するカビ菌やウイルスの浮遊細菌の周囲を取り囲み、その際に生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により前記浮遊細菌を不活性化することが可能となる。
【0060】
また、ファン(図示せず)からイオン発生素子10に向けて風を送り、約25[cm]風下のイオンカウンタ(図示せず)に到達したプラスイオン及びマイナスイオンの量を各々計測した結果、イオンカウンタでは、プラスイオンとマイナスイオンが約30[万個/cc]ずつ計測された。
【0061】
一方、電圧印加回路20dの増量運転時には、切換リレー237で選択端子237cが選択されるので、交流電源231の電圧は、ダイオード233a〜233dから成るダイオードブリッジで全波整流された後、抵抗234で電圧降下され、コンデンサ235に印加される。従って、放電部12を構成する放電電極接点12cと誘導電極接点12dとの間には、図9(b)に示すように、通常運転時よりも高頻度(理論的には2倍の頻度)で交流インパルス電圧(例えば、印加回数:240[回/分])が印加されることになる。
【0062】
このとき、前述の条件でイオン量を計測した結果、イオンカウンタでは、プラスイオンとマイナスイオンが約50[万個/cc]ずつ計測された。すなわち、通常運転時と比べて約1.7倍のイオン量が計測された。
【0063】
なお、20d−2のように、切換リレー237に代えて、ダイオード233bのカソードとダイオード233dのアノードとの接続ノードを交流電源231の他端に接続するとともに、ダイオード233cまたはダイオード233dのアノードまたはカソードに開閉スイッチ238を直列接続し、該開閉スイッチ238を運転モードに応じて制御する構成としても、上記と同様の動作を実現することが可能である。
【0064】
次に、電圧印加回路20の第5実施形態について説明する。図10は電圧印加回路20の第5実施形態を示す回路図である。本図のように、本実施形態の電圧印加回路20eは、交流電源241と、スイッチングトランス242と、ダイオード243と、抵抗244と、コンデンサ245a、245bと、サイダック246と、開閉スイッチ247と、を有して成る。
【0065】
入力交流電源241の一端は、抵抗244を介して、ダイオード243のアノードに接続されている。ダイオード243のカソードは、トランス242の1次巻線L1の一端とコンデンサ245a、245bの各一端に各々接続されている。1次巻線L1の他端は、サイダック246のアノードに接続されている。サイダック246のカソードは、交流電源241の他端に接続されている。コンデンサ245bの他端は、開閉スイッチ247を介して、コンデンサ245aの他端に接続されるとともに、サイダック246のカソード及び入力交流電源241の他端に接続されている。トランス242の2次巻線L2の一端は、放電部12の放電電極接点12cに接続されており、他端は放電部12の誘導電極接点12dに接続されている。
【0066】
通常運転時、開閉スイッチ247は閉結される。このとき、交流電源241の出力電圧は、ダイオード243で半波整流された後、抵抗244の抵抗値とコンデンサ245a、245bの容量の積である時定数により決まる時間で、コンデンサ245a、245bに充電され、この両端電圧が所定閾値に達すると、サイダック246がオン状態となり、トランス242の一次巻線L1に電流が流れることにより、コンデンサ245a、245bの充電されたエネルギーが2次巻線L2に伝達され、放電部12に高圧パルス電圧が印加される。その直後、サイダック246はオフ状態となり、再びコンデンサ245a、245bの充電が開始される。
【0067】
上記の充放電を繰り返すことによって、放電部12を構成する放電電極接点12cと誘導電極接点12dとの間には、図11(a)に示した交流インパルス電圧(例えば、印加回数:120[回/分])が印加される。このとき、放電部12の表面近傍でコロナ放電が生じて周辺の空気がイオン化され、プラスイオンであるH(HO)と、マイナスイオンであるO (HO)(m、nは自然数)が略等量発生する。これらの両イオンが空気中に浮遊するカビ菌やウイルスなどの浮遊細菌の周囲を取り囲み、その際に生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、前記浮遊細菌を不活性化することが可能となる。
【0068】
また、ファン(図示せず)からイオン発生素子10に向けて風を送り、約25[cm]風下のイオンカウンタ(図示せず)に到達したプラスイオン及びマイナスイオンの量を各々計測した結果、イオンカウンタでは、プラスイオンとマイナスイオンが約30[万個/cc]ずつ計測された。
【0069】
一方、電圧印加回路20eの増量運転時には、開閉スイッチ247が開放されるので、RC回路の時定数が小さくなり、半電源周期におけるサイダック246のオン回数が増加する。従って、放電電極接点12cと誘導電極接点12dとの間には、図11(b)に示すように、通常運転時よりも1.5倍程度の高頻度で交流インパルス電圧(例えば、印加回数:180[回/分])が印加されることになる。
【0070】
このとき、前述の条件でイオン量を計測した結果、イオンカウンタでは、プラスイオンとマイナスイオンが約40[万個/cc]ずつ計測された。すなわち、通常運転時と比べて1.3〜1.4倍のイオン量が計測された。
【0071】
なお、コンデンサ245a、245bと開閉スイッチ247に代えて、可変容量を用い、その容量値を動作モードに応じて制御する構成としても、上記と同様の動作を実現することが可能である。また、上記したRC回路の時定数切換制御を行うに際して、必要であれば抵抗244の抵抗値を可変制御することが可能な構成としておいてもよい。
【0072】
また、上記した第4、第5実施形態のイオン発生装置を組み合わせれば、両構成の効果を得ることができるので、さらにイオン量を増加させることが可能となる。具体的には、上記の増量運転を行うことで、通常運転時に比べて3倍程度までイオン量増大を実現することが可能と考えられる。
【0073】
上記で説明した通り、第4、第5実施形態の電圧印加回路20d、20eは、所定量のイオンが発生するようにイオン発生素子10への電圧印加を行う通常運転と、該通常運転よりもイオン発生素子10での放電頻度を高めて前記所定量より多量のイオンが発生するようにイオン発生素子10への電圧印加を行う増量運転と、を切り換えて実行する手段を有することを特徴としている。このような構成とすることにより、イオン発生素子10の放電量(すなわちイオン放出量)を適宜切り換えることが可能となる。なお、第4、第5実施形態における運転モード切換制御については、次の制御例が考えられる。
【0074】
例えば、本発明に係るイオン発生装置は、周囲環境に関する情報(プラスイオン量やマイナスイオン量、臭い成分量、浮遊細菌量、二酸化炭素濃度、温度、湿度等)を得るセンサを有し、該センサの取得情報に応じて、前記通常運転と前記増量運転を切り換える構成にするとよい。このような構成とすることにより、ユーザ操作に依ることなく、周囲環境を常に最適な状態に保つことが可能となる。
【0075】
また、本発明に係るイオン発生装置は、外部操作を受け付ける入力部を有し、該入力部への所定操作に応じて、前記通常運転と前記増量運転を切り換える構成にするとよい。このような構成とすることにより、ユーザニーズに応じてイオン放出量を制御することが可能となる。例えば、室内のイオンバランスを素早く整えたい場合には増量運転に切り換えればよいし、できる限り静寂に室内のイオンバランスを整えたい場合には、増量運転に比べて放電音の小さい通常運転に切り換えればよい。
【0076】
なお、上記各実施形態では、放電部に交流電圧を印加してプラスイオンとマイナスイオンを発生させ、空気中の浮遊細菌等を不活性化することが可能なイオン発生装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、放電部に負電圧を印加してマイナスイオンのみを発生させ、室内のリラクゼーション効果を高めることが可能なイオン発生装置にも当然に適用することができる。
【0077】
また、上記各実施形態のイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などの電気機器に搭載するとよい。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置で空気の物性を変化させ、室内環境を所望の雰囲気状態とすることが可能となる。
【0078】
【発明の効果】
上記したように、本発明に係るイオン発生装置、及びこれを備えた電気機器であれば、オゾンの発生量増加を抑えつつ、効率的にイオン放出量を増大させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン発生装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】電圧印加回路20の第1実施形態を示す回路図である。
【図3】第1実施形態における放電部への印加電圧波形を示す図である。
【図4】電圧印加回路20の第2実施形態を示す回路図である。
【図5】第2実施形態における放電部への印加電圧波形を示す図である。
【図6】電圧印加回路20の第3実施形態を示す回路図である。
【図7】第3実施形態における放電部への印加電圧波形を示す図である。
【図8】電圧印加回路20の第4実施形態を示す回路図である。
【図9】第4実施形態における放電部への印加電圧波形を示す図である。
【図10】電圧印加回路20の第5実施形態を示す回路図である。
【図11】第5実施形態における放電部への印加電圧波形を示す図である。
【図12】イオン発生装置の一従来例を示す回路図である。
【図13】放電部への印加電圧波形の一従来例を示す図である。
【符号の説明】
10 イオン発生素子
11 誘電体
11a 上部誘電体
11b 下部誘電体
12 第1、第2放電部
12a 放電電極
12b 誘導電極
12c 放電電極接点
12d 誘導電極接点
12e、12f 接続部
13 コーティング層
20(20a〜e) 電圧印加回路
201、211、221、231、241 入力交流電源
202、212、222、232、242 スイッチングトランス
L1 1次巻線
L2 2次巻線
203a〜d、213、223a〜d、233a〜d、243 ダイオード
204、214、224、234、244 抵抗
205、215、225、235、245a〜b コンデンサ
206、216、226、236、246 半導体スイッチング素子
237 切換リレー
237a 共通端子
237b〜c 選択端子
238、247 開閉スイッチ

Claims (14)

  1. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、
    前記高圧インパルス電圧発生回路の入力電圧を全波整流することを特徴とするイオン発生装置。
  2. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、
    前記コンデンサの容量を可変としたことを特徴とするイオン発生装置。
  3. 前記時定数回路の抵抗の値を可変としたことを特徴とする請求項2に記載のイオン発生装置。
  4. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、
    前記高圧インパルス電圧発生回路の入力電圧を全波整流するとともに、前記コンデンサの容量を可変としたことを特徴とするイオン発生装置。
  5. 前記高圧インパルス電圧発生回路の入力電圧を全波整流するとともに、前記時定数回路の抵抗の値を可変としたことを特徴とする請求項4に記載のイオン発生装置。
  6. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、
    前記高圧インパルス電圧発生回路を構成するダイオードブリッジに直列にスイッチング手段を設けたことを特徴とするイオン発生装置。
  7. 前記高圧インパルス電圧発生回路を構成するダイオードブリッジ内の一つのダイオードに直列にスイッチング手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載のイオン発生装置。
  8. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、
    前記コンデンサと並列にコンデンサを設け、該コンデンサにスイッチング手段を設けたことを特徴とするイオン発生装置。
  9. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、前記整流回路が半波整流のときのイオン発生量に対し、全波整流することでイオン発生量を増量させることを特徴とするイオン発生装置。
  10. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、
    前記時定数回路が所定の定数のときのイオン発生量に対し、所定の定数より小さい値に切り換えることでイオン発生量を増量させることを特徴とするイオン発生装置。
  11. 誘電体を挟んで2つの電極を対向させて成るイオン発生素子と、該イオン発生素子に接続されたスイッチングトランスと入力交流電圧を整流する整流回路とこれに接続されるコンデンサと抵抗による時定数回路と、該時定数回路の充電電圧に応じてON/OFFする半導体式スイッチング素子を有して成る高圧インパルス電圧発生回路で、前記スイッチングトランスを該スイッチング素子で駆動することで、前記イオン発生素子に高圧インパルス電圧を印加するイオン発生装置において、
    所定量のイオンが発生する第1時間間隔で前記イオン発生素子にインパルス電圧を印加する通常運転と、該通常運転よりも短い第2時間間隔で前記イオン発生素子にインパルス電圧を印加する増量運転と、を切り換えることを特徴とするイオン発生装置。
  12. 周囲環境に関する情報を得るセンサを有し、該センサの取得情報に応じて、前記通常運転と前記増量運転を切り換えることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載のイオン発生装置。
  13. 外部操作を受け付ける入力部を有し、該入力部への所定操作に応じて、前記通常運転と前記増量運転を切り換えることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載のイオン発生装置。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれかに記載のイオン発生装置を備えて成ることを特徴とする電気機器。
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