JP2005035895A - 高カルシウム血症および骨疾患治療剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な高カルシウム血症および骨疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
骨の量と機能は、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収(骨破壊)のバランスによって維持されている。高齢化社会の中で患者数が急速に増加しつつある骨粗鬆症は、活性化した成熟破骨細胞による過剰な骨吸収により骨代謝のバランスが破綻し、骨量が減少する疾患である。
【0003】
骨粗鬆症の治療薬としての骨吸収抑制剤としては、現在のところ女性ホルモンであるエストロジェンなどがあり、治療方法としてはこれを直接投与する方法があるが、この方法は重篤な副作用を引き起こすことが欠点である。また、エストロジェンは甲状腺ホルモンであるカルシトニンの分泌を促進することにより骨吸収を抑制すると考えられており、カルシトニンなどのペプチドホルモン製剤なども骨吸収抑制剤として使用されている。しかしながら、ペプチドホルモン製剤は、その骨吸収抑制効果の持続性が短いことや、アレルギーなどの過敏性体質の患者には使用しにくいなどの欠点がある。従って、これらに代わる新たな骨疾患治療剤の開発が望まれている。
【0004】
骨吸収の要因である破骨細胞の働きを直接抑制できる非ホルモン系の薬剤は、副作用の少ない臨床薬として期待できる。非ホルモン系の骨疾患治療剤としては、リベロマイシン類を有効成分とする骨疾患治療剤が知られている(特許文献1を参照)。しかしながら、さらなる骨疾患治療剤の開発が望まれている。
【0005】
上述のとおり、生体内において、骨密度が減少する骨疾患の原因は破骨細胞による過剰の骨吸収による。生体内において、例えば、副甲状腺ホルモン(Parathyroid Hormone : PTH)は、破骨細胞の分化を促進するとともに成熟破骨細胞の活性化を誘導する。従って、副甲状腺ホルモンが作用する破骨細胞に作用する薬剤、例えば、骨吸収の働きを担う破骨細胞の形成を抑制する薬剤、あるいは破骨細胞の機能を阻害する薬剤などの開発は、骨粗鬆症などの骨疾患の治療剤、またさらに高カルシウム血症などの治療剤としての臨床応用が大いに期待される。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−223945号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の希求に応えるものであり、新規な高カルシウム血症および骨疾患治療剤、該治療剤の有効成分として用いられ得る新規化合物の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題の解決のために鋭意検討した結果、天然化合物リベロマイシンAの特定の誘導体、およびリベロマイシンAを基に新たに開発されたリベロマイシンA誘導体が、成熟破骨細胞に選択的な細胞死を誘導することによって骨吸収作用を抑制する事実を新たに見いだした。また、これらのリベロマイシンA誘導体が、生体内において最も重要な骨吸収システムである副甲状腺ホルモン依存的骨吸収を効果的に抑制できる事実を新たに見いだした。このような知見から、これらのリベロマイシンA誘導体を高カルシウム血症および骨疾患治療剤として使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 下記一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、Rは酸性条件下で脱離し得る水酸基の保護基を示す。)
で表されるリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする高カルシウム血症または骨疾患治療剤。
(2) 一般式(I)において、Rがtert−ブチルジメチルシリル基である(1)に記載の治療剤。
(3) 下記一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】
で示されるリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(4) (3)に記載のリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする高カルシウム血症または骨疾患治療剤。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体
本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体は、下記一般式(I)で表される化合物およびその薬学的に許容される塩である。
【0014】
【化5】
【0015】
式中、Rは酸性条件下で脱離し得る水酸基の保護基を示す。
本発明において「水酸基の保護基」とは、水酸基を一時的に種々の反応から保護することができる原子団であれば特に限定されない。
また、本発明において「酸性条件下で脱離し得る」とは、保護基が酸性条件下で脱離可能であって、中性条件下においては酸性条件下における場合と比較してより脱離しにくいことを意味する。好ましくは、「酸性条件下で脱離し得る」とは、成熟破骨細胞などにより作り出される酸性環境下において保護基が脱離可能であって、通常の細胞が存在する中性環境下においては保護基がより脱離しにくいことを意味する。なお、「中性条件下において保護基がより脱離しにくい」とは、好ましくは中性条件下において保護基が安定でほとんど脱離しないことを意味する。具体的には、「酸性条件下で脱離し得る」とは、例えばpH4.0以下の酸性条件下において保護基が脱離し、pH7.0の中性条件下において保護基がほとんど脱離しないことを意味する。本発明に用いることができる「酸性条件下で脱離し得る」保護基は、例えば次のような方法で選択することができる。試験する保護基で5位の水酸基を保護したリベロマイシンA誘導体を、成熟破骨細胞などの酸性環境を作り出す細胞、および破骨細胞前駆細胞などの中性環境下に存在する細胞に投与し、生存細胞数の計測またはMTT法などにより細胞死誘導活性を測定し、酸性環境を作り出す細胞に対し、中性環境に存在する細胞よりもより高い細胞死誘導活性を示す誘導体を選択する。
【0016】
Rとしては、アシル基、アルキル基またはシリル基などを用いることができ、好ましくはアシル基またはシリル基を用いることができる。より具体的には、アシル基としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ヘキサノイル基などのアルキルカルボニル基など、アルキル基としてはメチル基、エチル基などのアルキル基;テトラヒドロピラニル基;エトキシエチル基 、メトキシメチル基などのアルコキシアルキル基;ベンジル基などのアリールアルキル(アラルキル)基;メチルチオメチル基などのアルキルチオアルキル基など、シリル基としてはtert−ブチルジフェニルシリル基 、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基などを用いることができるが、これらに限定されることはない。
【0017】
本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体の好ましい一形態は、一般式(I)において、Rがtert−ブチルジメチルシリル基であるリベロマイシンA誘導体である。
本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体の別の好ましい一形態は、一般式(I)において、Rがアセチル基である新規リベロマイシンA誘導体である。
【0018】
本発明の治療剤においてはリベロマイシンA誘導体の薬学的に許容される塩も用いることができる。薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩;又はp−トルエンスルホン酸塩などの有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アンモニウム塩;メチルアンモニウム塩などの有機アンモニウム塩;グリシン塩などのアミノ酸塩などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0019】
一般式(I)で表されるリベロマイシンA誘導体は複数の不斉炭素を有しており、また置換基の種類によりさらに1個以上の不斉炭素を有する場合がある。これらの不斉炭素に基づく光学異性体またはジアステレオマーなどの立体異性体が存在するが、本発明においては純粋な形態の立体異性体のほか、任意の立体異性体の混合物またはラセミ体などを用いることができる。また、リベロマイシンA誘導体にはオレフィン性の二重結合を有する場合も存在し、二重結合に基づく幾何異性体が存在するが、純粋な形態の幾何異性体のほか、任意の幾何異性体の混合物も本発明に用いることができる。本発明に用いられるリベロマイシンA誘導体は任意の結晶形として存在することができ、水和物または溶媒和物として存在する場合もある。これらの物質についても本発明に用いることができる。
【0020】
リベロマイシンAについては公知方法及びそれに準ずる方法、例えば特公平6−33271号公報、及びジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(Journal of Antibiotics Vol. 45, No. 9, pp1409−1413 (1992))に記載されているリベロマイシンA生産菌を培養し、リベロマイシンAを採取する方法により製造することができる。
【0021】
リベロマイシンA誘導体については、本発明により本発明の治療剤として有効な活性を有する特定のリベロマイシンA誘導体の構造が明らかにされたため、公知方法、例えばバイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters Vol. 12, pp3363−3366 (2002))などに記載されているリベロマイシンA誘導体の製造方法および通常の有機合成手法により製造することができる。なお、本発明の実施例には、本発明の治療剤として用いられる化合物の合成手法の具体例が記載されており、これらの合成手法も参照することができる。
【0022】
(2)本発明の高カルシウム血症および骨疾患治療剤
本発明の治療剤は、特定のリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする薬剤であり、高カルシウム血症ならびに骨疾患の治療および/または予防のために使用することができる。骨疾患としては、骨量減少等の内因性骨疾患、及び物理的骨折等の外因性骨疾患の両方を含み、本発明の薬剤は上記骨疾患の治療及び/又は予防、あるいは上記骨疾患の治療期間の短縮のために使用することができる。内因性骨疾患としては、生体内での破骨細胞の過剰な形成及び/又は過剰な機能を伴う全ての疾患が包含される。骨疾患の具体例としては、骨粗鬆症、骨疾患関連性高カルシウム血症、骨ページェット病、破骨細胞腫、骨肉腫、関節症、慢性関節リウマチ、変形性骨炎、原発性甲状腺機能亢進症、骨減少症、骨多孔症、骨軟化症、外傷性骨折、疲労骨折、又は栄養障害、悪性腫瘍など他の疾病が原因による骨組織の脆弱化及び骨折などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本発明の治療剤は、ビタミンD3、IL−1または副甲状腺ホルモンにより誘導される高カルシウム血症および骨疾患の治療および/または予防のために好適に用いられる。
【0023】
本発明の治療剤は、その使用目的にあわせて通常の薬学的手法に準じて投与方法、剤型、投与量を適宜決定することが可能である。例えば治療あるいは予防を目的としてヒトなどの動物に投与する場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、溶剤等として経口的に、または注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等として非経口的に投与することができる。また、本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体の有効量は通常の薬学的手法に準じてその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬製剤とすることができる。注射剤の場合には、適当な担体とともに滅菌処理を行って製剤とする。投与量は疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なり、最終的には医師の判断に委ねられるが、有効成分量として成人に経口で投与する場合、通常20〜500 mg/kg/日、好ましくは50〜300 mg/kg/日、非経口で投与する場合、通常10〜300 mg/kg/日、好ましくは20〜200 mg/kg/日を投与する。これを1回あるいは数回に分割して投与すればよい。
【0024】
本発明において、種々のリベロマイシンA誘導体を化学合成して、天然型リベロマイシンAに比べ、より特異的に細胞培養系における成熟破骨細胞の増殖を抑制できる化合物の開発を試みた。その結果、一般式(I)で表される特定のリベロマイシンA誘導体、特に一般式(I)におけるRがtert−ブチルジメチルシリル基である誘導体およびRがアセチル基である誘導体が、成熟破骨細胞に対して、天然型リベロマイシンAに比べ、さらに選択的な破骨細胞増殖抑制効果を示すことを新たに見いだした。すなわち、リベロマイシンAの5位の水酸基を適当な保護基で保護した誘導体は、中性pHでは殺細胞活性が微弱であるが、酸性環境を作り出す成熟破骨細胞に対しては強力なアポトーシス誘導活性を有するプロドラッグとして働く。これらの誘導体は、成熟破骨細胞以外の細胞に対するアポトーシス誘導活性がより低いといった優れた選択的破骨細胞アポトーシス誘導効果を示す。活性化した成熟破骨細胞に対する選択性が高いことから、これらのリベロマイシンA誘導体の副作用は軽微であると考えられる。
【0025】
また、甲状腺副甲状腺を摘出後、副甲状腺ホルモンを投与することにより高カルシウム血症を呈するラットに対して特定のリベロマイシンA誘導体の投与を行った結果、これらのリベロマイシンA誘導体は、副甲状腺ホルモンにより誘発される骨吸収作用を効果的に抑制できることが新たに判明した。また、これらのリベロマイシンA誘導体の骨吸収抑制効果は、従来のカルシトニンによるものに比べ持続時間の長いものであった。
【0026】
すなわち、本発明において、骨吸収を担う成熟破骨細胞に対して選択的細胞死を誘導できるリベロマイシンA誘導体が見出された。これらのリベロマイシンA誘導体は、副甲状腺ホルモンに起因する骨吸収を効果的に抑制でき、さらにその効果はカルシトニンなどに比べ持続性が向上していたことから、破骨細胞の過剰な活性化などにより誘発される骨疾患および高カルシウム血症などの効果的な治療剤として期待できる。
【0027】
【実施例】
以下に製造例および実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
種々のリベロマイシンA誘導体をバイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters Vol. 12, pp3363−3366 (2002))および以下の製造例に記載の方法により合成した。なお、リベロマイシンAを特公平6−33271号公報に記載の方法により製造した。合成した29種類のリベロマイシンA誘導体を以下の表1および2に示す。なお、表1および2においてAcはアセチル基、allylはアリル基、Etはエチル基、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基、Meはメチル基、MTMはメチルチオメチル基を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
以下に、化合物2および27の製造例を示す。
<製造例1> 化合物2(C5−シリルエーテル体)の合成
C5−シリルエーテル体(化合物2)の合成
窒素雰囲気下、リベロマイシンA (6.6 mg, 0.01 mmol) の DMF(ジメチルホルムアミド)(300 μl) 溶液に、室温でイミダゾール (13.6 mg, 0.2 mmol) およびTBSCl(t−ブチルジメチルシリルクロライド)(18.0 mg, 0.12 mmol) を加えて一昼夜攪拌した。AcOEt(酢酸エチル)で希釈し、0 ℃で有機層を1N HCl、飽和食塩水で順次洗浄した。 溶媒を留去後残渣にMeOH(メタノール) : THF(テトラヒドロフラン) : H2O = 3 : 2 : 1 (600 μl) およびK2CO3 (5 mg) を加え室温にて1時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣をSiO2カラムクロマトグラフィー (n−ヘキサン : AcOEt = 1 : 1 ; 1% 酢酸) にて精製して、5−シリルエーテル(化合物2)(無色油状物 : 5.0 mg, 71%) を得た。
【0031】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ = 0.06 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.85 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.95 (s, 9H), 1.09 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.79 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.63 (m, 4H), 3.47 (ddd, J = 10.0, 5.0, 5.0 Hz, 1H), 4.26 (dd, J = 6.9, 5.5 Hz, 1H), 4.65 (brd, J = 8.2 Hz, 1H), 5.54 (dd, J = 15.6, 6.9 Hz, 1H), 5.63 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 1H), 5.82 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 5.92 (brs, 1H), 6.27 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.46 (m, 2H), 7.03 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CD3OD) δ = 14.2, 14.4, 14.9, 18.1, 19.1, 23.9, 25.1, 25.5, 26.4, 28.6, 29.9, 31.1, 32.8, 33.3, 35.3, 36.9, 44.9, 76.2, 78.1, 79.9, 84.3, 97.0, 121.5, 122.3, 128.6, 129.4, 134.1, 135.6, 137.3, 139.3, 152.6, 153.5, 170.2, 170.2, 173.4, 175.9.
【0032】
<製造例2> 化合物27(C5−アセテート体)の合成
トリアリルエステルの合成
リベロマイシンA (66.1 mg, 0.1 mmol)、 アリルアルコール(700 μl)、EDCI(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)(178.2 mg, 0.6 mmol) およびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)(1.2mg, 0.01 mmol) を2 mlのテフロン(デュポン社登録商標)製容器に入れ、さらに無水CH2Cl2で容器を満たし、室温1.5 GPaで2日間加圧した。反応液をEt2O(ジエチルエーテル)で希釈し、2N Na2CO3aq.、飽和食塩水で順次洗浄後、MgSO4で乾燥し、溶媒を留去した.残渣をカラムクロマトグラフィー (n−ヘキサン : Et2O = 2 : 1) にて精製しトリアリルエステル(28.1 mg, 36%) を得た。
【0033】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 0.76 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.82 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.72 (s, 3H), 2.25 (brs, 3H), 2.66 ( m, 4H), 3.41 (ddd, J = 9.9, 4.8, 4.8 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 7.3, 5.6 Hz, 1H), 4.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.62 (m, 6H), 5.24 (dd, J = 10.4, 1.4 Hz, 2H), 5.24 (dd, J = 10.4, 1.4 Hz, 1H), 5.32 (ddd, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.34 (ddd, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.35 (ddd, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.51 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H), 5.54 (brt, J = 7.3 Hz, 1H), 5.86 (brs, 1H), 5.90 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 5.96 (m, 3H), 6.22 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.38 (dd, J = 15.6, 8.0 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 16.0, 7.5 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 12.6, 14.1, 14.4, 14.7, 17.7, 22.9, 29.4, 30.2, 33.9, 34.2, 36.0, 42.7, 64.8, 65.1, 65.5, 74.9, 76.1, 78.2, 83.1, 95.8, 118.1, 118.1, 118.3, 119.7, 121.4, 126.0, 129.4, 132.0, 132.3, 132.3, 133.2, 133.8, 137.4, 137.7, 150.9, 151.9, 166.1, 166.4, 171.2, 171.8.
【0034】
5−アセトキシ体の合成
窒素雰囲気下、トリアリルエステル(8.5 mg, 10.9 μmol) のCH2Cl2溶液 (1 ml) にピリジン(4.4 μl, 54.4 μmol) 、DMAP (1 piece)、Ac2O(無水酢酸)(2.1 μl, 21.8 μmol)を順次加え0℃で3時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー (n−ヘキサン : AcOEt = 3 : 1) にて精製して、5−アセトキシトリアリルエステル (無色油状物 : 6.8 mg, 76%) を得た。
【0035】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 0.74 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.83 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.70 (bs, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.28 (d, J = 0.9 Hz, 3H), 2.67 (m, 4H), 2.77 (m, 4H), 3.43 (dt, J = 10.1, 3.7 Hz, 1H), 4.60 (ddd, J = 6.0, 1.4, 1.4 Hz, 2H), 4.62 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.64 (ddd, J = 6.0, 1.4, 1.4 Hz, 2H), 4.65 (ddd, J = 6.0, 1.4, 1.4 Hz, 2H), 5.24 (ddt, J = 10.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.25 (ddt, J = 10.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.25 (ddt, J = 10.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.27 (dd, J = 8.3, 5.5 Hz, 1H), 5.32 (ddt, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.34 (ddt, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.34 (ddt, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.38 (dd, J = 15.6, 8.3 Hz, 1H), 5.64 (brt, J = 6.9 Hz, 1H), 5.86 (brs, 1H), 5.87 (dd, J = 15.6, 0.9 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.38 (dd, J = 15.6, 8.7 Hz, 1H), 6.99 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H),7.03 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 12.7, 14.0, 14.4, 15.1, 17.7, 21.4, 22.8, 29.3, 30.2, 35.8, 40.6, 64.8, 65.2, 65.5, 74.5, 77.6, 78.2, 83.2, 95.9, 118.2, 118.3, 118.5, 120.0, 121.0, 121.9, 130.0, 132.1, 132.3, 132.5, 133.3, 133.9, 137.8, 139.8, 149.6, 151.8, 166.2, 166.6, 170.2, 171.4, 172.0.
【0036】
窒素雰囲気下、5−アセトキシトリアリルエステル (5.8 mg, 0.07 μmol) のCH2Cl2 (1 ml) 溶液に0℃でPd(Ph3P)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)(0.41 mg, 0.35 μmol)、Ph3P(トリフェニルホスフィン)(0.19 mg, 0.7 μmol)、ピロリジン(7.3 μl, 0.086 mmol) を順次加えた後、3時間攪拌した。反応溶液をEtOAcで希釈し、2N Na2CO3で抽出し、水層を2N HClで中性にしてEtOAcで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、MgSO4で乾燥し溶媒を留去して、5−アセトキシ体 (4.2 mg, 85 %) を得た。
【0037】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 0.83 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.13 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.78 (brs, 3H), 2.11 (s, 1H), 2.30 (d, J = 1.4 Hz, 3H), 2.63 (m, 4H), 3.49 (dt, J = 10.1, 5.5 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 5.32 (dd, J = 7.3, 6.0 Hz, 1H), 5.51 (dd, J = 15.6, 7.8 Hz, 1H), 5.69 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 5.88 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 5.92 (brs, 1H), 6.33 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 15.6, 6.9 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 12.8, 14.2, 14.7, 15.2, 18.0, 23.8, 25.1, 25.5, 28.7, 29.9, 31.1, 32.8, 32.9, 34.7, 35.2, 36.9, 41.8, 76.2, 78.8, 79.8, 84.3, 97.1, 121.6, 122.9, 123.4, 130.9, 134.1, 135.3, 139.3, 140.3, 151.0, 152.5, 170.2, 170.2, 173.4, 176.0.
【0038】
<実施例1> リベロマイシンAおよびリベロマイシンA誘導体の成熟破骨細胞に対する細胞死誘導活性の検討
骨吸収の要因である成熟破骨細胞の増殖に対するリベロマイシンAおよびその誘導体の阻害効果を検討した。
上記のようにして合成した29種類のリベロマイシンA誘導体を用いて、成熟破骨細胞、及びマウス由来未分化マクロファージ様細胞(RAW264細胞)に対する細胞死誘導活性の試験を行った。マウスマクロファージ系細胞株であるRAW264 細胞を10% FBS−αMEM (Gibco BRL社製)に懸濁し、 96穴プレートに12000細胞/100 μl 播種し、1 時間培養後、RANKL (100 μg/ml)、 PD98059 (40 μM) を含む培地を 100 μl 加え(終濃度 RANKL 50 μg/ml、 PD98059 20 μM)、4 日間培養して成熟破骨細胞へ分化させた(J. Biol. Chem. Vol. 277, pp47366−47372 (2002))。なお、培養2 日目に培地を半量交換した。成熟破骨細胞へ分化させたプレートから培地を 100 μl/ウェルずつ除去し、2 倍濃度のリベロマイシンA誘導体を含む培地を 100 μl 加えて 24 時間培養後、TRAP (tartarateresistant acid phosphatase : 酒石酸耐性酸フォスファターゼ) 染色を行い、残存する多核の破骨細胞の数を計測し、細胞死(アポトーシス)誘導活性(ED50値)を計算した。アポトーシス誘導活性は、10 μM Hoechst 33258で10分間染色し核の凝集を観察確認した。
【0039】
未分化RAW264 細胞に対する細胞死誘導活性はMTT 法(J. Immunol. Methods, Vol. 65, pp55−63 (1983))により検討した。RAW264 細胞を96穴プレートに40000細胞/100 μl播種し、24 時間培養後、3 倍濃度の薬物を含む培地 50 μl を加え、 24 時間培養して細胞死誘導活性を検討した。細胞死誘導活性を測定する 2時間前に 0.5 % MTT−PBS (リン酸緩衝食塩水)15 μl を加えて培養した後、培養液を除去した残渣を DMSO (ジメチルスルフォキシド) 100 μlに溶解し、570 nm (レファレンス波長 630 nm) の吸光度を測定し、細胞死誘導活性のED50値を計算した。
【0040】
試験の結果、表3に示すように、リベロマイシンAによる成熟破骨細胞に対する細胞死誘導活性のED50は0.18 μMであるのに対してRAW264 細胞に対する細胞死誘導活性のED 50は24 μMであり、成熟破骨細胞に高い選択性を持って作用する。これに対し、リベロマイシンA誘導体(化合物2および化合物27)は、破骨細胞の前駆細胞RAW264に対しては比較的高濃度においても増殖阻害作用を示さず、成熟破骨細胞に対して選択的なアポトーシス誘導効果を示した。リベロマイシンA誘導体2 (C5−シリルエーテル体)、27(C5−アセテート体) は5位の水酸基の修飾体であるが、成熟破骨細胞に対して選択的に細胞死を誘導した。成熟破骨細胞によるプロトン分泌によってその周辺は酸性環境になるが、酸性環境では加水分解により修飾基が脱離して水酸基に戻ったために活性を示した可能性がある。リベロマイシンA誘導体(化合物2および化合物27)は、未分化RAW264細胞に対しては比較的高濃度においても増殖阻害作用を示さず、成熟破骨細胞に対して選択的なアポトーシス誘導効果を示すことから、プロドラッグとして有望であることが示された。
【0041】
【表3】
【0042】
<実施例2> マウス長管骨からの45Ca遊離抑制効果の検討
副甲状腺ホルモン(PTH)による骨吸収促進に対するリベロマイシンA誘導体の効果を測定した。
19日目の妊娠ラットに[45Ca]CaCl2を皮下注射し、胎児の骨を標識した。24時間後、前肢長管骨を摘出した。摘出した長管骨は15% 加熱非活性化ウマ血清と100 U/ml ペニシリンを含んだDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)を培地として使用し、骨吸収因子(PTH 10−8M, IL−1 0.3 ng/ml、ビタミンD3 10−8M)及びリベロマイシンA誘導体と共に72時間培養した。培養後、0.1N HClにより骨のカルシウムを溶かし出した溶液と培養液の45Ca放射活性を液体シンチレーションカウンターで計測した。全カルシウム量に対する培養液中に放出されたカルシウム量の比(骨吸収活性(%))を指標としたPTHによる骨吸収促進に対するリベロマイシンA誘導体の効果を検討した。
【0043】
【数1】
【0044】
リベロマイシンA誘導体(化合物2、および化合物27)は、10−8M、10−7M及び10−6MでPTHにより誘発された骨吸収を濃度依存的に抑制した。また、ビタミンD3やIL−1による骨吸収をも抑制できた。
【0045】
<実施例3> リベロマイシンA誘導体の副甲状腺ホルモン(PTH)による骨吸収阻害効果の検討
生体内で最も重要な骨吸収因子として機能している副甲状腺ホルモン(PTH)による骨吸収に対するリベロマイシンA誘導体の効果を検討した。
【0046】
リベロマイシンA誘導体の骨吸収阻害効果は、骨吸収作用により血中に放出される血清カルシウムの濃度測定により検定した。SD系のラットに甲状腺副甲状腺摘出手術(TPTX)を施し、翌日血清カルシウムの低下を確認した後、副甲状腺ホルモン(PTH)を持続注入して、骨吸収の亢進により高カルシウム血症を呈するラットを作製した。
PTH注入開始後12時間にリベロマイシンA誘導体(10 mg/50 μl EtOH(エタノール), 100 g bw)またはリベロマイシンA誘導体のナトリウム塩(10 mg/100 μl 0.05 N NaOH, 100 g bw)を投与して経時的に24時間まで血清カルシウムの測定を行った。
【0047】
SDラットにTPTXを施行すると血清カルシウム濃度が著しく低下した。TPTXラットにPTHを持続注入すると血清カルシウム濃度が上昇した。一方、リベロマイシンA誘導体(化合物2、および化合物27)(80 mg/Kg)を投与した個体においては、PTHによる血中カルシウム濃度の上昇は、有意に抑制された。リベロマイシンA誘導体は、PTHによる骨吸収を有意に抑制することが明らかとなった。また、リベロマイシンA誘導体をEtOHに溶解後投与した個体では、投与時に死亡する個体が見られたが、リベロマイシンA誘導体をナトリウム塩として投与することにより死亡する個体は認められず、有効な骨吸収抑制作用が発揮された。
【0048】
一方、骨吸収抑制因子として臨床応用されているカルシトニンの骨吸収抑制作用についても検討して、リベロマイシンA誘導体との相異について調べた。その結果、カルシトニンは骨吸収抑制作用が短いのに対して、リベロマイシンA誘導体(化合物2、および化合物27)による骨吸収抑制作用は長時間維持された。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、新規な高カルシウム血症および骨疾患治療剤、該治療剤の有効成分として用いられ得る新規化合物が提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な高カルシウム血症および骨疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
骨の量と機能は、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収(骨破壊)のバランスによって維持されている。高齢化社会の中で患者数が急速に増加しつつある骨粗鬆症は、活性化した成熟破骨細胞による過剰な骨吸収により骨代謝のバランスが破綻し、骨量が減少する疾患である。
【0003】
骨粗鬆症の治療薬としての骨吸収抑制剤としては、現在のところ女性ホルモンであるエストロジェンなどがあり、治療方法としてはこれを直接投与する方法があるが、この方法は重篤な副作用を引き起こすことが欠点である。また、エストロジェンは甲状腺ホルモンであるカルシトニンの分泌を促進することにより骨吸収を抑制すると考えられており、カルシトニンなどのペプチドホルモン製剤なども骨吸収抑制剤として使用されている。しかしながら、ペプチドホルモン製剤は、その骨吸収抑制効果の持続性が短いことや、アレルギーなどの過敏性体質の患者には使用しにくいなどの欠点がある。従って、これらに代わる新たな骨疾患治療剤の開発が望まれている。
【0004】
骨吸収の要因である破骨細胞の働きを直接抑制できる非ホルモン系の薬剤は、副作用の少ない臨床薬として期待できる。非ホルモン系の骨疾患治療剤としては、リベロマイシン類を有効成分とする骨疾患治療剤が知られている(特許文献1を参照)。しかしながら、さらなる骨疾患治療剤の開発が望まれている。
【0005】
上述のとおり、生体内において、骨密度が減少する骨疾患の原因は破骨細胞による過剰の骨吸収による。生体内において、例えば、副甲状腺ホルモン(Parathyroid Hormone : PTH)は、破骨細胞の分化を促進するとともに成熟破骨細胞の活性化を誘導する。従って、副甲状腺ホルモンが作用する破骨細胞に作用する薬剤、例えば、骨吸収の働きを担う破骨細胞の形成を抑制する薬剤、あるいは破骨細胞の機能を阻害する薬剤などの開発は、骨粗鬆症などの骨疾患の治療剤、またさらに高カルシウム血症などの治療剤としての臨床応用が大いに期待される。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−223945号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の希求に応えるものであり、新規な高カルシウム血症および骨疾患治療剤、該治療剤の有効成分として用いられ得る新規化合物の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題の解決のために鋭意検討した結果、天然化合物リベロマイシンAの特定の誘導体、およびリベロマイシンAを基に新たに開発されたリベロマイシンA誘導体が、成熟破骨細胞に選択的な細胞死を誘導することによって骨吸収作用を抑制する事実を新たに見いだした。また、これらのリベロマイシンA誘導体が、生体内において最も重要な骨吸収システムである副甲状腺ホルモン依存的骨吸収を効果的に抑制できる事実を新たに見いだした。このような知見から、これらのリベロマイシンA誘導体を高カルシウム血症および骨疾患治療剤として使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 下記一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、Rは酸性条件下で脱離し得る水酸基の保護基を示す。)
で表されるリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする高カルシウム血症または骨疾患治療剤。
(2) 一般式(I)において、Rがtert−ブチルジメチルシリル基である(1)に記載の治療剤。
(3) 下記一般式(II)
【0011】
【化4】
【0012】
で示されるリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(4) (3)に記載のリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする高カルシウム血症または骨疾患治療剤。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体
本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体は、下記一般式(I)で表される化合物およびその薬学的に許容される塩である。
【0014】
【化5】
【0015】
式中、Rは酸性条件下で脱離し得る水酸基の保護基を示す。
本発明において「水酸基の保護基」とは、水酸基を一時的に種々の反応から保護することができる原子団であれば特に限定されない。
また、本発明において「酸性条件下で脱離し得る」とは、保護基が酸性条件下で脱離可能であって、中性条件下においては酸性条件下における場合と比較してより脱離しにくいことを意味する。好ましくは、「酸性条件下で脱離し得る」とは、成熟破骨細胞などにより作り出される酸性環境下において保護基が脱離可能であって、通常の細胞が存在する中性環境下においては保護基がより脱離しにくいことを意味する。なお、「中性条件下において保護基がより脱離しにくい」とは、好ましくは中性条件下において保護基が安定でほとんど脱離しないことを意味する。具体的には、「酸性条件下で脱離し得る」とは、例えばpH4.0以下の酸性条件下において保護基が脱離し、pH7.0の中性条件下において保護基がほとんど脱離しないことを意味する。本発明に用いることができる「酸性条件下で脱離し得る」保護基は、例えば次のような方法で選択することができる。試験する保護基で5位の水酸基を保護したリベロマイシンA誘導体を、成熟破骨細胞などの酸性環境を作り出す細胞、および破骨細胞前駆細胞などの中性環境下に存在する細胞に投与し、生存細胞数の計測またはMTT法などにより細胞死誘導活性を測定し、酸性環境を作り出す細胞に対し、中性環境に存在する細胞よりもより高い細胞死誘導活性を示す誘導体を選択する。
【0016】
Rとしては、アシル基、アルキル基またはシリル基などを用いることができ、好ましくはアシル基またはシリル基を用いることができる。より具体的には、アシル基としてはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ヘキサノイル基などのアルキルカルボニル基など、アルキル基としてはメチル基、エチル基などのアルキル基;テトラヒドロピラニル基;エトキシエチル基 、メトキシメチル基などのアルコキシアルキル基;ベンジル基などのアリールアルキル(アラルキル)基;メチルチオメチル基などのアルキルチオアルキル基など、シリル基としてはtert−ブチルジフェニルシリル基 、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基などを用いることができるが、これらに限定されることはない。
【0017】
本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体の好ましい一形態は、一般式(I)において、Rがtert−ブチルジメチルシリル基であるリベロマイシンA誘導体である。
本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体の別の好ましい一形態は、一般式(I)において、Rがアセチル基である新規リベロマイシンA誘導体である。
【0018】
本発明の治療剤においてはリベロマイシンA誘導体の薬学的に許容される塩も用いることができる。薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩;又はp−トルエンスルホン酸塩などの有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アンモニウム塩;メチルアンモニウム塩などの有機アンモニウム塩;グリシン塩などのアミノ酸塩などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0019】
一般式(I)で表されるリベロマイシンA誘導体は複数の不斉炭素を有しており、また置換基の種類によりさらに1個以上の不斉炭素を有する場合がある。これらの不斉炭素に基づく光学異性体またはジアステレオマーなどの立体異性体が存在するが、本発明においては純粋な形態の立体異性体のほか、任意の立体異性体の混合物またはラセミ体などを用いることができる。また、リベロマイシンA誘導体にはオレフィン性の二重結合を有する場合も存在し、二重結合に基づく幾何異性体が存在するが、純粋な形態の幾何異性体のほか、任意の幾何異性体の混合物も本発明に用いることができる。本発明に用いられるリベロマイシンA誘導体は任意の結晶形として存在することができ、水和物または溶媒和物として存在する場合もある。これらの物質についても本発明に用いることができる。
【0020】
リベロマイシンAについては公知方法及びそれに準ずる方法、例えば特公平6−33271号公報、及びジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(Journal of Antibiotics Vol. 45, No. 9, pp1409−1413 (1992))に記載されているリベロマイシンA生産菌を培養し、リベロマイシンAを採取する方法により製造することができる。
【0021】
リベロマイシンA誘導体については、本発明により本発明の治療剤として有効な活性を有する特定のリベロマイシンA誘導体の構造が明らかにされたため、公知方法、例えばバイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters Vol. 12, pp3363−3366 (2002))などに記載されているリベロマイシンA誘導体の製造方法および通常の有機合成手法により製造することができる。なお、本発明の実施例には、本発明の治療剤として用いられる化合物の合成手法の具体例が記載されており、これらの合成手法も参照することができる。
【0022】
(2)本発明の高カルシウム血症および骨疾患治療剤
本発明の治療剤は、特定のリベロマイシンA誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする薬剤であり、高カルシウム血症ならびに骨疾患の治療および/または予防のために使用することができる。骨疾患としては、骨量減少等の内因性骨疾患、及び物理的骨折等の外因性骨疾患の両方を含み、本発明の薬剤は上記骨疾患の治療及び/又は予防、あるいは上記骨疾患の治療期間の短縮のために使用することができる。内因性骨疾患としては、生体内での破骨細胞の過剰な形成及び/又は過剰な機能を伴う全ての疾患が包含される。骨疾患の具体例としては、骨粗鬆症、骨疾患関連性高カルシウム血症、骨ページェット病、破骨細胞腫、骨肉腫、関節症、慢性関節リウマチ、変形性骨炎、原発性甲状腺機能亢進症、骨減少症、骨多孔症、骨軟化症、外傷性骨折、疲労骨折、又は栄養障害、悪性腫瘍など他の疾病が原因による骨組織の脆弱化及び骨折などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。本発明の治療剤は、ビタミンD3、IL−1または副甲状腺ホルモンにより誘導される高カルシウム血症および骨疾患の治療および/または予防のために好適に用いられる。
【0023】
本発明の治療剤は、その使用目的にあわせて通常の薬学的手法に準じて投与方法、剤型、投与量を適宜決定することが可能である。例えば治療あるいは予防を目的としてヒトなどの動物に投与する場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、溶剤等として経口的に、または注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等として非経口的に投与することができる。また、本発明の治療剤に用いられるリベロマイシンA誘導体の有効量は通常の薬学的手法に準じてその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬製剤とすることができる。注射剤の場合には、適当な担体とともに滅菌処理を行って製剤とする。投与量は疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なり、最終的には医師の判断に委ねられるが、有効成分量として成人に経口で投与する場合、通常20〜500 mg/kg/日、好ましくは50〜300 mg/kg/日、非経口で投与する場合、通常10〜300 mg/kg/日、好ましくは20〜200 mg/kg/日を投与する。これを1回あるいは数回に分割して投与すればよい。
【0024】
本発明において、種々のリベロマイシンA誘導体を化学合成して、天然型リベロマイシンAに比べ、より特異的に細胞培養系における成熟破骨細胞の増殖を抑制できる化合物の開発を試みた。その結果、一般式(I)で表される特定のリベロマイシンA誘導体、特に一般式(I)におけるRがtert−ブチルジメチルシリル基である誘導体およびRがアセチル基である誘導体が、成熟破骨細胞に対して、天然型リベロマイシンAに比べ、さらに選択的な破骨細胞増殖抑制効果を示すことを新たに見いだした。すなわち、リベロマイシンAの5位の水酸基を適当な保護基で保護した誘導体は、中性pHでは殺細胞活性が微弱であるが、酸性環境を作り出す成熟破骨細胞に対しては強力なアポトーシス誘導活性を有するプロドラッグとして働く。これらの誘導体は、成熟破骨細胞以外の細胞に対するアポトーシス誘導活性がより低いといった優れた選択的破骨細胞アポトーシス誘導効果を示す。活性化した成熟破骨細胞に対する選択性が高いことから、これらのリベロマイシンA誘導体の副作用は軽微であると考えられる。
【0025】
また、甲状腺副甲状腺を摘出後、副甲状腺ホルモンを投与することにより高カルシウム血症を呈するラットに対して特定のリベロマイシンA誘導体の投与を行った結果、これらのリベロマイシンA誘導体は、副甲状腺ホルモンにより誘発される骨吸収作用を効果的に抑制できることが新たに判明した。また、これらのリベロマイシンA誘導体の骨吸収抑制効果は、従来のカルシトニンによるものに比べ持続時間の長いものであった。
【0026】
すなわち、本発明において、骨吸収を担う成熟破骨細胞に対して選択的細胞死を誘導できるリベロマイシンA誘導体が見出された。これらのリベロマイシンA誘導体は、副甲状腺ホルモンに起因する骨吸収を効果的に抑制でき、さらにその効果はカルシトニンなどに比べ持続性が向上していたことから、破骨細胞の過剰な活性化などにより誘発される骨疾患および高カルシウム血症などの効果的な治療剤として期待できる。
【0027】
【実施例】
以下に製造例および実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
種々のリベロマイシンA誘導体をバイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters Vol. 12, pp3363−3366 (2002))および以下の製造例に記載の方法により合成した。なお、リベロマイシンAを特公平6−33271号公報に記載の方法により製造した。合成した29種類のリベロマイシンA誘導体を以下の表1および2に示す。なお、表1および2においてAcはアセチル基、allylはアリル基、Etはエチル基、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基、Meはメチル基、MTMはメチルチオメチル基を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
以下に、化合物2および27の製造例を示す。
<製造例1> 化合物2(C5−シリルエーテル体)の合成
C5−シリルエーテル体(化合物2)の合成
窒素雰囲気下、リベロマイシンA (6.6 mg, 0.01 mmol) の DMF(ジメチルホルムアミド)(300 μl) 溶液に、室温でイミダゾール (13.6 mg, 0.2 mmol) およびTBSCl(t−ブチルジメチルシリルクロライド)(18.0 mg, 0.12 mmol) を加えて一昼夜攪拌した。AcOEt(酢酸エチル)で希釈し、0 ℃で有機層を1N HCl、飽和食塩水で順次洗浄した。 溶媒を留去後残渣にMeOH(メタノール) : THF(テトラヒドロフラン) : H2O = 3 : 2 : 1 (600 μl) およびK2CO3 (5 mg) を加え室温にて1時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣をSiO2カラムクロマトグラフィー (n−ヘキサン : AcOEt = 1 : 1 ; 1% 酢酸) にて精製して、5−シリルエーテル(化合物2)(無色油状物 : 5.0 mg, 71%) を得た。
【0031】
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ = 0.06 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.85 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 0.95 (s, 9H), 1.09 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.79 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.63 (m, 4H), 3.47 (ddd, J = 10.0, 5.0, 5.0 Hz, 1H), 4.26 (dd, J = 6.9, 5.5 Hz, 1H), 4.65 (brd, J = 8.2 Hz, 1H), 5.54 (dd, J = 15.6, 6.9 Hz, 1H), 5.63 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 1H), 5.82 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 5.92 (brs, 1H), 6.27 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.46 (m, 2H), 7.03 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CD3OD) δ = 14.2, 14.4, 14.9, 18.1, 19.1, 23.9, 25.1, 25.5, 26.4, 28.6, 29.9, 31.1, 32.8, 33.3, 35.3, 36.9, 44.9, 76.2, 78.1, 79.9, 84.3, 97.0, 121.5, 122.3, 128.6, 129.4, 134.1, 135.6, 137.3, 139.3, 152.6, 153.5, 170.2, 170.2, 173.4, 175.9.
【0032】
<製造例2> 化合物27(C5−アセテート体)の合成
トリアリルエステルの合成
リベロマイシンA (66.1 mg, 0.1 mmol)、 アリルアルコール(700 μl)、EDCI(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)(178.2 mg, 0.6 mmol) およびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)(1.2mg, 0.01 mmol) を2 mlのテフロン(デュポン社登録商標)製容器に入れ、さらに無水CH2Cl2で容器を満たし、室温1.5 GPaで2日間加圧した。反応液をEt2O(ジエチルエーテル)で希釈し、2N Na2CO3aq.、飽和食塩水で順次洗浄後、MgSO4で乾燥し、溶媒を留去した.残渣をカラムクロマトグラフィー (n−ヘキサン : Et2O = 2 : 1) にて精製しトリアリルエステル(28.1 mg, 36%) を得た。
【0033】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 0.76 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.82 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.72 (s, 3H), 2.25 (brs, 3H), 2.66 ( m, 4H), 3.41 (ddd, J = 9.9, 4.8, 4.8 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 7.3, 5.6 Hz, 1H), 4.61 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.62 (m, 6H), 5.24 (dd, J = 10.4, 1.4 Hz, 2H), 5.24 (dd, J = 10.4, 1.4 Hz, 1H), 5.32 (ddd, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.34 (ddd, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.35 (ddd, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.51 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H), 5.54 (brt, J = 7.3 Hz, 1H), 5.86 (brs, 1H), 5.90 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 5.96 (m, 3H), 6.22 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.38 (dd, J = 15.6, 8.0 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 16.0, 7.5 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 12.6, 14.1, 14.4, 14.7, 17.7, 22.9, 29.4, 30.2, 33.9, 34.2, 36.0, 42.7, 64.8, 65.1, 65.5, 74.9, 76.1, 78.2, 83.1, 95.8, 118.1, 118.1, 118.3, 119.7, 121.4, 126.0, 129.4, 132.0, 132.3, 132.3, 133.2, 133.8, 137.4, 137.7, 150.9, 151.9, 166.1, 166.4, 171.2, 171.8.
【0034】
5−アセトキシ体の合成
窒素雰囲気下、トリアリルエステル(8.5 mg, 10.9 μmol) のCH2Cl2溶液 (1 ml) にピリジン(4.4 μl, 54.4 μmol) 、DMAP (1 piece)、Ac2O(無水酢酸)(2.1 μl, 21.8 μmol)を順次加え0℃で3時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー (n−ヘキサン : AcOEt = 3 : 1) にて精製して、5−アセトキシトリアリルエステル (無色油状物 : 6.8 mg, 76%) を得た。
【0035】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 0.74 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.83 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.70 (bs, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.28 (d, J = 0.9 Hz, 3H), 2.67 (m, 4H), 2.77 (m, 4H), 3.43 (dt, J = 10.1, 3.7 Hz, 1H), 4.60 (ddd, J = 6.0, 1.4, 1.4 Hz, 2H), 4.62 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.64 (ddd, J = 6.0, 1.4, 1.4 Hz, 2H), 4.65 (ddd, J = 6.0, 1.4, 1.4 Hz, 2H), 5.24 (ddt, J = 10.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.25 (ddt, J = 10.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.25 (ddt, J = 10.5, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.27 (dd, J = 8.3, 5.5 Hz, 1H), 5.32 (ddt, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.34 (ddt, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.34 (ddt, J = 17.2, 1.4, 1.4 Hz, 1H), 5.38 (dd, J = 15.6, 8.3 Hz, 1H), 5.64 (brt, J = 6.9 Hz, 1H), 5.86 (brs, 1H), 5.87 (dd, J = 15.6, 0.9 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.38 (dd, J = 15.6, 8.7 Hz, 1H), 6.99 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H),7.03 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 12.7, 14.0, 14.4, 15.1, 17.7, 21.4, 22.8, 29.3, 30.2, 35.8, 40.6, 64.8, 65.2, 65.5, 74.5, 77.6, 78.2, 83.2, 95.9, 118.2, 118.3, 118.5, 120.0, 121.0, 121.9, 130.0, 132.1, 132.3, 132.5, 133.3, 133.9, 137.8, 139.8, 149.6, 151.8, 166.2, 166.6, 170.2, 171.4, 172.0.
【0036】
窒素雰囲気下、5−アセトキシトリアリルエステル (5.8 mg, 0.07 μmol) のCH2Cl2 (1 ml) 溶液に0℃でPd(Ph3P)4(テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)(0.41 mg, 0.35 μmol)、Ph3P(トリフェニルホスフィン)(0.19 mg, 0.7 μmol)、ピロリジン(7.3 μl, 0.086 mmol) を順次加えた後、3時間攪拌した。反応溶液をEtOAcで希釈し、2N Na2CO3で抽出し、水層を2N HClで中性にしてEtOAcで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、MgSO4で乾燥し溶媒を留去して、5−アセトキシ体 (4.2 mg, 85 %) を得た。
【0037】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ = 0.83 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.13 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.78 (brs, 3H), 2.11 (s, 1H), 2.30 (d, J = 1.4 Hz, 3H), 2.63 (m, 4H), 3.49 (dt, J = 10.1, 5.5 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 5.32 (dd, J = 7.3, 6.0 Hz, 1H), 5.51 (dd, J = 15.6, 7.8 Hz, 1H), 5.69 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 5.88 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 5.92 (brs, 1H), 6.33 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.46 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 15.6, 6.9 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 15.6, 7.3 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ = 12.8, 14.2, 14.7, 15.2, 18.0, 23.8, 25.1, 25.5, 28.7, 29.9, 31.1, 32.8, 32.9, 34.7, 35.2, 36.9, 41.8, 76.2, 78.8, 79.8, 84.3, 97.1, 121.6, 122.9, 123.4, 130.9, 134.1, 135.3, 139.3, 140.3, 151.0, 152.5, 170.2, 170.2, 173.4, 176.0.
【0038】
<実施例1> リベロマイシンAおよびリベロマイシンA誘導体の成熟破骨細胞に対する細胞死誘導活性の検討
骨吸収の要因である成熟破骨細胞の増殖に対するリベロマイシンAおよびその誘導体の阻害効果を検討した。
上記のようにして合成した29種類のリベロマイシンA誘導体を用いて、成熟破骨細胞、及びマウス由来未分化マクロファージ様細胞(RAW264細胞)に対する細胞死誘導活性の試験を行った。マウスマクロファージ系細胞株であるRAW264 細胞を10% FBS−αMEM (Gibco BRL社製)に懸濁し、 96穴プレートに12000細胞/100 μl 播種し、1 時間培養後、RANKL (100 μg/ml)、 PD98059 (40 μM) を含む培地を 100 μl 加え(終濃度 RANKL 50 μg/ml、 PD98059 20 μM)、4 日間培養して成熟破骨細胞へ分化させた(J. Biol. Chem. Vol. 277, pp47366−47372 (2002))。なお、培養2 日目に培地を半量交換した。成熟破骨細胞へ分化させたプレートから培地を 100 μl/ウェルずつ除去し、2 倍濃度のリベロマイシンA誘導体を含む培地を 100 μl 加えて 24 時間培養後、TRAP (tartarateresistant acid phosphatase : 酒石酸耐性酸フォスファターゼ) 染色を行い、残存する多核の破骨細胞の数を計測し、細胞死(アポトーシス)誘導活性(ED50値)を計算した。アポトーシス誘導活性は、10 μM Hoechst 33258で10分間染色し核の凝集を観察確認した。
【0039】
未分化RAW264 細胞に対する細胞死誘導活性はMTT 法(J. Immunol. Methods, Vol. 65, pp55−63 (1983))により検討した。RAW264 細胞を96穴プレートに40000細胞/100 μl播種し、24 時間培養後、3 倍濃度の薬物を含む培地 50 μl を加え、 24 時間培養して細胞死誘導活性を検討した。細胞死誘導活性を測定する 2時間前に 0.5 % MTT−PBS (リン酸緩衝食塩水)15 μl を加えて培養した後、培養液を除去した残渣を DMSO (ジメチルスルフォキシド) 100 μlに溶解し、570 nm (レファレンス波長 630 nm) の吸光度を測定し、細胞死誘導活性のED50値を計算した。
【0040】
試験の結果、表3に示すように、リベロマイシンAによる成熟破骨細胞に対する細胞死誘導活性のED50は0.18 μMであるのに対してRAW264 細胞に対する細胞死誘導活性のED 50は24 μMであり、成熟破骨細胞に高い選択性を持って作用する。これに対し、リベロマイシンA誘導体(化合物2および化合物27)は、破骨細胞の前駆細胞RAW264に対しては比較的高濃度においても増殖阻害作用を示さず、成熟破骨細胞に対して選択的なアポトーシス誘導効果を示した。リベロマイシンA誘導体2 (C5−シリルエーテル体)、27(C5−アセテート体) は5位の水酸基の修飾体であるが、成熟破骨細胞に対して選択的に細胞死を誘導した。成熟破骨細胞によるプロトン分泌によってその周辺は酸性環境になるが、酸性環境では加水分解により修飾基が脱離して水酸基に戻ったために活性を示した可能性がある。リベロマイシンA誘導体(化合物2および化合物27)は、未分化RAW264細胞に対しては比較的高濃度においても増殖阻害作用を示さず、成熟破骨細胞に対して選択的なアポトーシス誘導効果を示すことから、プロドラッグとして有望であることが示された。
【0041】
【表3】
【0042】
<実施例2> マウス長管骨からの45Ca遊離抑制効果の検討
副甲状腺ホルモン(PTH)による骨吸収促進に対するリベロマイシンA誘導体の効果を測定した。
19日目の妊娠ラットに[45Ca]CaCl2を皮下注射し、胎児の骨を標識した。24時間後、前肢長管骨を摘出した。摘出した長管骨は15% 加熱非活性化ウマ血清と100 U/ml ペニシリンを含んだDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)を培地として使用し、骨吸収因子(PTH 10−8M, IL−1 0.3 ng/ml、ビタミンD3 10−8M)及びリベロマイシンA誘導体と共に72時間培養した。培養後、0.1N HClにより骨のカルシウムを溶かし出した溶液と培養液の45Ca放射活性を液体シンチレーションカウンターで計測した。全カルシウム量に対する培養液中に放出されたカルシウム量の比(骨吸収活性(%))を指標としたPTHによる骨吸収促進に対するリベロマイシンA誘導体の効果を検討した。
【0043】
【数1】
【0044】
リベロマイシンA誘導体(化合物2、および化合物27)は、10−8M、10−7M及び10−6MでPTHにより誘発された骨吸収を濃度依存的に抑制した。また、ビタミンD3やIL−1による骨吸収をも抑制できた。
【0045】
<実施例3> リベロマイシンA誘導体の副甲状腺ホルモン(PTH)による骨吸収阻害効果の検討
生体内で最も重要な骨吸収因子として機能している副甲状腺ホルモン(PTH)による骨吸収に対するリベロマイシンA誘導体の効果を検討した。
【0046】
リベロマイシンA誘導体の骨吸収阻害効果は、骨吸収作用により血中に放出される血清カルシウムの濃度測定により検定した。SD系のラットに甲状腺副甲状腺摘出手術(TPTX)を施し、翌日血清カルシウムの低下を確認した後、副甲状腺ホルモン(PTH)を持続注入して、骨吸収の亢進により高カルシウム血症を呈するラットを作製した。
PTH注入開始後12時間にリベロマイシンA誘導体(10 mg/50 μl EtOH(エタノール), 100 g bw)またはリベロマイシンA誘導体のナトリウム塩(10 mg/100 μl 0.05 N NaOH, 100 g bw)を投与して経時的に24時間まで血清カルシウムの測定を行った。
【0047】
SDラットにTPTXを施行すると血清カルシウム濃度が著しく低下した。TPTXラットにPTHを持続注入すると血清カルシウム濃度が上昇した。一方、リベロマイシンA誘導体(化合物2、および化合物27)(80 mg/Kg)を投与した個体においては、PTHによる血中カルシウム濃度の上昇は、有意に抑制された。リベロマイシンA誘導体は、PTHによる骨吸収を有意に抑制することが明らかとなった。また、リベロマイシンA誘導体をEtOHに溶解後投与した個体では、投与時に死亡する個体が見られたが、リベロマイシンA誘導体をナトリウム塩として投与することにより死亡する個体は認められず、有効な骨吸収抑制作用が発揮された。
【0048】
一方、骨吸収抑制因子として臨床応用されているカルシトニンの骨吸収抑制作用についても検討して、リベロマイシンA誘導体との相異について調べた。その結果、カルシトニンは骨吸収抑制作用が短いのに対して、リベロマイシンA誘導体(化合物2、および化合物27)による骨吸収抑制作用は長時間維持された。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、新規な高カルシウム血症および骨疾患治療剤、該治療剤の有効成分として用いられ得る新規化合物が提供される。
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