JP2005034703A - 塗装ガン - Google Patents

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Masahiko Amari
昌彦 甘利
Teruo Ando
輝夫 安藤
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Asahi Sunac Corp
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Abstract

【課題】周方向において均一なシェーピングエアを噴出させる。
【解決手段】噴出口12は全周に亘って連続して開口する形態であり、シェーピングエアを噴出口12に供給するための供給路21に、回転霧化頭11の回転中心と略同心の螺旋状をなす複数の螺旋流路38を周方向に間隔を空けて設けた。供給路21に供給されたエアは、複数の螺旋流路38を通ることにより周方向の回転力を蓄えた状態で噴出口12に送られる。複数の螺旋流路38を通過した複数のエア流は、噴出口12に至る間に混じり合うことにより周方向において均一化された螺旋エア流となり、均一な螺旋流の状態を保ったままで噴出口12からシェーピングエアとして噴出する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転霧化頭を有する塗装ガンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先端に回転霧化頭を有する塗装ガンには、回転霧化頭の外周縁に沿うように、シェーピングエアを噴出するための噴出口が設けられている。回転霧化頭の外周縁から霧化状に放出された塗料は、シェーピングエアにより中央へ収束されつつ所定のパターンに成形されて被塗物に塗着される。尚、回転霧化頭を有する塗装ガンとしては、特許文献1に開示されているものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−216567号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の塗装ガンは、複数の小径の噴出口を周方向に間隔を空けて配置し、これら複数の噴出口からシェーピングエアを噴出させていた。そのため、シェーピングエアは周方向に分断したエア流となることは避けられず、このような分断されたシェーピングエアで成形した霧化塗料のパターンは周方向において不均一になってしまう問題があった。
【0005】
尚、この対策としては全周に亘って連続して開口する環状スリットからシェーピングエアを噴出させることも考えられるが、この場合でも、塗装ガンの内部におけるエアの供給路に形態によっては、シェーピングエアの流量や流速が周方向において不均一になる虞がある。
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、周方向において均一なシェーピングエアを噴出させることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ボディの前端部には、外周縁から塗料を放射状に放出させる回転霧化頭と、前記回転霧化頭から放出された霧化塗料に吹き付けられることでその霧化塗料を所定形状に成形するためのシェーピングエアを噴出させる噴出口とが設けられている塗装ガンにおいて、前記噴出口は、全周に亘って連続して開口する形態とされ、前記ボディには、シェーピングエアを前記噴出口に供給するための供給路が設けられ、前記供給路には、前記回転霧化頭の回転中心と略同心の螺旋状をなす複数の螺旋流路が周方向に間隔を空けて設けられている構成とした。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記供給路には、前記螺旋流路の前端及び前記噴出口の後端に連なり、且つ全周に亘って連続する環状の環状流路が設けられている構成とした。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記環状流路における前記回転霧化頭の回転中心と直角な断面積が、前記螺旋流路側から前記噴出口側に向かって次第に減少する形態とした構成とした。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、前記螺旋流路が、前方に向かって次第に縮径する形態のテーパ状をなしている構成とした。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明において、前記噴出口は、そこから噴出されるシェーピングエアが前記回転霧化頭の外周縁に当たる向きに開口されている構成とした。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかの発明において、前記噴出口から噴出するシェーピングエアの螺旋方向が、前記回転霧化頭の回転方向とは逆向きとされている構成とした。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかの発明において、前記噴出口が、前記回転霧化頭の外周縁よりも後方であり、且つ前記回転霧化頭の外周面から離間した位置に配置されているものにおいて、前記噴出口の外周側の縁部が、内周側の縁部よりも前方へ張り出した形態とされている構成とした。
【0009】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
供給路に供給されたエアは、複数の螺旋流路を通ることにより周方向の回転力を蓄えた状態で噴出口に送られる。複数の螺旋流路を通過した複数のエア流は、噴出口に至る間に混じり合うことにより周方向において均一化された螺旋エア流となり、均一な螺旋流の状態を保ったままで噴出口からシェーピングエアとして噴出する。
[請求項2の発明]
螺旋流路を通過した複数のエア流は、噴出口に至る前に、環状流路内を移動する過程で混じり合うことにより周方向において均一化された螺旋エア流となるので、噴出口から噴出するときの均一度が高い。
【0010】
[請求項3の発明]
環状流路を流れる間に、エアの流路の面積が次第に減少するので、エアの流速が加速される。これにより、シェーピングエアの流速を高めることができる。
[請求項4の発明]
螺旋流路の前端即ち環状流路への流入端では、後端に比べて、周方向における螺旋流路のピッチが狭まるため、螺旋流路を通過した後にエア流路が混じり合い易くなり、シェーピングエアの周方向における均一度が高められる。
【0011】
[請求項5の発明]
回転霧化頭の外周縁から放出された霧化塗料は、放出と同時にシェーピングエアにより成形されるので、霧化塗料の粒径の均一化を図ることができるとともに、シェーピングエアによる成形効率の向上を図ることができる。
[請求項6の発明]
放出された霧化塗料の放射方向と、この霧化塗料に対するシェーピングエアの噴出方向とが、周方向において互いに逆向きになるので、霧化塗料に対するシェーピングエアの相対吹き付け速度が高まり、成形効率に優れる。
【0012】
[請求項7の発明]
噴出口が、回転霧化頭の外周縁よりも後方であり、且つ回転霧化頭の外周面から離間した位置に配置されている場合、噴出口の開口方向に沿ったシェーピングエアの噴出経路と回転霧化頭の外周面との間の空間が負圧になるため、霧化塗料がその負圧空間に引き込まれて回転霧化頭の外周面に付着する虞がある。
しかし本発明では、噴出口の外周側の縁部が内周側の縁部よりも前方へ張り出した形態としているので、シェーピングエアの一部が、噴出口の開口方向に沿ったシェーピングエアの噴出経路よりも内側、即ち回転霧化頭の外周側に向かうため、上記空間が負圧になる虞がない。
【0013】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態の塗装装置は、塗装ガンAと洗浄液供給手段Bを備えて構成されており、塗装ガンAの内部に設けたシェーピングエア用の供給路21には、洗浄液を供給するための洗浄液供給手段Bが接続されている。
塗装ガンAは、ボディ10の前端部(図1における左端部)に、回転霧化頭11と、この回転霧化頭11の外周縁11aに沿うように設けた円形スリット状の噴出口12とを設けたものである。ボディ10内には、前後方向に延びる円筒状の固定軸13が回転規制された状態で設けられ、固定軸13の前端部には、前後方向に細長い塗料パイプ14が固定軸13と同軸状に且つ固定軸13から前方へ突出する形態で固定されている。塗装ガンAは塗料供給源(図示せず)に接続されており、その塗料供給源から圧送された液体塗料は、固定軸13を通過して塗料パイプ14に供給されるようになっている。
【0014】
固定軸13の外周には、固定軸13と同心の円筒状をなす回転軸15が回転可能に支持され、回転軸15は、その外周に設けたタービン翼16に対するタービンエアの吹き付けにより高速で回転駆動されるようになっている。この回転霧化頭11の回転方向は、前方に向かって反時計回りとなる方向、即ち左回りとなっている。回転軸15の前端部には、回転軸15と同心の円形をなし、前方に開いたカップ状をなす回転霧化頭11が一体回転するように取り付けられている。回転霧化頭11の内部には、貯留室17が形成され、この貯留室17内には塗料パイプ14の前端部が臨んでいる。回転霧化頭11の前面には同心円形の皿状をなす凹部18が形成され、凹部18の内周は、前方に向かって拡径したテーパ面19となっている。また、凹部18と貯留室17とを仕切る隔壁には、貯留室17の外周からテーパ面19に貫通する小径の連通孔20が周方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0015】
回転霧化頭11を高速回転させた状態で塗料パイプ14に液体塗料を供給すると、その液体塗料は、塗料パイプ14の前端から貯留室17内に滴下され、遠心力により連通孔20を通ってテーパ面19に送られ、同じく遠心力によりテーパ面19を前方へ移動し、テーパ面19(回転霧化頭11)の外周縁から霧化状となって放射状に放出されるようになっている。
ボディ10内には、シェーピングエア及び洗浄液を噴出口12へ供給するための供給路21が設けられている。この供給路21の後端部はボディ10の後端部のポート22に達しており、ポート22には、ホース23を介してエア供給源24が接続されている。一方、供給路21の前端は噴出口12となっている。かかる供給路21のうち前端部領域は、内周外周ともに回転霧化頭11と同心の円形をなす筒状のエアキャップ25と、同じく内周外周ともに回転霧化頭11と同心の円形をなす筒状のエアガイド26との2部品から構成されている。エアキャップ25は、ボディ10の前端部外周を構成するものであり、ボディ10に対して回転不能に固定されている。また、エアガイド26は、エアキャップ25の中空内に固定して設けられている。
【0016】
エアキャップ25の内周前端部には、前方に向かって縮径するテーパ状内周面27が形成されており、このテーパ状内周面27の後端には、前後方向において内径が一定とされた定径内周面28が連なっている。この定径内周面28の内径はテーパ状内周面27の後端の内径と同一寸法となっている。また、定径内周面28の後端には、定径内周面28よりも内径が大きい且つ前後方向において内径が一定の拡径内周面29が段差状に連なって形成されている。
【0017】
エアガイド26の外周前端部には、前方に向かって縮径し且つテーパ状内周面27と同じ勾配のテーパ状外周面30が形成されている。前後方向において、テーパ状外周面30の前端はテーパ状内周面27の前端とほぼ同じ位置にあるが、テーパ状外周面30の後端はテーパ状内周面27の後端よりも前方に位置する。テーパ状外周面30の後端には、前後方向において外径が一定とされた定径外周面31が連なっている。この定径外周面31の内径は、テーパ状外周面30の後端の内径と同一寸法であり、定径内周面28よりも小径となっている。前後方向において、定径外周面31の後端は、定径内周面28の前端(即ち、テーパ状内周面27の後端)と同じ位置となっている。
【0018】
定径外周面31の後端には、外径が定径外周面31の内径と同じかそれよりも僅かに小さく、且つ前後方向において外径が一定の拡径外周面32が段差状に連なって形成されている。前後方向において、拡径外周面32の後端は定径内周面28の後端と同じ位置であり、換言すると、拡径外周面32と定径内周面28とは形成領域が同じ範囲となっている。この拡径外周面32には、回転霧化頭11と同心の螺旋状をなす複数の螺旋溝33が、周方向において等間隔を空けて(一定ピッチで)形成されている。螺旋溝33の断面形状は、本実施形態では半円形をなす。尚、螺旋溝33の断面形状については、半円形に限らず、方形、三角形、台形など任意の形状とすることができる。
【0019】
さらに、拡径外周面32の後端には、外径が拡径外周面32の外径よりも小さく、且つ前後方向において外径が一定の縮径外周面34が段差状に連なって形成されている。前後方向において、縮径外周面34の後端は拡径内周面29の後端と同じ位置であり、換言すると、縮径外周面34と拡径内周面29とは形成領域が同じ範囲となっている。尚、縮径外周面34には、その前後方向における中央位置から同心円形状に拡径した形態であって外径が拡径内周面29の内径よりも小さいフランジ部35が形成されている。
【0020】
上記エアキャップ25とエアガイド26との間には、次のような空間が構成されている。まず、テーパ状内周面27の前端側領域とテーパ状外周面30との間には、全周に亘って連続する狭いスリット36が構成され、このスリット36の前端の開口が、塗装ガンAの前端において全周に亘って連続して開口する円形の噴出口12となっている。前後方向における噴出口12の位置は、回転霧化頭11の外周縁11a(即ち、テーパ面19の外周縁であり、液体塗料が霧化状となって径方向外方へ放出される位置)よりも後方に設定されている。また、噴出口12の位置は、回転霧化頭11の外周縁11aに対して径方向外方へ離間した位置となっている。そして、噴出口12の開口方向、即ちテーパ状内周面27及びテーパ状外周面30の傾斜方向は、そこから噴出されるシェーピングエアが回転霧化頭11の外周縁11aを指向し、その外周縁11aに対して斜め外後方から当たる向きとされている。さらに、リング状に開口する噴出口12を構成する縁部のうち、外周側の縁部12a(エアキャップ25のテーパ状内周面27の前端)は、内周側の縁部12b(エアガイド26のテーパ状外周面30の前端)よりも前方へ張り出した形態とされている。
【0021】
テーパ状内周面27と定径外周面31との間には、全周に亘って連続する円形の環状流路37が形成されている。この環状流路37を構成する外周側の周面、即ちテーパ状内周面27は、前方に向かって縮径していることから、環状流路37における回転霧化頭11の回転中心と直角な断面積は、後方(螺旋流路38側)から前方(噴出口12側)に向かって次第に減少する形態となっている。
定径内周面28と拡径外周面32との間には、定径内周面28と螺旋溝33とによって構成された複数の螺旋流路38が周方向に一定間隔を空けて形成されている。この螺旋流路38の前端は環状流路37に連通している。また、螺旋流路38の螺旋方向は、前方に向かって時計回り方向に変位する向き(即ち、右回り)となっている。
【0022】
拡径内周面29と縮径外周面34との間には、全周に亘って連続する円形の環状室39が形成されている。環状室39はフランジ部35によって前後2室の区画されているが、両室の間ではフランジ部35の外周と拡径内周面29との隙間を通してエアが流通し得るようになっている。環状室39の前端においては全ての螺旋流路38が連通している。また、環状室39の後端は、回転霧化頭11の回転中心に対して径方向に偏心し且つ回転軸15よりも径方向外方位置に設けた前後方向に延びる偏心孔40を介してポート22に連通している。つまり、供給路21は、偏心孔40、環状室39、螺旋流路38、環状流路37、スリット36及び噴出口12によって構成されている。
【0023】
次に、洗浄液供給手段Bについて説明する。
洗浄液供給手段Bは、ボディ10内のシェーピングエア用の供給路21に、洗浄液(例えば、シンナー)を供給するためのものである。塗装ガンAとエア供給源24とを接続するホース23の途中には、分岐路41が接続されており、その分岐路41の途中には常閉式の逆止弁42が接続され、分岐路41の終端には洗浄液を貯留するタンク43が接続されている。逆止弁42に対し、パイロットエア圧送源44からパイロットエアを供給すると、逆止弁42が開弁されるようになっている。また、タンク43に対し、加圧エア供給源45から加圧エアを圧送してタンク43内を加圧すると、このエア圧により、タンク43内に貯留されている洗浄液が逆止弁42側へ圧送されるようになっている。
【0024】
次に、本実施形態の作用を説明する。
塗装を行う際には、液体塗料を回転霧化頭11の外周縁11aから霧化状にして放出させるとともに、逆止弁42を閉弁状態に保ったままでエア供給源24から塗装ガンA内の供給路21へエアを圧送する。圧送されたエアは、偏心孔40、環状室39、螺旋流路38、環状流路37、スリット36を順に通過し、噴出口12から斜め前方へ回転霧化頭11の外周縁11aに向かってシェーピングエアとして噴出される。すると、回転霧化頭11の外周縁11aから放出された霧化塗料は、放出と同時にシェーピングエアを吹き付けられることにより収束されつつ所定形状のパターンに成形されて被塗物(図示せず)に塗着される。
【0025】
ここで、シェーピングエアについて説明すると、供給路21に供給されたエアは、複数の螺旋流路38を通ることにより周方向の回転力を蓄えた状態で環状流路37内に送り込まれる。この環状流路37内においては、各螺旋流路38を通過することによって形成された複数の螺旋流が、周方向の回転力を蓄えたままで互いに混ざり合うことにより周方向において密度が均一化された螺旋エア流となり、スリット36を通過して噴出口12に至る。そして、噴出口12から、均一な螺旋流の状態を保ったままでシェーピングエアとして噴出するのである。これにより、回転霧化頭11から放出された霧化塗料は、全周に亘って均一なパターンに成形される。また、シェーピングエアの吹き付けが周方向において不均一であることに起因して霧化塗料の粒径が不均一になることが回避される。
【0026】
また、環状流路37における回転霧化頭11の回転中心と直角な断面積を、螺旋流路38側から噴出口12側に向かって次第に減少する形態としているので、環状流路37を流れる間にエアの流速が加速される。これにより、シェーピングエアの流速が高められている。
また、噴出口12は、そこから噴出されるシェーピングエアが回転霧化頭11の外周縁11aに当たる向きに開口されているので、回転霧化頭11の外周縁11aから放出された霧化塗料は、放出と同時にシェーピングエアにより成形される。これにより、霧化塗料の粒径の均一化を図ることができるとともに、シェーピングエアによる成形効率の向上を図ることができる。
【0027】
また、噴出口12から噴出するシェーピングエアの螺旋方向と回転霧化頭11の回転方向とが互いに逆向きとなっているので、回転霧化頭11から放出された霧化塗料の放射方向と、この霧化塗料に対するシェーピングエアの噴出方向とが、周方向において互いに逆向きになる。したがって、霧化塗料に対するシェーピングエアの相対吹き付け速度が高まり、成形効率に優れている。
また、シェーピングエアが回転霧化頭11の外周縁11aを指向して螺旋方向に吹き付けられ、しかも、その吹き付けられるシェーピングエアの螺旋の向きが回転霧化頭11の回転方向とは逆方向となっていることを利用すれば、塗装を終了した後も、所定時間のあいだシェーピングエアを回転霧化頭11の外周縁11aに対して吹き付け続けることにより、回転霧化頭11の回転を抑制するブレーキ効果が得られるので、専用のエアブレーキ機構が不要となる。
【0028】
また、噴出口12は、回転霧化頭11の外周縁11aよりも後方であり、且つ回転霧化頭11の外周面から外方へ離間した位置に配置されているのであるが、この場合、噴出口12の開口方向に沿った(即ち、回転霧化頭11の外周縁11aを指向する)シェーピングエアの噴出経路と回転霧化頭11の前端部外周面との間に形成される略三角形断面の空間が負圧になるため、霧化塗料がその負圧空間に引き込まれて回転霧化頭11の前端部外周面に付着することが懸念される。しかし本実施形態では、噴出口12の外周側の縁部12aを内周側の縁部12bよりも前方へ張り出した形態としているので、シェーピングエアの一部が、噴出口12の開口方向に沿ったシェーピングエアの噴出経路よりも内側、即ち回転霧化頭11の前端部外周側に向かうことになるため、上記空間が負圧になる虞がない。
【0029】
また、回転霧化頭11から放出された霧化塗料は、螺旋を描くので、被塗物の背面側へ回り込んで背面にも塗着するようになるので、塗着効率がよい。
さて、回転霧化頭11の前端部外周縁11aを洗浄する際には、逆止弁42を開弁するとともに、タンク43内の洗浄液を逆止弁42側へ圧送する。すると、塗装ガンA内においてはシェーピングエアの流路である供給路21に洗浄液が供給され、その洗浄液が噴出口12から回転霧化頭11の外周縁11aに吹き付けられ、これにより、回転霧化頭11の前端部外周縁11aに付着した塗料が除去される。このように、シェーピングエア用の供給路21と噴出口12を利用して洗浄液の供給と噴出を行うようにしたので、専用の洗浄装置が不要である。
【0030】
また、万一、噴出口12の開口方向に沿ったシェーピングエアの噴出経路(噴出口12から回転霧化頭11の外周縁11aを指向する経路)と回転霧化頭11の外周面との間の空間が負圧になり、その負圧空間に引き込まれた霧化塗料が回転霧化頭11の前端部外周面に付着することがあっても、本実施形態では、その付着した塗料を除去することができるようになっている。即ち、本実施形態では、噴出口12の外周側の縁部12aを内周側の縁部12bよりも前方へ張り出した形態としているので、洗浄液の一部が、噴出口12の開口方向に沿ったシェーピングエアの噴出経路よりも内側、即ち回転霧化頭11の外周前端縁よりも後方の外周領域に向かうため、洗浄可能な領域が拡がり、この領域に付着している塗料を確実に洗い落とすことができる。
【0031】
また、上記のように噴出口12は、全周に亘って連続して開口する形態なので、全周に亘って均一な洗浄効果が得られる。
また、供給路21に供給された洗浄液は、複数の螺旋流路38を通ることにより周方向の回転力を蓄えた状態で噴出口12に送られるが、複数の螺旋流路38を通過した複数の洗浄液流は、噴出口12に至る間に混じり合うことにより周方向において均一化された螺旋洗浄液流となるため、均一な螺旋流の状態を保ったままで噴出口12から噴出し、周方向において均一な洗浄効果が得られる。
【0032】
しかも、螺旋流路38を通過した複数の洗浄液流は、噴出口12に至る前に、環状流路37内を移動する過程で混じり合うことにより周方向において均一化された螺旋洗浄液流となるので、噴出口12から噴出するときの均一度がより高められる。
また、上記のように環状流路37における回転霧化頭11の回転中心と直角な断面積が、螺旋流路38側から噴出口12側に向かって次第に減少する形態としているので、環状流路37を流れる間に、洗浄液の流速が加速され、洗浄液による洗浄効果が高められている。
【0033】
また、上記のように噴出口12から噴出する洗浄液の螺旋方向が回転霧化頭11の回転方向とは逆向きとされているので、塗装後は、洗浄液を回転霧化頭11の外周縁11aに対して吹き付け続けることによって、回転霧化頭11の回転を抑制するブレーキ効果を得ることができる。したがって、専用のエアブレーキ機構が不要となる。
[実施形態2]
次に、本発明を具体化した実施形態2を図5を参照して説明する。
【0034】
本実施形態2は、螺旋流路50を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本実施形態2の螺旋流路50は、前方(即ち、噴出口側)に向かって次第に縮径する形態のテーパ状をなしている。したがって、螺旋流路50の前端(即ち、環状流路37への流入端であり、図5の左端)では、螺旋流路50の後端(即ち、環状室39との連通端)に比べて、周方向における螺旋流路50のピッチが狭まることになる。その分、環状流路37内に流入した時点でエア流同士が混じり合い易くなるため、シェーピングエアの周方向における均一度が、より高められている。
【0035】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、螺旋流路を、エアガイドの外周に形成したが、本発明によれば、エアキャップの内周に形成してもよく、エアガイドの外周とエアキャップの内周の両方に形成してもよい。
【0036】
(2)上記実施形態では噴出口に連通するスリットから明確に区画された環状流路を設けたが、本発明によれば、このような環状流路を設けなくてもよい。この場合、スリットが前方に向かって次第に幅狭になるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では環状流路の外側の周面をテーパ状にしたが、本発明によれば、環状流路の外側の周面を前後方向において一定の径にしてもよい。
(4)上記実施形態ではシェーピングエアが回転霧化頭の外周縁を指向して噴出するようにしたが、本発明によれば、シェーピングエアが、回転霧化頭の外周縁よりも更に外方を指向して噴出するようにしてもよい。
【0037】
(5)上記実施形態では、噴出口から噴出するシェーピングエアの螺旋方向を、回転霧化頭の回転方向とは逆方向としたが、本発明によれば、シェーピングエアの螺旋方向を回転霧化頭の回転方向と同じ方向としてもよい。
(6)上記実施形態では、噴出口の外周側の縁部が内周側の縁部よりも前方へ張り出す形態としたが、本発明によれば、噴出口の外周側の縁部が内周側の縁部よりも前方へ張り出さない形態、即ち内外双方の縁部が前後方向において同じ位置となる形態、若しくは内周側の縁部が外周側の縁部よりも前方へ張り出した形態としてもよい。
【0038】
(7)上記実施形態では環状流路における回転霧化頭の回転中心と直角な断面積が、螺旋流路側から噴出口側に向かって次第に減少する形態としたが、本発明によれば、断面積が一定のままであってもよく、螺旋流路側から噴出口側に向かって断面積が次第に増加する形態としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1におけるボディの先端側部分の断面図
【図2】シェーピングエアの供給経路をあらわす一部切欠側面図
【図3】ボディの先端部の部分拡大断面図
【図4】螺旋流路をあらわす部分拡大断面図
【図5】実施形態2における螺旋流路をあらわす部分拡大断面図
【符号の説明】
10…ボディ
11…回転霧化頭
11a…回転霧化頭の外周縁
12…噴出口
21…供給路
37…環状流路
38…螺旋流路

Claims (7)

  1. ボディの前端部には、外周縁から塗料を放射状に放出させる回転霧化頭と、前記回転霧化頭から放出された霧化塗料に吹き付けられることでその霧化塗料を所定形状に成形するためのシェーピングエアを噴出させる噴出口とが設けられている塗装ガンにおいて、
    前記噴出口は、全周に亘って連続して開口する形態とされ、
    前記ボディには、シェーピングエアを前記噴出口に供給するための供給路が設けられ、
    前記供給路には、前記回転霧化頭の回転中心と略同心の螺旋状をなす複数の螺旋流路が周方向に間隔を空けて設けられていることを特徴とする塗装ガン。
  2. 前記供給路には、前記螺旋流路の前端及び前記噴出口の後端に連なり、且つ全周に亘って連続する環状の環状流路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の塗装ガン。
  3. 前記環状流路における前記回転霧化頭の回転中心と直角な断面積が、前記螺旋流路側から前記噴出口側に向かって次第に減少する形態としたことを特徴とする請求項2記載の塗装ガン。
  4. 前記螺旋流路が、前方に向かって次第に縮径する形態のテーパ状をなしていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗装ガン。
  5. 前記噴出口は、そこから噴出されるシェーピングエアが前記回転霧化頭の外周縁に当たる向きに開口されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗装ガン。
  6. 前記噴出口から噴出するシェーピングエアの螺旋方向が、前記回転霧化頭の回転方向とは逆向きとされていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の塗装ガン。
  7. 前記噴出口が、前記回転霧化頭の外周縁よりも後方であり、且つ前記回転霧化頭の外周面から離間した位置に配置されているものにおいて、前記噴出口の外周側の縁部が、内周側の縁部よりも前方へ張り出した形態とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗装ガン。
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