JP2005032328A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】情報供給者の権利を守るため、著作権に基づくプログラム、データ等の情報のコピーを防止し、コピーされた情報の再生を制御することが可能な光記録媒体の提供。
【解決手段】同心円状又は渦巻状の溝を有する基板上に情報の記録再生が可能な記録層を有する円盤状光記録媒体の情報記録可能領域、或いは、基板に形成された同心円状又は渦巻状の凹凸ピットにより情報が予め記録されている領域(ROM部)と、情報記録可能領域(RAM部)とを有し、該ROM部とRAM部に記録層が形成されている円盤状光記録媒体のROM部に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下である光記録媒体。
【選択図】 図1
【解決手段】同心円状又は渦巻状の溝を有する基板上に情報の記録再生が可能な記録層を有する円盤状光記録媒体の情報記録可能領域、或いは、基板に形成された同心円状又は渦巻状の凹凸ピットにより情報が予め記録されている領域(ROM部)と、情報記録可能領域(RAM部)とを有し、該ROM部とRAM部に記録層が形成されている円盤状光記録媒体のROM部に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下である光記録媒体。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不正コピーを防止できる光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術】
昨今における情報量の増大とパーソナルコンピュータの急速な普及に伴い、高密度かつ高速で大量のデータの記録再生が可能なディスクドライブが商品化され普及してきている。このため情報の提供及び配布には、レーザービームの照射により再生を行う該ディスクドライブ装置に対応する光記録媒体であるCD−ROMやDVD−ROMといった再生専用ディスクが汎用されている。
コンパクトディスクの分野では、近年、読み取り専用領域と書き込み可能領域を持つCD(ハイブリッドディスク)が開発され、同ディスクを上記CD−ROMの代替として、同ディスクの読み取り専用領域に予めコンテンツを書き込んだ状態で配布(販売)することが提案されている。このディスクでは、例えば当該媒体中に含まれているコンピューターソフトを利用して同一媒体上に必要な情報を追記することで当該光記録媒体の使い勝手を向上させることができ、また例えば前記コンピューターソフトの古いコンテンツを新しいバージョンにアップグレードさせることで、新たに余分なROMディスクを所持・使用する必要がなくなるなどの利点を持っている。
また上記のような予め情報を持つ再生専用ディスク及びハイブリッドディスクは、光記録媒体内がRAM領域のみで構成されている記録用ディスクを用いることで容易にコピーすることができる。しかし情報が不正コピーされるため、予め情報が存在する元々の光記録媒体の原本性が損なわれるのみならず、光記録媒体中に個人情報や機密事項が含まれる場合の情報管理の安全性に問題が生じる。
【0003】
このような問題に対する対策として、特許文献1には、低反射率部分として形成され光学情報が記録された第1の領域と高反射率部分として形成され光学情報が記録された第2の領域とを有する光学的記録媒体が開示されているが、低反射率部分及び高反射率部分に記録された情報の信号レベルに基づいて光学的記録媒体の真贋を判断し、原データを復元するため、低反射率部分と高反射率部分の両方の情報を読み出すことが必須である上に、反射膜の材料を部分的に円形状又は同心円状に変えて光学的記録媒体を作製することは非常に困難である。
特許文献2には、レーザー光照射により不可逆的に識別情報を記録する方法が開示されているが、光学的バーコード情報を記録するためのトラック方向長さは80μm以下である必要がある。
特許文献3には、光記録媒体に対しC2エラーや訂正不能なエラーが入った状態に記録する方法及び記録媒体が開示されているが、エラー部分は連続的に再生可能でありトラッキング等が外れることは無い。
更に特許文献4には、ROM部のピットが記録可能領域のグルーブと同形状のグルーブでつながっている光記録媒体が、特許文献5には、ピット間グルーブとピットとの接続部をくびれさせた光記録媒体が、特許文献6には、ピット間グルーブとピットを分離露光した光記録媒体が、それぞれ記載されているが、不正コピー防止の十分な解決には至っていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−25507号公報
【特許文献2】
特開2001−273687号公報
【特許文献3】
特開2002−92881号公報
【特許文献4】
特許第3041388号公報
【特許文献5】
特開2001−209975号公報
【特許文献6】
特開2001−273684号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように過去に提案された不正コピー防止方法においては、その実現のために特殊な(標準外の)ディスクを必要とする場合が多い。これは、ディスクの製造に専用の製造工程・設備を必要とすることを意味し、コストなどの面で非常に効率が悪い。
そこで本発明では、情報供給者の権利を守るため、著作権に基づくプログラム、データ等の情報のコピーを防止し、コピーされた情報の再生を制御することが可能な、上記従来技術の問題を解決した光記録媒体の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、次の1)〜5)の発明(以下、本発明1〜5という)によって解決される。
1) 同心円状又は渦巻状の溝を有する基板上に情報の記録再生が可能な記録層を有する円盤状光記録媒体であって、情報記録可能領域に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下であることを特徴とする光記録媒体。
2) 基板に形成された同心円状又は渦巻状の凹凸ピットにより情報が予め記録されている領域(ROM部)と、情報記録可能領域(RAM部)とを有し、基板上のROM部とRAM部に記録層が形成されている円盤状光記録媒体であって、ROM部に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下であることを特徴とする光記録媒体。
3) 記録層が有機色素を用いたライトワンス型であることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
4) 記録層が書き換え可能な相変化型であることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
5) 低反射率領域がグルーブ部のみに形成されていることを特徴とする1)〜4)何れかに記載の光記録媒体。
【0007】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明は情報を記録再生するCD−R/RW、DVD−R/RW、DVD+R/RW等の光記録媒体、及び、これらの一部にROM部を含む光記録媒体に対して特に有効である。
本発明の好ましい実施の形態について図1、図2により説明する。
図1に示す例では、光記録媒体のグルーブ開始径(開始位置)からグルーブ終了径(終了位置)の間に同心円状又は渦巻き状のグルーブが形成され、該グルーブ形成領域の一部に低反射率領域が形成されている。
また、図2に示す例では、グルーブ形成領域(グルーブ開始径からグルーブ終了径までの間)の一部に基板に凹凸ピットを形成したROM部(プリピット開始径からプリピット終了径までの間)を有し、このROM部の一部に低反射率領域が形成されている。
低反射率領域を、トラック方向に1mm以上で半径方向に2トラック以上の大きさとすることにより、通常の再生装置とソフトウェアでは再生不能になるが、より確実に再生不能とするためには、トラック方向に10mm以上で半径方向に0.1mm以上の大きさとすることが好ましい。
また、低反射率領域の平均反射率は、その他の領域の平均反射率の1/2以下とする必要がある。
【0008】
低反射率領域は、通常の記録装置(CD−R/RWドライブ、DVD−R/RWドライブ、DVD+R/RWドライブ等)或いは同様の光学系を用いた評価装置(例えばパルステック工業製DDU−1000)を用い、例えば色素を用いたライトワンス型光記録媒体の場合には高パワー(1.2m/secの低線速では8〜10mW程度、28.8m/sec程度の高線速では30〜40mW程度)のDC光を照射することにより形成することができる。また、相変化記録層を用いた光記録媒体の場合には記録線速に適した周期のパルス光(1.2m/secでは4.32MHz、10〜14mW、デューティ50%、28.8m/secでは103.7MHz、30〜40mW、デューティ50%)を照射するか、又は光記録媒体を最高記録線速の1.5倍以上の線速で回転させ、同様なパワーのDC光をグルーブに照射することにより形成することができる。
また、大口径初期化装置(例えば日立コンピュータ製POP120等)を用いて出力パワー600〜1000W、走査線速3〜10m/sec、送り速度50〜80μm/r、スポットサイズ100μm、LD波長810nmのレーザー光を照射することにより低反射率領域を形成することもできる。
更に、グルーブ深さ、ランド高さを一部変えることにより低反射率領域を形成することも可能である。
【0009】
本発明の光記録媒体は、基本的な層構成として、案内溝を有する基板上に記録層、反射層、オーバーコート層を設けることが望ましい。更にオーバーコート層上に印刷層を設けてもよい。
基板の材料としては、成型性、光学特性、コストの点で優れたポリカーボネート樹脂が好ましい。
ROM部では、ピットの幅を0.40〜0.75μm、深さを2000〜3300Åとすることが信号特性上好ましい。また記録領域(RAM部)を構成する案内溝(グルーブ)は、幅を0.25〜0.75μm、深さを150〜1250Åとすることが望ましい。
情報記録媒体がCD−Rの場合には、基板の厚さは1.2mmが好適である。ROM部のピット間には、記録領域の案内溝程度の深さを持ちピットと分離しているダミーピット或いはピットと連続している案内溝を設けてもよい。
【0010】
記録層には、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素アルコールと、2−メトキシエタノールやエチレングリコールジメチルエーテル等との混合溶媒に、フタロシアニン系色素やシアニン系色素などを溶解させた色素液材料が、記録感度や速度が極めて良好なため適している。
記録層の成膜には、これらの色素液材料をスピンコーティングにより塗布することが量産性及び膜質等に優れているため好適であり、その膜厚は求める信号特性によって任意に決定することができるが、100〜500nmに設定するのが好適である。
また、AgInSbTeを含む4元系やGeSbTeを含む3元系の相変化型記録材料を主成分として含有し、必要に応じ各種添加物を加えた材料を用いることもできる。これらの薄膜は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。
【0011】
保護層の材料としては、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物;Si3N4、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物;ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物;SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;ダイヤモンド状カーボンなどが挙げられる。これらの材料は単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じてそれらの材料の積層膜とすることもできる。但し、耐熱性保護層の融点は記録層の融点よりも高いことが必要である。
下部保護層の膜厚は30〜200nm、好適には50〜120nmとするのがよい。30nmよりも薄くなると耐熱性保護層としての機能を果たさなくなり、200nmよりも厚くなると感度の低下を来したり、界面剥離を生じ易くなる。また必要に応じて保護層を多層化することもできる。
上部保護層の膜厚は10〜40nm、好適には20〜35nmとするのがよい。10nmよりも薄くなると耐熱性保護層としての機能を果たさなくなり、40nmよりも厚くなると界面剥離を生じ易くなり、繰り返し記緑性能も低下する。また必要に応じて保護層を多層化することもできる。
これらの保護層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。
【0012】
反射層は、その特性として熱伝導率が高く、高融点で保護層との密着性が良いこと等が要求される。従って、その材料としては、Al、Au、Ag、Cuなどの金属材料、又はそれらの合金などを用いる。このうち特にAl合金、Ag単体及びAg合金がコスト及び耐環境性に優れ、添加物としてはAl合金の場合、Ta、Ti、Cr、Siが優れており、またAg合金の場合、Au、Pt、Pd、Ru、Ti、Cuが優れている。
反射層は熱を効率的に逃すことが重要な機能であり、膜厚は50〜200nm、好適には70〜180nmとするのがよい。膜厚が厚すぎると放熱効率が良すぎて感度が悪くなり、薄すぎると感度は良いが繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。
このような反射層は各種気相成長法によって形成できるが、量産性、膜質等に優れたスパッタリング法により成膜するのが好適である。
【0013】
反射層の上には、その酸化防止のためオーバーコート層を設けることが望ましい。オーバーコート層としてはスピンコートで作製した紫外線硬化樹脂が一般的であり、その厚さはエラーの増大防止や機械特性の観点から3〜15μmとするのが好適である。
また、ハードコート層も、オーバーコート層と同様にスピンコートで作製した紫外線硬化樹脂が一般的であり、その厚さは耐擦傷性や機械特性の観点から2〜6μmが好適である。
更に、オーバーコート層やハードコート層には、必要に応じて導電性の材料を混入させて帯電防止を図り、埃等の付着を防止することも効果的である。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0015】
実施例1
図3に模式図を示したが、半径25〜35.5mmの領域に形成した凹凸ピットにより、予め半径25〜34mmの領域にプログラム等のデータが記録され、半径34〜35.5の領域にはダミーデータが記録され、半径35.5〜58mmの領域には記録が可能なグルーブが形成された、厚さ1.2mm、直径120mmφのポリカーボネート基板上に、スパッタリングにより、ZnS(80)・SiO2(20)からなる膜厚90nmの下部保護層、Ag5In6Sb61Te28からなる膜厚20nmの記録層、ZnS(80)・SiO2(20)からなる膜厚30nmの上部保護層、Tiを1重量%含むAl合金からなる反射層をこの順に形成し、最後にスピンコーティングによりアクリル系樹脂保護膜を約5〜10μmの厚さに形成して、光記録媒体を得た。
次に、この光記録媒体の半径23.0〜35.0mm及び35.2〜59mmの領域を、大口径初期化装置を用いて初期化パワー700mW、回転線速3.5m/sec、送り72μm/rで初期化し、波長780nm、対物レンズの開口数0.5の光ディスク評価装置(パルステック工業製DDU−1000)で測定したところ、初期化した部分のDC反射率は14%であったが、半径35.0〜35.2mmの未初期化領域のDC反射率は3%であった。
上記のようにして作成した光記録媒体を、通常のCD−ROMドライブで読み出したところ、未初期化領域でトラッキング外れを生じたため読み出しを継続できず、複製を作成することができなかった。
【0016】
実施例2
図4に模式図を示したが、通常のCD−Rの半径25〜34mmの領域にプログラムを記録し、半径34〜35mmの領域にダミーデータを記録した後、記録再生装置(LD波長790nm、NA0.5)で半径34.3〜35.6mmの領域に19.2m/sec(16倍速)で30mWのパワーのDCレーザー光を照射したところ、ダミーデータ記録部分〔DCレーザー光未照射部分(半径34〜34.3mm)の領域〕のDC反射率は45%、DCレーザー光照射部分の反射率は20%であった。
上記のようにして作成した光記録媒体を、通常のCD−ROMドライブで読み出したところ、未初期化領域でトラッキング外れを生じたため読み出しを継続できず、複製を作成することができなかった。
【0017】
【発明の効果】
本発明1によれば、連続再生中に、低反射率部分によりトラッキング外れ等を起して再生が中断するので、オリジナルか否かを判定し真贋を確認することが可能な光記録媒体を提供できる。
本発明2によれば、ROM部再生時にエラーを起させて複製の作成を不可能にすることが可能な光記録媒体を提供できる。
本発明3によれば、安価に製造可能な光記録媒体を提供できる。
本発明4によれば、容易に低反射率領域を形成することが可能な光記録媒体を提供できる。
本発明5によれば、市販の光情報記録装置を用いて製造することが可能な光記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す図。
【図2】本発明の好ましい他の実施の形態を示す図。
【図3】実施例1の各領域を示す模式図。
【図4】実施例2の各領域を示す模式図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、不正コピーを防止できる光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術】
昨今における情報量の増大とパーソナルコンピュータの急速な普及に伴い、高密度かつ高速で大量のデータの記録再生が可能なディスクドライブが商品化され普及してきている。このため情報の提供及び配布には、レーザービームの照射により再生を行う該ディスクドライブ装置に対応する光記録媒体であるCD−ROMやDVD−ROMといった再生専用ディスクが汎用されている。
コンパクトディスクの分野では、近年、読み取り専用領域と書き込み可能領域を持つCD(ハイブリッドディスク)が開発され、同ディスクを上記CD−ROMの代替として、同ディスクの読み取り専用領域に予めコンテンツを書き込んだ状態で配布(販売)することが提案されている。このディスクでは、例えば当該媒体中に含まれているコンピューターソフトを利用して同一媒体上に必要な情報を追記することで当該光記録媒体の使い勝手を向上させることができ、また例えば前記コンピューターソフトの古いコンテンツを新しいバージョンにアップグレードさせることで、新たに余分なROMディスクを所持・使用する必要がなくなるなどの利点を持っている。
また上記のような予め情報を持つ再生専用ディスク及びハイブリッドディスクは、光記録媒体内がRAM領域のみで構成されている記録用ディスクを用いることで容易にコピーすることができる。しかし情報が不正コピーされるため、予め情報が存在する元々の光記録媒体の原本性が損なわれるのみならず、光記録媒体中に個人情報や機密事項が含まれる場合の情報管理の安全性に問題が生じる。
【0003】
このような問題に対する対策として、特許文献1には、低反射率部分として形成され光学情報が記録された第1の領域と高反射率部分として形成され光学情報が記録された第2の領域とを有する光学的記録媒体が開示されているが、低反射率部分及び高反射率部分に記録された情報の信号レベルに基づいて光学的記録媒体の真贋を判断し、原データを復元するため、低反射率部分と高反射率部分の両方の情報を読み出すことが必須である上に、反射膜の材料を部分的に円形状又は同心円状に変えて光学的記録媒体を作製することは非常に困難である。
特許文献2には、レーザー光照射により不可逆的に識別情報を記録する方法が開示されているが、光学的バーコード情報を記録するためのトラック方向長さは80μm以下である必要がある。
特許文献3には、光記録媒体に対しC2エラーや訂正不能なエラーが入った状態に記録する方法及び記録媒体が開示されているが、エラー部分は連続的に再生可能でありトラッキング等が外れることは無い。
更に特許文献4には、ROM部のピットが記録可能領域のグルーブと同形状のグルーブでつながっている光記録媒体が、特許文献5には、ピット間グルーブとピットとの接続部をくびれさせた光記録媒体が、特許文献6には、ピット間グルーブとピットを分離露光した光記録媒体が、それぞれ記載されているが、不正コピー防止の十分な解決には至っていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−25507号公報
【特許文献2】
特開2001−273687号公報
【特許文献3】
特開2002−92881号公報
【特許文献4】
特許第3041388号公報
【特許文献5】
特開2001−209975号公報
【特許文献6】
特開2001−273684号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように過去に提案された不正コピー防止方法においては、その実現のために特殊な(標準外の)ディスクを必要とする場合が多い。これは、ディスクの製造に専用の製造工程・設備を必要とすることを意味し、コストなどの面で非常に効率が悪い。
そこで本発明では、情報供給者の権利を守るため、著作権に基づくプログラム、データ等の情報のコピーを防止し、コピーされた情報の再生を制御することが可能な、上記従来技術の問題を解決した光記録媒体の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、次の1)〜5)の発明(以下、本発明1〜5という)によって解決される。
1) 同心円状又は渦巻状の溝を有する基板上に情報の記録再生が可能な記録層を有する円盤状光記録媒体であって、情報記録可能領域に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下であることを特徴とする光記録媒体。
2) 基板に形成された同心円状又は渦巻状の凹凸ピットにより情報が予め記録されている領域(ROM部)と、情報記録可能領域(RAM部)とを有し、基板上のROM部とRAM部に記録層が形成されている円盤状光記録媒体であって、ROM部に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下であることを特徴とする光記録媒体。
3) 記録層が有機色素を用いたライトワンス型であることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
4) 記録層が書き換え可能な相変化型であることを特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
5) 低反射率領域がグルーブ部のみに形成されていることを特徴とする1)〜4)何れかに記載の光記録媒体。
【0007】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明は情報を記録再生するCD−R/RW、DVD−R/RW、DVD+R/RW等の光記録媒体、及び、これらの一部にROM部を含む光記録媒体に対して特に有効である。
本発明の好ましい実施の形態について図1、図2により説明する。
図1に示す例では、光記録媒体のグルーブ開始径(開始位置)からグルーブ終了径(終了位置)の間に同心円状又は渦巻き状のグルーブが形成され、該グルーブ形成領域の一部に低反射率領域が形成されている。
また、図2に示す例では、グルーブ形成領域(グルーブ開始径からグルーブ終了径までの間)の一部に基板に凹凸ピットを形成したROM部(プリピット開始径からプリピット終了径までの間)を有し、このROM部の一部に低反射率領域が形成されている。
低反射率領域を、トラック方向に1mm以上で半径方向に2トラック以上の大きさとすることにより、通常の再生装置とソフトウェアでは再生不能になるが、より確実に再生不能とするためには、トラック方向に10mm以上で半径方向に0.1mm以上の大きさとすることが好ましい。
また、低反射率領域の平均反射率は、その他の領域の平均反射率の1/2以下とする必要がある。
【0008】
低反射率領域は、通常の記録装置(CD−R/RWドライブ、DVD−R/RWドライブ、DVD+R/RWドライブ等)或いは同様の光学系を用いた評価装置(例えばパルステック工業製DDU−1000)を用い、例えば色素を用いたライトワンス型光記録媒体の場合には高パワー(1.2m/secの低線速では8〜10mW程度、28.8m/sec程度の高線速では30〜40mW程度)のDC光を照射することにより形成することができる。また、相変化記録層を用いた光記録媒体の場合には記録線速に適した周期のパルス光(1.2m/secでは4.32MHz、10〜14mW、デューティ50%、28.8m/secでは103.7MHz、30〜40mW、デューティ50%)を照射するか、又は光記録媒体を最高記録線速の1.5倍以上の線速で回転させ、同様なパワーのDC光をグルーブに照射することにより形成することができる。
また、大口径初期化装置(例えば日立コンピュータ製POP120等)を用いて出力パワー600〜1000W、走査線速3〜10m/sec、送り速度50〜80μm/r、スポットサイズ100μm、LD波長810nmのレーザー光を照射することにより低反射率領域を形成することもできる。
更に、グルーブ深さ、ランド高さを一部変えることにより低反射率領域を形成することも可能である。
【0009】
本発明の光記録媒体は、基本的な層構成として、案内溝を有する基板上に記録層、反射層、オーバーコート層を設けることが望ましい。更にオーバーコート層上に印刷層を設けてもよい。
基板の材料としては、成型性、光学特性、コストの点で優れたポリカーボネート樹脂が好ましい。
ROM部では、ピットの幅を0.40〜0.75μm、深さを2000〜3300Åとすることが信号特性上好ましい。また記録領域(RAM部)を構成する案内溝(グルーブ)は、幅を0.25〜0.75μm、深さを150〜1250Åとすることが望ましい。
情報記録媒体がCD−Rの場合には、基板の厚さは1.2mmが好適である。ROM部のピット間には、記録領域の案内溝程度の深さを持ちピットと分離しているダミーピット或いはピットと連続している案内溝を設けてもよい。
【0010】
記録層には、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素アルコールと、2−メトキシエタノールやエチレングリコールジメチルエーテル等との混合溶媒に、フタロシアニン系色素やシアニン系色素などを溶解させた色素液材料が、記録感度や速度が極めて良好なため適している。
記録層の成膜には、これらの色素液材料をスピンコーティングにより塗布することが量産性及び膜質等に優れているため好適であり、その膜厚は求める信号特性によって任意に決定することができるが、100〜500nmに設定するのが好適である。
また、AgInSbTeを含む4元系やGeSbTeを含む3元系の相変化型記録材料を主成分として含有し、必要に応じ各種添加物を加えた材料を用いることもできる。これらの薄膜は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。
【0011】
保護層の材料としては、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2などの金属酸化物;Si3N4、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物;ZnS、In2S3、TaS4などの硫化物;SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;ダイヤモンド状カーボンなどが挙げられる。これらの材料は単体で保護層とすることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、必要に応じてそれらの材料の積層膜とすることもできる。但し、耐熱性保護層の融点は記録層の融点よりも高いことが必要である。
下部保護層の膜厚は30〜200nm、好適には50〜120nmとするのがよい。30nmよりも薄くなると耐熱性保護層としての機能を果たさなくなり、200nmよりも厚くなると感度の低下を来したり、界面剥離を生じ易くなる。また必要に応じて保護層を多層化することもできる。
上部保護層の膜厚は10〜40nm、好適には20〜35nmとするのがよい。10nmよりも薄くなると耐熱性保護層としての機能を果たさなくなり、40nmよりも厚くなると界面剥離を生じ易くなり、繰り返し記緑性能も低下する。また必要に応じて保護層を多層化することもできる。
これらの保護層は、各種気相成長法、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。
【0012】
反射層は、その特性として熱伝導率が高く、高融点で保護層との密着性が良いこと等が要求される。従って、その材料としては、Al、Au、Ag、Cuなどの金属材料、又はそれらの合金などを用いる。このうち特にAl合金、Ag単体及びAg合金がコスト及び耐環境性に優れ、添加物としてはAl合金の場合、Ta、Ti、Cr、Siが優れており、またAg合金の場合、Au、Pt、Pd、Ru、Ti、Cuが優れている。
反射層は熱を効率的に逃すことが重要な機能であり、膜厚は50〜200nm、好適には70〜180nmとするのがよい。膜厚が厚すぎると放熱効率が良すぎて感度が悪くなり、薄すぎると感度は良いが繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。
このような反射層は各種気相成長法によって形成できるが、量産性、膜質等に優れたスパッタリング法により成膜するのが好適である。
【0013】
反射層の上には、その酸化防止のためオーバーコート層を設けることが望ましい。オーバーコート層としてはスピンコートで作製した紫外線硬化樹脂が一般的であり、その厚さはエラーの増大防止や機械特性の観点から3〜15μmとするのが好適である。
また、ハードコート層も、オーバーコート層と同様にスピンコートで作製した紫外線硬化樹脂が一般的であり、その厚さは耐擦傷性や機械特性の観点から2〜6μmが好適である。
更に、オーバーコート層やハードコート層には、必要に応じて導電性の材料を混入させて帯電防止を図り、埃等の付着を防止することも効果的である。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0015】
実施例1
図3に模式図を示したが、半径25〜35.5mmの領域に形成した凹凸ピットにより、予め半径25〜34mmの領域にプログラム等のデータが記録され、半径34〜35.5の領域にはダミーデータが記録され、半径35.5〜58mmの領域には記録が可能なグルーブが形成された、厚さ1.2mm、直径120mmφのポリカーボネート基板上に、スパッタリングにより、ZnS(80)・SiO2(20)からなる膜厚90nmの下部保護層、Ag5In6Sb61Te28からなる膜厚20nmの記録層、ZnS(80)・SiO2(20)からなる膜厚30nmの上部保護層、Tiを1重量%含むAl合金からなる反射層をこの順に形成し、最後にスピンコーティングによりアクリル系樹脂保護膜を約5〜10μmの厚さに形成して、光記録媒体を得た。
次に、この光記録媒体の半径23.0〜35.0mm及び35.2〜59mmの領域を、大口径初期化装置を用いて初期化パワー700mW、回転線速3.5m/sec、送り72μm/rで初期化し、波長780nm、対物レンズの開口数0.5の光ディスク評価装置(パルステック工業製DDU−1000)で測定したところ、初期化した部分のDC反射率は14%であったが、半径35.0〜35.2mmの未初期化領域のDC反射率は3%であった。
上記のようにして作成した光記録媒体を、通常のCD−ROMドライブで読み出したところ、未初期化領域でトラッキング外れを生じたため読み出しを継続できず、複製を作成することができなかった。
【0016】
実施例2
図4に模式図を示したが、通常のCD−Rの半径25〜34mmの領域にプログラムを記録し、半径34〜35mmの領域にダミーデータを記録した後、記録再生装置(LD波長790nm、NA0.5)で半径34.3〜35.6mmの領域に19.2m/sec(16倍速)で30mWのパワーのDCレーザー光を照射したところ、ダミーデータ記録部分〔DCレーザー光未照射部分(半径34〜34.3mm)の領域〕のDC反射率は45%、DCレーザー光照射部分の反射率は20%であった。
上記のようにして作成した光記録媒体を、通常のCD−ROMドライブで読み出したところ、未初期化領域でトラッキング外れを生じたため読み出しを継続できず、複製を作成することができなかった。
【0017】
【発明の効果】
本発明1によれば、連続再生中に、低反射率部分によりトラッキング外れ等を起して再生が中断するので、オリジナルか否かを判定し真贋を確認することが可能な光記録媒体を提供できる。
本発明2によれば、ROM部再生時にエラーを起させて複製の作成を不可能にすることが可能な光記録媒体を提供できる。
本発明3によれば、安価に製造可能な光記録媒体を提供できる。
本発明4によれば、容易に低反射率領域を形成することが可能な光記録媒体を提供できる。
本発明5によれば、市販の光情報記録装置を用いて製造することが可能な光記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す図。
【図2】本発明の好ましい他の実施の形態を示す図。
【図3】実施例1の各領域を示す模式図。
【図4】実施例2の各領域を示す模式図。
Claims (5)
- 同心円状又は渦巻状の溝を有する基板上に情報の記録再生が可能な記録層を有する円盤状光記録媒体であって、情報記録可能領域に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下であることを特徴とする光記録媒体。
- 基板に形成された同心円状又は渦巻状の凹凸ピットにより情報が予め記録されている領域(ROM部)と、情報記録可能領域(RAM部)とを有し、基板上のROM部とRAM部に記録層が形成されている円盤状光記録媒体であって、ROM部に、トラック方向に1mm以上で半径方向に1トラック以上の情報読み取り不能な低反射率領域を少なくとも1箇所有し、該低反射率領域の平均反射率が、その他の領域の平均反射率の1/2以下であることを特徴とする光記録媒体。
- 記録層が有機色素を用いたライトワンス型であることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
- 記録層が書き換え可能な相変化型であることを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
- 低反射率領域がグルーブ部のみに形成されていることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の光記録媒体。
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JP2003195284A JP2005032328A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 光記録媒体 |
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JP2003195284A Pending JP2005032328A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 光記録媒体 |
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JP (1) | JP2005032328A (ja) |
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2003
- 2003-07-10 JP JP2003195284A patent/JP2005032328A/ja active Pending
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