JP2005028595A - 印刷版材料及び印刷版材料の作製方法 - Google Patents

印刷版材料及び印刷版材料の作製方法 Download PDF

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達一 前橋
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Abstract

【課題】本発明の目的は印刷機上での現像性が良好であり、印刷インキの画像部への着肉性に優れた印刷機上で現像される印刷版材料及びその作製方法を提供することにある。
【解決手段】プラスチック支持体の一方の面上に親水性層及び熱により画像形成可能な画像形成層を有し、該親水性層及び該画像形成層の少なくとも1つがレーザー光を熱に変換する機能を有し、印刷機上で現像される印刷版材料であって、該印刷版材料の少なくとも一辺が、特定条件を満足することを特徴とする印刷版材料。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷版材料及び印刷版の作製方法に関し、特に印刷機上で非画像部が除去されて画像部が形成される印刷版材料及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフセット印刷用の印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザー光源で直接印刷版材料に記録するコンピュータートゥプレート(以下CTPという)システムが普及してきた。CTPに使用される印刷版材料は、従来のPS版と同様にアルミニウム基材を使用するタイプとフィルム基材上に印刷版としての機能層を設けたフレキシブルタイプがある。近年、商業印刷においては印刷の多品種少部数化傾向が進み、市場では高品質で低価格な印刷版材料への要望が強く、このような市場では、フレキシブルタイプの印刷版材料が多く用いられている。
【0003】
フレキシブルタイプの印刷版材料としては、例えば特開平5−66564号に開示されるようなフィルム基材上に銀塩拡散転写方式の感光層を設けたもの、あるいは特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号に開示されるようなフィルム基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層し、表層をレーザー露光でアブレーションさせて印刷版を形成するように構成されたもの、あるいはフィルム基材上に親水性層と熱溶融性画像形成層を設け、レーザー露光により親水性層あるいは画像形成層を画像様に発熱させることで画像形成層を親水性層上に溶融固着させるもの等が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
銀塩拡散転写方式は、露光後に湿式の現像と乾燥の工程が必要であり、画像形成工程での寸法精度が十分得られないため、高品質の印刷に適するとはいえない。
【0005】
アブレーション方式は現像処理を必要としないが、表層のアブレーションにより画像を形成するためドット形状が不安定になりやすい。又、アブレーションした表層の飛散物による材料表面や露光装置内部の汚染が発生することがある。
【0006】
又レーザー光を熱に変換し熱溶融画像を親水性層上に形成する方式の材料は、鮮鋭なドット形状が得られ、高精細な画像形成に適している。
【0007】
他方、レーザー書き込み可能な画像形成層を有する平版画像形成材料の端部高さを規定して、露光ドラムへの密着性等を改良する技術が特許文献2に開示されている。又プラスチックフィルム上に輝尽性蛍光体層が形成されたプレートの断裁方法として、特定の断裁刃を用い、特定の角度にて断裁する方法が特許文献3に開示されている。
【0008】
一方、印刷用の画像形成方法として、環境適性等の観点より画像データ書き込み(画像様露光)後の印刷版を直接オフセット印刷機で印刷することにより湿し水で非画像部の画像形成層のみ膨潤溶解して印刷初期の印刷紙(損紙)上に転写除去する所謂印刷機上で現像を行う方法が知られている。そして、上記のレーザー光を熱に変換し画像形成層を親水性層上に溶融固着させる方式のフレキシブルタイプの印刷版材料が、このプロセスに有利に用いられる。この場合には、鮮鋭なドット形状、高精細な画像が得られ、又露光後の現像プロセスを必要とせず、品質安定性、環境適性にも優れている。
【0009】
しかしながら、近年印刷業界においても環境保全が叫ばれ、印刷に使用する湿し水に添加するイソプロピルアルコールの削減、印刷インキにおいては石油系の揮発性有機溶剤を使用しないインキ(例えば大豆油インキ)の普及が進みつつあり、従来の湿し水、インキに比べると印刷条件の実用許容幅が狭く、特にフレキシブルタイプの機上現像可能な印刷版材料では印刷機上での初期現像性や印刷インキの画像部への着肉性が不安定になる等の問題点を有していた。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−96710号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2000−218951号公報
【0012】
【特許文献3】
特開平11−223891号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は印刷機上での現像性が良好であり、印刷インキの画像部への着肉性に優れた印刷版材料及びその作製方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0015】
1.プラスチック支持体の一方の面上に親水性層及び熱により画像形成可能な画像形成層を有し、該親水性層及び該画像形成層の少なくとも1つがレーザー光を熱に変換する機能を有し、印刷機上で現像される印刷版材料であって、該印刷版材料のすくなくとも一辺が、下記条件を満足することを特徴とする印刷版材料。
条件
〔一辺の、該辺の全長に対して両端の各5%の領域を除いた90%の領域において、該領域をさらに全長に対する2%の長さずつに等分したそれぞれの点について、画像形成層側の面(表面)及びそれと反対の面(裏面)の端部高さを測定し、それぞれ測定された表面の端部高さの平均が0μm〜50μmであり、それぞれ測定された表面の最大端部高さが75μmを超えることがなく、且つそれぞれ測定された裏面の端部高さの平均が0μm〜20μmであり、それぞれ測定された裏面の最大端部高さが50μmを超えることがない。
【0016】
ここで、上記等分したそれぞれの点の端部高さとは、測定面において、前記等分したそれぞれの点より前記辺に対して直角方向に20mmの位置から、等分したそれぞれの点まで、表面の輪郭形状を測定し、前記直角方向に20mmの位置から直角方向に10mmの位置までの平均高さと、前記10mmの位置から印刷版材料最端部の領域における最大の高さとの差をいう。又表面の測定点の中で最大の端部高さを、表面の最大端部高さとする。裏面も同様に、測定点の中で最大の端部高さを裏面の最大端部高さとする。〕
2.前記1項記載の印刷版材料の作製方法であって、断裁刃を用い、断裁刃の刃先角が20〜60°であり、かつ断裁刃の刃先の刃面が該印刷版材料に対して90±5°で断裁することを特徴とする印刷版材料の作製方法。
【0017】
3.前記断裁刃がロータリー刃で、ロックウエルCスケール硬度(HRC)が57以上であることを特徴とする前記2項に記載の印刷版材料の作製方法。
【0018】
以下本発明を詳細に説明する。
図1に印刷版材料の断面図を示す。
印刷版材料1は、プラスチック支持体2の一方の面上に親水性層3及び画像形成層4を有する。
【0019】
図2は、本発明の印刷版材料を使用する際の一態様である。ここではレーザーによる書き込み後(画像露光後)の印刷版材料1を版排出口5より排出し、排出版堆積トレー6の所定の位置に自動的に排出堆積する部分を示している。本発明の印刷板材料1は、排出堆積時に排出済みの印刷版材料7の画像形成層面上を接触移動する辺(A端)又は、それと対向する辺(B端)が、前記の定義を満足しているときに特に効果が大きい。
【0020】
図3は、端部高さ測定の模式図である。
本発明における端部高さの測定は以下のように行う。測定する印刷版材料1を基準定盤8上に固定し、表面輪郭形状測定装置9(例えばミツトヨ社製フォームトレーサーCS300の輪郭形状解析モードを使用する)を用いて、端部輪郭形状を測定する。基準定盤面を高さ0と設定し、測定点の印刷版材料最端面から辺に直角方向に20mmの位置までの範囲で輪郭形状を測定し、高さを測定する。印刷版材料最端部から辺に直角方向に10〜20mmの範囲の輪郭形状(A)と最端部から0〜10mmの範囲の輪郭形状(B)を比較し、(B)の範囲における最大の高さと(A)の範囲における平均高さの差を測定点における端部高さと定義する。この測定を対象辺の全長に対して両端の5%の長さ部分を除いた90%の領域について、該領域をさらに全長に対する2%の長さずつに等分した位置で測定する。表面の全測定点の端部高さの数平均を表面の端部高さの平均とする。裏面の端部高さの平均も同様である。又表面の測定点の中で最大の端部高さを、表面の最大端部高さとする。裏面も同様に、測定点の中で最大の端部高さを裏面の最大端部高さとする。
【0021】
本発明の印刷版材料は図4に示されるように、印刷版材料1を断裁刃10を用いて、その刃先の片側(目的とする印刷版材料側の)の刃面の印刷版材料1に対する角度13が90±5°になるように断裁することで作製することができる。断裁刃の刃先角θ11は20〜60°であり、20〜45°がさらに好ましい。
【0022】
又、断裁刃10と固定された下刃12を併用することは好ましい態様である。即ち、固定された下刃12に沿って上刃が移動し印刷版材料を所定のサイズに断裁する。上刃と下刃の間隙(クリアランス)は断裁する印刷版材料の剛度により適宜調整されるが、断裁する印刷版材料が100〜300μm程度のポリエステル基材を使用している場合は、5〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。
【0023】
断裁は、画像形成層側から刃を入れることも裏面側から刃をいれることもできるが、画像形成層側から刃を入れる方がより好ましい。
【0024】
断裁刃の形状としては、剃刀刃、ロータリー刃等、公知のものが使用できるが耐久性、安定性、制御の容易さからロータリー刃が好ましい。断裁刃の硬度はロックウエルCスケール硬度(HRC)が57以上、好ましくは60以上である。刃の材質についても制限されるものではないが、工具鋼SKD11を使用することが好ましい。
【0025】
以下に本発明で使用する印刷版材料について説明する。
1)プラスチック支持体
本発明に用いられるプラスチック支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類を挙げることができる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムが好ましい。印刷版作製装置内での搬送性と印刷版としての取り扱い易さからプラスチック支持体の厚さとしては100〜300μmが好ましく、特に好ましくは150〜250μmである。
【0026】
プラスチック支持体の表面は、親水性層との密着性を確保するためにコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が施されていてもよい。又、サンドブラスト、ブラシ研磨等により機械的に支持体表面を粗面化することもできる。更に、プラスチック支持対表面に親水性官能基を有するラテックス、あるいは水溶性樹脂による下引き層を設けることも好ましい態様である。
【0027】
2)親水性層
本発明の親水性層とは、印刷時に印刷インキを着肉しない機能を有する層であり、この親水性層を形成する素材には、下記のものが挙げられる。
【0028】
親水性層を形成する素材としては、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックス構造体や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックス構造体、金属酸化物等が好ましく用いられる。親水性層は特に金属酸化物微粒子を含むことが好ましく、例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。該金属酸化物微粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でも良く、平均粒径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。又、粒子表面に表面処理がなされていても良い。
【0029】
上記金属酸化物微粒子は、その造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
【0030】
本発明の親水性層には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは、比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点があり、良好な強度を得ることができる。本発明で用いることのできるコロイダルシリカとしては、ネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含むことが好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液とした場合、アルカリ性を呈するものが好ましい。
【0031】
本発明において、親水性層を形成する素材の一つであるマトリクス構造の多孔質化材として、粒径が1μm未満の多孔質金属酸化物粒子を使用することができる。多孔質金属酸化物粒子としては、以下に記載の多孔質シリカ粒子又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
【0032】
多孔質シリカ粒子は、一般に湿式法又は乾式法により製造される。湿式法では、ケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、もしくは中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることができる。乾式法では、四塩化珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は製造条件の調整により、多孔性や粒径を制御することが可能である。多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものが特に好ましい。
【0033】
粒子の多孔性としては、細孔容積で0.5ml/g以上であることが好ましく、0.8ml/g以上であることがより好ましく、1.0〜2.5ml/gであることが更に好ましい。細孔容積は、塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。逆に、細孔容積が0.5ml/g未満の場合には、印刷性能が不十分となる場合がある。又、ゼオライトも親水性層に好ましく用いられる。
【0034】
また、本発明の印刷版材料の親水性層には、層状粘土鉱物粒子を含有することができる。該層状鉱物粒子としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。特に、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
【0035】
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
【0036】
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が1μm未満であり、平均アスペクト比が50以上であることが好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。粒子径が上記範囲より大きくなると、塗膜に不均一性が生じて、局所的に強度が弱くなる場合がある。又、アスペクト比が上記範囲以下である場合、添加量に対する平板状の粒子数が少なくなり、増粘性が不充分となり、粒子物の沈降を抑制する効果が低減する。
【0037】
層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを調製した後、塗布液に添加することが好ましい。
【0038】
本発明の親水性層にはその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましい。金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば、「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
【0039】
また、本発明においては、水溶性樹脂を含有してもよい。水溶性樹脂としては、例えば、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられるが、本発明に用いられる水溶性樹脂としては、多糖類を用いることが好ましい。
【0040】
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。これは、親水性層に多糖類を含有させることにより、親水性層の表面形状を好ましい状態形成する効果が得られるためである。
【0041】
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜20μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。このような凹凸構造は、親水性層に適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷適性を有する構造を得ることができ、好ましい。
【0042】
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)は、アルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
【0043】
本発明で用いることのできる無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができるが、塗布液中での沈降を抑制するために、多孔質な金属酸化物粒子を用いることが好ましい。多孔質な金属酸化物粒子としては、前述の多孔質シリカ粒子や多孔質アルミノシリケート粒子を好ましく用いることができる。
【0044】
また、無機素材で被覆された粒子としては、例えば、ポリメチルメタアクリレートやポリスチレンといった有機粒子を芯材とし、芯材粒子よりも粒径の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては、芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど、公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
【0045】
また、有機粒子の芯材を金属メッキした粒子も用いることができる。このような粒子としては、例えば、樹脂粒子に金メッキを施した積水化学工業社製の「ミクロパールAU」等が挙げられる。
【0046】
粒径は1μm以上でかつ、親水性マトリクス構造の平均膜厚に対して本発明で規定する式(1)の関係を満足することが必要であるが、1〜10μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2μm〜6μmがさらに好ましい。
【0047】
親水性層全体としては、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
【0048】
本発明においては、親水性層は複数からなっていてもよい。例えば、支持体と一つの親水層の間に別の親水性層(中間親水性層)を設けることができる。中間親水性層を設ける場合、中間親水性層に用いる素材としては、親水性層と同様の素材を用いることができる。ただし、中間親水性層は多孔質であることの利点が少なく、また、より無孔質である方が塗膜強度の観点から好ましい。親水性層を形成する多孔質化材の含有量は、親水性層よりも少ないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。
【0049】
本発明に係る親水性層及び画像形成層の少なくとも1層は、レーザー光を熱に変換する機能をもたせるために、光熱変換素材を含有する。本発明では、親水性層が光熱変換素材を含有する場合が特に好ましい。
【0050】
光熱変換素材としては、赤外吸収色素、無機・有機顔料、金属、金属酸化物が好ましく、具体的には下記のような素材を挙げることができる。
【0051】
赤外吸収色素としては、シアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
顔料としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。カーボンとしては、特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。
【0053】
グラファイトとしては、粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
【0054】
金属としては、粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子であれば何れの金属であっても使用することができる。形状としては球状、片状、針状等何れの形状でも良い。特にコロイド状金属微粒子(Ag、Au等)が好ましい。
【0055】
金属酸化物としては、可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。
【0056】
これらの光熱変換素材の親水性層、画像形成層での含有量としては、0.1〜60質量%であり、3〜60質量%が好ましく、3〜45質量%がより好ましい。
【0057】
又親水性層と中間親水性層を有していて、両層とも光熱変換材料を含む場合、光熱変換材の添加量は親水性層と中間親水性層で異なっていてもよい。
【0058】
3)画像形成層
本発明の画像形成層は、画像様の加熱により画像を形成しうる層であり、熱溶融性微粒子及びまたは熱融着性微粒子を含有する。
【0059】
本発明に用いられる熱溶融性微粒子とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上100℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。
【0060】
使用可能な素材としては、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものであり、また乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げて作業性を向上させるためにこれらのワックスに、例えば、ステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
【0061】
これらの中でも、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。これらの素材は融点が比較的低く、溶融粘度も低いため、高感度の画像形成を行うことができる。又、これらの素材は潤滑性を有するため、印刷版材料の表面に剪断力が加えられた際のダメージが低減し、擦りキズ等による印刷汚れ耐性が向上する。
【0062】
又、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
【0063】
また、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は、公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
【0064】
構成層中での熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
【0065】
本発明の画像形成層に用いることもできる熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、該熱可塑性疎水性高分子重合体粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。また、高分子重合体の重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。
【0066】
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
【0067】
高分子重合体微粒子は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、熱溶融性微粒子、熱融着性微粒子は、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。また、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等を含有させても良い。
【0068】
又、熱可塑性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。
【0069】
又、熱可塑性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
【0070】
構成層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
【0071】
本発明に係る画像形成層には、さらに水溶性素材を含有することができる。水溶性素材を含有することにより、印刷機上で湿し水やインクを用いて未露光部の画像形成層を除去する際に、その除去性を向上させることができる。
【0072】
水溶性素材としては、親水性層に含有可能な素材として挙げた水溶性樹脂を用いることもできるが、本発明の画像形成層としては、糖類を用いることが好ましく、特にオリゴ糖を用いることが好ましい。
【0073】
オリゴ糖の中でもトレハロースは、比較的純度の高い状態のものが工業的に安価に入手可能であり、水への溶解度が高いにもかかわらず、吸湿性は非常に低く、機上現像性及び保存性共に非常に良好である。
【0074】
又、オリゴ糖水和物を熱溶融させて水和水を除去した後に凝固させると(凝固後短時間のうちは)無水物の結晶となるが、トレハロースは水和物よりも無水物の融点が100℃以上も高いことが特徴的である。これは赤外線露光で熱溶融し、再凝固した直後は露光済部は高融点で溶融しにくい状態となることを意味し、バンディング等の露光時の画像欠陥を起こしにくくする効果がある。本発明の目的を達成するには、オリゴ糖の中でも特にトレハロースが好ましい。
【0075】
画像形成層中のオリゴ糖の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がさらに好ましい。
【0076】
本発明の印刷版材料の裏面には、所望の平滑度と静摩擦係数を得るためにバックコート層が形成されていてもよい。バックコート層には、バインダー成分とマット材の他、表面滑性や導電性を付与する化合物を添加することが好ましい。
【0077】
バインダーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香族ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、弗素樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、テフロン(R)樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテート、ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エステル類、弗化ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、あるいはこれらのモノマーを主成分とする共重合体などの汎用ポリマーを使用することができる。
【0078】
バインダーとして架橋可能なバインダーを用いることは、マット材の粉落ち防止やバックコートの耐傷性の向上に効果がある。又、保存時のブロッキングにも効果が大きい。この架橋手段は、用いる架橋剤の特性に応じて、熱、活性光線、圧力の何れか一つ又は組合せなどを特に限定することなく採用することができる。場合によっては、基材への接着性を付与するため、基材のバックコート層を設ける側に任意の易接着層を設けてもよい。
【0079】
バックコート層に好ましく添加されるマット材としては、有機又は無機の微粒子が使用できる。有機微粒子としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂よりなる有機微粒子等が挙げられ、中でも、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が好ましい。ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエステル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子なども挙げられる。無機微粒子としては、酸化珪素、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸亜鉛等の無機微粒子が挙げられ、中でも、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化珪素が好ましい。
【0080】
無機微粒子の平均粒径としては0.5〜10μmが好ましく、0.8〜5μmがより好ましい。平均粒径が0.5μm未満であると、バックコート層に十分な粗面化を施すことができずに均一な密着を得るために長時間の減圧が必要になる。10μmを超えると、バックコート層の粗面化が粗すぎてスムースター値が大きくなり、固定部材との安定した密着性が確保できなくなる。
【0081】
バックコート層は0.5〜3g/m程度の付量で設けることが好ましい。尚、マット剤を添加しない場合のバックコート層の付き量は0.01〜1.0g/mが好ましい。
【0082】
前記微粒子の含有量としては、バックコート層の全固形分質量に対し、0.5〜80質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
【0083】
バックコート層には、表面滑性を調整する目的で、各種界面活性剤、シリコンオイル、フッ素系樹脂、ワックス類等を添加することも好ましい。
【0084】
印刷版材料が搬送路内で摩擦帯電による搬送異常や、帯電に起因する異物の付着を防止するために帯電防止剤を添加することもできる。帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子等が使用できる。中でも、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物の微粒子、有機半導体等の導電性微粒子が好ましく用いられる。特にカーボンブラック、グラファイト、特に金属酸化物の微粒子を用いることは、温度等の環境の影響によらず安定した帯電防止能が得られるため好ましい。
【0085】
金属酸化物微粒子は、バックコート層中に10〜90質量%の範囲で含まれていることが好ましい。金属酸化物微粒子の粒子径は、平均粒子径が0.001〜0.5μmの範囲が好ましい。ここでいう平均粒子径とは、金属酸化物微粒子の一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径も含んだ値である。又、本発明の印刷板材料は、支持体の画像形成層側に上記のような帯電防止層を有していてもよい。
【0086】
又、印刷版材料裏面と固定部材面との静摩擦係数は0.2〜0.6であることが好ましい。
【0087】
以下に本発明の印刷版材料を使用した画像形成の一例を挙げる。
本発明の印刷版材料は、レーザーによる画像露光によって画像形成が行われる。
【0088】
本発明の印刷版材料への画像形成のための露光には、具体的には、赤外及び/または近赤外領域で発光する、すなわち700〜1000nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が用いられる。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
【0089】
本発明において、走査露光に好適な装置としては、半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
【0090】
一般的には、
(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、
(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、
(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式があげられる。
【0091】
本発明の印刷版材料の画像形成に関しては、特に(3)項記載の走査露光方式が好ましく、特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)項記載の露光方式が用いられる。
【0092】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、「部」は「質量部」を示す。
【0093】
実施例1
〈プラスチック支持体の作製〉
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従いIV(固有粘度)=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出し、未延伸フィルムを作製した。これを所定の温度で2軸延伸し、厚さ175±3μmのポリエチレンテレフタレート基材を作製した。
【0094】
〈下引き済み基材の作製〉
上記で得られた基材の両面に、8W/m・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引き塗布液aを乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後にコロナ放電処理(8W/m・分)を行いながら下引き塗布液bを乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、各々180℃、4分間乾燥させた(下引き面A)。また反対側の面に下記下引き塗布液c−1、c−2またはc−3を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設後にコロナ放電処理(8W/m・分)を行いながら下引き塗布液d−1、d−2またはd−3を乾燥膜厚1.0μmになるように塗布し、それぞれ180℃、4分間乾燥させた(下引き面B)。また、基材の下引き面B側の表面の表面粗さを測定したところRa値で0.8μmであった。
【0095】
《下引き塗布液a》;
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃) 6.3部(固形分基準)
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス 1.6部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 92.0部
《下引き塗布液b》;
ゼラチン 1部
アニオン系界面活性剤S−1 0.05部
硬膜剤H−1 0.02部
マット剤(シリカ,平均粒径3.5μm) 0.02部
防黴剤F−1 0.01部
水 98.9部
【0096】
【化1】
Figure 2005028595
【0097】
《下引き塗布液c−1》;
Figure 2005028595
《下引き塗布液d−1》;
Figure 2005028595
成分d−11;
スチレンスルホン酸ナトリウム/マレイン酸=50/50の共重合体からなるアニオン性高分子化合物
成分d−12;
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=40/40/20からなる3成分系共重合ラテックス
成分d−13;
スチレン/イソプレンスルホン酸ナトリウム=80/20からなる高分子活性剤
【0098】
【化2】
Figure 2005028595
【0099】
《下引き塗布液c−2》
ジュリマーET−410(日本純薬(株)製) :Tg=52℃ 21部
SnO/Sb(9/1質量比、平均粒子径0.25μm) 67部
マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 4部
デナコールEX−614B(ナガセ化成工業(株)製) 7部
《下引き塗布液d−2》;
塩化ビニリデンポリマーラテックス:コア部90質量%、シェル部10質量%
(コアシェルタイプのラテックス)
コア部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=93/3/3/0.9/0.1(質量%)
シェル部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=88/3/3/3/3(質量%)
(重量平均分子量38000) 3000部
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 23部
マット剤(ポリスチレン、平均粒径2.4μm) 1.5部
《下引き塗布液c−3》;
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃) 6.2部(固形分基準)
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス 1.7部
アニオン系界面活性剤S−1 0.1部
水 92.0部
《下引き塗布液d−3》;
ゼラチン 1部
アニオン系界面活性剤S−1 0.05部
防黴剤F−1 0.01部
水 98.9部
〈印刷版材料1の作製〉
上記下引き済み基材の下引き面A上に、表1に示す親水性層1用水準1の塗布液(調製方法は下記に示す)、表2に示す親水性層2用塗布液(調製方法は下記に示す)、および表3に示す画像形成層塗布液を使用し、ワイヤーバーを用いて塗布した。
【0100】
まず、基材上に親水性層1用水準1の塗布液を乾燥付量が2.5g/mになるように塗布し、その上に親水性層2用塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥付量が0.6g/mになるように塗布し、120℃で3分間乾燥したのちに60℃で24時間の加熱処理を施した。
【0101】
その後、表3に示す画像形成層塗布液を、ワイヤーバーを用いて乾燥付量が0.6g/mになるように塗布して50℃で3分間乾燥したのちに、40℃で72時間のシーズニング処理を施した。
【0102】
〈印刷版材料2の作製〉
印刷版材料1の作製において、親水性層1用水準1の塗布液の代わりに親水性層1用水準2の塗布液を用いた他は同様な方法で、塗布を行い、印刷版材料2を作製した。
【0103】
《親水性層1用塗布液の調製》
表1に記載の各素材を、ホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、表1に記載の組成で混合、濾過して親水性層1用塗布液を調製した。
【0104】
なお、各素材の詳細は、以下の通りであり、表中の数値は質量部を表す。
【0105】
【表1】
Figure 2005028595
【0106】
《親水性層2用塗布液の調製》
表2に記載の各素材を、ホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、表2に記載の組成で混合、濾過して親水性層2用塗布液を調製した。なお、各素材の詳細は、以下の通りであり、表中の数値は質量部を表す。
【0107】
【表2】
Figure 2005028595
【0108】
《画像形成層塗布液の調製》
【0109】
【表3】
Figure 2005028595
【0110】
【化3】
Figure 2005028595
【0111】
上記で作製した印刷版材料を、745mm幅で32mの長さに切断して直径7.2cmのボール紙でできたコアに巻き付けロール形状の試料を作製した。
【0112】
〈印刷版材料の評価〉
上記の試料を露光サイズに合わせて切断した印刷版材料を、排出角度35°に設定したトレー上に50枚連続堆積させ、下から2枚目〜6枚目の測定値を平均して評価結果とした。断裁は固定下刃とロータリー刃を組み合わせて行い、断裁刃の刃先角、刃面の対印刷版角度、刃先硬度を表4のように変化させ、印刷版材料の端部高さの平均と最大端部高さ(μm)とを前述の方法で測定した。断裁刃を印刷版材料表面に当たるようにセットし、断裁刃と下刃とのクリアランスは30μmになるように設定した。断裁刃はフレッシュな状態(新刃)での評価と、175μmのポリエチレンテレフタレートを10,000m切断した後の状態(10km切断後)での評価とを行った。表4には裏面側の端部高さの測定結果を示した。表面側はいずれも、端部高さの平均が0.5μm、最大端部高さが0.8μmであった。
【0113】
【表4】
Figure 2005028595
【0114】
断裁された印刷版材料を露光ドラムに巻付け減圧密着によりドラム表面に固定した。
【0115】
露光には、波長808nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、露光エネルギーを印刷版材料面上で300mJ/cmになるように設定し、2400dpi(dpiは2.54cm当りのドット数を表す)、175線で画像を形成し、印刷版試料を作製した。
【0116】
露光で使用した露光ドラムは直径270mm、幅850mmであり、露光条件は、ドラムを1分間に430回転させ、印刷版面上でのレーザーパワーを270mWとした。
【0117】
〈印刷評価〉
上記のように画像形成した印刷版材料(表4中、10kmポリエチレンテレフタレートフィルムを切断した後の断裁刃で断裁したもの)について、下記の印刷条件で印刷版としての諸特性を評価した。インキは下記の2種を使用した。
【0118】
印刷機 :DAIYA1F−1(三菱重工業社製)
印刷用紙:北越製紙 ミューコート 104.7g/m
湿し水 :アストロマーク3(日研化学研究所製)の2質量%溶液
インキ :(1)トーヨーキングハイエコーM紅(東洋インキ社製)
(2)TKハイエコーSOY1(東洋インキ社製 大豆油インキ)
(評価項目)
1)現像性
印刷開始のシークエンスをPS版の印刷シークエンスで行い、非画線部のインキ汚れが完全になくなるまでの枚数を、画像領域と版端部について計測した。
2)インキ着肉性
湿し水、インキ量を変化させ印刷物の仕上がりを、2種類のインキについて評価した。
【0119】
○ インキ量基準±50%以上で安定した刷り上がり
△ インキ量±30%の領域で網点部のカラミ、ベタ濃度ムラが発生
× インキ量基準+30%未満で網点部のカラミ、カスレ、ベタ濃度ムラが発生
評価結果を表5に示す
【0120】
【表5】
Figure 2005028595
【0121】
表5より、本発明の構成により、印刷機上での現像性及びインキ着肉性が改良されていることが分かる。
【0122】
【発明の効果】
本発明により、印刷機上での現像性が良好であり、かつ画像部へのインキ着肉性に優れた印刷機上で現像する印刷版材料及びその作製方法が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷版材料の断面図である。
【図2】印刷版材料の搬送の1形態を示す。
【図3】端部高さ測定の模式図である。
【図4】印刷版材料の断裁時の断面図である。
【符号の説明】
1 印刷版材料
2 プラスチック支持体
3 親水性層
4 画像形成層
5 印刷版排出口
6 排出版堆積トレー
7 排出済の印刷版材料
8 基準定盤
9 表面輪郭形状測定装置
10 断裁刃
11 刃先角θ
12 下刃
13 刃面の印刷版に対する角度

Claims (3)

  1. プラスチック支持体の一方の面上に親水性層及び熱により画像形成可能な画像形成層を有し、該親水性層及び該画像形成層の少なくとも1つがレーザー光を熱に変換する機能を有し、印刷機上で現像される印刷版材料であって、該印刷版材料のすくなくとも一辺が、下記条件を満足することを特徴とする印刷版材料。
    条件
    〔一辺の、該辺の全長に対して両端の各5%の領域を除いた90%の領域において、該領域をさらに全長に対する2%の長さずつに等分したそれぞれの点について、画像形成層側の面(表面)及びそれと反対の面(裏面)の端部高さを測定し、それぞれ測定された表面の端部高さの平均が0μm〜50μmであり、それぞれ測定された表面の最大端部高さが75μmを超えることがなく、且つそれぞれ測定された裏面の端部高さの平均が0μm〜20μmであり、それぞれ測定された裏面の最大端部高さが50μmを超えることがない。
    ここで、上記等分したそれぞれの点の端部高さとは、測定面において、前記等分したそれぞれの点より前記辺に対して直角方向に20mmの位置から、等分したそれぞれの点まで、表面の輪郭形状を測定し、前記直角方向に20mmの位置から直角方向に10mmの位置までの平均高さと、前記10mmの位置から印刷版材料最端部の領域における最大の高さとの差をいう。又表面の測定点の中で最大の端部高さを、表面の最大端部高さとする。裏面も同様に、測定点の中で最大の端部高さを裏面の最大端部高さとする。〕
  2. 請求項1記載の印刷版材料の作製方法であって、断裁刃を用い、断裁刃の刃先角が20〜60°であり、かつ断裁刃の刃先の刃面が該印刷版材料に対して90±5°で断裁することを特徴とする印刷版材料の作製方法。
  3. 前記断裁刃がロータリー刃で、ロックウエルCスケール硬度(HRC)が57以上であることを特徴とする請求項2に記載の印刷版材料の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022050604A (ja) * 2017-03-31 2022-03-30 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びその製造方法、平版印刷版原版積層体、並びに、平版印刷方法

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