JP2005026424A - フィルムコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムコンデンサの巻始め部位および巻き終わり部位でのショートの発生を防止する。
【解決手段】誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサにおいて、メタライズドフィルム1の巻き始め部位および巻き終わり部位に絶縁体フィルム2,4を溶着して巻回し、絶縁体フィルム2,4がコンデンサ素子3の内周および外周を覆うように構成する。この構成により、メタライズドフィルムの金属を除去することなくコンデンサ素子の巻始め部、および巻終わり部でのショートを防止することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は誘電体フィルムに金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回して形成したフィルムコンデンサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘電体材料からなるベースフィルムの上に金属を蒸着して形成したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサが実用化されている。このようなメタライズドフィルムコンデンサには、1枚のベースフィルムの両面に金属蒸着したメタライズドフィルムと誘電体材料からなるベースフィルムを重ね併せて巻回する構造のものや、ベースフィルムの片面にのみ金属蒸着したメタライズドフィルムを2枚重ね併せて巻回する構造のものがある。
【0003】
ところで、メタライズドフィルムを巻回すると、ベースフィルムの端部ではメタライズド部分がベースフィルム端部にまで形成されているため、メタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサは、メタライズドフィルムの巻き始め部及び巻き終わり部でそれぞれショートが発生するおそれがある。
【0004】
そのため、一般的には、メタライズドフィルムの端部では、バーンオフ法等により、蒸着した金属を剥離してベースフィルムを露出させ、この金属を剥離したベースフィルムの部分を保護フィルムとして巻回することにより、メタライズドフィルムの端部でのショートを防止していた。
【0005】
このようなバーンオフに関する技術は特開平10−208973号公報に記載がある。
【0006】
【特許文献1】特開平10−208973号公報
【0007】
しかしながら、この方法によると、メタライズドフィルムから金属を剥離する工程が必要となり、工程が煩雑なものとなる。さらに、メタライズドフィルムの金属を剥離してベースフィルムを保護フィルムと使用する部分は、コンデンサの静電容量には寄与しないが、高価なメタライズドフィルムを加工して保護フィルムとして使用することは、フィルムコンデンサのコストの増加を引き起こす要因ともなる。
【0008】
また、近年はフィルムコンデンサの分野においても小形化の要請が大きい。そこで、フィルムコンデンサでコンデンサの体積あたりの静電容量の増加を図ろうとした場合、メタライズドフィルムのベースフィルムの厚さを薄くすることが効果的である。しかし、同時にベースフィルムの強度も低下してしまうため、バーンオフ時にフィルムを傷つけてしまうと、ベースフィルムが破断してしまうおそれもでてくる。
【0009】
そこで、バーンオフ法を行うことなくメタライズドフィルムの巻き始め部及び巻き終わり部でのショート発生を防止する方法として、メタライズドフィルムの巻き始め部および巻き終わり部に絶縁体フィルムを配置して、ショートを防止することも行われている。
【0010】
このようなフィルムコンデンサは、例えば図11(a)に示すように、2枚の絶縁体フィルム2を重ね合わせて数回巻回した後に、絶縁体フィルム2の巻回体3に2枚のメタライズドフィルム1を挿入して巻回していく。そして、図11(b)に示すように、メタライズドフィルム1を所定回巻回した後に、メタライズドフィルムの端部の絶縁を図ることを目的として、メタライズドフィルム1の巻回体3に、さらに別の2枚の絶縁フィルム4を挿入して、さらに巻回していくことにより製造されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の一般的な絶縁体フィルムを数回巻回してから、巻回途中の絶縁体フィルムの間にメタライズドフィルムを挿入して、さらにメタライズドフィルムを巻回していく方法により製造しようとすると、次のような問題が発生した。
【0012】
近年のフィルムコンデンサの小形化の要請により、メタライズドフィルムのベースフィルムとして、フィルム厚さが3μm以下のものが用いられるようになってきている。このようなフィルム厚さが3μm程度の厚さのものをベースフィルムとした場合、フィルムが極めて薄いものとなり、フィルム自体には、いわゆる「腰」がなくなる。そのため、絶縁フィルムを所定回数巻回した後、その絶縁体フィルムの間に誘電体フィルムを挿入して、さらに巻回する方法により製造しようとすると、フィルムには「腰」が無いため、絶縁体フィルムに対し所定位置に挿入することが難しくなる。さらに、絶縁体フィルムに対して、所定位置からずれた位置に挿入されると、静電気により絶縁フィルムとメタライズドフィルムが密着してしまい、適正な位置に修正することも困難になり、結果としてコンデンサ素子の巻きずれが発生したりするという問題があった。
【0013】
同様に、巻回した素子の巻き終わり部においても、メタライズドフィルムに絶縁体フィルムを挿入しようとした際に、メタライズドフィルムに「しわ」が生じてしまうおそれがあり、絶縁体フィルムの挿入には細心の注意を払う必要があった。
【0014】
そこで、この発明では、3μm以下の薄いベースフィルムを用いたメタライズドフィルムコンデンサにおいても、簡易な構成でメタライズドフィルムの端部でのショートを防止するとともに、製造の容易な製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサにおいて、メタライズドフィルムの巻き始め部位に絶縁体フィルムを固定接続して巻回し、該絶縁体フィルムをコンデンサ素子の内周を覆うようにしてなるフィルムコンデンサである。
【0016】
金属蒸着層が形成されていない絶縁フィルムを巻き始め部分に予め巻回しておき、この絶縁体フィルムの端部にメタライズドフィルムを接続して巻回して、絶縁体フィルムをコンデンサ素子の内周を覆うように構成することより、メタライズドフィルムの端部でのショートを防止することができる。また、メタライズドフィルムの巻き始め部位に絶縁体フィルムを固定接続してあるので、メタライズドフィルムの巻回時に、メタライズドフィルムの張力を加えながら巻回することができ、メタライズドフィルムの巻きずれを防止することができる。
【0017】
本願の請求項2に係る発明は、誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサにおいて、メタライズドフィルムの巻き終わり部位に絶縁体フィルムを固定接続して接続して巻回し、絶縁体フィルムがコンデンサ素子の外周を覆うようにしてなるなるフィルムコンデンサである。
【0018】
メタライズドフィルムの巻き終わり部分にも、金属蒸着層が形成されていない絶縁フィルムを接続して巻回し、絶縁体フィルムがコンデンサ素子の外周を覆うように構成することにより、メタライズドフィルムの端部でのショートを防止することができる。また、メタライズドフィルムの巻き始め部位に絶縁体フィルムを固定接続してあるので、巻回した素子の巻き終わり部においても、メタライズドフィルムに連続して絶縁体フィルムを巻回することができ、メタライズドフィルムに「しわ」が生じてしまうことがない。
【0019】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のフィルムコンデンサにおいて、前記絶縁体フィルムは前記メタライズドフィルムよりも厚いフィルムを用いたことを特徴とする。
【0020】
絶縁体フィルムとして、メタライズドフィルムよりも厚いフィルムを用いると、巻き始め部においては、絶縁体フィルムを巻回した巻回体を巻き芯として用いることができる。すなわち、厚さの厚いフィルムを用いることにより、巻き芯の部分の強度が強いため薄いメタライズドフィルムを巻回していくことも容易となる。また、巻き終わり部においては、厚さの厚い絶縁体フィルムが素子の外周を覆うことにより、巻回した素子を保護することができ、メタライズドフィルムの損傷を防止することができる。
【0021】
本願の請求項4に係る発明は、誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサの製造方法において、絶縁体フィルムを所定回巻回した後、該絶縁体フィルムの端部にメタライズドフィルムを接合して固定し、その後にメタライズドフィルムに張力を加えながら巻回することを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法である。
【0022】
金属蒸着層が形成されていない絶縁体フィルムを巻き始め部分に予め巻回しておき、この絶縁体フィルムの端部にメタライズドフィルムを接続して巻回して、絶縁体フィルムをコンデンサ素子の内周を覆うように構成することより、メタライズドフィルムの端部でのショートを防止することができる。また、メタライズドフィルムの巻き始め部位に絶縁体フィルムを固定接続してあるので、メタライズドフィルムの巻回時に、メタライズドフィルムに張力を加えながら巻回することができる。このため、メタライズドフィルムに「しわ」が生じることを防止でき、メタライズドフィルムの巻きずれがなくなる。
【0023】
本願の請求項5に係る発明は、誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサの製造方法において、メタライズドフィルムを所定回巻回した後、該メタライズドフィルムの端部に絶縁体フィルムを接合して固定し、その後に巻回することを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法である。
【0024】
メタライズドフィルムの巻き終わり部分にも、金属蒸着層が形成されていない絶縁フィルムを接続して巻回することにより、メタライズドフィルムの端部でのショートを防止することができる。また、メタライズドフィルムの巻き始め部位に絶縁体フィルムを固定接続してあるので、巻回した素子の巻き終わり部においても、メタライズドフィルムに連続して絶縁体フィルムを巻回することができ、メタライズドフィルムに「しわ」が生じてしまうことがない。
【0025】
本願の請求項6に係る発明は、請求項4または請求項5のいずれかに記載のフィルムコンデンサの製造方法において、前記絶縁体フィルムとして、メタライズドフィルムよりも厚いフィルムを用いたことを特徴とする。
【0026】
絶縁体フィルムとして、メタライズドフィルムよりも厚いフィルムを用いると、巻き始め部においては、絶縁体フィルムを巻回した部分を巻き芯として用いることができる。厚さの厚いフィルムを用いることにより、巻き芯の部分の強度が強いため薄いメタライズドフィルムを巻回していくことも容易となる。また、巻き終わり部においては、絶縁体フィルムが素子全体を周回することにより、巻回した素子を保護することができ、メタライズドフィルムの損傷を防止することができる。
【0027】
請求項7に係る発明は、メタライズドフィルムと絶縁体フィルムの接合固定方法として、メタライズドフィルム側を絶縁体フィルムへ溶着させて接合したことを特徴とする。
【0028】
厚さの薄いメタライズドフィルム側を溶解して、より厚さの厚い絶縁体フィルムの溶着すると、溶着する際のエネルギーの省力化を図ることができるとともに、溶着作業の簡易化を図ることができる。なお、メタライズドフィルムを絶縁体フィルムへ溶着させる際は、ベースフィルムの片面にのみ金属蒸着したメタライズドフィルムを用い、メタライズドフィルムのベースフィルム側を絶縁体フィルムと当接させて溶着することが好ましい。このようにすると、溶着する際のエネルギーのより一層の省力化を図ることができるとともに、フィルム端部でのショートをより確実に防止することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施の形態について説明する。
【0030】
この発明は、誘電体フィルムの表面に金属を蒸着してなるメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサにおいて、このメタライズドフィルムの巻き始め部位に絶縁体フィルムを固定接続して巻回し、コンデンサ素子の内周を絶縁体フィルムが覆うようにしてなるフィルムコンデンサである。すなわち、図1に示すように、第1の絶縁体フィルム2を2枚重ねて所定回数巻回した後に、第1の絶縁体フィルム2の端部にメタライズドフィルム1をそれぞれ固定接続(接続部位を図中で符号5として示す)して、さらに巻回することによりコンデンサ素子の内周を絶縁体フィルム2が覆うようにコンデンサ素子を形成し、さらに所定のメタリコン処理、外部端子の接続、外装を施したものである。
【0031】
また、この発明は、誘電体フィルムの表面に金属を蒸着してなるメタライズドフィルムを巻回してなるフイルムコンデンサにおいて、メタライズドフィルムの巻き終わり部位に絶縁体フィルムを固定接続し、絶縁体フィルムがコンデンサ素子の外周を覆うようにしてなるフィルムコンデンサである。すなわち、図2に示すように、メタライズドフィルム1を2枚重ねて所定回巻回した後に、メタライズドフィルム1の端部に第2の絶縁体フィルム4をそれぞれ固定接続して(接続部位を図中で符号5として示す)、さらに巻回することにより絶縁体フィルムがコンデンサ素子の外周を覆うようにコンデンサ素子を形成し、さらに所定のメタリコン処理、外部端子の接続、外装を施したものである。なお、このコンデンサ素子の巻き始めの部位は、前述したように第1の絶縁体フィルム2を所定回巻回したものに、メタライズドフィルム1をそれぞれ固定接続して巻回したものであっても良い。
【0032】
このようなフィルムコンデンサは、例えば次のようにして製造することができる。
【0033】
図3に示すように、まず、それぞれのリール11に巻き取られた厚さが5μmの第1の絶縁体フィルム2を2枚重ね併せて、さらに巻回チャック13で第1の絶縁体フィルム2を挟み込む。そして、この巻回チャック13を回転させて第1の絶縁体フィルム2を巻回する。この第1の絶縁体フィルム2は厚さが5μmと比較的厚いものであるため、フィルムには腰があり、絶縁体フィルムを巻回して形成した巻回体3の強度も比較的強いものとなる。そのため、この第1の絶縁体フィルム2を巻回して形成した巻回体3が、後に説明するメタライズドフィルムを巻回する際に巻き芯としての機能を果たすようになる。
【0034】
次に、図4に示すように、第1の絶縁体フィルム2を所定回数巻回した後、巻回を中断し、リール12よりそれぞれ引き出したメタライズドフィルム1を第1の絶縁体フィルム2に重ね合わせる。このメタライズドフィルム1は、厚さが2.8μmのPP(ポリプロピレン)フィルムの片面にのみアルミニウムを100〜150Åの厚さに蒸着したもので、第1の絶縁体フィルム2と同じ幅に形成してある。メタライズドフィルム1と第1の絶縁体フィルム2を重ね合わせるには、図4に示すように、メタライズドフィルム1と第1の絶縁体フィルム2の両側より押圧部材17、17を押し当てて重ね合わせることができる。この押圧部材17は、図中では上下方向に移動するように構成されており、フィルムとの当接部はローラーとして構成したものである。なお、この図でメタライズドフィルム1の金属蒸着面は、図中でメタライズドフィルム1の上面に形成されている。
【0035】
そして、図5に示すように、第1の絶縁体フィルム2にメタライズドフィルム1を溶着する。溶着の際には、メタライズドフィルム1側から第1の絶縁体フィルム2に側に対して、熱圧着治具14を押し当てて、熱溶着する。なお、この図では、符号15は熱圧着治具のプレス圧を受け止めるためのベースである。このようにメタライズドフィルム1側から第1の絶縁体フィルム2に対して熱溶着すると、メタライズドフィルム1の厚さは2.8μmと薄いため、メタライズドフィルム1のPPフィルムの部分は完全に溶解するものの、第1の絶縁体フィルム2は厚さが5μmと厚いため、第1の絶縁体フィルム2の厚さ方向の途中までの穴が形成される。このように、第1の絶縁フィルム2として厚いものを用い、厚さの薄いメタライズドフィルム1側から熱圧着治具14を押し当てて、メタライズドフィルム1を溶解して溶着すると、厚さの薄いメタライズドフィルム1を溶解するだけで済むので、溶着のためのエネルギーの省力化を図ることができる。
【0036】
次いで、図6に示すように、第1の絶縁体フィルム2とメタライズドフィルム1の溶着部位の近傍で、第1の絶縁体フィルム2を切断する。切断の方法は任意であるが、例えば、第1の絶縁体フィルム2にカッター部材を16押し当てて切断することができる。
【0037】
この後、図7に示すように、メタライズドフィルム1に所定の張力を加えつつ、巻回チャック13を回転して巻回を続ける。メタライズドフィルム1は第1の絶縁体フィルム2に固定接続されているため、メタライズドフィルム1に張力を加えることが容易であり、メタライズドフィルム1を「しわ」が生じない状態として巻回していくことができる。すなわち、メタライズドフィルム1に張力を加えるには、メタライズドフィルム1を巻回収納しているリール12を所定の負荷を加えないと回転しないようにしておき、このような状態で巻回チャック13を巻回させることにより、巻回体3に巻き取られるメタライズドフィルム1には張力を加わることになる。なお、リール12を回転させるための負荷の大きさを調整することにより、メタライズドフィルム1に加わる張力を調整することもできる。
【0038】
また、メタライズドフィルム1を巻回していく際には、第1の絶縁体フィルム2の巻回体3が巻き芯としての機能を果たし、厚さが薄く腰が無いメタライズドフィルム1であっても、巻回するのが容易となる。
【0039】
そして、メタライズドフィルム1を所定回巻回した後、巻回を中断し、図8に示すように、メタライズドフィルム1に厚さ5μmの第2の絶縁体フィルム4を熱溶着する。なお、この実施例の中では、第2の絶縁フィルム4は、第1の絶縁フィルム2と同じものを使用している。この第2の絶縁体フィルム4のメタライズドフィルム1への溶着も第1の絶縁体フィルムの溶着と同様に、メタライズドフィルム1側から熱圧着治具14を押し当てて、熱溶着する方法により行うことができる。
【0040】
さらに、図9に示すように、メタライズドフィルム1を、メタライズドフィルム1と第2の絶縁体フィルム4の溶着部位の近傍で切断する。この切断も、先に示した第1の絶縁体フィルム2の切断方法と同様に行うことができる。
【0041】
図10に示すように、メタライズドフィルムに第2の絶縁体フィルム4を溶着した後、さらに巻回を続け、コンデンサ素子の外周に第2の絶縁体フィルム4が周回するように所定回数巻回する。第2の絶縁体フィルム4を所定回数巻回した際には、第2の絶縁体フィルム4を切断し、その終端を溶着により、コンデンサ素子に固定する。
【0042】
巻回が終了したコンデンサ素子は、その両端面に溶融金属粒子を吹き付け、金属溶射部(メタリコン)6を形成する。そして、金属溶射部6にそれぞれ外部端子8を取り付ける。さらにコンデンサ素子を樹脂製の外装ケース7に収納し、外装ケース7内を封止樹脂9で充填することにより、外装を施し、図12に示すようなフィルムコンデンサを完成する。なお、フィルムコンデンサとしての外部端子の形状、および外装方法は上記の実施例に限定されるものではない。
【0043】
以上のような工程によって、この発明のフィルムコンデンサを製造することができる。
【0044】
なお、以上の実施例のなかでは、フィルムの素材としてPPのものを用いて説明してきたが、PPに限るものでは無く、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いたものでも良い。
【0045】
【発明の効果】
この発明は次の効果を有する。
【0046】
1.メタライズドフィルムを用いたフィルムコンデンサとして、簡易な構成でメタライズドフィルムの端部でのショートを防止することができるようになる。
【0047】
2.ショート防止のために、絶縁体フィルムをメタライズドフィルムとは別のものを用いているため、メタライズドフィルムの蒸着金属を剥離して保護フィルムとする必要がなくなる。このことにより、剥離工程が必要でなくなり、工程が簡易なものとなるとともに、高価なメタライズドフィルムの使用量を減少させることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0048】
3.メタライズドフィルムのベースフィルムとして、3μm以下の薄いベースフィルムを用いた場合でも、メタライズドフィルムの巻ずれ等を起こすことなく巻回し、コンデンサ素子を形成することができる。そのため、フィルムコンデンサの大容量、小型化の実現を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のフィルムコンデンサの構造を説明するための斜視図である。
【図2】この発明のフィルムコンデンサの構造を説明するための斜視図である。
【図3】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面である。
【図4】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、図3の工程に続く工程を示す。
【図5】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、図4の工程に続く工程を示す。
【図6】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、図5の工程に続く工程を示す。
【図7】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、図6の工程に続く工程を示す。
【図8】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、図7の工程に続く工程を示す。
【図9】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、図8の工程に続く工程を示す。
【図10】この発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、図9の工程に続く工程を示す。
【図11】従来のフィルムコンデンサの製造方法を説明するための図面で、(a)はフィルムコンデンサの巻始めの部位、(b)はフィルムコンデンサのの巻終わりの部位を示す図面である。
【図12】フィルムコンデンサの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 メタライズドフィルム
2 第1の絶縁体フィルム
3 巻回体(コンデンサ素子)
4 第2の絶縁体フィルム
5 接続部位
6 金属蒸着部(メタリコン)
7 外装ケース
8 外部端子
9 封止樹脂
11 リール
12 リール
13 巻回チャック
14 熱圧着治具
15 ベース
16 カッター部材
17 押圧部材

Claims (7)

  1. 誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサにおいて、
    メタライズドフィルムの巻き始め部位に絶縁体フィルムを固定接続して巻回し、該絶縁体フィルムがコンデンサ素子の内周を覆うようにしてなるフィルムコンデンサ。
  2. 誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサにおいて、メタライズドフィルムの巻き終わり部位に絶縁体フィルムを固定接続して巻回し、絶縁体フィルムがコンデンサ素子の外周を覆うようにしてなるフィルムコンデンサ。
  3. 前記絶縁体フィルムは前記メタライズドフィルムよりも厚いフィルムを用いたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  4. 誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサの製造方法において、絶縁体フィルムを所定回巻回した後、該絶縁体フィルムの端部にメタライズドフィルムを接合して固定し、その後にメタライズドフィルムに張力を加えながら巻回することを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
  5. 誘電体フィルムの表面に金属を蒸着したメタライズドフィルムを巻回してなるフィルムコンデンサの製造方法において、メタライズドフィルムに張力を加えながら所定回巻回した後、該メタライズドフィルムの端部に絶縁体フィルムを接合して固定し、その後に巻回して絶縁体フィルムがコンデンサ素子の外周を覆うようにすることを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
  6. 前記絶縁体フィルムとして、メタライズドフィルムよりも厚いフィルムを用いたことを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載のフィルムコンデンサの製造方法。
  7. メタライズドフィルムと絶縁体フィルムの接合固定方法として、メタライズドフィルム側を絶縁体フィルムへ溶着させて接合したことを特徴とする請求項6記載のフィルムコンデンサの製造方法。
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