JP2005026144A - 空気電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素吸収剤を内包しても電池特性は低下せず、信頼性の高い空気電池を提供する。
【解決手段】金属酸化物、黒鉛、活性炭、フッ素系結着剤を主成分とする正極触媒層を集電体に合わせた触媒シートに撥水膜を貼り合わせた構造の空気極と拡散紙を備えた空気電池において、前記空気極の撥水膜面と拡散紙との間に樹脂フィルムに内包した二酸化炭素吸収剤を配置しているので、二酸化炭素による影響を軽減することができ、信頼性の高い空気電池を提供できる。
【選択図】 図1
【解決手段】金属酸化物、黒鉛、活性炭、フッ素系結着剤を主成分とする正極触媒層を集電体に合わせた触媒シートに撥水膜を貼り合わせた構造の空気極と拡散紙を備えた空気電池において、前記空気極の撥水膜面と拡散紙との間に樹脂フィルムに内包した二酸化炭素吸収剤を配置しているので、二酸化炭素による影響を軽減することができ、信頼性の高い空気電池を提供できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素吸収剤を内包した高寿命の空気電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ電解液を用いた一次電池では、最もエネルギー密度が高いのが空気電池である。この空気電池の特長は、空気中の酸素を正極活物質とするため、同型の電池サイズであれば、正極合剤を充填する必要がなく、大きな放電容量が得られる。しかし、空気電池は正極缶に空気を取込む空気孔が必要で、酸素以外の大気中の成分である二酸化炭素や水蒸気などの影響を受けやすく、このことは空気電池のエネルギー密度は高いが、開封時の電池特性が極端に低下することになり、問題となっていた。
【0003】
以下、空気電池の劣化を化学式で示す。
▲1▼ アルカリ電解液による二酸化炭素の吸収
OH(−)+CO2→CO3(2−)+H(+)
▲2▼ 吸湿による電解液濃度の低下
KOH(aq)+H2O→KOH(aq)
【0004】
本発明者等が空気電池の劣化機構を鋭意研究を重ねたところ、▲1▼による二酸化炭素吸収の影響が大きいことが解った。二酸化炭素を吸収することで、炭酸塩の析出と同時に電解液濃度の低下も伴うためである。
【0005】
この電池を分析した結果から、二酸化炭素を吸収することで、触媒シート内で局所的に電解液中に低濃度分布が起こる。このとき触媒シート内の相対湿度が外気湿度にくらべて高くなり、外気へ水分を蒸発する。その結果、溶解していた炭酸塩が結晶として析出することにより、電池特性が劣化するものと考えられる。このような理由で、二酸化炭素吸収を軽減する対策が急がれている。
【0006】
従来、二酸化炭素吸収剤としては、特許文献1に記載のようにアミン基をもつ有機化合物または水酸基をもつ無機化合物や特許文献2に記載のように酸化カルシウムあるいは水酸化リチウムなどが開示されている。しかし、現実には酸化カルシウムやアミン類は使われていない。一方水酸化リチウムを用いた二酸化炭素吸収剤は、潜水艦内や宇宙服などに組み入れられており、二酸化炭素の吸収性の高いことが既に知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−37624号公報
【特許文献2】
特開2000−3735号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、二酸化炭素の影響を軽減するために、二酸化炭素吸収剤を使用した場合、次のような問題がある。水酸化リチウムなどは潮解性を示すため、長期実装において電池内に組み入れると、空気孔から二酸化炭素吸収剤が漏出しやすく、また、拡散紙などに目詰まりが発生して十分な電池特性が得られなくなるという問題がある。
【0009】
また、二酸化炭素吸収剤を触媒シート内に添加する方法もあるが、二酸化炭素吸収剤が二酸化炭素を吸収して空気極内に炭酸塩が析出して放電特性が低下しやすい状態となるので、触媒シート内の添加は電池特性上好ましくない。
【0010】
本発明は、上記情況に対処するためになされたもので、その課題は二酸化炭素吸収剤を内包しても電池特性は低下せず、信頼性の高い空気電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、金属酸化物、黒鉛、活性炭、フッ素系結着剤を主成分とする正極触媒層を集電体に合わせた触媒シートに撥水膜を貼り合わせた構造の空気極と拡散紙を備えた空気電池において、空気極の撥水膜面と拡散紙との間に樹脂フィルムに内包した二酸化炭素吸収剤を配置したことを特徴とする。
【0012】
本発明では、二酸化炭素吸収剤として水酸化リチウムを用いるとともに、二酸化炭素吸収剤の潮解性を抑えるために水酸化リチウムの添加量について検討した。
従来の空気電池の構成では、空気孔を通して二酸化炭素が侵入して、触媒シートと撥水膜との間に炭酸カリウムの結晶が発生しやすい。そこで、拡散紙と撥水膜側の空気極の間に二酸化炭素吸収剤を内包することで、二酸化炭素の影響を軽減するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるボタン型空気電池について説明をする。
図1は本発明が適用されるPR2330タイプの空気電池の断面図、図2は図1の触媒レートおよび拡散紙の拡大断面図である。
【0014】
図に示すように、空気孔1を有する底面に段部を設けた正極ケース2の内側部に、拡散紙3、撥水膜4、触媒シート5およびセパレータ6が収納されている。撥水膜4と触媒シート5を合わせたものを空気極と呼び、触媒シート5は活性炭、テフロン(登録商標)、導電剤、マンガン酸化物からなる正極触媒粉をニッケルメッキされたステンレスネット製の正極集電体7に圧着充填により一体化した構造となっている。セパレータ6の上部には絶縁ガスケット8を介してニッケル−ステンレス−銅の三層クラッド材を成形加工した負極ケース9が配されており、通常は絶縁ガスケット8と負極ケース9との間には苛性カリ電解液の漏液防止をするためポリアミド樹脂等のシール材が塗布されている。更に、負極ケース9の内部にはアルカリ電解液と金属粉末を主成分としたゲル状の負極活物質10が充填され、セパレータ6に接している。ここで好ましく用いられる負極活物質は、安価な亜鉛が用いられるが、これのみに限らず他の金属も使用できる。
【0015】
本実施形態の空気電池が従来の空気電池構造と異なる構成は、二酸化炭素吸収剤11として水酸化リチウムを用いた風袋12を拡散紙と空気極との間に備えている点である。また図3に示すように、二酸化炭素吸収剤11は、直接風袋12内に納め、開口部を熱融着する方法を用いた。なお風袋として使われる物性は、多孔質な樹脂で低融点のものが好ましい。これは、二酸化炭素を吸収するための微細孔を持つとともに、風袋内から水分の漏出による拡散紙の目詰まりを抑え、風袋の一部を熱圧着することで二酸化炭素吸収剤を風袋内に保持するようにした。
【0016】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【表1】
【0017】
(実施例1)
二酸化炭素吸収剤を0.01g秤取り、樹脂製の風袋に納めた後、風袋の四辺を熱により圧着した。この風袋は拡散紙を挿入した後挿入し、空気極およびセパレータを装着した正極缶を作り、負極を充填したギャップと嵌合・クリンプして、空気電池PR2330を20個作製した。
【0018】
(実施例2)
表1のように二酸化炭素吸収剤を0.02g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、実施例2とした。
【0019】
(実施例3)
表1のように二酸化炭素吸収剤を0.08g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、実施例3とした。
【0020】
(従来例)
二酸化炭素吸収剤を挿入しないで、空気電池を組立て比較例とした。
【0021】
(比較例1)
表1のように二酸化炭素吸収剤を0.005g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、比較例1とした。
【0022】
(比較例2)
表3のように二酸化炭素吸収剤を0.1g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、比較例2とした。
【0023】
このような形態で作製した空気電池20個を、20℃60%RHの環境で開封放置のまま二酸化炭素濃度1000ppmにて開封放置を行った。開封評価期間は40日間で10日間ごとに放電評価をした。放電評価は300Ωの放電を行い、初度放電に対する放電容量の維持率を計算した。また、開封放置時は、空気孔が暴露するように正極缶を上向きとして放置した。表2に放電容量の維持率の結果を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
表2において、実施例1から実施例3において、二酸化炭素吸収剤を配置することで従来例に比べて維持率が高くなったことが確認できた。
【0026】
すなわち、従来例では二酸化炭素の影響で電池特性が著しく低下する。また、従来例の電池を分解すると空気極内に炭酸塩が析出して、空気供給が不足したことで放電がほとんどできなかったことと考える。また比較例1では、30daysにおいて二酸化炭素吸収剤の量が過剰であったことから、潮解した水溶液が風袋から染み出して拡散紙まで達していた。このことから、拡散紙の目詰まりによって空気供給が妨げられたことと考えられる。また、比較例2では、二酸化炭素吸収剤の量が少なかったため、吸収効果が得られなかった。
【0027】
以上のように二酸化炭素吸収剤の添加量を0.01〜0.08gで樹脂フィルムに内包した風袋を、拡散紙と撥水膜側の空気極との間に配置することで、二酸化炭素の影響を軽減できることが確認できた。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、二酸化炭素吸収剤を内包することで、二酸化炭素による影響を軽減することができる信頼性の高い空気電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の断面図。
【図2】図1の触媒シートおよび拡散紙の拡大断面図。
【図3】二酸化炭素吸収剤からなる風袋を作る手順を示す図。
【図4】30daysにおける容量維持率を示す図。
【図5】放電期間別の容量維持率を示す図。
【符号の説明】
1…空気孔、2…正極ケース、3…拡散紙、4…撥水膜、5…触媒シート、6…セパレータ、7…正極集電体、8…絶縁ガスケット、9…負極ケース、10…負極活物質、11…二酸化炭素吸収剤、12…風袋。
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素吸収剤を内包した高寿命の空気電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ電解液を用いた一次電池では、最もエネルギー密度が高いのが空気電池である。この空気電池の特長は、空気中の酸素を正極活物質とするため、同型の電池サイズであれば、正極合剤を充填する必要がなく、大きな放電容量が得られる。しかし、空気電池は正極缶に空気を取込む空気孔が必要で、酸素以外の大気中の成分である二酸化炭素や水蒸気などの影響を受けやすく、このことは空気電池のエネルギー密度は高いが、開封時の電池特性が極端に低下することになり、問題となっていた。
【0003】
以下、空気電池の劣化を化学式で示す。
▲1▼ アルカリ電解液による二酸化炭素の吸収
OH(−)+CO2→CO3(2−)+H(+)
▲2▼ 吸湿による電解液濃度の低下
KOH(aq)+H2O→KOH(aq)
【0004】
本発明者等が空気電池の劣化機構を鋭意研究を重ねたところ、▲1▼による二酸化炭素吸収の影響が大きいことが解った。二酸化炭素を吸収することで、炭酸塩の析出と同時に電解液濃度の低下も伴うためである。
【0005】
この電池を分析した結果から、二酸化炭素を吸収することで、触媒シート内で局所的に電解液中に低濃度分布が起こる。このとき触媒シート内の相対湿度が外気湿度にくらべて高くなり、外気へ水分を蒸発する。その結果、溶解していた炭酸塩が結晶として析出することにより、電池特性が劣化するものと考えられる。このような理由で、二酸化炭素吸収を軽減する対策が急がれている。
【0006】
従来、二酸化炭素吸収剤としては、特許文献1に記載のようにアミン基をもつ有機化合物または水酸基をもつ無機化合物や特許文献2に記載のように酸化カルシウムあるいは水酸化リチウムなどが開示されている。しかし、現実には酸化カルシウムやアミン類は使われていない。一方水酸化リチウムを用いた二酸化炭素吸収剤は、潜水艦内や宇宙服などに組み入れられており、二酸化炭素の吸収性の高いことが既に知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−37624号公報
【特許文献2】
特開2000−3735号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、二酸化炭素の影響を軽減するために、二酸化炭素吸収剤を使用した場合、次のような問題がある。水酸化リチウムなどは潮解性を示すため、長期実装において電池内に組み入れると、空気孔から二酸化炭素吸収剤が漏出しやすく、また、拡散紙などに目詰まりが発生して十分な電池特性が得られなくなるという問題がある。
【0009】
また、二酸化炭素吸収剤を触媒シート内に添加する方法もあるが、二酸化炭素吸収剤が二酸化炭素を吸収して空気極内に炭酸塩が析出して放電特性が低下しやすい状態となるので、触媒シート内の添加は電池特性上好ましくない。
【0010】
本発明は、上記情況に対処するためになされたもので、その課題は二酸化炭素吸収剤を内包しても電池特性は低下せず、信頼性の高い空気電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、金属酸化物、黒鉛、活性炭、フッ素系結着剤を主成分とする正極触媒層を集電体に合わせた触媒シートに撥水膜を貼り合わせた構造の空気極と拡散紙を備えた空気電池において、空気極の撥水膜面と拡散紙との間に樹脂フィルムに内包した二酸化炭素吸収剤を配置したことを特徴とする。
【0012】
本発明では、二酸化炭素吸収剤として水酸化リチウムを用いるとともに、二酸化炭素吸収剤の潮解性を抑えるために水酸化リチウムの添加量について検討した。
従来の空気電池の構成では、空気孔を通して二酸化炭素が侵入して、触媒シートと撥水膜との間に炭酸カリウムの結晶が発生しやすい。そこで、拡散紙と撥水膜側の空気極の間に二酸化炭素吸収剤を内包することで、二酸化炭素の影響を軽減するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるボタン型空気電池について説明をする。
図1は本発明が適用されるPR2330タイプの空気電池の断面図、図2は図1の触媒レートおよび拡散紙の拡大断面図である。
【0014】
図に示すように、空気孔1を有する底面に段部を設けた正極ケース2の内側部に、拡散紙3、撥水膜4、触媒シート5およびセパレータ6が収納されている。撥水膜4と触媒シート5を合わせたものを空気極と呼び、触媒シート5は活性炭、テフロン(登録商標)、導電剤、マンガン酸化物からなる正極触媒粉をニッケルメッキされたステンレスネット製の正極集電体7に圧着充填により一体化した構造となっている。セパレータ6の上部には絶縁ガスケット8を介してニッケル−ステンレス−銅の三層クラッド材を成形加工した負極ケース9が配されており、通常は絶縁ガスケット8と負極ケース9との間には苛性カリ電解液の漏液防止をするためポリアミド樹脂等のシール材が塗布されている。更に、負極ケース9の内部にはアルカリ電解液と金属粉末を主成分としたゲル状の負極活物質10が充填され、セパレータ6に接している。ここで好ましく用いられる負極活物質は、安価な亜鉛が用いられるが、これのみに限らず他の金属も使用できる。
【0015】
本実施形態の空気電池が従来の空気電池構造と異なる構成は、二酸化炭素吸収剤11として水酸化リチウムを用いた風袋12を拡散紙と空気極との間に備えている点である。また図3に示すように、二酸化炭素吸収剤11は、直接風袋12内に納め、開口部を熱融着する方法を用いた。なお風袋として使われる物性は、多孔質な樹脂で低融点のものが好ましい。これは、二酸化炭素を吸収するための微細孔を持つとともに、風袋内から水分の漏出による拡散紙の目詰まりを抑え、風袋の一部を熱圧着することで二酸化炭素吸収剤を風袋内に保持するようにした。
【0016】
以下に、本発明の実施例を説明する。
【表1】
【0017】
(実施例1)
二酸化炭素吸収剤を0.01g秤取り、樹脂製の風袋に納めた後、風袋の四辺を熱により圧着した。この風袋は拡散紙を挿入した後挿入し、空気極およびセパレータを装着した正極缶を作り、負極を充填したギャップと嵌合・クリンプして、空気電池PR2330を20個作製した。
【0018】
(実施例2)
表1のように二酸化炭素吸収剤を0.02g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、実施例2とした。
【0019】
(実施例3)
表1のように二酸化炭素吸収剤を0.08g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、実施例3とした。
【0020】
(従来例)
二酸化炭素吸収剤を挿入しないで、空気電池を組立て比較例とした。
【0021】
(比較例1)
表1のように二酸化炭素吸収剤を0.005g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、比較例1とした。
【0022】
(比較例2)
表3のように二酸化炭素吸収剤を0.1g秤取り、実施例1と同様に空気電池を組立て、比較例2とした。
【0023】
このような形態で作製した空気電池20個を、20℃60%RHの環境で開封放置のまま二酸化炭素濃度1000ppmにて開封放置を行った。開封評価期間は40日間で10日間ごとに放電評価をした。放電評価は300Ωの放電を行い、初度放電に対する放電容量の維持率を計算した。また、開封放置時は、空気孔が暴露するように正極缶を上向きとして放置した。表2に放電容量の維持率の結果を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
表2において、実施例1から実施例3において、二酸化炭素吸収剤を配置することで従来例に比べて維持率が高くなったことが確認できた。
【0026】
すなわち、従来例では二酸化炭素の影響で電池特性が著しく低下する。また、従来例の電池を分解すると空気極内に炭酸塩が析出して、空気供給が不足したことで放電がほとんどできなかったことと考える。また比較例1では、30daysにおいて二酸化炭素吸収剤の量が過剰であったことから、潮解した水溶液が風袋から染み出して拡散紙まで達していた。このことから、拡散紙の目詰まりによって空気供給が妨げられたことと考えられる。また、比較例2では、二酸化炭素吸収剤の量が少なかったため、吸収効果が得られなかった。
【0027】
以上のように二酸化炭素吸収剤の添加量を0.01〜0.08gで樹脂フィルムに内包した風袋を、拡散紙と撥水膜側の空気極との間に配置することで、二酸化炭素の影響を軽減できることが確認できた。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、二酸化炭素吸収剤を内包することで、二酸化炭素による影響を軽減することができる信頼性の高い空気電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の断面図。
【図2】図1の触媒シートおよび拡散紙の拡大断面図。
【図3】二酸化炭素吸収剤からなる風袋を作る手順を示す図。
【図4】30daysにおける容量維持率を示す図。
【図5】放電期間別の容量維持率を示す図。
【符号の説明】
1…空気孔、2…正極ケース、3…拡散紙、4…撥水膜、5…触媒シート、6…セパレータ、7…正極集電体、8…絶縁ガスケット、9…負極ケース、10…負極活物質、11…二酸化炭素吸収剤、12…風袋。
Claims (3)
- 金属酸化物、黒鉛、活性炭、フッ素系結着剤を主成分とする正極触媒層を集電体に合わせた触媒シートに撥水膜を貼り合わせた構造の空気極と拡散紙を備えた空気電池において、前記空気極の撥水膜面と拡散紙との間に樹脂フィルムに内包した二酸化炭素吸収剤を配置したことを特徴とする空気電池。
- 二酸化炭素吸収剤は水酸化リチウムを主成分とすることを特徴とする請求項1記載の空気電池。
- 二酸化炭素吸収剤の添加量が0.01〜0.08gであることを特徴とする請求項1記載の空気電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003192041A JP2005026144A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 空気電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003192041A JP2005026144A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 空気電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005026144A true JP2005026144A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34189451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003192041A Pending JP2005026144A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 空気電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005026144A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20110086269A1 (en) * | 2006-05-23 | 2011-04-14 | Sony Corporation | Anode and method of manufacturing the same, and battery and method of manufacturing the same |
CN104241731A (zh) * | 2013-06-07 | 2014-12-24 | 铃木株式会社 | 锂空气电池的阴极结构和制造锂空气电池的阴极的方法 |
CN106063025A (zh) * | 2015-02-06 | 2016-10-26 | 古河电池株式会社 | 金属空气电池 |
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JP2002535818A (ja) * | 1999-01-26 | 2002-10-22 | ハイ−デンシティ エナジー インコーポレイテッド | 空気−金属蓄電池のための触媒空気陰極 |
-
2003
- 2003-07-04 JP JP2003192041A patent/JP2005026144A/ja active Pending
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