JP2005025973A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極の形状や活物質の粒子形状を規制することなく高レート特性を有するリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質層内の電解質として高分子固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池であって、正極活物質層の厚さH(μm)と正極活物質層中の正極活物質の体積分率V(無次元)との関係が下記式(1)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池により上記課題は解決される。
【数1】
Figure 2005025973

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池に関し、詳しくはレート特性に優れた、高分子固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の排気ガスによる大気汚染が世界的な問題となっている中で、電気を動力源とする電気自動車やエンジンとモータを組み合わせて走行するハイブリッド車、燃料電池を動力源とする燃料電池車などが注目を集めており、これらに搭載される高エネルギー密度、高出力密度の電池の開発が産業上重要な位置を占めている。さらにエンジンのみを動力とする自動車も、多種多様な電動機器の搭載を可能にする高電圧バッテリーを搭載する車両が実用化されている。
【0003】
リチウムイオン二次電池は、そのエネルギー密度や放電電圧の高さから、このような車両に適した電池であると考えられ、さまざまな開発が進められている。従来のリチウムイオン二次電池には、電解質として非水溶媒を用いた有機化合物液体が使用されることが多かったが、電池製造の容易性や信頼性向上を目的に、高分子を基材とする固体電解質を用いた電池の適用が検討されている。一方、固体電解質は電解液と比較するとイオン伝導性が劣るという課題がある。従って、大電流すなわち高レート特性が必要とされる用途に固体電解質を用いる場合は、活物質層を薄くするなどの対策をとる必要があった。レート特性の向上手段としては、この他にも、例えば、特許文献1に示される電極の面積と辺の長さとの関係の規定や、特許文献2に示されるような正極活物質の粒子形状の規定をするという方法が考えられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−106216号公報
【特許文献2】
特開平11−345609号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および2に示されるような高レート対応リチウムイオン二次電池は、電極の形状が規制されることによって設計の自由度が低下し、または搭載場所が制限され、さらには正極活物質の粒子形状を規定するため製法や品質の確認が困難であるなどの課題があった。
【0006】
本発明は上述のような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、電極の形状や活物質の粒子形状によらずに、高レートの電池を実現することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討した結果、正極活物質層の厚さと、正極活物質層中の正極活物質の体積分率と、を同時に規定することにより高レート特性が実現可能であることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の第1は、正極活物質内の電解質として高分子固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池であって、正極活物質層の厚さH(μm)と正極活物質層中の正極活物質の体積分率V(無次元)との関係が下記式(1)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0009】
【数3】
Figure 2005025973
【0010】
好ましくは、正極活物質層の厚さが25μm以下であり、かつ正極活物質層の厚さHと正極活物質層中の正極活物質の体積分率Vとの関係が下記式(2)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0011】
【数4】
Figure 2005025973
【0012】
より好ましくは、前記正極活物質層の厚さが5μm≦H≦20μmであることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0013】
本発明の第2は、バイポーラ構造であることを特徴とする前記リチウムイオン二次電池である。
【0014】
本発明の第3は、前記リチウムイオン二次電池を搭載したことを特徴とする車両である。
【0015】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、正極活物質層中の電解質として高分子固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池であって、正極活物質層の厚さH(μm)と正極活物質層中の正極活物質の体積分率V(無次元)との関係が上記式(1)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池とすることで、レート特性の良好なリチウムイオン二次電池を得ることが可能となり得る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るリチウムイオン二次電池の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明の第1は、正極活物質層内の電解質として高分子固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池であって、正極活物質層の厚さH(μm)と正極活物質層中の正極活物質の体積分率V(無次元)との関係が下記式(1)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池に関するものである。
【0018】
【数5】
Figure 2005025973
【0019】
まず、本発明のリチウムイオン二次電池とは、電解質として高分子固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池であり、その基本的構成は従来のリチウムイオン二次電池と同様である。電解質として高分子固体電解質を用いるのは、形状の自由度が高いので加工性がよく、液絡の問題がないため信頼性が高く、かつ、容易な構成で出力特性に優れたバイポーラ電池を形成し得るため好ましい。
【0020】
図1に本発明のリチウムイオン二次電池の模式図を示す。ただし、本発明が図1の模式図に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することが可能である。
【0021】
図1において、正極集電体11およびその表面に形成された正極活物質層12からなる正極1と、負極集電体21およびその表面に形成された負極活物質層22からなる負極2とが、高分子固体電解質層3を挟んで相対しており、発電要素を形成している。この発電要素を電池ケース4に封入し、正極リード端子13および負極リード端子23をケース外に取り出した構成となっている。
【0022】
前記構成を有する本発明のリチウムイオン二次電池において、電極活物質層(12および22)は、リチウムイオンを吸蔵、脱離できる電極活物質、リチウムイオンを伝導する電解質を含み、その他に必要に応じて、電子を伝導する導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、その他の添加剤等が含まれ得る。
【0023】
かようなリチウムイオン二次電池における電極内において、高い電流レートの放電を行おうとすると、電極内に含まれる電解質中のLiイオンが急激に活物質中に取り込まれ、電極内のLiイオン濃度が低下し、セパレーター内の電解質から供給されるLiイオンが電極内を拡散する抵抗が反応全体を律速することになる。従って、電極活物質層が厚いと単位面積あたりの容量は大きくなるが、充放電時に集電体寄りの活物質にリチウムイオンが到達するまでの移動量が大きくなる。すなわち、電極内でのLiイオンの拡散抵抗が大きくなるのである。
【0024】
特に、高分子固体電解質を用いたリチウムイオン電池では、電解質中のイオン拡散係数および伝導率が比較的小さいため、高速のイオン移動が要求される高い電流レートの放電においてはイオンの枯渇が発生して発電が中断することにより、放電量は減少する。そのため、高い電流レートの放電には活物質厚さが薄いことが好ましい。
【0025】
以上の理由により、電極活物質層の厚さは、30μm以下、好ましくは25μm以下、特に好ましくは20μm以下とする。これにより、高い電流レートの放電時においても、イオンの枯渇が発生しにくくなると考えられる。しかし電極活物質層の厚さを薄くし過ぎると、電池全体に占める活物質量が減少し、重量あたりの出力密度、容量密度が低下する。従って、電極活物質層の厚さは、5μm以上20μm以下とするのがよい。
【0026】
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質層の厚さHと、正極活物質層内の正極活物質の体積分率Vとが、特定の関係を満たしている。すなわち、相対放電率が高い領域は、正極活物質層の厚さHが増加するにつれて正極活物質層内の正極活物質の体積分率Vが小さい値となる関係を満たしている。かような、正極活物質の厚さHと、正極活物質層内の正極活物質の体積分率Vとの関係は、下記式(1)で示すことができる。
【0027】
【数6】
Figure 2005025973
【0028】
上記式(1)を満たすことにより、相対放電率が高く、高レート特性に優れる電池となり得る。また、上記式(1)は、電極の形状や活物質の粒子形状により規定されない。従って、上記式(1)の関係を満たす電池は、設計の自由度および搭載場所が制限されることがなく、さらには、製造方法および品質の確認をし易い電池とすることができる。
【0029】
高い電流レートの放電時においても優れた性能を有するリチウムイオン二次電池とするため、上記式(1)において正極活物質層の厚さは、30μm以下であることが好ましい。かような理由としては、上述の通りである。
【0030】
「正極活物質層の厚さH」とは、具体的には、図1に示す正極活物質層の厚さである。また、「正極活物質層の正極活物質の体積分率V」とは、正極活物質層中に占める正極活物質の体積の割合を意味し、調製前の正極活物質の各材料を質量および密度を用いて体積に換算し、正極活物質の占める割合を体積分率により求める。例えば、まず、正極活物質層に含まれる主な要素である▲1▼正極活物質、▲2▼電解質、▲3▼導電助剤、および、▲4▼その他の添加剤、のそれぞれの密度[g/cm]をdi(i=1〜4)とし、配合時の質量[g]あるいは質量比[wt%]をwi(i=1〜4)とすると、調製前の正極活物質の各材料を、下記式(3)により体積Vi(i=1〜4)に換算し、正極活物質の体積分率Vを下記式(4)により求める。
【0031】
【数7】
Figure 2005025973
【0032】
かような正極活物質層の正極活物質の体積分率Vは、0.05〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4の範囲に含まれるのが好ましい。正極活物質層の正極活物質の体積分率Vが高くなると、電解質の量が少なくなり、リチウムイオンが移動できる領域が減少するため、高レート放電時の性能が下がる恐れがある。従って、高レート放電時には活物質の体積分率Vが低いことが好ましいが、正極活物質の体積分率Vが低すぎると、活物質量が少ないため電池としての性能が低下する恐れがある。
【0033】
本発明のリチウムイオン二次電池として、より好ましくは正極活物質層の厚さHは25μm以下、特に好ましくは5μm≦H≦20μmであり、かつ、正極活物質の厚さHと、正極活物質層内の正極活物質の体積分率Vとの関係が、下記式(2)で示される関係を満たしている。
【0034】
【数8】
Figure 2005025973
【0035】
かような関係を満たすことにより、式(1)の範囲と比較して、より高い相対放電率を得られる。
【0036】
なお、上記式(1)および(2)に示したHとVとの関係を満たすことにより、相対放電率が高く、高レート特性に優れる電池となり得ることは、後述の実施例における図2からも明らかである。すなわち、HとVとの関係を示した本発明の上記式(1)および(2)は、相対放電率が高い領域において、正極活物質層の厚さHが増加するにつれて活物質層内の正極活物質の体積分率Vが小さい値となる領域を便宜的にかつ近似的に表現したものである。従って、かような領域を規定する式の形が上記式(1)および(2)に限定されない。例えば、下記式によってもかような領域を示すことができ、本発明の範囲に含まれる。
【0037】
【数9】
Figure 2005025973
【0038】
上述した特定の関係を満たす本発明のリチウムイオン二次電池の構成要素について、以下に記載するが、本発明がこれらに制限されるべきものではないことはいうまでもない。
【0039】
本発明で用いることのできる集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、およびニッケル箔などの金属箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、SUSとアルミニウムのクラッド材あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。複合集電体を用いる場合、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、ニッケル、チタンなどの導電性金属を用いることができるが、アルミニウムが特に好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、銅、アルミにウム、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属を用いることができるが、SUS及びニッケル等が特に好ましい。また、複合集電体においては、正極集電体と負極集電体とは、互いに直接あるいは第三の材料からなる導電性を有する中間層を介して電気的に接続していれば良い。
【0040】
複合集電体における正極集電体および負極集電体の各厚みは、通常通りでよく両集電体とも、例えば、1〜100μm程度である。電池の薄型化の観点からは、集電体(複合集電体を含む)の厚さが1〜100μm程度であるのが好ましい。
【0041】
正極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質、および、リチウムイオンを伝導する電解質を含むものであればよく、その他に必要に応じて、電子を伝導する導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、バインダ、添加剤等が含まれ得る。これらの種類、形状等は、上記式(1)または(2)で示される関係が満たされるのであれば、特に限定されるものではない。
【0042】
正極活物質としては、大きく無機系材料と有機系材料に分けられる。無機系材料としては、金属酸化物、金属硫化物、リチウム金属複合酸化物等を使用することができる。リチウム金属複合酸化物としては、例えば、LiCoO、LiMn、LiNiO、およびこれらの化合物を部分的に他の元素により置換した材料を主材料とする活物質を用いることができるが、特に限定されない。これらリチウム金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することができる点で有利である。これらの他に、V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの金属酸化物や金属硫化物;LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。また有機系材料としてはポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ポリスルフィド系化合物等を使用することができる。また、正極活物質は、無機系材料と有機系材料の混合物であっても良い。
【0043】
正極活物質の平均粒径は、0.1〜50μm、特に0.1〜10μmとするのが好ましい。平均粒径が0.1μmより小さいと、極微細粒となるため活物質製造上および正極活物質層形成時の作業性が低下する恐れがある。また平均粒径が50μmを超えると、比表面積が少なくなり大電流放電時に活物質容量を使い切れず、また正極活物質層形成時に粒径が活物質層厚さより大きくなり、粒が不規則に割れて厚さや分散性が不均一になる恐れがあるため、上記範囲が好ましい。正極活物質の平均粒径は、例えば、レーザー回折を用いた粒度分布計等で測定される数値である。
【0044】
正極活物質層に含まれる電解質としては、電解質層との界面のイオン移動を円滑にするために、電解質層と同様の高分子固体電解質を使用する。正極活物質層における正極活物質間の空隙に高分子固体電解質を充填することによって、正極活物質層におけるイオン伝導がスムーズになり、電池全体としての出力向上が図れる。高分子固体電解質は、後述する電解質層に含まれる高分子固体電解質と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0045】
正極活物質層の厚さは、上述した通りであるが、30μm以下、好ましくは25μm以下、より好ましくは5μm以上20μm以下である。
【0046】
また導電助剤としては導電性を付与する材料であれば特に限定されないが、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等の炭素粉末や各種金属繊維等が用いられる。
【0047】
リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CFSON、Li(CSON、LiCSO、LiCFSO、Li(CPF)等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0048】
バインダは、集電体上に正極活物質層を結着させる役割を有し、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、ポリイミドなどの各種樹脂および無機化合物が使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0049】
添加剤としては、例えば、電池の性能や寿命を高めるためのトリフルオロプロピレンカーボネイト、または、補強材として各種フィラー等が挙げられる。
【0050】
正極活物質層に含まれる正極活物質、電解質、導電助剤、リチウム塩、バインダ、添加剤等の成分配合量は、上述した特定の関係を満たすように適宜決定すればよい。
【0051】
正極リード端子は、集電体と一体であるか導通するように接続された金属であり、集電体と同様に、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属箔を使用することができる。なお、電池外装材(電池ケース)から取り出された部分は、自動車の熱源との距離がないことから、これらに接触して漏電したりして自動車部品(特に電子機器)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておくのが好ましい。
【0052】
負極活物質層は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質を含み、他に必要に応じて、リチウムイオンを伝導する電解質、電子を伝導する導電助剤、イオン伝導性高めるためのリチウム塩、バインダ、添加剤等が含まれ得る。
【0053】
負極活物質としては、炭素系の材料、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物などを用いることができる。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用して用いても良い。好ましくは、グラファイトまたは非晶質炭素であるハードカーボン等の炭素系の材料を主材料とする負極活物質を用いるが、これらに特に限定されるものではない。
【0054】
負極活物質の平均粒径は、既存の負極活物質微粒子と同程度であればよく、平均粒径が0.5〜100μm程度であればよいが、これらの範囲に限定されるべきものではなく、本発明の作用効果を有効に発現できればよい。
【0055】
また、負極活物質層の厚さとしては、特に限定するものではなく、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。よって、負極電極の厚さ(負極活物質膜厚)としては、1〜500μm程度である。
【0056】
負極電極の構成材料の形状は、その種類等によって取り得る形状が異なり、例えば、平板状、波板状、棒状、粉末状などが挙げられるが、負極電極の構成材料の種類に応じて、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択すればよい。
【0057】
また、負極電極の構成材料のミクロ構造も、その種類等によって取り得る形状が異なり、例えば、積層状、球状、繊維状、螺旋状、フィブリル状などが挙げられる。負極電極の構成材料の種類に応じて、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適のミクロ構造のものを適宜選択すればよい。
【0058】
負極活物質層に含まれ得るリチウム塩、バインダ、および、添加剤としては、正極活物質層と同様のものが用いられることが多いが、これも特に限定されない。
【0059】
負極活物質層に含まれる電解質としては、特に限定されないが、電解質層に高分子固体電解質を用いるため、負極活物質層にも高分子固体電解質が含まれていることが好ましい。負極活物質層における負極活物質間の空隙に高分子固体電解質を充填することによって、負極活物質層におけるイオン伝導がスムーズになり、電池全体としての出力向上が図れるためである。高分子固体電解質は、後述する電解質層に含まれる高分子固体電解質と同様であるため、ここではその説明を省略する
また、負極リード端子は、上述した正極リード端子と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0060】
本発明のリチウムイオン二次電池における電解質としては、高分子固体電解質を保持した正極活物質層との組み合わせでは、高分子固体電解質を用いるのが好ましい。
【0061】
高分子固体電解質とする場合には、例えばモノマーあるいは低分子量で重合させたゲル化ポリマーとリチウム塩との混合物から、モノマーあるいはゲル化ポリマーを重合させて、ポリマーとリチウム塩とからなる高分子固体電解質が形成されるが、形成手法はこれに限定されない。また、セパレーターにゲル電解質、あるいは、高分子固体電解質を含浸させた構成とすることもできる。
【0062】
前記ゲル化ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような重合性ポリマー(高分子固体電解質)を使用することができる。これらPEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系ポリマーは、リチウム塩をよく溶解しうる点で優れている。前記モノマーは熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合により架橋構造を形成することによってゲル化ポリマーとなる材料が好ましく、これにより優れた機械的強度が発現する。本発明において高分子固体電解質は、少なくとも正極電極に含まれる。ただし、バイポーラ電池の電池特性をより向上させるためには、正極電極および負極電極の双方に含まれることが好適である。
【0063】
リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CFSON、Li(CSON、LiCSO、LiCFSO、Li(CPF)等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
【0064】
現在、好ましく使用される高分子固体電解質用のゲル化ポリマーは、PEO、PPOのようなポリエーテル系高分子である。このため、高温条件下における正極側での耐酸化性が弱い。従って、溶液系のリチウムイオン電池で一般に使用される、酸化還元電位の高い正極剤を使用する場合には、負極の容量が、高分子固体電解質層を介して対向する正極の容量より少ないことが好ましい。負極の容量が対向する正極の容量より少ないと、充電末期に正極電位が上がり過ぎることを防止できる。ここで、「高分子固体電解質層を介して対向する正極」とは、同一の単電池層(セル)の構成要素である正極を指す。なお、正極および負極の容量は、正極および負極を製造する際の理論容量として、製造条件から求めることができる。完成品の容量を測定装置で直接測定してもよい。
【0065】
ただし、負極の容量が対向する正極の容量と比べて少ないと、負極電位が下がりすぎて電池の耐久性が損なわれる恐れがあるので、充放電電圧に注意する必要がある。例えば、一つの単電池層(セル)の平均充電電圧を使用する正極活物質の酸化還元電位に対して適切な値に設定して、耐久性が低下しないように注意する。
【0066】
ゲル電解質とする場合には、例えば、ゲル化ポリマーを形成するモノマーが含有された電解液を使用してモノマーを重合させる方法により形成されるが、形成のための手法は限定されない。
【0067】
ゲル化ポリマーとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができるが、好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が挙げられる。
【0068】
電解液としては、主としてリチウム塩と溶媒からなり、溶媒としてはプロピレンカーボネイト、エチレンカーボネイト、ジメチルカーボネイト等のカーボネイト類、テトラヒドロフラン等のグライム類、アセトニトリル等のニトリル類、エチレンオキシド等が使用される。また、これらの混合物としてもよい。電解液には、電池の性能や寿命を高めるため、例えばトリフルオロプロピレンカーボネイト等の添加剤を添加してもよい。
【0069】
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合としては、特に制限されるべきものではないが、イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%程度とするのが好ましい。
【0070】
また、本発明では、ゲル電解質に含まれる電解液の量は、ゲル電解質内部で略均一になるようにしてもよいし、中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていってもよい。前者は、より広範囲で反応性を得ることができるため好ましく、後者は、外周部の全固体高分子電解質部の電解液に対するシール性を高めることができる点で好ましい。中心部から外周部に向けて傾斜的に少なくしていく場合には、上記ゲル化ポリマーには、リチウムイオン伝導性のあるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)およびそれらの共重合体を用いることが好ましい。
【0071】
電池ケースは、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために用いるとよい。例えば高分子フィルムと金属箔を複合積層したラミネート素材からなる外装材をその周辺部を熱融着にて接合するか、あるいは、袋状にしたその開口部を熱融着することにより密閉されてなり、この熱融着部から正極リード端子、負極リード端子を取り出す構造としたものである。このとき正負極の各リード端子を取り出す個所は特に1箇所に限定されない。また電池ケースを構成する材質は上記のものに限定されず、プラスチック、金属、ゴム等、あるいはこれらの組み合わせによる材質が可能であり、形状もフィルム、板、箱状等のものを使用できる。また、ケース内側と外側とを導通するターミナルを設け、ターミナルの内側に集電体を、ターミナルの外側にリード端子を接続して電流を取り出す方法も適用できる。
【0072】
本発明の第2として、上述した本発明のリチウムイオン二次電池は、容量、出力特性に優れた電池とするためにバイポーラ構造のリチウムイオン二次電池(以下、単に「バイポーラ電池」とも記載する。)とするのが好ましい。
【0073】
バイポーラ電池の構成は、例えば、単一の電池ケース内に、複数の正極および/または負極電極積層体を有する。すなわち、単一の電池ケース内において、集電体の片方の面に正極を有し、他の面に負極を有したバイポーラ電極を、高分子固体電解質層を介して複数積層した構造の電極積層体からなる構成である。バイポーラ電極の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。バイポーラ電池の他の構成要素については、特に制限されるべきものではなく、従来公知のバイポーラ電池に幅広く適用可能である。
【0074】
上述した通り、本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、バイポーラ構造のリチウムイオン電池、バイポーラ構造ではないリチウムイオン電池などが挙げられる。ただし、上記化学式(1)で示されるような特定の関係により高出力特性等の効果が得られるのであれば、他の種類の電池に適用することを妨げるものではない。また、これらは積層型でもよいし、巻回型でもよいなど、その形態に何ら制限されるものではない。好ましくはバイポーラ構造であるリチウムイオン二次電池である。これは、バイポーラ構造であるリチウムイオン二次電池では、容量、出力特性に優れた電池を構成できるためである。更に、電解質に高分子固体電解質を用いたバイポーラ構造のリチウムイオン二次電池では、液絡の問題が無いため信頼性が高く、かつ簡易な構成で出力特性に優れたバイポーラ電池を形成することができるためである。
【0075】
また、上記のバイポーラ電池を複数個接続して構成した組電池とすることができる。すなわち、本発明のバイポーラ電池を少なくとも2個以上を用いて直列および/または並列に接続して構成し組電池化することにより、高容量、高出力の電池モジュールを形成することが出来る。そのため、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、比較的安価に対応することが可能になる。
【0076】
具体的には、例えば、上記のバイポーラ電池をN個並列に接続し、N個並列にしたバイポーラ電池をさらにM個直列にして金属製ないし樹脂製の組電池ケースに収納し、組電池とする。この際、バイポーラ電池の直列/並列接続数は、使用目的に応じて決定する。例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)など大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両の駆動用電源に適用し得るように組み合わせればよい。また、組電池用の正極端子および負極端子と、各バイポーラ電池の電極リードとは、リード線等を用いて電気的に接続すればよい。また、バイポーラ電池同士を直列/並列に接続する際には、スペーサやバスバーのような適当な接続部材を用いて電気的に接続すればよい。ただし、本発明の組電池は、ここで説明したものに制限されるべきものではなく、従来公知のものを適宜採用することができる。また、該組電池には、使用用途に応じて、各種計測機器や制御機器類を設けてもよく、例えば、電池電圧を監視するために電圧計測用コネクタなどを設けておいてもよいなど、特に制限されるものではない。
【0077】
本発明の第3は、前記リチウムイオン二次電池を搭載したことを特徴とする車両である。本発明のリチウムイオン二次電池は、上述のように各種特性を有している。従って、エネルギー密度および出力密度に関して、とりわけ厳しい要求がなされる車両、例えば、電気自動車やハイブリッド電気自動車等の駆動用電源として好適であり、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。例えば、電気自動車ないしハイブリッド電気自動車の車体中央部の座席下に組電池を駆動用電源として搭載するのが、社内空間およびトランクルームを広く取れるため便利である。ただし、本発明では、これらに何ら制限されるべきものではなく、電池は、車両の床下、トランクルーム、エンジンルーム、屋根、ボンネットフード内などに設置することができる。なお、本発明では、組電池だけではなく、使用用途によっては、バイポーラ電池を搭載するようにしてもよいし、これら組電池とバイポーラ電池を組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明のバイポーラ電池および/または組電池を駆動用電源として搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車やハイブリッド電気自動車が好ましいが、これらに制限されるものではない。
【0078】
本発明のバイポーラ電池の製造方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知の各種の方法を適宜利用することができる。以下に、簡単に説明する。
【0079】
(1)正極用組成物の塗布
まず、適当な集電体を準備する。正極用組成物は通常はスラリー(正極用スラリー)として得られ、集電体の一方の面に塗布される。
【0080】
正極用スラリーは、正極活物質および高分子固体電解質を含む溶液である。他成分として、導電助剤、バインダ、重合開始剤、リチウム塩、および添加剤などが任意で含まれる。
【0081】
高分子固体電解質に用いられるゲル化ポリマーは、PEO、PPO、これらの共重合体などが挙げられ、分子内に架橋性の官能基(炭素−炭素二重結合など)を有することが好ましい。この架橋性の官能基を用いて高分子電解質を架橋することによって、機械的強度が向上する。
【0082】
正極活物質、導電助剤、バインダ、リチウム塩に関しては、上述した通りであるため、ここではその説明を省略する。
【0083】
重合開始剤は、重合させる化合物に応じて選択する必要がある。例えば、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)が挙げられる。
【0084】
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶媒は、正極用スラリーの種類に応じて選択する。
【0085】
正極活物質、高分子固体電解質、リチウム塩、導電助剤の添加量は、上記式(1)で示される特定の関係を満たすように、正極活物質層の厚さに応じて適宜調節すればよい。また、重合開始剤の添加量は、高分子原料に含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。通常は高分子原料に対して0.01〜1質量%程度である。
【0086】
(2)正極活物質層(電極形成部)の形成
正極用スラリーが塗布された集電体を乾燥し、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、架橋反応を進行させて、高分子固体電解質の機械的強度を高める。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された正極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。かかる乾燥処理により、集電体上に正極活物質層(電極形成部)を形成する。
【0087】
また、集電体上に正極活物質層の形成終了後、平滑性などを向上させるためプレスロールを行うのが好ましい。前記プレスロールは冷間及び熱間いずれの方法でもよい。熱間の場合は、リチウム塩や重合性ポリマーが分解する温度以下とするのが好ましい。また、プレス圧力は線圧で200〜1000Kg/cmで行うことが好ましい。
【0088】
(3)負極用組成物の塗布
正極層が塗布された面と反対側の面に、負極活物質を含む負極用組成物(負極用スラリー)を塗布する。
【0089】
負極用スラリーは、負極活物質を含む溶液である。他成分として、導電助剤、バインダ、重合開始剤、高分子電解質の原料(固体電解質用高分子ないしゲル電解質用ホストポリマー、電解液など)およびリチウム塩などが任意で含まれる。使用される原料については、負極活物質以外は、「(1)正極用組成物の塗布」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。また原料の添加量は、所望する特性が得られるように適宜決定すればよい。
【0090】
負極活物質としては、各種の天然黒鉛や人造黒鉛、例えば繊維状黒鉛、鱗片状黒鉛、球状黒鉛などの黒鉛類、および各種のリチウム合金類などが挙げられる。具体的には、カーボン、グラファイト、金属酸化物、リチウム−金属複合酸化物などを用いることができるが、好ましくはカーボンまたはリチウム−遷移金属複合酸化物である。これらカーボンまたはリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのため、これらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することができる。なお、リチウム−遷移金属複合酸化物としては、例えば、LiTi12などのリチウム−チタン複合酸化物などを用いることができる。また、カーボンとしては、例えば、黒鉛(グラファイト)、ハードカーボン、ソフトカーボンなどを用いることができる。
【0091】
(4)負極活物質層(電極形成部)の形成
負極用スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれる溶媒を除去する。それと同時に、負極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子電解質の機械的強度を高めてもよい。この作業により、バイポーラ電極が完成する。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された負極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。かかる乾燥処理により、集電体上に負極層(電極形成部)を形成する。その後、正極活物質層と同様にして、プレスロールを行うのが好ましい。
【0092】
(5)高分子固体電解質層の作製
電解質層に高分子固体電解質を用いる場合には、例えば、ゲル化ポリマー、リチウム塩等をNMPのような溶媒に溶解させて調製した溶液を硬化させることによって製造される。
【0093】
例えば、上記電極(正極および/または負極)上に、調製された上記溶液または電解質前駆体を塗布し、所定の厚さの電解質層またはその一部(電解質層厚さの半分程度の電解質膜)を形成する。その後、電解質層(膜)が積層された電極を硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって、電解質の機械的強度を高め、電解質層(膜)を製膜形成する(完成させる)。
【0094】
あるいは、別途、電極間に積層される電解質層またはその一部(電解質層厚さの半分程度の電解質膜)を準備する。電解質層(膜)は、上記溶液または電解質前駆体を、PETフィルムなど適当なフィルム上に塗布し、硬化または加熱乾燥と同時に重合(架橋反応を促進)させることによって製造される。
【0095】
硬化または加熱乾燥は真空乾燥機(真空オーブン)などを用いることができる。加熱乾燥の条件は溶液または電解質前駆体に応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は30〜110℃で0.5〜12時間である。
【0096】
電解質層(膜)の厚さは、スペーサなどを用いて制御できる。光重合開始剤を用いる場合には、光透過性のギャップに流し込み、乾燥及び光重合ができるような紫外線照射装置を用いて紫外線を照射して、電解質層内のポリマーを光重合させ架橋反応を進行させて製膜するとよい。ただし、この方法に限定されないことは勿論である。重合開始剤の種類に応じて、放射線重合、電子線重合、熱重合などを使いわける。
【0097】
また、上記で用いるフィルムは、製造過程で80℃程度に加熱されることもありえるため、当該温度程度での十分な耐熱性を有し、さらに溶液または電解質前駆体との反応性がなく、製造過程で剥離し除去する必要上、離型性に優れたものを用いるのが望ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンフィルムなどを使用することができるが、これらに制限されるべきものではない。
【0098】
なお電解質層の幅は、バイポーラ電極の集電体の電極形成部サイズよりも若干小さくすることが多い。
【0099】
上記溶液または電解質前駆体の組成成分やその配合量などについては、使用目的に応じて適宜決定されるべきものである。
【0100】
なお、電解液を染み込ませたセパレーターは、バイポーラ構造でない従来の溶液系のバイポーラ電池に用いられる電解質層と同様の構成であり、従来公知の各種製造方法、例えば、電解液を染み込ませたセパレーターをバイポーラ電極に挟み込んで積層する方法や真空注液法などにより製造できるため、以下、詳しい説明は省略する。
【0101】
(6)バイポーラ電極と高分子電解質層との積層
▲1▼電解質層(膜)が一面または両面に形成されたバイポーラ電極の場合には、高真空下で十分加熱乾燥してから、電解質層(膜)が形成された電極を適当なサイズに複数個切りだし、切り出された電極を直接貼り合わせて、バイポーラ電池本体(電極積層体)を作製する。
【0102】
▲2▼別々にバイポーラ電極と電解質層(膜)を作製した場合には、高真空下で十分加熱乾燥してから、バイポーラ電極と電解質層(膜)をそれぞれを適当なサイズに複数個切りだす。切りだされたバイポーラ電極と電解質層(膜)とを所定数張り合わせて、バイポーラ電池本体(電極積層体)を作製する。
【0103】
なお、積層時には、集電体表面に、集電体同士が接触して短絡しないように、適当な厚さのポリイミドフィルム等の絶縁用フィルムを糊で数箇所接着しながら挟んで積層する。ただし、本発明では、これに制限されるものではなく、上述したように、集電体の作製段階で、集電体に絶縁性フィルム等の絶縁処理部を被覆形成しておけば、当該バイポーラ電極と高分子電解質層との積層工程では、従来のバイポーラ電池と何ら変わることなく作業を進めることができる。
【0104】
上記電極積層体の積層数は、バイポーラ電池に求める電池特性を考慮して決定される。また、正極側の最外層には、集電体上に正極層のみを形成した電極を配置する。負極側の最外層には、集電体上に負極層のみを形成した電極を配置する。バイポーラ電極と電解質層(膜)とを積層、あるいは電解質層(膜)が形成された電極を積層させてバイポーラ電池を得る段階は、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。例えば、アルゴン雰囲気下や窒素雰囲気下でバイポーラ電池を作製するとよい。
【0105】
(7)絶縁層の形成
例えば、電極積層体の電極形成部の周囲の四辺を、所定の幅でエポキシ樹脂(前駆体溶液)等に浸漬または樹脂を注入ないし含浸する。その後エポキシ樹脂を硬化させて、絶縁部を形成する。
【0106】
(8)リード端子の接続
バイポーラ電池本体(電池積層体)の両最外層の電極層上にそれぞれ、正極端子板、負極端子板を設置し、該正極端子板、負極端子板に、さらに正極リード、負極リードを接合(電気的に接続)する。正極リードおよび負極リードの接合方法としては、接合温度の低い超音波溶接等が好適に利用し得るものであるが、これに限定されるべきものではなく、従来公知の接合方法を適宜利用することができる。
【0107】
(9)パッキング(電池の完成)
最後に、電池積層体全体を、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池外装材ないし電池ケースで封止し、バイポーラ電池を完成させる。封止の際には、正極リード、負極リードの一部を電池外部に取り出す。電池外装材(電池ケース)の材質は、内面がポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆された金属(アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅など)が好適である。
【0108】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかし、下記実施例は、一実施例を例示したに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0109】
実施例1
(a)正極の作製
まず、正極活物質層を構成する正極ペーストを調製した。すなわち、構成要素は、正極活物質としてLiMn(粒径10μm;21質量%)と、導電助剤としてアセチレンブラック(9質量%)と、バインダ(溶媒)としてNMP(43質量%)と、重合性ポリマーとしてPEO(19質量%)と、リチウム塩としてLi(CSON(8質量%)と、および、重合開始剤としてAIBN(重合性ポリマーに対して0.1質量%)と、を混合した後、全体をミキサーで混合分散して正極ペーストを調整した。
【0110】
前記正極ペーストを、アルミニウムの金属箔(厚さ20μm)の集電体の片面にコーターにより塗布した。次に、塗布した正極ペーストを100℃で5時間、乾燥させるのと同時に、熱重合によりポリマーを硬化させ、正極活物質層の厚さ30μm、正極活物質の体積分率Vが0.1の正極活物質層を有する正極を作製した。
【0111】
(b)負極の作製
まず、負極活物質層を構成する負極ペーストを調製した。すなわち、構成要素は、負極活物質としてLiTi12(粒径10μm;66質量%)と、導電助剤としてアセチレンブラック(3質量%)と、バインダ(溶媒)としてNMP(9質量%)と、重合性ポリマーとしてPEO(15質量%)と、リチウム塩としてLi(CSON(7質量%)と、重合開始剤としてAIBN(重合性ポリマーに対して0.1質量%)と、を混合した後、全体をミキサーで混合分散して負極ペーストを調整した。
【0112】
前記負極ペーストを銅の金属箔(厚さ10μm)の集電体の片面にコーターにより塗布した。次に、塗布した負極ペーストを100℃で5時間、乾燥させるのと同時に、熱重合によりポリマーを硬化させ、負極活物質層の厚さ30μm、負極活物質の体積分率が0.3の負極活物質層を有する負極を作製した。
【0113】
(c)高分子固体電解質層(膜)の作製
まず、高分子固体電解質層を構成する電解質前駆体を調製した。すなわち、構成要素は、ゲル化ポリマーとしてポリエチレンオキシド(PEO)(53質量%)と、バインダ(溶媒)としてNMP(21質量%)と、リチウム塩としてLi(CSON(26質量%)と、重合開始剤としてAIBN(ゲル化ポリマーに対して0.1質量%)と、を混合した後、全体をミキサーで混合分散して電解質前駆体とした。
【0114】
前記電解質前駆体を上記(b)で形成した金属箔上に形成されてなる負極活物質上に塗布し、100℃で5時間、乾燥させると同時に、熱重合によりゲル化ポリマーを硬化させ、厚さ20μmの高分子固体電解質を作製した。
【0115】
(d)単電池層(セル)の作製
上記(c)で作製した高分子固体電解質層(膜)と上記(a)で作製した正極層とを直径15mmの円形にそれぞれ切り取った。次に、正極と負極とが高分子固体電解質を対向するように挟んで単電池層(セル)とした。
【0116】
実施例2
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを25μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0117】
実施例3
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを18μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0118】
実施例4
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを10μmとし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0119】
実施例5
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを5μmとし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0120】
実施例6
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを3μmとし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0121】
実施例7
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを8μmとし、正極活物質の体積分率Vを0.2とし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0122】
実施例8
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを5μmとし、正極活物質の体積分率Vを0.2とし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0123】
実施例9
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを3μmとし、正極活物質の体積分率Vを0.2とし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0124】
実施例10
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを3μmとし、正極活物質の体積分率Vを0.4とし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0125】
比較例1
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを50μmとし、正極活物質の粒径を10μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0126】
比較例2
実施例1の(a)において、正極活物質の体積分率Vを0.2とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0127】
比較例3
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを18μmとし、正極活物質の体積分率Vを0.2とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0128】
比較例4
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを10μmとし、正極活物質の体積分率Vを0.4とし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0129】
比較例5
実施例1の(a)において、正極活物質層の厚さを5μmとし、正極活物質の体積分率Vを0.4とし、正極活物質の粒径を3μmとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0130】
<評価>
以上の実施例および比較例で作製した電池を恒温槽に入れ、電池温度を25℃とした後、充放電装置を用いて放電性能試験を行った。すなわち、1時間で理論放電容量を放電する電流値を定電流放電とした。その結果を表1に示す。
【0131】
【表1】
Figure 2005025973
【0132】
ここで、相対放電量とは、理論放電容量に対する、放電終了時における放電量の比を%で表わした数値である。
【0133】
また、実施例および比較例の結果を、横軸を正極活物質層の厚さH(μm)とし、縦軸を正極活物質層内の正極活物質の体積分率V(−)として図2に示す。図2から、相対放電容量が高い領域は正極活物質層の厚さHが増加するにつれて、活物質体積の分率Vが小さい値に限られることがわかった。
【0134】
また、図2において、相対放電容量80%以上の領域は式(1)の範囲中に含まれ、相対放電容量85%以上の領域は式(2)の範囲中で、特に5μm以上20μm以下に含まれていることがわかる。すなわち、正極活物質層の厚さHと、正極活物質層内の正極活物質の体積分率Vとのバランスが良好となる領域が式(1)、より望ましくは(2)の領域内であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウムイオン二次電池の構成を示す模式図である。
【図2】実施例と比較例の領域を模式的に表すグラフである。
【符号の説明】
1…正極、2…負極、3…高分子固体電解質層、4…電池ケース、11…正極集電体、12…正極活物質層、13…正極リード端子、21…負極集電体、22…負極活物質層、23…負極リード端子。

Claims (6)

  1. 正極活物質層内の電解質として高分子固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池であって、正極活物質層の厚さH(μm)と正極活物質層中の正極活物質の体積分率V(無次元)との関係が下記式(1)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2005025973
  2. 前記正極活物質層の厚さH(μm)は、30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 正極活物質層の厚さが25μm以下であり、かつ、正極活物質層の厚さH(μm)と正極活物質層中の正極活物質の体積分率V(無次元)との関係が下記式(2)であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
    Figure 2005025973
  4. 正極活物質層の厚さH(μm)が5μm≦H≦20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. バイポーラ構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を搭載することを特徴とする車両。
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