JP2005023380A - 電鋳品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液状タイプのネガレジストによって形成した厚膜レジスト層を用いたLIGAライクプロセスの際にレジスト層の剥離を不要にして、アスペクト比の高い母型パターンから電鋳品を容易に製造できる電鋳品製造方法を提供する。
【解決手段】フォトポリマを用いてアスペクト比の高いレジストパターンが転写された反転型40を製造した後、このフォトポリマで形成された反転型40を用いてニッケル電鋳品60を製造するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】フォトポリマを用いてアスペクト比の高いレジストパターンが転写された反転型40を製造した後、このフォトポリマで形成された反転型40を用いてニッケル電鋳品60を製造するようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電鋳品製造方法に関し、特に厚膜レジストのパターンを使用した電鋳品製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、UV光で露光可能な厚膜レジスト層を用いてアスペクト比(パターンの高さと幅の比)の高い母型パターンとしてのレジストパターンを形成するLIGA(Lithographie,Galvanoformung,Abformung)ライクプロセスが知られている。
【0003】
厚膜レジスト層としては、一般的にネガタイプのフォトレジスト(以下ネガレジストという)が用いられる。ネガレジストには液状タイプとフィルムタイプとがある。
【0004】
液状タイプのネガレジストはフィルムタイプのネガレジストと比較して以下の特長を有する。
【0005】
1.肉厚を任意に変えることができる。
【0006】
2.解像度に優れる。
【0007】
3.矩形のレジスト壁が得られる。
【0008】
【特許文献】
特許第3139718号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、液状タイプのネガレジストの原版から電鋳品を直接製造した場合、ネガレジストの露光された部分が三次元架橋して化学的に安定しているため、電鋳後のネガレジスト層の剥離が難くなる。
【0010】
特に、いわゆるマイクロマシンやマイクロマシン用の部品等の小さく・薄い電鋳品ではめっき皮膜によって形成されるパターンが微細である(アスペクト比が高い)ため、パターン間のネガレジスト層の剥離は一層難しくなる。
【0011】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は液状タイプのネガレジストによって形成した厚膜レジスト層を用いたLIGAライクプロセスの際のレジスト層の剥離を不要にして、アスペクト比の高い母型パターンから電鋳品を容易に製造できる電鋳品製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、フォトポリマを用いてアスペクト比の高い母型パターンが転写された反転型を製造する転写工程と、前記転写工程の後、前記反転型を用いて電鋳品を製造する電鋳工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電鋳品製造方法において、前記アスペクト比は1以上であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電鋳品製造方法において、前記アスペクト比は5以上であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記母型パターンの高さは20μm以上であることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記母型パターンの高さは100μm以上であることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記転写工程の前に前記母型パターンの表面にニッケルスパッタ膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記電鋳工程の前に前記転写工程によって形成された前記反転型の表面にニッケルスパッタ膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1(A)〜(D)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の転写工程を説明するための図である。
【0021】
LIGAライクプロセスにおける各工程を説明する。
【0022】
(1)厚膜レジスト工程
レジストパターンは以下の順序で得られる。
【0023】
(a)レジスト塗布
厚膜レジストには必要とする厚さを確保できる液状タイプのネガレジスト(以下レジストという)が使用される。このレジストは高コントラストのエポキシ樹脂ベースのフォトレジストである。
【0024】
基板11としては、例えば3インチシリコンウエハが使用される。
【0025】
レジストを所定量(3g)だけシリコンウエハ基板11上に滴下し、スピナを所定条件(1000rpm)で回転させ、シリコンウエハ基板11上に均一な厚さのレジスト膜を形成する。レジスト膜の厚さは50μmである。
【0026】
(b)ソフトベーク
レジスト膜が形成されたシリコンウエハ基板11を60℃に設定されたホットプレート(図示せず)上で5分間ベークした後、90℃に設定されたホットプレート上で10分間ベークする。
【0027】
(c)露光
マスクアライナー(図示せず)を用いてレジスト膜を露光する。露光には近紫外線(好ましくはi線)を使用する。露光エネルギーは約400mJ/cm2 である。マスクアライナーに形成されているパターンの幅は10μmである。したがって、レジスト膜で構成されるパターンのアスペクト比は5となる。
【0028】
(d)露光後ベーク
レジスト膜が形成されたシリコンウエハ基板11を60℃に設定されたホットプレート(図示せず)上で5分間ベークした後、90℃に設定されたホットプレート上で10分間ベークする。その後、このレジスト膜が形成されたシリコンウエハ基板11は室温まで徐々に冷される。その結果、レジスト膜の露光された部分が三次元架橋し、化学的に安定する。
【0029】
(e)現像
専用の現像液に約10分間浸漬して現像(露光されなかった部分を溶解)する。その結果、アスペクト比が5であり、矩形の厚膜レジスト12で構成されるレジストパターン(母型パターン)10が得られる。
【0030】
この厚膜レジスト工程の後、転写工程が行なわれる。
【0031】
(2)転写工程
転写工程は以下の順序で行なわれる。
【0032】
(a)剥離膜成膜
レジストパターン10上に剥離膜としてのニッケルスパッタ膜20を成膜させる。ニッケルスパッタ膜20の厚さは300Åである(図1(A)参照)。
【0033】
(b)シラン処理
(1)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)20gをビーカー(図示せず)に入れて秤量した後、スターラで攪拌しながら0.01規定塩酸4.57gを徐々に添加して加水分解を行なった。加水分解を終了した後、5℃に設定された恒温槽内に24時間保管し、加水分解物を得た。加水分解物1gをエタノール30gで希釈する。
【0034】
(2)スピナを所定条件で回転させ、透明なガラス基板30の表面に(1)で得られた希釈した加水分解物を均一な厚さに塗布する。加水分解物を塗布した後、ガラス基板30を100℃に設定されたクリーンオーブン(図示せず)内に30分間入れてガラス基板30の表面とシランカップリング剤の加水分解物とを反応させる。なお、ガラス基板30の直径及び厚さはそれぞれ100mm及び2mmである。
【0035】
(c)フォトポリマ塗布
(1)必要とされる膜厚に相当する重量のフォトポリマ40aを秤量し、このフォトポリマ40aをニッケルスパッタ膜20が成膜されたレジストパターン10の表面に滴下する。
【0036】
(2)シラン処理されたガラス基板30の表面をフォトポリマ40aに押し付け、フォトポリマ40aを薄く・均一に伸ばす。このとき、真空脱泡等によって泡を除去する。
【0037】
この結果、ガラス基板30とフォトポリマ40aとの接着性又は密着性が高まり、ガラス基板30とフォトポリマ40aとの剥離が生じないようになる。
【0038】
(d)露光
ガラス基板30の裏面から(矢印に示す方向から)フォトポリマ40aを露光する(図1(B)参照)。露光にはUV光を使用した。露光エネルギーは1000mJ/cm2 である。
【0039】
(e)離型
露光後、くさび状治具(図示せず)を用いてフォトポリマ40aが成膜されたガラス基板30をレジストパターン10から剥離する。その結果、レジストパターン10の反転型40が製造される(図1(C)参照)。
【0040】
(f)導電膜成膜
反転型40上に電鋳用の電極としてのニッケルスパッタ膜50を成膜させる。(図1(D)参照)。
【0041】
この転写工程の後、電鋳工程が行なわれる。
【0042】
(3)電鋳工程
図2(A)〜(B)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の電鋳工程を説明するための図である。
【0043】
電鋳工程は以下の順序で行なわれる。
【0044】
(a)電鋳
フォトポリマパターンの表面にニッケルスパッタ膜50を成膜したガラス基板30に水洗や脱脂等のめっき前処理を行なった後、スルファミン酸ニッケルを主成分とするニッケルめっき液浴(図示せず)中に入れ、ニッケル電鋳を行う。電鋳条件であるpH(ペーハー)、温度、電流密度及び時間はそれぞれ4.1、50℃、4A/dm2 及び60hrである。その結果、ガラス基板30の表面に厚さ約3mmのニッケル電鋳品60が得られた(図2(A)参照)。
【0045】
(b)離型
電鋳後、くさび状治具(図示せず)を用いて反転型40が形成されたガラス基板30からニッケル電鋳品60を剥離する。
【0046】
その結果、図1(A)に示すレジストパターン10と同じパターンを有するニッケル電鋳品60が得られた(図2(B)参照)。
【0047】
この実施形態によれば、厚膜レジスト12で構成されるレジストパターン10を原版としてニッケル電鋳品60を直接製造しないので、レジスト層の剥離が不要になり、アスペクト比の高いレジストパターン10からニッケル電鋳品60を容易に製造することができる。
【0048】
そのため、マイクロマシンやマイクロマシン用の部品等の小さく・薄い電鋳品も容易に製造することができる。
【0049】
また、レジストパターン10を原版として使用し、フォトポリマ40aを用いて何度でもレジストパターン10の反転型40を製造することができるので、レジストパターン10の製造のコストを削減することができる。
【0050】
なお、上記実施形態では厚膜レジスト12の厚さを50μmとしたが、厚さはこれに限られるものではなく、例えば厚膜レジスト12の厚さは100μmであってもよい。
【0051】
厚膜レジスト12の厚さを100μmとするとき、厚膜レジスト工程が以下のように変わる。上記実施形態と共通する部分を省略して厚膜レジスト工程を説明する。
【0052】
レジストを所定量(3g)だけシリコンウエハ基板11上に滴下し、スピナを所定条件(100〜150rpm)で回転させ、シリコンウエハ基板11上の全面に行き渡らせる。その後、500rpmで60秒間スピナを回転させ、均一な厚さのレジスト膜にする。このとき、レジスト膜の厚さは90〜100μmであった。
【0053】
ソフトベークの後、レジスト膜を露光する。露光には近紫外線(好ましくはi線)を使用した。露光エネルギーは約750mJ/cm2 である。マスクに形成されているパターンの幅は10μmである。したがって、レジスト膜で構成されるパターンのアスペクト比は約10となる。
【0054】
露光後ベークを行なった後、専用の現像液に約20分間浸漬して現像し、アセトンで仕上げる。
【0055】
その結果、アスペクト比が10であり、矩形の厚膜レジスト12で構成されるレジストパターン(母型パターン)10が得られる。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したようにこの発明によれば、液状タイプのネガレジストによって形成した厚膜レジスト層を用いたLIGAライクプロセスの際にレジスト層の剥離を不要にして、アスペクト比の高い母型パターンから電鋳品を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜(D)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の転写工程を説明するための図である。
【図2】図2(A)〜(B)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の電鋳工程を説明するための図である。
【符号の説明】
10 レジストパターン(母型パターン)
20,50 ニッケルスパッタ膜
40 反転型
40a フォトポリマ
60 ニッケル電鋳品
【発明の属する技術分野】
この発明は電鋳品製造方法に関し、特に厚膜レジストのパターンを使用した電鋳品製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、UV光で露光可能な厚膜レジスト層を用いてアスペクト比(パターンの高さと幅の比)の高い母型パターンとしてのレジストパターンを形成するLIGA(Lithographie,Galvanoformung,Abformung)ライクプロセスが知られている。
【0003】
厚膜レジスト層としては、一般的にネガタイプのフォトレジスト(以下ネガレジストという)が用いられる。ネガレジストには液状タイプとフィルムタイプとがある。
【0004】
液状タイプのネガレジストはフィルムタイプのネガレジストと比較して以下の特長を有する。
【0005】
1.肉厚を任意に変えることができる。
【0006】
2.解像度に優れる。
【0007】
3.矩形のレジスト壁が得られる。
【0008】
【特許文献】
特許第3139718号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、液状タイプのネガレジストの原版から電鋳品を直接製造した場合、ネガレジストの露光された部分が三次元架橋して化学的に安定しているため、電鋳後のネガレジスト層の剥離が難くなる。
【0010】
特に、いわゆるマイクロマシンやマイクロマシン用の部品等の小さく・薄い電鋳品ではめっき皮膜によって形成されるパターンが微細である(アスペクト比が高い)ため、パターン間のネガレジスト層の剥離は一層難しくなる。
【0011】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は液状タイプのネガレジストによって形成した厚膜レジスト層を用いたLIGAライクプロセスの際のレジスト層の剥離を不要にして、アスペクト比の高い母型パターンから電鋳品を容易に製造できる電鋳品製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、フォトポリマを用いてアスペクト比の高い母型パターンが転写された反転型を製造する転写工程と、前記転写工程の後、前記反転型を用いて電鋳品を製造する電鋳工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電鋳品製造方法において、前記アスペクト比は1以上であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電鋳品製造方法において、前記アスペクト比は5以上であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記母型パターンの高さは20μm以上であることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記母型パターンの高さは100μm以上であることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記転写工程の前に前記母型パターンの表面にニッケルスパッタ膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の電鋳品製造方法において、前記電鋳工程の前に前記転写工程によって形成された前記反転型の表面にニッケルスパッタ膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1(A)〜(D)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の転写工程を説明するための図である。
【0021】
LIGAライクプロセスにおける各工程を説明する。
【0022】
(1)厚膜レジスト工程
レジストパターンは以下の順序で得られる。
【0023】
(a)レジスト塗布
厚膜レジストには必要とする厚さを確保できる液状タイプのネガレジスト(以下レジストという)が使用される。このレジストは高コントラストのエポキシ樹脂ベースのフォトレジストである。
【0024】
基板11としては、例えば3インチシリコンウエハが使用される。
【0025】
レジストを所定量(3g)だけシリコンウエハ基板11上に滴下し、スピナを所定条件(1000rpm)で回転させ、シリコンウエハ基板11上に均一な厚さのレジスト膜を形成する。レジスト膜の厚さは50μmである。
【0026】
(b)ソフトベーク
レジスト膜が形成されたシリコンウエハ基板11を60℃に設定されたホットプレート(図示せず)上で5分間ベークした後、90℃に設定されたホットプレート上で10分間ベークする。
【0027】
(c)露光
マスクアライナー(図示せず)を用いてレジスト膜を露光する。露光には近紫外線(好ましくはi線)を使用する。露光エネルギーは約400mJ/cm2 である。マスクアライナーに形成されているパターンの幅は10μmである。したがって、レジスト膜で構成されるパターンのアスペクト比は5となる。
【0028】
(d)露光後ベーク
レジスト膜が形成されたシリコンウエハ基板11を60℃に設定されたホットプレート(図示せず)上で5分間ベークした後、90℃に設定されたホットプレート上で10分間ベークする。その後、このレジスト膜が形成されたシリコンウエハ基板11は室温まで徐々に冷される。その結果、レジスト膜の露光された部分が三次元架橋し、化学的に安定する。
【0029】
(e)現像
専用の現像液に約10分間浸漬して現像(露光されなかった部分を溶解)する。その結果、アスペクト比が5であり、矩形の厚膜レジスト12で構成されるレジストパターン(母型パターン)10が得られる。
【0030】
この厚膜レジスト工程の後、転写工程が行なわれる。
【0031】
(2)転写工程
転写工程は以下の順序で行なわれる。
【0032】
(a)剥離膜成膜
レジストパターン10上に剥離膜としてのニッケルスパッタ膜20を成膜させる。ニッケルスパッタ膜20の厚さは300Åである(図1(A)参照)。
【0033】
(b)シラン処理
(1)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)20gをビーカー(図示せず)に入れて秤量した後、スターラで攪拌しながら0.01規定塩酸4.57gを徐々に添加して加水分解を行なった。加水分解を終了した後、5℃に設定された恒温槽内に24時間保管し、加水分解物を得た。加水分解物1gをエタノール30gで希釈する。
【0034】
(2)スピナを所定条件で回転させ、透明なガラス基板30の表面に(1)で得られた希釈した加水分解物を均一な厚さに塗布する。加水分解物を塗布した後、ガラス基板30を100℃に設定されたクリーンオーブン(図示せず)内に30分間入れてガラス基板30の表面とシランカップリング剤の加水分解物とを反応させる。なお、ガラス基板30の直径及び厚さはそれぞれ100mm及び2mmである。
【0035】
(c)フォトポリマ塗布
(1)必要とされる膜厚に相当する重量のフォトポリマ40aを秤量し、このフォトポリマ40aをニッケルスパッタ膜20が成膜されたレジストパターン10の表面に滴下する。
【0036】
(2)シラン処理されたガラス基板30の表面をフォトポリマ40aに押し付け、フォトポリマ40aを薄く・均一に伸ばす。このとき、真空脱泡等によって泡を除去する。
【0037】
この結果、ガラス基板30とフォトポリマ40aとの接着性又は密着性が高まり、ガラス基板30とフォトポリマ40aとの剥離が生じないようになる。
【0038】
(d)露光
ガラス基板30の裏面から(矢印に示す方向から)フォトポリマ40aを露光する(図1(B)参照)。露光にはUV光を使用した。露光エネルギーは1000mJ/cm2 である。
【0039】
(e)離型
露光後、くさび状治具(図示せず)を用いてフォトポリマ40aが成膜されたガラス基板30をレジストパターン10から剥離する。その結果、レジストパターン10の反転型40が製造される(図1(C)参照)。
【0040】
(f)導電膜成膜
反転型40上に電鋳用の電極としてのニッケルスパッタ膜50を成膜させる。(図1(D)参照)。
【0041】
この転写工程の後、電鋳工程が行なわれる。
【0042】
(3)電鋳工程
図2(A)〜(B)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の電鋳工程を説明するための図である。
【0043】
電鋳工程は以下の順序で行なわれる。
【0044】
(a)電鋳
フォトポリマパターンの表面にニッケルスパッタ膜50を成膜したガラス基板30に水洗や脱脂等のめっき前処理を行なった後、スルファミン酸ニッケルを主成分とするニッケルめっき液浴(図示せず)中に入れ、ニッケル電鋳を行う。電鋳条件であるpH(ペーハー)、温度、電流密度及び時間はそれぞれ4.1、50℃、4A/dm2 及び60hrである。その結果、ガラス基板30の表面に厚さ約3mmのニッケル電鋳品60が得られた(図2(A)参照)。
【0045】
(b)離型
電鋳後、くさび状治具(図示せず)を用いて反転型40が形成されたガラス基板30からニッケル電鋳品60を剥離する。
【0046】
その結果、図1(A)に示すレジストパターン10と同じパターンを有するニッケル電鋳品60が得られた(図2(B)参照)。
【0047】
この実施形態によれば、厚膜レジスト12で構成されるレジストパターン10を原版としてニッケル電鋳品60を直接製造しないので、レジスト層の剥離が不要になり、アスペクト比の高いレジストパターン10からニッケル電鋳品60を容易に製造することができる。
【0048】
そのため、マイクロマシンやマイクロマシン用の部品等の小さく・薄い電鋳品も容易に製造することができる。
【0049】
また、レジストパターン10を原版として使用し、フォトポリマ40aを用いて何度でもレジストパターン10の反転型40を製造することができるので、レジストパターン10の製造のコストを削減することができる。
【0050】
なお、上記実施形態では厚膜レジスト12の厚さを50μmとしたが、厚さはこれに限られるものではなく、例えば厚膜レジスト12の厚さは100μmであってもよい。
【0051】
厚膜レジスト12の厚さを100μmとするとき、厚膜レジスト工程が以下のように変わる。上記実施形態と共通する部分を省略して厚膜レジスト工程を説明する。
【0052】
レジストを所定量(3g)だけシリコンウエハ基板11上に滴下し、スピナを所定条件(100〜150rpm)で回転させ、シリコンウエハ基板11上の全面に行き渡らせる。その後、500rpmで60秒間スピナを回転させ、均一な厚さのレジスト膜にする。このとき、レジスト膜の厚さは90〜100μmであった。
【0053】
ソフトベークの後、レジスト膜を露光する。露光には近紫外線(好ましくはi線)を使用した。露光エネルギーは約750mJ/cm2 である。マスクに形成されているパターンの幅は10μmである。したがって、レジスト膜で構成されるパターンのアスペクト比は約10となる。
【0054】
露光後ベークを行なった後、専用の現像液に約20分間浸漬して現像し、アセトンで仕上げる。
【0055】
その結果、アスペクト比が10であり、矩形の厚膜レジスト12で構成されるレジストパターン(母型パターン)10が得られる。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したようにこの発明によれば、液状タイプのネガレジストによって形成した厚膜レジスト層を用いたLIGAライクプロセスの際にレジスト層の剥離を不要にして、アスペクト比の高い母型パターンから電鋳品を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜(D)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の転写工程を説明するための図である。
【図2】図2(A)〜(B)はこの発明の一実施形態に係る電鋳品製造方法の電鋳工程を説明するための図である。
【符号の説明】
10 レジストパターン(母型パターン)
20,50 ニッケルスパッタ膜
40 反転型
40a フォトポリマ
60 ニッケル電鋳品
Claims (7)
- フォトポリマを用いてアスペクト比の高い母型パターンが転写された反転型を製造する転写工程と、
前記転写工程の後、前記反転型を用いて電鋳品を製造する電鋳工程と
を含むことを特徴とする電鋳品製造方法。 - 前記アスペクト比は1以上であることを特徴とする請求項1記載の電鋳品製造方法。
- 前記アスペクト比は5以上であることを特徴とする請求項1記載の電鋳品製造方法。
- 前記母型パターンの高さは20μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電鋳品製造方法。
- 前記母型パターンの高さは100μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電鋳品製造方法。
- 前記転写工程の前に前記母型パターンの表面にニッケルスパッタ膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電鋳品製造方法。
- 前記電鋳工程の前に前記転写工程によって形成された前記反転型の表面にニッケルスパッタ膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電鋳品製造方法。
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