JP2005021997A - 研削加工装置及び研削加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】砥石の空走時間と加工時間を合わせた全体の作業時間を短縮する。
【解決手段】まず、ワークピース12の表面位置を測るセンサ17と砥石13を所定の原点、例えばテーブル11、に接触させて、センサ計測値Sと送り位置値Xを原点値対S(0)、X(0)として同時に取得する。その後、各ワークピース12の研削加工の完了時に、センサ17と砥石13をワークピース12の表面に接触させて、センサ計測値Sと送り位置値Xを加工完了点対S(N)、X(N)として同時に取得する。原点値対S(0)、X(0)と加工完了点対S(N)、X(N)から、砥石磨耗と機械の熱変形と弾性変形を含んだ補正量Δ(N)を求め、補正量Δ(N)分だけ加工パターンPP_stdをテーブル11側にシフトする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウェハの表面研削などに使用され得る研削加工装置及び研削加工方法に関し、特に、被加工物へのダメージを防止するための技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハのように脆弱な材質をもつワークピース(被加工物)の表面を砥石を使って加工する際、ワークピースと砥石が接触する際の衝撃力でワークピースにクラック等のダメージが発生し、そのダメージが加工によって取り除けない程大きなものになる虞がある。そこで、接触時の衝撃を抑えてダメージの発生を防止するために、砥石がワークピースにアプローチする空走距離の間、遅い研削速度程度の非常に低い安全速度で砥石を送ることが一般に行なわれている。
【0003】
さらに、半導体ウェハの表面研削のような精密な研削加工を行なう機械では、加工精度に比べて、砥石の磨耗、及び、砥石送り軸の軸方向寸法やセンサ基準位置の主に熱変形による変位が無視できない。そして、これら砥石磨耗量や熱変形量は、加工回毎や時刻毎に異なる。そのため、変動する砥石磨耗量や熱変形量を吸収するのに十分なマージンを、上述した空走距離に含める必要がある。
【0004】
結果として、加工時間に比べて無視できない程度の空走時間が生じるという問題がある。
【0005】
従来、砥石の磨耗量を考慮して砥石の切り込み量を補正する方式として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のものは、予め設定された加工パターンで前回の加工完了位置まで砥石を送り、その位置まで砥石が到達してから、さらに予め設定してある砥石の磨耗量だけ追加の切り込みを行なう。
【0006】
また、砥石の磨耗量と砥石の送り軸の熱変形を考慮して砥石の切り込み量を補正する方式として、特許文献2に記載のものが知られている。特許文献2に記載のものは、回転する円盤形砥石とワークピースとの間の相対位置を予め設定された制御データに従って変化させながら円盤形砥石の側面でワークピースを加工する場合に、砥石側面の磨耗量と、砥石の回転軸方向の変位量とを、センサにより加工と並行して検出し、検出された砥石の磨耗量と砥石の回転軸方向の変位量とに応じてワークピースへの切り込み量を補正する。
【0007】
【特許文献1】特許第2934027号公報
【特許文献2】特開平8―243905号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のものは、予め設定された加工パターン完了後に、砥石磨耗分だけの補正を加工の最終点についてのみ行なっており、空走開始位置は一定である。特許文献2に記載のものも、砥石磨耗量や熱変形量に応じて切り込み量を補正するだけであり、空走開始位置についての補正は行なわれない。そのため、空走距離は砥石の磨耗量分だけ余計に延びることになり、結果として、空走時間と加工時間を合わせた全体の作業時間の短縮にはつながらない。
【0009】
また、特許文献2に記載のセンサを用いて砥石の磨耗量を検出する方法は、特許文献2に記載されたような、砥石の側面で加工を行うという特定構造の研削装置においては有効である。しかし、半導体ウェハの研削などに使用される研削装置では、砥石の正面で加工を行なうため、砥石の磨耗量を直接検出できるようにセンサを設けることが困難である。また、磨耗量検出用のセンサを設けることは、コストアップになる。
【0010】
従って、本発明の目的は、空走時間と加工時間を合わせた全体の作業時間を短縮できるように、砥石の磨耗量及び砥石送り軸の熱変形を総合的に加味して、空走開始位置をできるだけワークピース表面に近づけるように加工パターンを補正することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、加工中に実時間で砥石磨耗量を検出するための特別のセンサを付加しなくても、加工中の砥石磨耗量に応じて加工パターンを補正できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの態様に従う、砥石(13)を送りながら前記砥石(13)によりワークピース(12)の表面を研削加工する装置(10)は、前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測してセンサ計測値(S)を発生するセンサ(17)と、前記砥石(13)の送り位置を検出して送り位置値(X)を発生する送り位置検出手段(16)と、前記砥石(13)の送り速度(Vp)に対する複数の目標速度とそれら目標速度に対応する複数の目標位置とを示した加工パターン(PP)を有し、前記送り位置値(X)又は前記センサ計測値(S)が前記加工パターン(PP)の何れの目標位置に到達したかを判断し、判断の結果に応じて前記加工パターン(PP)の対応する目標速度に前記送り速度(Vp)を制御する制御手段(16)とを備える。そして、前記制御手段(16)が、第1の時点で、前記センサ(17)が所定の原点を計測しているともに前記砥石(13)が前記原点に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第1の値対(S(0)、X(0))として、実質的に同時に取得する手段(101)と、前記ワークピース(12)の研削加工が行われている又は完了する第2の時点に、前記センサ(17)が前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測しているともに前記砥石(13)が前記ワークピース(12)の表面に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第2の値対(S(N)、X(N))として、実質的に同時に取得する手段(104)と、前記第1の値対(S(0)、X(0))と第2の値対(S(N)、X(N))に基づいて、前記砥石(13)の磨耗と前記研削加工装置の変形とに関連する補正量(Δ(N))を求める手段(105)と、前のワークピース(12)の研削加工で求まった補正量(Δ(N))に応じて、次のワークピース(12)の研削加工で使用すべき前記加工パターン(PP)の前記目標位置を補正する手段(108)とを有する。
【0013】
この研削加工装置によれば、第1の時点で取得した第1の値対(S(0)、X(0))と、あるワークピース(12)の研削加工を行った際の第2の時点で取得した第2の値対(S(N)、X(N))に基づいて、砥石(13)の磨耗とこの研削加工装置(10)の変形とに関連する補正量(Δ(N))を求める。そして、この補正量(Δ(N))に応じて、次のワークピース(12)の研削加工で使用すべき加工パターン(PP)の目標位置を補正する。そのため、砥石(13)の磨耗だけでなく研削加工装置(10)の熱変形又は弾性変形も考慮に入れた加工パターン(PP)の最適化が可能である。その結果、全体の作業時間を短縮することができるようになる。
【0014】
好適な実施形態では、前記加工パターン(PP)には、前記目標位置の一つとして、接触衝撃を避けるような低速度での空走を開始すべき空走開始位置(Xpa)が含まれている。そして、前記制御手段(16)は、前記次のワークピース(12)の研削加工の開始前に、前記センサ(17)が前記次のワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測している状態で、センサ計測値(S)を加工前表面位置値(Sa)として取得する手段と、前のワークピース(12)の研削加工で求まった補正量(Δ(N))と、前記次のワークピース(12)の前記加工前表面位置値(Sa)とに基づいて、前記次のワークピース(12)の研削加工で使用すべき前記加工パターン(PP)の前記空走開始位置(Xpa)を補正する手段(109)を更に有する。
【0015】
この構成によれば、次のワークピース(12)の研削加工に用いるべき加工パターン(PP)中の特に空走開始位置(Xpa)が、上述した補正量(Δ(N))だけでなく、次のワークピース(12)の加工前の表面位置値(Sa)も考慮されて補正される。そのため、ワークピース(12)の厚さのばらつきに応じた空走開始位置(Xpa)の最適化が可能になる。その結果、空走時間をより短縮することが可能になり、全体の作業時間を一層短縮することができるようになる。
【0016】
また、好適な実施形態では、前記制御手段(16)が、前記前のワークピース(12)の研削加工と前記次のワークピース(12)の研削加工との間のインターバルの長さに応じて、前記補正量(Δ(N))を修正する手段(106、107)を更に備える。
【0017】
この構成によれば、加工のインターバルが長くなって、その間の温度低下などによる熱変形が無視できないようになった場合でも、この熱変形も考慮に入れて加工パターン(PP)を最適化することができる。
【0018】
本発明の別の態様に従う、砥石(13)を送りながら前記砥石(13)によりワークピース(12)の表面を研削加工する方法は、前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さをセンサ(17)で計測してセンサ計測値(S)を得るステップと、前記砥石(13)の送り位置を検出して送り位置値(X)を得るステップと、前記砥石(13)の送り速度(Vp)に対する複数の目標速度とそれら目標速度に対応する複数の目標位置とを示した加工パターン(PP)を設定するステップと、前記送り位置値(X)又は前記センサ計測値(S)が前記加工パターン(PP)の何れの目標位置に到達したかを判断し、判断の結果に応じて前記加工パターン(PP)の対応する目標速度に前記送り速度(Vp)を制御するステップと、第1の時点で、前記センサ(17)が所定の原点を計測しているともに前記砥石(13)が前記原点に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第1の値対(S(0)、X(0))として、実質的に同時に取得するステップ(101)と、前記ワークピース(12)の研削加工が行われている又は完了する第2の時点に、前記センサ(17)が前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測しているともに前記砥石(13)が前記ワークピース(12)の表面に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第2の値対(S(N)、X(N))として、実質的に同時に取得するステップ(104)と、前記第1の値対(S(0)、X(0))と第2の値対(S(N)、X(N))に基づいて、前記砥石(13)の磨耗と前記研削加工装置の変形とに関連する補正量(Δ(N))を求めるステップ(105)と、前のワークピース(12)の研削加工で求まった補正量(Δ(N))に応じて、次のワークピース(12)の研削加工で使用すべき前記加工パターン(PP)の前記目標位置を補正するステップ(108)とを有する。
【0019】
本発明のまた別の態様に従う、砥石(13)を送りながら前記砥石(13)によりワークピース(12)の表面を研削加工する装置(10)は、前記砥石(13)が前記ワークピース(12)にアプローチしているとき、予め設定された空走開始位置(Xpa)にて前記砥石(13)の送り速度(Vp)を落とすように、前記砥石(13)の送り速度(Vp)を制御する制御手段(16)を備え、前記制御手段(16)が、研削加工を行なうことで生じる前記砥石(13)の磨耗に関連する補正量(Δ(N))を求める手段(105)と、求まった前記補正量(Δ(N))に応じて、前記空走開始位置(Xpa)の設定を補正する手段(108)とを有する。
【0020】
この研削加工装置によれば、砥石の磨耗量に応じて空走開始位置を補正することで砥石が磨耗しても空走距離がいたずらに長くならないようにすることができ、よって、砥石磨耗量の増大に伴って作業時間が長くなるという従来の問題が解決できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は様々なタイプの研削加工装置に適用可能であるが、以下では、本発明の説明のために、例えば半導体ウェハの表面の研削に使用される平面研削装置に本発明を適用した場合の一実施形態を例にとり説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る平面研削装置の要部の概略構成を示す。図2は、この実施形態における砥石を送るための基本的な方法を説明した図である。
【0023】
図1に示すように、この平面研削装置10は、ワークピースとしての半導体ウェハ12を表面上に例えば吸着により保持して回転させるためのテーブル(チャック)11と、テーブル11に対面するように配置され、研削のための砥石13をテーブル11に近づけたり遠ざけたりするように送るための砥石送り機構14と、テーブル11上に取り付けられた半導体ウェハ12の厚み又は表面位置を測定するためのセンサ17(接触式でも非接触式でもよい)とを備える。砥石送り機構14は、先端に砥石13が取り付けられた砥石送り軸15と、砥石送り軸15をその軸線方向(図中、左右の方向)に往復移動させ、砥石送り軸15をその中心軸回りに回転させ、且つ砥石送り軸15の位置や送り速度などを制御するための送り軸駆動装置16とを備える。砥石送り軸15の往復移動方向(砥石13の送り方向)は、テーブル11の表面(半導体ウェハ12が固定される面)に対し垂直である。砥石13の前面は、テーブル11の表面に対して平行である。
【0024】
センサ17は、半導体ウェハ12の厚み又は表面位置を計測して、その計測結果を数値(以下、「センサ計測値」という)S(t)として出力する。送り軸駆動装置16は、図示しない送り位置検出器を有しており、この送り位置検出器は、砥石送り軸15(砥石13)の変位量(送り量)を計測して、その計測結果に基づいて、砥石送り軸15(砥石13)の位置(以下、「送り位置」という)を数値X(t)(以下、「送り位置値」という)として出力する。なお、砥石13を送るための構成として、図示のようにテーブル11の位置を固定して砥石13を移動させる構成に代えて、砥石13の位置を固定してテーブル11を移動させる構成、或いは、砥石13とテーブル11の双方を移動させる構成なども採用することもできる。いずれの構成においても、上記送り位置検出器は、砥石13のテーブル11に対する相対的な変位量(送り量)を測ることで、砥石13の送り位置を表した送り位置値X(t)を出力する。送り軸駆動装置16は、上記送り位置検出器からの送り位置値X(t)と、センサ17からのセンサ計測値S(t)とを用いて、砥石送り軸15(砥石13)の送り速度Vpを制御する。
【0025】
加工作業時の概略動作は次の通りである。半導体ウェハ12がテーブル11上に固定され、テーブル11が回転して半導体ウェハ12を回転させる。また、送り軸駆動装置16が、砥石送り軸15を回転させつつ、砥石送り軸15を最も後退した位置から前方(図中、左の方向)へ移動させていく(つまり砥石13を前方へ送り出していく)。これにより、砥石13が回転しながらテーブル11上の半導体ウェハ12に近づいていき、やがて、砥石13の前面が半導体ウェハ12の表面に接触して研削加工が開始する。砥石13は更に送り出されて、半導体ウェハ12の表面を研削していく。センサ17は、テーブル11上の半導体ウェハ12の厚み又は表面(研削されている面)の位置の計測を、研削が開始される前から開始して、研削加工中その計測を継続している。センサ計測値S(t)が所定の加工終了位置に到達した時点で、砥石13の前方への送りは停止されて研削が終了する。なお、センサ17が接触式のものである場合には、研削を終了する間際に、若干早めにセンサ17と半導体ウェハ12との接触を解除し(センサの早上げ動作)、その後更に若干量の研削を行なうことで、センサ16の接触痕を半導体ウェハ12の表面から除去することが行なわれてもよい。
【0026】
上記のように砥石13(砥石送り軸15)を送り出している間、送り軸駆動装置16は、図2に示すような予め設定された加工パターンPPに従って、砥石13(砥石送り軸15)の送り速度Vpを制御する。この加工パターンPPは、送り速度(加工速度)Vpをどのように制御すべきか(例えば、どの目標位置でどの目標速度に制御すべきか)を指示したデータであり、例えば、複数段階の目標速度と、それらの目標速度に対応した複数の目標位置(これは目標速度を切換えるべき位置を指示するもので、以下、「送り速度切換位置」という)から構成される。送り軸駆動装置16は、加工パターンPPに従って送り速度Vpを制御している間、砥石13が半導体ウェハ12に接触する前(つまり研削加工開始前)は、送り位置値X(t)と加工パターンPPの送り速度切換位置とを比較することにより、また、砥石13が半導体ウェハ12に接触した後(つまり研削加工開始後)は、センサ計測値S(t)と加工パターンPPの送り速度切換位置とを比較することにより、砥石13が送り速度切換え位置に到達したか否かを判断して、到達した時点で加工パターンPPに従って送り速度Vpの目標値を次の目標値に切換える。なお、この実施形態では、加工パターンPPの送り速度切換位置の原点は、設定し易さの点から、テーブル11の表面位置としてあり、同様に、センサ計測値S(t)の原点(S=0)も送り位置値X(t)の原点(X=0)も、テーブル11の表面位置に初期設定されるようになっている。
【0027】
例えば、図2に示された加工パターンPPの具体例に従えば、送り速度Vpの目標速度は、最初は最速の早送り速度Vpaであり、その後、より遅い緩衝送り速度Vpbに切換えられる。その後、送り位置値X(t)が所定の空走開始位置Xpaに到達すると、砥石13の半導体ウェハ12への最終的なアプローチ、つまり空走、が開始される。一般に、空走時には、半導体ウェハ12への接触衝撃を低くするために、研削加工時の速度程度にまで低い安全速度(高くても加工速度の数倍程度まで)で砥石13を送ることが望ましい。例えば、図2に示した具体例では、空走時には、荒研削加工時と同じ荒加工速度Vpcを目標速度に設定している。砥石13が空走開始位置Xpaからある程度の距離Lfr(以下、「空走距離」という)だけ送られると、半導体ウェハ12に接触する。ここから研削加工が開始されるが、加工開始後しばらくは、送り速度Vpを荒加工速度Vpcのままに維持して、荒研削加工を行なう。その後、送り速度Vpは、より低速の仕上げ加工速度Vpdに切換えられて、最終的な仕上げ研削加工が行なわれる。その後、センサ計測値S(t)が加工終了位置Xpsに到達すると、研削加工が終了する(なお、前述のように、加工終了位置Xps又はその僅か手前の位置でセンサの早上げを行ない、更に若干の仕上げ加工を追加的に行なってから、加工を終了するようにしてもよい)。
【0028】
上述したように、センサ計測値S(t)の原点(S=0)及び送り位置値X(t)の原点(X=0)は、テーブル11の表面位置に初期設定される。しかし、初期設定後に、センサ計測値S(t)の原点(S=0)とテーブル11の表面位置との間にオフセット(以下、「センサ原点オフセット」という)Sofsが生じたり、送り位置値X(t)の原点(X=0)とテーブル11の表面位置との間にもオフセット(以下、「送り軸原点オフセット」という)Mofsが生じたりする。これらのオフセットSofs、Mofsの原因は温度変化に伴う機械の熱変形や加工負荷による機械の弾性変形などであり、これらのオフセットSofs、Mofsは、熱的バランスが完全に取れるまで時間的に変化する。従来、この変化を避けるために、数時間程度の暖機運転が行なわれることがある。また、砥石13の磨耗量は加工時間に伴って増大する。これらオフセットSofs、Mofsや砥石13の磨耗量の変化は、加工の精度に比較して無視できない程度の大きさになる。
【0029】
上記の問題を解消するため、送り軸駆動装置16は、加工回(1枚の半導体ウェハ12を加工する機会)毎に、その時のオフセットSofs、Mofsと砥石13の磨耗量に応じて加工パターンPPを最適なものに補正する機能を有している。以下に、その補正方法を説明する。
【0030】
図3は、この補正方法を含んだ加工制御の手順を示す図である。図4は、加工パターンPPの補正の仕方を説明した図である。
【0031】
1. センサ計測値S(t)と送り位置値X(t)の原点設定(図3のステップ101)
ある基準の時点で、センサ17がテーブル11の表面位置を計測しているとともに砥石13の前面がテーブル11の表面に接触している状態を作り、この状態でセンサ計測値S(t)と送り位置値X(t)を同時に取得する。これら取得された値対を、センサ計測値S(t)の原点と送り位置値X(t)の原点を表す原点値対(S(0)、X(0))として記憶する(つまり、テーブル表面の位置を原点として初期設定する)。
【0032】
なお、原点値対を取得する原点として、テーブル11の表面以外の場所を設定することもできる。すなわち、テーブル11上の半導体ウェハ12の表面位置又は厚さを測定するための基準点として利用できる場所であれば、例えば、テーブル11に対する相対的位置関係が既知である場所であれば、その位置を原点として設定することができる。例えば、テーブル11の表面上に厚みが既知の治具をセットして、この治具の表面の位置を原点として設定してもよく、この場合、テーブル11の表面に砥石13等が接触しないので、テーブル11の表面に接触による傷つくことを回避することができる。
【0033】
2. 1回目の加工(図3のステップ102、103)
テーブル11に1枚目の半導体ウェハ12を固定する。センサ17を、半導体ウェハ12の表面位置を計測する状態にセットする。そして、加工回Nに「1」をセットし、また、予め用意された標準の加工パターンPP_stdを、1回目加工で使用する加工パターンとして設定する(ステップ102)。そして、1回目の加工作業を開始する(ステップ103)。従って、1回目の加工作業では、標準加工パターンPP_stdに従って砥石13が送られる。ここで、標準の加工パターンPP_stdは、例えばユーザによって、従来の手法により設定することができる。従来の手法によれば、この標準の加工パターンPP_stdにおける空走開始位置Xpa_stdは、半導体ウェハ12の厚みの最大値(実際の厚みは公称厚みを中心にばらつくため)や熱変形や弾性変形などによる砥石送り軸15等の伸びの最大値などを見込んだ安全な位置(砥石13が半導体ウェハ12に接触する可能性の無い位置)に設定される。
【0034】
3. 1回目加工完了点の取得(図3のステップ104)
1回目の研削加工が実質的に完了する時、センサ17が半導体ウェハ12の表面位置を計測しているとともに砥石13の前面が半導体ウェハ12の表面に接触しているという状態で、センサ計測値S(t)と送り位置値X(t)とを同時に取得し、これら取得された値対を、1回目の研削加工完了時の半導体ウェハ12の表面位置を表す1回目加工完了点値対(S(1)、X(1))として記憶する。なお、上述した「研削加工が実質的に完了する時」とは、研削加工が100%終わった時点、或いは、100%に近くまで終わった時点(例えば、上述のセンサ早上げを行なう場合には早上げ直前の時点、或いは、研削加工が90%程度終わっている時点など)であってよく、しかも、研削加工中で加工負荷が機械にかかっている状態の時が望ましい。なお、研削加工中の加工負荷が一定になるように砥石13の送りを制御すると、以下に説明する補正の精度が向上する。
【0035】
4. 標準の加工パターンPP_stdのシフト(図3のステップ105、108)
1回目の加工作業の時に取得されたデータを用いて補正量Δ(1)を次の式1により求める(ステップ105)。
【0036】
Δ(1)=−((X(1)−X(0))−(S(1)−S(0)))
=−((X(1)−S(1))−(X(0)−S(0))) …(式1)
式1の意味は次のとおりである。項(S(1)−S(0))は、テーブル11の表面位置を原点とした1回目の研削加工完了時の半導体ウェハ12の表面位置を表している。また、項(X(1)−X(0))は、砥石13の磨耗が無ければ、テーブル11の表面位置を原点とした1回目の研削加工完了時の半導体ウェハ12の表面位置を表すのであるが、実際には、砥石13の磨耗があるために、砥石13の磨耗量W(1)分だけ1回目の研削加工完了時の半導体ウェハ12の表面位置よりもテーブル11側へ寄った位置を表している。更に、機械(主に砥石送り軸15)の熱変形や弾性変形が無ければ、X(0)もS(0)も共に、テーブル11の表面位置(原点)を表すのであるが、実際には、そのような機械変形があるために、その熱変形によるオフセットXofs、Sofs分だけそれぞれテーブル11の表面位置(原点)からずれた位置を表している。従って、砥石磨耗も機械変形も無いならば、式1の項(X(1)−X(0))と項(S(1)−S(0))は等しい値となり、補正量Δ(1)はゼロとなるが、実際には、砥石磨耗や機械変形があるために、その分の値が補正量Δ(1)に現れる。すなわち、補正量Δ(1)は、1回目研削加工で生じた砥石磨耗量W(1)と機械変形による誤差量E(1)とを合わせたトータルの変形量(換言すると、1回目加工で生じた砥石磨耗及び機械変形に起因する、砥石13を含めた砥石送り軸15の全長の実質的な短縮量)を表している。
【0037】
そこで、この1回目研削加工での砥石送り軸15の実質的な短縮量、つまり補正量Δ(1)、に応じて2回目加工作業のための加工パターンを最適化するために、図4に一点鎖線矢印で示すように、補正量Δ(1)分だけ標準加工パターンPP_stdの全体をテーブル11の方へシフトする(すなわち、標準加工パターンPP_std中の各速度切換位置から補正量Δ(1)を減算する)(ステップ108)。
【0038】
5. 空走開始位置Xpaの修正(図3のステップ109)
テーブル1に2枚目の半導体ウェハ12を固定し、2回目加工作業の開始前にセンサ17により半導体ウェハ12の表面位置を計測する。そのセンサ計測値Sa(2)から、2回目加工用の空走開始位置Xpa(2)を下記式2により求める。
【0039】
Xpa(2)=(Sa(2)−S(0))+X(0)−Δ(1)+MA …(式2)
この式2の意味は次のとおりである。最初の項(Sa(2)−S(0))は、テーブル11の表面位置を原点とした2枚目の半導体ウェハ12の研削加工前の表面位置(つまり、2枚目の半導体ウェハ12の研削加工前の厚み)を表している。この値に、送り位置値X(t)の原点X(0)を加算し、さらに上記補正量Δ(1)(つまり、砥石磨耗や機械変形などに起因する、砥石13を含む砥石送り軸15の全長の実質的な短縮量)を減算することで、2枚目の半導体ウェハ12の研削加工前の表面位置に砥石13の前面が接触した状態での送り位置値X(t)が得られる。この値に、半導体ウェハ12と砥石13との衝撃的接触を避けるための適当なマージンMAを加算することで、2回目加工作業用の空走開始位置Xpa(2)が決定される。ここで、マージンMAは、空走距離Lfrに相当する値であり、この実施形態での補正精度程度の大きさの値でよく、ユーザなどが適宜に設定することができる。
【0040】
式2で求まった空走開始位置Xpa(2)を用いて、上述のステップ108で補正された加工パターンPP´(2)の中の空走開始位置Xpaに関わる部分を修正する。すなわち、例えば、補正加工パターンPP´(2)中の空走開始位置Xpaを、式2で求まった空走開始位置Xpa(2)に置き換え、また、これに伴って、その直前の緩衝送り速度Vpbから速度を落とし始めるタイミングを決める速度切換位置も修正する(図4の点線矢印)。これにより、砥石磨耗と機械変形だけでなく、半導体ウェハ12の厚みのばらつきに起因する誤差D(2)(最初の項(Sa(2)−S(0))に反映されている)も考慮に入れて、空走開始位置Xpa(2)を最適化される。以上の修正結果を、2回目加工作業用の加工パターンPP(2)として設定する。
【0041】
なお、上記の式2ではなく次の式3により、2回目の空走開始位置Xpa(2)を求めるようにしてもよい。
【0042】
Xpa(2)=X(0)−Δ(1)+MA+THmax …(式3)
ここで、値THmaxは、半導体ウェハ12の厚みのばらつきから予測された半導体ウェハ12の最大厚みに、センサオフセットSofsの変化量の最大値を加えた値である。
【0043】
6. 2回目加工(図3のステップ110、103)
加工回Nに2をセットし(ステップ110)、上述した2回目加工作業用の加工パターンPP(2)を用いて2回目の加工作業を実行する(ステップ103)。
【0044】
7. 2回目加工以降の制御
以降、加工回N(N=2、3、4、…)毎に、上述したステップ104〜109を行うことで、次回目(N+1回目)の加工パターンPP(N+1)を最適化する。すなわち、各回目(N回目)の研削加工完了時に加工完了点値対((S(N)、X(N))を取得し、また、次回目(N+1回目)の研削加工前における半導体ウェハ12の表面位置のセンサ計測値Sa(N+1)を取得し(ステップ105)、これら取得されたデータを用いて、次回目(N+1回目)のための補正量Δ(N)と空走開始位置Xpa(N+1)をそれぞれ式4及び式5により計算し、これらの値を用いて標準の加工パターンPP_stdを上述した方法で修正することで、次回目(N+1回目)の加工パターンPP(N+1)を決定する。
【0045】
Δ(N)=−((X(N)−S(N))−(X(0)−S(0))) …(式4)
Xpa(N+1)=(Sa(N+1)−S(0))+X(0)−Δ(N)+MA …(式5)
【0046】
なお、熱バランスが完全に取れて、熱変形による機械寸法の時間的変化が無くなった時には、毎回の補正量の差(Δ(N+1)−Δ(N))が、1回の加工当たりの砥石磨耗量ΔW(N)となる。従って、温度変化がほとんど無く熱バランスが実質的に完全に取れている間は、ステップ108において、補正量Δ(N)分だけ標準加工パターンPP_stdをシフトするという上述の方法に代えて、1加工回当たりの砥石磨耗量ΔW(N)分だけ前回の加工パターンPP(N)をシフトする方法を採用することもできる。その場合、後述の式15に示すように、1加工回当たりの砥石磨耗量ΔW(N)は、N回目とN−1回目の加工完了点値対(X(N)、S(N))及び(X(N−1)、S(N−1))だけから計算できるので、弾性変形などの影響を受けない信頼性のある値として得られる。
【0047】
7. 長いインターバルがあった場合の補正量Δ(N)の修正(図3のステップ106、107)
短いインターバルで加工作業が繰り返されるような連続的加工が中断して、前回(N回)の研削加工完了時から次回(N+1回)の加工作業開始時までのインターバルが、その間に生じる機械の熱変形量が無視できないと考えられる程度に長い場合(例えば、所定の閾値時間Tを超えた場合)には、上述したステップ105にて前回の加工完了点値対(X(N)、S(N)から補正量Δ(N)を求めた後、この補正量Δ(N)を、インターバル中の熱変形量を考慮して予め設定しておいた調整量δ分だけ式6によって修正する。
【0048】
Δ(N)=Δ(N)−δ …(式6)
【0049】
この修正により、インターバル中の熱変形に応じて一層最適化された加工パターンが得られる。
【0050】
なお、調整量δは、固定値を用いる代わりに、インターバルの長さと熱変形量との間の所定の関係に基づいて、実際のインターバルの長さに応じて可変設定するようにしてもよい。
【0051】
以上説明した加工制御における、加工パターンPP(N)の補正方法の利点を明確にするために、上記の計算式に関する若干の補足説明を以下に述べる。
【0052】
テーブル11の表面を原点とした真の送り位置と真のセンサ計測位置をそれぞれTX(t)とTS(t)で表すと、N回目加工完了時の真の送り位置TX(N)と真のセンサ計測位置TS(N)は、
TX(N)=X(N)+Mofs(N) …(式7)
TS(N)=S(N)+Sofs(N) …(式8)
となる。もし、砥石13の磨耗が無ければ、加工完了時の真の送り位置TX(N)と真のセンサ計測位置TS(N)は共に、加工回Nによらず、同じ位置(半導体ウェハ12の表面位置)であるから、
TX(N)−TS(N)=0 …(式9)
となる。しかし、実際には、砥石磨耗が発生して、真の送り位置TX(N)は、真のセンサ位置TS(N)よりも砥石磨耗量W(N)分だけテーブル11側へ進むので、
TX(N)−TS(N)=−W(N) …(式10)
の差が出ることになる。また、機械の熱変形や弾性変形などによってオフセットMofs、Sofsが時間的に変化するため、仮に真の送り位置TX(N)と真のセンサ位置TS(N)に変化が無かったとしても、実際に取得される送り位置X(N)とセンサ計測値S(N)は、オフセットMofs、Sofsの変化に伴って時間的に変化する。
【0053】
一方、上述した基準タイミングN=0では、砥石磨耗量W(0)がゼロであるから、
TX(0)−TS(0)=0 …(式11)
が成立する。この式11を利用して、式10を書き変えると、
W(N)=−((TX(N)−TS(N))−(TX(0)−TS(0))) …(式12)
となり、この式12の右辺に式7及び式8を代入すると、
W(N)=−(X(N)−S(N))+(X(0)−S(0))−(Mofs(N)−Mofs(0))−(Sofs(N)−Sofs(0)) …(式13)
が得られる。そして、この式13の右辺に式4を代入すると、
Δ(N)=W(N)+(Mofs(N)−Mofs(0))+(Sofs(N)−Sofs(0)) …(式14)
が得られる。
【0054】
この式14が、本実施形態の補正方法で用いた補正量Δ(N)の意味を表している。すなわち、補正量Δ(N)には、砥石磨耗量W(N)だけでなく、機械の熱変形や弾性変形などによるオフセットMofs、Sofsの時間的な変化量(Mofs(N)−Mofs(0))、(Sofs(N)−Sofs(0))も含まれている。本実施形態の補正方法では、加工回毎に上記補正量Δ(N)分だけ加工パターンPP_stdをテーブル11側へシフトするという補正を行う。この補正の具体的な意味は次のとおりである。
【0055】
まず、式14で示される補正量Δ(N)の第1の構成要素は砥石磨耗量W(N)である。砥石13が磨耗すると、砥石磨耗量W(N)分だけ、砥石13を含む砥石送り軸15の全長が短縮したことになる。そこで、本補正方法では、この短縮を補償するために、砥石磨耗量W(N)分だけ加工パターンPP_stdをテーブル11側へシフトするのである。
【0056】
次に、式14で示される補正量Δ(N)の第2の構成要素は送り軸原点オフセットMofsの変化量(Mofs(N)−Mofs(0))であり、その原因は砥石13を含む砥石送り軸15やテーブル11やそれらを固定した基台などの熱変形や弾性変形などである。このオフセット変化量(Mofs(N)−Mofs(0))は、実質的に、熱変形や弾性変形などに起因する砥石13を含む砥石送り軸15の全長の伸び縮みとみなすことができる。そして、このオフセット変化量(Mofs(N)−Mofs(0))が正の値となることは、この値分だけ砥石13を含む砥石送り軸15の全長が実質的に短縮したことを意味する。そこで、本補正方法では、この短縮を補償するために、オフセット変化量(Mofs(N)−Mofs(0))分だけ加工パターンPP_stdをテーブル11側へシフトするのである。逆に、オフセット変化量(Mofs(N)−Mofs(0))は負の値となるときは、その値分だけ砥石送り軸15の全長が実質的に伸びたことを意味するから、加工パターンPP_stdはその値分だけテーブル11とは反対の方向へシフトされることになる。
【0057】
次に、式14で示される補正量Δ(N)の第3の構成要素はセンサ原点オフセットSofsの変化量(Sofs(N)−Sofs(0))であり、その原因はセンサ17やテーブル11やそれらを固定した基台などの熱変形や弾性変形などである。このオフセット変化量(Sofs(N)−Sofs(0))は、実質的にセンサ17の原点位置ずれである。一般にこの原点位置ずれがないよう様々な工夫はされているが、無視できない大きさの原点位置ずれが生じる場合がある。この値が正の値となることは、その値分だけセンサ17の原点位置が砥石13側へずれたことを意味し、その結果、センサ17により測定される半導体ウェハ12の表面位置は、その値分だけ実際の表面位置よりテーブル11側へシフトする。そこで、本補正方法では、このシフトを補償するために、オフセット変化量(Sofs(N)−Sofs(0))分だけ加工パターンPP_stdをテーブル11側へシフトするのである。逆に、オフセット変化量(Sofs(N)−Sofs(0))が負の値となるときは、センサ17により測定される半導体ウェハ12の表面位置は、その値分だけ実際の表面位置よりテーブル11とは反対方向へシフトするので、その値分だけ加工パターンPP_stdはテーブル11とは反対の方向へシフトされる。
【0058】
このように、本補正方法によると、砥石磨耗量W(N)だけでなく、機械の熱変形や弾性変形などに起因する寸法変化も加味して加工パターンを補正するので、熱的バランスが完全に取れていなくても加工作業に入ることが可能であり、従来の砥石磨耗量のみを考慮した補正方法に比較して、暖機運転の時間がより短時間になる。
【0059】
また、加工作業中に熱的バランスが取れた場合は、例えばMofs(N)=Mofs(N−1)、Sofs(N)=Sofs(N−1)を利用して、式14に基づいて、次の式15で1回の加工当たりの砥石磨耗量ΔW(N)を計算することができる。そして、この値ΔW(N)を用いて次回の加工パターンPP(N+1)を最適化することができる。
【0060】
ΔW(N)=W(N)−W(N−1)=Δ(N)−Δ(N−1)
=−((X(N)−S(N))+(X(N−1)−S(N−1)) …(式15)
式15の計算で用いる数値、すなわち加工完了点値対(X(N)、S(N))は、望ましくは、毎回同程度の加工負荷が機械にかかっている研削加工状態で計測されることで、この計算結果は、加工負荷がかかっている時とかかっていない時との間の機械の弾性変形による誤差の影響を実質的に受けない。よって、式15で計算された1回当たり砥石磨耗量ΔW(N)を用いて加工パターンPP(N+1)を補正することで、信頼性のある補正結果を得ることができる。
【0061】
また、本実施形態の補正方法によれば、毎回、半導体ウェハ12の加工前の厚さから空走開始位置Xpaを決定しているので、機械の熱変形量や砥石磨耗量を除外したほぼ必要最小のマージン距離MA(1回分の補正精度程度)の設定で、半導体ウェハ12にダメージを与えるおそれ無く加工を行うことができる。すなわち、毎回の空走距離Lfrをほぼ必要最小にすることができ、よって全体の作業時間が短縮する。本実施形態の補正方法は、特に、高い加工精度が要求され、低速加工かつ砥石磨耗大の条件下で実施せざるを得ない類の加工(精密加工が多い)において、スループットの向上に効果的に寄与することができる。
【0062】
また、本実施形態の補正方法によれば、作業停止時間が長時間になった場合に調整値δを導入することで、砥石送り軸15などが熱変形していると考えられる時間に加工を開始しても、半導体ウェハ12にダメージや品質劣化などの問題が生じるおそれ無しに加工を行うことができる。
【0063】
また、本実施形態の補正方法は、加工中に実時間で砥石磨耗量を検出するための特別のセンサを要しない。
【0064】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、この実施形態のみに本発明の範囲を限定する趣旨ではない。従って、本発明は、その要旨を逸脱することなく、他の様々な形態で実施することが可能である。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、全体の作業時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る平面研削装置の要部の概略構成を示した模式図。
【図2】この実施形態における砥石を送るための基本的な方法を説明した図。
【図3】この実施形態における加工制御の手順を示すフローチャート。
【図4】加工パターンPPの補正の仕方の説明図。
【符号の説明】
10:平面研削装置
11:テーブル
12:ワークピース(半導体ウェハ)
13:砥石
14:砥石送り機構
15:砥石送り軸
16:送り軸駆動装置
17:厚みセンサ
X:送り位置値
S:センサ計測値
PP:加工パターン
Lfr:空走距離
Xpa:空走開始位置
Xps:加工終了位置
Sa:加工前のワークピース(半導体ウェハ)のセンサ計測値
Mofs:送り軸原点オフセット
Sofs:センサ原点オフセット
X(0)、S(0):原点値対
X(N)、S(N):加工完了点値対
PP_std:標準の加工パターン
W:砥石磨耗量
E:機械変形に起因する誤差量
D:ワークピース(半導体ウェハ)の厚みばらつきに起因する誤差量

Claims (5)

  1. 砥石(13)を送りながら前記砥石(13)によりワークピース(12)の表面を研削加工する装置(10)において、
    前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測してセンサ計測値(S)を発生するセンサ(17)と、
    前記砥石(13)の送り位置を検出して送り位置値(X)を発生する送り位置検出手段(16)と、
    前記砥石(13)の送り速度(Vp)に対する複数の目標速度とそれら目標速度に対応する複数の目標位置とを示した加工パターン(PP)を有し、前記送り位置値(X)又は前記センサ計測値(S)が前記加工パターン(PP)の何れの目標位置に到達したかを判断し、判断の結果に応じて前記加工パターン(PP)の対応する目標速度に前記送り速度(Vp)を制御する制御手段(16)と、
    を備え、
    前記制御手段(16)が、
    第1の時点で、前記センサ(17)が所定の原点を計測しているともに前記砥石(13)が前記原点に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第1の値対(S(0)、X(0))として、実質的に同時に取得する手段(101)と、
    前記ワークピース(12)の研削加工が行われている又は完了する第2の時点に、前記センサ(17)が前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測しているともに前記砥石(13)が前記ワークピース(12)の表面に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第2の値対(S(N)、X(N))として、実質的に同時に取得する手段(104)と、
    前記第1の値対(S(0)、X(0))と第2の値対(S(N)、X(N))に基づいて、前記砥石(13)の磨耗と前記研削加工装置(10)の変形とに関連する補正量(Δ(N))を求める手段(105)と、
    前のワークピース(12)の研削加工で求まった補正量(Δ(N))に応じて、次のワークピース(12)の研削加工で使用すべき前記加工パターン(PP)の前記目標位置を補正する手段(108)と
    を有することを特徴とする研削加工装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記加工パターン(PP)には、前記目標位置の一つとして、接触衝撃を避けるような安全速度での空走を開始すべき空走開始位置(Xpa)が含まれており、
    前記制御手段(16)が、
    前記次のワークピース(12)の研削加工の開始前に、前記センサ(17)が前記次のワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測している状態で、センサ計測値(S)を加工前表面位置値(Sa)として取得する手段と、
    前のワークピース(12)の研削加工で求まった補正量(Δ(N))と、前記次のワークピース(12)の前記加工前表面位置値(Sa)とに基づいて、前記次のワークピース(12)の研削加工で使用すべき前記加工パターン(PP)の前記空走開始位置(Xpa)を補正する手段(109)を更に有することを特徴とする研削加工装置。
  3. 請求項1又は2記載の装置において、
    前記制御手段(16)が、
    前記前のワークピース(12)の研削加工と前記次のワークピース(12)の研削加工との間のインターバルの長さに応じて、前記補正量(Δ(N))を修正する手段(106、107)を更に備えたことを特徴とする研削加工装置。
  4. 砥石(13)を送りながら前記砥石(13)によりワークピース(12)の表面を研削加工する方法において、
    前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さをセンサ(17)で計測してセンサ計測値(S)を得るステップと、
    前記砥石(13)の送り位置を検出して送り位置値(X)を得るステップと、
    前記砥石(13)の送り速度(Vp)に対する複数の目標速度とそれら目標速度に対応する複数の目標位置とを示した加工パターン(PP)を設定するステップと、
    前記送り位置値(X)又は前記センサ計測値(S)が前記加工パターン(PP)の何れの目標位置に到達したかを判断し、判断の結果に応じて前記加工パターン(PP)の対応する目標速度に前記送り速度(Vp)を制御するステップと、
    第1の時点で、前記センサ(17)が所定の原点を計測しているともに前記砥石(13)が前記原点に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第1の値対(S(0)、X(0))として、実質的に同時に取得するステップ(101)と、
    前記ワークピース(12)の研削加工が行われている又は完了する第2の時点に、前記センサ(17)が前記ワークピース(12)の表面位置又は厚さを計測しているともに前記砥石(13)が前記ワークピース(12)の表面に接触している状態で、前記センサ計測値(S)及び前記送り位置値(X)を、第2の値対(S(N)、X(N))として、実質的に同時に取得するステップ(104)と、
    前記第1の値対(S(0)、X(0))と第2の値対(S(N)、X(N))に基づいて、前記砥石(13)の磨耗と機械(10)の変形とに関連する補正量(Δ(N))を求めるステップ(105)と、
    前のワークピース(12)の研削加工で求まった補正量(Δ(N))に応じて、次のワークピース(12)の研削加工で使用すべき前記加工パターン(PP)の前記目標位置を補正するステップ(108)と
    を有することを特徴とする研削加工方法。
  5. 砥石(13)を送りながら前記砥石(13)によりワークピース(12)の表面を研削加工する装置(10)において、
    前記砥石(13)が前記ワークピース(12)にアプローチしているとき、予め設定された空走開始位置(Xpa)にて前記砥石(13)の送り速度(Vp)を落とすように、前記砥石(13)の送り速度(Vp)を制御する制御手段(16)を備え、
    前記制御手段(16)が、
    研削加工を行なうことで生じる前記砥石(13)の磨耗に関連する補正量(Δ(N))を求める手段(105)と、
    求まった前記補正量(Δ(N))に応じて、前記空走開始位置(Xpa)の設定を補正する手段(108)と
    を有することを特徴とする研削加工装置。
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