JP2005019725A - アニール装置及びアニール方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも単純な機構のアニール装置、及びこのアニール装置を用いたアニール方法を提供すること。
【解決手段】チャンバ(処理室)1と、チャンバ1内に設けられた熱輻射体5と、熱輻射体5を加熱する黒鉛加熱ヒータ(加熱部)7と、熱輻射体5にSiCウエハWを近づけるウエハホルダ(ウエハ搬送機構)2と、を有し、前記ウエハホルダ2がSiCウエハWを熱輻射体5に近づけることにより、熱輻射体5からの輻射熱によってSiCウエハWが所定温度でアニールされることを特徴とするアニール装置による。
【選択図】 図1
【解決手段】チャンバ(処理室)1と、チャンバ1内に設けられた熱輻射体5と、熱輻射体5を加熱する黒鉛加熱ヒータ(加熱部)7と、熱輻射体5にSiCウエハWを近づけるウエハホルダ(ウエハ搬送機構)2と、を有し、前記ウエハホルダ2がSiCウエハWを熱輻射体5に近づけることにより、熱輻射体5からの輻射熱によってSiCウエハWが所定温度でアニールされることを特徴とするアニール装置による。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アニール装置及びアニール方法に関し、より詳細には、簡便な構成でアニールを行うことができるアニール装置及びアニール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体装置は、シリコン基板の上に様々な膜を形成し、その膜をパターニングすることにより作製されるが、このようにシリコン基板をベースとしたプロセス技術は、現在では十分に確立されており、現在の半導体産業には必要不可欠なものとなっている。
【0003】
ところが、そのシリコン基板をベースにした技術においても様々な問題点が指摘されており、なかでも、シリコン基板上に作製されるMOSトランジスタのオン抵抗の高さは、トランジスタの発熱量を大きくし、半導体装置の消費電力を大きくするという問題を引き起こす。
【0004】
そこで、シリコン基板よりもオン抵抗が小さく、電気的耐圧が非常に高く、さらには400℃の高温でも半導体として動作する基板として、現在SiC基板が注目されている。そのSiC基板は、オン抵抗がシリコン基板の約1/8程度しか無いため、半導体装置の消費電力を小さくできるという利点を有する。
【0005】
このSiC基板上にMOSトランジスタ等の能動素子を作製する場合、通常のシリコン基板と同じように、基板内にn型やp型の不純物を拡散し、トランジスタのソース・ドレイン領域等を形成する必要がある。但し、SiC基板は、シリコン基板と比較して拡散定数が非常に小さいので、不純物を基板内に拡散するのに熱拡散を使用することができず、代わりにイオン注入法で不純物を基板内に導入することになる。
【0006】
しかしながら、このようにイオン注入法で不純物を導入すると、イオンのエネルギによって基板の表層部分のSiC結晶がダメージを受け、基板表面が荒れてしまう。よって、そのダメージを回復し、SiC基板の表層部分でのSiC結晶を元通りの配置に戻すべく、イオン注入を行った後にはSiC基板をアニールする必要がある。
【0007】
そのアニールは、イオン注入で受けたダメージを回復するために、1250℃〜2000℃といった比較的高い基板温度で行う必要があるが、SiC基板を構成する元素材料はSiC分子の結晶であり、基の元素Siの蒸気圧は元素Cに比べて桁違いに大きいため、高温ではSiが抜けてCが残りやすく、昇温途中でSiが基板から抜けないように、基板を短時間で高温にアニールする技術が求められる。このようなアニールは、RTA(Rapid Thermal Annealing)とも呼ばれる。
【0008】
そのRTAとしては、現在までに様々なタイプのものが報告されているが、基板を短時間で高温にする要請から、その殆どは、非特許文献1〜3に記載されるように、ランプやレーザの照射によって基板加熱するものである。
【0009】
【非特許文献1】
J. Senzaki, S. Harada, R. Kosugi, S. Suzuki, K. Fukuda, and K. Arai, Mater. Sci, Foroum. 389 − 393 (2002) 795
【非特許文献2】
S. Ahmed et al., Appl. Phys. Lett. 66 (1995) 712
【非特許文献3】
Y. Hishida et al., Appl. Phys Lett. 76 (2000) 3867
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにランプを用いて基板をアニールする方法では、ランプからの光をSiC基板上に導くために、回転楕円ミラーや石英製の導入ロッドといった大掛かりな機構が必要となり、反射による熱損失も大きく、大電力が必要で、アニール装置の複雑化を招いてしまう。
【0011】
また、レーザを用いてアニールする方法でも、レーザを基板に導くための機構が必要となって、アニール装置が複雑となり、大面積化は困難である。
【0012】
しかも、ランプ及びレーザのいずれを使用する場合でも、一回の処理で一枚の基板しかアニールできず、装置のスループットが悪い。
【0013】
本発明は係る従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、従来よりも単純な機構のアニール装置、及びこのアニール装置を用いたアニール方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、処理室と、前記処理室内に設けられた熱輻射体と、前記熱輻射体を加熱する加熱部と、前記熱輻射体にウエハを近づけるウエハ搬送機構と、を有し、前記ウエハ搬送機構が前記ウエハを前記熱輻射体に近づけることにより、前記熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされることを特徴とするアニール装置が提供される。
【0015】
このようなアニール装置によれば、熱輻射体からの輻射熱によりウエハをアニールするので、レーザやランプをウエハに照射してアニールを行う従来例と比較して、装置の機構を単純にすることができる。さらには、ステファン・ボルツマンの法則により、輻射体からの輻射エネルギーの放出がその輻射体の絶対温度の4乗に比例するので、アニール温度が高温であれば有るほど有利である。
【0016】
また、上記加熱部により熱輻射体を加熱した後、該加熱を止め、所定時間が経過したところでアニールを行うと、熱輻射体の温度分布が一様になるので、アニール時の温度分布がウエハの面内において一様になると期待される。
【0017】
更に、ウエハと対向する熱輻射体の主面を凹ませると、ウエハと熱輻射体との距離がウエハの周縁部で短くなり、ウエハ周辺部が受ける輻射熱が大きくなるので、外気に曝されることに起因するウエハ周辺部の温度低下を防止でき、ウエハ温度の面内均一性を高めることができる。
【0018】
このような利点は、ウエハに対向する複数の孔を熱輻射体の主面に形成しても得られる。
【0019】
この場合は、ウエハの中心に対向する部分で孔の密度を高めると、その部分における輻射熱が小さくなり、ウエハが中心部において温度が高くなるのが防止され、ウエハが全体として均一に加熱される。
【0020】
また、ウエハに対向する開口を上記熱輻射体の主面に一つだけ形成しても上記と同じ利点が得られる。
【0021】
更に、上記熱輻射体を間隔を置いて二つ設け、それらの間にウエハを搬送してアニールを行うと、二つの熱輻射体によってウエハがその表裏から加熱されるので、熱輻射体が一つしか無い場合よりも高い昇温レートとさらに高い均一性が得られる。
【0022】
しかも、上記熱輻射体を間隔を置いて三つ以上設け、熱輻射体のそれぞれの間に複数のウエハを一枚ずつ一括して挿入することにより、複数のウエハを一括して同時にアニールすることができるので、ウエハを一枚ずつアニールする従来例と比較して、装置のスループットを大幅に高めることができる。
【0023】
また、各熱輻射体の間に置かれるウエハは、アニールを開始してからある程度の時間が経つと各熱輻射体の温度に近づくので、例えウエハが赤外線に対して透明であっても、各熱輻射体のそれぞれにタングステン・レニュウム熱電対を設けて熱輻射体の温度を測定すれば、その測定値でウエハの温度を近似することができる。
【0024】
これに対し、ウエハに直に熱電対を設けてウエハの温度を測定することも考えられるが、この方法では、ウエハの熱が熱電対を通して外部に逃げてしまうので、ウエハ温度を上記のように正確に測ることとはできない。
【0025】
また、熱輻射体や加熱部の構成は特に限定されず、それらを一体的に構成してもよい。この場合は、第1電極と、この第1電極を囲って閉空間を画定する第2電極とで熱輻射体を構成し、その閉空間が減圧された状態で第1、第2電極に電力を供給して閉空間内で放電を発生させ、この放電で加熱された第2電極からの熱輻射によりウエハをアニールするのが好適である。これによれば、放電を利用して第2電極を加熱しているので、SiCウエハのアニールに必要な1000℃以上の温度を容易に得ることができる。
【0026】
更に、上記処理室内に熱吸収体を設け、その熱吸収体を冷却部により冷却し、アニールが終わった後のウエハをこの熱吸収体に近づけて冷却してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の側面図である。
【0029】
このアニール装置は、内部が減圧可能なチャンバ(処理室)1を有しており、そのチャンバ1内には、アーム2bの軸2aを中心に回転可能なウエハホルダ(ウエハ搬送機構)2が設けられる。そのウエハホルダ2は、高温のアニール雰囲気に耐える材料で構成され、例えばカーボンよりなる。また、SiCウエハWは、このウエハホルダ2に着脱可能となっており、ウエハホルダ2に把持されて軸2aを中心に鉛直面内を回転する。
【0030】
更に、ウエハホルダ2が通過する位置には、熱輻射体5と熱吸収体6とが離れて設けられ、それらは共にSiCウエハWと同じか、或いはSiCウエハWよりも若干大きな円形の平面形状を有している。
【0031】
図2の平面図に示すように、熱輻射体5には、その周囲から中心に向かってBN(窒化ボロン)管8が挿通されており、熱輻射体5の温度を直接測定するためのタングステン・レニュウム熱電対の接点部分10がこのBN管8の底に入れられ、接点部分10の電位差を測定するための配線9がBN管8から外部に引き出される。なお、特に明示はしないが、配線9は正極用と負極用との二本あり、そのそれぞれが、BN管8内で別々のBN細管に通されて互いに絶縁されている。
【0032】
図3は、図2のI−I線に沿う断面であり、これに示されるように、既述した熱輻射体5はSiCウエハWを挟むようにして二つ設けられ、各熱輻射体5の一方の主面側5aには、それらを所定の温度に加熱するための渦巻き状の黒鉛抵抗加熱ヒータ(加熱部)7が配置される。各熱輻射体5は、ヒータ7による加熱に耐えられるような高融点材料で構成されるのが好ましく、例えば、パイロテックコートカーボン(2500℃まで可能)や、窒化ボロン、Siを含浸させたSiC焼結体(1350℃まで可能)よりなり、その厚さは例えば12mm〜20mm程度である。
【0033】
また、各熱輻射体5の他方の主面5bは、該主面5bと平行に置かれたSiCウエハWをその表裏から熱輻射によって加熱する熱輻射面として機能する。そして、ウエハWの直径が2インチで熱輻射体5の直径が4インチの場合、各熱輻射面5b同士の間隔d1は、4〜60mm、好ましくは6mmとする。なお、SiCウエハではなく、直径が12インチのシリコンウエハを使用する場合は、熱輻射体5の直径を20〜24インチにすればよい。
【0034】
再び図1を参照する。図1に示されるように、チャンバ1の内部には、チャンバ1を三つに区切る第1〜第3断熱扉(断熱材)12〜14が設けられ、これらの扉によって区切られた部分に既述の熱輻射体5と熱吸収体6とが設けられる。各断熱扉12〜14によって、熱輻射体5からの熱が周囲に漏れるのが防止され、また、低温に保たれるべき熱吸収体6が熱輻射体5からの輻射熱や外部の熱によって加熱されるのが防止される。
【0035】
ウエハホルダ2が回転する際は、図1の紙面の垂直方向に各断熱扉12〜14が移動し、ウエハホルダ2と各断熱扉12〜14とが互いに干渉するのが防止される。
【0036】
次に、上記したアニール装置の動作について説明する。
【0037】
まず、オペレータは、チャンバ1に設けられた扉(不図示)を開け、図1に示される位置にあるウエハホルダ2にSiCウエハWをセットする。このSiCウエハWには、MOSトランジスタのソース・ドレイン領域(不図示)がイオン注入により既に形成されており、このイオン注入により基板が受けたダメージが以下のアニールによって回復されることになる。
【0038】
その後、チャンバ1の扉を閉め、チャンバ1内をAr等の常圧の不活性ガス雰囲気にする。このとき、熱輻射体5は、図3に示した黒鉛抵抗加熱ヒータ7に通電することにより、1250〜2000℃程度の所定の温度、例えば1250℃程度に既に維持されており、その温度は、既述のタングステン・レニュウム熱電対によってモニターされている。
【0039】
なお、後述するように、SiCウエハWのアニール温度は、SiCウエハWが熱輻射体5と熱平衡状態に達したときの温度であるため、熱輻射体5の設定温度は、SiCウエハWと熱平衡状態に達したときにSiCウエハWが所定のアニール温度になるような温度に設定する。そのような温度は、実験によって予め求めることができる。上では、説明を簡単にするため、熱輻射体5の設定温度をSiCウエハWのアニール温度と同じ1250℃に設定したが、実際にはこれより高い温度、例えば1300℃程度に設定されることに注意されたい。
【0040】
また、チャンバ1内を上記のように不活性ガス雰囲気にするのではなく、真空雰囲気としてもよい。但し、このように真空雰囲気にすると、SiCウエハWを構成するシリコンが抜け易くなるので、チャンバ1内は上記のように不活性ガス雰囲気(1万Pa〜大気圧)にするのが好ましい。
【0041】
次に、黒鉛抵抗加熱ヒータ7への通電を止め、所定時間、例えば1〜30秒経過して熱輻射体5の温度がその面内で略一定となったところで、図5に示すように、不図示のステッピングモータ等の駆動手段を用い、SiCウエハWが熱輻射体5に重なる位置までウエハホルダ2を回転させる。これにより、高温に保持されていた熱輻射体5からの熱輻射によってSiCウエハWがその表裏から急激に加熱され、SiCウエハWのRTAが開始される。
【0042】
このとき、SiCウエハWを急速に加熱するには、熱輻射体5として高い輻射率を有するものを採用し、熱輻射体5から熱が放出され易くするのが好ましい。黒鉛材は、0.7〜0.8と大きな輻射率を有するので、熱輻射体5として好適である。更に、輻射率の高い材料を熱輻射体5自身に使用するのではなく、輻射率の高い材料を熱輻射体5の表面にコートしても、上記と同じ利点を得ることができる。
【0043】
そして、RTAを所定時間、例えば30秒間行った後、RTAを停止するために、再びステッピングモータを駆動してウエハホルダ2を回転させ、図6に示すように、SiCウエハWを熱吸収体6に重ねる。これにより、高温のSiCウエハWからの熱輻射が熱吸収体6により吸収され、SiCウエハWが急速にクールダウンされる。このとき、熱吸収体6の表面にはに熱の吸収率を上げるために、高輻射率のコーティングがなされ、熱吸収体6に設けられた水冷管(冷却部)11(図4参照)には、常に20〜30℃程度の冷水が供給されており、熱吸収体6の温度上昇を防止している。
【0044】
また、次のウエハに対するRTAにそなえ、このクールダウンと平行して黒鉛抵抗加熱ヒータ7(図3参照)への通電を再び行い、熱輻射体5が再び1250℃程度に保持される。
【0045】
その後、SiCウエハWが100℃程度にまで冷却されたところで、再びウエハホルダ2を回転させ、SiCウエハWを図1に示す位置に戻し、上記した一連のRTAとクールダウンとを終了する。
【0046】
上記した実施形態によれば、予め加熱しておいた熱輻射体5にSiCウエハWを単に重ねることによりRTAを行うので、レーザやランプをウエハに照射してアニールを行う従来例と比較して、アニール装置の機構を単純にすることができる。
【0047】
しかも、SiCウエハWをアニールする前に、黒鉛抵抗加熱ヒータ7への通電を停止するので、通電の停止後に直ちに熱の拡散が起こり、熱輻射体5の温度分布が予め一定になる。その結果、熱輻射体5に温度斑が発生せず、アニール時の温度分布がSiCウエハWの面内において一様になると期待される。このような利点は、黒鉛抵抗加熱ヒータ7を使用する場合だけでなく、どのような形式のヒータを用いる場合にも得ることができる。
【0048】
また、渦巻き状カーボンヒータにSiCウエハWを直接載せてウエハを加熱する場合のように、ヒータとSiCウエハWとを接触させる場合は、ヒータに接触している部分のウエハのみが局所的に加熱されてウエハに大きな温度斑が発生し、最悪の場合SiCウエハが割れるという不都合が生じる。更に、この場合、ヒータ自身の熱容量が大きいため、SiCウエハWを加熱するのに大電力を投入する必要がある。例えば、2インチのSiCウエハ1枚を室温から1700℃に加熱するには、10kWの電力投入でも3〜5分もの通電が必要となり、アニール工程のコストが上昇してしまう。
【0049】
これに対し、上記によれば、黒鉛抵抗加熱ヒータ7をSiCウエハWから離してあるので、SiCウエハWが局所的に加熱されて割れることが無く、また、後述のシミュレーションのように、SiCウエハWを短い時間で急速に加熱することができる。
【0050】
しかも、熱輻射体5を間隔を置いて二つ設け、それらの間にSiCウエハWを搬送してアニールを行うようにしたので、二つの熱輻射体5によってSiCウエハWがその表裏から加熱され、熱輻射体が一つしか無い場合よりも遙かに均一で高い昇温レートが得られると共に、熱輻射体を温めるためのヒータは、待ち時間の間に時間をかけて昇温しておけば良いので、該ヒータへの電力投入は数kW程度でも十分である。
【0051】
ところで、SiCウエハWは赤外線に対して略透明であるため、パイロメータ(赤外線輻射温度計)を用いてSiCウエハWの温度を正確に測定することはできない。すなわち、パイロメータでSiCウエハWの温度を測定しようとすると、SiCウエハ自身の温度ではなく、熱輻射体5から輻射されてSiCウエハWを通過した赤外線に基づき、熱輻射体5の温度を測ってしまうことになる。
【0052】
そこで、本実施形態では、各熱輻射体5にタングステン・レニュウム熱電対を設けて各熱輻射体5の温度を測定し、その温度でウエハWの温度を近似するようにした。これによれば、各熱輻射体5の間に置かれるSiCウエハWが、ある程度の時間が経つと確実に計測中の熱電対の示す温度に漸近するので、パイロメータ単体でウエハを直接覗き込む場合よりもアニール時の基板温度を精度良く把握することができる。
【0053】
なお、熱電対をウエハに直に取り付けてウエハ温度を計測する方法も考えられるが、この方法では、ウエハの熱が熱電対を通って外部に漏れてしまうので、上記のようにウエハ温度を精度良く測ることはできない。
【0054】
ところで、上記では、SiCウエハWのアニールについて説明したが、現在の主流であるSiウエハにおいても、イオン注入は大変重要であり、当然のことながらアニールは最も重要な技術となっている。Siウエハの場合は12インチの大口径になり、一様なアニール処理は困難を極めている。しかし、Siウエハの場合は、SiCウエハとは異なり、熱輻射率もある程度分かっているので、本実施形態におけるシミュレーションを容易に行うことができる。
【0055】
図7は、このようなSiウエハを熱輻射体5に重ねてRTAを行ったときの基板温度の昇温カーブをコンピュータシミュレーションして得られたグラフである。
【0056】
このシミュレーションでは、Siウエハの直径を12インチ、厚さを0.6mm、両面の輻射率を0.7と設定すると共に、二つの熱輻射体5の間隔を6mm、黒鉛材で製作された各輻射体5の厚さを12mm、その輻射率を0.9に設定し、各輻射体5の初期温度を1300℃とした。なお、Siウエハの初期温度は30℃に設定した。また、図3において、▲で示される系列は熱輻射体5の中心における温度を示す。そして、■で示される系列は、Siウエハの中心における昇温カーブであり、◆で示される系列は、Siウエハの周縁における昇温カーブを示す。
【0057】
図7に示されるように、ウエハ中心での基板温度は、RTAを開始してから僅か30秒程度で1250℃程度に収束し、極めて高い昇温レートを実現できることが理解される。
【0058】
そして、図7のような昇温カーブを実験により実際に得ることにより、予め定められたSiウエハの収束温度を得るのに必要な熱輻射体5の初期温度を求めることができる。
【0059】
なお、図7において、ウエハ周縁部の温度がウエハ中心での温度より低いのは、ウエハ周縁部が温度の低い外気に曝されているためである。
【0060】
また、熱輻射体5の熱容量をウエハの熱容量よりも大きくすると、ウエハの温度が高温に速やかに収束するので、RTAの時間を短くすることができ、好ましい。
【0061】
一方、図8は、Siウエハを熱吸収体6に重ねてクールダウンを行ったときのSiウエハの降温カーブをシミュレーションして得られたグラフである。なお、このシミュレーションでは、Siウエハの初期温度を1000℃に設定すると共に、図7のシミュレーションにおける熱輻射体5の初期温度を30℃に設定して、熱輻射体5を熱吸収体6として扱って得られたものであり、温度以外のパラメータは図7で説明したのと同じである。
【0062】
図8に示されるように、クールダウン時の基板温度は、クールダウンを開始してから約600秒経過したところで100℃以下の温度に低下する。
【0063】
このように、本実施形態によれば、簡便な装置構成であるにも関わらず、SiCウエハやSiウエハのアニールに必要な極めて高い昇温レートが得られ、また、アニールによって加熱されたウエハを速やかにクールダウンすることができる。
【0064】
上記したSiウエハのシミュレーション結果が、現在早急な開発が求められているSiCウエハに応用できることは言うまでもない。即ち、SiCウエハの輻射率がいくら小さいとは言っても、完全にゼロではないので、本実施形態のように、2枚の熱輻射体5にSiCウエハWが挟まれている場合、片方の熱輻射体5から輻射された赤外線は、あたかも2枚の熱輻射体5を往復するようにしてSiCウエハWを通過し、小さな輻射率のSiCウエハWでも吸収され、SiCウエハWの温度がたちまち一対の熱輻射体5と同じ温度に到達出来ることになる。
【0065】
更に、ステファン・ボルツマンの法則により、輻射エネルギは熱輻射体の絶対温度の4乗に比例するので、例えSiCウエハWの輻射率が低いとしても、1250〜2000℃までの短時間昇温を容易に行うことができる。
【0066】
また、熱輻射体5を黒鉛材で構成すれば、2500℃程度もの高温でのアニールも可能となる。なお、熱輻射体5の表面をパイロテックグラファイトやSiCでコートしても、このような高温でのアニールを行うことができる。
【0067】
(第2実施形態)
第1実施形態では、SiCウエハWやSiウエハが一枚ずつRTAされる枚葉式のアニール装置について説明したが、本発明はこれに限られず、以下のようなバッチ式のアニール装置とすることもできる。
【0068】
図9は、本実施形態で使用される熱輻射体5の断面図である。これに示されるように、本実施形態では、熱輻射体5が間隔を置いて三つ以上設けられ、各熱輻射体5の間にウエハWが一枚ずつ一括して挿入される。
【0069】
このような構成にすることで、複数のウエハWを一括して同時にアニールすることができるので、ウエハを一枚ずつアニールする従来例と比較して、装置のスループットを大幅に高めることができる。
【0070】
なお、このように熱輻射体5を3つ以上設けたのに合わせて、図10に示すように、熱吸収体6も熱輻射体5と同じ数だけ設けても良い。
【0071】
(第3実施形態)
第1実施形態では、黒鉛抵抗加熱ヒータ7で加熱される熱輻射体5を使用したが、これに代えて、図11に示すような断面構造のヒータを熱輻射体として用いてもよい。
【0072】
そのヒータ20は、プレート21bの中心に配管21aを繋げてなる第1電極21と、該第1電極21を囲む第2電極24とを有する。これらのうち、プレート21bは円形の平面形状を有しており、その中心には、配管21aに連通する開口21cが形成される。
【0073】
また、各電極21、24は、BN等よりなる絶縁体22によって互いに接触するのが防止され、配管21aの終端には、各電極21、24間の気密性を保つためのゴム栓23が設けられる。
【0074】
使用に際しては、配管21aに接続された真空ポンプ(不図示)により各電極21、24間の閉空間Sを10〜1000Paの圧力に減圧する。そして、この状態で、直流電源25の負極と正極とをそれぞれ第1、第2電極21,24に接続することにより、各電極21、24間の閉空間Sでグロー放電を発生させる。なお、直流電源25の電圧は、例えは300〜1000V程度とする。
【0075】
このようなグロー放電により、閉空間S内に残留する大気(気体)が加熱され、これにより第2電極24の加熱面24aがアニールに必要な1250〜2000℃程度にまで加熱される。
【0076】
なお、このグロー放電を発生させ易くするために、仕事関数の小さな材料で第1電極21を構成し、第1電極21から閉空間Sに電子が放出され易くするのが好ましい。このように仕事関数が小さい材料としては、例えば、トリウム入りタングステン、酸化イットリウム焼結体、ランタンボライド結晶、及びカーボン等がある。或いは、酸化トリウム、カーボン、及び導電性セラミックの複合体も仕事関数が小さく、第1電極21の材料として好適である。
【0077】
一方、第2電極24としては、耐熱性の良い材料の上に緻密な膜をコーティングしたものが好ましい。そのような材料としては、黒鉛、タングステン、モリブデン、インコネル、及びステンレス等が挙げられる。また、これらの上にコーティングされる緻密な膜としては、黒鉛膜、SiC膜、窒化ボロン膜、窒化アルミニウム膜、及びアルミナ膜等が挙げられる。
【0078】
ところで、上記のグロー放電の際、負極となる第1電極21がスパッタされ、スパッタされた導電性材料が絶縁体22の表面に付着し、付着した導電性材料によって各電極21、24がショートする恐れがある。また、直流電源25に代えて交流電源を使用する場合は、第2電極24もスパッタされ、上記の不都合を招く恐れがある。
【0079】
そこで、本実施形態では、配管21aに沿って延長された延長部22aを絶縁体22に設け、更にこの延長部22aに凹凸を形成する。これにより、配管21aの表面から第2電極24の内面に至る絶縁体22の表面に沿った経路が放電空間からみて陰になるので、スパッタされた導電性材料に起因する各電極21、24同士のショートを防止することができる。
【0080】
本実施形態では、上記のようなヒータ20を二つ用意し、それらの加熱面24aを対向させて各ヒータ20を加熱する。そして、加熱面24aの温度が1250〜2000℃程度になるまで各ヒータ20を加熱し、その後直流電源25を切る。そして、加熱面24aの面内温度分布が均一なったところで各加熱面24aの間にSiCウエハWを挿入し、加熱面24aからの輻射熱によるSiCウエハWのRTAを行う。
【0081】
このようにしても、第1実施形態で説明したのと同様の効果が奏される。また、上記したヒータ20は、グロー放電を利用しているため、1000〜2000℃の温度を得るのが容易であり、SiCウエハWのRTAに特に有用である。
【0082】
なお、上記では、直流電源25を使用したが、これに代えて交流電源を使用してもよい。
【0083】
(第4実施形態)
図7に示したシミュレーション結果のように、ウエハの周縁部は、外気に曝されることによって中心部よりも温度が低くなる傾向にある。本実施形態は、このようなウエハの温度の不均一性を補正するのに有用である。
【0084】
図12は、本実施形態で使用される熱輻射体5の断面図である。同図に示されるように、この熱輻射体5は、ウエハWに対向する凹んだ主面5eを有する。このようにすると、ウエハWの周縁部分が中央部分よりも熱輻射体5に近づくので、周縁部分が熱輻射体5から受ける赤外線の量が多くなる。その結果、外気に曝されることに起因する周縁部の温度低下が、熱輻射体5からの赤外線に起因する温度上昇によって相殺され、ウエハWの温度分布を面内で一様にすることができる。
【0085】
(第5実施形態)
第4実施形態と同様に、本実施形態も、ウエハ温度の不均一性を補正するのに有用である。
【0086】
図13は、本実施形態で使用される熱輻射体5の平面図であり、図14は、図13のII−II線に沿う断面図である。
【0087】
これらの図に示されるように、本実施形態では、熱輻射体5の主面に複数の孔5cを設け、その孔の密度を熱輻射体5の中央で高くする。
【0088】
このようにすると、熱輻射体5が発する赤外線の量がその中央部で低下するので、ウエハWの中央部の温度上昇が周縁部と比較して抑制され、ウエハWを全体として均一に加熱することができる。
【0089】
(第6実施形態)
第4、第5実施形態と同様に、本実施形態も、ウエハ温度の不均一性を補正するのに有用である。
【0090】
図15は、本実施形態で使用される熱輻射体5の平面図であり、図16は、図15のIII−III線に沿う断面図である。
【0091】
これらの図に示されるように、本実施形態では、熱輻射体5の主面のうち、ウエハWの中心に対向する部分に開口5dを一つだけ設ける。
【0092】
このようにすると、第5実施形態と同様に、熱輻射体5が発する赤外線の量がその中央部で低下するので、ウエハWを均一に加熱することができる。
【0093】
(第7実施形態)
図17は、本実施形態に係るアニール装置の構成図である。
【0094】
同図示されるように、このアニール装置は、内部を減圧したり不活性雰囲気にすることができるチャンバ(処理室)30を有する。そのチャンバ30は、加熱領域A、処理領域B、冷却領域C、及び退避領域Dに大別される。
【0095】
これらのうち、加熱領域Aは、連結棒33で互いに連結された複数の熱輻射体5を収容するだけの大きさを有しており、その周囲には、高周波電源32に接続された高周波コイル(加熱部)31が巻かれている。
【0096】
また、冷却領域Cは、連結棒35で互いに連結された熱吸収体6を収容するだけの大きさを有し、その周囲には、水冷管(不図示)によって常に冷却された状態にある水冷板(冷却部)36が設けられる。
【0097】
一方、退避領域Dは、複数の円環状の台34aが連結棒34bによって互いに連結された円環状のサセプター(ウエハ搬送機構)34を収容するだけの大きさを有し、それぞれの台34aには、ウエハWが一枚ずつ載置される。そのウエハWは、SiCウエハでもよいし、Siウエハであってもよい。
【0098】
このアニール装置は、次のように動作する。
【0099】
まず、退避領域Dにある扉(不図示)をオペレータが開け、サセプター34の台34a上にウエハWを載置する。その後、退避領域Dの扉を閉め、チャンバ1内をAr等の不活性ガス雰囲気にする。
【0100】
そして、高周波電源32からコイル31への通電を開始し、熱輻射体5を高周波誘導加熱により加熱する。その後、アニールに必要な温度、例えば1250〜2000℃の温度に熱輻射体5が加熱されたところでコイル31への通電を停止し、不図示のエレベータ等を使用して、熱輻射体5を処理領域Bに移動させる。
【0101】
次いで、退避領域Dに退避されていたサセプター34を処理領域Bに移動させることにより、台34a上に載置されているウエハWを熱輻射体5の間に挿入する。サセプター34の移動には、例えばスライド移動機等が使用される。これにより、各ウエハWは、熱輻射体5からの輻射熱によってその表裏から加熱され、ウエハWのRTAが開始される。
【0102】
そして、所定のアニール時間、例えば30秒が経過した後、処理領域Bにあるサセプター34を再び退避領域Dに退避させ、RTAを停止する。
【0103】
次いで、処理領域Bにある熱輻射体5を加熱領域Aに戻すと共に、高周波電源32からコイル31への通電を行い、次回のアニールに備えて各熱輻射体5を再び加熱する。
【0104】
続いて、冷却領域Cにおいて冷却されていた熱吸収体6を処理領域Bに移動させた後、サセプター34を処理領域Bに移動させ、各熱吸収体6の間にウエハWを挿入する。なお、熱吸収体6の移動には、エレベータ等が使用される。
【0105】
これにより、高温に加熱されているウエハWからの輻射熱が熱吸収体6によって吸収され、ウエハWがクールダウンされる。
【0106】
次に、ウエハWの温度が100℃程度に下がったところでサセプター34を再び退避領域Dに退避させた後、熱輻射体6を冷却領域Cに戻し、次のクールダウンに備えて各熱輻射体6を冷却する。
【0107】
以上により、一連のRTAとクールダウンとが終了する。
【0108】
上記した実施形態によれば、熱輻射体5からの熱輻射を利用してウエハWをアニールしているので、第1実施形態と同様の利点を得ることができる。
【0109】
以下に、本発明の特徴を付記する。
【0110】
(付記1) 処理室と、
前記処理室内に設けられた熱輻射体と、
前記熱輻射体を加熱する加熱部と、
前記熱輻射体にウエハを近づけるウエハ搬送機構と、
を有し、
前記ウエハ搬送機構が前記ウエハを前記熱輻射体に近づけることにより、前記熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされることを特徴とするアニール装置。
【0111】
(付記2) 前記加熱部により前記熱輻射体を加熱した後、該加熱を止め、所定時間が経過したところで前記アニールを行うことを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0112】
(付記3) 前記所定時間は、1〜30秒であることを特徴とする付記2に記載のアニール装置。
【0113】
(付記4) 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する凹んだ主面を有することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0114】
(付記5) 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する主面を有すると共に、前記ウエハに対向する複数の孔を前記主面に有することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0115】
(付記6) 前記孔は、前記ウエハの中心に対向する部分で密度が高くなることを特徴とする付記5に記載のアニール装置。
【0116】
(付記7) 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する主面を有すると共に、前記ウエハの中心に対向する開口を前記主面に一つ有することを特徴とる付記1に記載のアニール装置。
【0117】
(付記8) 前記熱輻射体は、互いに間隔を置いて二つ設けられ、前記ウエハ搬送機構は、前記二つの熱輻射体の間に前記ウエハを搬送することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0118】
(付記9) 前記熱輻射体の温度を測定するタングステン・レニュウム熱電対が前記熱輻射体の各々に設けられたことを特徴とする付記8に記載のアニール装置。
【0119】
(付記10) 前記熱輻射体は、前記ウエハの主面に対向する熱輻射面を有し、前記熱輻射面からの熱輻射により、前記ウエハの表面と裏面が加熱されることを特徴とする付記8に記載のアニール装置。
【0120】
(付記11) 前記熱輻射面は、前記ウエハの主面に平行であることを特徴とする付記10に記載のアニール装置。
【0121】
(付記12) 前記二つ熱輻射体の熱輻射面同士の間隔は、4mm以上60mm以下であることを特徴とする付記11に記載のアニール装置。
【0122】
(付記13) 前記熱輻射体は、互いに間隔を置いて三つ以上設けられ、前記ウエハ搬送機構は、複数のウエハを把持し、前記熱輻射体のそれぞれの間にウエハを一枚ずつ一括して挿入することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0123】
(付記14) 前記熱輻射体は、Siを含浸させたSiC焼結体よりなることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0124】
(付記15) 前記熱輻射体の熱容量は前記ウエハの熱容量よりも大きいことを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0125】
(付記16) 前記加熱部は、黒鉛抵抗加熱ヒータであることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0126】
(付記17) 前記熱輻射体は、前記加熱部とともに一体的に構成され、第1電極と、前記第1電極を囲って閉空間を画定する第2電極とを有し、
前記閉空間が減圧された状態で前記第1電極と前記第2電極とに電力を供給して前記閉空間内で放電を発生させ、
前記放電で加熱された前記第2電極の熱輻射により前記ウエハをアニールすることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0127】
(付記18) 前記加熱部は、前記熱輻射体の周囲に巻かれて高周波電力が供給されるコイルであることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0128】
(付記19) 前記ウエハはSiCウエハであることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0129】
(付記20) 前記SiCウエハは、1250〜2000℃の基板温度でアニールされることを特徴とする付記19に記載のアニール装置。
【0130】
(付記21) 前記アニールは、RTA(Rapid Thermal Annealing)であることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0131】
(付記22) 前記処理室内に設けられた熱吸収体と、
前記熱吸収体を冷却する冷却部と、
を更に有し、前記ウエハ搬送機構は、前記ウエハをアニールした後に、前記ウエハを前記熱吸収体に近づけ、前記ウエハを冷却することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0132】
(付記23) 前記熱吸収体は、互いに間隔を置いて二つ設けられ、前記ウエハ搬送機構は、隣接する前記二つの熱吸収体の間に前記ウエハを搬送することを特徴とする付記22に記載のアニール装置。
【0133】
(付記24) 前記熱吸収体は、互いに間隔を置いて三つ以上設けられ、前記ウエハ搬送機構は、複数のウエハを把持し、前記熱吸収体のそれぞれの間にウエハを一枚ずつ一括して挿入することを特徴とする付記22に記載のアニール装置。
【0134】
(付記25) 処理室と、
ウエハを把持して前記処理室内を回転するウエハ搬送機構と、
前記処理室内において前記ウエハが通る位置に配された熱輻射体と、
前記処理室内において前記ウエハが通る位置に前記熱輻射体から離れて配された熱吸収体と、
を有し、
前記ウエハをアニールするときに、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記熱輻射体に重ねられ、該熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされ、
前記ウエハを冷却するときに、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記熱吸収体に重ねられ、前記ウエハからの輻射熱が該熱吸収体によって吸収されて前記ウエハが冷却されることを特徴とするアニール装置。
【0135】
(付記26) 前記ウエハは、前記ウエハ搬送機構により鉛直面内を回転することを特徴とする付記25に記載のアニール装置。
【0136】
(付記27) 少なくとも加熱領域、冷却領域、処理領域、及び退避領域を有する処理室と、
前記加熱領域に納められた熱輻射体と、
前記加熱領域の周囲に巻かれ、高周波誘導加熱により前記熱輻射体を加熱するコイルと、
前記冷却領域に納められた熱吸収体と、
前記退避領域と前記処理領域との間でウエハを移動させるウエハ搬送機構と、
を有し、
前記ウエハのアニールを行うときに、前記熱輻射体が前記処理領域に移動すると共に、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記処理領域に移動して前記熱輻射体に近づき、前記熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされ、
前記ウエハを冷却するときに、前記熱吸収体が前記処理領域に移動すると共に、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記処理領域に移動して前記熱吸収体に近づき、前記ウエハからの輻射熱が前記熱吸収体によって吸収され、前記ウエハが冷却されることを特徴とするアニール装置。
【0137】
(付記28) 熱輻射体を加熱する工程と、
前記加熱された熱輻射体の熱輻射面にウエハの主面を対向させて前記ウエハをアニールする工程と、
を有することを特徴とするアニール方法。
【0138】
(付記29) 前記熱輻射体を加熱した後、所定時間が経過したところで、前記アニールを行うことを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0139】
(付記30) 前記熱輻射体を間隔を置いて二つ設け、該二つの熱輻射体の間に前記ウエハを挿入することにより前記アニールを行うことを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0140】
(付記31) 前記熱輻射体を間隔をおいて三つ以上設け、前記熱輻射体のそれぞれの間に前記ウエハを一枚ずつ挿入し、複数のウエハを一括してアニールすることを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0141】
(付記32) 前記アニールを行った後、前記ウエハを熱吸収体に近づけて冷却することを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0142】
(付記33) 前記ウエハとしてSiCウエハを使用することを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱輻射体からの輻射熱によりウエハをアニールするので、レーザやランプをウエハに照射してアニールを行う従来例と比較して、装置の機構を単純にすることができる。
【0144】
また、熱輻射体の温度分布が一様になったところでアニールを行うので、アニール時におけるウエハの温度分布を面内で一様にすることができる。
【0145】
更に、二つの熱輻射体の間にウエハを搬送し、各輻射体からの輻射熱によりアニールを行うことで、ウエハが表裏から加熱され、熱輻射体が一つしか無い場合よりも高い昇温レートが得られる。
【0146】
また、三つの熱輻射体のそれぞれの間に複数のウエハを一枚ずつ一括して挿入することにより、複数のウエハが一括してアニールされるので、従来よりも装置のスループットが高められる。
【0147】
しかも、タングステン・レニュウム熱電対を熱輻射体に設け、該熱伝対により熱輻射体の温度を測定することによりアニール時のSiCウエハの温度を管理するので、SiCウエハに直に熱電対を設ける場合よりもウエハの温度管理が正確になる。
【0148】
そして、第1電極と、この第1電極を囲って閉空間を画定する第2電極とで熱輻射体を構成し、その閉空間に放電を発生させて第2電極を過熱することにより、SiCウエハのアニールに必要な1000℃以上の高温を容易に作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の側面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態で使用される熱輻射体の平面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態で使用される熱吸収体の断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の動作について示す側面図(その1)である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の動作について示す側面図(その2)である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態において、Siウエハの昇温カーブをシミュレーションして得られたグラフである。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態において、Siウエハの降温カーブをシミュレーションして得られたグラフである。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態で使用される熱吸収体の断面図である。
【図11】図11は、本発明の第3の実施の形態で使用されるヒータの断面図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図13】図13は、本発明の第5の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図14】図14は、本発明の第5の実施の形態で使用される熱輻射体の平面図である。
【図15】図15は、本発明の第6の実施の形態で使用される熱輻射体の平面図である。
【図16】図16は、本発明の第6の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図17】図17は、本発明の第7の実施の形態に係るアニール装置の構成図である。
【符号の説明】
1、30…チャンバ、2…ウエハホルダ、2a…軸、2b…アーム、5…熱輻射体、5c…孔、5d…開口、6…熱吸収体、7…黒鉛抵抗加熱ヒータ、8…BN管、9…配線、10…接点部分、11…水冷管、12…第1断熱扉、13…第2断熱扉、14…第3断熱扉、20…ヒータ、21…第1電極、21a…配管、21b…プレート、21c…開口、22…絶縁体、22a…延長部、23…ゴム栓、24…第2電極、25…直流電源、31…高周波コイル、32…高周波電源、33、35連結棒、34…サセプター、34a…台、34b…連結棒、36…水冷板、W…SiCウエハ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アニール装置及びアニール方法に関し、より詳細には、簡便な構成でアニールを行うことができるアニール装置及びアニール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI等の半導体装置は、シリコン基板の上に様々な膜を形成し、その膜をパターニングすることにより作製されるが、このようにシリコン基板をベースとしたプロセス技術は、現在では十分に確立されており、現在の半導体産業には必要不可欠なものとなっている。
【0003】
ところが、そのシリコン基板をベースにした技術においても様々な問題点が指摘されており、なかでも、シリコン基板上に作製されるMOSトランジスタのオン抵抗の高さは、トランジスタの発熱量を大きくし、半導体装置の消費電力を大きくするという問題を引き起こす。
【0004】
そこで、シリコン基板よりもオン抵抗が小さく、電気的耐圧が非常に高く、さらには400℃の高温でも半導体として動作する基板として、現在SiC基板が注目されている。そのSiC基板は、オン抵抗がシリコン基板の約1/8程度しか無いため、半導体装置の消費電力を小さくできるという利点を有する。
【0005】
このSiC基板上にMOSトランジスタ等の能動素子を作製する場合、通常のシリコン基板と同じように、基板内にn型やp型の不純物を拡散し、トランジスタのソース・ドレイン領域等を形成する必要がある。但し、SiC基板は、シリコン基板と比較して拡散定数が非常に小さいので、不純物を基板内に拡散するのに熱拡散を使用することができず、代わりにイオン注入法で不純物を基板内に導入することになる。
【0006】
しかしながら、このようにイオン注入法で不純物を導入すると、イオンのエネルギによって基板の表層部分のSiC結晶がダメージを受け、基板表面が荒れてしまう。よって、そのダメージを回復し、SiC基板の表層部分でのSiC結晶を元通りの配置に戻すべく、イオン注入を行った後にはSiC基板をアニールする必要がある。
【0007】
そのアニールは、イオン注入で受けたダメージを回復するために、1250℃〜2000℃といった比較的高い基板温度で行う必要があるが、SiC基板を構成する元素材料はSiC分子の結晶であり、基の元素Siの蒸気圧は元素Cに比べて桁違いに大きいため、高温ではSiが抜けてCが残りやすく、昇温途中でSiが基板から抜けないように、基板を短時間で高温にアニールする技術が求められる。このようなアニールは、RTA(Rapid Thermal Annealing)とも呼ばれる。
【0008】
そのRTAとしては、現在までに様々なタイプのものが報告されているが、基板を短時間で高温にする要請から、その殆どは、非特許文献1〜3に記載されるように、ランプやレーザの照射によって基板加熱するものである。
【0009】
【非特許文献1】
J. Senzaki, S. Harada, R. Kosugi, S. Suzuki, K. Fukuda, and K. Arai, Mater. Sci, Foroum. 389 − 393 (2002) 795
【非特許文献2】
S. Ahmed et al., Appl. Phys. Lett. 66 (1995) 712
【非特許文献3】
Y. Hishida et al., Appl. Phys Lett. 76 (2000) 3867
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにランプを用いて基板をアニールする方法では、ランプからの光をSiC基板上に導くために、回転楕円ミラーや石英製の導入ロッドといった大掛かりな機構が必要となり、反射による熱損失も大きく、大電力が必要で、アニール装置の複雑化を招いてしまう。
【0011】
また、レーザを用いてアニールする方法でも、レーザを基板に導くための機構が必要となって、アニール装置が複雑となり、大面積化は困難である。
【0012】
しかも、ランプ及びレーザのいずれを使用する場合でも、一回の処理で一枚の基板しかアニールできず、装置のスループットが悪い。
【0013】
本発明は係る従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、従来よりも単純な機構のアニール装置、及びこのアニール装置を用いたアニール方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、処理室と、前記処理室内に設けられた熱輻射体と、前記熱輻射体を加熱する加熱部と、前記熱輻射体にウエハを近づけるウエハ搬送機構と、を有し、前記ウエハ搬送機構が前記ウエハを前記熱輻射体に近づけることにより、前記熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされることを特徴とするアニール装置が提供される。
【0015】
このようなアニール装置によれば、熱輻射体からの輻射熱によりウエハをアニールするので、レーザやランプをウエハに照射してアニールを行う従来例と比較して、装置の機構を単純にすることができる。さらには、ステファン・ボルツマンの法則により、輻射体からの輻射エネルギーの放出がその輻射体の絶対温度の4乗に比例するので、アニール温度が高温であれば有るほど有利である。
【0016】
また、上記加熱部により熱輻射体を加熱した後、該加熱を止め、所定時間が経過したところでアニールを行うと、熱輻射体の温度分布が一様になるので、アニール時の温度分布がウエハの面内において一様になると期待される。
【0017】
更に、ウエハと対向する熱輻射体の主面を凹ませると、ウエハと熱輻射体との距離がウエハの周縁部で短くなり、ウエハ周辺部が受ける輻射熱が大きくなるので、外気に曝されることに起因するウエハ周辺部の温度低下を防止でき、ウエハ温度の面内均一性を高めることができる。
【0018】
このような利点は、ウエハに対向する複数の孔を熱輻射体の主面に形成しても得られる。
【0019】
この場合は、ウエハの中心に対向する部分で孔の密度を高めると、その部分における輻射熱が小さくなり、ウエハが中心部において温度が高くなるのが防止され、ウエハが全体として均一に加熱される。
【0020】
また、ウエハに対向する開口を上記熱輻射体の主面に一つだけ形成しても上記と同じ利点が得られる。
【0021】
更に、上記熱輻射体を間隔を置いて二つ設け、それらの間にウエハを搬送してアニールを行うと、二つの熱輻射体によってウエハがその表裏から加熱されるので、熱輻射体が一つしか無い場合よりも高い昇温レートとさらに高い均一性が得られる。
【0022】
しかも、上記熱輻射体を間隔を置いて三つ以上設け、熱輻射体のそれぞれの間に複数のウエハを一枚ずつ一括して挿入することにより、複数のウエハを一括して同時にアニールすることができるので、ウエハを一枚ずつアニールする従来例と比較して、装置のスループットを大幅に高めることができる。
【0023】
また、各熱輻射体の間に置かれるウエハは、アニールを開始してからある程度の時間が経つと各熱輻射体の温度に近づくので、例えウエハが赤外線に対して透明であっても、各熱輻射体のそれぞれにタングステン・レニュウム熱電対を設けて熱輻射体の温度を測定すれば、その測定値でウエハの温度を近似することができる。
【0024】
これに対し、ウエハに直に熱電対を設けてウエハの温度を測定することも考えられるが、この方法では、ウエハの熱が熱電対を通して外部に逃げてしまうので、ウエハ温度を上記のように正確に測ることとはできない。
【0025】
また、熱輻射体や加熱部の構成は特に限定されず、それらを一体的に構成してもよい。この場合は、第1電極と、この第1電極を囲って閉空間を画定する第2電極とで熱輻射体を構成し、その閉空間が減圧された状態で第1、第2電極に電力を供給して閉空間内で放電を発生させ、この放電で加熱された第2電極からの熱輻射によりウエハをアニールするのが好適である。これによれば、放電を利用して第2電極を加熱しているので、SiCウエハのアニールに必要な1000℃以上の温度を容易に得ることができる。
【0026】
更に、上記処理室内に熱吸収体を設け、その熱吸収体を冷却部により冷却し、アニールが終わった後のウエハをこの熱吸収体に近づけて冷却してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の側面図である。
【0029】
このアニール装置は、内部が減圧可能なチャンバ(処理室)1を有しており、そのチャンバ1内には、アーム2bの軸2aを中心に回転可能なウエハホルダ(ウエハ搬送機構)2が設けられる。そのウエハホルダ2は、高温のアニール雰囲気に耐える材料で構成され、例えばカーボンよりなる。また、SiCウエハWは、このウエハホルダ2に着脱可能となっており、ウエハホルダ2に把持されて軸2aを中心に鉛直面内を回転する。
【0030】
更に、ウエハホルダ2が通過する位置には、熱輻射体5と熱吸収体6とが離れて設けられ、それらは共にSiCウエハWと同じか、或いはSiCウエハWよりも若干大きな円形の平面形状を有している。
【0031】
図2の平面図に示すように、熱輻射体5には、その周囲から中心に向かってBN(窒化ボロン)管8が挿通されており、熱輻射体5の温度を直接測定するためのタングステン・レニュウム熱電対の接点部分10がこのBN管8の底に入れられ、接点部分10の電位差を測定するための配線9がBN管8から外部に引き出される。なお、特に明示はしないが、配線9は正極用と負極用との二本あり、そのそれぞれが、BN管8内で別々のBN細管に通されて互いに絶縁されている。
【0032】
図3は、図2のI−I線に沿う断面であり、これに示されるように、既述した熱輻射体5はSiCウエハWを挟むようにして二つ設けられ、各熱輻射体5の一方の主面側5aには、それらを所定の温度に加熱するための渦巻き状の黒鉛抵抗加熱ヒータ(加熱部)7が配置される。各熱輻射体5は、ヒータ7による加熱に耐えられるような高融点材料で構成されるのが好ましく、例えば、パイロテックコートカーボン(2500℃まで可能)や、窒化ボロン、Siを含浸させたSiC焼結体(1350℃まで可能)よりなり、その厚さは例えば12mm〜20mm程度である。
【0033】
また、各熱輻射体5の他方の主面5bは、該主面5bと平行に置かれたSiCウエハWをその表裏から熱輻射によって加熱する熱輻射面として機能する。そして、ウエハWの直径が2インチで熱輻射体5の直径が4インチの場合、各熱輻射面5b同士の間隔d1は、4〜60mm、好ましくは6mmとする。なお、SiCウエハではなく、直径が12インチのシリコンウエハを使用する場合は、熱輻射体5の直径を20〜24インチにすればよい。
【0034】
再び図1を参照する。図1に示されるように、チャンバ1の内部には、チャンバ1を三つに区切る第1〜第3断熱扉(断熱材)12〜14が設けられ、これらの扉によって区切られた部分に既述の熱輻射体5と熱吸収体6とが設けられる。各断熱扉12〜14によって、熱輻射体5からの熱が周囲に漏れるのが防止され、また、低温に保たれるべき熱吸収体6が熱輻射体5からの輻射熱や外部の熱によって加熱されるのが防止される。
【0035】
ウエハホルダ2が回転する際は、図1の紙面の垂直方向に各断熱扉12〜14が移動し、ウエハホルダ2と各断熱扉12〜14とが互いに干渉するのが防止される。
【0036】
次に、上記したアニール装置の動作について説明する。
【0037】
まず、オペレータは、チャンバ1に設けられた扉(不図示)を開け、図1に示される位置にあるウエハホルダ2にSiCウエハWをセットする。このSiCウエハWには、MOSトランジスタのソース・ドレイン領域(不図示)がイオン注入により既に形成されており、このイオン注入により基板が受けたダメージが以下のアニールによって回復されることになる。
【0038】
その後、チャンバ1の扉を閉め、チャンバ1内をAr等の常圧の不活性ガス雰囲気にする。このとき、熱輻射体5は、図3に示した黒鉛抵抗加熱ヒータ7に通電することにより、1250〜2000℃程度の所定の温度、例えば1250℃程度に既に維持されており、その温度は、既述のタングステン・レニュウム熱電対によってモニターされている。
【0039】
なお、後述するように、SiCウエハWのアニール温度は、SiCウエハWが熱輻射体5と熱平衡状態に達したときの温度であるため、熱輻射体5の設定温度は、SiCウエハWと熱平衡状態に達したときにSiCウエハWが所定のアニール温度になるような温度に設定する。そのような温度は、実験によって予め求めることができる。上では、説明を簡単にするため、熱輻射体5の設定温度をSiCウエハWのアニール温度と同じ1250℃に設定したが、実際にはこれより高い温度、例えば1300℃程度に設定されることに注意されたい。
【0040】
また、チャンバ1内を上記のように不活性ガス雰囲気にするのではなく、真空雰囲気としてもよい。但し、このように真空雰囲気にすると、SiCウエハWを構成するシリコンが抜け易くなるので、チャンバ1内は上記のように不活性ガス雰囲気(1万Pa〜大気圧)にするのが好ましい。
【0041】
次に、黒鉛抵抗加熱ヒータ7への通電を止め、所定時間、例えば1〜30秒経過して熱輻射体5の温度がその面内で略一定となったところで、図5に示すように、不図示のステッピングモータ等の駆動手段を用い、SiCウエハWが熱輻射体5に重なる位置までウエハホルダ2を回転させる。これにより、高温に保持されていた熱輻射体5からの熱輻射によってSiCウエハWがその表裏から急激に加熱され、SiCウエハWのRTAが開始される。
【0042】
このとき、SiCウエハWを急速に加熱するには、熱輻射体5として高い輻射率を有するものを採用し、熱輻射体5から熱が放出され易くするのが好ましい。黒鉛材は、0.7〜0.8と大きな輻射率を有するので、熱輻射体5として好適である。更に、輻射率の高い材料を熱輻射体5自身に使用するのではなく、輻射率の高い材料を熱輻射体5の表面にコートしても、上記と同じ利点を得ることができる。
【0043】
そして、RTAを所定時間、例えば30秒間行った後、RTAを停止するために、再びステッピングモータを駆動してウエハホルダ2を回転させ、図6に示すように、SiCウエハWを熱吸収体6に重ねる。これにより、高温のSiCウエハWからの熱輻射が熱吸収体6により吸収され、SiCウエハWが急速にクールダウンされる。このとき、熱吸収体6の表面にはに熱の吸収率を上げるために、高輻射率のコーティングがなされ、熱吸収体6に設けられた水冷管(冷却部)11(図4参照)には、常に20〜30℃程度の冷水が供給されており、熱吸収体6の温度上昇を防止している。
【0044】
また、次のウエハに対するRTAにそなえ、このクールダウンと平行して黒鉛抵抗加熱ヒータ7(図3参照)への通電を再び行い、熱輻射体5が再び1250℃程度に保持される。
【0045】
その後、SiCウエハWが100℃程度にまで冷却されたところで、再びウエハホルダ2を回転させ、SiCウエハWを図1に示す位置に戻し、上記した一連のRTAとクールダウンとを終了する。
【0046】
上記した実施形態によれば、予め加熱しておいた熱輻射体5にSiCウエハWを単に重ねることによりRTAを行うので、レーザやランプをウエハに照射してアニールを行う従来例と比較して、アニール装置の機構を単純にすることができる。
【0047】
しかも、SiCウエハWをアニールする前に、黒鉛抵抗加熱ヒータ7への通電を停止するので、通電の停止後に直ちに熱の拡散が起こり、熱輻射体5の温度分布が予め一定になる。その結果、熱輻射体5に温度斑が発生せず、アニール時の温度分布がSiCウエハWの面内において一様になると期待される。このような利点は、黒鉛抵抗加熱ヒータ7を使用する場合だけでなく、どのような形式のヒータを用いる場合にも得ることができる。
【0048】
また、渦巻き状カーボンヒータにSiCウエハWを直接載せてウエハを加熱する場合のように、ヒータとSiCウエハWとを接触させる場合は、ヒータに接触している部分のウエハのみが局所的に加熱されてウエハに大きな温度斑が発生し、最悪の場合SiCウエハが割れるという不都合が生じる。更に、この場合、ヒータ自身の熱容量が大きいため、SiCウエハWを加熱するのに大電力を投入する必要がある。例えば、2インチのSiCウエハ1枚を室温から1700℃に加熱するには、10kWの電力投入でも3〜5分もの通電が必要となり、アニール工程のコストが上昇してしまう。
【0049】
これに対し、上記によれば、黒鉛抵抗加熱ヒータ7をSiCウエハWから離してあるので、SiCウエハWが局所的に加熱されて割れることが無く、また、後述のシミュレーションのように、SiCウエハWを短い時間で急速に加熱することができる。
【0050】
しかも、熱輻射体5を間隔を置いて二つ設け、それらの間にSiCウエハWを搬送してアニールを行うようにしたので、二つの熱輻射体5によってSiCウエハWがその表裏から加熱され、熱輻射体が一つしか無い場合よりも遙かに均一で高い昇温レートが得られると共に、熱輻射体を温めるためのヒータは、待ち時間の間に時間をかけて昇温しておけば良いので、該ヒータへの電力投入は数kW程度でも十分である。
【0051】
ところで、SiCウエハWは赤外線に対して略透明であるため、パイロメータ(赤外線輻射温度計)を用いてSiCウエハWの温度を正確に測定することはできない。すなわち、パイロメータでSiCウエハWの温度を測定しようとすると、SiCウエハ自身の温度ではなく、熱輻射体5から輻射されてSiCウエハWを通過した赤外線に基づき、熱輻射体5の温度を測ってしまうことになる。
【0052】
そこで、本実施形態では、各熱輻射体5にタングステン・レニュウム熱電対を設けて各熱輻射体5の温度を測定し、その温度でウエハWの温度を近似するようにした。これによれば、各熱輻射体5の間に置かれるSiCウエハWが、ある程度の時間が経つと確実に計測中の熱電対の示す温度に漸近するので、パイロメータ単体でウエハを直接覗き込む場合よりもアニール時の基板温度を精度良く把握することができる。
【0053】
なお、熱電対をウエハに直に取り付けてウエハ温度を計測する方法も考えられるが、この方法では、ウエハの熱が熱電対を通って外部に漏れてしまうので、上記のようにウエハ温度を精度良く測ることはできない。
【0054】
ところで、上記では、SiCウエハWのアニールについて説明したが、現在の主流であるSiウエハにおいても、イオン注入は大変重要であり、当然のことながらアニールは最も重要な技術となっている。Siウエハの場合は12インチの大口径になり、一様なアニール処理は困難を極めている。しかし、Siウエハの場合は、SiCウエハとは異なり、熱輻射率もある程度分かっているので、本実施形態におけるシミュレーションを容易に行うことができる。
【0055】
図7は、このようなSiウエハを熱輻射体5に重ねてRTAを行ったときの基板温度の昇温カーブをコンピュータシミュレーションして得られたグラフである。
【0056】
このシミュレーションでは、Siウエハの直径を12インチ、厚さを0.6mm、両面の輻射率を0.7と設定すると共に、二つの熱輻射体5の間隔を6mm、黒鉛材で製作された各輻射体5の厚さを12mm、その輻射率を0.9に設定し、各輻射体5の初期温度を1300℃とした。なお、Siウエハの初期温度は30℃に設定した。また、図3において、▲で示される系列は熱輻射体5の中心における温度を示す。そして、■で示される系列は、Siウエハの中心における昇温カーブであり、◆で示される系列は、Siウエハの周縁における昇温カーブを示す。
【0057】
図7に示されるように、ウエハ中心での基板温度は、RTAを開始してから僅か30秒程度で1250℃程度に収束し、極めて高い昇温レートを実現できることが理解される。
【0058】
そして、図7のような昇温カーブを実験により実際に得ることにより、予め定められたSiウエハの収束温度を得るのに必要な熱輻射体5の初期温度を求めることができる。
【0059】
なお、図7において、ウエハ周縁部の温度がウエハ中心での温度より低いのは、ウエハ周縁部が温度の低い外気に曝されているためである。
【0060】
また、熱輻射体5の熱容量をウエハの熱容量よりも大きくすると、ウエハの温度が高温に速やかに収束するので、RTAの時間を短くすることができ、好ましい。
【0061】
一方、図8は、Siウエハを熱吸収体6に重ねてクールダウンを行ったときのSiウエハの降温カーブをシミュレーションして得られたグラフである。なお、このシミュレーションでは、Siウエハの初期温度を1000℃に設定すると共に、図7のシミュレーションにおける熱輻射体5の初期温度を30℃に設定して、熱輻射体5を熱吸収体6として扱って得られたものであり、温度以外のパラメータは図7で説明したのと同じである。
【0062】
図8に示されるように、クールダウン時の基板温度は、クールダウンを開始してから約600秒経過したところで100℃以下の温度に低下する。
【0063】
このように、本実施形態によれば、簡便な装置構成であるにも関わらず、SiCウエハやSiウエハのアニールに必要な極めて高い昇温レートが得られ、また、アニールによって加熱されたウエハを速やかにクールダウンすることができる。
【0064】
上記したSiウエハのシミュレーション結果が、現在早急な開発が求められているSiCウエハに応用できることは言うまでもない。即ち、SiCウエハの輻射率がいくら小さいとは言っても、完全にゼロではないので、本実施形態のように、2枚の熱輻射体5にSiCウエハWが挟まれている場合、片方の熱輻射体5から輻射された赤外線は、あたかも2枚の熱輻射体5を往復するようにしてSiCウエハWを通過し、小さな輻射率のSiCウエハWでも吸収され、SiCウエハWの温度がたちまち一対の熱輻射体5と同じ温度に到達出来ることになる。
【0065】
更に、ステファン・ボルツマンの法則により、輻射エネルギは熱輻射体の絶対温度の4乗に比例するので、例えSiCウエハWの輻射率が低いとしても、1250〜2000℃までの短時間昇温を容易に行うことができる。
【0066】
また、熱輻射体5を黒鉛材で構成すれば、2500℃程度もの高温でのアニールも可能となる。なお、熱輻射体5の表面をパイロテックグラファイトやSiCでコートしても、このような高温でのアニールを行うことができる。
【0067】
(第2実施形態)
第1実施形態では、SiCウエハWやSiウエハが一枚ずつRTAされる枚葉式のアニール装置について説明したが、本発明はこれに限られず、以下のようなバッチ式のアニール装置とすることもできる。
【0068】
図9は、本実施形態で使用される熱輻射体5の断面図である。これに示されるように、本実施形態では、熱輻射体5が間隔を置いて三つ以上設けられ、各熱輻射体5の間にウエハWが一枚ずつ一括して挿入される。
【0069】
このような構成にすることで、複数のウエハWを一括して同時にアニールすることができるので、ウエハを一枚ずつアニールする従来例と比較して、装置のスループットを大幅に高めることができる。
【0070】
なお、このように熱輻射体5を3つ以上設けたのに合わせて、図10に示すように、熱吸収体6も熱輻射体5と同じ数だけ設けても良い。
【0071】
(第3実施形態)
第1実施形態では、黒鉛抵抗加熱ヒータ7で加熱される熱輻射体5を使用したが、これに代えて、図11に示すような断面構造のヒータを熱輻射体として用いてもよい。
【0072】
そのヒータ20は、プレート21bの中心に配管21aを繋げてなる第1電極21と、該第1電極21を囲む第2電極24とを有する。これらのうち、プレート21bは円形の平面形状を有しており、その中心には、配管21aに連通する開口21cが形成される。
【0073】
また、各電極21、24は、BN等よりなる絶縁体22によって互いに接触するのが防止され、配管21aの終端には、各電極21、24間の気密性を保つためのゴム栓23が設けられる。
【0074】
使用に際しては、配管21aに接続された真空ポンプ(不図示)により各電極21、24間の閉空間Sを10〜1000Paの圧力に減圧する。そして、この状態で、直流電源25の負極と正極とをそれぞれ第1、第2電極21,24に接続することにより、各電極21、24間の閉空間Sでグロー放電を発生させる。なお、直流電源25の電圧は、例えは300〜1000V程度とする。
【0075】
このようなグロー放電により、閉空間S内に残留する大気(気体)が加熱され、これにより第2電極24の加熱面24aがアニールに必要な1250〜2000℃程度にまで加熱される。
【0076】
なお、このグロー放電を発生させ易くするために、仕事関数の小さな材料で第1電極21を構成し、第1電極21から閉空間Sに電子が放出され易くするのが好ましい。このように仕事関数が小さい材料としては、例えば、トリウム入りタングステン、酸化イットリウム焼結体、ランタンボライド結晶、及びカーボン等がある。或いは、酸化トリウム、カーボン、及び導電性セラミックの複合体も仕事関数が小さく、第1電極21の材料として好適である。
【0077】
一方、第2電極24としては、耐熱性の良い材料の上に緻密な膜をコーティングしたものが好ましい。そのような材料としては、黒鉛、タングステン、モリブデン、インコネル、及びステンレス等が挙げられる。また、これらの上にコーティングされる緻密な膜としては、黒鉛膜、SiC膜、窒化ボロン膜、窒化アルミニウム膜、及びアルミナ膜等が挙げられる。
【0078】
ところで、上記のグロー放電の際、負極となる第1電極21がスパッタされ、スパッタされた導電性材料が絶縁体22の表面に付着し、付着した導電性材料によって各電極21、24がショートする恐れがある。また、直流電源25に代えて交流電源を使用する場合は、第2電極24もスパッタされ、上記の不都合を招く恐れがある。
【0079】
そこで、本実施形態では、配管21aに沿って延長された延長部22aを絶縁体22に設け、更にこの延長部22aに凹凸を形成する。これにより、配管21aの表面から第2電極24の内面に至る絶縁体22の表面に沿った経路が放電空間からみて陰になるので、スパッタされた導電性材料に起因する各電極21、24同士のショートを防止することができる。
【0080】
本実施形態では、上記のようなヒータ20を二つ用意し、それらの加熱面24aを対向させて各ヒータ20を加熱する。そして、加熱面24aの温度が1250〜2000℃程度になるまで各ヒータ20を加熱し、その後直流電源25を切る。そして、加熱面24aの面内温度分布が均一なったところで各加熱面24aの間にSiCウエハWを挿入し、加熱面24aからの輻射熱によるSiCウエハWのRTAを行う。
【0081】
このようにしても、第1実施形態で説明したのと同様の効果が奏される。また、上記したヒータ20は、グロー放電を利用しているため、1000〜2000℃の温度を得るのが容易であり、SiCウエハWのRTAに特に有用である。
【0082】
なお、上記では、直流電源25を使用したが、これに代えて交流電源を使用してもよい。
【0083】
(第4実施形態)
図7に示したシミュレーション結果のように、ウエハの周縁部は、外気に曝されることによって中心部よりも温度が低くなる傾向にある。本実施形態は、このようなウエハの温度の不均一性を補正するのに有用である。
【0084】
図12は、本実施形態で使用される熱輻射体5の断面図である。同図に示されるように、この熱輻射体5は、ウエハWに対向する凹んだ主面5eを有する。このようにすると、ウエハWの周縁部分が中央部分よりも熱輻射体5に近づくので、周縁部分が熱輻射体5から受ける赤外線の量が多くなる。その結果、外気に曝されることに起因する周縁部の温度低下が、熱輻射体5からの赤外線に起因する温度上昇によって相殺され、ウエハWの温度分布を面内で一様にすることができる。
【0085】
(第5実施形態)
第4実施形態と同様に、本実施形態も、ウエハ温度の不均一性を補正するのに有用である。
【0086】
図13は、本実施形態で使用される熱輻射体5の平面図であり、図14は、図13のII−II線に沿う断面図である。
【0087】
これらの図に示されるように、本実施形態では、熱輻射体5の主面に複数の孔5cを設け、その孔の密度を熱輻射体5の中央で高くする。
【0088】
このようにすると、熱輻射体5が発する赤外線の量がその中央部で低下するので、ウエハWの中央部の温度上昇が周縁部と比較して抑制され、ウエハWを全体として均一に加熱することができる。
【0089】
(第6実施形態)
第4、第5実施形態と同様に、本実施形態も、ウエハ温度の不均一性を補正するのに有用である。
【0090】
図15は、本実施形態で使用される熱輻射体5の平面図であり、図16は、図15のIII−III線に沿う断面図である。
【0091】
これらの図に示されるように、本実施形態では、熱輻射体5の主面のうち、ウエハWの中心に対向する部分に開口5dを一つだけ設ける。
【0092】
このようにすると、第5実施形態と同様に、熱輻射体5が発する赤外線の量がその中央部で低下するので、ウエハWを均一に加熱することができる。
【0093】
(第7実施形態)
図17は、本実施形態に係るアニール装置の構成図である。
【0094】
同図示されるように、このアニール装置は、内部を減圧したり不活性雰囲気にすることができるチャンバ(処理室)30を有する。そのチャンバ30は、加熱領域A、処理領域B、冷却領域C、及び退避領域Dに大別される。
【0095】
これらのうち、加熱領域Aは、連結棒33で互いに連結された複数の熱輻射体5を収容するだけの大きさを有しており、その周囲には、高周波電源32に接続された高周波コイル(加熱部)31が巻かれている。
【0096】
また、冷却領域Cは、連結棒35で互いに連結された熱吸収体6を収容するだけの大きさを有し、その周囲には、水冷管(不図示)によって常に冷却された状態にある水冷板(冷却部)36が設けられる。
【0097】
一方、退避領域Dは、複数の円環状の台34aが連結棒34bによって互いに連結された円環状のサセプター(ウエハ搬送機構)34を収容するだけの大きさを有し、それぞれの台34aには、ウエハWが一枚ずつ載置される。そのウエハWは、SiCウエハでもよいし、Siウエハであってもよい。
【0098】
このアニール装置は、次のように動作する。
【0099】
まず、退避領域Dにある扉(不図示)をオペレータが開け、サセプター34の台34a上にウエハWを載置する。その後、退避領域Dの扉を閉め、チャンバ1内をAr等の不活性ガス雰囲気にする。
【0100】
そして、高周波電源32からコイル31への通電を開始し、熱輻射体5を高周波誘導加熱により加熱する。その後、アニールに必要な温度、例えば1250〜2000℃の温度に熱輻射体5が加熱されたところでコイル31への通電を停止し、不図示のエレベータ等を使用して、熱輻射体5を処理領域Bに移動させる。
【0101】
次いで、退避領域Dに退避されていたサセプター34を処理領域Bに移動させることにより、台34a上に載置されているウエハWを熱輻射体5の間に挿入する。サセプター34の移動には、例えばスライド移動機等が使用される。これにより、各ウエハWは、熱輻射体5からの輻射熱によってその表裏から加熱され、ウエハWのRTAが開始される。
【0102】
そして、所定のアニール時間、例えば30秒が経過した後、処理領域Bにあるサセプター34を再び退避領域Dに退避させ、RTAを停止する。
【0103】
次いで、処理領域Bにある熱輻射体5を加熱領域Aに戻すと共に、高周波電源32からコイル31への通電を行い、次回のアニールに備えて各熱輻射体5を再び加熱する。
【0104】
続いて、冷却領域Cにおいて冷却されていた熱吸収体6を処理領域Bに移動させた後、サセプター34を処理領域Bに移動させ、各熱吸収体6の間にウエハWを挿入する。なお、熱吸収体6の移動には、エレベータ等が使用される。
【0105】
これにより、高温に加熱されているウエハWからの輻射熱が熱吸収体6によって吸収され、ウエハWがクールダウンされる。
【0106】
次に、ウエハWの温度が100℃程度に下がったところでサセプター34を再び退避領域Dに退避させた後、熱輻射体6を冷却領域Cに戻し、次のクールダウンに備えて各熱輻射体6を冷却する。
【0107】
以上により、一連のRTAとクールダウンとが終了する。
【0108】
上記した実施形態によれば、熱輻射体5からの熱輻射を利用してウエハWをアニールしているので、第1実施形態と同様の利点を得ることができる。
【0109】
以下に、本発明の特徴を付記する。
【0110】
(付記1) 処理室と、
前記処理室内に設けられた熱輻射体と、
前記熱輻射体を加熱する加熱部と、
前記熱輻射体にウエハを近づけるウエハ搬送機構と、
を有し、
前記ウエハ搬送機構が前記ウエハを前記熱輻射体に近づけることにより、前記熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされることを特徴とするアニール装置。
【0111】
(付記2) 前記加熱部により前記熱輻射体を加熱した後、該加熱を止め、所定時間が経過したところで前記アニールを行うことを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0112】
(付記3) 前記所定時間は、1〜30秒であることを特徴とする付記2に記載のアニール装置。
【0113】
(付記4) 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する凹んだ主面を有することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0114】
(付記5) 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する主面を有すると共に、前記ウエハに対向する複数の孔を前記主面に有することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0115】
(付記6) 前記孔は、前記ウエハの中心に対向する部分で密度が高くなることを特徴とする付記5に記載のアニール装置。
【0116】
(付記7) 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する主面を有すると共に、前記ウエハの中心に対向する開口を前記主面に一つ有することを特徴とる付記1に記載のアニール装置。
【0117】
(付記8) 前記熱輻射体は、互いに間隔を置いて二つ設けられ、前記ウエハ搬送機構は、前記二つの熱輻射体の間に前記ウエハを搬送することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0118】
(付記9) 前記熱輻射体の温度を測定するタングステン・レニュウム熱電対が前記熱輻射体の各々に設けられたことを特徴とする付記8に記載のアニール装置。
【0119】
(付記10) 前記熱輻射体は、前記ウエハの主面に対向する熱輻射面を有し、前記熱輻射面からの熱輻射により、前記ウエハの表面と裏面が加熱されることを特徴とする付記8に記載のアニール装置。
【0120】
(付記11) 前記熱輻射面は、前記ウエハの主面に平行であることを特徴とする付記10に記載のアニール装置。
【0121】
(付記12) 前記二つ熱輻射体の熱輻射面同士の間隔は、4mm以上60mm以下であることを特徴とする付記11に記載のアニール装置。
【0122】
(付記13) 前記熱輻射体は、互いに間隔を置いて三つ以上設けられ、前記ウエハ搬送機構は、複数のウエハを把持し、前記熱輻射体のそれぞれの間にウエハを一枚ずつ一括して挿入することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0123】
(付記14) 前記熱輻射体は、Siを含浸させたSiC焼結体よりなることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0124】
(付記15) 前記熱輻射体の熱容量は前記ウエハの熱容量よりも大きいことを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0125】
(付記16) 前記加熱部は、黒鉛抵抗加熱ヒータであることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0126】
(付記17) 前記熱輻射体は、前記加熱部とともに一体的に構成され、第1電極と、前記第1電極を囲って閉空間を画定する第2電極とを有し、
前記閉空間が減圧された状態で前記第1電極と前記第2電極とに電力を供給して前記閉空間内で放電を発生させ、
前記放電で加熱された前記第2電極の熱輻射により前記ウエハをアニールすることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0127】
(付記18) 前記加熱部は、前記熱輻射体の周囲に巻かれて高周波電力が供給されるコイルであることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0128】
(付記19) 前記ウエハはSiCウエハであることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0129】
(付記20) 前記SiCウエハは、1250〜2000℃の基板温度でアニールされることを特徴とする付記19に記載のアニール装置。
【0130】
(付記21) 前記アニールは、RTA(Rapid Thermal Annealing)であることを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0131】
(付記22) 前記処理室内に設けられた熱吸収体と、
前記熱吸収体を冷却する冷却部と、
を更に有し、前記ウエハ搬送機構は、前記ウエハをアニールした後に、前記ウエハを前記熱吸収体に近づけ、前記ウエハを冷却することを特徴とする付記1に記載のアニール装置。
【0132】
(付記23) 前記熱吸収体は、互いに間隔を置いて二つ設けられ、前記ウエハ搬送機構は、隣接する前記二つの熱吸収体の間に前記ウエハを搬送することを特徴とする付記22に記載のアニール装置。
【0133】
(付記24) 前記熱吸収体は、互いに間隔を置いて三つ以上設けられ、前記ウエハ搬送機構は、複数のウエハを把持し、前記熱吸収体のそれぞれの間にウエハを一枚ずつ一括して挿入することを特徴とする付記22に記載のアニール装置。
【0134】
(付記25) 処理室と、
ウエハを把持して前記処理室内を回転するウエハ搬送機構と、
前記処理室内において前記ウエハが通る位置に配された熱輻射体と、
前記処理室内において前記ウエハが通る位置に前記熱輻射体から離れて配された熱吸収体と、
を有し、
前記ウエハをアニールするときに、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記熱輻射体に重ねられ、該熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされ、
前記ウエハを冷却するときに、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記熱吸収体に重ねられ、前記ウエハからの輻射熱が該熱吸収体によって吸収されて前記ウエハが冷却されることを特徴とするアニール装置。
【0135】
(付記26) 前記ウエハは、前記ウエハ搬送機構により鉛直面内を回転することを特徴とする付記25に記載のアニール装置。
【0136】
(付記27) 少なくとも加熱領域、冷却領域、処理領域、及び退避領域を有する処理室と、
前記加熱領域に納められた熱輻射体と、
前記加熱領域の周囲に巻かれ、高周波誘導加熱により前記熱輻射体を加熱するコイルと、
前記冷却領域に納められた熱吸収体と、
前記退避領域と前記処理領域との間でウエハを移動させるウエハ搬送機構と、
を有し、
前記ウエハのアニールを行うときに、前記熱輻射体が前記処理領域に移動すると共に、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記処理領域に移動して前記熱輻射体に近づき、前記熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされ、
前記ウエハを冷却するときに、前記熱吸収体が前記処理領域に移動すると共に、前記ウエハ搬送機構によって前記ウエハが前記処理領域に移動して前記熱吸収体に近づき、前記ウエハからの輻射熱が前記熱吸収体によって吸収され、前記ウエハが冷却されることを特徴とするアニール装置。
【0137】
(付記28) 熱輻射体を加熱する工程と、
前記加熱された熱輻射体の熱輻射面にウエハの主面を対向させて前記ウエハをアニールする工程と、
を有することを特徴とするアニール方法。
【0138】
(付記29) 前記熱輻射体を加熱した後、所定時間が経過したところで、前記アニールを行うことを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0139】
(付記30) 前記熱輻射体を間隔を置いて二つ設け、該二つの熱輻射体の間に前記ウエハを挿入することにより前記アニールを行うことを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0140】
(付記31) 前記熱輻射体を間隔をおいて三つ以上設け、前記熱輻射体のそれぞれの間に前記ウエハを一枚ずつ挿入し、複数のウエハを一括してアニールすることを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0141】
(付記32) 前記アニールを行った後、前記ウエハを熱吸収体に近づけて冷却することを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0142】
(付記33) 前記ウエハとしてSiCウエハを使用することを特徴とする付記28に記載のアニール方法。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱輻射体からの輻射熱によりウエハをアニールするので、レーザやランプをウエハに照射してアニールを行う従来例と比較して、装置の機構を単純にすることができる。
【0144】
また、熱輻射体の温度分布が一様になったところでアニールを行うので、アニール時におけるウエハの温度分布を面内で一様にすることができる。
【0145】
更に、二つの熱輻射体の間にウエハを搬送し、各輻射体からの輻射熱によりアニールを行うことで、ウエハが表裏から加熱され、熱輻射体が一つしか無い場合よりも高い昇温レートが得られる。
【0146】
また、三つの熱輻射体のそれぞれの間に複数のウエハを一枚ずつ一括して挿入することにより、複数のウエハが一括してアニールされるので、従来よりも装置のスループットが高められる。
【0147】
しかも、タングステン・レニュウム熱電対を熱輻射体に設け、該熱伝対により熱輻射体の温度を測定することによりアニール時のSiCウエハの温度を管理するので、SiCウエハに直に熱電対を設ける場合よりもウエハの温度管理が正確になる。
【0148】
そして、第1電極と、この第1電極を囲って閉空間を画定する第2電極とで熱輻射体を構成し、その閉空間に放電を発生させて第2電極を過熱することにより、SiCウエハのアニールに必要な1000℃以上の高温を容易に作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の側面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態で使用される熱輻射体の平面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態で使用される熱吸収体の断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の動作について示す側面図(その1)である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係るアニール装置の動作について示す側面図(その2)である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態において、Siウエハの昇温カーブをシミュレーションして得られたグラフである。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態において、Siウエハの降温カーブをシミュレーションして得られたグラフである。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態で使用される熱吸収体の断面図である。
【図11】図11は、本発明の第3の実施の形態で使用されるヒータの断面図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図13】図13は、本発明の第5の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図14】図14は、本発明の第5の実施の形態で使用される熱輻射体の平面図である。
【図15】図15は、本発明の第6の実施の形態で使用される熱輻射体の平面図である。
【図16】図16は、本発明の第6の実施の形態で使用される熱輻射体の断面図である。
【図17】図17は、本発明の第7の実施の形態に係るアニール装置の構成図である。
【符号の説明】
1、30…チャンバ、2…ウエハホルダ、2a…軸、2b…アーム、5…熱輻射体、5c…孔、5d…開口、6…熱吸収体、7…黒鉛抵抗加熱ヒータ、8…BN管、9…配線、10…接点部分、11…水冷管、12…第1断熱扉、13…第2断熱扉、14…第3断熱扉、20…ヒータ、21…第1電極、21a…配管、21b…プレート、21c…開口、22…絶縁体、22a…延長部、23…ゴム栓、24…第2電極、25…直流電源、31…高周波コイル、32…高周波電源、33、35連結棒、34…サセプター、34a…台、34b…連結棒、36…水冷板、W…SiCウエハ。
Claims (16)
- 処理室と、
前記処理室内に設けられた熱輻射体と、
前記熱輻射体を加熱する加熱部と、
前記熱輻射体にウエハを近づけるウエハ搬送機構と、
を有し、
前記ウエハ搬送機構が前記ウエハを前記熱輻射体に近づけることにより、前記熱輻射体からの輻射熱によって前記ウエハが所定温度でアニールされることを特徴とするアニール装置。 - 前記加熱部により前記熱輻射体を加熱した後、該加熱を止め、所定時間が経過したところで前記アニールを行うことを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する凹んだ主面を有することを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する主面を有すると共に、前記ウエハに対向する複数の孔を前記主面に有することを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記孔は、前記ウエハの中心に対向する部分で密度が高くなることを特徴とする請求項4に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体は、前記ウエハに対向する主面を有すると共に、前記ウエハの中心に対向する開口を前記主面に一つ有することを特徴とる請求項1に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体は、互いに間隔を置いて二つ設けられ、前記ウエハ搬送機構は、前記二つの熱輻射体の間に前記ウエハを搬送することを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体の温度を測定するタングステン・レニュウム熱電対が前記熱輻射体の各々に設けられたことを特徴とする請求項7に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体は、互いに間隔を置いて三つ以上設けられ、前記ウエハ搬送機構は、複数のウエハを把持し、前記熱輻射体のそれぞれの間にウエハを一枚ずつ一括して挿入することを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体の熱容量は前記ウエハの熱容量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記熱輻射体は、前記加熱部とともに一体的に構成され、第1電極と、前記第1電極を囲って閉空間を画定する第2電極とを有し、
前記閉空間が減圧された状態で前記第1電極と前記第2電極とに電力を供給して前記閉空間内で放電を発生させ、
前記放電で加熱された前記第2電極の熱輻射により前記ウエハをアニールすることを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。 - 前記ウエハはSiCウエハであることを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記SiCウエハは、1250〜2000℃の基板温度でアニールされることを特徴とする請求項12に記載のアニール装置。
- 前記アニールは、RTA(Rapid Thermal Annealing)であることを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。
- 前記処理室内に設けられた熱吸収体と、
前記熱吸収体を冷却する冷却部と、
を更に有し、前記ウエハ搬送機構は、前記ウエハをアニールした後に、前記ウエハを前記熱吸収体に近づけ、前記ウエハを冷却することを特徴とする請求項1に記載のアニール装置。 - 熱輻射体を加熱する工程と、
前記加熱された熱輻射体の熱輻射面にウエハの主面を対向させて前記ウエハをアニールする工程と、
を有することを特徴とするアニール方法。
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