JP2005017193A - レーダ装置と距離と反射率の測定方法 - Google Patents

レーダ装置と距離と反射率の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】至近距離を測定可能なレーダ装置を提供する。
【解決手段】本発明のレーダ装置は、ドップラ方式のレーダ装置の形態において、送信出力と受信出力を検波して第1検波出力を生成する第1検波回路と、送信出力と受信出力を検波して第2検波出力を生成する第2検波回路とを有することを特徴とする。第1検波回路を検波される送信出力と受信出力との位相差と、第2検波回路を検波される送信出力と受信出力との位相差において、両者の差が1/4周期とすることで、第1検波出力と第2検波出力の両者によって、至近距離に存在するターゲットの距離と種別が認識できる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は距離を測定する技術に関する。詳しくは、電波を用いて至近距離(0〜数十cm程度)に位置しているターゲットまでの距離を測定することができる技術に関する。
本発明はまたターゲットの電波反射率を測定する技術にも関する。電波反射率からターゲットを構成する物質の種類が明らかになる。
【0002】
【従来の技術】電波を用いてターゲットまでの距離を測定するレーダ技術では、FM−CW方式やパルス方式が開発されている。FM−CW方式では、周波数変調された送信出力とターゲットで反射して受信した信号を比較し、送信出力と受信出力の周波数の差からターゲットまでの距離を測定する。パルス方式では、送信したパルス波とターゲットで反射して受信したパルス波を比較し、送信パルス波に対する受信パルス波の遅れ時間からターゲットまでの距離を測定する。
ターゲットが至近距離に位置していると、FM−CW方式では、送信出力に対する受信出力の遅れ時間が短くなり、送信出力と受信出力の周波数が略一致してしまう。ノイズ対策などを施しても有意な周波数差を識別することは難しく、至近距離の測定は極めて困難である。
ターゲットが至近距離に位置していると、パルス方式では、送信パルス波に対する受信パルス波の遅れ時間が短くなり、送信パルス波と受信パルス波が重複してしまう。そのため、送信出力を直接的に受信する、いわゆる漏れ波形などのノイズと受信パルス波を識別することは難しく、至近距離の測定は極めて困難である。
また、FM−CW方式のレーダやパルス方式のレーダは、回路構成が複雑で高価である。
【0003】
ドップラ効果を利用するレーダ装置が知られている。ドップラ方式のレーダ装置は、正弦波電波をターゲットに向けて送信する送信アンテナと、ターゲットで反射した電波を受信する受信アンテナと、送信アンテナの送信出力と受信アンテナの受信出力を乗算する検波回路を利用する。回路構成が比較的簡単である。検波回路からは、ドップラ効果に伴う振動が出力され、その振動の周波数からターゲットの移動速度を測定することができる。ドップラ効果を利用するため、静止又は低速で移動しているターゲットの測定には利用できないという問題がある。
【0004】
特許文献1には、ドップラ式のレーダ装置によって、人体が近距離内に存在しているか否かを判定する人体検知装置が開示されている。この装置では、正弦波電波をターゲットに向けて送信する送信アンテナと、ターゲットで反射した電波を受信する受信アンテナと、送信アンテナの送信出力と受信アンテナの受信出力を乗算する検波回路を利用する。そして人体が接近する前の検波回路の出力と、現に観測されている検波回路の出力をソフトウエアを利用して解析し、人体の有無を判定する。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−277558
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ドップラ式のレーダ装置の場合、受信アンテナの受信出力は、ターゲットまでの距離に依存して周期的に変動し、ターゲットまでの距離を測定することが難しい。特許文献1の技術でも、人体が近距離内に存在しているか否かを判定するに留まっており、人体までの距離を測定することはできない。また、受信アンテナの受信出力がゼロとなる距離で人体が静止していると、受信出力がゼロとなり、人体が存在していない場合と判断することができない。特許文献1の技術では、人体が長時間に亘って静止していることはないとして誤判定を防ぐロジックを採用して言うが、このロジックは長時間に亘って静止していることがある物体に対しては使えない。
本発明の1つの課題は、物体や人体等のターゲットまでの距離を測定することができるレーダ技術を提供することである。
本発明の他の1つの課題は、受信アンテナの受信出力がゼロとなる距離でターゲットが静止していても、ターゲットが存在していないとする結果を誤出力することにないレーダ技術を提供することである。
本発明のさらに他の1つの課題は、至近距離に存在するターゲットの電波反射率を測定することができるレーダ技術を提供することである。これができれば、ターゲットの電波反射率からターゲットが人体であるのか木材であるのか金属であるのか等を識別することが可能となる。
なお上記の課題は、それぞれに未解決な課題であり、本発明によって解決された課題である。本発明の目的は、上記課題の全部を解決することに限られるものではなく、うちの1つの課題を解決することができれば発明の目的が達成されたものと解釈されるべきものである。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明で創作されたレーダ装置は、正弦波電波をターゲットに向けて送信する送信アンテナと、ターゲットで反射した電波を受信する受信アンテナと、送信アンテナの送信出力と受信アンテナの受信出力を乗算する第1検波回路と、送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらすシフト手段と、シフト手段で位相がずらされた一方の出力と位相がずらされない他方の出力を乗算する第2検波回路を備えていることを特徴とする。
【0008】
このレーダ装置では、ターゲットに正弦波電波を送信し、ターゲットで反射した電波を受信し、第1検波回路で送信出力と受信出力を乗算する。乗算値は、ターゲットまでの距離によって周期的に変動する。
使用する電波の波長λとし、レーダ装置からターゲットまでの距離をLとし、第1検波回路の出力から高周波成分を除去した電圧(上記乗算値から高周波成分を除去した値に等しい)をVとし、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合をAとすると、詳しくは後記する説明から明らかに、
V=Acos(4πL/λ) ・・・(A)
となる。上記(A)式は、従来のドップラーレーダが用いる式であり、ターゲットが時刻tに距離Lにあって速度vで移動しているとすれば、
L=v(t−t)+L ・・・(B)
式で表されることから(A)式は、
V=Acos[4π{v(t−t)+L}/λ] ・・・(C)
となる。(C)式から、検波出力Vの振動周期からターゲットの移動速度vを測定できることがわかる。これに対してターゲットまでの距離Lを測定する場合には、(A)式を用いる必要があるが、第1には送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合Aが未知であって、ターゲットまでの距離Lを計算することができないという問題がある。第2に(4πL/λ)=π/2、3π/2、5π/2等が成立する距離では、ターゲットが存在しているのにもかかわらず、検波出力Vがゼロになってしまい、ターゲットが存在していない場合と区別することができない。
【0009】
本発明では、送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらすシフト手段と、シフト手段で位相がずらされた一方の出力と位相がずらされない他方の出力を乗算する第2検波回路を利用することによって、上記の問題、即ち、ターゲットまでの距離Lを計算することができないという問題を解決し、ターゲットが存在しているのにもかかわらずターゲットが存在していない場合と区別することができないという問題を解決し、ターゲットの電波反射率に依存して変化する送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合Aを計算できるようにするという課題を実現する。これらは、いずれも本発明で達成されものであり、いずれか1つの目的を達成するために本発明を実施することができる。
本発明のレーダ装置の場合、詳しくは後記するが、第1検波回路の出力から高周波成分を除去した電圧Vは(A)式に従って、V=Acos(4πL/λ)となるのに対し、第2検波回路の出力から高周波成分を除去した電圧をUとすると、
U=−Asin(4πL/λ) ・・・(D)
となる。
第1検波信号Vと第2検波信号Uの、ターゲットまでの距離Lに対する変化を図2に示す。図2(A)のグラフは、横軸が波長λに対するターゲットまでの距離Lの比を示し、縦軸が検波信号の値を示している。図2(A)のグラフで、第1検波信号Vの変化は曲線7aで示され、第2検波信号Uの変化は曲線8aで示されている。第1検波信号Vを単独で用いると、第1検波信号の出力値からターゲットまでの距離Lを一義に測定することができない。第2検波信号Uを単独で用いた場合も同様である。図2(A)に示すように、第1検波信号Vの値と第2検波信号Uの値の組み合わせは、ターゲットまでの距離Lによって一義に決まる。本願発明のレーダ装置は、ターゲットまでの距離Lを一義に決定するのに必要充分な第1検波信号Vの値と第2検波信号Uの値の両者を提供する。本願発明のレーダ装置によると、ターゲットまでの距離Lを一義に測定することが可能となる。
第1検波信号と第2検波信号の振幅A(これは送信出力の強度を規格化しておけば、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合に等しくなる)は、ターゲットまでの距離Lとターゲットの電波反射率によって決まる。第1検波信号Vと第2検波信号Uの値から、振幅Aの大きさを計算できる。本願発明のレーダ装置は、振幅Aの大きさを決定するのに必要充分な第1検波信号Vの値と第2検波信号Uの値の両者を提供する。距離Lに対する振幅Aの大きさを計算することで、ターゲットの電波反射率を知ることができる。ターゲットの電波反射率を知ることができれば、ターゲットの物質種別を認識することができる。
ターゲットまでの距離Lが近いほど第1検波信号Vと第2検波信号Uの振幅Aは大きいため、本願発明に係るレーダ装置は、ターゲットまでの距離Lが略ゼロからL=λ/2までの至近距離内の測定を好適に実施することができる。
【0010】
図1(A)は、従来のドップラ方式のレーダ装置10でターゲット1までの距離Lを測定する原理を示す。ターゲット1は、静止していてもよいし移動していてもよい。レーダ装置10は、正弦波送信出力を発振する発振手段11と、正弦波送信出力から得られた正弦波電波をターゲット1に向けて送信する送信アンテナ12と、ターゲット1で反射した電波を受信する受信アンテナ13と、検波回路15を有している。検波回路15は、送信アンテナ12が送信した送信出力と受信アンテナ13が受信した受信出力を乗算するミクサ15aと、ミクサ15aの出力信号から高周波成分を除去するローパスフィルタ15bを備えている。
図1(B)のグラフは、縦軸がレーダ装置10からターゲット1の方向への距離Lを示し、横軸が時刻を示している。曲線2は、ターゲット1までの距離Lの時間変化を示している。時刻t1にレーダ装置10から送信された電波3は、時刻t2に距離L2に位置するターゲット1で反射され(図1(B)の点P)、時刻t3に受信される。このとき、図1(B)の直線4は時刻t1で送信された電波3の進行位置の時間変化を示し、直線6は時刻t2にターゲットで反射された電波5の進行位置の時間変化を示す。電波の速度をc(cは光速である)とすると、横軸と直線4がなす角度θは、
θ=arctan(c)である。
また、直線6と横軸がなす角度もθとなる。以下では、甲と乙がなす角度と表現したとき、甲から反時計周りに乙に至る角度を示す。
【0011】
時刻t3における検波回路15の出力電圧は、時刻t3で送信する送信出力と時刻t3で受信する受信出力を処理したものとなる。時刻t3で受信する受信出力は、時刻t1に送信された電波がターゲット1で反射したものである。ミクサ15aからの出力電圧Mは、電波の周波数をfとすると、
Figure 2005017193
となる。なお出力電圧Mの振幅については、後記するので、ここでは扱わない。時間(t3−t1)は、時刻t1に電波が送信されてから、時刻t2に距離L2に位置していたターゲット1で反射されて、時刻t3に受信されるまでの時間である。即ち、
(t3−t1)=2・L2/c
となる。また、時間(t2−t1)は、時刻t1に電波が送信されてから、時刻t2に距離L2に位置するターゲット1で反射されるまでの時間である。また、時間(t3−t2)は、時刻t2に距離L2に位置するターゲット1で反射されてから時刻t3に受信されるまでの時間である。両者とも、電波は距離L2を進むことになるので、時間(t2−t1)と時間(t3−t2)は等しく、
(t2−t1)=(t3−t2)=L2/c
となり、
(t3+t1)=2・t3−2・L2/c
となる。従って、ミクサ15aからの出力電圧Mは、
Figure 2005017193
となる。
【0012】
ここで、時刻t2におけるターゲット1までの距離L2と時刻t3におけるターゲット1までの距離L3の差をΔL23とすると、
L3=L2+ΔL23=L2・(1+ΔL23/L2)
である。ΔL23は、反射された電波5が距離L2を進む時間に、ターゲット1が位置を変更した距離である。本願発明は至近距離のターゲットを測定するレーダ装置に関するものであるため、ΔL23は極めて微小である。例えば、L2=1mとし、ターゲットが音速で移動していたとしても、ΔL23=1μmである。したがって、1+ΔL23/L2=1と近似する。よって、L2=L3である。
上記した時刻t3における検波Mは、時刻t3に限らず一般的な時刻tについて成り立つので、時刻tにおけるターゲット1までの距離をLとすると、
Figure 2005017193
となる。
上式において、第2項は振動数2fの高い周波数で振動する項であり、ローパスフィルタ回路15bによって除去することができる。また、上記では送信出力と受信出力の振幅について詳しく記述していないが、検波後の振幅Aはターゲット1の電波反射率とターゲット1までの距離Lなどによって変化することが一般に知られている。従って、検波回路15によって得られる検波信号は、
V=Acos(4πLf/c)又は、
V=Acos(4πL/λ))と表される。
これが前記した(A)式である。
【0013】
本願発明に係るレーダ装置では、第2検波回路が検波する送信出力と受信出力の位相差が、第1検波回路が検波する送信出力と受信出力の位相差から、1/4周期の差分を持つようにする。そのために、第2検波回路が入力する送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期だけシフトさせる。即ち、第2検波回路が検波する送信出力と受信出力は、一方が第1検波回路のそれと同一位相であり、他方が1/4周期の位相差を持つ。
【0014】
第2検波回路は、時刻t3に送信する送信出力と、時刻t3’に受信する受信出力を検波する。時刻t3’は時刻t3に対して、1/(4・f)だけシフトした時刻である。時刻t3’に受信した電波が送信アンテナからターゲットに送信された時刻をt1’とすると、時刻t1’は時刻t1に対して、1/(4・f)だけシフトした時刻である。即ち、第2検波回路は、時刻t3の送信出力と時刻t1’の送信出力を検波する。第2検波回路の出力電圧M2は、
Figure 2005017193
となる。なお出力電圧M2の振幅については後記するので、ここでは扱わない。ここで、
t3−t1’=t3−t1+1/(4・f)
即ち、
t3−t1’=2L/c+1/(4・f)
が成立する。
第1検波出力と同様に、第2検波出力M2の第2項の高周波成分は除去され、第2検波出力Uは、
Figure 2005017193
となる。これが前記した(D)式である。
【0015】
前記から明らかに、本発明で重要なことは、第1検波回路の送信出力と受信出力の位相差に対して、第2検波回路の送信出力と受信出力の位相差を1/4周期ずらすことであり、送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらすのは、そのための一手法にすぎないことである。より一般的にいえば、送信アンテナと第1検波回路間、受信アンテナと第1検波回路間、送信アンテナと第2検波回路間、受信アンテナと第2検波回路間の少なくとも一箇所に、第1検波回路の送信出力と受信出力の位相差に対して、第2検波回路の送信出力と受信出力の位相差を1/4周期ずらすシフト手段が設けられていれば、本発明の目的を得ることができる。
例えば、第2検波回路を検波する受信出力と送信出力の両者の位相を変化させてもよい。第1検波回路が、時刻t3の送信出力と時刻t3の受信出力を検波するものとする。即ち、時刻t3の送信出力と時刻t1の送信出力を検波するものとする。このとき、第2検波回路が時刻t3’の送信出力と時刻t1’の送信出力を検波するものとする。ここで、
t3−t1=t3’−t1’±1/(4f)+k/f
であるものとする。ここで、kは整数であり、fは電波の周波数である。
上記の式は、第1検波回路の送信出力と受信出力の位相差に対して、第2検波回路の送信出力と受信出力の位相差を1/4周期ずらされていることを示している。
第1検波回路による検波M1は、
Figure 2005017193
となり、第2検波回路による検波M2は、
Figure 2005017193
となる。第1検波信号Vと第2検波信号Uは、高周波成分が除去されて、
V=Acos{2πf(t3−t1)}
U=Acos{2πf(t3’−t1’)}
となる。前記したように、
t3−t1=t3’−t1’±1/(4f)+k/f
であることから、
Figure 2005017193
となる。
以上から理解されるように、第1検波回路の送信出力と受信出力の位相差に対して、第2検波回路の送信出力と受信出力の位相差を1/4周期ずらすと、第1検波信号Vと第2検波信号Uは、図2(A)又は(B)で示すように変化し、どちらかゼロになれば他方がゼロでないことから、存在するターゲットを検出しそこねることがない。また、ターゲットまでの距離を測定することができる。さらに、ターゲットの電波反射率を知ることができ、ターゲットの電波反射率からターゲット物質の種類を認識することができる。
本願発明は至近距離に位置するターゲットの距離を測定することを主たる目的としている。多くの場合でL<λ/2となる。ターゲットの距離Lに対して電波の波長λを決め、使用する電波の周波数を決めてもよい。例えば、150mm以内の距離に位置しているターゲットの測定には、周波数1GHzの電波を用いることが好ましい。
【0016】
第1検波回路の出力Vと第2検波回路の出力Uの比からターゲットまでの距離を計算する手段をさらに有することが好ましい。
前記した(A)式と(D)式から、
Figure 2005017193
が得られる。即ち、第1検波回路の出力Vと第2検波回路の出力Uの比からターゲットまでの距離Lを計算する手段を用意することができ、これが用意されていればターゲットまでの距離Lを定量的に測定することが可能となる。ターゲットが危険なほど接近してきたのかまだ余裕があるのか等を定量的に把握することが可能となる。
【0017】
第1検波回路の出力の自乗値と第2検波回路の出力の自乗値の加算値からターゲットの反射率を計算する手段を有することが好ましい。
前記した(A)式と(D)式から、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合をAとすると、
A=(U+V)の平方根 ・・(F)
の式が成立する。第1検波回路の出力Uの自乗値と第2検波回路の出力Vの自乗値の加算値(U+V)から、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合Aを計算することができる。割合Aは、ターゲットまでの距離Lとターゲットの電波反射率によって決定される値であり、割合Aとターゲットまでの距離Lが判明すれば、ターゲットの電波反射率を計算する手段を用意することがでる。ターゲットの電波反射率を計算することができると、ターゲットが金属であるのか、木材であるのか、人体であるのかといった判別が可能となる。
【0018】
本技術では、第2検波回路が入力する送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期だけシフトさせることによって、第2検波回路を検波する送信出力と受信出力の位相差が、第1検波回路を検波する送信出力と受信出力の位相差から1/4周期の差分を持つようにする。例えば、第2検波回路が入力する受信出力を、第1検波回路が入力する受信出力から、1/4周期だけ遅らせる。この場合、ターゲットから見て受信アンテナよりも電波波長の整数倍の距離に電波波長の1/4の距離を加えた距離だけ遠くに位置している第2受信アンテナを設け、その第2受信アンテナによって第1検波回路を検波する受信出力よりも位相が1/4周期遅れた第2受信出力を得るようにすることができる。第2受信出力は第2検波回路によって処理される。
【0019】
このレーダ装置では、第1検波回路が受信アンテナで受信した受信出力を入力し、第2検波回路が第2受信アンテナで受信した受信出力を入力する。第2受信アンテナは、ターゲットから見て受信アンテナよりも電波波長の1/4の距離だけ遠くに位置しており、第2受信アンテナで受信する受信出力は受信アンテナで受信する受信出力よりも位相が1/4周期遅れている。アンテナの位置を物理的にシフトすることによって、第1検波回路が入力する受信出力の位相と第2検波回路が入力する受信出力の位相を1/4周期だけ遅らせることができる。
【0020】
2本の受信アンテナを利用する代わりに、受信アンテナの受信出力を2分し、一方についてはそのまま第1検波回路に出力する一方、2分された他方については1/4周期遅延させて第2検波回路に出力するようにしてもよい。即ち、受信出力を1/4周期だけ遅延させる手段を利用してもよい。
あるいは、送信アンテナの送信出力を1/4周期遅延させて第2検波回路に出力する送信出力遅延手段を利用してもよい。
この場合、第2検波回路は時刻t3’に送信された送信出力と、時刻t3に受信する受信出力を検波する。時刻t3’は時刻t3に対して、1/(4・f)だけ先立つ時刻である。時刻t3に受信する受信出力は、時刻t1に送信された送信出力である。第2検波回路は、時刻t3’に送信された送信出力と、時刻t1送信された送信出力を検波する。第2検波回路での検波出力M2は、
Figure 2005017193
となる。ここで、
t3’−t1=t3−t1−1/(4・f)
であり、
t3−t1=2L/c−1/(4・f)
である。第1検波信号と同様に第2検波回路の検波出力M2の第2項の高周波成分は除去されるので、第2検波信号Uは、
U=Asin(4πL/λ)となる。
【0021】
第1検波信号Vと第2検波信号Uの、ターゲットまでの距離Lに対する変化を図2(B)に示す。図2(B)のグラフは、横軸が波長λに対するターゲットまでの距離Lの比を示し、縦軸が検波信号の値を示している。図2(B)のグラフで、第1検波信号Vの変化は曲線7bで示され、第2検波信号Uの変化は曲線8aで示されている。図2(B)に示すように、第1検波信号Vの値と第2検波信号Uの値の組み合わせは、ターゲットまでの距離Lによって一義に決まる。本願発明のレーダ装置は、ターゲットまでの距離Lを一義に決定するのに必要充分な第1検波信号Vの値と第2検波信号Uの値の両者を提供する。本願発明のレーダ装置によると、ターゲットまでの距離Lを一義に測定することが可能となる。
第1検波信号と第2検波信号の振幅A(これは送信出力の強度を規格化しておけば、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合に等しくなる)は、ターゲットまでの距離Lとターゲットの電波反射率によって決まる。第1検波信号Vと第2検波信号Uの値から、振幅Aの大きさを計算できる。本願発明のレーダ装置は、振幅Aの大きさを決定するのに必要充分な第1検波信号Vの値と第2検波信号Uの値の両者を提供する。距離Lに対する振幅Aの大きさを計算することで、ターゲットの電波反射率を知ることができる。ターゲットの電波反射率を知ることができれば、ターゲットの物質種別を認識することができる。
2本の受信アンテナを利用する代わりに、受信出力を1/4周期だけ遅延させて第2検波回路に出力する手段を利用したり、送信出力を1/4周期だけ遅延させて第2検波回路に出力する手段を利用すると、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合Aは計算しやすくなり、一層に好ましい。
【0022】
同一の検波回路を利用し、あるときには第1検波回路として利用し、次のときには第2検波回路として利用することもできる。同一の検波回路で、あるときには第1検波回路を構成し、次のときには第2検波回路を構成するのである。このためには、検波回路に送信出力と受信出力を出力してそのときには第1検波回路を形成する一方、次のときには同じ検波回路にいずれか一方の位相が1/4周期ずらされ他方の位相がずらされていない送信出力と受信出力を出力して第2検波回路を形成する切換え手段を設ける。
このレーダ装置は、同一の検波回路を用いて第1検波回路と第2検波回路を構成するため、検波回路の個体差に起因するエラーが生じない。従って、高い測定精度を実現することができる。
【0023】
この発明は、新規で有用な距離測定方法を創作したということもできる。この距離測定方法では、正弦波電波をターゲットに向けて送信する工程と、ターゲットで反射した電波を受信する工程と、送信出力と受信出力を乗算する第1検波工程と、送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらし、位相がずらされない他方の出力と乗算する第2検波工程と、第1検波工程で得られる出力と第2検波工程で得られる出力の比からターゲットまでの距離を計算する工程をを備えている。
【0024】
第1検波工程を実施することによって、
第1検波出力 V=Acos(4πL/λ)が得られる。
第2検波工程を実施することによって、
第2検波出力 U=−Asin(4πL/λ)が得られる。
従って、
ターゲットまでの距離L=(λ/4π)arctan(−U/V)
の式から、ターゲットまでの距離Lを計算することができる。
【0025】
この発明はまた、新規で有用な、ターゲットの電波反射率を測定する方法を創作したということもできる。この距離測定方法では、正弦波電波をターゲットに向けて送信する工程と、ターゲットで反射した電波を受信する工程と、送信出力と受信出力を乗算する第1検波工程と、送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらし、位相がずらされない他方の出力と乗算する第2検波工程と、第1検波工程で得られる出力の自乗値と第2検波工程で得られる出力の自乗値の加算値からターゲットの反射率を計算する工程を備える。
【0026】
第1検波工程を実施することによって、
第1検波出力 V=Acos(4πL/λ)が得られる。
第2検波工程を実施することによって、
第2検波出力 U=−Asin(4πL/λ)が得られる。
従って、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合をAとすると、
A=(U+V)の平方根の式が得られ、送信出力の強度に対する受信出力の強度の割合Aを計算することができる。この割合Aは、ターゲットまでの距離Lとターゲットの電波反射率によって決定される値であり、割合Aとターゲットまでの距離Lが判明すれば、ターゲットの電波反射率を計算することができる。ターゲットの電波反射率を計算することができると、ターゲットが金属であるのか、木材であるのか、人体であるのかといった判別が可能となる。
【0027】
この発明は、また新規で有用な加工装置を提供する。この加工装置は、加工工具を備えた動力工具と、本発明で創作されたレーダ装置とを備えている。その動力工具に固定されたレーダ装置の送信アンテナは、その加工工具に向けて電波を送信する。
【0028】
上記の加工装置は、本願発明に係るレーダ装置によって加工工具の近傍を監視する。それにより、加工装置は加工工具に近接する物体の電波反射率や加工工具までの距離を知ることができる。本願発明に係るレーダ装置は、木材をよく透過して、それ以外の物体でよく反射する電波波長を用いることができる。そのために、木材に隠れて加工工具に近接する木材以外の物体を検知して、加工工具の動作を停止させることもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】最初に以下で説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) レーダ装置は2つの受信アンテナを備え、両者は電波の波長の1/4の距離だけ離れて位置している。両者が受信して出力する受信出力は、位相が1/4周期ずれている。
(形態2) レーダ装置は、受信アンテナの受信出力を1/4周期の時間だけ遅延させて出力する遅延回路を備えている。
(形態3) レーダ装置は、テーブルソーやマイタソー等の電動工具の鋸刃近傍を監視する。
(形態4) レーダ装置は、テーブルソーやマイタソー等の電動工具の鋸刃近傍を監視し、ターゲットまでの距離を測定する。
(形態5) レーダ装置は、テーブルソーやマイタソー等の電動工具の鋸刃近傍を監視し、接近したターゲットが人体であるのか材木であるのかを判別する判別手段を備えている。
(形態6) 電動工具は、鋸刃の近傍に向けて電波を送信する送信アンテナを備える本願発明に係るレーダ装置を備えている。
(形態7) レーダ装置は、第1検波出力と第2検波出力を生成する。
(形態8) レーダ装置は、第1検波出力と第2検波出力を生成するとともに、電波の周波数を変更して第3検波出力と第4検波出力を生成する。
【0030】
【実施例】以下、本願発明に係る実施例について図面を参照して説明する。
(実施例1) 本願発明に係る実施例1のレーダ装置20を図3に示す。レーダ装置20は、正弦波の送信出力を発振して生成する発振手段21と、正弦波送信出力を正弦波電波にしてターゲット1に向けて送信する送信アンテナ22を備えている。また、ターゲット1で反射された電波を受信して受信出力を出力する第1受信アンテナ23と第2受信アンテナ24を備えている。送信アンテナ22から正弦波電波がターゲット1に向けて送信される。送信された正弦波電波はターゲット1で反射して第1受信アンテナ23と第2受信アンテナ24で受信される。第1受信アンテナ23に対して第2受信アンテナ24は、ターゲット1で反射された電波の進行方向に、電波の波長の1/4の距離だけ後方(下流側)に位置している。周波数fが1GHz(波長λ=30cm)の電波を使用する場合、第1受信アンテナ23に対して第2受信アンテナ24は7.5cm後方に位置している。
レーダ装置20は、発振手段21が出力する送信出力と、第1受信アンテナ23が出力する受信出力を検波して、第1検波出力を出力する第1検波回路25を備えている。第1検波回路25は、発振手段21が出力する送信出力と、第1受信アンテナ23が出力する受信出力を乗算して検波するミクサ25aを備えている。そして、ミクサ25aの出力から高周波成分を除去して第1検波出力を出力するローパスフィルタ回路25bを備えている。また、発振手段21が出力する送信出力と、第2受信アンテナ24が出力する受信出力を検波して、第2検波出力を出力する第2検波回路26を備えている。第2検波回路26は、発振手段21が出力する送信出力と、第2受信アンテナ24が出力する受信出力を乗算して検波するミクサ26aを備えている。そして、ミクサ26aの出力から高周波成分を除去して第2検波出力を出力するローパスフィルタ回路26bを備えている。
レーダ装置20は、第1検波回路25が出力する第1検波出力と、第2検波回路26が出力する第2検波出力によって、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算する演算部29を備えている。
【0031】
図3は、レーダ装置20からターゲット1が距離L離れて位置しているときを示す。このとき、時刻t1に送信アンテナ22からターゲット1に向けて送信された電波3が、時刻t2にターゲット1で反射して、反射した電波5が時刻t3に第1受信アンテナ23で受信されたとする。第1検波回路25は、ミクサ25aで、発振手段21が時刻t3に出力する送信出力と、第1受信アンテナ23が時刻t3に受信して出力する受信出力を乗算して検波する。第1受信アンテナ23が時刻t3に受信して出力する受信出力は、発振手段21が時刻t1に出力した送信出力である。従って、ミクサ25aによる検波出力M1は、
Figure 2005017193
そして、ミクサ25aの出力はローパスフィルタ回路25bで高周波成分が除去される。従って、第1検波回路25が出力する第1検波出力Vは、
Figure 2005017193
と表される。
【0032】
第2検波回路26による第2検波出力Uを説明する。ミクサ26aは、発振手段21が出力する送信出力と、第2受信アンテナ24が出力する受信出力を検波する。ミクサ26aの出力は、ローパスフィルタ回路26bで高周波成分が除去される。第1受信アンテナ23に対して第2受信アンテナ24は、ターゲット1で反射された電波5の進行方向に、電波の波長λの1/4の距離だけ後方(下流側)に位置している。そのため、第2受信アンテナ24が時刻t3に受信する電波5は、時刻t3に第1受信アンテナ23が受信する電波5に対して、位相が1/4周期だけ遅れている。ここで、1/4周期は1/(4・f)である。即ち、第2受信アンテナ24が時刻t3に出力する受信出力は、発振手段21が時刻t1’=t1−1/(4・f)に出力した送信出力である。ミクサ26aによる検波出力M2は、
Figure 2005017193
となる。ミクサ26aの出力はローパスフィルタ回路26bで高周波成分が除去される。従って、第2検波回路26が出力する第1検波出力Uは、
Figure 2005017193
となる。
【0033】
第1検波出力Vと第2検波出力Uのターゲット1までの距離Lに対する変化は図2(A)に示すようになる。図2(A)のグラフは、横軸が波長λに対するターゲット1までの距離Lの比を示し、縦軸が検波出力の値を示している。図2(A)のグラフで、第1検波出力Vの変化は曲線で7a示され、第2検波出力Uの変化は曲線8aで示される。第1検波出力Vを単独で用いると、第1検波出力の出力値Vからターゲット1までの距離Lを一義に測定することができない。第1検波出力Vの大きさ自体は、ターゲットの電波反射率によって大きく変化することから、第1検波出力Vの大きさからターゲット1までの距離Lを計算することはできない。特に、ターゲット1までの距離がλ/8の整数倍であると、近傍にターゲット1があっても、第1検波出力Vはゼロとなり、第1検波出力Vのみからでは有用な情報に変換することができない。第2検波出力Uを単独で用いた場合も同様であり、第2検波出力Uのみからでは有用な情報に変換することができない。
本実施例のレーダ装置では、第1検波出力Vと第2検波出力Uの両者を利用することによって、有用な情報、例えばターゲット1までの距離Lや、ターゲット1の電波反射率等を計算する。
【0034】
第1検波出力Vと第2検波出力Uは、演算部29に入力される。演算部29は、第1検波出力Vと第2検波出力Uの両者を用いてターゲット1までの距離Lとターゲット1の種別を認識する。横軸に第1検波出力V、縦軸に第2検波出力Uをとった直交座標系で、測定された第1検波出力Vと第2検波出力Uを示すと図4(A)となる。UV直交座標系で示される点Qを、極座標系(r,θ)で表現すると、検波出力の振幅Aとターゲット1までの距離Lが次の関係を満たす。
r=A
θ=−4π・L/λ(ラジアン)=−720・L/λ(度)
即ち、A=r
L=−θλ/720
が成立する。ここでθは反時計周りを正とし、角度の単位とする。演算手段29は、第1検波出力Vと第2検波出力Uを用いて(r,θ)を演算し、(r,θ)の値から距離Lと検波出力の振幅Aを求める。ターゲット1までの距離Lがλ/2以下の場合、角度θのみによってターゲット1までの距離Lを測定することができる。例えば、送信出力の周波数が1GHzの場合は波長λが300mmであるので、ターゲットの距離Lを150mmまでの測定範囲で一義に測定することができる。このとき、ターゲット1の電波反射率は未知でよい。角度θが2.4度変化すると、ターゲット1までの距離Lは1mm変化する。ターゲット1までの距離Lが37.5mm変化すると、角度θが90度変化する。本実施例では周波数fが1GHzの電波を使用したが、所望の測定距離に応じて、使用する電波の周波数を変更すればよい。本願発明のレーダ装置で使用される電波の周波数は300MHz〜5GHzが好ましく、この場合の一義に測定できる最大距離は30mm〜500mmとなる。さらに好ましい電波の周波数は800MHz〜3GHzであり、この場合の一義に測定できる最大距離は50mm〜180mmとなる。上記の周波数帯の電波は透過性が高いため、本願発明のレーダ装置は、電波反射率の小さい物体の後方に隠れて存在する電波反射率の強い物体の測定も可能である。使用する電波の周波数が上記の周波数帯に対して著しく異なる電波を用いると、距離測定の分解能の低下や電波の減衰による測定性能の低下が発生する。
【0035】
振幅Aは、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率によって決まる。角度θによってターゲット1までの距離Lを知ることができるので、振幅Aの値からターゲット1の電波反射率を知ることができる。ターゲット1の電波反射率を知ることで、ターゲット1の種別を認識することができる。図4(B)は、図4(A)で測定したターゲット1と電波反射率が異なる異質のターゲットの測定結果を示している。詳しくは、図4(A)は金属板の測定結果を示し、図4(B)は木材の測定結果を示している。図4(A)の点Qと図4(B)の点Rは、同じ距離にあるターゲット(点Qは金属板、点Rは木材)を測定した結果を示している。電波反射率が異なる場合でも角度θは変化しないため、ターゲットの電波反射率が未知でも距離Lを測定することができる。それに対し、rの値は電波反射率によって変化している。従って、rの値からターゲットの電波反射率を知ることができ、ターゲットの種別を認識することができる。
【0036】
本願の発明者は、テーブルソーやマイタソー等の電動工具において、動作状態の鋸刃にワーク(木材)以外の物体が近接することを検知するシステムを開発している。そのために、ワーク以外の物体が鋸刃に近接することを認知する手段が必要である。即ち、鋸刃の近くに位置する物体までの距離と、物体がワークか否かの判断を必要とする。さらには、鋸刃近くにワークとワーク以外が混在する場合でも、ワーク以外の物体を認知する必要がある。本願発明のレーダ装置は、至近距離の測定が可能で、ターゲットの種別の認識も可能である。また、透過性の高い周波数の電波を用いているため、電波はワークを透過する。従って、木材の陰に隠れているワーク以外の物体の認知も可能である。例えば人体の認知については、人体の電波反射率は前記の金属板の電波反射率に近いことを実験で確認している。従って、本願発明のレーダ装置は、上記の目的に対して好適に適用することができる。
その実施形態としては、鋸刃が動作してワークを加工する電動工具自身が、鋸刃近傍を監視する手段として本願発明に係るレーダ装置を備えてもよい。さらに電動工具が、レーダ装置の監視によって所定の電波反射率である物体が鋸刃と所定の位置関係となったときに鋸刃の動作を停止する手段を有してもよい。また、警告を発する警告手段を有してもよい。このとき、電波の送受信を行うアンテナには、マイクロストリップアンテナ、又はパッチアンテナを用いると、テーブルソーやマイタソー等の電動工具において、作業に支障をきたすことなく設置することができる。
上述では電動工具の加工工具として鋸刃を用いて説明したが、他の様々な加工工具に対しても本発明は有効に実施することができる。例えば、砥石、ドリル、スクリュウドライバ、フライス、ポンチ等が鋸刃に加えて挙げられる。即ち、電動工具としては、研削盤、ドリルドライバー、フライス盤、釘打ち機等がテーブルソーやマイタソー等に加えて挙げられる。
また、本願発明の技術は、レーダ装置を備えた加工装置の動力源が電力に限られずとも有効であり、電動工具のみならず電力以外を動力源とするエア工具等の加工装置が本願発明に係るレーダ装置を備えても、同一の効果を奏する。
さらには、例えばウォータメス、又はレーザメス等のように加工工具が特定されない加工装置においても、レーダ装置が加工点近傍を監視することにより本願発明は有効である。
【0037】
また、本願発明のレーダ装置は、電波反射率の低い物体に隠れて存在する電波反射率の高い物体を測定できることから、例えば、木材壁の向こう側にある金属製の物体を測定することができる。即ち、一般に超音波を用いて行われている非破壊検査等に利用することもできる。
【0038】
(実施例2) 本願発明に係る実施例2のレーダ装置30を図5に示す。レーダ装置30は、正弦波の送信出力を発振して生成する発振手段31と、正弦波送信出力を正弦波電波にしてターゲット1に向けて送信する送信アンテナ32を備えている。また、ターゲット1で反射された電波を受信して受信出力を出力する受信アンテナ33を備えている。送信アンテナ32から正弦波電波がターゲット1に向けて送信される。送信された正弦波電波はターゲット1で反射して受信アンテナ33で受信される。また、受信アンテナ33で受信した電波を、発振手段31で生成される正弦波送信出力の1/4周期の時間だけ遅延させて出力する遅延回路37を備えている。受信アンテナ33で受信した受信出力は、後述する第1検波回路35と遅延回路37に入力される。遅延回路37は入力された受信出力を、送信出力の1/4周期の時間だけ遅延して出力する。周波数fが1GHzの電波を使用する場合、遅延回路による遅延時間は0.25nsとなる。
レーダ装置30は、発振手段31が出力する送信出力と、受信アンテナ33が出力する受信出力を検波して、第1検波出力を出力する第1検波回路35を備えている。第1検波回路35は、発振手段31が出力する送信出力と受信アンテナ33が出力する受信出力を乗算して検波するミクサ35aを備えている。そして、ミクサ35aの出力から高周波成分を除去して第1検波出力を出力するローパスフィルタ回路35bを備えている。また、発振手段31が出力する送信出力と、遅延回路37が出力する遅延された受信出力を検波して第2検波出力を出力する、第2検波回路36を備えている。第2検波回路36は、発振手段31が出力する送信出力と、遅延回路37が出力する遅延された受信出力を乗算して検波するミクサ36aを備えている。そして、ミクサ36aの出力から高周波成分を除去して第2検波出力を出力するローパスフィルタ回路36bを備えている。
レーダ装置30は、第1検波回路35が出力する第1検波出力と、第2検波回路36が出力する第2検波出力によって、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算する演算部39を備えている。
【0039】
図5は、レーダ装置30からターゲット1が距離L離れて位置しているときを示す。即ち、実施例1における図3と同一の状態である。上述した実施例1の説明と同様に、時刻t1に送信アンテナ32からターゲット1に向けて送信された電波が、時刻t2にターゲット1で反射して、反射した電波が時刻t3に受信アンテナ33で受信されたとする。第1検波回路35が出力する第1検波出力Vは、実施例1の第1検波回路25と同様に、
V=Acos(4πL/λ)
となる。
【0040】
第2検波回路36による第2検波出力Uを説明する。ミクサ36aは、発振手段31が出力する送信出力と、遅延回路37が出力する遅延された受信出力を検波する。遅延回路37は、受信アンテナ33が受信して出力した受信出力を1/4周期の時間だけ遅延して出力する。1/4周期は1/(4・f)である。即ち、遅延回路37が時刻t3に出力する遅延された受信出力は、発振手段21が時刻t1’=t1−1/(4/f)に出力した送信出力である。従って、第2検波回路36が出力する第1検波出力Uは、実施例1の第2検波回路26と同様に、
U=−Asin(4πL/λ)
となる。
【0041】
実施例2のレーダ装置30においても、実施例1のレーダ装置20と同様に第1検波出力Vと第2検波出力Uが得られる。第1検波出力Vと第2検波出力Uは、演算部39に入力される。演算部39は、第1検波出力Vと第2検波出力Uを用いて、実施例1の演算部29と同様に演算を行う。本実施例のレーダ装置30においても、実施例1のレーダ装置20と同様に、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の種別を認識することができる。また、本実施例のレーダ装置30は、1つの受信アンテナ33の受信出力から、1/4周期の位相差を持つ2つの受信出力を作り出している。それにより、1/4周期の位相差を持つ2つの受信出力の強度は同一となるため、2つの受信アンテナを用いる実施例1のレーダ装置20よりも、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算しやすい。
【0042】
(実施例3) 本願発明に係る実施例3のレーダ装置40を図6に示す。レーダ装置40は、正弦波の送信出力を発振して生成する発振手段41と、正弦波送信出力を正弦波電波にしてターゲット1に向けて送信する送信アンテナ42を備えている。また、ターゲット1で反射された電波を受信して受信出力を出力する受信アンテナ43を備えている。また、発振手段41で生成された送信出力を、その送信出力の1/4周期の時間だけ遅延させて出力する遅延回路47を備えている。発振手段41で生成された送信出力は、送信アンテナ42と遅延回路47に入力される。送信アンテナ42から正弦波電波がターゲット1に向けて送信される。送信された正弦波電波はターゲット1で反射して受信アンテナ43で受信される。遅延回路47は入力された送信出力を、その送信出力の1/4周期の時間だけ遅延して出力する。周波数fが1GHzの電波を使用する場合、遅延回路による遅延時間は0.25nsとなる。
レーダ装置40は、発振手段41が出力する送信出力と、受信アンテナ43が出力する受信出力を検波して、第1検波出力を出力する第1検波回路45を備えている。第1検波回路45は、発振手段41が出力する送信出力と、受信アンテナ43が出力する受信出力を乗算して検波するミクサ45aを備えている。そして、ミクサ45aの出力から高周波成分を除去して第1検波出力を出力するローパスフィルタ回路45bを備えている。また、遅延回路47が出力する遅延された送信出力と、受信アンテナ43が出力する受信出力を検波して、第2検波出力を出力する第2検波回路46を備えている。第2検波回路46は、遅延回路47が出力する遅延された送信出力と、受信アンテナ43が出力する受信出力を乗算して検波するミクサ46aを備えている。そして、ミクサ46aの出力から高周波成分を除去して第2検波出力を出力するローパスフィルタ回路46bを備えている。
レーダ装置40は、第1検波回路45が出力する第1検波出力と、第2検波回路46が出力する第2検波出力によって、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算する演算部49を備えている。
【0043】
図6は、レーダ装置40からターゲット1が距離L離れて位置しているときを示す。即ち、実施例1における図3と同一の状態である。上述した実施例1の説明と同様に、時刻t1に送信アンテナ42からターゲット1に向けて送信された電波が、時刻t2にターゲット1で反射して、反射した電波が時刻t3に受信アンテナ43で受信されたとする。第1検波回路45が出力する第1検波出力Vは、実施例1の第1検波回路25と同様に、
V=Acos(4πL/λ)
となる。
【0044】
第2検波回路46による第2検波出力Uを説明する。ミクサ46aは、遅延回路47が出力する遅延された送信出力と、受信アンテナ43が出力する受信出力を検波する。遅延回路47は、発振手段41が出力した送信出力を1/4周期の時間だけ遅延して出力する。1/4周期は1/(4・f)である。即ち、遅延回路47が時刻t3に出力する遅延された送信出力は、発振手段41が時刻t3’=t3−1/(4/f)に出力した送信出力である。従って、ミクサ46aによる検波出力M2は、
Figure 2005017193
となる。ミクサ46aの出力はローパスフィルタ回路46bで高周波成分が除去される。従って、第2検波回路46が出力する第2検波出力Uは、
Figure 2005017193
となる。
【0045】
第1検波出力Vと第2検波出力Uのターゲット1までの距離Lに対する変化は図2(B)に示すようになる。図2(B)のグラフは、横軸が波長λに対するターゲット1までの距離Lの比を示し、縦軸が検波出力の値を示している。図2(B)のグラフで、第1検波出力Vの変化は曲線7b示され、第2検波出力Uの変化は曲線8bで示される。
第1検波出力Vと第2検波出力Uは、演算部49に入力される。演算部49は、第1検波出力Vと第2検波出力Uの両者を用いてターゲット1までの距離Lとターゲット1の種別を認識する。横軸に第1検波出力V、縦軸に第2検波出力Uをとった直交座標系で、第1検波出力Vと第2検波出力Uを示すと図7となる。図7は図4と同様に、周波数fが1GHzの電波を使用した場合である。UV直交座標系で示される点Sを、極座標系(r、θ)で表現すると、検波出力の振幅Aとターゲット1までの距離Lが次の関係を満たす。
r=A
θ=4π・L/λ(ラジアン)=720・L/λ(度)
即ち、A=r
L=θλ/720
が成立する。ここでθは反時計周りを正とし、角度の単位とする。演算手段49は、第1検波出力Vと第2検波出力Uを用いて(r、θ)を演算し、(r、θ)の値から距離Lと検波出力の振幅Aを求める。本実施例のレーダ装置40においても、実施例1のレーダ装置20と同様に、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の種別を認識することができる。また、本実施例のレーダ装置40は、発振手段41の1つの送信出力から、1/4周期の位相差を持つ2つの送信出力を作り出している。それにより、1/4周期の位相差を持つ2つの送信出力の強度は同一となるため、実施例2のレーダ装置30と同様にターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算しやすい。
【0046】
(実施例4) 本願発明に係る実施例4のレーダ装置50を図8に示す。レーダ装置50は、正弦波の送信出力を発振して生成する発振手段51と、正弦波送信出力を正弦波電波にしてターゲット1に向けて送信する送信アンテナ52を備えている。また、ターゲット1で反射された電波を受信して受信出力を出力する第1受信アンテナ53と第2受信アンテナ54を備えている。送信アンテナ52から正弦波電波がターゲット1に向けて送信される。送信された正弦波電波はターゲット1で反射して第1受信アンテナ53と第2受信アンテナ54で受信される。第1受信アンテナ53に対して第2受信アンテナ54は、ターゲット1で反射された電波の進行方向に、電波の波長の1/4の距離だけ後方(下流側)に位置している。周波数fが1GHz(波長λ=30cm)の電波を使用する場合、第1受信アンテナ53に対して第2受信アンテナ54は7.5cm後方に位置している。
レーダ装置50は、送信出力と受信出力を検波して、検波出力を出力する検波回路55を備えている。検波回路55は、送信出力と受信出力を乗算して検波するミクサ55aを備えている。そして、ミクサ55aの出力から高周波成分を除去して検波出力を出力するローパスフィルタ回路55bを備えている。検波回路55は、発振手段51が出力する送信出力と、第1受信アンテナ53が出力する受信出力を検波して、第1検波出力を出力する。また、検波回路55は、発振手段51が出力する送信出力と、第2受信アンテナ53が出力する受信出力を検波して、第2検波出力を出力する。
レーダ装置50は、検波回路55が第1検波出力を出力する状態と、第2検波出力を出力する状態を切換える、スイッチ61を備えている。また、スイッチ61と同期して動作して第1検波出力と第2検波出力の出力先を切換えるスイッチ63を備えている。また、サンプルホールド回路64、65を備えており、スイッチ63によって、第1検波出力はサンプルホールド回路64へ入力され、第2検波出力はサンプルホールド回路65へ出力される。
レーダ装置50は、検波回路55が出力する第1検波出力と第2検波出力によって、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算する演算部59を備えている。
【0047】
図8は、レーダ装置50からターゲット1が距離L離れて位置しているときを示す。このとき、時刻t1に送信アンテナ52からターゲット1に向けて送信された電波が、時刻t2にターゲット1で反射して、反射した電波が時刻t3に第1受信アンテナ23で受信されたとする。スイッチ61により、検波回路55が第1検波出力Vを出力する状態は、実施例1のレーダ装置20の第1検波回路25が、第1検波出力Vを出力する状態と同一である。従って、検波回路55が出力する第1検波出力Vは、
V=Acos(4πL/λ)
となる。
また、スイッチ61により、検波回路55が第2検波出力Uを出力する状態は、実施例1のレーダ装置20の第2検波回路26が、第2検波出力Uを出力する状態と同一である。従って、検波回路55が出力する第2検波出力Uは、
U=−Asin(4πL/λ)
となる。
【0048】
スイッチ61によって検波回路55は、第1検波出力Vと第2検波出力Uを交互に出力する。スイッチ63がスイッチ61と同期して動作するため、第1検波出力Vはサンプルホールド回路64へ出力され、第2検波出力Uはサンプルホールド回路65へ出力される。第1検波出力Vと第2検波出力Uは、サンプルホールド回路64、65を介して演算部59に入力される。スイッチ61、63のスイッチング周期を短くすることで、演算部59に入力される第1検波出力Vと第2検波出力Uの値(U,V)は、図4(A)と略一致する。従って、本実施例のレーダ装置50においても、実施例1のレーダ装置20と同様に、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の種別を認識することができる。また、本実施例のレーダ装置50は、1つの検波回路55によって第1検波出力Vと第2検波出力Uを生成する。それにより、2つの検波回路を用いる実施例1のレーダ装置20と比較して、検波回路の個体差に起因するエラーが生じないため、高い測定精度を実現することができる。
【0049】
(実施例5) 本願発明に係る実施例5のレーダ装置70を図9に示す。レーダ装置70は、正弦波の送信出力を発振して生成する発振手段71と、正弦波送信出力を正弦波電波にしてターゲット1に向けて送信する送信アンテナ72を備えている。また、ターゲット1で反射された電波を受信して受信出力を出力する受信アンテナ73を備えている。送信アンテナ72から正弦波電波がターゲット1に向けて送信される。送信された正弦波電波はターゲット1で反射して受信アンテナ73で受信される。また、受信アンテナ73で受信した電波を、発振手段71で生成される正弦波送信出力の1/4周期の時間だけ遅延させて出力する遅延回路77を備えている。受信アンテナ73で受信した受信出力は、後述する検波回路75と遅延回路77に入力される。遅延回路77は入力された受信出力を、送信出力の1/4周期の時間だけ遅延して出力する。周波数fが1GHzの電波を使用する場合、遅延回路による遅延時間は0.25nsとなる。
レーダ装置70は、送信出力と受信出力を検波して、検波出力を出力する検波回路75を備えている。検波回路75は、送信出力と受信出力を乗算して検波するミクサ75aを備えている。そして、ミクサ75aの出力から高周波成分を除去して検波出力を出力するローパスフィルタ回路75bを備えている。検波回路75は、発振手段71が出力する送信出力と、受信アンテナ73が出力する受信出力を検波して、第1検波出力を出力する。また、検波回路75は、発振手段71が出力する送信出力と、遅延回路77が出力する遅延された受信出力を検波して、第2検波出力を出力する。
レーダ装置70は、検波回路75が第1検波出力を出力する状態と、第2検波出力を出力する状態を切換えるスイッチ81を備えている。また、スイッチ81と同期して動作して第1検波出力と第2検波出力の出力先を切換えるスイッチ83を備えている。また、サンプルホールド回路84、85を備えており、スイッチ83によって、第1検波出力はサンプルホールド回路84へ入力され、第2検波出力はサンプルホールド回路85へ出力される。
レーダ装置70は、検波回路75が出力する第1検波出力と第2検波出力によって、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算する演算部79を備えている。
【0050】
図9は、レーダ装置70からターゲット1が距離L離れて位置しているときを示す。このとき、時刻t1に送信アンテナ72からターゲット1に向けて送信された電波が、時刻t2にターゲット1で反射して、反射した電波が時刻t3に受信アンテナ73で受信されたとする。スイッチ81により、検波回路75が第1検波出力Vを出力する状態は、実施例2のレーダ装置30の第1検波回路35が、第1検波出力Vを出力する状態と同一である。従って、検波回路75が出力する第1検波出力Vは、
V=Acos(4πL/λ)
となる。
また、スイッチ81により、検波回路75が第2検波出力Uを出力する状態は、実施例2のレーダ装置30の第2検波回路36が、第2検波出力Uを出力する状態と同一である。従って、検波回路75が出力する第2検波出力Uは、
U=−Asin(4πL/λ)
となる。
【0051】
スイッチ81によって検波回路75は、第1検波出力Vと第2検波出力Uを交互に出力する。スイッチ83がスイッチ81と同期して動作するため、第1検波出力Vはサンプルホールド回路84へ出力され、第2検波出力Uはサンプルホールド回路85へ出力される。第1検波出力Vと第2検波出力Uは、サンプルホールド回路84、85を介して演算部79に入力される。スイッチ81、83のスイッチング周期を短くすることで、演算部89に入力される第1検波出力Vと第2検波出力Uの値(U,V)は、図4(A)と略一致する。従って、本実施例のレーダ装置70においても、実施例2のレーダ装置30と同様に、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の種別を認識することができる。また、本実施例のレーダ装置70は、実施例4のレーダ装置50と同様に1つの検波回路75によって第1検波出力Vと第2検波出力Uを生成する。それにより、検波回路の個体差に起因するエラーが生じないため、高い測定精度を実現することができる。
【0052】
(実施例6) 本願発明に係る実施例6のレーダ装置90を図10に示す。レーダ装置90は、正弦波の送信出力を発振して生成する発振手段91と、正弦波送信出力を正弦波電波にしてターゲット1に向けて送信する送信アンテナ92を備えている。また、ターゲット1で反射された電波を受信して受信出力を出力する受信アンテナ93を備えている。また、発振手段91で生成された送信出力を、その送信出力の1/4周期の時間だけ遅延させて出力する遅延回路97を備えている。発振手段91で生成された送信出力は、送信アンテナ92と遅延回路97に入力される。送信アンテナ92から正弦波電波がターゲット1に向けて送信される。送信された正弦波電波はターゲット1で反射して受信アンテナ93で受信される。遅延回路97は入力された送信出力を、その送信出力の1/4周期の時間だけ遅延して出力する。周波数fが1GHzの電波を使用する場合、遅延回路による遅延時間は0.25nsとなる。
レーダ装置90は、送信出力と受信出力を検波して、検波出力を出力する検波回路95を備えている。検波回路95は、送信出力と受信出力を乗算して検波するミクサ95aを備えている。そして、ミクサ95aの出力から高周波成分を除去して検波出力を出力するローパスフィルタ回路95bを備えている。検波回路95は、発振手段91が出力する送信出力と、受信アンテナ93が出力する受信出力を検波して、第1検波出力を出力する。また、検波回路95は、遅延回路97が出力する遅延された送信出力と、受信アンテナ93が出力する受信出力を検波して、第2検波出力を出力する。
レーダ装置90は、検波回路95が第1検波出力を出力する状態と、第2検波出力を出力する状態を切換える、スイッチ101を備えている。また、スイッチ101と同期して動作して第1検波出力と第2検波出力の出力先を切換えるスイッチ103を備えている。また、サンプルホールド回路104、105を備えており、スイッチ103によって、第1検波出力はサンプルホールド回路104へ入力され、第2検波出力はサンプルホールド回路105へ出力される。
レーダ装置90は、検波回路95が出力する第1検波出力と第2検波出力によって、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の電波反射率Aを演算する演算部99を備えている。
【0053】
図10は、レーダ装置90からターゲット1が距離L離れて位置しているときを示す。このとき、時刻t1に送信アンテナ92からターゲット1に向けて送信された電波が、時刻t2にターゲット1で反射して、反射した電波が時刻t3に受信アンテナ93で受信されたとする。スイッチ91により、検波回路95が第1検波出力Vを出力する状態は、実施例3のレーダ装置40の第1検波回路45が、第1検波出力Vを出力する状態と同一である。従って、検波回路95が出力する第1検波出力Vは、
V=Acos(4πL/λ)
となる。
また、スイッチ81により、検波回路95が第2検波出力Uを出力する状態は、実施例3のレーダ装置40の第2検波回路46が、第2検波出力Uを出力する状態と同一である。従って、検波回路95が出力する第2検波出力Uは、
U=Asin(4πL/λ)
となる。
【0054】
スイッチ101によって検波回路95は、第1検波出力Vと第2検波出力Uを交互に出力する。スイッチ103がスイッチ101と同期して動作するため、第1検波出力Vはサンプルホールド回路104へ出力され、第2検波出力Uはサンプルホールド回路105へ出力される。第1検波出力Vと第2検波出力Uは、サンプルホールド回路104、105を介して演算部99に入力される。スイッチ101、103のスイッチング周期を短くすることで、演算部99に入力される第1検波出力Vと第2検波出力Uの値(U,V)は、図4(B)と略一致する。従って、本実施例のレーダ装置50においても、実施例3のレーダ装置40と同様に、ターゲット1までの距離Lとターゲット1の種別を認識することができる。また、本実施例のレーダ装置90は、実施例4のレーダ装置50と同様に1つの検波回路95によって第1検波出力Vと第2検波出力Uを生成する。それにより、検波回路の個体差に起因するエラーが生じないため、高い測定精度を実現することができる。
【0055】
(実施例7) 本実施例は、本願発明に係るレーダ装置を用いて、2つのターゲットが混在するときに、2つのターゲットの距離の測定と種別の認識を同時に行うものである。従って、使用するレーダ装置は、実施例1〜6のレーダ装置のいずれでもよい。以下に、実施例5のレーダ装置70を用いた例を示す。
図11は、実施例5のレーダ装置70から、距離L1の位置にターゲット111が存在し、距離L2の位置に壁112が存在して状況を示す。レーダ装置70は、図9に示す構成によるものであるが、図11では送信アンテナ72と受信アンテナ73のみを図示する。
送信アンテナ72から送信された送信電波113は、ターゲット111で反射され、その反射電波115が受信アンテナ73で受信される。また、送信電波113は壁112で反射され、その反射電波116が受信アンテナ73で受信される。従って、受信アンテナ73で受信される電波は、反射電波115と反射電波116の重ね合わされたものとなる。検波回路75のミクサ75aによる検波出力Mは、
M=(送信電波113)×(反射電波115+反射電波116)
となる。即ち、
Figure 2005017193
となり、ターゲット111と壁112を、それぞれ単独を検波した検波出力の重ね合わせたものに等しい。レーダ装置70によってターゲット111を単独で測定した場合の第1検波出力をV1、第2検波出力をU1とする。また、レーダ装置70によって壁112を単独で測定した場合の第1検波出力をV2、第2検波出力をU2とする。V1、V2、U1、U2は、
V1= A1・cos[2πf(2・L1/c)]
U1=−A1・sin[2πf(2・L1/c)]
V2= A2・cos[2πf(2・L2/c)]
U2=−A2・sin[2πf(2・L2/c)]
となる。ここで、電波の周波数はfである。
従って、図11で示す状態のとき、レーダ装置70の第1検波出力Vと第2検波出力Uは、
Figure 2005017193
となる。ターゲット111の距離L1と電波反射率A1、壁112の距離L2と電波反射率A2を測定するためには、上式のA1、L1、A2、L2を求める必要がある。しかしながら、第1検波出力Vと第2検波出力Uの値のみではA1、L1、A2、L2を求めることはできない。
【0056】
本実施例では、上記の第1検波出力Vと第2検波出力Uを、上述のように所定の周波数fの電波を用いて得るとともに、周波数f+Δfの電波を用いて、新たに第3検波出力V’と第4検波出力U’を得る。第3検波出力V’の生成方法は、電波の周波数が変化したことを除いて第1検波出力Vと同一である。また、第4検波出力U’の生成方法は、電波の周波数が変化したことを除いて第2検波出力Uと同一である。ここで、遅延回路77による遅延時間は、電波の周波数がf+Δfに変化することに対応して、1/{4・(f+Δf)}に変化する。ここで、Δfはfに対して一桁程度小さい。第3検波出力V’と第4検波出力U’は、
Figure 2005017193
となる。レーダ装置70は、第3検波出力V’と第4検波出力U’を求め、第1検波出力Vに対する第3検波出力V’の変化量ΔVと、第2検波出力Uに対する第4検波出力U’の変化量ΔUを計算する。
ここで、上記V’とU’の式をΔf/fについて展開しΔf/fの1次の項まで残すと、
Figure 2005017193
となる。上式において、
2πf・(2・L1/c)=FL1
2πf・(2・L2/c)=FL2
と表記を変更した。即ち、測定によって求められるΔVとΔUは、
Figure 2005017193
である。V、U、ΔV、ΔUの値が、A1、L1、A2、L2と上記の式の関係であることから、V、U、ΔV、ΔUの値を用いて、A1、L1、A2、L2が求められる。従って、ターゲット111の距離L1の測定と種別の認識と、壁112の距離L2と種別の認識が同時に可能である。
【0057】
(実施例8) 本実施例は、実施例7のレーダ装置による距離測定方法を応用するものである。本実施例のレーダ装置130を図12に示す。本実施例は、実施例5のレーダ装置70に、新たに第2受信アンテナ134を設けたものである。図12に示すように、第2受信アンテナ134は第1受信アンテナ73距離L3だけ離れて位置している。図12は、壁122の中にターゲット121が埋設されている。壁122は木材のように電波反射率が低い材質であり、ターゲット121は金属のように電波反射率が高い材質である。壁の外部からターゲットを目視確認することはできない。
レーダ装置130は、送信アンテナ72からターゲット121に向けて電波を送信する。送信された電波は、壁122を透過してターゲット121で反射して受信アンテナ73、134で受信される。図12の屈折線125は、送信アンテナ72から送信され、ターゲット121で反射して、受信アンテナ73で受信される電波を示す。また、屈折線126は、送信アンテナ72から送信され、ターゲット121で反射して、受信アンテナ134で受信される電波を示す。屈曲線125の長さはL1で、屈曲線126の長さはL2である。
受信アンテナ73で受信され出力される受信出力と受信アンテナ134で受信され出力される受信出力は、重ね合わせられてレーダ装置130の受信出力とされる。この受信出力は、実施例7の受信出力と同様に、2つの受信出力が重なり合ったものである。従って、実施例7と同様の演算により、L1とL2を求めることができる。第1受信アンテナ73と第2受信アンテナ134の距離L3と併せて演算することで、壁122に埋設されたターゲット121の位置を2次元で測定することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のドップラーレーダの形態を示す図。
【図2】第1検波出力Vと第2検波出力Uの変化を示すグラフ。
【図3】本発明に係る実施例1を示す図。
【図4】第1検波出力Vと第2検波出力Uの関係の1形態を示すグラフ。
【図5】本発明に係る実施例2を示す図。
【図6】本発明に係る実施例3を示す図。
【図7】第1検波出力Vと第2検波出力Uの関係の1形態を示すグラフ。
【図8】本発明に係る実施例4を示す図。
【図9】本発明に係る実施例5を示す図。
【図10】本発明に係る実施例6を示す図。
【図11】本発明に係る実施例7を示す図。
【図12】本発明に係る実施例8を示す図。
【符号の説明】
1、111、121・・・ターゲット
2・・・ターゲット1までの距離Lを示す曲線
3・・・送信された電波
4・・・送信された電波の進行を示す直線
5・・・反射された電波
6・・・反射された電波の進行を示す直線
7・・・第1検波出力Vの変化を示す曲線
8・・・第2検波出力Uの変化を示す曲線
9・・・第1検波出力Vと第2検波出力Uの関係を示す曲線
10・・・従来のドップラ方式のレーダ装置
20・・・実施例1のレーダ装置
30・・・実施例2のレーダ装置
40・・・実施例3のレーダ装置
50・・・実施例4のレーダ装置
70・・・実施例5のレーダ装置
90・・・実施例6のレーダ装置
130・・・実施例8のレーダ装置
11、21、31、41、51、71、91・・・発振手段
12、22、32、42、52、72、92・・・送信アンテナ
13、23、33、43、53、73、93・・・(第1)受信アンテナ
24、54、134・・・第2受信アンテナ
15、25、35、45、55、75、95・・・(第1)検波回路
15a、25a、35a、45a、55a、75a、95a・・・ミクサ
15b、25b、35b、45b、55b、75b、95b・・・ローパスフィルタ回路
26、36、46・・・第2検波回路
26a、36a、46a・・・ミクサ
26b、36b、46b・・・ローパスフィルタ回路
37、47、77、97・・・遅延回路
61、63、81〜83、101〜103・・・スイッチ
64、65、84、85、104、105・・・サンプルホールド回路
113・・・送信された電波
115、116・・・反射された電波
125、126・・・電波の進行を示す屈曲線

Claims (11)

  1. 正弦波電波をターゲットに向けて送信する送信アンテナ、
    ターゲットで反射した電波を受信する受信アンテナ、
    送信アンテナの送信出力と受信アンテナの受信出力を乗算する第1検波回路、
    送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらすシフト手段、
    シフト手段で位相がずらされた一方の出力と位相がずらされない他方の出力を乗算する第2検波回路、
    を備えたレーダ装置。
  2. 正弦波電波をターゲットに向けて送信する送信アンテナ、
    ターゲットで反射した電波を受信する受信アンテナ、
    送信アンテナの送信出力と受信アンテナの受信出力を乗算する、第1検波回路と第2検波回路、
    送信アンテナと第1検波回路間、受信アンテナと第1検波回路間、送信アンテナと第2検波回路間、受信アンテナと第2検波回路間の少なくとも一箇所にあって、第1検波回路の送信出力と受信出力の位相差に対して、第2検波回路の送信出力と受信出力の位相差を1/4周期ずらすシフト手段、
    を備えたレーダ装置。
  3. 第1検波回路の出力と第2検波回路の出力の比からターゲットまでの距離を計算する手段をさらに有する請求項1または2のレーダ装置。
  4. 第1検波回路の出力の自乗値と第2検波回路の出力の自乗値の加算値からターゲットの反射率を計算する手段をさらに有する請求項1から3のいずれかのレーダ装置。
  5. 前記シフト手段は、ターゲットから見て受信アンテナよりも電波波長の整数倍の距離に電波波長の1/4の距離を加えた距離だけ遠くに位置している第2受信アンテナを持ち、その第2受信アンテナによって第1検波回路を検波する受信出力よりも位相を1/4周期遅らせた第2受信出力を得ることを特徴とする請求項1、3または4のレーダ装置。
  6. 前記シフト手段は、受信アンテナの受信出力を1/4周期遅延させて第2検波回路に出力する受信出力遅延手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかのレーダ装置。
  7. 前記シフト手段は、送信アンテナの送信出力を1/4周期遅延させて第2検波回路に出力する送信出力遅延手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかのレーダ装置。
  8. 検波回路に送信出力と受信出力を出力して第1検波回路を形成し、同じ検波回路にいずれか一方の位相が1/4周期ずらされ他方の位相がずらされていない送信出力と受信出力を出力して第2検波回路を形成する切換え手段を備えている請求項1から7のいずれかのレーダ装置。
  9. 加工工具を備えた動力工具、
    その動力工具に固定されて、その加工工具に向けて電波を送信する送信アンテナを備えた請求項1から8のいずれかのレーダ装置、
    を備えた加工装置。
  10. 正弦波電波をターゲットに向けて送信する工程、
    ターゲットで反射した電波を受信する工程、
    送信出力と受信出力を乗算する第1検波工程、
    送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらし、位相がずらされない他方の出力と乗算する第2検波工程、
    第1検波工程で得られる出力と第2検波工程で得られる出力の比からターゲットまでの距離を計算する工程、
    を備えるターゲットまでの距離を測定する方法。
  11. 正弦波電波をターゲットに向けて送信する工程、
    ターゲットで反射した電波を受信する工程、
    送信出力と受信出力を乗算する第1検波工程、
    送信出力と受信出力のいずれか一方の位相を1/4周期ずらし、位相がずらされない他方の出力と乗算する第2検波工程、
    第1検波工程で得られる出力の自乗値と第2検波工程で得られる出力の自乗値の加算値からターゲットの反射率を計算する工程、
    を備えるターゲットの電波反射率を測定する方法。
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