JP2005015317A - セラミックス−金属複合体の接合体及び接合方法ならびに該接合体を用いた半導体あるいは液晶製造装置 - Google Patents

セラミックス−金属複合体の接合体及び接合方法ならびに該接合体を用いた半導体あるいは液晶製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接合部の耐食性や耐熱性に優れ、接合強度が高く、安価であるセラミックス−金属複合体と同種又は異種の材料との接合体およびその接合方法ならびに該接合体を搭載した半導体あるいは液晶製造装置を提供する。
【解決手段】セラミックス−金属複合体と同種又は異種の材料とを、セラミックス−金属複合体を構成する元素と接合する相手材に含まれる元素の少なくとも1種の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を介して接合する。このような接合体を被処理物保持体として、半導体製造装置や液晶製造装置に搭載することにより、生産性や歩留りの良い半導体あるいは液晶製造装置を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス−金属複合体と、同種又は異種の材料との接合体及び該接合体の製造方法に関するものである。特に、該接合体は、プラズマCVD、減圧CVD、メタルCVD、絶縁膜CVD、イオン注入、エッチング、Low−K成膜、DEGAS装置などの半導体製造装置あるいは、液晶製造装置に使用される保持体として用いられ、更に該保持体を搭載した半導体あるいは液晶製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体あるいは液晶の製造工程では、被処理物である半導体基板あるいは液晶用ガラスに対して成膜処理やエッチング処理など様々な処理が行われる。このような半導体基板あるいは液晶用ガラスに対する処理を行う処理装置では、半導体基板あるいは液晶用ガラスを保持し、半導体基板あるいは液晶用ガラスを加熱するための保持体(セラミックスヒータ)が用いられている。
【0003】
このような従来のセラミックスヒータは、例えば特開平4−78138号公報に開示されている。特開平4−78138号公報に開示されたセラミックスヒータは、抵抗発熱体が埋設され、容器内に設置され、ウェハー加熱面が設けられたセラミックス製のヒータ部と、このヒータ部のウェハー加熱面以外の面に設けられ、前記容器との間で気密性シールを形成する凸状支持部と、抵抗発熱体へと接続され、容器の内部空間へと実質的に露出しないように容器外へ取り出された電極とを有する。
【0004】
この発明では、それ以前のヒータである金属製のヒータで見られた汚染や、熱効率の悪さの改善が図られている。しかし、近年の半導体基板あるいは液晶用ガラスは大型化が進められている。例えば、半導体基板であるシリコン(Si)ウェハでは、その直径が8インチから12インチへと移行が進められている。また、液晶用ガラスでは、例えば1500mmx1800mmという非常に大型化が進められている。
【0005】
この半導体基板あるいは液晶用ガラスの大口径化に伴って、セラミックスヒータの大きさも大型化する必要がある。しかし、一般的に用いられるAl、AlN、Si、SiC等のセラミックスは、融点が非常に高いか融点を有さない材料もあるので、金属のように融解して鋳込んだり、ブロックを灼熱して圧延したりすることが困難である。従って、厚みを厚くしたり、直径を200mm以上と大きくしようとすれば、セラミックスのコストが飛躍的に上昇してしまうという問題もあった。更に、これらセラミックスは、脆性材料であるので、局所的に熱応力が加わると破壊するという問題もあった。
【0006】
更に、半導体あるいは液晶製造装置では、前記各種処理を行う際に、金属不純物のコンタミや粒子状のゴミ(パーティクル)が発生すれば、製造する半導体や液晶の品質に重大な悪影響をおよぼすので、前記コンタミやパーティクルの発生は極力抑えなければならないという問題もあった。。
【0007】
【特許文献1】
特開平04−078138号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、接合部の耐食性や耐熱性に優れ、接合強度が高く、安価であるセラミックス−金属複合体と、同種又は異種の材料との接合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
特に、本発明のセラミックス−金属複合体の接合体を半導体あるいは液晶製造装置用の保持体として用いれば、半導体ウェハあるいは液晶用ガラスの表面の均熱性を高め、コンタミやパーティクルの発生がほとんどなく、耐熱衝撃性にも優れ、安価で生産効率の良い半導体あるいは液晶製造装置用保持体およびそれを搭載した半導体あるいは液晶製造装置とすることができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミックス−金属複合体の接合体は、セラミックス−金属複合体と同種又は異種の材料とを、セラミックス−金属複合体を構成する元素と接合する相手材に含まれる元素の少なくとも1種の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を介して接合したことを特徴とする。前記セラミックスと金属の複合体の金属は、Siであることが好ましく、セラミックスは、SiCまたはAlNまたはAlであることが好ましい。
【0011】
前記接合材は、Si基合金またはNi基合金であることが好ましい。また、前記セラミックス−金属複合体の接合体の外周面を耐食性の高い材料で、コーティングすることが好ましい。
【0012】
セラミックス−金属複合体と、同種又は異種の材料とからなる複数の基材の接合体の製造方法は、前記基材の間に接合材を設置し、非酸化性雰囲気中で加熱して前記接合材を溶融させ、前記基材の接合界面に前記セラミックス−金属複合体中の金属又は該金属の化合物からなる再析出相又は晶出相を、再析出又は晶出させる。
【0013】
以上のような接合体を被処理物保持体として搭載した半導体あるいは液晶製造装置であることが好ましい。このような半導体あるいは液晶製造装置は、被処理物であるウェハや液晶用ガラスの表面の温度が従来のセラミックス製保持体より均一になり、また耐熱衝撃性にも優れ、コンタミやパーティクルの発生もほとんどないので、歩留りよく、品質の高い半導体あるいは液晶表示装置を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
セラミックス−金属複合体は、金属中にセラミックス粒子が分散した組織となっているので、セラミックス−金属複合体同士をロウ材で接合すると、金属部分は接合できるがセラミックス部分はロウ付けできないので、接合強度が高い接合体を得ることは困難であった。
【0015】
発明者らは、セラミックス−金属複合体を構成する元素と接合する相手材に含まれる元素の少なくとも1種の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を用いて、セラミックス−金属複合体と、同種又は異種の材料とを接合すれば、接合強度が向上することを見出した。
【0016】
セラミックス−金属複合体を構成する元素と、接合相手材を構成する元素の少なくとも1種の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を用いて、非酸化性雰囲気中で該接合材を溶融させ、冷却することによって、セラミックス−金属複合体と相手材との界面で、セラミックス−金属複合体中の金属又は該金属の化合物からなる再析出相又は晶出相が、再析出又は晶出するので、接合強度が向上する。
【0017】
セラミックス−金属複合体は、熱伝導率が高く、また金属よりもヤング率が高く、セラミックスよりも靭性が高い。従って、セラミックス−金属複合体を半導体あるいは液晶製造装置の保持体とすれば、保持面の均熱性を得ることが容易であり、局所的に熱応力が加わった場合でも破壊しにくい。
【0018】
セラミックス−金属複合体を保持体として、半導体あるいは液晶製造装置のチャンバー20内に設置するためには、図1に示すようにセラミックス−金属複合体1を支持部6で支持する構造にする必要がある。しかし、セラミックス−金属複合体は、加工が困難であるため、図1の構造を削り出し加工で得るにはコストが非常に高くなる。そこで、セラミックス−金属複合体と支持部を接合して、図1の構造にすれば、コスト的に有利である。
【0019】
このように、セラミックス−金属複合体1と支持部6とを接合部4で接合し、抵抗発熱体回路3を埋設したセラミックスヒータ2をセラミックス−金属複合体の下に備え、給電電極7や熱電対8を組み込んだ保持体をチャンバー20内に設置すれば、被処理物保持面5の均熱性や、保持体としての耐食性あるいは耐熱衝撃性に優れ、しかも安価な保持体とすることができる。
【0020】
セラミックス−金属複合体は、例えば、多孔質セラミックスに金属を溶浸させる方法や、セラミックス粉末と金属粉末を混合し、成型後焼結する方法等により製造することができるので、大型化することが容易である。特に大型化した場合には、前記溶浸や焼結を、セラミックス単体に比べて低温で行うことが可能であり、靭性が高いので割れにくく、セラミックスに比べてコストは格段に安価である。また、半導体あるいは液晶製造工程で使用される腐食性ガスに対する耐食性も金属に比べて高い。更に、300℃以上の高温での耐熱性に優れている。また、セラミックスや金属の材質を被処理物の材質に合わせれば、被処理物を汚染する心配がなくなる。
【0021】
このようなセラミックス−金属複合体を構成する金属としては、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、銅(Cu)が挙げられる。また、セラミックスとしては、SiC、Al、AlN、WC、BNが挙げられる。本発明のセラミックス−金属複合体は、これらの金属とセラミックスの少なくとも1種ずつの組合せが好ましい。被処理物がシリコンウェハである場合は、配線パターン材料にアルミニウムが用いられることが多いので、Al−SiC、Al−Al、Al−AlN、Si−SiC、Si−Al、Si−AlNのうち少なくとも1種類であることが特に好ましい。
【0022】
更に、500℃以上の耐熱性が要求される保持体の場合は、Si−SiC、Si−Al、Si−AlNのうち少なくとも1種類であることが特に好ましい。
【0023】
セラミックス−金属複合体の被処理物保持面の平面度は500μm以下、面粗さはRaで3μm以下であれば、被処理物を均一に加熱することができ、被処理物表面の温度分布を±1.0%以下にすることができるので、好ましい。
【0024】
また、セラミックス−金属複合体の直径は、200mm以上であれば、大型の半導体ウェハや液晶用ガラスに対応でき、本発明の効果が顕著であるので好ましい。更に、厚みは、50mm以下にすることが望ましい。厚みを50mm以下にすれば、急速な昇温や降温が可能となり、また保持面の均熱性も向上するからである。
【0025】
また、本発明の保持体を設置した装置内を一度真空引きしてから使用する場合は、該保持体からのガスの発生により、真空引きの時間が長くなることを防ぐために、セラミックス−金属複合体の吸水率は0.03%以下であることが好ましい。吸水率が0.03%を超えると、真空引きに要する時間が長くなり、設備の稼動率が低下し、生産効率が悪くなる。
【0026】
以上のような、セラミックス−金属複合体の下にセラミックスヒータを備えた構造の保持体を、半導体あるいは液晶製造装置のチャンバー20内に支持部6を介して搭載する。支持部は、セラミックス−金属複合体あるいはセラミックスヒータのいずれかの少なくとも一部を支持してもよいし、両方の少なくとも一部を支持してもよい。支持部6の具体的な一例を図1から図7に示す。図1に示すように、セラミックス−金属複合体1を支持部6で支持し、チャンバー20内に設置する。支持部6の内部に、給電用電極7や熱電対8を設置する。支持部6とチャンバー20は、図4に示すようにO−リング9を介して気密封止してもよい。また、ボルトなどで固定してもよい。
【0027】
支持部の半導体あるいは液晶製造装置と接する部分の温度は、セラミックスヒータの温度より低いことが望ましい。セラミックス−金属複合体と支持部とは固定する。固定する方法としては、ネジ等の機械的固定方法もあるが、特に、腐食性ガスを使用する場合には、支持部内に設置される給電用電極7や熱電対8などを腐食性ガスによる腐食から防止するために、セラミックス−金属複合体あるいはセラミックスヒータと支持部とを気密シールすることが望ましい。気密シールの方法として、本発明のセラミックス−金属複合体の接合方法が好適である。
【0028】
すなわち、セラミックス−金属複合体を構成する元素と、支持部を構成する元素との少なくとも1種類の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を、接合部に設置し、希ガスや窒素ガスなどの非酸化性雰囲気中で、該接合材を溶融させた後、冷却する。このようにすることによって、接合界面で、セラミックス−金属複合体中の金属又は該金属の化合物からなる再析出相または晶出相を、再析出させるか又は晶出させることができる。再析出相又は晶出相は接合強度の向上に寄与し、接合強度の向上が図れる。
【0029】
また、500℃以上の耐熱性が要求される保持体の場合は、その接合部にも耐熱性が必要であるので、接合材として、500℃以上の融点を持つSi基合金またはNi基合金であることが好ましい。
【0030】
セラミックス−金属複合体と相手材の接合面の面粗さは、Ra0.5μm以上、5μm以下が好ましい。より好ましくは、Ra1μm以上、2μm以下である。接合面の面粗さが、Ra5μmを超えると、接合後の接合材に引け巣ができてしまうので、接合強度が低下する。また、Ra0.5μm未満の場合は、接合時に接合材が溶融した時に、接合材が接合部の外へ流出してしまうので、接合後に流出した接合材を除去する後加工が必要となるので、コスト的に割高になる。
【0031】
更に、接合工程において、ホットプレスなどによって、接合部に荷重をかけながら加熱すれば、接合強度はさらに向上すると共に、気密性も向上する。2MPa以上の荷重で加圧と加熱を行えば、接合部の気密性は、Heリーク試験で、1.0x10−9Pa・m/s以下にできるので好ましい。
【0032】
気密シールを行う場合は、セラミックス−金属複合体あるいはセラミックスヒータの熱膨張係数と、支持部の熱膨張係数は、近いほど良いが、熱膨張係数の差が、6x10−6/℃以下である材質が好ましい。
【0033】
熱膨張係数の差が、6x10−6/℃を超えると、セラミックス−金属複合体と支持部の接合部付近にクラックなどが発生したり、接合時にクラックが発生しなくても、繰り返し使用しているうちに接合部に熱サイクルが加わり、割れやクラックが発生することがある。例えば、セラミックス−金属複合体がSi−SiCの場合、支持部の材質は、Si−SiCが最も好適であるが、AlNや窒化珪素や炭化珪素あるいはムライト等が使用できる。
【0034】
また、腐食性ガスを使用する場合は、セラミックス−金属複合体や支持部やこれらの接合部が、腐食性ガスに曝されるので、腐食する可能性がある。この腐食を防止するために、図6に示すように、少なくとも被処理物保持面を腐食性ガスに対する耐食性に優れたコーティング10を施すことが好ましい。コーティング材料としては、Si、SiO、SiC、AlN、ダイヤモンド状カーボン(DLC)、ダイヤモンド、サファイヤ(Al)、フッ化アルミニウム、グラファイトが好ましい。
【0035】
また、図7に示すように、腐食性ガスに対する耐食性の高い部材11によって、セラミックス−金属複合体1とセラミックスヒータ2を覆ってもよい。このような部材としては、Si、SiO、SiC、AlN、サファイヤ(Al)、フッ化アルミニウム、グラファイトの他に、ガラス状カーボンを用いることができる。
【0036】
また、本発明の保持体を半導体装置に組み込んで、半導体ウェハを処理することができる。本発明の保持体は、ウェハ保持面の温度が均一であるので、ウェハの温度分布も従来より均一になるので、形成される膜や熱処理等に対して、安定した特性を得ることができる。
【0037】
また、本発明の保持体を液晶製造装置に組み込んで、液晶用ガラスを処理することができる。本発明の保持体は、液晶用ガラスの保持面の温度が均一であるので、液晶用ガラス表面の温度分布も従来より均一になるので、形成される膜や熱処理等に対して、安定した特性を得ることができる。
【0038】
【実施例】
実施例1
市販の直径400mm、厚み10mmのSi−SiC製のセラミックス−金属複合体を用意した。図8に示すように、このセラミックス−金属複合体1に、外径350mm、内径330mm、長さ150mmのSi−SiC製のパイプ6を接合した。接合材は、厚さ1mmのSi−Al系合金とし、その組成を調整して、表1に示すような融点のものを用いた。接合は、ホットプレスを用いて、窒素ガス中で接合材の融点より100℃高い温度、荷重30MPa、2時間で行った。
【0039】
各接合材で接合した接合体の接合部の気密性をHeリーク測定した。また、JIS R1601に準拠した接合強度測定用のサンプルを別に作製し、四点曲げ試験により、接合強度を測定した。それらの結果を表1に示す。なお、Si−SiC複合体とSi−SiCパイプの接合面の面粗さはいずれもRaで1μmとした。
【0040】
【表1】
Figure 2005015317
【0041】
表1から、接合材の融点が500℃以上であれば、接合強度が200MPa以上であり、Heリーク試験で1.0x10−9Pa・m/s以下に成ることが判る。また、各接合部の組織を観察した結果、No.1の接合部の組織は、Si−AlNの共晶組織であった。No.2〜5の接合体では、Si−Alの共晶組織とSi結晶粒からなる組織であり、Si−SiCと接合材の界面は、優先的に接合材から晶出したAlが存在していた。これらの組織が接合強度の向上に寄与しているものと考えられる。
【0042】
実施例2
セラミックス−金属複合体をSi−Alとし、セラミックス製のパイプを表2に示す材質のものとし、Si−Al系合金の融点を700℃のものとして、実施例1と同様に接合体を作製した後、接合強度とHeリーク試験を実施した。なお、接合条件はホットプレスで、窒素ガス中で、温度800℃、荷重50MPaで行った。その結果を表2に示す。表中のα差とは、セラミックス−金属複合体とセラミックス製のパイプとの熱膨張係数の差を示す。
【0043】
【表2】
Figure 2005015317
【0044】
実施例3
セラミックス−金属複合体をSi−AlNにしたこと以外は、実施例2と同様に接合体を作成し、接合強度とHeリーク試験を行った。その結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
Figure 2005015317
【0046】
実施例4
セラミックス−金属複合体をSi−SiCにしたこと以外は、実施例2と同様に接合体を作成し、接合強度とHeリーク試験を行った。その結果を表3に示す。
【0047】
【表4】
Figure 2005015317
【0048】
表2〜4から次のことが判る。すなわち、セラミックス−金属複合体を構成する元素と、接合相手材を構成する元素との少なくとも1種の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を用いて、非酸化性雰囲気中で接合すれば、接合強度が200MPa以上の接合体を得ることができる。また、接合するもの同士の熱膨張係数の差が6x10−6/℃以下であれば、Heリーク試験で、1.0x10−9Pa・m/s以下の気密性を得ることができる。
【0049】
実施例5
接合材を融点1002℃のNi−Si系合金粉末とし、該合金をペースト化したものを、厚さ100μmで接合界面に挟み、窒素雰囲気中、温度1100℃、荷重50MPaの条件で接合したこと以外は、実施例2乃至4と同様に接合体を作製した。接合体の接合強度試験を行い、その結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
Figure 2005015317
【0051】
接合材をSi−Al系の合金箔からNi−Si系合金粉末に変えると、接合強度は接合材の強度が上がった分だけ高くなった。また、Heリーク試験の結果は接合材を変えても変わらず、いずれも1.0x10−9Pa・m/s未満であった。
【0052】
実施例6
実施例1と同様のSi−SiC複合体とAlNパイプを用いて実施例1と同様に接合体を作製した。この時、Si−SiCとAlNパイプの接合面の面粗さを表6に示すようにした。接合体のHeリーク試験を行い、その結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
Figure 2005015317
【0054】
表6より、接合面の面粗さが、Ra5.0μm以下であれば、気密性は、1.0x10−9Pa・m/s未満となるが、面粗さRaが5.0μmを超えると、気密性が悪くなることが判る。
【0055】
実施例7
実施例1のNo.4の接合体を用いた。表7に示す各種コーティング材を接合部を含む全面に図6に示すようにコーティングした。SiおよびSiOのコーティングは溶射で行い、これら以外の材質のコーティングは、CVD法で行った。各コーティング10の厚みを表7に示す。これらコーティングを施した接合体とコーティングを施していないNo.4の接合体の下に、図6に示すようにセラミックスヒータ2をネジ(図示せず)で取り付けた。
【0056】
これらの保持体を、チャンバー内に設置し、保持体を500℃に加熱した状態で、腐食性ガス(CHF:O=4:1)を1時間供給した。その結果、Si−SiC複合体と支持部とのガラス接合部が、腐食(エッチング)されていた。そのエッチング深さを表7に示す。なお、表7において、コーティング欄が“−”は、コーティングしていないことを示す。
【0057】
【表7】
Figure 2005015317
【0058】
表7から判るように、コーティングを施すことによって、エッチングされにくくなるが、DLC(ダイヤモンド状カーボン)やダイヤモンドのように耐食性の高い材質をコーティングした方が、耐食性は向上する。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、セラミックスと金属の複合体と、同種又は異種の材料とを、セラミックス−金属複合体を構成する元素と、接合相手材を構成する元素との少なくとも1種の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を用いて、非酸化性雰囲気中で接合することによって、セラミックス−金属複合体と相手材との接合界面で、セラミックス−金属複合体中の金属又は該金属の化合物からなる再析出相又は晶出相が、再析出又は晶出するので、接合強度の高いセラミックス−金属複合体の接合体を得ることができる。
【0060】
このような接合体を、半導体あるいは液晶製造装置の保持体とすれば、保持面の均熱性を高め、耐熱衝撃性に優れ、パーティクルなどの発生を抑制することができる。更に、少なくとも被処理物保持面をコーティングすれば、耐久性を向上させることができる。このような保持体を半導体製造装置や液晶製造装置に搭載することにより、生産性や歩留りの良い半導体あるいは液晶製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合体の断面構造の一例を示す。
【図2】本発明の接合体の断面構造の他の一例を示す。
【図3】本発明の接合体の断面構造の他の一例を示す。
【図4】本発明の接合体の断面構造の他の一例を示す。
【図5】本発明の接合体の断面構造の他の一例を示す。
【図6】本発明の接合体の断面構造の他の一例を示す。
【図7】本発明の接合体の断面構造の他の一例を示す。
【図8】本発明の接合体の断面構造の他の一例を示す。
【符号の説明】
1 セラミックス−金属複合体
2 セラミックスヒータ
3 発熱体回路
4 接合部
5 保持面
6 支持部
7 電極
8 熱電対
9 O−リング
10 コーティング
20 チャンバー

Claims (7)

  1. セラミックスと金属の複合体(セラミックス−金属複合体)と同種又は異種の材料とを、セラミックス−金属複合体を構成する元素と接合する相手材に含まれる元素の少なくとも1種の元素を含有し、融点が500℃以上の接合材を介して接合したことを特徴とするセラミックス−金属複合体の接合体。
  2. 前記セラミックスと金属の複合体の金属が、Siであることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス−金属複合体の接合体。
  3. 前記セラミックスと金属の複合体のセラミックスが、SiCまたはAlNまたはAlであることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックス−金属複合体の接合体。
  4. 前記接合材が、Si基合金またはNi基合金であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミックス−金属複合体の接合体。
  5. 前記セラミックス−金属複合体の接合体の外周面をコーティングすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックス−金属複合体の接合体。
  6. セラミックス−金属複合体と、同種又は異種の材料とからなる複数の基材の接合体であって、前記基材の間に接合材を設置し、非酸化性雰囲気中で加熱して前記接合材を溶融させ、前記基材の接合界面に前記セラミックス−金属複合体中の金属又は該金属の化合物からなる再析出相又は晶出相を、再析出又は晶出させることを特徴とするセラミックス−金属複合体の接合体の製造方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれかの接合体を、被処理物保持体として搭載したことを特徴とする半導体あるいは液晶製造装置。
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