JP2005014758A - リムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外観面を特色ある形状に形成することができ、かつ静的強度および動的強度をともに向上させることにある。
【解決手段】タイヤTによって隠れた状態となる内隠面21を構成する内隠板状材2と、タイヤTの外側に露出した外観面31を構成する外観板状材3とによって一体に形成した構成になっている。内隠面21と外観面31それぞれに対応する成形面を持った金型の間にパイプを挟んでプレスすることによって内隠面21と外観面31を有するリム基礎材を成形し、これを湾曲しリム最終端部同士を溶接してリムを製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】タイヤTによって隠れた状態となる内隠面21を構成する内隠板状材2と、タイヤTの外側に露出した外観面31を構成する外観板状材3とによって一体に形成した構成になっている。内隠面21と外観面31それぞれに対応する成形面を持った金型の間にパイプを挟んでプレスすることによって内隠面21と外観面31を有するリム基礎材を成形し、これを湾曲しリム最終端部同士を溶接してリムを製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートバイ等の車両に用いられるホイールのリムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、オートバイのホイールに用いられるリムとしては、図4に示すように、タイヤTのビード部T1の側面を支持する一対のフランジ部1aと、ビード部T1の縁部をシールする一対のビードシート部1bと、ビード部T1の内方への落ち込みを防止する一対のハンプ部1cと、例えばスポーク接続用のニップルを設けるために、各ビードシート部1bに対して凹状に形成されたウェル部1dとからなる断面形状のものが知られている。
【0003】
すなわち、リムにおけるタイヤTによって隠れた部分となる内隠面1eは、タイヤTの保持等のため、上述したフランジ部1a、ビードシート部1b、ハンプ部1cおよびウェル部1dを連続的につなげた一定の形状に形成する必要がある。
【0004】
このため、リムにおけるタイヤTの外側に露出する部分となる外観面(外面)1fも、一般に、上記内隠面1eと同様の形状に形成されることになる。
なお、内隠面1eは円環状のリムの外周側に位置し、外観面1fが同リムの主として内周側に位置することになる。
【0005】
上記のように形成されたリムにおいては、外観面1fが内隠面1eと同様の画一的で特色のない形状になるものの、リムの断面における厚さがほぼ一定になることから、大きな応力集中の発生を避けることができ、耐久性の向上を図ることができるという利点がある。
【0006】
一方、例えばビードシート部1bの箇所に空洞部を設けることによって、外観面1fをタイヤ取付面1eとは異なる面に構成したものもある(例えば、特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−108602号公報(第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ビードシート部1bに空洞部を設けたリムにおいては、断面係数が向上することから、静的荷重に対する強度、すなわち静的強度の向上を図ることができるが、断面において厚さが急激に変化する部分が生じ、その部分に大きな応力集中が発生することになることから、衝撃荷重に対する強度、すなわち動的強度が低下し耐久性の面で劣る結果となる。特に、衝撃力が多く作用するオフロード車の場合には、耐久性の低下が問題となる。また、大型オートバイにおいても、高速走行時におけるブレーキング時の車輪強度(特にスポークタイプの場合)が問題になっている。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外観面を特色ある形状に形成することができ、かつ静的強度および動的強度をともに向上させることのできるリムおよびその製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載のリムは、タイヤによって隠れた状態となる内隠面を構成する内隠板状材と、上記タイヤの外側に露出した外観面を構成する外観板状材とによって一体に形成されたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載のリムは、請求項1に記載の発明において、上記外観面は、上記外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載のリムは、請求項2に記載の発明において、上記曲線は、円弧状であることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のリムは、請求項2に記載の発明において、上記曲線は、楕円弧状であることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載のリムは、請求項1に記載の発明において、上記外観面は、上記外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように、複数の隣接する直線によって形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載のリムの製造方法は、請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、上記内隠面に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間にパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形するプレス工程と、上記リム基礎材を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載のリムの製造方法は、請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、上記内隠面に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間にパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形するプレス工程と、上記リム基礎材を円環状に近い状態まで湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面に形成してなるリム中間材を成形する第1湾曲工程と、上記リム中間材の内隠中間面を上記内隠面に対応する面に修正する内隠修正面を有する内隠修正金型と上記リム中間材の外観中間面を上記外観面に対応する面に修正する外観修正面を有する外観修正金型とで当該リム中間材を挟んで保持した状態で、当該リム中間材内に液圧を付加することにより、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを上記内隠修正面および上記外観修正面に沿うように修正する修正工程と、上記修正後の内隠中間面および上記外観中間面を有するリム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する第2湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載のリムの製造方法は、請求項6または7に記載の発明において、上記プレス工程において、上記パイプの外周面を上記内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密着させるべく、当該パイプ内に液圧を付加することを特徴としている。
【0018】
請求項9に記載のリムの製造方法は、請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、パイプを円環状に近い状態まで湾曲成形するパイプ湾曲工程と、上記湾曲成形されたパイプ内に液圧を付加するとともに、上記内隠面に対応する内隠中間面を成形する内隠中間成形面を有する内隠中間成形金型と上記外観面に対応する外観中間面を成形する外観中間成形面を有する外観中間成形金型との間に上記液圧で加圧されたパイプを挟んでプレスすることにより、当該パイプの外周面を上記内隠中間成形面および外観中間成形面に密着させるハイドロフォーミングにより、円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形するハイドロフォーミング工程と、上記リム中間材における両端部を切断した後、当該リム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴としている。
【0019】
上記のように構成された請求項1〜5に記載の発明においては、内隠板状材と外観板状材とからなる二重構造のもので構成されているので、外観板状材のみを単独で種々の形状に形成することができる。すなわち、外観板状材の外観面を回転中心線側に凸状となるように連続する円弧状、楕円弧状等の曲面状に形成したり、多角形状に形成したり、亀甲模様等を有する形状やその他の形状に形成したりすることが可能となる。したがって、外観面を従来にない特色ある面に形成することができる。
【0020】
また、内隠板状材および外観板状材からなる二重構造に構成されているので、断面二次モーメントの上昇に伴って断面係数が増加することになる。したがって、静的強度の向上を図ることができる。しかも、内隠板状材および外観板状材は一定の厚さのもので構成することができるので、大きな応力集中の発生を避けることができるとともに、弾性変形によるエネルギの吸収率を高めることができる。したがって、動的強度の向上を図ることができる。すなわち、耐久性の向上を図ることができ、オフロード車および大型オートバイ等のように衝撃力が頻繁に作用する過酷な環境下での使用にも十分耐え得るものを提供することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明においては、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に滑らかに湾曲しながら膨出する曲面状になる。また、上記曲線の曲率を調整することによって美的に優れた種々の形状のものを得ることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明においては、外観面が回転中心線側に円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明においては、外観面が回転中心線側に楕円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明においては、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように、複数の隣接する直線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に多角形状の面によって膨出した形状になる。このため、多角形状の各面に周囲の風景が写り込むとともに、各面からの光の反射方向の異なったものとなる等、従来にない美的に優れたものを得ることができる。
【0025】
請求項6〜8に記載の発明においては、基本的にプレス工程、湾曲工程、溶接工程を経ることにより、パイプからリムを簡単に製造することができる。なお、パイプとしては、鉄およびその合金、アルミニウムおよびその合金、ステンレス鋼等の金属製のパイプが使用可能である。
【0026】
請求項7に記載の発明においては、円環状に近い状態のリム中間材の段階で当該リム中間材の内隠中間面および外観中間面を修正することができるので、第2湾曲工程において、円環状に形成することにより、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明においては、プレス工程において、パイプ内に液圧を加えることによって、請求項6または7に記載のパイプの外周面を内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密接させることができる。したがって、最終的に円環状に成形することによって、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明においては、パイプを円環状に近い状態まで湾曲成形した後、当該パイプをハイドロフォーミング工程で円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形し、このリム中間材を円環状に成形しているので、湾曲成形によって例えば内隠中間面や外観中間面に異常な変形が生じることがない。したがって、製造工程の途中で内隠中間面等を修正する必要がないので、目標通りの正確な内隠面および外観面を有するリムを短時間で製造することができる。
【0029】
また、リム中間材を円環状に形成する前に、リム中間体の両端部を切断しているので、液圧の供給に要した不正形状の部分(内隠中間面および外観中間面とは異なる形状の部分)を排除することができるとともに、端面を整形することができ、かつ周方向の長さを調整することができる。したがって、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【0030】
なお、請求項6〜8に記載の発明においても、最終的に環状に成形する前に、リム素材(すなわち、リム基礎材または修正後のリム中間体)の端部を切断することによって、不正形状部分の除去、端面の整形および長さの調整を行うことが好ましい。
【0031】
また、請求項6〜9に記載の発明においては、溶接工程の終了後に、全体の形状を矯正するために、ハイドロフォーミングあるいはシュリンクによる処理を行うことが好ましい。ここで示したハイドロフォーミングとは、リムとして形成された後のパイプに内圧を加えながら内隠面側金型および外観面側金型で形状を矯正する方法である。また、シュリンクとは、リムの外観面を外観面側金型に沿わせるべく縮径プレスすることで形状を矯正する方法である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0033】
この実施の形態で示すリムは、図1および図2に示すように、オートバイ用のスポークを有するホイールに使用されるリムであって、タイヤTによって隠れた状態となる内隠面21を構成する内隠板状材2と、上記タイヤTの外側に露出した外観面31を構成する外観板状材3とによって一体に形成されている。
【0034】
すなわち、内隠板状材2および外観板状材3は、回転中心線Crを中心にして円環状に形成されたものであり、内隠板状材2が外周側に位置し、外観板状材3が内周側に位置する二重構造のもので構成されている。
【0035】
内隠板状材2は、左右の両側に位置する一対のフランジ部2aと、各フランジ部2aの内側に配置された一対のビードシート部2bと、各ビードシート部2bの内側に配置された一対のハンプ部2cと、各ハンプ部2cの内側にあって、図示しないスポーク接続用のニップルを設けるために、各ビードシート部1bに対して凹状に形成されたウェル部2dとからなる断面形状のもので構成されている。
【0036】
内隠面21は、上記各フランジ部2aに対応する部分がタイヤTのビード部T1の側面を支持するフランジ面となっており、上記各ビードシート部2bに対応する部分がビード部T1の縁部をシールするビードシート面となっており、上記各ハンプ部2cに対応する部分がビード部T1の内方への落ち込みを防止するハンプ面となっている。
【0037】
外観板状材3は、内隠板状材2におけるフランジ部2aの縁部であって幅方向の各端部3aから連続して形成されているとともに、図1に示す横断面視において、上記幅方向の各端部3aから上述した回転中心線Cr側に凸状となるように形成されたものとなっている。しかも、外観板状材3は、上記横断面視において、回転中心線Crに対する傾きが各端部3aからリム中心線Cvに向かって順次小さくなるように屈折する複数の直線状の部材によって形成されている。したがって、外観面31も、横断面視において、幅方向の各端部3aから回転中心線Cr側に凸状となり、かつ回転中心線Crに対する傾きがリム中心線Cvに向かって順次小さくなるように隣接する複数の直線によって形成された状態になる。
【0038】
また、外観板状材3は、内隠板状材2におけるフランジ部2aとビードシート部2bの境の屈曲部と接触するとともに、ウェル部2dの底部とも接触する構造になっている。なお、上述した横断面視とは、リムにおける回転中心線Crを通る平面によって切断される断面、すなわち回転中心線Crを半径方向の外方に平行移動することによって得られる平面によって切断される断面を正面視することを意味する。
【0039】
そして、内隠板状材2におけるウェル部2dの底部およびこの底部に接触する外観板状材3には、図2に示すように、回転中心線Cr側に球面の一部をなすように突出するニップル取付部4が複数形成されており、各ニップル取付部4には、図示しないニップルにおけるスポークの取付部を挿通するための貫通孔4aが形成されている。
【0040】
次ぎに、上記のように構成されたリムの製造方法を説明する。この製造方法は、プレス工程と、第1湾曲工程と、修正工程と、第2湾曲工程と、溶接工程とを備えている。
【0041】
プレス工程においては、内隠面21に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面31に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間に原材料としてのアルミニウム合金製のパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形する。この場合、原材料として提供されるパイプおよびプレス後のリム基礎材は、直線状に延在するものである。
【0042】
第1湾曲工程においては、上記リム基礎材を円環状に近い状態まで湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面に形成してなるリム中間材を成形する。
【0043】
修正工程においては、上記リム中間材の内隠中間面を上記内隠面21に対応する面に修正する内隠修正面を有する内隠修正金型と上記リム中間材の外観中間面を上記外観面31に対応する面に修正する外観修正面を有する外観修正金型とで当該リム中間材を挟んで保持した状態で、当該リム中間材内に液圧を付加することにより、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを上記内隠修正面および上記外観修正面に密接するように修正する。
【0044】
第2湾曲工程においては、上記修正後の内隠中間面および上記外観中間面を有するリム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面21および上記外観面31に形成してなるリム最終材を成形する。
【0045】
溶接工程においては、上記リム最終材の端部同士を、例えばフラッシュバット溶接により一体的に連結する。これにより、環状に連結されたリムが完成する。
【0046】
上記のように構成されたリムにおいては、内隠板状材2と外観板状材3とからなる二重構造のもので構成されているので、外観板状材3のみを単独で種々の形状に形成することができる。そして、この実施の形態では、外観面31を、横断面視において、回転中心線Crに対する傾きがリム中心線Cvに向かって順次小さくなるように形成することにより、当該外観面31が多角形状に屈折した複数の面によって形成された状態になる。したがって、各多角形状の面に周囲の風景が写り込むとともに、各面において光の反射方向が異なったものとなる等、従来にない美的に優れたものを得ることができる。
【0047】
また、内隠板状材2および外観板状材3からなる二重構造に構成されているので、断面二次モーメントの上昇に伴って断面係数が増加することから、静的強度の向上を図ることができる。しかも、内隠板状材2および外観板状材3は一定の厚さのもので構成することができるので、大きな応力集中の発生を避けることができるとともに、弾性変形によるエネルギの吸収率を高めることができ、よって動的強度の向上を図ることができる。すなわち、耐久性の向上を図ることができ、オフロード車等のように衝撃力が頻繁に作用する過酷な環境下での使用にも十分耐え得るものを提供することができる。
【0048】
因みに、図4に示す形状の従来例と、図1に示す形状の実施例について強度等を比較すると表1のようになる。なお、リムのサイズは、リム幅Wが3インチ、リム直径Dが16インチのもので比較した。また、表1において、Zcuは、リムの横断面の図心を通り回転中心線Crに平行な直線Cu回りの断面係数であり、Zcvは、リムの横断面の図心を通り回転中心線Crに直交する直線、すなわちリム中心線Cv回りの断面係数である。
【0049】
【表1】
【0050】
上記表1から、本実施例は、重量が従来例より若干上昇するが、強度的に優れたものとなることがわかる。
【0051】
一方、上記リムの製造方法においては、基本的にプレス工程、湾曲工程、溶接工程を経ることにより、パイプからリムを簡単に製造することができる。また、修正工程において、円環状に近い状態のリム中間材の段階で当該リム中間材の内隠中間面および外観中間面を修正することができるので、第2湾曲工程で円環状に成形することによって、目標通りの形状の内隠面21および外観面31を有するリムを製造することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態のリムにおいては、横断面視において、外観面31を直線状に屈曲する直線を有する面で形成した例を示したが、この外観板状材3の外観面31は、図3に示すように、横断面視において、幅方向の各端部3aから回転中心線Cr側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成してもよい。この場合、その曲線は円弧状、楕円弧状に形成することが可能である。また、上記曲線の曲率を調整することによって美的に優れた種々の形状のものを得ることができる。さらに、外観板状材の外面は、亀甲模様等の種々の模様を有するもので構成することも可能である。
【0053】
また、上記実施の形態のリムの製造方法においては、第1湾曲工程、修正工程および第2湾曲工程に代えて、直線状のリム基礎材を円環状に湾曲成形することによって、内隠基礎面および外観基礎面のそれぞれを円環状の内隠面21および外観面31に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程を採用してもよい。
【0054】
さらに、上述したプレス工程においては、パイプ内に液圧を加えることによって、パイプの外周面を内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密接させるようにしてもよい。この場合には、内隠基礎成形面および外観基礎成形面通りの正確な内隠基礎面および外観基礎面を成形することができるので、最終的に円環状に形成された後においても、目標通りの優れた形状の内隠面21および外観面31を得ることができる。
【0055】
またさらに、上述したリムの製造方法に代え、以下に示す製造方法を用いてもよい。
すなわち、アルミニウム合金製の直線状のパイプを円環状に近い状態まで湾曲成形するパイプ湾曲工程と、上記湾曲成形されたパイプ内に液圧を付加するとともに、上記内隠面21に対応する内隠中間面を成形する内隠中間成形面を有する内隠中間成形金型と上記外観面31に対応する外観中間面を成形する外観中間成形面を有する外観中間成形金型との間に上記液圧で加圧されたパイプを挟んでプレスすることにより、当該パイプの外周面を上記内隠中間成形面および外観中間成形面に密着させるハイドロフォーミングにより、円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形するハイドロフォーミング工程と、上記リム中間材における両端部を切断した後、当該リム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面21および上記外観面31に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えた製造方法を用いてもよい。
【0056】
上記リムの製造方法によれば、直線状のパイプを円環状に近い状態まで湾曲成形した後に、当該パイプをハイドロフォーミング工程で円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形し、このリム中間材を円環状に成形しているので、湾曲成形によって例えば内隠中間面や外観中間面に異常な変形が生じることがない。したがって、製造工程の途中で内隠中間面等を修正する必要がないので、目標通りの正確な内隠面21および外観面31を有するリムを短時間で製造することができる。
【0057】
また、リム中間材を円環状に形成する前に、リム中間体の両端部を切断しているので、液圧の供給に要した不正形状の部分(内隠中間面および外観中間面とは異なる形状の部分)を排除することができるとともに、端面を整形することができ、かつ周方向の長さを調整することができる。したがって、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【0058】
なお、上述した第2湾曲工程において、修正後の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間体を円環状に湾曲成形する前に、当該リム中間材の両端部を切断してもよく、また直線状のリム基礎材を円環状に湾曲成形する前に、当該リム基礎材の両端部を切断してもよい。この場合にも、不正形状部分の除去、端面の整形および長さの調整を行うことができるので、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【0059】
また、上述した何れのリムの製造方法においても、溶接工程の終了後に、全体の形状を矯正するために、ハイドロフォーミングあるいはシュリンクによる処理を行うことが好ましい。ここにおけるハイドロフォーミングおよびシュリンクについては、前述した通りであるので説明を省略する。
【0060】
さらに、原材料としてのパイプの材質としてアルミニウム合金の例を上げて説明したが、このパイプの材質としては、通常のアルミニウム、鉄およびその合金、ステンレス鋼等の金属の使用が可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、内隠板状材と外観板状材とからなる二重構造のもので構成されているので、外観板状材のみを単独で種々の形状に形成することができる。すなわち、外観板状材の外観面を回転中心線側に凸状となるように連続する円弧状、楕円弧状等の曲面状に形成したり、多角形状に形成したり、亀甲模様等を有する形状やその他の形状に形成したりすることが可能となる。したがって、外観面を従来にない特色ある面に形成することができる。
【0062】
また、内隠板状材および外観板状材からなる二重構造に構成されているので、断面二次モーメントの上昇に伴って断面係数が増加することになる。したがって、静的強度の向上を図ることができる。しかも、内隠板状材および外観板状材は一定の厚さのもので構成することができるので、大きな応力集中の発生を避けることができるとともに、弾性変形によるエネルギの吸収率を高めることができる。したがって、動的強度の向上を図ることができる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に滑らかに湾曲しながら膨出する曲面状になる。また、上記曲線の曲率を調整することによって美的に優れた種々の形状のものを得ることができる。
【0064】
請求項3に記載の発明によれば、外観面が回転中心線側に円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0065】
請求項4に記載の発明によれば、外観面が回転中心線側に楕円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0066】
請求項5に記載の発明によれば、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように、複数の隣接する直線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に多角形状の面によって膨出した形状になる。このため、多角形状の各面に周囲の風景が写り込むとともに、各面からの光の反射方向の異なったものとなる等、従来にない美的に優れたものを得ることができる。
【0067】
請求項6〜8に記載の発明によれば、基本的にプレス工程、湾曲工程、溶接工程を経ることにより、パイプからリムを簡単に製造することができる。
【0068】
請求項7に記載の発明によれば、円環状に近い状態のリム中間材の段階で当該リム中間材の内隠中間面および外観中間面を修正することができるので、第2湾曲工程において、円環状に形成することにより、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0069】
請求項8に記載のリムによれば、プレス工程において、パイプ内に液圧を加えることによって、パイプの外周面を内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密接させることができる。したがって、最終的に円環状に成形することによって、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0070】
請求項9に記載の発明によれば、パイプを円環状に近い状態まで湾曲成形した後、当該パイプをハイドロフォーミング工程で円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形し、このリム中間材を円環状に成形しているので、湾曲成形によって例えば内隠中間面や外観中間面に異常な変形が生じることがない。したがって、製造工程の途中で内隠中間面等を修正する必要がないので、目標通りの正確な内隠面および外観面を有するリムを短時間で製造することができる。
【0071】
また、リム中間材を円環状に形成する前に、リム中間体の両端部を切断しているので、液圧の供給に要した不正形状の部分(内隠中間面および外観中間面とは異なる形状の部分)を排除することができるとともに、端面を整形することができ、かつ周方向の長さを調整することができる。したがって、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態として示したリムの要部を示す横断面図である。
【図2】同リムの要部斜視図である。
【図3】同リムにおける外観板状材の他の例を示す横断面図である。
【図4】従来例として示したリムの要部を示す横断面図である。
【符号の説明】
2 内隠板状材
3 外観板状材
3a 端部
21 内隠面
31 外観面
Cr 回転中心線
T タイヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートバイ等の車両に用いられるホイールのリムおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、オートバイのホイールに用いられるリムとしては、図4に示すように、タイヤTのビード部T1の側面を支持する一対のフランジ部1aと、ビード部T1の縁部をシールする一対のビードシート部1bと、ビード部T1の内方への落ち込みを防止する一対のハンプ部1cと、例えばスポーク接続用のニップルを設けるために、各ビードシート部1bに対して凹状に形成されたウェル部1dとからなる断面形状のものが知られている。
【0003】
すなわち、リムにおけるタイヤTによって隠れた部分となる内隠面1eは、タイヤTの保持等のため、上述したフランジ部1a、ビードシート部1b、ハンプ部1cおよびウェル部1dを連続的につなげた一定の形状に形成する必要がある。
【0004】
このため、リムにおけるタイヤTの外側に露出する部分となる外観面(外面)1fも、一般に、上記内隠面1eと同様の形状に形成されることになる。
なお、内隠面1eは円環状のリムの外周側に位置し、外観面1fが同リムの主として内周側に位置することになる。
【0005】
上記のように形成されたリムにおいては、外観面1fが内隠面1eと同様の画一的で特色のない形状になるものの、リムの断面における厚さがほぼ一定になることから、大きな応力集中の発生を避けることができ、耐久性の向上を図ることができるという利点がある。
【0006】
一方、例えばビードシート部1bの箇所に空洞部を設けることによって、外観面1fをタイヤ取付面1eとは異なる面に構成したものもある(例えば、特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−108602号公報(第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ビードシート部1bに空洞部を設けたリムにおいては、断面係数が向上することから、静的荷重に対する強度、すなわち静的強度の向上を図ることができるが、断面において厚さが急激に変化する部分が生じ、その部分に大きな応力集中が発生することになることから、衝撃荷重に対する強度、すなわち動的強度が低下し耐久性の面で劣る結果となる。特に、衝撃力が多く作用するオフロード車の場合には、耐久性の低下が問題となる。また、大型オートバイにおいても、高速走行時におけるブレーキング時の車輪強度(特にスポークタイプの場合)が問題になっている。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外観面を特色ある形状に形成することができ、かつ静的強度および動的強度をともに向上させることのできるリムおよびその製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載のリムは、タイヤによって隠れた状態となる内隠面を構成する内隠板状材と、上記タイヤの外側に露出した外観面を構成する外観板状材とによって一体に形成されたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載のリムは、請求項1に記載の発明において、上記外観面は、上記外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載のリムは、請求項2に記載の発明において、上記曲線は、円弧状であることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のリムは、請求項2に記載の発明において、上記曲線は、楕円弧状であることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載のリムは、請求項1に記載の発明において、上記外観面は、上記外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように、複数の隣接する直線によって形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載のリムの製造方法は、請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、上記内隠面に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間にパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形するプレス工程と、上記リム基礎材を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載のリムの製造方法は、請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、上記内隠面に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間にパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形するプレス工程と、上記リム基礎材を円環状に近い状態まで湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面に形成してなるリム中間材を成形する第1湾曲工程と、上記リム中間材の内隠中間面を上記内隠面に対応する面に修正する内隠修正面を有する内隠修正金型と上記リム中間材の外観中間面を上記外観面に対応する面に修正する外観修正面を有する外観修正金型とで当該リム中間材を挟んで保持した状態で、当該リム中間材内に液圧を付加することにより、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを上記内隠修正面および上記外観修正面に沿うように修正する修正工程と、上記修正後の内隠中間面および上記外観中間面を有するリム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する第2湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載のリムの製造方法は、請求項6または7に記載の発明において、上記プレス工程において、上記パイプの外周面を上記内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密着させるべく、当該パイプ内に液圧を付加することを特徴としている。
【0018】
請求項9に記載のリムの製造方法は、請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、パイプを円環状に近い状態まで湾曲成形するパイプ湾曲工程と、上記湾曲成形されたパイプ内に液圧を付加するとともに、上記内隠面に対応する内隠中間面を成形する内隠中間成形面を有する内隠中間成形金型と上記外観面に対応する外観中間面を成形する外観中間成形面を有する外観中間成形金型との間に上記液圧で加圧されたパイプを挟んでプレスすることにより、当該パイプの外周面を上記内隠中間成形面および外観中間成形面に密着させるハイドロフォーミングにより、円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形するハイドロフォーミング工程と、上記リム中間材における両端部を切断した後、当該リム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴としている。
【0019】
上記のように構成された請求項1〜5に記載の発明においては、内隠板状材と外観板状材とからなる二重構造のもので構成されているので、外観板状材のみを単独で種々の形状に形成することができる。すなわち、外観板状材の外観面を回転中心線側に凸状となるように連続する円弧状、楕円弧状等の曲面状に形成したり、多角形状に形成したり、亀甲模様等を有する形状やその他の形状に形成したりすることが可能となる。したがって、外観面を従来にない特色ある面に形成することができる。
【0020】
また、内隠板状材および外観板状材からなる二重構造に構成されているので、断面二次モーメントの上昇に伴って断面係数が増加することになる。したがって、静的強度の向上を図ることができる。しかも、内隠板状材および外観板状材は一定の厚さのもので構成することができるので、大きな応力集中の発生を避けることができるとともに、弾性変形によるエネルギの吸収率を高めることができる。したがって、動的強度の向上を図ることができる。すなわち、耐久性の向上を図ることができ、オフロード車および大型オートバイ等のように衝撃力が頻繁に作用する過酷な環境下での使用にも十分耐え得るものを提供することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明においては、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に滑らかに湾曲しながら膨出する曲面状になる。また、上記曲線の曲率を調整することによって美的に優れた種々の形状のものを得ることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明においては、外観面が回転中心線側に円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0023】
請求項4に記載の発明においては、外観面が回転中心線側に楕円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明においては、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように、複数の隣接する直線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に多角形状の面によって膨出した形状になる。このため、多角形状の各面に周囲の風景が写り込むとともに、各面からの光の反射方向の異なったものとなる等、従来にない美的に優れたものを得ることができる。
【0025】
請求項6〜8に記載の発明においては、基本的にプレス工程、湾曲工程、溶接工程を経ることにより、パイプからリムを簡単に製造することができる。なお、パイプとしては、鉄およびその合金、アルミニウムおよびその合金、ステンレス鋼等の金属製のパイプが使用可能である。
【0026】
請求項7に記載の発明においては、円環状に近い状態のリム中間材の段階で当該リム中間材の内隠中間面および外観中間面を修正することができるので、第2湾曲工程において、円環状に形成することにより、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明においては、プレス工程において、パイプ内に液圧を加えることによって、請求項6または7に記載のパイプの外周面を内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密接させることができる。したがって、最終的に円環状に成形することによって、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明においては、パイプを円環状に近い状態まで湾曲成形した後、当該パイプをハイドロフォーミング工程で円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形し、このリム中間材を円環状に成形しているので、湾曲成形によって例えば内隠中間面や外観中間面に異常な変形が生じることがない。したがって、製造工程の途中で内隠中間面等を修正する必要がないので、目標通りの正確な内隠面および外観面を有するリムを短時間で製造することができる。
【0029】
また、リム中間材を円環状に形成する前に、リム中間体の両端部を切断しているので、液圧の供給に要した不正形状の部分(内隠中間面および外観中間面とは異なる形状の部分)を排除することができるとともに、端面を整形することができ、かつ周方向の長さを調整することができる。したがって、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【0030】
なお、請求項6〜8に記載の発明においても、最終的に環状に成形する前に、リム素材(すなわち、リム基礎材または修正後のリム中間体)の端部を切断することによって、不正形状部分の除去、端面の整形および長さの調整を行うことが好ましい。
【0031】
また、請求項6〜9に記載の発明においては、溶接工程の終了後に、全体の形状を矯正するために、ハイドロフォーミングあるいはシュリンクによる処理を行うことが好ましい。ここで示したハイドロフォーミングとは、リムとして形成された後のパイプに内圧を加えながら内隠面側金型および外観面側金型で形状を矯正する方法である。また、シュリンクとは、リムの外観面を外観面側金型に沿わせるべく縮径プレスすることで形状を矯正する方法である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0033】
この実施の形態で示すリムは、図1および図2に示すように、オートバイ用のスポークを有するホイールに使用されるリムであって、タイヤTによって隠れた状態となる内隠面21を構成する内隠板状材2と、上記タイヤTの外側に露出した外観面31を構成する外観板状材3とによって一体に形成されている。
【0034】
すなわち、内隠板状材2および外観板状材3は、回転中心線Crを中心にして円環状に形成されたものであり、内隠板状材2が外周側に位置し、外観板状材3が内周側に位置する二重構造のもので構成されている。
【0035】
内隠板状材2は、左右の両側に位置する一対のフランジ部2aと、各フランジ部2aの内側に配置された一対のビードシート部2bと、各ビードシート部2bの内側に配置された一対のハンプ部2cと、各ハンプ部2cの内側にあって、図示しないスポーク接続用のニップルを設けるために、各ビードシート部1bに対して凹状に形成されたウェル部2dとからなる断面形状のもので構成されている。
【0036】
内隠面21は、上記各フランジ部2aに対応する部分がタイヤTのビード部T1の側面を支持するフランジ面となっており、上記各ビードシート部2bに対応する部分がビード部T1の縁部をシールするビードシート面となっており、上記各ハンプ部2cに対応する部分がビード部T1の内方への落ち込みを防止するハンプ面となっている。
【0037】
外観板状材3は、内隠板状材2におけるフランジ部2aの縁部であって幅方向の各端部3aから連続して形成されているとともに、図1に示す横断面視において、上記幅方向の各端部3aから上述した回転中心線Cr側に凸状となるように形成されたものとなっている。しかも、外観板状材3は、上記横断面視において、回転中心線Crに対する傾きが各端部3aからリム中心線Cvに向かって順次小さくなるように屈折する複数の直線状の部材によって形成されている。したがって、外観面31も、横断面視において、幅方向の各端部3aから回転中心線Cr側に凸状となり、かつ回転中心線Crに対する傾きがリム中心線Cvに向かって順次小さくなるように隣接する複数の直線によって形成された状態になる。
【0038】
また、外観板状材3は、内隠板状材2におけるフランジ部2aとビードシート部2bの境の屈曲部と接触するとともに、ウェル部2dの底部とも接触する構造になっている。なお、上述した横断面視とは、リムにおける回転中心線Crを通る平面によって切断される断面、すなわち回転中心線Crを半径方向の外方に平行移動することによって得られる平面によって切断される断面を正面視することを意味する。
【0039】
そして、内隠板状材2におけるウェル部2dの底部およびこの底部に接触する外観板状材3には、図2に示すように、回転中心線Cr側に球面の一部をなすように突出するニップル取付部4が複数形成されており、各ニップル取付部4には、図示しないニップルにおけるスポークの取付部を挿通するための貫通孔4aが形成されている。
【0040】
次ぎに、上記のように構成されたリムの製造方法を説明する。この製造方法は、プレス工程と、第1湾曲工程と、修正工程と、第2湾曲工程と、溶接工程とを備えている。
【0041】
プレス工程においては、内隠面21に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面31に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間に原材料としてのアルミニウム合金製のパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形する。この場合、原材料として提供されるパイプおよびプレス後のリム基礎材は、直線状に延在するものである。
【0042】
第1湾曲工程においては、上記リム基礎材を円環状に近い状態まで湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面に形成してなるリム中間材を成形する。
【0043】
修正工程においては、上記リム中間材の内隠中間面を上記内隠面21に対応する面に修正する内隠修正面を有する内隠修正金型と上記リム中間材の外観中間面を上記外観面31に対応する面に修正する外観修正面を有する外観修正金型とで当該リム中間材を挟んで保持した状態で、当該リム中間材内に液圧を付加することにより、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを上記内隠修正面および上記外観修正面に密接するように修正する。
【0044】
第2湾曲工程においては、上記修正後の内隠中間面および上記外観中間面を有するリム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面21および上記外観面31に形成してなるリム最終材を成形する。
【0045】
溶接工程においては、上記リム最終材の端部同士を、例えばフラッシュバット溶接により一体的に連結する。これにより、環状に連結されたリムが完成する。
【0046】
上記のように構成されたリムにおいては、内隠板状材2と外観板状材3とからなる二重構造のもので構成されているので、外観板状材3のみを単独で種々の形状に形成することができる。そして、この実施の形態では、外観面31を、横断面視において、回転中心線Crに対する傾きがリム中心線Cvに向かって順次小さくなるように形成することにより、当該外観面31が多角形状に屈折した複数の面によって形成された状態になる。したがって、各多角形状の面に周囲の風景が写り込むとともに、各面において光の反射方向が異なったものとなる等、従来にない美的に優れたものを得ることができる。
【0047】
また、内隠板状材2および外観板状材3からなる二重構造に構成されているので、断面二次モーメントの上昇に伴って断面係数が増加することから、静的強度の向上を図ることができる。しかも、内隠板状材2および外観板状材3は一定の厚さのもので構成することができるので、大きな応力集中の発生を避けることができるとともに、弾性変形によるエネルギの吸収率を高めることができ、よって動的強度の向上を図ることができる。すなわち、耐久性の向上を図ることができ、オフロード車等のように衝撃力が頻繁に作用する過酷な環境下での使用にも十分耐え得るものを提供することができる。
【0048】
因みに、図4に示す形状の従来例と、図1に示す形状の実施例について強度等を比較すると表1のようになる。なお、リムのサイズは、リム幅Wが3インチ、リム直径Dが16インチのもので比較した。また、表1において、Zcuは、リムの横断面の図心を通り回転中心線Crに平行な直線Cu回りの断面係数であり、Zcvは、リムの横断面の図心を通り回転中心線Crに直交する直線、すなわちリム中心線Cv回りの断面係数である。
【0049】
【表1】
【0050】
上記表1から、本実施例は、重量が従来例より若干上昇するが、強度的に優れたものとなることがわかる。
【0051】
一方、上記リムの製造方法においては、基本的にプレス工程、湾曲工程、溶接工程を経ることにより、パイプからリムを簡単に製造することができる。また、修正工程において、円環状に近い状態のリム中間材の段階で当該リム中間材の内隠中間面および外観中間面を修正することができるので、第2湾曲工程で円環状に成形することによって、目標通りの形状の内隠面21および外観面31を有するリムを製造することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態のリムにおいては、横断面視において、外観面31を直線状に屈曲する直線を有する面で形成した例を示したが、この外観板状材3の外観面31は、図3に示すように、横断面視において、幅方向の各端部3aから回転中心線Cr側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成してもよい。この場合、その曲線は円弧状、楕円弧状に形成することが可能である。また、上記曲線の曲率を調整することによって美的に優れた種々の形状のものを得ることができる。さらに、外観板状材の外面は、亀甲模様等の種々の模様を有するもので構成することも可能である。
【0053】
また、上記実施の形態のリムの製造方法においては、第1湾曲工程、修正工程および第2湾曲工程に代えて、直線状のリム基礎材を円環状に湾曲成形することによって、内隠基礎面および外観基礎面のそれぞれを円環状の内隠面21および外観面31に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程を採用してもよい。
【0054】
さらに、上述したプレス工程においては、パイプ内に液圧を加えることによって、パイプの外周面を内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密接させるようにしてもよい。この場合には、内隠基礎成形面および外観基礎成形面通りの正確な内隠基礎面および外観基礎面を成形することができるので、最終的に円環状に形成された後においても、目標通りの優れた形状の内隠面21および外観面31を得ることができる。
【0055】
またさらに、上述したリムの製造方法に代え、以下に示す製造方法を用いてもよい。
すなわち、アルミニウム合金製の直線状のパイプを円環状に近い状態まで湾曲成形するパイプ湾曲工程と、上記湾曲成形されたパイプ内に液圧を付加するとともに、上記内隠面21に対応する内隠中間面を成形する内隠中間成形面を有する内隠中間成形金型と上記外観面31に対応する外観中間面を成形する外観中間成形面を有する外観中間成形金型との間に上記液圧で加圧されたパイプを挟んでプレスすることにより、当該パイプの外周面を上記内隠中間成形面および外観中間成形面に密着させるハイドロフォーミングにより、円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形するハイドロフォーミング工程と、上記リム中間材における両端部を切断した後、当該リム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面21および上記外観面31に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えた製造方法を用いてもよい。
【0056】
上記リムの製造方法によれば、直線状のパイプを円環状に近い状態まで湾曲成形した後に、当該パイプをハイドロフォーミング工程で円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形し、このリム中間材を円環状に成形しているので、湾曲成形によって例えば内隠中間面や外観中間面に異常な変形が生じることがない。したがって、製造工程の途中で内隠中間面等を修正する必要がないので、目標通りの正確な内隠面21および外観面31を有するリムを短時間で製造することができる。
【0057】
また、リム中間材を円環状に形成する前に、リム中間体の両端部を切断しているので、液圧の供給に要した不正形状の部分(内隠中間面および外観中間面とは異なる形状の部分)を排除することができるとともに、端面を整形することができ、かつ周方向の長さを調整することができる。したがって、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【0058】
なお、上述した第2湾曲工程において、修正後の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間体を円環状に湾曲成形する前に、当該リム中間材の両端部を切断してもよく、また直線状のリム基礎材を円環状に湾曲成形する前に、当該リム基礎材の両端部を切断してもよい。この場合にも、不正形状部分の除去、端面の整形および長さの調整を行うことができるので、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【0059】
また、上述した何れのリムの製造方法においても、溶接工程の終了後に、全体の形状を矯正するために、ハイドロフォーミングあるいはシュリンクによる処理を行うことが好ましい。ここにおけるハイドロフォーミングおよびシュリンクについては、前述した通りであるので説明を省略する。
【0060】
さらに、原材料としてのパイプの材質としてアルミニウム合金の例を上げて説明したが、このパイプの材質としては、通常のアルミニウム、鉄およびその合金、ステンレス鋼等の金属の使用が可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、内隠板状材と外観板状材とからなる二重構造のもので構成されているので、外観板状材のみを単独で種々の形状に形成することができる。すなわち、外観板状材の外観面を回転中心線側に凸状となるように連続する円弧状、楕円弧状等の曲面状に形成したり、多角形状に形成したり、亀甲模様等を有する形状やその他の形状に形成したりすることが可能となる。したがって、外観面を従来にない特色ある面に形成することができる。
【0062】
また、内隠板状材および外観板状材からなる二重構造に構成されているので、断面二次モーメントの上昇に伴って断面係数が増加することになる。したがって、静的強度の向上を図ることができる。しかも、内隠板状材および外観板状材は一定の厚さのもので構成することができるので、大きな応力集中の発生を避けることができるとともに、弾性変形によるエネルギの吸収率を高めることができる。したがって、動的強度の向上を図ることができる。
【0063】
請求項2に記載の発明によれば、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に滑らかに湾曲しながら膨出する曲面状になる。また、上記曲線の曲率を調整することによって美的に優れた種々の形状のものを得ることができる。
【0064】
請求項3に記載の発明によれば、外観面が回転中心線側に円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0065】
請求項4に記載の発明によれば、外観面が回転中心線側に楕円弧状に膨出する曲面によって形成された状態になるので、美的に優れたものを得ることができる。
【0066】
請求項5に記載の発明によれば、外観面が外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように、複数の隣接する直線によって形成されているので、当該外観面が回転中心線側に多角形状の面によって膨出した形状になる。このため、多角形状の各面に周囲の風景が写り込むとともに、各面からの光の反射方向の異なったものとなる等、従来にない美的に優れたものを得ることができる。
【0067】
請求項6〜8に記載の発明によれば、基本的にプレス工程、湾曲工程、溶接工程を経ることにより、パイプからリムを簡単に製造することができる。
【0068】
請求項7に記載の発明によれば、円環状に近い状態のリム中間材の段階で当該リム中間材の内隠中間面および外観中間面を修正することができるので、第2湾曲工程において、円環状に形成することにより、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0069】
請求項8に記載のリムによれば、プレス工程において、パイプ内に液圧を加えることによって、パイプの外周面を内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密接させることができる。したがって、最終的に円環状に成形することによって、目標通りの内隠面および外観面を有するリムを製造することができる。
【0070】
請求項9に記載の発明によれば、パイプを円環状に近い状態まで湾曲成形した後、当該パイプをハイドロフォーミング工程で円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形し、このリム中間材を円環状に成形しているので、湾曲成形によって例えば内隠中間面や外観中間面に異常な変形が生じることがない。したがって、製造工程の途中で内隠中間面等を修正する必要がないので、目標通りの正確な内隠面および外観面を有するリムを短時間で製造することができる。
【0071】
また、リム中間材を円環状に形成する前に、リム中間体の両端部を切断しているので、液圧の供給に要した不正形状の部分(内隠中間面および外観中間面とは異なる形状の部分)を排除することができるとともに、端面を整形することができ、かつ周方向の長さを調整することができる。したがって、寸法精度に優れ、かつ溶接の信頼性の高いリムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態として示したリムの要部を示す横断面図である。
【図2】同リムの要部斜視図である。
【図3】同リムにおける外観板状材の他の例を示す横断面図である。
【図4】従来例として示したリムの要部を示す横断面図である。
【符号の説明】
2 内隠板状材
3 外観板状材
3a 端部
21 内隠面
31 外観面
Cr 回転中心線
T タイヤ
Claims (9)
- タイヤによって隠れた状態となる内隠面を構成する内隠板状材と、上記タイヤの外側に露出した外観面を構成する外観板状材とによって一体に形成されたことを特徴とするリム。
- 上記外観面は、上記外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように連続的に湾曲する曲線によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリム。
- 上記曲線は、円弧状であることを特徴とする請求項2に記載のリム。
- 上記曲線は、楕円弧状であることを特徴とする請求項2に記載のリム。
- 上記外観面は、上記外観板状材の横断面視において、当該外観板状材における幅方向の各端部から回転中心線側に凸状となるように、複数の隣接する直線によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリム。
- 請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、
上記内隠面に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間にパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形するプレス工程と、
上記リム基礎材を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、
上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴とするリムの製造方法。 - 請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、
上記内隠面に対応する内隠基礎面を成形する内隠基礎成形面を有する内隠基礎成形金型と上記外観面に対応する外観基礎面を成形する外観基礎成形面を有する外観基礎成形金型との間にパイプを挟んでプレスすることによって、上記パイプから上記内隠基礎面および上記外観基礎面を有するリム基礎材を成形するプレス工程と、
上記リム基礎材を円環状に近い状態まで湾曲成形することによって、上記内隠基礎面および上記外観基礎面のそれぞれを円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面に形成してなるリム中間材を成形する第1湾曲工程と、
上記リム中間材の内隠中間面を上記内隠面に対応する面に修正する内隠修正面を有する内隠修正金型と上記リム中間材の外観中間面を上記外観面に対応する面に修正する外観修正面を有する外観修正金型とで当該リム中間材を挟んで保持した状態で、当該リム中間材内に液圧を付加することにより、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを上記内隠修正面および上記外観修正面に沿うように修正する修正工程と、
上記修正後の内隠中間面および上記外観中間面を有するリム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する第2湾曲工程と、
上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴とするリムの製造方法。 - 上記プレス工程において、上記パイプの外周面を上記内隠基礎成形面および外観基礎成形面に密着させるべく、当該パイプ内に液圧を付加することを特徴とする請求項6または7に記載のリムの製造方法。
- 請求項1〜5の何れかに記載のリムの製造方法であって、
パイプを円環状に近い状態まで湾曲成形するパイプ湾曲工程と、
上記湾曲成形されたパイプ内に液圧を付加するとともに、上記内隠面に対応する内隠中間面を成形する内隠中間成形面を有する内隠中間成形金型と上記外観面に対応する外観中間面を成形する外観中間成形面を有する外観中間成形金型との間に上記液圧で加圧されたパイプを挟んでプレスすることにより、当該パイプの外周面を上記内隠中間成形面および外観中間成形面に密着させるハイドロフォーミングにより、円環状に近い状態の内隠中間面および外観中間面を有するリム中間材を成形するハイドロフォーミング工程と、
上記リム中間材における両端部を切断した後、当該リム中間体を円環状に湾曲成形することによって、上記内隠中間面および上記外観中間面のそれぞれを円環状の上記内隠面および上記外観面に形成してなるリム最終材を成形する湾曲工程と、
上記リム最終材の端部同士を溶接する溶接工程とを備えたことを特徴とするリムの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003182538A JP2005014758A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | リムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003182538A JP2005014758A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | リムおよびその製造方法 |
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JP2005014758A true JP2005014758A (ja) | 2005-01-20 |
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JP2003182538A Withdrawn JP2005014758A (ja) | 2003-06-26 | 2003-06-26 | リムおよびその製造方法 |
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JP (1) | JP2005014758A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016143533A1 (ja) * | 2015-03-09 | 2016-09-15 | 本田技研工業株式会社 | 車両用ホイール |
CN107803423A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-03-16 | 中国科学院金属研究所 | 一种制造轻量化汽车轮辋的成形结构和成形方法 |
-
2003
- 2003-06-26 JP JP2003182538A patent/JP2005014758A/ja not_active Withdrawn
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