JP2005012668A - 画像処理方法、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、及びコンピュータプログラム - Google Patents
画像処理方法、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、及びコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数のソースからの絵柄領域が同一原稿内に混在している場合に、それぞれの絵柄領域の特徴の差を吸収して一枚の画像として出力した際の画質の向上を可能とした画像処理方法の提供を主たる目的とする。
【解決手段】入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定し、存在すると判定された網点領域の網点線数を求め、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定し、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す。
【選択図】 図3
【解決手段】入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定し、存在すると判定された網点領域の網点線数を求め、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定し、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスキャナ, デジタルスチルカメラ等のカラー画像入力装置により読み取られた入力画像データの原稿種別を自動的に判定する原稿種別自動判定を備え、この判定結果に基づいて後段の処理を行なうことによって原稿の出力再現精度の向上を図った画像処理方法に関し、またそのような画像処理方法を実施するための画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置に関し、更にそのような画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスまたはインクジェット方式を用いた複写機等の画像形成装置は、従来のアナログ方式に代えてデジタル方式、即ち入力画像データをデジタルデータ化して種々の加工を施した上で出力するようにしたものが普及する傾向にある。また、デジタル画像処理技術の進展に伴って、カラー画像を高画質に再現するフルカラーのデジタル複写機, 複合機, プリンタ等も製品化されている。
【0003】
これらの画像形成装置を用いて複写される原稿画像としては、文字, 線画, 写真、またはそれらが混在した原稿が存在しており、良好な再現画像を得るためには、それぞれの原稿種別に適合した画像処理を行なう必要がある。
【0004】
このような状況において、デジタル複写機等では文字モード, 文字/写真モード, 写真モード等の画像モードが予め用意されており、原稿の種類に応じてユーザがいずれかのモードを指定することにより、それぞれの原稿に適合した画像処理が行なわれるように構成されている。しかしながら、種々の原稿に応じて上述のような複数のモードの内からいずれかを選択して指定することは、ユーザにとっては非常に煩わしい作業である。また、この種の装置に不慣れなユーザにとってはモードの選択基準の判断が困難な場合もあるため、不適切なモードが選択された場合には、出力(印刷)された画像に著しい劣化が生じることも多く、そのような場合にはモードを選択し直して複写作業を再度行なう必要があり、無駄な複写が行なわれることになる。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、原稿種別の判定処理を自動的に行なう複写機が特許文献1等で提案されている。但し、この特許文献1に記載の複写機に用いられている原稿種別の判定処理方法は、紙幣または有価証券等のような法律で複写が禁じられている特殊原稿の複写を防止することを目的としており、具体的には以下のように行なわれる。
【0006】
まず、入力画像データに網点領域が含まれているか否かが判定され、網点領域であると判定された領域に対して主走査方向のピーク間距離が測定され、また副走査方向の3ラインでのピーク間距離の統計が求められる。そして、通常の印刷物では網点線数が一定であるのに対して、紙幣、有価証券等のような特殊原稿の多くでは網点線数が一定ではない点に着目して、上述のピーク間距離が一定である場合は非特殊原稿であると判定され、ピーク間距離が一定でない場合は特殊原稿であると判定される、というものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−62233号公報
【特許文献2】
特公昭63−31152号公報
【特許文献3】
特開2000−354167号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1による原稿種別の判定は、紙幣または有価証券等のような複写が禁じられている特殊原稿を判定するという特殊な用途に限られたものであるため、網点線数が一定であるか否かの判定を行なっているのみであり、網点線数を数値化して求めることは行なわれておらず、特殊原稿であるか、または非特殊原稿であるかを簡易に判定しているのみである。
【0009】
従って、特許文献1に記載の技術では、上述のような複数種類のソース、即ち文字, 写真, 網点画像等を切り貼りして混在させた原稿であるか否かを判定することはできず、また上述のような切り貼りした原稿の判定方法については、何ら記載されていない。このため、特許文献1に記載の発明によって上述のような複数のソースによる切り貼りした原稿を読み取り、出力した場合には、原稿のソースが異なっているために下地濃度の相違やダイナミックレンジの相違が発生し、全体の画質が劣化してしまうという問題がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上述した問題点を解決するために、原稿を小領域に分割した各領域の網点の線数を認識し、更に網点領域であると判定された場合に線数認識を施し、文字領域以外の網点画像及び写真画像(連続階調領域)等の領域(以下、絵柄領域という)を対象として、網点画像の領域の網点線数を認識し、同時に写真画像の領域が存在するか否かの判定を行ない、複数のソースからの絵柄領域が同一原稿内に混在している場合に、それぞれの絵柄領域の特徴の差を吸収することにより、一枚の画像として出力した際の画質の向上を可能とした画像処理方法の提供を主たる目的とする。また本発明は、そのような画像処理方法を実施するための画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置に関し、更にそのような画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラムの提供をも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理方法は、原稿種別に応じた画像処理を原稿の入力画像データに施す画像処理方法において、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定するステップと、存在すると判定された網点領域の網点線数を求めるステップと、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定するステップと、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施すステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る画像処理装置は、原稿種別に応じた画像処理を原稿の入力画像データに施す画像処理装置において、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定する網点領域判定手段と、該網点領域判定手段が存在すると判定した網点領域の網点線数を算出する網点線数算出手段と、該網点線数算出手段が算出した網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定する原稿判定手段と、該原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定した場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す画像処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では、入力画像データに網点領域が存在するか否かが判定され、存在すると判定された網点領域の網点線数が求められ、次に網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かが判定され、この結果、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理が施されるので、それぞれの領域の網点線数の差による画像の特徴の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0014】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定するステップを更に含み、前記画像処理を施すステップは、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出するステップを含み、前記画像処理を施すステップは、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施すことを特徴とする。
【0015】
また本発明に係る画像処理装置は上述の画像処理装置において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定する連続階調領域判定手段と、前記原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定した場合に、各領域の特徴量を算出する特徴量算出手段とを更に備え、前記画像処理手段は、前記特徴量算出手段が各領域で算出した特徴量それぞれに対応した画像処理を施すようにしてあることを特徴とする。
【0016】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では上述の発明において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かが更に判定され、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理が施される。
【0017】
また本発明に係る画像処理方法は上述の画像処理方法において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0018】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0019】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では上述の発明において、特徴量が各領域の下地濃度であるため、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0020】
また本発明に係る画像処理方法は上述の画像処理方法において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0021】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0022】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では上述の発明において、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0023】
本発明に係る画像読取装置は、画像データを読み込む画像読取装置において、読み込んだ画像データに網点領域が存在するか否かを判定する網点領域判定手段と、該網点領域判定手段が存在すると判定した網点領域の網点線数を算出する網点線数算出手段と、該網点線数算出手段が算出した網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定する原稿判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
このような本発明の画像読取装置では、読み込んだ画像データに網点領域が存在するか否かが判定され、存在すると判定された網点領域の網点線数が算出され、この算出された網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かが判定され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれる。
【0025】
また本発明に係る画像読取装置は上述の発明において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定する連続階調領域判定手段と、前記原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定した場合に、各領域の特徴量を算出する特徴量算出手段とを更に備えたことを特徴とする。
【0026】
このような本発明の画像読取装置では上述の発明において、更に、入力画像データに連続階調領域、具体的には写真画像の領域が存在するか否かが判定され、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれる。
【0027】
また本発明に係る画像読取装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0028】
このような本発明の画像読取装置では上述の発明において、特徴量が各領域の下地濃度であるので、画像処理装置において各領域の下地濃度に応じた画像処理が行なわれる。
【0029】
また本発明に係る画像読取装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0030】
このような本発明の画像読取装置では上述の発明において、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、画像処理装置において各領域のダイナミックレンジに応じた画像処理が行なわれる。
【0031】
本発明に係る画像形成装置は、画像データを原稿種別に応じて画像処理し、記録材に画像形成する画像形成装置において、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域が存在する場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す画像処理手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
このような本発明の画像形成装置では、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域が存在する場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理が施される。
【0033】
また本発明に係る画像形成装置は上述の発明において、前記画像処理手段は、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在する場合に、各領域の特徴量それぞれに対応した画像処理を施すようにしてあることを特徴とする。
【0034】
このような本発明の画像形成装置では上述の発明において、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在する場合には、各領域の特徴量それぞれに対応した画像処理が施される。
【0035】
また本発明に係る画像形成装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0036】
このような本発明の画像形成装置では上述の発明において、特徴量が各領域の下地濃度であるので、各領域の下地濃度に応じて画像形成が行なわれる。
【0037】
また本発明に係る画像形成装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0038】
このような本発明の画像形成装置では上述の発明において、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、画像処理装置において各領域のダイナミックレンジに応じて処理され、画像形成される。
【0039】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力画像データの原稿種別を判定させ、該判定結果に応じて異なる画像処理を実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定させる手順と、存在すると判定された網点領域の網点線数を求めさせる手順と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定させる手順と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施させる手順とを含むことを特徴とする。
【0040】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、コンピュータに、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定させる手順と、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出させる手順とを更に含み、前記画像処理を施させる手順は、コンピュータに、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施させることを特徴とする。
【0041】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0042】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0043】
これらの本発明のコンピュータプログラムでは、汎用コンピュータシステムにインストールすることにより、前述の本発明の画像方法が実施され、また本発明の画像処理装置が汎用コンピュータシステムで実現される。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0045】
図1は、本発明の画像処理装置をカラー画像処理装置として実現した場合の一構成例を示すブロック図であり、画像読取手段としてのカラー画像入力装置14と、画像出力装置としてのカラー画像出力装置15との間において処理を行なうように構成されている。なお、本実施の形態においては、デジタルカラー複写機として本発明の画像形成装置を実現した例について説明する。なお、カラー画像出力装置15としては、電子写真方式又はインクジェット記録方式のいずれであってもよいし、更に他のたとえば熱転写方式であってもよい。
【0046】
図1に示すように、カラー画像処理装置1は、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、原稿種別自動判定部4、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、及び階調再現処理部11等で構成されている。また、カラー画像処理装置1の入力側にはカラー画像入力装置14が、出力側にはカラー画像出力装置15がそれぞれ接続されており、全体としてデジタルカラー複写機を構成している。
【0047】
なお、カラー画像処理装置1の構成要素の内の、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、及び階調再現処理部11等で画像処理手段が構成される。この画像処理手段の基本的な構成そのものは従来公知の構成である。
【0048】
画像読取手段としてのカラー画像入力装置14は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナにて構成されている。カラー画像入力装置14は原稿からの反射光像をRGB(R:赤、G:緑、B:青)に分解してCCDで読み取り、RGBのアナログ電気信号に変換してカラー画像処理装置1へ出力する。
【0049】
カラー画像入力装置14が読み取ったアナログ信号はカラー画像処理装置1へ入力され、カラー画像処理装置1内を、A/D変換部2、シェーディング補正部3、原稿種別自動判定部4、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、階調再現処理部11の順に送られ、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(黒)のデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置15へ出力される。
【0050】
A/D変換部2は、カラー画像入力装置14が読み取ったアナログ信号をデジタル信号に変換してシェーディング補正部3へ出力する。シェーディング補正部3は、A/D変換部2から入力されたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置14の照明系、結像系、撮像系等において生じる各種の歪みを予め判明している情報に従って取り除くためのシェーディング処理を施し、原稿種別自動判定部4へ出力する。
【0051】
原稿種別自動判定部4は、その具体的な構成例は後述するが、シェーディング補正部3において各種の歪みが取り除かれたデジタルのRGB信号(厳密にはRGBの反射率信号)をカラー画像処理装置1で採用されている画像処理システムにとって取扱いが容易なたとえば濃度信号等の信号に変換すると共に、原稿画像に網点領域が含まれているか否かを判定する。そして、原稿種別自動判定部4は、網点領域が含まれていると判定した場合は網点線数を算出すると共に、原稿画像に写真領域(連続階調領域)が含まれているか否かをも判定し、その結果に基づいて原稿内に複数の絵柄領域が含まれているか否かを判定する。
【0052】
この判定の結果、一枚の原稿画像に複数の絵柄領域(文字領域以外の、網点画像領域及び写真画像領域等)が含まれていると判定された場合は、原稿種別自動判定部4は各絵柄領域の特徴を求める。この原稿種別自動判定部4が求めた特徴量に応じて次段の入力階調補正部5において特徴量の制御、具体的には下地濃度の除去、ダイナミックレンジの制御等の処理が行なわれる。
【0053】
なお、原稿種別自動判定部4は上述のような種々の判定を行った結果、網点領域, 写真領域が含まれているか否か、網点領域が含まれている場合には網点線数を示す信号(網点線数信号)を、原稿種別判定信号として出力する。また、上述した入力階調補正部5での特徴量の制御を行なわせるための入力階調補正信号を入力階調補正部5へ出力する。なお、原稿判定部18が出力する原稿種別判定信号には、詳細は後述するが、網点領域及び写真領域が含まれているか否かを示す信号、及び網点領域が含まれる場合に算出された網点の線数を示す網点線数信号も含まれている。
【0054】
また、原稿種別自動判定部4は、上述のような判定処理を行なう他にも、入力された原稿種別の判定処理、たとえば、入力された原稿が新聞等の文字原稿であるか、書籍,雑誌またはパンフレット等の文字/印刷写真原稿であるか、文字/印画紙写真原稿、具体的にはたとえば写真集、美術印刷または印画紙写真であるか、印刷写真原稿でるか、印画紙写真原稿であるか等を判定する機能を備えていてもよい。このような原稿種別自動判定部4による原稿種別の判定結果も原稿種別判定信号として黒生成下色除去部8, 空間フィルタ処理部9及び階調再現処理部11に与えられる。
【0055】
入力階調補正部5は、上述の原稿種別自動判定部4から出力される濃度信号等に変換された信号を入力してカラーバランスを整えると同時に、下地濃度の除去及びコントラスト等の画質調整処理を施し、領域分離処理部6へ出力する。なお、この入力階調補正部5による下地濃度の除去は、上述した如く、入力階調補正信号が与えられることにより、原稿種別自動判定部4において求められた特徴量を基に最適に制御される。
【0056】
領域分離処理部6は、入力階調補正部5から出力されたRGB信号を入力し、このRGB信号に基づいて入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真(印画紙写真)領域のいずれに属するかを判定し、分離する。この分離結果に基づいて領域分離処理部6は、画素がいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11へそれぞれ出力する一方、入力階調補正部5から入力されたRGB信号をそのまま後段の色補正部7へ出力する。
【0057】
色補正部7は、領域分離処理部6から入力されたRGB信号の色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行なう。
【0058】
黒生成下色除去部8は、色補正部7による色補正後のCMYの3色信号からK信号を生成する黒生成処理と、元のCMY信号から黒生成処理で得られたK信号を差し引いた新たなCMY信号を生成する処理とを行なう。従って、黒生成下色除去部8では、CMYの3色信号がCMYKの4色信号に変換されることになる。この変換後のCMYKの4色信号は空間フィルタ処理部9へ入力される。
【0059】
なお、黒生成下色除去部8において行なわれる黒生成処理の一般的な方法の一例としては、UCR(Under Color Removal:下色除去処理)により黒生成を行なう方法が知られている。この方法では、黒生成カーブの入出力特性をy=f(x)の関数で表わし、入力されるデータをC,M,Yとし、出力されるデータをC’,M’,Y’,K’とし、UCR率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は下記式(1)〜(4)で表される。
【0060】
K’=f{min (C,M,Y)} …(1)
C’=C−αK’ …(2)
M’=M−αK’ …(3)
Y’=Y−αK’ …(4)
【0061】
空間フィルタ処理部9は、黒生成下色除去部8から入力されたCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号と網点線数信号とに基づいて複数のデジタルフィルタの内から最適なデジタルフィルタを選択し、領域識別信号で識別されている領域に対してこの最適なデジタルフィルタにより空間フィルタ処理を行なう。この空間フィルタ処理を受けることにより、黒生成下色除去部8から入力されたCMYK信号の画像データの内の領域識別信号で識別されている領域の空間周波数特性が補正され、この結果として出力画像がぼやけること、または粒状性が劣化することが防止される。
【0062】
出力階調補正部10は、空間フィルタ処理部9から出力された濃度信号等の信号をカラー画像出力装置15の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行ない、階調再現処理部11へ出力する。
【0063】
階調再現処理部11は、出力階調補正部10から入力されたCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部6から与えられている領域識別信号に基づいて、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるようにするための階調再現処理(中間調生成)を施す。
【0064】
例えば、領域分離処理部6において文字領域として分離された領域に関しては、特に黒文字または色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部9での空間フィルタにより鮮鋭強調処理が行なわれて高周波数の強調量が大きくされると共に、階調再現処理部11においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化が選択される。
【0065】
また、領域分離処理部6において網点領域として分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部9において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部10では、濃度信号等に変換された信号をカラー画像出力装置15の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理が行なわれた後、階調再現処理部11において最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。
【0066】
更に、領域分離処理部6において写真領域として分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行なわれる。
【0067】
操作パネル12は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部とデジタルカラー複写機全体の動作等を制御する設定ボタン(例えば、コピーを行なう原稿種別を表す文字モード・文字写真モード・写真モード等を設定するための画像モード)等を備えている。
【0068】
なお、上述した各処理が施された画像データは、図示しない記憶手段に一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置15へ出力されて用紙上に画像形成(印刷)される。以上のような各処理は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により制御されている。
【0069】
以上のような構成の本発明の画像処理装置であるデジタルカラー複写機により実行される本発明の画像処理方法について説明する。
【0070】
カラー画像処理装置1の全体としての基本的な構成及び動作は以上の如くであるが、本発明の特徴的構成要素である原稿種別自動判定部4における処理について、原稿種別自動判定部4の具体的な内部構成例を示す図2のブロック図及び処理手順を示す図3のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0071】
原稿種別自動判定部4は、概略的には網点判定部(網点領域判定手段)16と、網点線数算出部(網点線数算出手段)17と、写真判定部(連続階調領域判定手段)24と、絵柄別特徴量算出部(特徴量算出手段)13と、原稿判定部(原稿判定手段)18とを含んでいる。なお、原稿判定部18は、複数種類のソースからの絵柄領域が存在しているか否かの判定も行なう。
【0072】
網点判定部16は、シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データを入力し、この入力画像データに網点領域が含まれているか否かを判定するためのブロックであり、網点領域判定部19、網点領域画素カウンタ20、総画素数カウンタ21、除算器22及び判定部23等で構成されている。
【0073】
シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データは、網点領域判定部19及び総画素数カウンタ21へ入力される。網点領域判定部19は、この入力画像データ中の注目画素が網点領域画素であるか否かを判定し、判定結果を網点領域画素カウンタ20へ出力する。一方、総画素数カウンタ21は、入力画像データの総画素数をカウントし、その結果を除算器22へ出力する。
【0074】
網点領域画素カウンタ20は、上述の網点領域判定部19が注目画素を網点領域画素であると判定した場合にその画素数をカウントし、除算器22へ出力する。この除算器22には、上述したように、総画素数カウンタ21がカウントした入力画像データの総画素数も入力されている。除算器22は、網点領域画素カウンタ20がカウントした値を総画素数カウンタ21がカウントした総画素数で除算し、その結果を判定部23へ出力する。
【0075】
判定部23は、除算器22が求めた除算結果の値と、予め設定されている閾値とを比較し、入力画像データに網点領域が含まれているか否かを判定する。この判定部23による具体的な判定手順については後述するが、判定結果は網点線数算出部17及び原稿判定部18に与えられる。
【0076】
網点線数算出部17は、網点判定部16が、より具体的にはその判定部23が入力画像データに網点領域が含まれていると判定した場合に網点線数を算出し、その結果を網点線数信号として原稿判定部18に与える。一方、入力画像データに網点領域が含まれていないと判定された場合には、網点線数算出部17は何も行なわない。
【0077】
写真判定部24は、シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データを入力し、この入力画像データに写真領域(連続階調領域)が含まれているか否かを判定するためのブロックであり、写真領域判定部25、高濃度・低濃度画素数カウンタ26、中間濃度画素数カウンタ27、中間濃度比率算出部28、及び判定部29等で構成されている。
【0078】
シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データは、写真領域判定部25へまず入力され、後述するようにして入力画素の濃度を高濃度画素と低濃度画素と中間濃度画素との3段階のレベルで判定する。この写真領域判定部25による判定結果は高濃度画素及び低濃度画素と判定された場合は高濃度・低濃度画素数カウンタ26へ、中間濃度画素と判定された場合は中間濃度画素数カウンタ27へそれぞれ与えられ、高濃度・低濃度画素数カウンタ26及び中間濃度画素数カウンタ27がそれぞれ画素数をカウントする。
【0079】
高濃度・低濃度画素数カウンタ26及び中間濃度画素数カウンタ27によるカウント結果は中間濃度比率算出部28に与えられて中間濃度比率、即ち全画素数に占める中間濃度画素数の比率が算出され、この結果は判定部29に与えられる。判定部29は、中間濃度比率算出部28が算出した中間濃度画素数の比率と予め設定されている閾値との比較に基づいて、入力画像データに写真領域が含まれているか否かの判定を最終的に行なう。
【0080】
絵柄別特徴量算出部13は、各絵柄領域について特徴量(濃度ヒストグラム)を算出し、後段の入力階調補正部5が階調補正を行なうために必要な信号(入力階調補正信号)を生成する。
【0081】
原稿判定部18は、網点線数算出部17が算出した網点の線数 (網点線数信号)、写真領域判定部24による写真領域(連続階調領域)の存否の判定の結果に基づいて原稿種別の判定を行なう。この原稿判定部18による判定結果は原稿種別判定信号として黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11に与えられる。同時に、原稿判定部18は原稿内に複数のソースからの絵柄領域が含まれているか否かも判定しているので、絵柄別特徴量算出部13によって生成された入力階調補正信号を次段の入力階調補正部5へ出力させるか否かの制御も行なう。
【0082】
なお、網点判定部16及び写真判定部24は領域分離処理部6を構成する各種判定モジュールで兼用することも可能である。
【0083】
次に、上述のように構成された原稿種別自動判定部4での具体的な処理手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0084】
まず、フラグFが初期化され(ステップS1)、網点領域判定処理(ステップS2)が入力画像データに網点領域が含まれているか否かを網点判定部16が判定することにより実行される。
【0085】
具体的には、シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データが原稿種別自動判定部4へ入力されると、網点判定部16の網点領域判定部19は、入力画像データの内の注目画素を含むm×n(例えば、8×8)のマスク内の画素を抽出し、たとえば各画素値から算出した画素値の平均値等を閾値としてマスク内の画素を2値化する。なお、総画素数カウンタ21はこの処理の対象となる画像データの総画素数をカウントしている。
【0086】
次に、網点領域判定部19は、2値化した画像データから画素値の反転回数、即ち「0」から「1」へ、または「1」から「0」へ画素値が反転する変化点数を主走査方向及び副走査方向の双方で算出する。
【0087】
そして網点領域判定部19は、このようにして算出された反転回数の最大値MaxRevを選択し、MaxRevを予め定められている閾値TH1(例えば、TH1=4)と比較する。この比較の結果、網点領域判定部19は、MaxRevが予め定められている閾値TH1よりも大きい場合は、注目画素は網点領域画素であると判定し、この場合は網点領域画素カウンタ20によるカウント対象になり、網点領域画素カウンタ20のカウント値が「1」インクリメントされる。一方、MaxRevがTH1以下である場合は、網点領域判定部19は注目画素は非網点領域画素であると判定し、この場合は網点領域画素カウンタ20によるカウント対象にはならない。
【0088】
網点領域画素カウンタ20は、上述のようにして網点領域判定部19が網点領域画素であると判定した画素の数をカウントする。一方、総画素数カウンタ21は、前述したように、網点領域判定部19とは別に、入力画像データの総画素数をカウントしている。一つの画像データに関して以上のような処理が終了するまで反復される(ステップS4でYES)。
【0089】
一つの画像データに関して以上のような処理が終了すると、網点領域画素カウンタ20によりカウントされた網点領域画素数(網点領域画素カウンタ20のカウント値)と総画素数カウンタ21がカウントした入力画像データの総画素数(総画素数カウンタ21のカウント値)とは除算器22へ出力される。そして、網点領域画素カウンタ20のカウント値が総画素数カウンタ21のカウント値で除算器22により除算され、その結果が判定部23へ出力される。
【0090】
このようにして除算器22による除算結果が出力されると、判定部23は除算器22による除算結果を入力し、予め定められている閾値(例えば、0.05)と比較する。判定部23は、除算器22による除算結果が閾値よりも大きい場合には、網点領域が含まれていると判定し(ステップS5でYES)、除算結果が閾値以下である場合には、網点領域は含まれていないと判定する(ステップS5でNO)。なおこの網点領域が含まれていないと判定された場合(ステップS5でNO)は、それ以後の処理はスルー(何も行なわない)となり、原稿画像には網点領域は存在しないものとして処理が終了する。
【0091】
網点判定部16で網点領域が含まれていると判定された場合(ステップS5でYES)、網点線数算出部17が網点線数算出処理を行なう(ステップS6)。この網点領域が含まれていると判定された場合に網点線数算出部17が行なう網点線数の算出方法としては、一例として以下のような方法が可能である。
【0092】
網点線数算出部17は、網点領域として判定された画素に関して、その画素を中心としてm×n画素のマスクを切り出す。但し、この切り出されたマスクに対して周波数解析処理として FFT(高速フーリエ変換)を利用するために通常はm,n:2k として設定することが好ましい。本実施の形態では一例として、m=16,n=16、即ちk=4を使用するが、これに限定されるものではない。
【0093】
このようにして注目画素を中心として切り出されたm×n=16×16画素のマスクは下記式(5)で表わされ、図4(a) に示すようになる。
Maskf (x,y) ={I(i,j)|−8+x≦i≦7+x,−8+y≦j≦7+y}…(5)
但し、I(i,j):画素 (i,j)の濃度値
【0094】
次に、切り出されたマスクに対してFFT 処理が行なわれ、実空間領域から周波数領域への変換が行なわれて図4(b) に示すような2次元スペクトル配置とされる。この際の変換式は下記式(6)にて与えられる。
F(u,v) =∬Maskf I(x,y)exp[−j2π (ux+vy) ]dxdy …(6)
【0095】
このように、フーリエ変換の振幅スペクトル強度を用いることにより、上述したマスクそれぞれについて周波数特性を得ることが可能である。なお、いくつかの代表的な線数におけるFFT の結果(振幅スペクトル強度|F(u,v) |)を図6、図7及び図8に示す。なお、図6は85線網点の場合を、図7は 150線網点の場合を、図8は 200線網点の場合をそれぞれ示している。
【0096】
なお、図6の85線網点の場合、周波数特性としての振幅スペクトル強度はGplainに関して以下のとおりである。
【0097】
また、線数判定用パラメータは以下のとおりである。
Rplain:ParaA=1791, ParaB= 909, ParaC= 238 →low
Gplain:ParaA=1791, ParaB= 909, ParaC= 238 →low
Bplain:ParaA=1791, ParaB= 909, ParaC= 238 →low
【0098】
また、図7の150 線網点の場合、周波数特性としての振幅スペクトル強度はGplainに関して以下のとおりである。
【0099】
また、線数判定用パラメータは以下のとおりである。
Rplain:ParaA= 102, ParaB= 815, ParaC= 111 →middle
Gplain:ParaA= 102, ParaB= 815, ParaC= 111 →middle
Bplain:ParaA= 102, ParaB= 815, ParaC= 111 →middle
【0100】
また、図8の200 線網点の場合、周波数特性としての振幅スペクトル強度はGplainに関して以下のとおりである。
【0101】
また、線数判定用パラメータは以下のとおりである。
Rplain:ParaA=62, ParaB= 121, ParaC= 228 →high
Gplain:ParaA=62, ParaB= 121, ParaC= 228 →high
Bplain:ParaA=62, ParaB= 121, ParaC= 228 →high
【0102】
図6乃至図8にそれぞれにおいて、左上の画像はオリジナルの原稿の画像を、右上・左下・右下の各画像は各色成分、即ちR(赤)プレーン,G(緑)プレーン,B(青)プレーンの周波数特性(振幅スペクトル強度)を示している。ここで、各色成分の周波数特性を示す画像において、横軸はuを、縦軸はvを示し、振幅スペクトル強度を色の相違(添付図面ではグレースケール)により表わしている。各画像の右側にスケールを示し、濃度が低い(白っぽい)方が高周波になり、濃度が高い(黒っぽい)方が低周波になる。各周波数特性を示す画像は、入力ブロックに対する周波数特性を示しており、それぞれの左上隅のu=v=0の位置は周波数が共に0、即ち直流(DC)成分を示しており、その他のu,v=1,…,8における係数(power)はAC成分を示している。従って、各周波数特性を示す画像では、左上隅から右下隅へ向かうに従って低周波から高周波になり、係数の値によって対応する周波数成分が含まれている度合いを示している。
【0103】
各線数における振幅スペクトル強度が集中している部分は、低い線数の場合には左上隅に近い部分に、高い線数の場合には右下に近い部分に係数が集中している。これは、線数の低い網点は低周波成分を多く含む網点によって構成されており、線数の高い網点は高周波成分を多く含む網点によって構成されていることに起因している。従って、網点として検出された領域の周波数特性を求め、網点に含まれる周波数成分を算出することにより、網点として検出された領域の線数を判定することが可能となる。
【0104】
線数判定の具体的な方法としては、周波数域での周波数特性の分布状況に基づいて判定を行なう方法が知られている。振幅スペクトル強度を図5(c) に示す各エリア、具体的にはDC成分のエリア、u,v共に比較的低周波であるエリアA0,比較的高周波数であるエリアA2,両エリアの中間であるエリアA1別に総和を算出し、それぞれのエリアに含まれる画素数で除算することにより正規化した値を用いて判定が行なわれる。この際、ピークの位置の場所については図5(c) で用いる場所によって、A0にピークがある場合は低線数、A1にピークがある場合は中間線数、A2にピークがある場合は高線数と判定する。
【0105】
また、第2の方法としては、図5(c) に示すように、周波数特性を示す係数を区分し、それぞれ低周波数成分を含む量を示すパラメータ(Para0) 、中間周波数成分を含む量を示すパラメータ(Para1) 、高周波成分を含む量を示すパラメータ(Para2) を算出する。各パラメータを算出するために用いる周波数空間での場所をそれぞれA0,A1,A2とすると、算出するパラメータを以下の式(7),(8),(9)で表わされるように設定する。
【0106】
【数1】
【0107】
但し、count(A* ) :領域A* に含まれる空間周波数域での画素数
α,β,γ:定数
【0108】
具体的な判定の方法としては、求められたパラメータの内の最大のパラメータ値を算出し、どの領域のパラメータが最大になるかによって線数を判定する。具体的には、下記式(10)に従って線数が判定される(ステップS7)。
max_para=max(para0, para1, para2) …(10)
【0109】
ここで、最大の値がPara0 である場合には低周波の線数であると判定し(この場合、フラグF=a:ステップS8)、最大の値がPara1 である場合には中間の線数であると判定し(この場合、フラグF=b:ステップS9)、最大の値がpara2 である場合には高周波の線数(この場合、フラグF=c:ステップS10)であると判定する。ここで一例として、低周波の線数としては65線〜85線、中間の線数としては 120線〜 133線、高周波の線数としては 150線以上であると設定する。但し、この線数の設定はこれに限定されるものではなく、たとえば他の例としては低周波の線数としては65線〜 100線、中間の線数としては 120線〜 130線、高周波の線数としては135 線以上であると設定してもかまわない。いずれにしても、パラメータ算出のための周波数空間での場所の設定によって線数を変更することができる。
【0110】
以上のようにして一つの網点領域に関して網点線数が判定されると、その結果(Fの値)と判定対象となった網点領域とが対応付けられて記憶される(ステップS11)。そして、他にも網点線数の判定が必要な網点領域が有るか否かが判断され(ステップS12)、有る場合には(ステップS12でYES)、前述のステップS6へ戻って網点線数の判定が再度行なわれる。網点線数の判定が必要な網点領域が無い場合には(ステップS12でNO)、後述するステップS13へ処理が進められる。
【0111】
なお、本実施の形態では3段階(低周波,中間,高周波)に分割したが、周波数に変換する際のマスクサイズによって段階数をより多くすることも可能である。周波数変換を行なう際のマスクサイズを大きくすればするほど、周波数変換精度を高めることができるが、それによる計算量の増加との兼ね合いのために本実施の形態では上述のサイズで変換を行なうようにしている。
【0112】
上述の線数判定のためのパラメータを用いて判定された結果は以下のようになる。
Jude(x,y) ={低線数,中間線数,高線数}
【0113】
この線数判定の結果に基づいて原稿の網点の周波数と出力側の解像度の干渉によって発生する画質を劣化させる要因の一つであるモアレを抑制させるために空間フィルタ処理部(画像処理手段)9で平滑化フィルタを実施するが、その際の平滑化の特性を有する空間フィルタの程度を制御することも可能である。フィルタ係数の例としては、図9のグラフにマスクサイズ:13×9の例を、図10(a),図10(b),図10(c) にその係数の表をそれぞれ示すように、高線数用フィルタでは高周波領域までは他の中間線数用フィルタ及び低線数用フィルタの振幅スペクトル強度よりも大であり、高周波領域において強度が小さくなるような設定とし、低線数用フィルタでは低周波域から強度が落ち込むような係数を用いる。また、中間線数用フィルタでは高線数用フィルタと低線数用フィルタとの中間の特性となる係数を用いる。
【0114】
また、上述のような網点領域判定処理と並列して、写真領域判定処理(ステップS3)として、入力画像データに写真領域が含まれているか否かを写真判定部24が判定する処理も行なわれる。写真判定部24が写真領域を判定する方法としては、たとえば特許文献2に記載されている方法を用いると、以下のようになる。
【0115】
シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データは、写真領域判定部25へ入力される。この写真領域判定部25は入力された各画素を3段階のレベル、具体的には白レベル,中間レベル,黒レベルに3値化する機能を有しており、黒レベル及び白レベル、即ち高濃度及び低濃度の画素数を高濃度・低濃度画素数カウンタ26にカウントさせ、中間レベル、即ち中間濃度の画素数を中間濃度画素数カウンタ27にカウントさせる。そして、高濃度・低濃度画素数カウンタ26のカウント値と中間濃度画素数カウンタ27のカウント値とから、中間濃度比率算出部28が中間濃度(中間レベル)の画素数の比率を算出し、この中間濃度の画素数が他の画素数よりも多い場合にその画素領域を連続階調領域、即ち写真領域であると判定部29が判定する(ステップS4でYES)。
【0116】
以上の網点判定部16による網点領域の網点線数の判定結果及び写真判定部24による写真領域の存否の判定結果により、異なる線数の網点領域が含まれている、即ち複数の線数が含まれているか、または網点領域と写真領域との双方が含まれている判断されると(ステップS13でYES)、入力階調補正部(画像処理手段)5において下地除去処理を行なうための下地判定処理を絵柄別特徴量算出部13が行なう(ステップS14)。
【0117】
下地除去処理は、たとえば新聞紙等は純白ではなく若干着色した用紙が用いられているので、この下地の色を除去して背景を白地とするために行なわれる。下地判定処理及び下地除去処理の具体的な方法は、特許文献3に記載の方法を用いることが可能であり、以下のようにして行なわれる。
【0118】
まず、入力画像データから、G信号を補色反転した信号であるM信号を抽出し、この抽出したM信号が例えば 256段階の濃度階調を有しているとすると、その 256段階を16分割したヒストグラムが生成される。このヒストグラムにおいて、下地と判断される濃度値の最大値(第1の閾値)以下であり、下地と判断される画素数の最小値(第2の閾値)以上の領域、即ち下地と考えられる領域が高濃度側から探索され、第1の閾値に近い濃度区分が下地の濃度として抽出される。この際、領域の判定結果及びフラグの値に基づいて、各絵柄領域(各網点線数別網点領域及び写真領域)毎に上述のようなヒストグラムが作成され、下地濃度区分がそれぞれ算出される。
【0119】
以上のようにして算出された下地濃度区分が入力階調補正信号として絵柄別特徴量算出部13から入力階調補正部5に与えられると、入力階調補正部5は下地除去処理を行なう。具体的には、入力階調補正部5は、抽出された濃度区分値に対応する補正量テーブルを選択し、各絵柄領域について下地除去処理を行なう。複数種類のソースからの絵柄領域が混在している入力原稿に対して一律に下地除去を実施した場合には十分な下地除去を行なうことができないが、上述のような入力階調補正部5による各絵柄領域に対応した下地除去処理により、そのような事態を防ぐことができる。
【0120】
更に、同様の方法でダイナミックレンジに関しても各絵柄領域毎に絵柄別特徴量算出部13でダイナミックレンジを特徴量として求め、その結果に応じて入力階調補正部5においてレンジ補正を行なうことにより、高精度の補正を行なうことが可能となる。なお、ダイナミックレンジの補正の方法としては、一般的に用いられているような、検出された各領域において最大濃度と最小濃度とを想定される入力信号の最大濃度と最小濃度とに射影し、同時に中間濃度はその間を補間することによって実現する。
【0121】
各絵柄領域のソースが判定された場合に、領域毎に領域内最大濃度と最小濃度が下記のように求められたとすると、
写真領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
低線数網点領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
中間線数網点領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
高線数網点領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
各領域において、下記式(11)により濃度変換を行なうことにより、ダイナミックレンジの調整を行なうことが可能である。
【0122】
new_value ={(V−Vmin )/(Vmax −Vmin )}×α …(11)
但し、「new _value 」はダイナミックレンジ調整後の値を、Vは調整前の濃度値を、Vmax は各領域での最大濃度値を、Vmin は各領域での最小濃度値をそれぞれ表し、αはダイナミックレンジの幅を決定する定数を表す。
【0123】
たとえば、理論的な濃度の幅が0〜 255の 256段階である場合を設定し、写真領域において下記のような最大濃度値,最小濃度値とダイナミックレンジ調整前の値(RGBの値)が得られたとする。
Vmax =235,Vmin =42, V=(123,230,82) :RGB
【0124】
このような補正方法を用いて調整された濃度値は以下のように算出することが可能であり、各エリア毎の最大値, 最小値を用いて上述の式(11)から絵柄領域のダイナミックレンジを調整することが可能である。
【0125】
信号Rに関しては:
new_ valueR =(123 −42)/(235 −42)×255 =107
信号Gに関しては:
new_ valueG =(230 −42)/(235 −42)×255 =248
信号Bに関しては:
new_ valueB =(82−42)/(235 −42)×255 =53
【0126】
また、このダイナミックレンジを調整する条件を設定することにより、明らかに補正を行なうべきではない濃度が偏った絵柄の調整を制御することが可能である。下記式(12)に動作を制御する条件式を示す。
条件:Vmax ≧THmax & Vmin ≦THmin …(12)
【0127】
但し、閾値THmax , THmin は予め設定された定数であり、たとえばスキャナ等に依存した値である。具体的には、THmax =200, THmin =50等の値に設定することによって制御することが可能となる。
【0128】
以上のようにして、原稿判定部18は、網点領域及び写真領域が含まれているか否か、及び算出された網点の線数を示す網点線数信号を含む原稿種別判定信号を出力して黒生成下色除去部8, 空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11に与える。また、絵柄別特徴量算出部13は各絵柄領域に関する特徴量を算出して入力階調補正信号として入力階調補正部5に与える。
【0129】
なお、上述のステップS1〜S10の原稿種別判定のための処理は、原稿をプレスキャンしてその結果に基づいて行なうようにしてもよく、またはプレスキャンを行なわずに、シェーディング補正部3によるシェーディング補正処理後の画像データを一旦画像メモリに格納しておき、この画像データを対象として行なってもよい。
【0130】
この結果、入力画像データに種々の網点線数の網点画像領域及び写真領域等の絵柄領域が混在していたとしても、それぞれの絵柄領域に対してそれぞれに対応した適切な画像処理が施されることになり、それぞれの絵柄領域の特徴の差が吸収されて一枚の画像として出力されるため、出力画像の画質が向上する。
【0131】
また、以上に説明した実施の形態においては、画像全体に対して網点判定部16による網点領域判定処理を行なった後に網点領域が含まれている否かの判定及び網点線数の算出を行なうようにしている。しかし、たとえばm×n画素のマスク内の画素に対して、換言すればm×n画素のマスク単位で網点領域判定処理及び網点線数算出処理を行なうようにしてもよい。この場合には、写真判定部24による写真領域判定処理もm×n画素のマスク単位で行なうようにする。
【0132】
なお、上述のような原稿種別の自動判定の機能をフラットベッドスキャナ等の画像読取装置に原稿種別自動判定部として備え、この原稿種別自動判定部からは原稿種別判定信号を、画像読取装置本体からはRGB信号をそれぞれパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータシステムへ入力させて画像処理を行なうことも勿論可能である。そのような本発明の画像読取装置を利用して本発明の画像処理を実行する画像処理装置の構成例を図11のブロック図に示す。
【0133】
このような画像読取装置は、前述の図1に示されているカラー画像処理装置1の構成要素の内の、A/D変換部2、シェーディング補正部3及び原稿種別自動判定部4のみを備えたカラー画像処理装置100と、フラットベッドスキャナ等のカラー画像入力装置14とで構成される。
【0134】
そして、カラー画像入力装置14が読み取った画像データを、A/D変換部2、シェーディング補正部3及び原稿種別自動判定部4の各部において前述のカラー画像処理装置1の場合と同様に処理することにより、原稿種別判定信号, 入力階調補正信号及びRGBのデジタルカラー信号を出力する。これらの処理が施された後の信号(画像データ)は、パーソナルコンピュータまたはプリンタへ入力され、所定の画像処理が施された後にモニタへソフトコピーとして、またはプリンタからハードコピーとして画像が出力される。
【0135】
なお、図11に示した構成では、図1に示したカラー画像処理装置の構成要素の内の入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、及び階調再現処理部11等の機能を汎用コンピュータシステムによるソフトウェア処理で実現し、更に図1に示したカラー画像出力装置15として適宜のプリンタを接続することにより、全体としては図1に示した構成と同等の機能を有することになる。
【0136】
また、上述のような本発明に係る画像処理方法による網点線数に基づく原稿種別の判定方法をソフトウエア(アプリケーションプログラム)として実現することも可能である。この場合、原稿種別の判定結果(原稿種別判定信号)及び絵柄別特徴量の算出結果(入力階調補正信号)に基づく処理を実現するソフトウエアをプリンタドライバに組み込むことができる。
【0137】
そのようなプリンタドライバを有する汎用コンピュータシステム(パーソナルコンピュータ)を利用して画像処理を行なう本発明の画像形成装置の構成例を図12のブロック図に示す。図12に示すように、パーソナルコンピュータ50には、プリンタドライバ51、通信ポートドライバ53、通信ポート54が備えられている。
【0138】
プリンタドライバ51は、図1に示した画像処理装置と同様の入力階調補正部5、色補正部7、空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11をソフトウェア機能として備えており、更にプリンタ言語翻訳部52をソフトウェア機能として備えている。また、パーソナルコンピュータ50は、プリンタ(画像出力装置)30と接続されている。プリンタ30は、パーソナルコンピュータ50から出力された画像データに応じて画像を出力(印刷)する。
【0139】
パーソナルコンピュータ50において各種のアプリケーションプログラムを実行することにより生成された画像データは入力階調補正部5、色補正部7、空間フィルタ処理部9、階調再現処理部11に与えられて図1に示したカラー画像処理装置1の場合と同様の処理が施される。なお、この場合、色補正部7には黒生成/下色除去処理を行なう機能も含まれているものとする。
【0140】
階調再現処理部11での処理が施された後の画像データは、プリンタ言語翻訳部52に与えられてプリンタ言語に変換され、通信ポートドライバ53、通信ポート54(例えばRS232C, LAN等)を介してプリンタ30へ出力され、画像出力(印刷)される。なお、プリンタ30は、通常のプリンタとしての機能の他に、コピー機能、ファクシミリ機能等を併せ持つデジタル複合機であってもよい。
【0141】
更に、本発明は、汎用コンピュータシステムに画像データ中の絵柄領域が網点画像であるか写真画像(階調画像)であるかを判定させ、網点画像についてはその網点線数を算出させ、その結果に基づいて原稿種別の判定を行なわせると共に、各絵柄領域の特徴量を求めさせて入力画像データの階調補正を行なわせる、という画像処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムとしてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておくこともできる。
【0142】
そのようなコンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ, フィルムスキャナ, デジタルカメラ等の画像入力装置と、所定のプログラムがロードされることにより前述した画像処理方法を含む種々の処理が行なわれるコンピュータシステムと、コンピュータシステムによる処理結果を表示するCRTディスクプレイ, 液晶ディスプレイ等の画像表示装置及び/又はコンピュータシステムによる処理結果を用紙へ出力するプリンタ等で構成される。更には、ネットワークを介してサーバー等に接続するための通信手段としてのモデム等が備えられる。
【0143】
図13はそのようなコンピュータシステムの構成例を示す模式図であり、汎用コンピュータシステムであるモニタを含むパーソナルコンピュータ50にフラットベッドスキャナ等のカラー画像入力装置14と、カラー画像出力装置15としてのプリンタ30と、キーボード61、マウス62等が接続された構成になっている。
【0144】
このような構成において、後述する図14に示すようなコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50にインストールすることにより、図1に示したカラー画像装置1の原稿種別自動判定部4、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、階調再現処理部11までの部分に対応する機能をパーソナルコンピュータ50内でコンピュータプログラムによって実行することが可能である。
【0145】
図14は上述のようなパーソナルコンピュータ50にインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図であり、たとえばCD−ROM等の記録媒体に記録されている。このような記録媒体に記録されている本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータに読み込ませることにより、前述したような本発明の画像処理装置が汎用コンピュータで実現される。
【0146】
なお、図14に示されている本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力画像データの原稿種別を判定させ、該判定結果に応じて異なる画像処理を実行させるコンピュータプログラムであって、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定させる手順(P1)と、存在すると判定された網点領域の網点線数を求めさせる手順(P2)と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定させる手順(P3)と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施させる手順(P4)とを含み、記録媒体に記録されている。
【0147】
また本発明のコンピュータプログラムは更に、コンピュータに、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定させる手順(P5)を更に含み、画像処理を施させる手順(P4)は、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、コンピュータに各網点領域及び連続階調領域とを対象としてそれぞれに対応した画像処理を施させる手順(P4′)となる。
【0148】
また本発明のコンピュータプログラムは更に、コンピュータに、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出させる手順(P6)を更に含み、画像処理を施させる手順(P4)は、コンピュータに各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施させる手順(P4″)となる。
【0149】
なお、本発明のコンピュータプログラムでは、手順(P6)において算出される特徴量は各領域の下地濃度、または各領域の階調範囲である。
【0150】
このような記録媒体に図14に示すような内容のコンピュータプログラムを記録した場合には、コンピュータに、入力画像データの原稿種別を判定させ、該判定結果に応じて異なる画像処理を実行させるという本発明の画像処理方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータプログラムを記録した可般型の記録媒体を提供することができる。なお、具体的な記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行なわれる場合には、例えばROMのような不揮発性の記録媒体であってもよく、外部記憶装置としてのプログラム読取装置を設け、これに記録媒体を装入することによりコンピュータプログラムの読み取りが可能な記録媒体であってもよい。
【0151】
いずれの場合においても、記録媒体に記録されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、記録媒体からプログラムが読み出されてマイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされ、そのプログラムが実行される構成であってもよい。なおこの場合、記録媒体からのコンピュータプログラムのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0152】
ここで、上述のような記録媒体としては、コンピュータシステム本体と分離可能な記録媒体、たとえば磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク及びハードディスク等の磁気ディスク、更にはCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系の記録媒体であってもよいし、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory )、フラッシュROM等のような半導体メモリを含めた固定的にプログラムを記録する媒体であってもよい。
【0153】
また、図13に示すパーソナルコンピュータ50がインターネットを含む通信ネットワークに接続されている場合には、通信ネットワークから前述のようなコンピュータプログラムをダウンロードするような流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予めコンピュータシステム本体にインストールしておくか、または別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0154】
上述のような記録媒体はこれに記録されているコンピュータプログラムが、デジタルカラー画像形成装置またはコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることにより、前述したような画像処理方法が実行される。
【0155】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明に係る画像処理方法及び画像処理装置によれば、入力原稿中に複数の線数の網点領域が混在している場合にも、入力原稿が複数のソース(線数の異なる雑誌やパンフレットから取得した網点画像の絵柄領域)によって構成された原稿であると判定することが可能になる。また、この判定結果に基づいて、それぞれのソースの相違を可能な限り吸収した上で最終出力が得られるように、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0156】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理が施される。従って、ソースによっては特徴量、たとえば階調範囲(ダイナミックレンジ)又は下地濃度が異なるが、それぞれの特徴量に応じた処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0157】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴量が各領域の下地濃度であるため、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0158】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0159】
また本発明の画像読取装置によれば、読み込んだ画像データに網点領域が存在するか否かが判定され、存在すると判定された網点領域の網点線数が算出され、この算出された網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かが判定され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれるので、それぞれのソースの相違を可能な限り吸収した上で最終出力が得られるように、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0160】
また本発明の画像読取装置によれば、更に、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれるので、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0161】
また本発明に係る画像読取装置によれば、特徴量が各領域の下地濃度であるので、画像処理装置において各領域の下地濃度に応じた画像処理が行なわれるので、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0162】
また本発明に係る画像読取装置によれば、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるので、画像処理装置において各領域のダイナミックレンジに応じた画像処理が行なわれるため、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0163】
本発明に係る画像形成装置によれば、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域が存在する場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理が施されるので、それぞれのソースの相違を可能な限り吸収した上で最終出力が得られるように、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0164】
また本発明に係る画像形成装置によれば、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在する場合には各領域の特徴量それぞれに対応した画像処理が施されるので、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0165】
また本発明に係る画像形成装置によれば、特徴量が各領域の下地濃度であるので、各領域の下地濃度に応じた画像処理が行なわれて画像形成されるので、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0166】
また本発明に係る画像形成装置によれば、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるので、各領域のダイナミックレンジに応じた画像処理が行なわれて画像形成されるので、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0167】
また本発明に係るコンピュータプログラムによれば、汎用コンピュータシステムにインストールすることにより、前述の本発明の画像方法が実施され、また本発明の画像処理装置が汎用コンピュータシステムで実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置をカラー画像処理装置として実現した場合の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像処理装置の原稿種別自動判定部の具体的な内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の画像処理装置の原稿種別自動判定部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】網点領域が含まれていると判定された場合の網点線数の算出方法を説明するための模式図である。
【図5】網点領域が含まれていると判定された場合の網点線数の算出方法を説明するための模式図である。
【図6】網点線数に応じたFFT の結果を示す模式図である。
【図7】網点線数に応じたFFT の結果を示す模式図である。
【図8】網点線数に応じたFFT の結果を示す模式図である。
【図9】フィルタ係数の例を示すグラフである。
【図10】図9のグラフのフィルタ係数を示す図表である。
【図11】本発明の画像読取装置を利用して本発明の画像処理を実行する画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】汎用コンピュータシステム(パーソナルコンピュータ)を利用して画像処理を行なう本発明の画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の画像処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータシステムの構成例を示す模式図である。
【図14】本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 カラー画像処理装置
4 原稿種別自動判定部
5 入力階調補正部
13 絵柄別特徴量算出部
14 カラー画像入力装置
15 カラー画像出力装置
16 網点判定部
17 網点線数算出部
18 原稿判定部
24 写真判定部
30 プリンタ
50 パーソナルコンピュータ
51 プリンタドライバ
100 カラー画像処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明はスキャナ, デジタルスチルカメラ等のカラー画像入力装置により読み取られた入力画像データの原稿種別を自動的に判定する原稿種別自動判定を備え、この判定結果に基づいて後段の処理を行なうことによって原稿の出力再現精度の向上を図った画像処理方法に関し、またそのような画像処理方法を実施するための画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置に関し、更にそのような画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスまたはインクジェット方式を用いた複写機等の画像形成装置は、従来のアナログ方式に代えてデジタル方式、即ち入力画像データをデジタルデータ化して種々の加工を施した上で出力するようにしたものが普及する傾向にある。また、デジタル画像処理技術の進展に伴って、カラー画像を高画質に再現するフルカラーのデジタル複写機, 複合機, プリンタ等も製品化されている。
【0003】
これらの画像形成装置を用いて複写される原稿画像としては、文字, 線画, 写真、またはそれらが混在した原稿が存在しており、良好な再現画像を得るためには、それぞれの原稿種別に適合した画像処理を行なう必要がある。
【0004】
このような状況において、デジタル複写機等では文字モード, 文字/写真モード, 写真モード等の画像モードが予め用意されており、原稿の種類に応じてユーザがいずれかのモードを指定することにより、それぞれの原稿に適合した画像処理が行なわれるように構成されている。しかしながら、種々の原稿に応じて上述のような複数のモードの内からいずれかを選択して指定することは、ユーザにとっては非常に煩わしい作業である。また、この種の装置に不慣れなユーザにとってはモードの選択基準の判断が困難な場合もあるため、不適切なモードが選択された場合には、出力(印刷)された画像に著しい劣化が生じることも多く、そのような場合にはモードを選択し直して複写作業を再度行なう必要があり、無駄な複写が行なわれることになる。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、原稿種別の判定処理を自動的に行なう複写機が特許文献1等で提案されている。但し、この特許文献1に記載の複写機に用いられている原稿種別の判定処理方法は、紙幣または有価証券等のような法律で複写が禁じられている特殊原稿の複写を防止することを目的としており、具体的には以下のように行なわれる。
【0006】
まず、入力画像データに網点領域が含まれているか否かが判定され、網点領域であると判定された領域に対して主走査方向のピーク間距離が測定され、また副走査方向の3ラインでのピーク間距離の統計が求められる。そして、通常の印刷物では網点線数が一定であるのに対して、紙幣、有価証券等のような特殊原稿の多くでは網点線数が一定ではない点に着目して、上述のピーク間距離が一定である場合は非特殊原稿であると判定され、ピーク間距離が一定でない場合は特殊原稿であると判定される、というものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−62233号公報
【特許文献2】
特公昭63−31152号公報
【特許文献3】
特開2000−354167号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1による原稿種別の判定は、紙幣または有価証券等のような複写が禁じられている特殊原稿を判定するという特殊な用途に限られたものであるため、網点線数が一定であるか否かの判定を行なっているのみであり、網点線数を数値化して求めることは行なわれておらず、特殊原稿であるか、または非特殊原稿であるかを簡易に判定しているのみである。
【0009】
従って、特許文献1に記載の技術では、上述のような複数種類のソース、即ち文字, 写真, 網点画像等を切り貼りして混在させた原稿であるか否かを判定することはできず、また上述のような切り貼りした原稿の判定方法については、何ら記載されていない。このため、特許文献1に記載の発明によって上述のような複数のソースによる切り貼りした原稿を読み取り、出力した場合には、原稿のソースが異なっているために下地濃度の相違やダイナミックレンジの相違が発生し、全体の画質が劣化してしまうという問題がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上述した問題点を解決するために、原稿を小領域に分割した各領域の網点の線数を認識し、更に網点領域であると判定された場合に線数認識を施し、文字領域以外の網点画像及び写真画像(連続階調領域)等の領域(以下、絵柄領域という)を対象として、網点画像の領域の網点線数を認識し、同時に写真画像の領域が存在するか否かの判定を行ない、複数のソースからの絵柄領域が同一原稿内に混在している場合に、それぞれの絵柄領域の特徴の差を吸収することにより、一枚の画像として出力した際の画質の向上を可能とした画像処理方法の提供を主たる目的とする。また本発明は、そのような画像処理方法を実施するための画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置に関し、更にそのような画像処理方法を汎用コンピュータシステムで実施するためのコンピュータプログラムの提供をも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理方法は、原稿種別に応じた画像処理を原稿の入力画像データに施す画像処理方法において、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定するステップと、存在すると判定された網点領域の網点線数を求めるステップと、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定するステップと、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施すステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る画像処理装置は、原稿種別に応じた画像処理を原稿の入力画像データに施す画像処理装置において、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定する網点領域判定手段と、該網点領域判定手段が存在すると判定した網点領域の網点線数を算出する網点線数算出手段と、該網点線数算出手段が算出した網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定する原稿判定手段と、該原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定した場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す画像処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では、入力画像データに網点領域が存在するか否かが判定され、存在すると判定された網点領域の網点線数が求められ、次に網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かが判定され、この結果、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理が施されるので、それぞれの領域の網点線数の差による画像の特徴の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0014】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定するステップを更に含み、前記画像処理を施すステップは、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出するステップを含み、前記画像処理を施すステップは、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施すことを特徴とする。
【0015】
また本発明に係る画像処理装置は上述の画像処理装置において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定する連続階調領域判定手段と、前記原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定した場合に、各領域の特徴量を算出する特徴量算出手段とを更に備え、前記画像処理手段は、前記特徴量算出手段が各領域で算出した特徴量それぞれに対応した画像処理を施すようにしてあることを特徴とする。
【0016】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では上述の発明において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かが更に判定され、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理が施される。
【0017】
また本発明に係る画像処理方法は上述の画像処理方法において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0018】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0019】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では上述の発明において、特徴量が各領域の下地濃度であるため、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0020】
また本発明に係る画像処理方法は上述の画像処理方法において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0021】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0022】
このような本発明の画像処理方法及び画像処理装置では上述の発明において、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0023】
本発明に係る画像読取装置は、画像データを読み込む画像読取装置において、読み込んだ画像データに網点領域が存在するか否かを判定する網点領域判定手段と、該網点領域判定手段が存在すると判定した網点領域の網点線数を算出する網点線数算出手段と、該網点線数算出手段が算出した網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定する原稿判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
このような本発明の画像読取装置では、読み込んだ画像データに網点領域が存在するか否かが判定され、存在すると判定された網点領域の網点線数が算出され、この算出された網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かが判定され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれる。
【0025】
また本発明に係る画像読取装置は上述の発明において、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定する連続階調領域判定手段と、前記原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定した場合に、各領域の特徴量を算出する特徴量算出手段とを更に備えたことを特徴とする。
【0026】
このような本発明の画像読取装置では上述の発明において、更に、入力画像データに連続階調領域、具体的には写真画像の領域が存在するか否かが判定され、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれる。
【0027】
また本発明に係る画像読取装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0028】
このような本発明の画像読取装置では上述の発明において、特徴量が各領域の下地濃度であるので、画像処理装置において各領域の下地濃度に応じた画像処理が行なわれる。
【0029】
また本発明に係る画像読取装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0030】
このような本発明の画像読取装置では上述の発明において、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、画像処理装置において各領域のダイナミックレンジに応じた画像処理が行なわれる。
【0031】
本発明に係る画像形成装置は、画像データを原稿種別に応じて画像処理し、記録材に画像形成する画像形成装置において、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域が存在する場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す画像処理手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
このような本発明の画像形成装置では、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域が存在する場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理が施される。
【0033】
また本発明に係る画像形成装置は上述の発明において、前記画像処理手段は、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在する場合に、各領域の特徴量それぞれに対応した画像処理を施すようにしてあることを特徴とする。
【0034】
このような本発明の画像形成装置では上述の発明において、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在する場合には、各領域の特徴量それぞれに対応した画像処理が施される。
【0035】
また本発明に係る画像形成装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0036】
このような本発明の画像形成装置では上述の発明において、特徴量が各領域の下地濃度であるので、各領域の下地濃度に応じて画像形成が行なわれる。
【0037】
また本発明に係る画像形成装置は上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0038】
このような本発明の画像形成装置では上述の発明において、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、画像処理装置において各領域のダイナミックレンジに応じて処理され、画像形成される。
【0039】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力画像データの原稿種別を判定させ、該判定結果に応じて異なる画像処理を実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定させる手順と、存在すると判定された網点領域の網点線数を求めさせる手順と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定させる手順と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施させる手順とを含むことを特徴とする。
【0040】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、コンピュータに、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定させる手順と、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出させる手順とを更に含み、前記画像処理を施させる手順は、コンピュータに、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施させることを特徴とする。
【0041】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする。
【0042】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする。
【0043】
これらの本発明のコンピュータプログラムでは、汎用コンピュータシステムにインストールすることにより、前述の本発明の画像方法が実施され、また本発明の画像処理装置が汎用コンピュータシステムで実現される。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0045】
図1は、本発明の画像処理装置をカラー画像処理装置として実現した場合の一構成例を示すブロック図であり、画像読取手段としてのカラー画像入力装置14と、画像出力装置としてのカラー画像出力装置15との間において処理を行なうように構成されている。なお、本実施の形態においては、デジタルカラー複写機として本発明の画像形成装置を実現した例について説明する。なお、カラー画像出力装置15としては、電子写真方式又はインクジェット記録方式のいずれであってもよいし、更に他のたとえば熱転写方式であってもよい。
【0046】
図1に示すように、カラー画像処理装置1は、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、原稿種別自動判定部4、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、及び階調再現処理部11等で構成されている。また、カラー画像処理装置1の入力側にはカラー画像入力装置14が、出力側にはカラー画像出力装置15がそれぞれ接続されており、全体としてデジタルカラー複写機を構成している。
【0047】
なお、カラー画像処理装置1の構成要素の内の、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、及び階調再現処理部11等で画像処理手段が構成される。この画像処理手段の基本的な構成そのものは従来公知の構成である。
【0048】
画像読取手段としてのカラー画像入力装置14は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナにて構成されている。カラー画像入力装置14は原稿からの反射光像をRGB(R:赤、G:緑、B:青)に分解してCCDで読み取り、RGBのアナログ電気信号に変換してカラー画像処理装置1へ出力する。
【0049】
カラー画像入力装置14が読み取ったアナログ信号はカラー画像処理装置1へ入力され、カラー画像処理装置1内を、A/D変換部2、シェーディング補正部3、原稿種別自動判定部4、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、階調再現処理部11の順に送られ、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(黒)のデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置15へ出力される。
【0050】
A/D変換部2は、カラー画像入力装置14が読み取ったアナログ信号をデジタル信号に変換してシェーディング補正部3へ出力する。シェーディング補正部3は、A/D変換部2から入力されたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置14の照明系、結像系、撮像系等において生じる各種の歪みを予め判明している情報に従って取り除くためのシェーディング処理を施し、原稿種別自動判定部4へ出力する。
【0051】
原稿種別自動判定部4は、その具体的な構成例は後述するが、シェーディング補正部3において各種の歪みが取り除かれたデジタルのRGB信号(厳密にはRGBの反射率信号)をカラー画像処理装置1で採用されている画像処理システムにとって取扱いが容易なたとえば濃度信号等の信号に変換すると共に、原稿画像に網点領域が含まれているか否かを判定する。そして、原稿種別自動判定部4は、網点領域が含まれていると判定した場合は網点線数を算出すると共に、原稿画像に写真領域(連続階調領域)が含まれているか否かをも判定し、その結果に基づいて原稿内に複数の絵柄領域が含まれているか否かを判定する。
【0052】
この判定の結果、一枚の原稿画像に複数の絵柄領域(文字領域以外の、網点画像領域及び写真画像領域等)が含まれていると判定された場合は、原稿種別自動判定部4は各絵柄領域の特徴を求める。この原稿種別自動判定部4が求めた特徴量に応じて次段の入力階調補正部5において特徴量の制御、具体的には下地濃度の除去、ダイナミックレンジの制御等の処理が行なわれる。
【0053】
なお、原稿種別自動判定部4は上述のような種々の判定を行った結果、網点領域, 写真領域が含まれているか否か、網点領域が含まれている場合には網点線数を示す信号(網点線数信号)を、原稿種別判定信号として出力する。また、上述した入力階調補正部5での特徴量の制御を行なわせるための入力階調補正信号を入力階調補正部5へ出力する。なお、原稿判定部18が出力する原稿種別判定信号には、詳細は後述するが、網点領域及び写真領域が含まれているか否かを示す信号、及び網点領域が含まれる場合に算出された網点の線数を示す網点線数信号も含まれている。
【0054】
また、原稿種別自動判定部4は、上述のような判定処理を行なう他にも、入力された原稿種別の判定処理、たとえば、入力された原稿が新聞等の文字原稿であるか、書籍,雑誌またはパンフレット等の文字/印刷写真原稿であるか、文字/印画紙写真原稿、具体的にはたとえば写真集、美術印刷または印画紙写真であるか、印刷写真原稿でるか、印画紙写真原稿であるか等を判定する機能を備えていてもよい。このような原稿種別自動判定部4による原稿種別の判定結果も原稿種別判定信号として黒生成下色除去部8, 空間フィルタ処理部9及び階調再現処理部11に与えられる。
【0055】
入力階調補正部5は、上述の原稿種別自動判定部4から出力される濃度信号等に変換された信号を入力してカラーバランスを整えると同時に、下地濃度の除去及びコントラスト等の画質調整処理を施し、領域分離処理部6へ出力する。なお、この入力階調補正部5による下地濃度の除去は、上述した如く、入力階調補正信号が与えられることにより、原稿種別自動判定部4において求められた特徴量を基に最適に制御される。
【0056】
領域分離処理部6は、入力階調補正部5から出力されたRGB信号を入力し、このRGB信号に基づいて入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真(印画紙写真)領域のいずれに属するかを判定し、分離する。この分離結果に基づいて領域分離処理部6は、画素がいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11へそれぞれ出力する一方、入力階調補正部5から入力されたRGB信号をそのまま後段の色補正部7へ出力する。
【0057】
色補正部7は、領域分離処理部6から入力されたRGB信号の色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行なう。
【0058】
黒生成下色除去部8は、色補正部7による色補正後のCMYの3色信号からK信号を生成する黒生成処理と、元のCMY信号から黒生成処理で得られたK信号を差し引いた新たなCMY信号を生成する処理とを行なう。従って、黒生成下色除去部8では、CMYの3色信号がCMYKの4色信号に変換されることになる。この変換後のCMYKの4色信号は空間フィルタ処理部9へ入力される。
【0059】
なお、黒生成下色除去部8において行なわれる黒生成処理の一般的な方法の一例としては、UCR(Under Color Removal:下色除去処理)により黒生成を行なう方法が知られている。この方法では、黒生成カーブの入出力特性をy=f(x)の関数で表わし、入力されるデータをC,M,Yとし、出力されるデータをC’,M’,Y’,K’とし、UCR率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は下記式(1)〜(4)で表される。
【0060】
K’=f{min (C,M,Y)} …(1)
C’=C−αK’ …(2)
M’=M−αK’ …(3)
Y’=Y−αK’ …(4)
【0061】
空間フィルタ処理部9は、黒生成下色除去部8から入力されたCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号と網点線数信号とに基づいて複数のデジタルフィルタの内から最適なデジタルフィルタを選択し、領域識別信号で識別されている領域に対してこの最適なデジタルフィルタにより空間フィルタ処理を行なう。この空間フィルタ処理を受けることにより、黒生成下色除去部8から入力されたCMYK信号の画像データの内の領域識別信号で識別されている領域の空間周波数特性が補正され、この結果として出力画像がぼやけること、または粒状性が劣化することが防止される。
【0062】
出力階調補正部10は、空間フィルタ処理部9から出力された濃度信号等の信号をカラー画像出力装置15の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行ない、階調再現処理部11へ出力する。
【0063】
階調再現処理部11は、出力階調補正部10から入力されたCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部6から与えられている領域識別信号に基づいて、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるようにするための階調再現処理(中間調生成)を施す。
【0064】
例えば、領域分離処理部6において文字領域として分離された領域に関しては、特に黒文字または色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部9での空間フィルタにより鮮鋭強調処理が行なわれて高周波数の強調量が大きくされると共に、階調再現処理部11においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化が選択される。
【0065】
また、領域分離処理部6において網点領域として分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部9において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部10では、濃度信号等に変換された信号をカラー画像出力装置15の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理が行なわれた後、階調再現処理部11において最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。
【0066】
更に、領域分離処理部6において写真領域として分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行なわれる。
【0067】
操作パネル12は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部とデジタルカラー複写機全体の動作等を制御する設定ボタン(例えば、コピーを行なう原稿種別を表す文字モード・文字写真モード・写真モード等を設定するための画像モード)等を備えている。
【0068】
なお、上述した各処理が施された画像データは、図示しない記憶手段に一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置15へ出力されて用紙上に画像形成(印刷)される。以上のような各処理は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により制御されている。
【0069】
以上のような構成の本発明の画像処理装置であるデジタルカラー複写機により実行される本発明の画像処理方法について説明する。
【0070】
カラー画像処理装置1の全体としての基本的な構成及び動作は以上の如くであるが、本発明の特徴的構成要素である原稿種別自動判定部4における処理について、原稿種別自動判定部4の具体的な内部構成例を示す図2のブロック図及び処理手順を示す図3のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0071】
原稿種別自動判定部4は、概略的には網点判定部(網点領域判定手段)16と、網点線数算出部(網点線数算出手段)17と、写真判定部(連続階調領域判定手段)24と、絵柄別特徴量算出部(特徴量算出手段)13と、原稿判定部(原稿判定手段)18とを含んでいる。なお、原稿判定部18は、複数種類のソースからの絵柄領域が存在しているか否かの判定も行なう。
【0072】
網点判定部16は、シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データを入力し、この入力画像データに網点領域が含まれているか否かを判定するためのブロックであり、網点領域判定部19、網点領域画素カウンタ20、総画素数カウンタ21、除算器22及び判定部23等で構成されている。
【0073】
シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データは、網点領域判定部19及び総画素数カウンタ21へ入力される。網点領域判定部19は、この入力画像データ中の注目画素が網点領域画素であるか否かを判定し、判定結果を網点領域画素カウンタ20へ出力する。一方、総画素数カウンタ21は、入力画像データの総画素数をカウントし、その結果を除算器22へ出力する。
【0074】
網点領域画素カウンタ20は、上述の網点領域判定部19が注目画素を網点領域画素であると判定した場合にその画素数をカウントし、除算器22へ出力する。この除算器22には、上述したように、総画素数カウンタ21がカウントした入力画像データの総画素数も入力されている。除算器22は、網点領域画素カウンタ20がカウントした値を総画素数カウンタ21がカウントした総画素数で除算し、その結果を判定部23へ出力する。
【0075】
判定部23は、除算器22が求めた除算結果の値と、予め設定されている閾値とを比較し、入力画像データに網点領域が含まれているか否かを判定する。この判定部23による具体的な判定手順については後述するが、判定結果は網点線数算出部17及び原稿判定部18に与えられる。
【0076】
網点線数算出部17は、網点判定部16が、より具体的にはその判定部23が入力画像データに網点領域が含まれていると判定した場合に網点線数を算出し、その結果を網点線数信号として原稿判定部18に与える。一方、入力画像データに網点領域が含まれていないと判定された場合には、網点線数算出部17は何も行なわない。
【0077】
写真判定部24は、シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データを入力し、この入力画像データに写真領域(連続階調領域)が含まれているか否かを判定するためのブロックであり、写真領域判定部25、高濃度・低濃度画素数カウンタ26、中間濃度画素数カウンタ27、中間濃度比率算出部28、及び判定部29等で構成されている。
【0078】
シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データは、写真領域判定部25へまず入力され、後述するようにして入力画素の濃度を高濃度画素と低濃度画素と中間濃度画素との3段階のレベルで判定する。この写真領域判定部25による判定結果は高濃度画素及び低濃度画素と判定された場合は高濃度・低濃度画素数カウンタ26へ、中間濃度画素と判定された場合は中間濃度画素数カウンタ27へそれぞれ与えられ、高濃度・低濃度画素数カウンタ26及び中間濃度画素数カウンタ27がそれぞれ画素数をカウントする。
【0079】
高濃度・低濃度画素数カウンタ26及び中間濃度画素数カウンタ27によるカウント結果は中間濃度比率算出部28に与えられて中間濃度比率、即ち全画素数に占める中間濃度画素数の比率が算出され、この結果は判定部29に与えられる。判定部29は、中間濃度比率算出部28が算出した中間濃度画素数の比率と予め設定されている閾値との比較に基づいて、入力画像データに写真領域が含まれているか否かの判定を最終的に行なう。
【0080】
絵柄別特徴量算出部13は、各絵柄領域について特徴量(濃度ヒストグラム)を算出し、後段の入力階調補正部5が階調補正を行なうために必要な信号(入力階調補正信号)を生成する。
【0081】
原稿判定部18は、網点線数算出部17が算出した網点の線数 (網点線数信号)、写真領域判定部24による写真領域(連続階調領域)の存否の判定の結果に基づいて原稿種別の判定を行なう。この原稿判定部18による判定結果は原稿種別判定信号として黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11に与えられる。同時に、原稿判定部18は原稿内に複数のソースからの絵柄領域が含まれているか否かも判定しているので、絵柄別特徴量算出部13によって生成された入力階調補正信号を次段の入力階調補正部5へ出力させるか否かの制御も行なう。
【0082】
なお、網点判定部16及び写真判定部24は領域分離処理部6を構成する各種判定モジュールで兼用することも可能である。
【0083】
次に、上述のように構成された原稿種別自動判定部4での具体的な処理手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0084】
まず、フラグFが初期化され(ステップS1)、網点領域判定処理(ステップS2)が入力画像データに網点領域が含まれているか否かを網点判定部16が判定することにより実行される。
【0085】
具体的には、シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データが原稿種別自動判定部4へ入力されると、網点判定部16の網点領域判定部19は、入力画像データの内の注目画素を含むm×n(例えば、8×8)のマスク内の画素を抽出し、たとえば各画素値から算出した画素値の平均値等を閾値としてマスク内の画素を2値化する。なお、総画素数カウンタ21はこの処理の対象となる画像データの総画素数をカウントしている。
【0086】
次に、網点領域判定部19は、2値化した画像データから画素値の反転回数、即ち「0」から「1」へ、または「1」から「0」へ画素値が反転する変化点数を主走査方向及び副走査方向の双方で算出する。
【0087】
そして網点領域判定部19は、このようにして算出された反転回数の最大値MaxRevを選択し、MaxRevを予め定められている閾値TH1(例えば、TH1=4)と比較する。この比較の結果、網点領域判定部19は、MaxRevが予め定められている閾値TH1よりも大きい場合は、注目画素は網点領域画素であると判定し、この場合は網点領域画素カウンタ20によるカウント対象になり、網点領域画素カウンタ20のカウント値が「1」インクリメントされる。一方、MaxRevがTH1以下である場合は、網点領域判定部19は注目画素は非網点領域画素であると判定し、この場合は網点領域画素カウンタ20によるカウント対象にはならない。
【0088】
網点領域画素カウンタ20は、上述のようにして網点領域判定部19が網点領域画素であると判定した画素の数をカウントする。一方、総画素数カウンタ21は、前述したように、網点領域判定部19とは別に、入力画像データの総画素数をカウントしている。一つの画像データに関して以上のような処理が終了するまで反復される(ステップS4でYES)。
【0089】
一つの画像データに関して以上のような処理が終了すると、網点領域画素カウンタ20によりカウントされた網点領域画素数(網点領域画素カウンタ20のカウント値)と総画素数カウンタ21がカウントした入力画像データの総画素数(総画素数カウンタ21のカウント値)とは除算器22へ出力される。そして、網点領域画素カウンタ20のカウント値が総画素数カウンタ21のカウント値で除算器22により除算され、その結果が判定部23へ出力される。
【0090】
このようにして除算器22による除算結果が出力されると、判定部23は除算器22による除算結果を入力し、予め定められている閾値(例えば、0.05)と比較する。判定部23は、除算器22による除算結果が閾値よりも大きい場合には、網点領域が含まれていると判定し(ステップS5でYES)、除算結果が閾値以下である場合には、網点領域は含まれていないと判定する(ステップS5でNO)。なおこの網点領域が含まれていないと判定された場合(ステップS5でNO)は、それ以後の処理はスルー(何も行なわない)となり、原稿画像には網点領域は存在しないものとして処理が終了する。
【0091】
網点判定部16で網点領域が含まれていると判定された場合(ステップS5でYES)、網点線数算出部17が網点線数算出処理を行なう(ステップS6)。この網点領域が含まれていると判定された場合に網点線数算出部17が行なう網点線数の算出方法としては、一例として以下のような方法が可能である。
【0092】
網点線数算出部17は、網点領域として判定された画素に関して、その画素を中心としてm×n画素のマスクを切り出す。但し、この切り出されたマスクに対して周波数解析処理として FFT(高速フーリエ変換)を利用するために通常はm,n:2k として設定することが好ましい。本実施の形態では一例として、m=16,n=16、即ちk=4を使用するが、これに限定されるものではない。
【0093】
このようにして注目画素を中心として切り出されたm×n=16×16画素のマスクは下記式(5)で表わされ、図4(a) に示すようになる。
Maskf (x,y) ={I(i,j)|−8+x≦i≦7+x,−8+y≦j≦7+y}…(5)
但し、I(i,j):画素 (i,j)の濃度値
【0094】
次に、切り出されたマスクに対してFFT 処理が行なわれ、実空間領域から周波数領域への変換が行なわれて図4(b) に示すような2次元スペクトル配置とされる。この際の変換式は下記式(6)にて与えられる。
F(u,v) =∬Maskf I(x,y)exp[−j2π (ux+vy) ]dxdy …(6)
【0095】
このように、フーリエ変換の振幅スペクトル強度を用いることにより、上述したマスクそれぞれについて周波数特性を得ることが可能である。なお、いくつかの代表的な線数におけるFFT の結果(振幅スペクトル強度|F(u,v) |)を図6、図7及び図8に示す。なお、図6は85線網点の場合を、図7は 150線網点の場合を、図8は 200線網点の場合をそれぞれ示している。
【0096】
なお、図6の85線網点の場合、周波数特性としての振幅スペクトル強度はGplainに関して以下のとおりである。
【0097】
また、線数判定用パラメータは以下のとおりである。
Rplain:ParaA=1791, ParaB= 909, ParaC= 238 →low
Gplain:ParaA=1791, ParaB= 909, ParaC= 238 →low
Bplain:ParaA=1791, ParaB= 909, ParaC= 238 →low
【0098】
また、図7の150 線網点の場合、周波数特性としての振幅スペクトル強度はGplainに関して以下のとおりである。
【0099】
また、線数判定用パラメータは以下のとおりである。
Rplain:ParaA= 102, ParaB= 815, ParaC= 111 →middle
Gplain:ParaA= 102, ParaB= 815, ParaC= 111 →middle
Bplain:ParaA= 102, ParaB= 815, ParaC= 111 →middle
【0100】
また、図8の200 線網点の場合、周波数特性としての振幅スペクトル強度はGplainに関して以下のとおりである。
【0101】
また、線数判定用パラメータは以下のとおりである。
Rplain:ParaA=62, ParaB= 121, ParaC= 228 →high
Gplain:ParaA=62, ParaB= 121, ParaC= 228 →high
Bplain:ParaA=62, ParaB= 121, ParaC= 228 →high
【0102】
図6乃至図8にそれぞれにおいて、左上の画像はオリジナルの原稿の画像を、右上・左下・右下の各画像は各色成分、即ちR(赤)プレーン,G(緑)プレーン,B(青)プレーンの周波数特性(振幅スペクトル強度)を示している。ここで、各色成分の周波数特性を示す画像において、横軸はuを、縦軸はvを示し、振幅スペクトル強度を色の相違(添付図面ではグレースケール)により表わしている。各画像の右側にスケールを示し、濃度が低い(白っぽい)方が高周波になり、濃度が高い(黒っぽい)方が低周波になる。各周波数特性を示す画像は、入力ブロックに対する周波数特性を示しており、それぞれの左上隅のu=v=0の位置は周波数が共に0、即ち直流(DC)成分を示しており、その他のu,v=1,…,8における係数(power)はAC成分を示している。従って、各周波数特性を示す画像では、左上隅から右下隅へ向かうに従って低周波から高周波になり、係数の値によって対応する周波数成分が含まれている度合いを示している。
【0103】
各線数における振幅スペクトル強度が集中している部分は、低い線数の場合には左上隅に近い部分に、高い線数の場合には右下に近い部分に係数が集中している。これは、線数の低い網点は低周波成分を多く含む網点によって構成されており、線数の高い網点は高周波成分を多く含む網点によって構成されていることに起因している。従って、網点として検出された領域の周波数特性を求め、網点に含まれる周波数成分を算出することにより、網点として検出された領域の線数を判定することが可能となる。
【0104】
線数判定の具体的な方法としては、周波数域での周波数特性の分布状況に基づいて判定を行なう方法が知られている。振幅スペクトル強度を図5(c) に示す各エリア、具体的にはDC成分のエリア、u,v共に比較的低周波であるエリアA0,比較的高周波数であるエリアA2,両エリアの中間であるエリアA1別に総和を算出し、それぞれのエリアに含まれる画素数で除算することにより正規化した値を用いて判定が行なわれる。この際、ピークの位置の場所については図5(c) で用いる場所によって、A0にピークがある場合は低線数、A1にピークがある場合は中間線数、A2にピークがある場合は高線数と判定する。
【0105】
また、第2の方法としては、図5(c) に示すように、周波数特性を示す係数を区分し、それぞれ低周波数成分を含む量を示すパラメータ(Para0) 、中間周波数成分を含む量を示すパラメータ(Para1) 、高周波成分を含む量を示すパラメータ(Para2) を算出する。各パラメータを算出するために用いる周波数空間での場所をそれぞれA0,A1,A2とすると、算出するパラメータを以下の式(7),(8),(9)で表わされるように設定する。
【0106】
【数1】
【0107】
但し、count(A* ) :領域A* に含まれる空間周波数域での画素数
α,β,γ:定数
【0108】
具体的な判定の方法としては、求められたパラメータの内の最大のパラメータ値を算出し、どの領域のパラメータが最大になるかによって線数を判定する。具体的には、下記式(10)に従って線数が判定される(ステップS7)。
max_para=max(para0, para1, para2) …(10)
【0109】
ここで、最大の値がPara0 である場合には低周波の線数であると判定し(この場合、フラグF=a:ステップS8)、最大の値がPara1 である場合には中間の線数であると判定し(この場合、フラグF=b:ステップS9)、最大の値がpara2 である場合には高周波の線数(この場合、フラグF=c:ステップS10)であると判定する。ここで一例として、低周波の線数としては65線〜85線、中間の線数としては 120線〜 133線、高周波の線数としては 150線以上であると設定する。但し、この線数の設定はこれに限定されるものではなく、たとえば他の例としては低周波の線数としては65線〜 100線、中間の線数としては 120線〜 130線、高周波の線数としては135 線以上であると設定してもかまわない。いずれにしても、パラメータ算出のための周波数空間での場所の設定によって線数を変更することができる。
【0110】
以上のようにして一つの網点領域に関して網点線数が判定されると、その結果(Fの値)と判定対象となった網点領域とが対応付けられて記憶される(ステップS11)。そして、他にも網点線数の判定が必要な網点領域が有るか否かが判断され(ステップS12)、有る場合には(ステップS12でYES)、前述のステップS6へ戻って網点線数の判定が再度行なわれる。網点線数の判定が必要な網点領域が無い場合には(ステップS12でNO)、後述するステップS13へ処理が進められる。
【0111】
なお、本実施の形態では3段階(低周波,中間,高周波)に分割したが、周波数に変換する際のマスクサイズによって段階数をより多くすることも可能である。周波数変換を行なう際のマスクサイズを大きくすればするほど、周波数変換精度を高めることができるが、それによる計算量の増加との兼ね合いのために本実施の形態では上述のサイズで変換を行なうようにしている。
【0112】
上述の線数判定のためのパラメータを用いて判定された結果は以下のようになる。
Jude(x,y) ={低線数,中間線数,高線数}
【0113】
この線数判定の結果に基づいて原稿の網点の周波数と出力側の解像度の干渉によって発生する画質を劣化させる要因の一つであるモアレを抑制させるために空間フィルタ処理部(画像処理手段)9で平滑化フィルタを実施するが、その際の平滑化の特性を有する空間フィルタの程度を制御することも可能である。フィルタ係数の例としては、図9のグラフにマスクサイズ:13×9の例を、図10(a),図10(b),図10(c) にその係数の表をそれぞれ示すように、高線数用フィルタでは高周波領域までは他の中間線数用フィルタ及び低線数用フィルタの振幅スペクトル強度よりも大であり、高周波領域において強度が小さくなるような設定とし、低線数用フィルタでは低周波域から強度が落ち込むような係数を用いる。また、中間線数用フィルタでは高線数用フィルタと低線数用フィルタとの中間の特性となる係数を用いる。
【0114】
また、上述のような網点領域判定処理と並列して、写真領域判定処理(ステップS3)として、入力画像データに写真領域が含まれているか否かを写真判定部24が判定する処理も行なわれる。写真判定部24が写真領域を判定する方法としては、たとえば特許文献2に記載されている方法を用いると、以下のようになる。
【0115】
シェーディング補正部3から出力されたシェーディング補正後のRGBのデジタル信号の入力画像データは、写真領域判定部25へ入力される。この写真領域判定部25は入力された各画素を3段階のレベル、具体的には白レベル,中間レベル,黒レベルに3値化する機能を有しており、黒レベル及び白レベル、即ち高濃度及び低濃度の画素数を高濃度・低濃度画素数カウンタ26にカウントさせ、中間レベル、即ち中間濃度の画素数を中間濃度画素数カウンタ27にカウントさせる。そして、高濃度・低濃度画素数カウンタ26のカウント値と中間濃度画素数カウンタ27のカウント値とから、中間濃度比率算出部28が中間濃度(中間レベル)の画素数の比率を算出し、この中間濃度の画素数が他の画素数よりも多い場合にその画素領域を連続階調領域、即ち写真領域であると判定部29が判定する(ステップS4でYES)。
【0116】
以上の網点判定部16による網点領域の網点線数の判定結果及び写真判定部24による写真領域の存否の判定結果により、異なる線数の網点領域が含まれている、即ち複数の線数が含まれているか、または網点領域と写真領域との双方が含まれている判断されると(ステップS13でYES)、入力階調補正部(画像処理手段)5において下地除去処理を行なうための下地判定処理を絵柄別特徴量算出部13が行なう(ステップS14)。
【0117】
下地除去処理は、たとえば新聞紙等は純白ではなく若干着色した用紙が用いられているので、この下地の色を除去して背景を白地とするために行なわれる。下地判定処理及び下地除去処理の具体的な方法は、特許文献3に記載の方法を用いることが可能であり、以下のようにして行なわれる。
【0118】
まず、入力画像データから、G信号を補色反転した信号であるM信号を抽出し、この抽出したM信号が例えば 256段階の濃度階調を有しているとすると、その 256段階を16分割したヒストグラムが生成される。このヒストグラムにおいて、下地と判断される濃度値の最大値(第1の閾値)以下であり、下地と判断される画素数の最小値(第2の閾値)以上の領域、即ち下地と考えられる領域が高濃度側から探索され、第1の閾値に近い濃度区分が下地の濃度として抽出される。この際、領域の判定結果及びフラグの値に基づいて、各絵柄領域(各網点線数別網点領域及び写真領域)毎に上述のようなヒストグラムが作成され、下地濃度区分がそれぞれ算出される。
【0119】
以上のようにして算出された下地濃度区分が入力階調補正信号として絵柄別特徴量算出部13から入力階調補正部5に与えられると、入力階調補正部5は下地除去処理を行なう。具体的には、入力階調補正部5は、抽出された濃度区分値に対応する補正量テーブルを選択し、各絵柄領域について下地除去処理を行なう。複数種類のソースからの絵柄領域が混在している入力原稿に対して一律に下地除去を実施した場合には十分な下地除去を行なうことができないが、上述のような入力階調補正部5による各絵柄領域に対応した下地除去処理により、そのような事態を防ぐことができる。
【0120】
更に、同様の方法でダイナミックレンジに関しても各絵柄領域毎に絵柄別特徴量算出部13でダイナミックレンジを特徴量として求め、その結果に応じて入力階調補正部5においてレンジ補正を行なうことにより、高精度の補正を行なうことが可能となる。なお、ダイナミックレンジの補正の方法としては、一般的に用いられているような、検出された各領域において最大濃度と最小濃度とを想定される入力信号の最大濃度と最小濃度とに射影し、同時に中間濃度はその間を補間することによって実現する。
【0121】
各絵柄領域のソースが判定された場合に、領域毎に領域内最大濃度と最小濃度が下記のように求められたとすると、
写真領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
低線数網点領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
中間線数網点領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
高線数網点領域→
最大濃度値:Vmax =max(Rmax ,Gmax ,Bmax ),
最小濃度値:Vmin =min(Rmin ,Gmin ,Bmin )
各領域において、下記式(11)により濃度変換を行なうことにより、ダイナミックレンジの調整を行なうことが可能である。
【0122】
new_value ={(V−Vmin )/(Vmax −Vmin )}×α …(11)
但し、「new _value 」はダイナミックレンジ調整後の値を、Vは調整前の濃度値を、Vmax は各領域での最大濃度値を、Vmin は各領域での最小濃度値をそれぞれ表し、αはダイナミックレンジの幅を決定する定数を表す。
【0123】
たとえば、理論的な濃度の幅が0〜 255の 256段階である場合を設定し、写真領域において下記のような最大濃度値,最小濃度値とダイナミックレンジ調整前の値(RGBの値)が得られたとする。
Vmax =235,Vmin =42, V=(123,230,82) :RGB
【0124】
このような補正方法を用いて調整された濃度値は以下のように算出することが可能であり、各エリア毎の最大値, 最小値を用いて上述の式(11)から絵柄領域のダイナミックレンジを調整することが可能である。
【0125】
信号Rに関しては:
new_ valueR =(123 −42)/(235 −42)×255 =107
信号Gに関しては:
new_ valueG =(230 −42)/(235 −42)×255 =248
信号Bに関しては:
new_ valueB =(82−42)/(235 −42)×255 =53
【0126】
また、このダイナミックレンジを調整する条件を設定することにより、明らかに補正を行なうべきではない濃度が偏った絵柄の調整を制御することが可能である。下記式(12)に動作を制御する条件式を示す。
条件:Vmax ≧THmax & Vmin ≦THmin …(12)
【0127】
但し、閾値THmax , THmin は予め設定された定数であり、たとえばスキャナ等に依存した値である。具体的には、THmax =200, THmin =50等の値に設定することによって制御することが可能となる。
【0128】
以上のようにして、原稿判定部18は、網点領域及び写真領域が含まれているか否か、及び算出された網点の線数を示す網点線数信号を含む原稿種別判定信号を出力して黒生成下色除去部8, 空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11に与える。また、絵柄別特徴量算出部13は各絵柄領域に関する特徴量を算出して入力階調補正信号として入力階調補正部5に与える。
【0129】
なお、上述のステップS1〜S10の原稿種別判定のための処理は、原稿をプレスキャンしてその結果に基づいて行なうようにしてもよく、またはプレスキャンを行なわずに、シェーディング補正部3によるシェーディング補正処理後の画像データを一旦画像メモリに格納しておき、この画像データを対象として行なってもよい。
【0130】
この結果、入力画像データに種々の網点線数の網点画像領域及び写真領域等の絵柄領域が混在していたとしても、それぞれの絵柄領域に対してそれぞれに対応した適切な画像処理が施されることになり、それぞれの絵柄領域の特徴の差が吸収されて一枚の画像として出力されるため、出力画像の画質が向上する。
【0131】
また、以上に説明した実施の形態においては、画像全体に対して網点判定部16による網点領域判定処理を行なった後に網点領域が含まれている否かの判定及び網点線数の算出を行なうようにしている。しかし、たとえばm×n画素のマスク内の画素に対して、換言すればm×n画素のマスク単位で網点領域判定処理及び網点線数算出処理を行なうようにしてもよい。この場合には、写真判定部24による写真領域判定処理もm×n画素のマスク単位で行なうようにする。
【0132】
なお、上述のような原稿種別の自動判定の機能をフラットベッドスキャナ等の画像読取装置に原稿種別自動判定部として備え、この原稿種別自動判定部からは原稿種別判定信号を、画像読取装置本体からはRGB信号をそれぞれパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータシステムへ入力させて画像処理を行なうことも勿論可能である。そのような本発明の画像読取装置を利用して本発明の画像処理を実行する画像処理装置の構成例を図11のブロック図に示す。
【0133】
このような画像読取装置は、前述の図1に示されているカラー画像処理装置1の構成要素の内の、A/D変換部2、シェーディング補正部3及び原稿種別自動判定部4のみを備えたカラー画像処理装置100と、フラットベッドスキャナ等のカラー画像入力装置14とで構成される。
【0134】
そして、カラー画像入力装置14が読み取った画像データを、A/D変換部2、シェーディング補正部3及び原稿種別自動判定部4の各部において前述のカラー画像処理装置1の場合と同様に処理することにより、原稿種別判定信号, 入力階調補正信号及びRGBのデジタルカラー信号を出力する。これらの処理が施された後の信号(画像データ)は、パーソナルコンピュータまたはプリンタへ入力され、所定の画像処理が施された後にモニタへソフトコピーとして、またはプリンタからハードコピーとして画像が出力される。
【0135】
なお、図11に示した構成では、図1に示したカラー画像処理装置の構成要素の内の入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、及び階調再現処理部11等の機能を汎用コンピュータシステムによるソフトウェア処理で実現し、更に図1に示したカラー画像出力装置15として適宜のプリンタを接続することにより、全体としては図1に示した構成と同等の機能を有することになる。
【0136】
また、上述のような本発明に係る画像処理方法による網点線数に基づく原稿種別の判定方法をソフトウエア(アプリケーションプログラム)として実現することも可能である。この場合、原稿種別の判定結果(原稿種別判定信号)及び絵柄別特徴量の算出結果(入力階調補正信号)に基づく処理を実現するソフトウエアをプリンタドライバに組み込むことができる。
【0137】
そのようなプリンタドライバを有する汎用コンピュータシステム(パーソナルコンピュータ)を利用して画像処理を行なう本発明の画像形成装置の構成例を図12のブロック図に示す。図12に示すように、パーソナルコンピュータ50には、プリンタドライバ51、通信ポートドライバ53、通信ポート54が備えられている。
【0138】
プリンタドライバ51は、図1に示した画像処理装置と同様の入力階調補正部5、色補正部7、空間フィルタ処理部9、及び階調再現処理部11をソフトウェア機能として備えており、更にプリンタ言語翻訳部52をソフトウェア機能として備えている。また、パーソナルコンピュータ50は、プリンタ(画像出力装置)30と接続されている。プリンタ30は、パーソナルコンピュータ50から出力された画像データに応じて画像を出力(印刷)する。
【0139】
パーソナルコンピュータ50において各種のアプリケーションプログラムを実行することにより生成された画像データは入力階調補正部5、色補正部7、空間フィルタ処理部9、階調再現処理部11に与えられて図1に示したカラー画像処理装置1の場合と同様の処理が施される。なお、この場合、色補正部7には黒生成/下色除去処理を行なう機能も含まれているものとする。
【0140】
階調再現処理部11での処理が施された後の画像データは、プリンタ言語翻訳部52に与えられてプリンタ言語に変換され、通信ポートドライバ53、通信ポート54(例えばRS232C, LAN等)を介してプリンタ30へ出力され、画像出力(印刷)される。なお、プリンタ30は、通常のプリンタとしての機能の他に、コピー機能、ファクシミリ機能等を併せ持つデジタル複合機であってもよい。
【0141】
更に、本発明は、汎用コンピュータシステムに画像データ中の絵柄領域が網点画像であるか写真画像(階調画像)であるかを判定させ、網点画像についてはその網点線数を算出させ、その結果に基づいて原稿種別の判定を行なわせると共に、各絵柄領域の特徴量を求めさせて入力画像データの階調補正を行なわせる、という画像処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムとしてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておくこともできる。
【0142】
そのようなコンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ, フィルムスキャナ, デジタルカメラ等の画像入力装置と、所定のプログラムがロードされることにより前述した画像処理方法を含む種々の処理が行なわれるコンピュータシステムと、コンピュータシステムによる処理結果を表示するCRTディスクプレイ, 液晶ディスプレイ等の画像表示装置及び/又はコンピュータシステムによる処理結果を用紙へ出力するプリンタ等で構成される。更には、ネットワークを介してサーバー等に接続するための通信手段としてのモデム等が備えられる。
【0143】
図13はそのようなコンピュータシステムの構成例を示す模式図であり、汎用コンピュータシステムであるモニタを含むパーソナルコンピュータ50にフラットベッドスキャナ等のカラー画像入力装置14と、カラー画像出力装置15としてのプリンタ30と、キーボード61、マウス62等が接続された構成になっている。
【0144】
このような構成において、後述する図14に示すようなコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータ50にインストールすることにより、図1に示したカラー画像装置1の原稿種別自動判定部4、入力階調補正部5、領域分離処理部6、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、階調再現処理部11までの部分に対応する機能をパーソナルコンピュータ50内でコンピュータプログラムによって実行することが可能である。
【0145】
図14は上述のようなパーソナルコンピュータ50にインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図であり、たとえばCD−ROM等の記録媒体に記録されている。このような記録媒体に記録されている本発明のコンピュータプログラムをパーソナルコンピュータに読み込ませることにより、前述したような本発明の画像処理装置が汎用コンピュータで実現される。
【0146】
なお、図14に示されている本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、入力画像データの原稿種別を判定させ、該判定結果に応じて異なる画像処理を実行させるコンピュータプログラムであって、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定させる手順(P1)と、存在すると判定された網点領域の網点線数を求めさせる手順(P2)と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定させる手順(P3)と、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施させる手順(P4)とを含み、記録媒体に記録されている。
【0147】
また本発明のコンピュータプログラムは更に、コンピュータに、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定させる手順(P5)を更に含み、画像処理を施させる手順(P4)は、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、コンピュータに各網点領域及び連続階調領域とを対象としてそれぞれに対応した画像処理を施させる手順(P4′)となる。
【0148】
また本発明のコンピュータプログラムは更に、コンピュータに、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出させる手順(P6)を更に含み、画像処理を施させる手順(P4)は、コンピュータに各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施させる手順(P4″)となる。
【0149】
なお、本発明のコンピュータプログラムでは、手順(P6)において算出される特徴量は各領域の下地濃度、または各領域の階調範囲である。
【0150】
このような記録媒体に図14に示すような内容のコンピュータプログラムを記録した場合には、コンピュータに、入力画像データの原稿種別を判定させ、該判定結果に応じて異なる画像処理を実行させるという本発明の画像処理方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータプログラムを記録した可般型の記録媒体を提供することができる。なお、具体的な記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行なわれる場合には、例えばROMのような不揮発性の記録媒体であってもよく、外部記憶装置としてのプログラム読取装置を設け、これに記録媒体を装入することによりコンピュータプログラムの読み取りが可能な記録媒体であってもよい。
【0151】
いずれの場合においても、記録媒体に記録されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、記録媒体からプログラムが読み出されてマイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされ、そのプログラムが実行される構成であってもよい。なおこの場合、記録媒体からのコンピュータプログラムのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0152】
ここで、上述のような記録媒体としては、コンピュータシステム本体と分離可能な記録媒体、たとえば磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスク及びハードディスク等の磁気ディスク、更にはCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系の記録媒体であってもよいし、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory )、フラッシュROM等のような半導体メモリを含めた固定的にプログラムを記録する媒体であってもよい。
【0153】
また、図13に示すパーソナルコンピュータ50がインターネットを含む通信ネットワークに接続されている場合には、通信ネットワークから前述のようなコンピュータプログラムをダウンロードするような流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予めコンピュータシステム本体にインストールしておくか、または別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0154】
上述のような記録媒体はこれに記録されているコンピュータプログラムが、デジタルカラー画像形成装置またはコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることにより、前述したような画像処理方法が実行される。
【0155】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明に係る画像処理方法及び画像処理装置によれば、入力原稿中に複数の線数の網点領域が混在している場合にも、入力原稿が複数のソース(線数の異なる雑誌やパンフレットから取得した網点画像の絵柄領域)によって構成された原稿であると判定することが可能になる。また、この判定結果に基づいて、それぞれのソースの相違を可能な限り吸収した上で最終出力が得られるように、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0156】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理が施される。従って、ソースによっては特徴量、たとえば階調範囲(ダイナミックレンジ)又は下地濃度が異なるが、それぞれの特徴量に応じた処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0157】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴量が各領域の下地濃度であるため、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0158】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるため、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0159】
また本発明の画像読取装置によれば、読み込んだ画像データに網点領域が存在するか否かが判定され、存在すると判定された網点領域の網点線数が算出され、この算出された網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かが判定され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれるので、それぞれのソースの相違を可能な限り吸収した上で最終出力が得られるように、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0160】
また本発明の画像読取装置によれば、更に、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量が算出され、この結果に従って画像処理装置において画像処理が行なわれるので、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0161】
また本発明に係る画像読取装置によれば、特徴量が各領域の下地濃度であるので、画像処理装置において各領域の下地濃度に応じた画像処理が行なわれるので、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0162】
また本発明に係る画像読取装置によれば、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるので、画像処理装置において各領域のダイナミックレンジに応じた画像処理が行なわれるため、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0163】
本発明に係る画像形成装置によれば、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域が存在する場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理が施されるので、それぞれのソースの相違を可能な限り吸収した上で最終出力が得られるように、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0164】
また本発明に係る画像形成装置によれば、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在する場合には各領域の特徴量それぞれに対応した画像処理が施されるので、それぞれのソースに応じた画像処理、具体的には補正処理を行なうことが可能になるので、一枚の画像として出力した際の画質が向上する。
【0165】
また本発明に係る画像形成装置によれば、特徴量が各領域の下地濃度であるので、各領域の下地濃度に応じた画像処理が行なわれて画像形成されるので、それぞれの領域の下地濃度の差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0166】
また本発明に係る画像形成装置によれば、特徴量が各領域の階調範囲、具体的にはダイナミックレンジであるので、各領域のダイナミックレンジに応じた画像処理が行なわれて画像形成されるので、それぞれの領域のダイナミックレンジの差が吸収されて一枚の画像として出力された際の画質が向上する。
【0167】
また本発明に係るコンピュータプログラムによれば、汎用コンピュータシステムにインストールすることにより、前述の本発明の画像方法が実施され、また本発明の画像処理装置が汎用コンピュータシステムで実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置をカラー画像処理装置として実現した場合の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像処理装置の原稿種別自動判定部の具体的な内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の画像処理装置の原稿種別自動判定部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】網点領域が含まれていると判定された場合の網点線数の算出方法を説明するための模式図である。
【図5】網点領域が含まれていると判定された場合の網点線数の算出方法を説明するための模式図である。
【図6】網点線数に応じたFFT の結果を示す模式図である。
【図7】網点線数に応じたFFT の結果を示す模式図である。
【図8】網点線数に応じたFFT の結果を示す模式図である。
【図9】フィルタ係数の例を示すグラフである。
【図10】図9のグラフのフィルタ係数を示す図表である。
【図11】本発明の画像読取装置を利用して本発明の画像処理を実行する画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】汎用コンピュータシステム(パーソナルコンピュータ)を利用して画像処理を行なう本発明の画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】本発明の画像処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータシステムの構成例を示す模式図である。
【図14】本発明のコンピュータプログラムの内容の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 カラー画像処理装置
4 原稿種別自動判定部
5 入力階調補正部
13 絵柄別特徴量算出部
14 カラー画像入力装置
15 カラー画像出力装置
16 網点判定部
17 網点線数算出部
18 原稿判定部
24 写真判定部
30 プリンタ
50 パーソナルコンピュータ
51 プリンタドライバ
100 カラー画像処理装置
Claims (20)
- 原稿種別に応じた画像処理を原稿の入力画像データに施す画像処理方法において、
入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定するステップと、
存在すると判定された網点領域の網点線数を求めるステップと、
網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定するステップと、
網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施すステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定するステップを更に含み、
前記画像処理を施すステップは、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出するステップを含み、
前記画像処理を施すステップは、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施すこと
を特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
- 前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
- 原稿種別に応じた画像処理を原稿の入力画像データに施す画像処理装置において、
入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定する網点領域判定手段と、
該網点領域判定手段が存在すると判定した網点領域の網点線数を算出する網点線数算出手段と、
該網点線数算出手段が算出した網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定する原稿判定手段と、
該原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定した場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す画像処理手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定する連続階調領域判定手段と、
前記原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定した場合に、各領域の特徴量を算出する特徴量算出手段とを更に備え、
前記画像処理手段は、前記特徴量算出手段が各領域で算出した特徴量それぞれに対応した画像処理を施すようにしてあること
を特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 画像データを読み込む画像読取装置において、
読み込んだ画像データに網点領域が存在するか否かを判定する網点領域判定手段と、
該網点領域判定手段が存在すると判定した網点領域の網点線数を算出する網点線数算出手段と、
該網点線数算出手段が算出した網点線数に基づいて、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定する原稿判定手段と
を備えたことを特徴とする画像読取装置。 - 入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定する連続階調領域判定手段と、
前記原稿判定手段が網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定した場合に、各領域の特徴量を算出する特徴量算出手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置。 - 前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする請求項10に記載の画像読取装置。
- 前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする請求項10に記載の画像読取装置。
- 画像データを原稿種別に応じて画像処理し、記録材に画像形成する画像形成装置において、
読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域が存在する場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施す画像処理手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像処理手段は、読み込んだ画像データに網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在する場合に、各領域の特徴量それぞれに対応した画像処理を施すようにしてあることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
- 前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
- コンピュータに、入力画像データの原稿種別を判定させ、該判定結果に応じて異なる画像処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、入力画像データに網点領域が存在するか否かを判定させる手順と、
コンピュータに、存在すると判定された網点領域の網点線数を求めさせる手順と、
コンピュータに、網点線数が異なる複数の網点領域が存在するか否かを判定させる手順と、
コンピュータに、網点線数が異なる複数の網点領域が存在すると判定された場合に、各網点領域を対象としてそれぞれの網点線数に対応した画像処理を施させる手順と
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。 - コンピュータに、入力画像データに連続階調領域が存在するか否かを判定させる手順と、
コンピュータに、網点線数が異なる複数の網点領域と連続階調領域との双方が存在すると判定された場合に、各領域の特徴量を算出させる手順と
を更に含み、
前記画像処理を施させる手順は、コンピュータに、各領域で算出された特徴量それぞれに対応した画像処理を施させること
を特徴とする請求項17に記載のコンピュータプログラム。 - 前記特徴量は、各領域の下地濃度であることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータプログラム。
- 前記特徴量は、各領域の階調範囲であることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータプログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003176802A JP2005012668A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 画像処理方法、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、及びコンピュータプログラム |
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JP2003176802A JP2005012668A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 画像処理方法、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、及びコンピュータプログラム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011142543A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、及び画像処理装置の制御プログラム |
US8073251B2 (en) | 2007-02-16 | 2011-12-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image processing apparatus and method including page-background process capability, and non-transitory computer readable storage medium for causing computer to function as the same |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003176802A patent/JP2005012668A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8073251B2 (en) | 2007-02-16 | 2011-12-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image processing apparatus and method including page-background process capability, and non-transitory computer readable storage medium for causing computer to function as the same |
JP2011142543A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、及び画像処理装置の制御プログラム |
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