JP2005009781A - コージェネレーション・システムの出力制御装置及び出力制御方法 - Google Patents

コージェネレーション・システムの出力制御装置及び出力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コージェネレーション装置の起動時又は停止時のエネルギー損失を含めてコージェネレーション・システム全体の省エネルギー性を最大とする出力制御技術を提供する。
【解決手段】省エネ量、又は省エネ度を記憶する発電計画記憶手段34と、発電計画策定期間内における連続する時間帯区間のうちで、その時間帯区間における省エネ量又は省エネ度の総和が、コージェネレーション装置を同時間帯区間で停止した場合の省エネ量又は省エネ度の総和よりも小さい場合には連続する時間帯区間においてコージェネレーション装置を停止させることを決定する停止区間決定手段35を備えた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コージェネレーション装置が出力する電力及び熱を電力負荷、暖房負荷、及び給湯負荷で消費するコージェネレーション・システムにおいて、省エネ性を高めるようにコージェネレーション装置の出力制御を行う出力制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、クリーンなエネルギー供給システムとしてコージェネレーション・システムが注目されてきている。コージェネレーション・システムとは、電気と同時に有効に利用できる熱を発生し、エネルギーを多段的に活用する省エネルギーシステムをいう。
【0003】
現在のところ、一般家庭用のコージェネレーション・システムとしては、ガスエンジン・コージェネレーション・システムや燃料電池コージェネレーション・システム等が開発されており、一部は既に実用化されている。ガスエンジン・コージェネレーション・システムとは、コージェネレーション装置であるガスエンジン発電ユニットと排熱利用給湯暖房ユニットとから構成されたコージェネレーション・システムであり、電気を発電するガスエンジンから排出される排熱を排熱利用給湯暖房ユニットの主要な熱源とするものである。燃料電池コージェネレーション・システムとは、各家庭に供給されている都市ガスから燃料処理装置で水素を作り、この水素を使ってコージェネレーション装置である燃料電池で発電するとともに、発電等の際に発生する排熱を回収し、給湯や暖房に使用するものである。現在、燃料電池としては個体高分子型燃料電池(PEFC)が開発されており、90℃以下の低温で発電することが可能である。
【0004】
このようなコージェネレーション・システムにおいては、いかにして省エネルギー性を高めるかが重要な課題である。コージェネレーション装置は、エネルギーを電力と熱量という形態で出力する。そして、この電力と熱量との出力量は、コージェネレーション装置で消費されるエネルギー量により一意的に定まるものであるため、出力電力と出力熱量を独立に調節することはできない。そのため、ある時間帯における電力需要と熱需要とのバランスがコージェネレーション装置の出力電力及び出力熱量のバランスと一致しない場合、余分な熱量は蓄熱することにより調整がされる。しかしながら、蓄熱量が過剰となると、その熱量は有効利用されないこととなる。そこで、コージェネレーション・システムの省エネルギー性を最大とするためのコージェネレーション装置の出力制御技術が必要とされる。
【0005】
従来のコージェネレーション装置の出力制御技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のコージェネレーション・システムは、コージェネレーション装置、配電手段、配熱手段、計測手段、制御装置、記憶手段を有する。コージェネレーション装置は、電力と熱とを出力する。そして、この電力は配電手段が発電所からの受電電力と合わせて施設に供給する。また、熱は、配熱手段が蓄熱した後に前記施設に供給する。計測手段は、施設に供給された電力及び熱を計測し、過去の施設の電力負荷実績及び熱負荷実績としてハードディスク等の記憶手段に記憶する。
【0006】
このような、コージェネレーション・システムにおいて、まず、記憶手段に記憶された、過去の施設の電力負荷実績及び熱負荷実績から、運転計画の計画対象時期における施設の予測電力負荷及び予測熱負荷を予測する。次に、予測電力負荷に対してコージェネレーション装置の電主運転を行った場合の前記コージェネレーション装置の熱出力を導出する。ここで、「電主運転」とは、予測電力負荷において電力負荷がコージェネレーションの定格運転時の電力出力よりも充分大きい場合には定格運転を行い、それ以外の場合には常に電力出力が電力負荷よりも一定量小さくなる電力追従運転を行う運転方法をいう。
【0007】
そして、予測熱負荷の計画対象時期における積算値である予測積算熱負荷と、熱出力の運転時間帯における積算値である積算熱出力とを比較して、計画対象時期においてコージェネレーション装置の電主運転を行う運転時間帯を決定する。すなわち、計画対象時期において、予測積算熱負荷と積算熱出力とが同等となるように、運転制御手段がコージェネレーション装置の電主運転を行う運転時間帯を決定する。
【0008】
このようにしてコージェネレーション装置を電主運転することで、常に一定以上の電力を電力供給業者から受電するように電力出力が制御され、電力系統への逆潮流が防止される。それと同時に、コージェネレーション装置から出力された熱をできるだけ無駄無く施設で消費することができ、省エネルギー性や経済性を向上させることができる。
【0009】
【特許文献1】
特開2003−61245号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のコージェネレーション装置の運転方法においては、運転計画の計画対象時期において予測積算熱負荷と積算熱出力とが同等となるように、コージェネレーション装置の停止及び起動を行う必要がある。
【0011】
しかしながら、通常、コージェネレーション装置の停止時及び起動時には、停止及び起動動作に使用する余分なエネルギーが必要とされる。すなわち、例えば、燃料電池(Fuel Cell)の場合、天然ガスを改質器により水素と二酸化炭素に分解し、取り出された水素を酸素(空気)と反応させることによって発電が行われる。この改質器は、触媒を使用して天然ガスの分解反応を促進させるものであるが、触媒が充分に加熱され温度が安定するまでには比較的長い時間がかかる。従ってこの間は燃料電池の発電を行うことができず、エネルギーを消費するだけの運転となる。また、発電の停止後は、改質器の触媒の温度を冷却する必要があるが、この冷却のために冷媒を循環させる冷却ポンプを一定期間運転する必要がある。従って、この間はエネルギーを消費するだけの運転となる。
【0012】
このように、コージェネレーション装置の停止時及び起動時には、コージェネレーション装置はエネルギー負荷となる。従って、短時間だけコージェネレーション装置を停止したり、コージェネレーション装置の運転と停止を頻繁に繰り返すと、かえって省エネルギー性を悪化させる原因となる。
【0013】
一方、従来のコージェネレーション装置の運転方法においては、このようなコージェネレーション装置の起動時又は停止時のエネルギー損失が考慮されていないため、必ずしも省エネルギー性を高める結果が得られるとは限らないという問題がある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、コージェネレーション装置の起動時又は停止時のエネルギー損失を含めてコージェネレーション・システム全体の省エネルギー性を最大とすることが可能なコージェネレーション・システムの出力制御技術を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るコージェネレーション・システムの出力制御装置の第1の構成は、発電により電力を出力するとともに発電に伴い生じる熱量を出力するコージェネレーション装置と、前記コージェネレーション装置が出力する電力を消費する電力負荷と、前記コージェネレーション装置が出力する熱量を蓄熱する蓄熱装置と、前記コージェネレーション装置が出力する熱量又は前記蓄熱装置に蓄熱された熱量を消費する熱負荷と、を備えたコージェネレーション・システムにおいて、前記コージェネレーション装置の出力制御を行う出力制御装置であって、発電計画策定期間内の各時間帯において予定された前記コージェネレーション装置の発電量、及び、前記各時間帯の発電量に対して前記コージェネレーション装置が出力する電気及び熱のうち、前記電力負荷及び前記熱負荷で利用可能な電力量及び熱量である有効消費エネルギーを前記有効消費エネルギーを商用電源又は通常の給湯器により賄った場合に必要となる一次消費エネルギーから差し引いた値である省エネ量、又は前記省エネ量を前記一次エネルギーで割った値である省エネ度、若しくはこれらに類似の省エネ指数(以下、「省エネ量等」という。)を記憶する発電計画記憶手段と、前記発電計画策定期間内における連続する時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が、前記コージェネレーション装置を同時間帯区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和よりも小さい場合には前記連続する時間帯区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定する停止区間決定手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
この構成により、発電計画策定期間内の連続する時間帯区間において、コージェネレーション装置を連続運転するよりも停止させた方が省エネ量等の観点から有利な場合に、停止区間決定手段はコージェネレーション装置を停止させるように決定する。従って、コージェネレーション・システム全体の省エネルギー性を向上させることが可能となる。
【0017】
ここで、「蓄熱装置」としては、成層式貯湯槽、相変化を利用した潜熱式蓄熱槽等が使用される。「熱負荷」には、給湯装置などによる給湯負荷や暖房器等による暖房負荷などが含まれる。「発電計画策定期間」とは、コージェネレーション装置の発電量の計画を策定する期間をいい、通常は1日とされるが、これに限るものではない。
【0018】
本発明に係るコージェネレーション・システムの出力制御装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記停止区間決定手段は、前記発電計画策定期間内における時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が最小となる時間帯区間である最低省エネ区間を選択するとともに、前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和を選択する最低省エネ区間選択手段と、前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和と前記コージェネレーション装置を前記最低省エネ区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和とを比較して、前者が後者よりも小さい場合には前記最低省エネ区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定する停止判定手段と、を備えていることを特徴とする。
【0019】
この構成により、停止判定手段は、発電計画策定期間内における時間帯区間のうちで省エネ量等の総和が最小となる時間帯区間について、コージェネレーション装置を連続運転するよりも停止させた方が省エネ量等の観点から有利な場合に、停止区間決定手段はコージェネレーション装置を停止させるように決定する。そのため、コージェネレーション装置の停止・起動が頻発することが防止される。従って、停止・起動の頻発によるコージェネレーション装置の故障を回避することが可能となる。
【0020】
また、発電計画策定期間を1日(24時間)に設定すると、コージェネレーション装置の連続運転か、DSS(Daily Start and Stop)運転かの何れを実行する方が有利であるかを、省エネ量等の予測量に基づいて合理的に決定することが可能となる。
【0021】
本発明に係るコージェネレーション・システムの出力制御方法の第1の構成は、発電により電力を出力するとともに発電に伴い生じる熱量を出力するコージェネレーション装置と、前記コージェネレーション装置が出力する電力を消費する電力負荷と、前記コージェネレーション装置が出力する熱量を蓄熱する蓄熱装置と、前記コージェネレーション装置が出力する熱量又は前記蓄熱装置に蓄熱された熱量を消費する熱負荷と、発電計画策定期間内の各時間帯において予定された前記コージェネレーション装置の発電量、及び、前記各時間帯の発電量に対して前記コージェネレーション装置が出力する電気及び熱のうち、前記電力負荷及び前記熱負荷で利用可能な電力量及び熱量である有効消費エネルギーを前記有効消費エネルギーを商用電源又は通常の給湯器により賄った場合に必要となる一次消費エネルギーから差し引いた値である省エネ量、又は前記省エネ量を前記一次エネルギーで割った値である省エネ度、若しくはこれらに類似の省エネ指数(以下、「省エネ量等」という。)を記憶する発電計画記憶手段と、を備えたコージェネレーション・システムにおいて、前記コージェネレーション装置の出力制御を行う出力制御方法であって、前記発電計画策定期間内における連続する時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が、前記コージェネレーション装置を同時間帯区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和よりも小さい場合には前記連続する時間帯区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定することを特徴とする。
【0022】
本発明に係るコージェネレーション・システムの出力制御方法の第2の構成は、前記第1の構成において、前記発電計画策定期間内における時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が最小となる時間帯区間である最低省エネ区間及び前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和を選択し、前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和と前記コージェネレーション装置を前記最低省エネ区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和とを比較して、前者が後者よりも小さい場合には前記最低省エネ区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定することを特徴とする。
【0023】
本発明に係るコージェネレーション・システムの出力制御プログラムは、発電により電気を出力するとともに発電に伴う排熱を出力するコージェネレーション装置と、前記コージェネレーション装置が出力する電力を消費する電力負荷と、前記コージェネレーション装置が出力する排熱を蓄熱する蓄熱装置と、前記コージェネレーション装置が出力する排熱又は前記蓄熱装置に蓄熱された排熱を消費する熱負荷と、前記コージェネレーション装置の制御を行うコンピュータと、を備えたコージェネレーション・システムにおいて、前記コンピュータに読み込んで実行することにより前記コンピュータを請求項1又は2記載の出力制御装置として動作させることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係るコージェネレーション・システムの構成図である。本実施形態に係るコージェネレーション・システム1は、主要な構成として、燃料電池(以下、「FC」という。)2、インバータ3、排熱熱交換器4、余剰電力ヒータ5、FC用コントローラ6、暖房熱交換器7、成層式貯湯槽8、補助熱源9、給湯用コントローラ10を有している。尚、本実施形態においては熱負荷として、暖房負荷及び給湯負荷を有している。
【0025】
FC2には、燃料である天然ガスと空気とが供給される。FC2は、供給された天然ガスから水素を創り出し水素及び空気から発電を行うとともに、発電時に発生する熱(以下、「排熱」という。)を出力する。インバータ3には、FC2から出力される電気と商用電源から送電される電気とが入力される。そして、インバータ3は、電力負荷で要求される電力に応じて、FC2から出力される電力を施設内の電気機器等の電力負荷に供給する。尚、電力負荷で要求される電力に対してFC2から出力される電力が不足している場合には、インバータ3は、不足分に対しては商用電源から供給される電力で賄う。
【0026】
FC2において発電時に発生する排熱は、FC2の冷却水により取り出される。この冷却水により取り出された排熱は、排熱熱交換器4において、蓄熱装置である成層式貯湯槽8から供給される循環水と熱交換される。この循環水は、循環ポンプ11により成層式貯湯槽8の下部から取り出され、排熱熱交換器4に送られる。排熱熱交換器4において排熱が供給された循環水は、余剰電力ヒータ5及び暖房熱交換器7を経て成層式貯湯槽8の上部に戻される。
【0027】
FC用コントローラ6は、電流センサ12により電力負荷に供給される電流を検出するとともに、電流センサ13により商用電源から供給される電流を検出する。これにより、FC用コントローラ6は、電力負荷において消費された電力及び商用電源から供給された電力を検出することができる。
【0028】
FC2が出力する電力が電力負荷から要求される電力よりも大きい場合、FC2から商用電源側に電力の逆潮流が生じる。FC用コントローラ6は、このような電力の逆潮流を防ぐため、電流センサ13で検出される電流値が所定の閾値以上となった場合には、インバータ3の出力する電力の一部を電熱変換装置である余剰電力ヒータ5に回す。そして、余剰電力ヒータ5において余剰な電力を消費させ、FC2から商用電源側への電力の逆潮流を防止する。余剰電力ヒータ5は、供給される電力を熱に変換し、電熱変換により発生する熱を、循環水に供給する。これにより、余剰電力は循環水により熱として回収される。
【0029】
暖房熱交換器7は、循環水に供給された熱を、暖房機器等の暖房負荷(図示せず。)に循環される熱媒体に熱交換する。暖房負荷の熱媒体は、熱媒循環ポンプ14により暖房負荷から暖房熱交換器7に送られた後、補助熱源9を通って再び暖房負荷に戻される。
【0030】
成層式貯湯槽8は、上部から下部にかけて高温から低温となるような温度勾配を有する温湯が貯湯されている。台所、風呂等の給湯負荷へ温湯を供給する場合には、成層式貯湯槽8の上層の温湯が、補助熱源9を介して送水される。そして、給湯による成層式貯湯槽8内の水の減少分は、成層式貯湯槽8の底部からの給水により補われる。この給水量は、流量センサ15により検出される。また、給水時の水の温度は、温度センサ16により検出される。
【0031】
成層式貯湯槽8には、垂直方向に複数の温度センサ17a〜17eが設けられている。この温度センサ17a〜17eによって、成層式貯湯槽8内に貯湯された温湯の各層の温度を検出することができる。
【0032】
また、暖房負荷からの戻り配管及び往き配管には、熱媒体の温度を検出する温度センサ18,19が設けられている。更に、給湯負荷への給湯用配管には、給湯温度を検出する温度センサ20が設けられている。
【0033】
給湯用コントローラ10は、温度センサ16,17a〜17e,18,19,20により検出される温度、流量センサ15により検出される給水量、補助熱源9により発生した熱量、熱媒循環ポンプ14の熱媒循環流量等から、暖房負荷や給湯負荷において実際に消費された熱量や成層式貯湯槽8における放熱損失を検出する。また、FC用コントローラ6と給湯用コントローラ10とは協働して、コージェネレーション・システム1の制御を行う。
【0034】
図2は本発明の実施形態1に係るコージェネレーション・システムの出力制御装置の構成を表すブロック図である。図2において、FC2、インバータ3、余剰電力ヒータ5、補助熱源9、循環ポンプ11、及び、熱媒循環ポンプ14は図1と同様のものである。
【0035】
本実施形態に係る出力制御装置30は、負荷消費量予測手段31、負荷記憶手段32、発電計画策定手段33、発電計画記憶手段34、停止区間決定手段35、マイナス省エネ量記憶手段38、及びシステム制御手段39を有する。また、停止区間決定手段35は、最低省エネ区間選択手段36及び停止判定手段37を備えており、システム制御手段39は、FC運転制御手段40を備えている。
【0036】
本実施形態に係る出力制御装置30は、FC用コントローラ6及び給湯器用コントローラ10が協働することにより実現されている。また、負荷消費量予測手段31は、消費電力検出手段41により検出される電力負荷の電力消費量、暖房負荷熱量検出手段42によって検出される暖房負荷の消費熱量、及び給湯負荷熱量検出手段43により検出される給湯負荷の消費熱量に基づいて、1日の各時間帯n(n∈{0,1,…,23}。但し、時間帯nとは、n時〜n+1時までの時間帯を表す。)における電力負荷、暖房負荷、及び給湯負荷の消費電力又は消費熱量の予測値W(n),Q(n),Q(n)を決定し、負荷記憶手段32に記憶する。ここで、消費電力検出手段41は、電流センサ12,13により実現されている。暖房負荷熱量検出手段42は、温度センサ18,19及び給湯用コントローラ10により実現されている。また、給湯負荷熱量検出手段43は、温度センサ16,20及び流量センサ15により実現されている。
【0037】
発電計画策定手段33は、負荷記憶手段32に記憶された1日の各時間帯nにおける電力負荷、暖房負荷、及び給湯負荷の消費電力又は消費熱量の予測値W(n),Q(n),Q(n)に基づいて、発電計画策定期間内の省エネ量Esav(n)の総和が最大となるように各時間帯nのFC2の発電量W(n)を決定し、発電計画記憶手段34に記憶させる。本発明においては、発電計画策定手段33による時間帯nのFC2の発電量W(n)の決定方法については特に限定はしない。尚、省エネ量Esav(n)の算出の仕方については、後で詳細に説明する。
【0038】
停止区間決定手段35は、発電計画記憶手段34に記憶された発電計画策定期間内の各時間帯n(=0,…,23)の省エネ量Esav(n)を参照して、発電計画策定期間内における連続する時間帯区間[nstart,nstop](nstart<nstop, nstart∈{0,…,23}, nstop∈{0,…,23})のうちで、その時間帯区間における省エネ量の総和が、FC2を同時間帯区間[nstart,nstop]で停止した場合の省エネ量の総和よりも小さい場合には、この連続する時間帯区間においてFC2の発電を停止することを決定する。
【0039】
システム制御手段39は、コージェネレーション・システム1のFC2、インバータ3、余剰電力ヒータ5、補助熱源9、循環ポンプ11、熱媒循環ポンプ14等の運転制御を行う。このシステム制御手段39は、FC運転制御手段40を有している。FC運転制御手段40は、運転計画記憶手段34に格納された発電計画策定期間内の発電出力{W(n);n=0,…,23}及び停止区間決定手段35により決定された運転停止時間帯に従ってFC2の発電出力の制御及び発電の停止と起動制御を行う。
【0040】
以上のように構成された本実施形態に係るコージェネレーション・システムの出力制御装置において、以下その動作を説明する。ここではまず最初に、有効消費エネルギー及び省エネ量を算出するための基礎となる省エネ量算出モデルについて説明する。その後、出力制御装置の動作の詳細について説明する。
【0041】
〔1〕省エネ量算出モデル
(1)コージェネレーション・システムの有効消費エネルギーの計算モデル
図3に本実施形態で用いるコージェネレーション・システムの省エネ量の計算モデルを表す。ここでは、まずFC発電量{Wfc(n); n∈{0,1,…,23}}、負荷消費電力{W(n) ; n∈{0,1,…,23}}、暖房負荷熱量{Q(n) ; n∈{0,1,…,23}}、及び給湯負荷熱量{Q(n) ; n∈{0,1,…,23}}は既知の値であるとする。ここで、「FC発電量」とは、FC2が発電する電力量をいう。「負荷消費電力」とは、電力負荷が消費する電力の予測値をいう。「暖房負荷熱量」とは、暖房負荷が消費する熱量の予測値をいう。また、「給湯負荷熱量」とは、給湯負荷が消費する熱量の予測値をいう。
【0042】
FC2の発電効率をεefcとすると、時間帯nにおけるFC消費ガス量Qfc(n)は、(数1)により表される。ここで、「FC消費ガス量」とは、FC2が発電のために消費するガスの総量を熱量で換算した値をいう。
【数1】
Figure 2005009781
【0043】
(1.1)電力消費
時間帯nにおけるFC発電量Wfc(n)のうち、実際に電力負荷において使用可能な電力は、FC発電量Wfc(n)から補機消費電力Wを差し引いた電力量Wfc(n)−Wである。ここで、「補機消費電力」とは、FC2が発電を行うために作動させなければならない機器(例えば、排熱回収用ポンプ等の補機)において消費される電力量をいう。また、FC2で発電された電力が商用電源側に逆潮流することを防止する必要もある。そこで、以下の2つの場合に分けて考える必要がある。
【0044】
(a)Wfc(n)−W≦W(n)の場合
この場合、Wfc(n)−Wは負荷消費電力W(n)よりも低いので、FC2が発電した電力は総て電力負荷において消費され、商用電源側への電力の逆潮流は生じない。従って、有効負荷消費電力Weff(n)は(数2)により表される。ここで、「有効負荷消費電力」とは、FC2が出力する電力のうちで電力負荷において消費される電力をいう。尚、この場合に不足分の電力W(n)− Weff(n)は、商用電源から供給される電力によって補われる。
【数2】
Figure 2005009781
【0045】
(b)Wfc(n)−W>W(n)の場合
この場合、Wfc(n)−Wが負荷消費電力W(n)を超えているため、FC2が発電した電力の総ては電力負荷において消費されない。そこで、商用電源側への電力の逆潮流を防止するために、余剰な電力は余剰電力ヒータ5において消費される。従って、この場合の有効負荷消費電力Weff(n)は(数3)で表される。
【数3】
Figure 2005009781
【0046】
ここで、Wsup(n)は時間帯nにおいて余剰電力ヒータ5において消費される電力を表し、(数4)により計算することができる。
【数4】
Figure 2005009781
このヒータ消費電力Wsup(n)は、循環水により熱量として回収される。余剰電力ヒータ5の発熱効率をηsupとすると、余剰電力ヒータ5で回収される熱量Qsup(n)は、(数5)により表される。
【数5】
Figure 2005009781
【0047】
(1.2)熱消費
(数1)によりFC消費ガス量Qfc(n)が決まると、FC排熱量Q(n)の値が(数6)により定まる。ここで、「FC排熱量」とは、FC2が排熱として循環水に供給する熱量をいう。また、(数6)においてhfcはFC2及び排熱熱交換器4の熱効率(以下、「FC熱効率」という。)を表す。
【数6】
Figure 2005009781
【0048】
このとき、コージェネレーション・システム1全体の熱出力(以下、「システム熱出力」という。)Qsys(n)は、(数7)によって表される。尚、上述の通り、Wfc(n)−W≦W(n)の場合には、Qsup(n)=0である。
【数7】
Figure 2005009781
【0049】
(a)暖房負荷で消費される熱量
時間帯nにおいて、暖房負荷熱量Q(n)の値が0でない場合、システム熱出力Qsys(n)は優先的に暖房負荷に利用される。しかしながら、実際には暖房負荷において要求される温度に対して、暖房熱交換器7に供給される循環水の温度は、一般的にあまり高くない。そのため、暖房負荷熱量Q(n)の総てをシステム熱出力Qsys(n)で賄うことは困難であり、通常は暖房負荷熱量Q(n)の一部がシステム熱出力Qsys(n)で賄われる。そして、補助熱源9により供給される熱量Qhsub(n)により、残りの熱量が賄われる。
【0050】
そこで、平均的に暖房負荷熱量Q(n)においてシステム熱出力Qsys(n)が利用される割合(以下、「暖房負荷排熱利用率」という。)をRとする。このとき、システム熱出力Qsys(n)のうち暖房負荷に利用される熱量(以下、「暖房消費熱出力」という。)Qheff(n)は、(数8)により表される。尚、通常、Rの値は0.1程度となる。
【数8】
Figure 2005009781
【0051】
(b)給湯負荷で消費される熱量
時間帯nで暖房負荷において利用されなかった残りの熱量(以下、「貯湯供給熱量」という。)Q(n)=Qsys(n)−Qheff(n)は、給湯負荷において利用される。但し、時間帯nにおいて給湯負荷熱量Q(n)は決まっているため、貯湯供給熱量Q(n)の総てが給湯負荷に利用されるとは限らない。従って、時間帯nにおいて給湯負荷に利用されなかった残りの熱量は、一旦、成層式貯湯槽8に蓄熱された後に、後の時間帯において給湯負荷に利用される。
【0052】
しかしながら、成層式貯湯槽8に蓄熱された場合、放熱により時間とともに蓄熱された熱の一部が失われていく。そこで、貯湯供給熱量Q(n)のうち、後の時間帯で成層式貯湯槽8の放熱により失われる熱量の総和を放熱損失Q(n)とする。そして、実際に給湯負荷で利用される熱量を有効貯湯熱量Qseff(n)とすると、有効貯湯熱量Qseff(n)は(数9)により計算することができる。
【数9】
Figure 2005009781
【0053】
ここで、放熱損失Q(n)の見積もり方が問題となるが、本実施の形態においては、一例として、以下のような簡単なモデルを用いて見積もりを行う。まず、時間帯nにおいて成層式貯湯槽8に供給される貯湯供給熱量Q(n)のうち、時間帯nからi個の時間帯だけ経過した時間帯n+iにおいて、成層式貯湯槽8に残っている熱量をQ(n;i)とする。そうすると、最終的な放熱損失Q(n)は(数10)により表すことができる。(数10)において、右辺の和はiが0から23までの値をとるうちで、Q(n;i)が0ではない場合について和をとることを意味する。また、rは放熱係数を表す。
【数10】
Figure 2005009781
【0054】
時間帯nにおいて貯湯槽に残っている熱量Q(n;0)は、(数11)により表される。
【数11】
Figure 2005009781
【0055】
また、時間帯n+i(i>0)において貯湯槽に残っている熱量Q(n;i)は、計算を簡単化するため(数12)により見積もることとする。
【数12】
Figure 2005009781
【0056】
(2)省エネ量の計算モデル
上述のようなコージェネレーション・システム1において、時間帯nにおいて消費される全エネルギーは、FC消費ガス量Qfc(n)に等しい。そして、コージェネレーション・システム1において時間帯nにおいて供給された全エネルギーのうち有効に消費されるエネルギーEeff(n)(以下、「有効消費エネルギー」という。)は、有効負荷消費電力Weff(n)、暖房消費熱出力Qheff(n)、及び有効貯湯熱量Qseff(n)である。従って、コージェネレーション・システム1のエネルギー利用効率ηsys(n)は(数13)により表される。
【数13】
Figure 2005009781
【0057】
一方、「省エネ量」とは、コージェネレーション・システムでの時間帯nにおける有効消費エネルギーを商用電源及び従来のガス給湯器等により賄った場合の消費エネルギーと、コージェネレーション・システムでの時間帯nにおける有効消費エネルギーとの差をいう。
【0058】
発電所の発電効率をε (0)〔HHV〕、従来の一般的な暖房機器のエネルギー効率をh (0)〔HHV〕、従来の一般的な給湯器のエネルギー効率をh (0)〔HHV〕とする。このとき、有効負荷消費電力Weff(n)を発電所からの給電により賄った場合、発電所で消費される1次エネルギーの換算値Weff (0)(n)は、(数14)により表される。
【数14】
Figure 2005009781
【0059】
同様に、暖房消費熱出力Qheff(n)、有効貯湯熱量Qseff(n)を従来の一般的な暖房機器からの熱出力により賄った場合、従来の一般的な暖房機器、給湯器で消費される一次エネルギーの換算値Qheff (0)(n)、Qseff (0)(n)は、(数15)、(数16)により表される。
【数15】
Figure 2005009781
【数16】
Figure 2005009781
【0060】
従って、コージェネレーション・システム1での時間帯nにおける有効消費エネルギーを、発電所からの給電及び従来のガス給湯器等により賄った場合の消費エネルギーEeff (0)(n)は、(数17)により表される。
【数17】
Figure 2005009781
従って、省エネ量Esav(n)は(数18)により計算することができる。また、省エネ度ηsav(n)は(数19)により定義される。
【数18】
Figure 2005009781
【数19】
Figure 2005009781
【0061】
尚、ここでは暖房負荷がある場合について説明をしたが、暖房負荷を有しないコージェネレーション・システムの場合には、Q(n)=0とおくことで、このモデルをそのまま適用することができる。
【0062】
〔2〕出力制御装置の動作の詳細
図4は本発明の実施形態1に係るコージェネレーション・システムの出力制御方法を表すフローチャートである。
【0063】
まず、発電計画策定手段33は、発電計画策定期間内のFC発電量{Wfc(n) ; n=0,…,23}を決定し、それら決定されたFC発電量に対する省エネ量{Esav(n) ; n=0,…,23}を算出する。そして、これらのFC発電量{Wfc(n)}及び省エネ量{Esav(n)}を発電計画記憶手段34に記憶する(S1)。
【0064】
次に、最低省エネ区間選択手段36は、発電計画策定期間内における時間帯区間のうちで省エネ量の総和が最小となる時間帯区間(最低省エネ区間)[nstart, nstop]を求める。そして、この最低省エネ区間[nstart, nstop]における省エネ量の総和(以下、「最低区間省エネ量」)Esavminを算出する(S2)。尚、このステップS2における処理(以下、「最低省エネ区間選択処理」という。)の詳細については、後に詳細に説明する。
【0065】
次に、停止判定手段37は、最低区間省エネ量Esavminの値とマイナス省エネ量Esavdssの値とを比較し(S3)、Esavmin≦Esavdssの場合には最低省エネ区間[nstart, nstop]においてFC2の発電停止を決定する(S4)。ここで、「マイナス省エネ量」とは、FC2を起動及び停止させる際に発電開始前又は発電停止後にFC2により消費されるエネルギーをいう。
【0066】
そして、FC運転制御手段40は、最低省エネ区間[nstart, nstop]においては、発電計画記憶手段34に記憶されたFC発電量{Wfc(n)}となるように、FC2の発電量を制御しながら連続運転し、最低省エネ区間[nstart, nstop]においてはFC2を停止するようにFC2の運転制御を行う(S5)。
【0067】
一方、ステップS3において、Esavmin>Esavdssの場合には、最低省エネ区間[nstart, nstop]においてFC2の発電を停止することなく、発電計画策定期間内でFC2を連続運転することを決定する。そして、FC運転制御手段40は、発電計画記憶手段34に記憶されたFC発電量{Wfc(n)}となるように、FC2の発電量を制御しながら連続運転を行う。
【0068】
ここで、「マイナス省エネ量」とは、FC2の起動時及び停止時において発生するエネルギー損失の総和をいう。マイナス省エネ量には、FC2の起動時における改質器の予熱に消費されるガス量と消費電力量、FC2の発電開始前及び発電停止後における改質器の冷却ポンプや冷却ファンの消費電力等が含まれる。
【0069】
以上が本実施形態に係る出力制御方法の全体的な流れである。次に、最低省エネ区間選択処理について詳細に説明する。
【0070】
図5は最低省エネ区間選択処理を表すフローチャートである。
最低省エネ区間選択処理では、まず、停止区間決定手段35は、省エネ量の区間最小値Esavminの値を0に初期化する(S1)。次に、時間帯区間の始まりを表すパラメータsの値を0に設定し(S12)、時間帯区間の終わりを表すパラメータsの値を0に設定する(S13)。
【0071】
次に、s≠eか否かを判定する(S14)。ここで、s≠eの場合には、まず、時間帯区間[s,e]内の省エネ量の和Esavを0に初期化した後(S15)、s<eか否かを判定する(S16)。
【0072】
ここで、s<eの場合には、時間帯s〜eの省エネ量Esav(s)〜Esav(e)の値を省エネ量の和Esavに加算し、時間帯区間[s,e]の省エネ量の総和を求める(S17〜S19)。
【0073】
一方、ステップS16において、s≧eの場合には、時間帯0〜e及び時間帯s〜23の省エネ量Esav(0)〜Esav(e),Esav(s)〜Esav(23)の値を省エネ量の和Esavに加算し、時間帯区間[0,e],[s,23]の省エネ量の総和を求める(S20〜S25)。すなわち、この場合は、24時を跨ぐ時間帯区間[s,e]={s,s+1,…,23,0,…,e−1,e}における省エネ量の総和が求められる。
【0074】
次に、時間帯区間[s,e]についての総和Esavが、現時点での省エネ量の区間最小値Esavminよりも小さいか否かを判定する(S26)。ここで、Esavmin<Esavの場合には、省エネ量の区間最小値Esavminの値をEsavで置き換え(S27)、最小区間の前端の時間帯nstartの値をs、最小区間の後端の時間帯nstopの値をeに置き換える(S28,S29)。
【0075】
尚、ステップS14においてs=eの場合には、区間の前端と後端が同じ時間帯となるので、上記S15〜S29までの動作は行われない。
【0076】
上記ステップS14〜S29までの動作を時間帯s,eの値を0から23まで変化させながら繰り返し(S30,31)、終了する。
【0077】
この最低省エネ区間選択処理により、省エネ量が最小となる時間帯区間[nsta rt,nstop]と省エネ量の区間最小値Esavminの値が求められる。
【0078】
図6は1日の省エネ量の時間変化の一例を表した図である。図6の例においては、省エネ量の総和は22時から翌日の5時までの時間帯区間が最小となる。従って、時間帯区間[22,5]の省エネ量の総和Esavminの値とマイナス省エネ量Esavdssの値とを比較して、Esavmin≦Esavdssの場合にはFC2の運転が停止されることになる。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、省エネ量が最小となる時間帯区間[nstart,nstop]における省エネ量の区間最小値Esavminの値がマイナス省エネ量Esavdssと比較して、前者が小さい場合には時間帯区間[nstart,nstop]においてFC2を停止させることで、連続運転をする場合に比べてより省エネルギー性を高めることができる。
【0080】
尚、本実施形態では、FC2の運転を停止するか否かの判断基準値として省エネ量を使用したが、本発明においては省エネ量の代わりに省エネ度を使用することも可能である。
【0081】
また、本実施形態においては、FC用コントローラ6及び給湯用コントローラ10をマイコンにより構成し、これらのマイコンでコージェネレーション・システムの出力制御プログラムを実行することにより、上記出力制御装置を実現する構成としてもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発電計画策定期間内の連続する時間帯区間において、コージェネレーション装置を連続運転するよりも停止させた方が省エネ量又は省エネ度の観点から有利な場合に、停止区間決定手段はコージェネレーション装置を停止させるように決定する。従って、コージェネレーション装置の起動時又は停止時のエネルギー損失を含めてコージェネレーション・システム全体の省エネルギー性を最大とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るコージェネレーション・システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るコージェネレーション・システムの出力制御装置の構成を表すブロック図である。
【図3】本実施形態で用いるコージェネレーション・システムの省エネ量の計算モデルを表す図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るコージェネレーション・システムの出力制御方法を表すフローチャートである。
【図5】最低省エネ区間選択処理を表すフローチャートである。
【図6】1日の省エネ量の時間変化の一例を表した図である。
【符号の説明】
1 コージェネレーション・システム
2 燃料電池(FC)
3 インバータ
4 排熱熱交換器
5 余剰電力ヒータ
6 FC用コントローラ
7 暖房熱交換器
8 成層式貯湯槽
9 補助熱源
10 給湯用コントローラ
11 循環ポンプ
12,13 電流センサ
14 熱媒循環ポンプ
15 流量センサ
16,17a〜17e,18,19,20 温度センサ
30 出力制御装置
31 負荷消費量予測手段
32 負荷記憶手段
33 発電計画策定手段
34 発電計画記憶手段
35 停止区間決定手段
36 最低省エネ区間選択手段
37 停止判定手段
38 マイナス省エネ量記憶手段
39 システム制御手段
40 FC運転制御手段
41 消費電力検出手段
42 暖房負荷熱量検出手段
43 給湯負荷熱量検出手段

Claims (5)

  1. 発電により電力を出力するとともに発電に伴い生じる熱量を出力するコージェネレーション装置と、
    前記コージェネレーション装置が出力する電力を消費する電力負荷と、
    前記コージェネレーション装置が出力する熱量を蓄熱する蓄熱装置と、
    前記コージェネレーション装置が出力する熱量又は前記蓄熱装置に蓄熱された熱量を消費する熱負荷と、
    を備えたコージェネレーション・システムにおいて、前記コージェネレーション装置の出力制御を行う出力制御装置であって、
    発電計画策定期間内の各時間帯において予定された前記コージェネレーション装置の発電量、及び、前記各時間帯の発電量に対して前記コージェネレーション装置が出力する電気及び熱のうち、前記電力負荷及び前記熱負荷で利用可能な電力量及び熱量である有効消費エネルギーを前記有効消費エネルギーを商用電源又は通常の給湯器により賄った場合に必要となる一次消費エネルギーから差し引いた値である省エネ量、又は前記省エネ量を前記一次エネルギーで割った値である省エネ度、若しくはこれらに類似の省エネ指数(以下、「省エネ量等」という。)を記憶する発電計画記憶手段と、
    前記発電計画策定期間内における連続する時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が、前記コージェネレーション装置を同時間帯区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和よりも小さい場合には前記連続する時間帯区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定する停止区間決定手段
    を備えていることを特徴とする出力制御装置。
  2. 前記停止区間決定手段は、
    前記発電計画策定期間内における時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が最小となる時間帯区間である最低省エネ区間を選択するとともに、前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和を算出する最低省エネ区間選択手段と、
    前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和と前記コージェネレーション装置を前記最低省エネ区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和とを比較して、前者が後者よりも小さい場合には前記最低省エネ区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定する停止判定手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の出力制御装置。
  3. 発電により電力を出力するとともに発電に伴い生じる熱量を出力するコージェネレーション装置と、
    前記コージェネレーション装置が出力する電力を消費する電力負荷と、
    前記コージェネレーション装置が出力する熱量を蓄熱する蓄熱装置と、
    前記コージェネレーション装置が出力する熱量又は前記蓄熱装置に蓄熱された熱量を消費する熱負荷と、
    発電計画策定期間内の各時間帯において予定された前記コージェネレーション装置の発電量、及び、前記各時間帯の発電量に対して前記コージェネレーション装置が出力する電気及び熱のうち、前記電力負荷及び前記熱負荷で利用可能な電力量及び熱量である有効消費エネルギーを前記有効消費エネルギーを商用電源又は通常の給湯器により賄った場合に必要となる一次消費エネルギーから差し引いた値である省エネ量、又は前記省エネ量を前記一次エネルギーで割った値である省エネ度、若しくはこれらに類似の省エネ指数(以下、「省エネ量等」という。)を記憶する発電計画記憶手段と、
    を備えたコージェネレーション・システムにおいて、前記コージェネレーション装置の出力制御を行う出力制御方法であって、
    前記発電計画策定期間内における連続する時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が、前記コージェネレーション装置を同時間帯区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和よりも小さい場合には前記連続する時間帯区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定することを特徴とする出力制御方法。
  4. 前記発電計画策定期間内における時間帯区間のうちで、その時間帯区間における前記省エネ量等の総和が最小となる時間帯区間である最低省エネ区間を選択するとともに、前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和を算出し、
    前記最低省エネ区間における前記省エネ量等の総和と前記コージェネレーション装置を前記最低省エネ区間で停止した場合の前記省エネ量等の総和とを比較して、前者が後者よりも小さい場合には前記最低省エネ区間において前記コージェネレーション装置を停止させることを決定することを特徴とする請求項3記載の出力制御方法。
  5. 発電により電気を出力するとともに発電に伴う排熱を出力するコージェネレーション装置と、
    前記コージェネレーション装置が出力する電力を消費する電力負荷と、
    前記コージェネレーション装置が出力する排熱を蓄熱する蓄熱装置と、
    前記コージェネレーション装置が出力する排熱又は前記蓄熱装置に蓄熱された排熱を消費する熱負荷と、
    前記コージェネレーション装置の制御を行うコンピュータと、
    を備えたコージェネレーション・システムにおいて、
    前記コンピュータに読み込んで実行することにより前記コンピュータを請求項1又は2記載の出力制御装置として動作させることを特徴とするコージェネレーション・システムの出力制御プログラム。
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