JP2005008513A - モールドプレス成形装置及び成形方法並びに光学素子の製造方法 - Google Patents

モールドプレス成形装置及び成形方法並びに光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 素子素材の供給工程あるいは、成形品の取り出し工程においても移動型の加熱を行うことにより、所望の成形温度への到達時間を短縮し、成形サイクルタイムを短くする。
【解決手段】 対向して配置され、少なくとも一方が移動する上型及び下型と、前記上型及び下型をそれぞれ誘導加熱する加熱コイルを備えた上型加熱手段410a及び下型加熱手段410bとを有するモールドプレス成形装置において、
前記移動する型の前記加熱手段が、他方の型に近接又は接触した第一位置における型を加熱する第一加熱コイルコイル410b−1と、前記第一位置から離れた第二位置まで移動した前記型を加熱する第二加熱コイル410b−2と、前記第一加熱コイルと第二加熱コイルに対し、電源からの電流を選択的に通電する切替手段420と、を有する構成としてある。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光学素子等の製造工程において、成形素材(予め予備成形したプリフォームなど)を加熱軟化させ、成形型でプレス成形して光学素子などを成形するためのモールドプレス成形装置及び成形方法並びに光学素子の製造方法に関する。
加熱軟化した状態の成形素材、例えばガラス素材を、所定形状に精密加工され、所定温度に加熱された成形型中でプレス成形し、その成形面をガラス素材に転写すると、研削、研磨などの後処理を行わなくても面精度、形状精度の高い光学素子を得ることができる。この場合、プレス成形に次いで、光学素子を型から離型する際には、成形型を適切な温度まで冷却した上で離型する必要がある。このため、プレス成形を連続して光学素子を量産するには、成形型は、少なくともプレス温度と離型温度の間における所定温度範囲で熱サイクルを行う必要がある。
このような場合、誘導加熱を用いると、加熱手段であるコイル自体は発熱せず、被加熱体(発熱体)が直接加熱されるため、急速加熱が可能で、かつ迅速な冷却も可能であることから、成形サイクルタイムの短縮の上でも有利である。
そこで、ガラス光学素子の精密プレスにおいては、成形型を加熱する手段として、迅速かつ充分な加熱容量が得られる高周波誘導加熱を用いることが知られている。
一方、上型及び下型を同一温度あるいは上型及び下型に所定の温度差をもたせた状態で、所定の昇温,降温スケジュールによって正確に制御することは、成形される光学素子の面精度、形状精度を向上させる上で非常に重要である。上型及び下型を所定の温度に制御するに際し、高周波誘導加熱によって離間した型を加熱する成形装置が提案されている。
このような成形装置として、例えば、上下型の周囲に設けられた加熱コイルを、型の移動方向と平行に移動させることによって、上下型の温度を制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、上下型のうち移動可能な型が、成形品の取り出しあるいは素材の供給のために加圧位置から離間しているときに、この離間した位置において型を加熱する装置も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−310434号 特開平11−171564号
しかしながら、特許文献1に記載の成形装置には、成形室内に、加熱コイルを移動させるための大がかりな装置が必要となる上、成形素材を供給するため、下型を大きく下降させてコイル外に移動させなければならず、このときに下型温度が下がり、型の昇温に時間がかかるという問題がある。
また、特許文献2に記載の装置は、離間している上下型の成形面間に、素材の供給を可能とする程度の間隔があるため、周囲の雰囲気によって熱を奪われやすい。また、上下型の成形面に、両者の精密な位置決めのための部材(スリーブなど)が突出している場合には、これら部材への加熱効率が悪くなって、熱変形が不均一になり、位置決め部材の嵌合不良を生じることがあった。
特に、生産性を上げるために、母型の形状を長尺状にして複数の成形型を直線状に配置し、複数同時プレスを行う装置においては、加熱分布が悪いと、母型に対する加熱が不均一となって母型に熱変形(反り)を生じやすい。そして、母型に熱変形を生じると、個々の成形型が上下の同軸性を損ない、成形される光学素子(例えばレンズ)に、ティルトが生じて偏心精度を劣化させ、また肉厚が不均一になる。
本発明者は、上記問題を解決するため、種々検討した。その結果、成形品(光学素子)を取り出すため離間した位置にある型に対して次のプレスのための加熱を開始するとともに、成形品取り出し後における型予熱のため、近接又は接触した位置にある型に対して加熱を連続的に行うと、位置決め部材などへの加熱効率が向上し、母型の変形を防止するとともに、位置決め部材の嵌合不良を防ぐことが可能であることを見出した。
しかしながら、ここで新たな問題が生じた。すなわち、成形品の取り出し位置及び型が近接(接触の場合も含む。以下同じ。)する位置の両方に加熱コイルを配置して加熱を行うと、近接位置に型があるときには、型を支持するためのシャフト(主軸)が成形品取り出し位置における加熱コイルで加熱されて熱変形を生じ、成形品の精度低下をもたらすことがわかった。
さらに、上下型を単一のコイルによって加熱すると、コイル中央付近、すなわち上下母型の対向面がもっとも昇温されやすくなり、これによって母型に、図8に示すような反りが生じることもわかった。
そこで本発明者らは、さらに、鋭意検討を重ねた。その結果、加熱コイルを上型加熱用と下型加熱用とに分けて配置するとともに、移動型については近接位置及び成形品取り出し位置の両方に加熱コイルを配置し、さらに、移動型の位置に応じて両加熱コイルへの電流の供給(通電)を切り替えることによって上記課題を解決できることを見出した。本発明は上記知見にもとづいたもので、シャフト(主軸)の熱変形を防止し、短い生産サイクルタイムで、偏心精度及び肉厚精度の高い素子を安定生産することのできるモールドプレス成形装置及び成形方法並びに光学素子の製造方法の提供を目的とする。
また、本発明は、プレス成形後に、研磨等の後加工を必要とせずに、必要な光学性能が得られる、高精度のモールドプレス成形装置及び成形方法を提供する。
さらに、複数の光学素子を同時に成形する、生産効率の高いモールドプレス成形装置、及び成形方法、並びにこのモールドプレス成形方法によって光学素子を製造する方法を提供する。
上記目的を達成するため、本発明のモールドプレス成形装置は、対向して配置され、少なくとも一方が移動する上型及び下型と、前記上型及び下型をそれぞれ誘導加熱する加熱コイルを備えた上型加熱手段及び下型加熱手段とを有するモールドプレス成形装置において、前記移動する型(移動型)の前記加熱手段が、他方の型に近接した第一位置における型を加熱する第一加熱コイルと、前記第一位置より、他方の型から離れた第二位置まで移動した前記型を加熱する第二加熱コイルと、前記第一加熱コイルと第二加熱コイルに対し、電源からの電流を選択的に通電する切替手段とを有する構成としてある。
このような構成とすると、上型及び下型が近接している位置及び離間している位置にあっても、これら上型と下型とを連続的に加熱することができ、短い生産サイクルタイムで、面精度・形状精度の高い成形素子(光学素子)を成形することができる。すなわち、成形素材の供給、成形品の取り出しのタイミングにかかわらず、移動型の移動にあわせて第一又は第二加熱用コイルに切り替えて通電することにより、最も効率のよい加熱スケジュールを選択することが可能となる。
また、シャフト(主軸)を加熱することがないので、成形素子(光学素子)の面精度・形状精度を低下させることもない。
また、本発明のモールドプレス成形装置においては、前記上型加熱手段及び下型加熱手段が、それぞれ一個の独立した電源を有する構成としてある。
このように構成すると、上型及び下型をそれぞれ独立して温度制御できるようになり、移動型、固定型の熱容量や、それぞれの設定温度に対応した制御を行うことができ、上型と下型を所望の温度とすることができる。
ここで、前記第一位置における上型加熱コイルと下型加熱コイルの間隔は、前記加熱コイルのピッチの0.7〜2倍とすることが好ましい。上型加熱コイルと下型加熱コイルのピッチは等しく、ほぼ均一であることが好ましいが、均一でない場合は両加熱コイルの平均ピッチの0.7〜2倍とすることが好ましい。
上型及び下型の加熱コイルの間隔がコイルピッチに対して0.7倍より小さいと、上下加熱コイル間において上下型の対向面温度が上がりすぎて上下型に反りが生じやすい。また、2倍より大きいと、上下母型が上下加熱コイル内で加熱される際、上下母型の対向面、特に、位置決め部材を設けてあるときには、位置決め部材が加熱されにくく、また熱を奪われやすい。これは、加熱時間を延長させてサイクルタイムを長くしたり、成形素材の延び不良の原因となったりする。
前記成形装置を用いた本発明のモールドプレス成形方法は、前記移動する型が、前記第一位置にあるときは前記第一加熱コイルに通電し、前記第二位置にあるときは前記第二加熱コイルに通電する方法としてある。
このようにすると、型が移動しても、常時加熱されることになるので、型が冷却されることがなく、短いサイクルタイムで効率のよい生産を行うことができる。
また、本発明のモールドプレス成形方法においては、前記第一位置にある移動する型を加熱する第一加熱コイルと、他方の型を加熱する加熱コイルに、それぞれ異なる周波数で通電するか、あるいは、時分割して通電することが好ましい。
このように、互いに近接した位置にある加熱コイルに対し、異なる発振周波数あるいは時分割で通電させて前記上型及び下型を誘導加熱すると、上下加熱手段の発振の干渉を抑制しつつ、それぞれ所定の温度に加熱することができる。しかも、上型と下型を近接位置で加熱できるので、成形サイクルタイムの短縮にも寄与する。
また、本発明のモールドプレス成形方法は、対向して配置した上型及び下型のうち、一方が固定型で他方が移動型の場合において、前記固定型の加熱コイルと、前記第二位置における移動型を加熱する第二の加熱コイルに対し、同時に通電する方法としてある。
すなわち、互いに近接していない位置にある加熱コイルに通電するときには、干渉の問題が生じないので、同時に高周波誘導加熱を行って加熱効率を上げることができる。このようにすると、移動型は、どこの位置にあっても、加熱された状態となって加熱効率が向上し、上型と下型の温度バランスを崩すことがない。
また、本発明の光学素子の製造方法は、相互に近接した状態の前記上型及び下型を加熱する型加熱工程と、前記上型及び下型を開き、その間にあらかじめ加熱軟化させた光学素子素材を供給する素材供給工程と、前記上型及び下型を加圧して光学素子をプレス成形する成形工程、及び、前記上型と下型を開き、その間から成形された光学素子を取り出す取出し工程とを含む光学素子の製造方法において、前記モールド成形方法を用いて光学素子を製造する方法としてある。
具体的には、前記第一位置にある前記移動型と、前記固定型を所定の温度に加熱するとともに、前記移動型が前記第二位置へ移動したときも、前記移動型と前記固定型を所定の温度に加熱し、かつ、これら型の間に前記素材を供給する方法としてある。
このようにすると、少なくとも、前記型加熱工程と素材供給工程及び取出し工程における上型と下型の温度制御を好適に行うことが可能となり、短い生産サイクルタイムで、面精度・形状精度の高い光学素子を製造することができる。
本発明によれば、移動型の加熱コイルを切り替えて加熱することによって、素子素材の供給工程あるいは、成形品の取り出し工程においても移動型の加熱を行うことができるので、所望の成形温度への到達時間を短縮し、成形サイクルタイムを短くすることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下では、本発明をガラス光学素子の製造装置に適用した実施形態にそって説明するが、本発明は、この実施形態に限られるものではなく、樹脂製光学素子の製造、あるいは、ガラス及び樹脂製の光学素子以外の部品製造にも適用できる。
[ガラス光学素子の製造装置]
図1は、本発明に係るモールドプレス成形装置をガラス光学素子の製造装置に適用した場合の概略平断面図である。
図1に示す製造装置は、球状のガラスプリフォームをプレスし、小型のコリメーターレンズを製造するものである。概略的に、球状のガラスプリフォームは、本製造装置筐体内に複数(図の例では4つ)同時に供給され、加熱により軟化された状態で、成形型によってプレスされ、冷却され、そして筐体外へ搬出される。この繰り返しにより、連続的に多数のコリメーターレンズが製造される。
図1に示すように、このガラス光学素子の製造装置10は、加熱室20及び成形室40を備えている。加熱室20と成形室40は、開閉バルブ61を備えた通路60で相互に連通されており、この加熱室20、成形室40及び通路60によって、外部から遮断された一つの密閉空間が形成されている。この密閉空間の外壁は、ステンレスその他の部材により形成されており、シーリング材によって、その気密性が保持されている。この加熱室20、成形室40及び通路60によって形成される密閉空間は、ガラス光学素子の成形に際して、不活性ガス雰囲気にされる。すなわち、図示しないガス交換装置によって、空間内の空気が排気され、代わりに不活性ガスが充填される。不活性ガスとしては、窒素ガスまたは窒素と水素の混合ガス(例えば、N+0.02vol%H)を用いることが好ましい。
加熱室20は、供給されるガラスプリフォームをプレスするに先立って予備加熱するための領域であり、ここには、プリフォーム供給装置22、プリフォーム搬送装置23及びプリフォーム加熱装置24が設置される。また、外部からガラスプリフォームを加熱室20内へ供給するための供給準備室21が設置される。
供給準備室21には、図示しない受け皿が4つ配置され、ここに図示しないロボットアームを用いて4つのガラスプリフォームが置かれる。供給準備室21内に設置したプリフォーム供給装置22の吸着パッドによって、この受け皿上のガラスプリフォームが吸着され、加熱室20内へ搬入される。供給準備室21は、加熱室20内への空気の流入を禁止するため、ガラスプリフォームを受け皿に配置した後、密閉されて不活性ガス雰囲気に置換される。
プリフォーム搬送装置23は、供給準備室21から搬入されるガラスプリフォームを受け取り、プリフォーム加熱装置24による加熱領域に搬送し、さらに、加熱軟化したガラスプリフォームを成形室40へ搬送する。プリフォーム搬送装置23は、そのアーム25の先端に4つの皿26を備え、その上でガラスプリフォームを保持する。
実施形態のものでは、加熱室20内に固定される駆動部23aによって、皿26を備えるアーム25が水平に支承され、該アーム25はほぼ90度の回転角をもって水平方向に回動される。また、アーム25は、駆動部23aを中心とした半径方向に出退可能に構成されており、これによって、保持したガラスプリフォームを成形室40に搬送する。
プリフォーム搬送装置23は、駆動部23a内に、図示しないアーム開閉機構を備え、これによってアーム25の先端を開いて皿26上のガラスプリフォームを前記成形型上に落下させる。
ガラスプリフォームが予熱され、軟化した状態で搬送されるときに、搬送治具に接触することでガラス表面に欠陥が生じると、成形後の光学素子の形状精度を損なうため、プリフォーム搬送装置23には、ガラスプリフォームをガス浮上させた状態で搬送する浮上治具が備えられていることが好ましい。例えば、図6に示すような、割型式浮上皿を、分離可能なアームで支承するものを用いることができる。
また、成形後の光学素子を離間した母型間から自動的に取り出すために、吸着パッドを備えた、吸着搬送装置を備えることが好ましい。
プリフォーム加熱装置24は、供給されたガラスプリフォームを、所定の粘度に対応した温度まで加熱するためのものである。ガラスプリフォームを安定して一定の温度まで昇温するために、抵抗素子を用いた抵抗加熱による加熱装置(例えば、Fe−Crヒータ)を用いることが好ましい。プリフォーム加熱装置24は、側面から見て概略コ字状を有しており、その内側の上下面にヒータ部材を備えている。プリフォーム加熱装置24は、図1に示すように、アーム25上に保持したガラスプリフォームの移動軌跡上に設置される。
アーム25は、前記プリフォーム供給装置22からガラスプリフォームを受け取るとき及び成形室40へこれを搬送するときを除き、前記プリフォーム加熱装置24内に置かれる。前記プリフォーム加熱装置24のヒータ表面温度は約1100℃、炉内雰囲気、すなわち上下ヒータ間の雰囲気は約700〜800℃とすることができる。なお、本実施形態においては、上下ヒータ間に温度差を設けることによって、アーム25の縦方向における反りを防止するようにしている。
一方、成形室40は、前記加熱室20において予備加熱されたガラスプリフォームをプレスして、所望の形状のガラス光学素子を成形するための領域であり、ここには、プレス装置41及びガラス光学素子の搬出装置42が設置されている。また、プレス成形されたガラス光学素子を外部へ搬出するための取り出し準備室43が設置される。
プレス装置41は、プリフォーム搬送装置23によって加熱室20から搬送される4つのガラスプリフォームを同時に受け入れ、これをプレスして所望の形状のガラス光学素子を得る。プレス装置41は、上型及び下型を備えており、その間に供給された4つのガラスプリフォームをそれらの成形面によって同時にプレスする。プリフォーム搬送装置23のアーム25上における4つのガラスプリフォームは、該アームの先端が開かれることによって、前記下型上に落下され、該アームが成形型間から後退した直後に、下型が上型に向けて上昇し、これによってその間に挟まれたガラスプリフォームがプレスされる。
前記成形型の周囲には、これを加熱するための高周波による誘導加熱コイル410が設置されている。ガラスプリフォームのプレスに先立って、成形型を誘導加熱コイル410によって加熱し、所定の温度に維持する。プレス時における成形型の温度は、予熱されたガラスプリフォームの温度とほぼ同じであっても、それよりも低い温度であってもよい。
好ましくは、成形型の温度はガラスプリフォームの温度より低くし、これによって、成形サイクルタイムを短縮し、また成形型の劣化を制御することができる。
誘導加熱コイル410による加熱制御は、あとで詳しく説明するように、上型と下型に対して、それぞれ独立して行う。
搬出装置42は、プレス装置41によってプレスされたガラス光学素子を、前記取り出し準備室43へ受け渡すものである。搬出装置42は、駆動部42aに対し回動自在に支承されたアーム42bの先端に4つの吸着パッド42cを備えている。吸着パッド42cは、成形型の下型上にある4つのガラス光学素子を真空吸着し、搬出装置42による搬送を可能にする。アーム42bの回動により吸着されたガラス光学素子は、取り出し準備室43下に搬送され、ここに設置された図示しない昇降手段上に置かれる。アーム42bの待避後に、該昇降手段が上昇され、ガラス光学素子は取り出し準備室43へ受け渡される。
本実施形態においては、昇降手段のレンズ載置面によって、取り出し準備室43の成形室40と通じる開口が閉鎖され、これによって取り出し準備室43と成形室との間の気体交換が不能な状態となる。取り出し準備室43の上部を開放することによって、ロボットアームその他の搬出手段を用い、その内部のガラス光学素子が順次外部へ搬出される。ガラス光学素子の搬出後、取り出し準備室43は密閉され、ここに不活性ガスが充填される。
〔プレス装置〕
次に、プレス装置について説明する。
図2は、本実施形態にかかるガラス光学素子製造装置のプレス装置の概略平面図を示し、図3は、同じく要部構造を示す側断面図である。なお、図3には、電源と温度制御手段の概略構成も示してある。
このプレス装置は、上型及び下型が、それぞれ、母型と成形型を有している。上母型411a及び下母型411bは長尺状であり、それぞれ上主軸412a及び下主軸412bに取り付けられている。そして、上母型411a及び下母型411bには2個から10個(図示のものは4個)の上成形型413a及び下成形型413bが取り付けられている。
上母型411aは、上主軸412aに取り付けられ、上主軸412aは装置本体に固定されている。下母型411bはサーボモータ(図示せず)により駆動される可動主軸412bに取り付けられている。これにより、成形プロセスの各工程(型加熱工程、素材供給工程、加圧工程、離型工程、取り出し工程)において、下母型411bを、上下成形型413a,413bが近接する第一位置と上成形型413aと所定の距離離間する第二位置との間で移動させるとともに、第一位置と第二位置とにそれぞれ停止させることができる。
上下母型411a,411bは、所定の成形サイクルにあわせて成形制御部(図示せず)が、サーボモータに駆動信号を送ることにより接離させる。
なお、本実施形態のプレス装置においては、下母型のみを移動可能としてあるが、上母型のみ、あるいは上下母型の両方を移動させるようにしてもよい。
上母型411aが固定されている位置には、上母型411aを巻回する上型誘導加熱コイル(上型加熱コイル)410aが配設されている。また、下母型411bについては、第一位置と第二位置に下母型411bが停止したときに、その周囲を巻回するよう、第一位置と第二位置の近辺に下型の第一誘導加熱コイル(第一加熱コイル)410b−1と第二誘導加熱コイル(第二加熱コイル)410b−2がそれぞれ配設されている。また、下型加熱コイルは、第一加熱コイル411b−1と第二加熱コイル411b−2を選択的に加熱するための切替器420を有している。
上型加熱コイル410aと下型加熱コイル410b−1の上下方向(鉛直方向)の離間距離Sは、上下加熱コイルの平均コイルピッチPの0.7〜2倍であることが好ましく、さらには0.8〜1.5倍であることが好ましい。上型加熱コイル410a及び下型の第一加熱コイル410b−1の上下方向(鉛直方向)の離間距離を上記範囲より小さくすると、上下型対向面の温度上昇により上下型に反りが生じやすくなる。また、上記範囲より大きすぎると、第一位置において下型を加熱する際、上下型が近接しないため、上下型の対向面の加熱効率が悪くなる。
本実施形態では、上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1を近接配置するため、両コイル離間距離を平均コイルピッチとほぼ同じとしてある。
なお、上型加熱コイル410aと、下型加熱コイル410bは、あとで詳しく説明するように、それぞれ独立の電源と温度制御部に接続されており、それぞれの出力は独立して制御が可能である。
これにより、上母型411a及び下母型411bの熱容量が相当程度異なっていても、同一温度に制御することができ、また逆に、上母型411a及び下母型411bに所望の温度差を設けることもできる。また、上型加熱コイル410a及び下型の第一,第二加熱コイル410b−1,410b−2の巻数及び配置範囲などは、上母型411a及び下母型411bの熱容量を考慮して決定する。
なお、このように上母型411aと下母型411bを独立した電源と加熱コイルによって加熱すると、これらを単一のコイルによって加熱する場合に比べ、上母型と下母型の対向面側の部分が、より昇温する現象を防ぐことができ、母型の反り発生を防止するので、反りによって偏心精度(上下型の光軸の傾き:ティルト)の悪化が問題になるような高精度レンズにおいては特に有利である。さらに、反りを防止できることは、上下母型の位置決めが正確に行えることとなり、偏心精度(上下型の光軸の水平方向のずれ:ディセンタ)の向上にも有効である。
上下母型411a,411bの素材は、誘導加熱によって発熱し、耐熱性のある発熱体を用いている。この発熱体としては、例えば、タングステン合金、ニッケル合金などを用いることができる。また、上下の成形型413a,413bには、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのセラミック、あるいは超硬合金などを用いることができる。
ここで、上下母型411a,411bの発熱体としては、熱膨張率が成形型413a,413bの素材と近いものを使用することが好ましい。例えば、成形型の素材としてセラミックを用いる場合には、発熱体として、タングステン合金などを用いることが好ましい。
なお、上下の成形型413a,413bの成形面には離型膜を設けることができる。離型膜としては、貴金属(Pt、Ir,Auなど)や、炭素を主成分とする膜が適用できる。炭素膜は、特に、安価であって離型効果が優れており、好適である。
また、上下母型411a,411bは、素材供給時及び製品取り出し時に、完全に離間する構成としてあるため、プレス時に上下母型411a,411bを接近させる際には上下母型411a,411bの精密な位置決めが必要となる。そこで、上下母型411a,411bの位置決めを行うためのガイドピン415aとガイド孔415bが設けてある。本実施形態では、上母型411aにガイドピン415aを突設し、下母型411bにガイド孔415bを設けてある。
さらに、4個の上成形型413aの外周には、スリーブ414aが設けてあり、4個の下成形型413bの外周には、スリーブ414aと嵌合するスリーブ孔414bが設けてある。これにより、上下母型411a,411bが接近したときに、上成形型413aのスリーブ414aが下成形型413bと狭いクリアランスで滑動して嵌合し、上下成形型413a及び413bのさらに精密な位置決めが行われる。その結果、偏心精度(ディセンタ及びティルト)を所定範囲内に維持することができる。
上下母型411a,411bの位置決めを行うためのガイドピン415aとガイド孔415bのクリアランスは10〜40μmであることが好ましく、また、上成形型413aのスリーブ414aと下成形型413bのボス径とのクリアランスは、1〜10μmであることが好ましい。いずれの場合も、クリアランスが、上記範囲より小さいと、滑動がなめらかにいかなくなり、クリアランスが上記範囲より大きいとがたが生じて、位置決め精度が低下する。
なお、上型と下型の位置決め部材は、上記の例に限定されず、下母型(下型)側に突出部材を設けてもよく、また、ガイド部材とスリーブ部材のいずれか一方のみを設けてもよい。
本実施形態における加熱コイル410a,410bは、図3に示すように、それぞれ独立した電源(上型電源416aと下型電源416b)と温度制御部(上型温度制御部417aと下型温度制御部417b)を有している。上型電源416aは上型の加熱コイル410aに電流を独立して供給し、下型電源416bは下型の加熱コイル410bに電流を独立して供給する。
本実施形態においては、上型加熱コイル410aと、上型電源416aと上型温度制御部417aとで上型加熱手段を構成し、下型加熱コイル410b(410b−1,410b−2)と、下型電源416bと、下型温度制御部417bと、切替器420とで下型加熱手段を構成している。
上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1の発振周波数を異ならせている。ここで、上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1の発振周波数の比は、1:1.5以上であることが好ましく、より好ましくは、1:1.5〜1:7である。
上型側と下型側の発振周波数が大きく異なると、誘導加熱の浸透深さや、コイルからのエネルギー伝達効率などの加熱環境が異なったものとなり、上下のプレス成形条件が異なってしまうが、上記の範囲とすれば、上下の加熱環境が略同様となり、好ましい。また、上記の範囲であれば、加熱による母型の酸化も同程度となるため、表面状態の影響を受ける熱輻射条件もほぼ同等となる。更に好ましくは、1:1.5〜1:3であり、特に好ましくは、1:1.5〜1:2である。
上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1の発振周波数は、いずれの側の周波数を大きくしてもよいが、上型、下型のうち熱容量の小さい側のコイルに供給する電源の周波数を大きくした方が好ましい。
上型電源416aと下型電源416bは、いずれも、その発振周波数が15〜100kHzの範囲内であることが好ましい。これは、電源の周波数が100kHzを超えると、誘導加熱の浸透深さが小さく(浅く)なって、母型の表面部分のみが高温になり、周囲への輻射熱損失が大きく、母型に配置された成形型の加熱効率が低下するためである。周波数が高いことはコスト上でも好ましくない。
また、発振周波数が、15kHz未満だと、可聴周波数帯になり、不快音又は騒音となる。例えば、上型電源416aと下型電源416bの発振周波数は、一方を15〜30kHz、他方を20〜50kHzとすることができる。
下型の第二加熱コイル410b−2の周波数は適宜設定できるが、本実施形態のように、第一加熱コイル410b−1と第二加熱コイル410b−2を一つの電源によって作動させる場合には、同一の周波数で発振させることが好ましい。この場合の、第二加熱コイル410b−2の発振周波数も15〜100kHzの範囲内であることが好ましく、例えば、20〜50kHzである。なお、上下加熱手段の回路には、ノイズ対策(シールド、ノイズフィルターなど)を施すことが好ましい。
下型加熱手段は、下母型411bが上母型411aと近接した第一位置にあるとき、切替器420によって第一加熱コイル410b−1に電流を供給し、下母型411bが上母型411aと離間した第二位置にあるとき、第二加熱コイル410b−2に電流を供給する。これにより、下母型411bが第一位置にあるときに、下主軸412bが第二加熱コイル410b−2による加熱で損傷したり膨張したりすることが防止されるとともに、電力消費上からも効率的である。なお、切替時に、第一加熱コイル410b−1の電流を遮断した後、第二加熱コイル410b−2に電流を供給するまで一定の時間(例えば0.5〜2秒)間隔をあけることが好ましい。このようにすると、下母型が移動しているあいだにおける加熱コイル410b−2の加熱を停止することができる。
なお、第一加熱コイル410b−1と第二加熱コイル410b−2の離間距離は、下型の上下方向の移動距離によって決まるが、この距離が大き過ぎると下型の移動距離が長くなり、下型の成形面が移動中の雰囲気によって降温してしまう。一方、離間距離が小さすぎるとプリフォームの供給や成形した光学素子の搬出に支障となる。したがって、第一加熱コイル410b−1(下端)と第二加熱コイル410b−2(上端)との距離Lは、例えば、20〜80mmとする。
上成形型413a及び下成形型413bの温度制御は、各々の母型411a及び411bに設けてある上型温度センサ(熱電対)418a及び下型センサ(熱電対)418bの出力をそれぞれ上型温度制御部417a及び下型温度制御部417bで入力し、設定温度になるよう、例えばPID制御することで行う。上下母型411a,411bの容量が大幅に異なる場合でも、上成形型413a及び下成形型413bをそれぞれ独立して、母型の熱容量と電源能力にあわせ温度制御することにより、目標温度に到達させることができる。また、上型及び下型電源416a,416bの出力を、上下母型411a,411bの熱容量比に応じて調整することで、上成形型413a及び下成形型413bをほぼ同じ昇温時間で目標温度に到達させることができる。
上下母型411a,411bは、所定の成形サイクルにしたがって成形制御部(図示せず)が、サーボモータに駆動信号を送ることにより接離する。すなわち、ガラスプリフォームを供給するときには、下母型411bを上母型411aから離間した第二位置に停止させ、さらに上下型を所定の温度とするために、上下母型411a,411bが近接した第一位置に停止させることができる。ガラスプリフォームの供給時には、上下母型411a,411bの間から搬送装置23によってガラスプリフォームを下成形型413bの上部に供給する。また、ガラスプリフォームを加圧成形するときには、下母型411bを上母型411aと圧接(密着)させ、所定の荷重をかける。
また、プレスされた光学素子を取り出すときには、下母型411bを第二位置まで下降させて停止させる。そして、上下母型411a,411bの間から搬出装置42によって成形された光学素子を取り出す。ここではガラスプリフォームを供給するときの下母型位置とプレスされた光学素子を取り出すときの下母型位置を同じ位置(第二位置)としたが、この位置は、必ずしも同じでなくてもよく、下母型を巻回する第二加熱コイルによって加熱を充分受けられる位置であればよい。
上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1には、時分割で通電してもよい。この場合、図4に示すように、時分割制御部430によって、上型電源と下型電源の発通電時間を制御する。そして、この時分割制御部430からのゲート信号によって上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1が交互に通電される。このときのゲート信号の例を図5に示す。通電時間はともに0.75秒程度とし、通電休止時間は0.1秒程度とすることができる。
[ガラス光学素子の製造方法]
以上のような構成のガラス光学素子製造装置を用いて、本発明に係るガラス光学素子を製造する方法の実施形態を、図7を参照しつつ説明する。
(a)型加熱工程
前回の成形サイクルが終了した状態の上下成形型は、Tg付近またはそれ以下の温度に冷却されているため、プレス成形に適した温度まで加熱する必要がある。そこで、下母型411bを上母型411aと近接する第一位置まで移動して停止させる。このとき下母型411aは第一加熱コイルに周囲を巻回されるので、この第一加熱コイル410b−1と上型を巻回している加熱コイル410aに電流を流し、上下母型を発熱させ、この熱伝導によって上下の各成形型を所定温度まで加熱する(図7(a)参照)。このとき、複数の成形型の温度のばらつきをできるだけ小さくすることが重要である。
上下成形型の温度設定値は、通常、上下とも同一とするが、成形されるレンズ形状や径などによっては、上下の成形型に温度差を設けてもよい。
また、上下母型の熱容量が相違し、加熱効率に差のあることが多いため、この点も考慮して、高周波コイル巻き数、及び出力範囲を決定する。
本実施形態の成形装置では、上下母型を近接位置で加熱するため、上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1を近接して配置してある。上記のとおり、これら加熱コイル410a、410b−1間の距離は、好ましくはコイルピッチの0.7〜2倍である。これら加熱コイル410a、410bがコイルピッチに対して大きな距離をもって離間していると、上下母型411a,411bが加熱される際、上下母型411a,411bの対向面に突出しているスリーブ414aなどの部材が加熱されにくく、また熱を奪われやすい。これは、加熱時間を延長させてサイクルタイムを長くする原因になり、また、スリーブ414aが下成形型413bと嵌合して位置決めをする際の嵌合不良や、成形素材の延び不良の原因となったりする。
本実施形態の場合、上母型411aに設けられているスリーブ414a及びガイドピン415aなどの突出部材は、型加熱工程において下母型411bのスリーブ孔414b及びガイド孔415bに接触あるいは嵌合させた状態としておくことができる。このようにスリーブ414a及びガイドピン415aなどの突出部材とスリーブ孔414b及びガイド孔415bを接触あるいは嵌合させて型加熱を行うと、突出部材の露出部分が少なくなって雰囲気による冷却を抑えるとともに、突出部分に対する加熱も十分行われることになる。
しかし、接触していなくても、上下の対向面と突出部材で、雰囲気ガスの対流を防ぐことのできる空間を形成できればよい。
上下母型411a,411bの温度設定値は、上下同一でもよく、温度差を設けたものであってもよい。例えば、成形する光学素子の形状や径によって、上母型411aより下母型411bを高温にしたり、上母型411aより下母型411bを低温にしたりする。上下母型411a,411bの温度は、ガラスプリフォームの粘度で10〜1012ポアズ相当とすることができる。上下母型411a,411bに温度差をつける場合には、2〜15℃の範囲が好ましい。
上下母型411a,411bの温度制御は、各々の母型411a及び411bに設けてある上型温度センサ(熱電対)418a及び下型センサ(熱電対)418bの出力をそれぞれ上型温度制御部417a及び下型温度制御部417bに入力し、設定温度となるよう、例えばPID制御することで行う。
目標温度に近づいたら、供給する電流を少なくして加熱コイルの出力を低減させるようにしてもよい。
なお、上記したように、上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1の発振周波数を異なったものとすることにより、近接位置で同時発振させても相互干渉による加熱の不安定や不快音を防止することができる。また、上型加熱コイル410aと下型の第一加熱コイル410b−1を時分割発振する場合には、さらに相互干渉を確実に減少させることができる。
型加熱工程は、母型の大きさ(熱容量)や電源容量によって任意の時間とすることができるが、例えば、約20〜40秒間とする。
このようにして、上下型の温度制御を独立かつ迅速に行うことができる。
(b)素材供給工程
型加熱工程で加熱された下母型411bは第二位置まで下降し、上成形型及び下成形型を離間させる。プリフォーム(ガラス素材)はその間から搬送・供給され、下成形型上に配置される。
ここで、型加熱工程における加熱が終了すると、切替器420は第一加熱コイル410b−1に対する電流の供給を遮断する。そして、下母型411bが、第二位置まで移動して停止すると、切替器420は第二位置に配置されている第二加熱コイル410b−2に電流を供給し、これによって第二加熱コイルを加熱する。したがって、下型母型411bは、素材供給のため型開きして第二位置に停止しているときにも間断なく加熱が行われるので、所望温度への到達所要時間を最短にすることができる。
なお、上記型加熱工程で上下母型は目標温度に近づいているため、素材供給段階での加熱出力は上記型加熱工程よりも低くすることができる(図7(b)参照)。このときに、母型内に生じた温度分布が小さくなり、複数成形型相互の均熱化を図ることができる。
ガラス素材の供給は、予め適切な重量の所定形状に予備成形されたガラス素材を用い、成形に適した粘度まで軟化したものを供給するか、あるいは、成形に適した温度よりも低温のガラス素材を上型及び下型間に供給し、成形型においてさらに加熱してもよい。予め、型の設定温度よりも高温に加熱し、軟化した状態のガラス素材を供給する(いわゆる非等温プレス)場合には、特に、型温度の制御を精密に行う必要があるので、本発明を実施すると好適である。また、これにより成形サイクルタイムを短縮して生産効率を向上できる。
このときのガラス素材の温度は、粘度で10ポアズ相当未満の温度とし、好ましくは10〜18ポアズ相当とする。
なお、軟化したガラス素材を搬送して下成形型上に配置するときには、ガラス素材が搬送部材に接触して、表面に欠陥が起きると、成形される光学素子の面形状に影響するため、軟化したガラス素材を気体により浮上させた状態で搬送し、下成形型上にガラス素材を落下させる治具を用いることが好ましい。
素材供給工程は、できるだけ短時間であることが好ましいが、例えば、約1〜5秒間とする。
(c)加圧工程
上型及び下型とガラス素材がそれぞれ所定の温度範囲にあり、ガラス素材が加熱軟化した状態で、下母型411bを第一位置まで上昇させて上下成形型を圧接(密着)・加圧し、上下成形型の成形面を転写することによって、所定面形状をもったガラス光学素子を成形する。下型の上昇は、駆動手段(例えばサーボモータ)を作動させて行う。ガラス素材が加熱軟化した状態で供給される場合には、供給後直ちに加圧が行われる。
加圧のための下型の上昇ストロークは、予め、成形する光学素子の肉厚から設定された値であり、この後の冷却工程においてガラスが熱収縮する分を見込んで定めた量とする。加圧のスケジュールは、成形する光学素子の形状や大きさに応じて任意に設定することができ、初期加圧の後、荷重を開放したのち、二次加圧を行うなどの、複数回の加圧方法を採用することもできる。
なお、加圧工程が開始されたら、加熱コイル410a、410bへの電流供給を遮断することが、生産サイクルタイムを短縮する上で好ましい(図7(c)参照)。これにより上下母型の温度上昇を停止させ、冷却に向かうことができる。
加圧工程は、できるだけ短時間であることが好ましいが、例えば、約1〜10秒間とする。
(d)冷却・離型工程
加圧を維持したまま、あるいは加圧を減じた状態で、成形されたガラス光学素子と成形型の密着を保ち、ガラスの粘度で1012ポアズ相当の温度になるまで冷却したのち、離型する。離型温度は、1012.5ポアズ相当の温度以下が好ましく、さらには1012.5〜1013.5ポアズ相当の温度範囲が、生産サイクルタイムの短縮の観点から好ましい。この場合も、下母型411bは、第一位置にあるが、第一加熱コイル410b−1への電流供給、すなわち加熱は行わない。なお、上母型411aに対する加熱も行わない(図7(d)参照)。
一方、ガラス素材の組成(リン酸塩ガラス、ホウ酸ガラスなど)に依存し、又は、光学素子の形状(凹メニスカスレンズなど)に依存して、割れの生じやすい光学素子を形成する場合には、加圧工程開始後に、加熱コイル410a、410b−1への電流供給を継続しつつ、降温することができる。このような場合には、上下の母型が接触した状態で、自在の温度制御が行える本発明の加熱装置の効果が顕著である。
冷却工程に要する時間は、光学素子の形状、肉厚、径、必要な面精度等に応じて任意に設定するが、例えば、約25〜40秒間である。
(e)取り出し工程
吸着部材を備えた取り出しアーム等により、離間した上下成形型の間から成形されたガラス光学素子を自動的に取り出す。このとき、下母型411bは第二位置まで下降する。そして、再び、上型電源416aから上型加熱コイル410aに電流が供給されるとともに、下型電源416bから切替器420を介して下型の第二加熱コイル410b−2に電流が供給され、両加熱コイルによって上母型と下母型との加熱を行う。すなわち、次成形サイクルのため上下母型の昇温を開始する(図7(e)参照)。
取り出し工程は、例えば、約1〜6秒間である。
上記各工程を繰り返すことにより、連続プレス成形を行う。この成形サイクルに要する時間は、例えば、約45〜95秒間とすることが好ましい。
なお、本実施形態では、上型を固定とし下型を移動型としたが、上型を移動型とし下型を固定としてもよく、あるいは、上型と下型の両方を移動型としてもよい。
本発明の方法によって製造する光学素子は、例えばレンズとすることができ、形状には特に制約はなく、両凸、凹メニスカス、凸メニスカスなどとすることができる。特に、レンズ外径が15〜25mm程度の中口径のレンズであっても、肉厚、偏心精度などが良好に維持できる。例えば、肉厚精度については、±0.03mm以内のものである。また、偏心精度については、ティルトが2分以内、ディセンタが10μm以内のものの製造に、本発明は好適に適用できる。
次に、本発明の成形装置と製造方法を用いてガラス光学素子の製造を行った実施例の結果を示す。
実施例1
図1〜3に示すプレス成形装置を用いて、図7(a)〜(e)の工程によりバリウムホウケイ酸ガラス(転移点515℃、屈伏点545℃)の扁平球プリフォームをプレスし、外径18mmの両凸レンズ(一面が球面、他の一面が非球面、球面の曲率半径は50mm、非球面の近軸曲率半径は28.65mm、中心厚は2mm)を製造した例を以下に示す。
このレンズは、周辺につば状の平坦部を有し、この部分の最大厚と最小厚を比較することで、上型と下型の軸の傾き、すなわち成形ティルトが測定できる。
この両凸用成形型とスリーブを4組上下母型に取り付けた。この上下母型の体積比(=熱容量比)は10:7であった。本装置の上型電源は最大出力30kW,周波数18kHz、下型電源は最大出力30kW,周波数35kHzであった。
上記加熱工程(a)により、上下母型を加熱すると同時に、ガラスプリフォームは、図示しない別の場所の加熱炉にて、図6に示す開閉可能な支持アーム上の割型式浮上皿(グラシーカーボン製)上で、下方から噴出する気流により浮上させながら加熱軟化させた。浮上皿を分割することによりプリフォームを下成形型に落下供給した。このときプリフォーム及び型の予熱温度は、625℃(ガラス粘度で10ポアズ相当)、580℃(ガラス粘度で108.5ポアズ相当)であった。落下供給直後、支持アームを後退させ下母型を上昇させてプレス(圧力は150kg/cm)を開始した。
加圧開始後は加熱をせずに、上下の母型が当接するまでプレスした。次いで、窒素ガスを母体側面に噴射すると同時に、母型内に窒素ガスを流通させ、冷却開始した。
その後、型とガラスの接触を維持したまま転移点以下の温度まで冷却し、下母型を下降し、下型第二加熱コイルによる加熱を開始するとともに吸着パッドを備えた取り出し装置によりプレス成形品のレンズを取り出した。取り出し直後から、上下母型の加熱を開始し次のプレスサイクルを続けた。本装置では、上下母型の昇温速度はほぼ同じであり、成形サイクルタイムは60秒であった。成形された4個のレンズ性能を表1に示す。
ここで、成形ティルトは上型と下型の軸の傾きに起因するレンズ偏心、成形ディセンタは、上型と下型の水平方向へのシフトに起因するレンズの偏心である。非球面偏心は、公知の非球面測定機を用いて測定し、また成形ティルトは、成形されたレンズの周囲の平坦部の最小厚と最大厚の差と、レンズのプレス径から算出した。非球面偏心と成形ティルト、成形ディセンタの関係は、図9に示すとおりであり、この関係から成形ディセンタを求めた。4個ともに面精度を含め仕様を満たすものであった。
Figure 2005008513
上記のように、長尺形状の母型に複数個(上記実施例では4個)の成形型を設け、同時4個プレスを行なっても、良好な結果を得ることができた。すなわち、一度のプレスで多数個のレンズを成形するために母型が大きくなっても、母型、特に移動する母型に対する加熱が、複数の加熱コイルと切替器を介して効率的に行われるので、偏心精度(ティルト、ディセンタ)を高く維持して成形することが可能である。
また、上下の加熱手段が独立しているため、母型の反りが抑止され、両端の成形型によるレンズの光学性能が劣化せず、安定生産が可能となった。
また、母型の熱変形が抑止されたため、上下型が接近するときの位置決め部材のクリアランスを小さくしても、嵌合不良や摩擦が起きない。結果として、上下成形型の同軸性が改善され、成形されるレンズの偏心精度をさらに上げることができた。
したがって、例えば、偏心精度の極めて厳しい、光ピックアップの対物レンズに本発明を適用することも可能である。
図1は、本発明を適用するモールドプレス成形装置の一実施形態を示す概略平面図である。 図2は、図1におけるプレス装置の概略平面図である。 図3は、図2に示すプレス装置の概略側断面と、電源回路を示す図である。 図4は、図3に示すプレス装置に時分割装置を付加したときの概略側断面と、電源回路を示す図である。 図5は、時分割加熱時における各加熱コイルへの通電状態を示す図である。 図6は、浮上皿・支持アームの概略平面図である。 図7は、加熱時における型と加熱コイルの関係、ならびに、各加熱コイルの通電状態と型温度の関係を示す図である。 図8は、母型の熱変形(反り)を示す図である。 図9は、成形偏心と非球面式の関係を示す図である。
符号の説明
10 光学ガラス製造装置
20 加熱室
40 成形室
41 プレス装置
410a 上型加熱コイル
410b−1 下型第一加熱コイル
410b−2 下型第二加熱コイル
411a,411b 母型
413a,413b 成形型
416a,416b 高周波電源
417a,417b 温度制御部
410a,418b 温度センサ
420 切替器
430 時分割制御部

Claims (7)

  1. 対向して配置され、少なくとも一方が移動する上型及び下型と、前記上型及び下型をそれぞれ誘導加熱する加熱コイルを備えた上型加熱手段及び下型加熱手段とを有するモールドプレス成形装置において、
    前記移動する型の前記加熱手段が、他方の型に近接又は接触した第一位置における型を加熱する第一加熱コイルと、前記第一位置より、他方の型から離れた第二位置まで移動した前記型を加熱する第二加熱コイルと、前記第一加熱コイルと第二加熱コイルに対し、電源からの電流を選択的に通電する切替手段とを有することを特徴としたモールドプレス成形装置。
  2. 前記上型加熱手段及び下型加熱手段が、それぞれ一個の独立した電源を有することを特徴とした請求項1に記載のモールドプレス成形装置。
  3. 請求項1又は2に記載のモールドプレス成形装置を用いた成形方法において、前記移動する型が、前記第一位置にあるときは前記第一加熱コイルに通電し、前記第二位置にあるときは前記第二加熱コイルに通電することを特徴としたモールドプレス成形方法。
  4. 前記移動する型が第一位置にあるときにこの第一位置における型を加熱する第一加熱コイルと、他方の型を加熱する加熱コイルにそれぞれ異なる周波数で通電することを特徴とした請求項3記載のモールドプレス成形方法。
  5. 前記移動する型が第一位置にあるときにこの第一位置における型を加熱する第一加熱コイルと、他方の型を加熱する加熱コイルに時分割して通電することを特徴とした請求項3記載のモールドプレス成形方法。
  6. 対向して配置した上型及び下型のうち、一方が固定型で他方が移動する型の場合において、前記固定型の加熱コイルと、前記第二位置における移動する型を加熱する第二の加熱コイルを、同時に通電することを特徴とした請求項5に記載のモールドプレス成形方法。
  7. 相互に近接または接触した状態の前記上型及び下型を加熱する型加熱工程と、前記上型及び下型を開き、その間にあらかじめ加熱させた光学素子素材を供給する素材供給工程と、前記上型及び下型を加圧して光学素子をプレス成形する成形工程、及び、前記上型と下型を開き、その間から成形された光学素子を取り出す取出し工程とを含む光学素子の製造方法において、
    請求項3〜6のいずれかに記載のモールドプレス成形方法を用いて光学素子の製造を行うことを特徴とする光学素子の製造方法。
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