JP2005005243A - 直流リレー - Google Patents

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啓之 今西
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Abstract

【課題】 直流リレーと別個にヒューズを具えていなくても、通常時及び異常時において回路を開放することができる直流リレーを提供する。
【解決手段】 開閉可能な入力接点10bと出力接点11bとからなる接点対と、入力接点10bを有する入力接点部材10に配置されるヒューズ1とを具える。通常時において負荷への電力を遮断する際は、駆動部4により出力接点部材11を駆動して、入力接点10bと出力接点11bとを切り離す。短絡などの事故が生じた異常時には、短絡電流などの大電流により、ヒューズが溶断することで回路を開放させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、負荷への電力供給を遮断可能な直流電流のリレーに関するものである。特に、高圧系の遮断機構において遮断機構全体のサイズを小さくすることができる直流リレーに関するものである。
近年、環境問題からハイブリッド自動車(HEV)や燃料電池自動車などといった高電圧(約300V)でモータなどを駆動する自動車が開発されてきている。これらの自動車には、モータなどの電気機器(負荷)に電力を供給するための直流高電圧のバッテリを具える。そして、バッテリと負荷とを電気的に接続又は切り離しする遮断機構として、ヒューズ、及び機械的な接続又は切り離しが可能な直流リレーを複数具えるリレーユニットを具える(例えば、非特許文献1参照)。
図8は、HEVに用いられている従来の遮断機構を説明する概略回路図である。バッテリ200は、図8に示すように複数のバッテリセル201を直列に接続して構成され、ヒューズ300は、バッテリセル201間に配置される。リレーユニット100は、複数の直流リレー101〜103と抵抗104とを具える。具体的には、バッテリ200の高電位側に第一リレー101、負荷を介して低電位側に第二リレー102をそれぞれバッテリ200に直列に接続される。また、第一リレー101と並列に第三リレー103及び抵抗104を具える。なお、その他の回路の開放手段として、バッテリセル201間にサービスプラグ105を具える。
リレーユニット100を用いた負荷への電力の供給は、以下のように行う。電力投入直後は、第一リレー101をオフにしておき、第二リレー102、第三リレー103をオンにし、抵抗104を介して電流を流し、通常時は、第一リレー101及び第二リレー102をオンにして電力の供給を行う。電力の遮断は、第一リレー101及び第二リレー102を同時にオフにして行う。
上記のように通常時の回路の開閉は、リレーユニット100により行い、ヒューズ300は用いない。しかし、短絡などが発生すると、大電流が流れてリレー101〜103の接点が溶着し、回路を遮断できない場合がある。そこで、短絡などの異常時において回路の開放は、通電によりヒューズ300を溶断させることにより行う。
1997年10月 トヨタ自動車:プリウスの「新型車解説書」1-11ページ
上記のように従来は、安全面を考慮し、遮断機構として、ヒューズ及び複数のリレーをそれぞれ別個に用いている。これら従来のヒューズやリレーは、それ自体が大型であるため、大きな設置スペースが要求される上に、複数配置することで、更に大きなスペースが必要となる。しかし、自動車というスペースの限られた場所に設置する遮断機構としては、通常時及び異常時において回路の遮断が可能で、かつより小型であることが望まれる。
また、従来のリレーは、水素などの冷却効果が大きい気体を用いてアークを抑制する複雑で高い気密性が要求される構造であるため、より簡易な構成で、かつ長期に亘り十分な性能を維持することができる直流リレーが求められている。
従って、本発明の目的は、直流リレーと別個にヒューズを具えていなくても、通常時及び異常時において回路を開放することができる直流リレーを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、複雑な構造のリレーを用いることなく、通常時における電力を遮断する際、アークの発生を低減する、或いはなくすことができる直流リレーを提供することにある。
本発明は、直流リレーの構成部材にヒューズを一体に具えることで上記目的を達成する。即ち、本発明は、接点対の開閉動作により負荷への電力の供給及び遮断が可能な直流リレーであって、前記接点を有する接点部材に負荷への電力を遮断可能なヒューズを具えることを特徴とする。
従来、ハイブリッド自動車などでは、通常時の回路開閉用のリレーと、異常時の回路開放用のヒューズとがそれぞれ別個の遮断部品として設置されていたため、遮断機構用に大きな設置スペースが必要であった。これに対し、本発明は、リレーを構成する接点部材と一体にヒューズを具えることで、ヒューズ設置用のスペースを削減することができる。従って、本発明は、ハイブリッド自動車などの設置スペースが小さい場合であっても、容易に設置することができると共に、本発明リレー一つで、通常時の電力の供給及び遮断、及び異常時の電力の遮断の双方を行うことが可能である。
また、本発明直流リレーは、複数の接点対を具えた場合、接点対の開放により電力を遮断する際、接点対に加えられる電力エネルギーを効果的に低減し、アークの発生を抑制、或いは防止することができる。そのため、本発明直流リレーは、従来のような複雑で高価な気体の密封構造のものを用いる必要がなく、簡易な構成であるため、経済性にも優れると共に、長期に亘りメンテナンスを行わなくても、性能を損なうことがない。
更に、接点の接触面を耐溶着特性に優れた材料で形成する場合、短絡時に大電流が流れても接点が溶着せずに確実に遮断することができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明リレーは、開閉可能な接点対を具える。接点対の開閉は、後述する駆動部を具えて行うとよい。接点対は、入力接点と出力接点とを具える。入力接点及び出力接点の双方を可動接点としてもよいが、その場合、駆動部が多くなるため、一方を固定接点とし、他方を可動接点とすることが好ましい。
更に、接点対を複数具えると、アークの発生を効果的に低減、或いはなくすことができて好ましい。例えば、接点対を直列に具える場合、入力接点及び出力接点だけでなく、入力接点と出力接点とに接続又は切り離しが可能な連結接点を具えるとよい。このとき、連結接点は、入力接点と接続又は切り離し可能な入力側連結接点、出力接点と接続又は切り離し可能な出力側連結接点を具えるとよい。入力接点及び入力側連結接点からなる接点対、出力接点及び出力側連結接点からなる接点対というように、複数の接点対を直列に具えて負荷への電力を遮断する際、これら複数の接点対を同時に遮断すると、各接点対で電圧が分圧され、接点対一つ当りに加わる電圧を小さくすることができる。従って、アークの発生を抑制することができる。
例えば、接点対を並列に具える場合、入力側に第一、第二、…と入力接点を複数具え、出力側に各入力接点に接続又は切り離し可能な出力接点を第一、第二、…と複数具えるとよい。第一入力接点及び第一出力接点、第二入力接点及び第二出力接点、…というように、複数の接点対を並列に具えて負荷への電力を遮断する際、これら複数の接点対を同時に遮断すると、各接点対で電流が分流され、接点対一つ当りに流れる電流を小さくすることができる。従って、接点対を直列に具える場合と同様にアークの発生を抑制することができる。従って、本発明リレーは、短絡事故などで大きな電流が生じた際でも、アークを効果的に低減して、或いはアークを発生させることなく回路を遮断することができる。
上記入力接点、出力接点や、連結接点は、銅などの導電性部材に設けて、これら導電性部材をそれぞれ接点部材とするとよい。入力接点及び出力接点のみを具える場合、一方の接点を設けた接点部材を絶縁性材料からなるベースに配置し、このベースに駆動部を連結して可動接点とするとよい。更に連結接点を具える場合、連結接点(入力側連結接点、出力側連結接点)を銅などの導電性部材に設け、連結接点を設けた接点部材を絶縁性材料からなるベースに配置し、連結接点を可動接点とする場合、このベースに駆動部を連結するとよい。
接点対の開閉を行う駆動部の駆動源は、種々のものが利用できる。例えば、ソレノイドやシリンダなどの直動系駆動源、モータなどの回転系駆動源が挙げられる。直動系駆動源を用いる場合、接点部材、又は接点部材を配置した絶縁性のベースに直動系駆動源を連結して接点を開閉させるとよい。回転系駆動源を用いる場合は、回転運動を往復運動に変換する変換機構を介して接点の開閉を行うとよい。
そして、本発明リレーでは、上記接点部材にヒューズを具える。ヒューズは、固定接点側の接点部材(固定部材)、可動接点側の接点部材(可動部材)のいずれに配置してもよい。このようなヒューズは、一つの接点部材に一つ具えるとよい。本発明リレーは、上記ヒューズを具える接点部材を一つ具えていればよいが、ヒューズを具える接点部材を複数具えていてもよい。また、ヒューズは、従来用いられているものを利用してもよく、例えば、電気自動車に用いられているヒューズと同様の構造のものを用いてもよい。ヒューズの取り付けは、溶着などにより行ってもよい。
上記ヒューズ内蔵の接点部材を具える本発明リレーは、図6に示すようなバッテリと負荷間に接続して、通常時における電力の供給/遮断を接点対により行い、短絡などが生じた異常時における電力の遮断をヒューズにより行うとよい。
更に、固定接点や可動接点の接触面は、Snを1〜9質量%含み、Inを1〜9質量%含む化学組成のAg合金からなり、表面部の第一層と内部の第二層とを有し、第一層のマイクロビッカース硬度が190以上、第二層のマイクロビッカース硬度が130以下であり、第一層の厚みが、10〜360μmの範囲内にあるように形成することが好ましい。
Snの含有量を1〜9質量%とするのは、1質量%未満では、接点の耐溶着特性が低下し、9質量%を超えると接点の温度特性が低下するからである。好ましくは、2〜7質量%である。
ここで、耐溶着特性とは、接点が切れない状態、特に接点がくっついたまま離れない溶着の起こりにくさをいう。また、温度特性とは、通電時の接点の温度上昇の度合いをいい、温度特性が良いとは、通電により接点の温度が上昇しにくく、リレーに接続されるケーブルや機器に熱的な影響を与えにくいことをいう。
Inの含有量を1〜9質量%とするのは、この範囲外の含有量の場合には接点の温度特性が低下するからであり、9質量%を超えると、Snの含有量にもよるが、耐溶着特性が低下するからである。好ましくは、3〜7質量%である。
第一層の硬度(通常5g荷重負荷)をマイクロビッカース硬度で190以上にするのは、このレベル未満になると、耐溶着特性や温度特性が低下するからであり、第二層の硬度をマイクロビッカース硬度で130以下にするのは、このレベルを超えると、接点が脆弱化して耐摩耗性が低下するからである。
第一層の硬度は240以上、第二層のそれは120以下であるのが望ましい。なお、本発明において硬度は、接点の表面に垂直な断面上の第一層および第二層のそれぞれの域内における任意の地点でマイクロビッカース硬度にて確認したものである。本発明において接点は、第一層、第二層それぞれの層内に硬度分布があっても構わない。
また、通常第一層から第二層にかけて境目に硬度落差(マイクロビッカース硬度で60以上)があり、この境目には両層の中間の硬度を有する(すなわちその硬度が、第一層の下限硬度未満かつ第二層の上限硬度を超える範囲内にある)領域(以下中間部という)がある。
第一層の厚みは、10〜360μmとする。下限未満では、耐溶着特性や温度特性が低下し、上限を超えると接点の温度特性が低下するからである。好ましくは30〜120μmである。また、第一層と第二層を有する接点部は、中間部のあるものも含まれるが、その場合の中間部の厚みは200μm以下であるのが望ましい。200μmを超えると接点の温度特性が低下しやすくなる。好ましくは100μm以下である。
前記接点部の接触面には、上記基本成分に加え、さらに、Sb、Ca、Bi、Ni、Co、ZnおよびPbの群から選ばれた少なくとも1種の元素が、従成分として含まれていてもよい。通常、これらの成分の大部分は、Agマトリックス中に化合物、特に酸化物の形態で分散される。
ただし、個々の成分によって望ましい分散量範囲が異なる。例えば、いずれも元素換算された質量%単位で0.05〜2(Sb)、0.03〜0.3(Ca)、0.01〜1(Bi)、0.02〜1.5(Ni)、0.02〜0.5(Co)、0.02〜8.5(Zn)、0.05〜5(Pb)である。なお、括弧内は対象元素である。以上の各成分種において、その量が上記の範囲外になると、直流リレーの種類によっては温度特性が低下することがあり、特に上限を超えるとリレーの種類によっては同時に耐溶着特性も低下することがある。
通常は、以上の従成分が接点の性能に若干影響を及ぼすが、これ以外の成分としては、例えば以下のものが挙げられる。これらはいずれも本発明の目的の範囲内で微量に含まれても構わない。なお成分によって望ましい含有量が異なるが、括弧内数値のうち元素記号で表示されたものは、元素換算された質量%単位で、分子式で表示のものは、同分子換算された質量%単位で表したその許容上限値である。Ce(5)、Li(5)、Cr(5)、Sr(5)、Ti(5)、Te(5)、Mn(5)、AlF3(5)、CrF3(5)およびCaF2(5)、Ge(3)およびGa(3)、Si(0.5)、Fe(0.1)およびMg(0.1)。
第一層および第二層を有する接点部の接触面を作製する方法としては、溶解・鋳造法、粉末冶金法などが挙げられる。
例えば、溶解・鋳造法では、以下の手順がある。まず第一層および第二層それぞれの化学組成となるように溶解・鋳造されたインゴットを作り、これらを粗く圧延した後、二種の圧延材を熱間圧着する。その際、またはその後、必要により上記した純Agなどの薄い接続層を圧着する。
これをさらに圧延して所定の厚みの板状に形成した後、打ち抜き、またはさらに成形し、最終形状に近いサイズのAg合金素材とし、さらに、この素材を内部酸化(後酸化法)してSn、Inなどの金属成分を酸化物に転換する。
なお、溶解・鋳造に先立ち成分元素の酸化物以外の化合物を含ませることもできる。また、必要に応じて、圧延以降に適宜熱処理や形状を調整する工程などを入れる。この場合、熱処理条件の工夫によって、各層の微細組織を意識的に制御して材料特性やそのレベルなどを変えることができる。
また、粉末冶金法で接触面を作る場合は、例えば、予めSnやInなどの粉末とAgの粉末とを二種の所定組成にて配合・混合した後、熱処理して内部酸化(前酸化法)させ、得られた二種の粉末を型内に積層・充填して圧縮成形しプリフォームとする。なお、SnやInなどの粉末とAgの粉末とは、他の化合物も一緒に混合してもよい。
そして、このプリフォームには熱間押し出し、熱間・冷間ロール圧延、熱間鍛造など各種の塑性加工が適用できる。さらに上記した鋳造法と同様に、必要に応じて圧延以降に熱処理や形状を調整する工程などを入れる。熱処理条件の工夫によって各層の所望の特性制御が可能になる。
また、第二層の素材のみを上記に準じた溶解・鋳造法や粉末冶金法の手順で作成した後、第一層を、溶射、CVDなどによる厚膜形成、スクリーン印刷などによる厚膜印刷、塗布後焼付けなど様々な手段によって形成してもよい。さらに、第一層を構成する合金板と第二層を構成する合金板との接合には、例えば熱間静水圧成形法による拡散接合、熱間押し出しなど種々の手段が適用できる。また、熱処理を施すことによって、各層の微細組織を意識的に制御して、所望の特性を得ることもできる。
さらに、本発明リレーでは、接点部の接触面を形成するAg合金素材を上記の条件の範囲内にあり、第一層と第二層とが同じ化学組成であるものも含まれる。第一層と第二層とを同じ化学組成にする場合、後述する手段により両層の硬度レベルを異なるようにする。
例えば第一層だけを急熱・急冷し、第一層の残留応力を第二層のそれより大きくする方法、表面の第一層だけにショットブラスト加工を施して加工硬化する方法がある。
また、Ag合金板に熱間圧延や冷間圧延に加え熱処理を施す、いわゆるサーモメカニカルプロセッシング(熱加工処理)を行った後、内部酸化を行って、第一層に第二層より微細な針状の酸化物粒子を析出させ、表面の硬度を高める方法がある。また、第一層および第二層のAg合金板を圧延加工や熱間圧着する際に第一層と第二層の鍛錬加工比を変えて行う方法もある。
さらに、接触面の素材は、上記条件の範囲内にあり、しかも第一層中のSnの含有量が第二層のそれと同じか、またはそれよりも多いものも含まれる。これによって、第二層の硬度よりも第一層の硬度の方が、ほぼ確実に高くなる。
前記接触面は、溶解・鋳造法や、粉末冶金法などにより形成するが、このとき、第一層および第二層を内部酸化させることが好ましい。内部酸化法には、後酸化法と前酸化法とがある。後酸化法とは、合金の状態で最終接点形状に仕上げるか、その近くまで成形した後に、内部酸化をする方法である。前酸化法とは、合金の粉末または粒を内部酸化させておいて、これらを成形、圧縮・焼結する方法である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、入力接点と出力接点とを具える本発明リレーの構成を模式的に示す概略構成図であって、(A)は非通電状態、(B)は通常時における通電状態、(C)は通常時における遮断状態、(D)は異常時における状態を示す。本発明リレーは、開閉可能な入力接点10bと出力接点11bとからなる接点対と、入力接点10bを有する入力接点部材10に配置されるヒューズ1とを具える。以下、各構成をより詳しく説明する。
<接点>
本例において接点対は、入力接点10bと出力接点11bとを具える。そして、一方の接点(本例では出力接点11b)に、接点対の開閉動作を行うための駆動部4を具える。
上記入力接点10bは、入力接点部材10に具える。具体的には、銅からなる導電性部材10aの一面に形成した。そして、この入力接点10bを設けた導電性部材10aの中間部にヒューズ1を具えている。本例においてヒューズ1は、市販されているものを用いた。また、入力接点部材10には、バッテリ又は負荷に接続可能な端子2を設けている。
上記出力接点11bは、出力接点部材11に具える。具体的には、上記入力接点10bを設けた導電性部材10aと異なる別の銅からなる導電性部材11bの一面に形成した。そして、この導電性部材11aは、絶縁性材料からなるベース11c上に配置している。また、出力接点部材11には、バッテリ又は負荷に接続可能な端子3を設けている。
本例では、入力接点10bを固定接点、出力接点11bを可動接点としており、ベース11cに駆動部4を連結している。駆動部4の駆動源には、ソレノイドを用いた。従って、入力接点部材10が固定部材、出力接点部材11が可動部材となり、本例に示すリレーは、固定部材にヒューズが配置される構成である。
そして、入力接点10bの接触面と、出力接点11bの接触面とは、Snを1〜9質量%含み、Inを1〜9質量%含む化学組成のAg合金からなり、表面部の第一層と内部の第二層とを有し、第一層のマイクロビッカース硬度が190以上、第二層のマイクロビッカース硬度が130以下であり、第一層の厚みが、10〜360μmの範囲内にある材料で形成している。各接触面は、チップ状態で後酸化法により内部酸化させている。例えば、チップを4気圧(405.3kPa)の酸素雰囲気中750℃で170時間保持する。なお、以下に示す実施例2及び3も各接点の接触面は、実施例1と同じ材料で形成している。
<動作説明>
上記構成を具える本発明リレーの動作を説明する。まず、通常時における接点対の開閉動作を説明する。本発明リレーを用いて負荷に電力を供給する際は、図1(A)の状態から、駆動部4により出力接点部材11を駆動して、入力接点10bと出力接点11bとを接触させる(図1(B)参照)。そして、入力接点10bと出力接点11bとを接触させた状態に保持させて、負荷への電力の供給を行う。このとき、電力は、ヒューズ1を介して負荷に供給される。負荷への電力を遮断する際は、駆動部4により出力接点部材11を駆動して、入力接点10bと出力接点11bとを切り離す(図1(C)参照)。このとき、ヒューズ1を溶断させることはない。
一方、短絡などの事故が生じた場合、負荷を保護するために回路を開放させる必要がある。そこで、上記のように駆動部4を駆動して入力接点10bと出力接点11bとを切り離す。しかし、短絡電流などの大電流により、入力接点10bと出力接点11bとが溶着し、回路をオフにできない場合が考えられる。そこで、本発明リレーでは、短絡などの事故により大電流が流れると、ヒューズが溶断することで回路を開放させることができる(図1(D)参照)。
本発明リレーは、上記のように通常時だけでなく、短絡事故などが生じた異常時においても、負荷への電力を確実に遮断できる。と共に、図8に示すようなハイブリッド自動車などの遮断機構として用いた場合、ヒューズのための設置スペースが不要であり、設置スペースの削減が可能である。
また、上記の例では、接点の接触面を耐溶着特性に優れた材料で形成しているので、リレーの短絡時に大電流が流れても接点が溶着せずに確実に遮断することができる。
なお、上記の例では、固定部材である入力接点部材10にヒューズを設けた場合を説明したが、図1(E)に示すように可動部材である出力接点部材11にヒューズ1を設けてもよい。
(試験例1)
上記実施例1に示す直流リレーについて、各接点の接触面に表1に示す「化学組成」欄に示す第一層と第二層の二種の化学組成のAg合金を用いたもの作製した。
これらのAg合金は、まず、第一層と第二層の二種の化学組成のAg合金を溶解・鋳造してインゴットを作製した。これらをそれぞれ粗加工した後、第一層と第二層のインゴットを重ね合わせ、アルゴン雰囲気中850℃で熱間ロールによって熱間圧着し、二層のAg合金からなる複合素材を作製した。
得られた複合素材を熱間圧着と同じ条件下で予備加熱した後、最終的に全体の厚みの1/10の厚みとなるように薄い純Ag板を第一層とは反対側の第二層の面に熱間圧着した。
その後、さらに冷間圧延してフープ状素材とし、これを打ち抜いて、幅6mm、長さ8mm、厚み2.5mmの形状1と、幅と長さが6mm、厚みが2mmの形状2の二つの形状の複合接点チップを作製した。
得られたチップを4気圧(405.3kPa)の酸素雰囲気中750℃で170時間保持(内部酸化)して複合接点試片とした。得られた試片の第一層の厚みは、表1の通りであり、Ag層の厚みは、各チップ厚みのほぼ1/10であった。
上記第一層の厚みは、接点の中心を通り表面に垂直な断面試片を用いて、例えば、以下のようにして確認することができる。まず、表面付近の試片面上で表面に水平な方向に等間隔に5箇所の起点を設定する。次いで、これら各々の点から表面に垂直な(厚み)方向に表面から順次ほぼ等間隔に硬度を確認し、5本の硬度曲線(折れ線グラフ)をつくる。そして、ある起点において、硬度レベルが190である水平線とこの曲線との交点をとり、表面からこの交点までの水平距離をその起点での第一層の厚みとする。以下、残り4箇所の起点についてもその起点での第一層の厚みをとり、得られた5つのデータの算術平均値を第一層の厚みとしてもよい。第二層の厚みも同様にして測定することができる。
このとき、硬度レベルが130である水平線との交点をとり、表面からこの交点までの水平距離をある起点における第二層の厚みとするとよい。そして、中間層を具える場合、硬度レベルが190である水平線との交点と、硬度レベルが130である水平線との交点間の水平距離をある起点における中間層の厚みとするとよい。本試験では、上記の手順にて第一層の厚みを測定した。
Figure 2005005243
表1中の試料番号に*を付したものは比較例である。試料11から試料18のその他の成分Sb、Ni、Biの量は、いずれも0.2質量%である。また、試料19から試料27の第一層・第二層の化学組成は、何れも同じであり、その他の成分とその量は、両層とも質量%単位でSb、Co、Znが何れも0.2である。試料28のその他の成分とその量は、質量%単位でSb、Pb、Ni、Bi、Co、Znが何れも0.1、Caが0.2である。試料29のその他の成分とその量は、質量%単位でSb、Ni、Ca、Bi、Co、Znが何れも0.1、Pbが0.5である。試料30から試料32のその他の成分とその量は、質量%単位でNi、Znが何れも0.2である。なお、第一層・第二層の化学組成は、表に記載された成分以外の残部は、Agおよび不可避的不純物からなる。
表1において、試料1から試料10は、SnおよびInの量を変化させて各層の硬度を制御した試料群である。試料11から試料18は、SnおよびInの量を変えるとともに、これら以外のその他の成分をさらに添加した試料群である。試料19から試料27は、第一層の厚みを変化させた試料群である。
試料28から試料34は、第一層・第二層の両層が同じ化学組成のものである。これらのものでは、以下のようにして第一層の硬度を制御した。まず、試料28から試料33は、第一層の圧延加工断面積比を第二層の50%増しとしするとともに、第一層素材の圧延加工途中において同素材を真空中、450℃で30分間焼鈍を行い、さらに、内部酸化後に♯120のアルミナビーズによって第一層表面に投射圧3kgf/cm2(294kPa)で3分間ショットブラスト加工を加えた。
試料34は、圧延加工途中の焼鈍温度と時間をそれぞれ750℃、5時間とした以外は以上の試料と同じ条件で作製したものである。なお、表1には記載しないが、試料33と試料34ではそれぞれ厚みが190μm、230μmの中間部が形成されていた。
試料35は、第一層のSnやInの酸化物の量を第二層よりも少なくして、第一層の硬度を第二層の硬度よりも低くしたものであって、表1に記載の化学組成の第一層と第二層のAg合金を溶解鋳造後、熱間圧着・圧延した後、これを上記と同じ条件にて内部酸化したものである。
試料36は、表1に記載の化学組成の第一層と第二層のAg合金を溶解鋳造後、互いの二層の合わせ面上に水平な一方向に1mmピッチで幅1mm、深さ0.5mmの凹凸を形成して、その部分で凹部と凸部とを互いに噛み合わせた状態で熱間圧着し、その後圧延し、更にそれを上記と同じ条件にて内部酸化したものである。
以上の方法で作製した各試料の硬度の第一層の厚みは、前述の手順にて確認した。以上の結果を表1に示した。なお、表1には記載されていないが、試料33、試料34以外の試料の中間部の厚みは、何れも100μm未満であった。
次いで形状1の電気接点チップを図1(A)に示す導電部材10aに、形状2の電気接点チップを導電部材11aにそれぞれ銀ロウ付けして入力接点10bの接触面、出力接点11bの接触面を形成した。
その後、定格AC30Aフレーム及び50Aフレームの二種の直流リレーに固定した。このようなリレーを各試料番号の複合接点チップ対毎に各5台用意した。まず各試料の全てのアッセンブリーを使って、定格電流を100分間通電してこの通電時の温度を測定することにより初期の温度特性を確認した。
次に、220V負荷状態で、30Aフレームの場合は、1.5kAの遮断電流で、50Aフレームの場合は5kAの遮断電流で、各々1台ずつのアッセンブリーを使って遮断試験を行い、耐溶着特性を確認した。
遮断試験後の温度特性は、その後引き続いて定格電流を100分間通電し、この通電時の温度を測定することにより遮断試験後の温度特性を確認した。
過負荷試験は、初期温度特性を確認したアッセンブリーを使い、30Aフレーム、50Aフレームとも同定格電流の5倍の電流を流した状態で5秒間隔で開閉を50回繰り返し、その後上記初期確認時と同じ条件で通電時の温度を測定することにより過負荷試験後の温度特性を確認した。
耐久試験は、初期温度特性を確認したアッセンブリーを使い、30Aフレーム、50Aフレームとも同定格電流を流した状態で、5秒間隔で開閉を6000回繰り返し、その後上記初期確認時と同じ条件で通電時の温度を測定することにより耐久試験後の温度特性を確認した。
なお、これらの一連の試験での評価は、温度特性については30A・50A両フレームの機種別の結果を総合して5段階評価し、耐溶着特性については、溶着するかしないかで評価した。
温度特性の5段階評価は、通電時の温度上昇が50℃以下を5、50℃超60℃以下を4、60℃超70℃以下を3、70℃超80℃以下を2、80℃以上を1とした。これらの評価は、表1の試料番号に対応させて表2に示した。表2において、比較例の試料番号には*を付している。
Figure 2005005243
以上の結果から以下のことがわかる。
(1)第一層、第二層ともSnを1〜9質量%、Inを1〜9質量%の範囲内に制御し、第一層のマイクロビッカース硬度を190以上、第二層のマイクロビッカース硬度を130以下とし、さらに、第一層の厚みを10〜360μmの範囲内に制御した接点を用いたリレーは、上記総合評価において十分実用可能な範囲内にある。一方、上記範囲外の接点を用いたリレーは、総合評価において実用レベルに達していない。
(2)SnおよびInに加えSbやNiなどの成分を少量含んだ場合でも、同様のことが言える。
(3)比較例となる試料1、試料10、試料18、試料31、試料32、試料35および試料36の接点チップは、硬度レベルが上記範囲外となり、これらの接点チップを組み込んだ直流リレーは、ともに一部の特性を除き総合的に実用レベルの性能が得られなかった。
(試験例2)
試料24を用いて接点対を構成した模擬的なリレーを作製し、トランスで昇圧してコンデンサに充電し、サイリスタでコンデンサの容量放出と接点を開くタイミングを調整して、短時間大電流が流れる間に接点を開くようにしたときの電圧と電流の状態を調べてみた。その結果を図2に示す。このとき、2600Aの大電流が流れても、接点は溶着せず、接点間の電圧は急激に上昇し確実に遮断できた。
図2のグラフは、遮断電圧が200Vに達したときに遮断が完了したと判断して、電力供給をやめるようにしているため、電力供給がなくなった時点で、電圧がゼロになっている。このことから、上記特定の材料を接点材料に用いたリレーは、耐溶着性に優れ、高速で遮断できると推測される。
これに対し、試料27を用いて接点対を構成した場合は、図3に示すように1500Aの大電流が流れたとき、接点が瞬時に溶着してしまい、コンデンサは自然放電し、接点間の電圧の挙動は1msの間しか起こらずしかも10V程度しか変動しないことがわかる。
上記実施例1では、接点対を一組具える例を説明した。次に、接点対を複数具える例について説明する。図4は、複数の接点対を直列に具える本発明リレーの概略回路図であり、非通電状態を示す。図中、同一符号は、同一物を示す。本例に示すリレーは、入力接点10b、出力接点11bに加えて、連結接点12bを具える点が実施例1と異なる。以下、この点を中心に説明する。
本例において連結接点12bは、入力接点10bと接続又は切り離し可能な入力側連結接点12Aと、出力接点11bと接続又は切り離し可能な出力側連結接点12Bとを具える。従って、本例に示すリレーは、入力接点10bと入力側連結接点12Aとで一組の接点対をなし、出力接点11bと出力側連結接点12Bとで一組の接点対をなし、合計二組の接点対を直列に具える構成である。
連結接点12bは、連結接点部材12に具える。具体的には、銅からなる導電性部材12aの一面に形成した。そして、この導電性部材12aを絶縁性材料からなるベース12cに配置している。本例では、このベース12cに駆動部4を連結して、連結接点12bを入力接点10b及び出力接点11bに対して接触又は切り離しが可能な可動接点とし、入力接点10b及び出力接点11bを固定接点としている。従って、入力接点部材10及び出力接点部材11が固定部材となり、連結接点部材12が可動部材となる。また、本例では、実施例1と同様に入力接点部材1を構成する導電性部材10aの中間部にヒューズ1を具える。従って、固定部材にヒューズが配置される構成である。
上記構成を具える本例の直流リレーを用いて、通常時、負荷に電力を供給する際は、駆動部4により連結接点部材12を駆動して、連結接点12bと入力接点10b及び出力接点11bとを接触させる。すると、接点対が直列に配置されていることから、入力接点部材10の導電性部材10a→ヒューズ1→(導電性部材10a)→入力接点10b→入力側連結接点12A(導電性部材12a)→出力側連結接点12B(導電性部材12a)→出力接点11b→出力接点部材11の導電性部材11aを経て電力の供給を行うことができる。
また、通常時において電力を遮断する際は、駆動部4により連結接点部材12を駆動して、連結接点12bを入力接点10b及び出力接点11bから同時に切り離す。このとき、二組の接点対、即ち、入力側の接点対、及び出力側の接点対でそれぞれ電圧が分圧されることで、接点対一つ当りに加えられる電力を小さくすることができる。そのため、電力を遮断する際のアークの発生を効果的に抑制することができる。従って、本発明リレーは、従来のような気体を用いた複雑な構造のリレーを用いることなく、短時間で電力を遮断することが可能である。
一方、短絡発生などの異常時では、短絡電流などの大電流によりヒューズ1を溶断させることで、回路を確実に遮断することができる。従って、本発明リレーは、短絡などの事故の際に負荷に大電流が流れることを確実に防止することができる。
本例では、入力接点部材にヒューズを具える構成を説明したが、出力接点部材にヒューズを具えていてもよい。また、図5に示すように可動部材である連結接点部材12にヒューズ1を具えてもよい。なお、図5は、非通電状態を示す。また、本例では、入力接点及び出力接点に直接接触可能な連結接点を具える例を説明したが、更に接点対を増やしてもよい。具体的には、連結接点を複数具えて、第一連結接点に接触可能な第二連結接点、…を具えてもよい。例えば、入力接点部材及び出力接点部材を絶縁性材料からなる第一ベースに配置し、このベースに第一連結接点部材を配置し、別の第二ベースに第二連結接点部材を配置する構成が挙げられる。そして、入力接点→第一連結接点→第二連結接点→出力接点となるように配置してもよい。
上記実施例2では、接点対を直列に具える例を説明した。次に、接点対を並列に具える例を説明する。図6は、複数の接点対を並列に具える本発明リレーの概略構成図であり、非通電状態を示す。図中、同一符号は、同一物を示す。本例に示すリレーは、入力接点及び出力接点をそれぞれ二つずつ具える点が実施例1と異なる。以下、この点を中心に説明する。
本例に示すリレーは、入力接点部材10に第一入力接点10A及び第二入力接点10Bを具え、出力接点部材11に、第一入力接点10Aと接触又は切り離し可能な第一出力接点11A、第二入力接点10Bと接触又は切り離し可能な第二出力接点11Bを具える。従って、第一入力接点10Aと第一出力接点11Aとで一組の接点対をなし、第一出力接点11Aと第二出力接点11Bとで一組の接点対をなし、合計二組の接点対を並列に具える構成である。
第一入力接点10A及び第一入力接点10Bは、銅からなる導電性部材10aの一面に形成した。第一出力接点11A及び第二出力接点11Bは、導電性部材10aとは別の銅からなる導電性部材11aの一面に形成した。そして、この導電性部材11aを絶縁性のベース11cに配置している。本例では、このベース11cに駆動部4を連結して、第一出力接点11A及び第二出力接点11Bを第一入力接点10A及び第二入力接点10Bに対して接触又は切り離しが可能な可動接点とし、第一入力接点10A及び第二入力接点10Bを固定接点としている。従って、入力接点部材10が固定部材となり、出力接点部材11が可動部材となる。また、本例では、実施例1と同様に入力接点部材10を構成する導電性部材10aの中間部にヒューズ1を具える。従って、固定部材にヒューズが配置される構成である。
上記構成を具える本例の直流リレーを用いて、通常時、負荷に電力を供給する際は、駆動部4により出力接点部材11を駆動して、第一出力接点11Aと第一入力接点10A、及び第二出力接点11Bと第二入力接点10Bを接触させる。すると、接点対が並列に配置されていることから、入力接点部材10の導電性部材10a→ヒューズ1→(導電性部材10a)→第一入力接点10A及び第二入力接点10B→第一出力接点11A及び第二出力接点11B→出力接点部材11の導電性部材11aを経て電力の供給を行うことができる。
また、通常時において電力を遮断する際は、駆動部4により出力接点部材11を駆動して、第一出力接点11Aを第一入力接点10Aから、及び第二出力接点11Bを第二入力接点10Bから同時に切り離す。このとき、二組の接点対、即ち、第一側の接点対、及び第二側の接点対にそれぞれ電流が分流されることで、接点対一つ当りに加えられる電力を小さくすることができる。そのため、電力を遮断する際、アークの発生を効果的に抑制することができる。従って、本発明リレーは、従来のような気体を用いた複雑な構造のリレーを用いることなく、高速に電力を遮断することができる。
一方、短絡発生などの異常時では、短絡電流などの大電流によりヒューズ1を溶断させることで、回路を確実に遮断することができる。従って、本発明リレーは、短絡などの事故の際に負荷に大電流が流れることを確実に防止することができる。
本例では、入力接点部材にヒューズを具える構成を説明したが、図7に示すように可動部材である出力接点部材11にヒューズ1を具えていてもよい。なお、図7は、非通電状態を示す。また、本例では、第一入力及び出力接点、第二入力及び出力接点を具える例を説明したが、更に第三入力及び出力接点、…と接点対を増やしてもよい。
本発明直流リレーは、設置スペースが限られているハイブリッド自動車などの遮断機構に最適である。
入力接点と出力接点とを具える本発明リレーの構成を模式的に示す概略構成図であって、(A)は非通電状態、(B)は通常時における通電状態、(C)は通常時における遮断状態、(D)は異常時における遮断状態、(E)は出力接点部材にヒューズを具える例を示す。 表1の試料24の接点材料を用いたリレーにおいて、遮断時における電圧と電流の挙動を示すグラフである。 表1の試料27の接点材料を用いたリレーにおいて、遮断時における電圧と電流の挙動を示すグラフである。 複数の接点対を直列に具える本発明リレーの概略構成図であって、固定部材にヒューズを具える例を示す。 複数の接点対を直列に具える本発明リレーの概略構成図であって、可動部材にヒューズを具える例を示す。 複数の接点対を並列に具える本発明リレーの概略構成図であって、固定部材にヒューズを具える例を示す。 複数の接点対を並列に具える本発明リレーの概略構成図であって、可動部材にヒューズを具える例を示す。 HEVに用いられている従来の遮断機構を説明する概略回路図である。
符号の説明
1 ヒューズ 2、3 端子 4 駆動部
10 入力接点部材 10a、11a、12a 導電性部材 10b 入力接点
10A 第一入力接点 10B 第二入力接点 11 出力接点部材 11b 出力接点
11c、12c ベース 11A 第一出力接点 11B 第二出力接点
12 連結接点部材 12b 連結接点 12A 入力側連結接点
12B 出力側連結接点
100 リレーユニット 101 第一リレー 102 第二リレー 103 第三リレー
104 抵抗 105 サービスプラグ
200 バッテリ 201 バッテリセル 300 ヒューズ

Claims (6)

  1. 接点対の開閉動作により負荷への電力の供給及び遮断が可能な直流リレーであって、
    前記接点を有する接点部材に負荷への電力を遮断可能なヒューズを具えることを特徴とする直流リレー。
  2. 接点部材は、固定接点を有する固定部材と可動接点を有する可動部材とであり、
    前記固定部材にヒューズを具えることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
  3. 接点部材は、固定接点を有する固定部材と可動接点を有する可動部材とであり、
    前記可動部材にヒューズを具えることを特徴とする請求項1に記載の直流リレー。
  4. 複数の接点対を直列に具えることを特徴とする請求項2又は3に記載の直流リレー。
  5. 複数の接点対を並列に具えることを特徴とする請求項2又は3に記載の直流リレー。
  6. 接点の接触面は、Snを1〜9質量%含み、Inを1〜9質量%含む化学組成のAg合金からなり、表面部の第一層と内部の第二層とを有し、第一層のマイクロビッカース硬度が190以上、第二層のマイクロビッカース硬度が130以下であり、第一層の厚みが、10〜360μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の直流リレー。
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