JP2005002432A - プラズマエッチング装置並びにそれを用いた光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法、光学素子成形用金型、光学素子成形用金型の製作方法、光学素子の製作方法及び光学素子 - Google Patents
プラズマエッチング装置並びにそれを用いた光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法、光学素子成形用金型、光学素子成形用金型の製作方法、光学素子の製作方法及び光学素子 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】基材上に配置されたレジスト層が所定の形状となるように加工する形状加工工程と、プラズマ粒子を発生させるプラズマ発生工程と、形状加工工程によって形成されたレジスト層形状の高さと基材表面に形成する所望の形状の高さの比であるエッチング選択比に基づいてバイアス電圧の値を制御し、前記基材の表面に対してプラズマ粒子を直進させて入射させるように前記バイアス電圧を前記基材に印加すると共に、前記バイアス電圧を検知してバイアス電圧がほぼ一定となるように制御するプラズマ制御工程とを有する。
【選択図】図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマエッチング装置並びにそれを用いた光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法、光学素子成形用金型、光学素子成形用金型の製作方法、光学素子の製作方法及び光学素子に関し、特に前記製作方法は、ドライエッチングによりシリコン等の基材に任意形状を形成するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録媒体として、例えばCD、DVD等が広く使用されており、これらの記録媒体を読み取る読取装置などの精密機器には、多くの光学素子が利用されている。これらの機器に利用される光学素子、例えば光レンズなどは、ガラス製や樹脂製の光レンズを用いるのだが、低コスト化並びに小型化の観点から、特に、樹脂製の光レンズが多用されている。このような樹脂製の光レンズは、一般の射出成形によって製造されている。
【0003】
ところで、最近では、光学素子に要求されるスペックや性能自体が向上してきており、例えば、光学機能面に回折構造などを有する光学素子を製造する際に、当該光学素子を射出成形するためには、成形金型にそのような回折構造を付与するための面を形成しておく必要がある。
【0004】
半導体素子のパターン形成工程に限らず、このような回折構造等のパターンを、光学素子等の基材に形成する際においては、一面に所定のパターンのレジスト層が形成された基材に対して、エッチング装置等によりエッチング等の処理を施すことにより、当該パターンを基材に写し込む、いわゆる転写が行われている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−333722号(段落〔0168〕、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
記録媒体に記録される容量の向上は、近年においてめざましいものがあり、特に最近では次世代型光ディスク媒体として、青紫色のレーザー光源(発振波長405nm)を用いることによって大容量の情報を読み出すことができる記録媒体が利用されつつある。
【0007】
当然のことながら、このような青紫色のレーザー光源を用いた次世代型光ディスクに記録された情報だけでなく、従来のCD及び現行のDVDに記録された情報も読み出すことができるレンズ(以下、多波長互換レンズとする。)が求められる。
【0008】
しかしながら、前記多波長互換レンズには3μm以上、例えば、3.0μm〜6.0μm程度の高さをなすブレーズ形状が求められるので、露光機による描画法を採用したとしても、そのために要するマスクも膨大となり、コストがかかるばかりか、何度もアライメントを行う必要があり、形状が複雑になるほど精度が落ちるという欠点があった。
【0009】
また、パターンの精度を維持して加工が可能な電子ビームによる描画法を用いた場合でも、製作されるブレーズ形状の高さは通常1.5μm程度であることから、そのようなレンズの製造は困難であった。
【0010】
例えば、電子ビームによる描画方法においては、加速電圧を大きくすることで1.5μm以上の高さをなすブレーズ形状の加工を行うことが可能ではあるが、コストがかかるだけでなく、加速電圧を増大させてブレーズが深くなるにつれてレジスト層底部の形状が丸みを帯びてしまうことによる制御の困難性があるので、採用し難かった。すなわち、電子ビームで深い形状を製作するとなると、▲1▼描画時間を長くする、又は▲2▼電子ビームの加速電圧を増加させる、という手段が考えられるが、このような手段を採用すると、ブレーズの谷部で大きく形状が鈍(なま)ってしまい、目的とする程度の高い形状を形成できない。
【0011】
所定以上の高さのブレーズ形状を基材に形成する方法としては、基材の表面をエッチングするためのプラズマ粒子を発生させるだけでなく、基材に印加するための高周波電源を設けることによって前記プラズマ粒子に指向性を持たせ、エッチング効率を向上させた誘導結合型プラズマエッチング装置を用いたエッチング方法がある。なお、前記基板に印加する高周波電源による出力は、「電力」の場合も「電圧」の場合もある。
【0012】
しかし、ブレーズ形状の高さを確保するだけに留まらず、それらブレーズ形状を精度よく形成する要求がされた場合に、従来の誘導結合型プラズマエッチング装置を用いて基材表面上にブレーズ形状を形成する場合では、予め設定された前記高周波電源の出力を一定に制御するだけであったので、エッチング対象物やプロセスガスの種類やエッチングに伴う化学反応によって基材とアースとの間に生じる自己バイアス電圧の変動が生じ、結果として微細ながらもブレーズ形状にばらつきが生じてしまう恐れがあった。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば、多波長互換レンズとして、3μm以上(3.0μm〜6.0μm程度)の高さをなす、例えば回折レンズ等の光学素子の形状を製作すると共に、そのような形状を製作する際にバラつきを可及的に軽減し、高精度の光学素子を製作することができるプラズマエッチング装置並びにそれを用いた光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法、光学素子成形用金型、光学素子成形用金型の製作方法、光学素子の製作方法及び光学素子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係るプラズマエッチング装置は、表面にブレーズ形状をなすレジスト層が形成された基材を載置する基材ホルダと、エッチングガスをプラズマ化させるための電力を供給して前記基材をエッチングする第1の電源装置と、前記レジスト層の表面に形成されたブレーズ形状の高さと基材表面に形成しようとするブレーズ形状の高さとの比を示すエッチング選択比に基づいたバイアス出力を前記基材ホルダに印加して、プラズマ化された粒子に基材に対する直進性を与えて入射させる第2の電源装置と、前記バイアス出力を前記基材ホルダに印加させた結果アースとの間に生じる自己バイアス電圧を一定に保つように前記第2の電源装置を制御する制御装置とを有することを特徴とする。
【0015】
係る構成を採用することにより、自己バイアス電圧の変動を検知し、自己バイアス電圧が一定に保たれるように前記第2の電源装置によるバイアス出力(高周波電源出力)を制御装置が制御するので、基材上に発生するシース領域の厚さが一定になり、ばらつきのない安定したエッチングが施された高精度の光学素子を提供することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明に係るプラズマエッチング装置は、請求項1に記載のプラズマエッチング装置において、前記制御装置は、前記自己バイアス電圧を検知して所定の範囲内で経時的に安定しているか否かを判定する判定手段を備え、その判定手段によって判定された結果に基づいて前記第2の電源装置によるバイアス出力(高周波電源出力)を制御することを特徴とする。
【0017】
また、請求項3に記載の発明に係る光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法は、基材上に形成されたレジスト層が所定の形状となるように加工する形状加工工程と、プラズマ粒子を発生させるプラズマ発生工程と、前記形状加工工程によって形成されたレジスト層形状の高さと基材表面に形成する所望の形状の高さの比であるエッチング選択比に基づいて前記基材の表面に対して前記プラズマ粒子を直進させて入射させるように前記バイアス出力を前記基材に印加すると共に、前記バイアス出力を前記基材ホルダに印加させた結果アースとの間に生じる自己バイアス電圧を検知して自己バイアス電圧が一定となるように制御するプラズマ制御工程とを有することを特徴とする。
【0018】
係る方法のように、誘導結合型プラズマエッチングのようなプラズマ発生工程に影響される化学的なエッチングとプラズマ制御工程に影響される物理的なエッチングとを別々に制御できるドライエッチング装置を用いたエッチング工程を採用しているので、パラメータが多く、複雑なエッチング条件でも、自己バイアス電圧のみに着目してエッチング選択比を正確に制御できる点と、描画の表面を滑らかに加工できるなどの三次元形状を精密に加工できる点とにより高さを自在に制御できる三次元微細形状の加工を有する光学素子を製造することが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明に係る光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法は、請求項3に記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法において、前記形状加工工程は、電子ビームにより前記レジスト層に所定の形状を描画する描画工程及び係る描画工程により描画された前記所定の形状を現像する現像工程を有することを特徴とする請求項4に記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法。
【0020】
また、請求項5に記載の発明に係る光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法は、請求項3又は4に記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法において、前記プラズマ発生工程及びプラズマ制御工程は、誘導結合型プラズマエッチング装置を用いて行われることを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に記載の発明に係る母型は、前記請求項3から5のいずれかに記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法により製作されたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項7に記載の発明に係る光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法は、請求項3から5のいずれかに記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法によって製作された母型の形状を転写することにより光学素子成形用金型を得る転写工程を有することを特徴とする。
【0023】
また、請求項8に記載の発明に係る光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法は、請求項7に記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法において、転写工程の母型の形状は電鋳によって金型に転写されることを特徴とする。
【0024】
また、請求項9に記載の発明に係る光学素子成形用金型の製作方法は、請求項請求項7又は8に記載の光学素子の製作方法において、ドライエッチングされた前記基材の表面に、表面保護膜を形成する工程を有することを特徴とする。
【0025】
また、請求項10に記載の発明に係る光学素子成形用金型は、前記請求項7から9のいずれかに記載の光学素子成形用金型の製作方法により製作されたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項11に記載の発明に係る光学素子の製作方法は、前記請求項7から9のいずれかに記載の光学素子成形用金型の製作方法により製作された光学素子成形用金型を用いて光学素子を成形することを特徴とする。
【0027】
また、請求項12に記載の発明に係る光学素子は、前記請求項10に記載の光学素子成形用金型により製作されたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0029】
(エッチング選択比を用いたエッチング工程の概要)
まず、本発明におけるエッチング選択比によるエッチング工程の概要について説明する。本実施の形態においては、表面(上面)にレジスト層が形成された基材(シリコン層)に対してエッチング処理を行う場合に、前記基材に形成されるべき目標とする第1の寸法を想定して、エッチング選択比及び第2の寸法としてレジスト層に加工されるパターン(例えば溝部)を設定する。つまり、エッチングの進行の度合いに応じた寸法にて予めレジスト層の溝部等の形状を製作しておくことにより、エッチング処理後の基材の溝部の寸法形状が特定の寸法形状となるようにするものである。
【0030】
このようにして得られたエッチング処理後の溝部を有する基材を母型と呼び、この母型の形状を転写することにより光学素子成形用の金型が製作される。
【0031】
このような、本発明のエッチング処理工程における基材の構成について、図1(A)(B)を参照して以下に説明する。
【0032】
具体的には、本実施の形態の基材12は、例えば光学素子、半導体素子等の部材にて形成されることが好ましく、シリコン等からなる基材12の表面(上面)に塗布材例えばレジスト液により回転塗布され加熱処理されたレジスト層13とを備えている。
【0033】
レジスト層13は、例えば、電子ビーム描画装置等の電子ビーム等により、描画されたレジスト形状を有し、例えば、図1(A)の例では、溝部13aが形成されている。
【0034】
ここで、レジスト層13と基材12との境界面から溝部13aの底壁までのレジスト層の厚み(溝部レジスト厚み)をb、エッチングを進行させるべきレジスト層13の厚み(レジストエッチング深さ)をcとする。
【0035】
上記のような構成を有する基材12に対して、エッチング処理を施した場合、図1(B)のような構成の基材12が生成され得る。
【0036】
基材12は、前記溝部13aを有するレジスト層13がエッチング処理されることで得られる溝部12aを有する。ここで、この溝部12aの底壁から前記境界面までの距離(シリコン(Si)層の溝部の溝深さ)をaとする。
【0037】
(光学素子を成形するための金型製作)
次に、本発明の実施の形態における光学素子を成形するための金型製作について、図2(A)〜(F)に基づいて説明する。具体的には、前述のようにして得られた溝部を備えた基材を母型として光学素子を射出成形するための金型製作について説明する。図2(A)〜(F)は、本実施の形態の基材の構成を示す断面図である。
【0038】
本実施の形態では、電子ビーム描画及びエッチング工程等によって基材を加工する工程に限らず、それら各工程を含むプロセス全体の工程により、光学素子等を成型するための母型及び金型を製造し、この金型に基づき射出成型により光学素子等を製造する工程等を説明する。尚、描画工程については後述する。
【0039】
先ず、図2(A)に示すように、機械加工により基材(シリコン素材等)の一面に曲面部306を有する基材300の非球面加工を行う(切削加工工程)。
【0040】
次いで、樹脂の基材300の表面上の処理を行う。具体的には、図2(B)に示すように、基材300の位置決めを行い、レジストLを滴下しつつスピナーを回転させて、スピンコートを行い、ベークなどを行うことによりレジスト層を得る。
【0041】
なお、スピンコーティングの後には、当該レジスト層の膜厚測定を行い、レジスト層の評価を行う(レジスト膜評価工程)。
【0042】
続いて、図2(C)に示すように、基材300の位置決めを行い、当該基材300をX,Y、Z軸にて各々制御しつつ3次元的に形状変化する基材に対して、上述した各実施の形態と同様に補正演算を加味した形状となるように電子ビームにより描画を行う。これにより、曲面状のレジスト層に例えば回折格子構造を形成することができる。
【0043】
さらに、図2(D)に示すように、基材300の現像処理を行う(現像工程)。さらにまた、表面硬化処理を行う。次いで、SEM観察や膜厚測定器などにより、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状評価工程)。
【0044】
そして、ドライエッチングなどによりエッチング処理を行い、図2(D)に示すように基材上に回折格子構造302を得る。ここで、点線Kに示すように、周囲面部部分を切り取り、曲面部部分のみの形状とすることが好ましい。
【0045】
さらに、本発明は、型を抜くことが困難とならないように、ドライエッチングされた基材表面に保護膜を形成することで、電鋳形成する金型又は直接押圧形成された成形品の離型性を高める方策を提案する。
【0046】
具体的には、基材表面をDLC(Diamond Like Carbon)膜等でコーティングする。膜厚は微細パターンを崩さなければ厚いほど保護効果があると考えられるが、一例として100nm以下で5%以内の膜厚ばらつきで制御するようにしてもよい。
【0047】
前記保護膜の策定として、基材(Si)の硬度がHv280程度であるので、これ以上の硬度(望ましくはHv500以上)であれば、表面形状維持効果が増す。
【0048】
前述したDLC膜は、離型性も良くさらに、硬度がHv1500以上あるため、保護効果も備えているからである。また、酸素アッシングによって容易に取り除くことができるため、繰り返し成膜ができ、何度も繰り返し利用できるため大幅なコストダウンを達成することができる。
【0049】
加えて、窒化シリコンがHv1600程度の硬度をなすため、母材表面をフッ化又は窒化することも有効である。具体的には、母材(Si)表面を数nm〜1μm程度の深さまでフッ化又は窒化することで表面の耐久性が上がり、前記表面保護膜と同様の効果が得られる。
【0050】
次に、回折格子構造302を備えた曲面部のみの基材300に対する金型330を製作するために、図2(E)に示すように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行い、図2(F)に示すように、基材300と金型330とを剥離する処理を行う。
【0051】
表面処理がなされた基材と剥離した金型330に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。そして、金型330の評価を行う。評価後、当該金型330を用いて光学素子を製作する。
【0052】
このようにして、上述の光学素子を射出成形するための金型を製造でき、当該金型を用いて光学素子を容易に製造することができる。尚、図2(D)の工程で行われた基材をスタンプとして硬化型樹脂等に直接形状を転写することも可能である。
【0053】
(曲面でのレジスト形状)
次に、本発明の実施の形態における曲面でのレジスト形状について、図3(A)〜(C)に基づいて説明する。図3(A)〜(C)は、本実施の形態を示す説明図である。
【0054】
本実施の形態においては、3次元形状に変化する基材上のレジスト層に所望の描画パターン例えば、回折格子構造が形成されるような場合を開示している。
【0055】
具体的には、エッチング処理前の基材190は、図3(C)に示すように、一面に曲面部を有した基材192と、この基材192上に形成されたレジストからなる回折格子構造191を有している。
【0056】
より詳細には、図3(A)に示すように、基材192と、この基材192上に形成されたレジスト層194と、を有し、レジスト層194のブレーズ195の傾斜面は、曲面部の周縁に向かうに従い傾斜角度が急になり、かつ、ピッチ幅も短くなる構造を有している。
【0057】
同基材190をエッチング処理した後の基材は、図3(B)に示すように、曲面部上の基材192を有し、この基材192にピッチ毎の回折格子構造のブレーズ193が形成される。
【0058】
ここで、本実施の形態において、曲面部上の回折格子構造のブレーズ195を電子ビーム描画等により形成してレジスト形状を得る際には、予めブレーズ195が所定の形状となる第2の寸法にて形成するように設定入力し、当該第2の寸法に前述の補正係数にて補正した値を第1の寸法として、ブレーズ193が第1の寸法となるようにドーズ量等を調整制御して描画する。これにより、曲面部上の回折格子構造に対して同一条件下でエッチング処理を行ったとしても、目標としていた第1の寸法よりも進行しすぎたり、進行が足らなかったりすることはない。これにより、例えば一面に曲面部を有する基材(例えば、光学素子等)に回折格子構造等を形成する際にも、正確に最終構造を得ることができる。
【0059】
以下、本実施形態における光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法及び光学素子の製作方法につき、図4を参照して説明する。先ず、基材上にスピンコートによりレジスト液を塗布し、ベーキングしてレジスト層を形成する(ステップ、以下「S」201)。
【0060】
次に、電子ビーム描画装置のX,YZステージに基材をセットする(S202)。
【0061】
続いて、目標寸法等の入力に基づき、対応するドーズ量にて電子ビーム描画を行い(S203)、描画後のレジスト層を現像することで基材のレジスト形状を得る(S204)。
【0062】
(プラズマエッチング処理)
(プラズマ発生工程)
誘導結合プラズマエッチング装置のサセプタに基材を載置した後、保持部材により基材を固定する(S206)。
【0063】
続いて、基材を構成するレジスト層及び基材の材料の組み合わせ等の入力に基づき、テーブルからエッチング条件を取得して、そのエッチング条件に基づく設定を行う(S207)。次いで、ドライエッチングを行い基材にレジスト形状を転写する(S208)。
【0064】
(プラズマ制御工程)
ここで、本実施の形態においては、元々のレジスト層の溝部の形状を、予め得たい形状に製作しておき、これをエッチング処理する際に、基材を構成するレジスト層及び基材の材料の組み合わせから、エッチング選択比を決定して、そのエッチング条件にてエッチング処理を行う。この際、予め実験により製作された特性テーブルや、レジスト層及び基材の材料の組み合わせに対応する双方のエッチング進行度合いの比を関連付けたテーブル等を製作しておき、当該テーブルに基づき、どのようなエッチング条件(高周波のアンテナに供給されるプラズマ生成用の高周波出力値及びバイアス用の高周波出力値、エッチングガスを含む処理ガスの処理室内における圧力値、エッチングガスを構成する、例えばSF6とO2による混合比)にてエッチング処理を行うかを決定し、そのエッチング条件にてエッチング処理を施すことで基材に所望の形状を形成する。すなわち、前記テーブルに基づき自己バイアス電圧が一定となるように前記高周波出力値の制御を行うことで、レジスト層に形成された形状の精度を保持しつつ、所定の高さを有するブレーズ形状を基材に形成することができる。なお、電子ビーム描画の条件(焦点深度、ドーズ量)については、適宜設定することとし、本実施の形態においては説明を省略する。
【0065】
(プラズマエッチング装置の構成について)
次に、基材に対してドライ(プラズマ)エッチング処理を行うためのプラズマエッチング装置の概略構成について説明する。本発明の実施の形態においては、高密度プラズマを発生できる誘導結合プラズマ処理装置を使用する。
【0066】
誘導結合プラズマ処理装置の典型的な構造において、気密な処理室の天井に誘電体壁(窓板)が配設され、その誘電体壁上に高周波(RF)アンテナが配設される。高周波アンテナにより、処理室内に誘導電界が形成され、その電界により、処理ガスがプラズマに転化される。このようにして生成された処理ガスのプラズマを使用して、処理室内に配置された基材に対してエッチング等の処理が施される。
【0067】
図5は、本実施の形態に係る誘導結合プラズマエッチング装置の構成を示す図である。この装置は、例えば、光学素子の製造において、基材上にブレーズ形状等を形成するために使用される。
【0068】
図5に示すように、プラズマエッチング装置1は、導電性材料、例えばアルミニウム製の筐体から分解可能に組立てられた気密な容器20を有する。容器20は、接地線21によって接地される。なお、容器20は、壁面から汚染物が発生しないように、内壁面が陽極酸化によりアルマイト処理される。
【0069】
容器20内は、上側のアンテナ室24と、処理室26とに気密に区画されることが好ましい。区画に際し仕切られる仕切り構造は、石英等からなるセグメントを組み合わせてなる誘電体壁32を含む支持部34により形成される。支持部34の下面は、水平面上で実質的に整一した状態に形成される。
【0070】
なお、支持部34の下面は、更に、平滑な下面を有する石英等からなる誘電体カバー(図示せず)により被覆されることが好ましく、一方、誘電体壁32の上側には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等からなる樹脂板(図示せず)を配設することが好ましい。
【0071】
アンテナ室24には、ヒータ61が配設され、電源62に接続される。ヒータ61により支持部34を介して誘電体壁32を含む仕切り構造が加熱され、これにより、処理室26に露出する仕切り構造の下面に副生成物が付着するのが防止される。
【0072】
支持部34は、導電性材料、望ましくは金属、例えばアルミニウム製の筐体からされた中空の部材からなり、シャワーヘッドを構成するためのシャワー筐体として兼用される。支持部34を構成する筐体の内外表面は、壁面から汚染物が発生しないように、陽極酸化によりアルマイト処理される。支持部兼シャワー筐体34には、ガス流路が内部に形成されると共に、ガス流路に連通し且つ後述するサセプタ71に対して開口する複数のガス供給孔が下面に形成される。
【0073】
支持部34の中央に接続された管状の管部35内には、支持部34内のガス流路に連通するガス供給管51が配設される。ガス供給管51は、容器20の天井を貫通し、容器20外に配設された処理ガス源部50に接続される。すなわち、プラズマ処理中、処理ガスが、処理ガス源部50からガス供給管51を介して、支持部兼シャワー筐体34内に供給され、その下面のガス供給孔から処理室26内に放出される。
【0074】
アンテナ室24内には、誘電体壁32に面するように、仕切り構造上に配設された高周波(RF)のアンテナ31が配設される。
【0075】
アンテナ31は、仕切り構造上の部分が例えば渦巻き状をなす平面型のコイルアンテナからなる。アンテナ31は、一端部が容器20の天井の略中央から導出され、整合器41を介して第1の電源装置(高周波電源)42に接続される。一方、他端部は容器20に接続され、これにより接地される。
【0076】
プラズマ処理中、第1の電源装置42からは、誘導電界形成用の高周波電圧がアンテナ31へ供給される。アンテナ31により、処理室26内に誘導電界が形成され、この誘導電界により、支持部兼シャワー筐体34から供給された処理ガスがプラズマに転化される。このため、第1の電源装置42は、プラズマを発生させるのに十分な出力で高周波電圧を供給できるように設定される。
【0077】
誘電体壁32を挟んで高周波のアンテナ31と対向するように、処理室26内には基材を載置するための載置台(基材ホルダ)であるサセプタ71が配設される。サセプタ71は、導電性材料、例えばアルミニウム製の部材からなり、その表面は、汚染物が発生しないように、陽極酸化によりアルマイト処理される。サセプタ71の周囲には基材を固定するための保持部材73が配設される。
【0078】
サセプタ71は、絶縁体枠72内に収納され、更に、中空の支柱上に支持される。支柱は容器20の底部を気密に貫通し、容器20外に配設された駆動手段74に支持される。すなわち、サセプタ71は、基材のロード/アンロード時に、この駆動手段74により例えば上下方向に駆動される。
【0079】
サセプタ71は、中空の支柱内に配置された給電棒により、整合器81を介して接地された第2の電源装置82及び自己バイアス電圧を測定する検出装置83に接続される。プラズマ処理中においては、第2の電源装置82がサセプタ71にバイアス用の高周波電源出力を印加するのである。このバイアス用の高周波電源出力は、処理室26内で励起されたプラズマ中のイオンを効果的に基材に引込むために使用される。また、検出装置83は、自己バイアス電圧をリアルタイムに測定し、その測定結果を制御装置94に送信する。ここで、前記自己バイアス電圧とは、ドライエッチングプロセス中に基材が載置されたサセプタ71とアースとの間に生じる電位差である。また、第2の電源装置82がサセプタ71に印加する高周波電源出力は、「電力」であっても、「電圧」であってもよく、本実施形態においては、「電力」で行うものとする。
【0080】
さらに、サセプタ71内には、基材の温度を制御するため、ヒータ等の加熱手段や冷媒流路等からなる温度調整手段75や温度センサ(図示せず)が配設され、温度調整手段75を制御する温度制御手段76に接続される。これらの機構や部材に対する配管や配線は、いずれも中空の支柱を通して容器20外に導出される。
【0081】
処理室26の底部には、排気管77を介して、真空ポンプなどを含む真空排気機構が接続される。真空排気機構により、処理室26内が排気されると共に、プラズマ処理中、処理室26内が真空雰囲気、所定の圧力雰囲気に設定及び維持される。
【0082】
一方、自己バイアス電圧よりも周波数が相対的に高いプラズマ生成用電圧を出力するプラズマ生成用の第1の電源装置42にも、制御手段94が接続されており、この制御手段94によってプラズマ生成用電圧の供給が制御される。この制御手段94には、種々の設定入力値等を表示するための表示手段93、操作入力を行うための操作入力手段92及び各種テーブルや種々の制御プログラムや設定情報等を記憶した記憶手段91が接続される。なお、この制御手段94と前述の電子ビーム描画装置の制御回路等が種々の通信手段を介してネットワーク接続されることにより、電子ビーム描画装置にて設定され、演算された前記補正係数を含む情報が自動的に記憶手段91に格納されて制御の際に利用可能に形成されることが望ましい。
【0083】
このように、本実施形態における制御手段94は、第1の電源装置42だけでなく、サセプタ71に高周波電源出力を印加する第2の電源装置82の制御も行うが、特に第2の電源装置82の制御に関しては、サセプタ71と第2の電源装置82との間に設けられた検出装置83から送信された測定結果を、操作入力手段92によって予め入力された高周波電源出力の設定値に基いて制御装置94が制御するものである。
【0084】
すなわち、本発明は、基材の表面に対するプラズマ粒子の入射直進性を助勢するために、前記基材に高周波電源出力を印加すると共に、それによって発生する自己バイアス電圧をリアルタイムにモニタして、高周波電圧(自己バイアス電圧)が所定の範囲内で安定するように、第2の電源装置82を制御することを特徴とするものである。
【0085】
そして、本実施形態における制御手段94は、具体的な構成として、検出装置83による実際の自己バイアス電圧値を経時的にモニタし、それが一定となるように第2の電源装置82を制御するものであるので、経時的な自己バイアス電圧値との差(ずれ)を演算し、そのずれ量の補正及び記憶装置91から与えられる信号とを比較して第2の電源装置82が出力するべき出力値に相当する値を算出する比較・演算手段(図示せず)と、それによって得られた値を元に第2の電源装置82を制御する制御信号に変換し、その制御信号を第2の電源装置に送る制御部(図示せず)と、記憶手段91とが設けられることが望ましい。また、記憶手段91は、比較・演算手段が算出した演算結果及び制御信号を記憶するだけでなく、最新の記憶データを演算結果にフィードバックすることにより正確かつ微小な調整を可能にすることができる。
【0086】
次に、図5の誘導結合プラズマエッチング装置を用いて、基材に対してプラズマエッチング処理を施す動作について図6を参照して説明する。
【0087】
まず、プラズマエッチング処理の開始動作として、ゲートバルブ22を通して搬送手段により基材をサセプタ71の載置面に載置した後、保持部材73により基材をサセプタ71に固定する。次に、操作入力手段92を用いて加工する基材に応じた各種条件を設定する(S301)。そして、その設定内容に基き、処理室26内にガス供給源50からエッチングガス(例えばSF6とO2による混合比9:1の混合ガス)を含む処理ガスを吐出させると共に、排気管77を介して処理室26内を真空引きすることにより、処理室26内を所定の圧力雰囲気に維持する。
【0088】
次に、前記設定内容に基く所定の高周波電圧をアンテナ31に印加するように第1の電源装置42に対して制御手段94が指示する(S302)ことにより、仕切り壁構造を介して処理室26内に均一な誘導電界が形成される。係る誘導電界により、処理室26内で処理ガスがプラズマ状態となり、高密度の誘導結合プラズマが生成される。
【0089】
また、同様にして、前記設定内容に基く所定の高周波電圧をアンテナ31に印加するように第2の電源装置82に対して制御手段94が指示する(S303)。これにより、第2の電源装置82からサセプタ71に対して所定の高周波電源出力が印加され、生成されたプラズマ中のイオンが基材に効果的に引込まれ、基材に対して所望のエッチング処理が施される。
【0090】
また、このようにしてサセプタ71に印加された高周波電源出力は、検出装置83によって常に測定されている(S304)。この検出装置83は、前記設定内容を参照する機能、すなわち記憶手段91に記憶された情報を参照する機能を有している。従って、実行されているプラズマエッチング工程において測定された自己バイアス電圧値が、その前(又は直前)の自己バイアス値に対して許容範囲以上の誤差を有していた場合(S305−Yes)、現在の自己バイアス電圧値がその前(又は直前)における自己バイアス電圧値とほぼ同じ値になるように、すなわち自己バイアス値が安定するように、第2の電源装置82から出力される高周波電源出力を制御手段94が制御する(S306)。また、測定された自己バイアス電圧値が、その前(又は直前)の自己バイアス値に対して許容範囲以内であった場合(S305−No)、第2の電源装置82によるサセプタ71への高周波電源出力印加を続行し(S307−Yes)、予め設定されたエッチング工程時間が経過したら(所望のエッチング形状が形成されたら)、サセプタ71への高周波電源出力の印加の必要なないので(S307−No)、プラズマエッチング工程を終了する。
【0091】
ここで、自己バイアス電圧の制御は、高周波電源出力を印加するオンサイクル及び高周波電源出力を印加しないオフサイクルを交互に繰り返し、デューティー(オンサイクル時間/(オンサイクル時間+オフサイクル時間))を制御する方法もある。このとき、検知装置はON時のピークだけを検出することになる。これにより、例えば、基材の特定箇所における比(基材のエッチングされた量/レジスト層のエッチングされた量)を制御できる。なお、自己バイアス電圧のオン・オフの周期を生成するために、特殊なパルス電源を用いても、ソフトウェアによって電源のオン・オフを制御してもよい。
【0092】
このようにして、前記レジスト層に描画された形状を前記基材に所望の形状に適正に転写することができる。また、このエッチング選択比は前記レジスト層と前記基材とのエッチング速度の比又はエッチングされる深さの比に限られず、レジスト層及び基材の材質によって特定されるので、予め実験によって求められることが好ましい。
【0093】
また、前記第1の寸法は、前記基材に形成されるべき目標とする形状の寸法に対応し、前記第2の寸法は、前記第1の寸法に前記エッチング選択比を乗じた寸法である。さらに、前記第2の寸法は、前記形状加工工程によって加工されるレジスト層の深さであり、前記第1の寸法は、前記母型の形状における深さである。
【0094】
(形状加工工程)
(電子ビーム描画)
ここで、本実施の形態においては、図1(B)に示す第1の寸法(例えば、溝部12aの溝深さがaで溝幅がd)の形状がエッチングによって基材12に形成されることを想定して予めエッチング選択比を設定する。そして、そのエッチング選択比に基づいて、図1(A)に示す形状の第2の寸法(例えば、溝部13aの溝深さがc−bで溝幅がd)となるように、その第2の寸法にてレジスト層13を加工する。
【0095】
ここで、この加工には、電子ビーム描画装置による描画加工を採用することが好ましい。
【0096】
また、前記「エッチング選択比」とは、基材12及びレジスト層13のそれぞれをエッチングした場合のエッチング速度比であり、その値はエッチング手法や基材12及びレジスト層13の材質によって異なるため、種々の条件毎にエッチング選択比が予めテーブル化されて記憶手段91に格納されておくことが望ましい。
【0097】
すなわち、基材12とレジスト層13が他の種々の材質にて形成された場合における前記特性のテーブル等を記憶手段91に格納し、基材12とレジスト層13の材質の組み合わせを設定することにより、演算に使用されるテーブルを選択する構成としてもよい。ここで、レジスト層、すなわち、電子ビーム用レジストに用いられる材料としては、例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル;PolyMethylMethacrylate)の他、スチレン系、アクリル系の有機高分子材料や、これらにシリカ系無機材料を化学結合させたもの等が挙げられ、基材12としては、樹脂例えばボリオレフィン等が挙げられる。さらに、基材12がシリコンである場合には、第1導電型の不純物部材例えば、n型シリコン等にて形成することが好ましい。こうすると、レジスト塗布後の光学的な膜厚評価を適用しやすいからである。
【0098】
このようにして、電子ビーム描画装置により、当該第2の寸法となるような描画が行われることとなり、第2の寸法の溝深さを有する溝部13aを有するレジスト層13であるレジスト形状を得ることができる。
【0099】
このようにして得られたレジスト形状を有する基材10に対して、例えば誘導結合型プラズマエッチング装置により、前記エッチング選択比に基づいたプラズマエッチング処理を行うと、図1(B)に示すような基材14が得られる。そして、この基材14の基材12の溝部12aの溝深さを所望の長さとすることができる。
【0100】
基材をドライエッチングした後、基材表面にたとえばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層やWC層のような離型性があり、硬質で表面保護効果のある層を形成する。このような層を形成した後、導電性膜を形成して電鋳金型を作ることで、金型の離型性が良くなり、かつ基材(母型)を繰り返し利用することが可能になる。離型性のある層及び表面保護効果のある層を形成した基材を直接光学レンズの金型として使用する場合も上記と同様の効果が得られる。また、基材表面にフッ素化等の処理を施した場合も上記と同等の効果が得られる。
【0101】
図7(A)は、従来における第2の電源装置の出力と自己バイアス電圧との関係を示すグラフであり、図7(B)は、本実施形態における第2の電源装置の高周波電源出力と自己バイアス電圧との関係を示すグラフである。
【0102】
図7(A)に示すように、サセプタ71に印加する高周波電源出力(図7(A)の縦軸)を所定値(○印で表示)に設定して第2の電源装置82に出力させる場合、その関係はテーブルとして記憶手段91に格納され、そのテーブルを参照して第2の電源装置82が所定の高周波電源出力をサセプタ71に対して印加するが、所望の高周波電源出力をサセプタ71に印加させるのに必要な電力値(図7(A)の横軸)は一定であるが、自己バイアス電圧のばらつきが生じる。つまり、図7(A)は、供給する電力は一定であるが、サセプタ71でエッチング工程の化学反応等による電流が流れて変動していることを示す。
【0103】
一方、エッチング対象の材質、エッチングガスの種類及びエッチング工程における化学反応によって生じる自己バイアス電圧の変化を常にモニタリングし、その変化に応じて第2の電源装置82の電源出力値(詳細には電圧値)を能動的に制御して変化させる本実施形態によって、図7(B)に示すように、自己バイアス電圧値はほぼ一定に保たれ、自己バイアス電圧値のばらつきは軽減されることがわかる。この場合、第2の電源82の電力が横軸方向に変動しているのは、高周波電源出力を制御することによって自己バイアス電圧を一定にしているためである。
【0104】
(電子ビーム描画装置の構成について)
次に、上述のような所望の溝深さ形状を得るために必要とされるレジスト形状を形成する、機能を達成するための前提となる電子ビーム描画装置そのものの全体の概略構成について、図8を参照して説明する。図8は、本実施の形態の電子ビーム描画装置の概略構成を示す図である。
【0105】
本実施の形態の電子ビーム描画装置1001は、図8に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブを形成して高速に描画対象の基材1002(図1に示す基材10に相当する)上を走査して、3次元的に基材上のレジスト層を描画可能とするものであり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビームを生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビーム生成手段である電子銃1012と、この電子銃1012からの電子ビームを通過させるスリット1014と、スリット1014を通過する電子ビームの前記基材2に対する焦点位置を制御するための電子レンズ1016と、電子ビームが出射される経路上に配設されたアパーチャー1018と、電子ビームを偏向させることでターゲットである基材1002上の走査位置等を制御する偏向器1020と、偏向を補正する補正用コイル1022と、を含んで構成されている。なお、これらの各部は、鏡筒1010内に配設されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
【0106】
さらに、電子ビーム描画装置1001は、描画対象となる基材1002を載置するための載置台であるX,YZステージ1030と、このX,YZステージ1030上の載置位置に基材2を搬送するための搬送手段であるローダ1040と、X,YZステージ1030上の基材1002の表面の基準点を測定するための測定手段である測定装置1080と、X,YZステージ1030を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手段1050と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置1060と、鏡筒1010内及びX,YZステージ1030を含む筐体1011内を真空となるように排気を行う真空排気装置1070と、これらの制御を司る制御手段である制御回路1100と、を含んで構成されている。
【0107】
なお、電子レンズ1016は、高さ方向に沿って複数箇所に離間して設置される各コイル1017a、1017b、1017cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制御される。
【0108】
測定装置1080は、基材1002に対してレーザーを照射することで基材1002を測定する第1のレーザー測長器1082と、第1のレーザー測長器1082にて発光されたレーザー光(第1の照射光)が基材1002を反射し当該反射光を受光する第1の受光部1084と、前記第1のレーザー測長器1082とは異なる照射角度から照射を行う第2のレーザー測長器1086と、前記第2のレーザー測長器1086にて発光されたレーザー光(第2の照射光)が基材2を反射し当該反射光を受光する第2の受光部1088と、を含んで構成されている。
【0109】
ステージ駆動手段1050は、X,YZステージ1030をX方向に駆動するX方向駆動機構1052と、X,YZステージ1030をY方向に駆動するY方向駆動機構1054と、X,YZステージ1030をZ方向に駆動するZ方向駆動機構56と、X,YZステージ1030をZ軸を中心としてθ方向に駆動するθ方向駆動機構58と、を含んで構成されている。なお、この他、Y軸を中心とするα方向に回転駆動可能なα方向駆動機構、X軸を中心とするβ方向に回転駆動可能なβ方向駆動機構を設けて、ステージをピッチング、ヨーイング、ローリング可能に構成してもよい。これによって、X,YZステージ1030を3次元的に動作させたり、アライメントを行うことができる。
【0110】
制御回路1100は、電子銃1012に電源を供給するための電子銃電源部1102と、この電子銃電源部1102での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部1104と、電子レンズ1016(複数の各電子的なレンズを各々)を動作させるためのレンズ電源部1106と、このレンズ電源部1106での各電子レンズに対応する各電流を調整制御するレンズ制御部1108と、を含んで構成される。
【0111】
さらに、制御回路1100は、補正用コイル1022を制御するためのコイル制御部1110と、偏向器1020にて成形方向の偏向を行う成形偏向部1112aと、偏向器1020にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部1112bと、偏向器20にて主走査方向の偏向を行うための主偏向部1112cと、成形偏向部1112aを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器1114aと、副偏向部1112bを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器1114bと、主偏向部1112cを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高精度D/A変換器1114cと、を含んで構成される。
【0112】
さらに、制御回路1100は、偏向器1020における位置誤差を補正する、すなわち、位置誤差補正信号などを各高速D/A変換器1114a、1114b、及び高精度D/A変換器1114cに対して供給して位置誤差補正を促すあるいはコイル制御部1110に対して当該信号を供給することで補正用コイル1022にて位置誤差補正を行う位置誤差補正回路1116と、これら位置誤差補正回路1116並びに各高速D/A変換器1114a、1114b及び高精度D/A変換器1114cを制御して電子ビームの電界を制御する電界制御手段である電界制御回路1118と、描画パターンなどを前記基材1002に対して生成するためのパターン発生回路1120と、を含んで構成される。
【0113】
またさらに、制御回路1100は、第1のレーザー測長器1082を上下左右に移動させることによるレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の駆動制御を行う第1のレーザー駆動制御回路1130と、第2のレーザー測長器1086を上下左右に移動させることによるレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の駆動制御を行う第2のレーザー駆動制御回路1132と、第1のレーザー測長器1082でのレーザー照射光の出力(レーザーの光強度)を調整制御するための第1のレーザー出力制御回路1134と、第2のレーザー測長器1086でのレーザー照射光の出力を調整制御するための第2のレーザー出力制御回路1136と、第1の受光部1084での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第1の測定算出部1140と、第2の受光部1088での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第2の測定算出部1142と、を含んで構成される。
【0114】
さらにまた、制御回路1100は、ステージ駆動手段1050を制御するためのステージ制御回路1150と、ローダ駆動装置1060を制御するローダ制御回路1152と、上述の第1、第2のレーザー駆動回路1130、1132・第1、第2のレーザー出力制御回路1134、1136・第1、第2の測定算出部1140、1142・ステージ制御回路1150・ローダ制御回路1152を制御する機構制御回路1154と、真空排気装置1070の真空排気を制御する真空排気制御回路1156と、測定情報を入力するための測定情報入力部1158と、入力された情報や他の複数の情報を記憶するための記憶手段であるメモリ1160と、各種制御を行うための制御プログラムを記憶したプログラムメモリ1162と、これらの各部の制御を司る例えばCPUなどにて形成された制御部1170と、を含んで構成されている。
【0115】
上述のような構成を有する電子ビーム描画装置1001において、ローダ1040によって搬送された基材1002がX,YZステージ1030上に載置されると、真空排気装置1070によって鏡筒1010及び筐体1011内の空気やダストなどを排気したした後、電子銃1012から電子ビームが照射される。
【0116】
電子銃1012から照射された電子ビームは、電子レンズ1016を介して偏向器1020により偏向され、偏向された電子ビームB(以下、この電子レンズ1016を通過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビームB」と符号を付与することがある)は、X,YZステージ1030上の基材1002の表面、例えば曲面部(曲面)上の描画位置に対して照射されることで描画が行われる。
【0117】
この際に、測定装置1080によって、基材1002上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、もしくは基準点の位置が測定され、制御回路1100は、当該測定結果に基づき、電子レンズ1016のコイル1017a、1017b、1017cなどに流れる各電流値などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位置となるように移動制御される。
【0118】
あるいは、測定結果に基づき、制御回路1100は、ステージ駆動手段1050を制御することにより、前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるようにX,YZステージ1030を移動させる。
【0119】
また、本実施の形態においては、電子ビームの制御、X,YZステージ1030の制御のいずれか一方の制御によって行っても、双方を利用して行ってもよい。
【0120】
次に、測定装置1080は、第1のレーザー測長器1082、第1の受光部1084、第2のレーザー測長器1086、第2の受光部1088などを有する。
【0121】
第1のレーザー測長器1082により電子ビームと交差する方向から基材1002に対して第1の光ビームS1を照射し、基材1002を透過する第1の光ビームS1の受光によって、第1の光強度分布が検出される。
【0122】
この際に、第1の光ビームS1は、基材1002の底部にて反射されるため、第1の強度分布に基づき、基材1002の平坦部上の(高さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場合には、基材1002の曲面部上の(高さ)位置を測定することができない。
【0123】
そこで、本実施の形態においては、さらに第2のレーザー測長器1086を設けている。すなわち、第2のレーザー測長器1086によって、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交する方向から基材1002に対して第2の光ビームS2を照射し、基材1002を透過する第2の光ビームS2が第2の受光部1088に含まれるピンホールを介して受光されることによって、第2の光強度分布が検出される。
【0124】
この場合、前記第2の強度分布に基づき、基材の曲面部上の(高さ)位置を測定算出することができる。そして、この基材の高さ位置を、例えば描画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行われ描画が行われることとなる。
【0125】
なお、本実施の形態では、上述のような各種演算処理、測定処理、制御処理などの処理を行う処理プログラムは、プログラムメモリ(図示せず)に予め制御プログラムとして格納されることとなる。
【0126】
以上のように、本発明に係る装置と方法について、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、当業者は本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
【0127】
例えば、上述の各実施の形態では、基材の表面が平面あるいは凸状の曲面である構成としたが、これらに限定されるものではなく、例えば凹状の曲面であっても良い。
【0128】
また、上述の各実施の形態では、エッチング処理後の目標となる基材上の第1の寸法からエッチング選択比により第2の寸法を算出して電子ビーム描画装置を予め第2の寸法にて形成することで、エッチング後に第1の寸法の所望の形状を得る構成とした。つまり、基材の種類に依存する特性をテーブル化して記憶手段91に格納し、前記エッチング選択比に基づき誘導結合型プラズマエッチング装置の高周波電源出力を自己バイアス電圧が一定となるよう制御して基材に所望の形状を得るようにしたがこれに限定されるものではない。
【0129】
また、上述の実施の形態においては、誘導結合型エッチング装置を例に挙げて説明したが、装置の例は、係る構成に限定されるものではなく、基材に自己バイアス電圧を印加できれば、平行平板型プラズマエッチング装置やマイクロ波型エッチング装置などのプラズマ源を備えたプラズマエッチング装置であってもよい。
【0130】
さらに、上述の各実施の形態においては、エッチング装置を例に挙げて説明したが、成膜装置やアッシング装置などの機能を備えた他の誘導結合プラズマ処理装置を利用する場合であってもよい。さらに、基材として、光レンズ等の光学素子、半導体素子に限らず、LCDガラス基板、半導体ウエハを処理する装置に当該テーブルを搭載してもよい。
【0131】
また、レジスト層としてレジスト層、シリコン層を構成する基材をエッチング処理する場合について説明したが、複数層を構成する基材のいずれかの層をエッチング処理する場合、基材と他の層構成を含む基材をエッチング処理する場合にも、本発明を適用することができる。
【0132】
さらに、上述の各実施の形態においては、光学素子等の光レンズが樹脂材料にて構成され、これが射出成型により製造される構成としたが、これに限定されず、例えば光学素子等の光レンズがガラス材料にて構成され、これがモールドにより製造される構成としても良い。
【0133】
よって、上述の実施の形態においては、光学素子等の光レンズを成型するための金型を製造し、この金型に基づき射出成型により光レンズを製造する場合を説明したが、これに限定されず、例えばエッチング処理後の光レンズの形状をガラス基材に転写することで、直接ガラス材料からなる光学レンズを成形したり、このガラス製金型に基づき射出成型あるいはモールドにより樹脂材料あるいはガラス材料からなる光レンズを製造する構成としても良い。
【0134】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0135】
さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含むことは言うまでもない。この場合において、本実施形態において特に記載しなくとも、各実施の形態及び変形例に開示した各構成から自明な作用効果については、当然のことながら本例においても当該作用効果を奏することができる。また、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除された構成であってもよい。
【0136】
そして、これまでの記述は、本発明の実施の形態の一例のみを開示しており、所定の範囲内で適宜変形及び/又は変更が可能であるが、各実施の形態は例証するものであり、制限するものではない。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、レジスト層に対して電子ビームによる微細な描画が行われた後、前記誘導結合型プラズマエッチング装置が、レジスト層に描画された形状を保持しつつエッチングするプラズマ粒子を基材の表面に対して適正に誘導するので、これまで実現が困難であった起伏のある三次元微細形状(特に1μm〜10μm程度)の光学素子の形成が可能となる。
【0138】
また、自己バイアス電圧の変動を検知し、自己バイアス電圧が一定に保たれるように前記第2の電源装置を制御装置が制御するので、基材上に発生するシース領域の厚さが一定になり、ばらつきのない安定したエッチングが可能となり、適性な光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエッチング装置にてエッチングされる基材の形状を示す断面図。
【図2】本発明における基材の製造工程の概略を示す説明図。
【図3】本発明に係るエッチング装置にてエッチングされる基材の形状を示す一実施の形態を示す断面図。
【図4】基材を製造する際の処理手順を示すフローチャート。
【図5】本発明に係るエッチング装置の実施の形態の一例を示すブロック図。
【図6】本実施形態におけるプラズマエッチング方法を説明するためのフローチャート。
【図7】従来及び本実施形態における第2の電源装置の出力と自己バイアス電圧との関係を示すグラフ。
【図8】電子ビーム描画装置の構成の一例を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1 プラズマエッチング装置
12 基材
12a 溝部
13 レジスト層
13a 溝部
1001 電子ビーム描画装置
Claims (12)
- 表面にブレーズ形状をなすレジスト層が形成された基材を載置する基材ホルダと、
エッチングガスをプラズマ化させるための電力を供給して前記基材をエッチングする第1の電源装置と、
前記レジスト層の表面に形成されたブレーズ形状の高さと基材表面に形成しようとするブレーズ形状の高さとの比を示すエッチング選択比に基づいたバイアス出力を前記基材ホルダに印加して、プラズマ化された粒子に基材に対する直進性を与えて入射させる第2の電源装置と、
前記バイアス出力を前記基材ホルダに印加させた結果アースとの間に生じる自己バイアス電圧を一定に保つように前記第2の電源装置を制御する制御装置とを有することを特徴とするプラズマエッチング装置。 - 前記制御装置は、前記自己バイアス電圧を検知して所定の範囲内で経時的に安定しているか否かを判定する判定手段を備え、その判定手段によって判定された結果に基づいて前記第2の電源装置を前記バイアス電圧が一定になるように制御することを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
- 基材上に形成されたレジスト層が所定の形状となるように加工する形状加工工程と、
プラズマ粒子を発生させるプラズマ発生工程と、
前記形状加工工程によって形成されたレジスト層形状の高さと基材表面に形成する所望の形状の高さの比であるエッチング選択比に基づいて前記基材の表面に対して前記プラズマ粒子を直進させて入射させるようにバイアス出力を前記基材に印加すると共に、前記バイアス出力を前記基材ホルダに印加させた結果アースとの間に生じる自己バイアス電圧を検知して自己バイアス電圧が一定となるように制御するプラズマ制御工程とを有することを特徴とする光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法。 - 前記形状加工工程は、電子ビームにより前記レジスト層に所定の形状を描画する描画工程及び係る描画工程により描画された前記所定の形状を現像する現像工程を有することを特徴とする請求項4に記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法。
- 前記プラズマ発生工程及びプラズマ制御工程は、誘導結合型プラズマエッチング装置を用いて行われることを特徴とする請求項4又は5に記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法。
- 前記請求項4から6のいずれかに記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法により製作されたことを特徴とする母型。
- 母型の形状に基づき光学素子成形用金型を製作する方法であって、請求項4から6のいずれかに記載の光学素子成形用金型に用いる母型の製作方法によって製作された母型の形状を転写することにより光学素子成形用金型を得る転写工程を有することを特徴とする光学素子成形用金型の製作方法。
- 前記転写工程において、母型の形状は電鋳によって金型に転写されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子成形用金型の製作方法。
- ドライエッチングされた前記基材の表面に、表面保護膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の光学素子成形用金型の製作方法。
- 前記請求項8から10のいずれかに記載の光学素子成形用金型の製作方法により製作されたことを特徴とする光学素子成形用金型。
- 前記請求項8から10のいずれかに記載の光学素子成形用金型の製作方法により製作された光学素子成形用金型を用いて光学素子を成形することを特徴とする光学素子の製作方法。
- 前記請求項11に記載の光学素子成形用金型により製作されたことを特徴とする光学素子。
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