JP2005001424A - タイヤ用のサポートリング及びそれを用いたタイヤ組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ランフラット時の耐久性を損ねることなく正常内圧走行時における乗り心地性を向上できる。
【解決手段】リム4に装着される内のリング体5と、トレッド部2aの側の外のリング体5とを継ぐ支持壁部8を有する荷重支持部7を具える。荷重支持部7は、内圧低下に伴い半径方向内方に移動する前記トレッド部2aに押圧されて変形するに際して、前記支持壁部8は、座屈するに先立ち曲げ変形して隣り合う支持壁部8と接触する接触面Sを形成しうる接触支持壁部9Aを含む。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランフラット性能を確保しつつ、正常内圧走行時における乗り心地性を向上させるタイヤ用のサポートリング及びそれを用いたタイヤ組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、図11(A)、(B)に示すように、リム組みされたタイヤaからなるタイヤ組立体の前記タイヤaとリムbとが囲むタイヤ内腔c内に装着することにより、タイヤの内圧が低下した場合でも、一定の速度でかつ所定の距離を安全に走行しうる性能、即ちランフラット性能を発揮しうるサポートリングeが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−6721号公報
【特許文献2】
特開2000−158922号公報
【特許文献3】
特開2001−261888号公報
【0004】
この種のサポートリングeは、例えばゴム、エラストマーなどの弾性材から形成され、リムbに装着される内のリング体e1と、トレッド部a1に当接しうる半径方向外側の外のリング体e2と、この内外のリング体e1、e2間を垂直に継ぐ板状の荷重支持部e3によって連結している。
【0005】
そして、パンク等による内圧低下時には、タイヤaの縦撓み量が増大してトレッド部a1の内面が外のリング体e2と当接し、タイヤaに作用する荷重を前記荷重支持部e3の圧縮弾性によって支承することにより、走行が可能となる。又正常内圧走行時においては、充填内圧によってタイヤ自体が荷重を支承するため、トレッド部a1とサポートリングeとは非接触であり、一般的な非ランフラットタイヤと同様、良好な乗り心地性を発揮することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この正常内圧走行時においても、例えば路面上の大きな段差を乗り越す際など衝撃的な荷重が作用した場合には、トレッド部やサイドウォール部における撓み量が瞬間的に大きくなり、トレッド部a1とサポートリングeとが接触する場合がある(このような接触を「サポートリングの底付き」と呼ぶことがある)。なおサポートリングeのバネ定数は、タイヤaのバネ定数よりも大巾に高く、そのため前記底付きが生じると、強い衝撃となって乗り心地性の悪化を招く。
【0007】
このような問題点を解消するため、サポートリングeの弾性率を下げ、より柔軟性を持たせることが考えられる。しかしこの方法では、ランフラット時、荷重支持部e3が荷重を支えきれずに座屈変形して損傷するなど、ランフラット時の走行距離を十分に確保することができない。またトレッド部a1とサポートリングeとの接触を防ぐために、サポートリングeの半径方向の高さを減じることも考えられるが、この方法では、ランフラット時にタイヤ半径が大幅に小さくなり、また接地性が悪化するという欠点もある。
【0008】
そこで本発明は、前記荷重支持部を、互いに隣り合う支持壁部で形成し、該荷重支持部が変形するに際して、隣り合う支持壁部を曲げ変形させて互いに接触させることを基本として、支持壁部間が接触するまでの比較的小さな荷重(例えば底付き時の荷重)に対しては低い第1のバネ定数で柔軟に変形でき、正常内圧走行時における乗り心地性を向上させるとともに、接触してからの大きな荷重(ランフラット時の荷重)に対しては、高い第2のバネ定数で荷重を確実に支持でき、座屈を防止し、耐久性を損ねることなく優れたランフラット性能を発揮しうるタイヤ用のサポートリング及びそれを用いたタイヤ組立体を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、リム組みされたタイヤからなるタイヤ組立体の前記タイヤとリムとが囲むタイヤ内腔内に配設され、内圧低下時にタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承するサポートリングであって、
前記リムに装着される内のリング体と、前記トレッド部の側の外のリング体と、この内外のリング体を継ぐ支持壁部を有する荷重支持部とを具えるとともに、
前記荷重支持部は、タイヤ内腔内に正規内圧を充填しかつ正規荷重を付加した正規状態において、前記外のリング体が、その外周面と前記トレッド部の内面との間に間隙Gを保つ高さを有し、
しかも前記荷重支持部は、内圧低下に伴い半径方向内方に移動する前記トレッド部に押圧されて変形するに際して、前記支持壁部は、座屈するに先立ち曲げ変形して隣り合う支持壁部と接触する接触面を形成しうる接触支持壁部を含むことを特徴としている。
【0010】
又請求項2の発明では、前記接触支持壁部は、内圧0かつ前記正規荷重の80%〜125%の荷重を付加した状態で、前記接触面が接触することを特徴としている。
【0011】
又請求項3の発明では、前記接触支持壁部は、内圧0かつ前記正規荷重の90%〜115%の荷重を付加した状態で、前記接触面が接触することを特徴としている。
【0012】
又請求項4の発明では、前記隣合う支持壁部は、向き合う前記接触面が、凸曲面と凸曲、直平面と直平面、凸曲面と直平面、又は凸曲面と凹曲面の組合せであることを特徴としている。
【0013】
又請求項5の発明は、タイヤ組立体であって、請求項1〜4の何れかに記載のサポートリングを装着したことを特徴としている。
【0014】
なお本明細書において、「正規内圧」とは、タイヤ組立体が基づいている規格(該規格がない場合には、これに準じるもの)において定められる推奨空気圧を意味し、又「正規荷重」とは、前記規格(該規格がない場合には、これに準じるもの)において定められる負荷可能な最大荷重を意味する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、本発明のサポートリングを装着したタイヤ組立体の子午断面図、図2はサポートリングの全体斜視図、図3はサポートリングを半径方向外方から見た展開図、図4は接触支持壁部の長さ方向と直角な向きのサポートリングの拡大断面図である。
【0016】
図1において、サポートリング1は、リム組みされたタイヤ2からなるタイヤ組立体3において、そのタイヤ2とリム4とが囲むタイヤ内腔i内かつリム4に装着される。そして内圧低下時、サポートリング1がトレッド部2aの内面と当接して荷重を支承することにより、ランフラット性能が発揮される。
【0017】
ここで、前記タイヤ2は、タイヤ内腔面を低空気透過性のインナーライナーゴム層で形成した所謂チューブレスタイヤであって、路面と接地するトレッド部2aと、その両端部からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部2bと、各サイドウォール部2bの半径方向の内方端に形成されるビード部2dとを有するトロイド状に形成される。又タイヤ2は、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2dのビードコア2eに係止されるカーカス2f、及びこのカーカス2fの半径方向外側かつトレッド部2aの内方に配されるベルト層2gを含む周知のコード層によって補強され、必要なタイヤ剛性及び強度が確保される。
【0018】
又前記カーカス2fとして、本例では、前記ビードコア2e、2e間を跨る本体部2f1の両側に、ビードコア2eのタイヤ半径方向の内方を通ってタイヤ半径方向外側に巻き上げられた後にループ状に折返されて再びビードコア2eの内方を通って本体部2f1に沿って終端する折返し部2f2を設けたものを例示している。係る折返し構造では、前記本体部2f1に張力が作用すると、折返し部2f2のループ状部分で包囲されたゴムがビードコア2eとリム4のリムシート4a又は4bとの間に引き込まれて楔の如く作用し、ビード部2dをリム4にロックする。その結果、ビード部2dのリム外れを効果的に防止しうる。かかる構成についての詳細は、例えば特表平9−509122号公報に記載される。
【0019】
次に、前記リム4は、タイヤ2の各ビード部2dが着座する第1、第2のリムシート4a、4bを有し、それらの間にはサポートリング1を装着するためのサポートリング取付面4gと、リム組時に一方のビード部2dを落とし込む周溝状のウエル部4dとが形成される。
【0020】
前記第1、第2のリムシート4a、4bは、タイヤ軸を含む子午線断面において、従来のリムシートの方向とは反対方向に傾斜したものが示される。即ち、タイヤ軸方向外側に向かって外径が漸減している。また第1のリムシート4aの最小外径は、第2のリムシート4bの最小外径よりも小で形成される。なおタイヤ2の各ビード部2d、2dも、この第1、第2のリムシート4a、4bに合致するようにビード内径を違えて設計される。
【0021】
又前記サポートリング取付面4gの最大外径Dgは、第1のリムシート4a側のフランジ外端径Daより大で形成される。これにより、サポートリング1は、第1のリムシート4aの側から容易にリム組できる。またサポートリング取付面4gの一端部には、該サポートリング1のタイヤ軸方向の移動を阻止するための円周方向にのびる突起物4f、他端部には凹溝4hが夫々設けられている。
【0022】
次に、前記サポートリング1は、リム4の前記サポートリング取付面4gに装着される内のリング体5と、前記トレッド部2aの側に配される外のリング体6と、この内外のリング体5、6間を半径方向に継ぐ荷重支持部7とを一体に具え、本例では、タイヤ赤道Cを中心としたタイヤ中央に取り付けられる。このサポートリング1は、例えばゴム、ポリウレタン、EPDM、その他各種の弾性材で形成することができ、本例では、ポリウレタンを使用したものを例示している。なおポリウレタンの場合、JISD硬度45〜60度、100℃における損失正接tan δが0.02〜0.08のものが特に好適に採用できる。
【0023】
前記内外のリング体5、6は、互いに同心な円筒状をなし、ランフラット時の操縦安定性を良好に保つために、好ましくはタイヤ接地巾WTの40〜65%の巾W1を有して形成される。なお前記「タイヤ接地巾WT」とは、タイヤ内腔内に前記正規内圧を充填しかつ前記正規荷重を付加した前記正規状態Q(図6に示す)において、平面に接地したときのトレッド接地端間のタイヤ軸方向の巾を意味する。又内外のリング体5、6のタイヤ半径方向の厚さは、特に規制されないが、必要な剛性、強度を得るために、好ましくは2.5〜6.0mm、特に好ましくは3.0〜5.0mmとするのが良い。
【0024】
又前記内のリング体5は、その内径が前記サポートリング取付面4gの外径Dgよりも僅かに小に設定され、これにより、サポートリング1は、サポートリング取付面4gに締まりばめされる。なお前記内のリング体5には、例えば芳香族ポリアミド、グラスファイバー、スチールなどの補強コードを配列したコードプライ(図示省略)を埋設し、これによって周方向剛性を高め、サポートリング取付面4gからの容易な外れ落ちを防止することが好ましい。又内のリング体5の内周面には、本例では、前記凹溝4hに嵌入してタイヤ軸方向の位置ズレを防ぐ環状の突条5cを形成したものを例示している。
【0025】
次に、前記荷重支持部7は、図2、3に示すように、内外のリング体5、6間を連結する支持壁部8からなり、この支持壁部8は、互いに小間隔を有して隣り合う接触支持壁部9A、9Bの対9を含んで構成される。
【0026】
本例では、前記支持壁部8が、接触支持壁部9A、9Bの複数の対9から形成される場合を例示しており、各対9は、タイヤ軸芯を中心とした等角度ピッチα(図2に示す)で周方向に配置される。又各対9をなす前記接触支持壁部9A、9Bは、本例では、前記リング体5、6の一側端e1側から他側端e2側までタイヤ軸方向に沿って延在する、即ち接触支持壁部9A、9Bのタイヤ軸方向線に対する角度β(図3に示す)を0°とした場合を例示している。
【0027】
又前記接触支持壁部9A、9Bは、図4にその断面を拡大して示すように、前記内のリング体5との連結部Eiから、外のリング体6との連結部Eoまで、湾曲してのびる例えばC字状、く字状等の基体10を具える。この基体10は、その中央部Emを、前記連結部Ei、Eoを通る基準線Xよりも向き合う側(接触支持壁部9A、9Bが互いに向き合う側)に突出させて配される。なお本例では、前記基体10が、内の連結部Eiから外の連結部Eoまで円弧状に滑らかに湾曲してのびる場合を例示しているが、一部に直線部分を含ませることもできる。
【0028】
このような接触支持壁部9A、9Bは、前記中央部Emが基準線Xよりも向き合う側に変位しているため、外のリング体6への荷重Fに対して、柔軟に曲げ変形することができ、従来的な圧縮変形の場合に比して低いバネ定数を呈することができる。又この曲げ変形の増大、即ち荷重Fの増大につれ、前記基準線Xからの中央部Emの突出量がしだいに増し、やがて向き合う中央部Em、Emが互いに接触する。この接触状態では、それ以後の曲げ変形が抑えられるため、高いバネ定数を呈することができるとともに座屈変形への移行を阻止しうる。なお便宜上、接触までの低いバネ定数を第1のバネ定数K1、接触以後の高いバネ定数を第2のバネ定数K2という場合がある。
【0029】
ここで、前記中央部Emの内向き面が、互いに接触する接触面Sを構成する。本例では、隣り合う接触支持壁部9A、9Bの各接触面Sが、向き合う側に向かって凸る円弧状の凸曲面S1で形成された場合を例示しており、係る場合には各接触面Sは点接触することができる。なお図5(A)に示すように、各接触面Sを直平面S2で形成することもできる。係る場合には、各接触面Sが面接触するため、一方,他方の接触面Sが位置ズレして接触状態が不安定化するのを防止でき、前記曲げ変形の抑制効果を確実なものとすることができる。又図5(B)に示すように、一方の接触面Sを凸曲面S1で、他方の接触面Sを凹曲面S3で形成することもできる。係る場合には、各接触面S1、S3が互いに嵌合しうるため、位置ズレによる接触状態の不安定化をさらに防止することができ、曲げ変形の抑制効果をより確実に発揮させることができる。なお要求により、凸曲面S1と直平面S2との組合せを採用することもできる。
【0030】
又サポートリング1では、前記基準線Xを、内の連結部Eiを通る半径方向線と一致させる、即ち基準線Xを半径方向線とすることが好ましい。これにより、曲げ変形に伴う中央部Emの突出量の変化をより大きくすることができ、接触面S、Sが互いに接触するまでのサポートリングの縦撓み量をより大きく設定することができる。
【0031】
ここで、前記荷重支持部7は、前記正規状態Q(図6に示す)において、前記外のリング体6が、その外周面と前記トレッド部2aの内面との間に間隙Gを保つ高さを有することが必要である。これにより、少なくとも平滑路面での正常内圧走行時において、サポートリング1の底付きを防止する。そのために前記間隙Gを非荷重状態における前記サポートリング取付面4gからのタイヤ内腔高さThの15%以上確保するのが好ましい。又前記間隙Gは、高さThの50%以下が好ましく、これを越えると、ランフラット時のタイヤ半径が過小となって他の3本のタイヤとのバランスを損ねるなど、操縦安定性の低下を招く。
【0032】
これに対して、ランフラット時には、トレッド部2aが外のリング体6に当接するため、前記荷重支持部7は、トレッド部2aに押圧されて変形する。このとき、前記接触支持壁部9A、9Bは、座屈に先立ち曲げ変形し、隣り合う接触面S、S同士で互いに接触する。従って、接触以後は、高い第2のバネ定数K2によって、継続的に負荷されるランフラット時の高荷重を座屈変形を生じることなく確実に支持でき、耐久性を損ねることなく優れたランフラット性能を発揮しうる。
【0033】
又路面段差を乗り越す際など、正常内圧走行時に衝撃的な荷重が作用した場合には底付きが発生する。しかし、この底付き時に作用するサポートリング1への荷重は比較的小であるため、サポートリング1は、低い第1のバネ定数K1で柔軟に変形して衝撃を緩和することができ、乗り心地性を向上させることができる。
【0034】
このために、前記接触支持壁部9A、9Bは、内圧0かつ前記正規荷重の80%〜125%の荷重を付加した状態で前記接触面S、Sが接触する、言い換えると、内圧0において接触面が接触を開始する荷重(接触荷重)を前記正規荷重の80%〜125%の範囲とするのが好ましい。なお、前記接触荷重が正規荷重の80%未満の場合には、正常内圧走行時において強い底付きを生じた際、第2のバネ定数K2が機能してしまう恐れが生じるなど、底付き時における衝撃緩和効果が十分に期待できなくなる。又接触荷重が正規荷重の125%を越える場合には、接触支持壁部9A、9Bの座屈変形を十分に抑制することが難しくなり、ランフラットの耐久性を減じる恐れを招く。そのために、前記内圧0における接触荷重は、正規荷重の90%〜115%の範囲とするのがさらに好ましい。
【0035】
このような接触荷重は、前記無負荷状態における接触面S、S間の間隔、接触支持壁部9A、9Bの断面形状、サイズ及び材質等を適宜選定することにより前記範囲に設定することができる。
【0036】
又前記乗り心地性とランフラット性能との観点から、前記第1、第2のバネ定数K1、K2は、その比K2/K1が、0.7以上1.0未満、さらには0.8以上0.95未満であるのが好ましい。
【0037】
次に、図7〜9に、前記荷重支持部7の他の実施例を示す。図7、8において、荷重支持部7は、前記接触支持壁部9A、9Bの対9と、曲げ変形せずに圧縮変形する従来的な板状の支持壁部20とから形成される。図7では、支持壁部20は基準線Xに沿って半径方向のび、前記対9とは一定比率(例えば1:1等)で均一に配置している。又図8では、前記支持壁部20は、サポートリング1の一側縁側或いは中央部を通ってタイヤ周方向に連続してのび、各対9を周方向に連結することにより、周方向剛性を高めている。
【0038】
又図9には、タイヤ周方向に連続してのびる前記接触支持壁部9A、9Bの対9によって、前記荷重支持部7が形成される場合を例示しており、このとき対9は、2列以上の複数列で形成することができる。係る場合には、サポートリング1は、その子午断面と一致する断面形状を有する長尺な成形体を、例えば押出成形或いは引き抜き成形等によって形成した後、この成形体を周方向に一周巻きしかつその端面を接合することにより形成できる。
【0039】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0040】
【実施例】
サポートリングを表1の仕様に基づき試作するとともに、底付き時の乗り心地性、ランフラット時の耐久性等をテストした。なおタイヤサイズは、225−680R460Aであり、ホイールサイズは225×460A、サポートリングサイズは80−460(45)である。なお「80」はサポートリングの呼称巾(mm)、「460」は呼称径(mm)、「45」はタイヤ半径方向の高さ(mm)である。またサポートリングは、図2の基本形状を有し、本例ではポリウレタン樹脂で成形したものを用いた。
【0041】
<底付き時の乗り心地性>
タイヤ組立体を、内圧(230kPa)にて国産乗用車(2000cc)の前輪に装着し、速度10km/hで高さ80mmの段差を有する路肩に乗り上げるテストを5回づつ行い、そのときの乗り心地性をドライバーの官能により10点法で評価した。評価は平均値であり、数値が大きいほど衝撃が少なく乗り心地に優れることを示す。
【0042】
<ランフラット時の耐久性>
前記車両の右前輪において、空気バルブを取り除いて内圧を0kPaとし、速度80km/hで楕円の周回テストコースを左旋回走行し、200kmを走行後、サポートリングの損傷度をチェックした。結果は、従来例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。テストの結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2005001424
【0044】
テストの結果、実施例のものは、従来例と比べると、サポートリングの底付き時の衝撃緩和能力に優れていることが確認できる。また実施例では、ランフラット時においても従来例と同等の性能を発揮していることが確認できる。図10には、横軸に荷重指数(タイヤ組立体に作用する半径方向の荷重を正規荷重で除した値)、縦軸にサポートリングの半径方向のたわみ(%)をとったグラフを示している。図10から明らかなように、実施例のものは、半径方向のバネ定数(半径方向荷重/半径方向の変形量)が夫々、正規荷重の90%、101%及び123%で変化しているが、従来例のものは、実質的に一定のバネ定数となっている。このため、サポートリングの底付き時の乗り心地性が悪いか、或いは耐久性に劣るものとなっている。
【0045】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、荷重支持部を、互いに隣り合う支持壁部で形成し、該荷重支持部が変形するに際して、隣り合う支持壁部が曲げ変形して互いに接触しうる如く構成している。従って、支持壁部間が接触するまでの比較的小さな荷重(例えば底付き時の荷重)に対しては低い第1のバネ定数で柔軟に変形でき、正常内圧走行時における乗り心地性を向上させうる。又接触してからの大きな荷重(ランフラット時の荷重)に対しては、高い第2のバネ定数で荷重を確実に支持でき、座屈を防止し、耐久性を損ねることなく優れたランフラット性能を発揮しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサポートリングを装着したタイヤ組立体の一実施例を内圧を充填した状態で示す子午断面図である。
【図2】サポートリングの全体斜視図である。
【図3】サポートリングを半径方向外方から見た展開図である。
【図4】接触支持壁部の長さ方向と直角な向きで示すサポートリングの拡大断面図である。
【図5】(A)、(B)は、接触支持壁部の他の実施例を示す断面図である。
【図6】タイヤ組立体の正規状態における子午断面図である。
【図7】荷重支持部の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】荷重支持部のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図9】荷重支持部のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図10】荷重と半径方向の撓みとの関係を示すグラフである。
【図11】(A)、(B)は、従来のタイヤ組立体を説明する図面である。
【符号の説明】
1 サポートリング
2 タイヤ
2a トレッド部
4 リム
5 内のリング体
6 外のリング体
7 荷重支持部
8 支持壁部
9A 接触支持壁部
S 接触面
S1 凸曲面
S2 直平面
S3 凹曲面

Claims (5)

  1. リム組みされたタイヤからなるタイヤ組立体の前記タイヤとリムとが囲むタイヤ内腔内に配設され、内圧低下時にタイヤのトレッド部の内面と当接して荷重を支承するサポートリングであって、
    前記リムに装着される内のリング体と、前記トレッド部の側の外のリング体と、この内外のリング体を継ぐ支持壁部を有する荷重支持部とを具えるとともに、
    前記荷重支持部は、タイヤ内腔内に正規内圧を充填しかつ正規荷重を付加した正規状態において、前記外のリング体が、その外周面と前記トレッド部の内面との間に間隙Gを保つ高さを有し、
    しかも前記荷重支持部は、内圧低下に伴い半径方向内方に移動する前記トレッド部に押圧されて変形するに際して、前記支持壁部は、座屈するに先立ち曲げ変形して隣り合う支持壁部と接触する接触面を形成しうる接触支持壁部を含むことを特徴とするタイヤ用のサポートリング。
  2. 前記接触支持壁部は、内圧0かつ前記正規荷重の80%〜125%の荷重を付加した状態で、前記接触面が接触することを特徴とする請求項1記載のタイヤ用のサポートリング。
  3. 前記接触支持壁部は、内圧0かつ前記正規荷重の90%〜115%の荷重を付加した状態で、前記接触面が接触することを特徴とする請求項1記載のタイヤ用のサポートリング。
  4. 前記隣合う支持壁部は、向き合う前記接触面が、凸曲面と凸曲、直平面と直平面、凸曲面と直平面、又は凸曲面と凹曲面の組合せであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤのサポートリング。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のサポートリングを装着したことを特徴とするタイヤ組立体。
JP2003164250A 2003-06-09 2003-06-09 タイヤ用のサポートリング及びそれを用いたタイヤ組立体 Pending JP2005001424A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103448486A (zh) * 2013-09-08 2013-12-18 包头市塞北机械设备有限责任公司 安全车轮
WO2021124936A1 (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 ソニーグループ株式会社 衝撃吸収部材、非空気圧タイヤ及びシートクッション

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