JP2005001164A - ポリエステル樹脂製ボトルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れたポリエステル樹脂製ボトルの製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜90℃の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを130〜160℃の延伸温度に加熱し、140〜200℃に加熱した金型内で吹込み成形するか、または延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜90の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを100〜150℃の延伸温度に加熱し、80〜120℃に加熱した金型内で吹込み成形する。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜90℃の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを130〜160℃の延伸温度に加熱し、140〜200℃に加熱した金型内で吹込み成形するか、または延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜90の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを100〜150℃の延伸温度に加熱し、80〜120℃に加熱した金型内で吹込み成形する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂製ボトルの製造方法に関し、さらに詳しくは耐熱性に優れたリエステル樹脂製ボトルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0003】
これらのうちでポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリアー性に優れているので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器の素材として好適である。また、特に日本において嗜好される果汁系、お茶、スポーツ飲料は飲料を熱殺菌しボトルに充填する。このときにボトルの耐熱性が優れていなければ、ボトルが変形、収縮、膨張するなどの問題が生じる可能性があるため、このような用途に用いられるボトルに耐熱性が求められる。
【0004】
ところで、ポリエステル樹脂からなるボトルは、口部および底部を有する非晶質のボトル形成用プリフォームを溶融成形し、次いでこのプリフォームを軸方向および周方向に延伸成形することにより製造される。耐熱性が要求されるポリエステル製ボトルの製造においては、延伸成形工程でヒートセットを行い、ボトルの結晶化度を高め、耐熱性を付与することが一般的に行われている。
【0005】
ところが、従来のヒートセットを行った場合、ボトルを金型から取り出す際、ボトルが収縮しやすいという問題を抱えていた。そのため、ボトルを金型から取り出す前に、ボトル内を冷却エアにより冷却し取り出す方法が採用されていた。したがって、耐熱ボトルを成形するためにはヒートセット時間と冷却時間が律速となり、ヒートセットを必要としない炭酸飲料等のボトル生産速度に比較して約50%の生産速度と非常に低いのが現状であり、生産速度の向上が求められている。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、耐熱性に優れたポリエステル樹脂製ボトルの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
また、本発明は、耐熱性に優れたポリエステル樹脂製ボトルを高い生産速度で製造する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る第1のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜80℃の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを130〜160℃の延伸温度に加熱し、140〜200℃に加熱した金型内で吹込み成形することを特徴としている。
【0009】
本発明に係る第2のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜80の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを100〜150℃の延伸温度に加熱し、80〜140℃に加熱した金型内で吹込み成形することを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリエステル樹脂製ボトルの製造方法について具体的に説明する。
【0011】
(ボトルの製造方法)
ポリエステル樹脂製ボトルを製造するには、通常後述するポリエステル樹脂を、口部を有する非晶質のボトル形成用プリフォームに溶融成形し、このボトル形成用プリフォームを加熱した後、軸方向および周方向に延伸成形すると共に、延伸成形胴部をヒートセットする。この際、必要に応じてボトル形成用プリフォームの口部を選択的に熱処理して口部のみを結晶化させる。
【0012】
ボトル形成用プリフォームの成形は、射出成形または押出成形で行うことができる。射出成形においては、ポリエステル樹脂を射出金型中に溶融射出する。射出機としては、射出プランジャーまたはスクリューを備えた従来公知のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記混合物を射出型中に射出する。これにより、ポリエステル樹脂は射出型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用の非晶質状態のボトル形成用プリフォームとなる。射出型としては、容器形状に対応するキャビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型またはマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度は250〜310℃、圧力は10〜250MPa程度が好ましい。
【0013】
容器の口部の熱結晶化は、ボトル形成用プリフォームの状態で延伸成形に先立って行うこともできるし、延伸成形後に容器口部の状態で行うこともできる。射出成形によりボトル形成用プリフォームを成形する場合には、成形後得られる非晶質プリフォームを、口部のみを選択的に加熱して口部の熱結晶化を行い、次いで口部が熱結晶化したボトル形成用プリフォームを延伸およびヒートセットに付することが好ましい。口部の熱結晶化は、一般に100〜220℃の温度で行うことができる。口部加熱には、口部のみが選択的に加熱されるように、必要により口部とそれ以外の部分とに断熱手段を設けて、赤外線加熱、熱風加熱、誘導加熱等の従来公知の加熱手段により加熱する。この加熱により、口部のポリエステル樹脂は高度に熱結晶化し、その剛性および耐熱性は顕著に向上する。また、結晶化に伴って、白化も生じる。
【0014】
ボトルの成形は、このボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱した後、軸方向および周方向に延伸成形すると共に、延伸成形胴部をヒートセットする延伸成形工程により行われる。ここでは、製造した後、一旦室温程度の温度に冷却したボトル形成用プリフォームが用いられる。
【0015】
延伸成形は、一軸延伸でも二軸延伸でもよい。延伸成形は、例えば延伸温度に加熱したボトル形成用プリフォームをブロー成形金型内で軸方向に引っ張り延伸すると共に、流体吹き込みにより周方向に膨張延伸する。延伸倍率は、軸方向の延伸倍率が通常1.0〜5.0倍、好ましくは1.5〜4.0倍、周方向の延伸倍率が通常1.5〜4.0倍、好ましくは2.0〜3.0倍である。
【0016】
ヒートセットは、加熱されたブロー成形金型の金型表面と、成形された容器とが接触して行われる。この際ボトル内に高温のガスを吹き込んで、ヒートセットを短時間で行うようにすることもできる。このヒートセットにより、延伸成形物中の残留応力が有効に緩和され、配向結晶化が有効に進行する。
【0017】
ヒートセットされた容器は、保形性が維持される温度まで冷却した後、金型外に取り出される。
【0018】
本発明に係る第1のボトルの製造方法では、上述したようなボトルの製造方法において延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを予熱する。プリフォームの予熱温度は、通常50℃〜80℃、好ましくは60℃〜80℃、さらに好ましくは70℃〜80℃である。
【0019】
また、延伸成形工程におけるボトル形成用プリフォームの加熱温度は130℃〜160℃、好ましくは130℃〜150℃、より好ましくは130〜140℃であり、ブロー金型温度を140℃〜200℃、好ましくは140℃〜180℃、より好ましくは140℃〜160℃としてヒートセットする。
【0020】
このことにより、ヒートセット時間を短縮することが出来、生産速度を従来に比較して向上させることが出来る。
【0021】
このような方法により製造されたポリエステル樹脂製ボトルは、100℃以上の飲料を充填しても十分耐えうる耐熱性を有している。例えば、100℃の沸騰水を充填しても、ボトル胴部、肩部の変形がほとんどない。
【0022】
本発明に係る第1のボトルの製造方法は従来のボトルの製造方法に比較して耐熱性の向上が可能である。この方法で成形したボトルは、例えば高い充填温度を必要とする調味料、飲料等の容器として最適である。
【0023】
本発明に係る第2のボトルの製造方法では、延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを予熱する。プリフォームの予熱温度は、通常50℃〜90℃、好ましくは60℃〜90℃、さらに好ましくは70℃〜90℃である。
【0024】
また、延伸成形工程におけるボトル形成用プリフォームの加熱温度は100℃〜150℃、好ましくは110℃〜140℃、より好ましくは120℃〜130℃であり、ブロー金型温度を80℃〜140℃、好ましくは85℃〜130℃、より好ましくは90℃〜120℃としてヒートセットする。
【0025】
本発明によれば、ブロー金型内の冷却時間を短縮することができ、耐熱性を有するポリエステル樹脂製ボトルの生産速度を向上でき、例えば延伸成形工程における生産速度を1000本/型/時以上とすることができる。
【0026】
このような方法により製造されたポリエステル樹脂製ボトルは、87℃以上の飲料を充填しても十分耐えうる耐熱性を有している。例えば、87℃の水を充填しても、ボトル胴部、肩部の変形および体積変化がほとんどない。
【0027】
本発明に係る第1および第2のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法により製造されたポリエステル樹脂製ボトルは、果汁系、お茶系、スポーツ系飲料のように熱殺菌を必要とする飲料用ボトルとして好適に使用することができる。
【0028】
(ポリエステル樹脂)
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを原料として製造される。好ましくは芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを原料として重合されたポリエステル樹脂である。
【0029】
芳香族ジカルボン酸として具体的には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などが挙げられる。
【0030】
脂肪族ジオールとして具体的には、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどが挙げられる。
【0031】
本発明では、芳香族ジカルボン酸とともに、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料として使用することができ、脂肪族ジオールとともに、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフエノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族ジオールなどを原料として使用することができる。
【0032】
また本発明では、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料として使用することができる。
【0033】
ポリエステル樹脂は、上記したような芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体等を用い従来公知の方法で製造することができる。
【0034】
本発明で用いられるポリエステル樹脂の固有粘度はボトルを形成することができる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.50dl/g以上、より好ましくは0.50〜1.50dl/gの範囲である。また、密度は、好ましくは1.37g/cm3以上、より好ましくは1.37〜1.44g/cm3である。
【0035】
固有粘度は、ポリエステル樹脂0.5gをテトラクロロエタン/フェノール=50/50(wt/wt)混合溶液100cc中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算出される。ポリエステル樹脂の密度は、四塩化炭素およびヘプタンの混合溶媒を用いた密度勾配管により、23℃の温度で測定される。
【0036】
本発明に係るポリエステル製ボトルの製造方法において好適に用いられるポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、および下記共重合ポリエステル樹脂(1)〜(7)が挙げられる。これらのなかでは、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂が特に好ましい。以下に各樹脂についてより具体的に説明する。
【0037】
(ポリエチレンテレフタレート樹脂)
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸と、エチレングリコールとを原料として製造されるが、このポリエチレンテレフタレート樹脂には20モル%以下の他のジカルボン酸および/または他のジオール化合物が共重合されていてもよい。
【0038】
テレフタル酸以外に共重合に用いられるジカルボン酸として具体的には、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0039】
エチレングリコール以外に共重合に用いられるジオール化合物として具体的には、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール;ビスフェノール類;ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。
【0040】
このようなポリエチレンテレフタレート樹脂は、エチレンテレフタレート成分単位単独で、あるいは該エチレンテレフタレート成分単位およびジオキシエチレンテレフタレート成分単位がランダムに配列してエステル結合を形成することにより実質上線状のポリエステルを形成している。該ポリエチレンテレフタレート樹脂が実質上の線状であることは、該ポリエチレンテレフタレート樹脂がo−クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0041】
(ポリエチレンナフタレート樹脂)
ポリエチレンナフタレート樹脂は、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとから導かれるエチレン−2,6−ナフタレート単位を60モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上の量で含んでいることが望ましいが、エチレン−2,6−ナフタレート以外の構成単位を40モル%未満の量で含んでいてもよい。
【0042】
エチレン−2,6−ナフタレート以外の構成単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジブロムテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸と、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、p,p−ジフェノキシスルホン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(p−β−ヒドロキシエトキシフェノール)プロパン、ポリアルキレングリコール、p−フェニレンビス(ジメチルシロキサン)、グリセリンなどとから導かれる構成単位が挙げられる。
【0043】
また、ポリエチレンナフタレート樹脂は、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から導かれる構成単位を少量たとえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0044】
さらにポリエチレンナフタレート樹脂は、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコールなどの単官能化合物から導かれる構成単位を少量たとえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0045】
このようなポリエチレンナフタレート樹脂は、実質上線状であり、このことは該ポリエチレンナフタレート樹脂がo−クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0046】
(共重合ポリエステル樹脂(1))
共重合ポリエステル樹脂(1)は、テレフタル酸成分単位およびイソフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0047】
この共重合ポリエステル樹脂(1)を構成するジカルボン酸構成単位は、テレフタル酸成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、イソフタル酸成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0048】
共重合ポリエステル樹脂(1)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸およびイソフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(1)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0049】
また、本発明に係る共重合ポリエステル樹脂(1)では、ジオール化合としてエチレングリコール以外に、得られる共量合ポリエステル樹脂(1)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)べンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0050】
(共重合ポリエステル樹脂(2))
共重合ポリエステル樹脂(2)は、テレフタル酸成分単位および2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0051】
この共重合ポリエステル樹脂(2)を構成するジカルボン酸構成単位は、テレフタル酸成分単位が80〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位が0.5〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0052】
共重合ポリエステル樹脂(2)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(2)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸などが挙げられる。
【0053】
また、共重合ポリエステル樹脂(2)では、ジオール化合物として上記エチレングリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(2)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の畳で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0054】
(共重合ポリエステル樹脂(3))
共重合ポリエステル樹脂(3)は、テレフタル酸成分単位およびアジピン酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0055】
この共重合ポリエステル樹脂(3)を構成するジカルボン酸構成単位は、テレフタル酸成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、アジピン酸成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0056】
共重合ポリエステル樹脂(3)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸およびアジピン酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(3)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0057】
また、共重合ポリエステル樹脂(3)では、ジオール化合物としてエチレングリコール以外に、得られる共軍合ポリエステル樹脂(3)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0058】
(共重合ポリエステル樹脂(4))
共重合ポリエステル樹脂(4)は、テレフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位およびジエチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0059】
この共重合ポリエステル樹脂(4)を構成するジオール化合物構成単位は、エチレングリコール成分単位が93〜98モル%、好ましくは95〜98モル%の量で、また、ジエチレングリコール成分単位が2〜7モル%、好ましくは2〜5モル%の量で存在していることが望ましい。
【0060】
共重合ポリエステル樹脂(4)では、ジカルボン酸成分として上記テレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(4)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0061】
また、共重合ポリエステル樹脂(4)では、ジオール化合物として上記のようなエチレングリコールおよびジエチレングリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(4)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロバンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)べンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が用いられる。
【0062】
(共重合ポリエステル樹脂(5))
共重合ポリエステル樹脂(5)は、テレフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位およびネオペンチルグリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0063】
この共重合ポリエステル樹脂(5)を構成するジオール化合物構成単位は、エチレングリコール成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、ネオペンチルグリコール成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0064】
共重合ポリエステル樹脂(5)では、ジカルボン酸成分として上記テレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(5)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0065】
また、共重合ポリエステル樹脂(5)では、ジオール化合物として上記のようなエチレングリコールおよびネオペンチルグリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(5)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0066】
(共重合ポリエステル樹脂(6))
共重合ポリエステル樹脂(6)は、テレフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位およびシクロヘキサンジメタノール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0067】
この共重合ポリエステル樹脂(6)を構成するジオール化合物構成単位は、エチレングリコール成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、シクロヘキサンジメタノール成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0068】
共重合ポリエステル樹脂(6)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(6)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0069】
また、共重合ポリエステル樹脂(6)では、ジオール化合物として上記のようなエチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(6)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が用いられる。
【0070】
(共重合ポリエステル樹脂(7))
共重合ポリエステル樹脂(7)は、ジカルボン酸構成単位と、ジオール化合物構成単位と、少なくとも3個のヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物構成単位とから形成されている。
【0071】
この共重合ポリエステル樹脂(7)を構成するジカルボン酸構成単位は、イソフタル酸成分単位が20〜100モル%、好ましくは50〜98モル%の量で、また、テレフタル酸成分単位が0〜80モル%、好ましくは0.5〜50モル%の量で存在していることが望ましい。
【0072】
また、ジオール化合物構成単位は、ジヒドロキシエトキシレゾール成分単位が5〜90モル%、好ましくは10〜85モル%の量で、また、エチレングリコール成分単位が10〜95モル%、好ましくは15〜90モル%の量で存在していることが望ましい。
【0073】
この共重合ポリエステル樹脂(7)には、少なくとも3個のヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物構成単位が存在している。この多官能ヒドロキシ化合物構成単位は、ジカルボン酸成分単位100モル部に対して0.05〜1.0モル部、好ましくは0.1〜0.5モル部の量で存在していることが望ましい。このような多官能ヒドロキシ化合物構成単位は、例えば、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの化合物から誘導されるが、このうちではトリメチロールプロパンが好ましい。
【0074】
共重合ポリエステル樹脂(7)では、ジカルボン酸成分として上記のようなイソフタル酸およびテレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(7)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0075】
また、共重合ポリエステル樹脂(7)では、ジオール化合物として上記のようなジヒドロキシエトキシレゾールおよびエチレングリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(7)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロバン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が用いられる。
【0076】
上記のようなポリエステル樹脂には、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、無機充填剤、顔料分散剤、顔料あるいは染料などの各種配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明に係る第1のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、従来のボトルの製造方法に比較して耐熱性の向上したボトルの製造が可能である。この方法により成形したボトルは、例えば高い充填温度を必要とする調味料、飲料等の容器として最適である。
【0078】
本発明に係る第2のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ブロー金型内の冷却時間を短縮することにより、耐熱性を有するポリエステル製ボトルの生産速度を向上できる。
【0079】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0080】
(ポリエチレンテレフタレートの製造)
定常運転時に33,500重量部の反応液が停留する反応器に、高純度テレフタル酸とエチレングリコールとを混合して調整されたスラリーを連続的に供給し、攪拌下、窒素雰囲気で、260℃、0.9kg/cm2−G(0.09MPa)の条件下でエステル化反応を行った。高純度テレフタル酸とエチレングリコールとをそれぞれ6,458重量部/時、2,615重量部/時の割合で混合することにより調整した。エステル化反応では、水とエチレングリコールとの混合液が留去された。エステル化反応物(低次縮合物)は、平均滞留時間が3.5時間となるように制御して連続的に系外に抜き出した。上記で得られたエチレングリコールとテレフタル酸との低次重縮合物の数平均分子量は600〜1,300(3〜5量体)であった。
【0081】
こうして得られた低次縮合物に、ゲルマニウム触媒溶液を添加し285℃、1Torr(0.1kPa)の条件で液相重縮合反応を行った。得られた非晶質のポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.55dl/gに達するまでに要した時間は50分であった。
【0082】
さらにこのポリエチレンテレフタレートをペレット形状のまま、210℃、循環窒素ガスの存在下で固相重縮合を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.76d1/gであった。
【0083】
得られたポリエチレンテレフタレートは、除湿エア乾燥機を用いて170℃、4時間乾燥した。乾燥後の樹脂中の水分量は40ppm以下であった。
【0084】
【実施例1】
(プリフォームの成形)
乾燥したポリエチレンテレフタレートを、Husky社製射出成形機を用いて、シリンダー設定温度285〜290℃、成形サイクル22秒前後で成形しプリフォーム(口径:28mm、重量:32g)を得た。
【0085】
(ボトルの成形)
得られたプリフォームをエアオープン内で80℃になるまで予熱した。
【0086】
予熱されたプリフォームをSidel社製ブロー成形機に投入し、プリフォーム温度が130℃になるまで赤外線ヒーターにより加熱し、ブロー成形を行い、ボトルを成形した(内容量:0.5リットル、胴部の平均肉厚:0.35mm)。このときの金型温度は140℃であった。得られたボトルの耐熱性を測定した結果を表1に示す。
【0087】
[ボトル耐熱性の測定法]
ボトルを40℃、相対湿度90%のオープンに一週間保存する。保存後、ボトルに100℃の沸騰水を充填し、キャップにより密栓する。ボトルを15秒間横倒しにした後倒立させる。4分45秒放置した後、水をボトルに30分間接触させボトル内容物を室温まで冷却する。その後ボトル内容物を排出し、ボトル胴部ならびに肩部の変形を確認する。胴部ならびに肩部の変形がない場合は合格とした。
【0088】
【実施例2】
ブロー金型温度を110℃にした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。得られたボトルの耐熱性は実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0089】
【比較例1】
予熱温度30℃、プリフォーム加熱温度115℃、ブロー金型温度140℃にした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。ボトル耐熱性は実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0090】
【比較例2】
プリフォーム加熱温度を115℃とした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。ボトル耐熱性は実施例1と同様の方法で成形した。結果を表1に示す。
【0091】
【比較例3】
プリフォーム予熱温度を80℃、プリフォーム加熱温度を130℃、ブロー金型温度を110℃にした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。ボトル耐熱性は実施例1と同様の方法で成形した。結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【実施例3】
(プリフォームの成形)
固有粘度が0.76dl/g、昇温結晶化温度が160℃のポリエチレンテレフタレートのペレットを、除湿エア乾燥機を用いて170℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレートを、Husky社製射出成形機を用いて、285〜290℃の成形温度でプリフォーム(口径:28mm、重量:32g)を成形した。得られたプリフォームの口栓部を赤外線ヒーターで加熱し結晶化を行った。
【0094】
(ボトルの成形)
口栓部を結晶化したプリフォームを90℃のオーブンに入れ予熱した。
【0095】
予熱されたプリフォームをCorpoplast社製ブロー成形機に投入し130℃になるまで赤外線ヒーターで加熱し、ブロー成形機の金型内に搬送、ストレッチロッドにより軸方向に延伸し、直ちに高圧空気を吹き込んで、ボトルを成形した(内容量:0.5リットル、胴部の平均肉厚:0.35mm)。この際、予めブロー金型を90℃に加熱しておき、ワンモールド法により熱固定を行った。このときのボトル生産速度は1000本/型/時であった。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルの耐熱性の測定結果を表1に示す。
【0096】
[ボトル耐熱性の測定法]
ボトルを水で満たし満注量(I)を測定する。
【0097】
次にボトルを40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に入れ一週間保存する。保存後のボトルに87℃の熱水を充填し、キャップにより密栓する。
【0098】
ボトルを15秒間横倒しにした後、倒立させ4分45秒間放置する。ボトルに水を接触させボトル内容物を室温まで冷却する。ボトル内容物を排出し、ボトル胴部ならびに肩部の変形を確認する。さらに、水でボトルの満注量(II)を測定する。ボトルの満注量(I)(II)から入れ目変化率を算出する。
【0099】
入り目変化率(%)=(I−II)/I×100
ボトル胴部ならびに肩部の変形がなく、入れ目変化率が2%以下である場合を合格とした。
【0100】
【実施例4】
ブロー金型温度を110℃にした以外は実施例3と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。得られたボトルの耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0101】
【比較例4】
プリフォームの予熱温度を30℃にした以外は実施例3と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。得られたボトルの耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0102】
【比較例5】
プリフォーム予熱温度30℃、プリフォーム加熱温度110℃、ブロー金型温度135℃、ボトル生産速度800本/型/時にて成形した。ボトル耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0103】
【比較例6】
ボトル生産速度1000本/型/時にし、それ以外は比較例5と同様にポリエステル製ボトルを成形した。ボトル耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0104】
【表2】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂製ボトルの製造方法に関し、さらに詳しくは耐熱性に優れたリエステル樹脂製ボトルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、調味料、油、飲料、化粧品、洗剤などの容器の素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々の樹脂が採用されている。
【0003】
これらのうちでポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリアー性に優れているので、特にジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器の素材として好適である。また、特に日本において嗜好される果汁系、お茶、スポーツ飲料は飲料を熱殺菌しボトルに充填する。このときにボトルの耐熱性が優れていなければ、ボトルが変形、収縮、膨張するなどの問題が生じる可能性があるため、このような用途に用いられるボトルに耐熱性が求められる。
【0004】
ところで、ポリエステル樹脂からなるボトルは、口部および底部を有する非晶質のボトル形成用プリフォームを溶融成形し、次いでこのプリフォームを軸方向および周方向に延伸成形することにより製造される。耐熱性が要求されるポリエステル製ボトルの製造においては、延伸成形工程でヒートセットを行い、ボトルの結晶化度を高め、耐熱性を付与することが一般的に行われている。
【0005】
ところが、従来のヒートセットを行った場合、ボトルを金型から取り出す際、ボトルが収縮しやすいという問題を抱えていた。そのため、ボトルを金型から取り出す前に、ボトル内を冷却エアにより冷却し取り出す方法が採用されていた。したがって、耐熱ボトルを成形するためにはヒートセット時間と冷却時間が律速となり、ヒートセットを必要としない炭酸飲料等のボトル生産速度に比較して約50%の生産速度と非常に低いのが現状であり、生産速度の向上が求められている。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、耐熱性に優れたポリエステル樹脂製ボトルの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
また、本発明は、耐熱性に優れたポリエステル樹脂製ボトルを高い生産速度で製造する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る第1のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜80℃の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを130〜160℃の延伸温度に加熱し、140〜200℃に加熱した金型内で吹込み成形することを特徴としている。
【0009】
本発明に係る第2のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜80の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを100〜150℃の延伸温度に加熱し、80〜140℃に加熱した金型内で吹込み成形することを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリエステル樹脂製ボトルの製造方法について具体的に説明する。
【0011】
(ボトルの製造方法)
ポリエステル樹脂製ボトルを製造するには、通常後述するポリエステル樹脂を、口部を有する非晶質のボトル形成用プリフォームに溶融成形し、このボトル形成用プリフォームを加熱した後、軸方向および周方向に延伸成形すると共に、延伸成形胴部をヒートセットする。この際、必要に応じてボトル形成用プリフォームの口部を選択的に熱処理して口部のみを結晶化させる。
【0012】
ボトル形成用プリフォームの成形は、射出成形または押出成形で行うことができる。射出成形においては、ポリエステル樹脂を射出金型中に溶融射出する。射出機としては、射出プランジャーまたはスクリューを備えた従来公知のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記混合物を射出型中に射出する。これにより、ポリエステル樹脂は射出型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用の非晶質状態のボトル形成用プリフォームとなる。射出型としては、容器形状に対応するキャビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型またはマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度は250〜310℃、圧力は10〜250MPa程度が好ましい。
【0013】
容器の口部の熱結晶化は、ボトル形成用プリフォームの状態で延伸成形に先立って行うこともできるし、延伸成形後に容器口部の状態で行うこともできる。射出成形によりボトル形成用プリフォームを成形する場合には、成形後得られる非晶質プリフォームを、口部のみを選択的に加熱して口部の熱結晶化を行い、次いで口部が熱結晶化したボトル形成用プリフォームを延伸およびヒートセットに付することが好ましい。口部の熱結晶化は、一般に100〜220℃の温度で行うことができる。口部加熱には、口部のみが選択的に加熱されるように、必要により口部とそれ以外の部分とに断熱手段を設けて、赤外線加熱、熱風加熱、誘導加熱等の従来公知の加熱手段により加熱する。この加熱により、口部のポリエステル樹脂は高度に熱結晶化し、その剛性および耐熱性は顕著に向上する。また、結晶化に伴って、白化も生じる。
【0014】
ボトルの成形は、このボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱した後、軸方向および周方向に延伸成形すると共に、延伸成形胴部をヒートセットする延伸成形工程により行われる。ここでは、製造した後、一旦室温程度の温度に冷却したボトル形成用プリフォームが用いられる。
【0015】
延伸成形は、一軸延伸でも二軸延伸でもよい。延伸成形は、例えば延伸温度に加熱したボトル形成用プリフォームをブロー成形金型内で軸方向に引っ張り延伸すると共に、流体吹き込みにより周方向に膨張延伸する。延伸倍率は、軸方向の延伸倍率が通常1.0〜5.0倍、好ましくは1.5〜4.0倍、周方向の延伸倍率が通常1.5〜4.0倍、好ましくは2.0〜3.0倍である。
【0016】
ヒートセットは、加熱されたブロー成形金型の金型表面と、成形された容器とが接触して行われる。この際ボトル内に高温のガスを吹き込んで、ヒートセットを短時間で行うようにすることもできる。このヒートセットにより、延伸成形物中の残留応力が有効に緩和され、配向結晶化が有効に進行する。
【0017】
ヒートセットされた容器は、保形性が維持される温度まで冷却した後、金型外に取り出される。
【0018】
本発明に係る第1のボトルの製造方法では、上述したようなボトルの製造方法において延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを予熱する。プリフォームの予熱温度は、通常50℃〜80℃、好ましくは60℃〜80℃、さらに好ましくは70℃〜80℃である。
【0019】
また、延伸成形工程におけるボトル形成用プリフォームの加熱温度は130℃〜160℃、好ましくは130℃〜150℃、より好ましくは130〜140℃であり、ブロー金型温度を140℃〜200℃、好ましくは140℃〜180℃、より好ましくは140℃〜160℃としてヒートセットする。
【0020】
このことにより、ヒートセット時間を短縮することが出来、生産速度を従来に比較して向上させることが出来る。
【0021】
このような方法により製造されたポリエステル樹脂製ボトルは、100℃以上の飲料を充填しても十分耐えうる耐熱性を有している。例えば、100℃の沸騰水を充填しても、ボトル胴部、肩部の変形がほとんどない。
【0022】
本発明に係る第1のボトルの製造方法は従来のボトルの製造方法に比較して耐熱性の向上が可能である。この方法で成形したボトルは、例えば高い充填温度を必要とする調味料、飲料等の容器として最適である。
【0023】
本発明に係る第2のボトルの製造方法では、延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを予熱する。プリフォームの予熱温度は、通常50℃〜90℃、好ましくは60℃〜90℃、さらに好ましくは70℃〜90℃である。
【0024】
また、延伸成形工程におけるボトル形成用プリフォームの加熱温度は100℃〜150℃、好ましくは110℃〜140℃、より好ましくは120℃〜130℃であり、ブロー金型温度を80℃〜140℃、好ましくは85℃〜130℃、より好ましくは90℃〜120℃としてヒートセットする。
【0025】
本発明によれば、ブロー金型内の冷却時間を短縮することができ、耐熱性を有するポリエステル樹脂製ボトルの生産速度を向上でき、例えば延伸成形工程における生産速度を1000本/型/時以上とすることができる。
【0026】
このような方法により製造されたポリエステル樹脂製ボトルは、87℃以上の飲料を充填しても十分耐えうる耐熱性を有している。例えば、87℃の水を充填しても、ボトル胴部、肩部の変形および体積変化がほとんどない。
【0027】
本発明に係る第1および第2のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法により製造されたポリエステル樹脂製ボトルは、果汁系、お茶系、スポーツ系飲料のように熱殺菌を必要とする飲料用ボトルとして好適に使用することができる。
【0028】
(ポリエステル樹脂)
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを原料として製造される。好ましくは芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを原料として重合されたポリエステル樹脂である。
【0029】
芳香族ジカルボン酸として具体的には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などが挙げられる。
【0030】
脂肪族ジオールとして具体的には、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどが挙げられる。
【0031】
本発明では、芳香族ジカルボン酸とともに、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料として使用することができ、脂肪族ジオールとともに、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフエノール、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン類、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族ジオールなどを原料として使用することができる。
【0032】
また本発明では、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物を原料として使用することができる。
【0033】
ポリエステル樹脂は、上記したような芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体等を用い従来公知の方法で製造することができる。
【0034】
本発明で用いられるポリエステル樹脂の固有粘度はボトルを形成することができる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.50dl/g以上、より好ましくは0.50〜1.50dl/gの範囲である。また、密度は、好ましくは1.37g/cm3以上、より好ましくは1.37〜1.44g/cm3である。
【0035】
固有粘度は、ポリエステル樹脂0.5gをテトラクロロエタン/フェノール=50/50(wt/wt)混合溶液100cc中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算出される。ポリエステル樹脂の密度は、四塩化炭素およびヘプタンの混合溶媒を用いた密度勾配管により、23℃の温度で測定される。
【0036】
本発明に係るポリエステル製ボトルの製造方法において好適に用いられるポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、および下記共重合ポリエステル樹脂(1)〜(7)が挙げられる。これらのなかでは、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂が特に好ましい。以下に各樹脂についてより具体的に説明する。
【0037】
(ポリエチレンテレフタレート樹脂)
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸と、エチレングリコールとを原料として製造されるが、このポリエチレンテレフタレート樹脂には20モル%以下の他のジカルボン酸および/または他のジオール化合物が共重合されていてもよい。
【0038】
テレフタル酸以外に共重合に用いられるジカルボン酸として具体的には、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0039】
エチレングリコール以外に共重合に用いられるジオール化合物として具体的には、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール;ビスフェノール類;ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。
【0040】
このようなポリエチレンテレフタレート樹脂は、エチレンテレフタレート成分単位単独で、あるいは該エチレンテレフタレート成分単位およびジオキシエチレンテレフタレート成分単位がランダムに配列してエステル結合を形成することにより実質上線状のポリエステルを形成している。該ポリエチレンテレフタレート樹脂が実質上の線状であることは、該ポリエチレンテレフタレート樹脂がo−クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0041】
(ポリエチレンナフタレート樹脂)
ポリエチレンナフタレート樹脂は、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとから導かれるエチレン−2,6−ナフタレート単位を60モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上の量で含んでいることが望ましいが、エチレン−2,6−ナフタレート以外の構成単位を40モル%未満の量で含んでいてもよい。
【0042】
エチレン−2,6−ナフタレート以外の構成単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジブロムテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸と、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、p,p−ジフェノキシスルホン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(p−β−ヒドロキシエトキシフェノール)プロパン、ポリアルキレングリコール、p−フェニレンビス(ジメチルシロキサン)、グリセリンなどとから導かれる構成単位が挙げられる。
【0043】
また、ポリエチレンナフタレート樹脂は、トリメシン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から導かれる構成単位を少量たとえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0044】
さらにポリエチレンナフタレート樹脂は、ベンゾイル安息香酸、ジフェニルスルホンモノカルボン酸、ステアリン酸、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコールなどの単官能化合物から導かれる構成単位を少量たとえば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0045】
このようなポリエチレンナフタレート樹脂は、実質上線状であり、このことは該ポリエチレンナフタレート樹脂がo−クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0046】
(共重合ポリエステル樹脂(1))
共重合ポリエステル樹脂(1)は、テレフタル酸成分単位およびイソフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0047】
この共重合ポリエステル樹脂(1)を構成するジカルボン酸構成単位は、テレフタル酸成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、イソフタル酸成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0048】
共重合ポリエステル樹脂(1)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸およびイソフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(1)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0049】
また、本発明に係る共重合ポリエステル樹脂(1)では、ジオール化合としてエチレングリコール以外に、得られる共量合ポリエステル樹脂(1)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)べンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0050】
(共重合ポリエステル樹脂(2))
共重合ポリエステル樹脂(2)は、テレフタル酸成分単位および2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0051】
この共重合ポリエステル樹脂(2)を構成するジカルボン酸構成単位は、テレフタル酸成分単位が80〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位が0.5〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0052】
共重合ポリエステル樹脂(2)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(2)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸などが挙げられる。
【0053】
また、共重合ポリエステル樹脂(2)では、ジオール化合物として上記エチレングリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(2)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の畳で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0054】
(共重合ポリエステル樹脂(3))
共重合ポリエステル樹脂(3)は、テレフタル酸成分単位およびアジピン酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0055】
この共重合ポリエステル樹脂(3)を構成するジカルボン酸構成単位は、テレフタル酸成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、アジピン酸成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0056】
共重合ポリエステル樹脂(3)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸およびアジピン酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(3)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0057】
また、共重合ポリエステル樹脂(3)では、ジオール化合物としてエチレングリコール以外に、得られる共軍合ポリエステル樹脂(3)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0058】
(共重合ポリエステル樹脂(4))
共重合ポリエステル樹脂(4)は、テレフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位およびジエチレングリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0059】
この共重合ポリエステル樹脂(4)を構成するジオール化合物構成単位は、エチレングリコール成分単位が93〜98モル%、好ましくは95〜98モル%の量で、また、ジエチレングリコール成分単位が2〜7モル%、好ましくは2〜5モル%の量で存在していることが望ましい。
【0060】
共重合ポリエステル樹脂(4)では、ジカルボン酸成分として上記テレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(4)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0061】
また、共重合ポリエステル樹脂(4)では、ジオール化合物として上記のようなエチレングリコールおよびジエチレングリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(4)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロバンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)べンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が用いられる。
【0062】
(共重合ポリエステル樹脂(5))
共重合ポリエステル樹脂(5)は、テレフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位およびネオペンチルグリコール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0063】
この共重合ポリエステル樹脂(5)を構成するジオール化合物構成単位は、エチレングリコール成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、ネオペンチルグリコール成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0064】
共重合ポリエステル樹脂(5)では、ジカルボン酸成分として上記テレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(5)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0065】
また、共重合ポリエステル樹脂(5)では、ジオール化合物として上記のようなエチレングリコールおよびネオペンチルグリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(5)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が挙げられる。
【0066】
(共重合ポリエステル樹脂(6))
共重合ポリエステル樹脂(6)は、テレフタル酸成分単位を含むジカルボン酸構成単位と、エチレングリコール成分単位およびシクロヘキサンジメタノール成分単位を含むジオール化合物構成単位とから形成されている。
【0067】
この共重合ポリエステル樹脂(6)を構成するジオール化合物構成単位は、エチレングリコール成分単位が85〜99.5モル%、好ましくは90〜99.5モル%の量で、また、シクロヘキサンジメタノール成分単位が0.5〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%の量で存在していることが望ましい。
【0068】
共重合ポリエステル樹脂(6)では、ジカルボン酸成分として上記のようなテレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(6)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0069】
また、共重合ポリエステル樹脂(6)では、ジオール化合物として上記のようなエチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(6)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が用いられる。
【0070】
(共重合ポリエステル樹脂(7))
共重合ポリエステル樹脂(7)は、ジカルボン酸構成単位と、ジオール化合物構成単位と、少なくとも3個のヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物構成単位とから形成されている。
【0071】
この共重合ポリエステル樹脂(7)を構成するジカルボン酸構成単位は、イソフタル酸成分単位が20〜100モル%、好ましくは50〜98モル%の量で、また、テレフタル酸成分単位が0〜80モル%、好ましくは0.5〜50モル%の量で存在していることが望ましい。
【0072】
また、ジオール化合物構成単位は、ジヒドロキシエトキシレゾール成分単位が5〜90モル%、好ましくは10〜85モル%の量で、また、エチレングリコール成分単位が10〜95モル%、好ましくは15〜90モル%の量で存在していることが望ましい。
【0073】
この共重合ポリエステル樹脂(7)には、少なくとも3個のヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物構成単位が存在している。この多官能ヒドロキシ化合物構成単位は、ジカルボン酸成分単位100モル部に対して0.05〜1.0モル部、好ましくは0.1〜0.5モル部の量で存在していることが望ましい。このような多官能ヒドロキシ化合物構成単位は、例えば、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの化合物から誘導されるが、このうちではトリメチロールプロパンが好ましい。
【0074】
共重合ポリエステル樹脂(7)では、ジカルボン酸成分として上記のようなイソフタル酸およびテレフタル酸以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(7)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジカルボン酸を用いることもできる。このようなジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
【0075】
また、共重合ポリエステル樹脂(7)では、ジオール化合物として上記のようなジヒドロキシエトキシレゾールおよびエチレングリコール以外に、得られる共重合ポリエステル樹脂(7)の特性を損なわない範囲、例えば1モル%以下の量で他のジオール化合物を用いることもできる。このようなジオール化合物としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロバン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの炭素原子数3〜15のジオール化合物が用いられる。
【0076】
上記のようなポリエステル樹脂には、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、無機充填剤、顔料分散剤、顔料あるいは染料などの各種配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明に係る第1のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、従来のボトルの製造方法に比較して耐熱性の向上したボトルの製造が可能である。この方法により成形したボトルは、例えば高い充填温度を必要とする調味料、飲料等の容器として最適である。
【0078】
本発明に係る第2のポリエステル樹脂製ボトルの製造方法は、ブロー金型内の冷却時間を短縮することにより、耐熱性を有するポリエステル製ボトルの生産速度を向上できる。
【0079】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0080】
(ポリエチレンテレフタレートの製造)
定常運転時に33,500重量部の反応液が停留する反応器に、高純度テレフタル酸とエチレングリコールとを混合して調整されたスラリーを連続的に供給し、攪拌下、窒素雰囲気で、260℃、0.9kg/cm2−G(0.09MPa)の条件下でエステル化反応を行った。高純度テレフタル酸とエチレングリコールとをそれぞれ6,458重量部/時、2,615重量部/時の割合で混合することにより調整した。エステル化反応では、水とエチレングリコールとの混合液が留去された。エステル化反応物(低次縮合物)は、平均滞留時間が3.5時間となるように制御して連続的に系外に抜き出した。上記で得られたエチレングリコールとテレフタル酸との低次重縮合物の数平均分子量は600〜1,300(3〜5量体)であった。
【0081】
こうして得られた低次縮合物に、ゲルマニウム触媒溶液を添加し285℃、1Torr(0.1kPa)の条件で液相重縮合反応を行った。得られた非晶質のポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.55dl/gに達するまでに要した時間は50分であった。
【0082】
さらにこのポリエチレンテレフタレートをペレット形状のまま、210℃、循環窒素ガスの存在下で固相重縮合を行った。得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.76d1/gであった。
【0083】
得られたポリエチレンテレフタレートは、除湿エア乾燥機を用いて170℃、4時間乾燥した。乾燥後の樹脂中の水分量は40ppm以下であった。
【0084】
【実施例1】
(プリフォームの成形)
乾燥したポリエチレンテレフタレートを、Husky社製射出成形機を用いて、シリンダー設定温度285〜290℃、成形サイクル22秒前後で成形しプリフォーム(口径:28mm、重量:32g)を得た。
【0085】
(ボトルの成形)
得られたプリフォームをエアオープン内で80℃になるまで予熱した。
【0086】
予熱されたプリフォームをSidel社製ブロー成形機に投入し、プリフォーム温度が130℃になるまで赤外線ヒーターにより加熱し、ブロー成形を行い、ボトルを成形した(内容量:0.5リットル、胴部の平均肉厚:0.35mm)。このときの金型温度は140℃であった。得られたボトルの耐熱性を測定した結果を表1に示す。
【0087】
[ボトル耐熱性の測定法]
ボトルを40℃、相対湿度90%のオープンに一週間保存する。保存後、ボトルに100℃の沸騰水を充填し、キャップにより密栓する。ボトルを15秒間横倒しにした後倒立させる。4分45秒放置した後、水をボトルに30分間接触させボトル内容物を室温まで冷却する。その後ボトル内容物を排出し、ボトル胴部ならびに肩部の変形を確認する。胴部ならびに肩部の変形がない場合は合格とした。
【0088】
【実施例2】
ブロー金型温度を110℃にした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。得られたボトルの耐熱性は実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0089】
【比較例1】
予熱温度30℃、プリフォーム加熱温度115℃、ブロー金型温度140℃にした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。ボトル耐熱性は実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0090】
【比較例2】
プリフォーム加熱温度を115℃とした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。ボトル耐熱性は実施例1と同様の方法で成形した。結果を表1に示す。
【0091】
【比較例3】
プリフォーム予熱温度を80℃、プリフォーム加熱温度を130℃、ブロー金型温度を110℃にした以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。ボトル耐熱性は実施例1と同様の方法で成形した。結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【実施例3】
(プリフォームの成形)
固有粘度が0.76dl/g、昇温結晶化温度が160℃のポリエチレンテレフタレートのペレットを、除湿エア乾燥機を用いて170℃で4時間乾燥した。乾燥したポリエチレンテレフタレートを、Husky社製射出成形機を用いて、285〜290℃の成形温度でプリフォーム(口径:28mm、重量:32g)を成形した。得られたプリフォームの口栓部を赤外線ヒーターで加熱し結晶化を行った。
【0094】
(ボトルの成形)
口栓部を結晶化したプリフォームを90℃のオーブンに入れ予熱した。
【0095】
予熱されたプリフォームをCorpoplast社製ブロー成形機に投入し130℃になるまで赤外線ヒーターで加熱し、ブロー成形機の金型内に搬送、ストレッチロッドにより軸方向に延伸し、直ちに高圧空気を吹き込んで、ボトルを成形した(内容量:0.5リットル、胴部の平均肉厚:0.35mm)。この際、予めブロー金型を90℃に加熱しておき、ワンモールド法により熱固定を行った。このときのボトル生産速度は1000本/型/時であった。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルの耐熱性の測定結果を表1に示す。
【0096】
[ボトル耐熱性の測定法]
ボトルを水で満たし満注量(I)を測定する。
【0097】
次にボトルを40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に入れ一週間保存する。保存後のボトルに87℃の熱水を充填し、キャップにより密栓する。
【0098】
ボトルを15秒間横倒しにした後、倒立させ4分45秒間放置する。ボトルに水を接触させボトル内容物を室温まで冷却する。ボトル内容物を排出し、ボトル胴部ならびに肩部の変形を確認する。さらに、水でボトルの満注量(II)を測定する。ボトルの満注量(I)(II)から入れ目変化率を算出する。
【0099】
入り目変化率(%)=(I−II)/I×100
ボトル胴部ならびに肩部の変形がなく、入れ目変化率が2%以下である場合を合格とした。
【0100】
【実施例4】
ブロー金型温度を110℃にした以外は実施例3と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。得られたボトルの耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0101】
【比較例4】
プリフォームの予熱温度を30℃にした以外は実施例3と同様にポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルを成形した。得られたボトルの耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0102】
【比較例5】
プリフォーム予熱温度30℃、プリフォーム加熱温度110℃、ブロー金型温度135℃、ボトル生産速度800本/型/時にて成形した。ボトル耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0103】
【比較例6】
ボトル生産速度1000本/型/時にし、それ以外は比較例5と同様にポリエステル製ボトルを成形した。ボトル耐熱性の測定結果を表2に示す。
【0104】
【表2】
Claims (2)
- ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜80℃の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを130〜160℃の延伸温度に加熱し、140〜200℃に加熱した金型内で吹込み成形することを特徴とするポリエステル樹脂製ボトルの製造方法。 - ポリエステル樹脂製のボトル形成用プリフォームを延伸温度に加熱し、次いで該プリフォームを金型内で吹込み成形してボトルを形成する延伸成形工程を含むボトルの製造方法において、
延伸成形工程に投入する前にボトル形成用プリフォームを50〜90℃の温度に予熱し、次いで延伸成形工程において予熱したボトル形成用プリフォームを100〜150℃の延伸温度に加熱し、80〜140℃に加熱した金型内で吹込み成形することを特徴とするポリエステル樹脂製ボトルの製造方法。
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