JP2004532017A - 置換アセトフェノンの立体選択的な還元反応 - Google Patents

置換アセトフェノンの立体選択的な還元反応 Download PDF

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Abstract

本発明は、対応するケト基を含有する化合物の微生物還元反応によって、(S)−1−アリールエタノールの製造のための新規な立体選択的な反応に関する。(S)−1−アリールエタノールは、アルツハイマー疾患の処置に有用なガンマ−セレクターゼインヒビターである化合物の製造における中間体として有用である。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、対応するケト基を含有する化合物の微生物還元反応による、(S)−1−アリールエタノールの製造のための新規な立体選択的な反応に関する。本発明は、対応するケトンの微生物還元反応による、キラルなアルコールの新規な製造法に関する。
【0002】
(背景技術)
ゾウ(Bing-nan Zhou)ら(J. Am Chem. Soc., 105巻, 5926-5928頁, 1983)は、L−カルニチン(これは、ヒト代謝および長鎖脂肪酸の運搬において重要な役割を果たしている)の化学微生物学的な製造法を記載している。特に、この刊行物は、パン酵母、すなわちサッカロミセス・セレビシエによる4−クロロアセト酢酸エチルの(S)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルへの還元反応を教示している。
【0003】
ウシオ(Kazutoshi Ushio)ら(Tetrahedron Letters, 27巻, No.23, 2657-2660頁, 1986)は、メタノール増殖酵母によるベータ−ケトエステルの還元反応を開示している。この刊行物は、該主題の反応が得られる生成物のエナンチオマー過剰率をD−異性体方向へ著しくシフトさせることを教示している。該反応をそれらの培地中で増殖する酵母に特有の酵素のためにメタノール中で増殖する酵母を用いて行なった場合に、この現象は生じた。
【0004】
クリステン(Markus Christen)ら(J. Chem. Soc., Chem. Commun. 264-266頁, 1988)は、6−(p−クロロフェニルチオ)−3,4−ジヒドロヘキサン酸メチルの4つの立体異性体の製造を開示しており、キラリティーの重要な導入は適当な酵母による還元反応によって有効である。ベータケトエステルの酵母による還元反応は非常に研究されているが、該生成物の絶対立体配置、または特に同様に達成されるエナンチオ過剰率のいずれかを予想することは未だ困難である。
【0005】
トリンコン(Antonio Trincone)ら(Biotechnology and Bioengineering, 35巻, 559-564頁, 1990)は、スルホロブス・ソルファタリクス(Sulfolobus solfataricus)の休止細胞を用いたケトンの不斉還元反応を記載している。この生物の休止細胞の還元能力は細胞増殖の期に強く依存すると記載している。
【0006】
パテル(Ramesh Patel)ら(Enzyme Microb. Technol., 13巻, 906-912頁, 1991)は、4,5−ジヒドロ−4−(4−メトキシフェニル)−6−(トリフルオロメチル−1H−1−)ベンズアゼピン−2−オンの立体特異的な微生物還元反応を記載している。特に、重要な中間体である(3R−シス)−1,3,4,5−テトラヒドロ−3−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)−6−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンズアゼピン−2−オンは、親ケトンの立体選択的な微生物還元反応によって製造されると開示している。それは、4つの公知の可能性の間から単一異性体を得るための特異的な条件の選択によって可能となったと、記載されている。
【0007】
パテル(Ramesh Patel)ら(Enzyme Microb. Technol., 15間, 1014-1021頁, 1993)は、ジケト化合物である3,5−ジオキソ−6−(ベンジルオキシ)ヘキサン酸メチルステルの、得られるジヒドロキシ化合物の単一のエナンチオマーヘの立体選択的な還元反応を記載している。
【0008】
パテル(Ramesh Patel)ら(Enzyme Microb. Techno. 14巻, 731-738頁, 1992)は、ベータ−ケトエステルの還元反応から得られるヒドロキシ生成物の光学純度を改善するために、ゲオトリクム・カンジダウム(Geotrichum candidum)を加熱処理する方法を記載している。
【0009】
コメタニ(Kometani)ら(Journal of Fermentation and Bioengineering, 80巻, No.2, 208-210頁, 1995)は、エネルギー源としてエタノールを使用する酵母媒介性の生物還元反応を教示している。パン酵母の場合のエタノールの消費速度およびプロキラルなケトンの還元速度との間の関係を調べており、そしてエタノールがプロキラルなアルコールからキラルなアルコールの大量スケールの製造に利用することができると結論付けている。
【0010】
パテル(Ramesh Patel)ら(米国特許第5,391,495号、1995年2月21日発行)は、該還元反応を触媒することができる微生物または酵素を用いた、あるケト含有スルホンアミド化合物の立体選択的な還元反応によるその対応するヒドロキシ基含有の化合物の製造を開示している。該命名された酵素はオキシドレダクターゼまたはデヒドロゲナーゼであり、そして該微生物は、ハンセヌラ種、ロードコッカス種およびノカルジア種から選ばれることが好ましい。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、対応するケト基を含有する化合物の微生物還元反応によって、(S)−1−アリールエタノールの製造のための新規な立体選択的な反応に関する。本発明は、とりわけ、アルツハイマー疾患の処置のための新規なγ−セクレクターゼインヒビターである4−[2−((1R)−1−{[(4−クロロフェニル)スルホニル]−2,5−ジフルオロアニリノ}エチル−5−フルオロフェニル]ブタン酸を製造するために、対応するケトンの微生物還元反応によるキラルなアルコールの新規な製造法に関する。
【0012】
従って、本発明の第1の態様によれば、式(I):
【化1】
Figure 2004532017
[式中、
XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって、
nは、1〜10の整数であって、
2は、OH、OR3またはNH2であって、
3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
の化合物の製造法を提供し、該製造法は、
式(II):
【化2】
Figure 2004532017
[式中、
XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって
nは、1〜10の整数であって、
2は、OH、OR3またはNH2であって、
3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
で示されるケトンの酵素還元反応を触媒することができるオキシドレダクターゼ酵素と反応させることによる式(II)の化合物の立体選択的な還元反応による。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、式(I):
【化3】
Figure 2004532017
[式中、
XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって
nは、1〜10の整数であって、
2は、OH、OR3またはNH2であって、
3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
の化合物の製造法を提供し、そして該製造法は、
式(II):
【化4】
Figure 2004532017
[式中、
XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって
nは、1〜10の整数であって、
2は、OH、OR3またはNH2であって、
3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
で示されるケトンの酵素還元反応を触媒することができるオキシドレダクターゼ酵素を供する微生物と反応させることによる、式(II)の化合物の立体選択的な還元反応による。
【0014】
本発明の他の態様および実施態様を、本明細書の以下に提示する。
【0015】
(発明の詳細な記載)
式Iで示される化合物を生成するための上記の式IIで示される化合物の立体選択的な還元反応は、本発明に従って、オキシドレダクターゼ酵素、または好ましくは式IIで示されるケトンの酵素還元反応を触媒することができるオキシドレダクターゼ酵素を供する微生物との反応によって行なう。該微生物の細胞は、無傷の湿性細胞または乾燥細胞(例えば、凍結乾燥、スプレー乾燥、または加熱乾燥の細胞)の形態で、または処置した細胞物質(例えば、破壊細胞または細胞抽出物)の形態であり得る。多数の且つ広範囲にわたる微生物がオキシドレダクターゼのいくつかの形態を供することが知られているが、ロードコックス属(Rhodococcus)、ブレビバクレリウム属(Brevibacterium)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、カンジダ属(Candida)、ゲオトロリクム属(Geotrichum)、ロドトルラ属(Rhodotorula)、ピヒア属(Pichia)、ハンセヌラ属(Hansenula)、ノカルジア属(Nocardia)、ムコール・スフィンゴモナス属(Mucor Sphingomonas)、パン酵母(Baker's yeast)の選ばれた種だけが、高い定量的なおよびエナンチオ的な収率で式Iの目的化合物を得るための式IIで示される化合物の還元反応を触媒することを見出した。これらの種は、ロードコックス・エリトロポリス(Rhodococcus erythropolis)ATCC 4277、ロードコックス・エリトロポリスDSM 6971、ロードコックス種ATCC 21227、ロードコックス・エリトロポリスATCC 27854、カンジダ・ソノレンシス(Candida sonorensis) ATCC 56511、カンジダ・ボイジニ(Candida boidinii)ATCC 26175およびATCC 56507、カンジダ・ギリエノンジー(Candida guilliennondii)ATCC 9058、カンジダ・ウティリス(Candida utilis)ATCC 9950、カンジダ・パロポシロシス(Candida parapsilosis)ATCC 52820、ゲオトリクム・カンジダム(Geotrichum candidum)34614およびATCC 34014、ロドトルラ・グルティニス(Rhodotorula glutinis)ATCC 26207およびATCC 201718、ハンセヌラ・ファビアニ(Hansenula fabianii)ATCC 58045、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha) ATCC 58401、ATCC 34438およびATCC 26012、ハンセヌラ・サツルヌス(Hansenula saturnus)ATCC 16762、ノカルジア・サルモニコロル(Nocardia salmonicolor)ATCC 19149、ピヒア・アノマラ(Pichia anomala)ATCC 66094、ピヒア・カプスラタ(Pichia capsulata)ATCC 29204、ピヒア・メタノリカ(Pichia methanolica)ATCC 56510、ATCC 56508およびATCC 58403、ピヒア・ピヌス(Pichia pinus)ATCC 28780、ピヒア・シルビコラ(Pichia silvicola)ATCC 16764、ピヒア・スティピティス(Pichia stipitis)ATCC 59785、スフィンゴモナス・パウシモビリス(Sphingomonas paucimobilis)ATCC 202027、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)ATCC 12341およびATCC 44953、ノカルジオデス・アルブス(Nocardiodes albus)ATCC 55425、ムコール・ロキシー(Mucor rouxii)ATCC 24905、ムコール・ヒエマリス(Mucor hiemalis)ATCC 16636、およびブレビバクテリム種(Brevibacterium sp.)ATCC19653である。本明細書で使用する用語「ATCC」は、ある微生物についての寄託機関(depository)、すなわちアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20852)の受託番号を意味する。用語「DSM」は、ジャーマン・コレクション・オブ・ミクロオルガニズム・アンド・セル・カルチャーズ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)(Branschweig, Germany)を意味する。遺伝子改変の生物の使用をまた企図する。宿主細胞は、いずれかの細胞、例えば本明細書に記載する触媒反応をすることができる酵素の1つ以上を発現する遺伝子を含むように改変した大腸菌であり得る。
【0016】
本明細書で使用する以下の用語は、以下に示す定義を有する。用語「アルキル」とは、炭素数が1〜10、好ましくは炭素数が1〜4である、場合により置換された直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を意味する。
【0017】
用語「アルケニル」とは、炭素数が1〜10、好ましくは炭素数が1〜4である、場合により置換された直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素基を意味する。
【0018】
用語「置換アルキル」とは、例えば1〜4個の置換基によって置換されたアルキル基を意味し、ここで該置換基とは例えば、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、オキソ、アルカノイル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノおよび二置換アミノを挙げられる。
【0019】
用語「置換アルケニル」とは、例えば1〜4個の置換基によって置換されたアルケニル基を意味し、ここで該置換基とは例えば、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、オキソ、アルカノル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノおよび二置換アミノを挙げられる。
【0020】
用語「アリール」とは、環部分内の炭素数が6〜12である単環または二環の芳香族炭化水素基を意味し、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基を挙げられ、その各々は置換され得る。
【0021】
用語「置換アリール」とは、例えば1〜4個の置換基によって置換されたアリール基を意味し、ここで該置換基は例えばアルキル、置換アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アルカノイル、アルカノルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、アリールオキシなどを挙げられる。該置換基は、更にハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、置換アルキル、置換アリールおよびアラルキルからなる群から選ばれる要素の1つ以上で置換され得る。
【0022】
微生物の使用に関して、本発明の該酵素還元方法は、使用する微生物の発酵後に、すなわち発酵および還元の2段階で、またはそれらを同時に、すなわち1段階もしくはインサイチュの発酵および還元で行なうことができる。後者の場合に、該微生物を十分な増殖を実現するまで適当な培地、特に窒素および炭素源を含有する培地中で増殖して、次いで式IIで示されるそれら化合物から選ばれる化合物をそれに加えることができる。その後に、該酵素還元反応を、式IIで示される化合物の実質的に完全な変換を得るまで続ける。
【0023】
2段階の方法論において、該微生物を最初にそれが予め決めたレベルの酵素活性を示すまで上記の適当な培地中で増殖させ、その後、該細胞を通常の分離方法によって収集し、そしてそれらから適当な緩衝剤などを含有する微生物細胞の懸濁液を調製する。適当な緩衝剤としては例えば、リン酸緩衝剤(特に、ナトリウム塩またはカリウム塩リン酸緩衝剤)、トリス−HCl、酢酸ナトリウムなどを含む。水をも用いて、微生物細胞の懸濁液を調製することができる。次いで、式IIで示される化合物をそれに加え、そして変換が視覚的に完結するまで該酵素還元反応を続ける。いずれかの場合に、炭素、窒素および微量元素の供給源について上記の通り、適当な増殖培地を含むであろう。誘発物質を、同様に加えることができる。当該分野の当業者が知る通り、用語「誘発物質」とは、細胞中での所望する酵素(すなわち、オキシドレダクターゼ)の活性を開始したりまたは増大して所望する生成物を与える、いずれかの化合物を意味する。式IIで示される化合物は、特に微生物の増殖の間、少量で加える場合に、誘発物質と考えられる。
【0024】
該培地のための適当な炭素源は例えば、糖(例えば、マルトース、ラクトース、グルコース、フルクトース、グリセロール、ソルビトール、スクロース、デンプン、マンニトール、プロピレングリコールなど)、有機酸およびそれらの塩(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど)、アミノ酸およびそれらの塩(例えば、グルタミン酸ナトリウムなど)、並びにアルコール(例えば、エタノール、プロパノール)などを含むことができる。適当な窒素源としては例えば、N−ZアミンA、コーン・スティープ・リカー(corn steep liquor)、大豆食、ビーフエキス、酵母エキス、糖蜜、パン酵母(baker's yeast)、トリプトン(tryptone)、栄養大豆(nutrisoy)、ペプトン、イースタミン(yeastamin)、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなどを含み得る。適当な微量元素としては例えば、リン酸塩、マグネシウム塩、マンガン塩、カルシウム塩、コバルト塩、ニッケル塩、鉄塩、ナトリウム塩およびカリウム塩を含み得る。本発明に従って使用される適当な培地としては例えば、これらの分類のいずれかから選ばれる多数の構成成分を含み得る。代表的な好ましい培地としては、以下のものを重量%で含む水性培地を含むが、これらに限定されない。
Figure 2004532017
【0025】
培地番号5を加圧減菌後に、該ネオマイシン(水中)およびクロラムフェニコール(200プルーフのエタノール中)のろ過した減菌溶液を加えて、それぞれ最終濃度を10mg/mLおよび33mg/Lとする。
【0026】
減菌前に、pHは、好ましくは約6〜8に、最も好ましくは約pH 6.8に調節する。次いで、該培地を例えば約121℃の温度で30分間加熱することによって減菌する。減菌後に、該培地をpH 6.5〜7.5に、最も好ましくは約7.0にまで調節する。微生物の増殖および還元反応の間、pHを約4.0〜9.0の間、好ましくは約pH 6.0〜8.0の間に保つ。上記の構成成分由来の適当な塩基の塩または酸の塩を、通常、pHの調節のために使用することができる。
【0027】
該反応混合物の温度は該還元反応に利用することができる熱エネルギーの基準であり、この理由で、適当な温度は保たれて、完結させる該方法にとって利用可能な十分なエネルギーが存在することを保証するべきである。本発明の方法にとって適当な温度範囲は、約5℃〜約60℃の範囲であり、約25℃〜約40℃であることが好ましい。圧は本発明の方法の実施にとって重要であることが知られておらず、便宜のためにほぼ常圧を典型的に保つ。
【0028】
本発明の方法は、好気性条件下で行なうことが好ましい。該反応混合物の撹拌および通気はまた、生体内変換反応にとって利用可能な酸素の量に影響を及ぼす主題の反応にとって有利である。該反応は、上記の1段階または2段階での微生物の増殖の間に、例えば振とうフラスコ(shakeflask)または発酵槽中で行なうのが有利である。約10〜約1000 RPMの範囲の撹拌が好ましく、約50〜約500RPMが最も好ましい。毎分培地の容量当たり約0.1〜10倍容量(v/Vt.)の空気の通気が好ましく、毎分培地の容量当たり約5倍容量の空気の通気が特に好ましい。
【0029】
式IIで示される化合物の完全な変換は、式IIで示される化合物の該培地への添加の時間から測定して、例えば約1〜72時間、典型的には約4〜48時間を必要とし得る。有機液体または混和性もしくは非混和性の、すなわち二層、有機/水の液体混合物を同様に使用することができるが、該培地は水ベースであることが好ましい。
【0030】
本発明の立体選択的な酵素還元反応は、特に該単離酵素を使用する場合には、補助因子(例えば、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオシド(NADH)またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH))を加えることによって行なうことができる。その後に、例えばNADHまたはNADPHを再生して、再利用することができる。インサイチュでのNADHまたはNADPHを再生する更なる酵素を使用することができ、例えばギ酸デヒドロゲナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼが挙げられる。適当な水素供与体としては例えば、分子水素、ギ酸塩(例えば、アルカリ金属またはアンモニウムのギ酸塩)、グルコース、次亜リン酸塩、またはビオロゲン(例えば、メチルビオロゲン)の存在下での電気化学的な還元反応を含む。例えばエタノールまたはギ酸を用いて、更なる酵素なしでNADHまたはNADPHを再生することもできる。
【0031】
式IIの化合物を、出発化合物および培地の合わせた重量ベースで約0.2%〜約5%重量%となるように、該反応培地に加えることが更に好ましい。出発物質の量に対する微生物の接種は、上記の期間を有する式IIで示される化合物の酵素還元反応において、通常約5重量%〜約30重量%の細胞濃度を与えるのが十分である。示す微生物を用いて上記の好ましい反応パラメータを使用することにより、該反応収率を70%よりも大きく、最適には90%過剰で、式Iで示される化合物の所望のエナンチオマーのエナンチオ過剰率を93%より大きく、最適には99%過剰で得るであろう。本発明の還元反応の生成物、すなわち式Iで示される化合物は、単離および/または精製の方法論にとっていずれかの適当な方法(例えば、抽出法、樹脂の吸着/脱着、蒸留、結晶化、カラムクロマトグラフィー法など)によって回収することができる。
【0032】
本発明の実施における様々な他の態様および改変は、上記の本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当該分野における当業者によって容易に行なうことができることは、明らかであろう。従って、本明細書に添付する特許請求の範囲は、上記の正確な記載に限定されるものではなく、むしろ本発明に属する特許可能性の新規性の特徴の全て(これは関連分野の当業者によって均等なものと扱われるであろう全ての特徴および実施態様を含む)を包含するものと解釈されると意図する。本発明を、以下の実験例を引用して更に記載する。
【0033】
実施例1
2−ブロモ−4−フルオロアセトフェノン ( III ) の立体選択的な酵素還元反応:ホールセル−2段階反応の使用
様々な微生物培養物(1mL)を、500mLのフラスコ内の上記の培地1(100mL)中に播種し、振とう器を用いて28℃、200RPMで、48時間インキュベートした。細胞を遠心分離によって収集し、そして細胞を100mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)(10mL)中に懸濁した。グルコースを25mg/mLで細胞懸濁液に加え、2−ブロモ−4−フルオロアセトフェノン(基質は、式III:
【化5】
Figure 2004532017
を参照)(15mg)をそれに加えた。
【0034】
生体内変換反応(還元反応)を、振とう機を用いて28℃、200RPMで24〜48時間行なった。予め決めた時間で、該反応混合物を4倍容量のアセトニトリルを用いてクエンチし、ボルテックスミキサーを用いて混合し、0.2ミクロンのフィルターを通してろ過して集め、そして試料(1mL)をHPLC方法1によって分析して、基質および生成物の濃度を測定した。残りの溶液を窒素の気流下で蒸発させて乾固し、そして該残渣をエタノール(1mL)を用いて溶かし、ろ過し、HPLC方法2によって分析して、生成物のエナンチオ過剰率を測定した。該結果を、以下の表1にまとめる。この実施例における生成物を、式IV:
【化6】
Figure 2004532017
に示す。
【0035】
方法1
この方法を発展させて、式(III)で示されるケトンの式(IV)で示されるアルコールへの還元反応を追跡した。
カラム:フェニルヘキシル(0.46×15cm、5μ)(Phenomenex製)、
移動相:アセトニトリル:水(1:1)、
流速:1mL/分、
カラム温度:50℃、
検出器:210nmでのUV、
注入容量:5μL。
2−ブロモ−4−フルオロアセトフェノン(III)は約6.3分で溶出し、S−1−(2'−ブロモ−4'−フルオロフェニル)エタノール(IV)またはそのエナンチマーは約5.4分で溶出する。
【0036】
方法2
この方法を発展させて、式(IV)で示されるアルコールのエナンチオ純度を追跡した。
カラム:キラルパックAD(0.46×25cm、10μm、ダイセル化学社(Daicel Chemical Industries Ltd.)製)、
移動相:0.249容量%の無水エタノールのヘキサン溶液、
流速:1mL/分、
カラムの温度:周囲温度、
検出器:210nmでのUV、
注入容量:2および5μL。
((R/S)−1−(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)エタノール)のエナンチオマーは、約48分(R)および54分(S)で溶出する。該基質である2−ブロモ−4−フルオロアセトフェノンは、約15分で溶出する。
【表1】
Figure 2004532017
【0037】
実施例2
パン酵母の使用
この実施例における基質(式III)および生成物(式IV)を、実施例1において示す。
方法の詳細:
バイオリアクター(Braun Biostat B製)(3L)にpH電極を備える。インペラー(impeller)のスピードを500RPMにセットし、温度を28℃にセットする。10mM リン酸緩衝液(pH 7.0)(800mL)を該バイオリアクターに加える。該バイオリアクターの内容物を300〜500RPMで撹拌し、そして該温度を実験中、28℃に保つ。ポンプを始動させ、10%水酸化ナトリウム溶液の自動添加を制御してpH定数を6.0に保つ。活性な乾燥酵母(レッドスター(Red Star)製)(150g)を30分間かけてゆっくりと加える。2−ブロモ−4−フルオロアセトフェノン(5g)を加える。最少量の脱イオン水(5mL)を用いて、いずれかの残留ケトンを該反応器中に洗浄する。必要ならば、SAG消泡剤(0.5mL)を加えて、該発泡体を制御する。該発泡体を制御するために、必要に応じて、更にSAG消泡剤(0.5mL)をここでまたは後に加えることができる。毎時間8〜10mLの速度での25%グルコース溶液の添加を開始する。全てのグルコース溶液(200mL)を20〜24時間かけて加える。4、8、12、20、22、24時間で、および必要ならば更に2時間間隔で、試料(1mL)を取り出す。基質および生成物の濃度、並びに生成物のエナンチオ過剰率の測定について、実施例1に記載する通り分析する。20〜28時間の反応時間が通常、該反応の完結のために十分である。この方法において、生成物の反応収率は90%であって、また所望の異性体のエナンチオ過剰率は99.5%であった。
【0038】
実施例3
式(IV)で示されるケトメチルエステルの式(IV)で示される対応するアルコールヘの還元反応:
様々な微生物の培養物(1mL)を、500mLフラスコ内の上記の培地1または培地3(100mL)中に播種し、そして振とう機を用いて28℃、200RPMで48時間インキュベートした。細胞を遠心分離によって収集し、そして細胞を100mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)(10mL)中に懸濁した。グルコースを該細胞懸濁液に25mg/Lで加え、そしてケトメチルエステル(式V:
【化7】
Figure 2004532017
で示される基質)(10mg)をそれに加えた。
【0039】
該生体内変換反応(還元反応)を、振とう機を用いて28℃、200RPMで24〜48時間行なった。該反応混合物を2倍容量の酢酸エチルを用いて抽出し、窒素の気流下で蒸発させて乾固した。酢酸エチル抽出物の一部をアセトニトリルに溶解し、HPLC方法3によって分析して、基質および生成物の濃度を測定した。別の一部をヘキサン:イソプロパノール(1:1)の混合物に溶解し、そしてHPLC方法4によって分析して、生成物のエナンチオ過剰率を測定した。
【0040】
該結果を以下の表2にまとめる。この実施例における生成物を、式VI:
【化8】
Figure 2004532017
に示す。
方法3:
カラム:クロマシル(Kromasil)C−8(0.46×15cm、5ミクロン、Waters製)、
移動相:100%溶媒A(0.2%H3PO4)と、0%溶媒B(アセトニトリル:0.2%H3PO4 90:10)〜70%溶媒Bの勾配溶出で20分間、次いで100%溶媒Bで25分間、続けて100%溶媒Bで30分間続ける、
流速:1mL/分、
検出:210nmでのUV、
保持時間:ケトメチルエステル(V)は20.3分、およびヒドロキシメチエステル(VI)は18分。
方法4:
カラム:キラルパックAD(0.46×25cm、10ミクロン、ダイセル製)、
移動相:ヘキサン:エタノール:イソプロパノール(98.32:1.43:0.25)、
流速:1mL/分、
検出:210nmでのUV。
(R/S)−ヒドロキシメチルエステルのエナンチオマーは、約23.6分(R)および31.1分(S)で溶出する。
表2.ケトメチルエステル(式(V))の対応する(S)−ヒドロキシメチルエステル(式(VI))ヘの微生物還元反応:
Figure 2004532017
NDは、測定していないことを示す。
【0041】
実施例4
ケトエチルエステル(VII)の対応するアルコール(VIII)ヘの還元反応:
様々な微生物培養物(1mL)を、500mLフラスコ内の上記の培地1または培地3(100mL)中に播種させ、そして振とう機を用いて28℃、200RPMで48時間インキュベートした。細胞を遠心分離によって収集し、そして細胞を100mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)(10mL)に懸濁した。グルコースを該細胞懸濁液に25mg/mLで加え、そしてケトエチルエステル(基質は式VII:
【化9】
Figure 2004532017
を参照)(10mg)をそれに加えた。
【0042】
該生体内変換反応(還元反応)を、振とう機を用いて28℃、200RPMで行なった。該反応混合物を2倍容量の酢酸エチルを用いて抽出し、窒素気流下で蒸発させて乾固した。酢酸エチル抽出液の一部をアセトニトリルに溶解し、HPLC方法5によって分析して、基質および生成物の濃度を測定した。別の一部をヘキサン:イソプロパノール(1:1)混合物に溶解し、HPLC方法6によって分析して、生成物のエナンチオ過剰率を測定した。該結果を、以下の表3にまとめる。この例における生成物を、式VIII:
【化10】
Figure 2004532017
に示す。
方法5:
カラム:フェニルヘキシル(0.46×15cm、5ミクロン、フェノメネクス(Phenomenex)製)、
移動相:アセトニトリル:水(1:1)、
流速:1mL/分、
検出:210nmでのUV、
保持時間:ケトエチルエステル(VII)は12.4分、ヒドロキシエチルエステル(VIII)は8.9分。
方法6:
カラム:キラルパックAD(0.46×25cm、10ミクロン、ダイセル製)、
移動相:ヘキサン:エタノール:イソプロパノール(96.9:2.85:0.25)、
移動相:1mL/分、
検出:210nmでのUV。
(R/S)ヒドロキシエチルエステルのエナンチマーは、約15分(R)および19分(S)で溶出する。
表3.ケトエチルエステルの対応する(S)−ヒドロキシエチルエステルヘの微生物還元反応:
Figure 2004532017
【0043】
実施例5
ケトt−ブチルエステル(IX)の対応するアルコール(X)ヘの還元反応:
様々な微生物培養物(1mL)を、500mLフラスコ内の上記の培地1または培地3(100mL)中に播種し、そして振とう機を用いて28℃、200RPMで48時間イキュベートした。細胞を遠心分離によって収集し、そして細胞を100mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)(10mL)に懸濁した。グルコースを該細胞懸濁液に25mg/mLで加え、そしてケトt−ブチルエステル(基質は式IX:
【化11】
Figure 2004532017
を参照)(10mg)をそこに加えた。
【0044】
該生体内変換反応(還元反応)を、振とう機を用いて28℃、200RPMで行なった。該反応混合物を2倍容量の酢酸エチルを用いて抽出し、そして窒素の気流下で蒸発させて乾固した。該酢酸エチル抽出物の一部をアセトニトリルに溶解し、上記実施例4に記載する通りHPLC方法5によって分析して、基質および生成物の濃度を測定した。該保持時間は、ケトt−ブチルエステル(IX)は28.3分であり、およびヒドロキシt−ブチルエステル(X)は19.2分である。
【0045】
別の一部を、ヘキサン:イソプロパノール(1:1)混合物中に溶解し、HPLC方法7によって分析して、生成物のエナンチオ過剰率を測定した。
方法7:
カラム:キラルパックAD(0.46×25cm、10ミクロン、ダイセル製)、
移動相:ヘキサン:イソプロパノール(90:10)、
流速:1mL/分、
検出:210nmでのUV。
(R/S)ヒドロキシt−ブチルエステルのエナンチオマーは、約23.6分(R)および32.8分(S)で溶出する。
【0046】
該結果を、以下の表4にまとめる。この実施例の生成物を、式(X):
【化12】
Figure 2004532017
に示す。
表4:ケトt−ブチルエステルの対応する(S)−ヒドロキシt−ブチルエステルへの微生物還元反応:
Figure 2004532017
【0047】
実施例6
精製したケトレダクターゼ酵素によるケトメチルエステルの還元反応:
ケトレダクターゼの精製
ピヒア・メタノリカATCC58403の10%グリセロール、1mM DTT、0.5mM PMSFおよび10mM リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)による20%細胞懸濁液を、細胞切断前にホモジナイズした。数継代の間に、該細胞懸濁液をミクロ流動機(microfluidizer)に通すことによって、該細胞を破壊した。該破壊した細胞懸濁液を少なくとも20分間、18,000rpmで遠心分離して、細胞デブリを除去した。無細胞エキスをデカントし、そしてタンパク質精製に使用した。全ての精製工程を4℃で行なった。該精製は、該酵素をハイ−トラップブルーセファロース(Hi-Trap Blue-Sepharose)アフィニティーカラムから溶出させるために、3つの異なる条件を用いて行なった。該タンパク質を、緩衝液A(10%グリセロール、2mM DTTおよび10mM リン酸カリウム緩衝液 pH 6.5)を用いて平衡化させたアフィニティーカラム上にロードした。該タンパク質を、以下の3つの方法によってアフィニティーカラムから溶出した:(1)pH勾配(pH 6.5でロードして、pH 8.5で溶出する)、(2)緩衝液A中、NaCl勾配(0〜0.8M);および、(3)緩衝液A中、NADP勾配(0.1〜0.5mM)。
【数1】
Figure 2004532017
【0048】
該酵素を、均一にまで精製した。該精製した酵素について、分子量を〜40Kdと測定した。該酵素は、NADPH依存性タンパク質である。クローニングおよび過剰発現を促進するであろう該タンパク質のN−末端および内部のペプチド配列を測定した。
【数2】
Figure 2004532017
【数3】
Figure 2004532017
【0049】
該精製した酵素を、ケトメチルエステル(基質V)の対応する(S)−ヒドロキシメチルエステル(生成物VI)ヘの還元反応について調べた。リン酸カリウム緩衝液(pH 7.0)の該反応混合物(5mL)は、3ユニット(unit)の精製したケトレダクターゼ、基質V(5mg)、0.1mM NADP、グルコース(25mg)および15ユニットのグルコースデヒドロゲナーゼ(NADPHを再生するため)を含んだ。反応は、実施例3に記載するとおり実施した。基質Vおよび生成物VIの濃度、並びに生成物のエナンチオ過剰率を、実施例3に記載するとおり測定した。90%の反応収率および99.9%のエナンチオ過剰率を得た。
【0050】
実施例7
P.メタノリカ由来のケトレダクターゼをコードする遺伝子の単離
A. P.メタノリカ由来の染色体DNAの製造
P.メタノリカATCC 13825のストック培養物を、F7培地(リットル当たり、麦芽エキス(10.0g)、酵母エキス(10.0g)、ペプトン(10.0g)、デキストロース[pH 7.0](20.0g))中で増殖し、そしてアリコート(1mL)を液体窒素下でバイアルに保存した。バイアルを室温で解凍し、そして250mLフラスコ内のYPD培地(20mL)中に播種した。YPDは、リットル当たり、酵母エキス(10.0g)、ペプトン(20.0g)およびデキストロース(20.0g)からなる。該フラスコを、250rpmで振り混ぜながら30℃で20時間インキュベートした。サッカロミセス・セレビシエ染色体DNAの速い単離方法は、P.メタノリカDNAの製造の記載(AusubelらによるCurrent Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, New York, 1990)を使用した。該沈降したDNAを、70%エタノールで洗浄し、風乾し、そして260nmでの分光光度的分析によって測定して、最終濃度をTE緩衝液(0.01M トリス−HCl、0.001M EDTA、pH 8.0)中で1.0mg/mLにまで再懸濁した。
【0051】
B.P.メタノリカの部分的なSau3A1ライブラリの構築
項目1.Aに記載する通り製造したP.メタノリカ染色体DNAを、0.25mLの反応容量(これは、DNA(25μg)、酵素(5ユニット)(Promega, Madison, WI)、0.006M トリスHCl、0.006M MgCl2、0.10M NaClおよび0.001M ジチオトレイトール(pH 7.5)からなる)中、37℃で5分間、制限エンドヌクレアーゼSau3A1を用いて部分的に切断した。該反応混合物を、1:1の等量のフェノール:クロロホルムを用いて1回抽出した。遠心分離後に、上層の水相を保存し、このものに3M酢酸ナトリウム(0.1容量)およびイソプロパノール(0.6容量)を加えた。DNAを、微量遠心管中で16,000×gで5分間遠心分離することによってペレットし、70%EtOH(0.5mL)を用いて1回洗浄した。SpeedVac (Savant Instruments, Farmingdale, NY)中で5分間乾燥後に、該ペレットをTE緩衝液(0.06mL)中で再懸濁した。該DNAを、0.5μg/mLの臭化エチジウムを含有するTAE緩衝液(0.04M トリズマ(Trizma)塩基、0.02M酢酸および0.001M EDTA、pH 8.3)中の0.8%アガロースゲルを用いて15Vで20時間、電気泳動した。約510kbのDNA断片を含有する領域を、1kbのDNAラダー(ladder)(Life Technologies, Gaithersburg, MD)と比較することによって同定し、そして該ゲルから切除した。推奨プロトコールに従って、DNAをQIAquick Gel Purification Kit(Qiagen Inc., Valencia, CA)を用いて抽出した。アリコートを0.8%TAEアガロースゲル上で20時間、15Vで電気泳動して、所望する断片の大きさの範囲が得られたことを確認し、そしてDNAマス(mass)ラダー(Life Technologies)と比較することによって、該断片の濃度を測定した。
【0052】
プラスミドpZeroI(Invitrogen, Carlsbad, CA)を、0.05μLの反応容量(これは、DNA(2μg)、0.006M トリスHCl、0.006M MgCl2、0.1M NaClおよび0.001M DTT(pH 7.5)からなる)中で、BamHI(Promega)を用いて消化した。10ユニットの制限エンドヌクレターゼを加え、そして該混合物を37℃で20分間インキュベートした。該反応を、1:1の等容量のフェノール:クロロホルムを加えることによって終止させた。5分間遠心分離(13,000×g)後に、該上部の(水)相を除去し、そしてこのものを新たなマイクロチューブ中に入れた。3M酢酸ナトリウム(pH 7.5)(5μL)および氷冷100%エタノール(Shelton Scientific, Shelton, CT)(110μL)を該水相と混合し、そしてDNAを13,000×gで10分間ペレットした。いずれかの液体を吸引によって除去し、そして該ペレットを70%氷冷エタノールを用いて1回洗浄した。該エタノールを吸引によって除去し、そして該ペレットをSpeedVac中で5分間乾燥した。該消化したプラスミドDNAを減菌の蒸留水中で最終濃度が0.01mg/mLまで再懸濁した。
【0053】
濃縮したP.メタノリカDNA断片(5〜10kb)を、0.02mLの反応液(これは、染色体DNA(0.1μg)、プラスミドDNA(0.03μg)、0.03Mトリス−HCl(pH 7.8)、0.01M MgCl2、0.01M ジチオトレイトールおよび0.0005Mアデノシン−5'−トリリン酸およびT4DNAリガーゼ(Promega)(3ワイス(Weiss)ユニット)からなる)中でBamHI切断pZero2にライゲートした。該反応を16℃で18時間行なった。DNAを濃縮し、そして塩を減菌蒸留水(15μL)および1−ブタノール(250μL)を用いて抽出することによって除去した。該混合物を13,000×gで10分間遠心分離し、そして全ての液体を吸引によって除去した。該ペレットをSpeedVac中で5分間乾燥し、そして減菌蒸留水(5μL)中に再懸濁した。該ライゲートしたDNAを、商業主の推奨にしたがって電気コンピテントなDH10B細胞(Life Technologies)中に形質転換した。形質転換後に、LB培地(0.96mL)を加え、そして細胞を37℃で1時間増殖させた。137mmのHybond−N+サークル(Amersham Pharmacia, Piscataway, NJ)を、LB寒天(75mL)+カナマイシンを含有するペトリ皿(150mm)の上部に置いた。5,000コロニーを形成するユニットを得るのに十分な部分的Sau3A1ライブラリのアリコートを、LB培地(1mL)中に希釈し、そして該フィルター上に均一に広げた。該プレートを37℃で24時間インキュベートした。コロニーを、2つの新たなフィルター上に複製し、これらをLB+カナマイシン寒天培地上に置き、そして37℃で6時間インキュベートした。細胞の溶解および放出されたDNAの中和は、該フィルターについて与えた指示に従って行なった。該DNAを、「自己架橋」様式でUVストラタリンカー(Stratalinker)2400ユニット(Stratagene, Inc., La Jolla, CA)を用いて該フィルターに架橋させた。該フィルターを3×SSC(20×SSCは、リットル当たりNaCl(173.5g)、クエン酸ナトリウム(88.2g)を含み、pHは10N NaOHを用いて7.0に調節する)の溶液、0.1% SDSを有する容器内に置き、そして該溶解したコロニーを湿ったキムワイフ(Kimwipe)を用いてふき取る(rubbing)ことによって、細胞デブリを除去した。次いで、該フィルターを少なくとも3時間、および同じ洗浄用液と一緒に65℃で少なくとも3時間インキュベートした。
【0054】
C.ケトレダクターゼ遺伝子を含有するクローンの選択
精製P.メタノリカケトレダクターゼの部分的なアミノ酸配列に基づく混合型オリゴヌクレオチドプライマーを、調製した(図1を参照)。センチおよびアンチセンスプライマーの全ての可能な組み合わせを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に用いた。該反応液は、総容量が0.5mLで、0.05M トリス−HCl(pH 8.3)、250μg/mL ウシ血清アルブミン、2%(w/v)スクロース、0.1mM クレゾールレッド、0.2mMの各dATP、dCTP、dGTP、dTTP、4mM MgCl2、0.0005Mの各プライマー、0.25μL(0.625U)のタカラ(Takara)Z−Taq DNAポリメラーゼ(PanVera, Madison, WI)および0.1μg P.メタノリカ染色体DNAからなる。増幅反応は、以下の条件下でパーキンエルマー(Perkin-Elmer)モデル480サーマルサーキュラー中で行なった:94℃で4分間変成し;続いて94℃で1分間、50℃で1分間、72℃で1.5分間および最後の伸張は72℃で5分間を30サイクルとした。それぞれ、650および850bpの断片の強い増幅は、1.0%TAEアガロースゲル上の各反応液の試料の電気泳動後に、オリゴヌクレオチド対183+186、および185+188を用いて観察した。
【0055】
断片を、該アガロースゲルから単離し、そしてQIAquick Gel Extraction Kitを用いて精製した。該DNAを、商業主のプロトコールに従ってベクターpCR2.1(Invitrogen, Carlsbad, CA)にライゲートし、そしてエレクトロポレーションによって大腸菌DH10B中に形質転換した。細胞をLB寒天培地(これは、カナマイシン(50μg/mL)およびBluo−gal(Life Technologies;ジメチルホルムアミドの2%[w/v]溶液(75μL))を含有する)上に広げた。各ライゲーション/形質転換から無作為に選んだ5つの白色コロニーを、LB+カナマイシン液体培地中に播種し、そして37℃、250rpmで20時間増殖した。プラスミドDNAを、QIAprep Spin Miniplasmid Kit(Qiagen)を用いて各試料から調製した。予想インサートの存在を、上記の条件を用いたPCRによって確認した。1つの代表的なプラスミドを、ALPexpress AutoRead kit (Amersham-Phamacia)を用いて配列決定し、そしてALFexpress automated DNA sequencing unitを用いて分析した。両方の場合において、精製した酵素から得られるがオリゴヌクレオチドを製造するのに使用しない部分的なアミノ酸配列もまた、該PCR断片中にコードされていることが分かった。
【0056】
これらの結果に基づいて、ジゴキシゲニン標識プローブを、商業主の指示に従って、上記の2組のプライマーおよび該PCR DIG Probe Synthesis kit(Roche Biochemicals, Indianapolis, IN)を用いて製造した。上記の該単離PCR断片(約10ng)を、鋳型DNAとして含んだ。増幅条件は、以下の通りとした:94℃で4分間変成し;続いて94℃で1分間、50℃で1分間、72℃で1分間の30サイクルとした。該反応液のアリコート(5μL)を、該非標識化断片と一緒に1.0% TAEアガロースゲル上で電気泳動した。ジゴキシゲニン−dUTPヌクレオチドの取り込みは、該標識断片の分子量の有意な増加によって確かめることができた。優位な取り込みは、オリゴヌクレオチド183+186を用いて得た。
【0057】
P.メタノリカSau3A1ライブラリ由来の溶解しおよび変性したDNAを含有する二組のフィルターを、ローラーボトル(roller bottle)中で、DIG EasyHyb溶液(Roche)(10mL)および該変性の標識PCR断片(5μL)と一緒にインキュベートした。ハイブリダイゼーションは、42℃で18時間、進行させた。フィルターを、2×SSC(これは、20×溶液から調製し;20×SSCは、リットル当たりNaCl(173.5g)、クエン酸ナトリウム(88.2g)を含み、pHを10N NaOHを用いて7.0に調節した)、0.1%硫酸ドデシルナトリウム(SDS)を用いて室温で5分間、2回洗浄し、次いで0.5%SSC、0.1%SDSを用いて68℃で15分間、2回洗浄した。抗−ジゴキシゲニン抗体との結合、洗浄および検出を、DIG標識およびDetection Kit試薬およびプロトコール(Roche)を用いて行なった。該膜をワットマン(Whatman)3MMペーパー上に置いて、過剰量の液体を除去し、サランラップ(Saran Wrap)で覆い、そしてオートラジオグラフィーフィルム(Kodak X-OMAT LS)に曝露させた。1個のハイリブリダイズしたコロニーを、該マスター(master)フィルターから選び(pick)、そしてLB+カナマイシン液体培地上に画線し(streak)、そして37℃で24時間インキュベートした。該コロニーを、QIAfilter Plasmid Midi Kit(Qiagen)を用いて、プラスミド単離のためのLB+カナマイシン液体培地上で増殖した。約5.0kbのインサートを示す制限酵素切断地図が、組換えプラスミド中に存在した。単離したDNAについて、そのもののオリゴ(oligos)183+186および185+188を用いた増幅を支持する能力を調べ、このことを確認した。単離PCR断片のDNA配列に基づくオリゴヌクレオチドプライマーを、pKR5.0中の該インサートの分析に使用した。分子量が39,800ダルトンを有する353アミノ酸のタンパク質をコードする1059bpのオープンリーディングフレームを、見出した(図1)。このことは、単離ケトレダクターゼのサイズ(ゲルろ過によって40,000ダルトン)とほぼ一致する。
【0058】
実施例8
P.メタノリカケトレダクターゼ遺伝子のサブクローニングおよび大腸菌中での発現
ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、発現ベクターPBMS2000中にクローニングするのに適当な制限部位を含有する完全なケトレダクターゼ遺伝子を増幅した。使用したプライマーを、以下に示す:
【数4】
Figure 2004532017
(太文字のヌクレオチドは、制限酵素BspHIについての認識配列を示し;下線のヌクレオチドは、ケトレダクターゼ遺伝子の開始Metコドンを示す)、
【数5】
Figure 2004532017
(太文字のヌクレオチドは、制限酵素BamHIについての認識配列を示し;下線のヌクレオチドは、ケトレダクターゼ遺伝子の3’末端での停止コドンを示す)。
【0059】
PCR条件は、pKR5.0 DNAを鋳型として使用し且つ反応液のサイズを200μLにまで増大させる(全ての構成成分の容量は比例して増加させる)ことを除いて、1.C項で示す条件と同一とした。該反応液のアリコートを1.0%TAEアガロースゲル上で電気泳動して、予想分子量(1077bp)のバンドの存在を確認した。該反応混合物の残りを、1:1のフェノール:クロロホルムを用いて1回抽出し、そして5分間、遠心分離(13,000×g)後の水相を保持した。3M酢酸ナトリウム(pH 7.5)(20μL)および100%氷冷エタノール(440μL)を加えることによって、DNAを沈降した。10分間、遠心分離(13,000×g)後に、液体を吸引によって除去し、そして該ペレットを70%エタノールで洗浄した。該エタノールを吸引して除き、そして該DNAをSpeedVac中で5分間乾燥した。該ペレットを、減菌蒸留水(0.043mL)中に再懸濁し、その後に0.05mLの反応容量(これは、0.0006M トリス−HCl、0.0006M MgCl2、0.1M NaClおよび0.001M DTT(pH 7.5)からなる)中で消化した。10ユニットの各制限エンドヌクレアーゼ(1μL)を加え、そして該混合物を37℃で1.5時間インキュベートした。該反応を、1:1の等量のフェノール:クロロホルムを加えることによって終止した。5分間、遠心分離(13,000×g)後に、上部の(水)相を取り出し、このものを新しいマイクロチューブ中に入れた。3M酢酸ナトリウム(pH 7.5)(5μL)および氷冷100%エタノール(Shelton Scientific, Shelton, CT)(110μL)を該水相と混合し、そして該ペレットを70%氷冷エタノールを用いて1回洗浄した。該エタノールを吸引によって除去し、そして該ペレットをSpeedVac中で5分間乾燥した。該消化したプラスミドDNAを、減菌蒸留水中に最終濃度が0.01mg/mLにまで再懸濁した。
【0060】
該BspHI/BamHIで消化したPCR断片を、0.02mLの反応液(これは、プラスミド(0.01μg)、PCR産物(0.03μg)、0.03M トリス−HCl(pH 7.8)、0.01M MgCl2、0.01M ジチオトレイトールおよび0.0005M アデノシン−5’−トリリン酸塩からなる)および3ワイスユニットのT4DNAリガーゼ(Promega)中でBspHI/BsmHIで切断したpBMS2000にレイゲートした。該反応は、16℃で18時間行なった。DNAを濃縮し、そして塩を減菌蒸留水(15μL)および1−ブタノール(250μL)を用いて抽出することによって除去した。該混合物を10分間遠心分離(13,000×g)し、そして全ての液体を吸引によって除去した。該ペレットをSpeedVac中で5分間乾燥し、そしてこのものを減菌蒸留水(5μL)中で再懸濁した。該ライゲートしたDNAを、商業主の推奨に従って、電気的にコンピテントなDH10B細胞(Life Technologies, Inc.)中に形質転換した。形質転換後に、LB培地(0.96mL)を加え、そして該細胞を37℃で1時間増殖した。該細胞のアリコートをLB寒天培地(これは、10μg/mLの硫酸ネオマイシン(Sigma)を含有する)上に広げ、そして該プレートを37℃で20時間インキュベートした。該正確なインサートの存在は、16個の無作為に選んだコロニーの一部が鋳型DNAの供給源であることを除いて、1.C項に記載する条件を用いたPCRによって確立した。該16コロニーの内の14個は、正確なサイズの断片を増幅した。これらの単離物のうちの1つ由来のプラスミドを、pBMS2000−PMKR(ピヒア・メタノリカケトレダクターゼ(Pichia metanolica ketoreductase)の場合)と命名した。
【0061】
pBMS2000−PMKRを、商業者のプロトコールに従って、コンピテントな大腸菌株BL21−CodonPlus (DE3)-RIL(Stratagene)中に形質転換した。細胞を、LB寒天培地(これは、クロラムフェニコール(30μg/mL)およびネオマイシン(10μg/mL)を含有する)上に広げた。4つのコロニーを無作為に選択し、そしてこのものを項1.Cに記載する条件を用いたPCRのための鋳型DNAの供給源として使用した。全ての4つの反応が正確なサイズのDNA断片を増幅し、このことはBL21-CodonPlus (DE3)-RILの形質転換が成功したことを示す。これらの単離物の1つを発現菌株として選択し、そしてこのものを全ての更なる実験に使用した。該発現菌株のバイアルロットは、弱いログ期(OD600〜3.5)まで、MT3/neo/chorブロス中、15℃で該細胞を培養し、グリセロールを10%の最終容量に加え、そして液体窒素中で凍結することによって調製した。MT3/neo/chorブロスの構成成分は、1% NZ−Amine A(Sheffield Products, Norwich, NY)、2%イースタミン(A. E. Staley, Decataur, IL)、2%グリセロール、0.6% Na2HPO4、0.3% KH2PO4、0.125% (NH4)2SO4、0.0246% MgSO4・7H2O(EM Science)、10μg/mL 硫酸ナオマイシンおよび30μg/mL クロラムフェニコール(EM Science)とした。
【0062】
該ケトレダクターゼ遺伝子の発現は、プラスミドpBMS2000上で始まるptacプロモーターのIPTG(イソプロピルチオ−β−Dガラクトシド)によって制御した。該発現菌株は、OD600nmが〜0.7に達するまで、250mLフラスコ内のMT3/neo/chlor(25mL)中、225RPMで増殖した。この後に、IPTG(Life Technologies)を加えて、最終濃度を0.5mMとした。該培養物を終夜(〜16時間)増殖させて、ケトレダクターゼ遺伝子の完全な誘発および該ケトレダクターゼタンパク質の産生を可能とした。
【0063】
該終夜発現の培養物の試料(1mL)をマイクロチューブに移し、そして該細胞を14,000×gで2分間ペレットした。該上清液を真空吸引して、そして該細胞ペレットをOD600が30となるまで蒸留水に再懸濁した。該細胞懸濁液(10μL)を、蒸留水(17.5μL)、0.5Mジチオトレイトール(Sigma)(10μL)および4×NuPAGE LDSタンパク質試料ロード用緩衝液(Protein Sample Loading buffer)(Invitrogen)(12.5μL)に加えた。タンパク質試料を70℃で10分間インキュベートし、そしてアリコート(15μL)をNuPAGE10%ビス−トリスゲル(Invitrogen)上にロードした。ゲルを、IX NuPAGE MOPS SDS操作用緩衝液(Running Buffer)中で、該追跡用色素が該ゲルの下部に達するまで、125mAで電気泳動した。タンパク質分子量標準(Mid-Range Protein Molecular Weight Markers, Promega Corp., Madison, WI)については、隣接するレーンで行なった。該操作の完結後に、該ゲルをタンパク質染色用溶液(40%エタノール/10%酢酸/50%水中の0.1%クーマシーブルーR250[Sigma])を含有するトレーに移した。該溶液をプラットホーム振り混ぜ機上に置き、そして静かに1時間撹拌した。該染色用溶液を除去し、そして脱染用溶液(1×Gel-Clear Destain, Novex)によって置き換えた。該ゲルを該プラットホーム振り混ぜ機上に戻し、そして該タンパク質のバンドがはっきりと見ることができるまで脱染した。該ケトレダクターゼ発現菌株から調製したタンパク質試料は、約40,000ダルトンの分子量を有する明らかに過剰発現したタンパク質を示した。コントロール培養物、非形質転換のBL21-CodonPlus (DE3)-RIL、またはpBMS2000で形質転換したBL21-CodonPlus (DE3)-RILのいずれかは、IPTG誘発後に比較可能なバンドを全く示さなかった。その後の実験は、該過剰発現タンパク質が可溶性のタンパク質画分中で優位に見られることを示した。
【0064】
該異種発現タンパク質がケトレダクターゼ活性を有するかどうかを調べるために、該発現菌株を、上記のとおり(培養容量は1Lにまで増大させ、そして該フラスコサイズは4Lにまで増大させたことを除いて)増殖させ、そして誘発させた。IPTGを用いた終夜の誘発後に、試料を上記のタンパク質ゲル上で分析した。該結果は、該培養サイズのスケールアップが該菌株の異種タンパク質を過剰発現させる能力に全く影響を及ぼさないことを示した。生体内変換プロセスにおける組換え酵素の使用例を、実施例9に示す。ケトレダクターゼタンパク質のアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、図1に示す。
【0065】
【数6】
Figure 2004532017
【数7】
Figure 2004532017
【数8】
Figure 2004532017
【0066】
実施例9
ピヒア・メタノリカ由来のケトレダクターゼを発現する組換え大腸菌による、ケトメチルエステル(V)の還元反応:
ピヒア・メタノリカ由来のケトレダクターゼ遺伝子をクローニングし、大腸菌中で過剰発現させた。大腸菌の細胞(これは、ケトレダクターゼを発現する)を、15−Lおよび250L発酵槽内の培地5中で増殖した。大腸菌中でのケトレダクターゼの誘発は、培地の光学細胞密度(OD)が3.0に達したときに、誘発物質として0.25mMのイソプロピル−β−チオガラクトシド(IPTG)を加えることによって、行なった。IPTGの添加後、発酵槽中で増殖させた30時間後に、細胞を収集した。細胞を用いて、細胞懸濁液によるケトメチルエステル(基質V)の対応する(S)−ヒドロキシメチルエステル(生成物VI)ヘの生体内変換反応を触媒した。
【0067】
本実施例における基質および生成物は、実施例3に記載する通りであった。ケトレダクターゼ酵素を発現する大腸菌の細胞を、100mM リン酸緩衝液(pH 7.0)(1L)中、10%(W/V)細胞濃度で懸濁した。細胞懸濁液を、100μM ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、1mM フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)、50gのグルコース、3400ユニットのグルコースデヒドロゲナーゼおよび4.5gの基質(ケトメチルエステル、式V)を用いて補足した。生体内変換反応は、28℃の温度で500RPMで行なった。基質Vおよび生成物VIの濃度、並びに生成物VIのエナンチオ過剰率を、実施例3に記載する通りHPLC分析法によって測定した。該反応は20時間内で完結し、生成物(ヒドロキシメチルエスエル、式VI)の反応収率は95%であった。生成物VIについてエナンチオ過剰率99.9%が得られた。

Claims (4)

  1. 式(I):
    Figure 2004532017
    [式中、
    XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
    1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって、
    nは、1〜10の整数であって、
    2は、OH、OR3またはNH2であって、
    3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
    の化合物の製造法であって、
    式(II):
    Figure 2004532017
    [式中、
    XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
    1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって
    nは、1〜10の整数であって、
    2は、OH、OR3またはNH2であって、
    3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
    で示されるケトンの酵素還元反応を触媒することができるオキシドレダクターゼ酵素と反応させることによる式(II)の化合物の立体選択的な還元反応による、該製造法。
  2. 式(I):
    Figure 2004532017
    [式中、
    XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
    1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって
    nは、1〜10の整数であって、
    2は、OH、OR3またはNH2であって、
    3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
    の化合物の製造法であって、
    式(II):
    Figure 2004532017
    [式中、
    XおよびYは各々独立して、H、Cl、Br、IおよびR1からなる群から選ばれて、ここで、
    1は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、または(CH2)nCOR2であって
    nは、1〜10の整数であって、
    2は、OH、OR3またはNH2であって、
    3は、置換もしくは無置換のアルキル、アルケニル、C3 7シクロアルキル、または置換もしくは無置換のアリールである]
    で示されるケトンの酵素還元反応を触媒することができるオキシドレダクターゼ酵素を供する微生物と、式(II)の化合物とを反応させることを含む、式(II)の化合物の立体選択的な還元反応による、該製造法。
  3. オキシドレダクターゼ酵素は大腸菌中で発現する図1のピヒア・メタノリカケトレダクターゼである、請求項1に記載の製造法。
  4. オキシドレダクターゼを供する微生物はピヒア・メタノリカATCC 56510、ピヒア・メタノリカATCC 56508およびピヒア・メタノリカATCC 58403からなる群から選ばれて、そして該オキシドレダクターゼはケトレダクターゼである、請求項2に記載の製造法。
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