JP2004527767A - 濃縮媒質に含まれる化学種の光学検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、濃縮媒質に存在する化学種の検出装置に関し、前記濃縮媒質(38)に含まれうる少なくとも一つの化学種の、異なる波長の複数の電磁励起(12)に対応して後方散乱される電磁伝送信号(16)の特徴的な波長および強度値を決定する手段(14)と、前記濃縮媒質(38)を励起するためのビーム(12)を発生するレーザ手段(10)と、後方散乱電磁伝送信号の波長および強度値を記録する手段(14)と、少なくとも一つの励起波長および少なくとも一つの対応する伝送波長で、前記媒質(38)から後方散乱される前記電磁信号(16)の記録された強度値と、前記決定された特徴的な強度値とを比較するための比較判断手段(18)とを含む。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮媒質に含まれる化学種の検出方法および装置に関する。
【0002】
検討される適用分野は、特に、下水処理場から出る排水の組成、または排出液を廃棄するあらゆる産業から出る排水の組成を検査する分野である。
【0003】
検討される別の適用分野は、工業生産方法における化合物の形成を検査する分野である。
【背景技術】
【0004】
自然界に廃棄される液状の産業廃棄物の検査は、一般に、目視と、所望の各化学種に固有の方法に応じた排気液サンプルの分析とによって行われる。さらに、均質に配分されていない化学種を含みうる広範囲の排水を検査する場合、様々な場所で複数回の採取を実施して、前記化学種の発生源を特定することが必要である。サンプルの分析に必要な時間および、前記排水の移動速度は、こうした特定化に関する診断に悪影響を及ぼす。
【0005】
しかも、反応媒質のサンプル採取によって反応化合物の出現を検出する場合、次のような二つの不都合がある。まず、前記サンプルの採取によって反応が損なわれてしまい、また、反応速度に比べて前記化合物の分析に必要な時間が長ければ長いほど、反応の検査がますます不可能になる。
【0006】
この不都合を解消するために、分析媒質に向けて配向される電磁励起手段と、前記媒質の表面から後方散乱される信号の分光分析手段とを含む、分光学的な手段により、化学種の存在を検出することが検討された。その結果、化学種は、媒質を妨害することなくほぼ瞬間的に識別可能になる。
【0007】
しかしながら、分析媒質に向かって配向される電磁励起手段は、媒質の表面を励起する。そのため、一方では、入射信号が十分に多くなって表面にある全ての化学種を励起してしまい、他方では、前記表面の前記化学種のスペクトルを検出するために検出手段を超高感度にしなければならなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとして提起した課題の一つは、安価な検出手段で濃縮媒質に存在する化学種の種類を正確に検出可能であるばかりでなく、低パワー手段、従って同じく安価な手段で前記濃縮媒質の表面を励起可能な、濃縮媒質に存在する化学種の検出方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明は、前記濃縮媒質に含まれうる少なくとも一つの化学種の、異なる波長の複数の電磁励起に対応して後方散乱される電磁伝送信号の特徴的な波長および強度値を決定するステップと、同調可能な波長が前記複数の電磁励起の前記異なる波長の値を少なくともとりうるレーザ手段のビームにより、前記濃縮媒質の表面部分の複数の表面素子を連続して励起するステップと、前記ビームにより発生する電磁励起に対応して前記表面素子の各々から後方散乱される電磁伝送信号の波長および強度値を連続して記録するステップと、少なくとも一つの励起波長および少なくとも一つの対応する伝送波長で、前記表面素子の各々から後方散乱される前記電磁信号の記録された強度値と、前記表面部分に含まれうる前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける前記決定された強度値とを比較するステップと、前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける前記決定された強度値により少なくとも定義される閾値よりも、前記表面素子により後方散乱される前記後方散乱電磁信号の前記記録された強度値が大きい場合、前記表面素子の各々に前記化学種が存在すると判断するステップとを含む、化学種の検出方法を提案する。
【0010】
かくして、この方法は、レーザ手段からのビームにより励起される化学種の蛍光に起因する後方散乱電磁信号の分析にあり、前記信号は、前記化学種の特徴を示している。ターゲットとされる化学種は、レーザビームの所定の励起波長で、強度および波長が前記化学種の特徴を示す電磁信号を拡散する。従って、レーザ手段により所定の化学種を励起し、励起周波数を変えることによって、波長および強度が特徴的な後方散乱信号が対応して得られる。
【0011】
所定の化学種に対して、一つまたは複数の所定の入射波長に関連する後方散乱信号の特徴的な波長および強度を決定した場合、本発明による方法は、多かれ少なかれ広がりを持つ濃縮媒質の表面部分で前記所定の化学種の存在を検出可能にするために、前記表面部分を複数の表面素子に分解し、前記決定された入射波長でレーザビームにより前記表面素子を励起し、記録された後方散乱信号の波長および強度と、前記化学種の信号の特徴的な波長および強度とを比較する。その結果、レーザ手段のビームを濃縮媒質の表面に直接当てることができ、前記表面とビームとの交点が前記表面素子を決定する。波長および強度値が一致する場合、または波長が一致し、強度が所定の閾値を上回る場合、前記化学種は、励起した濃縮媒質に含まれるものとみなされる。もちろん、検出システムのノイズレベルに応じて閾値を調整する。このようにして、表面部分の表面素子にレーザビームを集中させ、前記表面素子により後方散乱される信号の波長および強度を記録するので、適切な精度で互いに独立して表面部分全体の表面素子を分析可能である。その結果、レーザ手段のパワーを低減するとともに、検出手段の感度を低くして適切な検出を維持することができる。
【0012】
レーザ手段の指向性により、表面素子の組成が連続して励起され、各表面素子に対して、入射光線の波長を変化させ、後方散乱信号を回収して、前記表面部分の全ての表面素子における所定の化学種の有無を明らかにする。
【0013】
しかしながら、以下に詳述するように、化学種は、1個の励起波長に対応して、様々な波長で複数個の特徴的な送信信号を示す可能性がある。そうした場合、この化学種が所望の化学種である場合のみ、この励起波長にだけ入射光線を同調させる。
【0014】
有利には、前記表面部分の各表面素子に対する前記レーザ手段のビームの方向を連続して記録し、前記後方散乱される電磁伝送信号の発信元を探知し、それによって前記表面部分における前記化学種の位置を得る。実際、レーザ手段と表面部分とを隔てる距離は既知であり、各表面素子の相対的な位置は、レーザ手段が固定点を中心として回転する場合、ビームの方向の相対的な角度差により決定される。このようにして、1個の表面素子に対応する所定の各位置に、この表面素子に対応する前記後方散乱電磁伝送信号を割り当て、前記化学種の位置を特定する。
【0015】
本発明の特に有利な実施形態によれば、さらに、前記後方散乱される電磁伝送信号が放出するエネルギー量を測定することにより、前記媒質に存在する前記化学種の濃度を決定する。このようにして、所定の波長に対し、後方散乱信号のエネルギーが、送信されるフォトン数の関数となり、従って、入射光線を拡散する化学種の量の関数となることから、較正後、後方散乱信号のエネルギーと前記化学種の量とを相互に関連づけることができる。
【0016】
本発明の好適な実施形態によれば、前記後方散乱電磁伝送信号の強度値を並行して記録し、それらの対応する波長を記録する。このようにして、表面部分に存在する化学種のスペクトルを高速で記録する。
【0017】
かくして、後方散乱信号を送信する化学種を含む各表面素子に対し、前記信号の位置および波長は、前記信号の波長測定と同時に検出手段により検出される。その場合、5個の基本次元において、2個の次元を持つ表面素子の位置と、励起波長と、後方散乱信号の波長と、前記信号の強度とが得られる。このようにして、表面部分における化学種の存在とその位置とを決定する。
【0018】
本発明の第二の目的は、濃縮媒質に存在する化学種の検出装置を提案することにあり、この装置は、前記濃縮媒質に含まれうる少なくとも一つの化学種の、異なる波長の複数の電磁励起に対応して後方散乱される電磁伝送信号の特徴的な波長および強度値を決定する手段と、前記複数の電磁励起の前記異なる波長の値を少なくともとりうる波長に従って、前記濃縮媒質の表面部分の複数の表面素子を連続して励起するビームを発生するレーザ手段と、前記ビームが発生する電磁励起に対応して前記表面素子の各々により後方散乱される電磁伝送信号の波長および強度値を連続して記録する手段と、少なくとも一つの励起波長および少なくとも一つの対応する伝送波長で、前記表面素子の各々から後方散乱される前記電磁信号の記録された強度値と、前記濃縮媒質に含まれうる前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける決定された強度値とを比較し、前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける前記決定された強度値により少なくとも定義される閾値よりも、前記表面素子により後方散乱される前記電磁信号の前記記録された強度値が大きい場合、前記表面素子の各々に前記化学素子が存在すると判断する比較判断手段とを含む。
【0019】
そのため、装置の一つの特徴は、所定の波長値で前記表面部分の表面素子に向かって配向されるコヒーレントな電磁ビームを発生する手段と、後方散乱信号の強度および波長の値を記録する手段との組み合わせにあり、これらの手段は、さらに、前記記録された値と、濃縮媒質に含まれうる化学種の波長および強度の決定された値とを比較して、前記化学種の有無を判断する手段に組み合わされる。
【0020】
本発明の特定の実施形態によれば、前記レーザ手段は、周波数倍増器に結合されるポンプレーザと、同調可能な波長が200から800nmに配置される光線を放つように前記ポンプレーザを結合するパラメトリック発振器とを含む。その結果、多数の化学種を識別可能であり、前記化学種は互いに区別される。
【0021】
特に有利な特徴によれば、ビームを発生する前記レーザ手段が前記ビームの配向手段を含み、前記濃縮媒質の前記表面部分の前記複数の表面素子を励起して、前記表面素子の各々から送られる後方散乱電磁伝送信号を分析し、前記表面部分の前記表面素子の各々に少なくとも一つの前記化学種が存在すると判断する。
【0022】
以下に詳しく説明するように、移動手段は、表面素子の各々にビームを配向する可動ミラーを含み、これらの移動手段が、検査手段により制御される。
【0023】
前記可動ミラーの所定の位置により、ビームの方向を決定可能であり、好適には、本発明による装置が、前記表面部分の各表面素子に対して前記レーザ手段のビームの方向を連続して記録し、前記後方散乱電磁伝送信号の発信元を探知し、それによって前記表面部分における前記化学種の位置を得る。その結果、表面素子から表面素子への順を追った記録保存により、前記化学種のスペクトルを各点に含むマトリクスを形成できる。
【0024】
特に有利には、検出装置が、光検出マトリクスに結合される分光計を含む記録手段を有し、前記後方散乱電磁伝送信号の強度値を並行して記録し、それらの対応する波長を記録する。
【0025】
本発明の他の特徴および長所は、添付図面に関して少しも限定的ではなく例として挙げられた本発明の特定の実施形態に関する以下の説明を読めば、明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明による検出装置を示し、この装置は、励起ビーム12を形成するレーザ手段10と、後方散乱信号16の記録手段14と、コンピュータ20のCPUに含まれる比較判断手段18とを備える。さらに、CPUは、本発明による装置全体の制御プログラムを含む。
【0027】
レーザ手段10は、たとえば周波数倍増器または周波数三倍器などの周波数変換装置24に接続される「NdYAG」型のパルスレーザ22を含んでおり、そこから出る第一のビーム26が、光学パラメトリック発振器28の方に配向され、この発振器が、第二の周波数倍増器32に送られる少なくとも一つの第二のビーム30を供給可能にする。パラメトリック発振器28は、第二のビーム30の波長を連続変化させることができる。
【0028】
特に有利には、前記レーザ手段が、フェムト秒モードで動作する小型システムをなすポンピング源を含む。これらのレーザ手段は、安価に得られるという長所をもつ。
【0029】
同調可能なレーザ手段10は、100mの距離のところで数cmの断面の励起ビーム12を供給可能であり、その波長は、少なくとも220〜750nmの間で変化する。これは、励起されうる化学種が、特徴的なスペクトルを有する波長間隔である。
【0030】
有利には、同じ長所を備えたダイオードシステムにポンプレーザ22を代替可能である。
【0031】
前記レーザ手段10から送られる励起ビーム12は、たとえば、プリズムまたは半透明ブレード等の半透明な手段34を通過したのち、2個の配向式ミラーからなる励起ビーム12の移動手段36に向かい、この移動手段が、化合物を含みうる濃縮媒体38に向かってビームを反射する。その結果、励起ビームと、濃縮媒体の表面との交点が、約100mの距離のところに、数cm、たとえば3cmの表面素子を形成する。
【0032】
前記化合物は、励起ビーム12が発生する励起に対応して後方散乱電磁信号16を伝送可能であり、前記後方散乱電磁信号16は、透明手段34まで励起ビーム12と同じ光学経路をたどる。透明手段は、後方散乱信号16を記録手段14に向かって配向する。
【0033】
記録手段14は、後方散乱電磁信号16の波長を決定可能で検出手段42に接続される分光計40を含む。検出手段は、たとえばCCD等の光電ピックアップマトリクスから構成され、後方散乱信号16の一つの位置における強度を決定できる。さらに、記録手段14は、後方散乱信号16の波長および強度を特に同時保存可能なメモリを備えた、コンピュータ20のCPUに接続される。
【0034】
コンピュータ20のCPUは、レーザ手段10と、励起ビーム12の移動手段36とに同様に接続され、制御プログラムによりこれらを制御する。さらに、励起された表面素子の位置を決定する励起ビーム12の方向を、後方散乱信号の強度および波長と同時に、コンピュータ20のメモリに同様に保存する。本発明の特定の実施形態によれば、表面素子の位置は、光学システムの焦点面に配置される光電ピックアップマトリクスの画素の探知により決定可能である。
【0035】
従って、コンピュータ20は、励起ビーム12の移動手段36の所定の位置に対して、レーザ手段10を制御し、励起ビーム12の波長をたとえば250〜450nmの間で経時的に変化させることができる。それと同時に、コンピュータ20は、ビームの移動手段36によって決定される後方散乱信号16の所定の位置と、励起ビーム12の各波長値に対する後方散乱信号16の波長および強度とを、メモリスペースに保存する。その後、制御プログラムが移動手段36の移動を制御し、励起ビーム12が、表面部分38の先行する表面素子に隣接する表面素子を照射し、同じスペクトル操作を行うようにする。この操作を繰り返して、表面部分38全体をカバーする。
【0036】
このようにして、5個の変数をコンピュータ20のメモリスペースに保存する。3個の変数は、励起ビーム12が励起する表面素子に存在する化学種の特徴を示し、2個の変数は、移動手段36の相対位置により探知されてコンピュータ20のメモリに保存される他の表面素子に対して、前記表面素子の位置の特徴を示す。
【0037】
次に、アントラセンやベンゾピレン等の少なくとも2個の芳香族炭化水素を含む混合物のスペクトルを示す図2により、化学種の特徴について説明する。
【0038】
化学種のスペクトルは、横座標軸50に記載された変数である後方散乱信号の波長16と、縦座標軸52に記載された変数である後方散乱信号の強度とを特徴とする。曲線54は、波長380nmの励起に対応する後方散乱信号の強度および波長を示している。曲線54は、それぞれ411nm、432nm、457nmにおけるベンゾピレンの特徴を示す3個の頂部56、58、60を有する。390nmの励起に対応する曲線62は、それぞれ450、425、396nmにおけるアントラセンの特徴を示す3個の頂部64、66、68を有する。さらに、400nmにおける励起は、特徴づけが全く不可能な殆ど平坦な曲線70を発生している。
【0039】
これらの曲線54、62、70を見ると、所定の濃縮媒質における所定の化学種、たとえばアントラセンの検出を実施可能にするために、390nmで発生する励起に対して411、432、457nmにおける後方散乱信号の強度を比較し、たとえば、これらの全ての波長を持つ信号の強度がアントラセンの特徴的な信号強度に比例する場合、アントラセンが存在すると判断する。
【0040】
それに対して、濃縮媒質を400nmで励起した場合、アントラセンの存在も、ベンゾ(a)ピレンの存在も区別できないことが分かる。
【0041】
もちろん、励起信号に対応して後方散乱信号の伝送強度および波長により表される化学種のスペクトルは、計算または、好適には経験によって決定され、コンピュータ20のメモリ内のデータベースに保存される。
【0042】
アントラセンを用いて示したように、考慮された化学種の存在を判断する際、空間において所定の面積を形成するスペクトルの集合、すなわち励起波長、伝送波長、および伝送信号強度を比較する必要はなく、単に、励起/伝送の特徴的な波長を適切に選択し、伝送信号の強度を比較すればよいだけである。
【0043】
しかしながら、多数の化学種が濃縮媒質に存在する可能性があって、これを検出したい場合、有利には、いっそう大きなスペクトル部分を波長ごとに比較する。
【0044】
所定の化学種の識別は、あらゆる既知の識別プログラムにより、データベースに保管された前記化学種のスペクトルと、記録されたスペクトルとを比較することにより実施できる。
【0045】
本発明による装置の特徴は、表面素子から表面素子へと移動手段36により位置合わせされ、コンピュータ20のメモリに保存される、後方散乱信号の強度測定および波長測定の順を追った記録保存にある。かくして、レーザ手段のビームの相対的な方向により特徴づけられる2個の位置決定変数と共に、3個の変数を記録する。従って、全ての他の表面素子の走査後、前記表面素子の走査ごとに各信号を得る速度を考慮すれば、その表面素子または隣接する複数の表面素子に対するスペクトルの様々な強度を表示することにより、考慮された化学種や、場合によっては移動中の化学種の有無を検出可能である。
【0046】
各化学種の蛍光寿命は異なる。そのため、励起後の決まった時間における蛍光放射を集めることにより、蛍光信号と、ごく短時間の放射現象との間の干渉を最小化する。
【0047】
従って、所望の化学種のスペクトルの時間的な変化を知るために、励起信号と検出器とを同期させた後で、一定期間の経過後、所定の時間中、各化学種の蛍光強度を測定する。
【0048】
このようにして、有利には、所定期間の経過後、所定の期間中、前記濃縮媒質に含まれうる少なくとも一つの化学種の励起に対応して、後方散乱電磁伝送信号の特徴的な強度値を決定する。前記所定時間の経過後、前記所定の時間中、前記濃縮媒質の励起に対応して後方散乱電磁伝送信号の強度値を記録する。さらに、前記記録された強度値と前記決定された強度値とを比較して、前記濃縮媒質における前記化学種の存在を判断する。
【0049】
その結果、蛍光信号の時間的な解像度により、蛍光放射寿命に応じて様々な化学種を区別可能になる。
【0050】
企業が廃水を流す水路または川の上に、本発明による検出装置を設置して、出された廃水の種類を継続的に検査し、企業が発生しうる毒性化学種が直接自然界に排気されていないかどうか検査する。
【0051】
検討される他の用途では、たとえば生きた細胞に発生する事象の動特性を追跡調査可能である。細胞が生成するたんぱく質等の化学成分は、蛍光により特徴づけられるので、所定のスペクトルにより特徴づけられる。従って、本発明による装置により、たとえば所定のたんぱく質の出現を検出できる。
【0052】
もちろん、記録手段、特に検出器と、調べる濃縮媒質との間に配置される光学システムは、寸法が数百メートル単位の表面部分を表示する場合、あるいは生きた細胞の表面部分を調べる場合、全く異なるものになる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による検出装置を示す概略図である。
【図2】本発明による装置によって得られるスペクトルを示す図である。

Claims (11)

  1. 濃縮媒質に存在する化学種の検出方法であって、
    前記濃縮媒質に含まれうる少なくとも一つの化学種の、異なる波長の複数の電磁励起に対応して後方散乱される電磁伝送信号の特徴的な波長および強度値を決定するステップと、
    同調可能な波長が前記複数の電磁励起の前記異なる波長の値を少なくともとりうる、レーザ手段のビームにより、前記濃縮媒質の表面部分の複数の表面素子を連続して励起するステップと、
    前記ビームにより発生する電磁励起に対応して前記表面素子の各々から後方散乱される電磁伝送信号の波長および強度値を連続して記録するステップと、
    少なくとも一つの励起波長および少なくとも一つの対応する伝送波長で、前記表面素子の各々から後方散乱される前記電磁信号の記録された強度値と、前記表面部分に含まれうる前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける前記決定された強度値とを比較するステップと、
    前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける前記決定された強度値により少なくとも定義される閾値よりも、前記表面素子により後方散乱される前記後方散乱電磁信号の前記記録された強度値が大きい場合、前記表面素子の各々に前記化学種が存在すると判断するステップとを含むことを特徴とする方法。
  2. 前記表面部分の各表面素子に対する前記レーザ手段のビームの方向を連続して記録し、前記後方散乱される電磁伝送信号の発信元を探知し、それによって、前記表面部分における前記化学種の位置を得ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の化学種の検出方法。
  3. さらに、前記後方散乱される電磁伝送信号が放出するエネルギー量を測定することにより、前記媒質に存在する前記化学種の濃度を決定することを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の化学種の検出方法。
  4. 前記後方散乱される電磁伝送信号の強度値を並行して記録し、それらの対応する波長を記録することを特徴とする特許請求の範囲第1項から第3項のいずれか一項に記載の化学種の検出方法。
  5. さらに、
    所定時間の経過後、所定の時間中、前記濃縮媒質に含まれうる少なくとも一つの化学種の励起に対応して、後方散乱される電磁伝送信号の特徴的な強度値を決定し、
    前記所定時間の経過後、前記所定の時間中、前記濃縮媒質の励起に対応して、後方散乱される電磁伝送信号の強度値を記録し、
    前記記録された強度値と前記決定された強度値とを比較して、前記濃縮媒質における前記化学種の存在を判断することを特徴とする、特許請求の範囲第1項から第4項のいずれか一項に記載の化学種の検出方法。
  6. 前記濃縮媒質(38)に含まれうる少なくとも一つの化学種の、異なる波長の複数の電磁励起(12)に対応して後方散乱される電磁伝送信号(16)の特徴的な波長および強度値を決定する手段(14)と、
    前記複数の電磁励起の前記異なる波長の値を少なくともとりうる波長に従って、前記濃縮媒質(38)の表面部分の複数の表面素子を連続して励起するビーム(12)を発生するレーザ手段(10)と、
    前記ビームが発生する電磁励起に対応して前記表面素子の各々により後方散乱される電磁伝送信号(16)の波長および強度値を連続して記録する手段(14)と、
    少なくとも一つの励起波長および少なくとも一つの対応する伝送波長で、前記表面素子の各々から後方散乱される前記電磁信号(16)の記録された強度値と、前記濃縮媒質(38)に含まれうる前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける前記決定された強度値とを比較し、前記化学種の前記後方散乱電磁信号を特徴づける前記決定された強度値により少なくとも定義される閾値よりも、前記表面素子により後方散乱される前記電磁信号の前記記録された強度値が大きい場合、前記表面素子の各々に前記化学素子が存在すると判断する比較判断手段(18)とを含むことを特徴とする、濃縮媒質に存在する化学種の検出装置。
  7. 前記レーザ手段(10)が、
    周波数倍増器に結合されるポンプレーザ(22)と、
    同調可能な波長が200から800nmに配置される光線を放出するように前記ポンプレーザ(22)を結合するパラメトリック発振器(28)とを含むことを特徴とする特許請求の範囲第6項に記載の化学種の検出装置。
  8. 前記レーザ手段(10)が、フェムト秒モードで動作するポンピング源を含むことを特徴とする特許請求の範囲第6項に記載の化学種の検出装置。
  9. ビーム(12)を発生する前記レーザ手段(10)が、前記ビームの配向手段(36)を含み、前記濃縮媒質(38)の前記表面部分の前記複数の表面素子を励起して、前記表面素子の各々から送られる後方散乱電磁伝送信号(16)を分析し、前記表面部分の前記表面素子の各々に少なくとも一つの前記化学種が存在すると判断することを特徴とする特許請求の範囲第6項から第8項のいずれか一項に記載の化学種の検出装置。
  10. 前記表面部分の各表面素子に対して前記レーザ手段のビームの方向を連続して記録し、前記後方散乱電磁伝送信号の発信元を探知し、それによって前記表面部分における前記化学種の位置を得ることを特徴とする特許請求の範囲第9項に記載の化学種の検出装置。
  11. 光検出マトリクス(42)に結合される分光計(40)を含む記録手段を有し、前記後方散乱電磁伝送信号(16)の強度値を並行して記録し、それらの対応する波長を記録することを特徴とする特許請求の範囲第6項から第10項のいずれか一項に記載の化学種の検出装置。
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