JP2000146839A - ガス成分濃度計測装置およびガス成分濃度計測方法 - Google Patents

ガス成分濃度計測装置およびガス成分濃度計測方法

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JP2000146839A JP31491898A JP31491898A JP2000146839A JP 2000146839 A JP2000146839 A JP 2000146839A JP 31491898 A JP31491898 A JP 31491898A JP 31491898 A JP31491898 A JP 31491898A JP 2000146839 A JP2000146839 A JP 2000146839A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多成分が混在する試料中に微量濃度含まれてい
る物質の濃度を正確に測定することができるガス成分濃
度計測法を提供する。 【解決手段】測定場に存在するガス成分の吸収波長の中
で短い波長領域に対応する第1の励起光を測定場に対し
て照射し、この第1の励起光L1 の照射により測定場に
誘起された第1の蛍光の波長λ1 に対応する強度を計測
するとともに、ガス成分の吸収波長の中で長い波長領域
に対応する第2の励起光L2 を測定場に照射し、この第
2の励起光の照射により測定場に誘起された第2の蛍光
の波長λ2に対応する強度を計測し、蛍光の強度比およ
び相関に基づいて、測定場に存在するガス成分の濃度を
判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば各種廃煙に
含まれるダイオキシンのように、微量含有ガス等の検出
に有効なガス成分濃度計測装置およびガス成分濃度計測
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガス成分濃度計測方法としては各
種の方法が知られており、例えば(1)ガスクロマトグ
ラフやガスクロマトグラフ/質量分析による方法、
(2)電解液中に試料ガスを通して電気化学的手法によ
って分析する方法、(3)紫外、可視、赤外光等の吸収
による方法、などが挙げられる。
【0003】上述した従来技術において、(1)のガス
クロマトグラフやガスクロマトグラフ/質量分析による
方法では、例えばゼオライトのような吸着剤に試料ガス
を通し、吸着による給排ガス量の差に基づいて測定を行
うが、検出対象となるガスを含有させる試料の調製や計
測に、多くの手間および時間がかかり、また検出感度が
必ずしも良くないという問題がある。
【0004】また、(2)の電気化学的測定では、試料
ガスの電解液への溶け込みによる電流変動に基づいて測
定を行うものであるため、試料の成分が単純で、且つ対
象となる成分濃度が比較的高い場合にのみ適応でき、微
量含有ガスへの適用は困難である等の問題がある。
【0005】さらに、(3)の吸光法では検出感度があ
まり高くなく、また多成分試料の場合、各光吸収スペク
トル線が近接することがあり、その場合に各成分濃度を
分離、測定することが困難である等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、上述した方法に
代り、(4)励起光を試料セルに照射し、その試料セル
から生ずる蛍光を測定する方法が開発されている(例え
ば特開平7−120390号公報)。これは、試料セル
にある励起波長の光を入射させた場合に蛍光が発生する
ことに着目したもので、その蛍光を分光手段によって測
定してスペクトルを分離するものである。
【0007】しかし、生ずる蛍光には試料セル中に含ま
れる成分のうち、入射光の波長を吸収して蛍光を発する
物質全てからの蛍光を含んでおり、分光手段によって単
にスペクトルを分離しても、波長が近接した成分を分離
することは困難である。したがって、このような蛍光法
による測定においても、多成分試料において、それぞれ
の蛍光スペクトル線が近接した場合には、各成分濃度を
分離、測定することが困難であるという課題があった。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、上記の成分濃度測定に係る課題を解決し、
多成分が混在する試料中に微量濃度含まれている物質の
濃度を正確に測定することができるガス成分濃度計測法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した(4)の蛍光を
測定する方法においては、生ずる蛍光に試料セル中の成
分のうち、入射光の波長を吸収し蛍光を発する物質全て
からの蛍光を含んでおり、分光手段によってスペクトル
を分離しても波長が近接した成分を分離することは困難
である。しかし、発明者においては、ある励起波長を入
射した結果生ずる蛍光スペクトルが類似している場合で
も、それとは異なる別の励起波長により生じた蛍光スペ
クトルは互いに異なったスペクトル形状、時間減衰特性
を示すことに着目した。そして、この特性を用いて、生
ずる蛍光に差異が生ずるように選んだ複数の波長の励起
光により生じた蛍光を測定し、両者の相関により被測定
対象の濃度測定を行うことで上述した課題が解決できる
との見通しを得た。
【0010】即ち、請求項1の発明では、計測対象とな
るガス成分を含む試料を封入した試料セルと、前記ガス
成分が吸収し得る光の波長の中から選ばれた2以上の異
なる波長の励起光を発する励起光源と、この励起光源か
ら発した励起光を前記試料セルに導き、その励起光の照
射により前記ガス成分を電子的に励起して蛍光を発生さ
せる照射光学系と、前記試料セルから発生した蛍光を一
定の方向に導く計測光学系と、この計測光学系によって
導かれる蛍光を受け、その蛍光の強度を前記励起光の波
長毎に分光して蛍光スペクトルを得る蛍光計測手段と、
前記試料中に含まれ前記各波長の領域で蛍光を発する各
種物質の蛍光要素スペクトルをデータベースとし、この
データベースに基づいて計測対象以外の物質に起因する
蛍光要素スペクトルを収束演算により消去することによ
り、前記蛍光計測手段で得られた蛍光スペクトル中の計
測対象となるガス成分の蛍光要素スペクトルを抽出し、
この抽出値に基づいてガス成分濃度を求める演算手段と
を備えたことを特徴とするガス成分濃度計測装置を提供
する。
【0011】請求項2の発明では、計測対象となるガス
成分を含む試料を封入した試料セルと、前記ガス成分が
吸収し得る光の波長の中から選ばれた2以上の異なる波
長の励起光を発する励起光源と、この励起光源から発し
た励起光を前記試料セルに導き、その励起光の照射によ
り前記ガス成分を電子的に励起して蛍光を発生させる照
射光学系と、前記試料セルから発生した蛍光を一定の方
向に導く計測光学系と、この計測光学系によって導かれ
る蛍光を受け、その蛍光強度の時間的推移特性を得る蛍
光計測手段と、前記試料セル中に含まれ前記各波長の領
域で蛍光を発する各種物質の蛍光強度の時間的推移特性
要素をデータベースとし、このデータベースに基づいて
計測対象以外の物質に起因する蛍光強度の時間的推移特
性要素を収束演算により消去することにより、前記蛍光
計測手段で得られた蛍光強度の時間的推移特性中の計測
対象となるガス成分の蛍光強度の時間的推移特性要素を
抽出し、この抽出値に基づいてガス成分濃度を求める演
算手段とを備えたことを特徴とするガス成分濃度計測装
置を提供する。
【0012】請求項3の発明では、請求項1または2記
載のガス成分濃度計測装置において、励起光が試料セル
に入射する直前にその一部を抽出して入射光強度を計測
する入射光強度計測手段と、前記励起光が前記試料セル
を通過した後の出射光強度を計測する出射光強度計測手
段と、前記入射光と出射光との強度比に基づいて前記試
料セル内に含まれている各種物質による光吸収量を求
め、その各種物質の光吸収量から存在濃度を算出する解
析手段とを備え、演算手段は前記データベースに代え、
または加えて、前記解析手段から得られたデータに基づ
いて収束演算を行うものであることを特徴とするガス成
分濃度計測装置を提供する。
【0013】請求項4の発明では、請求項1または2記
載のガス成分濃度計測装置において、前記試料セルに含
まれる計測対象以外の物質の吸収波長で、かつ前記励起
光とは異なる波長の吸収用の光を発する吸収計測用光源
と、この光源から発した吸収計測用の光を前記試料セル
に入射する吸収計測用入射光学系と、前記吸収計測用の
光が前記試料セルに入射する直前に、その光の一部を抽
出して入射光強度を測定する入射光強度測定手段と、前
記試料セルを通過した後の出射光強度を測定する出射光
強度測定手段と、前記入射光と出射光との強度比に基づ
いて前記試料セル内に含まれている各種物質による光吸
収量を求め、その各種物質の光吸収量から存在濃度を算
出する解析手段とを備え、演算手段は前記データベース
に代え、または加えて、前記解析手段から得られたデー
タに基づいて収束計算を行うものであることを特徴とす
るガス成分濃度計測装置を提供する。
【0014】請求項5の発明では、請求項1または2記
載のガス成分濃度計測装置において、前記試料セルに含
まれる計測対象以外の各種物質の吸収波長を含む連続ス
ペクトルあるいは複数の波長成分を持つ吸収計測用の光
を発する吸収計測用光源と、この光源から発した吸収計
測用の光を前記試料セルに入射する吸収用入射光学系
と、前記吸収用の光が前記試料セルに入射する直前に、
その光の一部を抽出して入射光強度を測定する入射光強
度測定手段と、前記試料セルを通過した後の出射光強度
を測定する出射光強度測定手段と、前記入射光と出射光
との強度比に基づいて前記試料セル内に含まれている各
種物質による光吸収量を求め、その各種物質の光吸収量
から存在濃度を算出する解析手段とを備え、前記解析手
段から得られたデータに基づいて収束計算を行うもので
あることを特徴とするガス成分濃度計測装置を提供す
る。
【0015】請求項6の発明では、請求項1または2記
載のガス成分濃度計測装置において、励起光が前記試料
セルに入射した際に前記試料セルに含まれる物質により
その物質特有のラマンシフトを受けたラマン散乱光を集
光するラマン散乱光集光用光学系と、この光学系で計測
したラマン散乱光を分光して波長および強度を計測する
ラマン光計測手段と、前記ラマン光強度に基づいて前記
試料セル内に含まれている各種物質による光吸収量を求
め、その各種物質の光吸収量から存在濃度を算出する解
析手段とを備え、演算手段は前記データベースに代え、
または加えて、前記解析手段から得られたデータに基づ
いて収束計算を行うものであることを特徴とするガス成
分濃度計測装置を提供する。
【0016】請求項7の発明では、請求項1または2記
載のガス成分濃度計測装置において、蛍光計測に用いる
励起光とは異なる波長のラマン光を発するラマン光励起
光源と、前記ラマン励起光を前記試料セルに入射するラ
マン光励起入射光学系と、前記ラマン励起光を前記試料
セルに入射するすることにより生じた誘導ラマン光を測
定するラマン光測定手段と、このラマン光測定手段によ
って測定された誘導ラマン光強度に基づいて、前記試料
セル内に含まれている各種物質による光吸収量を求め、
その各種物質の光吸収量から存在濃度を算出する解析手
段とを備え、演算手段は前記データベースに代え、また
は加えて、前記解析手段から得られたデータに基づいて
収束計算を行うものであることを特徴とするガス成分濃
度計測装置を提供する。
【0017】請求項8の発明では、請求項1,2,3ま
たは6記載のガス成分濃度計測装置において、励起光源
を可視領域ないし赤外領域で発振するレーザとし、この
レーザから発振されるレーザ光の基本波の波長および計
測対象となるガス成分の吸収領域によって選ばれる次数
の高調波を作る複数の非線型光学素子と、これらの非線
型光学素子で作られる各高調波を選択的に試料セルに照
射する光スイッチとを備えたことを特徴とするガス成分
濃度計測装置を提供する。
【0018】請求項9の発明では、請求項4,5または
7記載のガス成分濃度計測装置において、励起光源を可
視領域ないし赤外領域で発振するレーザとし、このレー
ザから発振されるレーザ光の基本波の波長および計測対
象となるガス成分の吸収領域によつて選ばれる次数の高
調波を作る複数の非線型光学素子と、これらの非線型光
学素子で作られる各高調波を選択的に試料セルに照射す
る光スイッチとを備え、かつ吸収もしくはラマン光源
を、前記レーザから発振されるレーザ光の基本波を抽出
する光スイッチと、抽出した基本波を前記試料セルに照
射する基本波照射光学系とにより構成したことを特徴と
するガス成分濃度計測装置を提供する。
【0019】請求項10の発明では、測定場に存在する
ガス成分の吸収波長の中で短い波長領域に対応する第1
の励起光を前記測定場に対して照射し、この第1の励起
光の照射により前記測定場に誘起された第1の蛍光の波
長に対応する強度を計測するとともに、前記ガス成分の
吸収波長の中で長い波長領域に対応する第2の励起光を
前記測定場に照射し、この第2の励起光の照射により前
記測定場に誘起された第2の蛍光の波長に対応する強度
を計測し、前記蛍光の強度比および相関に基づいて、前
記測定場に存在するガス成分の濃度を判定することを特
徴とするガス成分濃度計測方法を提供する。
【0020】請求項11の発明では、測定場に存在する
ガス成分の吸収波長の中で短い波長領域に対応する第1
の励起光を前記測定場に対して照射し、この第1の励起
光の照射により前記測定場に誘起された第1の蛍光の強
度の時間推移を前記第1の励起光照射開始時刻を基準に
計測するとともに、この前記ガス成分の吸収波長の中で
長い波長領域に対応する第2の励起光を前記測定場に照
射し、この第2の励起光の照射により前記測定場に誘起
された第1の蛍光の強度の時間推移を前記第2の励起光
の照射開始時刻を基準に計測し、前記蛍光の励起光照射
開始後の時間経過に伴う強度比および相関に基づいて、
前記測定場に存在するガス成分の濃度を判定することを
特徴とするガス成分濃度計測方法を提供する。
【0021】請求項12の発明では、請求項10または
11記載のガス成分濃計測方法において、照射する励起
光の波長を長、短の2成分に加え、それらの中間領域の
波長を含む多波長とすることを特徴とするガス成分濃度
計測方法を提供する。
【0022】請求項13の発明では、請求項10から1
2までのいずれかに記載のガス成分濃計測方法におい
て、励起光が測定場を通過する際に受ける光吸収を別途
計測することにより、比較的高濃度で含まれる計測対象
以外の物質に関して存在濃度を定量化し、当該物質によ
り発生する蛍光成分を計測結果から差し引くことを特徴
とするガス成分濃度計測方法を提供する。
【0023】請求項14の発明では、請求項10から1
2までのいずれかに記載のガス成分濃計測方法におい
て、予め比較的高濃度で含まれることが予想される計測
対象以外の物質に関してその吸収波長成分の光を前記測
定場に照射し、測定場通過前後の強度変化を計測するこ
とにより、前記物質の濃度を定量化し、当該物質により
発生する蛍光成分を計測結果から消去することを特微と
するガス成分濃度計測方法を提供する。
【0024】請求項15の発明では、請求項10から1
2までのいずれかに記載のガス成分濃計測方法におい
て、予め比較的高濃度で含まれることが予想される計測
対象以外の物質に関してその吸収波長領域を含む連続ス
ペクトル光もしくは多波長の光を前記測定場に照射し、
測定場通過後の強度変化を計測することにより、前記物
質の濃度を定量化し、当該物質により発生する蛍光成分
を計測結果から差し引くことを特徴とするガス成分濃度
計測方法を提供する。
【0025】請求項16の発明では、請求項10から1
2までのいずれかに記載のガス成分濃計測方法におい
て、蛍光発生用の励起光により生ずるラマン散乱光の波
長に対する強度を測定し、予め比較的高濃度で含まれる
ことが予想される計測対象以外の物質に関してその物質
の濃度を定量化し、当該物質により発生する蛍光成分の
強度を該濃度を基に算出し、求められた強度情報分を計
測結果から差し引くことを特徴とするガス成分濃度計測
方法を提供する。
【0026】請求項17の発明では、請求項10から1
2までのいずれかに記載のガス成分濃計測方法におい
て、前記蛍光発生用の励起光とは異なる波長のラマン励
起光を前記測定場に照射してラマン散乱光の波長に対す
る強度を測定し、予め比較的高濃度で含まれることが予
想される計測対象以外の物質に関してその物質の濃度を
定量化し、当該物質により発生する蛍光成分の強度を、
ラマン光強度から求められた濃度を基に算出し、求めら
れた強度情報分を計測結果から差し引くことを特徴とす
るガス成分濃度計測方法を提供する。
【0027】請求項18の発明では、請求項10,1
1,13または16記載のガス成分濃計測方法におい
て、第1,第2の励起光として可視領域ないし赤外領域
のレーザ光を用い、第1の励起光としてそのレーザ光の
第2もしくは第3高調波を用い、第2の励起光としてそ
のレーザ光の第3もしくは第4高調波を用いることを特
徴とするガス成分濃度計測方法を提供する。
【0028】請求項19の発明では、請求項14,15
または17記載のガス成分濃計測方法において、第1,
第2の励起光源として近赤外領域ないし赤外領域で発振
するレーザを用い、励起光としてそのレーザ光の高調波
を用い、吸収光もしくはラマン励起光として、そのレー
ザ光の基本波を用いることを特徴とするガス成分濃度計
測方法を提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガス成分濃度
計測装置およびガス成分濃度計測方法の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0030】第1実施形態(図1、図2) 図1は本発明の第1実施形態を説明するためのシステム
構成図であり、図2は作用説明図である。
【0031】本実施形態の方法では基本的に、測定場に
存在する被測定分子であるガス成分の吸収波長の中で短
い波長領域に対応する第1の励起光を測定場に対して照
射し、この第1の励起光の照射により測定場に誘起され
た第1の蛍光の波長に対応する強度を計測する。また、
被測定分子の吸収波長の中で長い波長領域に対応する第
2の励起光を測定場に照射し、この第2の励起光の照射
により測定場に誘起された第2の蛍光の波長に対応する
強度を計測する。そして、蛍光の強度比および相関に基
づいて、測定場に存在する被測定分子の濃度を判定す
る。
【0032】即ち、装置を用いた具体例について説明す
ると、図1に示すように、本実施形態の装置は、例えば
ダイオキシン等の計測対象となるガス成分を含む試料を
封入した試料セル1と、このガス成分が吸収し得る光の
波長の中から選ばれた2つ以上の異なる波長λ1 ,λ2
の励起光L1 ,L2 を発する励起光源2(第1励起光源
2a,第2励起光源2b)と、この励起光源2から発し
た各励起光L1 ,L2を試料セル1の同一光軸上に導
き、その各励起光L1 ,L2 の照射によりガス成分を電
子的に励起して蛍光Laを発生させる照射光学系3とを
備える。また、試料セル1から発生した蛍光Laを一定
の方向に導く計測光学系4と、この計測光学系4によっ
て導かれる蛍光Laを受け、その蛍光Laの強度を励起
光L1 ,L2 の波長λ1 ,λ2 毎に分光して蛍光スペク
トルを得る蛍光計測手段5(蛍光測定用分光器5a,蛍
光測定用受光器5b)とを備えている。さらに、演算手
段としての信号処理装置6を備えており、この信号処理
装置6では、試料セル1中に含まれ各波長λ1 ,λ2 の
領域で蛍光を発する各種物質の蛍光スペクトルの波形,
強度をデータベースとして保持するとともに、このデー
タベースに基づいて計測対象以外の物質に起因する蛍光
要素スペクトルを収束演算により消去することにより、
蛍光計測手段5で得られた蛍光スペクトル中の計測対象
となるガス成分の蛍光スペクトル成分を抽出し、この抽
出値に基づいてガス成分濃度を求めるようにしている。
【0033】図2(a)は、励起光波長がλ1 ,λ2 の
場合に得られる蛍光スペクトルS1,S2 を例示したも
のである。このうち、波長λ1 による蛍光スペクトルS
1 は、図2(b)に示すように、試料セル1内に比較的
多量に含まれている計測対象以外の物質(成分1,成分
2)による蛍光要素スペクトルSa1 ,Sa2 と、計測
対象である微量含有ガス(成分3)による蛍光要素スペ
クトルSa3 とが足し合わされたものであり、同じく図
2(a)のS2 は、図2(c)に示すように、Sb1 ,
Sb2 ,Sb3 が足し合わされたものである。
【0034】本実施形態では、信号処理装置6を用いて
統計的処理を行い、2つの蛍光スペクトルS1 ,S2 を
要素スペクトルSa1 ,Sa2 ,Sa3 ,Sb1 ,Sb
2 ,Sb3 にデコンボリュートし、S1 からSa1 ,S
a2 を消去するとともに、S2 からSb1 ,Sb2 を消
去した後、残るSa3 ,Sb3 についての連立方程式の
解を求めることにより、計測対象であるガス成分の存在
濃度を算出するものである。
【0035】このように、本実施形態によれば、二つの
蛍光スペクトルS1 ,S2 をそれぞれ試料セル1に含ま
れていると推定される成分により生ずる蛍光成分にデコ
ンボリューションして、第1の蛍光スペクトルS1 、第
2の蛍光スペクトルS2 それぞれが最も良くフィッティ
ングするように各成分の濃度比を算出することにより、
微量成分に対しても正確な濃度測定が行える。
【0036】第2実施形態(図1、図3) 本実施形態では、第1実施形態における蛍光スペクトル
に代え、蛍光の時間的推移(減衰)特性を使用する。
【0037】即ち、本実施形態では、測定場に存在する
被測定分子であるガス成分の吸収波長の中で短い波長領
域に対応する第1の励起光を測定場に対して照射し、こ
の第1の励起光の照射により測定場に誘起された第1の
蛍光の強度の時間推移を、第1の励起光照射開始時刻を
基準に計測する。また、被測定分子の吸収波長の中で長
い波長領域に対応する第2の励起光を測定場に照射し、
この第2の励起光の照射により測定場に誘起された第2
の蛍光の強度の時間推移を、第2の励起光照射開始時刻
を基準に計測し、蛍光の励起光照射開始後の時間経過に
伴う強度比および相関に基づいて、測定場に存在する被
測定分子の濃度を判定する。
【0038】本実施形態の方法は、図1に示した第1実
施形態の装置と略同様の構成を用いて実施することがで
きる。この場合、信号処理装置6ではデータベースとし
て、蛍光強度の時間的推移特性要素を使用する。つま
り、試料セル1に第1の励起波長の光を入射させること
により、第1の蛍光が発生し、同様に第2の励起波長λ
2 の光を試料セル1に入射させることにより、第2の蛍
光が発光する。そこで、計測対象となる物質と他の物質
との間で、蛍光の減衰特性に最も顕著な差異の現れる波
長の蛍光成分を、その時間波形として測定する。
【0039】各光源2a,2bからの放射光波形が生ず
る蛍光波形に比べて充分に短い場合、蛍光の緩和波形は
蛍光を発する物質の物性を反映したものとなるからであ
る。
【0040】図3(a),(b)は、本実施形態の作用
説明図であり、それぞれ波長λ1,λ2の波長を持つ短
パルス励起光で励起された際に発生する蛍光の時間的推
移(緩和特性)の一例を示している。これら蛍光の時間
的推移特性(緩和波形)K1,K2 は前記蛍光スペクト
ルの場合と同様に、試料セル1中に含まれる各成分から
発生した蛍光の時間的推移特性要素(緩和波形要素)k
a1 ,ka2 ,ka3,kb1 ,kb2 ,kb3 が足し
合わされたものであり、各緩和成分にデコンボリュート
するために、信号処理装置6を用いて統計的処理を行
い、計測対象となるガス成分の存在濃度を算出するもの
である。
【0041】このように、本実施形態によれば、二つの
励起波長λ1 ,λ2 による蛍光の減衰特性を、それぞれ
試料セル1に含まれていると推定される成分により生ず
る蛍光の減衰波形成分にデコンボリューションし、その
際、第1,第2の励起波長λ1 ,λ2 に対応して、蛍光
の減衰波形がそれぞれが最も良くフィットするように各
成分の濃度比を算定することにより、微量成分に対して
も正確な濃度測定が行える。
【0042】第3実施形態(図4) 図4は、本発明の第3実施形態を説明するためのシステ
ム構成図である。
【0043】本実施形態が前記の各実施形態と異なる点
は、試料セル1に照射する励起光を、波長の長いもの
(L1 )、短いもの(L2 )の2成分に加え、その中間
領域の波長の励起光L3 を使用する多波長式としたこと
にある。そのために、図4に示すように、第3の励起光
源2cを設けてある。なお、図示しないが、第4,5…
の励起光を発する光源を設けてもよい。本実施形態の場
合は、前記励起光を前記試料に照射する光学系と、第2
以降の蛍光に対する解析機能とを具備する構成とする。
【0044】このような構成にすれば、多くの要素に基
づいて濃度計測を行うことにより、微少ガス成分をさら
に高精度で計測することができる。
【0045】第4実施形態(図5,図6) 図5は本発明の第4実施形態を説明するためのシステム
構成図であり、図6は作用説明図である。
【0046】本実施形態のガス成分濃度測定方法は概略
的に、励起光が測定場を通過する際に受ける吸収を別途
計測することにより比較的高濃度で含まれる計測対象以
外の物質に関して存在濃度を定量化し、当該物質により
発生する蛍光成分を計測結果から差し引くことにより、
計測対象となるガス成分の蛍光強度を抽出して、その濃
度の統計演算を行うものである。
【0047】即ち、図5に示すように、本実施形態で
は、第1実施形態の構成に加えて、励起光L1 ,L2 が
試料セル1に入射する直前に設けられた部分反射鏡7
と、この部分反射鏡7により励起光L1 ,L2 の一部を
抽出して入射光強度を計測する入射光強度計測手段とし
ての入射光強度モニタ7と、試料セル1の励起光入射面
の反対側に設けられ、励起光L1 ,L2 が試料セル1を
通過した後の出射光強度を計測する出射光強度計測手段
としての出射光強度モニタ9とを備えている。そして、
信号処理装置6は、入射光と出射光との強度比に基づい
て試料セル1内に含まれている各種物質による光吸収量
を求め、その各種物質の光吸収量から存在濃度を算出す
る解析手段を備え、この解析手段から得られたデータに
基づいて収束演算を行う構成としてある。
【0048】具体的に説明すると、入出射光の強度比が
信号処理装置6によって求められ、これにより励起光L
1 ,L2 の波長λ1 ,λ2 …に対応する吸収係数α1 ,
α2…が求められる。
【0049】試料セル1中に比較的高濃度で存在する物
質a,b…の励起波長λ1 ,λ2 …における吸収係数を
それぞれγa1 ,γa2 …,γb1 ,rb2 …,とし、
また、a,b…の濃度をそれぞれNa,Nb…とする
と,測定により求められた吸収係数α1 ,α2 …は
【数1】 となる。ここで吸収係数γa1 ,γa2 …,rb1 ,γ
b2 …は予め評価、測定し、信号処理装置6のデーター
ベースに貯えられている。信号処理装置6では、上記関
係式を用い、測定結果を基にして最小自乗法等の統計処
理を行い、試料中に含まれる計測対象外の各成分濃度N
a,Nb…を算出する。
【0050】励起光波長がλ 1、λ2 の場合に得られる
蛍光スペクトルが図2に示したものである場合、例えば
図6(a),(b),(c)に示すように先の吸収係数
法により求めた計測対象以外の物質aの濃度を用いて測
定された蛍光データを基に、計測対象以外の物質aから
生ずる蛍光成分を差し引き、残部スペクトル波形につい
て信号処理装置6により統計的処理を行い、上記物質以
外の物質から生じるスペクトル成分でデコンボリュート
し、計測対象となるガス成分の存在濃度を算出する。
【0051】本実施形態によれば、消去すべき高濃度物
質の濃度を実測値に基づくデータとして入力することに
より、補正要素を減少することができ、演算の容易化お
よび計測の高精度化が図れる。
【0052】第5実施形態(図7) 図7は本発明の第5実施形態を説明するためのシステム
構成図である。
【0053】本実施形態のガス成分濃度測定方法は概略
的に、予め比較的高濃度で含まれることが予想される物
質に関してその吸収波長成分の計測光を測定場に照射
し、測定場通過前後の強度変化を計測することにより、
その物質の濃度を定量化し、当該物質により発生する蛍
光成分を計測結果から差し引くことにより、計測対象と
なるガス成分の蛍光強度を抽出して、その濃度の統計演
算を行うものである。
【0054】即ち、本実施形態では、第1実施形態の構
成に加えて、試料セル1に含まれる計測対象以外の物質
の吸収波長で、かつ励起光とは異なる波長の吸収用の光
L4を発する吸収用光源10と、この光源10から発し
た吸収計測用の光L4 を試料セル1に入射する吸収用入
射光学系11と、吸収用の光L4 が試料セル1に入射す
る直前に、その光L4 の一部をビームスプリッタ12で
抽出して入射光強度を測定する入射光強度測定手段とし
ての入射光強度モニタ13と、試料セル1を通過した後
の出射光強度を測定する出射光強度測定手段としての射
出光強度モニタ14とを備えている。そして、信号処理
装置6は、入射光と出射光との強度比に基づいて試料セ
ル1内に含まれている各種物質による光吸収量を求め、
その各種物質の光吸収量から存在濃度を算出する解析手
段を備え、この解析手段から得られたデータに基づいて
収束計算を行う構成としてある。
【0055】このような構成において、前記各実施形態
と同様に、試料セル1に異なった波長の励起光L1 ,L
2 を照射する。さらにこの場合、励起光L1 ,L2 とは
別の吸収用の光L4 を照射し、この光L4 が励起光L1
,L2 の照射空間を横切って試料セル1に達するよう
にする。この吸収用の光L4 の波長は、試料セル1に含
まれていると考えられる成分の吸収波長中で他の物質と
の識別が良好なスペクトルとして予め調査、選択された
ものである。吸収用の光L4 が試料セル1に入射する光
強度及び透過光強度を測定することにより、試料の波長
に対する透過率特性が求まる。計測対象以外に含まれる
複数の物質濃度を計測する場合、吸収用の光L4 の波長
を必要に応じて変化させ、同様の計測を行う。このよう
にして測定した吸収特性から各成分濃度を求め、求めら
れた吸収特性に一致するように各成分の濃度比を統計的
手法により導くものである。
【0056】本実施形態では、吸収用の光L4 の入出射
光の強度比を信号処理装置6によって求め、波長λ3 ,
λ4 …に対応する吸収係数α3 ,α4 …を求める。
【0057】試料セル1中に比較的高濃度で存在する物
質a,b…の励起波長λ3 ,λ4 …における吸収係数を
それぞれγa3 ,γa4 …,γb3 ,γb4 …,とす
る。また、a,b…の濃度をそれぞれNa,Nb…とす
れば測定により求められた吸収係数α3 ,α4 …は
【数2】 となる。ここでγa3 ,γa4 …,γb3 ,γb4 …,
は予め評価、測定し信号処理系装置6のデーターベース
に貯えられている。信号処理装置6により上記関係式を
用いて測定結果を最小自乗法等の統計処理を行い、試料
中に含まれる計測対象以外の各成分濃度Na,Nb…を
算出する。
【0058】本実施形態においても、第4実施形態と同
様に、計測対象以外の物質の濃度を用いて測定された蛍
光データを基に、計測対象以外の物質から生ずる蛍光成
分を差し引き、残部スペクトル波形を信号処理装置6を
用いて統計的に処理し、上記物質以外の物質より生ずる
スペクトル成分でデコンボリュートすることにより、計
測対象となるガス成分の存在濃度を算出することができ
る。
【0059】第6実施形態(図8、9) 図8は本発明の第6実施形態を説明するためのシステム
構成図であり、図9は作用説明図である。
【0060】本実施形態のガス成分濃度測定法は第5実
施形態と同様に、吸収用の光源を別に使用するものであ
るが、この吸収用の光源を、予め比較的高濃度で含まれ
ることが予想される物質に関してその吸収波長領域を含
む連続スペクトル光もしくは多波長の計測光を測定場に
照射し、測定場通過後の強度変化を計測することにより
その物質の濃度を定量化し、当該物質により発生する蛍
光成分を計測結果から差し引くことにより、計測対象と
なるガス成分の蛍光強度を抽出して、その濃度の統計演
算を行うものである。
【0061】即ち、図8に示すように、本実施形態で
は、吸収用光源15から発する計測光L5 が、試料セル
1に含まれていると考えられる物質の吸収波長を含む連
続スペクトル、あるいは多数のスペクトル成分により構
成されている。この吸収用の光L5 が試料セル1に入射
する光強度及び透過光強度を測定することにより、試料
の波長に対する透過率特性が求まる。これらの吸収特性
は、試料セル1に含まれている物質により生ずる吸収の
総和と考えられ、求められた吸収特性に一致するように
各成分の濃度比を統計的手法により導くものである。な
お、本実施形態において、第5実施形態と同一の構成部
分には、図8に図7と同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0062】本実施形態においては、例えば吸収用光源
15から試料セル1の吸収波長域で連続スペクトルを放
射する。この場合、図9に実線で示した曲線(I)が、
測定結果に対する試料中に比較的高濃度で存在すること
が予期される物質a,bによる吸収スペクトル波形の合
成を表している。これらの物質の吸収スペクトル波形は
予め知られており、これをデータベースに保持してお
く。そして、各物質a,bの濃度に応じて吸収強度を変
化させて、吸収スペクトル成分を推定する。即ち、各物
質a,bの個別の吸収スペクトル波形は、図9に破線
(II)および一点鎖線(III )で示すようなものにな
る。測定により得られたこれらのスペクトル波形を、各
物質の吸収の台形波形で最も良く再現できるように信号
処理装置6で処理し、濃度Na,Nb…を算出する。
【0063】そして、この濃度データを前記各実施形態
と同様に、励起光L1 ,L2 から求められたスペクトル
波形処理に適用し、計測対象以外の物質から生ずる蛍光
成分を差し引き、残部スペクトル波形を信号処理装置6
を用いて統計的処理を行い、上記物質以外の物質より生
ずるスペクトル成分でデコンボリュートし、計測対象物
質の存在濃度を算出する。
【0064】本実施形態によれば、前記各実施形態と同
様に、得られた複数の蛍光スペクトルをそれぞれ試料に
含まれていると推定される物質により生ずる蛍光成分に
デコンボリューションする場合、上記吸収特性より求め
た各物質の濃度データを用い、さらに各励起波長による
蛍光が最も良くフィッティングするように各物質の濃度
比を統計的手段を用いて算定することにより、微量ガス
成分に対しても正確な濃度測定が行える。
【0065】第7実施形態(図10、11) 図10は本発明の第7実施形態を説明するためのシステ
ム構成図であり、図11は作用説明図である。
【0066】本実施形態のガス成分濃度測定方法は概略
的に、蛍光発生用の励起光により生ずるラマン散乱光の
波長に対する強度を測定し、予め比較的高濃度で含まれ
ることが予想される計測対象以外の物質に関してその物
質の濃度を定量化し、当該物質により発生する蛍光成分
の強度を該濃度を基に算出し、この蛍光強度の算出値を
計測値から差し引くことにより、計測対象となるガス成
分の蛍光強度を抽出してその濃度を前記各実施形態と同
様の統計演算によって求めるものである。
【0067】即ち、図10に示すように、本実施形態で
は、第1実施形態の構成に加えて、励起光L1 ,L2 が
試料セル1に入射した際に試料セル1に含まれる物質に
よりその物質特有のラマンシフトを受けたラマン散乱光
L6 を集光するラマン散乱光集光用光学系16と、この
光学系16で計測したラマン散乱光L6 を分光して波長
および強度を計測するラマン光計測手段17(ラマン光
測定用分光器17aおよびラマン光測定用受光器17
b)とを備えている。
【0068】そして、ラマン散乱光集光用光学系16お
よびラマン光計測手段17により、励起光L1 ,L2 が
試料セル1に入射した際に試料セル1に含まれる物質特
有のラマンシフトを受けたラマン散乱光L6 の波長およ
び強度が計測される。信号処理装置6には、ラマン光強
度を基に試料セル1内に含まれている物質による吸収量
から特定物質の存在濃度を算出する濃度解析手段と、蛍
光Laの分光および計測結果を解析する計測結果解析手
段とが含まれている。
【0069】計測時には図11に示すように、励起光源
2a,2bからの励起光L1 ,L2により励起された試
料セル1から蛍光La以外にラマン散乱光L6 が発生す
る。このラマン散乱光L6 の成分がラマン散乱光測定用
分光器17aおよび検出器17bで計測される。ラマン
散乱光L6 のスペクトル波形および強度は、その基にな
る物質の種類、濃度により異なるので、信号処理系装置
6を用い、存在が予期される計測対象以外の物質の成分
濃度を算出することができる。
【0070】一方、励起光L1 ,L2 に基づく蛍光スペ
クトルは図2に示したように求められる。そこで、ラマ
ン光強度解析により求めた計測対象以外の物質の濃度を
基に、それらの物質により出現する蛍光強度、波形を算
出し、測定スペクトルから差し引くことにより、微量成
分からの蛍光発光が主体となる残部スペクトル波形を得
て、信号処理系装置6を用いてこの残部スペクトルに統
計的処理を行い、計測対象となるガス成分の存在濃度を
算出することができる。
【0071】即ち、本実施形態においては、測定される
ラマン散乱光L6 の特性が、試料に含まれている物質に
より生ずる各々のラマン散乱光L6 の総和と考えられる
ことから、測定されたラマン散乱光L6 に一致するよう
に試料中に存在すると予測される各物質の濃度比を統計
的手法により導くものである。
【0072】このような本実施形態によれば、前記実施
形態と同様に、得られた複数の蛍光スペクトルをそれぞ
れ試料に含まれていると推定される物質により生ずる蛍
光成分にデコンボリューションする場合において、ラマ
ン散乱特性から求めた各物質の濃度データを用い、さら
に各励起波長による蛍光が最も良くフィッティングする
ように各物質の濃度比を統計的手段を用いて算定するこ
とにより、微量ガス成分に対しても正確な濃度測定が行
える。
【0073】第8実施形態(図12) 図12は本発明の第8実施形態を説明するためのシステ
ム構成図である。
【0074】本発明のガス成分濃度測定方法は概略的
に、上記蛍光発生用の励起光とは異なる波長のラマン励
起光を測定場に照射しラマン散乱光の波長に対する強度
を測定し、予め比較的高濃度で含まれることが予想され
る計測対象以外の物質に関してその物質の濃度を定量化
し、当該物質により発生する蛍光成分の強度をラマン光
強度から求められた該濃度を基に算出し、この蛍光強度
の算出値を計測値から差し引くことにより、計測対象と
なるガス成分の蛍光強度を抽出してその濃度を前記各実
施形態と同様の統計演算によって求めるものである。
【0075】即ち、図12に示すように、本実施形態で
は、第1実施形態の構成に加えて、励起光L1 ,L2 と
は異なる波長のラマン励起光L7 を発するラマン光励起
光源18と、このラマン励起光L7 を試料セル1に入射
するラマン光励起入射光学系19と、ラマン励起光L7
が試料セル1に入射する直前に、そのラマン励起光L7
の一部をビームスプリッタ20で抽出して入射光強度を
測定する入射光強度測定手段としての入射光強度モニタ
21と、ラマン励起光L7 を試料セル1に入射すること
により生じた誘導ラマン光L8 を測定する誘導ラマン光
測定手段22(誘導ラマン光測定用分光器22a、誘導
ラマン光測定用受光器22b)とを備えている。
【0076】そして、信号処理手段6には、計測された
誘導ラマン光強度に基づいて試料セル1内に含まれてい
る物質による吸収量から特定物質の存在濃度を算出する
濃度解析手段と、蛍光Laの分光および計測結果を解析
する計測結果解析手段とが含まれている。
【0077】計測時には図12に示すように、ラマン励
起光L7 により励起された試料セル1から誘導ラマン光
L8 が発生する。この誘導ラマン光L8 が分光器22a
および受光器22bにより計測される。誘導ラマン光L
8 のスペクトル波形、強度はその基になる物質の種、濃
度により異なるので、信号処理装置6を用いて存在が予
期される計測対象以外の物質の濃度を算出することがで
きる。
【0078】一方、励起光L1 ,L2 に基づく蛍光スペ
クトルは図2に示したように求められる。そこで、ラマ
ン光強度解析により求めた計測対象以外の物質の濃度を
基に、それらの物質により出現する蛍光強度、波形を算
出し、測定スペクトルから差し引くことにより、微量成
分からの蛍光発光が主休となる残部スペクトル波形を得
て、信号処理装置6を用いてこの残部スペクトルに統計
的処理を行い、計測対象となるガス成分の存在濃度を算
出することができる。
【0079】即ち、本実施形態では、前記第1実施形態
と同様に、試料セル1に異なった波長の励起光L1 ,L
2 を照射するとともに、蛍光励起光とは別の波長のコヒ
ーレント光を試料セル1に入射することによって生じた
誘導ラマン光L8 の強度を測定し、これらの誘導ラマン
光L8 が試料セル1に含まれている物質により異なった
波長を持つことに基づいて、測定された誘導ラマン光L
8 のスペクトル成分に一致するように試料中に存在する
と予測される各物質の濃度比を統計的手法により導くも
のである。
【0080】これにより、本実施形態によっても、前記
実施形態と同様に、得られた複数の蛍光スペクトルをそ
れぞれ試料に含まれていると推定される物質により生ず
る蛍光成分にデコンポリューションする場合において、
誘導ラマン光特性より求めた各物質の濃度データーを用
い、さらに各励起波長による蛍光が最も良くフィッティ
ングするように各物質の濃度比を統計的手段を用いて算
定することにより、微量ガス成分に対しても正確な濃度
測定が行える。
【0081】第9実施形態(図13) 図13は本発明の第9実施形態を説明するためのシステ
ム構成図である。
【0082】本実施形態は第1,2,4,7実施形態に
おける励起光源2の変形例についてのものである。即
ち、本実施形態のガス成分濃度計測装置では、図13に
示すように、励起光源2を可視領域ないし赤外領域で発
振するレーザ2dとし、このレーザ2dから発振される
レーザ光L9 の基本波の波長および計測対象となるガス
成分の吸収領域によって選ばれる次数の高調波を作る複
数の非線型光学素子(結晶)23,24,25と、これ
らの非線型光学素子23,24,25で作られる各高調
波を選択的に試料セル1に照射する光スイッチ26とを
備えている。そして、例えば第1の励起光としてレーザ
光L9 の第2もしくは第3高調波を用い、第2の励起光
としてそのレーザ光L9 の第3もしくは第4高調波を用
いるようにしている。なお、他の構成については、第
1,2,4,7実施形態と略同様である。
【0083】このように、本実施形態においては、光源
として前記第1、2、4、7実施形態で用いる複数の光
源に代えて1台のレーザ2dから各発振されるレーザ光
L9を使用し、光スイッチ26で切り替えられる各非線
型素子23,24,25により、レーザ光L9 の基本波
の1/2の波長の光(第2高調波)、1/3の波長の光
(第3高調波)、あるいは1/4の波長の光(第4高調
波)を発生させ、これらを第1または第2の励起光(波
長λ1 ,λ2 )として用いるものである。
【0084】したがって、本実施形態によれば、前記各
実施形態と同様の作用効果に加え、光源が単純になるこ
とと同時に、各波長の光がほぼ同一光路上に位置するた
め、入射光学系を単純にすることができる等の利点が得
られる。
【0085】なお、本実施形態において、励起光源であ
る可視領域ないし赤外領域で発振するレーザー2dとし
ては、例えばNd/YAGレーザが好適である。
【0086】第10実施形態(図14) 図14は本発明の第10実施形態を説明するためのシス
テム構成図である。
【0087】本実施形態は第5,第6,第8実施形態に
おける励起光源および吸収もしくはラマン光源の変形例
についてのものである。即ち、本実施形態のガス成分濃
度計測装置では、図14に示すように、励起光源2を可
視領域(特に近赤外領域)ないし赤外領域で発振するレ
ーザ2dとし、このレーザ2dから発振されるレーザ光
の基本波の波長および計測対象となるガス成分の吸収領
域によって選ばれる次数の高調波を作る複数の非線型光
学素子(結晶)23,24,25と、これらの非線型光
学素子23,24,25で作られる各高調波を選択的に
試料セル1に照射する光スイッチ26とを備えている。
また、本実施形態では、吸収もしくはラマン光源とし
て、レーザ2dから発振されるレーザ光L9 の基本波L
10を抽出する光スイッチ27と、抽出した基本波L10を
試料セル1に照射する基本波照射光学系28とにより構
成してある。そして、例えば第1,第2の励起光として
第9実施形態と同様のレーザ光L9 の高調波を用い、吸
収光もしくはラマン励起光として、そのレーザ光の基本
波L10を用いるようにしている。なお、他の構成につい
ては、第5,第6,第8実施形態と略同様である。
【0088】このように、本実施形態においては、光源
として前記第5,6実施形態で用いる複数の光源に代え
て1台のレーザ2dから発振されるレーザ光L9 を使用
し、光スイッチ26で切り替えられる各非線型素子2
3,24,25により、レーザ光L9 の基本波の1/2
の波長の光(第2高調波)、1/3の波長の光(第3高
調波)、あるいは1/4の波長の光(第4高調波)を発
生させ、これらを第1、第2の励起光として用いるとと
もに、さらに吸収もしくはラマン励起光として基本波L
10を用いることにより、比較的大強度の光励起を可能と
し、高効率に誘導ラマン光を得ることができるものであ
る。
【0089】したがって、本実施形態によれば、前記各
実施形態と同様の作用効果に加え、励起光源および吸収
もしくはラマン光源の単一化により、さらに光源の構成
が単純になることと同時に、各波長の光がほぼ同一光路
上に位置するため、入射光学系を単純にすることができ
る等の利点が得られる。
【0090】なお、本実施形態においても、励起光源お
よび吸収もしくはラマン光源としての可視(近赤外)領
域ないし赤外領域で発振するレーザー2dとしては、例
えばNd/YAGレーザが好適である。
【0091】
【発明の効果】本発明は以上で詳述したように、同一試
料内に共存する妨害物質からの蛍光を、多波長の励起光
の使用によって取り除き、多成分系に存在する微量物質
の測定感度を向上させることができ、また、試料の吸収
特性を基に多成分試料中の中ないし高濃度物質の濃度を
選出することにより、これらの物質からの蛍光を測定信
号から取り除くことができ、多成分系に存在する微量物
質の測定感度を向上させることができる。さらに、試料
のラマン光発光特性を基に、多成分試料中の中ないし高
濃度物質の濃度を選出することにより、これらの物質か
らの蛍光を測定信号から取り除くことができ、多成分系
に存在する微量ガス成分の測定感度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるガス成分濃度測定
装置の構成を示す説明図。
【図2】(a),(b),(c)は前記実施形態により
得られた蛍光スペクトルのデコンボリューション例を示
す説明図。
【図3】(a),(b)は本発明の第2実施形態により
得られた蛍光波形の緩和時間に対するデコンボリューシ
ョン例を示す説明図。
【図4】本発明の第3実施形態によるガス成分濃度測定
装置の構成を示す説明図。
【図5】本発明の第4実施形態によるガス成分濃度測定
装置の構成を示す説明図。
【図6】(a),(b),(c)は前記実施形態による
ガス成分濃度測定法において、吸収係数をもとに蛍光波
形をデコンボリューションする例を示す説明図。
【図7】本発明の第5実施形態によるガス成分濃度測定
装置の構成を示す説明図。
【図8】本発明の第6実施形態によるガス成分濃度測定
装置の構成を示す説明図。
【図9】前記実施形態における吸収スペクトル波形のデ
コンボリューション例を示す図。
【図10】本発明の第7実施形態によるガス成分濃度測
定装置の構成を示す説明図。
【図11】前記実施形態による試料セルから放射される
光のスペクトル構成を模式的に示す説明図。
【図12】本発明の第8実施形態によるガス成分濃度測
定装置の構成を示す説明図。
【図13】本発明の第9実施形態によるガス成分濃度測
定装置の構成を示す説明図。
【図14】本発明の第10実施形態によるガス成分濃度
測定装置の構成を示す説明図。
【符号の説明】
1 試料セル 2,2a,2b,2c 蛍光励起光源 2d レーザ 3 照射光学系 4 計測光学系 5 蛍光計測手段 5a 蛍光測定用分光器 5b 蛍光測定用受光器 6 信号処理装置(演算手段) 7 部分反射鏡 8,13 入射光強度モニタ 9,14 出射光強度モニタ 10,15 吸収用光源 11 吸収用入射光学系 12 ビームスプリッタ 16 ラマン散乱光用光学系 17 ラマン光計測手段 17a ラマン散乱光測定用分光器 17b ラマン散乱光測定用受光器 18 ラマン光励起光源 19 ラマン光励起光入射光学系 20 ビームスプリッタ 21 入射光強度モニタ 22 誘導ラマン光測定手段 22a 誘導ラマン光測定用分光器 22b 誘導ラマン光測定用受光器 23 第2高調波発生用非線型光学素子 24 第3高調波発生用非線型光学素子 25 第4高調波発生用非線型光学素子 26,27 光スイッチ 28 基本波照射光学系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 隆志 神奈川県平塚市南金目380番地 東海大学 第三職員住宅107号室 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA14 CA01 CA03 DA06 EA01 EA03 EA13 FA03 FA06 GA02 GB01 GB03 GB18 HA01 HA02 HA05 HA09 HA15 JA00 KA09 LA01 MA01 MA11 NA01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測対象となるガス成分を含む試料を封
    入した試料セルと、前記ガス成分が吸収し得る光の波長
    の中から選ばれた2以上の異なる波長の励起光を発する
    励起光源と、この励起光源から発した励起光を前記試料
    セルに導き、その励起光の照射により前記ガス成分を電
    子的に励起して蛍光を発生させる照射光学系と、前記試
    料セルから発生した蛍光を一定の方向に導く計測光学系
    と、この計測光学系によって導かれる蛍光を受け、その
    蛍光の強度を前記励起光の波長毎に分光して蛍光スペク
    トルを得る蛍光計測手段と、前記試料中に含まれ前記各
    波長の領域で蛍光を発する各種物質の蛍光要素スペクト
    ルをデータベースとし、このデータベースに基づいて計
    測対象以外の物質に起因する蛍光要素スペクトルを収束
    演算により消去することにより、前記蛍光計測手段で得
    られた蛍光スペクトル中の計測対象となるガス成分の蛍
    光要素スペクトルを抽出し、この抽出値に基づいてガス
    成分濃度を求める演算手段とを備えたことを特徴とする
    ガス成分濃度計測装置。
  2. 【請求項2】 計測対象となるガス成分を含む試料を封
    入した試料セルと、前記ガス成分が吸収し得る光の波長
    の中から選ばれた2以上の異なる波長の励起光を発する
    励起光源と、この励起光源から発した励起光を前記試料
    セルに導き、その励起光の照射により前記ガス成分を電
    子的に励起して蛍光を発生させる照射光学系と、前記試
    料セルから発生した蛍光を一定の方向に導く計測光学系
    と、この計測光学系によって導かれる蛍光を受け、その
    蛍光強度の時間的推移特性を得る蛍光計測手段と、前記
    試料セル中に含まれ前記各波長の領域で蛍光を発する各
    種物質の蛍光強度の時間的推移特性要素をデータベース
    とし、このデータベースに基づいて計測対象以外の物質
    に起因する蛍光強度の時間的推移特性要素を収束演算に
    より消去することにより、前記蛍光計測手段で得られた
    蛍光強度の時間的推移特性中の計測対象となるガス成分
    の蛍光強度の時間的推移特性要素を抽出し、この抽出値
    に基づいてガス成分濃度を求める演算手段とを備えたこ
    とを特徴とするガス成分濃度計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のガス成分濃度計
    測装置において、励起光が試料セルに入射する直前にそ
    の一部を抽出して入射光強度を計測する入射光強度計測
    手段と、前記励起光が前記試料セルを通過した後の出射
    光強度を計測する出射光強度計測手段と、前記入射光と
    出射光との強度比に基づいて前記試料セル内に含まれて
    いる各種物質による光吸収量を求め、その各種物質の光
    吸収量から存在濃度を算出する解析手段とを備え、演算
    手段は前記データベースに代え、または加えて、前記解
    析手段から得られたデータに基づいて収束演算を行うも
    のであることを特徴とするガス成分濃度計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のガス成分濃度計
    測装置において、前記試料セルに含まれる計測対象以外
    の物質の吸収波長で、かつ前記励起光とは異なる波長の
    吸収用の光を発する吸収用光源と、この光源から発した
    吸収計測用の光を前記試料セルに入射する吸収用入射光
    学系と、前記吸収用の光が前記試料セルに入射する直前
    に、その光の一部を抽出して入射光強度を測定する入射
    光強度測定手段と、前記試料セルを通過した後の出射光
    強度を測定する出射光強度測定手段と、前記入射光と出
    射光との強度比に基づいて前記試料セル内に含まれてい
    る各種物質による光吸収量を求め、その各種物質の光吸
    収量から存在濃度を算出する解析手段とを備え、演算手
    段は前記データベースに代え、または加えて、前記解析
    手段から得られたデータに基づいて収束計算を行うもの
    であることを特徴とするガス成分濃度計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載のガス成分濃度計
    測装置において、前記試料セルに含まれる計測対象以外
    の各種物質の吸収波長を含む連続スペクトルあるいは複
    数の波長成分を持つ吸収用の光を発する吸収用光源と、
    この光源から発した吸収計測用の光を前記試料セルに入
    射する吸収用入射光学系と、前記吸収用の光が前記試料
    セルに入射する直前に、その光の一部を抽出して入射光
    強度を測定する入射光強度測定手段と、前記試料セルを
    通過した後の出射光強度を測定する出射光強度測定手段
    と、前記入射光と出射光との強度比に基づいて前記試料
    セル内に含まれている各種物質による光吸収量を求め、
    その各種物質の光吸収量から存在濃度を算出する解析手
    段とを備え、前記解析手段から得られたデータに基づい
    て収束計算を行うものであることを特徴とするガス成分
    濃度計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載のガス成分濃度計
    測装置において、励起光が前記試料セルに入射した際に
    前記試料セルに含まれる物質によりその物質特有のラマ
    ンシフトを受けたラマン散乱光を集光するラマン散乱光
    集光用光学系と、この光学系で計測したラマン散乱光を
    分光して波長および強度を計測するラマン光計測手段
    と、前記ラマン光強度に基づいて前記試料セル内に含ま
    れている各種物質による光吸収量を求め、その各種物質
    の光吸収量から存在濃度を算出する解析手段とを備え、
    演算手段は前記データベースに代え、または加えて、前
    記解析手段から得られたデータに基づいて収束計算を行
    うものであることを特徴とするガス成分濃度計測装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載のガス成分濃度計
    測装置において、励起光とは異なる波長の励起光を発す
    るラマン励起光源と、前記ラマン励起光を前記試料セル
    に入射するラマン励起光入射光学系と、前記ラマン励起
    光を前記試料セルに入射するすることにより生じた誘導
    ラマン光を測定するラマン光測定手段と、このラマン光
    測定手段によって測定された誘導ラマン光強度に基づい
    て、前記試料セル内に含まれている各種物質による光吸
    収量を求め、その各種物質の光吸収量から存在濃度を算
    出する解析手段とを備え、演算手段は前記データベース
    に代え、または加えて、前記解析手段から得られたデー
    タに基づいて収束計算を行うものであることを特徴とす
    るガス成分濃度計測装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3または6記載のガス成
    分濃度計測装置において、励起光源を可視領域ないし赤
    外領域で発振するレーザとし、このレーザから発振され
    るレーザ光の基本波の波長および計測対象となるガス成
    分の吸収領域によって選ばれる次数の高調波を作る複数
    の非線型光学素子と、これらの非線型光学素子で作られ
    る各高調波を選択的に試料セルに照射する光スイッチと
    を備えたことを特徴とするガス成分濃度計測装置。
  9. 【請求項9】 請求項4,5または7記載のガス成分濃
    度計測装置において、励起光源を可視領域ないし赤外領
    域で発振するレーザとし、このレーザから発振されるレ
    ーザ光の基本波の波長および計測対象となるガス成分の
    吸収領域によつて選ばれる次数の高調波を作る複数の非
    線型光学素子と、これらの非線型光学素子で作られる各
    高調波を選択的に試料セルに照射する光スイッチとを備
    え、かつ吸収もしくはラマン光源を、前記レーザから発
    振されるレーザ光の基本波を抽出する光スイッチと、抽
    出した基本波を前記試料セルに照射する基本波照射光学
    系とにより構成したことを特徴とするガス成分濃度計測
    装置。
  10. 【請求項10】 測定場に存在するガス成分の吸収波長
    の中で短い波長領域に対応する第1の励起光を前記測定
    場に対して照射し、この第1の励起光の照射により前記
    測定場に誘起された第1の蛍光の波長に対応する強度を
    計測するとともに、前記ガス成分の吸収波長の中で長い
    波長領域に対応する第2の励起光を前記測定場に照射
    し、この第2の励起光の照射により前記測定場に誘起さ
    れた第2の蛍光の波長に対応する強度を計測し、前記蛍
    光の強度比および相関に基づいて、前記測定場に存在す
    るガス成分の濃度を判定することを特徴とするガス成分
    濃度計測方法。
  11. 【請求項11】 測定場に存在するガス成分の吸収波長
    の中で短い波長領域に対応する第1の励起光を前記測定
    場に対して照射し、この第1の励起光の照射により前記
    測定場に誘起された第1の蛍光の強度の時間推移を前記
    第1の励起光照射開始時刻を基準に計測するとともに、
    この前記ガス成分の吸収波長の中で長い波長領域に対応
    する第2の励起光を前記測定場に照射し、この第2の励
    起光の照射により前記測定場に誘起された第1の蛍光の
    強度の時間推移を前記第2の励起光の照射開始時刻を基
    準に計測し、前記蛍光の励起光照射開始後の時間経過に
    伴う強度比および相関に基づいて、前記測定場に存在す
    るガス成分の濃度を判定することを特徴とするガス成分
    濃度計測方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載のガス成分
    濃計測方法において、照射する励起光の波長を長、短の
    2成分に加え、それらの中間領域の波長を含む多波長と
    することを特徴とするガス成分濃度計測方法。
  13. 【請求項13】 請求項10から12までのいずれかに
    記載のガス成分濃計測方法において、励起光が測定場を
    通過する際に受ける光吸収を別途計測することにより、
    比較的高濃度で含まれる計測対象以外の物質に関して存
    在濃度を定量化し、当該物質により発生する蛍光成分を
    計測結果から差し引くことを特徴とするガス成分濃度計
    測方法。
  14. 【請求項14】 請求項10から12までのいずれかに
    記載のガス成分濃計測方法において、予め比較的高濃度
    で含まれることが予想される計測対象以外の物質に関し
    てその吸収波長成分の光を前記測定場に照射し、測定場
    通過前後の強度変化を計測することにより、前記物質の
    濃度を定量化し、当該物質により発生する蛍光成分を計
    測結果から消去することを特微とするガス成分濃度計測
    方法。
  15. 【請求項15】 請求項10から12までのいずれかに
    記載のガス成分濃計測方法において、予め比較的高濃度
    で含まれることが予想される計測対象以外の物質に関し
    てその吸収波長領域を含む連続スペクトル光もしくは多
    波長の光を前記測定場に照射し、測定場通過後の強度変
    化を計測することにより、前記物質の濃度を定量化し、
    当該物質により発生する蛍光成分を計測結果から差し引
    くことを特徴とするガス成分濃度計測方法。
  16. 【請求項16】 請求項10から12までのいずれかに
    記載のガス成分濃計測方法において、蛍光発生用の励起
    光により生ずるラマン散乱光の波長に対する強度を測定
    し、予め比較的高濃度で含まれることが予想される計測
    対象以外の物質に関してその物質の濃度を定量化し、当
    該物質により発生する蛍光成分の強度を該濃度を基に算
    出し、求められた強度情報分を計測結果から差し引くこ
    とを特徴とするガス成分濃度計測方法。
  17. 【請求項17】 請求項10から12までのいずれかに
    記載のガス成分濃計測方法において、前記蛍光発生用の
    励起光とは異なる波長のラマン励起光を前記測定場に照
    射してラマン散乱光の波長に対する強度を測定し、予め
    比較的高濃度で含まれることが予想される計測対象以外
    の物質に関してその物質の濃度を定量化し、当該物質に
    より発生する蛍光成分の強度を、ラマン光強度から求め
    られた濃度を基に算出し、求められた強度情報分を計測
    結果から差し引くことを特徴とするガス成分濃度計測方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項10,11,13または16記
    載のガス成分濃計測方法において、第1,第2の励起光
    として可視領域ないし赤外領域のレーザ光を用い、第1
    の励起光としてそのレーザ光の第2もしくは第3高調波
    を用い、第2の励起光としてそのレーザ光の第3もしく
    は第4高調波を用いることを特徴とするガス成分濃度計
    測方法。
  19. 【請求項19】 請求項14,15または17記載のガ
    ス成分濃計測方法において、第1,第2の励起光源とし
    て近赤外領域ないし赤外領域で発振するレーザを用い、
    励起光としてそのレーザ光の高調波を用い、吸収光もし
    くはラマン励起光として、そのレーザ光の基本波を用い
    ることを特徴とするガス成分濃度計測方法。
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