JP2004527597A - ボレート試薬で作成される高活性ポリエチレン触媒 - Google Patents

ボレート試薬で作成される高活性ポリエチレン触媒 Download PDF

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Abstract

本発明は特にオレフィン重合につき有用な改良支持チーグラー・ナッタ触媒に関するものであり、この触媒はキャリヤと有機マグネシウム化合物とボレート化合物と1種の遷移金属化合物とからなっている。

Description

【0001】
本発明はオレフィンの重合方法、この種の重合のための触媒およびこの種の触媒の製造方法に関するものである。本発明の特定面は、エチレンの線状低密度コポリマー(以下「LLDPE」と称する)および高密度ポリマー(「HDPR」と称する)の製造方法に関するものである。
【0002】
本発明は、気相におけるオレフィンの(共)重合に特に適している。この種の気相重合プロセスは、たとえば気体モノマーおよびコモノマーをポリオレフィンと重合用触媒とを含む攪拌および/またはガス流動床に導入して行うことができる。
【0003】
オレフィンのガス流動床重合において、重合はポリマー粒子の床がガス反応モノマーからなる上昇ガス流により流動状態に維持される流動床反応器にて行われる。この種の重合の始動は一般に、製造することが望ましいポリマーに類似するポリマー粒子の床を使用する。重合の過程でモノマーの接触重合により新鮮ポリマーが生成されると共に、ポリマー生成物は多かれ少なかれ一定容積を維持すべく抜き取られる。工業上好ましいプロセスは、流動化用ガスを床に分配すると共にガスの供給が遮断された際に床の支持体として作用する流動化グリッドを用いる。生成されたポリマーは一般に、反応器の下部に流動化グリッドの近傍で配置された放出導管を介し反応器から抜き取られる。流動床は成長するポリマー粒子の床で構成される。この床は、流動化用ガスが反応器底部からの連続上昇流により流動状態に維持される。
【0004】
オレフィンの重合は発熱反応であり、従って床を冷却して重合熱を除去する手段を設ける必要がある。この種の冷却がなければ床は温度上昇し、たとえば触媒は不活性となり或いは床は融合し始める。オレフィンの流動床重合において、重合熱を除去する好適方法は重合反応器にガス、すなわち流動化用ガス(このガスは所望の重合温度よりも低い温度にある)を供給し、ガスを流動床に通過させて重合熱を持ち去り、ガスを反応器から除去すると共にこれを外部熱交換器への通過により反応器を冷却し、ガスを床に循環させることである。循環ガスの温度は熱交換器で調整して流動床を所望重合温度に維持することができる。このα−オレフィンの重合方法において、循環ガスは一般にモノマーおよびコモノマーのオレフィンを必要に応じたとえば窒素のような不活性希釈ガスまたは水素のようなガス状連鎖移動剤と一緒に含む。すなわち循環ガスはモノマーを床に供給し、床を流動化させ、更に床を所望温度に維持するよう作用する。重合反応により消耗されたモノマーは一般に、補充ガスもしくは液体を重合帯域もしくは反応ループに添加することにより補充される。
【0005】
線状低密度ポリエチレンポリマーは、たとえば高密度ポリマー(ポリエチレンのホモポリマーを包含する)のような他のポリエチレンポリマーとは異なる性質を有する。これら性質の幾つかはアンダーソン等に係る米国特許第4076698号明細書(特許文献1)に記載されている。
【0006】
ポリエチレン樹脂を製品まで加工する場合、樹脂の分子量分布を制御することが重要である。当業者には知られるように、製品の性質は樹脂の分子量分布から予測しうるからである。
【0007】
樹脂の分子量分布における尺度の1つはメルト流量(MFR)であり、これは所定の樹脂につきメルトインデックス(MIもしくはI)に対する高負荷メルトインデックス(HLMIもしくはI21)の比である。MFRはここでは、高負荷メルトインデックス(HLMIもしくはI21)をメルトインデックス(MIもしくはI)で割算した比として規定される。メルト流量はポリマーの分子量分布を示すと信じられ、この数値が高い程、分子量分布は幅広となる。比較的低いMFR値を有する樹脂、たとえば約20〜約45、好ましくは20〜35のMFR値を有する樹脂は比較的狭い分子量分布を有する。更に、このような比較的低いMFR値を有するLLDPE樹脂は、高いMFR値を有する樹脂よりも良好な強度特性のフィルムを生成する。
【0008】
より高密度のポリエチレンにつき、n値はポリマーの分子量分布の尺度して使用することができる。このn値は[log10(I8.5/I0.325)]/log10(8.5/0.325)]として計算され、ここでI8.5およびI0.325はそれぞれ8.5Kgおよび0.325Kgの下で測定されるメルトインデックスである。n値が高い程、ポリマーの分子量分布は幅広となる。
【0009】
エチレン(コ)ポリマーの分子量は、たとえば水素を使用して公知方法で制御することができる。本発明により製造される触媒を用い、重合を比較的低温度、たとえば約30〜約115℃で行う場合も分子量は好適に水素で制御することができる。この分子量の制御は、生成されたポリマーの測定可能なメルトインデックス(I)におけるプラス変化により証明することができる。HDPE製造につき、使用する触媒は水素に対し充分高い応答性を有することが肝要である。何故なら、水素が触媒活性を低下させるからである。従って、この種の触媒は最少量の水素を用いて所要分子量を有するポリマーを生成することが重要である。
【特許文献1】
米国特許第4076698号明細書
【0010】
従って本発明の主たる課題は、比較的狭い分子量分布のLLDPE生成物をもたらすオレフィン重合用の高活性触媒を提供することにある。更に本発明の課題は、比較的狭い分子量分布のポリエチレンを高い生産率にてもたらす接触オレフィン重合法を提供することにある。
【0011】
更に本発明の主たる課題は、所要分子量分布のHDPE生成物をもたらすオレフィン重合のための高活性触媒を提供することにある。更に本発明の課題は、所要分子量分布のポリエチレンを高い生産率にてもたらす接触オレフィン重合法を提供することにある。
【0012】
更なる本発明の課題は、狭い分子量分布と高いメルトインデックスと極めて低いウエイトスウェルとを有するポリエチレンをもたらすオレフィンを重合させるための高活性触媒を提供することにある。この種の樹脂は射出成形および回転成形の用途につき特に有用である。
【0013】
本発明の支持されたオレフィン重合触媒組成物は多工程プロセスで作成される。第1工程にて、固体の多孔質キャリヤと非極性溶剤との混合物を式
MgR′
[式中、RおよびR′は同一もしくは異なるアルキル基、好ましくはC〜C12アルキル基、好ましくはC〜C10アルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基であり、特に好ましくは両RおよびR′はブチル基であり、mおよびnはそれぞれ0、1もしくは2であり、ただしm+nは2である]
の少なくとも1種の有機マグネシウム化合物および必要に応じ有機アルミニウム含有化合物と接触させる。
【0014】
次いで第1工程の混合物を必要に応じ少なくとも1種の塩素化剤(X)と接触させる。
【0015】
次いで混合物をボレート化合物、好ましくは一般式BRn(OR′)3−n、BXn(OR′)3−nのヒドロカルビルオキシボレートまたは一般式B(OR)3−nの環式ボロキシンと接触させ、式中R=アルキル、アリールもしくはアルキルアリールであり;R′=アルキル、アリールもしくはアルキルアリールであり;X=F、Cl、BrもしくはIであり、n=0、1、2もしくは3である。好適であるが限定しないトリアルキルボレートの例はB(OCH、B(OC、B(OC、B(OC、B(OC11を包含する。好適であるが限定しないアリールボレートの例はトリフェニルボレートB(OCまたはフェニル置換アリールボレートである。
【0016】
次いで混合物を、非極性溶剤に可溶性の少なくとも1種の遷移金属化合物と接触させる。得られた混合物を次いで有機金属化合物と接触させる。
【0017】
得られた活性化触媒組成物は、ボレート化合物なしに或いはたとえば前記ボレート化合物の代わりにシロキサン化合物を用いて作成された同様な触媒組成物よりも実質的に高いオレフィン重合における生産率を有する。この触媒は更に、広範囲の密度を有するポリマーにつき所要の分子量分布を有するポリマーをも生成する。更に触媒は、HDPEポリマーの製造についても優秀な水素応答を示す。
【0018】
本発明の1面によれば支持チタンを適する支持体に組込み、これにはこの支持体に反応性マグネシウムを含浸させると共にこの支持反応性マグネシウムを利用して液体媒体中で四価チタン(すなわちプラス四価状態におけるチタン)と反応させる。未反応チタンはこの液体媒体に可溶性である一方、反応したチタンおよび支持反応性マグネシウムはこの液体媒体に不溶性である。
【0019】
ここで使用するキャリヤ上に材料を支持するという概念は、物理的もしくは化学的手段によりキャリヤ上に材料(たとえばマグネシウム化合物および/またはチタン化合物)を組込むことを意味することを意図する。従って、支持材料は必ずしもキャリヤに化学結合する必要はない。
【0020】
処理しうる適するキャリヤ材料は固体の多孔質キャリヤ材料、たとえばシリカ、アルミナおよびその組合せ物を包含する。この種のキャリヤ材料は非晶質または結晶質の形態とすることができる。これらキャリヤは約0.1μm〜約250μm、好ましくは10〜約200μm、特に好ましくは約10〜約80μmの粒子寸法を有する粒子形態とすることができる。好ましくはキャリヤは球状粒子の形態、たとえば噴霧乾燥シリカである。
【0021】
キャリヤ材料は多孔質でもある。これらキャリヤの内部多孔度は0.2cm/gより大とすることができる。これらキャリヤの比表面積は少なくとも3m/g、好ましくは少なくとも約50m/g、より好ましくはたとえば約150〜約1500m/gである。
【0022】
キャリヤ材料を水反応性マグネシウム化合物と接触させる前に、物理結合した水をキャリヤ材料から除去することが望ましい。この水除去は、キャリヤ材料を約100℃から状態変化もしくは焼結が生ずる温度により示される温度の上限に至る温度に加熱して行うことができる。適する温度範囲は従って約100〜800℃、たとえば約150〜約700℃とすることができる。
【0023】
キャリヤにおけるSi−OH基の存在により示されるシラノール基は、キャリヤを本発明の1面に従い水反応性マグネシウム化合物と接触させる際に存在させることができる。これらSi−OH基はキャリヤ1g当たり約0.3ミリモルもしくはそれ以上で存在させることができる。従ってキャリヤ1g当たりたとえば約0.5〜約5ミリモルの量のOH基の量を存在させうるが、好適範囲はキャリヤ1g当たり約0.3〜約0.9ミリモルのOH基である。キャリヤ中に存在する過剰のOH基は、このキャリヤを所望の除去を達成するのに充分な時間にわたり充分な温度で加熱して除去することができる。特に、たとえば比較的少数のOH基は約150℃〜約250℃にて充分加熱して除去しうる一方、比較的多数のOH基は少なくとも500〜800℃、特に約550〜約700℃にて充分加熱して除去することができる。加熱の持続時間は4〜16時間とすることができる。特に好適な具体例において、キャリヤは第1触媒合成工程におけるその使用に先立ち窒素もしくは空気で流動化させると共に700℃にて少なくとも4時間にわたり加熱して1g当たり約0.6ミリモルの表面ヒドロキシル基濃度を達成したシリカである。シリカの表面ヒドロキシル濃度はJ.B.ペリおよびA.L.ヘンスレー・ジュニア、ジャーナル・フィジカル・ケミストリー、第72(8)巻、第2926頁(1968)に従い測定することができる。最も好適な具体例のシリカは高表面積の非晶質シリカ(表面積=280〜350m/g);気孔容積1.55cm/g)であり、クロスフィールド社によりES70の商品名にて市販される材料である。窒素もしくは空気で流動化させてシリカを脱水すると共に約700℃にて約5時間にわたり加熱すれば、表面ヒドロキシル濃度は約0.55ミリモル/gとなる。
【0024】
たとえばシリカのようなキャリヤに本来存在するOH基を除去する好適手段は加熱であるが、他の除去手段もたとえば化学手段のように可能である。たとえば所望比率のOH基をたとえばヒドロキシル反応性アルミニウム化合物(たとえばトリエチルアルミニウム)のような化学薬品と反応させることができる。
【0025】
適するキャリヤ材料の他の例はグラフに係る米国特許第4173547号明細書に記載されている。このグラフ特許の第3欄、第62行〜第5欄、第44行にわたる記載に注目されたい。キャリヤの内部多孔度はBET技術と称する技術により決定することができ、これはS.ブルナウア、P.エメットおよびE.テラーによりジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、第60巻、第209〜319頁(1938)に記載されている。キャリヤの比表面積も上記BET技術に従い測定することができ、これはブリティシュ・スタンダードBS4359、第1巻(1969)に記載された標準化法の使用を伴う。
【0026】
キャリヤ材料を比極性溶剤にスラリー化させると共に、得られるスラリーを少なくとも1種の有機マグネシウム化合物と接触させる。溶剤におけるキャリヤ材料のスラリーは、このキャリヤを溶剤中へ導入し、好ましくは攪拌すると共に混合物を約25℃〜約100℃、好ましくは約35〜約75℃まで加熱することにより作成される。次いでスラリーを上記有機マグネシウム化合物と接触させながら、加熱を上記温度にて持続させる。
【0027】
有機マグネシウム化合物は実験式
MgR′
を有し、式中RおよびR′は同一もしくは異なるアルキル基、好ましくはC〜C12アルキル基、好ましくはC〜C10アルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基であり、特に好ましくは両RおよびR′はブチル基であり、mおよびnはそれぞれ0、1もしくは2であり、ただしm+nは2である。
【0028】
適する非極性溶剤は、ここで使用する全ての反応体、たとえば有機マグネシウム化合物、適宜の塩素化剤および有機アルミニウム化合物、ボレート化合物および遷移金属化合物が少なくとも部分的に可溶性であるような物質である。好適非極性溶剤はアルカン類、たとえばイソペンタン、ヘキサン、n−ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカンであるが、たとえばシクロヘキサンのようなシクロアルカン類、たとえばベンゼンおよびエチルベンゼンのような芳香族物質を包含する各種の他の材料も使用することができる。最も好適な非極性溶剤はイソペンタン、ヘキサンおよびヘプタンである。使用に先立ち、非極性溶剤は精製せねばならず、これはたとえばシリカゲルおよび/またはモレキュラシーブにパーコレートさせて微量の水、酸素、極性化合物および触媒活性に悪影響を与えうる他の物質をも除去すべきである。
【0029】
この触媒の合成の特に好適な具体例においては、物理的もしくは化学的に付着するであろうこのような量の有機マグネシウム化合物のみを支持体に添加することが重要である。何故なら、溶液における過剰の有機マグネシウム化合物は他の合成薬品と反応して支持体の外部に沈殿しうるからである。キャリヤの乾燥温度は有機マグネシウム化合物につき利用しうるキャリヤにおける部位の個数に影響を及ぼす。乾燥温度が高いほど、部位の個数は低くなる。すなわちヒドロキシル基に対する有機マグネシウム化合物の正確なモル比は変化し、極く多量の有機マグネシウム化合物を支持体上に沈着させるよう溶液に添加して過剰の有機マグネシウム化合物が溶液中に残らないよう確保すべくケースバイケースで決定せねばならない。更に支持体上に沈着した有機マグネシウム化合物のモル量は、支持体におけるヒドロキシル基のモル含有量よりも大であると思われる。すなわち、以下に示すモル比は適する指針としてのみ示すものであって、この具体例における有機マグネシウム化合物の正確な量は上記機能限界により制御せねばならず、すなわち支持体上に沈着しうる量よりも大としてはならない。この量よりも多くを溶剤に添加すれば、過剰量はその後に添加される試薬と反応して、支持体の外部で沈殿を形成することがあり、これは触媒の合成に有害であって回避せねばならない。支持体上に沈着する量以下の量の有機マグネシウム化合物は任意慣用の方法で、たとえば有機マグネシウム化合物を溶剤におけるキャリヤのスラリーに添加しながら、このスラリーを有機マグネシウム化合物が溶剤に検出されるまで攪拌することにより、決定することができる。
【0030】
たとえば約700℃にて加熱されたシリカキャリヤにつき、スラリーに添加される有機マグネシウム化合物の量は、固体キャリヤにおけるヒドロキシル基(OH)に対するMgのモル比が約1:1〜約4:1、好ましくは約1.1:1〜約2.8:1、より好ましくは約1.2:1〜約2:1、特に好ましくは約1.8:1となるような量である。有機マグネシウム化合物は非極性溶剤に溶解して溶液を形成し、そこから有機マグネシウム化合物をキャリヤ上へ沈着させる。
【0031】
更に、支持体上に沈着するよりも過剰である量の有機マグネシウム化合物を添加し、次いでたとえば濾過および洗浄により過剰の有機マグネシウム化合物を除去することも可能である。
【0032】
キャリヤに含浸させる有機マグネシウム化合物の量は、ボレート化合物および次いで四価チタン化合物と反応して触媒上有効量のチタンを下記するようキャリヤに組込むのに充分とせねばならない。有機マグネシウム化合物を含有する液体をキャリヤと接触させる際、この液体におけるミリモル数としてのマグネシウムの量は、キャリヤ上に含浸させる量につき上記したと本質的に同一とすることができる。
【0033】
本発明の触媒組成物の製造における適宜の成分は塩素化剤(X)および有機アルミニウム化合物である。アルミニウム成分は反応性マグネシウム化合物より前、後または一緒にスラリーに添加することができる。有機アルミニウム化合物は、式AlR3−n[式中、Rは同一もしくは異なるものであってアルキル基であり、Xはハライドであり、n=0、1、2もしくは3である]を有するものを包含する広範囲の公知アルキルアルミニウムもしくはアルキルアルミニウムハライドから選択することができる。塩素化剤はボレート化合物よりも前、後または一緒にスラリーに添加することができる。塩素化された化合物(X)は、式RSiCl4−n[ここで各Rは同一もしくは異なるものであって水素もしくはアルキル基、好ましくはC−C1 アルキル基であり、nは0〜3の整数である]を有するもの、たとえば四塩化珪素を包含する広範囲の公知塩素化剤から選択することができる。代案薬剤はHCl、BuCl、CCl、クロルシクロヘキサンおよびトリクロルエタンを包含する。この接触工程は一般に25〜100℃、好ましくは40〜60℃の温度で行われる。塩素化された化合物(X)は0.1〜4.0、好ましくは約0.1〜約3.0、より好ましくは約0.1〜2.5(X:Mg)のモル比を与えるような量でスラリー添加される。
【0034】
本発明にて使用されるボレート化合物は一般式BRn(OR′)3−n、BXn(OR′)3−nもしくはB(OR)3−nを有し、ここでR=アルキル、アリールもしくはアルキルアリールであり;R′=アルキル、アリールもしくはアルキルアリールであり;X=F、Cl、BrもしくはIであり、n=0、1、2もしくは3である。好適であるが限定しないトリアルキルボレートの例はB(OCH、B(OC、B(OC、B(OC、B(OC11を包含する。好適であるが、限定しないアリールボレートの例はトリフェニルボレートB(OCまたはフェニル置換アリールボレートである。
【0035】
溶剤におけるキャリヤ材料および有機マグネシウム化合物のスラリーは、ボレート化合物の導入前に約40〜約60℃の温度に維持される。ボレート化合物は好ましくは有機マグネシウムの混入後かつ触媒への遷移金属の混入前に導入される。スラリーに添加されるボレート化合物の量は、Mgに対するボレート化合物のモル比が約0.20〜約1.3となるような量である。
【0036】
スラリーを非極性溶剤に可溶性の少なくとも1種の遷移金属化合物と接触させ、これは好ましくはボレート化合物の添加が完了した後に行われる。この合成工程は約25〜約70℃、好ましくは約40〜約60℃、特に好ましくは約45〜約60℃にて行われる。好適具体例において、遷移金属化合物の添加量はキャリヤ上に沈着しうる量以下である。前記遷移金属負荷は好ましくはキャリヤ(たとえばSiO)1g当たり0.5〜3ミリモルの遷移金属、で構成される。遷移金属に対するMgおよびキャリヤのヒドロキシル基に対する遷移金属の正確なモル比は従って変化し(たとえばキャリヤ乾燥温度に応じて)、ケースバイケースで決定せねばならない。たとえば約200〜約850℃にて加熱されたシリカキャリヤにつき、遷移金属化合物の量は、キャリヤのヒドロキシル基に対する遷移金属化合物から誘導された遷移金属のモル比が約0.25〜約2.0、好ましくは約1.3〜約2.0となるような量である。一般に遷移金属化合物の量は遷移金属に対するMgのモル比が約0.5〜約3、好ましくは約1〜約2となるような量である。
【0037】
ここで使用される適する遷移金属化合物は、新IUPACノテーションにより採用された第4、5もしくは6族の金属の化合物であるが、ただしこの種の化合物は非極性溶剤に可溶性とする。限定はしないがこの種の化合物の例はハロゲン化チタン、たとえば四塩化チタン、チタンアルコキシド、たとえばアルコキシド部分が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含有するもの、或いはその組合せ物、ハロゲン化バナジウムおよびバナジウムアルコキシドである。好適遷移金属化合物はチタン化合物、好ましくは四価チタン化合物である。最も好適なチタン化合物は四塩化チタンである。この種の遷移金属化合物の混合物も使用することができ、一般に包含しうる遷移金属化合物に制約は加えられない。使用しうる任意の遷移金属化合物を他の遷移金属化合物と一緒に使用することもできる。
【0038】
液体媒体における、たとえば四価チタン化合物のような遷移金属化合物の反応は便利には、四価チタン化合物の溶液に反応性マグネシウム物質を含有する固体キャリヤをスラリー化されると共に反応媒体を適する反応温度まで加熱して行う。四価チタン化合物の好適溶剤はヘキサンもしくはイソペンタンもしくはヘプタンである。
【0039】
上記各成分から形成された支持触媒先駆体を次いで適する活性化剤で活性化させる。適する活性化剤は有機金属化合物を包含する。好ましくは活性化剤は有機アルミニウム化合物、好ましくは1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子のアルキル基を有するトリアルキルアルミニアム化合物である。より好ましくは、活性化剤はトリエチルアルミニウムもしくはトリメチルアルミニウムである。
【0040】
触媒は、活性化剤および触媒先駆体を別々に重合媒体に添加してその場で活性化させることができる。更に重合媒体中へ導入する前に触媒先駆体および活性化剤を、たとえば約2時間まで約−40〜約80℃の温度にて組合せることも可能である。
【0041】
適する活性化量の活性化剤を使用することができる。触媒におけるチタン1グラム原子当たりの活性化剤のモル数はたとえば約1〜約100モルとすることができ、好ましくは約5モルより大である。
【0042】
本発明の1具体例においてはオレフィン、好ましくはエチレンもしくはプロピレンまたはその組合せ物を本発明の触媒もしくは触媒系の存在下に主重合に先立ち予備重合させる。予備重合は、高められた圧力を含め気相、溶液相もしくはスラリー相にてバッチ式または連続式に行うことができる。予備重合は任意のオレフィンモノマーもしくは組合せ物を用いておよび/またはたとえば水素のような任意の分子量調節剤の存在下に行うことができる。予備重合の詳細については米国特許第4923833号明細書、米国特許第5283278号明細書および米国特許第4921825号明細書、並びに欧州特許第0279863号明細書(これら全てを参考のためここに引用する)を参照されたい。
【0043】
本発明の他の具体例において、本発明の支持触媒系は静電気防止剤(たとえば参考のためここに引用する米国特許第5283278号明細書に記載されている)を含む。限定はしないが静電気防止剤の例はアルコール、チオール、シラノール、ジオール、エステル、ケトン、アルデビド、酸、アミンおよびエーテル化合物を包含する。第三アミン、エトキシル化アミンおよびポリエーテル化合物が好適である。静電気防止剤は、本発明による支持触媒系の形成における任意の段階で添加することができる。
【0044】
本発明の他の具体例において、本発明の支持触媒系はポリオレフィンワックスもしくは粘着剤などをも含む。
【0045】
オレフィンは、本発明の1面により作成された触媒で任意適するプロセスにて重合させることができる。この種のプロセスは懸濁相、溶液相もしくは気相にて行われる重合を包含する。たとえば攪拌床反応器および特に流動床反応器にて行うような気相重合が好適である。
【0046】
本発明による方法は従って連続ガス流動床プロセスにおけるポリマーの製造につき特に適している。本発明の有利な具体例においてポリマーはポリオレフィン、好ましくはエチレンおよび/またはプロピレンおよび/またはブテンのコポリマーである。本発明の方法にてエチレンおよび/またはプロピレンおよび/またはブテンと組合せて使用される好適オレフィンは、4〜8個の炭素原子を有するものである。しかしながら8個より多い、たとえば9〜40個の炭素原子を有するα−オレフィン(たとえば共役ジエン)の少量をも所望に応じ使用することができる。すなわち、エチレンおよび/またはプロピレンおよび/またはブテンと1種もしくはそれ以上のC〜Cα−オレフィンとのコポリマーを生成させることも可能である。好適α−オレフィンはブト−1−エン、ペント−1−エン、ヘキシ−1−エン、4−メチルペント−1−エン、オクト−1−エンおよびブタジエンである。主としてエチレンおよび/またはプロピレンモノマーと共重合させうる或いはC〜Cモノマーの部分補充として使用しうる高級オレフィンの例はデセ−1−エンおよびエチリデンノルボルネンである。好適具体例によれば、本発明の方法は好ましくはエチレンとブト−1−エンおよび/またはヘキシ−1−エンおよび/または4−メチルペント−1−エンとの共重合による気相でのポリオレフィンの製造に適用される。
【0047】
本発明による方法は、有利には広範な種類のポリマー生成物、たとえばエチレンとブト−1−エン、4−メチルペント−1−エンもしくはヘキシ−1−エンとのコポリマーに基づく線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびたとえばエチレンと少量部分の高級α−オレフィン、たとえばブト−1−エン、ペント−1−エン、ヘキシ−1−エンもしくは4−メチルペント−1−エンとのコポリマーとしうる高密度ポリエチレン(HDPE)を作成すべく使用することができる。
【0048】
液体が循環ガス流から凝縮する場合、これはコモノマーとして使用される凝縮性モノマー、たとえばブト−1−エン、ヘキシ−1−エン、4−メチルペント−1−エンまたはオクテンおよび/または適宜の不活性凝集液、たとえば不活性炭化水素、たとえばC〜Cアルカンもしくはシクロアルカン、特にブタン、ペンタンもしくはヘキサンとすることができる。エタンもしくはプロパンも不活性炭化水素として使用することができる。このプロセスは、オレフィンを0.5〜6MPaの絶対圧力および30〜130℃の温度にて重合させるのに特に適する。たとえばLLDPE製造につき、温度は好適には75〜90℃の範囲であり、HDPEについては温度は使用する触媒の活性および所望のポリマー特性に応じて典型的には80〜105℃である。
【0049】
重合は好ましくは、それ自体公知の方法に従い垂直流動床反応器にて、たとえば欧州特許出願公開第0855411号明細書、フランス特許第2207145号明細書もしくはフランス特許第2335526号明細書に記載されたような装置にて連続的に行われる。本発明の方法は特に極めて大寸法の工業規模の反応器に特に適している。1具体例において、本発明に使用される反応器は300Kg/hr〜約80,000Kg/hrより大もしくはそれ以上のポリマー、好ましくは10,000Kg/hrより大のポリマーを製造することができる。
【0050】
ポリマー粒子の焼結温度より低い温度にて流動床反応器を操作することが肝要である。本発明の方法にてエチレンコポリマーを製造するには、約30〜115℃の操作温度が好適である。約75〜90℃の温度を使用して約0.91〜0.92の密度を有する生成物を作成し、約80〜100℃の温度を使用して約0.92〜約0.94の密度を有する生成物を作成し、更に約90〜115℃の温度を使用して約0.94〜0.96の密度を有する生成物を作成する。
【0051】
流動床反応器は約1000psiまでの圧力にて操作され、好ましくは約150〜350psiの圧力にて操作されると共に、この種の範囲における高い圧力でも操作が熱移動に好適である。何故なら、圧力の増加はガスの単位容積当たりの熱容量を増大させるからである。
【0052】
部分的もしくは完全に活性化された触媒は、その消費に等しい速度で床に注入される。床の生産速度は、触媒注入の速度により制御される。生産速度は、単に触媒注入の速度を増大させることにより増大させ、触媒注入の速度を減少させることにより低下させることができる。
【0053】
触媒注入の速度における任意の変化は反応熱の発生速度を変化させるので、循環ガスの温度を上方向もしくは下方向に調整して熱発生の速度における変化を吸収する。これは、床における実質的に一定な温度の維持を保証する。
【0054】
ポリマーの分子量は、公知方法にて好ましくは水素を使用して制御することができる。本発明の各面により製造される各触媒を用い、重合を比較的低温度、たとえば約30〜約115℃にて行う場合、分子量は好適には水素で制御することができる。この分子量の制御は、製造されるポリマーにつきメルトインデックス(I)における測定可能なプラス変化により証明することができる。
【0055】
本発明の各面により作成される各触媒は極めて活性であり、線状低密度および高密度ポリエチレンポリマーの両者を製造するのに有用である。この種の線状低密度ポリエチレンポリマーは0.94g/ccもしくはそれ以下、好ましくは0.930もしくはそれ以下または0.925g/ccもしくはそれ以下の密度を有することができる。本発明の或る種の面によれば、0.915g/cc未満および0.900g/ccもしくはそれ以下の密度さえ達成することができる。
【0056】
線状低密度のポリエチレンポリマーの有利な性質は、アンダーソン等に係る米国特許第4076698号明細書に記載されている。これら線状低密度ポリエチレンポリマーはエチレンと1種もしくはそれ以上のC〜C10α−オレフィンとのポリマーとすることができる。すなわち2種のモノマー単位を有するコモノマー、並びに3個のモノマー単位を有するターポリマーも可能である。この種のポリマーの特定例はエチレン/1−ブテンコポリマー、エチレン/1−ヘキセンコポリマー、エチレン/4−メチル−1−ペンテンコポリマー、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセンターポリマー、エチレン/プロピレン/1−ヘキセンターポリマーおよびエチレン/プロピレン/1−ブテンターポリマーを包含する。プロピレンをコモノマーとして使用する場合、得られる線状低密度ポリエチレンポリマーは好ましくは少なくとも4個の炭素原子を有する、たとえば少なくとも1重量%のポリマーの量における少なくとも1種の他のα−オレフィンコモノマーを有する。従ってエチレン/プロピレンコポリマーも可能であるが好適でない。
【0057】
本発明による触媒の存在下に作成されるポリマーのMFR値により現される分子量分布は、約0.900〜約0.940g/ccの密度および/または約0.1〜約100のI(メルトインデックス)を有するLLDPE生成物につき、約20〜35の範囲で変化する。当業者には公知であるように、この種のMFR値はポリマーの比較的狭い分子量分布を示唆する。当業者には更に公知であるように、この種のMFR値は射出成形用途につき特に適するポリマーを示唆する。何故なら、この種のMFR値を有するポリマーは射出成形製品の冷却に際し比較的低い程度の歪曲および収縮を示すからである。本発明の触媒を用いて作成されるポリマーの比較的低いMFR値は、これらが各種のフィルム製品の作成につき適していることを示す。何故なら、この種のフィルムは優秀な強度特性を有すると思われるからである。
【0058】
本発明の或る種の面により製造される線状低密度ポリエチレンポリマーは好ましくは少なくとも約80重量%のエチレン単位を含有する。特に好ましくは、本発明の線状低密度コポリマーは少なくとも2重量%、たとえば2〜20重量%のそこで共重合されたα−オレフィンを含有する。
【0059】
本発明の触媒の存在下に作成されるポリマーのMFR値により現される分子量分布は、約0.900〜約0.940g/ccの密度および約0.1〜約100のI(メルトインデックス)を有するLLDPE生成物につき、約20〜35の範囲で変化する。当業者には公知であるように、この種のMFR値はポリマーの比較的狭い分子量分布を示唆する。同様に当業者には公知であるように、この種のMFR値は射出成形用途につき特に適するポリマーを示す。何故なら、この種のMFR値を有するポリマーは射出形成製品の冷却に際し比較的低い程度の歪曲および収縮を示すからである。本発明の触媒により作成されるポリマーの比較的低いMFR値は、これらが各種のフィルム製品の作成につき適することをも示す。何故なら、この種のフィルムは優秀な強度特性を有すると思われるからである。
【0060】
以下の実施例は、本発明の各面により使用しうる各反応体およびパラメータの例を示す。
【実施例】
【0061】
操作は全てエアフリー技術を用いて行った。
【0062】
触媒先駆体の作成
実施例1〜6
撹拌器を装着した1リットル容器に20gのシリカ(予め700℃までN下に5時間にわたり焼成)および200mlのヘキサンを入れた。このスラリーを250rpmおよび50℃にて攪拌した。このスラリーにジブチルマグネシウム(20ミリモル)を50℃にて添加し、混合物をこの温度で1時間攪拌した。次いでB(OR)[R=メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、アミルおよびフェニル](11.73ミリモル)を添加すると共に、混合物を2時間にわたり50℃にて攪拌した。最後にTiCl(20ミリモル)を添加し、混合物を更に1時間にわたり50℃で攪拌した。溶剤を強度の窒素流の下で蒸発させて除去し、次いで減圧を加えて自由流動性粉末を得た。
【0063】
実施例7〜13
撹拌器を装着した1リットルの容器に20gのシリカ(予め700℃までN下に5時間にわたり焼成)および200mlのヘキサンを入れた。このスラリーを250rpmおよび50℃にて攪拌した。ジブチルマグネシウム(20ミリモル)をこのスラリーに50℃にて添加すると共に、混合物をこの温度にて1時間にわたり攪拌した。次いでB(OR)[R=メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、アミルおよびフェニル](17.60ミリモル)を添加し、混合物を2時間にわたり50℃で攪拌した。最後にTiCl(20ミリモル)を添加し、混合物を更に1時間にわたり50℃で攪拌した。強度の窒素流の下での蒸発により溶剤を除去し、次いで減圧を加えて自由流動性粉末を得た。
【0064】
重合
LLDPE試験
エチレン/1−ヘキセンコポリマーを、これら触媒先駆体および助触媒トリエチルアルミニウム(TEAL)を用いて作成した。手順は下記する通りである。
【0065】
磁気撹拌器を装着した5リットルのステンレス鋼オートクレーブをヘキサン(1200ml)および3.0ミリモルの助触媒により室温にて満たした。反応器を簡単に廃棄して圧力を低下させ、密閉し、更に攪拌を700rpmまで増大させた。次いでヘキセンをLLDPE生成物(密度<0.920)を与えるのに充分となるよう導入し、温度を85℃まで上昇させた。内部圧力を水素(1〜7のメルトインデックスを与えるのに充分)で上昇させ、次いでエチレン(2.8バール)を導入した。次いで触媒先駆体をエチレンを用いて注入し、全エチレン圧力が4〜5バールとなるようにした。重合反応を特記しない限り1時間にわたり行い、次いでエチレン供給を停止した。反応器を室温まで冷却させ、ポリエチレンを回収すると共に空気中で1晩乾燥させた。触媒生産率、ポリマーフローインデックスおよびMFR値、並びにポリマーの密度を表1に示す。
【0066】
【表1−a】
Figure 2004527597
【0067】
【表1−b】
Figure 2004527597

Claims (7)

  1. 支持オレフィン重合触媒組成物の製造方法において、
    a. 固体の多孔質キャリヤを非極性溶剤中で混合し、
    b. 混合物を式RMgR′(ここでRおよびR′は同一もしくは異なるアルキル基であり、mおよびnはそれぞれ0、1もしくは2であり、ただしm+nは2である)の少なくとも1種の有機マグネシウム化合物および必要に応じ少なくとも1種の有機アルミニウム含有化合物と接触させ、
    c. 必要に応じ得られた混合物を少なくとも1種の塩素化剤(X)と接触させ、
    d. 次いで得られた混合物を少なくとも1種のボレート化合物と接触させ、
    e. 得られた混合物を非極性溶剤に可溶性の少なくとも1種の遷移金属化合物と接触させる
    順次の工程を含むことを特徴とする支持オレフィン重合触媒組成物の製造方法。
  2. 有機マグネシウム化合物のアルキル基がC〜C12アルキル基、好ましくはC〜C10アルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基であり、特に好ましくは両RおよびR′がブチル基である請求項1に記載の支持オレフィン重合触媒の製造方法。
  3. ボレート化合物が一般式BRn(OR′)3−n、BXn(OR′)3−nのヒドロカルビルオキシボレートまたは一般式B(OR)3−nの環式ボロキシン[これら式中、R=アルキル、アリールもしくはアルキルアリール;R′=アルキル、アリールもしくはアルキルアリール;X=F、Cl、BrもしくはIおよびn=0、1、2もしくは3]である請求項1または2に記載の支持オレフィン重合触媒の製造方法。
  4. ボレート化合物がB(OCH、B(OC、B(OC、B(OC、B(OC11から選択されるトリアルキルボレートまたはトリフェニルボレートB(OCもしくはフェニル置換アリールボレートから選択されるアリールボレートである請求項3に記載の支持オレフィン重合触媒の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法により得られる支持オレフィン重合触媒。
  6. オレフィン重合、特に気相オレフィン重合、特に流動床オレフィン重合のための請求項5に記載の触媒の使用。
  7. 有機アルミニウム化合物、好ましくはアルキルアルミニウム化合物、より好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物から選択される助触媒の存在下における請求項6に記載の使用。
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