JP2004527504A - 2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシドの合成法 - Google Patents

2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシドの合成法 Download PDF

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Abstract

本発明は、必要に応じて官能基の導入が選択可能である、2’,3’−ジデオキシおよび2’−または3’−デオキシリボ−ヌクレオシド類似体ならびに後続の官能基操作によって得られるさらなる誘導体などの入手可能な前駆体から、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドへの有効な合成経路である。簡単に言うと、本発明は、適切に置換されているリボヌクレオシドから出発して、β−Dおよびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを、2段階、場合によっては3段階[段階(1):ハロアセチル化および特にブロモアセチル化などのハロアセチル化;段階(2):還元的除去;および場合によっては、段階(3):脱保護]で調製する方法を開示する。段階(1)のハロアシル化は、2’−アシル−3’−ハロヌクレオシド、3’−アシル−2’−ハロヌクレオシド、またはそれらの混合物を生成することができる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス薬および化学療法薬として有用な、β−Dおよびβ−L−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−ヌクレオシド(「D4」ヌクレオシド)、特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン(β−D−D4FC)を合成するための新規方法である。
【0002】
本出願は、米国特許仮出願第60/272,434号および同第60/272,441号(ともに、2001年3月1日出願)の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
1981年、後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫系を深刻な危険にさらす疾病として特定された。1983年、AIDSの病因が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)であることが判明した。逆転写は、レトロウイルス複製に共通の特徴である。ウイルス複製は、ウイルスRNAゲノムの逆転写によりウイルス配列のDNAコピーを生ずるために、ウイルスにコードされた逆転写酵素を必要とする。従って、逆転写は、レトロウイルス感染症の化学療法の臨床関連ターゲットである。何故なら、ウイルスにコードされた逆転写酵素の阻害は、ウイルス複製を中断させることとなるからである。
【0004】
ヒト免疫系の進行性破壊をもたらし、結果としてAIDSを発症させるレトロウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の治療には、多数の化合物が有効である。HIV逆転写酵素の阻害による有効な治療は、ヌクレオシド系阻害剤と非ヌクレオシド系阻害剤の両方について知られている。AIDSの治療におけるヌクレオシド系HIV阻害剤。1985年、合成ヌクレオシド3’−アジド−3’−デオキシチミジン(AZT)は、ヒト免疫不全ウイルスの複製を阻害することが報告された。それ以来、3’−アジドグアノシン(AZG)、2’,3’−ジデオキシシチジン(ddC)、2’,3’−ジデオキシアデノシン(ddA)、3’−フルオロ−3’−デオキシチミジン(FDDT)および2’,3’−ジデオキシイノシン(ddI)を含む多数の他の合成ヌクレオシドが、HIVに対して有効であると証明された。細胞キナーゼによる5’−三リン酸塩への細胞リン酸化後に、これらの合成ヌクレオシドをウイルスDNAの生長連鎖に組み込み、3’−ヒドロキシル基の不在に起因して連鎖を停止させる。これらは、ウイルス酵素逆転写酵素も阻害する。
【0005】
様々な合成ヌクレオシドが、インビボまたはインビトロでのHIVの複製の阻害に成功したことによって、多数の研究者が、ヌクレオシドの3’位の炭素原子がヘテロ原子に置換されているヌクレオシドを設計し、試験するようになった。Norbeckらは、(±)−1−[(2β,4β)−2−(ヒドロキシメチル)−4−ジオキソラニル]チミン((±)−ジオキソラン−Tと呼ばれる)が、HIVに対してわずかな活性(ATH8細胞において20μMのEC50)を示し、且つ、濃度200μMで未感染対照細胞に対して毒性でないこをと開示した。Tetrahedron Letter 30(46),6246,(1989)。BioChem Pharma,Inc.に譲渡された欧州特許出願公開第0337713号および米国特許第5,041,449号は、抗ウイルス活性を示すラセミ2−置換−4−置換−1,3−ジオキソランを開示している。
【0006】
米国特許第5,047,407号および欧州特許出願公開第0382526号(これらも、BioChem Pharma,Inc.に譲渡されたものである)は、抗ウイルス活性を有するラセミ2−置換−5−置換−1,3−オキサチオランヌクレオシドを開示しており、また、具体的には、2−ヒドロキシメチル−5−(シトシン−1−イル)−1,3−オキサチオランのラセミ混合物(以後、BCH−189と呼ぶ)が、HIVに対してAZTとほぼ同じ活性を有し、毒性がほとんどないことを報告している。BCH−189は、36週より長期間、AZTでの治療を受けている患者からのAZT抵抗性HIV分離株の複写をインビトロで阻害することもわかっている。HIVに対して非常に効力があり、毒性をほとんど示さない、3TCとして知られているBCH−189のβ−異性体の(−)−エナンチオマーは、AZTと併用で、米国食料医薬品局からヒトにおけるHIVの治療の認可を受けている。
【0007】
cis−2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(「FTC」)が強力なHIV活性を有することも開示されている。Schinaziら,「cis−5−フルオロ−1−[2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル]シトシンのラセミ体およびエナンチオマーによるヒト免疫不全ウイルスの選択的阻害(Selective Inhibition of Human Immunodeficiency viruses by Racemates and Enantiomers of cis−5−Fluoro−1−[2−(Hydroxymethyl)−1,3−Oxathiolane−5−yl]Cytosine)」,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,1992、11月,2423−2431ページ。米国特許第5,210,085号、同第5,204,466号、国際公開公報第91/11186号および国際公開公報92/14743号も参照のこと。
【0008】
多数の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドは、強力な抗HIV−1活性を有することが示されている。2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−チミジン(「D4T」;1−(2,3−ジデオキシ−β−D−グリセロ−ペント−2−エノ−フラノシル)チミンとも呼ばれる)は、現在、Bristol Myers Squibb.により、商品名Stavudineで、HIVの治療用に販売されている。試験されてきた他のD4ヌクレオシドには、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−シチジン(「D4C」)、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ウリジン(「D4U」)、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−アデノシン(「D4A」)、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−イノシン(「D4I」)、および2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−グアノシン(「D4G」)が挙げられる。
【0009】
他の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシドは、HIVおよび/またはHBVに対して有効であると報告されている。Starrett,Jr.らは、米国特許第4,904,770号および同第5,130,421号において、およびSkoneznyらは、米国特許第5,539,099号において、HIVに対する抗ウイルス薬として有用な下記式:
【0010】
【化1】
(式中、
XおよびZは、NまたはCHから選択され;
Yは、CRまたはNから選択され;
は、H、式CCH2nAを有する非置換およびハロ置換アルキル、ならびに式(CH−CH−CHAを有するアルケニル(これらの式中、mは、0、1、2または3であり;nは、1、2または3であり;およびAは、H、F、Cl、BrおよびIである)から選択され;ならびに
は、NHまたはOHである)
の化合物を調製するための方法を開示している。
【0011】
Belicaらは、米国特許第4,900,828号において、2,3’−ジデオキシシチジン(ddC)などの2’,3’−ジデオキシヌクレオシドを調製するために用いられる下記式:
【0012】
【化2】
(式中、
Rは、低級アルキル、アリールまたはアラルキルで場合によっては置換されている置換または非置換2−アセトキシ−2−メチル−プロパノイル、2−アセトキシプロパノイルまたは2−アセトキシベンゾイルであり;
R’は、ハロゲン、アルキル、ニトロまたはアルコキシで場合によっては置換されている置換または非置換低級アルキル、アリール、アラルキルである)
の化合物を調製する方法を開示している。Manchand P.S.,J.Org.Chem.,1992,57,3473も参照のこと。
【0013】
特に、下記の構造:
【0014】
【化3】
を有するβ−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシトシン、すなわちβ−D−D4FCは、インビトロで強力な抗HIV活性を示し、また、認可されているすべての抗HIV薬との交差耐性を示さない。Schinaziら、J.Med.Chem.1999,42,859−867を参照のこと。
【0015】
ヒトおよび他の宿主動物におけるHIVおよびHBVを治療するための下記式:
【0016】
【化4】
(式中、
Yは、O、S、CH、CHF、CFであり;
Zは、O、SまたはSeであり;
は、HまたはFであり;
は、H、OH、C〜CアルキルまたはC(O)C〜Cアルキルであり;および
は、H、C(O)C〜Cアルキル、アルキルまたは一、二もしくは三リン酸塩である)
の化合物についての方法および組成物を開示しているSchinaziらの米国特許第5,703,058号も参照のこと。
【0017】
米国特許第6,232,300号、および国際公開公報第96/22778号として発行された国際特許出願番号PCT/US96/00965は、β−D−D4FCを用いてHIVを治療するための方法を開示している。米国特許第5,703,058号は、cis−2−ヒドロキシメチル−5−(5−フロオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン、cis−2−ヒドロキシメチル−5−(シトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン、9−[4−(ヒドロキシメチル)−2−シクロペンテン−1−イル)−グアニン(カルボビル)、9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]グアニン(アシクロビル)、インターフェロン、3’−デオキシ−3’−アジド−チミジン(AZT)、2’,3’−ジデオキシイノシン(DDI)、2’,3’−ジデオキシシチジン(DDC)、(−)−2’−フルオロ−5−メチル−β−L−アラ−ウリジン(L−FMAU)または2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン(D4T)と併用で、またはそれらの代わりに有効量のβ−L−D4FCを投与することを含む、HIVおよびHBV感染症を治療するための方法を開示している。米国特許第5,905,070号は、cis−2−ヒドロキシメチル−5−(5−フロオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン、cis−2−ヒドロキシメチル−5−(シトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン、9−[4−(ヒドロキシメチル)−2−シクロペンテン−1−イル)−グアニン(カルボビル)、9−[(2−ヒドロキシエチル)メチル]グアニン(アシクロビル)、インターフェロン、3’−デオキシ−3’−アジド−チミジン(AZT)、2’,3’−ジデオキシイノシン(DDI)、2’,3’−ジデオキシシチジン(DDC)、(−)−2’−フルオロ−5−メチル−β−L−アラ−ウリジン(L−FMAU)または2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン(D4T)と併用で、またはそれらの代わりに有効量のβ−D−D4FCを投与することを含む、HIVおよびHBV感染症を治療するための方法を開示している。
【0018】
味の素株式会社によって出願された欧州特許出願公開第0 409 227 A2号は、β−D−D4FC(実施例2)およびB型肝炎を治療するためのその使用を開示している。Stichting Rega V.Z.W.によって出願されたオランダ特許第8901258号は、HIVおよびB型肝炎(「HBV」)の治療に使用するための5−ハロゲノ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロシチジン誘導体を広く開示している。
【0019】
2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシド、および特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン(「β−D−D4FC」)は、強力な抗ヒト免疫不全ウイルス薬として重要であるため、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシド、および特に、β−D−D4FCを合成するための商業または工業規模での方法が必要とされている。加えて、天然および非天然D4ヌクレオシドは、2’,3’−ジデオキシおよび2’または3’−デオキシリボヌクレオシド類似体ならびに後続の官能基操作によって得られるさらなる誘導体を含む(しかし、これらに限定されない)非常に様々な他のヌクレオシド類似体を調製するための合成中間体として役立つ。2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドの重要性を考えると、これらの化合物の容易で有効で一般的な合成経路が有ることが望ましい。2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを合成するための方法は、幾つか存在するが、プリン塩基、ピリジン塩基、ヘテロ芳香族化合物または複素環化合物を用いてこれらの化合物の両エナンチオマー形を有効に生成する能力を有するものはない。
【0020】
β−D−D4FCまたはそのエナンチオマー、β−L−D4FCの調合物のための合成は、幾つか報告されている。Schinazi R.F.ら,J.Med.Chem.1999,42,859−867;Chen S.,Biorganic & Medicinal Chemistry Letters 8(1998)3245−3250;Doyle,T.W.ら,J.Org.Chem.1997,62,3449−3452;Cheng,Y.ら,J.Med.Chem.1996,62,1757−1759;およびLineらの米国特許第5,561,120号を参照のこと。
【0021】
2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドの最も古い合成の一つは、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−チミジン(D4T)を調製するために発表された方法である。D4Tを生成するために最初に報告された方法は、2’−デオキシヌクレオシドの3’−O−スルホニルエステルの塩基促進除去を含む。この合成経路は、ピリミジンヌクレオシドに限られ、プリンヌクレオシドの生成に用いることはできない。Horwitz,J.P.ら,J.Org.Chem.1996,31,205;Horwitz,J.P.ら,Org.Chem.1967,32,817;およびHorwitzら,J.P.ら,J.Am.Chem.Soc.1964,86,1896。
【0022】
一部の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドは、ハロゲン化アセトキシイソブチリルとの反応、その後の、クロムイオンでの2’,3’−アセトキシ−2’,3’−ハロゲノ誘導体の還元的除去によって、対応するリボヌクレオシドから直接得られている。米国特許第3,817,982号(1974);Chem.Abstr.1974,81,63942;Russell,A.F.ら,J.Am.Chem.Soc.1973,95,4025;Jain,T.C.ら,J.Org.Chem.1974,39,30;Classon,B.ら,Acta Chem.Scand.Sect B 1982,32,251;Robins,M.J.ら,Tetrahedron Letters 1984,25,367。この方法の変形では、ジメチルホルムアミド中の亜鉛を酢酸クロムの代わりに用いることができる。Robins,M.J.ら,Tetrahedron Letters 1984,35,367。この反応は、困難であり、結果として幾つかの生成物を生じる。従って、2’,3’−不飽和化合物を得るためには有効な経路ではない(Jain,T.C.ら,J.Org.Chem.1974,39,30)。
【0023】
Chuの米国特許第5,455,339号は、
(i)下記一般構造:
【0024】
【化5】
(式中、
Bは、C〜C15の窒素、酸素または硫黄複素環であり、
Yは、適する酸素保護基であり、
Rは、各々、C(S)SR’(この式中、R’は、C〜C15のアルキルもしくはシアノアルキル基である)であるか、または両方のRは、共に、>C=Sである)
のヌクレオシド誘導体を調製する段階;
(ii)2’および3’ヒドロキシルを活性化させて、2’,3’−チオカルボネートを生成する段階;およびその後、
(iii)そのヌクレオシド誘導体を脱酸素かして、対応する2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシドにする段階
を含む、キサントゲン酸ジアルキル中間体経由で2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを調製するための方法を記載している。
【0025】
Raymond F.SchinaziおよびDennis C.Liottaの米国特許第5,703,058号、同第5,905,070号および同6,232,300号ならびに国際公開公報第96/22778号として発行された国際特許出願番号PCT/US96/00965は、[5−カルボキサミドまたは5−フルオロ]−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ピリミジンヌクレオシドおよび[5−カルボキサミドまたは5−フルオロ]−3’−修飾ピリミジンヌクレオシドを記載している。前記’070特許の実施例3は、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを調製するための方法を提供している。この特許は、その手順を多種多様な塩基に適応させることができ、また、その手順を用いて、β−Dまたはβ−L異性体のいずれかを望みどおりに提供できると述べている。この方法を下に図示する:
【0026】
【化6】
(図式中、MMPPは、モノペルオキシフタル酸マグネシウムであり、Rは、t−ブチルジフェニルシリルであり、およびSTIPPは、2,4,6−トリイソプロピルフェニルである)。
【0027】
PCT国際公開公報第99/43691号は、ウイルス感染症の治療に有用である2’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシドを記載している。前記PCTの図式9、10および11は、β−L−2’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを調製するための方法を記載している。前記PCT公報は、2’,3’−不飽和L−ヌクレオシドの合成を、容易に入手可能なヌクレオシド類似体から出発する除去反応によって予め果たしておくと述べており、これは、非常に長い修飾手順を要する。ルイス酸の存在下、カップリング条件下では2’,3’−不飽和糖部分が不安定であるとため、2’,3’−不飽和プリンヌクレオシドを直接縮合によって合成する例は、チオフェニル中間体を用いるピリミジン類似体の一事例を除き、ほとんどない(Abdel−Medied,A.W.−S.ら,Synthesis,1991,313;Sujino,K.ら,Tetrahedron Lett.,1996,37,6133)。2’,3’−不飽和糖部分とは対照的に、複素環との縮合中、グリコシル結合の安定性が強化されている2’−フルオロ−2’,3’−不飽和糖は、直接カップリング反応に、より適する。下に図示する(図式中、Bは、プリンまたはピリミジン塩基であり、Rは、酸素保護基である)ように、(R)−2’−フルオロブテノリド(L−グリセルアルデヒドアセトニドから調製されたもの)が、2’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドの調製における重要な前駆体として用いられた。前記アセトニドから、THF中、α−フルオロホスホノ酢酸トリエチルおよびナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの存在下でのホーナー−エモンズ反応によって、E異性体とZ異性体の混合物が得られた(Thenappan,A.ら,J.Org.Chem.,1990,55,4639;Morikawa,T.ら,Chem.Pharm.Bull.,1992,40,3189;Patrich,T.B.,ら,J.Org.Chem.,1994,59,1210)。E異性体とZと異性体をを分離することが困難なため、これらの混合物を続いて酸性条件下での環化反応に付して、所望のラクトンおよび非環化ジオールを得た。得られた混合物をシリルラクトンに転化させ、CHCl中、78℃でDIBA1−Hとの反応に付して、ラクトールを得た。このラクトールを無水酢酸で処理して、重要な酢酸塩中間体を生じ、これをVorbruggen条件下でシリル化6−クロロプリンと縮合させて、保護ヌクレオシドのアノマー混合物を生じた。THF中、TBAFでその保護ヌクレオシドを処理することによって、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離することができる遊離ヌクレオシドの混合物を得た。そのアデニン類似体は、6−クロロプリジンをスチールボンベ内、90℃で、エタノールおよびMaOMeで処理することによって得られる。同じ条件下でそのアデニン類似体をさらに処理することによって、イノシン類似体を生じた。
【0028】
【化7】
β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン、またはそのエナンチオマー、β−L−D4FCを合成するための上記方法は、毒性のおよび/または取扱困難な試薬、線形または逐次的反応段階およびクロマトグラフまたは精製段階を併用する合成経路を開示している。その結果、これらの合成によって、β−D−D4FCの充分な合成はもたらされない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
従って、本発明のもう一つの目的は、容易であり、且つ、有効である2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを生成するための方法を提供することである。
【0030】
本発明の目的は、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、および特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの高収率製造法を提供することである。
【0031】
本発明の目的は、望ましくない副生成物をほとんど生成しない、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、および特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの製造法を提供することである。
【0032】
本発明のもう一つの目的は、商業生産に適用できる、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、および特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの製造法を提供することである。
【0033】
本発明の特定の目的は、シトシンまたは5−フルオロシトシンなどの、プリンまたはピリジン塩基の保護を必要としない、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、および特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの製造法を提供することである。
【0034】
本発明の特定の目的は、クロマトグラフィーによる精製を必要としない、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、および特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの製造法を提供することである。
【0035】
本発明の特定の目的は、毒性金属の使用を必要としない、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、および特に、β−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの製造法を提供することである。
【0036】
本発明のさらなる目的は、2’,3’−ジデオキシならびに2’および3’−デオキシリボヌクレオシド類似体、ならびに後続の官能基操作によって得られる追加の誘導体を含む(しかし、それらに限定されない)非常に様々な他のヌクレオシド類似体を調製するための合成中間体として用いることができる、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを調製するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明は、必要に応じて官能基の導入が選択可能である、入手可能な前駆体からの2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドへの有効な合成経路である。本発明は、高収率の有効な商業プロセスを提供し、グラム、多グラム、キログラムまたは多キログラム規模で行うことができ、安定な中間体を生じる。本発明は、全収率を向上させるために、クロマトグラフを用いない分離をさらに提供する。加えて、本発明によって製造されるD4化合物は、2’,3’−ジデオキシおよび2’または3’−デオキシリボヌクレオシド類似体ならびに後続の官能基操作によって得られるさらなる誘導体を含む(しかし、これらに限定されない)様々な他のヌクレオシド類似体を調製するための合成中間体として用いることもできる。
【0038】
簡単に言うと、本発明は、適切に置換されているリボヌクレオシドから出発して、β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを、二段階、場合によっていは三段階:
段階(1)ハロアセチル化、および特に、ブロモアセチル化などのハロアシル化;
段階(2)還元的除去;および場合によっては、
段階(3)脱保護
で調製するための方法を開示する。段階(1)のハロアシル化は、2’−アシル−3’−ハロヌクレオシド、3’−アシル−2’−ハロヌクレオシド、またはそれらの混合物を生成することができる。
【0039】
a)下記構造(1):
【0040】
【化8】
(式中、
Bは、5−フルオロシトシン、5−フルオロウラシル、シトシン、ウラシル、チミジン、アデニン、グアニンまたはイノシンを含む(しかし、これらに限定されない)ピリミジンまたはプリンであり、およびさらにいっそう好ましくは、5−フルオロシトシンまたは5−フルオロウラシルであり;ならびに
Yは、O、SまたはCHである)
の化合物を、式X−C(=O)R、X−C(=O)C(ROC(=O)R、またはX−C(=O)フェニルC(=O)OR
(これらの式中、Xは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、および
各Rは、水素、低級アルキル、アルキル、アリールまたはフェニルから独自に選択される)のハロゲン化アシルで活性化して、下記構造(2):
【0041】
【化9】
(式中、
R’は、R、−C(ROC(=O)R、または−フェニルC(=O)ORであり;および
少なくとも一つのRは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、且つ、少なくとも一つのRは、式−OC(=O)Rのアシルである)
の化合物を生成する段階;およびその後、
b)上記構造(2)の化合物を還元剤で還元して、下記構造(3):
【0042】
【化10】
の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを生成する段階;
c)必要な場合には、場合によっては上記ヌクレオシドを脱保護する段階
を含む、β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを調製するための方法を提供する。
【0043】
本発明の一つの実施態様において、構造(3)のヌクレオシドは、例えば、この技術分野において知られている方法による塩基修飾または糖修飾によって、場合によってはさらに誘導される。
【0044】
一つの実施態様において、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドは、異なる核酸塩基を有するβ−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドに転化させることができる。例えば、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロウリジンを誘導して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロシチジンを生成することができる。類似して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ウリジンをさらに誘導して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−シチジンを生成することができる。あるいは、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを還元して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシおよび2’−または3’−デヒドロリボ−ヌクレオシド類似体を生成することができる。例えば、水素還元は、10%パラジウム/炭素を用いてエタノール中で行うことができる。あるいは、当業者に知られている化学法も用い、D4ヌクレオシドを修飾して、2’、3’もしくは5’−置換ヌクレオシドまたはそれらを組み合わせたものを生成することができる。非限定的な例として、Townsendら,Chemistry of Nuceosides and Nucleotides,Volume 1,Plenum Press:New Yorkは、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを四酸化オスミウムで酸化することによって、リボヌクレオシドが生じることを教示している。Kuzuhara,H.らの米国特許第5,144,018号(1992)の教示を用い、妥当なヒドロキシルを活性化し、置換することによって、さらなる官能基を2’または3’ヒドロキシル経由で導入することができる。
【0045】
一つの特定の実施態様において、本発明は、望ましくない副生成物をほとんど生成しない新規で短時間で高収率の三段階β−D−D4FC合成を提供する。
【0046】
本発明の合成は、5−フルオロシトシンの保護、クロマトグラフィーによる精製または毒性金属の使用を必要としない。故に、本発明の方法は、グラム、キログラムまたは多キログラムの商業規模で実行が可能である。
【0047】
本発明の一つの具体的実施態様において、
(1)下記式(I):
【0048】
【化11】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキル(C、C、C、C、CまたはCアルキル)であり;
は、各出現時に、アルキル、好ましくはメチル、エチルまたはプロピルなどの低級アルキルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)もしくは(II):
【0049】
【化12】
(式中、
は、Xであり;および
は、−OC(=O)CHである)
の化合物、または上記式(II)および(II)の化合物を生成する段階;
(2)上記式(II)もしく(II)の化合物、または上記式(II)および(II)の化合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
【0050】
【化13】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0051】
【化14】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0052】
従って、本発明は、5−フルオロシチジンから出発してβ−D−D4FCを、二段階、場合によっては三段階:
段階(1)ハロアセチル化、および特に、ブロモアセチル化などのハロアシル化;
段階(2)還元的除去;および場合によっては、
段階(3)脱保護
で調製するための方法を開示する。段階(1)のハロアシル化は、2’−アシル−3’−ハロヌクレオシド、3’−アシル−2’−ハロヌクレオシド、またはそれらの混合物を生成することができる。本発明の方法は、シチジンの第一アミン基を保護する必要がない。先行文献は、清浄で高収率の反応には、シチジンの第一アミン基の保護が必要であることを示唆している。Manchandら,J.Org.Chem.1992,57,3473を参照のこと。段階(1)における極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものの使用は、不純物プロフィールを改善し、反応速度の変更を可能ならしめ、および/または中間生成物(複数を含む)の取扱いを容易にする。
【0053】
あるいは、もう一つの具体的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0054】
【化15】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキル(C、C、C、C、CまたはCアルキル)であり;
は、各出現時に、アルキル、好ましくはメチル、エチルもしくはプロピルなどの低級アルキルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物、下記式(VI)の化合物、または下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
【0055】
【化16】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(VI)の化合物、上記式(VI)の化合物、または上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(III):
【0056】
【化17】
の化合物を生成する段階;
(3a)上記式(VII)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
【0057】
【化18】
(式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
【0058】
【化19】
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0059】
【化20】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を開示する。
【0060】
従って、本発明は、5−フルオロシチジンから出発して、β−D−D4FCを調製するための方法:
段階(1)ハロアセチル化、および特に、ブロモアセチル化などのハロアシル化;
段階(2)還元的除去;
段階(3−a,b)シチジンの生成;および
段階(3−c)脱保護
を開示する。段階(1)のハロアシル化は、2’−アシル−3’−ハロヌクレオシド、3’−アシル−2’−ハロヌクレオシド、またはそれらの混合物を生成することができる。
【0061】
本発明の手順は、各段階後の中間体を単離または精製する必要なく、後続の反応に直接用いることができるので、合理化された方法が可能となる。例えば、5−フルオロシチジンからのβ−D−D4FCの製造において、段階(1)は、適する非プロトン性溶媒中の溶液として段階(2)へと場合によっては持ち越される。類似して、段階(2)の生成物(複数を含む)は、適する溶媒中の溶液として段階(3)へと場合によっては持ち越される。段階(3)において用いられる条件(適する溶媒中、触媒量の塩基)によって、最終生成物β−D−D4FCの容易な単離が可能となる。触媒量の塩基の使用は、この塩基が段階(3)に用いられる適する溶媒に溶解可能であるため、生成物の単離を容易にする。生成物β−D−D4FCは、その適する溶媒を除去すると、溶液から沈殿および/または晶出する。第二の結晶化(再結晶)を行うことによって、β−D−D4FCの純度を向上させることができる。
【0062】
あるいは、5−フルオロシチジンからのβ−D−D4FCの製造において、段階(1)は、適する非プロトン性溶媒中の溶液として段階(2)へと場合によっては持ち越される。類似して、段階(2)および(3−a、b)の生成物は、適する溶媒中の溶液として段階(3−c)へと場合によっては持ち越される。段階(3−c)で用いられる条件(適する溶媒中、触媒量の塩基)によって、β−D−D4FCの最終生成物の簡単な単離が可能になる。触媒量の塩基に使用は、この塩基が段階(3−c)に用いられる適する溶媒に溶解可能であるため、生成物の単離を容易にする。生成物β−D−D4FCは、その適する溶媒を除去すると、溶液から沈殿および/または晶出する。第二の結晶化(再結晶)を行うことによって、β−D−D4FCの純度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
本発明は、必要に応じて官能基の導入が選択可能である、入手可能な前駆体からの2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドへの有効な合成経路である。本発明は、高収率の有効な商業プロセスを提供し、グラム、多グラム、キログラムまたは多キログラム規模で行うことができ、安定な中間体を生じる。本発明は、全収率を向上させるために、クロマトグラフを用いない分離をさらに提供する。加えて、本発明によって製造されるD4化合物は、2’,3’−ジデオキシおよび2’または3’−デオキシリボヌクレオシド類似体ならびに後続の官能基操作によって得られるさらなる誘導体を含む(しかし、これらに限定されない)様々な他のヌクレオシド類似体を調製するための合成中間体として用いることもできる。
【0064】
簡単に言うと、本発明は、適切に置換されているリボヌクレオシドから出発して、β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを、二段階、場合によっていは三段階:
段階(1)ハロアセチル化、および特に、ブロモアセチル化などのハロアシル化;
段階(2)還元的除去;および場合によっては、
段階(3)脱保護
で調製するための方法を開示する。段階(1)のハロアシル化は、2’−アシル−3’−ハロヌクレオシド、3’−アシル−2’−ハロヌクレオシド、またはそれらの混合物を生成することができる。
【0065】
a)下記構造(1):
【0066】
【化21】
(式中、
Bは、5−フルオロシトシン、5−フルオロウラシル、シトシン、ウラシル、チミジン、アデニン、グアニンまたはイノシンを含む(しかし、これらに限定されない)ピリミジンまたはプリンであり、およびさらにいっそう好ましくは、5−フルオロシトシンまたは5−フルオロウラシルであり;ならびに
Yは、O、SまたはCHである)
の化合物を、式X−C(=O)R、X−C(=O)C(ROC(=O)R、またはX−C(=O)フェニルC(=O)OR(これらの式中、Xは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、および 各Rは、水素、低級アルキル、アルキル、アリールまたはフェニルから独自に選択される)のハロゲン化アシルで活性化して、下記構造(2):
【0067】
【化22】
(式中、
R’は、R、−C(ROC(=O)R、または−フェニルC(=O)ORであり;および
少なくとも一つのRは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、且つ、少なくとも一つのRは、式−OC(=O)Rのアシルである)
の化合物を生成する段階;およびその後、
b)上記構造(2)の化合物を還元剤で還元して、下記構造(3):
【0068】
【化23】
の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを生成する段階;
c)必要な場合には、場合によっては上記ヌクレオシドを脱保護する段階
を含む、β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを調製するための方法を提供する。
【0069】
本発明の一つの実施態様において、構造(3)のヌクレオシドは、例えば、この技術分野において知られている方法による塩基修飾または糖修飾によって、場合によってはさらに誘導され、その後、必要な場合には、場合によってはそのヌクレオシドは、脱保護される。
【0070】
一つの実施態様において、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドは、異なる核酸塩基を有するβ−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドに転化させることができる。例えば、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロウリジンを誘導して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロシチジンを生成することができる。類似して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ウリジンをさらに誘導して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−シチジンを生成することができる。あるいは、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを還元して、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシおよび2’−または3’−デヒドロリボ−ヌクレオシド類似体を生成することができる。例えば、水素還元は、10%パラジウム/炭素を用いてエタノール中で行うことができる。あるいは、当業者に知られている化学法も用い、D4ヌクレオシドを修飾して、2’、3’もしくは5’−置換ヌクレオシドまたはそれらを組み合わせたものを生成することができる。非限定的な具体例として、Townsendら,Chemistry of Nuceosides and Nucleotides,Volume 1,Plenum Press:New Yorkは、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを四酸化オスミウムで酸化することによって、リボヌクレオシドが生じることを教示している。Kuzuhara,H.らの米国特許第5,144,018号(1992)の教示を用い、妥当なヒドロキシルを活性化し、置換することによって、さらなる官能基を2’または3’ヒドロキシル経由で導入することができる。
【0071】
一つの特定の実施態様において、本発明は、望ましくない副生成物をほとんど生成しない新規で短時間で高収率の三段階β−D−D4FC合成を提供する。
【0072】
本発明の合成は、5−フルオロシトシンの保護、クロマトグラフィーによる精製または毒性金属の使用を必要としない。従って、本発明の方法は、グラム、キログラムまたは多キログラムの商業規模で実行が可能である。
【0073】
本発明の一つの具体的実施態様において、
(1)下記式(I):
【0074】
【化24】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキル(C、C、C、C、CまたはCアルキル)であり;
は、各出現時に、アルキル、好ましくはメチル、エチルまたはプロピルなどの低級アルキルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)もしくは(II):
【0075】
【化25】
(式中、
は、Xであり;および
は、−OC(=O)CHである)
の化合物、または上記式(II)および(II)の化合物を生成する段階;
(2)上記式(II)もしくは(II)の化合物、または上記式(II)および(II)の化合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
【0076】
【化26】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0077】
【化27】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0078】
従って、本発明は、5−フルオロシチジンから出発してβ−D−D4FCを、二段階、場合によっては三段階:
段階(1)ハロアセチル化、および特に、ブロモアセチル化などのハロアシル化;
段階(2)還元的除去;および場合によっては、
段階(3)脱保護
で調製するための方法を開示する。段階(1)のハロアシル化は、2’−アシル−3’−ハロヌクレオシド、3’−アシル−2’−ハロヌクレオシド、またはそれらの混合物を生成することができる。本発明の方法は、シチジンの第一アミン基を保護する必要がない。先行文献は、清浄で高収率の反応には、シチジンの第一アミン基の保護が必要であることを示唆している。Manchandら,J.Org.Chem.1992,57,3473を参照のこと。段階(1)における極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものの使用は、不純物プロフィールを改善し、反応速度の変更を可能ならしめ、および/または中間生成物(複数を含む)の取扱いを容易にする。
【0079】
あるいは、もう一つの具体的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0080】
【化28】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキル(C、C、C、C、CまたはCアルキル)であり;
は、各出現時に、アルキル、好ましくはメチル、エチルもしくはプロピルなどの低級アルキルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物、下記式(VI)の化合物、または下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
【0081】
【化29】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(VI)の化合物、上記式(VI)の化合物、または上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(III):
【0082】
【化30】
の化合物を生成する段階;
(3a)上記式(VII)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
【0083】
【化31】
(式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
【0084】
【化32】
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0085】
【化33】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を開示する。
【0086】
従って、本発明は、5−フルオロシチジンからβ−D−D4FCを調製するための方法:
段階(1)ハロアセチル化、および特に、ブロモアセチル化などのハロアシル化;
段階(2)還元的除去;
段階(3−a,b)シチジンの生成;および
段階(3−c)脱保護
を開示する。段階(1)のハロアシル化は、2’−アシル−3’−ハロヌクレオシド、3’−アシル−2’−ハロヌクレオシド、またはそれらの混合物を生成することができる。
【0087】
本発明の手順は、各段階後の中間体を単離または精製する必要なく、後続の反応に直接用いることができるので、合理化された方法が可能となる。例えば、5−フルオロシチジンからのβ−D−D4FCの製造において、段階(1)は、適する非プロトン性溶媒中の溶液として段階(2)へと場合によっては持ち越される。類似して、段階(2)の生成物は、適する溶媒中の溶液として段階(3)へと場合によっては持ち越される。段階(3)において用いられる条件(適する溶媒中、触媒量の塩基)によって、最終生成物β−D−D4FCの容易な単離が可能となる。触媒量の塩基の使用は、この塩基が段階(3)に用いられる適する溶媒に溶解可能であるため、生成物の単離を容易にする。生成物β−D−D4FCは、その適する溶媒を除去すると、溶液から沈殿および/または晶出する。第二の結晶化(再結晶)を行うことによって、β−D−D4FCの純度を向上させることができる。
【0088】
あるいは、5−フルオロシチジンからのβ−D−D4FCの製造において、段階(1)は、適する非プロトン性溶媒中の溶液として段階(2)へと場合によっては持ち越される。類似して、段階(2)および(3−a、b)の生成物は、適する溶媒中の溶液として段階(3−c)へと場合によっては持ち越される。段階(3−c)で用いられる条件(適する溶媒中、触媒量の塩基)によって、β−D−D4FCの最終生成物の簡単な単離が可能になる。触媒量の塩基に使用は、この塩基が段階(3−c)に用いられる適する溶媒に溶解可能であるため、生成物の単離を容易にする。生成物β−D−D4FCは、その適する溶媒を除去すると、溶液から沈殿および/または晶出する。第二の結晶化(再結晶)を行うことによって、β−D−D4FCの純度を向上させることができる。
【0089】
第一原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0090】
【化34】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物、下記式(II)の化合物、または下記式(II)の化合物と下記式(II)の化合物の混合物:
【0091】
【化35】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(II)の化合物、上記式(II)の化合物、または上記式(II)の化合物と上記式(II)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
【0092】
【化36】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0093】
【化37】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0094】
第二原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0095】
【化38】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、RCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、H、CH、CHCH、またはCHCHCHであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物または下記式(II):
【0096】
【化39】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
の化合物を生成する段階;
(2)上記式(II)の化合物または上記式(II)の化合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
【0097】
【化40】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0098】
【化41】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0099】
別の第二原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0100】
【化42】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、RCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、H、CH、CHCH、またはCHCHCHであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物と下記式(II)の化合物の混合物:
【0101】
【化43】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(II)の化合物と上記式(II)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
【0102】
【化44】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0103】
【化45】
を生成する段階
の化合物を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0104】
第三原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0105】
【化46】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
【0106】
【化47】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a):
【0107】
【化48】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0108】
【化49】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0109】
一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0110】
【化50】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物または下記式(II−a)の化合物:
【0111】
【化51】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物または上記式(II−a)の化合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a)の化合物:
【0112】
【化52】
を生成する段階;および
(3)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0113】
【化53】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0114】
もう一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0115】
【化54】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
【0116】
【化55】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a):
【0117】
【化56】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0118】
【化57】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0119】
特定の副次的実施態様では、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
第一、第二または第三原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0120】
さらにいっそう特定的な副次的実施態様では、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
段階(2)において、適する還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み、および
段階(3)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
第一原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0121】
第四原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0122】
【化58】
の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
【0123】
【化59】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
【0124】
【化60】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
【0125】
【化61】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0126】
一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0127】
【化62】
の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物または下記式(II−a)の化合物:
【0128】
【化63】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物または上記式(II−a)の化合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
【0129】
【化64】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
【0130】
【化65】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0131】
もう一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0132】
【化66】
の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
【0133】
【化67】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
【0134】
【化68】
の化合物を生成する段階;および
(3)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
【0135】
【化69】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0136】
第五原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0137】
【化70】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物、下記式(II)の化合物、または下記式(II)の化合物と下記式(II)の化合物の混合物:
【0138】
【化71】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(II)の化合物、上記式(II)の化合物、または上記式(II)の化合物と上記式(II)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
【0139】
【化72】
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
の化合物を生成する段階
を含む、式(III)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0140】
第六の実施態様において、本発明は、
段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、
臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、
臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、
臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または
臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル
を含み;
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;ならびに
段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択される、
式(III)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0141】
第七原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0142】
【化73】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
【0143】
【化74】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a):
【0144】
【化75】
の化合物を生成する段階、
を含む、式(III−a)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0145】
一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0146】
【化76】
の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
【0147】
【化77】
を生成する段階;
(2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
【0148】
【化78】
の化合物を生成する段階
を含む、式(III−a)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0149】
特定の副次的実施態様では、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
第五、第六または第七原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0150】
さらにいっそう特定的な副次的実施態様では、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
段階(2)において、適する還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み、および
段階(3)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
第一原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0151】
第八原理実施態様において、本発明は、下記式(II)または(II):
【0152】
【化79】
(式中、
Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択され;
は、Cl、BrまたはIであり;および
は、RCHC(=O)O−である)
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0153】
第九原理実施態様において、本発明は、下記式(II−a)もしくは(II−a):
【0154】
【化80】
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0155】
第十原理実施態様において、本発明は、下記式(III):
【0156】
【化81】
(式中、
Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0157】
第十一原理実施態様において、本発明は、下記式(III−a):
【0158】
【化82】
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0159】
第十二原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0160】
【化83】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIVであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物、下記式(VI)の化合物、または下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
【0161】
【化84】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(VI)の化合物、上記式(VI)の化合物、または上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII):
【0162】
【化85】
の化合物を生成する段階;
(3a)式(III)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
【0163】
【化86】
(式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
【0164】
【化87】
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0165】
【化88】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0166】
一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0167】
【化89】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
【0168】
【化90】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII):
【0169】
【化91】
の化合物を生成する段階;
(3a)上記式(VII)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
【0170】
【化92】
(式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
【0171】
【化93】
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0172】
【化94】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0173】
第十三原理実施態様において、本発明は、
段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、
臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、
臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、
臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または
臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル
を含み;
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
段階(3−a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロメチルスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
段階(3−a)において、アミン塩基が、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、N,N−ジメチル−アミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、および1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンから成る群より選択され;
段階(3−a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;
段階(3−b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムから成る群より選択され;ならびに
段階(3−c)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜C−アルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜C−アルコキシドから成る群より選択される、
式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0174】
第十四原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0175】
【化95】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
【0176】
【化96】
を生成する段階;
(2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII−a):
【0177】
【化97】
の化合物を生成する段階;
(3a)上記式(VII−a)の化合物を、
i)ハロゲン化アリールスルホニル、
ii)ハロゲン化アルキルスルホニル、および
iii)塩化リンの存在下での1,2,4−トリアゾール
から成る群より選択された活性化剤と、アミン塩基の存在下で接触させて、下記式(VIII−a):
【0178】
【化98】
(式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII−a)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III−a):
【0179】
【化99】
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0180】
【化100】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0181】
一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0182】
【化101】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
【0183】
【化102】
を生成する段階;
(2)上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII−a):
【0184】
【化103】
の化合物を生成する段階;
(3a)上記式(VII−a)の化合物を、
i)ハロゲン化アリールスルホニル、
ii)ハロゲン化アルキルスルホニル、および
iii)塩化リンの存在下での1,2,4−トリアゾール
から成る群より選択された活性化剤と、アミン塩基の存在下で接触させて、下記式(VIII−a):
【0185】
【化104】
(式中、LGは、活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII−a)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III−a):
【0186】
【化105】
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
【0187】
【化106】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0188】
特定の副次的実施態様では、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
段階(3−a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロメチルスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
段階(3−a)において、アミン塩基が、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、
N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、
N,N−ジメチル−アミノピリジン、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、および
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
から成る群より選択され;
段階(3−a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;
段階(3−b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムの群より選択され;ならびに
段階(3−c)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
第十二、第十三または第十四原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0189】
さらにいっそう特定的な副次的実施態様では、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルである一つの溶媒を含み;
段階(2)において、還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
段階(3−a)において、活性化剤が、トリアゾール/オキシ塩化リンであり;
段階(3−a)において、アミン塩基が、トリエチルアミンであり;
段階(3−a)において、脱離基LGが、トリアゾリルであり;
段階(3−b)において、アミノ化剤が、NHであり;および
段階(3−c)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
第十二、第十三または第十四原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0190】
第十五原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(I):
【0191】
【化107】
の化合物を、アセトニトリル中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
【0192】
【化108】
を生成する段階;
(2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(VII−a):
【0193】
【化109】
の化合物を生成する段階;
(3a)上記式(VII−a)の化合物を、トリエチルアミンの存在下で、1,2,4−トリアゾール/オキシ塩化リンと接触させて、下記式(VIII−a):
【0194】
【化110】
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII−a)の化合物をNHと接触させて、式(III−a)
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
【0195】
【化111】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0196】
一つの副次的実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0197】
【化112】
の化合物を、アセトニトリル中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
【0198】
【化113】
を生成する段階;
(2)上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(VII−a):
【0199】
【化114】
の化合物を生成する段階;
(3a)式(III−a)の化合物を、トリエチルアミンの存在下で、1,2,4−トリアゾール/オキシ塩化リンと接触させて、下記式(VIII−a):
【0200】
【化115】
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII−a)の化合物をNHと接触させて、式(III−a)
の化合物を生成する段階;および
(4)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
【0201】
【化116】
の化合物を生成する段階
を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0202】
第十六原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0203】
【化117】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
Xは、Cl、BrまたはIであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物、下記式(VI)の化合物、または下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
【0204】
【化118】
(式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
を生成する段階;
(2)上記式(VI)の化合物、上記式(VI)の化合物、または上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII):
【0205】
【化119】
の化合物を生成する段階;
(3a)上記式(VII)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
【0206】
【化120】
(式中、LGは、活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
【0207】
【化121】
(式中、
Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
の化合物を生成する段階
を含む、式(III)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0208】
第十七原理実施態様において、本発明は、
段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、
臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、
臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、
臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または
臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル
を含み;
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
段階(3−a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロメチルスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
段階(3−a)において、アミン塩基が、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、
N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、
N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、
N,N−ジメチルオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
ピリジン、N,N−ジメチル−アミノピリジン、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、および
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
から成る群より選択され;
段階(3−a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;
段階(3−b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムから成る群より選択される、
式(III)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0209】
第十八原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0210】
【化122】
の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
【0211】
【化123】
を生成する段階;
(2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII−a):
【0212】
【化124】
の化合物を生成する段階、
(3a)上記式(VII−a)の化合物を、
i)ハロゲン化アリールスルホニル、
ii)ハロゲン化アルキルスルホニル、および
iii)塩化リンの存在下での1,2,4−トリアゾール
から成る群より選択された活性化剤と、アミン塩基の存在下で接触させて、下記式(VIII−a):
【0213】
【化125】
(式中、LGは、活性化剤由来の脱離基である)
の化合物を生成する段階;
(3b)上記式(VIII−a)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III−a):
【0214】
【化126】
の化合物を生成する段階
を含む、式(III−a)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0215】
特定の副次的実施態様にでは、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
段階(3−a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロメチルスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
段階(3−a)において、アミン塩基が、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、N,N−ジメチル−アミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンから成る群より選択され;
段階(3−a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;ならびに
段階(3−b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムから成る群より選択される、
第十六、第十七または第十八原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0216】
さらにいっそう特定的な副次的実施態様では、
段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルである一つの溶媒を含み;
段階(2)において、還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
段階(3−a)において、活性化剤が、トリアゾール/オキシ塩化リンであり;
段階(3−a)において、アミン塩基が、トリエチルアミンであり;
段階(3−a)において、脱離基LGが、トリアゾリルであり;および
段階(3−b)において、アミノ化剤が、NHである、
第十六、第十七または第十八原理実施態様において式(IV)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0217】
第十九原理実施態様において、本発明は、
(1)下記式(V):
【0218】
【化127】
の化合物を、アセトニトリル中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
【0219】
【化128】
を生成する段階;
(2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(VII−a):
【0220】
【化129】
の化合物を生成する段階、
(3a)上記式(VII−a)の化合物を、トリエチルアミンの存在下で、1,2,4−トリアゾール/オキシ塩化リンと接触させて、下記式(VIII−a):
【0221】
【化130】
の化合物を生成する段階;および
(3b)上記式(VIII−a)の化合物をNHと接触させて、下記式(III−a):
【0222】
【化131】
の化合物を生成する段階
を含む、式(III−a)の化合物を調製するための方法を提供する。
【0223】
第二十原理実施態様において、本発明は、下記式(VI)または(VI):
【0224】
【化132】
(式中、
Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択され;
は、Cl、BrまたはIであり;および
は、RCHC(=O)O−である)
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0225】
第二十一原理実施態様において、本発明は、下記式(VI−a)または(VI−a):
【0226】
【化133】
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0227】
第二十二原理実施態様において、本発明は、下記式(VII):
【0228】
【化134】
(式中、
Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;および
は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0229】
第二十三原理実施態様において、本発明は、下記式(VII−a):
【0230】
【化135】
の化合物またはその医薬適合性の塩を規定する。
【0231】
本発明は、HIVの増殖または複製を阻害するための薬剤として有用であるβ−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの調製に有用である。
【0232】
本発明の方法は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)逆転写酵素阻害剤として有用であるβ−D−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジンの調製にも有用である。こうしたHIV逆転写酵素阻害剤は、HIVを含有する、またはHIVに暴露したと予想されるエクスビボサンプルにおけるHIVの阻害に有用である。それ故、こうしたHIV逆転写酵素阻害剤を用いて、HIVを含有する、またはHIVを含有する疑いがある、またはHIVに暴露した疑いがある体液サンプル(例えば、体液または***サンプル)中に存在するHIVを阻害することができる。こうしたHIV逆転写酵素阻害剤は、例えば製剤研究プログラムにおいて、ウイルス複製および/またはHIV逆転写酵素を阻害する薬剤の能力を判定する試験またはアッセイで用いるための標準または参照化合物としても有用である。それ故、こうしたHIV逆転写酵素阻害剤は、そうしたアッセイにおける対照または参照化合物として、および品質管理標準物質として用いることができる。
【0233】
I.立体異性および多形
本発明の化合物は、少なくとも二つのキラル中心を有し、光学活性形およびラセミ形で存在することができ、単離することができる。一部の化合物は、多形で存在することができる。本発明は、本明細書に記載されている有用な特性を有する、本発明の化合物のラセミ形、光学活性形、多形、キラル形、ジアステレオマー形もしくは立体異性体形、またはそれらの混合物を包含する。本発明の一定の化合物が、不斉置換炭素原子を含有し、光学活性形またはラセミ形で単離できることは、ご理解いただけよう。光学活性形は、例えば、再結晶法による、光学活性出発原料からの合成による、キラル合成による、またはキラル固定相を用いるクロマトグラフ分離による、または酵素的分割によるラセミ形の分割によって、調製することができる。特異的立体化学または異性体形を特に指示されていない限り、構造のすべてのキラル形、ジアステレオマー形、ラセミ形およびすべての幾何異性体形を意図している。
【0234】
化合物の光学活性形は、再結晶法による、光学活性出発原料からの合成による、キラル合成による、またはキラル固定相を用いるクロマトグラフ分離によるラセミ形の分割によるものを含む、この技術分野において知られているあらゆる方法を用いて調製することができる。
【0235】
光学活性材料を得るための方法の例には、少なくとも次のものが挙げられる。
【0236】
i)結晶の物理的分離−個々のエナンチオマーの肉眼で見える結晶を手操作で分離する手法。この手法は、別個のエナンチオマーの結晶が存在する、すなわち、材料が凝集塊であり、結晶が視覚的にはっきりと識別される場合に、用いることができる;
ii)同時結晶化−個々のエナンチオマーをラセミ体の溶液から別々に結晶化する手法であって、ラセミ体が固体状態の凝集塊である場合にのみ可能である。
【0237】
iii)酵素的分割−エナンチオマーによって酵素との反応速度が異なることから、ラセミ体を部分または完全分離する手法。
【0238】
iv)酵素的不斉合成−合成の少なくとも一つの段階に酵素反応を用いて、所望のエナンチオマーのエナンチオマー的に純粋なまたは濃縮された合成前駆体を得る合成手法。
【0239】
v)化学的不斉合成−キラル触媒またはキラル助剤を用いて達成することができる、生成物に不斉(すなわち、キラリティー)を生じさせる条件下で、アキラル前駆体から所望のエナンチオマーを合成する合成手法。
【0240】
vi)ジアステレオマー分離−ラセミ化合物をエナンチオマー的に純粋な試薬(キラル助剤)と反応させ、個々のエナンチオマーをジアステレオマーに転化させる手法。その後、得られたジアステレオマーは、今やさらにはっきりしたそれらの構造の違いにより、クロマトグラフィーまたは結晶化によって分離し、後にキラル助剤を除去して、所望のエナンチオマーを得る。
【0241】
vii)一次および二次不斉変換−ラセミ体からのジアステレオマーが平衡して、所望のエナンチオマーからのジアステレオマーが溶液中で優勢になる、または所望のエナンチオマーからのジアステレオマーの選択結晶化によって、原則的にはすべての材料を所望のエナンチオマーからの結晶性ジアステレオマーに最終的に転化させるように、平衡が摂動される手法。その後、所望のエナンチオマーをジアステレオマーから遊離させる。
【0242】
viii)動的分割−この手法は、動的条件下でキラル、非ラセミ試薬または触媒とエナンチオマーの反応速度が一様でないことから、ラセミ体の一部または完全分割(または一部分割されている化合物のさらなる分割)を達成することを指す。
【0243】
ix)非ラセミ前駆体からのエナンチオ特異的合成−所望のエナンチオマーを非キラル出発原料から得る手法であって、合成過程にわたって、立体化学的完全性がないか、もっぱら最小限で妥協される。
【0244】
x)キラル液体クロマトグラフィー−固定相との相互作用の違いによって、ラセミ体のエナンチオマーを液体移動相中で分離する手法(キラルHPLCによるものを含む)。固定相が、キラル材料製であってもよいし、または移動相が、異なる相互作用を生じさせるように、さらなるキラル材料を含んでいてもよい。
【0245】
xi)キラルガスクロマトグラフィー−ラセミ体を揮発させ、固定非ラセミキラル吸収層を備えるカラムとの気体移動相中での相互作用の違いによって、エナンチオマーを分離する手法;
xii)キラル溶剤での溶離−一つのエナンチオマーの特定のキラル溶剤への選択的溶解性によって、エナンチオマーを分離する手法;
xiii)キラル膜を越える輸送−ラセミ体を薄膜遮断層と接触させる手法。前記遮断層は、典型的には二つの混和性液体(一方が、ラセミ体を含有する)を分かつものであり、濃度差または圧差などの駆動力によって、膜遮断層を越える選択的輸送が生じる。分離は、ラセミ体の一方のエナンチオマーのみを通過させる膜の非ラセミキラル特性の結果として生ずる。
【0246】
キラルクロマトグラフィー(擬似移動床式クロマトグラフィーを含む)を一つの実施態様において用いる。多種多様なキラル固定相が、市販されている。
【0247】
II.定義
以下の用語および略記が、本明細書中では用いられ、以下のように定義される。
【0248】
略記:
本明細書中で用いられる場合、「rt」は、室温を意味する。
【0249】
本明細書中で用いられる場合、「h」は、時間を意味する。
【0250】
本明細書中で用いられる場合、「DMAC」は、ジメチルアセトアミドを意味する。
【0251】
本明細書中で用いられる場合、「DMI」は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを意味する。
【0252】
本明細書中で用いられる場合、「DMPU」は、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンを意味する。
【0253】
本明細書中で用いられる場合、「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを意味する。
【0254】
本明細書中で用いられる場合、「EDTA」は、エチレンジアミン四酢酸を意味する。
【0255】
本明細書中で用いられる場合、「EtOAc」は、酢酸エチルを意味する。
【0256】
本明細書中で用いられる場合、「MTBE」は、メチルt−ブチルエーテルを意味する。
【0257】
本明細書中で用いられる場合、「NMP」は、N−メチルピロリジノンを意味する。
【0258】
本明細書中で用いられる場合、「THF」は、テトラヒドロフランを意味する。
【0259】
本明細書中で用いられる場合、用語「〜が実質的にない」、「〜が実質的に不在である」または「単離された」は、そのヌクレオシドの指定されたエナンチオマーを少なくとも95重量%、好ましくは99重量%から100重量%含むヌクレオシド組成を指す。好ましい実施態様において、本方法は、反対の立体配置のエナンチオマーが実質的にない化合物を生成する。
【0260】
本明細書中で用いられる場合、用語「アルキル」は、特に別様に指定されていない限り、飽和直鎖、分枝鎖または環状第一級、第二級または第三級炭化水素、例えば、C〜C10の炭化水素を指し、具体的には、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルおよび2,3−ジメチルブチルが挙げられる。この用語は、置換アルキル基、非置換アルキル基の両方を包含する。アルキル基が置換されうる部分は、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルホン酸塩、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホン酸塩から成る群より選択され、これらは、非保護であるか、または必要に応じて、当業者に知られているように、例えば、Greeneら,「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」,John Wiley and Sons,第2版,1991に教示されているように保護されている。本明細書に、前記文献は参照して組み込まれる。
【0261】
本明細書中で用いられる場合、用語「低級アルキル」は、特に別様に指定されていない
限り、C〜C飽和直鎖、分枝鎖、または適するならば環状(例えば、シクロプロピル)アルキル基を指し、置換形、非置換形の両方を包含する。本出願中、特に別様に述べられていない限り、アルキルが適する部分である時は、低級アルキルが好ましい。同様に、アルキルまたは低級アルキルが適する部分である時には、非置換アルキルまたは低級アルキルが好ましい。
【0262】
本明細書中で用いられる場合、用語「アリール」は、特に別様に指定されていない限り、フェニル、ビフェニルまたはナフチルを指す。この用語は、置換部分、非置換部分の両方を包含する。アリール基は、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホン酸塩から成る群より選択された一つ以上の部分で置換されていてもよく、これらは、非保護であるか、または必要に応じて、当業者に知られているように、例えば、Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991に教示されているように保護されている。
【0263】
本明細書中で用いられる場合、用語「アラルキル」は、特に別様に指定されていない限り、上で定義したようなアルキル基によってその分子に結合している、上で定義したようなアリール基を指す。本明細書中で用いられる場合、用語「アルカリール」または「アルキルアリール」は、特に別様に指定されていない限り、上で定義したようなアリール基によってその分子に結合している、上で定義したようなアルキル基を指す。これらの基、各々において、アルキル基は、上に記載したように場合によっては置換されていてもよい。また、アリール基は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、アジド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドラジン、カルバミン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩、または本化合物の生理活性を阻害しない他のあらゆる実行可能な官能基から成る群より選択された一つ以上の部分で場合によっては置換されていてもよく、これらは、非置換であるか、または必要に応じて、当業者に知られているように、例えば、Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,第2版,1991に教示されているように保護されている。本明細書に、前記文献は参照して組み込まれる。具体的には、フェニル;ナフチル;フェニルメチル;フェニルエチル;3,4,5−トリヒドロキシフェニル;3,4,5−トリメトキシフェニル;3,4,5−トリエトキシ−フェニル;4−クロロフェニル;4−メチルフェニル;3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル;4−フルオロフェニル;4−クロロ−1−ナフチル;2−メチル−1−ナフチルメチル;2−ナルチルメチル;4−クロロフェニルメチル;4−t−ブチルフェニル;4−t−ブチルフェニルメチルおよびこれらに類するものが、用語「アリール」の範囲に包含される。
【0264】
用語「アルカリール」または「アルキルアリール」は、アリール置換基を有するアルキル基を指す。用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アルキル置換基を有するアリール基を指す。
【0265】
用語「アルキルアミノ」または「アリールアミノ」は、1または2個のアルキル置換基またはアリール置換基をそれぞれ有するアミノ基を指す。
【0266】
本明細書中で用いられる場合、「アルキル第一アミン」は、有機化学当業者によく知られている意味を有するためのものである。C〜Cアルキル第一アミンの例は、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミンおよびヘキシルアミンであり、分枝鎖アルキル基、直鎖アルキル基の両方を包含する。
【0267】
本明細書中で用いられる場合、用語「ハロ」には、ブロモ、クロロ、フルオロおよびヨードが挙げられる。
【0268】
本明細書中で用いられる場合、用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素およびリンを指す。
【0269】
用語「アシル」は、カルボン酸エステルを指し、前記エステル基の非カルボニル部分は、直鎖、分枝鎖または環状アルキルまたは低級アルキル、アルコキシアルキル(メトキシメチルを含む)、アラルキル(ベンジル、フェノキシメチルなどのアリールオキシアルキルを含む)、アリール(ハロゲン、C〜CアルキルもしくはC〜C−アルコキシで場合によっては置換されているフェニルを含む)、アルキルまたはアラルキルスルホニルなどのスルホン酸エステル(メタンスルホニルを含む)、一、二もしくは三リン酸エステル、トリチルまたはモノメトキシトリチル、置換ベンジル、トリアルキルシリル(例えば、ジメチル−t−ブチルシリル)またはジフェニルメチルシリルから選択される。前記エステル中のアリール基は、場合によってはフェニル基を含む。用語「低級アシル」は、非カルボン酸部分が低級アルキルであるアシル基を指す。
【0270】
本明細書中で用いられる場合、特に別様に指定されていない限り、用語「保護された」は、さらなる反応を防ぐため、または他の目的のために、酸素原子、窒素原子またはリン原子に付加される基を指す。多種多様な酸素および窒素保護基が、有機合成当業者に知られている。
【0271】
本明細書中で用いられる場合、用語「置換されている」は、指定原子上の水素1個以上が、指示されている基から選択されたもので置換されていることを意味するが、但し、前記指定原子の規定原子価を超えないこと、および置換によって安定な化合物が生じることを条件とする。
【0272】
用語「プリン塩基」または「ピリミジン塩基」には、アデニン、N−アルキル−プリン、N−アシルプリン(この場合、アシルは、C(O)(アルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル)である)、N−ベンジルプリン、N−ハロプリン、N−ビニルプリン、N−アセチレン性プリン、N−アシルプリン、N−ヒドロキシアルキルプリン、N−チオアルキルプリン、N−アルキルプリン、N−アルキル−6−チオプリン、チミン、シトシン、5−フルオロ−シトシン、5−メチルシトシン、6−アザピリミジン(6−アザ−シトシンを含む)、2−および/または4−メルカプト−ピリミジン、ウラシル、5−ハロウラシル(5−フルオロウラシルを含む)、C−アルキルピリミジン、C−ベンジル−ピリミジン、C−ハロピリミジン、C−ビニルピリミジン、C−アセチレン性ピリミジン、C−アシルピリミジン、C−ヒドロキシアルキルプリン、C−アミド−ピリミジン、C−シアノピリミジン、C−ニトロ−ピリミジン、C−アミノ−ピリミジン、N−アルキル−プリン、N−アルキル−6−チオプリン、5−アザシチジニル、5−アザ−ウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロ−ピリジニル、ピロロピリミジニルおよびピラゾロピリミジニルが挙げられるが、これらに限定されない。プリン塩基には、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、6位においてアミノ基またはカルボニル基を含む置換基で場合によっては置換されている2−(Br、Fl、ClまたはI)−プリン、および2位においてアミノ基またはカルボニル基を含む置換基で場合によっては置換されている6−(Br、ClまたはI)−プリンが挙げられるが、これらに限定されない。塩基上の酸素官能基および窒素官能基は、必要に応じて、または望みどおりに保護することができる。適する保護基は、当業者によく知られており、トリメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリチル基、アルキル基、およびアセチルおよびプロピオニル、メタンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなどのアシル基が挙げられる。
【0273】
これらのプリン塩基およびピリミジン塩基は、アルキル基または芳香族環で置換されていてもよく、これらは、単結合もしくは二重結合によって結合されているか、または前記複素環環構造と縮合している。プリン塩基およびピリミジン塩基は、利用可能なあらゆる原子によって糖部分に結合することができ、前記原子には、環窒素および環炭素(C−ヌクレオシドを生成する)が挙げられる。
【0274】
用語「医薬適合性の塩またはプロドラッグ」は、患者への投与によって活性化合物を生じる化合物のあらゆる医薬適合形(エステル、リン酸エステル、エステルまたは関連する基の塩など)を記述するために、本明細書を通して用いられている。医薬適合性の塩には、医薬適合性の無機または有機塩基および酸から誘導されたものが挙げられる。適する塩には、製薬技術分野においてよく知られている数ある酸の中でも、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されたものが挙げられる。医薬適合性プロドラッグは、宿主体内で代謝される、例えば、加水分解または酸化されて、本発明の化合物を生成する化合物を指す。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能基部分上に生体不安定性保護基を有する化合物が挙げられる。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて、活性化合物を生成することができる化合物が挙げられる。
【0275】
化合物が、安定な非毒性び酸性または塩基性塩を生成するために充分に塩基性または酸性である場合には、医薬適合性の塩としての化合物の投与が適切でありうる。医薬適合性の塩には、医薬適合性無機または有機塩基および医薬適合性無機または有機酸から誘導されたものが挙げられる。適する塩には、製薬技術分野においてよく知られている数ある酸の中でも、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されたものが挙げられる。詳細には、医薬適合性の塩の例は、生理学的に許容されるアニオンを生成する酸を用いて生成された有機酸付加塩、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩およびα−グリセロリン酸塩である。硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩および炭酸塩を含む適する無機塩を生成することもできる。
【0276】
医薬適合性の塩は、この技術分野においてよく知られている標準的な手順を用いて、例えば、アミンなどの充分に塩基性の化合物を適する酸と反応させて、生理学的に許容されるアニオンを生じることによって、得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩を製造することもできる。
【0277】
本明細書中に記載されているどのヌクレオシドも、ヌクレオチドプロドラッグとして投与して、活性、バイオアベイラビリティ、安定性を向上させることができ、またはヌクレオシドの特性を別様に変化させることができる。多数のヌクレオチドプロドラッグ配位子が知られている。一般に、ヌクレオシドの一、二または酸リン酸塩のアルキル化、アシル化または他の親油性修飾は、ヌクレオチドの安定性を向上させる。リン酸塩部分上の水素1個以上を置換することができる置換基の例は、アルキル、アリール、ステロイド、炭水化物(糖を含む)、1,2−ジアシルグリセロールおよびアルコールである。多くのものが、R.Jones and N.Bischofberger,Antiviral Research,27(1995)1−17に記載されている。これらの中のいずれかを開示されているヌクレオシドと併用して所望の効果を達成することができる。
【0278】
活性ヌクレオシドは、下記参考文献に開示されているような5’−リンエーテル脂質または5’−エーテル脂質として提供することもできる:Kucera,L.S.,N.Iyer,E.Leake,A.Raben,Modest E.K.,D.L.W.,and C.Piantadosi.1990.「感染性HIV−1の生産を阻害し、欠陥ウイルス形成を誘導する新規膜相互作用性エーテル脂質類似体(Novel membrane−interactive ether lipid analogs that inhibit infectious HIV−1 production and induce defective virus formation)」,AIDS Res.Hum.Retro.Viruses.6:491−501;Piantadosi,C.,J.Marasco C.J.,S.L.Morris−Natschke,K.L.Meyer,F.Gumus,J.R.Surles,K.S.Ishaq,L.S.Kucera,N.Iyer,C.A.Wallen,S.Piantadosi,and E.J.Modest.1991.「抗HIV作用のための新規エーテル脂質ヌクレオシド複合体の合成および評価(Synthesis and evaluation of novel ether lipid nucleoside conjugates for anti−HIV activity)」,J.Med.Chem.34:1408.1414;Hosteller,K.Y.,D.D.Richman,D.A.Carson,L.M.Stuhmiller,G.M.T.van Wijk,and H.van den Bosch.1992.「3’−デオキシチミジン二リン酸ジミリストイルグリセロール、3,−デオキシチミジンの脂質プロドラッグによるCEMおよびHT4−6C細胞における1型人免疫不全ウイルス複製の大いに向上した抑制(Greatly enhanced inhibition of human immunodeficiency virus type 1 replication in CEM and HT4−6C cells by 3’−deoxythymidine diphosphate dimyristoylglycerol,a lipid prodrug of 3,−deoxythymidine)」,Antimicrob.Agents Chemother.36.2025.2029;Hosetler,K.Y.,L.M.Stuhmiller,H.B.Lenting,H.van den Bosch,and D.D.Richman,1990.「アジドチミジンのリン脂質類似体および他の抗ウイルス性ヌクレオシドの合成および抗レトロウイルス活性(Synthesis and antiretoroviral activity of phospholipid analogs of azidothymidine and other antiviral nucleosides)」,J.Biol.Chem.265:61127。
【0279】
ヌクレオシド、好ましくはヌクレオシドの5’−OH位に共有結合組み込みが可能な適する親油性置換基を開示している米国特許の非限定例には、米国特許第5,149,794号(1992年9月22日、Yatvinら);同第5,194,654号(1993年3月16日、Hostetlerら)、同第5,223,263号(1993年6月29日、Hostetlerら);同第5,256,641号(1993年10月26日、Yatvinら);同第5,411,947号(1995年5月2日、Hostetlerら);同第5,463,092号(1995年10月31日、Hostetlerら);同第5,543,389号(1996年8月6日、Yatvinら);同第5,543,390号(1996年8月6日、Yatvinら);同第5,543,391号(1996年8月6日、Yatbinら);および同第5,554,728号(1996年9月10日、Basavaら)が挙げられる。これらの特許は、すべて、本明細書に参照として取り入れる。本発明のヌクレオシドに結合させることができる親油性置換基、または親油性調合物を開示している外国特許出願には、国際公開公報第89/02733号、同第90/00555号、同第91/16920号、同第91/18914号、同第93/00910号、同第94/26273号、同第96/15132号、欧州特許第0350287号、同第93917054.4号、および国際公開公報第91/19721号が挙げられる。
【0280】
III.工程段階の詳細な説明
本発明は、少なくとも多グラム規模、キログラム規模、多キログラム規模、または工業規模で実施されることを考慮している。本明細書中で用いられる場合、「多グラム規模」は、好ましくは、少なくとも一つの出発原料が、10グラム以上、さらに好ましくは少なくとも50グラム以上、さらにいっそう好ましくは少なくとも100グラム以上で存在する規模である。本明細書中で用いられる場合、「多キログラム規模」は、1キログラムより多い出発原料を少なくとも一つ用いる規模を意味するものとする。本明細書中で用いられる場合、「工業規模」は、実験室規模ではなく、臨床試験または消費者への販売のために充分な製品を供給するに足る規模を意味するものとする。
【0281】
本明細書で特許請求されている合成方法の反応は、有機合成当業者が容易に選択できる適する溶媒中で行われ、一般に、前記溶媒は、反応が行われる温度で、すなわち、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度にわたりうる温度で、出発原料(反応体)、中間体または生成物と実質的に非反応性であるあらゆる溶媒である。一つの溶媒中、または二つ以上の溶媒を組み合わせたものの中で、所定の反応を行うことができる。特定の反応段階に依存して、当業者が、特定の反応段階に適する溶媒を選択することができる。
【0282】
適するエーテル溶媒には、限定でなはく、例として、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、またはt−ブチルメチルエーテルを挙げることができる。
【0283】
適するエステル溶媒には、限定でなはく、例として、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸i−アミル、酢酸s−アミル、酢酸t−アミル、酢酸2,2−ジメチルプロピル、酢酸2−メチルブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸i−ブチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、ピバル酸メチルまたはピバル酸エチルを挙げることができる。
【0284】
適する極性非プロトン性溶媒には、限定でなはく、例として、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、DMPU、DMI、NMP、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチル−ホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼンまたはヘキサメチルホスホルアミドを挙げることができる。
【0285】
適する極性溶媒には、限定でなはく、例として、適する極性非プロトン性溶媒、水、メタノール、エタノール、2−ニトロエタノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−または3−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノールまたはグリセロールを挙げることができる。
【0286】
適するハロゲン化溶媒には、四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン、テトラヒドロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、2−クロロプロパン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、フルオロトリクロロメタン、クロロトリフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、四フッ化炭素、ジクロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,2−ジクロロ−テトラフルオロエタンおよびヘキサフルオロエタンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0287】
本明細書中で用いられる場合、用語「適する還元剤」または「還元剤」は、3’−O−アシル−2’−ハロ−2’−デオキシシチジンおよび/または2’−O−アシル−3’−ハロ−3’−デオキシシチジン(ここで、−O−アシルは、本明細書中で定義しているような−O−C(=O)CHである)と反応して、−O−アシルおよびハロ基を除去し、式の2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシシチジン生成するあらゆる物質を指す。還元剤の例には、金属Znもしくは金属Fe、またはZn−Cuなどの活性化金属が挙げられるが、それらに限定されない。
【0288】
本明細書中で用いられる場合、用語「適する酸性触媒」または「酸性触媒」は、還元剤の存在下で、3−O−アシル−2’−ハロ−2’−デオキシシチジンまたは2−O−アシル−3’−ハロ−3’−デオキシシチジンの還元的除去を触媒して、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシドを生成する、無機酸または有機酸(カルボン酸、アルキルスルホン酸またはアリールスルホン酸など)などのあらゆる酸性物質を指す。無機酸の例には、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸および硫酸が挙げられるが、これらに限定されない。有機酸の例には、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸およびカプロン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0289】
本明細書中で用いられる場合、用語「適する塩基」または「塩基」は、式(III)の化合物の5’−O−アシル基を切断して、式(IV)の化合物の遊離5’−ヒドロキシ基を生成する塩基として作用するあらゆる物質を指す。適する塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、水酸化アンモニウム、アンモニウムC〜Cアルコキシド、C〜Cアルキル第一アミン、および塩基性樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。C〜Cアルキル第一アミンの例には、プロピルアミン、ブチルアミンおよびペンチルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。「塩基性樹脂」の例には、Dowex(登録商標)1X2−200イオン交換樹脂、Dowex(登録商標)1X2−400イオン交換樹脂、およびDowex(登録商標)1X4−50イオン交換樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。Dowex(登録商標)は、Dow Chemical Companyの登録商標である。
【0290】
本明細書中で用いられる場合、用語「アンモニウムアルコキシド」は、アルコールに溶解したアンモニアの溶液を指す。アンモニウムC〜Cアルコキシドの例には、アンモニウムメトキシド(メタノール中のNH)、アンモニウムエトキシド(エタノール中のNH)、アンモニウムプロポキシド(プロパノール中のNH)、およびアンモニウムブトキシド(ブタノール中のNH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0291】
本明細書中で用いられる場合、「アミン塩基」は、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロウリジン化合物(VII)からの化合物(VIII)の生成を促進するあらゆる窒素含有化合物を指す。アミン塩基の例には、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデク−7−エン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−ノン−5−エンおよび窒素含有芳香族化合物(ピリジンおよびN,N−ジメチル−アミノピリジンなど)などの第三アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0292】
本明細書中で用いられる場合、「活性化剤」は、ウリジン環の4位のオキソ基を適する脱離基「LG」に転化させ、次に、アミノ化剤によって置換して、5−フルオロ−シチジン環を生成することによって、(VII)の5−フルオロ−ウリジン環から5−フルオロ−シチジンへの転化を可能ならしめるあらゆる物質を指す。活性化剤の例には、当業者に知られている物質に加えて、ハロゲン化アリールスルホニル、ハロゲン化アルキルスルホニル、および塩化リンの存在下での1,2,4−トリアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0293】
本明細書中で用いられる場合、「ハロゲン化アリールスルホニル」または「ハロゲン化アルキルスルホニル」は、アミン塩基の存在下で、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロウリジン化合物(VII)のオキソと反応して、「LG」がアルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基である式(VIII)の化合物を生成するアリールまたはアルキル置換スルホニル含有化合物を指す。ハロゲン化アリールスルホニルまたはハロゲン化アルキルスルホニルの例には、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロメチルスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、および塩化p−トルエン−スルホニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0294】
本明細書中で用いられる場合、「塩化リン」は、脱離基「LG」がトリアゾリル基である式(VIII)の化合物をアミン塩基および1,2,4−トリアゾールの存在下で生成するリン含有化合物を指す。塩化リン化合物の例には、オキシ塩化リンおよびクロロリン酸ジフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0295】
脱離基「LG」が、どの活性化剤がその工程で用いられるかに依存することは、当業者にはご理解いただけよう。例えば、塩化メタンスルホニルが活性化剤である時には、メタンスルホニルオキシが脱離基となる。本明細書中で開示する脱離基の例には、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロ−メタン−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシおよび1,2,4−トリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0296】
本明細書中で用いられる場合、「アミノ化剤」は、化合物(VIII)と反応して、シチジン(IV)を生成するあらゆる窒素含有化合物を指す。適するアミノ化剤の例には、NH、水酸化アンモニウムおよび炭酸アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0297】
置換基および/または可変項の組み合わせは、そうした組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ許される。安定な化合物または安定な構造とは、反応混合物から単離して有用な純度にすることに耐える充分な強さがある化合物を本明細書中では意味する。
【0298】
段階1−活性化材料の調製
この方法のための重要な出発原料は、適切に置換されているβ−D−またはβ−L−ヌクレオシド(1):
【0299】
【化136】
(式中、
Bは、5−フルオロシトシン、5−フルオロウラシル、シトシン、ウラシル、チミジン、アデニン、グアニンまたはイノシンを含む(しかし、これらに限定されない)ピリミジン塩基またはプリン塩基であり、およびさらに好ましくは5−フルオロシトシンまたは5−フルオロウラシルであり;ならびに
Yは、O、SまたはCHである)
である。
【0300】
β−D−またはβ−L−ヌクレオシドは、購入することができ、または標準的な糖修飾および/またはカップリング法を含むいずれかの既知手段によって調製することができる。一つの実施態様において、β−D−またはβ−L−ヌクレオシドは、購入する。
【0301】
β−D−またはβ−L−ヌクレオシド(1)の活性化は、相溶性溶媒中、適する温度で、式X−C(=O)R、X−C(=O)C(ROC(=O)R、またはX−C(=O)フェニルC(=O)OR[これらの式中、Xは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、および各Rは、独自に、水素、低級アルキル、アルキル、アリールまたはフェニルである]のハロゲン化アシルを用いて、ハロアシル化生成物(2)を生成することによって達成することができる:
【0302】
【化137】
(式中、
R’は、R、−C(ROC(=O)R、または−フェニルC(=O)ORであり;および
少なくとも一つのRは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、且つ、少なくとも一つのRは、式−OC(=O)Rのアシルである)。
【0303】
この反応は、分解を促進することなく、また過度の副生成物伴うことなく許容可能な速度で反応を進行させる温度で遂行することができる。好ましい温度は、約0℃から85℃、さらにいっそう好ましくは約35℃から60℃である。
【0304】
適切な溶媒には、ヘキサンおよびシクロヘキサンなどのアルキル溶媒、ベンゼン、トルエン、アセトン、酢酸エチル、ジチアン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ピリジン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、またはそれらのあらゆる組み合わせを含む(しかし、これらに限定されない)あらゆる極性非プロトン性溶媒が挙げられるが、好ましくはアセトニトリルである。
【0305】
段階2−活性化材料の還元
ハロアシル化生成物(2)の還元は、適する溶媒中、適する温度で、いずれかの適する還元剤を用い、場合によっては酸性触媒を用いて、構造(3)の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを生成することにより、達成することができる。
【0306】
【化138】
【0307】
適する還元剤は、ハロアシル化生成物(2)を還元脱ハロゲン化して、構造(3)の2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−ヌクレオシドを生成することができるあらゆる試薬を包含する。還元剤の例には、金属亜鉛もしくは金属鉄、またはZn−Cuなどの活性化金属が挙げられるが、それらに限定されない。
【0308】
適する酸性触媒には、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸および塩酸が挙げられる(しかし、これらに限定されない)が、最も好ましくは酢酸である。
【0309】
この反応は、分解を促進することなく、また過度の副生成物伴うことなく許容可能な速度で反応を進行させる温度で遂行することができる。好ましい温度は、約20℃から40℃、さらにいっそう好ましくは約25℃から35℃である。
【0310】
適切な溶媒には、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール、アセトン、酢酸エチル、ジチアン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ピリジン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、またはそれらのあらゆる組み合わせを含む(しかし、これらに限定されない)あらゆる極性プロトン性または非プロトン性溶媒が挙げられ、好ましくは、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものである。
【0311】
段階3−塩基の任意修飾および/または脱保護
本発明の一つの実施態様において、構造(3)のヌクレオシドは、例えば、この技術分野において既知の方法によって塩基または糖を修飾し、および必要な場合には、その後、場合によってはそのヌクレオシドを脱保護することにより、場合によってはさらに誘導される。
【0312】
一つの実施態様において、β−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドは、異なる核酸塩基を有するβ−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドに転化させることができる。例えば、β−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロウリジンを誘導して、β−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロシチジンを生成することができる。同様に、β−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ウリジンをさらに誘導して、β−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−シチジンを生成することができる。あるいは、β−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを還元して、β−D−またはβ−L−2’,3’−ジデオキシおよび2’−または3’−デオキシリボ−ヌクレオシド類似体を生成することができる。例えば、水素還元は、エタノール中で、10%パラジウム/炭素を用いて行うことができる。あるいは、当業者に知られている化学作用も用い、D4ヌクレオシドを修飾して、2’、3’もしくは5’−置換ヌクレオシド、またはそれらを組み合わせたものを生成することができる。非限定的な具体例として、Townsendら,Chemistry of Nucleosides and Nucleotide,Volum 1,Plenum Press:ニューヨーク(New York)は、四塩化オスミウムでの2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドの酸化によって、リボヌクレオシドが生じることを教示している。Kuzuhara,H.ら、米国特許第5,144,018号(1992)の教示を用い、妥当なドロキシルを活性化し、置換することによって、2’または3’ヒドロキシル経由でさらなる官能基を導入することができる。
【0313】
5−フルオロシチジンからの一般的方法
本発明の一つの特定の実施態様において、本発明の方法は、限定でなはく、例として、図式1を参照することによってさらに理解することができる。図式1は、式(II)から式(IV)(これらの式中、Qは、2−(RCHC(=O)O)フェニル−1−イル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;Xは、Cl、BrまたはIであり;Rは、HまたはC〜Cアルキルであり;Rは、メチル、エチルまたはプロピルから独自に選択され;Rは、Cl、BrまたはIであり;ならびにRは、RCHC(=O)O−である)の化合物を合成するための一般的合成法を提供している。
【0314】
有機合成当業者は、本明細書中に記載されているまたは例示されている方法に従って、式(I)、(II)、(II)および(III)の化合物の類似体を調製することができることは、ご理解いただけよう。本発明の目的は、HIVの増殖または複製を阻害する抗ウイルス薬として有用なβ−D−D4FCを合成するための新規の、改善された方法を提供することである。
【0315】
【化139】
【0316】
段階(1):シチジン(I)のハロアシル化。
【0317】
ここで用いられる場合の用語「ハロアシル化」は、ハロゲン化アシルQC(=O)Xをシチジン(I)と反応させて、3’−O−アシル−2’−ハロ−2’−デオキシシチジン(II)および/または2’−O−アシル−3’−ハロ−3’−デオキシシチジン(II)(これらの式中、−O−アシルは、−O−C(O)CHである)を生成することを意味する。一つの例は、フルオロシチジン(I)を(AcO)(Me)C−C(O)Brでブロモアセチル化して、3’−O−アセチル−2’−ブロモ−2’−デオキシシチジン(II−a)および2’−O−アセチル−3’−ブロモ−3’−デオキシシチジン(II−a)を生成することである。(図式2参照)
段階(1)は、一つ以上の適する非プロトン性溶媒中で、式(I)のシチジンを式Q(C=O)Xのハロゲン化アシルと反応させて、式(II)の化合物、式(II)の化合物、または式(II)の化合物と式(II)の化合物の混合物を生成することによって行われる。一般的なガイダンスとしては、式(I)のシチジンを反応容器に充填し、続いて、適する極性非プロトン性溶媒(複数を含む)を添加する。その後、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルなどの、式Q(C=O)Xの適するハロゲン化アシルを反応容器に充填する。反応が完了した後、反応温度を約−10℃から約25℃の範囲に冷却する。その後、水酸化アルカリ水溶液、炭酸アルカリ水溶液または重炭酸アルカリ水溶液などの塩基水溶液を添加することによって、反応を停止させる。反応を停止させている間、反応混合物のpHを綿密にモニターして、塩基水溶液の添加完了時にpHが7と11の間になるようにしなければならない。その後、中間体(II)および/または(II)を、ハロゲン化炭化水素溶媒またはエステル溶媒などの有機溶媒に抽出する。中間体(II)および/または(II)を抽出するために好ましい有機溶媒は、エステル溶媒である。場合によっては、中間体(II)および/または(II)を固体として単離せずに、溶液流として次に段階に持ち越すことができる。
【0318】
反応は、HPLCによってモニターして、化合物(I)についての出発原料のピークが、5面積%未満に達し、および/または生成物のピークが70面積%より高きに達した時、完了と考える。用いられるハロゲン化アシルの量および反応温度に依存して、反応時間は、約4時間から約48時間にわたる。
【0319】
適する極性非プロトン性溶媒には、アルキルニトリル、エステル、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ジアルキルホルムアミド、または二つ以上の適する極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものが挙げられる。段階(1)に好ましい適する極性非プロトン性溶媒には、アセトニトリル、酢酸エチルおよび塩化メチレン挙げられるが、これらに限定されない。二つ以上の極性非プロトン性溶媒、好ましくは酢酸エチルとアセトニトリルを組み合わせたものは、さらに好ましい。段階(1)に好ましい酢酸エチル対アセトニトリル比は、20:1〜1:1の間である。さらに好ましい酢酸エチル対アセトニトリル比は、10:1〜2:1の間である。最も好ましい比は、4:1(EtOAc:CHCN)である。
【0320】
適するハロゲン化アシルは、塩化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、ヨウ化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、塩化2−メチル−2−(1−オキソプロポキシ)−プロパノイル、臭化2−メチル−2−(1−オキソプロポキシ)−プロパノイル、ヨウ化2−メチル−2−(1−オキソプロポキシ)−プロパノイル、2−クロロ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステル酪酸、2−ブロモ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステル酪酸、2−ヨード−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステル酪酸、2−クロロ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステルペンタン酸、2−ブロモ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステルペンタン酸、2−ヨード−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステルペンタン酸、塩化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、ヨウ化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、塩化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、ヨウ化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、塩化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル、またはヨウ化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルが挙げられるが、これらに限定されない。さらに好ましい適するハロゲン化アシルには、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい適するハロゲン化アシルは、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルである。
【0321】
適するハロゲン化アシルの好ましい量は、出発原料5−フルオロシチジン1モルを基準にして約2.0から約8.0当量である。段階(1)のためのハロゲン化アシルのさらに好ましい量は、約3.0から約5.0当量である。
【0322】
適するハロゲン化アシルは、反応容器に、約0.5時間から約4時間で添加することが好ましい。段階(1)のためのハロゲン化アシルのさらに好ましい添加時間は、約0.5時間から約3時間、最も好ましい添加時間は、約1時間である。
【0323】
段階(1)の適するハロゲン化アシルの添加のために適する温度範囲は、約0℃から約60℃である。段階(1)の適するハロゲン化アシルの添加のために好ましい適する温度範囲は、約10℃から約40℃であり、最も好ましい適する温度範囲は、約25℃から約40℃である。
【0324】
好ましい塩基水溶液は、NaOH、炭酸カリウムまたは重炭酸カリウムの水溶液である。
【0325】
この反応についての好ましいpH範囲は、塩基水溶液の添加が完了した時点で約7.5〜約10である。最も好ましいpH範囲は、約8〜約9の範囲である。
【0326】
その特定のシチジンおよびハロゲン化アシルによっては、テトラハロアンモニウム塩の存在がこの反応を促進しうることは、理解される。
【0327】
当業者が、温度、ハロゲン化アシルおよび適する極性非プロトン性溶媒に依存して、段階(1)の好ましい反応時間を決定できることは、理解される。一般に、好ましい条件下での反応時間は、約15時間から約24時間である。
【0328】
段階(1)における反応の進行は、以下の方法を用い、HPLCによってモニターした。
【0329】
HPLC条件
カラム:Eclipse XDB−C18、25cm×4.6mm(内径)
移動相:A:HPLC等級のアセトニトリル
B:HPLC等級の水
傾斜:t=0分 A 97% B 3%
t=10分 A 97% B 3%
t=25分 A 50% B 50%
t=30分 A 50% B 50%
流量:1.0mL/分
注入量:5マイクロリットル
停止時間:30分
後時間:5分
オーブン温度:40℃
検出装置:UV(220nm)
サンプル調製:25mgのサンプル(乾燥固体重量)を適する溶媒に溶解し、濃度を約1mg/mLにする。確実に適正な定量ができるように、そのサンプル濃度を調整する。
【0330】
同じHPLC法を用いて、段階(2)および段階(3)における反応の進行もモニターする。
【0331】
段階(2):還元脱ハロゲン化
この段階は、一つ以上の適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤を段階(1)からの中間体(II)および/または(II)に添加して、式(III)の化合物を生成することを含む。一般的なガイダンスとしては、段階(1)からの化合物(II)、化合物(II)、または化合物(II)および/または(II)の混合物を反応容器に(溶液または固体として)充填し、続いて適する極性溶媒を室温で添加する。その後、Zn−Cu活性化金属などの適する還元剤をその容器に添加する。還元的除去を促進することができる条件は、無機酸または有機酸などの酸性触媒の添加を含む。好ましくは、酸性触媒を、約0.5時間から約1時間かけて、化合物(II)および/または(II)の溶液と還元剤のよく攪拌した混合物に充填する。
【0332】
反応は、HPLC(段階(1)におけるHPLC条件を参照のこと)によってモニターし、(II)および/または(II)についての出発原料のピークが5面積%未満になった時、完了とみなす。用いられる還元剤および反応時間に依存して、約0.2時間から約48時間で完了に達しうる。好ましい条件下では、約4時間から約12時間で反応が完了する。
【0333】
その後、過剰でありうる還元剤、例えば、Zn−Cu活性化金属を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で除去する。その後、粗製生成物(III)を酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルなどのエステル溶媒に溶解する。金属錯体生成剤をその粗製生成物溶液に添加する。金属錯体生成剤は、金属塩とで固体を生成し、これは、濾過によって除去することができる。その後、化合物(III)を含有する濾液をアンモニア水およびEDTA水溶液などの水溶液で洗浄する。溶媒を除去することによって、化合物2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロシチジン(III)を得ることができる。その後、残留物をアルコール溶媒に溶解して、溶液を生成し、これを段階(3)で用いる。好ましいアルコール溶媒は、メタノールまたはエタノールである。最も好ましいアルコール溶媒は、メタノールである。
【0334】
段階(2)に適する極性溶媒は、ジアルキル−ホルムアミド、ジアルキルアセトアミド、アルコール、アルキルニトリル、エーテル、エステル、または二つ以上の適する極性溶媒を組み合わせたものである。好ましい適する極性溶媒は、DMF、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、または二つ以上の適する極性溶媒を組み合わせたものである。最も好ましい溶媒は、酢酸エチルおよびメタノールから成る溶媒である。段階(2)に好ましい酢酸エチル対メタノール比は、4:1〜1:1の間である。最も好ましい比は、4:1〜2:1である。
【0335】
還元剤には、ZnもしくはFe、またはZn−Cuカップルなどの活性化金属が挙げられるが、これらに限定されない。段階(2)に好ましい適する還元剤は、ZnおよびZn−Cuカップルである。最も好ましい適する還元剤は、Zn−Cuカップルである。Zn−Cuカップルを用いる時、ZnとCuのモル比は、99:1〜1:1の間でありうる。好ましいモル比は、99:1〜10:1の間である。最も好ましいモル比は、99:1〜25:1の間である。還元剤の好ましい量は、1.2から20当量である。最も好ましい量は、1.5から3.0当量である。
【0336】
段階(2)に好ましい適する酸性触媒には、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸および塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい適する酸は、酢酸である。
【0337】
段階(2)に適する酸性触媒の好ましい量は、化合物(II)および/または(II)1モルあたり0.05から2.0当量である。適する酸性触媒の最も好ましい量は、0.05から0.5当量である。
【0338】
段階(2)に好ましい温度は、約20℃から約40℃である。最も好ましい温度は、25℃から35℃である。
【0339】
適する金属錯体生成剤には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび硫化ナトリウムが挙げられる。好ましい金属錯体生成剤は、炭酸カリウムである。
【0340】
段階3:脱保護
この段階は、適する塩基を、適する溶媒中の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシド(III)に添加して、式(IV)の化合物を生成することを含む。一般的なガイダンスとしては、適する溶媒中の化合物(III)を反応容器に充填し、続いて20℃から50℃で、適する塩基を添加する。
【0341】
反応は、HPLC(段階(1)におけるHPLC条件を参照のこと)によってモニターし、(III)についての出発原料のピークが5面積%未満になった時、完了とみなす。用いられる塩基および溶媒に依存して、反応は、通常、約1時間から約48時間で完了する。好ましい条件を用いると、通常、約4時間から約18時間で反応は完了する。
【0342】
段階(3)のための溶媒には、アルコール、アルコール水溶液またはエーテル水溶液が挙げられる。段階(3)に好ましい溶媒には、メチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール水溶液、エチルアルコール水溶液、THF水溶液、メチルアルコール−THF、または上記溶媒二つ以上を組み合わせたものが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい溶媒は、メチルアルコールである。
【0343】
化合物(IV)は、溶媒を除去し、続いてメタノールまたはエタノールなどのアルコール溶媒を用いて結晶させることによって得ることができる。あるいは、また、さらに好ましくは、化合物(IV)は、溶媒を一部除去して沈殿または結晶させることによって得られる。濾過によって得られたその粗製生成物、化合物(IV)を、その後、メタノールまたはエタノールなどのアルコール溶媒中で(再)結晶させる。
【0344】
段階(3)における脱保護に適する塩基には、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、アルカリアルコキシド、塩基性樹脂、水酸化アンモニウム、アンモニウムC〜Cアルコキシド、およびC〜Cアルキル第一アミンが挙げられる。段階(3)に好ましい適する塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化アンモニウム、アンモニウムメトキシド、アンモニウムエトキシド、およびアンモニウムプロポキシドが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい塩基は、ナトリウムメトキシド、水酸化アンモニウムおよびアンモニウムメトキシドである。
【0345】
塩基の好ましい量は、式(III)の化合物の0.02から20当量である。さらに好ましい量は、0.05から1.2当量である。最も好ましい量は、0.05当量である。
【0346】
最も好ましい反応温度は、約25℃から約35℃である。
【0347】
当業者が、温度、適する塩基および溶媒に依存して段階(1)の好ましい反応時間を決定できることは、理解される。一般に、好ましい条件下での反応時間は、4時間から18時間である。
【0348】
図式2に示す方法は、本発明の例示を意味するものであり、本発明の範囲を制限すると解釈されるような意味を持たない。本発明の反応によって、(II−b)、(II−b)および(III−b)などの他の副生成物も生じるうることは、当業者には理解される。
【0349】
【化140】
【0350】
5−フルオロウリジンからの一般的方法
本発明のもう一つの特別な実施態様における本発明の方法は、限定ではなく、例として、図式3を参照することによってさらに理解することができる。図式3は、式(II)から式(IV)(これらの式中、Qは、2−RCHC(=O)O−フェニル−1−イル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;Xは、Cl、BrまたはIであり;Rは、HまたはC〜Cアルキルであり;Rは、メチル、エチルまたはプロピルから独自に選択され;Rは、Cl、Br、またはIであり;ならびにRは、RCHC(=O)O−である)の化合物を合成するための一般的な合成方法を提供する。
【0351】
有機合成当業者が、本明細書中に記載または例示されている方法に従って、式(II)、(II)、(III)および(IV)の化合物の類似体を調製できることは、ご理解いただけよう。本発明の目的は、HIVの増殖または複製を阻害する抗ウイルス薬として有用なβ−D−D4FCを合成するための新規の、改善された方法を提供することである。
【0352】
【化141】
【0353】
段階(1):ウリジン(V)のハロアシル化
ここで用いられる場合の用語「ハロアシル化」は、ハロゲン化アシルQC(=O)Xをウリジン(V)と反応させて、3’−O−アシル−2’−ハロ−2’−デオキシウリジン(VI)および/または2’−O−アシル−3’−ハロ−3’−デオキシウリジン(VI)(これらの式中、−O−アシルは、−O−C(O)CHである)を生成することを指す。一つの例は、フルオロウリジン(V)を(AcO)(Me)C−C(O)Brでブロモアセチル化して、3’−O−アセチル−2’−ブロモ−2’−デオキシウリジン(VI−a)および2’−O−アセチル−3’−ブロモ−3’−デオキシウリジン(VI−a)を生成することである。(図式2参照)
段階(1)は、一つ以上の適する非プロトン性溶媒中で、式(V)のウリジンを式Q(C=O)Xのハロゲン化アシルと反応させて、式(VI)の化合物、式(VI)の化合物、または式(VI)の化合物と式(VI)の化合物の混合物を生成することによって行われる。一般的なガイダンスとしては、式(V)のシチジンを反応容器に充填し、続いて、適する極性非プロトン性溶媒(複数を含む)を添加する。その後、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルなどの、式Q(C=O)Xの適するハロゲン化アシルを反応容器に充填する。反応が完了した後、反応温度を約−10℃から約25℃の範囲に冷却する。その後、水酸化アルカリ水溶液、炭酸アルカリ水溶液または重炭酸アルカリ水溶液などの塩基水溶液を添加することによって、反応を停止させる。反応を停止させている間、反応混合物のpHを綿密にモニターして、塩基水溶液の添加完了時にpHが7と11の間になるようにしなければならない。その後、中間体(VI)および/または(VI)を、ハロゲン化炭化水素溶媒またはエステル溶媒などの有機溶媒に抽出する。中間体(VI)および/または(VI)を抽出するために好ましい有機溶媒は、エステル溶媒である。
【0354】
反応は、HPLCによってモニターして、化合物(V)についての出発原料のピークが、5面積%未満に達し、および/または生成物のピークが70面積%より高きに達した時、完了とみなす。用いられるハロゲン化アシルの量および反応温度に依存して、反応時間は、約4時間から約48時間にわたる。
【0355】
適する極性非プロトン性溶媒には、アルキルニトリル、エステル、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ジアルキルホルムアミド、または二つ以上の適する極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものが挙げられる。段階(1)に好ましい適する極性非プロトン性溶媒には、アセトニトリルおよび塩化メチレン挙げられる。最も好ましい溶媒は、アセトニトリルである。
【0356】
適するハロゲン化アシルは、塩化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、ヨウ化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、塩化2−メチル−2−(1−オキソプロポキシ)−プロパノイル、臭化2−メチル−2−(1−オキソプロポキシ)−プロパノイル、ヨウ化2−メチル−2−(1−オキソプロポキシ)−プロパノイル、2−クロロ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステル酪酸、2−ブロモ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステル酪酸、2−ヨード−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステル酪酸、2−クロロ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステルペンタン酸、2−ブロモ−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステルペンタン酸、2−ヨード−1,1−ジメチル−2−オキソエチルエステルペンタン酸、塩化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、ヨウ化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、塩化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、ヨウ化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、塩化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル、またはヨウ化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルが挙げられるが、これらに限定されない。さらに好ましい適するハロゲン化アシルには、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオイル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい適するハロゲン化アシルは、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルである。
【0357】
ハロゲン化アシルの好ましい量は、出発原料5−フルオロウリジン1モルを基準にして約2.0から約8.0当量である。段階(1)のためのハロゲン化アシルのさらに好ましい量は、約3.0から約5.0当量である。
【0358】
ハロゲン化アシルは、反応容器に、約0.5時間から約4時間で添加することが好ましい。段階(1)のためのハロゲン化アシルのさらに好ましい添加時間は、約0.5時間から約3時間であり、最も好ましい添加時間は、約1時間である。
【0359】
段階(1)のハロゲン化アシルの添加に適する温度範囲は、約0℃から約60℃である。段階(1)のハロゲン化アシルの添加に好ましい適する温度範囲は、約10℃から約85℃であり、最も好ましい温度範囲は、約35℃から約60℃である。
【0360】
好ましい塩基水溶液は、NaOH、炭酸カリウムまたは重炭酸カリウムの水溶液である。
【0361】
この反応についての好ましいpH範囲は、塩基水溶液の添加が完了した時点で約7.5〜約10である。最も好ましいpH範囲は、約8〜約9の範囲である。
【0362】
その特定のウリジンおよびハロゲン化アシルによっては、テトラハロアンモニウム塩の存在がこの反応を促進しうることは、理解される。
【0363】
当業者が、温度、ハロゲン化アシルおよび適する極性非プロトン性溶媒に依存して、段階(1)の好ましい反応時間を決定できることは、理解される。一般に、好ましい条件下での反応時間は、約15時間から約24時間である。
【0364】
段階(2):還元脱ハロゲン化
この段階は、一つ以上の適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤を段階(1)からの中間体(VI)および/または(VI)に添加して、式(VII)の化合物を生成することを含む。一般的なガイダンスとしては、段階(1)からの化合物(VI)、化合物(VI)、または化合物(VI)および/または(VI)の混合物を反応容器に(溶液または固体として)充填し、続いて適する極性溶媒を室温で添加する。その後、Zn−Cu活性化金属などの適する還元剤をその容器に添加する。還元的除去を促進することができる条件は、無機酸または有機酸などの酸性触媒の添加を含む。好ましくは、酸性触媒は、約0.5時間から約1時間かけて、化合物(VI)および/または(VI)の溶液と還元剤のよく攪拌した混合物に充填する。
【0365】
反応は、HPLC(段階(1)におけるHPLC条件を参照のこと)によってモニターし、(VI)および/または(VI)についての出発原料のピークが5面積%未満になった時、完了とみなす。用いられる還元剤および反応時間に依存して、約0.2時間から約48時間で完了に達しうる。好ましい条件下では、約4時間から約12時間で反応が完了する。
【0366】
その後、過剰でありうる還元剤、例えば、Zn−Cu活性化金属を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で除去する。その後、粗製生成物(VII)を酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルなどのエステル溶媒に溶解する。金属錯体生成剤をその粗製生成物溶液に添加する。金属錯体生成剤は、金属塩とで固体を生成し、これは、濾過によって除去することができる。その後、化合物(VII)を含有する濾液をアンモニア水およびEDTA水溶液などの水溶液で洗浄する。溶媒を除去することによって、化合物2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロウリジン(VII)を得ることができる。
【0367】
段階(2)に適する極性溶媒は、ジアルキル−ホルムアミド、ジアルキルアセトアミド、アルコール、アルキルニトリル、エーテル、エステル、または二つ以上の適する極性溶媒を組み合わせたものである。好ましい適する極性溶媒は、DMF、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、または二つ以上の適する極性溶媒を組み合わせたものである。最も好ましい溶媒は、酢酸エチルおよびメタノールから成る溶媒である。段階(2)に好ましい酢酸エチル対メタノール比は、4:1〜1:1の間である。最も好ましい比は、4:1〜2:1である。
【0368】
還元剤には、ZnもしくはFeなどの金属、またはZn−Cuカップルなどの活性化金属が挙げられるが、これらに限定されない。段階(2)に好ましい還元剤は、ZnおよびZn−Cuカップルである。最も好ましい還元剤は、Zn−Cuカップルである。Zn−Cuカップルを用いる時、ZnとCuのモル比は、99:1〜1:1の間でありうる。好ましいモル比は、99:1〜10:1の間である。最も好ましいモル比は、99:1〜25:1の間である。還元剤の好ましい量は、1.2から20当量である。最も好ましい量は、1.5から3.0当量である。
【0369】
段階(2)に好ましい酸性触媒には、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸および塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい酸は、酢酸である。
【0370】
段階(2)の酸性触媒の好ましい量は、化合物(VI)および/または(VI)1モルあたり0.05から2.0当量である。酸性触媒の最も好ましい量は、0.05から0.5当量である。
【0371】
段階(2)に好ましい温度は、約20℃から約40℃である。最も好ましい温度は、25℃から35℃である。
【0372】
適する金属錯体生成剤には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび硫化ナトリウムが挙げられる。好ましい金属錯体生成剤は、炭酸カリウムである。
【0373】
段階(3−a,b):シチジン生成
この段階では、化合物(VII)の5−フルオロ−ウリジン部分の4位のオキソ基を、先ず、適する脱離基に転化させ(段階(3−a))、続いてアミノ分解反応を行って(段階(3−b))、5−フルオロシチジン(III)を生成する。
【0374】
段階(3−a)。この段階は、段階(2)からの中間体(VII)を、適する溶媒中、適するアミン塩基の存在下で、適する活性化剤に添加して、式(VIII)の化合物を生成することを含む。一般的なガイダンスとしては、反応容器内で、適する溶媒中、適するアミン塩基の存在下で、適する活性化剤を調製する。この調製の一部が、化合物(VII)を添加する前に、溶液の処理、例えば、濾過を含みうることは、理解される。化合物(VII)を反応容器に添加し、反応混合物を、式(VIII)の中間体を生成するために充分な時間、熟成させる。その反応混合物を段階(3−b)に持ち越す。
【0375】
段階(3−a)に適する溶媒には、ハロゲン化炭化水素、エーテルまたはニトリルが挙げられる(しかし、これらに限定されない)が、この場合、ニトリルが好ましく、アセトニトリルが最も好ましい。
【0376】
段階(3−a)に適するアミン塩基は、第三アミンであり、その例には、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、N,N−ジメチル−アミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデク−7−エン、および1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−ノン−5−エンが挙げられる。トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデク−7−エン、テトラメチルエチレンジアミンおよびN,N−ジメチル−アミノピリジンが好ましい。さらに好ましいアミン塩基は、トリアルキルアミンであり、この場合、トリエチルアミンが好ましい。
【0377】
段階(3−a)に適する活性化剤は、塩化アリールスルホニル、塩化アルキルスルホニル、および塩化リンを伴う1,2,4−トリアゾールであり、この場合、塩化リンを伴う1,2,4−トリアゾールが好ましい。塩化リンには、オキシ塩化リン、クロロリン酸ジアリールおよびクロロリン酸ジアルキルが挙げられる。好ましい塩化リンは、オキシ塩化リンまたはクロロリン酸ジアリールである。最も好ましい塩化リンは、オキシ塩化リンまたはクロロリン酸ジフェニルである。
【0378】
段階(3−a)の一般例では、容器に適する溶媒中の1,2,4−トリアゾール、および適するアミン塩基を充填し、続いて塩化リンを添加する。好ましい温度は、−40℃から40℃であり、最も好ましい温度は、−10℃から5℃である。塩化リンを添加した後、その混合物を、室温で、好ましくは15分から4時間、最も好ましくは0.50時間から1時間攪拌し、その後、反応混合物を濾過する。濾過した後、濾液に化合物(VII)を添加し、その反応混合物を室温で攪拌する。用いられる塩化リンおよび1,2,4−トリアゾールの量に依存して、反応時間は、1時間から48時間にわたる。塩化リンの好ましい量は、化合物(VII)1モルを基準にして2から8当量である。塩化リンのさらに好ましい量は、3.0から5.0当量である。1,2,4−トリアゾールおよび塩基の量は、塩化リンの量およびその塩化リン中の塩素数(n)に依存する。1,2,4−トリアゾールおよび塩基の好ましい量は、塩化リン1モルを基準にして1.0〜nから1.2〜n当量である。1,2,4−トリアゾールおよび塩基の最も好ましい量は、1.0〜nから1.05〜n当量である。
【0379】
段階(3−b)。この段階は、アミノ化剤を段階(3−a)からの溶液に添加して、式(III)の化合物を生成することを含む。好ましいアミノ化剤は、アンモニアガス、水酸化アンモニウムおよびアンモニウム塩(炭酸アンモニウムなど)などのアンモニア源であり、この場合、アンモニアガスおよび水酸化アンモニウムがさらに好ましい。
【0380】
その後、適するアンモニア源からのアンモニアを、0℃から40℃、好ましくは10℃から25℃の温度で、上記溶液に直接導入する。アンモニアの好ましい量は、出発原料1モルを基準にして2.0から30.0当量である。アンモニアの最も好ましい量は、2.0から10.0当量である。用いられるアンモニアの量に依存して、反応時間は、30分から24時間にわたる。
【0381】
生成物は、溶媒の除去、続いてのクロマトグラフィー、またはエステル、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素などの溶媒中、好ましくはエステル中、最も好ましくは酢酸エチル中での再結晶によって得られる。
【0382】
段階3−c:脱保護
この段階は、適する塩基を、適する溶媒中の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシド(III)に添加して、式(III)の化合物を生成することを含む。一般的なガイダンスとしては、適する溶媒中の化合物(III)を反応容器に充填し、続いて20℃から50℃で、適する塩基を添加する。
【0383】
反応は、HPLC(段階(1)におけるHPLC条件を参照のこと)によってモニターし、(III)についての出発原料のピークが5面積%未満に達した時、完了とみなす。用いられる塩基および溶媒に依存して、反応は、通常、約1時間から約48時間で完了する。好ましい条件を用いると、通常、約4時間から約18時間で反応は完了する。
【0384】
段階(3−c)のための溶媒には、アルコール、アルコール水溶液またはエーテル水溶液が挙げられる。段階(3−c)のために好ましい溶媒には、メチルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール水溶液、エチルアルコール水溶液、THF水溶液、メチルアルコール−THF、または上記溶媒二つ以上を組み合わせたものが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい溶媒は、メチルアルコールである。
【0385】
化合物(III)は、溶媒を除去し、続いてメタノールまたはエタノールなどのアルコール溶媒を用いて結晶させることによって得ることができる。あるいは、また、さらに好ましくは、化合物(III)は、溶媒を一部除去して沈殿させるまたは結晶させることによって得られる。濾過によって得られたその粗製生成物、化合物(III)を、その後、メタノールまたはエタノールなどのアルコール溶媒中で(再)結晶させる。
【0386】
段階(3−c)における脱保護に適する塩基には、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、アルカリアルコキシド、塩基性樹脂、水酸化アンモニウム、アンモニウムC〜Cアルコキシド、およびC〜Cアルキル第一アミンが挙げられる。段階(3−c)に好ましい適する塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化アンモニウム、アンモニウムメトキシド、アンモニウムエトキシド、およびアンモニウムプロポキシドが挙げられるが、これらに限定されない。最も好ましい塩基は、ナトリウムメトキシド、水酸化アンモニウムおよびアンモニウムメトキシドである。
【0387】
塩基の好ましい量は、式(III)の化合物の0.02から20当量である。さらに好ましい量は、0.05から1.2当量である。最も好ましい量は、0.05当量である。
【0388】
最も好ましい反応温度は、約25℃から約35℃である。
【0389】
当業者が、温度、適する塩基および溶媒に依存して段階(3−c)の好ましい反応時間を決定できることは、理解される。一般に、好ましい条件下での反応時間は、4時間から18時間である。
【0390】
図式4に示す方法は、本発明の例示を意味するものであり、本発明の範囲を制限すると解釈されるような意味を持たない。本発明の反応によって、(VI−b)、(VI−b)、(VII−b)および(III−b)などの他の副生成物も生じるうることは、当業者には理解される。
【0391】
【化142】
【0392】
HPLC条件:
段階(1)、(2)、(3)および(4)における反応の進行は、以下の方法を用い、HPLCによってモニターした:
カラム:Eclipse XDB−C18、25cm×4.6mm(内径)
移動相:A:10mMのNaHPO pH3.6 バッファ
B:HPLC等級のアセトニトリル
傾斜:t=0分 A 83% B 17%
t=23分 A 20% B 80%
t=30分 A 83% B 17%
流量:1.0mL/分
注入量:5マイクロリットル
停止時間:30分
後時間:5分
オーブン温度:40℃
検出装置:UV(220nm)
サンプル調製:25mgのサンプル(乾燥固体重量)を適する溶媒に溶解し、濃度を約1mg/mLにする。確実に適正な定量ができるように、そのサンプル濃度を調整する。
【0393】
HPLC保持時間:
(VI−a)/(VI−a):14.5分 (VI−b)/(VI−b):10.5分
(VII−a):10.0分 (VII−b):5.7分
(III−a):7.9分 (III−b):4.3分
(III−a):2.6分
以下の作業例によって、本発明の方法をさらに理解することができる。これらの実施例は、例示のためのものであり、本発明の範囲を制限する意味は持たない。本合成法の一般的な範囲を逸脱することなく、本明細書中に記載されている特定の溶媒、試薬または反応条件の代わりに、同等の、類似のまたは適する溶媒、試薬または反応条件を用いることができる。
【0394】
実施例
融点は、Meo−temp II実験装置を用いて判定し、補正していない。核磁気共鳴スペクトルは、内部基準としてテトラメチルシランを用い、Bruker 250およびAMX400 400MHzスペクトロメータを用いて記録した。化学シフト(δ)は、百万分率(ppm)で報告され、シグナルは、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、bs(広い一重線)、dd(二重の二重線)、およびm(多重線)として記載される。UVスペクトルは、Beckman DU 650分光光度計を用いて得た。旋光度は、Jasco DIP−370 Digital Polarimeterを用いて測定した。質量スペクトルは、Micromass Inc.のAutospec High Resolution二重収束形セクタ(EBE)MSスペクトロメータを用いて測定した。赤外線スペクトルは、Nicolet 510 FT−IRスペクトロメータを用いて記録した。元素分析は、Atlantic Microlab,Inc.,Norcrpss,GAが行った。Analtech,200mmシリカゲルGFプレートでの薄層クロマトグラフィーを用いて、すべての反応をモニターした。乾燥1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、アセトニトリルおよびTHFは、4Aのモレキュラーシーブで乾燥させることによって得た。
【実施例1】
【0395】
ハロゲン化アシルとして臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルを用い、溶媒としてEtOAc/CHCNを用いる5−フルオロシチジンからの5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−3’−O−アセチル−2’−ブロモ−2’−デオキシ−5−フルオロシチジン(II−a)および5’−O−(α−アセトキシ−イソブチリル)−2’−O−アセチル−3’−ブロモ−3’−デオキシ−5−フルオロシチジン(II−a)の調製。
【0396】
段階(1)。EtOAc(200mL)およびCHCN(50mL)中の5−フルオロシチジン((I)、26.1g、0.1mol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル(84.4g、0.4mol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を室温で24時間攪拌した。氷−水浴内でその混合物を約4℃に冷却した。混合物が、約8.0のpHに達するまで、KHCO水溶液(〜10%)を添加した。有機相を分離し、水性相を酢酸エチルで1回抽出した。併せた有機溶液をブラインで洗浄した。濃縮することによって、主生成物((II−a)および(II−a))ならびに副生成物((II−b)および(II−b))を比率12.6:1で固体として生じた(43.6g、88%)。
【0397】
その生成物混合物の分析サンプルをHPLCによって分離した。化合物(II−a)と化合物(II−a)の混合物を非晶質の固体として単離した:H NMR(CDCl)1.58(6H,s)、2.06(3H,s)、2.17(3H,s)、4.30−4.80(4H,m)、5.33および5.45(1H,s)、5.86および5.98(1H,s)、7.98および8.04(1H,d,J=6.0Hz);19F NMR(CDCl)−76.47(s);19F NMR(CDCl)−76.47(s);MS(ESI)m/z,[M+H],496。副生成物(式(II−b)化合物および(II−b)の化合物)の混合物を非晶質の固体として単離した。(II−a)および(II−a)についてのHPLC保持時間は、25.8分であり、(II−b)および(II−b)については22.5分であった。H NMR(CDCl)2.14(3H,s)、2.16(3H,s)、4.30−4.70(4H,m)、5.39および5.48(1H,s)、5.86および5.98(1H,s)、7.96および8.02(1H,d,J=6.0Hz);19F NMR(CDCl)−76.47(s);MS(ESI)m/z,[M+H],410。
【実施例2】
【0398】
ハロゲン化アシルとして臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルを用い、溶媒としてCHCNを用いる5−フルオロ−シチジンからの(II−a)および(II−a)の調製。
【0399】
段階(1)。CHCN(40mL)中の5−フルオロシチジン((I)、5.2g、0.02mol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル(16.7g、0.08mol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、その後、氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物が、約8.0のpHに達するまで、KHCO水溶液(〜10%)を添加した。有機相を分離し、水性相を酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機溶液をブラインで洗浄した。濃縮することによって、主生成物((II−a)および(II−a))ならびに副生成物((II−b)および(II−b))を比率8.7:1で固体として生じた(6.8g、69%)。
【実施例3】
【0400】
EtNBrの存在下、ハロゲン化アシルとして臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルを用い、溶媒としてCHClを用いる5−フルオロ−シチジンからの(II−a)および(II−a)の調製。
【0401】
段階(1)。CHCl(20mL)中の5−フロロシチジン((I)、2.61g、0.01mol)およびEtNBr(6.3g、0.03mol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル(9.3g、0.03mol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を室温で18時間攪拌した。その混合物を氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物が、約8.0のpHに達するまで、KHCO水溶液(〜10%)を添加した。有機相を分離し、水性相をCHClで1回抽出した。併せた有機溶液をブラインで洗浄した。濃縮することによって、主生成物((II−a)および(II−a))ならびに副生成物((II−b)および(II−b))を比率4.3:1で固体として生じた(4.17g、84%)。
【実施例4】
【0402】
50℃、EtNBrの存在下で、ハロゲン化アシルとして臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルを用い、溶媒としてEtOAcを用いる5−フルオロ−シチジンからの(II−a)および(II−a)の調製。
【0403】
段階(1)。EtOAc(20mL)中の5−フロロシチジン((I)、2.61g、0.01mol)およびEtNBr(6.3g、0.03mol)の懸濁液に、N下、50℃で、臭化α−アセトキシ−イソブチリル(6.3g、0.03mol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を50℃で22時間攪拌した。その混合物を氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物が、約8.0のpHに達するまで、KHCO水溶液(〜10%)を添加した。有機相を分離し、水性相を酢酸エチルで1回抽出した。併せた有機溶液をブラインで洗浄した。濃縮することによって、主生成物((II−a)および(II−a))ならびに副生成物((II−b)および(II−b))を比率2.3:1で固体として生じた(3.43g、69%)。
【実施例5】
【0404】
50℃で、ハロゲン化アシルとして臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルを用い、溶媒としてCHCNを用いる5−フルオロ−シチジンからの(II−a)および(II−a)の調製。
【0405】
段階(1)。CHCN(20mL)中の5−フロロシチジン((I)、2.61g、0.01mol)の懸濁液に、N下、50℃で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル(8.4g、0.04mol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を50℃で6時間攪拌した。その混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、その後、氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物が、約8.0のpHに達するまで、KHCO水溶液(〜10%)を添加した。有機相を分離し、水性相を酢酸エチルで2回抽出した。併せた有機溶液をブラインで洗浄した。濃縮することによって、主生成物((II−a)および(II−a))ならびに副生成物((II−b)および(II−b))を比率9.3:1で固体として生じた(3.2g、66%)。
【実施例6】
【0406】
ハロゲン化アシルとして臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルを用い、溶媒としてEtOAc/CHCNを用いる、5−フルオロ−シチジンからのキログラム規模の反応での(II−a)および(II−a)の調製。
【0407】
段階(1)。50Lの反応器を10分間、Nでパージした。この反応器に、5−フルオロシチジン((I)、1.40kg、5.36mol)、EtOAc(10.8L)およびCHCN(2.66L)を充填して、スラリーを生成した。そのスラリーを20℃に冷却し、激しく攪拌しながら、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル(4.51kg、21.44mol)を、温度が35℃を越えないように、1時間かけて添加した。添加した後、得られた反応混合物を室温で20時間攪拌した。HPLCは、転化が99%を越えていることを示した。その混合物を約4℃に冷却した。水(16.1L)中のKHCO(3.22kg、32.2mol)の溶液を添加した。添加した後、混合物を15分間激しく攪拌し、その後、有機相と水性相を分離した。水性相を酢酸エチル(5.64L)で1回抽出し、併せた有機溶液をブライン(7.6L)で洗浄した。HPLC分析は、生成物(II−a)および(II−a)対生成物(II−b)および(II−b)の比率12:1で、溶液収率86%を呈した。
【実施例7】
【0408】
還元剤としてZn−Cuを用い、溶媒としてMeOH/EtOAcを用いる5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン(III−a)の調製。
【0409】
段階(2)。N(ガス)雰囲気下、実施例1、段階(1)からの生成物の混合物(43.6g、0.088mol)を、酢酸エチル(300mL)とMeOH(100mL)の混合溶媒に溶解した。下に記載するとおり調製したZn−Cuカップル還元剤を添加した。激しく攪拌しながら、酢酸(2.4mL、0.044mol)を一滴ずつ導入した。得られた反応混合物を室温でさらに7時間攪拌した。過剰のZn−Cuカップルを濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を300mLのEtOAcに溶解した。このEtOAc溶液に、水20mL中のKCO(18.2g、0.132mol)の溶液を添加した。白色の固体を濾過によって除去した。濾液をアンモニア水溶液およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去することによって、主生成物(III−a)と副生成物(式(III−b)の化合物)の混合物を比率20:1で得た(24.4g、78%)。
【0410】
Zn−Cuカップル還元剤の調製:亜鉛粉末(14.3g、0.22mol)および水(100mL)を、N下で、反応容器に充填した。水10mL中のCuSO・HO(2.84g、0.012mol)の溶液をゆっくりと添加した。添加した後、その混合物を室温でさらに0.25時間攪拌した。Zn−Cuカップルを濾過によって回収し、その後、水およびMeOHで洗浄した。そのウェットケーキを、上に記載したように、直ちに用いた。
【0411】
HPLC分離によって、(III−a)の分析サンプルを白色の固体として得た。(III−a)についてのHPLC保持時間は、22.0分である:融点247℃から249℃:H NMR(CDCl)1.50(3H,s)、1.52(3H,s)、1.98(3H,s)、4.17(1H,dd,J=12.3および2.7Hz)、4.51(1H,dd,J=12.5および3.6Hz)、5.04(1H,m)、5.94(1H,m)、6.15(1H,m)、6.95(1H,m)、7.59(1H,J=6.2Hz)、8.95(1H,br);19F NMR(CDCl)−167.7(s);MS(ESI、負モード)m/z[M−H],354。C1518FNについて計算した分析値:C,50.70;H,5.116;N,11.83。実測値:C,50.63;H,5.12;N,11.65。副生成物は、非晶質の固体、18.2分のHPLC保持時間を有する式(III−b)であった。H NMR(CDCl)2.20(3H,s)、4.20(1H,dd,J=12.1および2.8Hz)、4.50(1H,dd,J=12.1および3.4Hz)、5.08(1H,m)、5.96(1H,m)、6.12(1H,m)、6.90(1H,m)、7.48(1H,J=6.1Hz)、8.85(1H,br);19F NMR(CDCl)−167.3(s);MS(ESI、負モード)m/z[M−H],268。
【実施例8】
【0412】
還元剤としてZn−Cuカップルを用い、溶媒としてDMFを用いる(III−a)の調製。
【0413】
段階(2)。段階(1)の生成物混合物(8.9g、0.018mol)をN下、DMF溶媒(100mL)に溶解した。実施例7に記載したような方法で調製したZn−Cuカップル(6g、0.09mol)を添加した。激しく攪拌しながら、酢酸(0.8mL、0.015mol)を一滴ずつ導入した。得られた反応混合物を室温でさらに3時間攪拌した。過剰のZn−Cuカップルを濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を100mLのEtOAcに溶解した。このEtOAc溶液に、水5mL中のKCO(4.5g、0.033mol)を添加した。白色の固体を濾過によって除去した。濾液をアンモニア水溶液およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去することによって、主生成物(III−a)と副生成物(式(III−b)の化合物)の混合物を比率20:1で得た(5.3g、85%)。
【実施例9】
【0414】
還元剤としてZn−Cuカップルを用い、溶媒としてMeOH/EtOAcを用いる5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン(III−a)の調製。
【0415】
段階(2)。段階(1)の生成物の混合物(2.79g、0.0056mol)を、酢酸エチル(21mL)とMeOH(7mL)の混合溶媒に溶解した。実施例7に記載したような方法で調製したZn−Cuカップル還元剤(1.8g、0.028mol)をN下で添加した。激しく攪拌しながら、酢酸(0.31mL、0.0056mol)を一滴ずつ導入した。得られた反応混合物を室温でさらに5時間攪拌した。過剰のZn−Cuカップルを濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を30mLのEtOAcに溶解した。このEtOAc溶液に、水2mL中のKCO(1.5g、0.011mol)の溶液を添加した。白色の固体を濾過によって除去した。濾液をアンモニア水溶液およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去することによって、主生成物(III−a)と副生成物(式(III−b)の化合物)の混合物を比率20:1で得た(1.67g、84%)。
【実施例10】
【0416】
還元剤としてZn−Cuカップルを用い、溶媒としてMeOH/EtOAcを用いる、キログラム規模での5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン(III−a)の調製。
【0417】
段階(2)。Nでパージした50Lの反応器に、調製したてのZn−Cuカップルを充填した。Zn−Cuカップルの調製については、下記参照。メタノール(7.4L)および実施例6、段階(1)からの生成物混合物(22L、2.61mol)をその容器に充填した。その後、激しく攪拌しながら、AcOH(0.14L、2.8mol)を25分かけてその容器に添加した。温度は、ゆっくりと31℃に上昇した。AcOHを添加した後、HPLC分析が出発原料の消失を示すまで(〜3時間)、その混合物を室温で攪拌した。過剰のZn−Cuをセライト床に通す濾過によって除去し、そのケーキを3.85LのMeOHで洗浄した。減圧下、30℃未満の温度で、濾液からメタノールを除去して、EtOAc中の生成物混合物(20L、MeOH 1(v/v)%未満)を得た。15分間、激しく攪拌しながら、水1.1L中のKCO(1.16kg、8.4mol)の溶液をそのEtOAc溶液に添加し、その15分の攪拌時間の間に、白色の固体が生成された。その白色の固体をセライト床に通す濾過によって除去し、その後、6.33LのEtOAcですすいだ。その後、濾液を10NのNHOH(3.33L)で洗浄し、続いてブライン(3.03Lx2)で洗浄した。減圧下、30℃未満の温度でEtOAc溶媒を除去し、そのEtOAcの代わりにMeOHを添加した。生成物溶液の最終量は、EtOAcを1容積%未満含むMeOH 12Lであった。HPLC分析は、溶液収率67%を示した。
【0418】
Zn−Cuカップルの調製:12Lの容器を15分間、Nでパージした。水(6.3L)およびZn粉末(0.91kg、14.0mol)をこの容器に充填した。水0.69L中のCuSO・5HO(0.17kg、0.79mol)の溶液を15分以内に容器に添加した。得られた黒色の懸濁液を室温で15分間攪拌し、その後、固体を濾過によって回収した。そのケーキを全量8.25Lの水で3回、その後、全量8.25Lのメタノールで3回洗浄し、直ちに用いた。
【実施例11】
【0419】
塩基としてNaOMeを用いる2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−シチジン(IV)の調製。
【0420】
段階(3)。実施例7の生成物(III−a)および(III−b)(24.5g、0.069mol)を200mLのMeOHに溶解した。この溶液に、25重量%のNaOMe溶液(0.8mL、0.003mol)を導入した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。その後、その混合物を減圧下で濃縮して、元の量の半分にした。白色の固体を濾過によって回収した(13.0g、83%)。(IV−a)についてのHPLC保持時間は、8.3分である。H NMR(CDOD)3.75(2H,m);4.85(1H,m);5.90(1H,m);6.32(1H,m);6.92(1H,m);8.14(1H,d,J=6.6Hz)。19F NMR(CDOD)−168.90(d,J=0.016);融点175〜176℃;MS(ESI、負モード)m/z[M−H],226.2。C10FNについて計算した分析値:C,47.58;H,4.45;N,18.50。実測値:C,47.66;H,4.32;N,18.50。
【実施例12】
【0421】
塩基としてNHを用いる(IV)の調製。
【0422】
段階(3)。生成物(III−a)および(III−b)(2.85g、0.008mol)をMeOH溶液(25mL、MeOH中、〜36重量%NH)に溶解し、得られた溶液を室温で16時間攪拌した。その後、その混合物を減圧下で濃縮し、残留物を10mLのMeOHでスラリー化した。白色の固体を濾過によって回収した(1.37g、75%)。
【実施例13】
【0423】
塩基としてDowex(登録商標)OHイオン交換樹脂を用いる(IV)の調製。
【0424】
段階(3)。生成物(III−a)および(III−b)(4.8g、0.013mol)を50mLのMeOHに溶解した。下に記載するとおり調製したDowex(登録商標)OHイオン交換樹脂(4.8g)をこの溶液に添加した。得られた混合物を室温で12時間攪拌した。Dowex(登録商標)OHイオン交換樹脂を濾過によって除去し、MeOHで完全に洗浄した。その後、そのMeOH溶液を減圧下で濃縮して、〜20mLの量にした。白色の固体を濾過によって回収した(1.65g、54%)。
【0425】
Dowex(登録商標)OHイオン交換樹脂の調製:Dowex(登録商標)1X2−200イオン交換樹脂(20g)を50重量%NaOH溶液20mLに懸濁させ、その懸濁液を室温で30分間攪拌した。樹脂を濾過によって回収し、その後、MeOHで洗浄した。
【実施例14】
【0426】
塩基としてNaOMeを用いる、(III−a)および(III−b)からのキログラム規模での(IV)の調製。
【0427】
段階(3)。実施例10の段階2からのMeOH中の生成物(III−a)および(III−b)の溶液(24L、7.08mol)およびMeOH(110mL、0.48mol)中、25重量%のMeONaを、50Lの反応器に充填した。その溶液を室温で12時間攪拌し、その後、減圧下、30℃未満の温度で濃縮して、12Lの量にした。得られた生成物スラリーを0℃から5℃に冷却し、2時間攪拌した。その後、生成物を濾過によって回収した(1.46kg、91%)。
【実施例15】
【0428】
ハロゲン化アシルとして臭化α−アセトキシイソブチリルを用い、溶媒としてCHCNを用いる5−フルオロウリジンからの5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−3’−O−アセチル−2’−ブロモ−2’−デオキシ−5−フルオロウリジン(II−a)および5’−O−(α−アセトキシ−イソブチリル)−2’−O−アセチル−3’−ブロモ−3’−デオキシ−5−フルオロウリジン(II−a)の調製。
【0429】
段階(1)。CHCN(40mL)中の5−フルオロウリジン((I)、0.5g、1.91mmol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化α−アセトキシイソブチリル(1.6g、7.64mmol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を加熱して、1時間還流させた。その混合物を氷−水浴内で約4℃に冷却した。NaHCO飽和溶液(40mL)を添加した。混合物をEtOAc(20mLx3)で抽出して、そのEtOAc溶液をブラインで洗浄し、その後、NaSOで乾燥させた。濃縮することによって、主生成物((II−a)および(II−a))ならびに副生成物((II−b)および(II−b))を比率5:1で固体として生じた(780mg、83%)。その混合物を直接段階(2)で用いた。
【0430】
前記生成物混合物の分析サンプルをHPLCによって分離した。化合物(II−a)と化合物(II−a)の混合物を非晶質の固体として単離した:H NMR(CDCl)1.49(6H,s)、2.16(3H,s)、2.20(3H,s)、4.25−4.90(4H,m)、5.34および5.48(1H,s)、5.79および5.90(1H,s)、7.96および8.14(1H,d,J=6.0Hz);19F NMR(CDCl)−80.7(s);MS(ESI)m/z,[M+H],497。
【0431】
副生成物(II−b)および(II−b)の混合物を非晶質の固体として単離した:H NMR(CDCl)2.20(3H,s)、2.15(3H,s)、4.20−4.70(4H,m)、5.38および5.42(1H,s)、5.90および5.99(1H,s)、7.99および8.11(1H,d,J=6.0Hz);19F NMR(CDCl)−80.7(s);MS(ESI)m/z,[M+H],411。
【実施例16】
【0432】
臭化テトラエチルアンモニウムの存在下で、ハロゲン化アシルとして臭化α−アセトキシイソブチリルを用い、溶媒としてCHCNを用いる5−フルオロウリジンからの(VI−a)および(VI−a)の調製。
【0433】
段階(1)。CHCN(15mL)中の5−フルオロウリジン((V)、1.31g、5.0mmol)および臭化テトラエチルアンモニウム(1.05g、5.0mmol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化α−アセトキシイソブチリル(2.9mL、20mmol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を室温で4日間攪拌した。その混合物を氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物のpHが〜8.0になるまで、NaHCO飽和溶液を添加した。その混合物をEtOAc(20mLx3)で抽出して、そのEtOAc溶液をブラインで洗浄し、その後、NaSOで乾燥させた。濃縮することによって、主生成物((VI−a)および(VI−a))ならびに副生成物((VI−b)および(VI−b))を比率3.6:1で非晶質の固体として生じた(2.36g、95.3%)。
【実施例17】
【0434】
臭化テトラエチルアンモニウムの存在下で、ハロゲン化アシルとして臭化α−アセトキシイソブチリルを用い、溶媒としてCHCNを用いる5−フルオロウリジンからの(VI−a)および(VI−a)の調製。
【0435】
段階(1)。CHCN(15mL)中の5−フルオロウリジン((V)、1.31g、5.0mmol)および臭化テトラエチルアンモニウム(1.05g、5.0mmol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化α−アセトキシイソブチリル(2.9mL、20mmol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を、一晩、45℃で加熱した。その混合物を氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物のpHが〜8.0になるまで、NaHCO飽和溶液を添加した。その混合物をEtOAc(20mLx3)で抽出して、そのEtOAc溶液をブラインで洗浄し、その後、NaSOで乾燥させた。濃縮することによって、主生成物((VI−a)および(VI−a))ならびに副生成物((VI−b)および(VI−b))を比率3.9:1で非晶質の固体として生じた(2.34g、94.5%)。
【実施例18】
【0436】
ハロゲン化アシルとして臭化α−アセトキシイソブチリルを用い、溶媒としてCHCNを用いる5−フルオロウリジンからの(VI−a)および(VI−a)の調製。
【0437】
段階(1)。CHCN(15mL)中の5−フルオロウリジン((V)、1.31g、5.0mmol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化α−アセトキシイソブチリル(2.9mL、20mmol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を、一晩、45℃で加熱した。その混合物を氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物のpHが〜8.0になるまで、NaHCO飽和溶液を添加した。その混合物をEtOAc(20mLx3)で抽出して、そのEtOAc溶液をブラインで洗浄し、その後、NaSOで乾燥させた。濃縮することによって、主生成物((VI−a)および(VI−a))ならびに副生成物((VI−b)および(VI−b))を比率2.4:1で非晶質の固体として生じた(2.4g、99%)。
【実施例19】
【0438】
ハロゲン化アシルとして臭化α−アセトキシイソブチリルを用い、溶媒としてCHCNおよびEtOAcを用いる5−フルオロウリジンからの(VI−a)および(VI−a)の調製。
【0439】
段階(1)。CHCN(4mL)中の5−フルオロウリジン((V)、0.67g、2.5mmol)の懸濁液に、N下、室温で、臭化α−アセトキシイソブチリル(1.5mL、10mmol)を一滴ずつ添加した。その後、得られた反応混合物を、一晩、45℃で加熱した。その混合物を氷−水浴内で約4℃に冷却した。混合物のpHが〜8.0になるまで、NaHCO飽和溶液を添加した。その混合物をEtOAc(20mLx3)で抽出して、そのEtOAc溶液をブラインで洗浄し、その後、NaSOで乾燥させた。濃縮することによって、(VI−a)、(VI−a)と(VI−b)、(VI−b)の混合物を比率1:1で非晶質の固体として生じた(1.2g、97%)。
【実施例20】
【0440】
還元剤としてZnを用い、溶媒としてDMFを用いる5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロウリジン(VII−a)の調製。
【0441】
段階(2)。N(ガス)雰囲気下、実施例1、段階(1)からの生成物混合物(2.5g、5.0mmol)を、DMF(150mL)に溶解した。Zn(10g、154mmol)を添加した。激しく攪拌しながら、酢酸(2.5mL、45mmol)を一滴ずつ導入した。得られた反応混合物を室温でさらに2時間攪拌した。過剰のZnを濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を50mLのEtOAcに溶解し、10MのNHOHおよびブラインで洗浄して、NaSOで乾燥させた。濃縮することによって、生成物を非晶質の固体として生じた(1.34g、76%)。EtOAc/ヘキサンから結晶させて、白色の固体を生じることによって、分析サンプルを得た;[α]D−45.5(c,0.83,CHCl,25℃);融点154〜156℃;H NMR(CDCl)δ1.53(3H,s)、1.56(3H,s)、2.02(3H,s)、4.22(1H,dd,J=12.5,3.0Hz)、4.54(1H,dd,J=12.5,3.0Hz)、5.07(1H,m)、5.88(1H,m)、6.29(1H,m)、6.99(1H,m)、7.61(1H,J=5.5Hz)、9.35(1H,br);19F NMR(CDCl)δ−163.7(s);MS(ESI)m/z(相対強度%)379([M+Na],100。C1517FNについて計算した分析値:C,50.56;H,4.819;N,7.86。実測値:C,50.64;H,4.77;N,7.80。
【実施例21】
【0442】
還元剤としてZnを用い、溶媒としてEtOAcおよびMeOHを用いる5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロウリジン(VII−a)の調製。
【0443】
段階(2)。N(ガス)雰囲気下、実施例1、段階(1)からの生成物の混合物(2.5g、5.0mmol)を、EtOAc(30mL)およびMeOH(10mL)に溶解した。Zn(0.8g、12.5mmol)を添加した。激しく攪拌しながら、酢酸(0.14mL、2.5mmol)を一滴ずつ導入した。得られた反応混合物を室温で5時間攪拌した。過剰のZnを濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を50mLのEtOAcに溶解し、10MのNHOHおよびブラインで洗浄して、NaSOで乾燥させた。濃縮することによって、生成物を非晶質の固体として生じた(1.53g、87%)。
【実施例22】
【0444】
5’−O−(α−アセトキシイソブチリル)−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロシチジン(III−a)の調製。
【0445】
段階(3−a)。0℃で、CHCN(15mL)中の1,2,4−トリアゾール(1.06g、18.7mmol)およびTEA(2.1mL、18.7mmol)の溶液に、POCl(0.43mL、4.62mmol)を添加した。添加した後、その混合物を室温で4時間攪拌した。固体を濾過によって除去し、濾液を、実施例6、段階2からの化合物(VII−a)および(VII−b)(500mg、1.4mmol)と混合した。その溶液を室温で4時間攪拌し、その後、氷−水浴内で冷却した。
【0446】
段階(3−b)。その混合物中で過剰のNH(ガス)を0.5時間ゆっくりとバブリングした。混合物を濃縮して、残留物を水(20mL)とCHCl(30mL)の間で分配し、そのCHCl溶液をNaSOで乾燥させた。濃縮することによって、(III−a)を主生成物として得た。クロマトグラフ分離(CHCl/MeOH)に付して、白色の固体を生じることによって、(III−a)の分析サンプルを得た(300mg、60%):融点247〜249℃;H NMR(CDCl)1.50(3H,s)、1.52(3H,s)、1.98(3H,s)、4.17(1H,dd,J=12.3および2.7Hz)、4.51(1H,dd,J=12.5および3.6Hz)、5.04(1H,m)、5.94(1H,m)、6.15(1H,m)、6.95(1H,m)、7.59(1H,J=6.2Hz)、8.95(1H,br);19F NMR(CDCl)−167.7(s);MS(ESI、負モード)m/z([M−H],354。C1518FNについて計算した分析値:C,50.70;H,5.116;N,11.83。実測値:C,50.63;H,5.12;N,11.65。
【実施例23】
【0447】
塩基としてNaOMeを用いる(III−b)および(III−a)からの2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−シチジン(III)の調製。
【0448】
段階(3−c)。化合物(III−b)および(III−a)(24.5g、0.069mol)を200mLのMeOHに溶解した。この溶液に25重量%のNaOMe溶液(0.8mL、0.003mol)を導入した。得られた反応混合物を室温で16時間攪拌した。その後、その混合物を減圧下で濃縮して元の量の半分にした。白色の固体を濾過によって回収した(13.0g、83%):融点175〜176℃;H NMR(CDOD)3.75(2H,m)、4.85(1H,m)、5.90(1H,m)、6.32(1H,m)、6.92(1H,m)、8.14(1H,d,J=6.6Hz);19F NMR(CDOD)−168.90(d,J=0.016);MS(ESI、負モード)m/z([M−H],226.2。C10FNについて計算した分析値:C,47.58;H,4.45;N,18.50。実測値:C,47.66;H,4.32;N,18.50。
【実施例24】
【0449】
塩基としてNHを用いる(III−b)および(III−a)からの(III)の調製。
【0450】
段階(3−c)。生成物(III−b)および(III−a)(2.85g、0.008mol)をMeOHアンモニア飽和溶液(25mL、MeOH中、〜36重量%のNH)に溶解し、得られた溶液を室温で16時間攪拌した。その後、その混合物を減圧下で濃縮し、残留物を10mLのMeOHでスラリー化した。白色の固体を濾過によって回収した(1.37g、75%)。
【実施例25】
【0451】
塩基としてDowex−OHを用いる(III−b)および(III−a)からの(III)の調製。
【0452】
段階(3−c)。生成物(III−b)および(III−a)(4.8g、0.013mol)を50mLのMeOHに溶解した。この溶液にDowex−OH(4.8g)(この調製法は、下に記載する)を添加した。得られた混合物を室温で12時間攪拌した。Dowex樹脂を濾過によって除去し、MeOHで完全に洗浄した。その後、そのMeOH溶液を減圧下で濃縮して〜20mLの量にした。白色の固体を濾過によって回収した(1.65g、54%)。
【0453】
Dowex−OH樹脂の調製:Cowex−Cl樹脂(20g)を50重量%のNaOH溶液20mLに懸濁させ、その懸濁液を室温で30分間攪拌した。樹脂を濾過によって回収し、その後、MeOHで洗浄した。
【0454】
特定の実施形態について本発明を説明したが、これらの実施形態の詳細は、制限とみなさないでいただきたい。例えば、本開示は、β−D−D4FCを例示的モデル反応として用いているが、あらゆるβ−Dまたはβ−L D4またはD2ヌクレオシドを本発明によって製造することができ、この特定の実施態様に限定されないことは、ご理解いただきたい。本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な同等の変化および変更をなすことができ、また、そうした同等の実施態様が本発明の一部であることは、理解される。本発明は、本発明の精神または本質的な特性を逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。それに応じて、本発明の範囲をさらに示すように添付の特許請求の範囲を参照されたい。

Claims (59)

  1. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
    (式中、
    Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    Xは、Cl、BrまたはIであり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物、下記式(II)の化合物、または下記式(II)の化合物と下記式(II)の化合物の混合物:
    (式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
    を生成する段階;
    (2)上記式(II)の化合物、上記式(II)の化合物、または上記式(II)の化合物と上記式(II)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法。
  2. 段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルを含み;
    段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項1に記載の方法。
  3. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項1に記載の方法。
  4. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項3に記載の方法。
  5. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
    段階(2)において、適する還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み、および
    段階(3)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項4に記載の方法。
  6. (1)下記式(I):
    の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項5に記載の方法。
  7. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
    (式中、
    Qは、RCHC(=O)OC(R−であり;
    Xは、Cl、BrまたはIであり;
    は、H、CH、CHCH、またはCHCHCHであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物または下記式(II)の化合物:
    (式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
    を生成する段階;
    (2)上記式(II)の化合物または上記式(II)の化合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項1に記載の方法。
  8. 段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルを含み;
    段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項7に記載の方法。
  9. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物または下記式(II−a)の化合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物または上記式(II−a)の化合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a)の化合物:
    を生成する段階;および
    (3)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項7に記載の方法。
  10. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項9に記載の方法。
  11. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
    段階(2)において、適する還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;ならびに
    段階(3)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項10に記載の方法。
  12. (1)下記式(I):
    の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物または下記式(II−a)の化合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物または上記式(II−a)の化合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項11に記載の方法。
  13. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X
    (式中、
    Qは、RCHC(=O)OC(R−であり;
    Xは、Cl、BrまたはIであり;
    は、H、CH、CHCH、またはCHCHCHであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物と下記式(II)の化合物の混合物:
    (式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
    を生成する段階;
    (2)上記式(II)の化合物と上記式(II)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    を生成する段階
    の化合物を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項1に記載の方法。
  14. 段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルを含み;
    段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項13に記載の方法。
  15. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項13に記載の方法。
  16. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項15に記載の方法。
  17. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
    段階(2)において、適する還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み、および
    段階(3)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項16に記載の方法。
  18. (1)下記式(I):
    の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (3)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項17に記載の方法。
  19. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
    (式中、
    Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    Xは、Cl、BrまたはIであり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(II)の化合物、下記式(II)の化合物、または下記式(II)の化合物と下記式(II)の化合物の混合物:
    (式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
    を生成する段階;および
    (2)上記式(II)の化合物、上記式(II)の化合物、または上記式(II)の化合物と上記式(II)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III):
    (式中、
    Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(III)の化合物を調製するための方法。
  20. 段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイルを含み;
    段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;ならびに
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択される、
    式(III)の化合物を調製するための、請求項19に記載の方法。
  21. (1)下記式(I):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては適する酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階、
    を含む、式(III−a)の化合物を調製するための、請求項19に記載の方法。
  22. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;ならびに
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択される、
    式(III−a)の化合物を調製するための、請求項21に記載の方法。
  23. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
    段階(2)において、適する還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
    段階(2)において、適する酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;および
    段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含む、
    式(III−a)の化合物を調製するための、請求項22に記載の方法。
  24. (1)下記式(I):
    の化合物を、アセトニトリルと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、アセトニトリルの酢酸エチルに対する比率は、1:4である)を含む適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(II−a)の化合物、下記式(II−a)の化合物、または下記式(II−a)の化合物と下記式(II−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(II−a)の化合物、上記式(II−a)の化合物、または上記式(II−a)の化合物と上記式(II−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(III−a)の化合物を調製するための、請求項23に記載の方法。
  25. 下記式(II)または(II):
    (式中、
    Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択され;
    は、Cl、BrまたはIであり;および
    は、RCHC(=O)O−である)
    の化合物またはその医薬適合性の塩。
  26. 下記式(II−a)もしくは(II−a):
    の請求項25に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
  27. 下記式(III):
    (式中、
    Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;および
    は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    の化合物またはその医薬適合性の塩。
  28. 下記式(III−a):
    の請求項27に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
  29. (1)下記式(IV):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
    (式中、
    Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    Xは、Cl、BrまたはIVであり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物、下記式(VI)の化合物、または下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
    (式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI)の化合物、上記式(VI)の化合物、または上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII):
    の化合物を生成する段階;
    (3a)上記式(VII)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
    (式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
    の化合物を生成する段階;および
    (4)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための方法。
  30. 段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、
    臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、
    臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、
    臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または
    臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル
    を含み;
    段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、活性化剤が、
    塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニル
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、アミン塩基が、
    トリエチルアミン、トリブチルアミン、
    N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
    N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、
    N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、
    N,N−ジメチルオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
    ピリジン、N,N−ジメチル−アミノピリジン、
    1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、
    1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、および
    1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、脱離基LGが、
    メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリル
    から成る群より選択され;
    段階(3b)において、アミノ化剤が、
    NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウム
    から成る群より選択され;ならびに
    段階(4)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項29に記載の方法。
  31. (1)下記式(V):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII−a):
    の化合物を生成する段階;
    (3a)上記式(VII−a)の化合物を、
    i)ハロゲン化アリールスルホニル、
    ii)ハロゲン化アルキルスルホニル、および
    iii)塩化リンの存在下での1,2,4−トリアゾール
    から成る群より選択された活性化剤と、アミン塩基の存在下で接触させて、下記式(VIII−a):
    (式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII−a)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (4)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項29に記載の方法。
  32. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、アミン塩基が、
    トリエチルアミン、トリブチルアミン、
    N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
    テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、
    N,N−ジメチル−アミノピリジン、
    1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、および
    1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムの群より選択され;ならびに
    段階(4)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項31に記載の方法。
  33. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルである一つの溶媒を含み;
    段階(2)において、還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
    段階(3a)において、活性化剤が、トリアゾール/オキシ塩化リンであり;
    段階(3a)において、アミン塩基が、トリエチルアミンであり;
    段階(3a)において、脱離基LGが、トリアゾリルであり;
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NHであり;および
    段階(4)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項32に記載の方法。
  34. (1)下記式(V):
    の化合物を、アセトニトリル中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(VII−a):
    の化合物を生成する段階;
    (3a)上記式(VII−a)の化合物を、トリエチルアミンの存在下で、1,2,4−トリアゾール/オキシ塩化リンと接触させて、下記式(VIII−a):
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII−a)の化合物をNHと接触させて、式(III−a)
    の化合物を生成する段階;および
    (4)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項33に記載の方法。
  35. (1)下記式(V):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X:
    (式中、
    Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    Xは、Cl、BrまたはIVであり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
    (式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII):
    の化合物を生成する段階;
    (3a)上記式(VII)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
    (式中、LGは、前記活性化剤由来の脱離基である)
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
    の化合物を生成する段階;および
    (4)上記式(III)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項29に記載の方法。
  36. 段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、
    臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、
    臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、
    臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または
    臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル
    を含み;
    段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニル
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、アミン塩基が、
    トリエチルアミン、トリブチルアミン、
    N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
    N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、
    N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、
    N,N−ジメチルオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
    ピリジン、N,N−ジメチル−アミノピリジン、
    1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、
    1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、および
    1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムから成る群より選択され;ならびに
    段階(4)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項35に記載の方法。
  37. (1)下記式(V):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII−a):
    の化合物を生成する段階;
    (3a)上記式(VII−a)の化合物を、
    i)ハロゲン化アリールスルホニル、
    ii)ハロゲン化アルキルスルホニル、および
    iii)塩化リンの存在下での1,2,4−トリアゾール
    から成る群より選択された活性化剤と、アミン塩基の存在下で接触させて、下記式(VIII−a):
    (式中、LGは、活性化剤由来の脱離基である)
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII−a)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (4)上記式(III−a)の化合物を適する塩基と接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項35に記載の方法。
  38. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、アミン塩基が、
    トリエチルアミン、トリブチルアミン、
    N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
    テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、
    N,N−ジメチル−アミノピリジン、
    1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、および
    1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムの群より選択され;ならびに
    段階(4)において、適する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、C〜Cアルキル第一アミン、水酸化アンモニウム、およびアンモニウムC〜Cアルコキシドから成る群より選択される、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項37に記載の方法。
  39. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルである一つの溶媒を含み;
    段階(2)において、還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
    段階(3a)において、活性化剤が、トリアゾール/オキシ塩化リンであり;
    段階(3a)において、アミン塩基が、トリエチルアミンであり;
    段階(3a)において、脱離基LGが、トリアゾリルであり;
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NHであり;および
    段階(4)において、適する塩基が、ナトリウムメトキシドである、
    式(IV)の化合物を調製するための、請求項38に記載の方法。
  40. (1)下記式(V):
    の化合物を、アセトニトリル中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(VII−a):
    の化合物を生成する段階;
    (3a)上記式(VII−a)の化合物を、トリエチルアミンの存在下で、1,2,4−トリアゾール/オキシ塩化リンと接触させて、下記式(VIII−a):
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII−a)の化合物をNHと接触させて、式(III−a)
    の化合物を生成する段階;および
    (4)上記式(III−a)の化合物をナトリウムメトキシドと接触させて、下記式(IV):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(IV)の化合物を調製するための、請求項39に記載の方法。
  41. (1)下記式(V):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、式Q−C(=O)X
    (式中、
    Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    Xは、Cl、BrまたはIVであり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルと接触させて、下記式(VI)の化合物、下記式(VI)の化合物、または下記式(VI)の化合物と下記式(VI)の化合物の混合物:
    (式中、Rは、Xであり;Rは、RCHC(=O)O−である)
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI)の化合物、上記式(VI)の化合物、または上記式(VI)の化合物と上記式(VI)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、適する還元剤と接触させて、下記式(VII):
    の化合物を生成する段階;
    (3a)上記式(VII)の化合物を、アミン塩基の存在下で、活性化剤と接触させて、下記式(VIII):
    (式中、LGは、活性化剤由来の脱離基である)
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III):
    (式中、
    Qは、2−(RCHCO)フェニル−、RCH−、またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、各出現時に、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(III)の化合物を調製するための方法。
  42. 段階(1)において、式Q−C(=O)Xのハロゲン化アシルが、
    臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニル、
    臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ブタノイル、
    臭化2−(アセトキシ)−2−エチル−ブタノイル、または
    臭化2−(アセトキシ)−2−メチル−ペンタノイル
    を含み;
    段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、アミン塩基が、
    トリエチルアミン、トリブチルアミン、
    N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
    N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、
    N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、
    N,N−ジメチルオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
    ピリジン、N,N−ジメチル−アミノピリジン、
    1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、
    1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、および
    1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムから成る群より選択される、
    式(III)の化合物を調製するための、請求項41に記載の方法。
  43. (1)下記式(V):
    の化合物を、適する極性非プロトン性溶媒中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、適する極性溶媒中、場合によっては酸性触媒の存在下で、還元剤と接触させて、下記式(VII−a):
    の化合物を生成する段階、
    (3a)上記式(VII−a)の化合物を、
    i)ハロゲン化アリールスルホニル、
    ii)ハロゲン化アルキルスルホニル、および
    iii)塩化リンの存在下での1,2,4−トリアゾール
    から成る群より選択された活性化剤と、アミン塩基の存在下で接触させて、下記式(VIII−a):
    (式中、LGは、活性化剤由来の脱離基である)
    の化合物を生成する段階;
    (3b)上記式(VIII−a)の化合物をアミノ化剤と接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(III−a)の化合物を調製するための、請求項41に記載の方法。
  44. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、一つの極性非プロトン性溶媒または二つ以上の極性非プロトン性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルから成る群より選択され;
    段階(2)において、還元剤が、Fe、Zn−CuカップルおよびZnから成る群より選択され;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸、プロパン酸、酪酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、HCl、HBr、HI、およびHSOから成る群より選択され;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、一つの極性溶媒または二つ以上の極性溶媒を組み合わせたものを含み、且つ、メタノール、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メトキシエチルエーテルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3a)において、活性化剤が、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオロスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、トリアゾール/オキシ塩化リンおよびトリアゾール/クロロリン酸ジフェニルから成る群より選択され;
    段階(3a)において、アミン塩基が、
    トリエチルアミン、トリブチルアミン、
    N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−エチルアミン、
    テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、
    N,N−ジメチル−アミノピリジン、
    1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、および
    1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、
    から成る群より選択され;
    段階(3a)において、脱離基LGが、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメチル−スルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、およびトリアゾリルから成る群より選択され;ならびに
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NH、水酸化アンモニウム、および炭酸アンモニウムから成る群より選択される、
    式(III−a)の化合物を調製するための、請求項43に記載の方法。
  45. 段階(1)において、適する極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルである一つの溶媒を含み;
    段階(2)において、還元剤が、Zn−Cuカップルであり;
    段階(2)において、酸性触媒が、存在する時には、酢酸であり;
    段階(2)において、適する極性溶媒が、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたものを含み;
    段階(3a)において、活性化剤が、トリアゾール/オキシ塩化リンであり;
    段階(3a)において、アミン塩基が、トリエチルアミンであり;
    段階(3a)において、脱離基LGが、トリアゾリルであり;および
    段階(3b)において、アミノ化剤が、NHである、
    式(III−a)の化合物を調製するための、請求項44に記載の方法。
  46. (1)下記式(V):
    の化合物を、アセトニトリル中で、臭化2−アセトキシ−2−メチル−プロピオニルと接触させて、下記式(VI−a)の化合物、下記式(VI−a)の化合物、または下記式(VI−a)の化合物と下記式(VI−a)の化合物の混合物:
    を生成する段階;
    (2)上記式(VI−a)の化合物、上記式(VI−a)の化合物、または上記式(VI−a)の化合物と上記式(VI−a)の化合物の混合物を、メタノールと酢酸エチルを組み合わせたもの(この場合、メタノールの酢酸エチルに対する比率は、1:2〜1:4の範囲内である)を含む適する極性溶媒中、場合によっては酢酸の存在下で、Zn−Cuカップルと接触させて、下記式(VII−a):
    の化合物を生成する段階、
    (3a)上記式(VII−a)の化合物を、トリエチルアミンの存在下で、1,2,4−トリアゾール/オキシ塩化リンと接触させて、下記式(VIII−a):
    の化合物を生成する段階;および
    (3b)上記式(VIII−a)の化合物をNHと接触させて、下記式(III−a):
    の化合物を生成する段階
    を含む、式(III−a)の化合物を調製するための、請求項45に記載の方法。
  47. 下記式(VI)または(VI):
    (式中、
    Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;
    は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択され;
    は、Cl、BrまたはIVであり;および
    は、RCHC(=O)O−である)
    の化合物またはその医薬適合性の塩。
  48. 下記式(VI−a)または(VI−a):
    の請求項47に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
  49. 下記式(VII):
    (式中、
    Qは、RCH−またはRCHC(=O)OC(R−であり;
    は、HまたはC〜Cアルキルであり;および
    は、メチル、エチルおよびプロピルから独自に選択される)
    の化合物またはその医薬適合性の塩。
  50. 下記式(VII−a):
    の請求項49に記載の化合物またはその医薬適合性の塩。
  51. a)下記構造(1):
    (式中、
    Bは、ピリミジンまたはプリンであり;および
    Yは、O、SまたはCHである)
    の化合物を、式X−C(=O)R、X−C(=O)C(ROC(=O)R、または
    X−C(=O)フェニルC(=O)OR
    (これらの式中、
    Xは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、および
    各Rは、水素、低級アルキル、アルキル、アリールまたはフェニルから独自に選択される)
    のハロゲン化アシルで活性化して、下記構造(2):
    (式中、
    R’は、R、−C(ROC(=O)R、または−フェニルC(=O)ORであり;および
    少なくとも一つのRは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)であり、且つ、少なくとも一つのRは、式−OC(=O)Rのアシルである)
    の化合物を生成する段階;およびその後、
    b)上記構造(2)の化合物を還元剤で還元して、下記構造(3):
    の2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを生成する段階;
    c)必要な場合には、場合によっては上記ヌクレオシドを脱保護する段階
    を含む、β−Dおよびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドを調製するための方法。
  52. Bが、5−フルオロウラシルまたは5−フルオロシトシンである、請求項51に記載の方法。
  53. YがOである、請求項51に記載の方法。
  54. β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドが、D4FCである、請求項51に記載の方法。
  55. β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドが、β−D−D4FCである、請求項51に記載の方法。
  56. β−D−およびβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドが、β−D−D4FCである、請求項51に記載の方法。
  57. β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドをβ−Dまたはβ−L−2’−または3’−デオキシリボ核酸に還元する段階をさらに含む、請求項51に記載の方法。
  58. 異なる核酸塩基を有するβ−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシド転化させる段階をさらに含む、請求項51に記載の方法。
  59. β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−ヌクレオシドが、β−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロウリジンであり、これをβ−Dまたはβ−L−2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロ−5−フルオロシチジンに転化させる、請求項58に記載の方法。
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