JP2004526606A - 現場で被覆された光学物品を形成させる方法 - Google Patents
現場で被覆された光学物品を形成させる方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004526606A JP2004526606A JP2002593127A JP2002593127A JP2004526606A JP 2004526606 A JP2004526606 A JP 2004526606A JP 2002593127 A JP2002593127 A JP 2002593127A JP 2002593127 A JP2002593127 A JP 2002593127A JP 2004526606 A JP2004526606 A JP 2004526606A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- film
- silane
- composition
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29D—PRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
- B29D11/00—Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
- B29D11/0073—Optical laminates
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C37/00—Component parts, details, accessories or auxiliary operations, not covered by group B29C33/00 or B29C35/00
- B29C37/0025—Applying surface layers, e.g. coatings, decorative layers, printed layers, to articles during shaping, e.g. in-mould printing
- B29C37/0028—In-mould coating, e.g. by introducing the coating material into the mould after forming the article
- B29C37/0032—In-mould coating, e.g. by introducing the coating material into the mould after forming the article the coating being applied upon the mould surface before introducing the moulding compound, e.g. applying a gelcoat
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2995/00—Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
- B29K2995/0018—Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds having particular optical properties, e.g. fluorescent or phosphorescent
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2995/00—Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
- B29K2995/0037—Other properties
- B29K2995/007—Hardness
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2995/00—Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
- B29K2995/0037—Other properties
- B29K2995/0089—Impact strength or toughness
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29L—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
- B29L2011/00—Optical elements, e.g. lenses, prisms
- B29L2011/0016—Lenses
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Eyeglasses (AREA)
Abstract
Description
【0001】
本発明は、複数の光学膜を有するモールド光学物品、特に、眼用レンズのような眼用物品を形成させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼用レンズの少なくとも一つの面を複数の光学膜で被覆して、追加のまたは改良された光学または機械特性を完成したレンズに付与することは、当該技術分野における一般的な手法である。したがって、典型的には有機ガラス材料製の眼用レンズ基体の少なくとも一つの面を、基体の面から始めて、耐衝撃膜(耐衝撃プライマー)、耐擦傷膜(ハードコード)、反射防止膜および任意に用いられる疎水性トップコートで連続的に被覆することは、通常の手法である。
【0003】
典型的には、有機ガラス材料製の光学物品は、光学表面を有する二つの分離した部材を有し、二つの部材が組み合わせられると形成用空隙を規定するモールドの中で形成される。そして、液状硬化性組成物が形成用空隙中に導入され、硬化して光学物品を形成する。
その後、光学物品がモールドの部材の分解により再生される。
【0004】
典型的な二つの部材からなるモールドおよびモールド方法は、米国特許第5,547,618号明細書および同第5,662,839号明細書に開示されている。
【0005】
耐擦傷膜組成物を二つの部材からなるモールドの光学表面の上に塗布し、必要に応じて、予備硬化し、モールドの部材を組み立て、形成用空隙を光学液状硬化性材料で充填し、光学材料を硬化させ、モールドの部材を分解して、成膜され、かつ、接着された耐擦傷膜を有する、成形された光学物品を再生することも、当該技術分野において公知である。
【0006】
このような方法は、例えば、欧州特許第102847号明細書に開示されている。
【0007】
米国特許第5,096,626号明細書は、耐擦傷膜および/または反射防止膜を有する光学物品を製造する方法であって、
−二つの部材からなるモールドの光学表面の上に反射防止膜および/または耐擦傷膜を形成させる工程と、
−二つの部材からなるモールドを組み立てる工程と、
−形成用空隙の中に光学液状硬化性組成物を注入する工程と、
−光学組成物を硬化させる工程と、
−二つの部材からなるモールドを分解し、耐擦傷膜または耐擦傷膜および反射防止膜を有する、成形された光学物品を再生する工程と
を具備し、
反射防止膜および/または耐擦傷膜の形成の前に、少なくとも一つの離型剤が耐擦傷膜に混合されているか、少なくとも一つの離型剤の膜がモールドの部材の光学表面の上に形成されているかのいずれかである方法を開示している。
【0008】
米国特許第5,096,626号明細書における好ましい有用な離型剤は、フルオロシリコーン、フルオロアルキルコキシシランおよびそれらの混合物である。
【0009】
米国特許第5,160,668号明細書は、光学要素の表面の上に反射防止膜を転移させる方法であって、
−二つの部材からなるモールドの部材の光学表面の上に、水溶性無機塩の離型層を形成させる工程と、
−前記離型層の上に、反射防止膜を形成させる工程と、
−モールドの部材を組み立てる工程と、
−液状光学硬化性組成物を形成用空隙の中に注入する工程と、
−光学組成物を硬化させる工程と、
−モールドの部材を分解し、離型層を水中で溶解させ、被覆された光学要素を再生する工程と
を具備する方法を開示している。
【0010】
米国特許第5,733,483号明細書は、色付けされ、かつ、被覆された光学要素を、現場でモールドから形成させる方法であって、
−二つの部材からなるモールドの少なくとも一つの部材の光学表面の上に、ポリマー離型層、反射防止膜層、カップリング剤層およびハードコート層を連続的に形成させる工程と、
−二つの部材からなるモールドを組み立てる工程と、
−形成用空隙の中に光学液状硬化性材料を注入する工程と、
−光学材料ならびに反射防止膜層、カップリング剤層およびハードコート層を硬化させる工程と、
−モールドの部材を分解し、被覆された光学物品を再生する工程と
を具備する方法を開示している。
【0011】
ポリマー離型層は、ポリビニル酸(PAA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ(N−ビニルピロリドン)(PNVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリアクリルアミド(PAM)等の水溶性ポリマー製であってもよく、ポリブタジエンジアクリレート(PBD−SA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEG−DA)または高架橋アクリレート等の非水溶性かつUV硬化性ポリマー製であってもよく、Dow−Corning社製の20 Release等の市販のモールド離型剤製であってもよい。
【0012】
カップリング剤層は、一般的に、(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシランを含有する。このカップリング剤層は、反射防止膜をモールドから抜き取りやすくするために用いられる。
【0013】
必要とされているのは、耐衝撃膜、耐擦傷膜、反射防止膜および任意に用いられる疎水性トップコートを有する光学物品をモールドの複製により現場で形成させ、これにより必要な作業時間および費用を十分に低減させる方法である。
【発明の開示】
【0014】
本発明の目的は、耐衝撃膜、耐擦傷膜、反射防止膜および任意に用いられる疎水性トップコートを有するモールド光学物品を形成させる方法を提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、少なくとも一つのモールド光学表面から光学基体の表面上に、少なくとも反射防止膜、耐擦傷膜および耐衝撃プライマー膜が一工程で転移される、被覆された光学物品を形成させる方法を提供することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、反射防止膜と耐擦傷膜との間のカップリング剤層の使用を必要としない方法を提供することである。
【0017】
上記目的および以下に言及され、明らかになることに従って、前記被覆された光学物品を形成させる方法は、
−形成用空隙を規定する対向した光学表面を有する二つの部材からなるモールドを設ける工程と、
−前記モールドの光学表面の少なくとも一つの上に、反射防止膜と、耐擦傷膜と、耐衝撃プライマー膜とを連続的に形成させる工程と、
−前記形成用空隙に光学基体用液状硬化性組成物を充填する工程と、
−前記液状硬化性組成物を硬化させる工程と、
−二つの部材からなるモールドを分解し、少なくとも一つの表面に、耐衝撃プライマー膜と、耐擦傷膜と、反射防止膜とを成膜され、かつ、接着された光学基体を有する被覆された光学物品を再生する工程とを具備する。
【0018】
好ましい態様においては、モールドはプラスチック材料製である。
【0019】
被覆された光学物品のモールドからの離型性を向上させるために、離型剤をモールドのプラスチック材料の中に含有させることができ、または、モールドの部材の光学表面に離型剤層を被覆することができる。
【0020】
更に好ましい態様においては、耐擦傷膜と耐衝撃膜との間またはプライマー膜と基体との間の接着性を向上させるために、一つ以上のカップリング剤を耐擦傷膜および/またはプライマー膜の組成物中に含有させることができる。
【0021】
好ましいカップリング剤は、少なくとも一つのエポキシアルコキシシランおよび少なくとも一つの不飽和アルコキシシランの予備的濃縮溶液である。
【0022】
好ましくは、反射防止膜は、高屈折率および低屈折率の交互の無機材料層の積層である。反射防止膜の耐擦傷膜への接着性等を向上させるために、SiO2の薄層を反射防止膜と耐擦傷膜との間に挿入してもよい。
【0023】
本発明の目的および利点の更なる理解のために、後述する詳細な説明が参照されるべきであり、添付の図面も考慮され、その中では同様の部材が同様の参照数字を与えられている。
【0024】
[発明の詳細な説明]
後述の説明においては、光学物品の一つの面のみが、本発明に従って光学機能膜で被覆されているが、光学物品の両面が本発明の方法を用いて同時に被覆されうることが理解されるべきである。
【0025】
図1Aにおいては、二つの部材からなるモールドの前側部材10と、その光学表面10aの上に連続的に形成された反射防止膜20と、耐擦傷膜30と、耐衝撃膜31とが、模式的に示されている。
【0026】
本発明の方法に用いられる二つの部材からなるモールドは、光学表面10aを有する前側部材10と、光学表面11aを有する後側部材11(図1B)とを具備する。
【0027】
典型的には、モールドの二つの部材10、11は、ガスケットまたは接着テープ(図示せず)を介して組み立てられ、これにより、モールドの部材の光学表面10a、11aがそれらの間に形成用空隙を規定する。
【0028】
典型的には、モールドの部材10、11は、金属ガラスまたはプラスチック材料製である。本発明の方法においては、モールドの部分は、好ましくは、プラスチック材料製、特に、形成された光学物品の容易な離型を促進するプラスチック材料製である。
【0029】
二つの部材からなるモールドに用いることができるプラスチック材料として、以下のものを例示することができる。ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリスルホン(PS)、ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネートとの共重合体(PET−CP)、結晶性ポリエチレンテレフタレート(結晶性PET)、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレートおよびポリノルボルネン等のポリオレフィン。好ましいプラスチック材料は、ポリカーボネートおよびポリノルボルネンである。
【0030】
二つの部材からなるモールドに用いることができる極めて好ましいプラスチック材料は、下記構造を有する共重合体である。
【0031】
【化1】
【0032】
このような共重合体は、バイエル社からAPECの商品名で入手可能である。
【0033】
この共重合体は、モールド材料としての使用に利点となる、高い硬度を有する。
【0034】
好ましくは、各モールド部材の中央の厚さは、少なくとも4mmである。
【0035】
モールドの特に反射防止膜に対する離型効果を強くするために、一つ以上の離型剤をモールドの高分子材料中に入れることができる。そのような離型剤の例として、トリメチルクロロシラン、クロロメチルトリメチルシラン、クロロプロピルトリメチルシラン、クロロメチルドデシルジメチルシラン、塩素末端ポリジメチルシロキサン、(3,3−ジメチルブチル)ジメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、オクタメチルシクロテトラシロザン、アミノプロピルジメチル末端ポリジメチルシロキサン、3−トリメトキシシリルプロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチルエトキシシランおよびオクタデシルトリメトキシシランが挙げられる。
【0036】
必要であれば、プラスチックモールドの部材の光学表面10a、11aは、作業中に生じうる擦傷等の欠陥からの光学表面の保護および/または離型効果の増進を行う、保護用および/または離型用被膜で、あらかじめ被覆されていてもよい。この保護用および/または離型用被膜は、光学表面を平滑にもしうる。
【0037】
そのような被膜の例を以下に挙げる。
−上記で例示した離型剤の少なくとも一つを任意に含有するUV硬化アクリル層、または、上記離型剤の少なくとも一つを任意に含有するアミン含有ポリシロキサン層
−Teflon(R)AF、Teflon(R)PTFE FEPおよびTeflon(R)PTFE PFA等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマー等のフルオロカーボンポリマー層
−モールド部材の光学表面からはく離してもよく、また、反射防止膜またはトップコートが離型することができる緩衝層、例えば、レンズに耐擦傷性を付与するために通常用いられる、真空成膜されたフッ化マグネシウム(MgF2)層またはシロキサン系被膜
【0038】
保護用および/または離型用被膜は、浸せき塗布またはスピン塗布により設けることができ、それらの技術的性質に従って、UVおよび熱の一方もしくは両方により硬化させ、または、単に乾燥させることができる。これらの保護用および/または離型用被膜は、典型的には、2nmから10ミクロンの厚さを有する。
【0039】
モールドの部材は、通常、プラスチック材料製であり、UV透過性であり、かつ、異なる層および特に光学基体の組成物のUVおよび/または熱硬化を可能とする。好ましくは、モールドの部材のポリマー材料は、UV吸収剤を含有しない。
【0040】
図1Aに示されているように、例えば、ポリカーボネートモールドの第一の部材10の光学表面10aの上に、まず反射防止膜20が積層されている。
【0041】
反射防止膜およびその製造方法は、従来公知である。反射防止膜は、完成した光学物品の反射防止性を向上させるいかなる層または積層であってもよい。
【0042】
反射防止膜は、好ましくは、SiO、SiO2、Si3N4、TiO2、ZrO2、Al2O3、MgF2もしくはTa2O5またはこれらの混合物等の誘電材料の単層または複数層のフィルムからなっていてもよい。
【0043】
反射防止膜は、特に、後述する技術の一つに従った真空成膜により設けることができる。
1)任意にイオンビームで補助された蒸着;
2)イオンビームを用いるスプレー、
3)カソードスパッタ;または
4)プラズマで補助された液相化学析出
【0044】
フィルムが単層を有する場合、その光学的厚さは、λが450から650nmの波長であるときに、λ/4に等しくなければならない。
【0045】
好ましくは、反射防止膜は、高屈折率および低屈折率の交互の3層以上の誘電材料層を有する複数層のフィルムである。
【0046】
当然のことながら、複数層の反射防止膜の誘電材料層は、モールドの部材または疎水性トップコートの上に、完成した光学物品に存在すべきのとは逆の順序で、成膜される。
【0047】
図1Aに示されている実施態様においては、反射防止膜20は、真空成膜により形成された4層の積層、例えば、約100から160nmの光学的厚さを有する第一SiO2層21、約120から190nmの光学的厚さを有する第二ZrO2層22、約20から40nmの光学的厚さを有する第三SiO2層23および約35から75nmの光学的厚さを有する第四ZrO2層24を有する。
【0048】
好ましくは、4層の反射防止積層の成膜後、1から50nmの厚さ(物理的厚さ)のSiO225の薄層が成膜される。この層25は、反射防止積層と連続的に成膜される耐擦傷膜30との間の接着を促進し、また、光学的に活性でない。
【0049】
成膜される次の層は、耐擦傷膜30である。いかなる公知の光学耐擦傷膜組成物も、耐擦傷膜30を形成させるために用いることができる。したがって、耐擦傷膜組成物は、UVおよび/または熱硬化性組成物とすることができる。
【0050】
定義により、耐擦傷膜は、完成した光学物品の耐擦傷性を、耐擦傷膜のない以外は同様の光学物品に比べて、向上させる膜である。
【0051】
好ましい耐擦傷膜は、エポキシアルコキシシランまたはその加水分解物、シリカおよび硬化触媒を含有する前駆体組成物の硬化により製造されるものである。そのような組成物の例は、米国特許第4,211,823号明細書、国際公開第94/10230号パンフレットおよび米国特許第5,015,523号明細書に開示されている。
【0052】
最も好ましい耐擦傷膜組成物は、主成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)等のエポキシアルコキシシランおよびジメチルジエトキシシラン(DMDES)等のジアルキルジアルコキシシラン、コロイダルシリカ、ならびに、アルミニウムアセチルアセトネートまたはその加水分解物等の硬化触媒の有効量を含有するものであり、組成物の残りは、実質的に、これらの組成物の配合に典型的に用いられる溶媒からなる。
【0053】
連続的に成膜される耐衝撃膜31に対する耐擦傷膜30の接着性を向上させるために、少なくとも一つのカップリング剤の有効量を耐擦傷膜組成物に添加することができる。
【0054】
好ましいカップリング剤は、エポキシアルコキシシラン、および、好ましくは末端エチレン性二重結合を有する不飽和アルコキシシランの予備的濃縮溶液である。
【0055】
エポキシアルコキシシランの例としては、γ−グリシドキシプロピルターメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジイソプロピルエトキシシランおよび(γ−グリシドキシプロピル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランが挙げられる。
【0056】
好ましいエポキシアルコキシシランはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
【0057】
不飽和アルコキシシランは、ビニルシラン、アリルシラン、アクリルシランまたはメタクリルシランとすることができる。
【0058】
ビニルシランの例としては、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリスイソブトキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルビス(トリメチルシロキシ)シランおよびビニルジメトキシエトキシシランが挙げられる。
【0059】
アリルシランの例としては、アリルトリメトキシシラン、アルキルトリエトキシシラン、およびアリルトリス(トリメチルシロキシ)シランが挙げられる。
【0060】
アクリルシランの例としては、3−アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルエチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、n−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
【0061】
メタクリルシランの例としては、3−メタクリロキシプロピルトリス(ビニルジメトキシルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロペニルトリメトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランが挙げられる。
【0062】
好ましいシランはアクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
【0063】
好ましくは、カップリング剤の調製に用いられるエポキシアルコキシシランおよび不飽和アルコキシシランの量は、重量比
【0064】
R=エポキシアルコキシシランの重量/不飽和アルコキシシランの重量
【0065】
が、0.8≦R≦1.2の条件を満たす。
【0066】
カップリング剤は、好ましくは少なくとも50重量%のエポキシアルコキシシランおよび不飽和アルコキシシランからの固形材料を含有し、より好ましくは少なくとも60重量%である。
【0067】
カップリング剤は、好ましくは、40重量%未満の液体の水および/または有機溶媒を含有し、より好ましくは35重量%未満である。
【0068】
「エポキシアルコキシシランおよび不飽和アルコキシシランからの固形材料」という表現は、単位QkSiO(4-k)/2の計算値である、これらのシランからの理論的乾燥抽出物を意味する。ここで、Qは、エポキシ基または不飽和基を有する有機基であり、QkSiO(4-k)/2は、SiR′が加水分解によりSiOHを形成させる場合のQkSiR′O(4-k)に由来する。
【0069】
kは1から3の整数であり、好ましくは1である。
【0070】
R′は、好ましくは、OCH3等のアルコキシ基である。
【0071】
上記水および有機溶媒は、カップリング剤組成物に初めから添加されていたものと、カップリング剤組成物の中に存在するアルコキシシランの加水分解および縮合で残る水およびアルコールとに由来する。
【0072】
カップリング剤の好ましい調製方法は、以下の工程を具備する。
1)アルコキシシランを混合させ、
2)好ましくは塩酸等の酸の添加により、アルコキシシランを加水分解物させ、
3)混合物をかくはんし、
4)任意に、有機溶媒を添加し、
5)アルミニウムアセチルオセトネート等の触媒の一つまたは複数を添加し、
6)かくはんする(典型的な持続時間は一晩である)。
【0073】
典型的には、耐擦傷膜組成物の中に導入されるカップリング剤の量は、組成物の総重量の0.1から15重量%であり、好ましくは1から10重量%である。
【0074】
耐擦傷膜組成物は、反射防止膜の上に、スピン塗布、浸せき塗布またはフロー塗布等の古典的な方法のいずれを用いても適用することができる。
【0075】
耐擦傷膜組成物は、単に乾燥させ、または、連続的に設けられる耐衝撃膜組成物31の適用の前に任意に予備的に硬化させることができる。耐擦傷膜組成物の性質に従って、熱硬化、UV硬化または両者の組み合わせを用いることができる。
【0076】
耐擦傷膜30の厚さは、硬化後において、通常、1から15μm、好ましくは2から6μmの範囲である。
【0077】
耐衝撃膜を耐擦傷膜の上に設ける前には、接着性を増加させるために、耐擦傷膜の表面にコロナ処理または真空プラズマ処理を施すことができる。
【0078】
耐衝撃プライマー膜31は、完成した光学物品の耐衝撃性を向上させるために典型的に用いられるいずれの膜とすることもできる。また、この膜は、一般的に、完成した光学物品の基体の上の耐擦傷膜30の接着性を増加させる。
【0079】
定義により、耐衝撃プライマー膜は、完成した光学物品の耐衝撃性を、耐衝撃プライマー膜のない以外は同様の光学物品に比べて、向上させる膜である。
【0080】
典型的な耐衝撃プライマー膜は、(メタ)アクリル系膜およびポリウレタン系膜である。
【0081】
(メタ)アクリル系耐擦傷膜は、例えば、米国特許第5,015,523号明細書に開示されているが、中でも、特開昭63−141001号公報、特開昭63−87223号公報、欧州特許第0404111号明細書および米国特許第5,316,791号明細書に熱可塑性かつ架橋系ポリウレタン樹脂膜が開示されている。
【0082】
特に、本発明に従う耐衝撃プライマー膜は、ポリ(メタ)アクリルラテックス、ポリウレタンラテックスまたはポリエステルラテックス等のラテックス組成物から製造することができる。
【0083】
好ましい(メタ)アクリル系耐衝撃プライマー膜組成物の中でも、例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート系組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートおよびその混合物と同様に例示される。
【0084】
好ましくは、耐衝撃膜は、30℃未満のガラス転移点(Tg)を有する。
【0085】
好ましい耐衝撃プライマー膜組成物としては、Acrylic latex A−639という製品名でZeneca社により市販されているアクリルラテックスならびにW−240およびW−234という製品名でBaxenden社により市販されているポリウレタンラテックスを例示することができる。
【0086】
好ましい実施態様においては、耐衝撃プライマー膜もまた、光学基体および/または耐擦傷膜に対するプライマー膜の接着性を向上させるために、カップリング剤の有効量を含有することができる。
【0087】
耐擦傷膜組成物におけるのと、同様のカップリング剤を、同様の量で、耐衝撃膜組成物に用いることができる。
【0088】
耐衝撃プライマー膜組成物は、耐擦傷膜30の上に、スピン塗布、浸せき塗布またはフロー塗布等の古典的な方法のいずれを用いても適用することができる。
【0089】
耐衝撃プライマー膜組成物は、単に乾燥させ、または、光学基体の形成の前に任意に予備的に硬化させることができる。
【0090】
耐衝撃プライマー膜組成物の性質に従って、熱硬化、UV硬化または両者の組み合わせを用いることができる。
【0091】
耐衝撃膜31の厚さは、硬化後において、典型的には、0.05から20μm、好ましくは0.5から10μm、より好ましくは0.6から6μmの範囲である。
【0092】
図1Bに示されているように、本方法の次の工程は、反射防止膜20と、耐擦傷膜30と、耐衝撃膜31とで被覆された前側部材10を、例えば、米国特許第5,547,618号明細書および同第5,662,839号明細書に記載されているような二つの部分からなるモールドの後側部材11に組み合わせる工程である。
【0093】
形成用空隙は、ついで、硬化して光学基体40を形成する液状硬化性光学組成物で充填される。
【0094】
光学基体は、光学分野で用いられる典型的な液状硬化性組成物のいかなるものから製造されてもよい。
【0095】
そのような光学基体の例としては、
−ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)系組成物、
−ビスフェノールAに由来する(メタ)アクリルモノマーを含有する組成物等の(メタ)アクリルモノマー系組成物;
−チオ(メタ)アクリルモノマー系組成物;
−ポリチオウレタン前駆体モノマー系組成物;および
−エポキシおよび/またはエピスルフィドモノマー系組成物
の重合に由来する基体が挙げられる。
【0096】
硬化性光学材料の性質に従って、光学材料は、熱硬化させ、UV硬化させもしくは両者の組み合わせで硬化させ、または、周囲温度で硬化させることができる。
【0097】
図1Cに示されているように、光学基体40が一度硬化した後に、ならびに、耐擦傷膜30および耐衝撃プライマー膜31が予備的に硬化していない場合には、任意に、同時に硬化した後に、モールドの部材10、11が分解され、一つの面の上に、耐衝撃プライマー膜31、耐擦傷膜30および反射防止膜20が転移した光学基体40が再生する。
【0098】
図2Aから図2Cには、本発明の方法の他の実施態様が示されている。
【0099】
図1Aから図1Cとの関連において記載された方法と、図2Aから図2Cにより説明される方法との間の本質的な相違は、モールドの前側部材10の光学表面10aの上に、反射防止膜20の成膜の前に、追加の疎水性トップコート50が成膜されていることである。
【0100】
疎水性トップコート50は、完成した光学物品において光学基体の上の最外膜を構成し、完成した光学物品、特に、耐擦傷膜の耐汚染性を向上させることを意図されている。
【0101】
従来公知のように、疎水性トップコートは、脱イオン水の静的接触角が少なくとも60°、好ましくは少なくとも75°、より好ましくは少なくとも90°である層である。
【0102】
静的接触角は、光学物品の上に直径2mm未満の液滴を滴下し接触角を測定する、液体滴下法に従って決定される。
【0103】
本発明に好適に用いられる疎水性トップコートは、14mJ/m2未満の表面エネルギーを有するものである。
【0104】
本発明は、13mJ/m2未満の表面エネルギーを有する疎水性トップコートを用いる場合に、特に利益が大きく、12mJ/m2未満であるのが更によい。
【0105】
直前に引用した表面エネルギー値は、以下の文献:“Estimation of the surface force energy of polymers”Owens D.K.−Wendt R.G.(1969)J.Appl.Ploym.Sci.,1741−1747に記載されているOwens Wendt法に従って計算される。
【0106】
そのような疎水性トップコートは、従来公知であり、通常、フルオロシリコーンまたはフルオロシラザン、即ち、フッ素含有基と結合したシリコーンまたはシラザンにより製造される。好ましい疎水性トップコート材料は、信越化学工業社によりKP 801Mの製品名で市販されている製品である。
【0107】
トップコート50は、モールドの部材10の光学表面10aの上に、いかなる典型的成膜方法で成膜されてもよいが、好ましくは、熱蒸発法を用いるのが好ましい。
【0108】
トップコートの成膜はモールドからの転移で行われるのが好ましいが、トップコートは、(モールドの上にいかなるトップコートも適用せずに)転移法によりあらかじめ得られる反射防止レンズの上に、古典的な方法(例えば、浸せき塗布)のいずれかを用いて適用することもできる。
【0109】
疎水性トップコートの厚さは、通常、1から30nm、好ましくは1から15nmの範囲にある。
【0110】
この本発明の方法の第二実施態様の残りの工程は、図1Aから図1Cとの関連において説明されたものと同じである。
【0111】
後述する実施例は、本発明を説明する。実施例においては、特に示すほかは、すべての部およびパーセントは重量による。
【0112】
1.二つの部材からなるモールド
すべての実施例において、用いられたモールドは、ポリカーボネート製(General Electric Company)であった。
【0113】
2.耐擦傷膜組成物(ハードコート組成物)
下記熱および/またはUV硬化性ハードコート組成物を、下記成分を混合させることにより、調製した。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
(1) 日産化学工業社製のSun Colloid MA−ST(固形SiO2分30重量%)
(2) FC430:3M社により市販されている界面活性剤
(3) Tyzor:
【0120】
【化2】
【0121】
(4) UVI−6974:下記の混合物
【0122】
【化3】
【0123】
および
【0124】
【化4】
【0125】
3.耐衝撃プライマー膜組成物(プライマー膜組成物)
複数のプライマー膜組成物を、下記種々の成分を混合させることにより、調製した。
【0126】
【表6】
【0127】
【表7】
【0128】
【表8】
【0129】
または
【0130】
【表9】
【0131】
【表10】
【0132】
【表11】
【0133】
【表12】
【0134】
(5)Dowanol PM:DOW CHEMICAL社により市販されている1−メトキシ−2−プロパノールおよび2−メトキシ−1−プロパノール溶媒。
(6)Dowanol PnP:DOW CHEMICAL社により市販されている溶媒であり、
1−プロポキシ−2−プロパノール、
2−プロポキシ−1−プロパノール、
プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、
ジプロピルグリコールモノプロピルエーテルの混合物
(7)ITX:イソプロピルチオキサントン
(8)Irgacure500:ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルとの1/1混合物
(9)Baxenden社により市販されているポリウレタンラテックス
(10)OSI Specialities社により市販されているL77界面活性剤
(11)Zeneca社により市販されているアクリルラテックスA−639
(12)UVR6110 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカーボネートと3−シクロヘキシルメチル−3−シクロカルボキシレートのモノエポキシド
(13)HDODA 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
(14)GE21 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
【0135】
4.光学基体組成物
【0136】
【表13】
【0137】
【表14】
【0138】
【表15】
【0139】
(15)Irgacure1850:下記の混合物(重量で50/50)
【0140】
【化5】
【0141】
および
【0142】
【化6】
【0143】
(16)チオメタクリレート:ROHM社により販売されているPlex(6856)。
(17)FA321M
【0144】
【化7】
【0145】
m+nの平均=10である。
【0146】
(18)UV5411:2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール。
(19)Irgacure819:下記式の光開始剤:
【0147】
【化8】
【0148】
5.モールドの調製
特に述べるほかは、実施例で用いられたポリカーボネートモールドは、以下のようにして調製された。
a)射出成形されたポリカーボネートモールドを、ゲート除去し、ついで、エッジ仕上げする。エッジ仕上げ法は、モールドの表面の上に擦傷を作る方法とすることができ、エッジ仕上げの間、モールド表面の少なくとも中央部のテープ保護が用いられる。
b)エッジ仕上げ後、モールドをぬぐい、超音波装置により清浄化し、ついで、清潔なオーブンで100℃で30分間加熱する。
【0149】
6.疎水性トップコートおよび反射防止膜の成膜
特に述べるほかは、疎水性トップコートおよび反射防止膜は、モールドの前側部材の光学表面の上に、以下のようにして成膜された。
【0150】
疎水性トップコートおよび反射防止膜は、標準的なボックスコータの中で、従来公知の真空蒸着法を用いて完成した。
【0151】
a−モールドをBalzers BAK760等のボックスコータの中にし、チャンバをポンプで高い真空レベルにする。
【0152】
b−疎水性トップコート、即ち、フルオロシラザン(信越化学工業社によりKP 801M)を、モールドの第一部材の光学表面の上に、熱蒸発法を用いて、厚さが2から15nmの範囲になるように成膜する。
【0153】
c−ついで、高屈折率および低屈折率材料の積層からなる、誘電多層反射防止(AR)膜を、通常の順序とは逆の順序で成膜する。この成膜の詳細は以下のとおりである。
第一層は、80−110nmの物理的厚さ(約100−160nmの光学的厚さ)を有するSiO2の層である。
第二層は、約160nmの光学的厚さを有するZrO2の層であり、第三層は、約30nmの光学的厚さを有するSiO2の層であり、第四層は、約55nmの光学的厚さを有するZrO2の層である(光学的厚さは波長550nmで測定される)。
【0154】
d−四層の反射防止積層の成膜の終了後、1−50nmの物理的厚さを有するSiO2の薄層が成膜される。この層は、酸化反射防止層と、後に、被覆されたモールドの上に成膜される、それに続くハードコートとの間の接着性を向上させるためのものである。
【0155】
実施例No.1
既に疎水性トップコートおよびAR膜で被覆された二つの部分からなるポリカーボネートモールドの前側部材を、ハードコート組成物No.1で被覆した。ハードコートの塗布速度は、400rpmで8秒間とし、スピンオフ速度は、800rpmで10秒間とした。ハードコート組成物を、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fに設定して、IRで30秒間硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却し、衝撃プライマー膜組成物No.1aを上記と同じ速度および時間で塗布した。衝撃プライマー膜組成物を、Fusion system社製のH bulbを用いてベルト速度1.526m/分(5フィート毎分)で、UV光で硬化させた。
最終の膜硬化を、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fに設定して、30秒間行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、光学基体組成物No.1を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
【0156】
実施例No.2
既に疎水性トップコートおよびAR膜で被覆された二つの部分からなるポリカーボネートモールドの第一部材を、ハードコート組成物No.1で被覆した。ハードコートの塗布速度は、400rpmで8秒間とし、スピンオフ速度は、800rpmで10秒間とした。ハードコート組成物を、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fに設定して、IRで30秒間硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却し、衝撃プライマー膜組成物No.1bを上記と同じ速度および時間で塗布した。衝撃プライマー膜組成物を、Fusion system社製のH bulbを用いてベルト速度1.524m/分(5フィート毎分)で、UV光で硬化させた。
最終の膜硬化を、Lesco社製のIR硬化を用いて、725Fに設定して、30秒間行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、光学基体組成物No.1を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
【0157】
実施例No.3
既に疎水性トップコートおよびAR膜で被覆された二つの部分からなるポリカーボネートモールドの前側部材を、ハードコート組成物No.2で被覆した。ハードコートの塗布速度は、500rpmで8秒間とし、スピンオフ速度は、1200rpmで10秒間とした。ハードコート組成物を、加熱されたオーブンで80℃で10分間予備硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却した。衝撃プライマー膜組成物No.2を、塗布速度400rpmで8秒間、スピンオフ1000rpmで10秒間で塗布した。衝撃プライマー膜を、ハードコートと同じ温度およびタイミングで予備硬化させた。
最終の膜硬化を、加熱されたオーブンの中で、1時間行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、光学基体組成物No.1を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
【0158】
実施例No.4
既に疎水性トップコートおよびAR膜で被覆された二つの部分からなるポリカーボネートモールドの前側部材を、ハードコート組成物No.3で被覆した。このハードコートは、カップリング剤を含有していなかった。ハードコートの塗布速度は、500rpmで8秒間とし、スピンオフ速度は、1200rpmで10秒間とした。ハードコート組成物を、加熱されたオーブンで80℃で10分間予備硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却した。衝撃プライマー膜組成物No.2を、塗布速度400rpmで8秒間、スピンオフ1000rpmで10秒間で塗布した。衝撃プライマー膜を、ハードコートと同じ温度およびタイミングで予備硬化させた。
最終の膜硬化を、加熱されたオーブンの中で、1時間行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、光学基体組成物No.1を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
【0159】
実施例No.5
既に疎水性コートおよびAR膜で被覆された二つの部分からなるポリカーボネートモールドの前側部材を、ハードコート組成物No.2で被覆した。ハードコートの塗布速度は、500rpmで8秒間とし、スピンオフ速度は、1200rpmで10秒間とした。ハードコート組成物を、加熱されたオーブンで80℃で10分間予備硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却した。衝撃プライマー膜組成物No.3を、塗布速度600rpmで8秒間、スピンオフ1500rpmで10秒間で塗布した。衝撃プライマー膜を、ハードコート組成物No.2と同じ温度およびタイミングで予備硬化させた。
最終の膜硬化を、加熱されたオーブンの中で、2時間行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、光学基体組成物No.1を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
【0160】
実施例No.6
既に疎水性トップコートおよびAR膜で被覆された二つの部分からなるポリカーボネートモールドの前側部材を、ハードコート組成物No.4で被覆した。ハードコートの塗布速度は、600rpmで8秒間とし、スピンオフ速度は、1200rpmで10秒間とした。ハードコートを、Fusion system社製のH bulbを用いてベルト速度1.524m/分(5フィート毎分)で、UV硬化させた後、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fで、30秒間IR硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却し、衝撃プライマー膜組成物No.4を上記と同じ速度および時間で塗布した。衝撃プライマー膜組成物を、Fusion system社製のH bulbを用いてベルト速度1.524m/分(5フィート毎分)で、UV光で硬化させた。
最終の膜硬化を、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fに設定して、30秒間行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、光学基体組成物No.1を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
【0161】
実施例No.7
既に疎水性トップコートおよびAR膜で被覆された二つの部分からなるポリカーボネートモールドの前側部材を、ハードコート組成物No.4で被覆した。ハードコートの塗布速度は、600rpmで8秒間とし、スピンオフ速度は、1200rpmで10秒間とした。ハードコートを、Fusion system社製のH bulbを用いてベルト速度1.524m/分(5フィート毎分)で、UV硬化させた後、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fで、30秒間IR硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却し、衝撃プライマー膜組成物No.5を上記と同じ速度および時間で塗布した。衝撃プライマー膜組成物を、Fusion SYSTEM社製のH bulbを用いてベルト速度1.524m/分(5フィート毎分)で、UV光で硬化させた。
最終の膜硬化を、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fに設定して、30秒間行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、光学基体組成物No.1を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
【0162】
実施例1から7の完成したレンズの特性を下記表に示す。
【0163】
【表16】
【0164】
実施例No.8
この実施例は、モールドの光学表面の上の保護用および離型用被膜の使用を説明する。
この実施例においては、疎水性トップコートは用いられない。
保護用および離型用被膜の組成物は、以下のとおりである。
【0165】
【表17】
【0166】
ポリカーボネートモールドを石けんおよび水を用いて洗浄し、圧縮空気で乾燥させた。ついで、モールド表面を、塗布速度600rpm、3秒間、乾燥速度1200rpm、6秒間のスピン塗布により、上記保護用および離型用被膜組成物で被覆した。被膜を、Fusion System社製のH+bulbを用いて速度1.524m/分(5フィート毎分)で硬化させた。ついで、真空成膜されたAR膜の逆順の積層を、上述した常法に従って、上記被覆されたモールドの上に(上記被覆されたモールドの上に疎水性トップコートを設けることなく)、直接塗布した。AR膜の成膜が終了した後、モールドを、まずハードコート組成物No.1で、ついで衝撃プライマー膜組成物No.2で被覆し、レンズを光学基体組成物No.1から成形した。
積層AR膜/ハードコート/プライマーを、被覆されたモールドの表面から完全に離型させた。
【0167】
実施例No.9
モールド離型用および保護用被膜組成物を以下のとおりとし、
【0168】
【表18】
【0169】
かつ、疎水性トップコートKP801を用いた以外は、実施例8を再度行った。
積層トップコート/AR膜/ハードコート/プライマーの全体を、被覆されたポリカーボネートモールドから完全に離型させ、耐擦傷性、反射防止性および耐衝撃性に極めて優れるレンズを得た。
【0170】
実施例No.10
モールド離型用および保護用被膜組成物を以下のとおりとし、
【0171】
【表19】
【0172】
かつ、疎水性トップコートKP801を用いた以外は、実施例8を再度行った。
積層トップコート/AR膜/ハードコート/プライマーの全体を、被覆されたポリカーボネートモールドから完全に離型させ、耐擦傷性、反射防止性および耐衝撃性に極めて優れるレンズを得た。
【0173】
実施例No.11
疎水性トップコートKP801を用い、かつ、モールドを、続いて設けられる膜の塗布の前に、後述する実験記録に従って下記離型用被膜組成物で被覆した以外は、実施例8を再度行った。
【0174】
【表20】
【0175】
ポリカーボネートモールドを石けんおよび水を用いて洗浄し、圧縮空気で乾燥させた。モールド表面をまずモールド膜組成物Aの中で60秒間浸せき塗布することにより処理し、ついで60℃の脱イオン水で洗浄した。その後、モールド膜組成物Bで浸せきにより被覆し、また60℃の脱イオン水で洗浄した。モールド膜組成物Bを従来のBLUE Mオーブンを用いて80℃で15分間硬化させた。
積層トップコート/AR膜/ハードコート/プライマーの全体を、被覆されたポリカーボネートモールドから完全に離型させ、耐擦傷性、反射防止性および耐衝撃性に極めて優れるレンズを得た。
【0176】
実施例No.12
モールドを、離型用被膜としてフルオロカーボンポリマーを用いて被覆した以外は、実施例8を再度行った。
ポリカーボネートモールドを温められた水性洗剤の中で超音波処理により洗浄し、ついで、従来公知の方法で洗浄し、乾燥させた。ついで、ポリカーボネートモールドを0.1−3時間の時間で、100℃まで加熱し、完全に材料を乾燥させた。
ついで、モールドを、標準真空能力が0.1Paよりよい真空チャンバに装着した。チャンバをポンプで高い真空レベルにした。モールドの表面にイオンで衝撃を与えた後、フルオロポリマーTeflonを、抵抗加熱または電子ビーム加熱を用いて、モールド表面の上に厚さが2.5から150nmとなるまで蒸着させた。
一方、フルオロポリマー層を、真空成膜の前に、Teflon AF、Teflon PTFE FEPまたはTeflon PTFE PFA等の可溶性フルオロポリマーの希釈溶液を用いて、スピン塗布または浸せき塗布により、モールド表面に塗布した。これらの被膜の厚さは、30から200nmであった。
フルオロポリマー層の成膜後、複数層からなる酸化物反射防止積層を、上記方法を用いて、成膜した(通常の順序とは逆の順序で)。
二つのレンズを作製した。一つは疎水性トップコートKP801Mを有しており、もう一つは疎水性トップコートKP801Mを有していなかった。
KP801M疎水性材料を用いた場合、それをフルオロポリマー層の上に、抵抗加熱を用いて蒸着させた。ついで、AR膜SiO2/ZrO2/SiO2/ZrO2が成膜された。
積層が完成した後においては、最後に真空成膜された層は、SiO2の薄層であり、シロキサン系耐衝撃膜に対するAR積層の接着性を向上させる。この層は光学活性を有しないが、耐衝撃膜に対する真空成膜されたAR積層の接着性を強化するためにのみ具備される。その後、実施例8に記載された方法に従って、他の層を成膜し、レンズを硬化させる。
積層AR膜/ハードコート/プライマーまたはトップコート/AR膜/ハードコート/プライマーの全体を、Telfon被覆されたポリカーボネートモールドから完全に離型させ、耐擦傷性、反射防止性および耐衝撃性に極めて優れるレンズを得た。
【0177】
実施例No.13
光学基体組成物No.2を光学基体組成物No.1の代わりに用い、ついで、それを以下のようにして硬化させた以外は、実施例3を再度行った。
モールドの部材に、空隙を形成させるように、テープを貼り、シリンジを用いて、光学基体組成物No.2を充填した。
ISTにより供給された鉄ドープ水銀UVバルブを用いて、15秒間予備硬化を行った。強度は25−30mW/cm2であった(420ナノメータでOM2放射計により測定された)。
IST製の二つの側部を有する硬化用オーブンで、2分間、175mW/cm2で硬化させた。
ついで、熱空気動圧オーブンの中で、80℃の温度で8分間、完全に硬化させた。
明確な界面を生成させてモールドを分解するのを容易にするために、組立体をプラスチックモールドでエッジ仕上げした。
完成した積層をレンズに転移させた。
【0178】
実施例No.14
光学基体組成物No.3を用いた以外は、実施例3を再度行った。
完成した積層をレンズに転移させた。
【0179】
実施例No.15
3重量%のIPP(ジイソプロピルペルオキシド)で触媒された、PPG社によりCR607の製品名で供給されているモノマーを用いるアリル処方を用い、かつ、35℃から85℃まで16時間で昇温させる熱サイクルを用いて硬化させた以外は、実施例14を再度行った。
積層を再度レンズに転移させた。
【0180】
実施例No.16
KSCN触媒1900ppmを有し、48gのキシリレンジイソシアネートと混合された52gの1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパンを含有する光学基体組成物を用いた以外は、実施例13を再度行った。
ゲルが室温で5分間で得られ、空気オーブン中で120℃で2時間完全に硬化させた。
転移が行われ、極めて優れた接着性が観察された。
実施例13から15のレンズの特性を下記第II表に示す。
【0181】
【表21】
【0182】
バイエル耐擦傷性を、ASTM F 735−81中のように、往復する研磨器による試験の前後において、被覆されたレンズおよび被覆されていないレンズのヘイズ百分率を測定することにより、決定した。研磨器は300回往復させ、New Bond Street;PO Box 15137 Worcester,MA 01615−00137のSpecially Ceramic Grains社(前Norton Materials社)により供給された、およそ500gの酸化アルミニウム(Al2O3)ZF 152412を用いた。ヘイズ率をPacific Scientific社のHazemeter model XL−211を用いて測定した。被覆されていないレンズのヘイズ率の割合(最後−最初)を膜の特性の基準とした。高い割合は高い耐擦傷性を意味する。
【0183】
スチールウール耐擦傷性を以下のようにして決定した。
【0184】
レンズを、被覆された表面が上になるように、両面テープで、直径1インチ(2.54cm)の回転軸の端部に装着した。ついで、スチールウール(000グレード)を、被覆された表面に対して、背圧5ポンド(2.267kg)の重量で、加圧した。ついで、レンズをスチールウールに対して200回往復させ(1インチ(2.54cm)幅で)、ヘイズ率を測定した。ヘイズ率をPacific Scientific社のHazemeter model XL−211で測定された、ヘイズ率の差(最後−最初)をウール耐擦傷性値として記載した。
【0185】
被膜を貫通するように、10本の線の組を1mm間隔でレーザにより切り、その後、第一の組と垂直になるように、10本の線の第二の組を1mm間隔で切り、格子パターンを形成させることにより、被膜接着性を測定した。気流で格子パターンを吹いて、切りつけたときに形成された屑を除去した後、透明なセロハンテープで格子パターンの上を被覆し、強く下に押し、その後、被膜から、被膜表面に対して垂直な方向に、素早く引き離した。その後、被覆および新しいテープによる除去を更に2回繰り返した。ついで、レンズを染色して接着した百分率を決定した。染色された領域は接着に失敗したことを意味する。
【0186】
接着した百分率が95%より大きい場合に、被膜が接着性試験に合格であるとした。
【0187】
実施例17および18
これらの実施例は、本発明の方法における有機反射防止膜の使用を説明する。
スピン塗布された、熱またはUV硬化性反射防止膜(AR)を熱プラスチックモールドの表面の上に成膜する。モールド組立体は、レンズを形成させるための凹凸モールドを具備している。連続的に各ARモールドの表面の上に、耐衝撃膜が塗布され、その結果、耐衝撃プライマー膜が成膜される。耐衝撃膜の処方は、UV硬化性膜またはラテックス熱硬化性膜とすることができる。
熱硬化性AR膜層は、IR硬化において金属錯体により触媒されることができ、ナノパーティクルコロイドを含有する。UV硬化性AR膜層は、アクリルもしくはエポキシまたは両者の混合物とすることができ、フリーラジカルもしくはカチオンまたは両者の組み合わせにより硬化可能であり、ナノパーティクルコロイドを含有する。
UV硬化性耐擦傷膜は、UV硬化性アクリル膜とすることができ、カチオンおよび/またはカチオンとフリーラジカルの組み合わせにより硬化可能であり、ナノパーティクルコロイドを含有する。熱硬化性耐擦傷膜は、赤外線硬化において金属錯体により触媒されることができる。この膜もまた、ナノパーティクルコロイドを含有する。
UV硬化性耐衝撃膜は、不飽和炭化水素のフリーラジカル硬化、オキシランのカチオン性硬化およびカチオンとフリーラジカル化学との組み合わせからなる。熱硬化性衝撃膜は、アクリルラテックスまたはウレタンラテックスとすることができ、対流加熱または赤外線源により硬化可能である。
カップリング剤は、被膜層と基体系との間の化学結合を強化するために用いられる。
化学および方法の概要を以下に示す。
AR膜は以下のとおりである。
【0188】
【表22】
【0189】
ついで、被膜をエチルアルコールで3.5%に希釈し、界面活性剤を添加する。
【0190】
【表23】
【0191】
ついで、界面活性剤を添加する。
日産化学工業社製のHIT 32Mは、TiO2/SnO2のコロイド複合体ゾルである。
【0192】
【表24】
【0193】
実施例No.17:(ハードコートNo.1、衝撃プライマー膜No.1b)
低屈折率層を、モールドの表面に、スピン塗布により、900rpmの塗布速度および2500rpm、10秒間のスピンオフで、成膜した。被膜を、Casso Lesco社製のIR硬化を用いて、385℃(725°F)に設定して、1分間硬化させた。高屈折率層を、冷却したモールドの上に、低屈折率層と同じ条件で成膜した。冷却後、再度、熱プラスチックモールドをハードコートNo.1で被覆した。ハードコートの塗布速度を400rpm、8秒間に設定し、スピンオフ速度を800rpm、10秒間に設定した。ハードコートをIRで30秒間、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、(725F)の設定で、硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却し、衝撃プライマー膜組成物No.6を上記と同じ速度および時間で塗布した。衝撃プライマー膜組成物を、Fusion system社製のH bulbを用いてベルト速度1.524m/分(5フィート毎分)で、UV光で硬化させた。
最終の膜硬化を、Lesco社製のIR硬化装置を用いて、725Fに設定して、30秒間行った。
被覆された熱プラスチックモールドを組み立て、UV硬化性アクリルレンズ材料(光学基体組成物No.1)を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
特性の結果は以下のとおりである。
【0194】
【表25】
【0195】
同じ基体の被覆されていないレンズの平均透過百分率は、91.4%である。
【0196】
実施例No.18:(熱硬化性、ウレタンラテックスW−234)
モールドを、実施例No.17と同様に、低屈折率および高屈折率のスピンAR層で被覆した。熱プラスチックモールドをハードコートNo.2で被覆した。ハードコートの塗布速度は、500rpm、8秒間、スピンオフ速度は、1200rpm、10秒間であった。ハードコートを加熱されたオーブン中で10秒間、80℃で予備硬化させた。被覆されたモールドを室温まで冷却した。衝撃プライマー膜No.2を400rpm、8秒間の塗布速度および1000rpm、10秒間のスピンオフで、塗布した。衝撃プライマー膜をハードコートと同じ速度およびタイミングで予備硬化させた。
最終の膜硬化を、加熱されたオーブン中で2時間、90℃で行った。
被覆されたプラスチックモールドを組み立て、UV硬化性アクリルレンズ材料(光学基体組成物No.1)を充填し、20分以内に重合させた。プラスチックモールドの分解により、すべての膜が完成したレンズに転移した。
特性の結果は以下のとおりである。
【0197】
【表26】
【0198】
光透過性試験
透過性をBYK GARDNER社製のHaze−guard plusヘイズメータ、カタログNo.4725を用いて測定した。
【0199】
耐衝撃性試験
衝撃エネルギーを特有の系を用いて測定した。FDAボール落下試験の規定を用いて、ボールの重量を増加させていき、レンズの破壊またはボールが衝突した場所における、一般的には星の形状を有する、視覚によるひびが生じさせることにより、測定することができる。ついで、相当するエネルギーが測定される。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】図1A〜図1Cは、本発明の方法の一実施態様の主な工程を示す模式図である。
【図2】図2A〜図2Cは、本発明の方法の他の一実施態様の主な工程を示す模式図である。
Claims (22)
- 被覆された光学物品を形成させる方法であって、
(a)形成用空隙を規定する対向した光学表面を有する二つの部材からなるモールドを設ける工程と、
(b)前記モールドの光学表面の少なくとも一つの上に、反射防止膜と、耐擦傷膜と、耐衝撃プライマー膜とを連続的に形成させる工程と、
(c)前記形成用空隙に光学基体用液状硬化性組成物を充填する工程と、
(d)前記液状硬化性組成物を硬化させる工程と、
(e)二つの部材からなるモールドを分解し、少なくとも一つの表面に、耐衝撃プライマー膜と、耐擦傷膜と、反射防止膜とを成膜され、かつ、接着された光学基体を有する被覆された光学物品を再生する工程と
を具備する方法。 - 前記二つの部材からなるモールドがプラスチック材料製である、請求項1に記載の方法。
- 前記二つの部材からなるモールドが、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレートとポリカーボネートとの共重合体、結晶性ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレートおよびポリノルボルネンからなる群から選ばれるプラスチック材料製である、請求項2に記載の方法。
- 前記プラスチック材料がポリカーボネートである、請求項2に記載の方法。
- 前記プラスチック材料が更に離型剤を含有する、請求項2に記載の方法。
- 前記離型剤が、トリメチルクロロシラン、クロロメチルトリメチルシラン、クロロプロピルトリメチルシラン、クロロメチルドデシルジメチルシラン、塩素末端ポリジメチルシロキサン、(3,3−ジメチルブチル)ジメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、オクタメチルシクロテトラシロザン、アミノプロピルジメチル末端ポリジメチルシロキサン、3−トリメトキシシリルプロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチルエトキシシランおよびオクタデシルトリメトキシシランからなる群から選ばれる、請求項5に記載の方法。
- 更に、前記工程(b)の前に、前記モールドの前記光学表面の上に、保護用および/または離型用被膜を形成させる工程を具備する、請求項2に記載の方法。
- 前記保護用および/または離型用被膜が、
−UV硬化アクリル層;
−アミン含有ポリシロキサン層;
−フルオロカーボンポリマー層;
−真空成膜されたフッ化マグネシウム層
から選ばれる、請求項7に記載の方法。 - 前記反射防止膜が、高屈折率および低屈折率の交互の誘電材料層の積層を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記誘電材料層の積層が、SiO2/ZrO2/SiO2/ZrO2の4層の積層である、請求項9に記載の方法。
- 更に、前記耐擦傷膜との接着を促進させるために、前記反射防止膜の上に、追加SiO2層を形成させる工程を具備する、請求項9に記載の方法。
- 更に、前記耐擦傷膜との接着を促進させるために、前記反射防止膜の上に、追加SiO2層を形成させる工程を具備する、請求項10に記載の方法。
- 前記耐擦傷膜が、エポキシアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシランおよびコロイダルシリカまたはそれらの加水分解物を主成分として含有する組成物を硬化させることにより形成される、請求項1に記載の方法。
- 前記耐擦傷膜組成物が、更に、エポキシアルコキシシランおよび不飽和アルコキシシランの予備的濃縮溶液であるカップリング剤の有効量を含有する、請求項13に記載の方法。
- 前記エポキシアルコキシシランが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサン、γ−グリジコキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、γ−グリシドプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジイソプロピルエトキシシランおよび(γ−グリシドキシプロピル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
- 前記不飽和アルコキシシランが、トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリス−t−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルビス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、アルキルトリエトキシシラン、アルキルトリエトキシシランおよびアリルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリス(トリメチシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルエチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、n−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(ビニルジメチキシル−シロキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメトルシロキシ)−シラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルペンタメチルジ−シロキサン、3−メタクリロキシプロピルメチル−ジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリル−プロペニルトリメトキシシランならびに3−メタクリロキシプロピルビス(トリメチル−シロキシ)メチルシランからなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
- 前記耐衝撃プライマー膜が、ポリ(メタ)アクリル系組成物またはポリウレタン系組成物を硬化させることにより形成される、請求項1に記載の方法。
- 前記組成物がラテックスである、請求項17に記載の方法。
- 前記耐衝撃プライマー膜組成物が、エポキシアルコキシシランおよび不飽和アルコキシシランの予備的濃縮溶液であるカップリング剤の有効量を含有する、請求項17に記載の方法。
- 前記エポキシアルコキシシランが、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルペンタメチルジシロキサン、γ−グリジコキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジイソプロピルエトキシシランおよび(γ−グリシドキシプロピル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの群から選ばれる、請求項19に記載の方法。
- 前記不飽和アルコキシシランが、トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリスイソブトキシシラン、ビニルトリス−t−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルビス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アルキルトリエトキシシランおよびアリルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリス(トリメチシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルエチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、n−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、3−メタクリロキシトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロペニルトリメトキシシランならびに3−メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランからなる群から選ばれる、請求項19に記載の方法。
- 前記光学基体が、
−ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)系組成物;
−(メタ)アクリルモノマー系組成物;
−チオ(メタ)アクリルモノマー系組成物;
−ポリチオウレタン前駆体モノマー系組成物;または
−エポキシおよび/またはエピスルフィドモノマー系組成物
の重合に由来する基体である、請求項1に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US29442601P | 2001-05-29 | 2001-05-29 | |
PCT/EP2002/005795 WO2002096628A2 (en) | 2001-05-29 | 2002-05-27 | Method for forming on-site a coated optical article |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004526606A true JP2004526606A (ja) | 2004-09-02 |
JP2004526606A5 JP2004526606A5 (ja) | 2007-03-01 |
JP4551620B2 JP4551620B2 (ja) | 2010-09-29 |
Family
ID=23133372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002593127A Expired - Fee Related JP4551620B2 (ja) | 2001-05-29 | 2002-05-27 | 現場で被覆された光学物品を形成させる方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6890458B2 (ja) |
EP (1) | EP1395417B1 (ja) |
JP (1) | JP4551620B2 (ja) |
AT (1) | ATE334809T1 (ja) |
AU (1) | AU2002312945A1 (ja) |
DE (1) | DE60213593T2 (ja) |
WO (1) | WO2002096628A2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005266782A (ja) * | 2004-02-16 | 2005-09-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 反射防止フィルム、それを用いた偏光板、並びにそれらを用いた画像表示装置、反射防止フィルムの製造方法 |
US7695781B2 (en) | 2004-02-16 | 2010-04-13 | Fujifilm Corporation | Antireflective film, polarizing plate including the same, image display unit including the same and method for producing antireflective film |
JP2011522941A (ja) * | 2008-06-13 | 2011-08-04 | エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック | 後続の塗膜および該当する塗工済み基材に対し良好な接着特性を持つ光硬化性アクリル樹脂塗膜組成物 |
Families Citing this family (31)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7108958B2 (en) * | 2002-07-31 | 2006-09-19 | Brewer Science Inc. | Photosensitive bottom anti-reflective coatings |
KR101189397B1 (ko) * | 2003-10-15 | 2012-10-11 | 브레우어 사이언스 인코포레이션 | 비아-퍼스트 듀얼 다마신 적용예에서 사용되는 현상제에 용해성인 물질 및 상기 물질 사용 방법 |
US20070207406A1 (en) * | 2004-04-29 | 2007-09-06 | Guerrero Douglas J | Anti-reflective coatings using vinyl ether crosslinkers |
US20050255410A1 (en) | 2004-04-29 | 2005-11-17 | Guerrero Douglas J | Anti-reflective coatings using vinyl ether crosslinkers |
US20070045777A1 (en) * | 2004-07-08 | 2007-03-01 | Jennifer Gillies | Micronized semiconductor nanocrystal complexes and methods of making and using same |
US7939131B2 (en) * | 2004-08-16 | 2011-05-10 | Molecular Imprints, Inc. | Method to provide a layer with uniform etch characteristics |
WO2006023297A1 (en) * | 2004-08-16 | 2006-03-02 | Molecular Imprints, Inc. | Method and composition to provide a layer with uniform etch characteristics |
US8899547B2 (en) | 2004-11-18 | 2014-12-02 | Qspex Technologies, Inc. | Molds and method of using the same for optical lenses |
US20060103037A1 (en) * | 2004-11-18 | 2006-05-18 | Kai Su | Disposable molds and method of using the same |
US20060103041A1 (en) * | 2004-11-18 | 2006-05-18 | Kai Su | Molds and method of using the same for forming plus or minus lenses |
AU2006326863A1 (en) | 2005-12-21 | 2007-06-28 | Carl Zeiss Vision Australia Holdings Limited | Primer layer coating compositions |
US9185810B2 (en) * | 2006-06-06 | 2015-11-10 | Second Sight Medical Products, Inc. | Molded polymer comprising silicone and at least one metal trace and a process of manufacturing the same |
US7914974B2 (en) | 2006-08-18 | 2011-03-29 | Brewer Science Inc. | Anti-reflective imaging layer for multiple patterning process |
US8741158B2 (en) | 2010-10-08 | 2014-06-03 | Ut-Battelle, Llc | Superhydrophobic transparent glass (STG) thin film articles |
KR101647158B1 (ko) | 2008-01-29 | 2016-08-09 | 브레우어 사이언스 인코포레이션 | 다중 다크 필드 노출에 의한, 하드마스크 패턴화를 위한 온-트랙 공정 |
US9640396B2 (en) | 2009-01-07 | 2017-05-02 | Brewer Science Inc. | Spin-on spacer materials for double- and triple-patterning lithography |
US8222360B2 (en) | 2009-02-13 | 2012-07-17 | Visiogen, Inc. | Copolymers for intraocular lens systems |
KR20130061683A (ko) | 2010-04-29 | 2013-06-11 | 바텔리 메모리얼 인스티튜트 | 고 굴절률 조성물 |
US11292919B2 (en) * | 2010-10-08 | 2022-04-05 | Ut-Battelle, Llc | Anti-fingerprint coatings |
US9335443B2 (en) | 2011-04-15 | 2016-05-10 | Qspex Technologies, Inc. | Anti-reflective lenses and methods for manufacturing the same |
US9042019B2 (en) | 2011-04-15 | 2015-05-26 | Qspex Technologies, Inc. | Anti-reflective lenses and methods for manufacturing the same |
WO2012170008A1 (en) * | 2011-06-06 | 2012-12-13 | Abb Research Ltd. | Method of producing shaped articles from a uv-curable silicone rubber composition |
GB201112447D0 (en) * | 2011-07-20 | 2011-08-31 | Surface Innovations Ltd | Method |
SG11201403932TA (en) * | 2012-01-17 | 2014-08-28 | Hpo Assets Llc | Flexible film with surface relief and use thereof in electro-active optical systems |
JP5987117B2 (ja) * | 2012-10-10 | 2016-09-07 | キュースペックス テクノロジーズ インコーポレイテッドQspex Technologies,Inc. | 反射防止レンズおよびその製造方法 |
US20150239773A1 (en) | 2014-02-21 | 2015-08-27 | Ut-Battelle, Llc | Transparent omniphobic thin film articles |
EP3311994B1 (de) | 2016-10-21 | 2020-01-08 | Carl Zeiss Vision International GmbH | 3d-druckverfahren zur herstellung eines brillenglases |
EP3441798A1 (en) | 2017-08-09 | 2019-02-13 | Essilor International | Optical article comprising a substrate with embedded particles for light transmission enhancement |
KR102502637B1 (ko) * | 2018-05-14 | 2023-02-22 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 에피설파이드계 광학재료용 모노머의 몰드 자동 주입방법 |
CN115999872A (zh) * | 2019-12-27 | 2023-04-25 | 厦门谨德光电科技有限公司 | 一种uv固化加硬眼镜片的制备方法及其制备装置 |
DE102022121363A1 (de) | 2022-08-24 | 2024-02-29 | HELLA GmbH & Co. KGaA | Beschichtungsstruktur zur Beschichtung eines Reflektors für den Einsatz in einem Scheinwerfer eines Kraftfahrzeugs |
Family Cites Families (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5226237A (en) * | 1975-08-25 | 1977-02-26 | Ulvac Corp | Process for treating the surface of a lens made of synthesized plastics |
JPS53111336A (en) * | 1977-03-11 | 1978-09-28 | Toray Ind Inc | Coating composition |
CA1199762A (en) | 1982-09-07 | 1986-01-28 | Timothy C. Sandvig | Method for coating ophthalmic devices |
JPS5978301A (ja) * | 1982-10-28 | 1984-05-07 | Seiko Epson Corp | 合成樹脂製レンズ |
JPH0642002B2 (ja) * | 1983-07-29 | 1994-06-01 | セイコーエプソン株式会社 | プラスチックレンズ |
JPH0762722B2 (ja) | 1986-09-30 | 1995-07-05 | ホ−ヤ株式会社 | プラスチックレンズ |
JPH0679084B2 (ja) | 1986-12-04 | 1994-10-05 | ホーヤ株式会社 | プラスチックレンズ |
US5096626A (en) * | 1988-06-10 | 1992-03-17 | Asahi Kogaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Process of molding a coated plastic lens |
JP3196780B2 (ja) | 1989-06-20 | 2001-08-06 | 日本板硝子株式会社 | プラスチックレンズの製造法 |
US5267340A (en) * | 1989-08-08 | 1993-11-30 | E-Tek Dynamics, Inc. | Fiber optic coupler and method of making same |
US5160668A (en) * | 1989-12-05 | 1992-11-03 | Optical Coating Laboratory, Inc. | Method for forming optical elements having an optical coating by replication of a mold |
US5385955A (en) | 1992-11-05 | 1995-01-31 | Essilor Of America, Inc. | Organosilane coating composition for ophthalmic lens |
US5316791A (en) * | 1993-01-21 | 1994-05-31 | Sdc Coatings Inc. | Process for improving impact resistance of coated plastic substrates |
FR2727895A1 (fr) * | 1994-12-12 | 1996-06-14 | Essilor Int | Procede pour la realisation d'une lentille optique en matiere synthetique polymerisable et appareillage correspondant |
FR2727894A1 (fr) * | 1994-12-12 | 1996-06-14 | Essilor Int | Procede pour le remplissage d'un moule destine a l'obtention d'une lentille optique |
US5733483A (en) * | 1995-01-13 | 1998-03-31 | Soane Technologies, Inc. | Method for formation of on-site coated and tinted optical elements |
AUPQ326399A0 (en) | 1999-09-21 | 1999-10-28 | Sola International Holdings Ltd | Method of coating an optical element |
US6572794B1 (en) * | 2000-07-24 | 2003-06-03 | Essilor International Compagnie Generale D'optique | Method of manufacturing a photochromic molded article |
-
2002
- 2002-05-27 WO PCT/EP2002/005795 patent/WO2002096628A2/en active IP Right Grant
- 2002-05-27 EP EP02738113A patent/EP1395417B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2002-05-27 DE DE60213593T patent/DE60213593T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2002-05-27 AT AT02738113T patent/ATE334809T1/de not_active IP Right Cessation
- 2002-05-27 AU AU2002312945A patent/AU2002312945A1/en not_active Abandoned
- 2002-05-27 JP JP2002593127A patent/JP4551620B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2002-05-29 US US10/157,292 patent/US6890458B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005266782A (ja) * | 2004-02-16 | 2005-09-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 反射防止フィルム、それを用いた偏光板、並びにそれらを用いた画像表示装置、反射防止フィルムの製造方法 |
US7695781B2 (en) | 2004-02-16 | 2010-04-13 | Fujifilm Corporation | Antireflective film, polarizing plate including the same, image display unit including the same and method for producing antireflective film |
JP4580774B2 (ja) * | 2004-02-16 | 2010-11-17 | 富士フイルム株式会社 | 反射防止フィルム、それを用いた偏光板、並びにそれらを用いた表示装置 |
JP2011522941A (ja) * | 2008-06-13 | 2011-08-04 | エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック | 後続の塗膜および該当する塗工済み基材に対し良好な接着特性を持つ光硬化性アクリル樹脂塗膜組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1395417B1 (en) | 2006-08-02 |
WO2002096628A3 (en) | 2003-02-27 |
AU2002312945A1 (en) | 2002-12-09 |
DE60213593D1 (de) | 2006-09-14 |
DE60213593T2 (de) | 2007-08-02 |
ATE334809T1 (de) | 2006-08-15 |
US20030122269A1 (en) | 2003-07-03 |
US6890458B2 (en) | 2005-05-10 |
WO2002096628A2 (en) | 2002-12-05 |
EP1395417A2 (en) | 2004-03-10 |
JP4551620B2 (ja) | 2010-09-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4551620B2 (ja) | 現場で被覆された光学物品を形成させる方法 | |
JP4286241B2 (ja) | 成形型およびその製造方法 | |
US6986857B2 (en) | Method for preparing a mold part useful for transferring a coating onto an optical substrate | |
AU2002314113A1 (en) | Method for transferring from a mold a hydrophobic top coat onto an optical substrate | |
JP5014392B2 (ja) | 四分の一波長板を有する光学製品およびその製造方法 | |
CN103597377B (zh) | 用于获得具有超级耐磨损特性的光学物品的方法,以及根据这样的方法制备的涂覆物品 | |
KR101410433B1 (ko) | 저 굴절률 층과 고 굴절률 층의 두께 비율을 최적화시킨, 내열성의 반사 방지 코팅을 갖는 광학 물품 | |
EP1853652B1 (en) | Process for applying a coating onto a surface of a lens substrate | |
KR101234691B1 (ko) | 코팅된 광학렌즈의 초기 최외각 코팅층을 교체하거나 그위에 다른 코팅층을 침적시키는 방법 | |
JP5399390B2 (ja) | レンズ基材上に被覆済みまたは未被覆の膜を設ける方法 | |
JP2004526606A5 (ja) | ||
EP2046565A1 (en) | Process and carrier for transferring a coating stack onto an optical article | |
CN1214906C (zh) | 涂敷的光学元件的形成方法 | |
CN104903010A (zh) | 使用真空空气等离子体处理用顶涂层涂覆光学物品的方法 | |
US20090071591A1 (en) | Process for Applying a Coating Film onto a Surface of a Lens Substrate | |
EP1588829B1 (en) | Method for preparing a mold part useful for transfering a coating onto an optical substrate | |
AU2005203622B2 (en) | Method for transferring from a mold a hydrophobic top coat on an optical substrate | |
JP2007248998A (ja) | 光学製品の製造方法および光学製品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040702 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061002 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061010 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061227 |
|
A524 | Written submission of copy of amendment under article 19 pct |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524 Effective date: 20061227 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070320 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070712 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070831 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20071019 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20090128 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20090202 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100524 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100712 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4551620 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |