JP2004525430A - 電子透かしの生成及び検出 - Google Patents
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Abstract
電子透かしが埋め込んだ信号に対して標本化レート変換処理(102)がされても、当該信号から電子透かしを信頼性よく検出できる方法を提供する。埋め込み手段(101)及び検出手段(103)に用いられたフレーム長は、それぞれの標本化レートとフレーム長の比が一定になるように適合される。これらのフレーム長が一組の標本化レートの最大公約数から求められる。この一組の標本化レートにより、上記一組の標本化レートにおける異なる標本化レート間の変換に対するロバスト性の高い電子透かしが生成される。
Description
【0001】
[発明の分野]
本発明は、信号に電子透かしを埋め込み、そして、信号に埋め込まれた電子透かしを検出する方法及び装置に関する。
【0002】
[発明の背景]
近年、ディジタル・マルチメデイア・データが広く使用されつつあり、これに伴い、ディジタル・マルチメデイア・データについて、不正複製の防止、著作権の保護、並びに所有者の個人認証に対する要求が高まってきた。
【0003】
ディジタル電子透かし技術は新しい技術であり、様々な目的に用いることができる。例えば、著作権所有者の証明、不正複製の追跡、複製装置の制限、放送の監視、信頼性検証、及びマルチメデイア信号に補助情報を追加することなどができる。
【0004】
電子透かしは、信号サンプルに僅かな変更を加えることで、信号に埋め込んだラベルである。電子透かしの埋め込みに関しては、電子透かしを感知できないように信号に組み込むことが望ましい、即ち、電子透かしは、信号の質に対して感知できるほどの影響を与えないように設計され、信号に埋め込まれる。一方、多くの応用において、電子透かしが頑丈でなければならない、即ち、適切な信号処理の後であっても、電子透かしが信頼性よく検出できなければならない。
【0005】
静止画像とビデオについて、多くの電子透かしのスキームが公表されているものの、音声信号の電子透かしに関する文献は比較的に少ない。公表された技術の殆どがエコー・ハイディング(echo-hiding)と雑音付加(noise addition)の方法を用いており、人間の聴覚システムの時間的又はスペクトル的なマスキング効果を利用している。
【0006】
例えば、次のように電子透かしを信号に埋め込むことができる。即ち、矩形窓関数を用いて、対象となる信号を複数のフレームに分割し、次に、各フレームをフーリエ変換して、得られた各フレームのフーリエ成分(フーリエ係数)を僅かながら変更し、該変更された係数に対して逆フーリエ変換を行い、そして、時間ドメインにおける電子透かしを埋め込んだ信号(電子透かし信号)が得られる。最後に、得られた電子透かし信号をスケーリングし、対象となる元の信号に重畳する。
【0007】
しかし、上記した及び他の電子透かしのスキームにおいて、電子透かしの検出が、電子透かし埋め込みの際の信号の標本化レートと電子透かし検出の際の標本化レートの差異に影響されやすい。ディジタル・音声信号の場合は、例えば、CDプレイヤ、音声に関する応用には、通常かなり多くの標本化レートが使用されており、そのため、電子透かしの埋め込まれた信号に対して、信号の標本化レートを変換する処理が行われることが有る。しかし、電子透かしの検出を電子透かしの埋め込みと異なる標本化レートで行うと、電子透かしの検出ができなくなる恐れがある。
【0008】
電子透かしを検出する際に、標本化レートを電子すかし埋め込みの際の標本化レートに逆変換し、標本化レート変換処理による影響を補償する検出方法が知られている。
【0009】
この従来の方法において、高品質の標本化レート変換は複雑であり、相当な計算が必要であり、製品コストの上昇を生じる不利点がある。一方、低い品質の標本化レート変換は、電子透かしの検出信頼性を低下させる恐れがある。従って、標本化レートの逆変換は、電子透かしの検出処理において望ましくない処理である。
【0010】
[発明の目的]
本発明の目的は、以上及び他の従来技術の問題点を解決し、標本化レート変換が行われても、電子透かしを信頼性よく検出できる電子透かしスキームを提供する。
【0011】
[発明の概要]
本発明の電子透かし埋め込み及び検出方法は、第1の標本化レートで標本化された情報信号に電子透かしを埋め込み、少なくとも第2の標本化レートで当該電子透かしを検出する方法であって、スケーリング因子の整数倍に対応する1組の周波数における前記電子透かしを示す所定値を有する周波数スペクトルに対応する前記電子透かしの表示を生成する工程と、前記電子透かしの前記表示を前記情報信号に埋め込む工程とを備え、前記スケーリング因子は、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算して導出される。
【0012】
以上の本発明の電子透かし埋め込み及び検出方法により、所定の一組の標本化レートにおける異なる標本化レートの間の標本化レート変換が行われても、電子透かしを信頼性よく検出できる電子透かしスキームを提供することができる。
【0013】
上記の本発明の方法は、標本化された情報信号のフーリエ係数に対応する周波数は、フーリエ変換に用いられたフレーム長で除算された標本化レートの倍数であることを利用している。
【0014】
上記の本発明の方法によれば、周波数ドメインにおける電子透かしは、実質的に定数である所定のスケーリング因子の倍数に対応する周波数に指定される。そのため、電子透かし検出手段は、標本化レートおよびスケーリング因子に基づいて、適切なフレーム長を選択することにより、これらの周波数を再現することができる。
【0015】
上記のスケーリング因子は、1組の標本化レートの公約数を所定の整数因子で除算した結果になるので、選択された1組の標本化レートのすべての標本化レートについて、計算で得られたフレーム長は整数であることを確保できる。
【0016】
従って、上記した本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、上記の一組の標本化レートにおける任意の一つの標本化レートを用いて、上記の一組の標本化レートにおける任意の一つの標本化レートで動作する電子透かし埋め込み手段が電子透かしを情報信号に埋め込んだ時の周波数と同じ周波数の電子透かしのサンプルを周波数ドメインにおいて取り出すことができる。
【0017】
上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法は、上述した従来の電子透かしの検出方法と異なり、電子透かしを埋め込んだ時の標本化レートを知る必要がなく、電子透かしスキームの柔軟性を向上する効果がある。
【0018】
上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、信号処理操作に対してロバスト性の高い電子透かしを生成することができる。即ち、当該情報信号について、信号処理操作が行われた後であっても、当該情報信号から電子透かしを信頼性よく検出することができる。音声信号の場合は、例えば、圧縮、トリミング、D/A又はA/D変換、均等化、時間スケーリング、グループ遅延歪み、フィルタリング、又は、サンプルの除去と挿入などの信号処理操作がある。
【0019】
また、標本化レートの差異を補償するために電子透かしを検出する前に情報信号をスケーリングする方法も知られているが、この方法により電子透かしの検出信頼性が低下する問題点があった。上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、この問題点を克服することができる。
【0020】
好適に、本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法は、前記第1の標本化レートを前記スケーリング因子で除算して、第1のフレーム長を求める工程と、前記情報信号を、前記の求められた第1のフレーム長に関連する各々のフレーム長を有する一系列の信号フレームに分割する工程と、前記信号フレームの系列における少なくとも一つの信号フレームに電子透かしを埋め込み、一系列の改変された信号フレームを得る工程とをさらに備える。
【0021】
上記の発明によれば、一つの信号フレームは、隣り合う信号フレームと重なり合うことができる。さらに、信号フレーム系列における各信号フレームの長さを同一に、好適に、求められた第1のフレーム長と実質に一致することができる。或は、信号フレーム系列において、異なるフレーム長を用いることができ、たとえば、求められた第1のフレーム長の異なる倍数となるものを用いることができる。
【0022】
さらに、好適に、本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法は、前記一系列の信号フレームを一系列の係数に変換する工程と、前記一系列の係数を前記電子透かしの関数に改変する工程と、前記一系列の改変された係数を逆変換し、前記改変された信号フレームを得る工程とをさらに備える。
【0023】
好ましくは、前記信号フレームを変換する工程は、フーリエ変換の演算を含む。同様に、前記改変された係数を逆変換する工程は、逆フーリエ変換の演算を含むことが好ましい。また、フーリエ変換の代わりにほかの変換、例えば、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transformation)、又は、ウエーブレット変換(wavelet transform)を用いても良い。
【0024】
さらに、好ましくは、前記信号フレームを変換する工程は、混合基底高速フーリエ変換アルゴリズム(Mixed-Radix Fast Fourier Transformation)を適用する工程を含む。
上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、2のべき乗でないフレーム長の場合であっても、効率的に電子透かしを埋め込む方法を提供できる。
【0025】
本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法の他の好ましい特徴は従属クレームにより開示されている。
【0026】
本発明はさらに電子透かしを検出する方法、電子透かしを埋め込み及び検出する装置、電子透かしが埋め込まれた信号、前記信号を記録した記録媒体、及び、電子透かしを検出する装置を備えたマルチメティア・コンテンツを処理する処理装置を提供する。本発明のこれらの観点は、本発明の独立請求項により開示されている。本発明のこれらの観点の特徴と効果は、前述した本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法と同様であるので、以降には、重複する説明を省略する。
【0027】
[好ましい実施例の詳細な説明]
次に、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子透かし埋め込み及び検出システムを概略的に示すブロック図である。
【0029】
図1に示す電子透かし埋め込み及び検出システムは、例えば、ディジタル音声信号からなる信号X(n)に、サンプリング・レートfs1で電子透かしを埋め込むための埋め込み手段101(EMB:embedder)を備えている。埋め込み手段101に続き、電子透かしが埋め込まれた信号Y(n)は、サンプリング・レート変換手段102において、信号Y(n)のサンプリング・レートをfs1からfs2に変換される。サンプリング・レート変換処理の一例としては、例えば、D/A(ディジタル・アナログ)変換に続き、異なるサンプリング・レートでA/D(アナログ・ディジタル)変換を行う処理がある。このように得られた信号y’(n)は電子透かし検出手段103によって解析される。
【0030】
埋め込み手段101は所定の電子透かし埋め込み方法に従って動作し、その埋め込み方法を実行する。この埋め込み方法において、電子透かしは、周波数ドメインにおけるN1個の係数w(k)(k=1、...、N1)からなる係数列で表されている。たとえば、これらの係数は、平均値がゼロ、平方偏差が1となる一列の擬似乱数からなる。
【0031】
後ほど図2を参照して詳細に説明されるように、埋め込み手段101によって実行される電子透かし埋め込み方法において、音声信号を長さがN1となる複数のフレームに分割し(セグメント化)、それらのフレームについてフーリエ変換を行い、そして、得られたN1個のフーリエ係数を電子透かし係数w(k)と乗算をするなどの処理を行う。
【0032】
検出手段103は所定の電子透かし検出方法に従って動作し、その検出方法を実行する。この検出方法において、電子透かし係数w(k)と信号y’(n)の長さがN2となるフーリエ表示との相関を演算する処理を行う。後ほど図4を参照して本発明の一実施形態に係る電子透かしを検出する装置を説明する。
【0033】
本発明により、サンプリングされた信号x(n)(n=1、...、N)の各々のフーリエ係数は周波数と関連しており、これによって、第k番目の係数と関連する周波数FkはFk=k・fs/Nになる。ここで、fsは信号x(n)のサンプリング・レートであり、Nはサンプリング間隔の長さである。上述した例において、Nは、埋め込み手段101においてセグメント化された信号のフレーム長N1、又は検出手段103においてセグメント化された信号のフレーム長N2にそれぞれ対応する。従って、周波数Fkはスケーリング・ファクタ△=fs/Nの倍数となり、比例係数はインデックスkである。このスケーリング・ファクタ△は、サンプリングされた信号のグリッド・サイズに相当する。
【0034】
検出手段103は周波数ドメインにおいて信号y’(n)と電子透かしとを相関させるので、電子透かしの埋め込み及び検出のいずれものアルゴリズムにおいて、同じ周波数で電子透かしサンプルを埋め込み及び取り出すことが望ましい。埋め込み周波数と検出周波数との小さな偏差は許容できるものの、埋め込み及び検出に係る周波数の不整合は検出性能を低下させることがある。周波数はグリッド・サイズ△に依存するので、埋め込み及び検出のいずれもにおいて、整合したグリッド・サイズを使用しなければならない。
【0035】
サンプリング・レート変換手段102はサンプリング・レートを変換する。例えば、サンプリング・レートがfs1=44100Hzである音声信号は、フレーム長が2048サンプルとなる電子透かし埋め込み手段101に入力される場合、各フーリエ係数に対応する周波数はグリッド・サイズ△1≒21.5Hzの倍数である。続いて、この信号について、サンプリング・レート変換処理が行われ、サンプリング・レートがfs2=48000Hzの信号に変換され、さらに、電子透かしの検出において、同じように2048サンプルとなるフレーム長を用いる場合は、フーリエ係数に対応する周波数はグリッド・サイズ△2≒23.4Hzの倍数となる。その結果、検出において、埋め込みの際の周波数と異なる周波数を使用することとなり、そのため、電子透かしを検出することができない。
【0036】
引き続き図1を参照して、本発明によれば、埋め込み手段101において使用されるフレーム長N1がN1=m・fs1/gcd(fs1、fs2)とする。ここで、mが整数であり、gcd(fs1、fs2)は埋め込み及び検出におけるサンプリング・レートfs1、fs2の最大公約数である。
【0037】
電子透かし検出手段103において使用されるフレーム長N2がN2=m・fs2/gcd(fs1、fs2)とする。従って、埋め込み手段101と検出手段103は、同じグリッド・サイズ△=fs1/N1=fs2/N2=gcd(fs1、fs2)/mを用いることになる。以上の例において、fs1=44100Hz、fs2=48000Hz、fs1とfs2の最大公約数gcd(fs1、fs2)=300、従って、N1=147m、N2=160mとなる。表1は、異なるmの値に対応して、以上のように求められたフレーム長の結果を示す。
【0038】
【表1】
このように、整合したグリッド・サイズの制約があっても、使用可能なフレーム長が複数存在し、mの値によって選択できる。大きなmが大きいフレームサイズに対応し、大きなmを用いると、大きい電子透かしペイロード(payload)が可能となる。一方、フレームサイズが小さい場合は、埋め込みと検出アルゴリズムは複雑さがより低く、信号の歪みがより小さく、埋め込み手段101と検出手段103により生じた遅延がより小さくなる。
【0039】
なお、上述した例において、電子透かし係数w(k)の個数は、埋め込み手段101におけるフレーム長N1と同じであるとされている。その代わりに、埋め込み手段101と検出手段103に記録されている電子透かしは、Nw個の電子透かし係数w(k)よりなるとすることも可能である。ここで、NwはN1、又はN2と異なっても良い。この場合は、N1とNwの内の小さい方の個数の低周波数係数をw(k)から選択し、埋め込み手段101によって埋め込むことができる。検出手段側には、N1、N2、とNwの内の小さい方の個数の低周波数係数は相関の計算に寄与する。N1とN2の可能な値について与えられた範囲において、Nwを計算の複雑さと検出信頼度を考慮して選択することができる。
【0040】
図1に示された例において、電子透かしスキームは2つのサンプリング・レートについて互換性を保つように構築されている。電子透かしスキームに一組のサンプリング・レートfs1、...、fsnについて互換性を持たせる場合は、例えば、これらのサンプリング・レートに対応するフレーム長Niは、
Ni=m・fsi/gcd(fs1、...、fsn)とする(i=1、...、n)。
ここで、gcd(fs1、...、fsn)は、fs1、...、fsnの最大公約数である。表2において、左欄には、ディジタル音声録音、処理或いは再生の時に通常使用されているサンプリング・レートがリストされている。
【0041】
【表2】
なお、表2に示されたリストには、CDのサンプリング・レートである44100Hzと48000Hzの倍数又は分数となる周波数、或は、8000Hzの倍数となる周波数が含まれている。これらの周波数の最大公約数は25であり、対応する相対フレーム長Nが表2の中央欄にリストされている。これら相対フレーム長Nが共通因子mの倍数としてリストされており、異なる絶対フレーム長は、異なる値のmを選択することによって得られる。これによって、これらの相対フレーム長Nを使用するシステムにおいて、対応する一組の周波数における異なる周波数の間のサンプリング・レート変換に対して、ロバスト性の高い電子透かしが得られる。即ち、電子透かしが埋め込まれた信号について、サンプリング・レート変換処理が行われた後であっても、電子透かしを信頼性良く検出することができる。
【0042】
表2の右欄において、フレーム長Nの因子分解結果がリストされている。なお、フレーム長が小さい因子(表2において、2、3、5、7である)に分解されているので、効率的な混合基底高速フーリエ変換(TFT:mixed radix Fast Fourier Transform)スキームを用いてセグメント化された信号x(n)のフーリエ変換の計算を行うことができる。
【0043】
また、他の例として、表2にリストされた32000Hz以下の周波数を使用しない電子透かしの応用について、残りの周波数の最大公約数は100となる。表3はこの場合の結果を示す。
【0044】
【表3】
なお、本発明の範囲内であれば、他の埋め込み方法を用いても良い。後程図3を参照して説明する本発明に係る電子透かし検出方法の一例において、音声信号と、長さがN1であり、フーリエ係数w(k)(k=1、...、N1)により表わされ、限定的にサポートされる電子透かし信号との畳み込みの計算は行われる。この例には、音声信号のセグメント化処理が行われないものの、固有の信号長N1が用いられている。
【0045】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電子透かし埋め込み装置を概略的に示すブロック図である。
【0046】
図2に示す電子透かし埋め込み装置は、入力された信号x(n)を、長さがNとなるフレームに分割する分割回路201を備えている。得られた複数のフレームxs(n)は高速フーリエ変換回路202に入力され、信号セグメントxs(n)はフーリエ・ドメインに変換され、一系列のフーリエ係数x’s(k)が得られる。各々のフーリエ係数x’s(k)は周波数に関連しており、これによって、第k番目の係数x’s(k)と関連する周波数FkはFk=k・fs1/Nになる。ここで、fs1は信号x(n)のサンプリング・レートであり、Nはフレーム長である。
【0047】
続いて、電子透かし計算モジュール203において、各々のフーリエ係数x’s(k)は電子透かし係数w(k)の関数に改変される、例えば、w(k)とx’s(k)を乗算して、スケーリング・ファクタを掛けてスケーリングする。
電子透かし係数w(k)は、電子透かし生成回路204において、秘密電子透かしWに基づいて生成される。図2に示す電子透かし埋め込み装置はさらに記録媒体205を備えている。好ましくは、記録媒体205は、秘密電子透かしWが記録された読み出し専用メモリであり、他人から読み出すことができないようになっている。
【0048】
このようにスケーリングされた電子透かしサンプルとなる係数シーケンスws(k)は逆フーリエ変換回路206に入力され、信号サンプル・シーケンスws’(k)に逆変換される。電子透かしws’(k)は再構築回路207に入力され、電子透かしのセグメントws’(k)から電子透かしw’(n)を生成する。最後に、加算回路208において、電子透かしw’(n)は元の音声信号x(n)に重畳され、これにより、電子透かしが埋め込まれた音声信号y(n) = x(n) + w’(n)が生成される。なお、他の演算関数を用い、音声信号x(n)と電子透かしw’(n)を合成しても良い、例えば、減算、又は、1ビット音声フォーマットの場合は、排他的論理和(XOR:exclusive OR)などを用いてもよい。
【0049】
本実施形態によれば、図1を用いて説明したように、グリッド・サイズが次に行われる電子透かし検出において使用されるグリッド・サイズと同一になるように、フレーム長Nがサンプリング・レートfs1に適合される。
【0050】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。なお、本実施形態において、信号をフレームに分割することを前提としない。本実施形態において、信号x(n)をフレームに分割することの代わりに、電子透かし検出装置は畳み込み演算回路302を備えており、信号x(n)と電子透かしを表すキー・シーケンスv(n)の畳み込み演算を行う。即ち、x(n)〇v(n)=Σkx(n-k)・v(k)を求める。キー・シーケンスv(n)は生成回路303により生成される。好ましくは、生成回路303は電子透かし係数w(k)(k=1、...、N)について、逆フーリエ変換を行う。これにより、v(n)の周波数スペクトルはインデックスkの倍数となる1セットの周波数により決められる。従って、本実施形態において、シーケンスv(n)の長さNは、図1を用いて説明したように、埋め込み手段101と検出手段103のグリッド・サイズ・パラメータ△を整合させるように決められる。本実施形態において、電子透かしが埋め込まれた信号y(n)は、式x(n) → y(n)=x(n)〇[1+λ・v(n)]で示されたように計算される。ここで、λは所定の埋め込み強度である。
【0051】
これに対応して、図3に示す電子透かし検出装置はさらに乗算回路305と加算回路306を備えており、畳み込みx(n) 〇v(n)のサンプルとこの埋め込み強度λを乗算し、得られた電子透かし信号wx(n)=λx(n) 〇v(n)を信号x(n)に重畳し、電子透かしの埋め込んだ信号y(n)を生成する。
【0052】
その次の電子透かしの検出において、例えば、SPOMF(Symmetrical Phase Only Matched Filtering)手法を用いることができる。SPOMFにおける検出アルゴリズムにおいて、解析対象となる信号をセグメント化する処理は行われる。
【0053】
図4は、本発明の一の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。図4に示す電子透かし検出装置は、フーリエ変換回路401を備えており、解析対象となる信号y(n)のフレームのフーリエ・変換に関する計算を行う。本発明において、信号y(n)のサンプリング・レート及びグリッド・サイズ△に基づき、回路402が、好ましくは、図1に示す実施の形態に従って、フレーム長Nを計算する。
【0054】
フーリエ変換回路401の出力は、相関回路403に入力され、フーリエ係数と電子透かし係数w(k)の相関を計算する。続いて、閾値回路404において、相関スペクトルにおける一つの強いピークが識別され、その高さが所定の閾値と比較され、電子透かしの有無、又/或はその電子透かしのペイロードを示す制御信号405が生成される。
【0055】
なお、埋め込み手段及び検出手段において用いられるフレーム長が、上述した方法によって計算されたフレーム長と実質的に等しいことが好ましい。しかし、最適なフレーム長からの小さなずれがある場合は、検出の信頼度が低下するものの、必ずしも電子透かしを検出できなくなることはない。検出の信頼度の僅かな低下を許容することにより、埋め込み手段と検出手段の構成を簡略化することができれば、最良値よりややずれているフレーム長の選択も望ましいことである。例えば、最適なフレーム長が2のべき乗から僅かにずれている場合は、特に効率的な高速フーリエ変換アルゴリズム、例えば、基底―2アルゴリズムを利用するために、2のべき乗を満たすフレーム長を選択することが望ましい。他には、複数のサンプリング・レートが整数でない場合、或は、互いに素数であり、最大公約数は1となる場合も、最良値からややずれているフレーム長を選択することになる。
【0056】
最適なフレーム長からの小さなずれに対する敏感性を低減するために、いわゆるスケール・サーチ方法を検出手段側で用いることができる。ただし、これらの方法によって検出において誤処理を生じる恐れがある。
【0057】
また、サンプリング・レート組の最大公約数を用いることの代わりに、他の公約数、好適に、1でない公約数を用いることも可能である。しかし、最大公約数を用いることは、ファクタmの値の選択によって1セットのフレーム長を選択することに最大の柔軟性をもたらす。
【0058】
また、以上の本発明による電子透かし埋め込み及び検出装置の機能は、例えば、プログラム可能なマイクロ・プロセッサ、アプリケーション専用の集積回路、一般的な集積回路、スマート・カード、その他任意の処理ユニットを用いて実現することができる。また、電子透かし及び/又は電子透かし信号は記録媒体に記録しても良い。このような記録媒体の具体例としては、例えば、磁気テープ、光ディスク、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、コンパクト・ディスク(CD、又は、CD−ROM)、ミニ・ディスク、ハード・ディスク、フロッピ・ディスク、強誘電体メモリ、EEPROM(電気的消去・プログラム可能型読取専用メモリ)、フラッシュ・メモリ、EPROM(消去・プログラム可能型読取専用メモリ)、ROM(読取専用メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SDRAM(同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、強磁性体メモリ、光学記録媒体、電荷結合デバイス(CCD)、スマート・カード、などがある。
【0059】
以上、主に音声信号を例にして本発明を説明したが、本発明は音声信号に限定されず、例えば、マルチ・メディア信号、ビデオ信号、動画、画像、静止画などの信号にも適用できる。
【0060】
また、以上に説明した実施形態は、本発明の実施の形態の例であり、添付した本発明の特許請求の範囲を逸脱せずに、当業者により種々の変更を加えることが可能である。また、本発明が、異なる要素からなるハード・ウエアにより実施されても良く、或は、コンピュータでプログラムを実行して実施しても良い。
【0061】
複数の手段が列挙された装置に関する請求項において、幾つかの手段の動作は、一つのハード・ウエア、或は、ハード・ウエアの同じの要素により実施されることがある。また、異なる従属請求項に異なる手段が列挙されている場合、有利な効果を生ずる限り、これらの手段を組み合わせて用いることができると解すべきである。
(発明の効果)
【0062】
本発明により、サンプリング・レート変換処理がされても電子透かしが埋め込まれた信号から電子透かしを信頼性よく検出することができる方法を提供することができる。埋め込み手段に用いられたフレーム長、及び検出手段に用いられたフレーム長は、それぞれのサンプリング・レートとフレーム長の比が一定になるように適合される。これらのフレーム長を一組サンプリング・レートの最大公約数から求めることができる。この一組のサンプリング・レートにより、該一組のサンプリング・レートにおける異なるサンプリング・レート間の変換に対するロバスト性の高い電子透かしが生成される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子透かし埋め込み及び検出システムを概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし埋め込み装置を概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の一の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。
[発明の分野]
本発明は、信号に電子透かしを埋め込み、そして、信号に埋め込まれた電子透かしを検出する方法及び装置に関する。
【0002】
[発明の背景]
近年、ディジタル・マルチメデイア・データが広く使用されつつあり、これに伴い、ディジタル・マルチメデイア・データについて、不正複製の防止、著作権の保護、並びに所有者の個人認証に対する要求が高まってきた。
【0003】
ディジタル電子透かし技術は新しい技術であり、様々な目的に用いることができる。例えば、著作権所有者の証明、不正複製の追跡、複製装置の制限、放送の監視、信頼性検証、及びマルチメデイア信号に補助情報を追加することなどができる。
【0004】
電子透かしは、信号サンプルに僅かな変更を加えることで、信号に埋め込んだラベルである。電子透かしの埋め込みに関しては、電子透かしを感知できないように信号に組み込むことが望ましい、即ち、電子透かしは、信号の質に対して感知できるほどの影響を与えないように設計され、信号に埋め込まれる。一方、多くの応用において、電子透かしが頑丈でなければならない、即ち、適切な信号処理の後であっても、電子透かしが信頼性よく検出できなければならない。
【0005】
静止画像とビデオについて、多くの電子透かしのスキームが公表されているものの、音声信号の電子透かしに関する文献は比較的に少ない。公表された技術の殆どがエコー・ハイディング(echo-hiding)と雑音付加(noise addition)の方法を用いており、人間の聴覚システムの時間的又はスペクトル的なマスキング効果を利用している。
【0006】
例えば、次のように電子透かしを信号に埋め込むことができる。即ち、矩形窓関数を用いて、対象となる信号を複数のフレームに分割し、次に、各フレームをフーリエ変換して、得られた各フレームのフーリエ成分(フーリエ係数)を僅かながら変更し、該変更された係数に対して逆フーリエ変換を行い、そして、時間ドメインにおける電子透かしを埋め込んだ信号(電子透かし信号)が得られる。最後に、得られた電子透かし信号をスケーリングし、対象となる元の信号に重畳する。
【0007】
しかし、上記した及び他の電子透かしのスキームにおいて、電子透かしの検出が、電子透かし埋め込みの際の信号の標本化レートと電子透かし検出の際の標本化レートの差異に影響されやすい。ディジタル・音声信号の場合は、例えば、CDプレイヤ、音声に関する応用には、通常かなり多くの標本化レートが使用されており、そのため、電子透かしの埋め込まれた信号に対して、信号の標本化レートを変換する処理が行われることが有る。しかし、電子透かしの検出を電子透かしの埋め込みと異なる標本化レートで行うと、電子透かしの検出ができなくなる恐れがある。
【0008】
電子透かしを検出する際に、標本化レートを電子すかし埋め込みの際の標本化レートに逆変換し、標本化レート変換処理による影響を補償する検出方法が知られている。
【0009】
この従来の方法において、高品質の標本化レート変換は複雑であり、相当な計算が必要であり、製品コストの上昇を生じる不利点がある。一方、低い品質の標本化レート変換は、電子透かしの検出信頼性を低下させる恐れがある。従って、標本化レートの逆変換は、電子透かしの検出処理において望ましくない処理である。
【0010】
[発明の目的]
本発明の目的は、以上及び他の従来技術の問題点を解決し、標本化レート変換が行われても、電子透かしを信頼性よく検出できる電子透かしスキームを提供する。
【0011】
[発明の概要]
本発明の電子透かし埋め込み及び検出方法は、第1の標本化レートで標本化された情報信号に電子透かしを埋め込み、少なくとも第2の標本化レートで当該電子透かしを検出する方法であって、スケーリング因子の整数倍に対応する1組の周波数における前記電子透かしを示す所定値を有する周波数スペクトルに対応する前記電子透かしの表示を生成する工程と、前記電子透かしの前記表示を前記情報信号に埋め込む工程とを備え、前記スケーリング因子は、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算して導出される。
【0012】
以上の本発明の電子透かし埋め込み及び検出方法により、所定の一組の標本化レートにおける異なる標本化レートの間の標本化レート変換が行われても、電子透かしを信頼性よく検出できる電子透かしスキームを提供することができる。
【0013】
上記の本発明の方法は、標本化された情報信号のフーリエ係数に対応する周波数は、フーリエ変換に用いられたフレーム長で除算された標本化レートの倍数であることを利用している。
【0014】
上記の本発明の方法によれば、周波数ドメインにおける電子透かしは、実質的に定数である所定のスケーリング因子の倍数に対応する周波数に指定される。そのため、電子透かし検出手段は、標本化レートおよびスケーリング因子に基づいて、適切なフレーム長を選択することにより、これらの周波数を再現することができる。
【0015】
上記のスケーリング因子は、1組の標本化レートの公約数を所定の整数因子で除算した結果になるので、選択された1組の標本化レートのすべての標本化レートについて、計算で得られたフレーム長は整数であることを確保できる。
【0016】
従って、上記した本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、上記の一組の標本化レートにおける任意の一つの標本化レートを用いて、上記の一組の標本化レートにおける任意の一つの標本化レートで動作する電子透かし埋め込み手段が電子透かしを情報信号に埋め込んだ時の周波数と同じ周波数の電子透かしのサンプルを周波数ドメインにおいて取り出すことができる。
【0017】
上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法は、上述した従来の電子透かしの検出方法と異なり、電子透かしを埋め込んだ時の標本化レートを知る必要がなく、電子透かしスキームの柔軟性を向上する効果がある。
【0018】
上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、信号処理操作に対してロバスト性の高い電子透かしを生成することができる。即ち、当該情報信号について、信号処理操作が行われた後であっても、当該情報信号から電子透かしを信頼性よく検出することができる。音声信号の場合は、例えば、圧縮、トリミング、D/A又はA/D変換、均等化、時間スケーリング、グループ遅延歪み、フィルタリング、又は、サンプルの除去と挿入などの信号処理操作がある。
【0019】
また、標本化レートの差異を補償するために電子透かしを検出する前に情報信号をスケーリングする方法も知られているが、この方法により電子透かしの検出信頼性が低下する問題点があった。上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、この問題点を克服することができる。
【0020】
好適に、本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法は、前記第1の標本化レートを前記スケーリング因子で除算して、第1のフレーム長を求める工程と、前記情報信号を、前記の求められた第1のフレーム長に関連する各々のフレーム長を有する一系列の信号フレームに分割する工程と、前記信号フレームの系列における少なくとも一つの信号フレームに電子透かしを埋め込み、一系列の改変された信号フレームを得る工程とをさらに備える。
【0021】
上記の発明によれば、一つの信号フレームは、隣り合う信号フレームと重なり合うことができる。さらに、信号フレーム系列における各信号フレームの長さを同一に、好適に、求められた第1のフレーム長と実質に一致することができる。或は、信号フレーム系列において、異なるフレーム長を用いることができ、たとえば、求められた第1のフレーム長の異なる倍数となるものを用いることができる。
【0022】
さらに、好適に、本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法は、前記一系列の信号フレームを一系列の係数に変換する工程と、前記一系列の係数を前記電子透かしの関数に改変する工程と、前記一系列の改変された係数を逆変換し、前記改変された信号フレームを得る工程とをさらに備える。
【0023】
好ましくは、前記信号フレームを変換する工程は、フーリエ変換の演算を含む。同様に、前記改変された係数を逆変換する工程は、逆フーリエ変換の演算を含むことが好ましい。また、フーリエ変換の代わりにほかの変換、例えば、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transformation)、又は、ウエーブレット変換(wavelet transform)を用いても良い。
【0024】
さらに、好ましくは、前記信号フレームを変換する工程は、混合基底高速フーリエ変換アルゴリズム(Mixed-Radix Fast Fourier Transformation)を適用する工程を含む。
上記の本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法によれば、2のべき乗でないフレーム長の場合であっても、効率的に電子透かしを埋め込む方法を提供できる。
【0025】
本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法の他の好ましい特徴は従属クレームにより開示されている。
【0026】
本発明はさらに電子透かしを検出する方法、電子透かしを埋め込み及び検出する装置、電子透かしが埋め込まれた信号、前記信号を記録した記録媒体、及び、電子透かしを検出する装置を備えたマルチメティア・コンテンツを処理する処理装置を提供する。本発明のこれらの観点は、本発明の独立請求項により開示されている。本発明のこれらの観点の特徴と効果は、前述した本発明の電子透かしの埋め込み及び検出方法と同様であるので、以降には、重複する説明を省略する。
【0027】
[好ましい実施例の詳細な説明]
次に、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子透かし埋め込み及び検出システムを概略的に示すブロック図である。
【0029】
図1に示す電子透かし埋め込み及び検出システムは、例えば、ディジタル音声信号からなる信号X(n)に、サンプリング・レートfs1で電子透かしを埋め込むための埋め込み手段101(EMB:embedder)を備えている。埋め込み手段101に続き、電子透かしが埋め込まれた信号Y(n)は、サンプリング・レート変換手段102において、信号Y(n)のサンプリング・レートをfs1からfs2に変換される。サンプリング・レート変換処理の一例としては、例えば、D/A(ディジタル・アナログ)変換に続き、異なるサンプリング・レートでA/D(アナログ・ディジタル)変換を行う処理がある。このように得られた信号y’(n)は電子透かし検出手段103によって解析される。
【0030】
埋め込み手段101は所定の電子透かし埋め込み方法に従って動作し、その埋め込み方法を実行する。この埋め込み方法において、電子透かしは、周波数ドメインにおけるN1個の係数w(k)(k=1、...、N1)からなる係数列で表されている。たとえば、これらの係数は、平均値がゼロ、平方偏差が1となる一列の擬似乱数からなる。
【0031】
後ほど図2を参照して詳細に説明されるように、埋め込み手段101によって実行される電子透かし埋め込み方法において、音声信号を長さがN1となる複数のフレームに分割し(セグメント化)、それらのフレームについてフーリエ変換を行い、そして、得られたN1個のフーリエ係数を電子透かし係数w(k)と乗算をするなどの処理を行う。
【0032】
検出手段103は所定の電子透かし検出方法に従って動作し、その検出方法を実行する。この検出方法において、電子透かし係数w(k)と信号y’(n)の長さがN2となるフーリエ表示との相関を演算する処理を行う。後ほど図4を参照して本発明の一実施形態に係る電子透かしを検出する装置を説明する。
【0033】
本発明により、サンプリングされた信号x(n)(n=1、...、N)の各々のフーリエ係数は周波数と関連しており、これによって、第k番目の係数と関連する周波数FkはFk=k・fs/Nになる。ここで、fsは信号x(n)のサンプリング・レートであり、Nはサンプリング間隔の長さである。上述した例において、Nは、埋め込み手段101においてセグメント化された信号のフレーム長N1、又は検出手段103においてセグメント化された信号のフレーム長N2にそれぞれ対応する。従って、周波数Fkはスケーリング・ファクタ△=fs/Nの倍数となり、比例係数はインデックスkである。このスケーリング・ファクタ△は、サンプリングされた信号のグリッド・サイズに相当する。
【0034】
検出手段103は周波数ドメインにおいて信号y’(n)と電子透かしとを相関させるので、電子透かしの埋め込み及び検出のいずれものアルゴリズムにおいて、同じ周波数で電子透かしサンプルを埋め込み及び取り出すことが望ましい。埋め込み周波数と検出周波数との小さな偏差は許容できるものの、埋め込み及び検出に係る周波数の不整合は検出性能を低下させることがある。周波数はグリッド・サイズ△に依存するので、埋め込み及び検出のいずれもにおいて、整合したグリッド・サイズを使用しなければならない。
【0035】
サンプリング・レート変換手段102はサンプリング・レートを変換する。例えば、サンプリング・レートがfs1=44100Hzである音声信号は、フレーム長が2048サンプルとなる電子透かし埋め込み手段101に入力される場合、各フーリエ係数に対応する周波数はグリッド・サイズ△1≒21.5Hzの倍数である。続いて、この信号について、サンプリング・レート変換処理が行われ、サンプリング・レートがfs2=48000Hzの信号に変換され、さらに、電子透かしの検出において、同じように2048サンプルとなるフレーム長を用いる場合は、フーリエ係数に対応する周波数はグリッド・サイズ△2≒23.4Hzの倍数となる。その結果、検出において、埋め込みの際の周波数と異なる周波数を使用することとなり、そのため、電子透かしを検出することができない。
【0036】
引き続き図1を参照して、本発明によれば、埋め込み手段101において使用されるフレーム長N1がN1=m・fs1/gcd(fs1、fs2)とする。ここで、mが整数であり、gcd(fs1、fs2)は埋め込み及び検出におけるサンプリング・レートfs1、fs2の最大公約数である。
【0037】
電子透かし検出手段103において使用されるフレーム長N2がN2=m・fs2/gcd(fs1、fs2)とする。従って、埋め込み手段101と検出手段103は、同じグリッド・サイズ△=fs1/N1=fs2/N2=gcd(fs1、fs2)/mを用いることになる。以上の例において、fs1=44100Hz、fs2=48000Hz、fs1とfs2の最大公約数gcd(fs1、fs2)=300、従って、N1=147m、N2=160mとなる。表1は、異なるmの値に対応して、以上のように求められたフレーム長の結果を示す。
【0038】
【表1】
このように、整合したグリッド・サイズの制約があっても、使用可能なフレーム長が複数存在し、mの値によって選択できる。大きなmが大きいフレームサイズに対応し、大きなmを用いると、大きい電子透かしペイロード(payload)が可能となる。一方、フレームサイズが小さい場合は、埋め込みと検出アルゴリズムは複雑さがより低く、信号の歪みがより小さく、埋め込み手段101と検出手段103により生じた遅延がより小さくなる。
【0039】
なお、上述した例において、電子透かし係数w(k)の個数は、埋め込み手段101におけるフレーム長N1と同じであるとされている。その代わりに、埋め込み手段101と検出手段103に記録されている電子透かしは、Nw個の電子透かし係数w(k)よりなるとすることも可能である。ここで、NwはN1、又はN2と異なっても良い。この場合は、N1とNwの内の小さい方の個数の低周波数係数をw(k)から選択し、埋め込み手段101によって埋め込むことができる。検出手段側には、N1、N2、とNwの内の小さい方の個数の低周波数係数は相関の計算に寄与する。N1とN2の可能な値について与えられた範囲において、Nwを計算の複雑さと検出信頼度を考慮して選択することができる。
【0040】
図1に示された例において、電子透かしスキームは2つのサンプリング・レートについて互換性を保つように構築されている。電子透かしスキームに一組のサンプリング・レートfs1、...、fsnについて互換性を持たせる場合は、例えば、これらのサンプリング・レートに対応するフレーム長Niは、
Ni=m・fsi/gcd(fs1、...、fsn)とする(i=1、...、n)。
ここで、gcd(fs1、...、fsn)は、fs1、...、fsnの最大公約数である。表2において、左欄には、ディジタル音声録音、処理或いは再生の時に通常使用されているサンプリング・レートがリストされている。
【0041】
【表2】
なお、表2に示されたリストには、CDのサンプリング・レートである44100Hzと48000Hzの倍数又は分数となる周波数、或は、8000Hzの倍数となる周波数が含まれている。これらの周波数の最大公約数は25であり、対応する相対フレーム長Nが表2の中央欄にリストされている。これら相対フレーム長Nが共通因子mの倍数としてリストされており、異なる絶対フレーム長は、異なる値のmを選択することによって得られる。これによって、これらの相対フレーム長Nを使用するシステムにおいて、対応する一組の周波数における異なる周波数の間のサンプリング・レート変換に対して、ロバスト性の高い電子透かしが得られる。即ち、電子透かしが埋め込まれた信号について、サンプリング・レート変換処理が行われた後であっても、電子透かしを信頼性良く検出することができる。
【0042】
表2の右欄において、フレーム長Nの因子分解結果がリストされている。なお、フレーム長が小さい因子(表2において、2、3、5、7である)に分解されているので、効率的な混合基底高速フーリエ変換(TFT:mixed radix Fast Fourier Transform)スキームを用いてセグメント化された信号x(n)のフーリエ変換の計算を行うことができる。
【0043】
また、他の例として、表2にリストされた32000Hz以下の周波数を使用しない電子透かしの応用について、残りの周波数の最大公約数は100となる。表3はこの場合の結果を示す。
【0044】
【表3】
なお、本発明の範囲内であれば、他の埋め込み方法を用いても良い。後程図3を参照して説明する本発明に係る電子透かし検出方法の一例において、音声信号と、長さがN1であり、フーリエ係数w(k)(k=1、...、N1)により表わされ、限定的にサポートされる電子透かし信号との畳み込みの計算は行われる。この例には、音声信号のセグメント化処理が行われないものの、固有の信号長N1が用いられている。
【0045】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電子透かし埋め込み装置を概略的に示すブロック図である。
【0046】
図2に示す電子透かし埋め込み装置は、入力された信号x(n)を、長さがNとなるフレームに分割する分割回路201を備えている。得られた複数のフレームxs(n)は高速フーリエ変換回路202に入力され、信号セグメントxs(n)はフーリエ・ドメインに変換され、一系列のフーリエ係数x’s(k)が得られる。各々のフーリエ係数x’s(k)は周波数に関連しており、これによって、第k番目の係数x’s(k)と関連する周波数FkはFk=k・fs1/Nになる。ここで、fs1は信号x(n)のサンプリング・レートであり、Nはフレーム長である。
【0047】
続いて、電子透かし計算モジュール203において、各々のフーリエ係数x’s(k)は電子透かし係数w(k)の関数に改変される、例えば、w(k)とx’s(k)を乗算して、スケーリング・ファクタを掛けてスケーリングする。
電子透かし係数w(k)は、電子透かし生成回路204において、秘密電子透かしWに基づいて生成される。図2に示す電子透かし埋め込み装置はさらに記録媒体205を備えている。好ましくは、記録媒体205は、秘密電子透かしWが記録された読み出し専用メモリであり、他人から読み出すことができないようになっている。
【0048】
このようにスケーリングされた電子透かしサンプルとなる係数シーケンスws(k)は逆フーリエ変換回路206に入力され、信号サンプル・シーケンスws’(k)に逆変換される。電子透かしws’(k)は再構築回路207に入力され、電子透かしのセグメントws’(k)から電子透かしw’(n)を生成する。最後に、加算回路208において、電子透かしw’(n)は元の音声信号x(n)に重畳され、これにより、電子透かしが埋め込まれた音声信号y(n) = x(n) + w’(n)が生成される。なお、他の演算関数を用い、音声信号x(n)と電子透かしw’(n)を合成しても良い、例えば、減算、又は、1ビット音声フォーマットの場合は、排他的論理和(XOR:exclusive OR)などを用いてもよい。
【0049】
本実施形態によれば、図1を用いて説明したように、グリッド・サイズが次に行われる電子透かし検出において使用されるグリッド・サイズと同一になるように、フレーム長Nがサンプリング・レートfs1に適合される。
【0050】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。なお、本実施形態において、信号をフレームに分割することを前提としない。本実施形態において、信号x(n)をフレームに分割することの代わりに、電子透かし検出装置は畳み込み演算回路302を備えており、信号x(n)と電子透かしを表すキー・シーケンスv(n)の畳み込み演算を行う。即ち、x(n)〇v(n)=Σkx(n-k)・v(k)を求める。キー・シーケンスv(n)は生成回路303により生成される。好ましくは、生成回路303は電子透かし係数w(k)(k=1、...、N)について、逆フーリエ変換を行う。これにより、v(n)の周波数スペクトルはインデックスkの倍数となる1セットの周波数により決められる。従って、本実施形態において、シーケンスv(n)の長さNは、図1を用いて説明したように、埋め込み手段101と検出手段103のグリッド・サイズ・パラメータ△を整合させるように決められる。本実施形態において、電子透かしが埋め込まれた信号y(n)は、式x(n) → y(n)=x(n)〇[1+λ・v(n)]で示されたように計算される。ここで、λは所定の埋め込み強度である。
【0051】
これに対応して、図3に示す電子透かし検出装置はさらに乗算回路305と加算回路306を備えており、畳み込みx(n) 〇v(n)のサンプルとこの埋め込み強度λを乗算し、得られた電子透かし信号wx(n)=λx(n) 〇v(n)を信号x(n)に重畳し、電子透かしの埋め込んだ信号y(n)を生成する。
【0052】
その次の電子透かしの検出において、例えば、SPOMF(Symmetrical Phase Only Matched Filtering)手法を用いることができる。SPOMFにおける検出アルゴリズムにおいて、解析対象となる信号をセグメント化する処理は行われる。
【0053】
図4は、本発明の一の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。図4に示す電子透かし検出装置は、フーリエ変換回路401を備えており、解析対象となる信号y(n)のフレームのフーリエ・変換に関する計算を行う。本発明において、信号y(n)のサンプリング・レート及びグリッド・サイズ△に基づき、回路402が、好ましくは、図1に示す実施の形態に従って、フレーム長Nを計算する。
【0054】
フーリエ変換回路401の出力は、相関回路403に入力され、フーリエ係数と電子透かし係数w(k)の相関を計算する。続いて、閾値回路404において、相関スペクトルにおける一つの強いピークが識別され、その高さが所定の閾値と比較され、電子透かしの有無、又/或はその電子透かしのペイロードを示す制御信号405が生成される。
【0055】
なお、埋め込み手段及び検出手段において用いられるフレーム長が、上述した方法によって計算されたフレーム長と実質的に等しいことが好ましい。しかし、最適なフレーム長からの小さなずれがある場合は、検出の信頼度が低下するものの、必ずしも電子透かしを検出できなくなることはない。検出の信頼度の僅かな低下を許容することにより、埋め込み手段と検出手段の構成を簡略化することができれば、最良値よりややずれているフレーム長の選択も望ましいことである。例えば、最適なフレーム長が2のべき乗から僅かにずれている場合は、特に効率的な高速フーリエ変換アルゴリズム、例えば、基底―2アルゴリズムを利用するために、2のべき乗を満たすフレーム長を選択することが望ましい。他には、複数のサンプリング・レートが整数でない場合、或は、互いに素数であり、最大公約数は1となる場合も、最良値からややずれているフレーム長を選択することになる。
【0056】
最適なフレーム長からの小さなずれに対する敏感性を低減するために、いわゆるスケール・サーチ方法を検出手段側で用いることができる。ただし、これらの方法によって検出において誤処理を生じる恐れがある。
【0057】
また、サンプリング・レート組の最大公約数を用いることの代わりに、他の公約数、好適に、1でない公約数を用いることも可能である。しかし、最大公約数を用いることは、ファクタmの値の選択によって1セットのフレーム長を選択することに最大の柔軟性をもたらす。
【0058】
また、以上の本発明による電子透かし埋め込み及び検出装置の機能は、例えば、プログラム可能なマイクロ・プロセッサ、アプリケーション専用の集積回路、一般的な集積回路、スマート・カード、その他任意の処理ユニットを用いて実現することができる。また、電子透かし及び/又は電子透かし信号は記録媒体に記録しても良い。このような記録媒体の具体例としては、例えば、磁気テープ、光ディスク、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、コンパクト・ディスク(CD、又は、CD−ROM)、ミニ・ディスク、ハード・ディスク、フロッピ・ディスク、強誘電体メモリ、EEPROM(電気的消去・プログラム可能型読取専用メモリ)、フラッシュ・メモリ、EPROM(消去・プログラム可能型読取専用メモリ)、ROM(読取専用メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SDRAM(同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、強磁性体メモリ、光学記録媒体、電荷結合デバイス(CCD)、スマート・カード、などがある。
【0059】
以上、主に音声信号を例にして本発明を説明したが、本発明は音声信号に限定されず、例えば、マルチ・メディア信号、ビデオ信号、動画、画像、静止画などの信号にも適用できる。
【0060】
また、以上に説明した実施形態は、本発明の実施の形態の例であり、添付した本発明の特許請求の範囲を逸脱せずに、当業者により種々の変更を加えることが可能である。また、本発明が、異なる要素からなるハード・ウエアにより実施されても良く、或は、コンピュータでプログラムを実行して実施しても良い。
【0061】
複数の手段が列挙された装置に関する請求項において、幾つかの手段の動作は、一つのハード・ウエア、或は、ハード・ウエアの同じの要素により実施されることがある。また、異なる従属請求項に異なる手段が列挙されている場合、有利な効果を生ずる限り、これらの手段を組み合わせて用いることができると解すべきである。
(発明の効果)
【0062】
本発明により、サンプリング・レート変換処理がされても電子透かしが埋め込まれた信号から電子透かしを信頼性よく検出することができる方法を提供することができる。埋め込み手段に用いられたフレーム長、及び検出手段に用いられたフレーム長は、それぞれのサンプリング・レートとフレーム長の比が一定になるように適合される。これらのフレーム長を一組サンプリング・レートの最大公約数から求めることができる。この一組のサンプリング・レートにより、該一組のサンプリング・レートにおける異なるサンプリング・レート間の変換に対するロバスト性の高い電子透かしが生成される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子透かし埋め込み及び検出システムを概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電子透かし埋め込み装置を概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の一の実施形態に係る電子透かし検出装置を概略的に示すブロック図である。
Claims (15)
- 第1の標本化レートで標本化された情報信号に電子透かしを埋め込み、少なくとも第2の標本化レートで当該電子透かしを検出する方法であって:
スケーリング因子の整数倍に対応する1組の周波数における前記電子透かしを示す所定値を有する周波数スペクトルに対応する前記電子透かしの表示を生成する工程;及び
前記電子透かしの前記表示を前記情報信号に埋め込む工程;
から構成され、
前記スケーリング因子は、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算して導出される;
ことを特徴とする方法。 - 前記第1の標本化レートを前記スケーリング因子で除算して、第1のフレーム長を求める工程;
前記情報信号を、前記の求められた第1のフレーム長に関連する各々のフレーム長を有する一系列の信号フレームに分割する工程;及び
前記信号フレームの系列における少なくとも一つの信号フレームに電子透かしを埋め込み、一系列の改変された信号フレームを得る工程;
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記一系列の信号フレームを一系列の係数に変換する工程;
前記一系列の係数を前記電子透かしの関数に改変する工程;及び
前記一系列の改変された係数を逆変換し、前記改変された信号フレームを得る工程;
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。 - 前記信号フレームを変換する工程は、混合基底高速フーリエ変換アルゴリズム(Mixed-Radix Fast Fourier Transformation)を適用する工程を含む;
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。 - 前記電子透かしの表示は、電子透かし信号であり;かつ
前記電子透かしの前記表示を前記情報信号に埋め込む工程は、前記電子透かし信号と前記情報信号との畳み込みを計算する工程を含む;
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記一組の標本化レートは、6000Hz、8000Hz、11025Hz、16000Hz、22050Hz、24000Hz、32000Hz、44100Hz、48000Hz、64000Hz、88200Hz、96000Hz、192000Hz、28222400Hzの中から選択された少なくとも一つの標本化レートを含む;
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記情報信号は、音声信号、静止画信号及びビデオ信号を含むマルチ・メディア信号から選択された1種類の信号を含む;
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記第1の公約数が、前記一組の標本化レートの最大公約数である;
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 第1の標本化レートで標本化された情報信号に、第2の標本化レートで埋め込んだ電子透かしを検出する方法であって:
前記第1の標本化レートと、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算してなる所定のスケーリング因子とを乗算して、第1のフレーム長を求める工程;
前記情報信号を、前記の求められた第1のフレーム長に関連する各々のフレーム長を有する一系列の信号フレームに分割する工程;
前記電子透かしと前記信号フレームから導出される一系列の係数との相関を決定する工程;及び
前記相関が所定の値を超えているか否かを判断する工程;
から構成されることを特徴とする電子透かし検出方法。 - 第1の標本化レートで標本化された情報信号に電子透かしを埋め込み、少なくとも第2の標本化レートで当該電子透かしを検出する装置であって:
スケーリング因子の整数倍に対応する1組の周波数における前記電子透かしを示す所定値を有する周波数スペクトルに対応する前記電子透かしの表示を生成する手段;及び
前記電子透かしの前記表示を前記情報信号に埋め込む手段;
から構成され、
前記スケーリング因子は、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算して導出される;
ことを特徴とする電子透かし埋め込み及び検出装置。 - 第1の標本化レートで標本化された情報信号に、第2の標本化レートで埋め込んだ電子透かしを検出する装置であって:
前記第1の標本化レートと、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算してなる所定のスケーリング因子とを乗算して、第1のフレーム長を求める手段;
前記情報信号を、前記の求められた第1のフレーム長に関連する各々のフレーム長を有する一系列の信号フレームに分割する手段;
前記電子透かしと前記信号フレームから導出される一系列の係数との相関を決定する手段;及び
前記相関が所定の値を超えているか否かを判断する手段;
を備えることを特徴とする電子透かし検出装置。 - 第1の標本化レートで標本化された情報信号に含まれたマルチ・メディア・コンテンツを処理するマルチ・メディア処理装置であり、前記情報信号に第2の標本化レートで埋め込んだ電子透かしを検出する電子透かし検出装置を有するマルチ・メディア処理装置であって、
前記電子透かし検出装置は、
前記第1の標本化レートと、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子を除算してなる所定のスケーリング因子とを乗算して、第1のフレーム長を求める手段;
前記情報信号を、前記の求められた第1のフレーム長に関連する各々のフレーム長を有する一系列の信号フレームに分割する手段;
前記電子透かしと前記信号フレームから導出される一系列の係数との相関を決定する手段;及び
前記相関が所定の値を超えているか否かを判断する手段;
を備えることを特徴とするマルチ・メディア処理装置。 - 電子透かしが埋め込まれた情報信号であり、当該情報信号は、スケーリング因子の整数倍に対応する1組の周波数における前記電子透かしを示す所定値を有する周波数スペクトルに対応する前記電子透かしの表示を生成し、前記電子透かしの前記表示を埋め込むことにより生成されたところの情報信号であって:
前記スケーリング因子は、第1の標本化レートと第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算して導出される
ことを特徴とする情報信号。 - 請求項13に記載の情報信号を記録した記録媒体。
- 情報信号を送信する装置であり、第1の標本化レートで標本化された前記情報信号に電子透かしを埋め込み、少なくとも第2の標本化レートで当該電子透かしを検出する電子透かし処理手段を有する送信装置であって:
前記電子透かし処理手段は、
スケーリング因子の整数倍に対応する1組の周波数における前記電子透かしを示す所定値を有する周波数スペクトルに対応する前記電子透かしの表示を生成する手段;及び
前記電子透かしの前記表示を前記情報信号に埋め込む手段;
を備え、
前記スケーリング因子は、前記第1の標本化レートと前記第2の標本化レートを含む一組の標本化レートの第1の公約数を所定の整数因子で除算して導出される
ことを特徴とする送信装置。
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