JP2004514651A - グレリン類似体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、GHS受容体において活性なトランケート化グレリン類似体に関する。グレリンは、天然に存在する修飾ペプチドである。該類似体は、GHS受容体に結合し、好ましくは、シグナル伝達を引き起こす。グレリン類似体は、研究手段としての用途および治療的な用途を含む多種多様な用途を有する。
Description
【0001】
(発明の背景)
本明細書に引用されている参考文献は本発明の先行技術であると認められるものではない。
【0002】
下垂体成長ホルモン産生細胞からの成長ホルモンの拍動性放出は、2種類の視床下部神経ペプチド、すなわち、成長ホルモン放出ホルモンおよびソマトスタチンにより調節される。成長ホルモン放出ホルモンは成長ホルモンの放出を刺激し、一方、ソマトスタチンは成長ホルモンの分泌を抑制する(Frohmanら,Endocronol.Rev.1986,7,223−253およびStroblら,Pharmacol.Rev.1994,46,1−34)。
【0003】
下垂体成長ホルモン産生細胞からの成長ホルモンの放出は、成長ホルモン放出ペプチドによっても制御されうる。ヘキサペプチドHis−D−Trp−Ala−Trp−D−Phe−Lys−アミド(GHRP−6)は、ヒトを含むいくつかの種において、用量依存的に成長ホルモン産生細胞から成長ホルモンを放出させることが判明した(Bowersら,Endocrinology 1984,114,1537−1545)。GHRP−6に関する後の化学的研究は、他の強力な成長ホルモン分泌促進因子、例えば以下のGHRP−1、GHRP−2およびヘキサレリン(hexarelin)の同定につながった(Chengら,Endocrinology 1989,124,2791−2798,Bowers,C.Y.Novel GH−Releasing Peptides.In:Molecular and Clinical Advances in Pituitary Disorders.Melmed,S.編;Endocrine Research and Education,Inc.,Los Angeles,CA,USA 1993,153−157、およびDeghenghiら,Life Sci.1994,54,1321−1328):
GHRP−1 Ala−His−D−(2’)−Nal−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2、
GHRP−2 D−Ala−D−(2’)−Nal−Ala−Trp−D−Nal−Lys−NH2、
ヘキサレリン His−D−2−MeTrp−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2。
【0004】
GHRP−1、GHRP−2、GHRP−6およびヘキサレリンは合成成長ホルモン分泌促進因子である。成長ホルモン分泌促進因子は、成長ホルモン放出ホルモンとは異なるメカニズムにより成長ホルモンの分泌を刺激するが、成長ホルモン放出ホルモンと同様に、それらは下垂体および視床下部からのソマトスタチンの放出を拮抗する(Bowersら,Endocrinology 1984,114,1537−1545,Chengら,Endocrinology 1989,124,2791−2798,Bowers,C.Y.Novel GH−Releasing Peptides.In:Molecular and Clinical Advances in Pituitary Disorders.Melmed,S.編;Endocrine Research and Education,Inc.,Los Angeles,CA,USA 1993,153−157、およびDeghenghiら,Life Sci.1994,54,1321−1328)。
【0005】
該ペプチジル成長ホルモン分泌促進因子の低い経口バイオアベイラビリティ(<1%)は、下垂体内のGHRP−6の作用を模擬する非ペプチド化合物の探索を促した。いくつかのベンゾラクタムおよびスピロインダンは種々の動物種およびヒトにおいて成長ホルモン放出を刺激することが報告されている(Smithら,Science 1993,260,1640−1643,Patchettら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1995,92,7001−7005、およびChenら,Bioorg.Med.Chem.Lett.1996,6,2163−2169)。小さなスピロインダンの具体例としては、以下のMK−0677(Patchettら.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1995,92,7001−7005)が挙げられる:
【0006】
【化10】
【0007】
前記の成長ホルモン分泌促進因子(ペプチドおよび非ペプチドの両方)の作用は、特異的成長ホルモン分泌促進因子受容体(GHS受容体)により媒介されるらしい(Howardら,Science 1996,273,974−977、およびPongら,Molecular Endocrinology 1996,10,57−61)。この受容体は、種々の哺乳類種の下垂体および視床下部内に存在し(GHSR1a)、成長ホルモン放出ホルモン受容体とは異なる。GHS受容体は、中枢神経系のその他の領域および末梢組織、例えば副腎、甲状腺、心臓、肺、腎臓および骨格筋においても検出された(Chenら,Bioorg.Med.Chem.Lett.1996,6,2163−2169,Howardら,Science 1996,273,974−977,Pongら,Molecular Endocrinology 1996,10,57−61,Guanら,Mol.Brain Res.1997,48,23−29、およびMcKeeら,Genomics 1997,46,426−434)。GHSR1aのトランケート化(短小化)体が報告されている(Howardら,Science 1996,273,974−977)。
【0008】
GHS受容体はGタンパク質共役型受容体である。GHS受容体活性化の効果には、カリウムチャンネルの脱分極および抑制、イノシトール三リン酸(IP3)の細胞間濃度の増加、ならびに細胞内カルシウム濃度の一過性増加が含まれる(Pongら,Molecular Endocrinology 1996,10,57−61,Guanら,Mol.Brain Res.1997,48,23−29、およびMcKeeら,Genomics 1997,46,426−434)。
【0009】
(発明の概要)
本発明は、GHS受容体において活性なトランケート化グレリン類似体に関する。グレリンは、天然に存在する修飾ペプチドである。該類似体は、GHS受容体に結合し、好ましくは、シグナル伝達を引き起こす。グレリン類似体は、研究手段としての用途および治療的な用途を含む多種多様な用途を有する。
【0010】
ヒトグレリンの構造は以下のとおりである(式中、修飾セリンの化学構造が示されており、未修飾アミノ酸は1文字記号で示されている):
【0011】
【化11】
【0012】
グレリン内に存在するコア領域はGHS受容体における活性を与えることが判明した。該コア領域は4つのN末端アミノ酸を含み、2位または3位のセリンは、嵩高い疎水性R基で修飾されている。
【0013】
したがって、本発明の第1の態様は、
a) Z1−GSXF(Z)n−Z2、および
b) Z1−GXSF(Z)n−Z2
(式中、Xは、嵩高い疎水性R基を含有する修飾アミノ酸である;
各Zは、独立して、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの誘導体である;
Z1は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該N末端アミノ基に共有結合している;
Z2は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該C末端カルボキシ基に共有結合している;および
nは、0〜19である。)
よりなる群から選ばれる構造を有するトランケート化グレリン類似体またはそれらの医薬上許容される塩を記載する。
【0014】
特に示さない限り、キラル中心を有するアミノ酸はL−エナンチオマーとして示されている。「そ(れら)の誘導体」は、修飾アミノ酸、例えば、対応するD−アミノ酸、N−アルキル−アミノ酸、β−アミノ酸または標識アミノ酸を意味する。
【0015】
本発明のもう1つの態様は、GHS受容体に結合しうる化合物に関するスクリーニング方法を記載する。該方法は、該受容体、グレリン結合部位を含む該受容体の断片、該断片を含むポリペプチドまたは該ポリペプチドの誘導体に対するトランケート化グレリン類似体の結合に影響を及ぼす化合物の能力を測定する工程を含む。
【0016】
本発明のもう1つの態様は、対象における有益な効果を達成するための方法であって、グレリン類似体の有効量を該対象に投与する工程を含んでなる方法を記載する。該有効量は、疾患または障害の治療(例えば、治癒または重症度の軽減)または予防(例えば、発症または重症化の可能性の軽減)の補助において有益な効果をもたらす。
【0017】
本発明のもう1つの態様は、グレリン類似体の有効量を対象に投与する工程を含んでなる、成長ホルモン分泌を刺激するための方法を記載する。該有効量は、少なくとも、成長ホルモン分泌における検出可能な増加をもたらすのに十分な量であり、好ましくは、患者において有益な効果を達成するのに十分な量である。
【0018】
本発明の他の特徴および利点は、種々の実施例を含む本明細書に記載の更なる説明から明らかである。記載されている実施例は、本発明の実施に有用な種々の成分および方法を例示するものである。該実施例は本発明を限定するものではない。本開示に基づき、当業者は、本発明の実施に有用な他の化合物および方法を同定し用いることが可能である。
【0019】
(発明の詳細な記載)
本発明は、GHS受容体において活性なトランケート化グレリン類似体に関する。ヒトグレリンは28アミノ酸の修飾ペプチドであり、セリンヒドロキシル基がn−オクタン酸によりエステル化されている(Kojimaら,Nature 199,402,656−660、およびKojima,(Abstract),Third International Symposium on Growth Hormone Secretagogues,Keystone,Colorado,USA,2000年2月17〜19日)。
【0020】
グレリンは、初代培養下垂体細胞からの成長ホルモン放出を、その他の下垂体ホルモンの放出を刺激することなく、用量依存的に誘導する。麻酔したラットに静脈内注射した場合、グレリンは成長ホルモンの脈動的放出を刺激した(Kojimaら,Nature 1999,402,656−660)。
【0021】
本明細書に記載のトランケート化グレリン類似体は、GHS受容体において活性である。該類似体は該受容体に結合し、好ましくは、受容体活性を刺激しうる。グレリン類似体は、研究手段としての用途および治療的な用途を含む多種多様な用途を有する。
【0022】
研究手段の用途は、一般には、トランケート化グレリン類似体の使用およびGHS受容体またはその断片の存在を伴う。GHS受容体は、哺乳類対象、全細胞または膜断片のような種々の環境中に存在しうる。研究手段の用途の具体例には、GHS受容体において活性な化合物に関するスクリーニング、サンプルまたは調製物中のGHS受容体の存在の判定、およびグレリンの役割または効果の試験が含まれる。
【0023】
グレリン類似体は、グレリンアゴニストおよびグレリンアンタゴニストのどちらに関するスクリーニングにも使用することができる。グレリンアゴニストに関するスクリーニングは、例えば、試験化合物との競合実験においてグレリン類似体を使用することにより行うことができる。グレリンアンタゴニストに関するスクリーニングは、例えば、グレリン類似体を使用してGHS受容体活性を発現させ次いで或る化合物がGHS受容体活性を改変する能力を測定することにより行うことができる。
【0024】
グレリン類似体は対象に投与されうる。「対象」は哺乳動物を意味し、例えば、ヒト、ラット、マウスまたは家畜を含む。対象に対する言及は、必ずしも、疾患または障害の存在を示すものではない。対象なる語は、例えば、実験の一部としてトランケート化グレリン類似体を投与している哺乳動物、疾患または障害の軽減を助けるために治療されている哺乳動物、および疾患または障害の開始を遅延または予防するために予防的に治療されている哺乳動物を含む。
【0025】
グレリンアゴニストは、対象における有益な効果を達成するために使用することが可能であり、そのような有益な効果としては、例えば、成長ホルモン欠損状態の治療、筋量の増加、骨密度の増加、男性または女性における性機能不全の治療、体重増加の促進、体重維持の促進、身体機能の維持の促進、身体機能の回復の促進、および/または食欲増加の促進のうちの1以上が挙げられる。体重増加の促進、体重の維持または食欲増加は、疾患または障害を有する患者、あるいは体重減少を伴う治療を受けている患者に対して特に有用である。体重減少を伴う疾患または障害の具体例には、食欲不振、過食症、癌悪液質、エイズ、衰弱、悪液質、および虚弱老人における衰弱が含まれる。体重減少を伴う具体例には、化学療法、放射線療法、一時的または永久的な固定、および透析が含まれる。
【0026】
また、グレリンアンタゴニストは、患者において有益な効果を達成するために使用することができる。例えば、グレリンアンタゴニストは、体重減少の促進、食欲減少の促進、体重維持の促進、肥満の治療、糖尿病の治療、網膜症を含む糖尿病の合併症の治療、および/または心臓血管障害の治療のために使用することができる。過剰な体重は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、骨関節症および或る形態の癌を含む種々の疾患に対する寄与因子である。体重を減少させることは、例えば、そのような疾患の可能性を減少させるために、およびそのような疾患の治療の一部として利用することができる。
【0027】
トランケート化グレリン類似体
より小さなサイズのトランケート化グレリン類似体は、より長いグレリンより優れた利点、例えば、合成の容易さおよび/または生理的バッファー中の溶解性の増加をもたらす。また、小さな類似体は、望ましい薬理学的特性を有するペプチド模擬体を製造するためのモデルとして機能しうる。
【0028】
本明細書に記載のトランケート化グレリン類似体は、構造:
Z1−GSXF(Z)n−Z2、またはZ1−GXSF(Z)n−Z2、好ましくは、Z1−GSXF(Z)n−Z2
(式中、Xは、嵩高い疎水性R基を含有する修飾アミノ酸である;
各Zは、独立して、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの誘導体である;
Z1は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該N末端アミノ基に共有結合している;
Z2は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該C末端カルボキシ基に共有結合している;および
nは、0〜19であり、種々の実施形態においては、nは、0〜3、0〜6、0〜11、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11である)またはそれらの医薬上許容される塩の構造を有する。
【0029】
トランケート化グレリン類似体の一般的構造中に存在するような個々のアミノ酸、すなわち(Z)n基は、以下のとおりに表されうる:
A=Ala=アラニン;C=Cys=システイン;D=Asp=アスパラギン酸;E=Glu=グルタミン酸;F=Phe=フェニルアラニン;G=Gly=グリシン;H=His=ヒスチジン;I=Ile=イソロイシン;K=Lys=リシン;L=Leu=ロイシン;M=Met=メチオニン;N=Asn=アスパラギン;P=Pro=プロリン;Q=Gln=グルタミン;R=Arg=アルギニン;S=Ser=セリン;T=Thr=トレオニン;V=Val=バリン;W=Trp=トリプトファン、およびY=Tyr=チロシン。
【0030】
本発明はジアステレオマーを含み、それらのラセミ形態、および分割されたエナンチオ的に純粋な形態を含む。トランケート化グレリン類似体はD−アミノ酸、L−アミノ酸またはそれらの組合せを含有しうる。好ましくは、トランケート化グレリン類似体中に存在するアミノ酸はL−エナンチオマーである。
【0031】
各Zは独立して選ばれるため、生じる(Z)n基は、グレリン中に存在する連続的なアミノ酸の基に限定されない。本発明の1つの実施形態においては、(Z)nは、グレリン中に存在する連続的なアミノ酸基である。
【0032】
(Z)nが、グレリン中には存在しない連続的アミノ酸基である類似体の設計は、グレリンまたはトランケート化グレリンに対する置換に基づくものであることが可能であり、この場合、アミノ酸R基の相違を考慮して置換を行う。R基は、物理的サイズ、電荷および疎水性のようなアミノ酸の種々の特性に影響を及ぼす。アミノ酸は、以下のとおり、種々のグループに分類することができる:中性で疎水性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニンおよびメチオニン);中性で極性(グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アスパラギンおよびグルタミン);塩基性(リシン、アルギニンおよびヒスチジン);および酸性(アスパラギン酸およびグルタミン酸)。
【0033】
一般に、異なるアミノ酸を置換する際には、類似した特性を有するアミノ酸を交換することが好ましい。特定のグループ内の異なるアミノ酸の置換、例えば、ロイシンからバリン、リシンからアルギニン、およびグルタミンからアスパラギンへの置換は、ペプチドの機能の変化を引き起こさないための良好な候補である。
【0034】
好ましい誘導体としては、D−アミノ酸、N−アルキル−アミノ酸、β−アミノ酸、または標識アミノ酸(D−アミノ酸、N−アルキル−アミノ酸またはβ−アミノ酸の標識体を含む)が挙げられる。標識誘導体は、検出可能な標識でのアミノ酸またはアミノ酸誘導体の改変を示す。検出可能な標識には、発光標識、酵素的標識および放射能標識が含まれる。標識のタイプおよび標識の位置の両方が、類似体の活性に影響を及ぼしうる。標識は、GHS受容体における該トランケート化グレリン類似体の活性を実質的に改変しないように選ばれ位置すべきである。グレリンの活性に対する個々の標識および位置の効果は、グレリンの活性および/または結合を測定するアッセイを用いて判定することができる。
【0035】
該N末端アミノ基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でのアミノ末端の反応性を減少させる。アミノ保護基には、−C1−10アルキル、−C1−10置換アルキル、−C2−10アルケニル、−C2−10置換アルケニル、アリール、−C1−6アルキルアリール、−C(O)−(CH2)1−6−COOH、−C(O)−C1−6アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−O−C1−6アルキル、または−C(O)−O−アリールが含まれる。好ましくは、該アミノ末端保護基は、アセチル、プロピル、スクシニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブチルオキシカルボニルである。
【0036】
該C末端カルボキシ基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でのカルボキシ末端の反応性を減少させる。該カルボキシ末端保護基は、好ましくは、最後のアミノ酸のα−カルボニル基に結合している。カルボキシ末端保護基には、アミド、メチルアミドおよびエチルアミドが含まれる。
【0037】
好ましい実施形態においては、Xは、構造:
【0038】
【化12】
(式中、X1は、−O−、−S−、−OC(O)−、−NHC(O)−、または−CH2−であり、好ましくは、X1は、−OC(O)−または−NHC(O)−であり、より好ましくは、X1は、−OC(O)−である;および
Rは、より長いアルキル、置換された、より長いアルキル、より長いアルケニル、置換された、より長いアルケニル、より長いヘテロアルキル、置換された、より長いヘテロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、好ましくは、Rは、−C4−20アルキル、−C4−20置換アルキル、−C4−20置換アルケニル、−C4−20アルケニル、−C4−20ヘテロアルキル、−C4−20置換へテロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、より好ましくは、Rは、−C5−15アルキルまたは−C5−15置換アルキルであり、より好ましくは、Rは−C5−15であり、より好ましくは、Rは−(CH2)6CH3である)を有する。
【0039】
トランケート化グレリン類似体の具体例には、以下の修飾ペプチドが含まれる:
GSXFLSPEHQRVQQ(化合物13、配列番号2)、
GSXbFLSPEHQRVQQ(化合物14、配列番号3)、
GSXFLSPEHQRVQQRKESKKPPA−NH2(化合物18、配列番号4)、
GSXFLSPEHQRVQQRKES−NH2(化合物19、配列番号5)、
GSXFLSPEHQ−NH2(化合物20、配列番号6)、
GSXFL−NH2(化合物21)、
GSXF−NH2(化合物22)
(式中、Xは、
【0040】
【化13】
であり、Xbは、
【0041】
【化14】
である)。
【0042】
GHS受容体におけるグレリン類似体活性に対する個々の基、例えばX、(Z)nまたは保護基の効果は、後記実施例に記載されているような技術を用いて測定することができる。種々の実施形態においては、トランケート化グレリン類似体は、後記実施例3に記載のアッセイを用いて測定した場合にグレリンに対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%または少なくとも約90%の機能的活性を有し、および/または、後記実施例2に記載の結合アッセイを用いた場合に約1,000より大きな、約100より大きな又は約50より大きなIC50を有する。IC50に関しては、「より大きな」は、効力に関するものであり、したがって、結合抑制を達成するためには、より少量で十分である。
【0043】
トランケート化グレリン類似体は、当技術分野でよく知られた技術を用いて製造することができる。例えば、トランケート化グレリン類似体のポリペプチド領域は、化学的または生化学的に合成し修飾することができる。ポリペプチドの化学合成のための技術は当技術分野でよく知られている(例えば、Vincent in Peptide and Protein Drug Delivery,New York,N.Y.,Dekker,1990を参照されたい)。細胞内への核酸の導入および核酸の発現を伴う生化学的合成のための技術の具体例は、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−1998、およびSambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989に記載されている。
【0044】
化学的定義
保護基を構成する又はR基中に存在する化学基のいくつかの定義を以下に説明する。
【0045】
「アルキル」は、1以上の炭素原子を含有する炭化水素基を意味し、複数の炭素原子が存在する場合にはそれらは単結合で結合している。該アルキル炭化水素基は直鎖状であるか、または1以上の分枝もしくは環状基を含有しうる。保護基炭化水素は、好ましくは、C1−4である。Rアルキル基は、好ましくは、約4〜約20個の炭素原子の長さを有し、より好ましくは、C5−15であり、より好ましくは、−(CH2)6CH3である。「より長いアルキル」に対する言及は、少なくとも約4個の炭素原子を示す。
【0046】
「置換アルキル」は、該炭化水素基の水素の1以上が、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NHCH3、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜6個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCH3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたアルキルを意味する。種々の実施形態においては、1、2、3または4個の置換基が存在する。−(CH2)0−4−COOHの存在はアルキル酸の生成をもたらす。−(CH2)0−4−COOHを含有する又はそれよりなるアルキル酸の具体例には、2−ノルボルナン酢酸、tert−酪酸および3−シクロペンチルプロピオン酸が含まれる。
【0047】
「ヘテロアルキル」は、該炭化水素基中の炭素原子の1以上がアミノ、アミド、−O−またはカルボニルのうちの1以上で置換されたアルキルを意味する。種々の実施形態においては、1または2個のヘテロ原子が存在する。
【0048】
「置換ヘテロアルキル」は、該炭化水素基の水素の1以上が、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NHCH3、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜6個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCH3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたヘテロアルキルを意味する。種々の実施形態においては、1、2、3または4個の置換基が存在する。
【0049】
「アルケニル」は、1以上の炭素−炭素二重結合が存在する、2以上の炭素から構成される炭化水素基を意味する。該アルケニル炭化水素基は直鎖状であるか、または1以上の分枝もしくは環状基を含有しうる。保護基炭化水素は、好ましくは、C2−4である。Rアルケニル基は、好ましくは、約4〜約20個の炭素原子の長さを有し、より好ましくは、C5−15である。「より長いアルケニル」に対する言及は、少なくとも約4個の炭素原子を示す。
【0050】
「置換アルケニル」は、1以上の水素が、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NHCH3、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜6個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCH3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたアルケニルを意味する。種々の実施形態においては、1、2、3または4個の置換基が存在する。
【0051】
「アリール」は、2個までの共役または縮合環系を含有する、共役π電子系を有する少なくとも1つの環で場合によって置換されていてもよい芳香族基を意味する。アリールには、炭素環式アリール、ヘテロ環式アリールおよびビアリール基が含まれる。好ましくは、該アリールは5または6員環である。ヘテロ環式アリールのための好ましい原子は、1以上の硫黄、酸素および/または窒素である。アリールの具体例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インドール、キノリン、2−イミダゾールおよび9−アントラセンが含まれる。アリール置換基は、−C1−4アルキル、−C1−4アルコキシ、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜5個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる。種々の実施形態においては、該アリールは0、1、2、3または4個の置換基を含有する。
【0052】
「アルキルアリール」は、「アリール」に結合した「アルキル」を意味する。
【0053】
GHS受容体結合アッセイ
GHS受容体への化合物の結合能を測定するアッセイでは、GHS受容体、グレリン結合部位を含む該受容体の断片、そのような断片を含むポリペプチド、または該ポリペプチドの誘導体を使用する。好ましくは、該アッセイでは、GHS受容体またはその断片を使用する。
【0054】
また、グレリンに結合するGHS受容体断片を含むポリペプチドは、GHS受容体内では見出されない1以上のポリペプチド領域を含有しうる。そのようなポリペプチドの誘導体は、1以上の非ペプチド成分と共に、グレリンに結合するGHS受容体断片を含む。
【0055】
グレリン結合に関与するGHS受容体アミノ酸配列は、標識グレリンまたはトランケート化グレリン類似体と種々の受容体断片とを使用して容易に同定することができる。該結合領域を絞り込むために被検断片を選択するためには、種々の方法を用いることができる。そのような方法の具体例には、N末端から始まる約15アミノ酸長の連続的断片の試験、およびより長い断片の試験が含まれる。より長い断片を試験する場合には、グレリン結合領域を更に詳しく位置づけるために、グレリンに結合する断片を細分することができる。結合研究に使用する断片は、組換え核酸技術を用いて作製することができる。
【0056】
結合アッセイは、個々の化合物を使用して又は種々の数の化合物を含有する調製物を使用して行うことができる。GHS受容体に結合する能力を有する種々の数の化合物を含有する調製物は、GHS受容体に結合する化合物を同定するために試験されうる、より小さな化合物群に分けることができる。本発明の1つの実施形態においては、少なくとも10個の化合物を含有する試験調製物を結合アッセイにおいて使用する。
【0057】
種々の環境中に存在する組換え的に産生されたGHS受容体ポリペプチドを使用して、結合アッセイを行うことができる。そのような環境には、例えば、組換え核酸または天然に存在する核酸から発現されたGHS受容体ポリペプチドを含有する細胞抽出物および精製された細胞抽出物が含まれ、また、例えば、異なる環境中に導入された天然に存在する核酸から又は組換え手段により産生された精製されたGHS受容体ポリペプチドの使用も含まれる。
【0058】
GHS受容体活性化合物に関するスクリーニング
GHS受容体活性化合物に関するスクリーニングは、組換え的に発現された受容体を使用することにより促進される。組換え的に発現されたGHS受容体の使用は、いくつかの利点(例えば、GHS受容体における化合物に対する応答が他の受容体における応答から、より容易に区別されうるよう、一定の細胞系内で該受容体を発現しうること)をもたらす。例えば、GHS受容体は、該受容体を通常は発現しないHEK293、COS7およびCHOのような細胞系内で発現ベクターにより発現させることが可能であり、この場合、該発現ベクターを伴わない同一細胞系を対照として用いることができる。
【0059】
GHS受容体活性を減少させる化合物に関するスクリーニングは、該アッセイにおいてトランケート化グレリン類似体を使用することにより促進される。スクリーニングアッセイにおけるトランケート化グレリン類似体の使用は、GHS受容体活性をもたらす。そのような活性に対する試験化合物の効果を測定して、例えば、アロステリックモジュレーターおよびアンタゴニストを同定することができる。
【0060】
GHS受容体活性は、GHS受容体の細胞内コンホメーションにおける、Gタンパク質共役型活性における、および/または細胞内メッセンジャーにおける変化の検出のような種々の技術を用いて測定することができる。好ましくは、GHS受容体活性は、細胞内Ca2+を測定するなどの技術を用いて測定する。Ca2+を測定するために用いることができる当技術分野でよく知られた技術の具体例には、フラ−2などの色素の使用、およびCa2+生物発光感受性レポータータンパク質、例えばエクオリンの使用が含まれる。Gタンパク質活性を測定するためにエクオリンを使用する細胞系の一例として、HEK293/aeq17が挙げられる(Buttonら,1993.Cell Calcium 14,663−671、およびFeighnerら,1999.Science 284:2184−2188)。
【0061】
また、異なるGタンパク質に機能的に共役したグレリン結合領域を含有するキメラ受容体を使用して、GHS受容体活性を測定することができる。キメラGHS受容体は、N末端細胞外ドメイン;膜貫通領域、細胞外ループ領域および細胞内ループ領域から構成される膜貫通ドメイン;および細胞内カルボキシ末端を含有する。キメラ受容体を産生させGタンパク質共役応答を測定するための技術は、例えば、国際出願番号WO 97/05252および米国特許第5,264,565号(それらの両方を参照により本明細書に組み入れることとする)。
【0062】
GHS受容体活性の刺激
トランケート化グレリン類似体を使用して、GHS受容体活性を刺激することができる。そのような刺激を用いて、例えば、GHS受容体モジュレーションの効果を研究したり、成長ホルモン分泌の効果を研究したり、グレリンアンタゴニストを探索または研究したり、あるいは対象における有益な効果を達成することが可能である。達成されうる有益な効果には、成長ホルモン欠損状態の治療、筋量の増加、骨密度の増加、男性または女性における性機能不全の治療、体重増加の促進、体重維持の促進、身体機能の維持の促進、身体機能の回復の促進、および/または食欲増加の促進のうちの1以上が含まれる。
【0063】
体重または食欲の増進は、標準体重未満の対象、または疾患を有する患者または体重もしくは食欲に悪影響を及ぼす治療を受けている患者において体重を維持し又は体重もしくは食欲を増進するために有用でありうる。また、例えば、ブタ、ウシおよびニワトリのような家畜を、体重を増加させるために処理することができる。標準体重未満の対象には、「正常」体重範囲またはボディ・マス・インデックス(「BMI」)の下限より約10%以上少ない、20%以上少ない又は30%以上少ない体重を有する対象が含まれる。「正常」体重範囲は当技術分野でよく知られており、患者の年齢、身長および体型のような因子が考慮される。
【0064】
BMIは身長/体重の比率の尺度となる。それは、キログラム単位の体重をメートル単位の身長の2乗で割り算することにより求められる。BMIの「正常」範囲は19〜22である。
【0065】
投与
トランケート化グレリン類似体は、当技術分野でよく知られた技術と共に本明細書に記載の指針を用いて製剤化し対象に投与することができる。好ましい投与経路は、化合物の有効量が標的に到達することを保証する。一般的な医薬投与のための指針は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 第18版,Gennaro編,Mack Publishing,1990、およびModern Pharmaceutics 第2版,BankerおよびRhodes編,Marcel Dekker,Inc.,1990(それらの両方を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0066】
トランケート化グレリン類似体は、酸性または塩基性塩として製造することができる。医薬上許容される塩(水溶性、油溶性または分散性産物の形態)には、例えば無機または有機性の酸または塩基から形成される通常の無毒性塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。そのような塩の具体例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスルファート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(pamoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩のような酸付加塩;およびアンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウム塩)、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンのような有機塩基との塩およびアミノ酸(例えばアルギニンおよびリシン)との塩のような塩基塩が含まれる。
【0067】
トランケート化グレリン類似体は、経口、鼻腔内、注射、経皮および経粘膜経路を含む種々の経路により投与することができる。懸濁剤として経口投与する有効成分は、医薬製剤の分野でよく知られた技術に従い製造することが可能であり、かさ高さを付与するための微晶質セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロース、および甘味剤/香味剤を含有しうる。即時放出錠剤としては、これらの組成物は、微晶質セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよびラクトース、および/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含有しうる。
【0068】
鼻腔内エアゾールまたは吸入により投与する場合には、製剤は、例えば、生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤を使用して、フルオロカーボンを使用して、および/または他の可溶化剤または分散剤を使用して調製することができる。
【0069】
また、トランケート化グレリン類似体は、静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、皮下、局所(閉鎖(occlusion)の存在下または不存在下)または筋肉内形態で投与することができる。注射により投与する場合には、注射可能、注射溶液または懸濁剤は、適当な無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶剤、例えばリンゲル液または等張塩化ナトリウム溶液、あるいは適当な分散または湿潤および懸濁化剤、例えば無菌無刺激性不揮発性油、例えば合成モノまたはジグリセリド、および脂肪酸、例えばオレイン酸を使用して製剤化することができる。
【0070】
適当な投与計画は、好ましくは、投与される対象のタイプ;対象の年齢、体重、性別および医学的状態;投与経路;対象の腎および肝機能;所望の効果;および使用する個々の化合物を含む当技術分野でよく知られた因子を考慮して決定される。
【0071】
毒性を伴うことなく効力を与える範囲内の薬物濃度を最適に正確に得るためには、標的部位に対する薬物のアベイラビリティーの速度論に基づく計画が必要である。これは、薬物の分布、平衡および消失の考慮を含む。対象に対する1日量は、0.01〜1,000mg/対象/日と予想される。
【0072】
トランケート化グレリン類似体はキットとして提供されうる。そのようなキットは、典型的には、投与のための剤形中に活性化合物を含有する。剤形は、1日以上にわたり1日に1〜6回というような規則的な間隔で対象に投与した場合に所望な効果が得られうるよう十分な量の活性化合物を含有する。好ましくは、キットは、一定の期間にわたり使用する剤形の量および所望の効果を達成するための該剤形の使用法を示す説明書を含有する。
【0073】
(実施例)
本発明の種々の特徴を更に例示するために、以下に実施例を記載する。また、実施例は、本発明の実施のための有用な方法を例示する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0074】
実施例1:ペプチドの合成、精製および特徴づけ
Fmoc保護アミノ酸はAnaSpec(San Jose,California)から、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシ樹脂はPE Biosystems(Foster City,California)から、Boc−7−アミノヘプタン酸はBachem(King of Prussia,Pennsylvania)から、n−オクタン酸、2,4,6−オクタトリエン酸、2−プロピルペンタン酸、11−ウンデカン酸、パルミチン酸、8−ブロモオクタン酸、1−アダマンテン酢酸および安息香酸はAldrich(Milwaukee,Wisconsin)から入手した。
【0075】
4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシ樹脂上でのペプチジル鎖の伸長は、431A ABIペプチド合成装置上で行った。N−メチルピロリドン(NMP)中のアミノ酸のヒドロキシベンゾトリアゾールエステルのカップリングのためには、製造業者から供給されたプロトコールを適用した。半永久的なα−アミノ保護基としてはフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基を使用し、一方、側鎖保護基は、セリンにはtert−ブチル、3位のセリンには並びにヒスチジンおよびグルタミンにはトリチル、グルタミン酸にはtert−ブチルエステル、アルギニンには2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、リシンには及び1位のグリシンのα−アミノ基にはtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)であった。
【0076】
ついで該ペプチジル樹脂を容器内に移し、Ser3の側鎖からのトリチル基をジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸(TFA)で手動操作により除去した(室温で45分間)。該ペプチジル樹脂を十分に洗浄し、ついで6倍過剰の各1−エチル−3−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド(EDC)および選択した酸と共に、DCMまたはNMP中、触媒量の4−ジメチルアミノピロリジン(約10mg)の存在下で4時間攪拌した。該ペプチジル樹脂をDCM、NMPおよびメタノールで再び洗浄し、乾燥させ、スカベンジャー(合計約3%の水−アニソール−トリエチルシラン(1:1:1,v/v/v)の混合物)の存在下でTFAで処理した。1.5時間後、該樹脂を濾去し、TFAを真空中で除去し、該樹脂をエーテルでトリチュレーションした。形成した沈殿物を濾去し、エーテルで十分に洗浄し、乾燥させた。
【0077】
該粗ペプチドを、自動Wisp 712インジェクターおよび991 Photodiode Array検出器を伴うWaters 600E系に接続されたC18 Vydacカラム上の分析用逆相高速液体クロマトグラフィー(RP HPLC)により分析した。30分以内の0〜100% バッファーBの標準的勾配系(G1)、または30分以内の20〜80% バッファーBの勾配(G2)を、分析に使用した。バッファーAは水中の0.1% トリフルオロ酢酸であり、バッファーBはアセトニトリル中の0.1% トリフルオロ酢酸であった。HPLCプロフィールを210nmおよび230nmで記録した。
【0078】
半分取用C18 RP Vydacカラムを備えたWaters Delta Prep 4000上で、分取分離を行った。分離には、60分以内の20〜80% バッファーBの勾配(G3)または0〜60% バッファーBの勾配中の、水とアセトニトリルとの前記溶媒系を用いた。
【0079】
クロマトグラフィー的に均一な化合物を、エレクトロスプレーマススペクトロメトリー(Hewlett Packard Series 1100 MDS分光計)により分析した。
【0080】
実施例2:結合アッセイ
HEK 293−エクオリン安定細胞系から調製した粗膜への[35S]−MK−677の結合を、Chenら,Bioor.Med.Chem.Lett.1996,6,2163−2169およびHowardら,Science 1996,273,974−977に記載のとおりに行った。該結合アッセイの前に、264μgのリポフェクタミンを使用してHEK293−AEQ17細胞(T75フラスコ内のトランスフェクションの18時間前にプレーティングした8×105個の細胞)を22μgのヒトGHS受容体プラスミドでトランスフェクトした。哺乳類発現ベクターpcDNA−3(Invitrogen,Carlsbad,CA)内に挿入されたヒトGHS受容体をコードするオープンリーディングフレームcDNA(配列番号22)を、結合および発現研究に使用した。
【0081】
96ウェルフィルター結合アッセイのために、競合試験リガンドの存在下または不存在下、0.05nM [35S]−MK−677(比活性〜1200Ci/mmol)を4μg/ウェルの膜タンパク質に結合させた。該結合膜を0.5% ポリエチレンイミン予湿(prewet)フィルター(UniFilter 96 GF/C;Packard#6005174,Meriden,CT)上で濾過した。フィルターを8回洗浄し、乾燥させ、Microscint 20(Packard#6013621,Meriden,CT)でカウントした。3重に行った3つの別々のアッセイから、IC50値を求めた。
【0082】
配列番号22は以下のとおりである。
【0083】
【化15】
【0084】
実施例3:エクオリン生物発光機能アッセイ
エクオリン生物発光アッセイは、GqおよびG11よりなるGαタンパク質サブユニットファミリーを介して共役するGタンパク質共役型受容体を同定するための信頼しうる試験である。GqおよびG11を介した共役は、ホスホリパーゼCの活性化、細胞内カルシウムの動員およびプロテインキナーゼCの活性化を招く。ヒトGHSR1aおよびエクオリンレポータータンパク質を発現する安定細胞系を該アッセイに使用した(Buttonら,Cell Calcium 1993,14,663−671)。
【0085】
該アッセイは、Macintosh PowerPC6100用に書かれた特注ソフトウェアにより制御されたLuminoskan RTルミノメーター(Labsystems Inc.,Gaithersburg,MD)を使用して行った。293AEQ17/GHSR1a細胞(実施例2に記載のとおり)を72時間培養し、該細胞内のアポ−エクオリンを、ECBバッファー(140mM NaCl,20mM KCl,20mM HEPES−NaOH[pH=7.4],5mM グルコース,1mM MgCl2,1mM CaCl2,0.1mg/ml ウシ血清アルブミン)中、還元条件下(300μM 還元型グルタチオン)、セレンテラジン(10μM)で1時間にわたり満たした。該細胞を集め、ECB培地中で1回洗浄し、500,000細胞/mlまで再懸濁させる。ついで100mlの細胞懸濁液(5×104細胞に対応する)を、該ペプチドを含有する試験プレート内に注入し、積分発光を30秒間にわたり0.5秒単位で記録した。ついで20μLの細胞溶解バッファー(0.1%の最終濃度のTriton X−100)を注入し、積分発光を10秒間にわたり0.5秒単位で記録した。Triton X−100細胞溶解応答を含む全積分発光に対する、該初期攻撃に対する積分応答の比率を取ることにより、各ウェルに関する「応答率」値を計算した。3つの別々のアッセイにおいて、機能的EC50値を測定した。
【0086】
実施例4:種々のタイプのグレリン類似体の活性
実施例1に記載の固相合成により、ヒトグレリンの類似体(表1〜4)を製造した。該類似体を、実施例2および3に記載のとおり、放射能標識リガンドとしての[35S]−MK−677との競合結合アッセイにおけるクローン化ヒトGHS受容体1aへのそれらの結合アフィニティーに関して、そしてまた、hGHSR1aを発現するHEK−293細胞における細胞内カルシウムのイノシトール三リン酸共役動員を刺激するそれらの能力に関して評価した。
【0087】
Ser3の側鎖内のヒドロキシル基が種々の脂肪族または芳香族酸によりアシル化された化合物(表1を参照されたい)を試験することにより、ヒトグレリンとhGHSR1aとの相互作用におけるn−オクタノイル基の役割を調べた。サイズにおいてn−オクタン酸に類似した疎水性酸(例えば、不飽和2,4,6−オクタトリエン酸または分枝2−プロピルペンタン酸、あるいはより長い鎖の11−ウンデカン酸またはパルミチン酸)によるSer3のアシル化は、グレリンに類似したアゴニスト効力を有する化合物1〜4を与えた。一方、実質的にはより小さなアセチル基での該n−オクタノイル基の置換は、GHSR1a活性化アッセイにおいてヒトグレリンより20倍低い効力の化合物5を与えた。n−オクタノイル基を有さないグレリン(デス−オクタノイル−グレリン)は、マイクロモル濃度においてさえ、hGHSR1aを低く活性化したに過ぎなかった(表1中の化合物6)。
【0088】
該受容体との考えうる非疎水性相互作用を調べるために、化合物7、8、9におけるセリン3のヒドロキシル基を、n−オクタン酸の伸長疎水性鎖を模擬するがブロモ、アミノまたはアミド基をも含有する脂肪族酸でアシル化した。該hGHSR1a活性化アッセイにおいては、残基3の側鎖内にアミドおよびアミノ基を有する類似体は、hGHSR1aにおけるアゴニストとしてそれぞれ5倍および20倍低い効力を示し(表1中の化合物8および9)、一方、Ser3の側鎖に結合した8−ブロモオクタノイル基を有する化合物7は該親化合物の効力を保有した。3位にn−オクタノイル基の代わりに嵩高く強固な疎水性1−アダマンタンアセチル基を有する化合物10は、グレリンと同じくらい効率的にhGHSR1aを活性化し、より小さなベンゾイル基を同じ位置に有する化合物11は2倍低い効力を示した。
【0089】
表2は、アミド結合を介して残基3の側鎖にn−オクタノイル基を結合させた効果を示す。化合物12および14では、Ser3の代わりに2,3−ジ−アミノ−プロピオン酸が取り込まれており、この新たな残基のβ−アミノ基はn−オクタン酸でアシル化された。化合物12および14は、該親化合物グレリンおよび化合物13(グレリンの残基1〜14を含むペプチド)と同じくらい効率的にhGHSR1aを活性化した
【0090】
表3は、n−オクタン酸によりエステル化されたSer3以外のセリン残基のヒドロキシル基を有するグレリン類似体に関する結合データおよび機能データを示す。修飾されたSer2を有する化合物15は活性であった。修飾されたSer6またはSer18を有する化合物16および17は、マイクロモル濃度においてさえも不活性であった。
【0091】
表4は、トランケート化類似体に関する結合データおよび機能データを示す。グレリンの4個のアミノ末端残基までのグレリンの短縮化が活性ペプチドを与えた。相対結合アフィニティーは、C末端欠失の度合と共に徐々に減少した。グレリンの残基1〜3、または2〜5、または3〜5、または2〜4を含む短いペプチドは、マイクロモル濃度においてさえも乏しい効力のアクチベーターであった。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
他の実施形態も特許請求の範囲内に含まれる。いくつかの実施形態を示し説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の修飾を施すことが可能である。
(発明の背景)
本明細書に引用されている参考文献は本発明の先行技術であると認められるものではない。
【0002】
下垂体成長ホルモン産生細胞からの成長ホルモンの拍動性放出は、2種類の視床下部神経ペプチド、すなわち、成長ホルモン放出ホルモンおよびソマトスタチンにより調節される。成長ホルモン放出ホルモンは成長ホルモンの放出を刺激し、一方、ソマトスタチンは成長ホルモンの分泌を抑制する(Frohmanら,Endocronol.Rev.1986,7,223−253およびStroblら,Pharmacol.Rev.1994,46,1−34)。
【0003】
下垂体成長ホルモン産生細胞からの成長ホルモンの放出は、成長ホルモン放出ペプチドによっても制御されうる。ヘキサペプチドHis−D−Trp−Ala−Trp−D−Phe−Lys−アミド(GHRP−6)は、ヒトを含むいくつかの種において、用量依存的に成長ホルモン産生細胞から成長ホルモンを放出させることが判明した(Bowersら,Endocrinology 1984,114,1537−1545)。GHRP−6に関する後の化学的研究は、他の強力な成長ホルモン分泌促進因子、例えば以下のGHRP−1、GHRP−2およびヘキサレリン(hexarelin)の同定につながった(Chengら,Endocrinology 1989,124,2791−2798,Bowers,C.Y.Novel GH−Releasing Peptides.In:Molecular and Clinical Advances in Pituitary Disorders.Melmed,S.編;Endocrine Research and Education,Inc.,Los Angeles,CA,USA 1993,153−157、およびDeghenghiら,Life Sci.1994,54,1321−1328):
GHRP−1 Ala−His−D−(2’)−Nal−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2、
GHRP−2 D−Ala−D−(2’)−Nal−Ala−Trp−D−Nal−Lys−NH2、
ヘキサレリン His−D−2−MeTrp−Ala−Trp−D−Phe−Lys−NH2。
【0004】
GHRP−1、GHRP−2、GHRP−6およびヘキサレリンは合成成長ホルモン分泌促進因子である。成長ホルモン分泌促進因子は、成長ホルモン放出ホルモンとは異なるメカニズムにより成長ホルモンの分泌を刺激するが、成長ホルモン放出ホルモンと同様に、それらは下垂体および視床下部からのソマトスタチンの放出を拮抗する(Bowersら,Endocrinology 1984,114,1537−1545,Chengら,Endocrinology 1989,124,2791−2798,Bowers,C.Y.Novel GH−Releasing Peptides.In:Molecular and Clinical Advances in Pituitary Disorders.Melmed,S.編;Endocrine Research and Education,Inc.,Los Angeles,CA,USA 1993,153−157、およびDeghenghiら,Life Sci.1994,54,1321−1328)。
【0005】
該ペプチジル成長ホルモン分泌促進因子の低い経口バイオアベイラビリティ(<1%)は、下垂体内のGHRP−6の作用を模擬する非ペプチド化合物の探索を促した。いくつかのベンゾラクタムおよびスピロインダンは種々の動物種およびヒトにおいて成長ホルモン放出を刺激することが報告されている(Smithら,Science 1993,260,1640−1643,Patchettら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1995,92,7001−7005、およびChenら,Bioorg.Med.Chem.Lett.1996,6,2163−2169)。小さなスピロインダンの具体例としては、以下のMK−0677(Patchettら.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1995,92,7001−7005)が挙げられる:
【0006】
【化10】
【0007】
前記の成長ホルモン分泌促進因子(ペプチドおよび非ペプチドの両方)の作用は、特異的成長ホルモン分泌促進因子受容体(GHS受容体)により媒介されるらしい(Howardら,Science 1996,273,974−977、およびPongら,Molecular Endocrinology 1996,10,57−61)。この受容体は、種々の哺乳類種の下垂体および視床下部内に存在し(GHSR1a)、成長ホルモン放出ホルモン受容体とは異なる。GHS受容体は、中枢神経系のその他の領域および末梢組織、例えば副腎、甲状腺、心臓、肺、腎臓および骨格筋においても検出された(Chenら,Bioorg.Med.Chem.Lett.1996,6,2163−2169,Howardら,Science 1996,273,974−977,Pongら,Molecular Endocrinology 1996,10,57−61,Guanら,Mol.Brain Res.1997,48,23−29、およびMcKeeら,Genomics 1997,46,426−434)。GHSR1aのトランケート化(短小化)体が報告されている(Howardら,Science 1996,273,974−977)。
【0008】
GHS受容体はGタンパク質共役型受容体である。GHS受容体活性化の効果には、カリウムチャンネルの脱分極および抑制、イノシトール三リン酸(IP3)の細胞間濃度の増加、ならびに細胞内カルシウム濃度の一過性増加が含まれる(Pongら,Molecular Endocrinology 1996,10,57−61,Guanら,Mol.Brain Res.1997,48,23−29、およびMcKeeら,Genomics 1997,46,426−434)。
【0009】
(発明の概要)
本発明は、GHS受容体において活性なトランケート化グレリン類似体に関する。グレリンは、天然に存在する修飾ペプチドである。該類似体は、GHS受容体に結合し、好ましくは、シグナル伝達を引き起こす。グレリン類似体は、研究手段としての用途および治療的な用途を含む多種多様な用途を有する。
【0010】
ヒトグレリンの構造は以下のとおりである(式中、修飾セリンの化学構造が示されており、未修飾アミノ酸は1文字記号で示されている):
【0011】
【化11】
【0012】
グレリン内に存在するコア領域はGHS受容体における活性を与えることが判明した。該コア領域は4つのN末端アミノ酸を含み、2位または3位のセリンは、嵩高い疎水性R基で修飾されている。
【0013】
したがって、本発明の第1の態様は、
a) Z1−GSXF(Z)n−Z2、および
b) Z1−GXSF(Z)n−Z2
(式中、Xは、嵩高い疎水性R基を含有する修飾アミノ酸である;
各Zは、独立して、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの誘導体である;
Z1は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該N末端アミノ基に共有結合している;
Z2は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該C末端カルボキシ基に共有結合している;および
nは、0〜19である。)
よりなる群から選ばれる構造を有するトランケート化グレリン類似体またはそれらの医薬上許容される塩を記載する。
【0014】
特に示さない限り、キラル中心を有するアミノ酸はL−エナンチオマーとして示されている。「そ(れら)の誘導体」は、修飾アミノ酸、例えば、対応するD−アミノ酸、N−アルキル−アミノ酸、β−アミノ酸または標識アミノ酸を意味する。
【0015】
本発明のもう1つの態様は、GHS受容体に結合しうる化合物に関するスクリーニング方法を記載する。該方法は、該受容体、グレリン結合部位を含む該受容体の断片、該断片を含むポリペプチドまたは該ポリペプチドの誘導体に対するトランケート化グレリン類似体の結合に影響を及ぼす化合物の能力を測定する工程を含む。
【0016】
本発明のもう1つの態様は、対象における有益な効果を達成するための方法であって、グレリン類似体の有効量を該対象に投与する工程を含んでなる方法を記載する。該有効量は、疾患または障害の治療(例えば、治癒または重症度の軽減)または予防(例えば、発症または重症化の可能性の軽減)の補助において有益な効果をもたらす。
【0017】
本発明のもう1つの態様は、グレリン類似体の有効量を対象に投与する工程を含んでなる、成長ホルモン分泌を刺激するための方法を記載する。該有効量は、少なくとも、成長ホルモン分泌における検出可能な増加をもたらすのに十分な量であり、好ましくは、患者において有益な効果を達成するのに十分な量である。
【0018】
本発明の他の特徴および利点は、種々の実施例を含む本明細書に記載の更なる説明から明らかである。記載されている実施例は、本発明の実施に有用な種々の成分および方法を例示するものである。該実施例は本発明を限定するものではない。本開示に基づき、当業者は、本発明の実施に有用な他の化合物および方法を同定し用いることが可能である。
【0019】
(発明の詳細な記載)
本発明は、GHS受容体において活性なトランケート化グレリン類似体に関する。ヒトグレリンは28アミノ酸の修飾ペプチドであり、セリンヒドロキシル基がn−オクタン酸によりエステル化されている(Kojimaら,Nature 199,402,656−660、およびKojima,(Abstract),Third International Symposium on Growth Hormone Secretagogues,Keystone,Colorado,USA,2000年2月17〜19日)。
【0020】
グレリンは、初代培養下垂体細胞からの成長ホルモン放出を、その他の下垂体ホルモンの放出を刺激することなく、用量依存的に誘導する。麻酔したラットに静脈内注射した場合、グレリンは成長ホルモンの脈動的放出を刺激した(Kojimaら,Nature 1999,402,656−660)。
【0021】
本明細書に記載のトランケート化グレリン類似体は、GHS受容体において活性である。該類似体は該受容体に結合し、好ましくは、受容体活性を刺激しうる。グレリン類似体は、研究手段としての用途および治療的な用途を含む多種多様な用途を有する。
【0022】
研究手段の用途は、一般には、トランケート化グレリン類似体の使用およびGHS受容体またはその断片の存在を伴う。GHS受容体は、哺乳類対象、全細胞または膜断片のような種々の環境中に存在しうる。研究手段の用途の具体例には、GHS受容体において活性な化合物に関するスクリーニング、サンプルまたは調製物中のGHS受容体の存在の判定、およびグレリンの役割または効果の試験が含まれる。
【0023】
グレリン類似体は、グレリンアゴニストおよびグレリンアンタゴニストのどちらに関するスクリーニングにも使用することができる。グレリンアゴニストに関するスクリーニングは、例えば、試験化合物との競合実験においてグレリン類似体を使用することにより行うことができる。グレリンアンタゴニストに関するスクリーニングは、例えば、グレリン類似体を使用してGHS受容体活性を発現させ次いで或る化合物がGHS受容体活性を改変する能力を測定することにより行うことができる。
【0024】
グレリン類似体は対象に投与されうる。「対象」は哺乳動物を意味し、例えば、ヒト、ラット、マウスまたは家畜を含む。対象に対する言及は、必ずしも、疾患または障害の存在を示すものではない。対象なる語は、例えば、実験の一部としてトランケート化グレリン類似体を投与している哺乳動物、疾患または障害の軽減を助けるために治療されている哺乳動物、および疾患または障害の開始を遅延または予防するために予防的に治療されている哺乳動物を含む。
【0025】
グレリンアゴニストは、対象における有益な効果を達成するために使用することが可能であり、そのような有益な効果としては、例えば、成長ホルモン欠損状態の治療、筋量の増加、骨密度の増加、男性または女性における性機能不全の治療、体重増加の促進、体重維持の促進、身体機能の維持の促進、身体機能の回復の促進、および/または食欲増加の促進のうちの1以上が挙げられる。体重増加の促進、体重の維持または食欲増加は、疾患または障害を有する患者、あるいは体重減少を伴う治療を受けている患者に対して特に有用である。体重減少を伴う疾患または障害の具体例には、食欲不振、過食症、癌悪液質、エイズ、衰弱、悪液質、および虚弱老人における衰弱が含まれる。体重減少を伴う具体例には、化学療法、放射線療法、一時的または永久的な固定、および透析が含まれる。
【0026】
また、グレリンアンタゴニストは、患者において有益な効果を達成するために使用することができる。例えば、グレリンアンタゴニストは、体重減少の促進、食欲減少の促進、体重維持の促進、肥満の治療、糖尿病の治療、網膜症を含む糖尿病の合併症の治療、および/または心臓血管障害の治療のために使用することができる。過剰な体重は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓血管疾患、胆石、骨関節症および或る形態の癌を含む種々の疾患に対する寄与因子である。体重を減少させることは、例えば、そのような疾患の可能性を減少させるために、およびそのような疾患の治療の一部として利用することができる。
【0027】
トランケート化グレリン類似体
より小さなサイズのトランケート化グレリン類似体は、より長いグレリンより優れた利点、例えば、合成の容易さおよび/または生理的バッファー中の溶解性の増加をもたらす。また、小さな類似体は、望ましい薬理学的特性を有するペプチド模擬体を製造するためのモデルとして機能しうる。
【0028】
本明細書に記載のトランケート化グレリン類似体は、構造:
Z1−GSXF(Z)n−Z2、またはZ1−GXSF(Z)n−Z2、好ましくは、Z1−GSXF(Z)n−Z2
(式中、Xは、嵩高い疎水性R基を含有する修飾アミノ酸である;
各Zは、独立して、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの誘導体である;
Z1は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該N末端アミノ基に共有結合している;
Z2は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該C末端カルボキシ基に共有結合している;および
nは、0〜19であり、種々の実施形態においては、nは、0〜3、0〜6、0〜11、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11である)またはそれらの医薬上許容される塩の構造を有する。
【0029】
トランケート化グレリン類似体の一般的構造中に存在するような個々のアミノ酸、すなわち(Z)n基は、以下のとおりに表されうる:
A=Ala=アラニン;C=Cys=システイン;D=Asp=アスパラギン酸;E=Glu=グルタミン酸;F=Phe=フェニルアラニン;G=Gly=グリシン;H=His=ヒスチジン;I=Ile=イソロイシン;K=Lys=リシン;L=Leu=ロイシン;M=Met=メチオニン;N=Asn=アスパラギン;P=Pro=プロリン;Q=Gln=グルタミン;R=Arg=アルギニン;S=Ser=セリン;T=Thr=トレオニン;V=Val=バリン;W=Trp=トリプトファン、およびY=Tyr=チロシン。
【0030】
本発明はジアステレオマーを含み、それらのラセミ形態、および分割されたエナンチオ的に純粋な形態を含む。トランケート化グレリン類似体はD−アミノ酸、L−アミノ酸またはそれらの組合せを含有しうる。好ましくは、トランケート化グレリン類似体中に存在するアミノ酸はL−エナンチオマーである。
【0031】
各Zは独立して選ばれるため、生じる(Z)n基は、グレリン中に存在する連続的なアミノ酸の基に限定されない。本発明の1つの実施形態においては、(Z)nは、グレリン中に存在する連続的なアミノ酸基である。
【0032】
(Z)nが、グレリン中には存在しない連続的アミノ酸基である類似体の設計は、グレリンまたはトランケート化グレリンに対する置換に基づくものであることが可能であり、この場合、アミノ酸R基の相違を考慮して置換を行う。R基は、物理的サイズ、電荷および疎水性のようなアミノ酸の種々の特性に影響を及ぼす。アミノ酸は、以下のとおり、種々のグループに分類することができる:中性で疎水性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニンおよびメチオニン);中性で極性(グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アスパラギンおよびグルタミン);塩基性(リシン、アルギニンおよびヒスチジン);および酸性(アスパラギン酸およびグルタミン酸)。
【0033】
一般に、異なるアミノ酸を置換する際には、類似した特性を有するアミノ酸を交換することが好ましい。特定のグループ内の異なるアミノ酸の置換、例えば、ロイシンからバリン、リシンからアルギニン、およびグルタミンからアスパラギンへの置換は、ペプチドの機能の変化を引き起こさないための良好な候補である。
【0034】
好ましい誘導体としては、D−アミノ酸、N−アルキル−アミノ酸、β−アミノ酸、または標識アミノ酸(D−アミノ酸、N−アルキル−アミノ酸またはβ−アミノ酸の標識体を含む)が挙げられる。標識誘導体は、検出可能な標識でのアミノ酸またはアミノ酸誘導体の改変を示す。検出可能な標識には、発光標識、酵素的標識および放射能標識が含まれる。標識のタイプおよび標識の位置の両方が、類似体の活性に影響を及ぼしうる。標識は、GHS受容体における該トランケート化グレリン類似体の活性を実質的に改変しないように選ばれ位置すべきである。グレリンの活性に対する個々の標識および位置の効果は、グレリンの活性および/または結合を測定するアッセイを用いて判定することができる。
【0035】
該N末端アミノ基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でのアミノ末端の反応性を減少させる。アミノ保護基には、−C1−10アルキル、−C1−10置換アルキル、−C2−10アルケニル、−C2−10置換アルケニル、アリール、−C1−6アルキルアリール、−C(O)−(CH2)1−6−COOH、−C(O)−C1−6アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−O−C1−6アルキル、または−C(O)−O−アリールが含まれる。好ましくは、該アミノ末端保護基は、アセチル、プロピル、スクシニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブチルオキシカルボニルである。
【0036】
該C末端カルボキシ基に共有結合した保護基は、インビボ条件下でのカルボキシ末端の反応性を減少させる。該カルボキシ末端保護基は、好ましくは、最後のアミノ酸のα−カルボニル基に結合している。カルボキシ末端保護基には、アミド、メチルアミドおよびエチルアミドが含まれる。
【0037】
好ましい実施形態においては、Xは、構造:
【0038】
【化12】
(式中、X1は、−O−、−S−、−OC(O)−、−NHC(O)−、または−CH2−であり、好ましくは、X1は、−OC(O)−または−NHC(O)−であり、より好ましくは、X1は、−OC(O)−である;および
Rは、より長いアルキル、置換された、より長いアルキル、より長いアルケニル、置換された、より長いアルケニル、より長いヘテロアルキル、置換された、より長いヘテロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、好ましくは、Rは、−C4−20アルキル、−C4−20置換アルキル、−C4−20置換アルケニル、−C4−20アルケニル、−C4−20ヘテロアルキル、−C4−20置換へテロアルキル、アリール、またはアルキルアリールであり、より好ましくは、Rは、−C5−15アルキルまたは−C5−15置換アルキルであり、より好ましくは、Rは−C5−15であり、より好ましくは、Rは−(CH2)6CH3である)を有する。
【0039】
トランケート化グレリン類似体の具体例には、以下の修飾ペプチドが含まれる:
GSXFLSPEHQRVQQ(化合物13、配列番号2)、
GSXbFLSPEHQRVQQ(化合物14、配列番号3)、
GSXFLSPEHQRVQQRKESKKPPA−NH2(化合物18、配列番号4)、
GSXFLSPEHQRVQQRKES−NH2(化合物19、配列番号5)、
GSXFLSPEHQ−NH2(化合物20、配列番号6)、
GSXFL−NH2(化合物21)、
GSXF−NH2(化合物22)
(式中、Xは、
【0040】
【化13】
であり、Xbは、
【0041】
【化14】
である)。
【0042】
GHS受容体におけるグレリン類似体活性に対する個々の基、例えばX、(Z)nまたは保護基の効果は、後記実施例に記載されているような技術を用いて測定することができる。種々の実施形態においては、トランケート化グレリン類似体は、後記実施例3に記載のアッセイを用いて測定した場合にグレリンに対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%または少なくとも約90%の機能的活性を有し、および/または、後記実施例2に記載の結合アッセイを用いた場合に約1,000より大きな、約100より大きな又は約50より大きなIC50を有する。IC50に関しては、「より大きな」は、効力に関するものであり、したがって、結合抑制を達成するためには、より少量で十分である。
【0043】
トランケート化グレリン類似体は、当技術分野でよく知られた技術を用いて製造することができる。例えば、トランケート化グレリン類似体のポリペプチド領域は、化学的または生化学的に合成し修飾することができる。ポリペプチドの化学合成のための技術は当技術分野でよく知られている(例えば、Vincent in Peptide and Protein Drug Delivery,New York,N.Y.,Dekker,1990を参照されたい)。細胞内への核酸の導入および核酸の発現を伴う生化学的合成のための技術の具体例は、Ausubel,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley,1987−1998、およびSambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989に記載されている。
【0044】
化学的定義
保護基を構成する又はR基中に存在する化学基のいくつかの定義を以下に説明する。
【0045】
「アルキル」は、1以上の炭素原子を含有する炭化水素基を意味し、複数の炭素原子が存在する場合にはそれらは単結合で結合している。該アルキル炭化水素基は直鎖状であるか、または1以上の分枝もしくは環状基を含有しうる。保護基炭化水素は、好ましくは、C1−4である。Rアルキル基は、好ましくは、約4〜約20個の炭素原子の長さを有し、より好ましくは、C5−15であり、より好ましくは、−(CH2)6CH3である。「より長いアルキル」に対する言及は、少なくとも約4個の炭素原子を示す。
【0046】
「置換アルキル」は、該炭化水素基の水素の1以上が、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NHCH3、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜6個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCH3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたアルキルを意味する。種々の実施形態においては、1、2、3または4個の置換基が存在する。−(CH2)0−4−COOHの存在はアルキル酸の生成をもたらす。−(CH2)0−4−COOHを含有する又はそれよりなるアルキル酸の具体例には、2−ノルボルナン酢酸、tert−酪酸および3−シクロペンチルプロピオン酸が含まれる。
【0047】
「ヘテロアルキル」は、該炭化水素基中の炭素原子の1以上がアミノ、アミド、−O−またはカルボニルのうちの1以上で置換されたアルキルを意味する。種々の実施形態においては、1または2個のヘテロ原子が存在する。
【0048】
「置換ヘテロアルキル」は、該炭化水素基の水素の1以上が、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NHCH3、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜6個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCH3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたヘテロアルキルを意味する。種々の実施形態においては、1、2、3または4個の置換基が存在する。
【0049】
「アルケニル」は、1以上の炭素−炭素二重結合が存在する、2以上の炭素から構成される炭化水素基を意味する。該アルケニル炭化水素基は直鎖状であるか、または1以上の分枝もしくは環状基を含有しうる。保護基炭化水素は、好ましくは、C2−4である。Rアルケニル基は、好ましくは、約4〜約20個の炭素原子の長さを有し、より好ましくは、C5−15である。「より長いアルケニル」に対する言及は、少なくとも約4個の炭素原子を示す。
【0050】
「置換アルケニル」は、1以上の水素が、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NHCH3、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜6個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCH3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたアルケニルを意味する。種々の実施形態においては、1、2、3または4個の置換基が存在する。
【0051】
「アリール」は、2個までの共役または縮合環系を含有する、共役π電子系を有する少なくとも1つの環で場合によって置換されていてもよい芳香族基を意味する。アリールには、炭素環式アリール、ヘテロ環式アリールおよびビアリール基が含まれる。好ましくは、該アリールは5または6員環である。ヘテロ環式アリールのための好ましい原子は、1以上の硫黄、酸素および/または窒素である。アリールの具体例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インドール、キノリン、2−イミダゾールおよび9−アントラセンが含まれる。アリール置換基は、−C1−4アルキル、−C1−4アルコキシ、ハロゲン(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−OH、−CN、−SH、−NH2、−NO2、−C1−2アルキル(ただし、1〜5個のハロゲン、好ましくは−Fまたは−Cl、より好ましくは−Fで置換されているもの)、−CF3、−OCF3および−(CH2)0−4−COOHよりなる群から選ばれる。種々の実施形態においては、該アリールは0、1、2、3または4個の置換基を含有する。
【0052】
「アルキルアリール」は、「アリール」に結合した「アルキル」を意味する。
【0053】
GHS受容体結合アッセイ
GHS受容体への化合物の結合能を測定するアッセイでは、GHS受容体、グレリン結合部位を含む該受容体の断片、そのような断片を含むポリペプチド、または該ポリペプチドの誘導体を使用する。好ましくは、該アッセイでは、GHS受容体またはその断片を使用する。
【0054】
また、グレリンに結合するGHS受容体断片を含むポリペプチドは、GHS受容体内では見出されない1以上のポリペプチド領域を含有しうる。そのようなポリペプチドの誘導体は、1以上の非ペプチド成分と共に、グレリンに結合するGHS受容体断片を含む。
【0055】
グレリン結合に関与するGHS受容体アミノ酸配列は、標識グレリンまたはトランケート化グレリン類似体と種々の受容体断片とを使用して容易に同定することができる。該結合領域を絞り込むために被検断片を選択するためには、種々の方法を用いることができる。そのような方法の具体例には、N末端から始まる約15アミノ酸長の連続的断片の試験、およびより長い断片の試験が含まれる。より長い断片を試験する場合には、グレリン結合領域を更に詳しく位置づけるために、グレリンに結合する断片を細分することができる。結合研究に使用する断片は、組換え核酸技術を用いて作製することができる。
【0056】
結合アッセイは、個々の化合物を使用して又は種々の数の化合物を含有する調製物を使用して行うことができる。GHS受容体に結合する能力を有する種々の数の化合物を含有する調製物は、GHS受容体に結合する化合物を同定するために試験されうる、より小さな化合物群に分けることができる。本発明の1つの実施形態においては、少なくとも10個の化合物を含有する試験調製物を結合アッセイにおいて使用する。
【0057】
種々の環境中に存在する組換え的に産生されたGHS受容体ポリペプチドを使用して、結合アッセイを行うことができる。そのような環境には、例えば、組換え核酸または天然に存在する核酸から発現されたGHS受容体ポリペプチドを含有する細胞抽出物および精製された細胞抽出物が含まれ、また、例えば、異なる環境中に導入された天然に存在する核酸から又は組換え手段により産生された精製されたGHS受容体ポリペプチドの使用も含まれる。
【0058】
GHS受容体活性化合物に関するスクリーニング
GHS受容体活性化合物に関するスクリーニングは、組換え的に発現された受容体を使用することにより促進される。組換え的に発現されたGHS受容体の使用は、いくつかの利点(例えば、GHS受容体における化合物に対する応答が他の受容体における応答から、より容易に区別されうるよう、一定の細胞系内で該受容体を発現しうること)をもたらす。例えば、GHS受容体は、該受容体を通常は発現しないHEK293、COS7およびCHOのような細胞系内で発現ベクターにより発現させることが可能であり、この場合、該発現ベクターを伴わない同一細胞系を対照として用いることができる。
【0059】
GHS受容体活性を減少させる化合物に関するスクリーニングは、該アッセイにおいてトランケート化グレリン類似体を使用することにより促進される。スクリーニングアッセイにおけるトランケート化グレリン類似体の使用は、GHS受容体活性をもたらす。そのような活性に対する試験化合物の効果を測定して、例えば、アロステリックモジュレーターおよびアンタゴニストを同定することができる。
【0060】
GHS受容体活性は、GHS受容体の細胞内コンホメーションにおける、Gタンパク質共役型活性における、および/または細胞内メッセンジャーにおける変化の検出のような種々の技術を用いて測定することができる。好ましくは、GHS受容体活性は、細胞内Ca2+を測定するなどの技術を用いて測定する。Ca2+を測定するために用いることができる当技術分野でよく知られた技術の具体例には、フラ−2などの色素の使用、およびCa2+生物発光感受性レポータータンパク質、例えばエクオリンの使用が含まれる。Gタンパク質活性を測定するためにエクオリンを使用する細胞系の一例として、HEK293/aeq17が挙げられる(Buttonら,1993.Cell Calcium 14,663−671、およびFeighnerら,1999.Science 284:2184−2188)。
【0061】
また、異なるGタンパク質に機能的に共役したグレリン結合領域を含有するキメラ受容体を使用して、GHS受容体活性を測定することができる。キメラGHS受容体は、N末端細胞外ドメイン;膜貫通領域、細胞外ループ領域および細胞内ループ領域から構成される膜貫通ドメイン;および細胞内カルボキシ末端を含有する。キメラ受容体を産生させGタンパク質共役応答を測定するための技術は、例えば、国際出願番号WO 97/05252および米国特許第5,264,565号(それらの両方を参照により本明細書に組み入れることとする)。
【0062】
GHS受容体活性の刺激
トランケート化グレリン類似体を使用して、GHS受容体活性を刺激することができる。そのような刺激を用いて、例えば、GHS受容体モジュレーションの効果を研究したり、成長ホルモン分泌の効果を研究したり、グレリンアンタゴニストを探索または研究したり、あるいは対象における有益な効果を達成することが可能である。達成されうる有益な効果には、成長ホルモン欠損状態の治療、筋量の増加、骨密度の増加、男性または女性における性機能不全の治療、体重増加の促進、体重維持の促進、身体機能の維持の促進、身体機能の回復の促進、および/または食欲増加の促進のうちの1以上が含まれる。
【0063】
体重または食欲の増進は、標準体重未満の対象、または疾患を有する患者または体重もしくは食欲に悪影響を及ぼす治療を受けている患者において体重を維持し又は体重もしくは食欲を増進するために有用でありうる。また、例えば、ブタ、ウシおよびニワトリのような家畜を、体重を増加させるために処理することができる。標準体重未満の対象には、「正常」体重範囲またはボディ・マス・インデックス(「BMI」)の下限より約10%以上少ない、20%以上少ない又は30%以上少ない体重を有する対象が含まれる。「正常」体重範囲は当技術分野でよく知られており、患者の年齢、身長および体型のような因子が考慮される。
【0064】
BMIは身長/体重の比率の尺度となる。それは、キログラム単位の体重をメートル単位の身長の2乗で割り算することにより求められる。BMIの「正常」範囲は19〜22である。
【0065】
投与
トランケート化グレリン類似体は、当技術分野でよく知られた技術と共に本明細書に記載の指針を用いて製剤化し対象に投与することができる。好ましい投与経路は、化合物の有効量が標的に到達することを保証する。一般的な医薬投与のための指針は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 第18版,Gennaro編,Mack Publishing,1990、およびModern Pharmaceutics 第2版,BankerおよびRhodes編,Marcel Dekker,Inc.,1990(それらの両方を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0066】
トランケート化グレリン類似体は、酸性または塩基性塩として製造することができる。医薬上許容される塩(水溶性、油溶性または分散性産物の形態)には、例えば無機または有機性の酸または塩基から形成される通常の無毒性塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。そのような塩の具体例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスルファート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(pamoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩のような酸付加塩;およびアンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウム塩)、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンのような有機塩基との塩およびアミノ酸(例えばアルギニンおよびリシン)との塩のような塩基塩が含まれる。
【0067】
トランケート化グレリン類似体は、経口、鼻腔内、注射、経皮および経粘膜経路を含む種々の経路により投与することができる。懸濁剤として経口投与する有効成分は、医薬製剤の分野でよく知られた技術に従い製造することが可能であり、かさ高さを付与するための微晶質セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロース、および甘味剤/香味剤を含有しうる。即時放出錠剤としては、これらの組成物は、微晶質セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよびラクトース、および/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含有しうる。
【0068】
鼻腔内エアゾールまたは吸入により投与する場合には、製剤は、例えば、生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤を使用して、フルオロカーボンを使用して、および/または他の可溶化剤または分散剤を使用して調製することができる。
【0069】
また、トランケート化グレリン類似体は、静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、皮下、局所(閉鎖(occlusion)の存在下または不存在下)または筋肉内形態で投与することができる。注射により投与する場合には、注射可能、注射溶液または懸濁剤は、適当な無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶剤、例えばリンゲル液または等張塩化ナトリウム溶液、あるいは適当な分散または湿潤および懸濁化剤、例えば無菌無刺激性不揮発性油、例えば合成モノまたはジグリセリド、および脂肪酸、例えばオレイン酸を使用して製剤化することができる。
【0070】
適当な投与計画は、好ましくは、投与される対象のタイプ;対象の年齢、体重、性別および医学的状態;投与経路;対象の腎および肝機能;所望の効果;および使用する個々の化合物を含む当技術分野でよく知られた因子を考慮して決定される。
【0071】
毒性を伴うことなく効力を与える範囲内の薬物濃度を最適に正確に得るためには、標的部位に対する薬物のアベイラビリティーの速度論に基づく計画が必要である。これは、薬物の分布、平衡および消失の考慮を含む。対象に対する1日量は、0.01〜1,000mg/対象/日と予想される。
【0072】
トランケート化グレリン類似体はキットとして提供されうる。そのようなキットは、典型的には、投与のための剤形中に活性化合物を含有する。剤形は、1日以上にわたり1日に1〜6回というような規則的な間隔で対象に投与した場合に所望な効果が得られうるよう十分な量の活性化合物を含有する。好ましくは、キットは、一定の期間にわたり使用する剤形の量および所望の効果を達成するための該剤形の使用法を示す説明書を含有する。
【0073】
(実施例)
本発明の種々の特徴を更に例示するために、以下に実施例を記載する。また、実施例は、本発明の実施のための有用な方法を例示する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0074】
実施例1:ペプチドの合成、精製および特徴づけ
Fmoc保護アミノ酸はAnaSpec(San Jose,California)から、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシ樹脂はPE Biosystems(Foster City,California)から、Boc−7−アミノヘプタン酸はBachem(King of Prussia,Pennsylvania)から、n−オクタン酸、2,4,6−オクタトリエン酸、2−プロピルペンタン酸、11−ウンデカン酸、パルミチン酸、8−ブロモオクタン酸、1−アダマンテン酢酸および安息香酸はAldrich(Milwaukee,Wisconsin)から入手した。
【0075】
4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシ樹脂上でのペプチジル鎖の伸長は、431A ABIペプチド合成装置上で行った。N−メチルピロリドン(NMP)中のアミノ酸のヒドロキシベンゾトリアゾールエステルのカップリングのためには、製造業者から供給されたプロトコールを適用した。半永久的なα−アミノ保護基としてはフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基を使用し、一方、側鎖保護基は、セリンにはtert−ブチル、3位のセリンには並びにヒスチジンおよびグルタミンにはトリチル、グルタミン酸にはtert−ブチルエステル、アルギニンには2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、リシンには及び1位のグリシンのα−アミノ基にはtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)であった。
【0076】
ついで該ペプチジル樹脂を容器内に移し、Ser3の側鎖からのトリチル基をジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸(TFA)で手動操作により除去した(室温で45分間)。該ペプチジル樹脂を十分に洗浄し、ついで6倍過剰の各1−エチル−3−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド(EDC)および選択した酸と共に、DCMまたはNMP中、触媒量の4−ジメチルアミノピロリジン(約10mg)の存在下で4時間攪拌した。該ペプチジル樹脂をDCM、NMPおよびメタノールで再び洗浄し、乾燥させ、スカベンジャー(合計約3%の水−アニソール−トリエチルシラン(1:1:1,v/v/v)の混合物)の存在下でTFAで処理した。1.5時間後、該樹脂を濾去し、TFAを真空中で除去し、該樹脂をエーテルでトリチュレーションした。形成した沈殿物を濾去し、エーテルで十分に洗浄し、乾燥させた。
【0077】
該粗ペプチドを、自動Wisp 712インジェクターおよび991 Photodiode Array検出器を伴うWaters 600E系に接続されたC18 Vydacカラム上の分析用逆相高速液体クロマトグラフィー(RP HPLC)により分析した。30分以内の0〜100% バッファーBの標準的勾配系(G1)、または30分以内の20〜80% バッファーBの勾配(G2)を、分析に使用した。バッファーAは水中の0.1% トリフルオロ酢酸であり、バッファーBはアセトニトリル中の0.1% トリフルオロ酢酸であった。HPLCプロフィールを210nmおよび230nmで記録した。
【0078】
半分取用C18 RP Vydacカラムを備えたWaters Delta Prep 4000上で、分取分離を行った。分離には、60分以内の20〜80% バッファーBの勾配(G3)または0〜60% バッファーBの勾配中の、水とアセトニトリルとの前記溶媒系を用いた。
【0079】
クロマトグラフィー的に均一な化合物を、エレクトロスプレーマススペクトロメトリー(Hewlett Packard Series 1100 MDS分光計)により分析した。
【0080】
実施例2:結合アッセイ
HEK 293−エクオリン安定細胞系から調製した粗膜への[35S]−MK−677の結合を、Chenら,Bioor.Med.Chem.Lett.1996,6,2163−2169およびHowardら,Science 1996,273,974−977に記載のとおりに行った。該結合アッセイの前に、264μgのリポフェクタミンを使用してHEK293−AEQ17細胞(T75フラスコ内のトランスフェクションの18時間前にプレーティングした8×105個の細胞)を22μgのヒトGHS受容体プラスミドでトランスフェクトした。哺乳類発現ベクターpcDNA−3(Invitrogen,Carlsbad,CA)内に挿入されたヒトGHS受容体をコードするオープンリーディングフレームcDNA(配列番号22)を、結合および発現研究に使用した。
【0081】
96ウェルフィルター結合アッセイのために、競合試験リガンドの存在下または不存在下、0.05nM [35S]−MK−677(比活性〜1200Ci/mmol)を4μg/ウェルの膜タンパク質に結合させた。該結合膜を0.5% ポリエチレンイミン予湿(prewet)フィルター(UniFilter 96 GF/C;Packard#6005174,Meriden,CT)上で濾過した。フィルターを8回洗浄し、乾燥させ、Microscint 20(Packard#6013621,Meriden,CT)でカウントした。3重に行った3つの別々のアッセイから、IC50値を求めた。
【0082】
配列番号22は以下のとおりである。
【0083】
【化15】
【0084】
実施例3:エクオリン生物発光機能アッセイ
エクオリン生物発光アッセイは、GqおよびG11よりなるGαタンパク質サブユニットファミリーを介して共役するGタンパク質共役型受容体を同定するための信頼しうる試験である。GqおよびG11を介した共役は、ホスホリパーゼCの活性化、細胞内カルシウムの動員およびプロテインキナーゼCの活性化を招く。ヒトGHSR1aおよびエクオリンレポータータンパク質を発現する安定細胞系を該アッセイに使用した(Buttonら,Cell Calcium 1993,14,663−671)。
【0085】
該アッセイは、Macintosh PowerPC6100用に書かれた特注ソフトウェアにより制御されたLuminoskan RTルミノメーター(Labsystems Inc.,Gaithersburg,MD)を使用して行った。293AEQ17/GHSR1a細胞(実施例2に記載のとおり)を72時間培養し、該細胞内のアポ−エクオリンを、ECBバッファー(140mM NaCl,20mM KCl,20mM HEPES−NaOH[pH=7.4],5mM グルコース,1mM MgCl2,1mM CaCl2,0.1mg/ml ウシ血清アルブミン)中、還元条件下(300μM 還元型グルタチオン)、セレンテラジン(10μM)で1時間にわたり満たした。該細胞を集め、ECB培地中で1回洗浄し、500,000細胞/mlまで再懸濁させる。ついで100mlの細胞懸濁液(5×104細胞に対応する)を、該ペプチドを含有する試験プレート内に注入し、積分発光を30秒間にわたり0.5秒単位で記録した。ついで20μLの細胞溶解バッファー(0.1%の最終濃度のTriton X−100)を注入し、積分発光を10秒間にわたり0.5秒単位で記録した。Triton X−100細胞溶解応答を含む全積分発光に対する、該初期攻撃に対する積分応答の比率を取ることにより、各ウェルに関する「応答率」値を計算した。3つの別々のアッセイにおいて、機能的EC50値を測定した。
【0086】
実施例4:種々のタイプのグレリン類似体の活性
実施例1に記載の固相合成により、ヒトグレリンの類似体(表1〜4)を製造した。該類似体を、実施例2および3に記載のとおり、放射能標識リガンドとしての[35S]−MK−677との競合結合アッセイにおけるクローン化ヒトGHS受容体1aへのそれらの結合アフィニティーに関して、そしてまた、hGHSR1aを発現するHEK−293細胞における細胞内カルシウムのイノシトール三リン酸共役動員を刺激するそれらの能力に関して評価した。
【0087】
Ser3の側鎖内のヒドロキシル基が種々の脂肪族または芳香族酸によりアシル化された化合物(表1を参照されたい)を試験することにより、ヒトグレリンとhGHSR1aとの相互作用におけるn−オクタノイル基の役割を調べた。サイズにおいてn−オクタン酸に類似した疎水性酸(例えば、不飽和2,4,6−オクタトリエン酸または分枝2−プロピルペンタン酸、あるいはより長い鎖の11−ウンデカン酸またはパルミチン酸)によるSer3のアシル化は、グレリンに類似したアゴニスト効力を有する化合物1〜4を与えた。一方、実質的にはより小さなアセチル基での該n−オクタノイル基の置換は、GHSR1a活性化アッセイにおいてヒトグレリンより20倍低い効力の化合物5を与えた。n−オクタノイル基を有さないグレリン(デス−オクタノイル−グレリン)は、マイクロモル濃度においてさえ、hGHSR1aを低く活性化したに過ぎなかった(表1中の化合物6)。
【0088】
該受容体との考えうる非疎水性相互作用を調べるために、化合物7、8、9におけるセリン3のヒドロキシル基を、n−オクタン酸の伸長疎水性鎖を模擬するがブロモ、アミノまたはアミド基をも含有する脂肪族酸でアシル化した。該hGHSR1a活性化アッセイにおいては、残基3の側鎖内にアミドおよびアミノ基を有する類似体は、hGHSR1aにおけるアゴニストとしてそれぞれ5倍および20倍低い効力を示し(表1中の化合物8および9)、一方、Ser3の側鎖に結合した8−ブロモオクタノイル基を有する化合物7は該親化合物の効力を保有した。3位にn−オクタノイル基の代わりに嵩高く強固な疎水性1−アダマンタンアセチル基を有する化合物10は、グレリンと同じくらい効率的にhGHSR1aを活性化し、より小さなベンゾイル基を同じ位置に有する化合物11は2倍低い効力を示した。
【0089】
表2は、アミド結合を介して残基3の側鎖にn−オクタノイル基を結合させた効果を示す。化合物12および14では、Ser3の代わりに2,3−ジ−アミノ−プロピオン酸が取り込まれており、この新たな残基のβ−アミノ基はn−オクタン酸でアシル化された。化合物12および14は、該親化合物グレリンおよび化合物13(グレリンの残基1〜14を含むペプチド)と同じくらい効率的にhGHSR1aを活性化した
【0090】
表3は、n−オクタン酸によりエステル化されたSer3以外のセリン残基のヒドロキシル基を有するグレリン類似体に関する結合データおよび機能データを示す。修飾されたSer2を有する化合物15は活性であった。修飾されたSer6またはSer18を有する化合物16および17は、マイクロモル濃度においてさえも不活性であった。
【0091】
表4は、トランケート化類似体に関する結合データおよび機能データを示す。グレリンの4個のアミノ末端残基までのグレリンの短縮化が活性ペプチドを与えた。相対結合アフィニティーは、C末端欠失の度合と共に徐々に減少した。グレリンの残基1〜3、または2〜5、または3〜5、または2〜4を含む短いペプチドは、マイクロモル濃度においてさえも乏しい効力のアクチベーターであった。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
他の実施形態も特許請求の範囲内に含まれる。いくつかの実施形態を示し説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の修飾を施すことが可能である。
Claims (18)
- a) Z1−GSXF(Z)n−Z2、および
b) Z1−GXSF(Z)n−Z2
(式中、Xは、嵩高い疎水性R基を含有する修飾アミノ酸である;
各Zは、独立して、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの誘導体である;
Z1は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該N末端アミノ基に共有結合している;
Z2は、場合によって存在していてもよい保護基であり、それは、存在する場合には、該C末端カルボキシ基に共有結合している;および
nは、0〜19である)よりなる群から選ばれる構造を有するトランケート化グレリン類似体またはその医薬上許容される塩。 - 該類似体が構造:Z1−GSXF(Z)n−Z2を有する、請求項2記載の類似体。
- nが0〜11である、請求項3記載の類似体。
- nが0〜6である、請求項4記載の類似体。
- nが0〜3である、請求項5記載の類似体。
- nが0である、請求項6記載の類似体。
- X1が−C(O)−または−NH(O)−であり、Rが−C5−15アルキルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の類似体。
- X1が−C(O)−であり、Rが−(CH2)6CH3である、請求項8記載の類似体。
- Z1が、存在する場合には−C(O)CH3であり、Z2が、存在する場合には−NH2である、請求項9記載の類似体。
- 成長ホルモン分泌促進因子受容体に結合しうる化合物に関するスクリーニング方法であって、該受容体、グレリン結合部位を含む該受容体の断片、該断片を含むポリペプチドまたは該ポリペプチドの誘導体への請求項1記載の類似体の結合をもたらす該化合物の能力を測定する工程を含んでなる方法。
- 該方法が、該受容体への該類似体の結合能を測定するものである、請求項12記載の方法。
- 対象において有益な効果を達成するための方法であって、請求項1記載の類似体の有効量を該対象に投与する工程を含んでなる方法。
- 請求項1記載の類似体の有効量を対象に投与する工程を含んでなる、成長ホルモン分泌を刺激するための方法。
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