JP2004509204A - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、i)8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する少なくとも1種のポリエステル70〜99.9質量%およびii) ii1)少なくとも1種の界面活性剤 ii2)1000〜7000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステルから選択された1種以上の化合物0.1〜30質量%または少なくとも1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物を含有しており、この場合、成分i)からii)の質量百分率が合計で100%であるポリエステルフィルム、並びに包装フィルムとしての該フィルムの使用、並びにポリエステルフィルムの透明性または接着力または防曇特性を高めるためかまたはポリエステルのための核形成剤としてのii)の使用に関する。
Description
【0001】
本発明は
i)8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する少なくとも1種のポリエステル70〜99.9質量%および
ii)
ii1)少なくとも1種の界面活性剤
ii2)1000〜7000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステル
から選択された1種以上の化合物0.1〜30質量%
または少なくとも1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物
を含有しており、この場合、成分i)からii)の質量百分率が合計で100%であるポリエステルフィルムに関する。
【0002】
さらに、本発明は包装フィルムとしてのポリエステルフィルムの使用、およびポリエステルフィルムの透明性または接着力または防曇特性を高めるための、またはポリエステルのための核形成剤としての、ii1)少なくとも1種の界面活性剤またはii2)1000〜7000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステルまたは1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物の使用に関する。
【0003】
例えば生分解可能な製品、例えば食品を包装するために従来主に使用されたフィルム材料は、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは塩化ビニルホモポリマーおよび塩化ビニルコポリマーをベースとする。上記の材料は当然のことながら生分解が不可能であるという欠点を有する。従って上記フィルム材料の適切な廃棄処理は複雑であり、従って高額な費用がかかる。
【0004】
上記の欠点を有していない生分解可能なポリエステルフィルムは公知である(例えばWO96/15173参照)。特開平2−26626および特開平2−26623には、ヒドロキシカルボン酸および一定の粘性の液体添加剤をベースとする脂肪族ポリエステルを有する、生分解可能なポリエステルフィルムが記載されている。しかしながら、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは塩化ビニルホモポリマーおよび塩化ビニルコポリマーをベースとする生分解不可能なフィルムに対して、ポリエステルフィルム、殊に生分解可能なポリエステルフィルムは透明性が低く、別の材料、例えば厚紙製の包装材料または食品に対しても、この生分解可能なポリエステルフィルム自体に対してもより低い接着力を有し、かつより不良な防曇特性を有する。
【0005】
従って本発明は、高められた透明性、高められた接着力、改善された防曇特性またはこれらの特性のいくつかを有するポリエステルフィルムを提供するという課題に基づく。
【0006】
この課題は、冒頭で定義されたポリエステルフィルムにより解決され、このポリエステルフィルムは以下で詳細に記載されている。
【0007】
原理的に、本発明によるポリエステルフィルムを製造するために、成分i)として8000〜100000g/モル、好ましくは9000〜75000g/モル、殊に好ましくは10000〜50000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する全てのポリエステルが該当する。このようなポリエステルのための例は、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートである。上記ポリエステルの混合物またはブレンドも適当である。
【0008】
上記および下記ポリマーの分子量Mnのための測定法は、以下で”例”の項目で応用技術的な測定の説明において記載される。
【0009】
好ましくは、本発明によるポリエステルフィルムは生分解が可能である。
【0010】
”生分解可能なポリエステルフィルム”という記載は、DIN V 54900中に記載された生分解可能性の定義に含まれる全てのポリエステルフィルム、殊に堆肥化可能なポリエステルフィルムを含むはずである。
【0011】
一般的に生分解可能性とは、ポリエステルフィルムが、適当な明白な期間内に分解することを意味する。分解は加水分解によりおよび/または酸化的に起こり得り、かつ大半は微生物、例えばバクテリア類、酵母類、真菌類および藻類の作用により引き起こされ得る。生分解可能性は、例えばフィルムが堆肥と混合され、一定の時間貯蔵されることにより測定されることができる。ASTM D 5338、ASTM D 6400およびDIN V 54900に準拠して、CO2不含空気は例えば成熟された堆肥に堆肥化の間貫流され、かつこの堆肥は定義された温度プログラムで処理される。この場合生分解可能性は、(試料なしの堆肥によるCO2放出量を差し引いた後の)試料の正味CO2放出量と、(試料の炭素含量から算出された)試料の最大のCO2放出量との比により定義される。本発明による生分解が可能であるポリエステルフィルムは、通常、すでに堆肥化の数日後に明らかな分解現象、例えば真菌類の繁茂、ひび割れおよび破孔形成を示す。
【0012】
原理的に、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムを製造するために、成分i)として、8000〜100000g/モル、好ましくは9000〜75000g/モル、殊に好ましくは10000〜50000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する全ての生分解可能なポリエステルが該当する。生分解可能なポリエステルのための例は、セルロース誘導体、例えばセルロースエステル、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、澱粉エステルおよびポリエステル、殊に脂肪族ホモポリエステルおよび脂肪族コポリエステルおよび部分芳香族コポリエステルである。当然のことながら、上記の生分解可能なポリエステルの混合物またはブレンドも適当である。
【0013】
上記の生分解可能なポリエステルi)は、ブレンド体成分または混合物成分として、天然もしくは合成に由来する他の生分解可能なポリマーを含有してよい。天然に由来するポリマーは例えばセラック、澱粉またはセルロースである。上記の天然に由来するポリマーは、物理的および/または化学的方法を用いて改質されていてよい。天然に由来する好ましいポリマーには、澱粉、熱可塑的に加工可能な澱粉または澱粉化合物、例えば澱粉エーテルが含まれる。一般に、生分解可能なポリエステルi)と他の生分解可能なブレンド体成分または混合物成分、例えば澱粉との質量比は幅広い範囲内、例えば1.2:1〜0.8:1.2の範囲内で自由に選択されてよい。
【0014】
乳酸の高分子反応生成物は生分解可能なポリエステルi)として、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムを製造するために使用されることができる。この乳酸の高分子反応生成物は自体公知であるか、または自体公知の方法により製造されることができる。ポリラクチドに加え、乳酸および他のモノマーをベースとするコポリマーまたはブロックコポリマーが使用されてもよい。主に直鎖ポリラクチドが使用される。しかしながら分枝鎖乳酸ポリマーが使用されてもよい。枝分れ剤(Verzweiger)として、例えば多官能価酸または多官能価アルコールが利用されることができる。例えば、本質的に、乳酸またはそのC1〜C4アルキルエステルまたはその混合物および少なくとも1種の脂肪族C4〜C10ジカルボン酸および3〜5個のヒドロキシ基を有する少なくとも1種のC3〜C10アルカノールから得ることができるポリラクチドが挙げられる。
【0015】
さらに、生分解可能なポリエステルフィルムを得ることができる生分解可能なポリエステルi)の例は脂肪族ポリエステルである。この脂肪族ポリエステルには脂肪族ヒドロキシカルボン酸または脂肪族ラクトンのホモポリマーが含まれるが、しかしながら種々のヒドロキシカルボン酸またはラクトンまたはその混合物のコポリマーまたはブロックコポリマーも含まれる。それに加え、この脂肪族ポリエステルは構造単位としてジオールおよび/またはイソシアネートを含有してよい。さらに、脂肪族ポリエステルは3官能価化合物または多官能価化合物、例えばエポキシド、酸またはトリオールに由来する構造単位を含有してもよい。多官能価化合物に由来する構造単位は単独で脂肪族ポリエステル中に含有されていてもよいし、またはこの構造単位の数種が、またはジオールおよび/またはイソシアネートと一緒に脂肪族ポリエステル中に含有されていてもよい。
【0016】
脂肪族ポリエステルの製造方法は当業者に公知である。脂肪族ポリエステルは一般に8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する。
【0017】
殊に好ましい脂肪族ポリエステルにはポリカプロラクトンが含まれる。
【0018】
ポリ−3−ヒドロキシブタン酸エステルおよび3−ヒドロキシブタン酸のコポリマーまたはその4−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシ吉草酸との混合物、殊に3−ヒドロキシ吉草酸の質量比が30質量%まで、好ましくは20質量%までである該混合物は、殊に好ましい脂肪族ポリエステルである。この型の適当なポリマーにはR−立体特異配置も含まれ、これは例えばWO96/09402の記載から公知である。ポリヒドロキシブタン酸エステルまたはそのコポリマーは微生物により製造されることができる。種々のバクテリア類および真菌類からの製造方法は、例えばNachr. Chem Tech. Lab. 第39巻、第1112頁〜第1124頁(1991)から引用されることができ、立体特異ポリマーの製造方法の1つはWO96/09402の記載から公知である。
【0019】
さらに上記ヒドロキシカルボン酸またはラクトンからのブロックコポリマー、その混合物、オリゴマーまたはポリマーが使用されてもよい。
【0020】
他の脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸またはその混合物および脂肪族ジオールまたは脂環式ジオールまたはその混合物から形成されている脂肪族ポリエステルである。本発明によれば、ランダムコポリマーのみならずブロックコポリマーが使用されてもよい。
【0021】
本発明により適当な脂肪族ジカルボン酸は、一般に2〜10個の炭素原子、有利に4〜6個の炭素原子を有する。これらの脂肪族ジカルボン酸は直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。本発明による範囲内で使用可能な脂環式ジカルボン酸は、通常7〜10個の炭素原子、殊に8個の炭素原子を有する脂環式ジカルボン酸である。しかしながら原理的に、より多くの炭素原子、例えば30個までの炭素原子の数を有するジカルボン酸が使用されてもよい。
【0022】
例示的には、次のものを挙げることができる:マロン酸、コハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アセライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸および2,5−ノルボルナンジカルボン酸、このうちアジピン酸が好ましい。
【0023】
同様に使用可能である、上記脂肪族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸のエステル形成性誘導体として、殊にジ−C1〜C6アルキルエステル、例えばジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジイソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジイソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジイソペンチルエステルまたはジ−n−ヘキシルエステルが挙げられる。ジカルボン酸の無水物も同様に使用されることができる。
【0024】
この場合、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体は単独でかまたはその2種以上からの混合物として使用されることができる。
【0025】
該当する脂肪族ポリエステルの例は、例えばWO94/14870に記載されている脂肪族コポリエステル、殊にコハク酸、そのジエステルまたは別の脂肪酸とのそれらの混合物もしくはジエステル、例えばグルタル酸およびブタンジオール、または該ジオールとエチレングリコール、プロパンジオールもしくはヘキサンジオールもしくはそれらの混合物とからの混合物からの脂肪族コポリエステルである。
【0026】
この種の脂肪族ポリエステルは一般に8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する。
【0027】
同様に、脂肪族ポリエステルは他のモノマーを有するランダムコポリエステルまたはブロックコポリエステルであってよい。他のモノマーの含量は通常10質量%までである。好ましいコモノマーはヒドロキシカルボン酸またはラクトンまたはその混合物である。
【0028】
当然のことながら、脂肪族ポリエステルを製造するために、2種以上のコモノマーおよび/または他の構造単位、例えばエポキシドまたは多官能価脂肪酸または多官能価芳香族酸または多官能価アルコールからの混合物が使用されてもよい。
【0029】
さらに、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムは成分i)としての部分芳香族ポリエステルをベースとしてよい。本発明によればこれらはポリエステル誘導体、例えばポリエーテルエステル、ポリエステルアミドまたはポリエーテルエステルアミドとも解釈されるはずである。適当な生分解可能な部分芳香族ポリエステルには直鎖状の非連鎖延長ポリエステルが含まれる(WO92/09654)。連鎖延長部分芳香族ポリエステルおよび/または分枝鎖部分芳香族ポリエステルが好ましい。分枝鎖部分芳香族ポリエステルは、冒頭に記載された刊行物であるWO96/15173〜15176、21689〜21692、25446、25448またはWO98/12242の記載から公知であり、この場合これらの刊行物は明確な参考のために挙げられたものである。種々の部分芳香族ポリエステルの混合物は、澱粉または改質された澱粉、セルロースエステルまたはポリラクチドを有する部分芳香族ポリエステルのブレンドと同様に該当する。
【0030】
殊に好ましい部分芳香族ポリエステルには、本質的な成分として
A)
a1)少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸または少なくとも1種の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体またはその混合物30〜95モル%
a2)少なくとも1種の芳香族ジルカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体またはその混合物5〜70モル%および
a3)1種のスルホネート基含有化合物0〜5モル%
からなる1種の酸成分および
B)少なくとも1種のC2〜C12アルカンジオールおよび少なくとも1種のC5〜C10シクロアルカンジオールまたはその混合物から選択された1種のジオール成分
および所望の場合はさらに
C)
c1)エーテル官能基を有する式I
HO−[(CH2)n−O]m−H (I)
[式中、nは2、3または4を表し、mは2〜250の1個の整数を表す]の少なくとも1種のジヒドロキシ化合物
c2)式IIaまたはIIb
【0031】
【化5】
【0032】
[式中、pは1〜1500の1個の整数を表し、rは1〜4の1個の整数を表し、Gはフェニレン、−(CH2)q−(但し、qは1〜5の1個の整数を表す)、−C(R)H−および−C(R)HCH2(但し、Rはメチルまたはエチルを表す)からなる群から選択されている1個の基を表す]の少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸
c3)少なくとも1種のアミノ−C2〜C12アルカノールまたは少なくとも1種のアミノC5〜C10シクロアルカノールまたはその混合物
c4)少なくとも1種のジアミノC1〜C8アルカン
c5)一般式III
【0033】
【化6】
【0034】
[式中、R1は1個の単結合、1個の(CH2)zアルキレン基(但し、z=2、3または4)または1個のフェニレン基を表す]の少なくとも1種の2,2’−ビスオキサゾリン
c6)天然アミノ酸、最大で18000g/モルの分子量を有し、4〜6個のC原子を有するジカルボン酸と4〜10個のC原子を有するジアミンとの重縮合により得られるポリアミド、式IVaおよびIVb
【0035】
【化7】
【0036】
[式中、sは1〜1500の1個の整数を表し、tは1〜4の1個の整数を表し、Tはフェニレン、−(CH2)n−(但し、nは1〜12の1個の整数を表す)、−C(R2)H−および−C(R2)HCH2(但し、R2はメチルまたはエチルを表す)からなる群から選択されている1個の基を表す]の化合物および繰り返し単位V
【0037】
【化8】
【0038】
(但し、R3は水素原子、C1〜C6アルキル、C5〜C8シクロアルキル、非置換フェニルまたはC1〜C4アルキル基で3回まで置換されているフェニルまたはテトラヒドロフリルを表す)を有するポリオキサゾリン
からなる群から選択された、少なくとも1種のアミノカルボン酸
またはc1)〜c6)からの混合物
から選択された1種の成分
および
D)
d1)エステル形成が可能である基を少なくとも3個有する、少なくとも1種の化合物
d2)少なくとも1種のイソシアネート
d3)少なくとも1種のジビニルエーテル
またはd1)〜d3)からの混合物
から選択された1種の成分とから選択された1種以上の成分
を含有するポリエステルが含まれる。
【0039】
好ましい部分芳香族ポリエステルの酸成分Aは、a1 30〜70モル%、殊に40〜60モル%およびa2 30〜70モル%、殊に40〜60モル%を有する。
【0040】
脂肪酸または脂環式酸および相応する誘導体a1として上記化合物が該当する。殊に好ましくはアジピン酸またはセバシン酸、そのそれぞれのエステル形成性誘導体またはその混合物が使用される。殊に好ましくはアジピン酸またはそのエステル形成性誘導体、例えばそのアルキルエステルまたはその混合物が使用される。
【0041】
芳香族ジカルボン酸a2として、一般に8〜12個の炭素原子、有利に8個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸が挙げられる。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフトエ酸および1,5−ナフトエ酸およびそのエステル形成性誘導体が挙げられる。この場合殊にジ−C1〜C6アルキルエステル、例えばジメチル−、ジエチル−、ジ−n−プロピル−、ジイソプロピル−、ジ−n−ブチル−、ジイソブチル−、ジ−t−ブチル−、ジ−n−ペンチル−、ジイソペンチル−またはジ−n−ヘキシルエステルが挙げられる。ジカルボン酸a2の無水物は同様に適当なエステル形成性誘導体である。
【0042】
しかしながら原理的に、より多くの炭素原子数、例えば20個までの炭素原子数を有する芳香族ジカルボン酸a2が使用されてよい。
【0043】
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体a2は、単独でかまたはその2種以上からの混合物として使用されてよい。殊に好ましくはテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、例えばジメチルテレフタレートが使用される。
【0044】
スルホネート基含有化合物として、通常1種のスルホネート基含有ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の1種のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、好ましくは5−スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩またはその混合物、殊に好ましくはナトリウム塩が使用される。
【0045】
好ましい実施態様の1つによれば、酸成分Aはa1 40〜60モル%、a2 40〜60モル%およびa3 0〜2モル%を含有する。もう1つの好ましい実施態様によれば、酸成分Aはa1 40〜59.9モル%、a2 40〜59.9モル%およびa3 0.1〜1モル%、殊にa1 40〜59.8モル%、a2 40〜59.8モル%およびa3 0.2〜0.5モル%を含有する。
【0046】
一般に、ジオールBは2〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する分枝鎖状もしくは直鎖状アルカンジオールまたは5〜10個の炭素原子を有するシクロアルカンジオールから選択される。
【0047】
適当なアルカンジオールのための例は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、殊にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたは2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールである。種々のアルカンジオールの混合物が使用されてもよい。
【0048】
酸末端基またはOH末端基の過剰が望まれるか否かに応じて、成分Aかまたは成分Bのどちらか一方は過剰で使用されてよい。好ましい実施態様の1つによれば、使用された成分AとBとのモル比は0.4:1〜1.5:1の範囲内、好ましくは0.6:1〜1.1:1の範囲内にあってよい。
【0049】
成分AおよびBに加え、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムのベースとなるポリエステルは他の成分を含有してよい。
【0050】
ジヒドロキシ化合物c1として、好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)、殊に好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールが使用され、その際、その混合物かまたは種々の変数nを有する化合物(式I参照)、例えばプロピレン単位(n=3)を有し、かつ例えば自体公知の方法によりまずエチレンオキシドを、引き続きプロピレンオキシドと重合することにより得られるポリエチレングリコールが使用されることもでき、かつ殊に好ましくは、種々の変数nを有するポリエチレングリコールをベースとする1種のポリマーが使用されることができ、その際、エチレンオキシドから形成された単位が支配的である。ポリエチレングリコールの分子量(Mn)は通常250〜8000、好ましくは600〜3000g/モルの範囲内で選択される。
【0051】
好ましい実施態様の1つによれば、部分芳香族ポリエステルを製造するために、ジオールBおよびジヒドロキシ化合物c1のモル量に対して、例えばB 15〜98モル%、好ましくは60〜99.5モル%、およびc1 0.2〜85モル%、好ましくは0.5〜30モル%が使用されてよい。
【0052】
好ましい実施態様の1つにおいては、ヒドロキシカルボン酸c2)として:グリコール酸、D−乳酸、L−乳酸、D,L−乳酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、その環式誘導体、例えばグリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、D−ジラクチド、L−ジラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、p−ヒドロキシ安息香酸およびそのオリゴマーおよびポリマー、例えば3−ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリラクチド(例えばエコプラ(EcoPLA) (登録商標)(Fa. Cargill)として入手可能)および3−ポリヒドロキシ酪酸とポリヒドロキシ吉草酸とからの1種の混合物(ポリヒドロキシ吉草酸はZeneca社のビオポル(Biopol)(登録商標)の商品名で入手可能である)、殊に好ましくは部分芳香族ポリエステルを製造するためにその低分子誘導体および環式誘導体が使用される。
【0053】
ヒドロキシカルボン酸はAおよびBの量に対して例えば0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%の量で使用されてよい。
【0054】
アミノ−C2〜C12アルカノールまたはアミノ−C5〜C10シクロアルカノール(成分c3)として、好ましくはアミノ−C2〜C6アルカノール、例えば2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノールおよびアミノ−C5〜C6シクロアルカノール、例えばアミノシクロペンタノールおよびアミノシクロヘキサノールまたはその混合物が使用され、その際、4−アミノメチルシクロヘキサンメタノールもこれに含まれるはずである。
【0055】
ジアミノ−C1〜C8アルカン(成分c4)として、好ましくはジアミノ−C4〜C6アルカン、例えば1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタンおよび1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン、”HMD”)が使用される。
【0056】
好ましい実施態様の1つによれば、部分芳香族ポリエステルを製造するために、ジオール成分B、c3およびc4のモル量に対して、B 0.5〜99.5モル%、好ましくは70〜98.0モル%、c3 0.5〜99.5モル%、好ましくは0.5〜50モル%、およびc4 0〜50モル%、好ましくは0〜35モル%が使用されてよい。
【0057】
一般式IIIの2,2’−ビスオキサゾリンc5は、一般にAngew.Chem.Int.Edit.,第11巻(1972),第287頁−第288頁からの方法により得ることができる。殊に好ましいビスオキサゾリンは、R1が1個の単結合を表し、1個の(CH2)qアルキレン基(但し、q=2、3または4)が例えばメチレン、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイルまたは1個のフェニレン基を表すビスオキサゾリンである。殊に好ましいビスオキサゾリンとして、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニル)メタン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)エタン、1,3−ビス(2−オキサゾリニル)プロパンまたは1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ブタン、殊に1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼンまたは1,3−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼンが挙げられる。
【0058】
部分芳香族ポリエステルを製造するために、それぞれ成分B、c3、c4およびc5のモル量の合計に対して例えばB 70〜98モル%、c3 1〜30モル%およびc4 0.5〜30モル%およびc5 0.5〜30モル%が使用されてよい。もう1つの好ましい実施態様によれば、AおよびBの全質量に対してc5 0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜4質量%を使用してよい。
【0059】
成分c6として天然アミノカルボン酸が使用されてよい。この天然アミノカルボン酸には、バリン、ロイシン、イソロイシン、テレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリン、チロシン、アスパラギンまたはグルタミンが含まれる。
【0060】
一般式IVaおよびIVbの好ましいアミノカルボン酸は、sが1〜1000の1個の整数を表し、tが1〜4の1個の整数、好ましくは1または2を表し、Tがフェニレンおよび−(CH2)n−の群から選択されており、その際nは1、5または12を表すアミノカルボン酸である。
【0061】
さらにc6は一般式Vのポリオキサゾリンであってもよい。しかしながらc6は種々のアミノカルボン酸および/またはポリオキサゾリンの1種の混合物であってもよい。
【0062】
好ましい実施態様の1つによれば、c6は成分AおよびBの全量に対して0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%の量で使用されてよい。
【0063】
場合により部分芳香族ポリエステルを製造するために使用されてよい他の成分として、エステル形成が可能である基を少なくとも3個有する化合物d1が含まれる。
【0064】
化合物d1は好ましくはエステル結合の形成が可能である3〜10個の官能基を有する。殊に好ましい化合物d1は分子中に3〜6個のこの種の官能基、殊に3〜6個のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を有する。例えば:
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸;
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン;
ペンタエリトリトール;
ポリエーテルトリオール;
グリセリン;
トリメシン酸;
トリメリット酸、無水トリメリット酸;
ピロメリット酸、無水ピロメリット酸および
ヒドロキシイソフタル酸
が挙げられる。
【0065】
化合物d1は成分Aに対して通常0.01〜15モル%、好ましくは0.05〜10モル%、殊に好ましくは0.1〜4モル%の量で使用される。
【0066】
成分d2として、1種のイソシアネートかまたは種々のイソシアネートの混合物の1種が使用される。例えば芳香族または脂肪族ジイソシアネートが使用されてよい。しかしながらより多官能価のイソシアネートが使用されてもよい。
【0067】
芳香族ジイソシアネートd2は、本発明の範囲内ではとりわけ
トルイレン−2,4−ジイソシアネート、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートと解釈される。
【0068】
このうち、2,2’−、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートは成分d2として殊に好ましい。一般に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートは混合物として使用される。
【0069】
3環のイソシアネートd2として、トリ(4−イソシアノフェニル)メタンも該当する。多環式芳香族ジイソシアネートは例えば1または2環のジイソシアネートを製造する際に生成される。
【0070】
成分d2の全質量に対して、より少ない量、例えば5質量%までの量で、成分d2は例えばイソシアネート基をキャッピングする際にウレトジオン基を有してもよい。
【0071】
脂肪族ジイソシアネートd2は、本発明の範囲内ではとりわけ、2〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレンジイソシアネートもしくはシクロアルキレンジイソシアネート、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたはメチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)と解釈される。殊に好ましい脂肪族ジイソシアネートd2は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートである。
【0072】
好ましいイソシアヌレートには、2〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアネートまたはシクロアルキレンジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネートまたはメチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)に由来する脂肪族イソシアヌレートが含まれる。この場合、アルキレンジイソシアネートは直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。n−ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとするイソシアヌレート、例えばn−ヘキサメチレンジイソシアネートの環式3量体、5量体またはより高度のオリゴマーは殊に好ましい。
【0073】
一般に、成分d2はAおよびBのモル量の合計に対して0.01〜5モル%、好ましくは0.05〜4モル%、殊に好ましくは0.1〜4モル%の量で使用される。
【0074】
ジビニルエーテルd3として、一般に全ての通常の、および市販のジビニルエーテルが使用されてよい。好ましくは1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテルまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルまたはその混合物が使用されてよい。
【0075】
好ましくは、ジビニルエーテルはAおよびBの全質量に対して0.01〜5質量%、殊に0.2〜4質量%の量で使用される。
【0076】
好ましい部分芳香族ポリエステルの例は、以下
【0077】
【外1】
【0078】
の成分をベースとする。
【0079】
このうち、A、B、d1またはA、B、d2またはA、B、d1、d2をベースとする部分芳香族ポリエステルは殊に好ましい。もう1つの好ましい実施態様によれば、部分芳香族ポリエステルはA、B、c3、c4、c5またはA、B、d1、c3、c5をベースとする。
【0080】
部分芳香族ポリエステルの製造は、自体公知であるかまたは自体公知の方法により行われることができる。
【0081】
好ましい部分芳香族ポリエステルは、8000〜100000g/モルの範囲内、殊に9000〜75000g/モルの範囲内、好ましくは10000〜50000g/モルの範囲内の分子量(Mn)および60〜170℃の範囲内、好ましくは80〜150℃の範囲内の融点により特徴付けられている。
【0082】
上記脂肪族および/または部分芳香族ポリエステルは、ヒドロキシ末端基および/またはカルボキシル末端基を全ての任意の比で有してよい。上記脂肪族および/または部分芳香族ポリエステルは、末端基を改質されてもよい。例えばOH末端基はフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸または無水ピロメリット酸との反応により酸改質されてよい。
【0083】
ポリエステルフィルムの成分ii)として、
ii1)1種の界面活性剤または界面活性剤混合物、例えば1種の、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性界面活性剤および
ii2)1000〜7000g/モル、殊に1200〜6000g/モル、好ましくは1400〜5000g/モル、極めて殊に好ましくは1600〜4000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステル
から選択された1種以上の化合物が適当である。
【0084】
成分ii)として、専ら1種以上の化合物ii1)かまたは専ら1種以上の化合物ii2)かまたはそれぞれ1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物が使用されてよい。
【0085】
好ましくは、成分ii)として室温での固体化合物が適当である。
【0086】
陽イオン性および陰イオン性の界面活性剤は例えば”Encyclopedia of Polymer Science and Technology”,J.Wiley & Sons(1966),第5巻,第816頁〜第818頁および”Emulsion Polymerisation and Emulsion Polymers”,P.Lovell および M.El−Asser著,Wiley & Sons (1997) 発行,第224頁〜第226頁に記載されている。陰イオン性界面活性剤のための例は、8〜30個のC原子、有利に12〜18個のC原子の鎖長を有する有機カルボン酸のアルカリ塩である。これらの陰イオン性界面活性剤は一般に石鹸と呼称される。通常石鹸はナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩として使用される。さらに、8〜30個のC原子、好ましくは12〜18個のC原子を有するアルキルスルフェートおよびアルキルスルホネートまたはアルキルアリールスルホネートは、陰イオン性界面活性剤として使用されてよい。殊に適当な化合物はアルカリドデシルスルフェート、例えばナトリウムドデシルスルフェートまたはカリウムドデシルスルフェートおよびC12〜C16パラフィンスルホン酸のアルカリ塩である。さらに、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートおよびナトリウムジオクチルスルホサクシネートが適当である。
【0087】
適当な陽イオン性界面活性剤の例は、アミンの塩またはジアミンの塩、第4級アンモニウム塩、例えば臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび長鎖置換環式アミンの塩、例えばピリジン、モルホリン、ピペリジンである。殊にトリアルキルアミンの第4級アンモニウム塩、例えば臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが使用される。このアンモニウム塩中で、アルキル基は有利に1〜20個のC原子を有する。
【0088】
殊に、本発明によれば非イオン性界面活性剤は成分ii1)として使用されてよい。非イオン性界面活性剤は例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0, Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995, 索引 ”Nichtionische Tenside”に記載されている。
【0089】
適当な非イオン性界面活性剤は例えばポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドをベースとする物質、例えばBASF AGのプルロニック(Pluronic)(登録商標)またはテトロニック(Tetronic)(登録商標)である。非イオン性界面活性剤ii1)として適当であるポリアルキレングリコールは一般に1000〜15000g/モル、好ましくは2000〜13000g/モル、殊に好ましくは4000〜11000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する。好ましくは成分ii)はポリエチレングリコールである。
【0090】
ポリアルキレングリコールは自体公知であるかまたは自体公知の方法により、例えば触媒としてアルカリ水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、またはアルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートまたはカリウムエチラートまたはカリウムイソプロピラートを用いて、および2〜8個、有利に2〜6個の結合された反応性水素原子を有する少なくとも1種の開始剤分子を添加しながら陰イオン重合することにより、または触媒としてルイス酸、例えば五塩化アンチモン、フッ化ホウ素エーテラートまたは漂白土を用いて、アルキレン基中に2〜4個の炭素原子を有する1種以上のアルキレンオキシドを出発物質として用いて陽イオン重合することにより製造されることができる。
【0091】
適当なアルキレンオキシドは例えばテトラヒドロフラン、1,2−または2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシドおよび有利にエチレンオキシドおよび/または1,2−プロピレンオキシドである。アルキレンオキシドは単独で交互に順々にかまたは混合物として使用されてよい。開始剤分子として、例えば:水、有機ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、フタル酸またはテレフタル酸、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族、場合によりN−モノ−、N,N−もしくはN,N’−ジアルキル置換ジアミン、例えば場合によりモノ−およびジアルキル置換エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−プロピレンジアミン、1,3−もしくは1,4−ブチレンジアミン、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−もしくは1,6−ヘキサメチレンジアミンが該当する。
【0092】
さらに開始剤分子として:アルカノールアミン、例えばエタノールアミン、N−メチルおよびN−エチルエタノールアミン、ジアルカノールアミン、例えばジエタノールアミン、N−メチルおよびN−エチルジエタノールアミン、およびトリアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミンおよびアンモニアが該当する。有利に多価、殊に2価、3価またはより多価のアルコール、例えばエタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットおよびサッカロース、ソルビットおよびソルビトールが使用される。
【0093】
成分ii1)として、同様にエステル化されたポリアルキレングリコール、例えば上記ポリアルキレングリコールの末端OH基と成分a1)またはa2)として既に記載された酸、好ましくはアジピン酸またはテレフタル酸との反応により、自体公知の方法で製造可能である、上記ポリアルキレングリコールのモノ−、ジ−、トリ−またはポリエステルが適当である。成分ii1)として、ポリエチレングリコールアジペートまたはポリエチレングリコールテレフタレートが好ましい。
【0094】
殊に適当な非イオン性界面活性剤は、活性水素原子を有する化合物のアルコキシル化により製造された物質、例えば脂肪アルコール、オキソアルコールまたはアルキルフェノール上のエチレンオキシドの付加生成物である。好ましくは、アルコキシル化のためにエチレンオキシドまたは1,2−プロピレンオキシドが使用される。
【0095】
他の好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化されたかまたはアルコキシル化されていない糖エステルまたは糖エーテルである。
【0096】
糖エーテルは脂肪アルコールと糖との反応により取得されたアルキルグリコシドであり、糖エステルは糖と脂肪酸との反応により得られる。上記物質を製造するために不可欠な糖、脂肪アルコールおよび脂肪酸は当業者に公知である。
【0097】
適当な糖は例えばBeyer/Walter,Lehrbuch der organischen Chemie,S.Hirzel発行 Stuttgart,第19版,1981,第392頁〜第425頁に記載されている。殊に有利な糖は、D−ソルビットおよびD−ソルビットの脱水により取得されるソルビタンである。
【0098】
適当な脂肪酸は、6〜26個、好ましくは8〜22個、殊に好ましくは10〜20個のC原子を有する飽和または単不飽和または多価不飽和の非分枝鎖状または分枝鎖状カルボン酸であり、例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0,Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995,索引 ”Fettsaeuren”に挙げられている。好ましい脂肪酸はラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸である。
【0099】
適当な脂肪アルコールは適当な脂肪酸として記載された化合物と同様の炭素骨格を有する。
【0100】
糖エーテル、糖エステルおよびこれらの製造方法は当業者に公知である。好ましい糖エーテルは公知の方法により、上記糖と上記脂肪アルコールとの反応により製造される。好ましい糖エステルは、公知の方法により上記糖と上記脂肪酸との反応により製造される。好ましい糖エステルは、脂肪酸を有するソルビタンのモノ−、ジ−およびトリエステル、殊にソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレートおよびソルビタンセスキオレエート、オレイン酸のソルビタンモノおよびジエステルの混合物である。
【0101】
極めて殊に適当な成分ii1)は、上記糖エーテルおよび糖エステルのアルコキシル化により得られるアルコキシル化された糖エーテルおよびアルコキシル化された糖エステルである。好ましいアルコキシル化剤はエチレンオキシドおよび1,2−プロピレンオキシドである。アルコキシル化度は通常1〜20、好ましくは2〜10、殊に好ましくは2〜6である。殊に好ましいアルコキシル化された糖エステルは、上記ソルビタンエステルのエトキシル化により得られるポリソルベートであり、例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0, Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995, 索引 ”Polysorbate”に記載されている。殊に好ましいポリソルベートはポリエトキシソルビタンラウレート、−ステアレート、−パルミテート、−トリステアレート、−オレエート、−トリオレート、殊にポリエトキシソルビタンステアレートであり、これは例えばICI America Inc.のトゥウィーン(Tween)(登録商標)60として入手可能である(例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0, Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995, 索引 ”Tween(登録商標)”に記載されている)。
【0102】
適当なポリエステルii2)はポリエステルi)が記載された際に挙げられたものと同様のポリエステルであるが、但しポリエステルii2)の分子量Mnは1000〜7000g/モル、殊に1200〜6000g/モル、好ましくは1400〜5000g/モル、極めて殊に好ましくは1600〜4000g/モルの範囲内にある。
【0103】
当然のことながら、化合物ii2)は化合物i)と独立して使用することが可能である。
【0104】
ii2)およびi)の分子量Mnは分布関数の平均値であるため、例えばii2)の個々のポリマー分子が、i)の個々のポリマー分子よりも高い分子量を有することは十分に可能である。しかしながら本発明においては本質的にi)のポリマー分子は平均してii2)のポリマー分子よりも高い分子量を有する。
【0105】
殊に適当なポリエステルii2)は脂肪族または部分芳香族、殊に生分解可能な脂肪族または部分芳香族ポリエステルである。
【0106】
生分解可能な部分芳香族ポリエステルii2)は好ましい。OH末端基が例えばフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸または無水ピロメリット酸との反応により酸改質されている生分解可能な部分芳香族分枝鎖状ポリエステルは殊に好ましい。
【0107】
もう1つの殊に好ましい実施態様において、成分ii2)としてアジピン酸および1,2−プロピレングリコールから形成された脂肪族ポリエステル、例えば2400g/モルの分子量Mnを有するポリエステルであるBASF AGのパラモル(Palamoll)(登録商標)636は適当である。
【0108】
本発明によるポリエステルフィルムは通常、成分i)70〜99.9質量%、好ましくは85〜99.9質量%、殊に好ましくは90〜99.8質量%、殊に95〜99.7質量%および成分ii)0.1〜30.0質量%、好ましくは0.1〜15.0質量%、殊に好ましくは0.2〜10質量%、殊に0.3〜5質量%を含有し、その際、成分i)からii)の質量百分率は合計で100%である。
【0109】
成分ii)として専ら成分ii1)の化合物が使用される場合、本発明によるポリエステルフィルムは通常、成分i)95〜99.9質量%、好ましくは97〜99.9質量%、殊に好ましくは98〜99.8質量%および成分ii)0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、殊に好ましくは0.2〜2質量%を含有し、その際、成分i)からii)の質量百分率は合計で100%である。
【0110】
成分ii)の化合物はポリエステルi)中で1種のいわゆる核形成剤として作用することができ、即ちこの成分ii)により、相応するポリエステル溶融体を冷却する際に成分ii)不含のポリエステルと比較して結晶核生成が増加し、かつ結晶化時間が短縮される。
【0111】
さらに、本発明によるポリエステルフィルム中に成分ii)が存在することにより透明性は高められ、接着力は高められ、即ち接着傾向は別の材料に対してのみならず本発明によるポリエステルフィルムの材料自体に対しても高められ、または防曇特性は改善され、即ちポリエステルフィルム上で水蒸気が凝縮することにより小液滴の形の結露が形成されるのが回避され(その代わりに防曇添加剤により大きな平面状の液滴が形成されるかまたは水の被膜が形成され、それにより例えばフィルムの透明性は強力に低下されることはない)またはこれらの性質のいくつかの改善が生じる。
【0112】
ポリエステルフィルムおよび/またはポリエステルi)は添加剤を含有してよく、この添加剤は重合工程の間のある段階においてか、またはその後に、例えばポリエステルの溶融体中にかまたは成分ii)の混入と共に混入されてよい。例えば安定剤、中和剤、滑剤および剥離剤、抗ブロック剤、ii)の定義に含まれない他の核形成剤、着色剤または充填剤が挙げられる。
【0113】
添加剤はポリエステルi)に対して0〜80質量%添加されてよい。適当な添加剤は例えば充填剤、安定剤、ii)の定義に含まれない核形成剤、タルクまたは滑剤および剥離剤である。このような添加剤は例えばKunststoff−Handbuch,第3/1巻,Carl Hanser発行,Muenchen,1992,第24頁〜第28頁に詳細に記載されている。
【0114】
充填剤のための例は、着色成分としても作用し得る粒子状物質、例えば炭酸カルシウム、粘土鉱物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、カーボンブラック、リグニン粉末、酸化鉄、および繊維材料、例えばセルロース繊維、サイザル繊維および麻繊維である。充填剤の含量はフィルム材料の全質量に対して通常40質量%以下、殊に20質量%以下である。
【0115】
安定剤は例えばトコフェロール(ビタミンE)、有機リン化合物、モノ−、ジ−およびポリフェノール、ヒドロキノン、ジアリールアミン、チオエーテル、メラミンまたは尿素である。抗ブロック剤として例えばタルク、白亜、雲母または酸化ケイ素が該当する。滑剤および剥離剤は通常炭化水素、脂肪アルコール、多価カルボン酸、多価カルボン酸の金属塩、例えばステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、脂肪酸アミド、例えばエルカ酸アミドおよびワックス型、例えばパラフィンワックス、蜜ろう、モンタンワックス等をベースとする物質である。好ましい剥離剤はエルカ酸アミドおよび/またはワックス型であり、殊に好ましくはこれら双方の剥離剤種の組合せである。好ましいワックス型は蜜ろうおよびエステルワックスであり、殊にグリセリンモノステアレートである。殊に好ましくは、本発明によるポリエステルフィルムを製造するために使用されたポリエステルi)には、それぞれポリエステルフィルムのプラスチック含量に対してエルカ酸アミド0.05〜2.0質量%またはワックス型0.1〜2.0質量%をが配合されている。極めて殊に好ましくは、本発明によるポリエステルフィルムを製造するために使用されたポリエステルi)には、それぞれポリエステルフィルムのプラスチック含量に対してエルカ酸アミド0.05〜0.5質量%およびワックス型、殊にグリセリンモノステアレート0.1〜1.0質量%が配合されている。
【0116】
成分ii)は公知の方法により、および公知の混合装置を用いてポリエステルi)中に導入されることができる(例えばSaechtling,Kunststoff−Taschenbuch,Hanser発行,Muenchen,Wien,第26版,1995,第191頁〜第246頁参照)。例えば成分ii)は、例えばスクリュー機械、例えば押出機を用いて、本来のフィルム製造の前の別々にされた処理工程において成分i)に混入されてもよいし、または、そこからフィルムが製造されるべき溶融体中に直接純粋な形かまたはいわゆる”マスターバッチ”の形で成分i)に混入されてもよい。
【0117】
一般に、このマスターバッチは特別な成形材料であり、この場合、不可欠な添加剤または添加材料、例えば成分ii)は例えば熱可塑性ポリマーからのマトリックス、例えば成分i)中に導入されているが、しかしながらその際、添加剤含量は通常の添加剤が添加された成形材料と比較して明らかに高く、例えば10〜70質量%の範囲内である。その後、マスターバッチの相応する量を例えば添加剤が添加されていない熱可塑性樹脂に添加することにより、通常の添加剤含量を有する成形材料が製造されることができる。
【0118】
本発明によるポリエステルフィルムの製造は、公知のポリマーフィルムの製造方法と同様に行われることができる。これに関して、通常熱可塑性である前記ポリエステルi)は通常公知の方法によりフィルムへと加工される。通常、熱可塑性ポリエステルの場合、フィルムへの加工は押出または同時押出、殊にインフレーションフィルム押出成形または冷却ロール押出成形または押出被覆または同時押出被覆により行われる。
【0119】
フィルムのそれぞれの厚さは用途またはポリエステルフィルムの種類に依存する。この厚さは通常8〜1000μmの範囲内、殊に10〜100μmの範囲内である。例えば食品のための生鮮保存フィルムは好ましくは10〜30μm、殊に10〜22μmの厚さを有する。
【0120】
本発明によるポリエステルフィルムに高められた剛性を付与する目的で、本発明によるフィルム材料は剛性ベース材料、例えば紙/厚紙、ポリラクチド製フィルム、ポリエステルアミド製フィルム、または生分解可能な材料からの不織布と組み合わされてもよい。当然のことながら、本発明によるポリエステルフィルムは例えば相応する染料または顔料をプラスチックマトリックス中に添加することにより、または適当な着色剤でプリントすることにより着色されてよい。
【0121】
本発明によるポリエステルフィルムは、このポリエステルフィルムを製造する際かまたは製造後に延伸されてよい。延伸工程により、生分解可能性が同じ場合、例えば延長された可使時間、即ち使用時の低い分解傾向を有する生分解可能なポリエステルフィルムを得ることができる。本発明によるポリエステルフィルムは一軸延伸されてもよいし二軸延伸されてもよい。一般に縦方向での延伸比は少なくとも1:2.0である。多くの場合この比は1:10を越えることはない。好ましくは延伸比は1:3〜1:6の範囲内である。横方向での延伸比は同様に一般に1:2.5〜1:10、好ましくは1:3〜1:6である。
【0122】
フィルムの延伸方法は当業者に公知である(例えば米国特許出願公開第3456044号明細書を参照)。通常、本発明によるポリエステルフィルムは、そのベースとなる生分解可能なポリマーのガラス転移温度を越えるかまたは微結晶溶融温度を下回って延伸される。好ましい実施態様の1つでは、0〜100℃、殊に20〜60℃の範囲内の温度で延伸される。延伸工程は1段または多段で行われてよい。
【0123】
上記のフィルムの延伸は、例えば硬化された本発明によるポリエステルフィルムを種々の回転速度を有するロールにより導くことにより達成されることができる。二軸延伸された本発明によるポリエステルフィルムの場合、ポリエステルフィルムは同時かまたは2段階で、側方に取付けられた装置、いわゆるクリップチェーン(Kluppenkette)により横方向に延伸されてよい。インフレーションフィルムの場合、二軸延伸は通常押出の間に同時に気泡中に内包されている空気により行われる。他のパラメータが一定のままである場合、ブローアップ比はフィルムの周囲方向への延伸に関する情報を与える。最後のロール対と最初のロール対との引取速度の比は縦方向の延伸の度合いを示す。冷却空気温度および冷却空気の導入によりフィルムの延伸の度合いは変化される。一般に、十分に高い冷却空気流量および適切な冷却空気の導入が実現されることができる場合、冷却空気温度の低下に伴って延伸の度合いは上昇する。
【0124】
二軸延伸されたインフレーションフィルムの場合、例えばチューブ中に1〜3バールの圧力が与えられ、その際、圧力はフィルムの所望の延伸の程度に依存する。
【0125】
しかしながら、二軸延伸されたポリエステルフィルムにおける良好な延伸性および再現可能なキャリブレーションの正確性(ゲージの正確性)を達成する目的で、ポリエステルフィルムを、溶融液体を押出機のダイから搬出した後に第1の段階で抗接着被覆(例えばポリテトラフルオロエチレン PTFE、亜硝酸チタン)を有する冷却ロール型ロール上で0〜25℃、有利に3〜10℃の温度に冷却し、引き続き第2の段階で30〜95℃、有利に50〜80℃の温度に加熱し、引き続き延伸させることは有利である。
【0126】
ポリエステルフィルムを延伸した後、この延伸されたポリエステルフィルムはホットロールまたは熱風(約75〜150℃、好ましくは100〜120℃)でヒートセットされてよい。これに関し、ポリエステルフィルムは例えばロールにより、温度調節された空気流または蒸気流を有する密閉された容器に貫通される。滞留時間は通常1〜20秒、有利に2〜5秒である。
【0127】
殊に生鮮保存フィルムを製造するために、本発明によるポリエステルフィルムは弾性を有する薄いフィルムのために適当な表面巻取機を用いて巻取られ、平面的で均一な円筒状のフィルムロールにされてよい。
【0128】
本発明によるポリエステルフィルムは全ての適用のために殊に適当であり、この場合、透明性が高められ、別の材料に対してのみならず本発明によるポリエステルフィルムの材料に対しても粘着力が改善され、および/または防曇特性が改善されたことが特に重要である。
【0129】
このことは例えば包装フィルムまたは生鮮保存フィルムとして使用される場合、殊に食品、例えば肉、魚、魚介類、乳製品、卵製品、野菜、サラダ、果物、ナッツ、イチゴ、キノコを包装するために使用される場合に云えることである。
【0130】
本発明によるポリエステルフィルムは単独の包装材料であってもよいし、または別の材料、例えば紙、厚紙および/または発泡されたいわゆる”トレイ”から、例えばポリスチレン、澱粉、澱粉ブレンドまたはセルロース(パルプ)からの支持体と一緒に使用されてもよい。本発明によるポリエステルフィルムが別の材料と使用される場合、好ましくはこの別の材料は生分解可能である。
【0131】
本発明によるポリエステルフィルムを用いて、高められた透明性、高められた接着力および/または改善された防曇特性を有するフィルムが提供される。
【0132】
例:
応用技術的な測定:
ポリマーの分子量Mnを以下の通り測定した:ポリマー15mgをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)10mg中に溶解した。この溶液のそれぞれ125μlをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて分析した。測定を室温で実施した。溶離のためにHFIP+0.05質量%トリフルオロ酢酸−Ka塩を使用した。溶離速度は0.5ml/分であった。この場合、以下:ショーデックス(Shodex)(登録商標)HFIP−800P(直径8mm、長さ5cm)、Shodex(登録商標)HFIP−803(直径8mm、長さ30cm)、Shodex(登録商標)HFIP−803(直径8mm、長さ30cm)のカラムの組合せを使用した(全てのカラムはFa. Showa Denko Ltd., Japanにより製造された)。ポリマーをRI検出器(示差屈折計法)を用いて検出した。キャリブレーションを、505〜2740000の分子量Mnを有する分布の狭いポリメチルメタクリレート標準を用いて行った。この区間の外に位置する溶離範囲を外挿法により測定した。
【0133】
ポリエステルフィルムの厚さを、Helios Messtechnik GmbH u. Co. KGの装置であるDigitrix 2を用いて測定した。
【0134】
DSC測定をFa. Seikoの装置であるDSC 6200Rを用いて以下の通り実施した:
試料6〜10mgのそれぞれを20℃/分の加熱速度で−70℃から220℃に加熱し、その後すぐに20℃/分の冷却速度で再度−70℃に冷却した。この冷却過程において、それぞれ結晶化工程の開始温度および終了温度を測定した(結晶化ピークのピーク開始およびピーク終了に相応)。この温度差および冷却速度から結晶化時間が明らかとなる。参考として空の試料るつぼを使用した。
【0135】
ポリエステルフィルムの接着特性を以下の通り測定した:
フィルムを折り畳みおよび伸ばした際の接着作用(接着力)の主観的な印象に基づき、フィルムの比較評価を行った。この評価に基づき、それぞれ部類
+:中程度の接着作用
++:強力な接着作用または
+++:極めて強力な接着作用
への評価分類を行った。
【0136】
ポリエステルフィルムの透明性(%での曇り価(Haze−Wert)の測定)をASTM D1003−92に準拠して測定した。それぞれのフィルムは20μmの厚さを有していた。
【0137】
ポリエステルフィルムの防曇特性を以下の通り測定した:
23℃および50%の相対湿度に温度調節された実験室中で、それぞれ20μmの厚さを有するフィルム試料をゴムバンドを用いて冷たい水道水約0.1 lで充填された0.5 lの容積を有する透明なコップ上に張った。コップを2℃に一定に調節された冷蔵庫中に貯蔵し、それぞれ5、15、60および240分後に観察した。
【0138】
23℃の温風を冷蔵庫の温度に冷却する際のそれぞれの凝縮物の形成を試験した。有効な防曇剤が配合されたフィルムは凝縮物の形成後も透明であり、それというのも凝縮物は例えばまとまった透明の被膜を形成するからである。有効な防曇剤なしの場合、フィルム表面上の微細な小液滴曇りの形成によりフィルムの透明性は低下し;最悪の場合フィルムで包装されたそれぞれの物体は不可視である。
【0139】
それぞれの凝縮物の形を以下の通り評価した:
【0140】
【表1】
【0141】
このフィルムの防曇特性の測定方法は、Broschuere ”Atmer − Antifog agents for agricultural and food packaging films”, Ciba Speciality Chemicals Inc. CH/Basel,1998年9月に記載されている方法に準拠しており、例えば冷蔵庫やショッピングセンターにおいて生鮮製品(生鮮肉、チーズ、野菜、キノコ、果物)が包装された後、包装フィルム上に凝縮物が形成するのがシミュレートされている。
【0142】
使用物質:
成分i1):
P−i−1:生分解可能なポリエステルP−i−1を製造するために、ジメチルテレフタレート87.3kg、アジピン酸80.3kg、1,4−ブタンジオール117kgおよびグリセリン0.2kgをテトラブチルオルトチタネート(TBOT)0.028kgと一緒に混合し、その際、アルコール成分および酸成分とのモル比は1.30であった。反応混合物を180℃の温度に加熱し、この温度で6時間に亘り反応させた。引き続き温度を240℃に高め、過剰のジヒドロキシ化合物を減圧下で3時間の期間に亘り留去した。引き続き240℃でヘキサメチレンジイソシアネート0.9kgを1時間以内でゆっくりと供給した。
【0143】
このようにして得られたポリエステルP−i−1は、108℃の融点および23000g/モルの分子量(Mn)を有していた。
【0144】
成分ii1:
成分ii1)として:
P−ii1−1:9000g/モルの平均分子量および約65℃の融点を有するポリエチレングリコール(BASF AGのプルリオール(Pluriol)(登録商標)E 9000)
P−ii1−2:8000g/モルの平均分子量および約63℃の融点を有するポリエチレングリコール(BASF AGのプルリオール(Pluriol)(登録商標)E 8005)
P−ii1−3:4000g/モルの平均分子量および約60℃の融点を有するエステル化されたポリエチレングリコール(BASF AGのソカラン(Sokalan)(登録商標)SR 100)
P−ii1−4:ポリエトキシソルビタンステアレート(ICI America Inc.のトゥウィーン(Tween)(登録商標)60)
P−ii1−5:ポリエトキシソルビタンモノオレエート(ICI America Inc.のトゥウィーン(Tween)(登録商標)80)
を使用した。
【0145】
比較のために:
V−ii1−1:600g/モルの平均分子量および約20℃の融点を有する液体ポリエチレングリコール(BASF AGのプルリオール(Pluriol)(登録商標)E 600)
を使用した。
【0146】
成分ii2:
P−ii2−1:生分解可能な部分芳香族ポリエステルP−ii2−1を製造するために、ジメチルテレフタレート87.3kg、アジピン酸80.3kgおよび1,4−ブタンジオール117kgをテトラブチルオルトチタネート(TBOT)0.028kgと一緒に混合し、その際、アルコール成分および酸成分とのモル比は1.30であった。反応混合物を180℃の温度に加熱し、この温度で6時間に亘り反応させた。引き続き温度を240℃に高め、過剰のジヒドロキシ化合物を減圧下で3時間の期間に亘り留去した。引き続き220℃で1,4−ブタンジオール6.9kgを添加し、2時間この温度で反応させた。引き続き150℃でピロメリット酸二無水物18.7kgを添加し、1時間この温度で反応させた。
【0147】
このようにして得られたポリエステルP−ii2−1は、2500g/モルの分子量(Mn)を有していた。
【0148】
ポリエステルフィルムの製造:
ポリエステルフィルムを製造するために、第1表に記載された使用物質を二軸スクリュー押出機中で混合した;この場合、成分ii1)をそれぞれii1)20質量%およびi)80質量%からのマスターバッチとして添加した。このようにして得られた成形材料を150℃の質量温度および2.5:1のブローアップ比でインフレーションフィルム装置上で加工した。約20μmの厚さのフィルムを製造した。
【0149】
【表2】
【0150】
ポリエステルフィルムの性質:
第2表にポリエステルフィルムの性質が記載されている。
【0151】
【表3】
【0152】
1:それぞれの評価分類(+〜+++、A〜E)の定義に関しては、上記の方法の記載の”応用技術的な測定”の項目を参照のこと。
【0153】
2:n.b.=測定されなかった
第2表に記載された値は、本発明によるポリエステルフィルムの改善された性質を裏付けるものである。
【0154】
第3表に、ポリエステルフィルムのDSC測定および結晶化時間が記載されている。
【0155】
【表4】
【0156】
1:TB=結晶化開始温度
2:TE=結晶化終了温度
3:TK=結晶化時間
第3表に記載された値は、ポリエステル中の核形成剤としての成分ii)の適合性を裏付けるものである。
本発明は
i)8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する少なくとも1種のポリエステル70〜99.9質量%および
ii)
ii1)少なくとも1種の界面活性剤
ii2)1000〜7000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステル
から選択された1種以上の化合物0.1〜30質量%
または少なくとも1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物
を含有しており、この場合、成分i)からii)の質量百分率が合計で100%であるポリエステルフィルムに関する。
【0002】
さらに、本発明は包装フィルムとしてのポリエステルフィルムの使用、およびポリエステルフィルムの透明性または接着力または防曇特性を高めるための、またはポリエステルのための核形成剤としての、ii1)少なくとも1種の界面活性剤またはii2)1000〜7000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステルまたは1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物の使用に関する。
【0003】
例えば生分解可能な製品、例えば食品を包装するために従来主に使用されたフィルム材料は、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは塩化ビニルホモポリマーおよび塩化ビニルコポリマーをベースとする。上記の材料は当然のことながら生分解が不可能であるという欠点を有する。従って上記フィルム材料の適切な廃棄処理は複雑であり、従って高額な費用がかかる。
【0004】
上記の欠点を有していない生分解可能なポリエステルフィルムは公知である(例えばWO96/15173参照)。特開平2−26626および特開平2−26623には、ヒドロキシカルボン酸および一定の粘性の液体添加剤をベースとする脂肪族ポリエステルを有する、生分解可能なポリエステルフィルムが記載されている。しかしながら、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは塩化ビニルホモポリマーおよび塩化ビニルコポリマーをベースとする生分解不可能なフィルムに対して、ポリエステルフィルム、殊に生分解可能なポリエステルフィルムは透明性が低く、別の材料、例えば厚紙製の包装材料または食品に対しても、この生分解可能なポリエステルフィルム自体に対してもより低い接着力を有し、かつより不良な防曇特性を有する。
【0005】
従って本発明は、高められた透明性、高められた接着力、改善された防曇特性またはこれらの特性のいくつかを有するポリエステルフィルムを提供するという課題に基づく。
【0006】
この課題は、冒頭で定義されたポリエステルフィルムにより解決され、このポリエステルフィルムは以下で詳細に記載されている。
【0007】
原理的に、本発明によるポリエステルフィルムを製造するために、成分i)として8000〜100000g/モル、好ましくは9000〜75000g/モル、殊に好ましくは10000〜50000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する全てのポリエステルが該当する。このようなポリエステルのための例は、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートである。上記ポリエステルの混合物またはブレンドも適当である。
【0008】
上記および下記ポリマーの分子量Mnのための測定法は、以下で”例”の項目で応用技術的な測定の説明において記載される。
【0009】
好ましくは、本発明によるポリエステルフィルムは生分解が可能である。
【0010】
”生分解可能なポリエステルフィルム”という記載は、DIN V 54900中に記載された生分解可能性の定義に含まれる全てのポリエステルフィルム、殊に堆肥化可能なポリエステルフィルムを含むはずである。
【0011】
一般的に生分解可能性とは、ポリエステルフィルムが、適当な明白な期間内に分解することを意味する。分解は加水分解によりおよび/または酸化的に起こり得り、かつ大半は微生物、例えばバクテリア類、酵母類、真菌類および藻類の作用により引き起こされ得る。生分解可能性は、例えばフィルムが堆肥と混合され、一定の時間貯蔵されることにより測定されることができる。ASTM D 5338、ASTM D 6400およびDIN V 54900に準拠して、CO2不含空気は例えば成熟された堆肥に堆肥化の間貫流され、かつこの堆肥は定義された温度プログラムで処理される。この場合生分解可能性は、(試料なしの堆肥によるCO2放出量を差し引いた後の)試料の正味CO2放出量と、(試料の炭素含量から算出された)試料の最大のCO2放出量との比により定義される。本発明による生分解が可能であるポリエステルフィルムは、通常、すでに堆肥化の数日後に明らかな分解現象、例えば真菌類の繁茂、ひび割れおよび破孔形成を示す。
【0012】
原理的に、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムを製造するために、成分i)として、8000〜100000g/モル、好ましくは9000〜75000g/モル、殊に好ましくは10000〜50000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する全ての生分解可能なポリエステルが該当する。生分解可能なポリエステルのための例は、セルロース誘導体、例えばセルロースエステル、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、澱粉エステルおよびポリエステル、殊に脂肪族ホモポリエステルおよび脂肪族コポリエステルおよび部分芳香族コポリエステルである。当然のことながら、上記の生分解可能なポリエステルの混合物またはブレンドも適当である。
【0013】
上記の生分解可能なポリエステルi)は、ブレンド体成分または混合物成分として、天然もしくは合成に由来する他の生分解可能なポリマーを含有してよい。天然に由来するポリマーは例えばセラック、澱粉またはセルロースである。上記の天然に由来するポリマーは、物理的および/または化学的方法を用いて改質されていてよい。天然に由来する好ましいポリマーには、澱粉、熱可塑的に加工可能な澱粉または澱粉化合物、例えば澱粉エーテルが含まれる。一般に、生分解可能なポリエステルi)と他の生分解可能なブレンド体成分または混合物成分、例えば澱粉との質量比は幅広い範囲内、例えば1.2:1〜0.8:1.2の範囲内で自由に選択されてよい。
【0014】
乳酸の高分子反応生成物は生分解可能なポリエステルi)として、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムを製造するために使用されることができる。この乳酸の高分子反応生成物は自体公知であるか、または自体公知の方法により製造されることができる。ポリラクチドに加え、乳酸および他のモノマーをベースとするコポリマーまたはブロックコポリマーが使用されてもよい。主に直鎖ポリラクチドが使用される。しかしながら分枝鎖乳酸ポリマーが使用されてもよい。枝分れ剤(Verzweiger)として、例えば多官能価酸または多官能価アルコールが利用されることができる。例えば、本質的に、乳酸またはそのC1〜C4アルキルエステルまたはその混合物および少なくとも1種の脂肪族C4〜C10ジカルボン酸および3〜5個のヒドロキシ基を有する少なくとも1種のC3〜C10アルカノールから得ることができるポリラクチドが挙げられる。
【0015】
さらに、生分解可能なポリエステルフィルムを得ることができる生分解可能なポリエステルi)の例は脂肪族ポリエステルである。この脂肪族ポリエステルには脂肪族ヒドロキシカルボン酸または脂肪族ラクトンのホモポリマーが含まれるが、しかしながら種々のヒドロキシカルボン酸またはラクトンまたはその混合物のコポリマーまたはブロックコポリマーも含まれる。それに加え、この脂肪族ポリエステルは構造単位としてジオールおよび/またはイソシアネートを含有してよい。さらに、脂肪族ポリエステルは3官能価化合物または多官能価化合物、例えばエポキシド、酸またはトリオールに由来する構造単位を含有してもよい。多官能価化合物に由来する構造単位は単独で脂肪族ポリエステル中に含有されていてもよいし、またはこの構造単位の数種が、またはジオールおよび/またはイソシアネートと一緒に脂肪族ポリエステル中に含有されていてもよい。
【0016】
脂肪族ポリエステルの製造方法は当業者に公知である。脂肪族ポリエステルは一般に8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する。
【0017】
殊に好ましい脂肪族ポリエステルにはポリカプロラクトンが含まれる。
【0018】
ポリ−3−ヒドロキシブタン酸エステルおよび3−ヒドロキシブタン酸のコポリマーまたはその4−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシ吉草酸との混合物、殊に3−ヒドロキシ吉草酸の質量比が30質量%まで、好ましくは20質量%までである該混合物は、殊に好ましい脂肪族ポリエステルである。この型の適当なポリマーにはR−立体特異配置も含まれ、これは例えばWO96/09402の記載から公知である。ポリヒドロキシブタン酸エステルまたはそのコポリマーは微生物により製造されることができる。種々のバクテリア類および真菌類からの製造方法は、例えばNachr. Chem Tech. Lab. 第39巻、第1112頁〜第1124頁(1991)から引用されることができ、立体特異ポリマーの製造方法の1つはWO96/09402の記載から公知である。
【0019】
さらに上記ヒドロキシカルボン酸またはラクトンからのブロックコポリマー、その混合物、オリゴマーまたはポリマーが使用されてもよい。
【0020】
他の脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸またはその混合物および脂肪族ジオールまたは脂環式ジオールまたはその混合物から形成されている脂肪族ポリエステルである。本発明によれば、ランダムコポリマーのみならずブロックコポリマーが使用されてもよい。
【0021】
本発明により適当な脂肪族ジカルボン酸は、一般に2〜10個の炭素原子、有利に4〜6個の炭素原子を有する。これらの脂肪族ジカルボン酸は直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。本発明による範囲内で使用可能な脂環式ジカルボン酸は、通常7〜10個の炭素原子、殊に8個の炭素原子を有する脂環式ジカルボン酸である。しかしながら原理的に、より多くの炭素原子、例えば30個までの炭素原子の数を有するジカルボン酸が使用されてもよい。
【0022】
例示的には、次のものを挙げることができる:マロン酸、コハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アセライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸および2,5−ノルボルナンジカルボン酸、このうちアジピン酸が好ましい。
【0023】
同様に使用可能である、上記脂肪族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸のエステル形成性誘導体として、殊にジ−C1〜C6アルキルエステル、例えばジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジイソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジイソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジイソペンチルエステルまたはジ−n−ヘキシルエステルが挙げられる。ジカルボン酸の無水物も同様に使用されることができる。
【0024】
この場合、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体は単独でかまたはその2種以上からの混合物として使用されることができる。
【0025】
該当する脂肪族ポリエステルの例は、例えばWO94/14870に記載されている脂肪族コポリエステル、殊にコハク酸、そのジエステルまたは別の脂肪酸とのそれらの混合物もしくはジエステル、例えばグルタル酸およびブタンジオール、または該ジオールとエチレングリコール、プロパンジオールもしくはヘキサンジオールもしくはそれらの混合物とからの混合物からの脂肪族コポリエステルである。
【0026】
この種の脂肪族ポリエステルは一般に8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する。
【0027】
同様に、脂肪族ポリエステルは他のモノマーを有するランダムコポリエステルまたはブロックコポリエステルであってよい。他のモノマーの含量は通常10質量%までである。好ましいコモノマーはヒドロキシカルボン酸またはラクトンまたはその混合物である。
【0028】
当然のことながら、脂肪族ポリエステルを製造するために、2種以上のコモノマーおよび/または他の構造単位、例えばエポキシドまたは多官能価脂肪酸または多官能価芳香族酸または多官能価アルコールからの混合物が使用されてもよい。
【0029】
さらに、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムは成分i)としての部分芳香族ポリエステルをベースとしてよい。本発明によればこれらはポリエステル誘導体、例えばポリエーテルエステル、ポリエステルアミドまたはポリエーテルエステルアミドとも解釈されるはずである。適当な生分解可能な部分芳香族ポリエステルには直鎖状の非連鎖延長ポリエステルが含まれる(WO92/09654)。連鎖延長部分芳香族ポリエステルおよび/または分枝鎖部分芳香族ポリエステルが好ましい。分枝鎖部分芳香族ポリエステルは、冒頭に記載された刊行物であるWO96/15173〜15176、21689〜21692、25446、25448またはWO98/12242の記載から公知であり、この場合これらの刊行物は明確な参考のために挙げられたものである。種々の部分芳香族ポリエステルの混合物は、澱粉または改質された澱粉、セルロースエステルまたはポリラクチドを有する部分芳香族ポリエステルのブレンドと同様に該当する。
【0030】
殊に好ましい部分芳香族ポリエステルには、本質的な成分として
A)
a1)少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸または少なくとも1種の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体またはその混合物30〜95モル%
a2)少なくとも1種の芳香族ジルカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体またはその混合物5〜70モル%および
a3)1種のスルホネート基含有化合物0〜5モル%
からなる1種の酸成分および
B)少なくとも1種のC2〜C12アルカンジオールおよび少なくとも1種のC5〜C10シクロアルカンジオールまたはその混合物から選択された1種のジオール成分
および所望の場合はさらに
C)
c1)エーテル官能基を有する式I
HO−[(CH2)n−O]m−H (I)
[式中、nは2、3または4を表し、mは2〜250の1個の整数を表す]の少なくとも1種のジヒドロキシ化合物
c2)式IIaまたはIIb
【0031】
【化5】
【0032】
[式中、pは1〜1500の1個の整数を表し、rは1〜4の1個の整数を表し、Gはフェニレン、−(CH2)q−(但し、qは1〜5の1個の整数を表す)、−C(R)H−および−C(R)HCH2(但し、Rはメチルまたはエチルを表す)からなる群から選択されている1個の基を表す]の少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸
c3)少なくとも1種のアミノ−C2〜C12アルカノールまたは少なくとも1種のアミノC5〜C10シクロアルカノールまたはその混合物
c4)少なくとも1種のジアミノC1〜C8アルカン
c5)一般式III
【0033】
【化6】
【0034】
[式中、R1は1個の単結合、1個の(CH2)zアルキレン基(但し、z=2、3または4)または1個のフェニレン基を表す]の少なくとも1種の2,2’−ビスオキサゾリン
c6)天然アミノ酸、最大で18000g/モルの分子量を有し、4〜6個のC原子を有するジカルボン酸と4〜10個のC原子を有するジアミンとの重縮合により得られるポリアミド、式IVaおよびIVb
【0035】
【化7】
【0036】
[式中、sは1〜1500の1個の整数を表し、tは1〜4の1個の整数を表し、Tはフェニレン、−(CH2)n−(但し、nは1〜12の1個の整数を表す)、−C(R2)H−および−C(R2)HCH2(但し、R2はメチルまたはエチルを表す)からなる群から選択されている1個の基を表す]の化合物および繰り返し単位V
【0037】
【化8】
【0038】
(但し、R3は水素原子、C1〜C6アルキル、C5〜C8シクロアルキル、非置換フェニルまたはC1〜C4アルキル基で3回まで置換されているフェニルまたはテトラヒドロフリルを表す)を有するポリオキサゾリン
からなる群から選択された、少なくとも1種のアミノカルボン酸
またはc1)〜c6)からの混合物
から選択された1種の成分
および
D)
d1)エステル形成が可能である基を少なくとも3個有する、少なくとも1種の化合物
d2)少なくとも1種のイソシアネート
d3)少なくとも1種のジビニルエーテル
またはd1)〜d3)からの混合物
から選択された1種の成分とから選択された1種以上の成分
を含有するポリエステルが含まれる。
【0039】
好ましい部分芳香族ポリエステルの酸成分Aは、a1 30〜70モル%、殊に40〜60モル%およびa2 30〜70モル%、殊に40〜60モル%を有する。
【0040】
脂肪酸または脂環式酸および相応する誘導体a1として上記化合物が該当する。殊に好ましくはアジピン酸またはセバシン酸、そのそれぞれのエステル形成性誘導体またはその混合物が使用される。殊に好ましくはアジピン酸またはそのエステル形成性誘導体、例えばそのアルキルエステルまたはその混合物が使用される。
【0041】
芳香族ジカルボン酸a2として、一般に8〜12個の炭素原子、有利に8個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸が挙げられる。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフトエ酸および1,5−ナフトエ酸およびそのエステル形成性誘導体が挙げられる。この場合殊にジ−C1〜C6アルキルエステル、例えばジメチル−、ジエチル−、ジ−n−プロピル−、ジイソプロピル−、ジ−n−ブチル−、ジイソブチル−、ジ−t−ブチル−、ジ−n−ペンチル−、ジイソペンチル−またはジ−n−ヘキシルエステルが挙げられる。ジカルボン酸a2の無水物は同様に適当なエステル形成性誘導体である。
【0042】
しかしながら原理的に、より多くの炭素原子数、例えば20個までの炭素原子数を有する芳香族ジカルボン酸a2が使用されてよい。
【0043】
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体a2は、単独でかまたはその2種以上からの混合物として使用されてよい。殊に好ましくはテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、例えばジメチルテレフタレートが使用される。
【0044】
スルホネート基含有化合物として、通常1種のスルホネート基含有ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の1種のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、好ましくは5−スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩またはその混合物、殊に好ましくはナトリウム塩が使用される。
【0045】
好ましい実施態様の1つによれば、酸成分Aはa1 40〜60モル%、a2 40〜60モル%およびa3 0〜2モル%を含有する。もう1つの好ましい実施態様によれば、酸成分Aはa1 40〜59.9モル%、a2 40〜59.9モル%およびa3 0.1〜1モル%、殊にa1 40〜59.8モル%、a2 40〜59.8モル%およびa3 0.2〜0.5モル%を含有する。
【0046】
一般に、ジオールBは2〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する分枝鎖状もしくは直鎖状アルカンジオールまたは5〜10個の炭素原子を有するシクロアルカンジオールから選択される。
【0047】
適当なアルカンジオールのための例は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、殊にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたは2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールである。種々のアルカンジオールの混合物が使用されてもよい。
【0048】
酸末端基またはOH末端基の過剰が望まれるか否かに応じて、成分Aかまたは成分Bのどちらか一方は過剰で使用されてよい。好ましい実施態様の1つによれば、使用された成分AとBとのモル比は0.4:1〜1.5:1の範囲内、好ましくは0.6:1〜1.1:1の範囲内にあってよい。
【0049】
成分AおよびBに加え、本発明による生分解可能なポリエステルフィルムのベースとなるポリエステルは他の成分を含有してよい。
【0050】
ジヒドロキシ化合物c1として、好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)、殊に好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールが使用され、その際、その混合物かまたは種々の変数nを有する化合物(式I参照)、例えばプロピレン単位(n=3)を有し、かつ例えば自体公知の方法によりまずエチレンオキシドを、引き続きプロピレンオキシドと重合することにより得られるポリエチレングリコールが使用されることもでき、かつ殊に好ましくは、種々の変数nを有するポリエチレングリコールをベースとする1種のポリマーが使用されることができ、その際、エチレンオキシドから形成された単位が支配的である。ポリエチレングリコールの分子量(Mn)は通常250〜8000、好ましくは600〜3000g/モルの範囲内で選択される。
【0051】
好ましい実施態様の1つによれば、部分芳香族ポリエステルを製造するために、ジオールBおよびジヒドロキシ化合物c1のモル量に対して、例えばB 15〜98モル%、好ましくは60〜99.5モル%、およびc1 0.2〜85モル%、好ましくは0.5〜30モル%が使用されてよい。
【0052】
好ましい実施態様の1つにおいては、ヒドロキシカルボン酸c2)として:グリコール酸、D−乳酸、L−乳酸、D,L−乳酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、その環式誘導体、例えばグリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、D−ジラクチド、L−ジラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、p−ヒドロキシ安息香酸およびそのオリゴマーおよびポリマー、例えば3−ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリラクチド(例えばエコプラ(EcoPLA) (登録商標)(Fa. Cargill)として入手可能)および3−ポリヒドロキシ酪酸とポリヒドロキシ吉草酸とからの1種の混合物(ポリヒドロキシ吉草酸はZeneca社のビオポル(Biopol)(登録商標)の商品名で入手可能である)、殊に好ましくは部分芳香族ポリエステルを製造するためにその低分子誘導体および環式誘導体が使用される。
【0053】
ヒドロキシカルボン酸はAおよびBの量に対して例えば0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%の量で使用されてよい。
【0054】
アミノ−C2〜C12アルカノールまたはアミノ−C5〜C10シクロアルカノール(成分c3)として、好ましくはアミノ−C2〜C6アルカノール、例えば2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノールおよびアミノ−C5〜C6シクロアルカノール、例えばアミノシクロペンタノールおよびアミノシクロヘキサノールまたはその混合物が使用され、その際、4−アミノメチルシクロヘキサンメタノールもこれに含まれるはずである。
【0055】
ジアミノ−C1〜C8アルカン(成分c4)として、好ましくはジアミノ−C4〜C6アルカン、例えば1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタンおよび1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン、”HMD”)が使用される。
【0056】
好ましい実施態様の1つによれば、部分芳香族ポリエステルを製造するために、ジオール成分B、c3およびc4のモル量に対して、B 0.5〜99.5モル%、好ましくは70〜98.0モル%、c3 0.5〜99.5モル%、好ましくは0.5〜50モル%、およびc4 0〜50モル%、好ましくは0〜35モル%が使用されてよい。
【0057】
一般式IIIの2,2’−ビスオキサゾリンc5は、一般にAngew.Chem.Int.Edit.,第11巻(1972),第287頁−第288頁からの方法により得ることができる。殊に好ましいビスオキサゾリンは、R1が1個の単結合を表し、1個の(CH2)qアルキレン基(但し、q=2、3または4)が例えばメチレン、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイルまたは1個のフェニレン基を表すビスオキサゾリンである。殊に好ましいビスオキサゾリンとして、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニル)メタン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)エタン、1,3−ビス(2−オキサゾリニル)プロパンまたは1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ブタン、殊に1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼンまたは1,3−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼンが挙げられる。
【0058】
部分芳香族ポリエステルを製造するために、それぞれ成分B、c3、c4およびc5のモル量の合計に対して例えばB 70〜98モル%、c3 1〜30モル%およびc4 0.5〜30モル%およびc5 0.5〜30モル%が使用されてよい。もう1つの好ましい実施態様によれば、AおよびBの全質量に対してc5 0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜4質量%を使用してよい。
【0059】
成分c6として天然アミノカルボン酸が使用されてよい。この天然アミノカルボン酸には、バリン、ロイシン、イソロイシン、テレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリン、チロシン、アスパラギンまたはグルタミンが含まれる。
【0060】
一般式IVaおよびIVbの好ましいアミノカルボン酸は、sが1〜1000の1個の整数を表し、tが1〜4の1個の整数、好ましくは1または2を表し、Tがフェニレンおよび−(CH2)n−の群から選択されており、その際nは1、5または12を表すアミノカルボン酸である。
【0061】
さらにc6は一般式Vのポリオキサゾリンであってもよい。しかしながらc6は種々のアミノカルボン酸および/またはポリオキサゾリンの1種の混合物であってもよい。
【0062】
好ましい実施態様の1つによれば、c6は成分AおよびBの全量に対して0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%の量で使用されてよい。
【0063】
場合により部分芳香族ポリエステルを製造するために使用されてよい他の成分として、エステル形成が可能である基を少なくとも3個有する化合物d1が含まれる。
【0064】
化合物d1は好ましくはエステル結合の形成が可能である3〜10個の官能基を有する。殊に好ましい化合物d1は分子中に3〜6個のこの種の官能基、殊に3〜6個のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を有する。例えば:
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸;
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン;
ペンタエリトリトール;
ポリエーテルトリオール;
グリセリン;
トリメシン酸;
トリメリット酸、無水トリメリット酸;
ピロメリット酸、無水ピロメリット酸および
ヒドロキシイソフタル酸
が挙げられる。
【0065】
化合物d1は成分Aに対して通常0.01〜15モル%、好ましくは0.05〜10モル%、殊に好ましくは0.1〜4モル%の量で使用される。
【0066】
成分d2として、1種のイソシアネートかまたは種々のイソシアネートの混合物の1種が使用される。例えば芳香族または脂肪族ジイソシアネートが使用されてよい。しかしながらより多官能価のイソシアネートが使用されてもよい。
【0067】
芳香族ジイソシアネートd2は、本発明の範囲内ではとりわけ
トルイレン−2,4−ジイソシアネート、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートと解釈される。
【0068】
このうち、2,2’−、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートは成分d2として殊に好ましい。一般に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートは混合物として使用される。
【0069】
3環のイソシアネートd2として、トリ(4−イソシアノフェニル)メタンも該当する。多環式芳香族ジイソシアネートは例えば1または2環のジイソシアネートを製造する際に生成される。
【0070】
成分d2の全質量に対して、より少ない量、例えば5質量%までの量で、成分d2は例えばイソシアネート基をキャッピングする際にウレトジオン基を有してもよい。
【0071】
脂肪族ジイソシアネートd2は、本発明の範囲内ではとりわけ、2〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレンジイソシアネートもしくはシクロアルキレンジイソシアネート、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたはメチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)と解釈される。殊に好ましい脂肪族ジイソシアネートd2は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートである。
【0072】
好ましいイソシアヌレートには、2〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアネートまたはシクロアルキレンジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネートまたはメチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)に由来する脂肪族イソシアヌレートが含まれる。この場合、アルキレンジイソシアネートは直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。n−ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとするイソシアヌレート、例えばn−ヘキサメチレンジイソシアネートの環式3量体、5量体またはより高度のオリゴマーは殊に好ましい。
【0073】
一般に、成分d2はAおよびBのモル量の合計に対して0.01〜5モル%、好ましくは0.05〜4モル%、殊に好ましくは0.1〜4モル%の量で使用される。
【0074】
ジビニルエーテルd3として、一般に全ての通常の、および市販のジビニルエーテルが使用されてよい。好ましくは1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテルまたは1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルまたはその混合物が使用されてよい。
【0075】
好ましくは、ジビニルエーテルはAおよびBの全質量に対して0.01〜5質量%、殊に0.2〜4質量%の量で使用される。
【0076】
好ましい部分芳香族ポリエステルの例は、以下
【0077】
【外1】
【0078】
の成分をベースとする。
【0079】
このうち、A、B、d1またはA、B、d2またはA、B、d1、d2をベースとする部分芳香族ポリエステルは殊に好ましい。もう1つの好ましい実施態様によれば、部分芳香族ポリエステルはA、B、c3、c4、c5またはA、B、d1、c3、c5をベースとする。
【0080】
部分芳香族ポリエステルの製造は、自体公知であるかまたは自体公知の方法により行われることができる。
【0081】
好ましい部分芳香族ポリエステルは、8000〜100000g/モルの範囲内、殊に9000〜75000g/モルの範囲内、好ましくは10000〜50000g/モルの範囲内の分子量(Mn)および60〜170℃の範囲内、好ましくは80〜150℃の範囲内の融点により特徴付けられている。
【0082】
上記脂肪族および/または部分芳香族ポリエステルは、ヒドロキシ末端基および/またはカルボキシル末端基を全ての任意の比で有してよい。上記脂肪族および/または部分芳香族ポリエステルは、末端基を改質されてもよい。例えばOH末端基はフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸または無水ピロメリット酸との反応により酸改質されてよい。
【0083】
ポリエステルフィルムの成分ii)として、
ii1)1種の界面活性剤または界面活性剤混合物、例えば1種の、陰イオン性、陽イオン性、両性または非イオン性界面活性剤および
ii2)1000〜7000g/モル、殊に1200〜6000g/モル、好ましくは1400〜5000g/モル、極めて殊に好ましくは1600〜4000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステル
から選択された1種以上の化合物が適当である。
【0084】
成分ii)として、専ら1種以上の化合物ii1)かまたは専ら1種以上の化合物ii2)かまたはそれぞれ1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物が使用されてよい。
【0085】
好ましくは、成分ii)として室温での固体化合物が適当である。
【0086】
陽イオン性および陰イオン性の界面活性剤は例えば”Encyclopedia of Polymer Science and Technology”,J.Wiley & Sons(1966),第5巻,第816頁〜第818頁および”Emulsion Polymerisation and Emulsion Polymers”,P.Lovell および M.El−Asser著,Wiley & Sons (1997) 発行,第224頁〜第226頁に記載されている。陰イオン性界面活性剤のための例は、8〜30個のC原子、有利に12〜18個のC原子の鎖長を有する有機カルボン酸のアルカリ塩である。これらの陰イオン性界面活性剤は一般に石鹸と呼称される。通常石鹸はナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩として使用される。さらに、8〜30個のC原子、好ましくは12〜18個のC原子を有するアルキルスルフェートおよびアルキルスルホネートまたはアルキルアリールスルホネートは、陰イオン性界面活性剤として使用されてよい。殊に適当な化合物はアルカリドデシルスルフェート、例えばナトリウムドデシルスルフェートまたはカリウムドデシルスルフェートおよびC12〜C16パラフィンスルホン酸のアルカリ塩である。さらに、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートおよびナトリウムジオクチルスルホサクシネートが適当である。
【0087】
適当な陽イオン性界面活性剤の例は、アミンの塩またはジアミンの塩、第4級アンモニウム塩、例えば臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムおよび長鎖置換環式アミンの塩、例えばピリジン、モルホリン、ピペリジンである。殊にトリアルキルアミンの第4級アンモニウム塩、例えば臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが使用される。このアンモニウム塩中で、アルキル基は有利に1〜20個のC原子を有する。
【0088】
殊に、本発明によれば非イオン性界面活性剤は成分ii1)として使用されてよい。非イオン性界面活性剤は例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0, Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995, 索引 ”Nichtionische Tenside”に記載されている。
【0089】
適当な非イオン性界面活性剤は例えばポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドをベースとする物質、例えばBASF AGのプルロニック(Pluronic)(登録商標)またはテトロニック(Tetronic)(登録商標)である。非イオン性界面活性剤ii1)として適当であるポリアルキレングリコールは一般に1000〜15000g/モル、好ましくは2000〜13000g/モル、殊に好ましくは4000〜11000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する。好ましくは成分ii)はポリエチレングリコールである。
【0090】
ポリアルキレングリコールは自体公知であるかまたは自体公知の方法により、例えば触媒としてアルカリ水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、またはアルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートまたはカリウムエチラートまたはカリウムイソプロピラートを用いて、および2〜8個、有利に2〜6個の結合された反応性水素原子を有する少なくとも1種の開始剤分子を添加しながら陰イオン重合することにより、または触媒としてルイス酸、例えば五塩化アンチモン、フッ化ホウ素エーテラートまたは漂白土を用いて、アルキレン基中に2〜4個の炭素原子を有する1種以上のアルキレンオキシドを出発物質として用いて陽イオン重合することにより製造されることができる。
【0091】
適当なアルキレンオキシドは例えばテトラヒドロフラン、1,2−または2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシドおよび有利にエチレンオキシドおよび/または1,2−プロピレンオキシドである。アルキレンオキシドは単独で交互に順々にかまたは混合物として使用されてよい。開始剤分子として、例えば:水、有機ジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、フタル酸またはテレフタル酸、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族、場合によりN−モノ−、N,N−もしくはN,N’−ジアルキル置換ジアミン、例えば場合によりモノ−およびジアルキル置換エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−プロピレンジアミン、1,3−もしくは1,4−ブチレンジアミン、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−もしくは1,6−ヘキサメチレンジアミンが該当する。
【0092】
さらに開始剤分子として:アルカノールアミン、例えばエタノールアミン、N−メチルおよびN−エチルエタノールアミン、ジアルカノールアミン、例えばジエタノールアミン、N−メチルおよびN−エチルジエタノールアミン、およびトリアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミンおよびアンモニアが該当する。有利に多価、殊に2価、3価またはより多価のアルコール、例えばエタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットおよびサッカロース、ソルビットおよびソルビトールが使用される。
【0093】
成分ii1)として、同様にエステル化されたポリアルキレングリコール、例えば上記ポリアルキレングリコールの末端OH基と成分a1)またはa2)として既に記載された酸、好ましくはアジピン酸またはテレフタル酸との反応により、自体公知の方法で製造可能である、上記ポリアルキレングリコールのモノ−、ジ−、トリ−またはポリエステルが適当である。成分ii1)として、ポリエチレングリコールアジペートまたはポリエチレングリコールテレフタレートが好ましい。
【0094】
殊に適当な非イオン性界面活性剤は、活性水素原子を有する化合物のアルコキシル化により製造された物質、例えば脂肪アルコール、オキソアルコールまたはアルキルフェノール上のエチレンオキシドの付加生成物である。好ましくは、アルコキシル化のためにエチレンオキシドまたは1,2−プロピレンオキシドが使用される。
【0095】
他の好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化されたかまたはアルコキシル化されていない糖エステルまたは糖エーテルである。
【0096】
糖エーテルは脂肪アルコールと糖との反応により取得されたアルキルグリコシドであり、糖エステルは糖と脂肪酸との反応により得られる。上記物質を製造するために不可欠な糖、脂肪アルコールおよび脂肪酸は当業者に公知である。
【0097】
適当な糖は例えばBeyer/Walter,Lehrbuch der organischen Chemie,S.Hirzel発行 Stuttgart,第19版,1981,第392頁〜第425頁に記載されている。殊に有利な糖は、D−ソルビットおよびD−ソルビットの脱水により取得されるソルビタンである。
【0098】
適当な脂肪酸は、6〜26個、好ましくは8〜22個、殊に好ましくは10〜20個のC原子を有する飽和または単不飽和または多価不飽和の非分枝鎖状または分枝鎖状カルボン酸であり、例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0,Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995,索引 ”Fettsaeuren”に挙げられている。好ましい脂肪酸はラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸である。
【0099】
適当な脂肪アルコールは適当な脂肪酸として記載された化合物と同様の炭素骨格を有する。
【0100】
糖エーテル、糖エステルおよびこれらの製造方法は当業者に公知である。好ましい糖エーテルは公知の方法により、上記糖と上記脂肪アルコールとの反応により製造される。好ましい糖エステルは、公知の方法により上記糖と上記脂肪酸との反応により製造される。好ましい糖エステルは、脂肪酸を有するソルビタンのモノ−、ジ−およびトリエステル、殊にソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレートおよびソルビタンセスキオレエート、オレイン酸のソルビタンモノおよびジエステルの混合物である。
【0101】
極めて殊に適当な成分ii1)は、上記糖エーテルおよび糖エステルのアルコキシル化により得られるアルコキシル化された糖エーテルおよびアルコキシル化された糖エステルである。好ましいアルコキシル化剤はエチレンオキシドおよび1,2−プロピレンオキシドである。アルコキシル化度は通常1〜20、好ましくは2〜10、殊に好ましくは2〜6である。殊に好ましいアルコキシル化された糖エステルは、上記ソルビタンエステルのエトキシル化により得られるポリソルベートであり、例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0, Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995, 索引 ”Polysorbate”に記載されている。殊に好ましいポリソルベートはポリエトキシソルビタンラウレート、−ステアレート、−パルミテート、−トリステアレート、−オレエート、−トリオレート、殊にポリエトキシソルビタンステアレートであり、これは例えばICI America Inc.のトゥウィーン(Tween)(登録商標)60として入手可能である(例えばCD Roempp Chemie Lexikon − Version 1.0, Stuttgart/New York:Georg Thieme 発行 1995, 索引 ”Tween(登録商標)”に記載されている)。
【0102】
適当なポリエステルii2)はポリエステルi)が記載された際に挙げられたものと同様のポリエステルであるが、但しポリエステルii2)の分子量Mnは1000〜7000g/モル、殊に1200〜6000g/モル、好ましくは1400〜5000g/モル、極めて殊に好ましくは1600〜4000g/モルの範囲内にある。
【0103】
当然のことながら、化合物ii2)は化合物i)と独立して使用することが可能である。
【0104】
ii2)およびi)の分子量Mnは分布関数の平均値であるため、例えばii2)の個々のポリマー分子が、i)の個々のポリマー分子よりも高い分子量を有することは十分に可能である。しかしながら本発明においては本質的にi)のポリマー分子は平均してii2)のポリマー分子よりも高い分子量を有する。
【0105】
殊に適当なポリエステルii2)は脂肪族または部分芳香族、殊に生分解可能な脂肪族または部分芳香族ポリエステルである。
【0106】
生分解可能な部分芳香族ポリエステルii2)は好ましい。OH末端基が例えばフタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸または無水ピロメリット酸との反応により酸改質されている生分解可能な部分芳香族分枝鎖状ポリエステルは殊に好ましい。
【0107】
もう1つの殊に好ましい実施態様において、成分ii2)としてアジピン酸および1,2−プロピレングリコールから形成された脂肪族ポリエステル、例えば2400g/モルの分子量Mnを有するポリエステルであるBASF AGのパラモル(Palamoll)(登録商標)636は適当である。
【0108】
本発明によるポリエステルフィルムは通常、成分i)70〜99.9質量%、好ましくは85〜99.9質量%、殊に好ましくは90〜99.8質量%、殊に95〜99.7質量%および成分ii)0.1〜30.0質量%、好ましくは0.1〜15.0質量%、殊に好ましくは0.2〜10質量%、殊に0.3〜5質量%を含有し、その際、成分i)からii)の質量百分率は合計で100%である。
【0109】
成分ii)として専ら成分ii1)の化合物が使用される場合、本発明によるポリエステルフィルムは通常、成分i)95〜99.9質量%、好ましくは97〜99.9質量%、殊に好ましくは98〜99.8質量%および成分ii)0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、殊に好ましくは0.2〜2質量%を含有し、その際、成分i)からii)の質量百分率は合計で100%である。
【0110】
成分ii)の化合物はポリエステルi)中で1種のいわゆる核形成剤として作用することができ、即ちこの成分ii)により、相応するポリエステル溶融体を冷却する際に成分ii)不含のポリエステルと比較して結晶核生成が増加し、かつ結晶化時間が短縮される。
【0111】
さらに、本発明によるポリエステルフィルム中に成分ii)が存在することにより透明性は高められ、接着力は高められ、即ち接着傾向は別の材料に対してのみならず本発明によるポリエステルフィルムの材料自体に対しても高められ、または防曇特性は改善され、即ちポリエステルフィルム上で水蒸気が凝縮することにより小液滴の形の結露が形成されるのが回避され(その代わりに防曇添加剤により大きな平面状の液滴が形成されるかまたは水の被膜が形成され、それにより例えばフィルムの透明性は強力に低下されることはない)またはこれらの性質のいくつかの改善が生じる。
【0112】
ポリエステルフィルムおよび/またはポリエステルi)は添加剤を含有してよく、この添加剤は重合工程の間のある段階においてか、またはその後に、例えばポリエステルの溶融体中にかまたは成分ii)の混入と共に混入されてよい。例えば安定剤、中和剤、滑剤および剥離剤、抗ブロック剤、ii)の定義に含まれない他の核形成剤、着色剤または充填剤が挙げられる。
【0113】
添加剤はポリエステルi)に対して0〜80質量%添加されてよい。適当な添加剤は例えば充填剤、安定剤、ii)の定義に含まれない核形成剤、タルクまたは滑剤および剥離剤である。このような添加剤は例えばKunststoff−Handbuch,第3/1巻,Carl Hanser発行,Muenchen,1992,第24頁〜第28頁に詳細に記載されている。
【0114】
充填剤のための例は、着色成分としても作用し得る粒子状物質、例えば炭酸カルシウム、粘土鉱物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、カーボンブラック、リグニン粉末、酸化鉄、および繊維材料、例えばセルロース繊維、サイザル繊維および麻繊維である。充填剤の含量はフィルム材料の全質量に対して通常40質量%以下、殊に20質量%以下である。
【0115】
安定剤は例えばトコフェロール(ビタミンE)、有機リン化合物、モノ−、ジ−およびポリフェノール、ヒドロキノン、ジアリールアミン、チオエーテル、メラミンまたは尿素である。抗ブロック剤として例えばタルク、白亜、雲母または酸化ケイ素が該当する。滑剤および剥離剤は通常炭化水素、脂肪アルコール、多価カルボン酸、多価カルボン酸の金属塩、例えばステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、脂肪酸アミド、例えばエルカ酸アミドおよびワックス型、例えばパラフィンワックス、蜜ろう、モンタンワックス等をベースとする物質である。好ましい剥離剤はエルカ酸アミドおよび/またはワックス型であり、殊に好ましくはこれら双方の剥離剤種の組合せである。好ましいワックス型は蜜ろうおよびエステルワックスであり、殊にグリセリンモノステアレートである。殊に好ましくは、本発明によるポリエステルフィルムを製造するために使用されたポリエステルi)には、それぞれポリエステルフィルムのプラスチック含量に対してエルカ酸アミド0.05〜2.0質量%またはワックス型0.1〜2.0質量%をが配合されている。極めて殊に好ましくは、本発明によるポリエステルフィルムを製造するために使用されたポリエステルi)には、それぞれポリエステルフィルムのプラスチック含量に対してエルカ酸アミド0.05〜0.5質量%およびワックス型、殊にグリセリンモノステアレート0.1〜1.0質量%が配合されている。
【0116】
成分ii)は公知の方法により、および公知の混合装置を用いてポリエステルi)中に導入されることができる(例えばSaechtling,Kunststoff−Taschenbuch,Hanser発行,Muenchen,Wien,第26版,1995,第191頁〜第246頁参照)。例えば成分ii)は、例えばスクリュー機械、例えば押出機を用いて、本来のフィルム製造の前の別々にされた処理工程において成分i)に混入されてもよいし、または、そこからフィルムが製造されるべき溶融体中に直接純粋な形かまたはいわゆる”マスターバッチ”の形で成分i)に混入されてもよい。
【0117】
一般に、このマスターバッチは特別な成形材料であり、この場合、不可欠な添加剤または添加材料、例えば成分ii)は例えば熱可塑性ポリマーからのマトリックス、例えば成分i)中に導入されているが、しかしながらその際、添加剤含量は通常の添加剤が添加された成形材料と比較して明らかに高く、例えば10〜70質量%の範囲内である。その後、マスターバッチの相応する量を例えば添加剤が添加されていない熱可塑性樹脂に添加することにより、通常の添加剤含量を有する成形材料が製造されることができる。
【0118】
本発明によるポリエステルフィルムの製造は、公知のポリマーフィルムの製造方法と同様に行われることができる。これに関して、通常熱可塑性である前記ポリエステルi)は通常公知の方法によりフィルムへと加工される。通常、熱可塑性ポリエステルの場合、フィルムへの加工は押出または同時押出、殊にインフレーションフィルム押出成形または冷却ロール押出成形または押出被覆または同時押出被覆により行われる。
【0119】
フィルムのそれぞれの厚さは用途またはポリエステルフィルムの種類に依存する。この厚さは通常8〜1000μmの範囲内、殊に10〜100μmの範囲内である。例えば食品のための生鮮保存フィルムは好ましくは10〜30μm、殊に10〜22μmの厚さを有する。
【0120】
本発明によるポリエステルフィルムに高められた剛性を付与する目的で、本発明によるフィルム材料は剛性ベース材料、例えば紙/厚紙、ポリラクチド製フィルム、ポリエステルアミド製フィルム、または生分解可能な材料からの不織布と組み合わされてもよい。当然のことながら、本発明によるポリエステルフィルムは例えば相応する染料または顔料をプラスチックマトリックス中に添加することにより、または適当な着色剤でプリントすることにより着色されてよい。
【0121】
本発明によるポリエステルフィルムは、このポリエステルフィルムを製造する際かまたは製造後に延伸されてよい。延伸工程により、生分解可能性が同じ場合、例えば延長された可使時間、即ち使用時の低い分解傾向を有する生分解可能なポリエステルフィルムを得ることができる。本発明によるポリエステルフィルムは一軸延伸されてもよいし二軸延伸されてもよい。一般に縦方向での延伸比は少なくとも1:2.0である。多くの場合この比は1:10を越えることはない。好ましくは延伸比は1:3〜1:6の範囲内である。横方向での延伸比は同様に一般に1:2.5〜1:10、好ましくは1:3〜1:6である。
【0122】
フィルムの延伸方法は当業者に公知である(例えば米国特許出願公開第3456044号明細書を参照)。通常、本発明によるポリエステルフィルムは、そのベースとなる生分解可能なポリマーのガラス転移温度を越えるかまたは微結晶溶融温度を下回って延伸される。好ましい実施態様の1つでは、0〜100℃、殊に20〜60℃の範囲内の温度で延伸される。延伸工程は1段または多段で行われてよい。
【0123】
上記のフィルムの延伸は、例えば硬化された本発明によるポリエステルフィルムを種々の回転速度を有するロールにより導くことにより達成されることができる。二軸延伸された本発明によるポリエステルフィルムの場合、ポリエステルフィルムは同時かまたは2段階で、側方に取付けられた装置、いわゆるクリップチェーン(Kluppenkette)により横方向に延伸されてよい。インフレーションフィルムの場合、二軸延伸は通常押出の間に同時に気泡中に内包されている空気により行われる。他のパラメータが一定のままである場合、ブローアップ比はフィルムの周囲方向への延伸に関する情報を与える。最後のロール対と最初のロール対との引取速度の比は縦方向の延伸の度合いを示す。冷却空気温度および冷却空気の導入によりフィルムの延伸の度合いは変化される。一般に、十分に高い冷却空気流量および適切な冷却空気の導入が実現されることができる場合、冷却空気温度の低下に伴って延伸の度合いは上昇する。
【0124】
二軸延伸されたインフレーションフィルムの場合、例えばチューブ中に1〜3バールの圧力が与えられ、その際、圧力はフィルムの所望の延伸の程度に依存する。
【0125】
しかしながら、二軸延伸されたポリエステルフィルムにおける良好な延伸性および再現可能なキャリブレーションの正確性(ゲージの正確性)を達成する目的で、ポリエステルフィルムを、溶融液体を押出機のダイから搬出した後に第1の段階で抗接着被覆(例えばポリテトラフルオロエチレン PTFE、亜硝酸チタン)を有する冷却ロール型ロール上で0〜25℃、有利に3〜10℃の温度に冷却し、引き続き第2の段階で30〜95℃、有利に50〜80℃の温度に加熱し、引き続き延伸させることは有利である。
【0126】
ポリエステルフィルムを延伸した後、この延伸されたポリエステルフィルムはホットロールまたは熱風(約75〜150℃、好ましくは100〜120℃)でヒートセットされてよい。これに関し、ポリエステルフィルムは例えばロールにより、温度調節された空気流または蒸気流を有する密閉された容器に貫通される。滞留時間は通常1〜20秒、有利に2〜5秒である。
【0127】
殊に生鮮保存フィルムを製造するために、本発明によるポリエステルフィルムは弾性を有する薄いフィルムのために適当な表面巻取機を用いて巻取られ、平面的で均一な円筒状のフィルムロールにされてよい。
【0128】
本発明によるポリエステルフィルムは全ての適用のために殊に適当であり、この場合、透明性が高められ、別の材料に対してのみならず本発明によるポリエステルフィルムの材料に対しても粘着力が改善され、および/または防曇特性が改善されたことが特に重要である。
【0129】
このことは例えば包装フィルムまたは生鮮保存フィルムとして使用される場合、殊に食品、例えば肉、魚、魚介類、乳製品、卵製品、野菜、サラダ、果物、ナッツ、イチゴ、キノコを包装するために使用される場合に云えることである。
【0130】
本発明によるポリエステルフィルムは単独の包装材料であってもよいし、または別の材料、例えば紙、厚紙および/または発泡されたいわゆる”トレイ”から、例えばポリスチレン、澱粉、澱粉ブレンドまたはセルロース(パルプ)からの支持体と一緒に使用されてもよい。本発明によるポリエステルフィルムが別の材料と使用される場合、好ましくはこの別の材料は生分解可能である。
【0131】
本発明によるポリエステルフィルムを用いて、高められた透明性、高められた接着力および/または改善された防曇特性を有するフィルムが提供される。
【0132】
例:
応用技術的な測定:
ポリマーの分子量Mnを以下の通り測定した:ポリマー15mgをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)10mg中に溶解した。この溶液のそれぞれ125μlをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて分析した。測定を室温で実施した。溶離のためにHFIP+0.05質量%トリフルオロ酢酸−Ka塩を使用した。溶離速度は0.5ml/分であった。この場合、以下:ショーデックス(Shodex)(登録商標)HFIP−800P(直径8mm、長さ5cm)、Shodex(登録商標)HFIP−803(直径8mm、長さ30cm)、Shodex(登録商標)HFIP−803(直径8mm、長さ30cm)のカラムの組合せを使用した(全てのカラムはFa. Showa Denko Ltd., Japanにより製造された)。ポリマーをRI検出器(示差屈折計法)を用いて検出した。キャリブレーションを、505〜2740000の分子量Mnを有する分布の狭いポリメチルメタクリレート標準を用いて行った。この区間の外に位置する溶離範囲を外挿法により測定した。
【0133】
ポリエステルフィルムの厚さを、Helios Messtechnik GmbH u. Co. KGの装置であるDigitrix 2を用いて測定した。
【0134】
DSC測定をFa. Seikoの装置であるDSC 6200Rを用いて以下の通り実施した:
試料6〜10mgのそれぞれを20℃/分の加熱速度で−70℃から220℃に加熱し、その後すぐに20℃/分の冷却速度で再度−70℃に冷却した。この冷却過程において、それぞれ結晶化工程の開始温度および終了温度を測定した(結晶化ピークのピーク開始およびピーク終了に相応)。この温度差および冷却速度から結晶化時間が明らかとなる。参考として空の試料るつぼを使用した。
【0135】
ポリエステルフィルムの接着特性を以下の通り測定した:
フィルムを折り畳みおよび伸ばした際の接着作用(接着力)の主観的な印象に基づき、フィルムの比較評価を行った。この評価に基づき、それぞれ部類
+:中程度の接着作用
++:強力な接着作用または
+++:極めて強力な接着作用
への評価分類を行った。
【0136】
ポリエステルフィルムの透明性(%での曇り価(Haze−Wert)の測定)をASTM D1003−92に準拠して測定した。それぞれのフィルムは20μmの厚さを有していた。
【0137】
ポリエステルフィルムの防曇特性を以下の通り測定した:
23℃および50%の相対湿度に温度調節された実験室中で、それぞれ20μmの厚さを有するフィルム試料をゴムバンドを用いて冷たい水道水約0.1 lで充填された0.5 lの容積を有する透明なコップ上に張った。コップを2℃に一定に調節された冷蔵庫中に貯蔵し、それぞれ5、15、60および240分後に観察した。
【0138】
23℃の温風を冷蔵庫の温度に冷却する際のそれぞれの凝縮物の形成を試験した。有効な防曇剤が配合されたフィルムは凝縮物の形成後も透明であり、それというのも凝縮物は例えばまとまった透明の被膜を形成するからである。有効な防曇剤なしの場合、フィルム表面上の微細な小液滴曇りの形成によりフィルムの透明性は低下し;最悪の場合フィルムで包装されたそれぞれの物体は不可視である。
【0139】
それぞれの凝縮物の形を以下の通り評価した:
【0140】
【表1】
【0141】
このフィルムの防曇特性の測定方法は、Broschuere ”Atmer − Antifog agents for agricultural and food packaging films”, Ciba Speciality Chemicals Inc. CH/Basel,1998年9月に記載されている方法に準拠しており、例えば冷蔵庫やショッピングセンターにおいて生鮮製品(生鮮肉、チーズ、野菜、キノコ、果物)が包装された後、包装フィルム上に凝縮物が形成するのがシミュレートされている。
【0142】
使用物質:
成分i1):
P−i−1:生分解可能なポリエステルP−i−1を製造するために、ジメチルテレフタレート87.3kg、アジピン酸80.3kg、1,4−ブタンジオール117kgおよびグリセリン0.2kgをテトラブチルオルトチタネート(TBOT)0.028kgと一緒に混合し、その際、アルコール成分および酸成分とのモル比は1.30であった。反応混合物を180℃の温度に加熱し、この温度で6時間に亘り反応させた。引き続き温度を240℃に高め、過剰のジヒドロキシ化合物を減圧下で3時間の期間に亘り留去した。引き続き240℃でヘキサメチレンジイソシアネート0.9kgを1時間以内でゆっくりと供給した。
【0143】
このようにして得られたポリエステルP−i−1は、108℃の融点および23000g/モルの分子量(Mn)を有していた。
【0144】
成分ii1:
成分ii1)として:
P−ii1−1:9000g/モルの平均分子量および約65℃の融点を有するポリエチレングリコール(BASF AGのプルリオール(Pluriol)(登録商標)E 9000)
P−ii1−2:8000g/モルの平均分子量および約63℃の融点を有するポリエチレングリコール(BASF AGのプルリオール(Pluriol)(登録商標)E 8005)
P−ii1−3:4000g/モルの平均分子量および約60℃の融点を有するエステル化されたポリエチレングリコール(BASF AGのソカラン(Sokalan)(登録商標)SR 100)
P−ii1−4:ポリエトキシソルビタンステアレート(ICI America Inc.のトゥウィーン(Tween)(登録商標)60)
P−ii1−5:ポリエトキシソルビタンモノオレエート(ICI America Inc.のトゥウィーン(Tween)(登録商標)80)
を使用した。
【0145】
比較のために:
V−ii1−1:600g/モルの平均分子量および約20℃の融点を有する液体ポリエチレングリコール(BASF AGのプルリオール(Pluriol)(登録商標)E 600)
を使用した。
【0146】
成分ii2:
P−ii2−1:生分解可能な部分芳香族ポリエステルP−ii2−1を製造するために、ジメチルテレフタレート87.3kg、アジピン酸80.3kgおよび1,4−ブタンジオール117kgをテトラブチルオルトチタネート(TBOT)0.028kgと一緒に混合し、その際、アルコール成分および酸成分とのモル比は1.30であった。反応混合物を180℃の温度に加熱し、この温度で6時間に亘り反応させた。引き続き温度を240℃に高め、過剰のジヒドロキシ化合物を減圧下で3時間の期間に亘り留去した。引き続き220℃で1,4−ブタンジオール6.9kgを添加し、2時間この温度で反応させた。引き続き150℃でピロメリット酸二無水物18.7kgを添加し、1時間この温度で反応させた。
【0147】
このようにして得られたポリエステルP−ii2−1は、2500g/モルの分子量(Mn)を有していた。
【0148】
ポリエステルフィルムの製造:
ポリエステルフィルムを製造するために、第1表に記載された使用物質を二軸スクリュー押出機中で混合した;この場合、成分ii1)をそれぞれii1)20質量%およびi)80質量%からのマスターバッチとして添加した。このようにして得られた成形材料を150℃の質量温度および2.5:1のブローアップ比でインフレーションフィルム装置上で加工した。約20μmの厚さのフィルムを製造した。
【0149】
【表2】
【0150】
ポリエステルフィルムの性質:
第2表にポリエステルフィルムの性質が記載されている。
【0151】
【表3】
【0152】
1:それぞれの評価分類(+〜+++、A〜E)の定義に関しては、上記の方法の記載の”応用技術的な測定”の項目を参照のこと。
【0153】
2:n.b.=測定されなかった
第2表に記載された値は、本発明によるポリエステルフィルムの改善された性質を裏付けるものである。
【0154】
第3表に、ポリエステルフィルムのDSC測定および結晶化時間が記載されている。
【0155】
【表4】
【0156】
1:TB=結晶化開始温度
2:TE=結晶化終了温度
3:TK=結晶化時間
第3表に記載された値は、ポリエステル中の核形成剤としての成分ii)の適合性を裏付けるものである。
Claims (15)
- i)8000〜100000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する少なくとも1種のポリエステル70〜99.9質量%および
ii)
ii1)少なくとも1種の界面活性剤
ii2)1000〜7000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエステル
から選択された1種以上の化合物0.1〜30質量%
または少なくとも1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物
を含有しており、この場合、成分i)からii)の質量百分率が合計で100%であるポリエステルフィルム。 - ポリエステルi)またはii2)またはポリエステルi)およびii2)の双方が互いに独立して:
A)
a1)少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸または少なくとも1種の脂環式ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体またはその混合物30〜95モル%
a2)少なくとも1種の芳香族ジルカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体またはその混合物5〜70モル%および
a3)1種のスルホネート基含有化合物0〜5モル%
からなり、その際、成分a1)〜a3)のモル百分率が合計で100%である1種の酸成分および
B)少なくとも1種のC2〜C12アルカンジオールまたは少なくとも1種のC5〜C10シクロアルカンジオールまたはその混合物からの1種のジオール成分および所望の場合はさらに
C)
c1)エーテル官能基を有する式I
HO−[(CH2)n−O]m−H (I)
[式中、nは2、3または4を表し、mは2〜250の1個の整数を表す]の少なくとも1種のジヒドロキシ化合物
c2)式IIaまたはIIb
c3)少なくとも1種のアミノ−C2〜C12アルカノールまたは少なくとも1種のアミノC5〜C10シクロアルカノールまたはその混合物
c4)少なくとも1種のジアミノC1〜C8アルカン
c5)一般式III
c6)天然アミノ酸、最大で18000g/モルの分子量を有し、4〜6個のC原子を有するジカルボン酸と4〜10個のC原子を有するジアミンとの重縮合により得られるポリアミド、式IVaおよびIVb
からなる群から選択された、少なくとも1種のアミノカルボン酸
またはc1)〜c6)からの混合物
から選択された1種の成分と
D)
d1)エステル形成が可能である基を少なくとも3個有する、少なくとも1種の化合物
d2)少なくとも1種のイソシアネート
d3)少なくとも1種のジビニルエーテル
またはd1)〜d3)からの混合物
から選択された1種の成分とから選択された1種以上の成分
から形成されている、請求項1記載のポリエステルフィルム。 - 成分ii1)が少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項1および2記載のポリエステルフィルム。
- 成分ii1)がアルコキシル化されたかもしくはアルコキシル化されていない少なくとも1種の糖エステルか、またはアルコキシル化されたかもしくはアルコキシル化されていない少なくとも1種の糖エーテルである、請求項1から3記載のポリエステルフィルム。
- 成分ii1)が少なくとも1種のポリソルベートである、請求項1から4記載のポリエステルフィルム。
- 成分ii1)が1000〜15000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する少なくとも1種のポリアルキレングリコールか、または1000〜15000g/モルの範囲内の分子量Mnを有する少なくとも1種のポリアルキレングリコールエステルである、請求項1から3記載のポリエステルフィルム。
- 成分ii1)がポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールエステルである、請求項1から3記載のポリエステルフィルム。
- 成分ii2)がアジピン酸および1,2−プロピレングリコールから形成された1種の脂肪族ポリエステルである、請求項1から7記載のポリエステルフィルム。
- 成分ii)として1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物を含有している、請求項1から8記載のポリエステルフィルム。
- 包装フィルムとしての、請求項1から9記載のポリエステルフィルムの使用。
- 生鮮保存フィルムとしての、請求項1から9記載のポリエステルフィルムの使用。
- ポリエステルフィルムの透明性を高めるための、請求項1から9記載の、ii1)もしくはii2)から選択された化合物かまたは1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物の使用。
- ポリエステルのための核形成剤としての、請求項1から9記載の、ii1)もしくはii2)から選択された化合物かまたは1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物の使用。
- ポリエステルフィルムの接着力を高めるための、請求項1から9記載の、ii1)もしくはii2)から選択された化合物かまたは1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物の使用。
- ポリエステルフィルムのための防曇剤としての、請求項1から9記載の、ii1)もしくはii2)から選択された化合物かまたは1種以上の化合物ii1)およびii2)からの混合物の使用。
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