JP2004362270A - 切削工具の振り角設定装置、切削工具の振り角設定方法、および切削工具の振り角設定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】切削加工工具先端の偏磨耗が無く、かつ、回転軸中心での切削などが行われないように、切削工具の振り角を設定する振り角設定装置を提供する。
【解決手段】被加工面形状とその面を加工する工具経路を取得する工具経路取得部11と、被加工面形状と工具経路から工具先端と被加工面との接触角および接触角ごとの加工時間を求める接触角加工時間算出部12と、接触角ごとの加工時間ができるだけ均等になるように工具の振り角を変更する振り角変更部13と、工具と被加工物体および被加工面との干渉をチェックする干渉チェック部14と、を有する振り角設定装置。
【選択図】 図1
【解決手段】被加工面形状とその面を加工する工具経路を取得する工具経路取得部11と、被加工面形状と工具経路から工具先端と被加工面との接触角および接触角ごとの加工時間を求める接触角加工時間算出部12と、接触角ごとの加工時間ができるだけ均等になるように工具の振り角を変更する振り角変更部13と、工具と被加工物体および被加工面との干渉をチェックする干渉チェック部14と、を有する振り角設定装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具の振り角設定装置、切削工具の振り角設定方法、および切削工具の振り角設定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金型加工などにおける自由曲面の加工は、ボールエンドミルと称される切削工具を使用して行われている。
【0003】
従来、このような切削工具を用いた切削加工においては、被加工物体などとの干渉などがない限り、工具の振り角は常に一定のまま加工を行っている。なお、ここで振り角とは、たとえばロボットアームなどにより切削工具を保持して加工を行う場合、その工具がロボットアームなどによって保持されている角度を言い、その角度は、たとえば水平線または垂直線に対する工具の角度、あるいは被加工物や被加工面の基準となる面と工具の進入方向とのなす角などである。
【0004】
近年、コンピュータ技術の発達によって、加工する物体や面の設計形状から加工する物体や加工面との干渉の有無を検索し、干渉の無いような工具角度を保持して加工経路(工具経路とも言う)を自動設定する技術があるが、このような経路設定においても、一旦決定された工具角度(振り角)は、干渉のない限り変更されることはない(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−261815号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の技術では、切削工具の振り角が一定のまま加工が行われるため、どうしても被加工面に対して工具先端の一部分のみ当接することになり、たとえば図20に示すように、工具101の切削刃102における被加工面との当接部分のみが偏磨耗したり、チッピングが発生したりしてしまうといった問題があった。
【0007】
また、このような偏磨耗が起こった場合、工具の切削刃全体としてはさほど磨耗していない場合でも、工具を一旦はずして研磨し直したり、または工具を新しいものと取り替えたりする必要がある。このような工具の取り替えは、被加工面の途中で行われることもあり、そのような場合には、図21に示すように、工具の交換前後で、その取り付け位置に微妙な違いが生じて、この取り付け位置の違いに起因して加工面に段差が発生してしまうといった問題もある。また、同じ取り付け位置にできたとしても、研磨作業によって、図22に示すように、切削刃自体の大きさ(曲率半径)が変わってしまうため(図示RからR’になる)、その影響により、研磨前後で加工面に段差が発生してしまうこともある。
【0008】
また、振り角が一定だと、被加工面が大きく変化するような形状の場合には、被加工面の形状によっては、工具の回転軸中心で被加工面を削り取る部分が発生してしまい、切削刃の無い部分で被加工面をむしり取ったような状態が発生し、できあがりの表面状態が悪くなってしまうといった問題もある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、切削加工工具先端の偏磨耗が無く、かつ、回転軸中心での切削などが行われないように、加工経路に対して自動的に工具の振り角を変更することのできる切削工具の振り角設定装置、およびその方法、ならびに切削工具の振り角設定プログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するための本発明は、被加工面を複数の加工領域に分割し、各加工領域ごとに設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算する接触角加工時間算出手段と、前記接触角加工時間算出手段が求めたすべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する振り角変更手段と、を有することを特徴とする切削工具の振り角設定装置である。
【0011】
また、上記目的を解決するための本発明は、被加工面を複数の加工領域に分割する段階と、前記複数に分割した各加工領域ごとに、設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の前記接触角と前記加工時間を積算する段階と、すべての前記加工領域について前記工具の前記接触角と前記加工時間を積算した加工時間のピークが最も低くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する段階と、を有することを特徴とする切削工具の振り角設定方法である。
【0012】
また、上記目的を解決するための本発明は、被加工面を複数の加工領域に分割する段階と、前記複数に分割した各加工領域ごとに、設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算する段階と、前記すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する段階と、を有することを特徴とする切削工具の振り角設定方法である。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、切削加工を行う工具先端の偏磨耗がなくなって、工具先端にある切削刃のほぼ全体が均一に磨耗することになる。このため、加工面への負荷が少なくなり、切削刃の交換や研磨工数を少なくすることが可能となる。また、切削刃の交換や研磨工数が少なくなることで、被加工面内における途中交換が減る(またはほとんど行われなくなる)ので、工具交換による被加工面の段差発生も生じなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、切削工具の振り角設定装置を説明するための機能ブロック図である。
【0016】
この切削工具の振り角設定装置1は、被加工面形状とその面を加工する工具経路を取得する工具経路取得部11と、被加工面形状と工具経路から工具先端と被加工面との接触角および接触角ごとの加工時間を求める接触角加工時間算出部12と、接触角ごとの加工時間ができるだけ均等になるように工具の振り角を変更する振り角変更部13と、工具と被加工物体および被加工面との干渉をチェックする干渉チェック部14と、を有する。
【0017】
なお、この切削工具の振り角設定装置1は、実際にはコンピュータであり、各部の機能はこのコンピュータによって後述する手順を処理するため作成された流動解析プログラムが実行されることにより提供される。
【0018】
切削工具の振り角設定装置1には、コンピュータとして通常接続されているディスプレイやプリンタなどの表示装置、各種入力を行うためのキーボードやポインティングデバイス(たとえばマウス)などの入力装置、振り角変更後の加工経路データ(NCデータ)を記憶しておくための外部記憶装置(可搬式の記憶装置を含む)が接続されている(いずれも不図示)。また、切削工具の振り角設定装置1は、ネットワークにも接続されていて、このネットワークには、被加工面の形状やあらかじめ決められている加工経路などのデータの取得先となるCAD装置、および振り角変更後の加工経路データ(NCデータ)により切削加工を行う加工装置(またはそのコントローラ)が接続されている。
【0019】
各部の機能について説明する。
【0020】
工具経路取得部11は、CAD装置などから被加工物の加工前の形状データ、被加工面形状データ、工具形状データ、およびあらかじめ決められている被加工面の加工経路データ(設定されている工具振り角のデータを含む)を取得する。ここで取得した各データは、一旦コンピュータのメモリ(外部記憶装置でもよい)に記憶される。なお、加工経路データは、実際に数値制御マシンを動作させるためにすでに設計されているNCデータを読み込むようにしてもよい。
【0021】
接触角加工時間算出部12は、接触角加工時間算出手段として機能するものであり、工具経路取得部11が取得し、記憶した被加工面の形状データと加工経路データから、加工経路における工具先端の切削刃と被加工面との接触角ごとの加工時間を求め、さらに、すべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係を積算する。
【0022】
ここで、この加工経路における工具と被加工面との接触角ごとの加工時間の求め方について説明する。
【0023】
図2は一般的なボールエンドミルの刃先形状を示す概略図である。
【0024】
図示するように、ボールエンドミル101の刃先形状は、先端がほぼ円形でありその周囲に切削刃102が形成されている。
【0025】
ここでまず、工具の振り角および接触角について定義する。図3は振り角を説明するための説明図であり、図4は接触角を説明するための説明図である。
【0026】
本実施の形態において、振り角は、図3に示すように、垂直線Hに対する工具中心軸Sの傾きを振り角αとする。一方、接触角は、図4に示すように、工具中心軸Sと被加工面との接触線Cとのなす角を接触角βとする。なお被加工面との接触線Cは、工具の切削刃102の曲率半径中心Oから被加工面に接触している点Pまでの線である。
【0027】
図5は被加工面の形状を示す概略図であり、図6は加工経路における工具と被加工面との接触角ごとの加工時間の求め方を説明するための説明図である。
【0028】
被加工面は、図5(a)に示すように、なだらかに形状変化する自由曲面である。このような自由曲面の場合、工具の振り角が一定であると、工具経路を進行するにしたがって工具の接触角が変化する。ここでは、この被加工面を複数の加工領域に分割して(図示する場合には第1加工領域から第9加工領域)それぞれの加工領域ごとに、工具の接触角ごとの加工時間を求める。なお、各加工領域における加工経路は、たとえば図5(b)に示すように、一筆書きのごとくつながっており、これが全加工領域において連続している。
【0029】
工具の接触角ごとの加工時間は、図6に示すように、一つの領域について、接触角が、たとえば1度変化するごとにその接触角での加工時間を求めて、同じ接触角の加工時間を累積することで、接触角1度ごとの加工時間が得られる。
【0030】
すなわち、図6に示すように、接触角βから(β+1)に1度接触角が変化するまで加工時間をt1、次に加工経路が進行することで接触角が(β+1)から(β+2)になるまでの加工時間をt2、次に接触角がβ+2から再びβ+1になるまでの加工時間をt3、…とすると、図7(a)に示すように、それぞれの変化域ごとの加工時間が分かるので、これを図7(b)に示すように、同じ接触角の変化域ごとに積算することで、すべての加工領域について工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が求まる。
【0031】
それぞれの加工時間自体は、通常加工経路上で工具を移動させる速度は一定であるので、その移動速度と、加工経路上の接触角が1度変化する間の距離をかけることで求めることができる。また、接触角自体は、加工経路上の面形状と工具の接触点位置から求める。
【0032】
なお、求める接触角の角度は1度に限定されるものではなく、小さな角度とすることでより精密な接触角ごとの加工時間を求めることが可能である。
【0033】
図8は工具の接触角と加工時間の関係を示すグラフである。
【0034】
図8(a)に示すように、工具の接触角を1度ごとに累積すると、角度ごとに飛び飛びの加工時間となるので、これを図8(b)に示すように各角度域の中点を結んでなだらかな線として表す。
【0035】
このような工具の接触角と加工時間の関係を、図5(a)に示した被加工面を複数に分割したそれぞれの加工領域ごとに求める。図9は、すべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係を求めた結果を示すグラフである。
【0036】
振り角変更部13は、振り角変更手段として機能するものであり、上記のようにして接触角加工時間算出部12が求めた工具の接触角と加工時間の関係から、工具の切削刃102ができるだけ均等に被加工面と当接するように工具の振り角を変更して設定する。
【0037】
この工具振り角の変更は、分割された各加工領域ごとに工具の振り角を変えることによって、被加工面全体として工具の切削刃102がほぼ均等に被加工面に当たるようにする。ただし、工具の振り角を変えることで、ムシレの発生が懸念される工具軸中心部で被加工面と接触しない接触角となるように設定する。
【0038】
図10は、先に図9に示したすべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係をさらに積算したグラフである。
【0039】
この図から分かるように、振り角一定で全加工領域を加工した場合は、全加工領域について積算した加工時間の曲線Aの頂点APが高く突出しており、このような突出した頂点APが現れている場合に、頂点APの接触角で被加工面と接している切削刃部分が偏磨耗することになる。
【0040】
したがって、図11に示すように、この曲線Aの山の頂点APの高さが低くなるように、すなわち、すべての加工領域について工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における接触角ごとの加工時間を平準化することで、偏磨耗を防止することができる。
【0041】
そこで、振り角変更部13は、積算した加工時間の曲線Aの山の頂点APができるだけ低くなるように、各加工領域ごとに振り角を変更して、適切な工具振り角を設定する。またこのとき、同時に工具の振り角範囲ができるだけ狭くなるようにする。
【0042】
このための具体的な手法としては、たとえば、第1加工領域から第9加工領域まで工具振り角を所定の刻み角度(たとえば1度)ずつ変えて、その角度により各加工領域ごとに接触角がどのように変化したかを、接触角加工時間算出部12に算出させ、再び全加工領域について積算した加工時間の曲線描いて、これを工具振り角が最小値から最大値まで変えながら総当たりで行って、最も曲線の山が低くなり、かつ、工具振り悪範囲が狭くなる振り角を見つける方法である。
【0043】
ここで、工具振り角の最小値は、ムシレ防止の観点からムシレが発生しない接触角とする。これには、図12(a)に示すように、被加工面に対して工具中心軸近傍が当たる場合にムシレが発生するので、工具振れ角αの初期値をθ、このときの接触角をγとすると、ムシレが発生する接触角は、0度からγまでとなる。そこで、ムシレが発生しない工具振り角は、図12(b)に示すように、θ+γ−βの範囲となる。したがって、工具振り角を変更する際の最小値は、θ+γ−βからとなる。なお、通常、γは接触角が0度に近い範囲であるが、工具の大きさ(切削刃102の曲率半径)によって異なるので、工具ごとにあらかじめ決めておく。
【0044】
一方、工具振り角の最大値は、あらかじめ干渉チェック部14によって、各加工領域ごとに被加工物および被加工面の形状から、工具をどの程度まで傾けても被加工物および被加工面と干渉しないかを求めておいて、その干渉しない限度の角度とする。このように事前に工具の干渉状態を求めることで、工具振り角の変更際には、この干渉チェックの値が工具振り角を変更する際の最大値として利用することができる。したがって、干渉が予想される形状の場合は、干渉領域について工具振り角を設定することが無くなるので、総当たり工具振り角の変更作業の時間を少なくすることができる。なお、この干渉チェックの際の最大工具傾き(すなわち工具振り角の最大値)は、90度である。また、工具の傾き方向によっては、この干渉チェックによる工具の傾きが工具振り角の最小値となる場合もある。
【0045】
したがって、振り角を変更できる可能範囲は、ムシレの発生が無く、かつ、干渉のない範囲となる。
【0046】
図13は、このような総当たりにより、工具の振れ角を変更した場合の一例を示す図面である。図では、積算した加工時間の曲線の頂点がほぼ同じ程度の2つの場合である。第1の場合は、各加工領域ごとの接触角の変化が大きく、それぞれの加工領域が飛び飛びとなっている場合である。一方、第2の場合は、各加工領域の接触角がほぼつながっている場合である。
【0047】
このように、積算した加工時間の曲線の山の頂点がほぼ同じ場合でも、各加工領域の接触角は大きく違ってくるので、本実施の形態では、できるだけ工具振り角の範囲が狭い方として、第2の場合を採用する。これは、飛び飛びの接触角を持つようになると、工具の切削刃102が全体としてとびとびの磨耗して好ましくないので、そのような変則的な磨耗が起きないようにするためである。
【0048】
干渉チェック部14は、各経路上において、被加工物体や加工面、あるいは他の物体と工具とが干渉しないどうかをチェックする。この干渉チェック部14における干渉チェックは、上記の通り、工具振り角の変更前の段階であらかじめ各加工領域ごとに干渉が予想される工具振り角を、被加工物および被加工面の設計データと工具形状から求めるほか、工具振り角の変更後すべての加工領域について他の物体などとの干渉の有無をチェックする。
【0049】
次に、切削工具の振り角設定装置1による工具の振り角を変更処理の手順を説明する。
【0050】
図14は、工具の振り角を変更する全体の処理手順を示すフローチャートであり、図15は、工具振り角変更の処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
まず、図14を参照して全体の処理手順を説明する。
【0052】
まず、工具経路取得部11が、CAD装置などから、被加工物体形状、被加工面形状、工具形状、およびあらかじめ設定されているか工具経路を取得する(S1)。
【0053】
続いて、接触角加工時間算出部12が、取得した被加工面の形状データから、被加工面を複数の加工領域に分割する(S2)。ここで分割の基準としては、たとえば、各加工経路の長さが同じになるように分割したり、各加工領域の面積が同じになるように分割する。
【0054】
続いて、工具の振り角を変更、設定する(S3)。なお、この処理の詳細については後述する。
【0055】
続いて、干渉チェック部14が、最終的に設定された振り角による全加工経路において干渉がないか否かをチェックする(S4)。この干渉チェックでは、最終的に、工具と被加工物、被加工面、および他の物体(たとえば被加工物を保持するためのクランプ冶具などとの干渉をチェックする処理であるが、先に説明したように、振り角変更の際に工具の振り角変更可能範囲としてすでに干渉の有無は織り込み済みであるため、通常、ここで干渉が検出されることはない。したがって、ここで干渉があると検出された場合には、何らかのエラーが考えられるためその旨を出力して(S5)、処理を終了する。一方、干渉がなければ、変更後の工具振り角が設定された加工経路データを出力して(S6)、処理を終了する。
【0056】
次に、図15を参照して工具振り角の変更、設定の処理手順を説明する。
【0057】
ここでは、まず初めに、各加工領域における振り角の設定可能範囲を算出する(S11)。振り角の設定可能範囲は、接触角加工時間算出部12が加工領域ごとにムシレ発生がない最小の角度を求め、干渉チェック部14が加工領域ごとに干渉の発生しない最大角度を求める。
【0058】
続いて、接触角加工時間算出部12が各加工領域における初期振り角での接触角と加工時間の関係を求める(S12)。これにより、たとえば、図16に示すように、各加工領域の接触角と加工時間の関係が求まり、さらに先に設定された設定可能範囲が加わることになる。
【0059】
続いて、振り角変更部13が、nの初期値として1を設定し(S13)、続いて、第n加工領域の振り角の初期値としてステップS11で求められた第n加工領域の振り角設定可能範囲の最小値を設定する(S14)。
【0060】
続いて、振り角変更部13が、第n加工領域について、振り角を所定角度(たとえば1度)加算して変更する(S15)。
【0061】
続いて、変更した振り角によって再び接触角加工時間算出部12により接触角と加工時間の関係を求め(実際には、振り角を変更した第n加工領域についてだけ求めればよい)、全加工領域の接触角ごとに積算した加工時間を求め、記憶する(S16)。これにより、たとえば図17に示すように、第n加工領域の振り角を変更した後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間が求まる。
【0062】
続いて、第n加工領域において振り角が変更可能設定の最大値に達したか否かを判断し(S17)、達していなければステップS15へ戻り処理を継続する。一方、第n加工領域において振り角が変更可能設定の最大値に達した場合には、求められた全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の曲線の頂点が最も低く、かつ、全加工領域の振り角の範囲が最も狭くなった振り角を、第n加工領域の振り角として設定する(S18)。
【0063】
続いて、nが加工領域数の最大値に達したか否かを判断し(S19)、達していなければnをインクリメントし(S20)、ステップS14へ戻り処理を継続する。一方、nが加工領域数の最大値に達したなら、続いて、全加工領域の振り角を加工経路データに設定し、加工経路データとして出力する(S21)。これにより、総当たりによる各加工領域の振り角の変更とその中ですべての加工領域を接触角ごとに積算した加工時間の曲線の頂点が最も低く、かつ、振り角の範囲が最も狭い振り角の組み合わせが決定される。ここで決定された各加工領域の振り角変更後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の一例を、図18に示す。
【0064】
以降、先に説明したメインルーチンのステップS4へ戻る。
【0065】
以上、本実施の形態によれば、図19に示すように、従来、振り角一定で切削加工を行った場合に発生していた偏磨耗がなくなって、切削刃102のほぼ全体が均一に磨耗することになる。このため、加工面への負荷が少なくなり、切削刃102の交換や研磨工数を少なくすることが可能となる。また、切削刃102の交換や研磨工数が少なくなることで、被加工面内における途中交換が減る(またはほとんど行われなくなる)ので、工具交換による被加工面の段差発生なども発生しなくなる。
【0066】
また、本実施の形態においては、工具振り角変更の際には、工具の中心軸近傍で被加工面をむしり取ったような加工とならないように工具振り角の変更可能範囲を設定することとしたので、工具中心軸近傍での加工が行われなくなり、常に良好な加工面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削工具の振り角設定装置を説明するための機能ブロック図である。
【図2】一般的なボールエンドミルの刃先形状を示す概略図である。
【図3】振り角を説明するための説明図である。
【図4】接触角を説明するための説明図である。
【図5】被加工面の形状を示す概略図である。
【図6】加工経路における工具と被加工面との接触角ごとの加工時間の求め方を説明するための説明図である。
【図7】接触角の変化域ごとの加工時間とその積算を説明するための説明図である。
【図8】工具の接触角と加工時間の関係を示すグラフである。
【図9】加工領域について工具の接触角と加工時間の関係を求めた結果を示すグラフである。
【図10】図9に示したすべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係をさらに積算したグラフである。
【図11】各加工領域の接触角ごとの加工時間を平準化を説明する説明図である。
【図12】からムシレが発生しない接触角を説明する説明図である。
【図13】総当たりにより、工具の振れ角を変更した場合の一例を示す図面である。
【図14】工具の振り角を変更する全体の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】工具振り角変更の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】各加工領域の接触角と加工時間の関係、および設定された設定可能範囲の一例を示す図面である。
【図17】第n加工領域の振り角を変更した後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の一例を示す図面である。
【図18】決定された各加工領域の振り角変更後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の一例を示す図面である。
【図19】工具切削刃の偏磨耗がなくなった状態を示す図面である。
【図20】従来の工具切削刃における偏磨耗およびチッピングの発生を示す図面である。
【図21】従来の工具の交換前後で発生する取り付け位置の違いを説明する説明図である。
【図22】従来の工具の研磨作業による切削刃自体の大きさ違いを説明するための図面である。
【符号の説明】
1…角設定装置、
11…工具経路取得部、
12…接触角加工時間算出部、
13…角変更部、
14…干渉チェック部、
101…ボールエンドミル、
102…切削刃。
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具の振り角設定装置、切削工具の振り角設定方法、および切削工具の振り角設定プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金型加工などにおける自由曲面の加工は、ボールエンドミルと称される切削工具を使用して行われている。
【0003】
従来、このような切削工具を用いた切削加工においては、被加工物体などとの干渉などがない限り、工具の振り角は常に一定のまま加工を行っている。なお、ここで振り角とは、たとえばロボットアームなどにより切削工具を保持して加工を行う場合、その工具がロボットアームなどによって保持されている角度を言い、その角度は、たとえば水平線または垂直線に対する工具の角度、あるいは被加工物や被加工面の基準となる面と工具の進入方向とのなす角などである。
【0004】
近年、コンピュータ技術の発達によって、加工する物体や面の設計形状から加工する物体や加工面との干渉の有無を検索し、干渉の無いような工具角度を保持して加工経路(工具経路とも言う)を自動設定する技術があるが、このような経路設定においても、一旦決定された工具角度(振り角)は、干渉のない限り変更されることはない(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−261815号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の技術では、切削工具の振り角が一定のまま加工が行われるため、どうしても被加工面に対して工具先端の一部分のみ当接することになり、たとえば図20に示すように、工具101の切削刃102における被加工面との当接部分のみが偏磨耗したり、チッピングが発生したりしてしまうといった問題があった。
【0007】
また、このような偏磨耗が起こった場合、工具の切削刃全体としてはさほど磨耗していない場合でも、工具を一旦はずして研磨し直したり、または工具を新しいものと取り替えたりする必要がある。このような工具の取り替えは、被加工面の途中で行われることもあり、そのような場合には、図21に示すように、工具の交換前後で、その取り付け位置に微妙な違いが生じて、この取り付け位置の違いに起因して加工面に段差が発生してしまうといった問題もある。また、同じ取り付け位置にできたとしても、研磨作業によって、図22に示すように、切削刃自体の大きさ(曲率半径)が変わってしまうため(図示RからR’になる)、その影響により、研磨前後で加工面に段差が発生してしまうこともある。
【0008】
また、振り角が一定だと、被加工面が大きく変化するような形状の場合には、被加工面の形状によっては、工具の回転軸中心で被加工面を削り取る部分が発生してしまい、切削刃の無い部分で被加工面をむしり取ったような状態が発生し、できあがりの表面状態が悪くなってしまうといった問題もある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、切削加工工具先端の偏磨耗が無く、かつ、回転軸中心での切削などが行われないように、加工経路に対して自動的に工具の振り角を変更することのできる切削工具の振り角設定装置、およびその方法、ならびに切削工具の振り角設定プログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するための本発明は、被加工面を複数の加工領域に分割し、各加工領域ごとに設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算する接触角加工時間算出手段と、前記接触角加工時間算出手段が求めたすべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する振り角変更手段と、を有することを特徴とする切削工具の振り角設定装置である。
【0011】
また、上記目的を解決するための本発明は、被加工面を複数の加工領域に分割する段階と、前記複数に分割した各加工領域ごとに、設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の前記接触角と前記加工時間を積算する段階と、すべての前記加工領域について前記工具の前記接触角と前記加工時間を積算した加工時間のピークが最も低くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する段階と、を有することを特徴とする切削工具の振り角設定方法である。
【0012】
また、上記目的を解決するための本発明は、被加工面を複数の加工領域に分割する段階と、前記複数に分割した各加工領域ごとに、設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算する段階と、前記すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する段階と、を有することを特徴とする切削工具の振り角設定方法である。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、切削加工を行う工具先端の偏磨耗がなくなって、工具先端にある切削刃のほぼ全体が均一に磨耗することになる。このため、加工面への負荷が少なくなり、切削刃の交換や研磨工数を少なくすることが可能となる。また、切削刃の交換や研磨工数が少なくなることで、被加工面内における途中交換が減る(またはほとんど行われなくなる)ので、工具交換による被加工面の段差発生も生じなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、切削工具の振り角設定装置を説明するための機能ブロック図である。
【0016】
この切削工具の振り角設定装置1は、被加工面形状とその面を加工する工具経路を取得する工具経路取得部11と、被加工面形状と工具経路から工具先端と被加工面との接触角および接触角ごとの加工時間を求める接触角加工時間算出部12と、接触角ごとの加工時間ができるだけ均等になるように工具の振り角を変更する振り角変更部13と、工具と被加工物体および被加工面との干渉をチェックする干渉チェック部14と、を有する。
【0017】
なお、この切削工具の振り角設定装置1は、実際にはコンピュータであり、各部の機能はこのコンピュータによって後述する手順を処理するため作成された流動解析プログラムが実行されることにより提供される。
【0018】
切削工具の振り角設定装置1には、コンピュータとして通常接続されているディスプレイやプリンタなどの表示装置、各種入力を行うためのキーボードやポインティングデバイス(たとえばマウス)などの入力装置、振り角変更後の加工経路データ(NCデータ)を記憶しておくための外部記憶装置(可搬式の記憶装置を含む)が接続されている(いずれも不図示)。また、切削工具の振り角設定装置1は、ネットワークにも接続されていて、このネットワークには、被加工面の形状やあらかじめ決められている加工経路などのデータの取得先となるCAD装置、および振り角変更後の加工経路データ(NCデータ)により切削加工を行う加工装置(またはそのコントローラ)が接続されている。
【0019】
各部の機能について説明する。
【0020】
工具経路取得部11は、CAD装置などから被加工物の加工前の形状データ、被加工面形状データ、工具形状データ、およびあらかじめ決められている被加工面の加工経路データ(設定されている工具振り角のデータを含む)を取得する。ここで取得した各データは、一旦コンピュータのメモリ(外部記憶装置でもよい)に記憶される。なお、加工経路データは、実際に数値制御マシンを動作させるためにすでに設計されているNCデータを読み込むようにしてもよい。
【0021】
接触角加工時間算出部12は、接触角加工時間算出手段として機能するものであり、工具経路取得部11が取得し、記憶した被加工面の形状データと加工経路データから、加工経路における工具先端の切削刃と被加工面との接触角ごとの加工時間を求め、さらに、すべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係を積算する。
【0022】
ここで、この加工経路における工具と被加工面との接触角ごとの加工時間の求め方について説明する。
【0023】
図2は一般的なボールエンドミルの刃先形状を示す概略図である。
【0024】
図示するように、ボールエンドミル101の刃先形状は、先端がほぼ円形でありその周囲に切削刃102が形成されている。
【0025】
ここでまず、工具の振り角および接触角について定義する。図3は振り角を説明するための説明図であり、図4は接触角を説明するための説明図である。
【0026】
本実施の形態において、振り角は、図3に示すように、垂直線Hに対する工具中心軸Sの傾きを振り角αとする。一方、接触角は、図4に示すように、工具中心軸Sと被加工面との接触線Cとのなす角を接触角βとする。なお被加工面との接触線Cは、工具の切削刃102の曲率半径中心Oから被加工面に接触している点Pまでの線である。
【0027】
図5は被加工面の形状を示す概略図であり、図6は加工経路における工具と被加工面との接触角ごとの加工時間の求め方を説明するための説明図である。
【0028】
被加工面は、図5(a)に示すように、なだらかに形状変化する自由曲面である。このような自由曲面の場合、工具の振り角が一定であると、工具経路を進行するにしたがって工具の接触角が変化する。ここでは、この被加工面を複数の加工領域に分割して(図示する場合には第1加工領域から第9加工領域)それぞれの加工領域ごとに、工具の接触角ごとの加工時間を求める。なお、各加工領域における加工経路は、たとえば図5(b)に示すように、一筆書きのごとくつながっており、これが全加工領域において連続している。
【0029】
工具の接触角ごとの加工時間は、図6に示すように、一つの領域について、接触角が、たとえば1度変化するごとにその接触角での加工時間を求めて、同じ接触角の加工時間を累積することで、接触角1度ごとの加工時間が得られる。
【0030】
すなわち、図6に示すように、接触角βから(β+1)に1度接触角が変化するまで加工時間をt1、次に加工経路が進行することで接触角が(β+1)から(β+2)になるまでの加工時間をt2、次に接触角がβ+2から再びβ+1になるまでの加工時間をt3、…とすると、図7(a)に示すように、それぞれの変化域ごとの加工時間が分かるので、これを図7(b)に示すように、同じ接触角の変化域ごとに積算することで、すべての加工領域について工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が求まる。
【0031】
それぞれの加工時間自体は、通常加工経路上で工具を移動させる速度は一定であるので、その移動速度と、加工経路上の接触角が1度変化する間の距離をかけることで求めることができる。また、接触角自体は、加工経路上の面形状と工具の接触点位置から求める。
【0032】
なお、求める接触角の角度は1度に限定されるものではなく、小さな角度とすることでより精密な接触角ごとの加工時間を求めることが可能である。
【0033】
図8は工具の接触角と加工時間の関係を示すグラフである。
【0034】
図8(a)に示すように、工具の接触角を1度ごとに累積すると、角度ごとに飛び飛びの加工時間となるので、これを図8(b)に示すように各角度域の中点を結んでなだらかな線として表す。
【0035】
このような工具の接触角と加工時間の関係を、図5(a)に示した被加工面を複数に分割したそれぞれの加工領域ごとに求める。図9は、すべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係を求めた結果を示すグラフである。
【0036】
振り角変更部13は、振り角変更手段として機能するものであり、上記のようにして接触角加工時間算出部12が求めた工具の接触角と加工時間の関係から、工具の切削刃102ができるだけ均等に被加工面と当接するように工具の振り角を変更して設定する。
【0037】
この工具振り角の変更は、分割された各加工領域ごとに工具の振り角を変えることによって、被加工面全体として工具の切削刃102がほぼ均等に被加工面に当たるようにする。ただし、工具の振り角を変えることで、ムシレの発生が懸念される工具軸中心部で被加工面と接触しない接触角となるように設定する。
【0038】
図10は、先に図9に示したすべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係をさらに積算したグラフである。
【0039】
この図から分かるように、振り角一定で全加工領域を加工した場合は、全加工領域について積算した加工時間の曲線Aの頂点APが高く突出しており、このような突出した頂点APが現れている場合に、頂点APの接触角で被加工面と接している切削刃部分が偏磨耗することになる。
【0040】
したがって、図11に示すように、この曲線Aの山の頂点APの高さが低くなるように、すなわち、すべての加工領域について工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における接触角ごとの加工時間を平準化することで、偏磨耗を防止することができる。
【0041】
そこで、振り角変更部13は、積算した加工時間の曲線Aの山の頂点APができるだけ低くなるように、各加工領域ごとに振り角を変更して、適切な工具振り角を設定する。またこのとき、同時に工具の振り角範囲ができるだけ狭くなるようにする。
【0042】
このための具体的な手法としては、たとえば、第1加工領域から第9加工領域まで工具振り角を所定の刻み角度(たとえば1度)ずつ変えて、その角度により各加工領域ごとに接触角がどのように変化したかを、接触角加工時間算出部12に算出させ、再び全加工領域について積算した加工時間の曲線描いて、これを工具振り角が最小値から最大値まで変えながら総当たりで行って、最も曲線の山が低くなり、かつ、工具振り悪範囲が狭くなる振り角を見つける方法である。
【0043】
ここで、工具振り角の最小値は、ムシレ防止の観点からムシレが発生しない接触角とする。これには、図12(a)に示すように、被加工面に対して工具中心軸近傍が当たる場合にムシレが発生するので、工具振れ角αの初期値をθ、このときの接触角をγとすると、ムシレが発生する接触角は、0度からγまでとなる。そこで、ムシレが発生しない工具振り角は、図12(b)に示すように、θ+γ−βの範囲となる。したがって、工具振り角を変更する際の最小値は、θ+γ−βからとなる。なお、通常、γは接触角が0度に近い範囲であるが、工具の大きさ(切削刃102の曲率半径)によって異なるので、工具ごとにあらかじめ決めておく。
【0044】
一方、工具振り角の最大値は、あらかじめ干渉チェック部14によって、各加工領域ごとに被加工物および被加工面の形状から、工具をどの程度まで傾けても被加工物および被加工面と干渉しないかを求めておいて、その干渉しない限度の角度とする。このように事前に工具の干渉状態を求めることで、工具振り角の変更際には、この干渉チェックの値が工具振り角を変更する際の最大値として利用することができる。したがって、干渉が予想される形状の場合は、干渉領域について工具振り角を設定することが無くなるので、総当たり工具振り角の変更作業の時間を少なくすることができる。なお、この干渉チェックの際の最大工具傾き(すなわち工具振り角の最大値)は、90度である。また、工具の傾き方向によっては、この干渉チェックによる工具の傾きが工具振り角の最小値となる場合もある。
【0045】
したがって、振り角を変更できる可能範囲は、ムシレの発生が無く、かつ、干渉のない範囲となる。
【0046】
図13は、このような総当たりにより、工具の振れ角を変更した場合の一例を示す図面である。図では、積算した加工時間の曲線の頂点がほぼ同じ程度の2つの場合である。第1の場合は、各加工領域ごとの接触角の変化が大きく、それぞれの加工領域が飛び飛びとなっている場合である。一方、第2の場合は、各加工領域の接触角がほぼつながっている場合である。
【0047】
このように、積算した加工時間の曲線の山の頂点がほぼ同じ場合でも、各加工領域の接触角は大きく違ってくるので、本実施の形態では、できるだけ工具振り角の範囲が狭い方として、第2の場合を採用する。これは、飛び飛びの接触角を持つようになると、工具の切削刃102が全体としてとびとびの磨耗して好ましくないので、そのような変則的な磨耗が起きないようにするためである。
【0048】
干渉チェック部14は、各経路上において、被加工物体や加工面、あるいは他の物体と工具とが干渉しないどうかをチェックする。この干渉チェック部14における干渉チェックは、上記の通り、工具振り角の変更前の段階であらかじめ各加工領域ごとに干渉が予想される工具振り角を、被加工物および被加工面の設計データと工具形状から求めるほか、工具振り角の変更後すべての加工領域について他の物体などとの干渉の有無をチェックする。
【0049】
次に、切削工具の振り角設定装置1による工具の振り角を変更処理の手順を説明する。
【0050】
図14は、工具の振り角を変更する全体の処理手順を示すフローチャートであり、図15は、工具振り角変更の処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
まず、図14を参照して全体の処理手順を説明する。
【0052】
まず、工具経路取得部11が、CAD装置などから、被加工物体形状、被加工面形状、工具形状、およびあらかじめ設定されているか工具経路を取得する(S1)。
【0053】
続いて、接触角加工時間算出部12が、取得した被加工面の形状データから、被加工面を複数の加工領域に分割する(S2)。ここで分割の基準としては、たとえば、各加工経路の長さが同じになるように分割したり、各加工領域の面積が同じになるように分割する。
【0054】
続いて、工具の振り角を変更、設定する(S3)。なお、この処理の詳細については後述する。
【0055】
続いて、干渉チェック部14が、最終的に設定された振り角による全加工経路において干渉がないか否かをチェックする(S4)。この干渉チェックでは、最終的に、工具と被加工物、被加工面、および他の物体(たとえば被加工物を保持するためのクランプ冶具などとの干渉をチェックする処理であるが、先に説明したように、振り角変更の際に工具の振り角変更可能範囲としてすでに干渉の有無は織り込み済みであるため、通常、ここで干渉が検出されることはない。したがって、ここで干渉があると検出された場合には、何らかのエラーが考えられるためその旨を出力して(S5)、処理を終了する。一方、干渉がなければ、変更後の工具振り角が設定された加工経路データを出力して(S6)、処理を終了する。
【0056】
次に、図15を参照して工具振り角の変更、設定の処理手順を説明する。
【0057】
ここでは、まず初めに、各加工領域における振り角の設定可能範囲を算出する(S11)。振り角の設定可能範囲は、接触角加工時間算出部12が加工領域ごとにムシレ発生がない最小の角度を求め、干渉チェック部14が加工領域ごとに干渉の発生しない最大角度を求める。
【0058】
続いて、接触角加工時間算出部12が各加工領域における初期振り角での接触角と加工時間の関係を求める(S12)。これにより、たとえば、図16に示すように、各加工領域の接触角と加工時間の関係が求まり、さらに先に設定された設定可能範囲が加わることになる。
【0059】
続いて、振り角変更部13が、nの初期値として1を設定し(S13)、続いて、第n加工領域の振り角の初期値としてステップS11で求められた第n加工領域の振り角設定可能範囲の最小値を設定する(S14)。
【0060】
続いて、振り角変更部13が、第n加工領域について、振り角を所定角度(たとえば1度)加算して変更する(S15)。
【0061】
続いて、変更した振り角によって再び接触角加工時間算出部12により接触角と加工時間の関係を求め(実際には、振り角を変更した第n加工領域についてだけ求めればよい)、全加工領域の接触角ごとに積算した加工時間を求め、記憶する(S16)。これにより、たとえば図17に示すように、第n加工領域の振り角を変更した後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間が求まる。
【0062】
続いて、第n加工領域において振り角が変更可能設定の最大値に達したか否かを判断し(S17)、達していなければステップS15へ戻り処理を継続する。一方、第n加工領域において振り角が変更可能設定の最大値に達した場合には、求められた全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の曲線の頂点が最も低く、かつ、全加工領域の振り角の範囲が最も狭くなった振り角を、第n加工領域の振り角として設定する(S18)。
【0063】
続いて、nが加工領域数の最大値に達したか否かを判断し(S19)、達していなければnをインクリメントし(S20)、ステップS14へ戻り処理を継続する。一方、nが加工領域数の最大値に達したなら、続いて、全加工領域の振り角を加工経路データに設定し、加工経路データとして出力する(S21)。これにより、総当たりによる各加工領域の振り角の変更とその中ですべての加工領域を接触角ごとに積算した加工時間の曲線の頂点が最も低く、かつ、振り角の範囲が最も狭い振り角の組み合わせが決定される。ここで決定された各加工領域の振り角変更後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の一例を、図18に示す。
【0064】
以降、先に説明したメインルーチンのステップS4へ戻る。
【0065】
以上、本実施の形態によれば、図19に示すように、従来、振り角一定で切削加工を行った場合に発生していた偏磨耗がなくなって、切削刃102のほぼ全体が均一に磨耗することになる。このため、加工面への負荷が少なくなり、切削刃102の交換や研磨工数を少なくすることが可能となる。また、切削刃102の交換や研磨工数が少なくなることで、被加工面内における途中交換が減る(またはほとんど行われなくなる)ので、工具交換による被加工面の段差発生なども発生しなくなる。
【0066】
また、本実施の形態においては、工具振り角変更の際には、工具の中心軸近傍で被加工面をむしり取ったような加工とならないように工具振り角の変更可能範囲を設定することとしたので、工具中心軸近傍での加工が行われなくなり、常に良好な加工面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削工具の振り角設定装置を説明するための機能ブロック図である。
【図2】一般的なボールエンドミルの刃先形状を示す概略図である。
【図3】振り角を説明するための説明図である。
【図4】接触角を説明するための説明図である。
【図5】被加工面の形状を示す概略図である。
【図6】加工経路における工具と被加工面との接触角ごとの加工時間の求め方を説明するための説明図である。
【図7】接触角の変化域ごとの加工時間とその積算を説明するための説明図である。
【図8】工具の接触角と加工時間の関係を示すグラフである。
【図9】加工領域について工具の接触角と加工時間の関係を求めた結果を示すグラフである。
【図10】図9に示したすべての加工領域について工具の接触角と加工時間の関係をさらに積算したグラフである。
【図11】各加工領域の接触角ごとの加工時間を平準化を説明する説明図である。
【図12】からムシレが発生しない接触角を説明する説明図である。
【図13】総当たりにより、工具の振れ角を変更した場合の一例を示す図面である。
【図14】工具の振り角を変更する全体の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】工具振り角変更の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】各加工領域の接触角と加工時間の関係、および設定された設定可能範囲の一例を示す図面である。
【図17】第n加工領域の振り角を変更した後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の一例を示す図面である。
【図18】決定された各加工領域の振り角変更後の接触角と加工時間の関係および全加工領域の接触角ごとの積算した加工時間の一例を示す図面である。
【図19】工具切削刃の偏磨耗がなくなった状態を示す図面である。
【図20】従来の工具切削刃における偏磨耗およびチッピングの発生を示す図面である。
【図21】従来の工具の交換前後で発生する取り付け位置の違いを説明する説明図である。
【図22】従来の工具の研磨作業による切削刃自体の大きさ違いを説明するための図面である。
【符号の説明】
1…角設定装置、
11…工具経路取得部、
12…接触角加工時間算出部、
13…角変更部、
14…干渉チェック部、
101…ボールエンドミル、
102…切削刃。
Claims (8)
- 被加工面を複数の加工領域に分割し、各加工領域ごとに設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算する接触角加工時間算出手段と、
前記接触角加工時間算出手段が求めたすべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する振り角変更手段と、
を有することを特徴とする切削工具の振り角設定装置。 - 前記振り角変更手段は、前記振り角が前記工具の中心軸近傍で前記被加工面と当接する角度とならないように前記振り角を変更することを特徴とする請求項1記載の切削工具の振り角設定装置。
- 前記振り角変更手段は、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなりなり、かつ、前記振り角の範囲が最も狭くなるように、各加工領域における前記工具の前記振り角を変更することを特徴とする請求項1または2記載の切削工具の振り角設定装置。
- 被加工面を複数の加工領域に分割する段階と、
前記複数に分割した各加工領域ごとに、設定されている加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算する段階と、
前記すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を変更する段階と、
を有することを特徴とする切削工具の振り角設定方法。 - 前記振り角は、前記工具の中心軸近傍で前記被加工面と当接する角度とならないように前記振り角を変更することを特徴とする請求項4記載の切削工具の振り角設定方法。
- 各加工領域における前記工具の前記振り角を変更する段階は、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなり、かつ、前記振り角の範囲が最も狭くなるように、各加工領域における前記工具の前記振り角を変更することを特徴とする請求項4または5記載の切削工具の振り角設定方法。
- 被加工面を複数の加工領域に分割するステップと、
前記複数に分割した各加工領域ごとに、工具振り角の変更可能範囲を設定するステップと、
前記複数に分割した各加工領域ごとに加工経路における工具先端と前記被加工面との接触角および前記接触角ごとの加工時間を求め、すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算するステップと、
前記すべての前記加工領域について前記工具の接触角ごとの加工時間を積算した加工時間が最も短くなるように、各加工領域における前記工具の振り角を前記変更可能範囲内で変更するステップと、
を有することを特徴とする切削工具の振り角設定プログラム。 - 前記変更可能範囲は、前記工具の中心軸近傍で前記被加工面と当接する角度とならない角度であることを特徴とする請求項7記載の切削工具の振り角設定プログラム。
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