JP2004360468A - プランジャポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】リテーナとシール部材を一体形成することにより、製造作業と組付作業能率の向上と、コストの低減化が図れるプランジャポンプを提供する。
【解決手段】ハウジング1のポンプ孔2内に固定されたポンプケーシング5と、該ポンプケーシング内に摺動自在に設けられたプランジャ6と、ポンプケーシングとプランジャとの間に形成されて、プランジャの摺動に伴い流入通路3から流入された流体を圧縮する圧力室13と、圧力室側への流体の流入のみを許容する第1のチェック弁16とを備えている。この第1のチェック弁は、軸方向孔12の開口端12aを開閉するボール弁体17と、該ボール弁体を閉方向に付勢するバルブスプリング18の下端部を弾持するリテーナ19とを有し、該リテーナの上端部に有するスプリングシート21と、前記圧力室を封止するシール部材22とを、合成樹脂材によって一体に形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】ハウジング1のポンプ孔2内に固定されたポンプケーシング5と、該ポンプケーシング内に摺動自在に設けられたプランジャ6と、ポンプケーシングとプランジャとの間に形成されて、プランジャの摺動に伴い流入通路3から流入された流体を圧縮する圧力室13と、圧力室側への流体の流入のみを許容する第1のチェック弁16とを備えている。この第1のチェック弁は、軸方向孔12の開口端12aを開閉するボール弁体17と、該ボール弁体を閉方向に付勢するバルブスプリング18の下端部を弾持するリテーナ19とを有し、該リテーナの上端部に有するスプリングシート21と、前記圧力室を封止するシール部材22とを、合成樹脂材によって一体に形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のブレーキ液圧を制御するためのアンチロックブレーキ装置などに適用されるプランジャポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のプランジャポンプとしては、アンチロックブレーキ装置に適用された、以下の特許文献に記載されたものが知られている。
【0003】
概略を説明すれば、このプランジャポンプは、ハウジングに形成されたポンプ孔内に収容固定された円筒状のポンプケーシングと、該ポンプケーシングの内部に摺動自在に設けられてた複数のプランジャと、ポンプケーシングとプランジャとの間に形成されて、流通路から供給されたブレーキ液が圧縮される圧力室と、該圧力室内に設けられた第1のチェック弁と、プランジャの一端部に形成された小径部に嵌着されて、ポンプケーシングの内周面に摺接しつつ前記圧力室をシールするゴム製の環状シール部材とを備えている。
【0004】
また、ポンプケーシングの内端部には、内部に流出通路に連通する第2のチェック弁が設けられた栓体が液密的に固定されている一方、前記プランジャは、内部軸方向に前記流入通路の一部を構成する軸方向孔が圧力室に臨んで形成されていると共に、剛性の高いコイルスプリングのばね力によって偏心ロータカム方向に付勢されている。
【0005】
前記第1のチェック弁は、前記軸方向孔の圧力室に臨む開口端を開閉するボール弁体と、該ボール弁体を閉方向に付勢するスプリングと、該スプリングを保持する金属製の碗状リテーナとを備えており、このリテーナの一端に有するフランジ部に前記コイルスプリングの一端部が弾持されている。
【0006】
そして、電動モータの回転に伴い偏心ロータカムが回転すると、先端が偏心ロータカムに当接している各プランジャがポンプケーシング内を進退摺動してポンプ作用を行い、軸方向孔を流入したブレーキ液が第1のチェック弁のボール弁体をスプリングのばね力に抗して押し開きながら圧力室に導入されると共に、第2のチェック弁を介して流出通路に圧送されるようになっている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−257245号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のプランジャポンプにあっては、第1チェック弁のリテーナとシール部材が、それぞれ異なる材料によって別体に形成されている。このため、部品点数が増加してしまい、製造作業能率や組付作業能率の低下を招いていると共に、部品管理が煩雑になり、コストの高騰が余儀なくされている。
【0009】
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、シール部材とリテーナとを同質の合成樹脂材によって一体に形成して、製造作業や組付作業の能率の向上などを図り得るプランジャポンプを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、とりわけ、圧力室に臨む流入通路の開口端を開閉して、圧力室側への流体の流入のみを許容するチェック弁は、前記開口端を開閉する弁体と、該弁体を閉方向に付勢するばね部材を保持するリテーナとを有し、該リテーナと、前記圧力室を封止するシール部材とを、合成樹脂材によって一体に形成したことを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、リテーナとシール部材を合成樹脂材によって一体化したことから部品点数を削減できる。この結果、製造作業能率と組付作業能率の向上が図れると共に、部品管理が容易になる。したがって、コストの低廉化が図れる。
【0012】
特に、リテーナとシール部材は、合成樹脂材の型成形によって同時かつ一緒に成形することができることから、製造作業能率が一層向上する。
【0013】
請求項2に記載の発明にあっては、前記リテーナは、外周部に前記プランジャを進出方向へ付勢する第2のばね部材の端部を弾持するスプリングシートを有し、該スプリングシートに前記シール部材を一体に形成すると共に、前記シール部材の前記圧力室側の外端部に円環状のシールリップを設けたことを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、スプリングシートの外周縁に形成されたシールリップによって、つまり、このシールリップが円環状に突出した形になっていることから、この内周側に凹部が形成され、この凹部によって、組付時における第2のばね部材の位置決めが容易になる。
【0015】
また、スプリングの端部を前記凹部内に弾持させることで、シールリップを介して第2のばね部材の端部とポンプケーシングの内周面との間の摺接を回避できる。これによって、ポンプケーシングの内周面の摩耗や摺接音の発生を防止できる。
【0016】
また、前記シールリップを形成することによって、シール部材の外周面全体のポンプケーシングの内周面に対する面圧を低下させることが可能になる。この結果、プランジャの常時円滑な摺動性を確保することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるプランジャポンプの実施形態を図面に基づいて詳述する。この実施形態では、アンチロックブレーキ装置のプランジャポンプに適用されたものを示し、図1ではプランジャポンプの一部を拡大して示している。
【0018】
すなわち、このプランジャポンプは、電磁弁等のブレーキ液圧制御機構を備えたアルミ合金製のハウジング1に径方向に沿って複数のポンプ孔2が形成され、このポンプ孔2にハウジング1内に形成された流入通路3を介して図外のリザーバタンクを介して各ホイールシリンダに接続されている一方、流出通路4を介してマスターシリンダに接続されている。
【0019】
また、前記ポンプ孔2は、段差径状に形成されて、一端側の小径部2aと、流入通路3が開口された中径部2bと、他端側の流出通路4に連通する大径部2cとによって主として構成され、中径部2bの一部内方への膨出部2d内に、ほぼ有底円筒状のポンプケーシング5が配置され、該ポンプケーシング5内にプランジャ6が摺動自在に設けられて、該プランジャ6の先端部6aが小径部2aからハウジング1内の作動室1aに出没自在に摺動している。また、前記大径部2cの内部には、ポンプケーシング4の端部にかしめ固定された栓体7とが収容配置されている。
【0020】
前記ポンプケーシング5は、図中小径な上端部5aに前記流入通路3から供給されたブレーキ液を濾過するフィルター部材8が上方から圧入固定されていると共に、下端側の大径な底部5bの中央に通路孔9か貫通形成されている。前記フィルター部材8は、ほぼ円筒状に形成され、円周方向の等間隔位置に複数の濾過用メッシュ8aが一体に設けられている。
【0021】
前記プランジャ6は、ほぼ円柱状に形成され、前記先端部6aの先端面が電動モータで回転する偏心ロータカム10の外周面に摺接して、摺動力を付与されるようになっていると共に、先端部6a側の内部径方向に前記フィルター部材8を介して流入通路4と連通する径方向孔11が直径方向に貫通形成され、さらに内部軸方向には、一端が径方向孔11に開口し、他端開口12aが後述する圧力室13に臨む軸方向孔12が穿設されている。また、プランジャ6の後端部6bは、2段の段差小径状の嵌着部6cが形成されている。なお、前記径方向孔11と、軸方向孔12が流入通路3の一部を構成している。
【0022】
また、プランジャ6の先端部6aの外周に形成された円環状の嵌着溝に前記小径孔2aとの間をシールする例えばゴム製のシールリング14が嵌着されている。このシールリング14は、外周面の幅方向の中央に小径部2aの内周面と摺接する小幅の突起部14aが一体に形成されており、この突起部14aによって摩擦抵抗を抑制してプランジャ6の良好な摺動性を確保するようになっている。
【0023】
前記ポンプケーシング5の内部には、プランジャ6の下端部6bとの間に圧力室13が隔成されており、この圧力室13の内部に、前記プランジャ6を突出する方向に付勢する第2のばね部材であるコイルスプリング15が弾装されていると共に、前記軸方向孔12の他端開口12aを開閉する第1のチェック弁16が配置されている。
【0024】
この第1のチェック弁16は、軸方向孔12の他端開口12aに有する弁座に離着座するボール弁体17と、該ボール弁体17を閉方向に付勢するばね部材であるバルブスプリング18と、該バルブスプリング18を保持するリテーナ19とから構成されている。
【0025】
前記リテーナ19は、射出成形機などによって合成樹脂材により一体に成形され、図2〜図5に示すように、前記バルブスプリング18の下端部を保持するほぼ碗状の保持部20と、該保持部20の上端縁に一体に設けられて、コイルスプリング15の上端部を弾持するほぼ円環フランジ状のスプリングシート21とから主として構成されている。
【0026】
前記保持部20は、図3〜図5に示すように、円周方向90度位置に4つの切欠孔20aが軸方向に沿って縦長に形成されて、この切欠孔20aによって圧力室13内のブレーキ液が内部を自由に移動可能になっていると共に、底壁20bの内面にボール弁体17の最大下降移動を規制すると共にバルブスプリング18の下端部の自由な径方向移動を規制する突部20cが形成されている。
【0027】
前記スプリングシート21は、比較的肉厚な円環状に形成され、その外周部がシール部材22として構成され、この外周面22aが保持部20側に向かって拡開テーパ状に形成されて、外周部全体が前記ポンプケーシング5の内周面5cに当接して圧力室13内を封止するようになっている。また、スプリングシート21は、保持部20側の端面に、前記コイルスプリング15の図1中の上端部を保持する凹状の円環溝24が形成されていると共に、該円環溝24が位置する外周部にシール部材22と一体のシールリップ23が形成されている。
【0028】
このシールリップ22は、円環溝24によってほぼ薄肉円環状に形成されて拡縮変形可能になっており、圧力室13内のブレーキ液の高圧力によって拡開変形して、先端外周縁がポンプケーシング5の内周面に圧接してシール性能を発揮するようになっている。
【0029】
また、前記栓体7は、図1に示すように、下端部がポンプ孔2の大径部2c外端部、つまり、ハウジング1のポンプ孔2の孔縁部1aをかしめることによってハウジング1に固定されていると共に、上面ほぼ中央に形成されたバルブ溝25内に、前記圧力室13と連通する通路孔9の下流開口端を開閉する第1のチェック弁26が配置されている。
【0030】
この第2のチェック弁26は、通路孔9の孔縁に形成された弁座に離着座して通路孔9を開閉するボール弁体27と、該ボール弁体27を閉方向に付勢するスプリング28とから構成され、圧力室13内の所定圧力によってスプリング28のばね力に抗してボール弁体27が通路孔9を開成するようになっている。また、前記通路孔9は、栓体7の上面に形成された円盤状の通路溝29を介して前記流出通路4に連通している。
【0031】
したがって、この実施形態によれば、偏心ロータカム10の回転に伴いプランジャ6がポンプケーシング5内を摺動することによりポンプ作用が働き、ホイールーシリンダ側(リザーバタンク)から流入通路3に流入したブレーキ液が、フィルター部材8を介して径方向孔11及び軸方向孔12を通って第1チェック弁16のボール弁体17をバルブスプリング18のばね力に抗して下端開口12aを開成する。これによって、圧力室13内にブレーキ液が充填されて、更にこの圧力室13から第2のチェック弁26のボール弁体27を押し開いて、通路溝29から流出通路4へ吐出させて、マスターシリンダ側に還流させる。これによって、通常のポンプ作用により、リザーバタンク内のブレーキ液をマスターシリンダ側に速やかに還流させることが可能になる。
【0032】
また、この実施形態によれば、リテーナ19とシール部材21を合成樹脂材によって一体化したことから、部品点数を削減できる。この結果、製造作業能率と組付作業能率の向上が図れると共に、部品管理が容易になる。したがって、コストの低廉化が図れる。
【0033】
特に、リテーナ19とシール部材21とは、合成樹脂材の型成形によって同時かつ一緒に成形することができることから、製造作業能率が一層向上する。
【0034】
また、スプリングシート21に凹状の円環溝24を形成し、ここにコイルスプリング15の端部を嵌合保持するようにしたため、組付時における該コイルスプリング15の位置決めが容易になると共に、シールリップ23によってコイルスプリング15の端部外面とポンプケーシング5の内周面5cとの摺接を回避できる。このため、ポンプケーシング内周面5cの摩耗や摺接音の発生を防止できる。
【0035】
また、シール部材22の外周面22aをテーパ状に形成すると共に、最大拡径部にシールリップ23を形成したことから、主としてシールリップ23がポンプケーシング5の内周面5cに接触する。このため、ポンプケーシング内周面5cに対するシール部材22の外周面22a全体の面圧を低下させることが可能になる。この結果、プランジャ6の常時円滑な摺動性を得ることができる。
【0036】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されることなく、プランジャポンプの適用対象として、アンチロックブレーキ装置以外の機器類やアクチュエータなどに適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプランジャポンプの一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本実施形態に供されるリテーナの底面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】同リテーナの平面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング
2…ポンプ孔
3…流入通路
4…流出通路
5…ポンプケーシング
6…プランジャ
11…径方向孔
12…軸方向孔
13…圧力室
15…コイルスプリング(第2のばね部材)
16…第1のチェック弁
18…バルブスプリング(ばね部材)
19…リテーナ
21…スプリングシート
22…シール部材
22a…外周面
23…シールリップ
24…円環溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のブレーキ液圧を制御するためのアンチロックブレーキ装置などに適用されるプランジャポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のプランジャポンプとしては、アンチロックブレーキ装置に適用された、以下の特許文献に記載されたものが知られている。
【0003】
概略を説明すれば、このプランジャポンプは、ハウジングに形成されたポンプ孔内に収容固定された円筒状のポンプケーシングと、該ポンプケーシングの内部に摺動自在に設けられてた複数のプランジャと、ポンプケーシングとプランジャとの間に形成されて、流通路から供給されたブレーキ液が圧縮される圧力室と、該圧力室内に設けられた第1のチェック弁と、プランジャの一端部に形成された小径部に嵌着されて、ポンプケーシングの内周面に摺接しつつ前記圧力室をシールするゴム製の環状シール部材とを備えている。
【0004】
また、ポンプケーシングの内端部には、内部に流出通路に連通する第2のチェック弁が設けられた栓体が液密的に固定されている一方、前記プランジャは、内部軸方向に前記流入通路の一部を構成する軸方向孔が圧力室に臨んで形成されていると共に、剛性の高いコイルスプリングのばね力によって偏心ロータカム方向に付勢されている。
【0005】
前記第1のチェック弁は、前記軸方向孔の圧力室に臨む開口端を開閉するボール弁体と、該ボール弁体を閉方向に付勢するスプリングと、該スプリングを保持する金属製の碗状リテーナとを備えており、このリテーナの一端に有するフランジ部に前記コイルスプリングの一端部が弾持されている。
【0006】
そして、電動モータの回転に伴い偏心ロータカムが回転すると、先端が偏心ロータカムに当接している各プランジャがポンプケーシング内を進退摺動してポンプ作用を行い、軸方向孔を流入したブレーキ液が第1のチェック弁のボール弁体をスプリングのばね力に抗して押し開きながら圧力室に導入されると共に、第2のチェック弁を介して流出通路に圧送されるようになっている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−257245号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のプランジャポンプにあっては、第1チェック弁のリテーナとシール部材が、それぞれ異なる材料によって別体に形成されている。このため、部品点数が増加してしまい、製造作業能率や組付作業能率の低下を招いていると共に、部品管理が煩雑になり、コストの高騰が余儀なくされている。
【0009】
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、シール部材とリテーナとを同質の合成樹脂材によって一体に形成して、製造作業や組付作業の能率の向上などを図り得るプランジャポンプを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、とりわけ、圧力室に臨む流入通路の開口端を開閉して、圧力室側への流体の流入のみを許容するチェック弁は、前記開口端を開閉する弁体と、該弁体を閉方向に付勢するばね部材を保持するリテーナとを有し、該リテーナと、前記圧力室を封止するシール部材とを、合成樹脂材によって一体に形成したことを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、リテーナとシール部材を合成樹脂材によって一体化したことから部品点数を削減できる。この結果、製造作業能率と組付作業能率の向上が図れると共に、部品管理が容易になる。したがって、コストの低廉化が図れる。
【0012】
特に、リテーナとシール部材は、合成樹脂材の型成形によって同時かつ一緒に成形することができることから、製造作業能率が一層向上する。
【0013】
請求項2に記載の発明にあっては、前記リテーナは、外周部に前記プランジャを進出方向へ付勢する第2のばね部材の端部を弾持するスプリングシートを有し、該スプリングシートに前記シール部材を一体に形成すると共に、前記シール部材の前記圧力室側の外端部に円環状のシールリップを設けたことを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、スプリングシートの外周縁に形成されたシールリップによって、つまり、このシールリップが円環状に突出した形になっていることから、この内周側に凹部が形成され、この凹部によって、組付時における第2のばね部材の位置決めが容易になる。
【0015】
また、スプリングの端部を前記凹部内に弾持させることで、シールリップを介して第2のばね部材の端部とポンプケーシングの内周面との間の摺接を回避できる。これによって、ポンプケーシングの内周面の摩耗や摺接音の発生を防止できる。
【0016】
また、前記シールリップを形成することによって、シール部材の外周面全体のポンプケーシングの内周面に対する面圧を低下させることが可能になる。この結果、プランジャの常時円滑な摺動性を確保することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるプランジャポンプの実施形態を図面に基づいて詳述する。この実施形態では、アンチロックブレーキ装置のプランジャポンプに適用されたものを示し、図1ではプランジャポンプの一部を拡大して示している。
【0018】
すなわち、このプランジャポンプは、電磁弁等のブレーキ液圧制御機構を備えたアルミ合金製のハウジング1に径方向に沿って複数のポンプ孔2が形成され、このポンプ孔2にハウジング1内に形成された流入通路3を介して図外のリザーバタンクを介して各ホイールシリンダに接続されている一方、流出通路4を介してマスターシリンダに接続されている。
【0019】
また、前記ポンプ孔2は、段差径状に形成されて、一端側の小径部2aと、流入通路3が開口された中径部2bと、他端側の流出通路4に連通する大径部2cとによって主として構成され、中径部2bの一部内方への膨出部2d内に、ほぼ有底円筒状のポンプケーシング5が配置され、該ポンプケーシング5内にプランジャ6が摺動自在に設けられて、該プランジャ6の先端部6aが小径部2aからハウジング1内の作動室1aに出没自在に摺動している。また、前記大径部2cの内部には、ポンプケーシング4の端部にかしめ固定された栓体7とが収容配置されている。
【0020】
前記ポンプケーシング5は、図中小径な上端部5aに前記流入通路3から供給されたブレーキ液を濾過するフィルター部材8が上方から圧入固定されていると共に、下端側の大径な底部5bの中央に通路孔9か貫通形成されている。前記フィルター部材8は、ほぼ円筒状に形成され、円周方向の等間隔位置に複数の濾過用メッシュ8aが一体に設けられている。
【0021】
前記プランジャ6は、ほぼ円柱状に形成され、前記先端部6aの先端面が電動モータで回転する偏心ロータカム10の外周面に摺接して、摺動力を付与されるようになっていると共に、先端部6a側の内部径方向に前記フィルター部材8を介して流入通路4と連通する径方向孔11が直径方向に貫通形成され、さらに内部軸方向には、一端が径方向孔11に開口し、他端開口12aが後述する圧力室13に臨む軸方向孔12が穿設されている。また、プランジャ6の後端部6bは、2段の段差小径状の嵌着部6cが形成されている。なお、前記径方向孔11と、軸方向孔12が流入通路3の一部を構成している。
【0022】
また、プランジャ6の先端部6aの外周に形成された円環状の嵌着溝に前記小径孔2aとの間をシールする例えばゴム製のシールリング14が嵌着されている。このシールリング14は、外周面の幅方向の中央に小径部2aの内周面と摺接する小幅の突起部14aが一体に形成されており、この突起部14aによって摩擦抵抗を抑制してプランジャ6の良好な摺動性を確保するようになっている。
【0023】
前記ポンプケーシング5の内部には、プランジャ6の下端部6bとの間に圧力室13が隔成されており、この圧力室13の内部に、前記プランジャ6を突出する方向に付勢する第2のばね部材であるコイルスプリング15が弾装されていると共に、前記軸方向孔12の他端開口12aを開閉する第1のチェック弁16が配置されている。
【0024】
この第1のチェック弁16は、軸方向孔12の他端開口12aに有する弁座に離着座するボール弁体17と、該ボール弁体17を閉方向に付勢するばね部材であるバルブスプリング18と、該バルブスプリング18を保持するリテーナ19とから構成されている。
【0025】
前記リテーナ19は、射出成形機などによって合成樹脂材により一体に成形され、図2〜図5に示すように、前記バルブスプリング18の下端部を保持するほぼ碗状の保持部20と、該保持部20の上端縁に一体に設けられて、コイルスプリング15の上端部を弾持するほぼ円環フランジ状のスプリングシート21とから主として構成されている。
【0026】
前記保持部20は、図3〜図5に示すように、円周方向90度位置に4つの切欠孔20aが軸方向に沿って縦長に形成されて、この切欠孔20aによって圧力室13内のブレーキ液が内部を自由に移動可能になっていると共に、底壁20bの内面にボール弁体17の最大下降移動を規制すると共にバルブスプリング18の下端部の自由な径方向移動を規制する突部20cが形成されている。
【0027】
前記スプリングシート21は、比較的肉厚な円環状に形成され、その外周部がシール部材22として構成され、この外周面22aが保持部20側に向かって拡開テーパ状に形成されて、外周部全体が前記ポンプケーシング5の内周面5cに当接して圧力室13内を封止するようになっている。また、スプリングシート21は、保持部20側の端面に、前記コイルスプリング15の図1中の上端部を保持する凹状の円環溝24が形成されていると共に、該円環溝24が位置する外周部にシール部材22と一体のシールリップ23が形成されている。
【0028】
このシールリップ22は、円環溝24によってほぼ薄肉円環状に形成されて拡縮変形可能になっており、圧力室13内のブレーキ液の高圧力によって拡開変形して、先端外周縁がポンプケーシング5の内周面に圧接してシール性能を発揮するようになっている。
【0029】
また、前記栓体7は、図1に示すように、下端部がポンプ孔2の大径部2c外端部、つまり、ハウジング1のポンプ孔2の孔縁部1aをかしめることによってハウジング1に固定されていると共に、上面ほぼ中央に形成されたバルブ溝25内に、前記圧力室13と連通する通路孔9の下流開口端を開閉する第1のチェック弁26が配置されている。
【0030】
この第2のチェック弁26は、通路孔9の孔縁に形成された弁座に離着座して通路孔9を開閉するボール弁体27と、該ボール弁体27を閉方向に付勢するスプリング28とから構成され、圧力室13内の所定圧力によってスプリング28のばね力に抗してボール弁体27が通路孔9を開成するようになっている。また、前記通路孔9は、栓体7の上面に形成された円盤状の通路溝29を介して前記流出通路4に連通している。
【0031】
したがって、この実施形態によれば、偏心ロータカム10の回転に伴いプランジャ6がポンプケーシング5内を摺動することによりポンプ作用が働き、ホイールーシリンダ側(リザーバタンク)から流入通路3に流入したブレーキ液が、フィルター部材8を介して径方向孔11及び軸方向孔12を通って第1チェック弁16のボール弁体17をバルブスプリング18のばね力に抗して下端開口12aを開成する。これによって、圧力室13内にブレーキ液が充填されて、更にこの圧力室13から第2のチェック弁26のボール弁体27を押し開いて、通路溝29から流出通路4へ吐出させて、マスターシリンダ側に還流させる。これによって、通常のポンプ作用により、リザーバタンク内のブレーキ液をマスターシリンダ側に速やかに還流させることが可能になる。
【0032】
また、この実施形態によれば、リテーナ19とシール部材21を合成樹脂材によって一体化したことから、部品点数を削減できる。この結果、製造作業能率と組付作業能率の向上が図れると共に、部品管理が容易になる。したがって、コストの低廉化が図れる。
【0033】
特に、リテーナ19とシール部材21とは、合成樹脂材の型成形によって同時かつ一緒に成形することができることから、製造作業能率が一層向上する。
【0034】
また、スプリングシート21に凹状の円環溝24を形成し、ここにコイルスプリング15の端部を嵌合保持するようにしたため、組付時における該コイルスプリング15の位置決めが容易になると共に、シールリップ23によってコイルスプリング15の端部外面とポンプケーシング5の内周面5cとの摺接を回避できる。このため、ポンプケーシング内周面5cの摩耗や摺接音の発生を防止できる。
【0035】
また、シール部材22の外周面22aをテーパ状に形成すると共に、最大拡径部にシールリップ23を形成したことから、主としてシールリップ23がポンプケーシング5の内周面5cに接触する。このため、ポンプケーシング内周面5cに対するシール部材22の外周面22a全体の面圧を低下させることが可能になる。この結果、プランジャ6の常時円滑な摺動性を得ることができる。
【0036】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されることなく、プランジャポンプの適用対象として、アンチロックブレーキ装置以外の機器類やアクチュエータなどに適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプランジャポンプの一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】本実施形態に供されるリテーナの底面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】同リテーナの平面図である。
【符号の説明】
1…ハウジング
2…ポンプ孔
3…流入通路
4…流出通路
5…ポンプケーシング
6…プランジャ
11…径方向孔
12…軸方向孔
13…圧力室
15…コイルスプリング(第2のばね部材)
16…第1のチェック弁
18…バルブスプリング(ばね部材)
19…リテーナ
21…スプリングシート
22…シール部材
22a…外周面
23…シールリップ
24…円環溝
Claims (2)
- ハウジングのポンプ孔内に固定されたポンプケーシングと、
該ポンプケーシング内に摺動自在に設けられたプランジャと、
ポンプケーシングとプランジャとの間に形成されて、該プランジャの摺動に伴い流入通路から流入された流体が圧縮される圧力室と、
該圧力室に臨む前記流入通路の開口端を開閉して、圧力室側への流体の流入のみを許容するチェック弁と、
前記ポンプケーシングとプランジャとの間に設けられて、前記圧力室を封止するシール部材を備え、
前記チェック弁は、前記開口端を開閉する弁体と、該弁体を閉方向に付勢するばね部材を保持するリテーナとを有し、該リテーナと前記シール部材とを、合成樹脂材によって一体に形成したことを特徴とするプランジャポンプ。 - 前記リテーナは、外周部に前記プランジャを進出方向へ付勢する第2のばね部材の端部を弾持するスプリングシートを有し、該スプリングシートに前記シール部材を一体に形成すると共に、前記シール部材の前記圧力室側の外端部に円環状のシールリップを設けたことを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ。
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2003
- 2003-06-02 JP JP2003156167A patent/JP2004360468A/ja active Pending
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