JP2004357109A - フィルムスキャナ - Google Patents
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Abstract
【課題】CCDの冷却により暗電流の影響を排して良好な画質の画像情報の読み取りを可能にしながら、CCDに対する結露を確実に回避するフィルムスキャナを構成する。
【解決手段】内面に断熱材を形成した断熱型で、かつ、内部空間Sに乾燥ガスが封入される気密ケース10を備え、気密ケース10の内部にCCD型の光電変換素子20を備え、気密ケース10の底面に光学レンズからの光線を光電変換素子20に導くよう2枚の透明板15を備えた光線導入部13を備え、この気密ケース10の上面にペルチェ素子31を有する冷却機構30を備え、この冷却機構30の冷却側に接続する冷却部33に対して光電変換素子20からの熱を伝えるように構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】内面に断熱材を形成した断熱型で、かつ、内部空間Sに乾燥ガスが封入される気密ケース10を備え、気密ケース10の内部にCCD型の光電変換素子20を備え、気密ケース10の底面に光学レンズからの光線を光電変換素子20に導くよう2枚の透明板15を備えた光線導入部13を備え、この気密ケース10の上面にペルチェ素子31を有する冷却機構30を備え、この冷却機構30の冷却側に接続する冷却部33に対して光電変換素子20からの熱を伝えるように構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光線を写真フィルムに照射し、この写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して光電変換部に導き、この光電変換部で前記写真フィルムの画像情報をデジタル信号化して出力するよう構成されているフィルムスキャナに関し、詳しくは、光電変換部を冷却する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルムの画像情報の光電変換を対象としたものではないが、上記のように光電変換部を冷却するよう構成されたものとして、光電変換部としてのCCD素子1のパッケージ2に対して熱伝導の良い熱伝導金具4を密着させ、この熱伝導金具4に対してペルチェ効果素子6の吸熱側を密着させ、ペルチェ効果素子1の発熱側を密封構造の放熱容器7の内面に密着させたものが存在する。この従来の技術では、ペルチェ効果素子6によって冷却を行う場合には、CCD素子1とパッケージ2との間の熱抵抗を利用してパッケージ2を冷却し、かつ、放熱容器7の内部の大気の水分をパッケージ2部分及び熱伝導金具4に結露させることにより放熱容器7の内部を乾燥させるものとなっている(例えば、特許文献1参照・番号は文献中のものを引用)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9‐162379号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来からのフィルムスキャナでは光源としてハロゲンランプや発光ダイオードを用い、光電変換部としてラインCCD(Charge Coupled Device )を用いたものが一般的であり、写真フィルムの画像を読み取る際には、フィルムキャリアにおいて写真フィルムを設定された速度で副走査方向に搬送し、この写真フィルムの搬送速度と同期したタイミングで光電変換部に達した光線を主走査方向に読み取って光電変換する作動形態となっている。このような構成を採用しているので、濃度が高い写真フィルムの画像情報を読み取る場合や、ハイコントラストの画像情報の高濃度部の画像情報を読み取る場合には、光電変換部に達する光線の量が低下することに起因して、光電変換部で読み取った画像情報のS/N比が低下するものとなり、この画像情報から印画紙にプリントされた画像の画質を悪化させるものとなっていた。その原因としては、光源の光量が一定であること、及び、CCDの暗電流の影響から説明できる。
【0005】
前述した不都合を解消するための1つの手段として、写真フィルムの濃度に対応して光源の光量を変更することや、光学レンズの絞りを開放側に設定することも考えられる。しかしながら、光源に供給する電圧を高めて光量を増す構造では、光量の変化につれて光線の分光特性が変化するものとなり、カラー画像を読み取るものでは好ましくなく、又、光学レンズの絞りを開放側に操作するものでは、光学レンズとして明るい(F値が小さい)レンズを用いなくてはならず、コストの面で実現し難いものであった。
【0006】
そこで、暗電流の影響を低減する目的から、従来の技術で示したもののように光電変換部を冷却することが考えられる。しかしながら、光電変換部を単純に冷却するものでは、従来の技術にも課題として記載されるように、光電変換部の周囲の空気に含まれる水分が光電変換部に結露することになり改善の余地がある。又、従来の技術に示されるように、冷却を行うことにより空気中の水分を光電変換部と異なる部位に結露させて光電変換部を収納する容器の内部の空気の乾燥を行うものでは、乾燥を行う際に容器内での空気の対流を充分に行う必要があるので、容器内の空気を完全に乾燥させるまでに時間を要するものとなり実用性の面で利用し難いものであった。特に、この従来の技術のように結露を行うことにより容器内の空気を乾燥させるものでは、容器内の空気を結露させるためにエネルギーを必要とするので、エネルギーを無駄に消費する点において改善の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、光電変換部の冷却により良好な画質の画像情報の読み取りを可能にすると云う良好な面を損なうことなく、光電変換部に対する結露を確実に回避するフィルムスキャナを合理的に構成する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
光源からの光線を写真フィルムに照射し、この写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して光電変換部に導き、この光電変換部で前記写真フィルムの画像情報をデジタル信号化して出力するよう構成されているフィルムスキャナにおいて、前記光電変換部が、前記光学レンズからの光線を導く光線導入部を形成した断熱型で、かつ、乾燥ガスが封入される気密ケースと、この気密ケースに収納される半導体型の光電変換素子と、この光電変素子を冷却する冷却機構とを備えて構成されている点にある。
【0009】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、気密ケースが断熱型で乾燥ガスが封入されているので、光電変換素子を冷却機構によって冷却した場合には、外部からの熱の作用を排除しながら光電変換素子の急冷を可能にすると共に、この気密ケースの内部に乾燥ガスを封入しているので光電変換素子が低温状態となっても光電変換面に水分が結露することがない。又、従来の技術のように結露によって気密ケース内のガスの乾燥を行うもののように、結露に要するエネルギーを無駄にすることもない。従って、写真フィルムを透過した光源からの光線は、光学レンズから光電変換部の側に導かれ、この光電変換部では光学レンズからの光線を気密ケースに形成した光線導入部から気密ケース内部の冷却状態の光電変換素子に導いて、暗電流の影響を低減した良好な光電変換を行えるものとなる。その結果、冷却を行う際に無駄なエネルギーを消費することがなく、光電変換部における結露を回避するものとなり、濃度が高い写真フィルムの画像情報を読み取る場合でも、暗電流の影響を低減し、S/N比が高く良好な画質の画像情報を読み取るフィルムスキャナが構成された。
【0010】
本発明の請求項2に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載のフィルムスキャナにおいて、前記乾燥ガスを前記気密ケース内に供給する乾燥ガス供給部を備える、又は、前記気密ケース内のガスの水分を除去するガス乾燥部を備えて構成されている点にある。
【0011】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、乾燥ガス供給部を備えたものでは、何らかの原因で気密ケース内部から乾燥ガスが漏出した場合や、何らかの原因で気密ケースの内部に水分が浸入した場合には、乾燥ガス供給部から気密ケースの内部に乾燥ガスを供給して気密ケースの内部のガスを交換することにより気密ケース内部のガスを乾燥状態に維持でき、又、ガス乾燥部を備えたものでは、何らかの原因で気密ケースの内部に水分が浸入した場合でも、その水分を除去できる。その結果、気密ケースの内部のガスを乾燥状態に維持できるものとなった。
【0012】
本発明の請求項3に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1又は2記載のフィルムスキャナにおいて、前記冷却機構が、冷却部を前記気密ケース内に配置し、放熱部を前記気密ケースの外部に配置したペルチェ素子を用いて構成されている点にある。
【0013】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、ペルチェ素子の電力を供給するだけで冷却が可能となるばかりでなく、温度が低下する冷却部によって気密ケース内の光電変換素子を冷却し、気密ケースの外部に配置した放熱部から放熱を行えるものとなる。その結果、光電変換素子を冷却しながら、無駄な熱を気密ケースの外部に対して良好に排出できるものとなった。
【0014】
本発明の請求項4に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項3記載のフィルムスキャナにおいて、前記光電変換素子が、可視光用のものと、赤外光用のものとを異なる基板に支持して構成され、前記冷却機構は、前記冷却部として熱伝導率が高い素材を用いると共に、この冷却部に対して夫々の光電変換素子からの熱が伝えられる吸熱部を形成してある点にある。
【0015】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、例えば、冷却部として熱伝導率が高いアルミニウム等の素材を用い、可視光用の光電変換素子と、赤外光用の光電変換素子からの熱を冷却部の吸熱部に伝えることにより、夫々の光電変換素子の冷却を実現する。その結果、ペルチェ素子を複数備えずとも複数の基板に支持された光電変換素子を冷却できるものとなった。
【0016】
本発明の請求項5に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムスキャナにおいて、前記光線導入部が、所定距離だけ離間して配置した複数枚の透明板を備えて構成されている点にある。
【0017】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、所定距離だけ離間して配置した複数枚の透明板で光線導入部が構成されているので、気密ケースの内部温度が低下して内部側の透明板の温度が低下した場合にも、この内部側の透明板が外気に対して直接触れることがなく、この透明板の表面に対して外部の空気に含まれる水分が結露する不都合を回避できる。その結果、光線導入部での結露を回避して読み取る画像の質を高く維持できるものとなった。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ハロゲンランプ、発光ダイオード等で成る光源1及びミラートンネルやディフューザ等の光量平均化部2夫々を内蔵した光源部Aと、写真フィルムFを移動自在に支持するフィルムキャリアBと、フィルムキャリアBに支持された写真フィルムFを透過した光線が導かれるズーム型の光学レンズ3を内蔵したレンズユニット部Cと、このレンズユニット部Cからの光線が導かれる光電変換部Dとを備えてフィルムスキャナが構成されている。
【0019】
このフィルムスキャナは、フィルムキャリアBに対して現像済みの写真フィルムFをセットして画像を処理を開始することにより、前記光源1からの光線を光量平均化部2で光量分布を平均化して写真フィルムFに照射しながら、フィルムキャリアBが写真フィルムFを長手方向(副走査方向)に搬送する作動を行い、この搬送時において写真フィルムFを透過した光線をレンズユニット部Cの光学レンズ3を介して光電変換部Dに導き、この光電変換部Dにおいて写真フィルムFのコマの画像情報を可視光に対応するR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の波長に対応した画像情報毎に主走査方向に沿うライン状に読み込み、デジタル化して保存すると同時に、赤外光に基づき夫々のコマ画像の傷やゴミ等に起因する欠陥情報をデジタル化して保存する処理を実行するものである。
【0020】
図面には示していないが、このフィルムスキャナでは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の画像情報、及び、赤外光に基づく欠陥情報とを写真フィルムFのコマを1つの管理単位として保存する半導体メモリや、ハードディスクを備えると共に、欠陥情報に基づいて補正が必要と判断した場合には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3種のデータを、欠陥情報に基づいて特定した領域に対する補間により補正する処理を実行する補正処理装置を備えており、この補正処理装置により、傷やゴミを消去した画像情報を得るものとなっている。
【0021】
図1〜図3に示すように、前記光電変換部Dは、気密ケース10と、光電変換素子20と、ペルチェ素子を用いた冷却機構30とを備えて構成されている。前記気密ケース10は、暗箱状の空間を形成する壁体11の内面に断熱材12を形成した気密構造に形成され、下面に前記光学レンズ3からの光線を導く光線導入部13を形成し、上面に前記冷却機構30を備えている。この気密ケース10の内部空間Sには乾燥ガスとして、乾燥窒素ガスや乾燥ヘリウムガスのように水分を含まない不活性ガスを封入してあり、前記光線導入部13は2枚の平坦な光学ガラスで成る透明板15を所定の間隔を隔てて並行姿勢で配置してある。更に、気密ケース10の内部空間Sには、この光線導入部13からの導入される光軸L上に位置を設定して、可視光域の波長の光線を透過し、赤外光域の波長の光線を反射するダイクロイックミラー16を支持体17で支持する形態で配置している。
【0022】
前記気密ケース10の内部空間Sに封入される乾燥ガスは、実用上結露を生じない程度の水分を含むものでも良く、乾燥ガスとして前述した不活性ガスばかりでなく、乾燥した空気であっても良い。前記光線導入部13の2枚の透明板15の間の空間Tにも乾燥ガスを封入することにより、この透明板15の部位における結露を回避できるように構成している。又、透明板15は3枚以上であっても良く、前記ダイクロイックミラー16に代えてハーフミラーやハーフプリズムを用いても良い。
【0023】
前記光電変換素子20は、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に対応して主走査方向と平行姿勢となるライン状に3つの光電変換面が配置された可視光用のラインCCD20Vと、主走査方向と平行姿勢となるライン状に1つの光電変換面が形成された赤外光用のラインCCD20Rとで成っている。そして、可視光用のラインCCD20Vをアルミニウム等の熱伝導率が高い冷却板21を介して基板22に支持した状態で前記光軸Lと交差する位置に配置し、又、赤外光用のラインCCD20Rをアルミニウム等の熱伝導率が高い冷却板21を介して基板22に支持した状態で前記ダイクロイックミラー16で反射された光線が導かれる光軸Lrと交差する位置に配置している。
【0024】
前記冷却機構30は、気密ケース10の外部に配置したペルチェ素子31の放熱側に放熱部としてフィン32を形成すると共に、このペルチェ素子31の冷却側に対して接続したアルミニウム等の熱伝導率が高い金属で成る冷却部33を気密ケース内部に挿入する状態で配置し、この冷却部33に対して前記可視光用のラインCCD20Vの冷却板21と、前記赤外光用のラインCCD20Rの冷却板21をと冷却部33の吸熱部(冷却部33の外面)に密着させている。又、気密ケース10の外部には、前記フィン32に対して冷却風を供給するよう電動モータ(図示せず)で駆動されるファン34を備えている。
【0025】
このように構成したことにより、写真フィルムFの画像情報を読み取る場合には、冷却機構30により可視光用のラインCCD20Vと赤外光用のラインCCD20Rとの冷却を行った状態でフィルムキャリアBに支持された写真フィルムFに対して光源1からの光線を照射し、この光線の照射状態でステッピングモータ等の同期モータ(図示せず)からの駆動力で写真フィルムFを副走査方向に移動させながら、この移動と同期したタイミングで可視光用にラインCCD20Vと赤外光用のラインCCD20Rとからのラインイメージをデジタル信号化して読み取り、半導体メモリ等に保存することでデジタル信号化された画像情報及び欠陥情報として取得できるのである。又、この画像情報は写真フィルムFの1つのコマを1つの管理単位として、R(赤)・G(緑)・B(青)に対応した可視光情報、及び、赤外光に対応した赤外光情報は独立したデジタル情報として保存される。そして、このように保存された画像情報は必要な処理を行った後、写真プリント装置やインクジェット型のプリント装置に転送され、プリントに用いられる。
【0026】
このフィルムスキャナでは、光電変換素子20を冷却機構30によって冷却することにより、低照度時においても暗電流の影響を排除して画像情報のS/N比を高めコントラストの高い良好な画像の読み取りを可能にするものとなっており、しかも、この気密ケース10の内部空間Sに乾燥ガスを封入しているので光電変換素子20が低温状態となっても光電変換面に水分が結露することがない。特に、ペルチェ素子31の冷却側に接続した単一の冷却部33の吸熱部(前記冷却板21が接触する部位)に対して2枚の基板22に支持した光電変換素子20V、20Rからの熱を伝えるので、2つの冷却部33を備えない単純な構造を採用することが可能である。
【0027】
更に、離間配置した2枚の透明板15の間の空間Tに乾燥ガスを封入しているので、気密ケース10の内部空間Sと外部との温度差を2枚の透明板15に分散させることが可能となり、気密ケース10の内部空間Sの温度が低下した場合にも、低温化する内側の透明板15に対して外気が直接接触して結露する不都合を回避し、しかも、外側の透明板15の内面側に結露する不都合も回避するできるのである。特に、2枚の透明板15のうち外側に位置するものの外面に対する結露を防止するために、この外面部位に対してファン等からの空気を流通させることが考えられる。
【0028】
前記欠陥情報は、写真フィルムFに傷やゴミ等が存在する場合に、写真フィルム上において傷やゴミが存在する位置を特定するための用いられるものであり、この赤外光情報に基づいて写真フィルムFに傷やゴミ等が存在する場合には、その存在位置と領域とを示す欠陥情報として生成し、この欠陥情報に基づいて可視光情報の補正を行うことが可能である。尚、補正を行う場合には、欠陥情報が示す存在する領域を、その領域の周囲の画像情報に基づきニアレストレイバー法、バイリニア法、あるいは、バイキュービック法により画像情報を生成し修復する形態での補正が行われる。
【0029】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成することも可能である。
【0030】
(イ)図4に示すように、気密ケース10の内部空間Sに乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給部Gを備える。この乾燥ガス供給部Gは、乾燥ガスを加圧状態で貯留するガス貯留部41と、このガス貯留部41からの乾燥ガスを気密ケース10に供給する電磁バルブ42とを備えて成っている。そして、この乾燥ガス供給部Gは、気密ケース10の内部空間Sの圧力低下を検出する圧力センサ(図示せず)からの情報や、気密ケース10の内部空間Sのガスに含まれる水分の量を計測する湿度センサ(図示せず)からの情報に基づき適宜、乾燥ガスを気密ケース10の内部空間Sに供給するよう機能する。尚、乾燥ガスとしては、乾燥窒素ガスや、乾燥ヘリウムガスのような不活性ガスばかりでなく、乾燥空気であっても良い。
【0031】
(ロ)図5に示すように、気密ケース10の内部空間Sに、気密ケース内部空間Sに浸入した水分を除去するガス乾燥部Hとして乾燥剤45を備え、又、前記光線導入部13の2枚の透明板15の間の空間Tのガスを乾燥させるために乾燥剤45を備える。このように構成することにより、気密ケース10の内部空間Sに封入した乾燥ガスが外部からの水分の浸入によって水分を含む状態に陥る場合でも、乾燥剤45がガス中の水分を除去するものとなる。これと同様に、光線導入部13の2枚の透明板15の間の空間Tのガスを乾燥剤45で乾燥させることにより、透明板に対する結露も防止できるものになる。
【0032】
(ハ)前記光電変換素子としてCMOSイメージセンサを用いることも可能である。このCMOSイメージセンサにおいても、暗電流の影響を排除して画像情報のS/N比を高めコントラストの高い良好な画像の読み取りを可能にする。又、CCD、CMOSイメージセンサの何れの光電変換素子であっても1次元的に画像情報を読み込むライン型のものに代えて、2次元的に画像情報を読み込む面型のものを用いてフィルムスキャナを構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムスキャナの正面図
【図2】光電変換部の縦断正面図
【図3】光電変換部の斜視図
【図4】別実施の形態(イ)の光電変換部の断面図
【図5】別実施の形態(ロ)の光電変換部の断面図
【符号の説明】
1 光源
3 光学レンズ
10 気密ケース
13 光線導入部
15 透明板
20 光電変換素子
22 基板
30 冷却機構
31 ペルチェ素子
32 放熱部
33 冷却部
F 写真フィルム
G 乾燥ガス供給部
H ガス乾燥部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光線を写真フィルムに照射し、この写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して光電変換部に導き、この光電変換部で前記写真フィルムの画像情報をデジタル信号化して出力するよう構成されているフィルムスキャナに関し、詳しくは、光電変換部を冷却する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真フィルムの画像情報の光電変換を対象としたものではないが、上記のように光電変換部を冷却するよう構成されたものとして、光電変換部としてのCCD素子1のパッケージ2に対して熱伝導の良い熱伝導金具4を密着させ、この熱伝導金具4に対してペルチェ効果素子6の吸熱側を密着させ、ペルチェ効果素子1の発熱側を密封構造の放熱容器7の内面に密着させたものが存在する。この従来の技術では、ペルチェ効果素子6によって冷却を行う場合には、CCD素子1とパッケージ2との間の熱抵抗を利用してパッケージ2を冷却し、かつ、放熱容器7の内部の大気の水分をパッケージ2部分及び熱伝導金具4に結露させることにより放熱容器7の内部を乾燥させるものとなっている(例えば、特許文献1参照・番号は文献中のものを引用)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9‐162379号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来からのフィルムスキャナでは光源としてハロゲンランプや発光ダイオードを用い、光電変換部としてラインCCD(Charge Coupled Device )を用いたものが一般的であり、写真フィルムの画像を読み取る際には、フィルムキャリアにおいて写真フィルムを設定された速度で副走査方向に搬送し、この写真フィルムの搬送速度と同期したタイミングで光電変換部に達した光線を主走査方向に読み取って光電変換する作動形態となっている。このような構成を採用しているので、濃度が高い写真フィルムの画像情報を読み取る場合や、ハイコントラストの画像情報の高濃度部の画像情報を読み取る場合には、光電変換部に達する光線の量が低下することに起因して、光電変換部で読み取った画像情報のS/N比が低下するものとなり、この画像情報から印画紙にプリントされた画像の画質を悪化させるものとなっていた。その原因としては、光源の光量が一定であること、及び、CCDの暗電流の影響から説明できる。
【0005】
前述した不都合を解消するための1つの手段として、写真フィルムの濃度に対応して光源の光量を変更することや、光学レンズの絞りを開放側に設定することも考えられる。しかしながら、光源に供給する電圧を高めて光量を増す構造では、光量の変化につれて光線の分光特性が変化するものとなり、カラー画像を読み取るものでは好ましくなく、又、光学レンズの絞りを開放側に操作するものでは、光学レンズとして明るい(F値が小さい)レンズを用いなくてはならず、コストの面で実現し難いものであった。
【0006】
そこで、暗電流の影響を低減する目的から、従来の技術で示したもののように光電変換部を冷却することが考えられる。しかしながら、光電変換部を単純に冷却するものでは、従来の技術にも課題として記載されるように、光電変換部の周囲の空気に含まれる水分が光電変換部に結露することになり改善の余地がある。又、従来の技術に示されるように、冷却を行うことにより空気中の水分を光電変換部と異なる部位に結露させて光電変換部を収納する容器の内部の空気の乾燥を行うものでは、乾燥を行う際に容器内での空気の対流を充分に行う必要があるので、容器内の空気を完全に乾燥させるまでに時間を要するものとなり実用性の面で利用し難いものであった。特に、この従来の技術のように結露を行うことにより容器内の空気を乾燥させるものでは、容器内の空気を結露させるためにエネルギーを必要とするので、エネルギーを無駄に消費する点において改善の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、光電変換部の冷却により良好な画質の画像情報の読み取りを可能にすると云う良好な面を損なうことなく、光電変換部に対する結露を確実に回避するフィルムスキャナを合理的に構成する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
光源からの光線を写真フィルムに照射し、この写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して光電変換部に導き、この光電変換部で前記写真フィルムの画像情報をデジタル信号化して出力するよう構成されているフィルムスキャナにおいて、前記光電変換部が、前記光学レンズからの光線を導く光線導入部を形成した断熱型で、かつ、乾燥ガスが封入される気密ケースと、この気密ケースに収納される半導体型の光電変換素子と、この光電変素子を冷却する冷却機構とを備えて構成されている点にある。
【0009】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、気密ケースが断熱型で乾燥ガスが封入されているので、光電変換素子を冷却機構によって冷却した場合には、外部からの熱の作用を排除しながら光電変換素子の急冷を可能にすると共に、この気密ケースの内部に乾燥ガスを封入しているので光電変換素子が低温状態となっても光電変換面に水分が結露することがない。又、従来の技術のように結露によって気密ケース内のガスの乾燥を行うもののように、結露に要するエネルギーを無駄にすることもない。従って、写真フィルムを透過した光源からの光線は、光学レンズから光電変換部の側に導かれ、この光電変換部では光学レンズからの光線を気密ケースに形成した光線導入部から気密ケース内部の冷却状態の光電変換素子に導いて、暗電流の影響を低減した良好な光電変換を行えるものとなる。その結果、冷却を行う際に無駄なエネルギーを消費することがなく、光電変換部における結露を回避するものとなり、濃度が高い写真フィルムの画像情報を読み取る場合でも、暗電流の影響を低減し、S/N比が高く良好な画質の画像情報を読み取るフィルムスキャナが構成された。
【0010】
本発明の請求項2に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載のフィルムスキャナにおいて、前記乾燥ガスを前記気密ケース内に供給する乾燥ガス供給部を備える、又は、前記気密ケース内のガスの水分を除去するガス乾燥部を備えて構成されている点にある。
【0011】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、乾燥ガス供給部を備えたものでは、何らかの原因で気密ケース内部から乾燥ガスが漏出した場合や、何らかの原因で気密ケースの内部に水分が浸入した場合には、乾燥ガス供給部から気密ケースの内部に乾燥ガスを供給して気密ケースの内部のガスを交換することにより気密ケース内部のガスを乾燥状態に維持でき、又、ガス乾燥部を備えたものでは、何らかの原因で気密ケースの内部に水分が浸入した場合でも、その水分を除去できる。その結果、気密ケースの内部のガスを乾燥状態に維持できるものとなった。
【0012】
本発明の請求項3に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1又は2記載のフィルムスキャナにおいて、前記冷却機構が、冷却部を前記気密ケース内に配置し、放熱部を前記気密ケースの外部に配置したペルチェ素子を用いて構成されている点にある。
【0013】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、ペルチェ素子の電力を供給するだけで冷却が可能となるばかりでなく、温度が低下する冷却部によって気密ケース内の光電変換素子を冷却し、気密ケースの外部に配置した放熱部から放熱を行えるものとなる。その結果、光電変換素子を冷却しながら、無駄な熱を気密ケースの外部に対して良好に排出できるものとなった。
【0014】
本発明の請求項4に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項3記載のフィルムスキャナにおいて、前記光電変換素子が、可視光用のものと、赤外光用のものとを異なる基板に支持して構成され、前記冷却機構は、前記冷却部として熱伝導率が高い素材を用いると共に、この冷却部に対して夫々の光電変換素子からの熱が伝えられる吸熱部を形成してある点にある。
【0015】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、例えば、冷却部として熱伝導率が高いアルミニウム等の素材を用い、可視光用の光電変換素子と、赤外光用の光電変換素子からの熱を冷却部の吸熱部に伝えることにより、夫々の光電変換素子の冷却を実現する。その結果、ペルチェ素子を複数備えずとも複数の基板に支持された光電変換素子を冷却できるものとなった。
【0016】
本発明の請求項5に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムスキャナにおいて、前記光線導入部が、所定距離だけ離間して配置した複数枚の透明板を備えて構成されている点にある。
【0017】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、所定距離だけ離間して配置した複数枚の透明板で光線導入部が構成されているので、気密ケースの内部温度が低下して内部側の透明板の温度が低下した場合にも、この内部側の透明板が外気に対して直接触れることがなく、この透明板の表面に対して外部の空気に含まれる水分が結露する不都合を回避できる。その結果、光線導入部での結露を回避して読み取る画像の質を高く維持できるものとなった。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ハロゲンランプ、発光ダイオード等で成る光源1及びミラートンネルやディフューザ等の光量平均化部2夫々を内蔵した光源部Aと、写真フィルムFを移動自在に支持するフィルムキャリアBと、フィルムキャリアBに支持された写真フィルムFを透過した光線が導かれるズーム型の光学レンズ3を内蔵したレンズユニット部Cと、このレンズユニット部Cからの光線が導かれる光電変換部Dとを備えてフィルムスキャナが構成されている。
【0019】
このフィルムスキャナは、フィルムキャリアBに対して現像済みの写真フィルムFをセットして画像を処理を開始することにより、前記光源1からの光線を光量平均化部2で光量分布を平均化して写真フィルムFに照射しながら、フィルムキャリアBが写真フィルムFを長手方向(副走査方向)に搬送する作動を行い、この搬送時において写真フィルムFを透過した光線をレンズユニット部Cの光学レンズ3を介して光電変換部Dに導き、この光電変換部Dにおいて写真フィルムFのコマの画像情報を可視光に対応するR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の波長に対応した画像情報毎に主走査方向に沿うライン状に読み込み、デジタル化して保存すると同時に、赤外光に基づき夫々のコマ画像の傷やゴミ等に起因する欠陥情報をデジタル化して保存する処理を実行するものである。
【0020】
図面には示していないが、このフィルムスキャナでは、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の画像情報、及び、赤外光に基づく欠陥情報とを写真フィルムFのコマを1つの管理単位として保存する半導体メモリや、ハードディスクを備えると共に、欠陥情報に基づいて補正が必要と判断した場合には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3種のデータを、欠陥情報に基づいて特定した領域に対する補間により補正する処理を実行する補正処理装置を備えており、この補正処理装置により、傷やゴミを消去した画像情報を得るものとなっている。
【0021】
図1〜図3に示すように、前記光電変換部Dは、気密ケース10と、光電変換素子20と、ペルチェ素子を用いた冷却機構30とを備えて構成されている。前記気密ケース10は、暗箱状の空間を形成する壁体11の内面に断熱材12を形成した気密構造に形成され、下面に前記光学レンズ3からの光線を導く光線導入部13を形成し、上面に前記冷却機構30を備えている。この気密ケース10の内部空間Sには乾燥ガスとして、乾燥窒素ガスや乾燥ヘリウムガスのように水分を含まない不活性ガスを封入してあり、前記光線導入部13は2枚の平坦な光学ガラスで成る透明板15を所定の間隔を隔てて並行姿勢で配置してある。更に、気密ケース10の内部空間Sには、この光線導入部13からの導入される光軸L上に位置を設定して、可視光域の波長の光線を透過し、赤外光域の波長の光線を反射するダイクロイックミラー16を支持体17で支持する形態で配置している。
【0022】
前記気密ケース10の内部空間Sに封入される乾燥ガスは、実用上結露を生じない程度の水分を含むものでも良く、乾燥ガスとして前述した不活性ガスばかりでなく、乾燥した空気であっても良い。前記光線導入部13の2枚の透明板15の間の空間Tにも乾燥ガスを封入することにより、この透明板15の部位における結露を回避できるように構成している。又、透明板15は3枚以上であっても良く、前記ダイクロイックミラー16に代えてハーフミラーやハーフプリズムを用いても良い。
【0023】
前記光電変換素子20は、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に対応して主走査方向と平行姿勢となるライン状に3つの光電変換面が配置された可視光用のラインCCD20Vと、主走査方向と平行姿勢となるライン状に1つの光電変換面が形成された赤外光用のラインCCD20Rとで成っている。そして、可視光用のラインCCD20Vをアルミニウム等の熱伝導率が高い冷却板21を介して基板22に支持した状態で前記光軸Lと交差する位置に配置し、又、赤外光用のラインCCD20Rをアルミニウム等の熱伝導率が高い冷却板21を介して基板22に支持した状態で前記ダイクロイックミラー16で反射された光線が導かれる光軸Lrと交差する位置に配置している。
【0024】
前記冷却機構30は、気密ケース10の外部に配置したペルチェ素子31の放熱側に放熱部としてフィン32を形成すると共に、このペルチェ素子31の冷却側に対して接続したアルミニウム等の熱伝導率が高い金属で成る冷却部33を気密ケース内部に挿入する状態で配置し、この冷却部33に対して前記可視光用のラインCCD20Vの冷却板21と、前記赤外光用のラインCCD20Rの冷却板21をと冷却部33の吸熱部(冷却部33の外面)に密着させている。又、気密ケース10の外部には、前記フィン32に対して冷却風を供給するよう電動モータ(図示せず)で駆動されるファン34を備えている。
【0025】
このように構成したことにより、写真フィルムFの画像情報を読み取る場合には、冷却機構30により可視光用のラインCCD20Vと赤外光用のラインCCD20Rとの冷却を行った状態でフィルムキャリアBに支持された写真フィルムFに対して光源1からの光線を照射し、この光線の照射状態でステッピングモータ等の同期モータ(図示せず)からの駆動力で写真フィルムFを副走査方向に移動させながら、この移動と同期したタイミングで可視光用にラインCCD20Vと赤外光用のラインCCD20Rとからのラインイメージをデジタル信号化して読み取り、半導体メモリ等に保存することでデジタル信号化された画像情報及び欠陥情報として取得できるのである。又、この画像情報は写真フィルムFの1つのコマを1つの管理単位として、R(赤)・G(緑)・B(青)に対応した可視光情報、及び、赤外光に対応した赤外光情報は独立したデジタル情報として保存される。そして、このように保存された画像情報は必要な処理を行った後、写真プリント装置やインクジェット型のプリント装置に転送され、プリントに用いられる。
【0026】
このフィルムスキャナでは、光電変換素子20を冷却機構30によって冷却することにより、低照度時においても暗電流の影響を排除して画像情報のS/N比を高めコントラストの高い良好な画像の読み取りを可能にするものとなっており、しかも、この気密ケース10の内部空間Sに乾燥ガスを封入しているので光電変換素子20が低温状態となっても光電変換面に水分が結露することがない。特に、ペルチェ素子31の冷却側に接続した単一の冷却部33の吸熱部(前記冷却板21が接触する部位)に対して2枚の基板22に支持した光電変換素子20V、20Rからの熱を伝えるので、2つの冷却部33を備えない単純な構造を採用することが可能である。
【0027】
更に、離間配置した2枚の透明板15の間の空間Tに乾燥ガスを封入しているので、気密ケース10の内部空間Sと外部との温度差を2枚の透明板15に分散させることが可能となり、気密ケース10の内部空間Sの温度が低下した場合にも、低温化する内側の透明板15に対して外気が直接接触して結露する不都合を回避し、しかも、外側の透明板15の内面側に結露する不都合も回避するできるのである。特に、2枚の透明板15のうち外側に位置するものの外面に対する結露を防止するために、この外面部位に対してファン等からの空気を流通させることが考えられる。
【0028】
前記欠陥情報は、写真フィルムFに傷やゴミ等が存在する場合に、写真フィルム上において傷やゴミが存在する位置を特定するための用いられるものであり、この赤外光情報に基づいて写真フィルムFに傷やゴミ等が存在する場合には、その存在位置と領域とを示す欠陥情報として生成し、この欠陥情報に基づいて可視光情報の補正を行うことが可能である。尚、補正を行う場合には、欠陥情報が示す存在する領域を、その領域の周囲の画像情報に基づきニアレストレイバー法、バイリニア法、あるいは、バイキュービック法により画像情報を生成し修復する形態での補正が行われる。
【0029】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成することも可能である。
【0030】
(イ)図4に示すように、気密ケース10の内部空間Sに乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給部Gを備える。この乾燥ガス供給部Gは、乾燥ガスを加圧状態で貯留するガス貯留部41と、このガス貯留部41からの乾燥ガスを気密ケース10に供給する電磁バルブ42とを備えて成っている。そして、この乾燥ガス供給部Gは、気密ケース10の内部空間Sの圧力低下を検出する圧力センサ(図示せず)からの情報や、気密ケース10の内部空間Sのガスに含まれる水分の量を計測する湿度センサ(図示せず)からの情報に基づき適宜、乾燥ガスを気密ケース10の内部空間Sに供給するよう機能する。尚、乾燥ガスとしては、乾燥窒素ガスや、乾燥ヘリウムガスのような不活性ガスばかりでなく、乾燥空気であっても良い。
【0031】
(ロ)図5に示すように、気密ケース10の内部空間Sに、気密ケース内部空間Sに浸入した水分を除去するガス乾燥部Hとして乾燥剤45を備え、又、前記光線導入部13の2枚の透明板15の間の空間Tのガスを乾燥させるために乾燥剤45を備える。このように構成することにより、気密ケース10の内部空間Sに封入した乾燥ガスが外部からの水分の浸入によって水分を含む状態に陥る場合でも、乾燥剤45がガス中の水分を除去するものとなる。これと同様に、光線導入部13の2枚の透明板15の間の空間Tのガスを乾燥剤45で乾燥させることにより、透明板に対する結露も防止できるものになる。
【0032】
(ハ)前記光電変換素子としてCMOSイメージセンサを用いることも可能である。このCMOSイメージセンサにおいても、暗電流の影響を排除して画像情報のS/N比を高めコントラストの高い良好な画像の読み取りを可能にする。又、CCD、CMOSイメージセンサの何れの光電変換素子であっても1次元的に画像情報を読み込むライン型のものに代えて、2次元的に画像情報を読み込む面型のものを用いてフィルムスキャナを構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムスキャナの正面図
【図2】光電変換部の縦断正面図
【図3】光電変換部の斜視図
【図4】別実施の形態(イ)の光電変換部の断面図
【図5】別実施の形態(ロ)の光電変換部の断面図
【符号の説明】
1 光源
3 光学レンズ
10 気密ケース
13 光線導入部
15 透明板
20 光電変換素子
22 基板
30 冷却機構
31 ペルチェ素子
32 放熱部
33 冷却部
F 写真フィルム
G 乾燥ガス供給部
H ガス乾燥部
Claims (5)
- 光源からの光線を写真フィルムに照射し、この写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して光電変換部に導き、この光電変換部で前記写真フィルムの画像情報をデジタル信号化して出力するよう構成されているフィルムスキャナであって、
前記光電変換部が、前記光学レンズからの光線を導く光線導入部を形成した断熱型で、かつ、乾燥ガスが封入される気密ケースと、この気密ケースに収納される半導体型の光電変換素子と、この光電変素子を冷却する冷却機構とを備えて構成されているフィルムスキャナ。 - 前記乾燥ガスを前記気密ケース内に供給する乾燥ガス供給部を備える、又は、前記気密ケース内のガスの水分を除去するガス乾燥部を備えて構成されている請求項1記載のフィルムスキャナ。
- 前記冷却機構が、冷却部を前記気密ケース内に配置し、放熱部を前記気密ケースの外部に配置したペルチェ素子を用いて構成されている請求項1又は2記載のフィルムスキャナ。
- 前記光電変換素子が、可視光用のものと、赤外光用のものとを異なる基板に支持して構成され、前記冷却機構は、前記冷却部として熱伝導率が高い素材を用いると共に、この冷却部に対して夫々の光電変換素子からの熱が伝えられる吸熱部を形成してある請求項3記載のフィルムスキャナ。
- 前記光線導入部が、所定距離だけ離間して配置した複数枚の透明板を備えて構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムスキャナ。
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