JP2004352815A - シリコーン変性ホスファゼン化合物及びその製造方法 - Google Patents

シリコーン変性ホスファゼン化合物及びその製造方法 Download PDF

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Hiroyuki Takenaka
博之 竹中
Masakazu Osada
将一 長田
Hidekazu Asano
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
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Abstract

【解決手段】下記平均組成式(1)で示される新規シリコーン変性ホスファゼン化合物。
【化1】
Figure 2004352815

[式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、Xは二価の有機基を示し、x、y、z、nは、0≦x<2n、0<y≦2n、x+y=2n、0≦z≦400、3≦n≦1000を満たす数である。]
【効果】本発明のシリコーン変性ホスファゼン化合物は、ホスファゼン骨格とシリコーン骨格を有する為、難燃性と、耐クラック性、耐湿信頼性を両立し得るものである。
【選択図】 な し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なシリコーン変性ホスファゼン化合物、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホスファゼン化合物は、耐熱材料、電気材料、触媒、分離剤、安定剤、塗料、肥料及び医薬品として幅広い分野で使用されている。
【0003】
特にホスファゼン化合物は、難燃効果が高く、例えば半導体封止用のエポキシ樹脂組成物等の難燃剤として使用されることが提案されている(特許文献1:特開平10−259292号公報参照)が、従来のホスファゼン化合物は、難燃性と、耐クラック性、耐湿信頼性の両立に問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−259292号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、難燃性と、耐クラック性、耐湿信頼性とを両立し得るシリコーン変性ホスファゼン化合物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)下記一般式(2)で表されるクロロホスファゼン化合物と、(B)下記一般式(3)で表されるフェノールと、必要により(C)フェノールとを反応させ、更にこの反応物中のYの末端二重結合と、(D)下記平均組成式(4)で示される有機珪素化合物のSiH基とを付加反応させて得られるシリコーン変性ホスファゼン化合物、特に下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性ホスファゼン化合物が、ホスファゼン骨格にシリコーン骨格を付与することで、シリコーンとホスファゼン両者の優れた特性を有する、即ち難燃性、耐クラック性、耐湿信頼性が大幅に改善された材料となり得ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は、下記のシリコーン変性ホスファゼン化合物及びその製造方法を提供する。
〔1〕 下記平均組成式(1)で示される新規シリコーン変性ホスファゼン化合物。
【化6】
Figure 2004352815
[式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、Xは二価の有機基を示し、x、y、z、nは、0≦x<2n、0<y≦2n、x+y=2n、0≦z≦400、3≦n≦1000を満たす数である。]
〔2〕 (A)下記一般式(2)
(NPCl ・・・(2)
(式中、mは3〜100である。)
で表わされるクロロホスファゼン化合物と、(B)下記一般式(3)
【化7】
Figure 2004352815
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Yは末端に二重結合を有する有機基を示す。)
で表されるフェノールと、必要により(C)フェノールとを反応させ、得られた反応物中のYの末端二重結合と、(D)下記平均組成式(4)
【化8】
Figure 2004352815
(式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、a,bは0.01≦a≦1、1≦b≦3、1.01≦a+b≦4を満足する正数である。また1分子中の珪素原子の数は1〜402の整数である。)で示される有機珪素化合物のSiH基とを付加反応させてなることを特徴とするシリコーン変性ホスファゼン化合物の製造方法。
〔3〕 (D)上記平均組成式(4)で示される有機珪素化合物が、下記一般式(4’)
【化9】
Figure 2004352815
(式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、zは0≦z≦400である。)で示されるオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(1’)
【化10】
Figure 2004352815
[式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、ZはYの末端二重結合に水素原子が付加することによって形成された二価の有機基を示し、x、y、z、nは、0≦x<2n、0<y≦2n、x+y=2n、0≦z≦400、3≦n≦1000を満たす数である。]
で示されるシリコーン変性ホスファゼン化合物が得られることを特徴とする〔2〕記載の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の新規シリコーン変性ホスファゼン化合物は、下記平均組成式(1)で示されるものであり、難燃性に有効なホスファゼン骨格と、耐クラック性、耐湿信頼性に有効なシリコーン骨格を含んでいる。
【0009】
【化11】
Figure 2004352815
[式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、Xは二価の有機基を示し、x、y、z、nは、0≦x<2n、0<y≦2n、x+y=2n、0≦z≦400、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0010】
ここで、上記式中のRは水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、またRは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基などの炭素数1〜15、特に1〜10の一価炭化水素基が例示される。
【0011】
Xは二価の有機基であり、炭素数2〜15、特に2〜5の酸素原子が介在してもよいアルキレン基が好ましく、−CHCH−、−CHCHCH−、−OCHCHCH−等で示される基を例示することができる。
【0012】
またこの場合、nは3〜1000であるが、より好ましくは3〜10であり、合成上特に好ましくは3である。また、x、y、zは、上述した通りであるが、難燃性、耐クラック性、耐湿信頼性の両立のためには、1.2n≦x≦1.8n、0.2n≦y≦0.8n、5≦z≦100であることが好ましい。
【0013】
上記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性ホスファゼン化合物として、具体的には、下記に示すものが挙げられる。
【化12】
Figure 2004352815
【0014】
本発明に係るシリコーン変性ホスファゼン化合物の製造方法は、下記一般式(2)
(NPCl ・・・(2)
(式中、mは3〜100、好ましくは3〜10である。)
で表わされる(A)クロロホスファゼン化合物と、(B)下記一般式(3)
【化13】
Figure 2004352815
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Yは末端に二重結合を有する有機基を示す。)
で表されるフェノールと、必要により(C)フェノールとを反応させ、得られた反応物中のYの末端二重結合と、(D)下記平均組成式(4)
【化14】
Figure 2004352815
(式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、a,bは0.01≦a≦1、1≦b≦3、1.01≦a+b≦4を満足する正数である。また1分子中の珪素原子の数は1〜402の整数である。)で示される有機珪素化合物のSiH基とを付加反応させるものである。
【0015】
ここで、(B)成分のフェノールは、下記一般式(3)で表されるものである。
【化15】
Figure 2004352815
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Yは末端に二重結合を有する有機基を示す。)
【0016】
上記式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、上述したRと同様のものが例示できる。また、Yは末端に二重結合を有する有機基であり、末端に二重結合を有するものであれば特に限定されるものではないが、特に炭素数2〜15、とりわけ2〜5のものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基などが挙げられるが、中でもアリル基が好ましい。
【0017】
このような式(3)で表されるフェノールとして、具体的には、アリルフェノール、アリルオキシフェノールなどが挙げられ、本発明においては、この1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
【0018】
本発明において、(A)クロロホスファゼン化合物と、(B)末端が二重結合の有機基を含有するフェノール及び(C)フェノールとを反応させる際の混合割合としては、(A)クロロホスファゼン化合物中のP−Cl結合:(B)末端が二重結合の有機基を含有するフェノール及び(C)フェノール中のフェノール性水酸基当量=1:1〜1:50、特に1:1.1〜1:10となる量とすることが好ましい。
【0019】
また、フェノールを用いる場合、反応に用いる(B)末端が二重結合の有機基を含有するフェノールと(C)フェノールとの混合割合としては、フェノール性水酸基当量比で(B)末端が二重結合の有機基を含有するフェノール:(C)フェノール=1:1〜1:100、特に1:2〜1:20となる量とすることが好ましい。
【0020】
本発明において、クロロホスファゼン化合物と末端が二重結合の有機基を含有するフェノールと必要によりフェノールとを反応させる際、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。
【0021】
上記触媒の添加量は有効量であり、特に限定されるものではないが、好ましくはクロロホスファゼン化合物の全P−Cl結合に対して1.2〜2.0当量(モル比)である。
【0022】
クロロホスファゼン化合物と末端が二重結合の有機基を含有するフェノールとフェノールとを反応させる際の反応は、通常有機溶媒中で行われ、このような有機溶媒としては、例えば、THF、トルエン、アセトン等が挙げられる。
【0023】
本反応方法としては、例えば、クロロホスファゼン化合物、フェノール及び触媒を有機溶媒中で反応させ、これに末端が二重結合の有機基を含有するフェノールを加えて更に反応させた後、再結晶させることにより、末端が二重結合の有機基を含有するホスファゼン化合物を得ることができる。またこの反応温度は、収率及び生産効率の面から室温〜150℃が好ましく、特に50〜100℃が好適であり、反応時間は1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましい。
【0024】
次に、上述したクロロホスファゼン化合物と、末端が二重結合の有機基を含有するフェノールと、場合によりフェノールとを反応させた後、この反応物のYの末端二重結合と、下記平均組成式(4)で示される有機珪素化合物のSiH基とを付加反応させることにより、シリコーン変性ホスファゼン化合物を得ることができる。
【0025】
【化16】
Figure 2004352815
(式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、a,bは0.01≦a≦1、1≦b≦3、1.01≦a+b≦4を満足する正数である。また1分子中の珪素原子の数は1〜402の整数である。)
【0026】
ここで、上記式(4)中のRの脂肪族不飽和基を含有しない置換もしくは非置換の一価炭化水素基は、Rと同様のものが例示され、具体的に、置換一価炭化水素基としては、クロロプロピル基、クロロメチル基、グリシジルプロピル基など、また非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。a,bは0.01≦a≦1、1≦b≦3、1.01≦a+b≦4を満足する正数であり、好ましくは0.02≦a≦0.6、1.5≦b≦2.5、1.52≦a+b≦3.1を満足する正数である。また1分子中の珪素原子の数は1〜402、好ましくは5〜100の整数である。
【0027】
上記式(4)で示される有機珪素化合物としては、下記一般式(4’)で示される直鎖状のオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【化17】
Figure 2004352815
上記式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、上述したRと同様のものが例示でき、zは0≦z≦400、特に5≦z≦100である。
【0028】
このようなオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記式で示されるものが挙げられる。
【化18】
Figure 2004352815
(式中、Meはメチル基、Phはフェニル基である。)
【0029】
ここで、上記末端が二重結合の有機基を含有するホスファゼン化合物と有機珪素化合物を付加反応させる場合、該末端が二重結合の有機基を含有するホスファゼン化合物及び有機珪素化合物は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0030】
本付加反応において、上記末端が二重結合の有機基を含有するホスファゼン化合物と有機珪素化合物の混合割合としては、上記ホスファゼン化合物中のYの末端二重結合に対する有機珪素化合物中の珪素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル比が、0.2〜1.0モル/モル、特に0.4〜0.95モル/モルとなる量で配合することが好ましい。
【0031】
上記付加反応の方法としては、従来公知の付加反応法に準じて行うことができる。即ち、付加反応に際しては、従来公知の付加反応触媒、例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテートなどの白金系触媒、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒などの白金族金属触媒を使用することが好ましい。なお、付加反応触媒の添加量としては触媒量とすることができ、通常、溶液濃度は20〜60質量%、触媒濃度は反応物に対して白金族金属換算で10〜100ppmである。
【0032】
また、上記付加反応は有機溶媒中で行うことが望ましく、有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、メチルイソブチルケトン等の不活性溶媒を用いることが好ましい。
【0033】
付加反応条件は特に制限されないが、通常60〜120℃で30分〜10時間反応させることが好ましい。
【0034】
このようにして、下記平均組成式(1’)で表される新規シリコーン変性ホスファゼン化合物が得られる。
【化19】
Figure 2004352815
[式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、ZはYの末端二重結合に水素原子が付加することによって形成された二価の有機基を示し、x、y、z、nは、0≦x<2n、0<y≦2n、x+y=2n、0≦z≦400、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0035】
ここで、上記式(1’)中のR、R、x、y、z、nは、それぞれ上述したR、R、x、y、z、nと同様のものを例示することができ、また、ZはYの末端二重結合に水素原子が付加することによって形成された二価の有機基である。このZが上記式(1)中のXに該当し、また式(2)中のmが式(1)中のnとなる場合、上記式(1’)は、式(1)となり得る。
【0036】
【発明の効果】
本発明のシリコーン変性ホスファゼン化合物は、ホスファゼン骨格とシリコーン骨格を有する為、難燃性と、耐クラック性、耐湿信頼性を両立し得るものである。
【0037】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0038】
[実施例1]
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン25.7g(73.9mmol)、フェノール34.8g(370mmol)、トルエン250gの混合物中に、DBU31.0g(2035mmol)を滴下した。80℃にて5時間攪拌した後、2−アリルフェノール49.6g(370mmol)のトルエン120g溶液を滴下し、100℃にて更に6時間攪拌を行った。その後、5%塩化水素水溶液500ml×2回、5%水酸化ナトリウム水溶液500ml×3回、5%塩化アンモニウム水溶液500ml×2回、純水500ml×3回で抽出を行い、硫酸ナトリウム50gを加えて乾燥させ、減圧下にて溶媒を留去することにより、下記式(5)で表される化合物Bを48.3g得た。
【0039】
【化20】
Figure 2004352815
【0040】
リフラックスコンデンサー、温度計、攪拌機、及び滴下ロートを具備した500ml四つ口フラスコ中にトルエン100g、上記式(5)で表されるアルケニル基含有ホスファゼン化合物(化合物B)10gを入れ、窒素雰囲気下で2時間共沸脱水を行った。系内を80℃まで冷却し、塩化白金触媒0.1gを加えた後、下記式(6)
【化21】
Figure 2004352815
で表される有機珪素化合物20.8gをトルエン83.1gに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。系内を90〜100℃に保ちながら6時間攪拌して熟成した後、室温まで冷却した。その後、減圧下にて溶媒留去することにより、下記平均組成式(7)で示されるシリコーン変性ホスファゼン化合物(化合物A)が27.6g得られた。
【0041】
【化22】
Figure 2004352815
【0042】
得られた反応生成物のH−NMR、IRを測定した結果、H−NMRは−0.5−0.5,4.2−4.4,7.2−7.8,7.9−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来、1255cm−1付近にSi−Me由来のピークを示した。これにより、上記平均組成式(7)で示される化合物Aが得られたことがわかった。
【0043】
また、平均組成式(7)で示される化合物Aを分離精製後、構造解析した結果、混合物である化合物A中には、下記式(8)で表されるシリコーン鎖にて架橋したホスファゼン化合物が約85%、下記式(9)で表されるシリコーン鎖にて架橋したホスファゼン化合物が約5%含まれていることが明らかとなった。
【0044】
【化23】
Figure 2004352815

Claims (3)

  1. 下記平均組成式(1)で示される新規シリコーン変性ホスファゼン化合物。
    Figure 2004352815
    [式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、Xは二価の有機基を示し、x、y、z、nは、0≦x<2n、0<y≦2n、x+y=2n、0≦z≦400、3≦n≦1000を満たす数である。]
  2. (A)下記一般式(2)
    (NPCl ・・・(2)
    (式中、mは3〜100である。)
    で表わされるクロロホスファゼン化合物と、(B)下記一般式(3)
    Figure 2004352815
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Yは末端に二重結合を有する有機基を示す。)
    で表されるフェノールと、必要により(C)フェノールとを反応させ、得られた反応物中のYの末端二重結合と、(D)下記平均組成式(4)
    Figure 2004352815
    (式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、a,bは0.01≦a≦1、1≦b≦3、1.01≦a+b≦4を満足する正数である。また1分子中の珪素原子の数は1〜402の整数である。)で示される有機珪素化合物のSiH基とを付加反応させてなることを特徴とするシリコーン変性ホスファゼン化合物の製造方法。
  3. (D)平均組成式(4)で示される有機珪素化合物が、下記一般式(4’)
    Figure 2004352815
    (式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、zは0≦z≦400である。)で示されるオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(1’)
    Figure 2004352815
    [式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、ZはYの末端二重結合に水素原子が付加することによって形成された二価の有機基を示し、x、y、z、nは、0≦x<2n、0<y≦2n、x+y=2n、0≦z≦400、3≦n≦1000を満たす数である。]
    で示されるシリコーン変性ホスファゼン化合物が得られることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
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US11985841B2 (en) 2020-12-07 2024-05-14 Oti Lumionics Inc. Patterning a conductive deposited layer using a nucleation inhibiting coating and an underlying metallic coating
US11997864B2 (en) 2018-05-07 2024-05-28 Oti Lumionics Inc. Device including patterning a conductive coating

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11997864B2 (en) 2018-05-07 2024-05-28 Oti Lumionics Inc. Device including patterning a conductive coating
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