JP2004155877A - フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物及びその製造方法 - Google Patents
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- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】下記平均組成式(1)で示される新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物。
【化1】
[式中、Xは
【化2】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2nで、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【効果】本発明のフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、遊離のフェノール性水酸基を有する為、難燃性と硬化性とを両立し得るものであり、難燃剤としてだけではなく、硬化剤としても使用することができる。
【選択図】 な し
【化1】
[式中、Xは
【化2】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2nで、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【効果】本発明のフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、遊離のフェノール性水酸基を有する為、難燃性と硬化性とを両立し得るものであり、難燃剤としてだけではなく、硬化剤としても使用することができる。
【選択図】 な し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホスファゼン化合物は、耐熱材料、電気材料、触媒、分離剤、安定剤、塗料、肥料及び医薬品として幅広い分野で使用されている。
特にホスファゼン化合物は、難燃効果が高く、例えば半導体封止用のエポキシ樹脂組成物等の難燃剤として使用されることが提案されている(特許文献1参照)が、従来のホスファゼン化合物は、難燃性と硬化性の両立に問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−259292号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、フェノール樹脂とホスファゼン両者の優れた特性を有するフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)下記一般式(2)で表されるクロロホスファゼン化合物と、(B)フェノール樹脂と、必要により(C)フェノールとを反応させることにより得られる下記平均組成式(1)で示される新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物が、ホスファゼン骨格に遊離のフェノール官能基を付与することで、難燃性、硬化性が大幅に改善された材料となり得ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
従って、本発明は、下記平均組成式(1)で示される新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物、
【化3】
[式中、Xは
【化4】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2n で、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
及び、(A)下記一般式(2)
(NPCl2)m ・・・(2)
(式中、mは1〜100である。)
で表わされるクロロホスファゼン化合物と、(B)フェノール樹脂と、必要により(C)フェノールとを反応させることを特徴とする上記平均組成式(1)で示されるフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、下記平均組成式(1)で示されるものであり、ホスファゼン骨格と、硬化性に有効な遊離のフェノール官能基を含んでいる。
【0008】
【化5】
【0009】
[式中、Xは
【化6】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2n で、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0010】
この場合、nは3〜1000であるが、より好ましくは3〜10であり、合成上特に好ましくは3である。また、a、b、c、d、e、f、gは、上述した通りであるが、難燃性、硬化性の両立のためには、1.2n≦a≦1.8n、0.2n≦b+d+f≦0.8n、1≦c+e+g≦10であることが好ましい。
【0011】
上記平均組成式(1)で示されるフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物として具体的には、下記に示すものが挙げられる。
【化7】
【0012】
該フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、下記一般式(2)
(NPCl2)m ・・・(2)
(式中、mは1〜100、好ましくは3〜10である。)
で表わされる(A)クロロホスファゼン化合物と、(B)フェノール樹脂と、必要により(C)フェノールとを反応させることにより得ることができる。
【0013】
前記(B)フェノール樹脂として、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でもアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂など、フェノール当量が大きく、芳香族炭化水素の割合の高いものが難燃性の面より特に好ましい。
【0014】
本発明において、クロロホスファゼン化合物とフェノールとを反応させる際の混合割合としては、上記式(1)及び(2)中のa,mが、0≦a<2m、特に1.2m≦a≦1.8m(モル比)となる量とすることが好ましい。
【0015】
また、フェノール樹脂の混合割合としては、フェノールとの反応後に残っているクロロホスファゼン化合物中のP−Cl結合:フェノール樹脂中の水酸基当量=1:1〜1:100、特に1:2〜1:20となる量とすることが好ましい。
【0016】
本反応は、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記触媒の添加量は有効量であり、特に限定されるものではないが、好ましくはクロロホスファゼン化合物の全P−Cl結合に対して1.2〜2.0当量(モル比)である。
【0017】
本反応は、通常有機溶媒中で行われ、この様な有機溶媒としては、例えば、THF、トルエン、アセトン等が挙げられる。
【0018】
本発明の反応方法としては、例えば、クロロホスファゼン化合物、フェノール、触媒を有機溶媒中で反応させ、これにフェノール樹脂を加えて更に反応させた後、再結晶させることにより、目的の化合物を得ることができる。
本発明において、反応温度は、収率及び生産効率の面から室温〜100℃が好ましく、特に50〜80℃が好適である。また反応時間は、クロロホスファゼン化合物とフェノールとの反応を1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましく、フェノール樹脂の滴下後、1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましい。
このようにして、前記平均組成式(1)で表される新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物が得られる。
【0019】
【発明の効果】
本発明のフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、遊離のフェノール性水酸基を有する為、難燃性と硬化性とを両立し得るものであり、難燃剤としてだけではなく、硬化剤としても使用することができる。
【0020】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0021】
[実施例1] 化合物Aの合成
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0(14.4mmol)、フェノール6.8g(72.0mmol)、THF200mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。15時間加熱還流後、下記式(3)で表わされるフェノール樹脂15.4g(144mmol)のTHF50ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をメタノールに溶かし、水に移して結晶を得た。この操作を水が中性になるまで繰返し、真空乾燥を行って茶褐色結晶を16.5g得た。
【0022】
【化8】
【0023】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは3.6−3.9,6.6−7.2,8.0−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。これにより、下記式で示される化合物Aが得られたことがわかった。
【0024】
(化合物A)
【化9】
【0025】
[実施例2] 化合物Bの合成
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0g(14.4mmol)、フェノール6.8g(71.9mmol)、THF100mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。6時間加熱還流後、下記式(4)で表わされるフェノール樹脂14.2g(71.9mmol)のTHF100ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をTHFに溶かし、水に移して結晶を得た。得られた結晶をトルエン100mlに溶かし、蒸留水100mlで3回洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥させて減圧留去することにより茶色結晶を14.3g得た。
【0026】
【化10】
【0027】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは4.2−4.4,7.2−7.8,7.9−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。これにより、下記式で示される化合物Bが得られたことがわかった。
【0028】
(化合物B)
【化11】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホスファゼン化合物は、耐熱材料、電気材料、触媒、分離剤、安定剤、塗料、肥料及び医薬品として幅広い分野で使用されている。
特にホスファゼン化合物は、難燃効果が高く、例えば半導体封止用のエポキシ樹脂組成物等の難燃剤として使用されることが提案されている(特許文献1参照)が、従来のホスファゼン化合物は、難燃性と硬化性の両立に問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−259292号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、フェノール樹脂とホスファゼン両者の優れた特性を有するフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)下記一般式(2)で表されるクロロホスファゼン化合物と、(B)フェノール樹脂と、必要により(C)フェノールとを反応させることにより得られる下記平均組成式(1)で示される新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物が、ホスファゼン骨格に遊離のフェノール官能基を付与することで、難燃性、硬化性が大幅に改善された材料となり得ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
従って、本発明は、下記平均組成式(1)で示される新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物、
【化3】
[式中、Xは
【化4】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2n で、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
及び、(A)下記一般式(2)
(NPCl2)m ・・・(2)
(式中、mは1〜100である。)
で表わされるクロロホスファゼン化合物と、(B)フェノール樹脂と、必要により(C)フェノールとを反応させることを特徴とする上記平均組成式(1)で示されるフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、下記平均組成式(1)で示されるものであり、ホスファゼン骨格と、硬化性に有効な遊離のフェノール官能基を含んでいる。
【0008】
【化5】
【0009】
[式中、Xは
【化6】
であり、a、b、c、d、e、f、g、nは、0≦a<2n、0<b+d+f≦2n で、b、d、fのうち2つが0の場合a+b+d+f=2n、1つが0の場合a+2(b+d+f)=2n、3つとも0でない場合a+3(b+d+f)=2n、0<c+e+g<100、0<fのときg=0、0<gのときf=0、3≦n≦1000を満たす数である。]
【0010】
この場合、nは3〜1000であるが、より好ましくは3〜10であり、合成上特に好ましくは3である。また、a、b、c、d、e、f、gは、上述した通りであるが、難燃性、硬化性の両立のためには、1.2n≦a≦1.8n、0.2n≦b+d+f≦0.8n、1≦c+e+g≦10であることが好ましい。
【0011】
上記平均組成式(1)で示されるフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物として具体的には、下記に示すものが挙げられる。
【化7】
【0012】
該フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、下記一般式(2)
(NPCl2)m ・・・(2)
(式中、mは1〜100、好ましくは3〜10である。)
で表わされる(A)クロロホスファゼン化合物と、(B)フェノール樹脂と、必要により(C)フェノールとを反応させることにより得ることができる。
【0013】
前記(B)フェノール樹脂として、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でもアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂など、フェノール当量が大きく、芳香族炭化水素の割合の高いものが難燃性の面より特に好ましい。
【0014】
本発明において、クロロホスファゼン化合物とフェノールとを反応させる際の混合割合としては、上記式(1)及び(2)中のa,mが、0≦a<2m、特に1.2m≦a≦1.8m(モル比)となる量とすることが好ましい。
【0015】
また、フェノール樹脂の混合割合としては、フェノールとの反応後に残っているクロロホスファゼン化合物中のP−Cl結合:フェノール樹脂中の水酸基当量=1:1〜1:100、特に1:2〜1:20となる量とすることが好ましい。
【0016】
本反応は、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン等の第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる。
上記触媒の添加量は有効量であり、特に限定されるものではないが、好ましくはクロロホスファゼン化合物の全P−Cl結合に対して1.2〜2.0当量(モル比)である。
【0017】
本反応は、通常有機溶媒中で行われ、この様な有機溶媒としては、例えば、THF、トルエン、アセトン等が挙げられる。
【0018】
本発明の反応方法としては、例えば、クロロホスファゼン化合物、フェノール、触媒を有機溶媒中で反応させ、これにフェノール樹脂を加えて更に反応させた後、再結晶させることにより、目的の化合物を得ることができる。
本発明において、反応温度は、収率及び生産効率の面から室温〜100℃が好ましく、特に50〜80℃が好適である。また反応時間は、クロロホスファゼン化合物とフェノールとの反応を1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましく、フェノール樹脂の滴下後、1〜48時間、特に3〜20時間とすることが好ましい。
このようにして、前記平均組成式(1)で表される新規フェノール樹脂変性ホスファゼン化合物が得られる。
【0019】
【発明の効果】
本発明のフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物は、遊離のフェノール性水酸基を有する為、難燃性と硬化性とを両立し得るものであり、難燃剤としてだけではなく、硬化剤としても使用することができる。
【0020】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0021】
[実施例1] 化合物Aの合成
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0(14.4mmol)、フェノール6.8g(72.0mmol)、THF200mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。15時間加熱還流後、下記式(3)で表わされるフェノール樹脂15.4g(144mmol)のTHF50ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をメタノールに溶かし、水に移して結晶を得た。この操作を水が中性になるまで繰返し、真空乾燥を行って茶褐色結晶を16.5g得た。
【0022】
【化8】
【0023】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは3.6−3.9,6.6−7.2,8.0−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。これにより、下記式で示される化合物Aが得られたことがわかった。
【0024】
(化合物A)
【化9】
【0025】
[実施例2] 化合物Bの合成
窒素雰囲気下、室温にてヘキサクロロシクロトリホスファゼン5.0g(14.4mmol)、フェノール6.8g(71.9mmol)、THF100mlの混合物中に、DBU21.9g(144mmol)を滴下した。6時間加熱還流後、下記式(4)で表わされるフェノール樹脂14.2g(71.9mmol)のTHF100ml溶液を加えて更に6.5時間加熱還流した。その後、減圧留去して得られた褐色固体を80%酢酸50mlに溶解し、水500mlに移して結晶を得た。その結晶をTHFに溶かし、水に移して結晶を得た。得られた結晶をトルエン100mlに溶かし、蒸留水100mlで3回洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥させて減圧留去することにより茶色結晶を14.3g得た。
【0026】
【化10】
【0027】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは4.2−4.4,7.2−7.8,7.9−8.2ppmにピークを示し、IRは700−950,1200−1400cm−1にP−N由来のピークを示した。これにより、下記式で示される化合物Bが得られたことがわかった。
【0028】
(化合物B)
【化11】
Claims (2)
- (A)下記一般式(2)
(NPCl2)m (2)
(式中、mは1〜100である。)
で表わされるクロロホスファゼン化合物と、(B)フェノール樹脂と、必要により(C)フェノールとを反応させることを特徴とする請求項1記載の平均組成式(1)で示されるフェノール樹脂変性ホスファゼン化合物の製造方法。
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JP (1) | JP2004155877A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104892906A (zh) * | 2015-05-12 | 2015-09-09 | 广东广山新材料有限公司 | 含单芳环酚基磷氮化合物的固化剂及环氧组合物 |
-
2002
- 2002-11-06 JP JP2002321976A patent/JP2004155877A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104892906A (zh) * | 2015-05-12 | 2015-09-09 | 广东广山新材料有限公司 | 含单芳环酚基磷氮化合物的固化剂及环氧组合物 |
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