JP2004350236A - 帯域選択透過回路 - Google Patents

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Kazuaki Minami
一昭 南
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】広帯域で低損失な透過特性を得ることができると共に、小型化、低コスト化が可能な帯域選択透過回路を提供する。
【解決手段】入力端子3と出力端子4との間にコンデンサ部をなす積層コンデンサ11を接続する。また、出力端子4と端子5との間には、チップコイル部品21と巻線型コイル部品31とを直列接続する。そして、積層コンデンサ11は、第1,第2の引出電極間の距離aと内部電極から実装面までの距離b1,b2との関係が、1.64a+(b1+b2)≦0.85(但し、a、b1、b2の単位はmm)を満足している。また、チップコイル部品21は、35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体にガラスまたは樹脂を塗布もしくは含浸させる構成としている。これにより、帯域選択透過回路1は広帯域な透過特性を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流信号を遮断し交流信号を通過させる帯域選択透過回路に関し、特に高周波の交流信号を低損失に通過可能となる電気通信機器、光通信機器等に用いて好適な帯域選択透過回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、直流信号を遮断し交流信号を通過させる帯域選択透過回路として、入力端子と出力端子との間に直列に接続され直流信号を遮断するコンデンサ部と、該コンデンサ部の入力側または出力側のいずれか一方に片方の端子が接続されチョークコイルとして作用するインダクタ部とを備えたものが知られている。
【0003】
そして、このような帯域選択透過回路のコンデンサ部では、低周波の信号を通過させるために、静電容量の大きな積層コンデンサが用いられている。しかし、積層コンデンサは、等価直列インダクタンスが大きくなる傾向があるから、高周波の信号に対して損失が大きくなり易いという問題がある。このため、基板との実装面に外部接続用の電極を設け、インダクタンスを低減した積層コンデンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、帯域選択透過回路のインダクタ部には、一般に巻線型のコイル部品が使用されているのに加え、高周波での浮遊容量を抑制したフェライト焼結体を用いたコイル部品も使用可能である(例えば、特許文献2,3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−288839号公報
【特許文献2】
特開昭55−526300号公報
【特許文献3】
特開平11−67575号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、帯域選択透過回路のコンデンサ部のように、10kHz〜40GHzのような広帯域で用いる積層コンデンサには、例えば静電容量が0.1μFで等価直列インダクタンスが250pH以下である必要がある。しかし、特許文献1に開示された積層コンデンサでも、等価直列インダクタンスを250pH以下にすることができないのが現状である。
【0007】
このため、従来技術では、積層コンデンサに単板コンデンサを並列接続することによって、高周波信号に対する損失を低減させていた。しかし、この場合には、2個のコンデンサが必要となるのに加え、これらのコンデンサを相互に接続するために製造工程が複雑化し、製造コストが高いという問題がある。
【0008】
一方、帯域選択透過回路のインダクタ部には、一般に巻線型のコイル部品が使用されている。この場合、帯域選択透過回路のように巻線型のコイル部品をチョークコイルとして使用するときには、巻線型のコイル部品によって帯域幅が制限されるから、広帯域で用いるためには3個以上のコイル部品を直列接続する必要があり、回路全体の小型化が難しかった。
【0009】
また、円錐形のような特殊な形状に巻線を巻回したコイル部品を用いることによって広帯域化を図ることも可能であるが、この場合には、巻線を特殊な形状に巻回するために製造コストが高いという問題がある。
【0010】
さらに、GHz帯域の高周波な信号に対しても高いインピーダンスをもったインダクタを得るために、インダクタをフェライト等のセラミック焼結体を用いて構成することも可能である。しかし、この場合にはインダクタとパラレルに発生する浮遊容量がインピーダンスに大きく影響し、特にGHz帯域では、0.01pF〜0.1pF程度の微小な浮遊容量であってもインピーダンスを低下させる要因となってしまう。このため、特許文献2に開示されているように、誘電率の低いフェライト材料として、空孔率を20〜70vol%とした発砲フェライト焼結体が知られている。このような発泡フェライト焼結体では、空孔を高い割合で含んでいるから、誘電率が低く、浮遊容量を抑制することができるのに加え、磁路が連続しているから、フェライト複素透磁率の周波数分散特性の変動が少ないという特徴を有している。
【0011】
しかし、この発泡フェライト焼結体を用いたインダクタでは、空孔率を高くしようとすると、成形体の機械的強度が低下するから、単体の部品材料として必要な抗折強度を確保することが難しいという問題がある。
【0012】
また、特許文献3に開示されているように、セラミックに内部電極を埋設すると共に、セラミックに直径1〜3μmのポアを3〜30vol%の割合で含有させたセラミック電子部品も知られている。
【0013】
しかし、このセラミック電子部品では、空孔(ポア)の含有割合が30vol%を超えるとセラミック素体の抗折強度が低下することを考慮して、空孔の含有割合が3〜30vol%の範囲としているから、比誘電率の低減の範囲が制約され、GHz帯域のように非常に高周波な信号に対しては十分に誘電率を低下させることができなかった。また、セラミック電子部品には、セラミックに含まれる空孔に水分が入り込み易く、吸水率が高くなるため、信頼性が低下するという問題もある。
【0014】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、広帯域で低損失な透過特性を得ることができると共に、小型化、低コスト化が可能な帯域選択透過回路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、入力端子と出力端子との間に直列に接続されたコンデンサ部と、該コンデンサ部の入力側または出力側のいずれか一方に片方の端子が接続されたインダクタ部とを備えた帯域選択透過回路において、前記コンデンサ部は、誘電体層を挟んで互いに対向して設けられ静電容量を形成する第1,第2の内部電極と、該各内部電極と直交する前記誘電体層の実装面に設けられた第1,第2の外部電極と、前記第1の内部電極を該第1の外部電極に接続する第1の引出電極と、前記第2の内部電極を前記第2の外部電極に接続する第2の引出電極とを備えた積層コンデンサを用いて構成し、
前記積層コンデンサの第1,第2の引出電極の距離aと、第1の内部電極から実装面までの距離b1と、第2の内部電極から実装面までの距離b2との関係が以下の式を満足する構成とし、
1.64a+(b1+b2)≦0.85
但し、a、b1、b2の単位はmm
前記インダクタ部は、35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体と、該セラミック焼結体の内部に配置されたコイル電極と、前記セラミック焼結体に塗布もしくは含浸された樹脂またはガラスとを備えたコイル部品を用いて構成したことを特徴としている。
【0016】
本発明者は、積層コンデンサに関して種々の実験を行って鋭意検討した結果、互いに対向する第1の内部電極の第1の引出電極と第2の内部電極の第2の引出電極との距離aと、第1,第2の内部電極から実装面までの距離b1,b2がインダクタンスに大きな影響を与えていることを見出した。
【0017】
即ち、等価直列インダクタンスの値を固定して、距離a,b1,b2の関係を検討した結果、特に、距離aの影響が大きく、かつ、等価直列インダクタンスの値に拘わりなく1.64の係数が存在することを見出した。そこで、前記式を満足することにより、広い周波数帯域で等価直列インダクタンスが250pH以下の特性を実現することができた。
【0018】
また、コイル部品のセラミック焼結体には35vol%以上の割合で空孔を含ませると共に、セラミック焼結体に樹脂またはガラスを塗布もしくは含浸させる構成としたから、セラミック焼結体の強度低下を招くことなく誘電率を低下させることができ、浮遊容量の発生を抑制することができる。
【0019】
即ち、セラミック焼結体に35vol%以上の割合で空孔を含ませることより、磁路の連続性を確保して磁性特性を低下させることなく、セラミック焼結体の誘電率を大幅に低下させることができる。また、セラミック焼結体に樹脂またはガラスを塗布もしくは含浸させたから、セラミック焼結体の強度を確保することができる。
【0020】
この結果、積層コンデンサの等価直列インダクタンスが小さくなるのに加え、コイル部品の浮遊容量が小さいから、これらの積層コンデンサとコイル部品とを用いることによって、広帯域に亘って低挿入損失な帯域選択透過回路を構成することができる。
【0021】
なお、本願発明のコイル部品は、フェライト等の窯業材料は圧縮応力には強いが引張り応力には弱いことに着目し、微量であっても樹脂またはガラスを塗布もしくは含浸させることにより、引張り耐力を補強している。このため、本願発明によれば、従来の空孔率を80vol%を超える割合まで高めることができ、電気特性の劣化を招くことなく、誘電率を5程度まで下げることが可能になる。
【0022】
また、本願発明のコイル部品では、セラミック焼結体に空孔を含ませる構成としたから、磁性体の透磁率もいくらか低下するが、連続した磁路が形成されるため、磁性体の持つ透磁率の特性(μ′とμ″が同じ値になるクロスポイント周波数がほとんど変化しない)を維持することができる。
【0023】
また、本願発明のコイル部品では、セラミック焼結体の空孔の寸法(空孔径)は10〜20μmとするのが好ましい。これは、空孔径が10μm以下になると、閉空孔になり易く、空孔内にガラス等を十分に含浸させることができなくなるからである。一方、空孔径が20μm以上になると、焼成後の空孔が形成された磁性体自体の強度が弱くなり、加工が困難になるためである。
【0024】
また、空孔の体積含有率(空孔率)は、セラミック焼結体の誘電率を十分に低下させて所望の特性を確保する見地から、35vol%以上とすることが望ましい。また、抗折強度を確保しつつセラミック焼結体に塗布、含浸させる樹脂またはガラスの種類や量などにより、空孔率をさらに高い値とすることも可能である。
【0025】
さらに、空孔内に充填された樹脂またはガラスが強度を補う機能を果たすために、空孔形成後の強度は多少弱くても特に問題はなく、空孔率が5〜20μmで、セラミック焼結体の空孔率が80vol%までの範囲であれば加工は可能である。
【0026】
請求項2の発明では、前記コイル部品のセラミック焼結体は、セラミック原料と、バインダーと、球状または粉粉体状でバインダーに対する接着性を有する焼失材とを配合してなる配合セラミック原料の成形体を焼成することにより、35vol%以上の空孔を形成する構成としている。
【0027】
これにより、セラミック焼結体は磁路を分断しない空孔を35vol%以上の割合で含有するから、所望の磁性特性を備えつつ浮遊容量が少ないコイル部品を構成することができ、帯域選択透過回路の信頼性を高めることができる。
【0028】
請求項3の発明では、前記コイル部品の樹脂またはガラスは、空孔を含む構成としている。これにより、樹脂またはガラスにも空孔を含ませることにより、セラミック焼結体の誘電率をさらに低下させることが可能になり、高周波の信号に対して帯域選択透過回路の挿入損失を低下させることができる。
【0029】
請求項4の発明では、前記コイル部品のセラミック焼結体は、磁性体セラミックを用いる構成としている。
【0030】
コイル部品を構成する場合には、セラミック焼結体を構成するセラミック原料として磁性体セラミックが用いられるが、この場合に本願発明を適用することにより、セラミック焼結体の機械的な強度の低下を招くことなく、誘電率を低下させて浮遊容量の発生を抑制することができる。
【0031】
請求項5の発明では、前記インダクタ部は、前記コイル部品と他のコイル部品とを直列接続して構成している。これにより、2つのコイル部品を直列接続して用いるから、インダクタ部に単一のコイル部品を用いた場合に比べて、低域側と高域側の帯域をさらに広げることができる。
【0032】
請求項6の発明では、前記インダクタ部のうちコンデンサ部に接続された端子とは異なる端子には直流成分を除去するDCカット回路を接続し、前記インダクタ部とDCカット回路との接続点にはグランドまたは直流電源を接続する構成としている。
【0033】
これにより、接続点を低インピーダンス(短絡)としたときに比べて、接続点を高インピーダンス(開放)としたときには、低周波側の挿入損失をさらに低下させることができる。このため、接続点のインピーダンスに応じて、低周波側の挿入損失をさらに低下させることができ、より広帯域に亘って低挿入損失の特性を得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による帯域選択透過回路を添付図面に従って詳細に説明する。
【0035】
図1ないし図3は第1の実施の形態による帯域選択透過回路1を示し、該帯域選択透過回路1は、例えば絶縁材料からなるモジュール基板2上に実装され、後述の積層コンデンサ11、チップコイル部品21および巻線型コイル部品31とによって構成されている。
【0036】
また、モジュール基板2は1辺の長さ寸法が数mm程度となった略四角形状をなすと共に、その左,右両端には端面電極からなる入力端子3と出力端子4とがそれぞれ設けられている。さらに、モジュール基板2の端面には、入力端子3、出力端子4とは異なる位置に巻線型コイル部品31の他端側が接続される端子5が設けられると共に、グランドに接続される複数のグランド端子6が設けられている。そして、グランド端子6には、モジュール基板2の表面側に位置して積層コンデンサ11等を覆うシールド用の金属キャップ(図示せず)が半田付け等によって固定されている。
【0037】
また、モジュール基板2の表面には、各端子3,4,5にそれぞれ接続された電極3A,4A,5Aが設けられると共に、チップコイル部品21と巻線型コイル部品31とを接続するための電極7が設けられている。そして、これらの電極3A,4A,5A,7は、接続用の部位を除いて絶縁性のレジスト膜8によって覆われている。
【0038】
11は入力端子3と出力端子4との間に直列に接続されたコンデンサ部をなす積層コンデンサで、該積層コンデンサ11は、図4ないし図6に示すように、例えば1.0mm程度の長さ寸法Lと0.5mm程度の幅寸法Wとを有し、略角柱状をなしている。
【0039】
また、積層コンデンサ11は、複数の誘電体層12を積層した積層体13と、各誘電体層12間に位置して該積層体13内に設けられた第1,第2の内部電極14,15と、積層体13の表面13Aと裏面13B(実装面)とに設けられ長さ方向に離間して配置された第1,第2の外部電極16,17と、前記第1,第2の内部電極14,15から引き出され該第1,第2の外部電極にそれぞれ接続された第1,第2の引出電極18,19とによって大略構成されている。そして、第1の外部電極16は例えば入力端子3の電極3Aに接続され、第2の外部電極17は例えば出力端子4の電極4Aに接続されている。
【0040】
また、第1の内部電極14は第1の引出電極18を介して第1の外部電極16に電気的に接続されると共に、第2の内部電極15は第2の引出電極19を介して第2の外部電極17に電気的に接続され、第1,第2の内部電極14,15は積層体13の幅方向に対して交互に配置されている。これにより、内部電極14,15は、平行平板コンデンサを構成し、これらの間に静電容量を形成している。また、内部電極14,15は、所望の静電容量に応じて所定の枚数が積層体13内に内蔵されると共に、誘電体層12(積層体13)の実装面(裏面13B)と直交する方向に位置している。
【0041】
また、内部電極14,15は、例えば長方形状をなして積層体13の長さ方向に向けて延びると共に、ほぼ同じ面積をもって積層体13内のほぼ同じ位置に設けられ、互いに平行な状態で対向している。さらに、第1の内部電極14の長さ方向一端側には積層体13の表面13A、裏面13Bに向けて延びる第1の引出電極18が接続され、第2の内部電極15の長さ方向他端側には積層体13の表面13A、裏面13Bに向けて延びる第2の引出電極19が接続されている。
【0042】
そして、積層コンデンサ11の製造時には、誘電体層12をセラミックグリーンシートとして形成すると共に、該シート上に内部電極14,15と引出電極18,19を厚膜技術または薄膜技術を用いて形成する。その後、誘電体層12、内部電極14,15等を積層、圧着し、焼成された後に、所定の寸法で切り出し、積層体13を形成する。最後に、切り出した積層体13の表面13Aと裏面13Bとには、導電ペーストを塗布、焼付け等によって外部電極16,17を形成し、該外部電極16,17に引出電極18,19をそれぞれ接続するものである。
【0043】
21は巻線型コイル部品31と共にインダクタ部を構成するチップコイル部品で、該チップコイル部品21は、図10および図11に示すように、例えば磁性体セラミックとして例えばフェライト材料等からなる複数の磁性体層22を積層して焼成され35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体23と、該セラミック焼結体23内に設けられた複数のコイル電極24と、前記セラミック焼結体23に塗布または含浸されたガラス26とを備える構成としている。
【0044】
そして、各コイル電極24は、例えば略コ字形状をなして互いに積層された磁性体層22の間にそれぞれ配置されている。また、複数のコイル電極24は、スルーホール24Aを介して互いに直列接続され、全体として螺旋状のコイル25を構成している。なお、コイル25のターン数(巻数)は、所望のインダクタンス値に応じて適宜設定されるものである。
【0045】
また、セラミック焼結体23のうちコイル25の軸心方向に平行な両端側には入出力用の外部電極27,28がそれぞれ設けられ、該外部電極27,28は、導電ペーストを焼成することによって形成されると共に、コイル25の両端に電気的に接続されている。そして、一方の外部電極27は出力端子4の電極4Aに接続され、他方の外部電極28は電極7を介して巻線型コイル部品31に接続されている。
【0046】
さらに、巻線型コイル部品31は、図1および図2に示すように、フェライト材料等からなるコア32に導電性材料からなる巻線33を巻回することによって形成されている。そして、巻線33の一端側は電極7に接続され、他端側は電極5Aを介して端子5に接続されている。
【0047】
本実施の形態による帯域選択透過回路1は上述の如く構成されるものであり、次に、積層コンデンサ11の第1,第2の内部電極14,15および第1,第2の引出電極18,19と等価直列インダクタ(ESL)との関係について、図4、図5、図6、図8および図9を参照しつつ検討する。
【0048】
なお、内部電極14,15は互いに対向するこれらの間に静電容量を形成するため、ここでは任意の内部電極14,15を例に挙げて説明するが、他の内部電極に関しても同様の関係が成立する。
【0049】
本発明者は、内部電極14,15の容量有効寸法Cを0.3mmとして、引出電極18,19間の長さ方向の距離a、内部電極14,15から実装面までの垂直距離b(但し、b=b1+b2、b1=b2)を種々の値に変更したものを作製し、それぞれの等価直列インダクタンスを求めた。なお、積層コンデンサ11の高さ寸法Tは垂直距離b1,b2に応じて変化する。
【0050】
この結果を以下の表1に示す。表1から、等価直列インダクタンス(ESL)が200pH、250pH、300pHになる引出電極18,19間の距離aと垂直距離bの組合せを読み取ることができる。
【0051】
【表1】
Figure 2004350236
【0052】
表1の結果を得た実験は、引出電極18,19間の距離aを0.05mm間隔で0.10〜0.50mmに設定し、それぞれの距離aに対して垂直距離bを振り分け、ネットワークアナライザを用いて周波数特性を測定した。表1の垂直距離bは、等価直列インダクタンス(ESL)が200pH、250pH、300pHになったときの値を示している。
【0053】
図8は、表1の結果を示した特性線図で、上段の直線は等価直列インダクタンス(ESL)が300pH、中段の直線は等価直列インダクタンス(ESL)が250pH、下段の直線は等価直列インダクタンス(ESL)が200pHに関するそれぞれの数値関係を示している。図8から明らかなように、等価直列インダクタンスを一定値としたときに、距離a,bは線形関係となっており、以下の数1の式で近似することができる。
【0054】
【数1】
1.64a+b=K
但し、a:引出電極間の距離[mm]
b:垂直距離[mm](b=b1+b2、かつ、b1=b2)
【0055】
数1の式において、係数Kは等価直列インダクタンス(ESL)の数値によって定まる定数で、例えばESLが200pHのときはK≒0.57であり、ESLが250pHのときはK≒0.85であり、ESLが300pHのときはK≒1.12である。
【0056】
次に、等価直列インダクタンス(ESL)の値と係数Kとの関係を図9の特性線図に示す。この結果、等価直列インダクタンス(ESL)と係数Kは、以下の数2の式に示す関係が成立する。
【0057】
【数2】
ESL[pH]=180×K+97
【0058】
これらの結果から、以下の数3の式を満足することにより、等価直列インダクタンス(ESL)が250pH以下の積層コンデンサ11を得ることができる。なお、静電容量に関しては、積層コンデンサ11の一般的な特性と同様に、内部電極14,15の枚数を適宜増加させることによって、高容量を確保できることは勿論である。
【0059】
【数3】
1.64a+(b1+b2)≦0.85
但し、a,b1,b2の単位はmm
【0060】
次に、チップコイル部品21に用いるガラス26を塗布等したセラミック焼結体23について、その誘電率、透磁率、抗折強度および吸水性を図12を参照しつつ検討する。
【0061】
まず、空孔を含むセラミック焼結体23の製造方法について説明する。最初に、透磁率μが400のNiZnCuフェライト材料を得るために、ニッケル、亜鉛および銅の酸化物原料を混同して800℃で1時間仮焼する。その後、ボールミルを用いて粉砕し、乾燥することにより、平均粒径約2μmのフェライト原料(酸化物混合粉末)を得る。
【0062】
それから、該フェライト原料に市販の粒径ポリマー(本実施の形態では、架橋ポリスチレンからなる球状の焼失材(平均粒径=8μm))を表2に示すように種々の割合で添加し、溶媒、バインダー、分散材を加えて混合した後、ドクタープレード法を用いて厚さ100μmのセラミックグリーンシートを作製する。
【0063】
なお、焼失材として、表面積が大きく、樹脂バインダーに対する接着性に優れ、保形性の大きい球状ポリマーを採用することにより、歩留まりを低下させることなく、バインダーの割合を減らして焼失材の割合を増やすことが可能となり、空孔率を高めることができる。
【0064】
次に、セラミックグリーンシートを積層、圧着して厚みが2mmの成形体(積層体)を得る。そして、該成形体からリング形状と円柱状と角柱状のテストピースを作製した。
【0065】
そして、これらのテストピースを400℃で3時間熱処理して脱バインダーを行った後、900℃で2時間焼成することによりセラミック焼結体を得る。
【0066】
なお、ここでは混合する有機材料(特に焼失材)の量を変化させることにより空孔の割合を調整した。また、セラミック焼結体の空孔の体積含有割合(空孔率)は、空孔(空気)の比重を0g/cm、フェライトの比重(実測値)を5.02g/cmとして、セラミック焼結体の比重から算出した。
【0067】
それから、得られたセラミック焼結体に、例えば誘電率3.9の水溶性ガラス(本実施の形態では、Li−K系ガラス)を含浸させた後、800℃で溶融・焼付けを行った。
【0068】
このようにして、空孔にガラスを含浸させ、溶融・焼付けを行った後のセラミック焼結体に対して、誘電率、透磁率、抗折強度および吸水率を測定した。この測定結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
Figure 2004350236
【0070】
なお、透磁率はリング状のテストピース、誘電率は円柱状のテストピース、抗折強度は角板状のテストピースをそれぞれ用いて測定した。
【0071】
表2に示すように、セラミック焼結体の空孔率が高くなるに従って、誘電率は低くなるが、ガラスを含浸させない状態では抗折強度が低下し、吸水率が増大する。一方、セラミック焼結体にガラスを含浸させた場合には、抗折強度の低下や吸水率の増大を招くことなく、誘電率を低下させることが可能になる。
【0072】
即ち、上記のように、空孔内にガラスを充填(含浸)した場合、試料番号1の空孔を含まないセラミック焼結体と比べて、抗折強度を同等またはそれ以上に向上させることが可能になると共に、吸水率を低く抑えることができる。
【0073】
なお、表2には示していないが、誘電率を下げるために、ガラスをフェライト原料に添加、混合した後、焼成したコンポジット材や磁粉に樹脂を混練し、成形した材料では、表2の空孔にガラスを含浸させた場合と同等の比率で、フェライトにガラスや樹脂を添加、混合しても、表2に示すような透磁率は得られないことが確認されている。
【0074】
例えば、ガラスをフェライト原料に添加、混合した後、焼成したコンポジット材にあっては、ガラスの混合率を50vol%とした場合に、透磁率μは4程度にしかならず、また、透磁率の周波数特性も、μ″がほとんど発現しなくなってしまうことが確認されている。これは、磁粉をガラスや樹脂に分散させて成形体とした場合、磁粉を覆い固めるように、ガラスや樹脂が分布するため、磁性体から形成される磁路が非磁性材であるガラスや樹脂によって分断されるため、透磁率が低くなるものと考えられる。
【0075】
これに対し、本実施の形態に係る方法で調整した、空孔を有するセラミック焼結体(空孔形成材料)では、磁性体自体の透磁率の特徴が保持される。これは、セラミック焼結体内で磁路が分断されずに繋がった状態が保たれるため、高い透磁率が得られ、かつ、磁性体自体の透磁率の特徴も保持されるものと考えられる。
【0076】
次に、上記表2中の試料番号5の材料(即ち、空孔率が50vol%のセラミック焼結体が得られる材料)を用いたチップコイル部品21について、そのインピーダンス特性を検討する。
【0077】
まず、チップコイル部品21の製造方法について説明するに、表2中の試料番号5の材料を用いて形成したセラミックグリーンシート(磁性体層22)に、コイル電極24をなす銀ペーストを印刷し、積層、圧着した後、チップ状にカットして900℃で焼成する。これにより、焼成時に有機材料が焼失し、50vol%の割合で空孔を含んだセラミック焼結体23が得られる。
【0078】
次に、セラミック焼結体23を、誘電率3.9の水溶性ガラス(本実施の形態では、Li−K系ガラス)に浸漬し、空孔内部に水溶性ガラスを含浸させる。それから、セラミック焼結体23のうちコイル25の軸心方向に平行な両端側にコイル電極24と導通するように導電ペーストを塗布した後、800℃で熱処理することにより、空孔を含浸させたガラスおよび導電ペーストを同時に焼成する。これにより、図10に示すように、セラミック焼結体23の内部にコイル25が配設され、セラミック焼結体23の両端部に外部電極27,28が配設された構造を有するチップコイル部品21を得た。このとき、チップコイル部品21は、長さ寸法が例えば1.6mmに設定され、幅寸法および高さ寸法が例えば0.8mmにそれぞれ設定されるものである。なお、ここでは、コイル25のターン数を30ターンとした。
【0079】
また、比較のために、通常のフェライト材(前記表2中で試料番号1として示す空孔率が0vol%のセラミック焼結体が得られる材料)からなるセラミックグリーンシートを用いて、上記実施の形態と同じ方法で、チップコイル部品(比較例)を作製した。なお、特性の比較を容易にするために、低周波帯域におけるインダクタンスが近い値となるように、比較例のチップコイル部品では、コイルのターン数を20ターンとした。
【0080】
第1の実施の形態のチップコイル部品21と比較例のチップコイル部品をそれぞれネットワークアナライザ(HP8753D)に接続して反射特性を測定し、その結果からインピーダンスを算出した。図12に実施の形態のチップコイル部品21と比較例のチップコイル部品のそれぞれのインピーダンス特性を示す。
【0081】
実施の形態によるチップコイル部品21では、空孔を形成することにより、透磁率の特性を損なうことなく誘電率を低下させた磁性体を用いているので、低周波領域では、従来と同様のインピーダンス特性を維持することができると共に、低誘電率化によって高周波領域まで所望のインピーダンスを確保できることが分かる。
【0082】
即ち、比較例のチップコイル部品では、600Ωのインピーダンスが得られる周波数は1.3GHz程度までであるが、実施の形態によるチップコイル部品21では、600Ωのインピーダンスが得られる帯域が4GHzまで拡大していることが分かる。
【0083】
また、実施の形態によるチップコイル部品21では、セラミック焼結体23の空孔内部にガラス26を含浸させているので、従来の空孔を含まないフェライト材を用いた比較例のチップコイル部品と比べて抗折強度に遜色がなく、また、吸水率に関しては、比較例のチップコイル部品よりも低くなっており、信頼性の面でも比較例のチップコイル部品よりも優れていることが確認されている。
【0084】
次に、帯域選択透過回路1の作動について図13ないし図16を参照しつつ検討する。なお、積層コンデンサ11の静電容量は例えば220μFに設定し、チップコイル部品21のインピーダンスは例えば470Ωに設定し、巻線型コイル部品31のインダクタンスは例えば33μHに設定するものとする。また、端子5はグランドに接続するものとする。
【0085】
まず、入力端子3から入力された直流信号を積層コンデンサ11によって遮断される。一方、入力端子3から入力された交流信号は積層コンデンサ11を通過する。このとき、チップコイル部品21および巻線型コイル部品31からなるインダク部がチョークコイルとして作用するから、交流信号は出力端子4を通じて出力される。
【0086】
ここで、本実施の形態による帯域選択透過回路1の入力端子3と出力端子4との間の挿入損失の周波数特性を測定した。この結果を図13および図14に示す。なお、この結果は、モジュール基板2とは異なる測定用の基板に対して積層コンデンサ11、チップコイル部品21および巻線型コイル部品31を取り付けた状態でネットワークアナライザ等を用いて測定したものである。
【0087】
この結果より、帯域選択透過回路1は、積層コンデンサ11とチップコイル部品21とを用いたことによって、400kHz〜15GHzの広帯域に亘って0.5dB以下の低挿入損失が得られることが分かる。
【0088】
一方、積層コンデンサ11に代えて引出電極18′,19′が積層体13の長さ方向両端側に延びる積層コンデンサ11′を用いる(図7中の比較例参照)と共に、チップコイル部品21に代えて前述した空孔のないセラミック焼結体を用いたチップコイル部品(表2中の試料番号1参照)を用いた場合について、同様に挿入損失の周波数特性を測定した。この結果を図15および図16に示す。
【0089】
この結果より、既存の積層コンデンサ11′やチップコイル部品を用いて帯域選択透過回路を構成した場合には、0.5dB以下の挿入損失は4GHzまでしか得られず、4GHz以上の高周波帯域では挿入損失が増大してしまうことが分かる。
【0090】
かくして、本実施の形態では、数3の関係を満足する積層コンデンサ11と35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体23にガラス26を含浸させたチップコイル部品21を用いて帯域選択透過回路1を構成したから、素子数3個(積層コンデンサ11、チップコイル部品21、巻線型コイル部品31)だけで高周波帯域に亘って低挿入損失の特性を得ることができる。この結果、素子数が少ないから、帯域選択透過回路1を小型化することができると共に、積層コンデンサに単板コンデンサを並列接続したり、特殊形状のコイル部品を用いる必要がないから、製造コストを低減することができる。
【0091】
特に、本実施の形態では、コンデンサ部に数3の関係を満足する積層コンデンサ11を用いたから、積層コンデンサ11の等価直列インダクタンス(ESL)を低く抑えることができ、高周波での挿入損失を低下させることができる。このため、コンデンサ部については、素子数1個(積層コンデンサ11)だけで広帯域に亘って低挿入損失の特性を実現できると共に、コンデンサ部を小型化することができる。また、挿入損失が低いから、積層コンデンサ11の前段、後段(端子3,4)に増幅率の高いアンプを接続する必要もなく、低コスト化することができる。
【0092】
また、本実施の形態では、インダクタ部には35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体23にガラス26を含浸させたチップコイル部品21を用いたから、誘電率を低下させて浮遊容量を抑制することができ、広帯域な透過特性を得ることができる。この結果、インダクタ部は素子数2個(チップコイル部品21、巻線型コイル部品31)だけで広帯域に亘って低挿入損失の特性を実現することができ、インダクタ部を小型化することができる。また、特殊形状のコイル部品を用いる必要がないから、低コスト化を図ることができる。
【0093】
さらに、インダクタ部をチップコイル部品21と巻線型コイル部品31とを直列接続して構成したから、インダクタ部に単一のコイル部品を用いた場合に比べて、低域側と高域側の帯域をさらに広げることができる。
【0094】
次に、図17は第2の実施の形態によるチップコイル部品を示し、本実施の形態の特徴は、セラミック焼結体にエポキシ樹脂を含浸させる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素の同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0095】
41は巻線型コイル部品31と共にインダクタ部を構成するチップコイル部品で、該チップコイル部品41は、第1の実施の形態によるチップコイル部品21とほぼ同様に、例えばフェライト材料等からなる複数の磁性体層22を積層して焼成され35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体23と、該セラミック焼結体23内に設けられた複数のコイル電極24からなるコイル25と、前記セラミック焼結体23に塗布または含浸されたエポキシ樹脂42とを備える構成としている。
【0096】
また、セラミック焼結体23のうちコイル25の軸心方向に平行な両端側には入出力用の外部電極27,28がそれぞれ設けられ、該外部電極27,28は、コイル25の両端に電気的に接続されている。
【0097】
本実施の形態によるチップコイル部品41は上述の如く構成されるものであり、次に、チップコイル部品41に用いるエポキシ樹脂42を含浸したセラミック焼結体23について、その誘電率、透磁率、抗折強度および吸水性を図18を参照しつつ検討する。
【0098】
まず、第1の実施の形態のチップコイル部品21とほぼ同様に、混合する有機材料(特に焼失材)の量を変化させることにより空孔の割合を調整して、空孔を含むセラミック焼結体を得る。
【0099】
それから、得られたセラミック焼結体の空孔に、例えば誘電率3.4のエポキシ樹脂を含浸させた後、150℃に加熱して、エポキシ樹脂を硬化させた。
【0100】
このようにして、空孔に樹脂(エポキシ樹脂)を含浸させたセラミック焼結体に対して、誘電率、透磁率、抗折強度および吸水率を測定した。この測定結果を表3に示す。
【0101】
【表3】
Figure 2004350236
【0102】
表3に示すように、セラミック焼結体の空孔にエポキシ樹脂を含浸させるようにした場合、試料番号11(表2中の試料番号1と同じ)の空孔を含まないものと比べて、抗折強度を同等またはそれ以上に向上させることができることが分かる。
【0103】
また、エポキシ樹脂の含浸を行ったものは、空孔率を80%とした場合(試料番号19)にも、空孔率を30%とし、エポキシ樹脂の含浸を行わないようにしたものよりも抗折強度が大きいことが分かる。また、吸水率に関しては、エポキシ樹脂を含浸させたものでは、吸水率が、試料番号11の空孔を含まないものよりも低く安定することが分かる。さらに、空孔率が35vol%以上であれば、エポキシ樹脂を含浸させた場合にも、誘電率を10以下に設定できることが分かる。
【0104】
なお、樹脂の方が、ガラスに比べて誘電率の低いものを選択することが可能であり、ここで例示したエポキシ樹脂を用いた場合には、第1の実施の形態によるガラスを用いた場合に比べて、いくらかではあるが、誘電率をさらに低下させることが可能になることが分かる。
【0105】
次に、上記表3中の試料番号16の材料(即ち、空孔率が50vol%のセラミック焼結体が得られる材料)を用いたチップコイル部品41について、そのインピーダンス特性を検討する。
【0106】
まず、チップコイル部品41の製造方法について説明するに、表3中の試料番号16の材料を用いて形成したセラミックグリーンシートに、コイル電極24をなす銀ペーストを印刷し、積層、圧着した後、チップ状にカットして900℃で焼成する。これにより、焼成時に有機材料が焼失し、50vol%の割合で空孔を含んだセラミック焼結体23が得られる。
【0107】
それから、セラミック焼結体23のうちコイル25の軸心方向に平行な両端側にコイル電極24と導通するように導電ペーストを塗布した後、800℃で熱処理することにより、導電ペーストを焼成し、外部電極27,28を形成する。
【0108】
次に、外部電極27,28が形成されたセラミック焼結体23(チップ)に対して、例えば誘電率3.4のエポキシ系の液状樹脂(エポキシ樹脂42)を含浸させた後に、150℃で硬化させる。それから、エポキシ樹脂42を含浸させたセラミック焼結体23をバレル研磨して、外部電極27,28の金属表面を確実に露出させた後、ニッケルめっき、およびSnめっきを行って外部電極27,28の表面にメッキ層を形成した。
【0109】
これにより、長さ寸法が1.6mmに設定され、幅寸法および高さ寸法が例えば0.8mmにそれぞれ設定されたチップコイル部品41を得た。なお、チップコイル部品41においては、コイルのターン数を30ターンとした。
【0110】
また、比較用のチップコイル部品として、第1の実施の形態で比較例として用いたチップコイル部品(空孔率が0vol%のセラミック焼結体からなり、ターン数が20ターンのもの)を用意した。
【0111】
そして、第2の実施の形態のチップコイル部品41と比較例のチップコイル部品をそれぞれネットワークアナライザ(HP8753D)に接続して反射特性を測定し、その結果からインピーダンスを算出した。図18にチップコイル部品41と比較例のチップコイル部品のそれぞれのインピーダンス特性を示す。
【0112】
本実施の形態によるチップコイル部品41では、空孔を形成することにより、透磁率の特性を損なうことなく誘電率を低下させた磁性体を用いているので、低周波領域では、従来と同様のインピーダンス特性を維持することができると共に、低誘電率化によって高周波領域まで所望のインピーダンスを確保できることが分かる。
【0113】
即ち、比較例のチップコイル部品では、600Ωのインピーダンスが得られる周波数は1.3GHz程度までであるが、実施の形態によるチップコイル部品41では、600Ωのインピーダンスが得られる帯域が約5GHzまで拡大していることが分かる。
【0114】
また、本実施の形態によるチップコイル部品41では、セラミック焼結体23の空孔内部にエポキシ樹脂42を含浸させているので、従来の空孔を含まないフェライト材を用いた比較例のチップコイル部品と比べて抗折強度に遜色がなく、また、吸水率に関しては、比較例のチップコイル部品よりも低くなっており、信頼性の面でも比較例のチップコイル部品よりも優れていることが確認されている。
【0115】
かくして、本実施の形態によるチップコイル部品41を用いた場合でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果をもった帯域選択透過回路を構成することができる。
【0116】
次に、図19は第3の実施の形態によるチップコイル部品を示し、本実施の形態の特徴は、セラミック焼結体にエポキシ樹脂を含浸させると共に、エポキシ樹脂にも空孔を形成したことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素の同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0117】
51は巻線型コイル部品31と共にインダクタ部を構成するチップコイル部品で、該チップコイル部品51は、第1の実施の形態によるチップコイル部品21とほぼ同様に、例えばフェライト材料等からなる複数の磁性体層22を積層して焼成され35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体23と、該セラミック焼結体23内に設けられた複数のコイル電極24からなるコイル25と、前記セラミック焼結体23に塗布または含浸されたエポキシ樹脂52とを備える構成としている。また、エポキシ樹脂52中には空孔を形成している。
【0118】
また、セラミック焼結体23のうちコイル25の軸心方向に平行な両端側には入出力用の外部電極27,28がそれぞれ設けられ、該外部電極27,28は、コイル25の両端に電気的に接続されている。
【0119】
本実施の形態によるチップコイル部品51は上述の如く構成されるものであり、次に、チップコイル部品51に用いるエポキシ樹脂52を含浸したセラミック焼結体23について、その誘電率、透磁率、抗折強度および吸水性を検討する。
【0120】
まず、第1および第2の実施の形態によるチップコイル部品21,41とほぼ同様に、混合する有機材料(特に焼失材)の量を変化させることにより、例えば空孔率が60vol%の多孔質フェライト(セラミック焼結体)を作製する。
【0121】
それから、この多孔質フェライトに、例えば誘電率3.4のエポキシ樹脂を、粘度が300mPa.sおよび粘度が500mPa.sになるように有機溶剤で希釈した状態で含浸させた後、150℃で30分加熱してエポキシ樹脂を硬化させた。
【0122】
そして、このようにして形成した、エポキシ樹脂の含浸、硬化後の多孔質フェライトに対して、空孔率、誘電率および抗折強度を測定した。なお、比較のために、誘電率が8.4で、粘度が5000mPa.sの無溶剤タイプのエポキシ樹脂を含浸させた、同様に硬化させた比較試料についても、空孔率、誘電率および抗折強度を測定した。これらの測定結果を表4に示す。
【0123】
【表4】
Figure 2004350236
【0124】
粘度が500mPa.s以下のエポキシ樹脂を含浸材として用いた場合、含浸させたエポキシ樹脂にも空孔が形成され、高強度で、さらに低誘電率の多孔質フェライトが得られることが分かる。これは、多孔質フェライトの空孔内に含浸させたエポキシ樹脂中の希釈剤が揮発して、エポキシ樹脂の内部にも空孔が形成されたことによるものである。
【0125】
なお、多孔質フェライトの空孔内に充填された樹脂やガラスに空孔を形成する方法としては、上記の方法の他に、例えば、一旦粘度の高い樹脂やガラス原料を含浸させた後、溶剤内で超音波洗浄等を行い、含浸させた樹脂やガラス原料の基材の一部を溶出させた後、溶剤を揮発させ、硬化させる方法等を適用することが可能である。
【0126】
かくして、本実施の形態によるチップコイル部品51を用いた場合でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果をもった帯域選択透過回路を構成することができる。
【0127】
次に、図20は第4の実施の形態による帯域選択透過回路を示し、本実施の形態の特徴は、巻線型コイル部品を省き、積層コンデンサとチップコイル部品とによって構成としたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素の同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0128】
61は本実施の形態による帯域選択透過回路で、該帯域選択透過回路61は、入力端子3と出力端子4との間に直列に接続されコンデンサ部をなす積層コンデンサ11と、該積層コンデンサ11の出力側(出力端子4)に一端側が接続されインダクタ部をなすチップコイル部品21とによって構成されている。そして、チップコイル部品21の他端側は端子5に接続されている。
【0129】
本実施の形態による帯域選択透過回路61は上述の如く構成されるものであり、該帯域選択透過回路61の入力端子3と出力端子4との間の挿入損失の周波数特性を測定した。この結果を図21および図22に示す。
【0130】
この結果より、帯域選択透過回路61では、挿入損失が0.5dB以下となる周波数範囲は19MHz〜6.5GHzであり、第1の実施の形態による帯域選択透過回路1よりも通過帯域が狭くなるものの、素子数を2個にすることができるから、帯域選択透過回路61を非常に小型化することができる。
【0131】
次に、図23および図24は第5の実施の形態による帯域選択透過回路を示し、本実施の形態の特徴は、チップコイル部品と巻線型コイル部品とからなるインダクタ部のうち積層コンデンサに接続された端子とは異なる端子に直流信号を遮断するDCカット機能回路を接続する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素の同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0132】
71は本実施の形態による帯域選択透過回路で、該帯域選択透過回路71は、入力端子3と出力端子4との間に直列に接続されコンデンサ部を構成する積層コンデンサ11と、該積層コンデンサ11の出力側(出力端子4)に接続されたチップコイル部品21と、該チップコイル部品21と共にインダクタ部を構成し該チップコイル部品21に直列接続された巻線型コイル部品31と、該巻線型コイル部品31に接続されたDCカット機能回路72とによって大略構成されている。そして、インダクタ部の一端側は出力端子4に接続されると共に、他端側は端子5に接続されている。
【0133】
また、DCカット機能回路72は、抵抗73とコンデンサ74とを直列接続することによって構成され、抵抗73の一端側は端子5に接続され、コンデンサ74の他端側はグランド端子75を介してグランドに接続されている。さらに、端子5には直流電源(図示せず)が接続され、該直流電源の印加電圧に応じて端子5のインピーダンスを高,低させるものである。
【0134】
本実施の形態による帯域選択透過回路71は上述の如く構成されるものであり、端子5のインピーダンスに応じてその周波数特性が変わる構成となっている。
【0135】
例えば、端子5を低インピーダンス(例えばグランドに短絡または直流電源の電圧を0Vに設定)としたときには、第1の実施の形態による帯域選択透過回路1と同じ構成となり、挿入損失の周波数特性も第1の実施の形態とほぼ同じ特性となる。
【0136】
一方、端子5を高インピーダンス(例えば開放)としたときには、挿入損失の高周波帯域の周波数特性は第1の実施の形態による帯域選択透過回路1とほぼ同じ特性となるものの、低周波帯域の周波数特性は第1の実施の形態とは異なり、さらに低周波に亘って挿入損失が低下する。
【0137】
このため、端子5を高インピーダンスとしたときの挿入損失の周波数特性を図25に示す。なお、DCカット機能回路72の抵抗73の抵抗値は例えば470Ωに設定され、コンデンサ74の静電容量は例えば1nFに設定されたものとしている。この結果より、30kHzまで挿入損失が0.5dB以下となっていることが分かる。
【0138】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、インダクタンス部の両端子のうち積層コンデンサと接続された端子とは異なる端子(端子5)にはDCカット機能回路72を接続したから、端子5のインピーダンス(直流電源の出力電圧)に応じて、低周波側の挿入損失をさらに低下させることができ、より広帯域に亘って低挿入損失の特性を得ることができる。
【0139】
次に、図26は第6の実施の形態による帯域選択透過回路を示し、本実施の形態の特徴は、コンデンサ部を積層コンデンサと該積層コンデンサよりも静電容量が小さく、かつ等価直列インダクタンスの小さいコンデンサとを並列接続することによって構成し、インダクタ部をチップコイル部品と巻線型コイル部品に加えてチップコイル部品よりもインダクタが小さく、かつ等価容量が小さくコイル部品を直列接続することによって構成したことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素の同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0140】
81は本実施の形態による帯域選択透過回路で、該帯域選択透過回路81は、積層コンデンサ11とコンデンサ82とを並列接続したコンデンサ部と、チップコイル部品21、巻線型コイル部品31およびコイル部品83を直列接続したインダクタ部とによって構成されている。
【0141】
ここで、コンデンサ82は、積層コンデンサ11よりも静電容量が小さく、かつ等価直列インダクタンスが小さくなっている。なお、コンデンサ82は、例えば単一の誘電体板の両面に電極を設けた単板コンデンサによって構成してもよく、積層コンデンサ11とほぼ同様の積層コンデンサによって構成してもよい。
【0142】
また、コイル部品83は、チップコイル部品21と積層コンデンサ11(出力端子4)との間に位置して、チップコイル部品21および巻線型コイル部品31に直列接続されている。そして、コイル部品83は、チップコイル部品21よりもインダクタが小さく、かつ等価容量が小さくなっている。なお、コイル部品83は、チップコイル部品21とほぼ同様のチップコイル部品によって構成してもよく、従来から既存の巻線型コイル部品等によって構成してもよい。
【0143】
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、本実施の形態では、積層コンデンサ11にコンデンサ82を並列接続すると共に、チップコイル部品21等にコイル部品83を直列接続したから、第1の実施の形態に比べてさらに高周波帯域に亘って低挿入損失の特性を得ることができる。
【0144】
なお、前記各実施の形態では、積層コンデンサ11の引出電極18,19は内部電極14,15の長さ方向途中位置から積層体13の表面13Aと裏面13Bとに延びる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図27に示す第1の変形例のように、積層コンデンサ11の引出電極91,92は内部電極14,15の長さ方向両端から積層体13の表面13Aと裏面13Bとに延びる構成としてもよい。
【0145】
また、前記各実施の形態では、積層コンデンサ11の外部電極16,17は積層体13の両面13A,13Bにそれぞれ分離して設ける構成としたが、図28に示す第2の変形例のように、外部電極93,94を積層体13の長さ方向両端面に沿って高さ方向に伸長させ、積層体13の両面13A,13Bに亘って延びる構成としてもよい。
【0146】
この場合、図28に示すように、引出電極95,96は積層体13の両端面まで伸長させ、外部電極93,94の全周に亘って接触させる構成としてもよく、図29に示す第3の変形例のように、引出電極18,19に加えて積層体13の両端面に向けて延びる他の引出電極97,98を設ける構成としてもよい。
【0147】
また、図30に示す第4の変形例のように、積層体13の表面13Aに設けた外部電極と引出電極とを省く構成としてもよい。この場合、図31に示す第5の変形例のように、外部電極99,100を積層体13の端面に沿って高さ方向に伸長させると共に、引出電極101,102を積層体13の端面に向けて伸長させる構成としてもよい。
【0148】
さらに、前記各実施の形態では引出電極18,19は矩形状をなすものとしたが、図32に示す第6の変形例のように、例えば外部電極16,17から内部電極14,15に向けて傾斜した引出電極103,104を用いる構成としてもよい。
【0149】
また、前記各実施の形態では、チップコイル部品21,41,51の焼失材として、架橋ポリスチレンからなる焼失材を用いた場合について説明した。しかし、本発明はこれに限らず、他の焼失性の材料からなる焼失材を用いてもよい。
【0150】
特に、焼失材として、例えば架橋ポリメタル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸ブチル、架橋ポリメタクリル酸エステル、架橋ポリアクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分とするものを用いた場合には、焼成工程で焼失材が確実に焼失して、セラミック焼結体に確実に空孔を形成することが可能になり、所望の空孔率を有するセラミック焼結体を効率よく形成することが可能になる。
【0151】
また、前記各実施の形態では、球状の焼失材を用いる構成としたが、これに限らず、例えば紛粒体状の焼失材を用いることも可能である。
【0152】
また、前記各実施の形態では、チップコイル部品21,41,51のセラミック焼結体23はNiZnCuフェライト材料を用いて形成したが、他のフェライト材料を用いてセラミック焼結体を形成してもよく、フェライト以外の他の磁性体セラミック材料を用いてセラミック焼結体を形成してもよい。
【0153】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、数3の関係を満足する積層コンデンサと35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体にガラスまたは樹脂を塗布もしくは含浸させたコイル部品を用いて帯域選択透過回路を構成したから、積層コンデンサの等価直列インダクタンスを低く抑えることができ、高周波での挿入損失を低下させることができると共に、コイル部品の抗折強度を確保しつつ誘電率を低下させて浮遊容量を抑制することができ、広帯域な透過特性を得ることができる。この結果、少ない素子数で高周波帯域に亘って低挿入損失の特性を得ることができる。また、素子数が少ないから、帯域選択透過回路を小型化することができると共に、製造コストを低減することができる。
【0154】
請求項2の発明によれば、コイル部品のセラミック焼結体は、セラミック原料と、バインダーと、球状または粉粉体状でバインダーに対する接着性を有する焼失材とを配合してなる配合セラミック原料の成形体を焼成することにより、35vol%以上の空孔を形成する構成としたから、所望の磁性特性を備え、浮遊容量が少なく、所望の特性を備えた信頼性の高いコイル部品を提供することができ、帯域選択透過回路の信頼性を高めることができる。
【0155】
請求項3の発明によれば、コイル部品の樹脂またはガラスは、空孔を含む構成としたから、セラミック焼結体の誘電率をさらに低下させることが可能になり、高周波の信号に対して帯域選択透過回路の挿入損失を低下させることができる。
【0156】
請求項4の発明によれば、コイル部品のセラミック焼結体は、磁性体セラミックを用いる構成としたから、セラミック焼結体の機械的な強度の低下を招くことなく、誘電率を低下させて浮遊容量の発生を抑制することができ、所望の特性を備えた信頼性の高いコイル部品を提供することが可能になる。
【0157】
請求項5の発明によれば、インダクタ部は、コイル部品と他のコイル部品とを直列接続して構成としたから、インダクタ部に単一のコイル部品を用いた場合に比べて、低域側と高域側の帯域をさらに広げることができる。
【0158】
請求項6の発明によれば、インダクタ部のうちコンデンサ部に接続された端子とは異なる端子には直流成分を除去するDCカット回路を接続し、前記インダクタ部とDCカット回路との接続点にはグランドまたは直流電源を接続する構成としたから、接続点のインピーダンスに応じて、低周波側の挿入損失をさらに低下させることができ、より広帯域に亘って低挿入損失の特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による帯域選択透過回路を示す斜視図である。
【図2】図1中の帯域選択透過回路を示す平面図である。
【図3】図1中の帯域選択透過回路を示す回路図である。
【図4】図1中の積層コンデンサを示す拡大斜視図である。
【図5】図4中の積層コンデンサを示す正面図である。
【図6】図5中の矢示VI−VI方向からみた積層コンデンサを示す断面図である。
【図7】比較例による積層コンデンサを示す正面図である。
【図8】図4中の積層コンデンサによる引出電極間の距離aと垂直距離bとの関係を示す特性線図である。
【図9】図4中の積層コンデンサによる係数Kと等価直列インダクタンス(ESL)との関係を示す特性線図である。
【図10】図1中のチップコイル部品を示す拡大斜視図である。
【図11】図10中のチップコイル部品を分解して示す分解斜視図である。
【図12】図10中のチップコイル部品による周波数とインピーダンスとの関係を示す特性線図である。
【図13】図1中の帯域選択透過回路による10kHzから1GHzまでの周波数と反射係数、透過係数との関係を示す特性線図である。
【図14】図1中の帯域選択透過回路による500MHzから20GHzまでの周波数と反射係数、透過係数との関係を示す特性線図である。
【図15】比較例の帯域選択透過回路による10kHzから1GHzまでの周波数と反射係数、透過係数との関係を示す特性線図である。
【図16】比較例の帯域選択透過回路による500MHzから20GHzまでの周波数と反射係数、透過係数との関係を示す特性線図である。
【図17】第2の実施の形態によるチップコイル部品を示す拡大斜視図である。
【図18】図17中のチップコイル部品による周波数とインピーダンスとの関係を示す特性線図である。
【図19】第3の実施の形態によるチップコイル部品を示す拡大斜視図である。
【図20】第4の実施の形態による帯域選択透過回路を示す回路図である。
【図21】図20中の帯域選択透過回路による10kHzから1GHzまでの周波数と反射係数、透過係数との関係を示す特性線図である。
【図22】図20中の帯域選択透過回路による500MHzから20GHzまでの周波数と反射係数、透過係数との関係を示す特性線図である。
【図23】第5の実施の形態による帯域選択透過回路を示す平面図である。
【図24】図23中の帯域選択透過回路を示す回路図である。
【図25】図23中の帯域選択透過回路による10kHzから1GHzまでの周波数と反射係数、透過係数との関係を示す特性線図である。
【図26】第6の実施の形態による帯域選択透過回路を示す回路図である。
【図27】第1の変形例による積層コンデンサを示す正面図である。
【図28】第2の変形例による積層コンデンサを示す正面図である。
【図29】第3の変形例による積層コンデンサを示す正面図である。
【図30】第4の変形例による積層コンデンサを示す正面図である。
【図31】第5の変形例による積層コンデンサを示す正面図である。
【図32】第6の変形例による積層コンデンサを示す正面図である。
【符号の説明】
1,61,71,81 帯域選択透過回路
3 入力端子
4 出力端子
5 端子
11 積層コンデンサ
12 誘電体層
13 積層体
14 第1の内部電極
15 第2の内部電極
16,93,99 第1の外部電極
17,94,100 第2の外部電極
18,91,95,101,103 第1の引出電極
19,92,96,102,104 第2の引出電極
21,41,51 チップコイル部品(コイル部品)
23 セラミック焼結体
24 コイル電極
25 コイル
26 ガラス
42,52 エポキシ樹脂(樹脂)
31 巻線型コイル部品
72 DCカット機能回路
73 抵抗
74 コンデンサ
82 コンデンサ
83 コイル部品
97,98 他の引出電極

Claims (6)

  1. 入力端子と出力端子との間に直列に接続されたコンデンサ部と、該コンデンサ部の入力側または出力側のいずれか一方に片方の端子が接続されたインダクタ部とを備えた帯域選択透過回路において、
    前記コンデンサ部は、誘電体層を挟んで互いに対向して設けられ静電容量を形成する第1,第2の内部電極と、該各内部電極と直交する前記誘電体層の実装面に設けられた第1,第2の外部電極と、前記第1の内部電極を該第1の外部電極に接続する第1の引出電極と、前記第2の内部電極を前記第2の外部電極に接続する第2の引出電極とを備えた積層コンデンサを用いて構成し、
    前記積層コンデンサの第1,第2の引出電極の距離aと、第1の内部電極から実装面までの距離b1と、第2の内部電極から実装面までの距離b2との関係が以下の式を満足する構成とし、
    1.64a+(b1+b2)≦0.85
    但し、a、b1、b2の単位はmm
    前記インダクタ部は、35vol%以上の割合で空孔を含むセラミック焼結体と、該セラミック焼結体の内部に配置されたコイル電極と、前記セラミック焼結体に塗布もしくは含浸された樹脂またはガラスとを備えたコイル部品を用いて構成したことを特徴とする帯域選択透過回路。
  2. 前記コイル部品のセラミック焼結体は、セラミック原料と、バインダーと、球状または粉粉体状でバインダーに対する接着性を有する焼失材とを配合してなる配合セラミック原料の成形体を焼成することにより、35vol%以上の空孔を形成してなる請求項1に記載の帯域選択透過回路。
  3. 前記コイル部品の樹脂またはガラスは、空孔を含む構成としてなる請求項1または2に記載の帯域選択透過回路。
  4. 前記コイル部品のセラミック焼結体は、磁性体セラミックを用いて形成してなる請求項1,2または3に記載の帯域選択透過回路。
  5. 前記インダクタ部は、前記コイル部品と他のコイル部品とを直列接続して構成してなる請求項1,2,3または4に記載の帯域選択透過回路。
  6. 前記インダクタ部のうちコンデンサ部に接続された端子とは異なる端子には直流成分を除去するDCカット回路を接続し、前記インダクタ部とDCカット回路との接続点にはグランドまたは直流電源を接続する構成としてなる請求項1,2,3,4または5に記載の帯域選択透過回路。
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