JP2004350015A - 水晶振動片とその製造方法及び水晶振動片を利用した水晶デバイス、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話装置および水晶デバイスを利用した電子機器 - Google Patents

水晶振動片とその製造方法及び水晶振動片を利用した水晶デバイス、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話装置および水晶デバイスを利用した電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】水晶振動片の振動腕が屈曲振動する際のZ’方向の変位を小さくして、CI値の上昇を抑制することができる水晶振動片とその製造方法及び、この水晶振動片をパッケージに収容した水晶デバイス、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話と電子機器を提供すること。
【解決手段】全体が水晶により形成され、基部51と、この基部から平行に延びる一対の振動腕34,35とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部56,56,57,57を有する水晶振動片であって、前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶振動片とその製造方法及び、この水晶振動片をパッケージに収容した水晶デバイス、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話と電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、パッケージ内に水晶振動片を収容した水晶振動子や水晶発振器等の水晶デバイスが広く使用されている。
図16は、このような水晶デバイスに使用される水晶振動片の公知の構成例を示す概略図であり、(a)はその平面(表面)図、(b)はその底面(裏面)図である(特許文献1参照)。
【0003】
これらの図において、水晶振動片3は、例えば水晶の単結晶から切り出され音叉型に加工されて形成されている。このとき、図16に示すX軸が電気軸、Y’軸が機械軸及びZ’軸が光軸となるように水晶の単結晶から切り出されることになる。
また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y’軸及びZ’軸からなる直交座標系において、X軸回りに、X軸とY’軸とからなるXY’平面を反時計方向に約1度乃至5度傾けて形成される。
このような水晶材料でなるウエハをエッチングすることにより図示の形状が形成されている。この場合、水晶振動片3は、基部5と、この基部5から平行に延びる一対の振動腕6,7を備える音叉型水晶片で構成されている。
【0004】
水晶振動片3の基部5は、図示しないパッケージ側の電極部に対して固定されている。振動腕6,7には、図16のA−A線切断端面図である図17に示すように、長さ方向に延びる溝部9,10がそれぞれ形成されており、さらにこの振動腕6,7の表面には、励振電極が形成されている(図示せず)。この励振電極に対して外部から駆動電圧を印加することにより、振動腕6,7はその先端側6a,7aを互いに接近、離間するように振動する。このような振動に基づく振動周波数を取り出すことにより、制御用のクロック信号等の各種信号に利用されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−261575
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構造の水晶振動片3は、図17に示されているように、各振動腕6,7の上面及び下面に、それぞれ溝部9,9,10,10を形成して、各溝部9,9,10,10内にも励振電極(図示せず)を設けることで、電界効率を向上させて、優れた振動性能を得るようにしている。
そして、このような形状を有する水晶振動片3を形成するためには、その外形を水晶のウエットエッチングにより形成し、さらに、各振動腕6,7の溝部9,9,10,10をエッチング液を用いてハーフエッチングにより形成する製造工程が採用されている。
【0007】
図18は図16のB−B線切断端面図であり、ウエットエッチングにより形成された溝部9にあっては、基部5側の端部における表面側(+Z’側)と、裏面側(−Z’側)との構造を比較すると、水晶のエッチング異方性に基づいて、裏面側(−Z’側)に傾斜角度の大きな傾斜面9aが形成される。
【0008】
このため、傾斜面9aが形成された箇所の垂直断面においては、表面側の領域OCよりも裏面側の領域UCの断面積が大きくなることから、図18のZ’方向に関して、表側(+Z’側)と裏面側(−Z’側)とで剛性が異なり、振動腕6,7が屈曲振動する際に、Z’方向の変位が大きくなってしまい、その結果、クリスタルインピーダンス(CI)値が大きくなるという問題がある。
特に、小型の水晶振動片の場合には、もともとCI値が大きくなる傾向があることから、できるだけCI値を抑制する必要がある。
【0009】
本発明は、水晶振動片の振動腕が屈曲振動する際のZ’方向の変位を小さくして、CI値の上昇を抑制することができる水晶振動片とその製造方法及び、この水晶振動片をパッケージに収容した水晶デバイス、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話と電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、第1の発明によれば、全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている、水晶振動片により、達成される。
第1の発明の構成によれば、水晶振動片の振動腕には、その表面と裏面とに溝部が形成されており、この溝部の前記基部側の端部の構成について、前記表面と裏面とで、剛性がほぼ一致する構造とされている。このため、複数の振動腕が水平方向に変位して屈曲振動する場合に、この水平方向と直交するZ’方向への変位が生じにくくなる。
かくして、本発明の水晶振動片は、振動腕が屈曲振動する際のZ’方向の変位を小さくして、CI値の上昇を抑制することができるという効果を発揮する。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の厚み方向の断面において、中心から表面側の断面積と、前記中心から裏面側の断面積とが、ほぼ同じとなるように構成されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、その前記基部側の端部において、厚み方向の変位に関して、前記中心から表面側と、前記中心から裏面側の断面二次モーメントをほぼ一致させることができる。これにより、前記表面と裏面とで、剛性をほぼ一致させることができる。
【0012】
第3の発明は、第1または2のいずれかの発明の構成において、前記裏面側の溝部は、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部が長くなるように形成されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、水晶振動片の各振動腕の溝部に関して、振動腕の表面側の溝部の基端側の端部を長くしている。このため、ウエットエッチングにより溝部を設けた場合に、エッチング異方性に基づいて裏面側の溝部に形成される大きな傾斜角の傾斜面は、長さ方向に沿って基部側に移動することから、表面側の溝部の基部側の端部付近の位置では、振動腕の裏面側では、前記傾斜面が存在しなくなる。このため、振動腕の垂直断面においては、表面側の領域と裏面側の領域の断面積が、表面側の溝部の基部側の端部付近ではほぼ等しくなることから、表面側と裏面側とで、Z’方向の剛性をほぼ一致させることができる。
【0013】
第4の発明は、第1または2のいずれかの発明の構成において、前記裏面側の溝部は、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部の幅が大きく形成されていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、振動腕の表面側の溝部の基部側の端部付近において、裏面側では、溝部の幅が大きくなった分だけ、断面積が減少されている。この断面積の減少により、ウエットエッチングにより溝部を設けた場合に、エッチング異方性に基づいて裏面側の溝部に形成される大きな傾斜角の傾斜面が存在することによる断面積の増加分が相殺されて、振動腕の垂直断面においては、表面側の領域と裏面側の領域の断面積が、表面側の溝部の基部側の端部付近ではほぼ等しくなることから、表面側と裏面側とで、Z’方向の剛性をほぼ一致させることができる。
【0014】
上述の目的は、第5の発明によれば、ケースまたはパッケージ内に水晶振動片を収容した水晶デバイスであって、前記水晶振動片は、全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている、水晶デバイスにより、達成される。
【0015】
第5の発明の構成によれば、ケースまたはパッケージに収容される水晶振動片を小型に形成した場合にも、水晶振動片の振動腕には、その表面と裏面とに溝部が形成されており、この溝部に電極を形成することで電界効率を高めるようにされている。この場合、水晶振動片の各振動腕の溝部の前記基部側の端部の構成について、前記表面と裏面とで、剛性がほぼ一致する構造とされている。このため、複数の振動腕が水平方向に変位して屈曲振動する場合に、この水平方向と直交するZ’方向への変位が生じにくくなる。
これにより、小型でCI値が低い水晶振動片を利用しているので、これを収容するためのパッケージやケースを小型にすることができ、小型で高性能な水晶デバイスを得ることができる。
【0016】
上述の目的は、第6の発明によれば、水晶材料でなる基板の表面に、耐蝕膜を形成する工程と、前記耐蝕膜に重ねてレジストを塗布する工程と、前記レジスト及び前記耐蝕膜をウエットエッチングして、外形形成用マスクを作り、水晶材料をウエットエッチングすることにより、前記水晶振動片の外形形状を形成する外形形成工程と、さらに、振動腕に形成される溝部に対応した形状に適合するように溝形成用マスクを形成して、水晶材料をハーフエッチングすることにより溝部を形成する溝形成工程と、前記水晶振動片の外形と各振動腕の表面および裏面に前記溝部を形成した後に、必要な電極膜を形成する工程とを含んでおり、前記溝形成工程において、各振動腕の表面および裏面に設ける前記溝部の前記基部側の端部の剛性が、前記振動腕の表面と裏面とでほぼ一致する構造となるように形成する、水晶振動片の製造方法により、達成される。
【0017】
第6の発明の構成によれば、ウエットエッチングの手法を用いて、水晶振動片の外形と振動腕の溝部の外形とを形成する際のマスクを、前記耐蝕膜により設ける工程では、各振動腕の表面および裏面に設ける前記溝部の前記基部側の端部の剛性が、前記振動腕の表面と裏面とでほぼ一致する構造となるようにマスク形成する。これにより、形成された前記溝部の前記基部側の端部の構成について、前記表面と裏面とで、剛性がほぼ一致する構造とされることから、複数の振動腕が水平方向に変位して屈曲振動する場合に、この水平方向と直交するZ’方向への変位が生じにくくなる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明の構成において、前記裏面側の溝部が、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部が長くなるように形成されることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、前記マスクの前記溝部に対応した箇所に関して、前記振動腕の前記裏面側の溝部が、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部が長くなるようにする。これにより振動腕の表面側と裏面側に形成される溝部に関して、エッチング異方性に基づいて裏面側の溝部に形成される大きな傾斜角の傾斜面を、長さ方向に沿って基部側に移動させることができる。このため、表面側の溝部の基部側の端部付近において、振動腕の裏面側では、前記傾斜面が存在しなくなる。これにより、振動腕の垂直断面においては、図18で説明した表面側の領域と裏面側の領域の断面積が、表面側の溝部の基部側の端部付近ではほぼ等しくなることから、表面側と裏面側とで、Z’方向の剛性をほぼ一致させることができる。
【0019】
第8の発明は、第6の発明の構成において、前記裏面側の溝部が、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部の幅が大きく形成されることを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、前記マスクの前記溝部の前記基部側の端部に対応した箇所に関して、表面側と裏面側で、幅を変えて、裏面側の溝部を幅広にする。これにより、振動腕の表面側の溝部の基部側の端部付近において、裏面側では、溝部の幅が大きくなった分だけ、断面積が減少され、この断面積の減少により、エッチング異方性に基づいて裏面側の溝部に形成される大きな傾斜角の傾斜面が存在することによる断面積の増加分が相殺される。このため、振動腕の垂直断面においては、図18で説明した表面側の領域と裏面側の領域の断面積が、表面側の溝部の基部側の端部付近ではほぼ等しくなることから、表面側と裏面側とで、Z’方向の剛性をほぼ一致させることができる。
【0020】
また、上述の目的は、第9の発明によれば、パッケージ内に水晶振動片を収容した水晶デバイスを利用した携帯電話装置であって、前記水晶振動片が、全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている水晶デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした携帯電話装置により、達成される。
【0021】
また、上述の目的は、第10の発明によれば、パッケージ内に水晶振動片を収容した水晶デバイスを利用した電子機器であって、前記水晶振動片が、全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている水晶デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした電子機器により、達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の水晶デバイスの実施の形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のD−D線概略断面図である。
図において、水晶デバイス20は、水晶振動子を構成した例を示しており、この水晶デバイス20は、パッケージ36内に水晶振動片32を収容している。パッケージ36は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間S2を形成するようにされている。
この内部空間S2が水晶振動片を収容するための収容空間である。
すなわち、図2に示されているように、この実施形態では、パッケージ36は、例えば、下から第1の積層基板52、第2の積層基板53を重ねて形成されている。
【0023】
パッケージ36の内部空間S2内の図において左端部付近において、内部空間S2に露出して内側底部を構成する第1の積層基板52には、例えば、タングステンメタライズ上にニッケルメッキ及び金メッキで形成した電極部31,31が設けられている。
この電極部31,31は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものである。この各電極部31,31の上に導電性接着剤43,43が塗布され、この導電性接着剤43,43の上に水晶振動片32の基部51が載置されて、導電性接着剤43,43が硬化されるようになっている。尚、導電性接着剤43,43としては、接合力を発揮する接着剤成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させたものが使用でき、シリコーン系、エポキシ系またはポリイミド系導電性接着剤等を利用することができる。
【0024】
パッケージ36の開放された上端には、ロウ材33を用いて蓋体39が接合されることにより、封止されている。蓋体39は、好ましくは、パッケージ36に封止固定した後で、図2に示すように、外部からレーザ光L2を水晶振動片32の後述する金属被覆部に照射して、質量削減方式により周波数調整を行うために、光を透過する材料,特に、薄板ガラスにより形成されている。
蓋体39として適するガラス材料としては、例えば、ダウンドロー法により製造される薄板ガラスとして、例えば、硼珪酸ガラスが使用される。
【0025】
水晶振動片32は、後述する製造工程により水晶をエッチングして形成されており、本実施形態の場合、水晶振動片32は、小型に形成して、必要な性能を得るために、特に図1で示す形状とされている。
すなわち、水晶振動片32は、図1に示すX軸が電気軸、Y’軸が機械軸及びZ’軸が光軸となるように水晶の単結晶から切り出された水晶ウエハをウエットエッチングして形成されている。水晶振動片32は、パッケージ36側と後述するようにして固定される基部51と、この基部51を基端として、図において右方に向けて、二股に別れて平行に延びる複数の振動腕、特に一対の振動腕34,35を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型水晶振動片が利用されている。
【0026】
図1に示されているように、基部51の振動腕34,35側端部には、幅方向に凹状とされた切欠き部51a,51aが形成されている。各振動腕34,35の基端部は僅かに外方に突出している。
これにより、各振動腕34,35からの基部51側への振動の漏れ込みを防止するようにされている。
【0027】
図1および、この図1のE−E線切断端面図である図3に示すように、水晶振動片32の各振動腕34,35の表面および裏面には、それぞれ長さ方向に延びる溝部が形成されている。この各溝部は表面側である+Z’側が溝部56,56、裏面側である−Z’側が溝部57,57とされており、これら溝部56と溝部57の深さは同じである。
また、後述するウエットエッチングにより、溝部56と溝部57を形成することにより、図3に示すように、各振動腕34,35の右側面には、水晶のエッチングによる異方性に基づいて、突起もしくはヒレ状の異形形状部65,65が形成されている。
【0028】
さらに、図1において、水晶振動片32の基部51の幅方向両端付近には、引出し電極58,59が形成されている。各引出し電極58,59は、水晶振動片32の基部51の裏面にも同様に形成されている。
これらの各引出し電極58,59は、上述したように図1に示されているパッケージ側の電極部31,31と導電性接着剤43,43により接続される部分である。そして、各引出し電極58,59は、各振動腕34,35の溝部56,57内に設けた励振電極と接続されている。
【0029】
すなわち、図1及び図3に示すように、各振動腕34,35の溝部56,57内には、電極が形成されている。具体的には、振動腕34の溝部56および57内には、励振電極63,63が、振動腕34の両側面には、これと対となる励振電極64,64とが形成されている。一方、振動腕35の溝部56および57内には、励振電極64,64が、振動腕35の両側面には、これと対となる励振電極63,63とが形成されている。
これら励振電極63と励振電極64は、それぞれ対応する図1の引出し電極58,59に接続されている。そして励振電極63と励振電極64は、各溝部56,57の各壁部を構成する水晶材料を挟んで対向するように形成されることにより、引出し電極58,59を介して印加された駆動電圧の作用で励振電極63と励振電極64に挟まれた水晶材料に電界を生じることができ、これにより、効率的に振動腕35の屈曲振動を生じるようにされている。
【0030】
図4は水晶振動片32を示しており、(a)は水晶振動片32の表面側を示す概略平面図、(b)は水晶振動片32の裏面側を示す概略底面図である。これらの図では引出し電極と励振電極の図示を省略している。
図示されているように、裏面側の溝部57,57は、表面側の溝部56,56よりも長く、特に、裏面側の溝部57,57の基部51側の端部が、基部51の外縁端部51bの方向に向けて、長さ方向に沿って、ALの分だけ延長されている。
【0031】
この結果、図5に示すように、後述するウエットエッチングにより溝部を設けると、裏面側に形成される溝部57内の大きな傾斜角の傾斜面57aは、長さ方向に沿って基部側に移動することから、表面側の溝部56の基部側の端部付近(図5の溝部56の左端付近)の位置では、振動腕の裏面側の溝部57内には、傾斜面57aが存在しなくなる。このため、図5の溝部56の左端付近における振動腕の垂直断面(厚み方向の断面)においては、厚み方向の中心線NCに関して、表面側の領域ONCと裏面側の領域UNCの断面積が、ほぼ等しくなる。このため、厚み方向の変位に関して、中心線NCから表面側と、中心線NCから裏面側の断面二次モーメントをほぼ一致させることができる。
したがって、図2の矢印Gで示すような振動腕のZ’方向の変位において問題となるZ’方向の剛性を、表面側と裏面側とでほぼ一致させることができる。
【0032】
このため、図1の水晶振動片32においては、振動腕34,35が水平方向に変位して屈曲振動する場合に、この水平方向と直交するZ’方向への変位が生じにくくなり、屈曲振動する際のZ’方向の変位を小さくして、CI値の上昇を抑制することができる。
【0033】
次に、図6ないし図8は、本実施形態の水晶振動片32の製造方法の一例を説明するための工程図であり、各工程は、上述した図3の振動腕34,35の切断面のうち、一方の振動腕35に対応した領域についてだけ工程順に示されているが、振動腕34,35を含む水晶振動片32の全体について同様に進行するものである。
【0034】
これらの図を参照して、水晶振動片32の好ましい製造方法を説明する。
図6(a)において、水晶振動片32を複数もしくは多数分離することができる大きさの水晶材料でなる基板71を用意する。基板71は、例えば水晶の単結晶から切り出され、以下で説明するようにして音叉型に加工されて形成される。先ず、基板71は、図1に示すX軸が電気軸、Y’軸が機械軸及びZ’軸が光軸となるように水晶の単結晶から切り出される水晶ウエハが使用される。また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y’軸及びZ’軸からなる直交座標系において、X軸回りに、X軸とY’軸とからなるXY’平面を時計方向に約マイナス5度乃至プラス5度傾けて形成される。
【0035】
(耐蝕膜の形成工程)
次に、図6(b)に示すように、基板71の表面(表裏面)に、スパッタリングもしくは蒸着等の手法により、耐蝕膜72を形成する。図示されているように、水晶基板71の表裏両面に耐蝕膜72が形成され、耐蝕膜72は、例えば、下地層としてのクロム層72aと、その上に被覆される金被覆層72bで構成される。
尚、以下の工程では、基板71の図6において上下両面に同一の加工が行われるので、煩雑さを避けるため、上面についてだけ説明する。
【0036】
(外形形成エッチング工程)
図6(c)に示すように、全面にレジスト73を塗布する(レジストの塗布工程)。そして、図6(d)に示すように、外形パターニングのためにレジスト73の上にマスク74を配置する。
マスク74は、図示された外側の縁部が、振動腕の外形に対応している。
かくして、図6(d)に示すように、外形パターニングのためにレジスト73の上にマスク74を配置し、露光後、図6(e)に示すように、感光したレジスト73を除去する。勿論、フォトリソグラフィの手法に基づき、ネガとポジの両方の手法を選択する場合には、マスク74の開口部とその周囲との関係は反対となる。
【0037】
次に、図7(f)に示すように、除去したレジスト部分に対応してAu,Crの順に耐蝕膜である金属被覆層を除去する。そして、図7(g)に示すように、レジストを除去して露出した耐蝕膜72,72の幅方向の外縁(図において左右の外縁)が外形形成用マスクとして残す。
次いで、外形形成エッチングを行う前に、耐蝕膜72,72をさらに加工して、溝形成用のマスクを作る。
すなわち、図7(h)に示すように、レジスト75を表面に塗布し、図7(i)に示すように、溝幅W1を設けたマスク76,76を配置する。
続いて、図7(j)に示すように、マスク76,76から露出したレジスト75を除去して、マスク76,76を除去する。
【0038】
次いで、図8(k)に示すように、基板71の露出した水晶材料をウエットエッチングにより除去する。つまり、例えば、フッ酸溶液をエッチング液として、水晶振動片の外形のエッチングを行う。この外形形成エッチング工程は、100分ないし200分程度である。この所要時間はフッ酸溶液の濃度や種類、温度等により変化する。この実施形態では、エッチング液として、フッ酸、フッ化アンモニウムを用いて、その濃度として容量比1:1、温度65度±1度(摂氏)の条件により、外形形成エッチング工程が完了する。
なお、この工程で、水晶のエッチング異方性により振動腕の側面にヒレ状の異形形状部65が形成される。
【0039】
(溝形成工程)
次に、図8(l)に示すように、露出した耐蝕膜72をエッチングにより除去して、図7(i)で説明した溝幅W1を有するようにされた耐蝕膜72でなる溝形成用マスクを作る。
次いで、図8(m)に示すように、フッ酸溶液をエッチング液として、水晶振動片の溝部のハーフエッチングを行う。このハーフエッチング工程は、外形エッチングにおけるエッチング液や温度の条件と同一にして、例えば、32.5分(±5分)程度要する。
したがって、この図8(l)の工程で作られる耐蝕膜72でなる溝形成用マスクを、図4で説明したように、振動腕の表面側と裏面側とで長さを異ならせれば、図5で説明したような長さの異なる溝部56と溝部57とを形成することができる。
【0040】
(電極膜の形成工程)
続いて、水晶振動片32の電極を形成する。
すなわち、図8(n)に示す電極が形成されていない振動腕(水晶片)の全外面に、スパッタリング等によって、電極となる金属で電極膜を形成する(図示せず)。電極膜は、例えば、Crを下地層として、Auを被覆する。
次に、その外側に例えば、スプレー方式により、レジストを塗布し、パターニングを行い、露光により感光していないレジストを除去する。
そして、レジストが除去されることにより露出した電極膜についてAu、Crの順にエッチングにより除去する。
これにより、図3で説明したような励振電極63と励振電極64が形成された水晶振動片が完成する。なお、図6ないし図8では、振動腕35の断面だけが示されている。
【0041】
図9は、上述の製造工程により形成した水晶振動片32と、従来の水晶振動片について、屈曲振動の際におけるZ’方向の変位量を比較したグラフである。図示されているように、本実施形態では、従来と比べてZ’方向の変位量が著しく小さくなることから、CI値を抑制することができる。
【0042】
図10は、本発明の水晶振動片の第2の実施形態を示しており、(a)は水晶振動片22の表面側を示す概略平面図、(b)は水晶振動片22の裏面側を示す概略底面図である。これらの図では引出し電極と励振電極の図示を省略している。
また、図11は図10(a)のH−H線切断端面図である。
これらの図において、水晶振動片22にあっては、第1の実施形態の水晶振動片32と共通する符号を付した箇所は同一の構成であるから重複する説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0043】
図10に示されているように、水晶振動片22においては、各振動腕34,35の表面側の溝部56,56の幅GW1,GW1よりも、裏面側の溝部21,21は、基部51側の端部付近の部分23,23の幅GW2,GW2が大きく形成されている。
このため、裏面側において、溝部21の部分23において幅が大きくなった分だけ、他の領域と比べて厚み方向の切断断面積が減少されている。この断面積の減少により、ウエットエッチングにて溝部56,56,21,21を設けた場合に、エッチング異方性に基づいて裏面側の溝部に形成される大きな傾斜角の傾斜面21a(図11参照)が存在することによる断面積の増加分が相殺される。
【0044】
つまり、図11の溝部56,21の左端付近における振動腕の垂直断面においては、厚み方向の中心線NCに関して、表面側の領域ONCと裏面側の領域UNCの断面積が、ほぼ等しくなる。したがって、図5の場合と同様に、図2の矢印Gで示すような振動腕のZ’方向の変位において問題となるZ’方向の剛性を、表面側と裏面側とでほぼ一致させることができる。
その他の作用効果は、第1の実施形態と同じである。
【0045】
図12は、本発明の水晶振動片の第3の実施形態を示しており、振動腕のZ’方向の変位において問題となるZ’方向の剛性を、表面側と裏面側とでほぼ一致させるための構成の要部を示す図である。
第3の実施形態では、図12に示す構成以外は第1の実施形態と同じであるから、重複する説明は省略して、相違点だけを説明する。
【0046】
図12は、ひとつの振動腕の基部付近を長さ方向に切断して一部を示す図である。
振動腕の表面側の溝部56−1の深さD1は、裏面側の溝部57−1の深さD2よりも小さくなるようにされている。これにより、厚み方向の中心線NCに関して、表面側の領域ONCと裏面側の領域UNCの厚み方向の断面積が、ほぼ等しくなる。したがって、図5の場合と同様に、図2の矢印Gで示すような振動腕のZ’方向の変位において問題となるZ’方向の剛性を、表面側と裏面側とでほぼ一致させることができる。
その他の作用効果は、第1の実施形態と同じである。
【0047】
図13は、本発明による第4の実施形態としての水晶振動片であるジャイロセンサの概略構成を示す概略平面図であり、図14は図13のI−I線切断端面図である。
図13において、X方向は水晶の電気軸、Y’方向は水晶の機械軸、Z’方向は水晶の光軸(成長軸)を示している。
図13において、ジャイロセンサ80は、センサ本体81が、パッケージ98内に収容されており、このパッケージ98内は、第1の実施形態で説明したのとほぼ同様に、センサ本体81を収容できる形態の箱状に形成されており、センサ本体81を励振する励振回路等の駆動手段と、センサ本体81からの振動を検出する回路等を備えている(図示せず)。
【0048】
センサ本体81は、水晶をエッチングして第1の実施形態の水晶振動片と同じ工程により形成されている。つまり、センサ本体81は、第1の実施形態の水晶振動片32と形状は異なるが同じ製造工程により、後述する外形と溝部とを形成することができる。
図13において、センサ本体81の左右の方向に長い基部82は、パッケージ98に対して固定されている。
【0049】
基部82の左右の端部付近を起点として、基部82の延びる方向と直交する方向で、かつ図13の上方に向かって励振用振動腕84,84が平行に延びている。また、基部82の左右の端部付近を起点として、基部82の延びる方向と直交する方向で、かつ図13の下方に向かって検出用振動腕85,85が平行に延びている。
【0050】
そして、各励振用振動腕84,84の表面側には、それぞれ長さ方向に並んだ長い溝部56,56が設けられており、図14に示されているように、裏面側には、溝部57,57が設けられている。これらの各溝部には、第1の実施形態と同様に励振電極が形成されている(図示せず)。
【0051】
図13において、ジャイロセンサ80の励振用振動腕84,84は、駆動手段としての図示しない励振回路から、駆動用電圧が印加されることにより、矢印E,Eに示すように、その先端部どうしが接近したり離間したりするようにして振動する。この際に、図13に示すように、Y’軸回りに回転角速度ωが働くと、励振用振動腕84,84は、X軸方向の振動の方向と、回転角速度ωとのベクトル積の方向に働くコリオリの力Fcを受けて、次式にしたがって、Y’軸に沿って(プラスY方向とマイナスY方向に交互に)振動するようになっている(ウオーク振動)。この振動は基部82を介して検出用振動腕85,85に伝えられる。
Fc=2mV・ω(mは、励振用振動腕84,84の振動部分の質量、Vは励振用振動腕84,84の速度)・・・・・・(1)式
【0052】
検出用振動腕85の振動に基づく電界は、図示しない検出用電極により信号として取り出され、かくして回転角速度ωの検出を行うことができる。
したがって、本実施形態によれば、励振用振動腕84,84にそれぞれ溝部56,56,57,57を形成するに際して、例えば、第1の実施形態と同様に、溝部57,57だけを支持部側に向かって延長することができる。これにより、図5で説明したのと同様に、図14に示すように、裏面側に形成される溝部57内の大きな傾斜角の傾斜面57aは、長さ方向に沿って支持部83側に移動する。このため、図14の溝部56の左端付近における振動腕の垂直断面(厚み方向の断面)においては、厚み方向の中心線NCに関して、表面側の領域ONCと裏面側の領域UNCの断面積が、ほぼ等しくなる。このため、厚み方向の変位に関して、中心線NCから表面側と、中心線NCから裏面側の断面二次モーメントをほぼ一致させることができる。
したがって、図2の矢印Gで示すような振動腕のZ’方向の変位において問題となるZ’方向の剛性を、表面側と裏面側とでほぼ一致させることができるので、Z’方向の変位を少なくし、検出信号のS/N比を改善することができるとともに、CI値を低減することができる。
【0053】
図15は、本発明の上述した実施形態に係る水晶デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるコントローラ(CPU)301を備えている。
コントローラ301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段であるメモリ303の制御を行うようになっている。このため、コントローラ301には、水晶デバイス20が取り付けられて、その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。このコントローラ301に取付けられる水晶デバイス20は、水晶デバイス20単体でなくても、水晶デバイス20と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器であってもよい。
【0054】
コントローラ301は、さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続されている。これにより、コントローラ301からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部307及び受信部306に与えられるようになっている。
このように、デジタル式携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る水晶デバイス20を利用することにより、CI値を抑制するができ信頼性の高いデジタル式携帯電話装置300を得ることができる。
【0055】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、パッケージ内に水晶振動片を収容するものであれば、水晶振動子、水晶発振器等の名称にかかわらず、全ての水晶デバイスに適用することができる。
さらに、上述の実施形態では、パッケージに水晶材料を使用した箱状のものを利用しているが、このような形態に限らず、金属やセラミックのシリンダー状のケースに水晶振動片を収容するもの等、いかなるパッケージやケースを伴うものについても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水晶デバイスの第1の実施形態を示す概略平面図。
【図2】図1のD−D線概略断面図。
【図3】図1のE−E線切断端面図。
【図4】図1の水晶デバイスに収容される水晶振動片を示す図であり、(a)は水晶振動片の表面側を示す概略平面図、(b)は水晶振動片の裏面側を示す概略底面図。
【図5】図4のF−F線切断端面図。
【図6】図1の水晶振動片の製造工程を順番に示す概略断面図。
【図7】図1の水晶振動片の製造工程を順番に示す概略断面図。
【図8】図1の水晶振動片の製造工程を順番に示す概略断面図。
【図9】図1の水晶振動片と従来の水晶振動片の屈曲振動の際のZ’方向変位量を比較したグラフ。
【図10】第2の実施形態に係る水晶振動片を示す図であり、(a)は水晶振動片の表面側を示す概略平面図、(b)は水晶振動片の裏面側を示す概略底面図。
【図11】図10のH−H線切断端面図。
【図12】第3の実施形態に係る水晶振動片の要部を示す部分切断端面図。
【図13】本発明による第4の実施形態としての水晶振動片であるジャイロセンサの概略構成を示す概略平面図。
【図14】図13のI−I線切断端面図。
【図15】本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図16】従来の水晶振動片を示す図であり、(a)は水晶振動片の表面側を示す概略平面図、(b)は水晶振動片の裏面側を示す概略底面図。
【図17】図16のA−A線切断端面図。
【図18】図16のB−B線切断端面図。
【符号の説明】
30・・・水晶デバイス、32・・・水晶振動片 、34,35・・・振動腕、56,57・・・溝部、65・・・異形形状。

Claims (10)

  1. 全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、
    前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている
    ことを特徴とする、水晶振動片。
  2. 前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の厚み方向の断面において、中心から表面側の断面積と、前記中心から裏面側の断面積とが、ほぼ同じとなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動片。
  3. 前記裏面側の溝部は、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部が長くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水晶振動片。
  4. 前記裏面側の溝部は、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部の幅が大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水晶振動片。
  5. ケースまたはパッケージ内に水晶振動片を収容した水晶デバイスであって、
    前記水晶振動片は、
    全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、
    前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている
    ことを特徴とする、水晶デバイス。
  6. 水晶材料でなる基板の表面に、耐蝕膜を形成する工程と、
    前記耐蝕膜に重ねてレジストを塗布する工程と、
    前記レジスト及び前記耐蝕膜をウエットエッチングして、外形形成用マスクを作り、水晶材料をウエットエッチングすることにより、前記水晶振動片の外形形状を形成する外形形成工程と、
    さらに、振動腕に形成される溝部に対応した形状に適合するように溝形成用マスクを形成して、水晶材料をハーフエッチングすることにより溝部を形成する溝形成工程と、
    前記水晶振動片の外形と各振動腕の表面および裏面に前記溝部を形成した後に、必要な電極膜を形成する工程と
    を含んでおり、
    前記溝形成工程において、各振動腕の表面および裏面に設ける前記溝部の前記基部側の端部の剛性が、前記振動腕の表面と裏面とでほぼ一致する構造となるように形成する
    ことを特徴とする、水晶振動片の製造方法。
  7. 前記裏面側の溝部が、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部が長くなるように形成されることを特徴とする請求項6に記載の水晶振動片の製造方法。
  8. 前記裏面側の溝部が、前記表面側の溝部よりも、前記基部側の端部の幅が大きく形成されることを特徴とする請求項6に記載の水晶振動片の製造方法。
  9. パッケージ内に水晶振動片を収容した水晶デバイスを利用した携帯電話装置であって、
    前記水晶振動片が、
    全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、
    前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている水晶デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする、携帯電話装置。
  10. パッケージ内に水晶振動片を収容した水晶デバイスを利用した電子機器であって、
    前記水晶振動片が、
    全体が水晶により形成され、基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備え、各振動腕の表面と裏面に長さ方向に延びるようにエッチングにより形成された溝部を有する水晶振動片であって、
    前記振動腕の表面と裏面にそれぞれ形成されている前記溝部は、その前記基部側の端部の剛性が表面と裏面とでほぼ一致する構造とされている水晶デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする、電子機器。
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